JP7180497B2 - 自動運転制御装置 - Google Patents

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Description

本開示は、自動運転制御装置に関する。
自動運転制御装置は、自動運転車両による自動運転を制御するための装置である。このような自動運転制御装置の中には、自動運転中にドライバの体調悪化などの異常が検出される場合に、自動運転車両が退避走行するよう制御するものがある(例えば、特許文献1、2)。
特開2018-43705号公報 特開2018-30425号公報
このような自動運転制御装置によって制御された自動運転車両において、人の手動運転による車両もしくは歩行者が交通ルールを無視した場合に、それらの車両もしくは歩行者と自動運転車両との間で事故が発生することがある。しかし、従来の自動運転制御装置では、自動運転車両が事故にあった場合の制御について十分に考慮されていなかった。このため、自動運転車両の搭乗者自身は運転を実行していないことにより事故の発生に気付かなかった場合、自動運転車両が事故現場から走り去る虞がある。このような課題を解決するために、自動運転制御装置において、制御対象の自動運転車両が事故にあった場合に、適正な制御を実行できる技術が望まれている。
本開示の一形態によれば、自動運転制御装置が提供される。この自動運転制御装置は、自動運転車両に自動運転を実行させる自動運転制御装置(10)であって、前記自動運転車両が事故にあったことを認識する事故認識部から、前記自動運転車両が事故にあったことを示す事故発生信号を受信する信号受信部(11)と、前記信号受信部が前記事故発生信号を受信した場合に、前記自動運転車両に対して停車するよう指示する制御部(12)と、を備える。
前記信号受信部は、前記事故発生信号に加えて、前記事故があった後の前記自動運転車両の損傷状況についての情報を取得する。前記制御部は、前進、後退、ならびに左右方向への操舵を含む走行パターンであって、前記損傷状況から導出される、前記事故があった後の前記自動運転車両が可能な走行パターンの組み合わせに基づいて、前記自動運転車両が退避できるか否かを判断し、前記組み合わせに基づいて、前記自動運転車両が退避できると判断する場合には、前記自動運転車両に対して退避したのち停車するよう指示し、前記組み合わせに基づいて、前記自動運転車両が退避できないと判断する場合には、前記自動運転車両に対して停車するよう指示する。前記制御部は、前記判断において、前記自動運転車両に備えられたセンサからの情報に基づいて、前記自動運転車両が退避した後、停車できる広さを持っている退避領域を検出し、退避領域の位置を特定する処理を実行し、前記組み合わせと、検出された前記退避領域の位置と、に基づいて、前記自動運転車両が退避できるか否かを判断する。
この形態の自動運転制御装置によれば、自動運転車両が事故にあった場合に、自動運転車両に対して停車するよう指示することができる。このため、自動運転車両が事故現場から走り去ることを防止することができる。
本開示の形態は、自動運転制御装置に限るものではなく、例えば、自動運転制御装置を搭載した車両、車両の自動運転制御方法などの種々の形態に適用することも可能である。また、本開示は、前述の形態に何ら限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。
自動運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。 退避の可否判断について説明するための説明図である。 停車処理を示すフローである。 ドアロック状態切換処理を示すフローである。
A.第1実施形態:
図1に示す第1実施形態の自動運転制御装置10は、自動運転によって走行する自動運転車両に搭載され、該車両の自動運転を支援する。本実施形態では、自動運転制御装置10が搭載された車両を「自車両」と呼ぶこともある。本実施形態において、自動運転制御装置10は、マイコンやメモリを搭載したECU(Electronic Control Unit)により構成されている。本実施形態において、自車両は、エンジンを搭載した車両である。また、自車両は、自動運転と手動運転との切り替えを実行可能な車両である。ドライバ(運転者)は、インストルメントパネル等に用意された所定のスイッチによりかかる自動運転と手動運転とを切り替えることができる。「自動運転」とは、ドライバが運転操作を行うことなく、エンジン制御とブレーキ制御と操舵制御のすべてを自動で実行する運転を意味する。「手動運転」とは、エンジン制御のための操作(アクセルペダルの踏込)と、ブレーキ制御のための操作(ブレーキベダルの踏込)と、操舵制御のための操作(ステアリングホイールの回転)を、ドライバが実行する運転を意味する。
自動運転制御装置10は、車速センサ21、加速度センサ22、GNSS(Global Navigation Satellite System)センサ23、ヨーレートセンサ24、操舵角センサ25、撮像カメラ26、ミリ波レーダ27a、LiDAR(Light Detection And Ranging又はLaser Imaging Detection And Ranging)27bおよび通信部28とそれぞれ電気的に接続され、これらの各センサで得られた測定値および通信内容を取得し、かかる測定値および通信内容に基づき動作制御装置200に制御を指示する。
車速センサ21は、自車両の速度を検出する。加速度センサ22は、自車両の加速度を検出する。GNSSセンサ23は、例えば、GPS(Global Positioning System)センサにより構成され、GPSを構成する人工衛星から受信する電波に基づき、自車両の現在位置を検出する。ヨーレートセンサ24は、自車両のヨーレート(回転角速度)を検出する。操舵角センサ25は、自車両のステアリングホイール舵角を検出する。
撮像カメラ26は、自車両の前方に向けられ、撮像画像を取得する。撮像カメラ26には、自車両の前方に加えて自車両の後方および左右に向けられたものが含まれる。撮像カメラ26として、単眼カメラが用いられてもよい。また、2以上のカメラによって構成されるステレオカメラやマルチカメラが用いられてもよい。
ミリ波レーダ27aは、ミリ波帯の電波を用いて、自車両の前方周囲における物体の存否、かかる物体との自車両との距離、物体の位置および物体の自車両に対する相対速度を検出する。なお、ミリ波レーダ27aが検出する「物体」とは、より正確には、複数の検出点(物標)の集合である。LiDAR27bは、レーザを用いて自車両の前方周囲における物体の存否等を検出する。ミリ波レーダ27aおよびLiDAR27bには、自車両の前方に加えて自車両の後方および左右に向けられたものが含まれる。
通信部28は、他の車両との車車間通信を実行する。自車両は、車車間通信を実行することにより、自車両の状況や周囲の状況に関する状況情報を、他の車両等と交換できる。通信部28は、高度道路交通システム(Intelligent Transport System)との無線通信と、他の車両との車車間通信と、道路設備に設置された路側無線機との路車間通信とのうち少なくとも1つの通信を実行するものであってもよい。
動作制御装置200は、自車両の動作を制御する機能部である。本実施形態では、動作制御装置200は、エンジンECU201と、ブレーキECU202と、操舵ECU203とを備える。エンジンECU201は、エンジン211の動作を制御する。具体的には、図示しない各種アクチュエータを制御することにより、スロットルバルブの開閉動作や、イグナイタの点火動作や、吸気弁の開閉動作等を制御する。ブレーキECU202は、ブレーキ機構212を制御する。ブレーキ機構212は、センサ、モータ、バルブおよびポンプ等のブレーキ制御に関わる装置群(アクチュエータ)からなる。ブレーキECU202は、ブレーキを掛けるタイミングおよびブレーキ量(制動量)を決定し、決定されたタイミングで決定されたブレーキ量が得られるように、ブレーキ機構212を構成する各装置を制御する。操舵ECU203は、操舵機構213を制御する。操舵機構213は、パワーステアリングモータ等操舵に関わる装置群(アクチュエータ)からなる。操舵ECU203は、ヨーレートセンサ24および操舵角センサ25から得られる測定値に基づき操舵量(操舵角)を決定し、決定された操舵量となるように操舵機構213を構成する各装置を制御する。
自動運転制御装置10は、信号受信部11と、制御部12とを備える。制御部12は、自動運転制御装置10の図示しない記憶部に予め記憶されている制御プログラムを自動運転制御装置10の図示しないマイコンが実行することにより実現される。
信号受信部11は、自車両が事故にあったことを認識する事故認識部から、自車両が事故にあったことを示す事故発生信号を受信する。本実施形態では、加速度センサ22が、事故認識部として機能する。信号受信部11は、設定された単位時間の間において、設定された閾値より大きく自車両の加速度が減少したことを加速度センサ22が検出した場合、その通信内容を事故発生信号として受信する。自車両の周囲の音を検出する音検出センサが自車両に備えられている場合には、音検出センサが、事故認識部として機能してもよい。音検出センサが自車両に対する衝撃音を検出したとき、信号受信部11は、その通信内容を事故発生信号として受信してもよい。事故発生信号として受信される衝撃音の判断基準は、音の大きさであってもよいし、音の周波数であってもよい。
制御部12は、動作制御装置200に対して制御を指示する。また、制御部12は、信号受信部11が事故発生信号を受信した場合に、自車両に対して停車するよう指示する。
本実施形態では、信号受信部11は、事故発生信号に加えて、事故があった後の自車両の損傷状況についての情報を取得する。損傷状況についての情報を信号受信部11に取得させる構成には、車速センサ21、加速度センサ22、GNSSセンサ23、ヨーレートセンサ24、操舵角センサ25、撮像カメラ26、ミリ波レーダ27a、LiDAR27bおよび通信部28等が含まれる。信号受信部11は、これら構成との通信の有無または通信があっても機能に異常がある旨の信号を受信することによって、自車両の損傷状況についての情報を取得する。
また、損傷状況についての情報を信号受信部11に取得させる構成として、他には、エンジンECU201と、ブレーキECU202および操舵ECU203が含まれる。信号受信部11は、これら構成との通信の有無または通信があっても機能に異常がある旨の信号を受信することによって、自車両の損傷状況についての情報を取得する。エンジンECU201、ブレーキECU202および操舵ECU203は、それぞれエンジン211の動作、ブレーキ機構212を構成する各装置の動作および操舵機構213を構成する各装置の動作に異常がないか判定できる構成を備えている方が好ましい。
制御部12は、信号受信部11が受信した損傷状況についての情報に基づいて、事故があった後の自車両が可能な走行パターンを導出する。制御部12は、走行パターンの導出において、損傷状況について信号受信部11と通信する構成のうち事故後に通信がない構成については、損傷しているものとして、走行パターンを導出する。制御部12は、走行パターンの導出において、損傷状況について信号受信部11と通信する構成のうち事故後であっても通信がある構成については、通信により取得される損傷状況の程度に応じて、走行パターンを導出する。走行パターンには、前進、後退、左右方向への操舵が含まれる。
制御部12は、導出された走行パターンの組み合わせに基づいて、自車両が退避できると判断する場合には、自車両に対して退避したのち停車するよう指示する。また、制御部12は、導出された走行パターンの組み合わせに基づいて、自車両が退避できないと判断する場合には、自車両に対して停車するよう指示する。ここでいう退避とは、事故があった後の自車両がその場から離れて路肩もしくは路側帯などの道路の側方に移動することである。
図2を用いて、導出された走行パターンの組み合わせに基づいた退避の可否判断について説明する。図2において、道路BR上を紙面下側から紙面上側に向けて進行していた自車両VEに対して、脇道SR上を紙面右側から紙面左側に向けて進行していた車両OPと事故を起こした直後の状態である。車両OPは、人の手動運転による車両である。このとき自車両VEに搭載された自動運転制御装置10のうち信号受信部11は、事故認識部から、自車両VEが事故にあったことを示す事故発生信号を受信する。また、このとき、信号受信部11は、事故発生信号に加えて、事故があった後の自車両VEの損傷状況についての情報を取得する。
図2のような状況において、事故後の自車両VEが可能な走行パターンに、前進と、左方向への操舵と、が含まれているとする。また、自車両VEから見て前方の左側方には、自車両VEが退避したのち停車できる広さを持った退避領域ERが存在する。自車両VEが、GNSSセンサ23、撮像カメラ26、ミリ波レーダ27a、LiDAR27bのうち事故後であっても機能している構成を用いて退避領域ERを検出できる場合、制御部12は、導出された走行パターンの組み合わせに基づいて、自車両が退避できると判断する。自車両VEは、前進および左方向への操舵を組み合わせることによって、退避領域ERまで到達できるからである。そして、制御部12は、自車両VEに対して退避領域ERに退避したのち停車するよう指示する。
図2のような状況において、事故後の自車両VEが可能な走行パターンに、前進と、左方向への操舵と、のうち少なくとも一方が含まれていないとする。このような場合、退避領域ERを検出できていたとしても、自車両VEは、退避領域ERまで退避できない。したがって、制御部12は、導出された走行パターンの組み合わせに基づいて、自車両が退避できないと判断する。そして、制御部12は、自車両VEに対してその場に停車するよう指示する。
図2のような状況に限られず、事故後の自車両VEが可能な走行パターンがない、もしくは、事故後の自車両VEが退避して停車できる退避領域ERが検出できない、といった場合にも、制御部12は、自車両VEが退避できないと判断する。そして、制御部12は、自車両VEに対してその場に停車するよう指示する。
このように、制御部12は、自車両が退避できるか否かの判断に基づいて、自車両に対して、退避したのち停車することと、その場に停車することと、のうちいずれかを指示する。このため、事故後に自車両を停車させる前に退避が可能である場合には、自車両を退避させてから停車させることができる。
制御部12は、事故後に自車両を停車させたのち、自車両の周辺の状況に応じて、図示しない自車両のドアロックの維持および解除を切り替える。自車両の周辺の状況は、自車両の前方、後方および左右に向けられた撮像カメラ26、ミリ波レーダ27aおよびLiDAR27bによって取得される。自車両の周辺が安全であるか否かは、自車両に向けて接近する車両の有無に応じて判断される。
制御部12は、自車両の周辺が安全であると判断した場合、自車両のドアロックを解除するよう指示する。また、制御部12は、自車両の周辺が安全ではないと判断した場合、自車両のドアロックを維持するよう指示する。
このように、制御部12は、事故後に自車両を停車させたのち、自車両の周辺が安全であるか否かの判断に基づいて、自車両のドアロックの維持および解除を切り替える。このため、事故の発生もしくは自車両の突然の停車により混乱した搭乗者が、自車両の周辺の安全を確認せずに車外に出ることを防止することができる。
自動運転制御装置10は、図3において説明する停車処理を実行する。停車処理は、自車両に備えられた図示しないイグニッションスイッチがオンにされてからオフにされるまでの間、定期的に実行される。
停車処理が開始されると、信号受信部11によって事故発生信号が受信されたか否か判定される(ステップS110)。事故発生信号が受信されていないと判定される場合(ステップS110:NO)、停車処理は終了される。
事故発生信号が受信されたと判定される場合(ステップS110:YES)、信号受信部11は、事故があった後の自車両の損傷状況についての情報を取得する(ステップS120)。損傷状況についての情報を取得したのち(ステップS120)、制御部12は、信号受信部11が受信した損傷状況についての情報に基づいて、事故があった後の自車両が可能な走行パターンを導出する(ステップS130)。
走行パターンが導出されたのち(ステップS130)、制御部12は、導出された走行パターンの組み合わせに基づいて、自車両が退避できるか否か判断する(ステップS140)。このとき判断の基準となるのは、導出される走行パターンおよび自車両が停車できる広さを持った退避領域の検出の有無である。
自車両が退避できないと判断する場合(ステップS140:NO)、制御部12は、自車両に対してその場に停車するよう指示する(ステップS150)。その後、停車処理は終了される。自車両が退避できると判定する場合(ステップS140:YES)、制御部12は、自車両に対して退避領域に退避したのち停車するよう指示する。(ステップS160)。その後、停車処理は終了される。
制御部12は、信号受信部11が事故発生信号を受信した場合に、自車両に対して、自車両の搭乗者に事故の発生を報知するよう指示する。制御部12による報知の指示は、事故発生信号を受信した直後に出されてもよいし、停車処理によって自車両の停車が実行されてから出されてもよい。搭乗者への報知は、音声やディスプレイなどのHMI(Human Machine Interface)を介して実行される。このとき、搭乗者への報知には、事故の発生に加えて事故の状況確認および負傷者救護を促す内容が含まれていてもよい。また、自車両の外部に対する報知は、自車両のハザードの点灯によって実行されてもよい。また、制御部12は、信号受信部11が事故発生信号を受信した場合に、消防署や警察に対して事故の発生および事故現場の位置を報知するよう自車両に指示してもよいし、自動運転制御装置10が消防署や警察に対して通信する構成を備える場合には、事故の発生および事故現場の位置を報知するよう自動運転制御装置10を制御してもよい。
このように、制御部12は、信号受信部11が事故発生信号を受信した場合に、自車両に対して、自車両の搭乗者に事故の発生を報知するよう指示する。このため、自車両の搭乗者は、事故の発生を知ることができる。また、事故の状況確認および負傷者救護を促す内容が報知される場合には、搭乗者が事故の発生により混乱している場合であっても、事故の状況を確認することおよび負傷者を救護することに意識を向けさせることができる。また、事故の発生および事故現場の位置が消防署や警察に対して報知される場合には、搭乗者が事故の発生により混乱している場合であっても、消防署や警察に対する連絡が確実に実行される。
自動運転制御装置10は、停車処理において、ステップS150およびステップS160のいずれかが実行されて自車両の停車が実行されたのち、図4において説明するドアロック状態切換処理を実行する。自動運転制御装置10が搭載された自車両において、自動運転による走行中には、ドアロックが実行されている。したがって、ドアロック状態切換処理が開始された時点では、ドアロックが実行されている状態である。
ドアロック状態切換処理が開始されると、自車両の周辺が安全であるか否か判定される(ステップS210)。自車両の周辺が安全であるか否かは、自車両に向けて接近する車両の有無に応じて判断される。制御部12は、自車両の周辺が安全ではないと判断した場合(ステップS210:NO)、自車両のドアロックを維持するよう指示する(ステップS220)。その後、ドアロック状態切換処理は終了される。制御部12は、自車両の周辺が安全であると判断した場合(ステップS210:YES)、自車両のドアロックを解除するよう指示する(ステップS230)。その後、ドアロック状態切換処理は終了される。
以上説明した実施形態によれば、自車両が事故にあった場合に、自車両に対して停車するよう指示することができる。このため、自動運転車両が事故現場から走り去ることを防止することができる。
B.他の実施形態:
上述した実施形態では、自動運転制御装置10は、自動運転車両に搭載されていたが、本発明はこれに限られない。例えば、自動運転車両と通信できるサーバーが自動運転制御装置10の機能を有していてもよい。このような場合、自動運転制御装置10が自動運転車両に搭載されていなくても、上述した実施形態と同様の効果が奏される。
上述した実施形態では、加速度センサ22や音検出センサを事故認識部として機能させることを説明していたが、本発明はこれに限られない。例えば、高度道路交通システム(Intelligent Transport System)との無線通信と、他の車両との車車間通信と、道路設備に設置された路側無線機との路車間通信とのうち少なくとも1つの通信によって、事故を認識してもよい。高度道路交通システム、他の車両および道路設備によって自車両が巻き込まれた事故の認識がなされ、その情報が通信によって自車両に伝達されるということである。
上述した実施形態では、自車両が事故にあったことを認識する事故認識部から、自車両が事故にあったことを示す事故発生信号を信号受信部11が受信したことを契機として、制御部12は、自車両の挙動を指示していたが、本発明はこれに限られない。例えば、自車両とは異なる他車両が事故にあったことを認識する事故認識部から、他車両が事故にあったことを示す事故発生信号を信号受信部が受信したことを契機として、制御部は、自車両に対して、その事故に対応する挙動を実行するよう指示してもよい。
ここでいう事故認識部としては、自車両が備える構成である撮像カメラ、ミリ波レーダおよびLiDARまたは音検出センサが用いられてもよい。このような構成によって、自車両の周辺における事故を認識できる。また、事故認識部として、上述したように、高度道路交通システムとの無線通信と、他の車両との車車間通信と、道路設備に設置された路側無線機との路車間通信とのうち少なくとも1つの通信が用いられてもよい。このような構成によって、自車両の周辺における事故だけでなく自車両の周辺から離れた位置における事故も認識できる。
ここでいう「その事故に対応する挙動」の例としては、以下のものが挙げられる。例えば、自車両の周辺における事故が認識された場合、その事故現場に接近しないために、自車両をその場に停止させること、事故現場が含まれる車線を回避して別車線を走行させること、などである。自車両の周辺から離れた位置における事故が認識された場合の挙動の例としては、事故現場が含まれる経路を迂回して別経路を走行させること、が挙げられる。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…自動運転制御装置、11…信号受信部、12…制御部、21…車速センサ、22…加速度センサ

Claims (4)

  1. 自動運転車両に自動運転を実行させる自動運転制御装置(10)であって、
    前記自動運転車両が事故にあったことを認識する事故認識部から、前記自動運転車両が事故にあったことを示す事故発生信号を受信する信号受信部(11)と、
    前記信号受信部が前記事故発生信号を受信した場合に、前記自動運転車両に対して停車するよう指示する制御部(12)と、を備え、
    前記信号受信部は、前記事故発生信号に加えて、前記事故があった後の前記自動運転車両の損傷状況についての情報を取得し、
    前記制御部は、
    前進、後退、ならびに左右方向への操舵を含む走行パターンのうち、前記損傷状況から導出される、前記事故があった後の前記自動運転車両が可能な走行パターンの組み合わせに基づいて、前記自動運転車両が退避できるか否かを判断し、
    前記組み合わせに基づいて、前記自動運転車両が退避できると判断する場合には、前記自動運転車両に対して退避したのち停車するよう指示し、
    前記組み合わせに基づいて、前記自動運転車両が退避できないと判断する場合には、前記自動運転車両に対して停車するよう指示し、
    前記制御部は、前記判断において、
    前記自動運転車両に備えられたセンサからの情報に基づいて、前記自動運転車両が退避した後、停車できる広さを持っている退避領域を検出し、前記退避領域の位置を特定する処理を実行し、
    前記組み合わせと、検出された前記退避領域の位置と、に基づいて、前記自動運転車両が退避できるか否かを判断する、自動運転制御装置。
  2. 請求項1記載の自動運転制御装置であって、
    前記制御部は、
    停車させたのち前記自動運転車両の周辺が安全であると判断した場合、前記自動運転車両のドアロックを解除するよう指示し、
    停車させたのち前記自動運転車両の周辺が安全ではないと判断した場合、前記自動運転車両のドアロックを維持するよう指示する、自動運転制御装置。
  3. 請求項1から請求項2のいずれか一項に記載の自動運転制御装置であって、
    前記制御部は、前記信号受信部が前記事故発生信号を受信した場合に、前記自動運転車両に対して、前記自動運転車両の搭乗者に事故の発生を報知するよう指示する、自動運転制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の自動運転制御装置であって、
    前記制御部は、前記信号受信部が前記事故発生信号を受信した場合に、前記自動運転車両に対して、消防署もしくは警察に事故の発生を報知するよう指示する、自動運転制御装置。
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