JP7180432B2 - データ処理装置、データ処理方法及びプログラム - Google Patents
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Description
しかし、感光体に対して現像ローラーを2本設ける場合には、現像ローラー間のスペース的な問題等により、感光体と現像ローラーの間を通過した光を測定することができず、従来の距離測定方法を利用することができない。そこで、2物体間の距離を測定する際に、2つのラインセンサーで2物体の表面形状(位置)をそれぞれ測定し、各ラインセンサーにより得られた測定データを同一座標系で扱う(ステレオキャリブレーション)方法が利用可能である。一方のラインセンサーから得られた感光体の表面形状と、他方のラインセンサーから得られた現像ローラーの表面形状を同一座標系で表すことで、感光体と現像ローラーの距離を算出することができる。
まず、本実施の形態において使用するラインセンサーについて説明する。
図1に、ラインセンサー10で得られる測定データの座標系を示す。ラインセンサー10は、測定対象の形状を2次元座標上の測定データ(x,y)として測定するものであり、測定対象までのy軸方向の距離をx軸方向のライン状に測定することができる。ラインセンサー10は、レーザービームを射出し、測定対象で反射されたレーザー光を受光することで、座標平面に置かれた物体(測定対象)のラインセンサー10に面した表面形状(境界)を検出する。ラインセンサー10において、レーザービームの中心軸11をy軸とし、予め定められた原点Oを通り、y軸に直交する軸をx軸とする。ラインセンサー10は、x軸及びy軸に沿った方向の座標値(x,y)を出力する。ラインセンサー10は、例えば、測定点の数をnとして、(xi,yi)の組み合わせをn個得る(i=1~n)。ラインセンサー10は、実際は、限られた測定範囲12内の測定データを出力する。
また、第1ラインセンサー10Aの座標系における(第1ラインセンサー10Aの座標系から見た)第2ラインセンサー10Bの原点Obの相対位置を(dx,dy)とする。
次に、第1ラインセンサー10Aと第2ラインセンサー10Bのステレオキャリブレーションの概要について説明する。ステレオキャリブレーションとは、2つのラインセンサーにより出力される測定データの位置関係を校正することをいう。
基準平面板20の平面表面21を測定して第1ラインセンサー10Aと第2ラインセンサー10Bによりそれぞれ得られる測定データ(x,y)は、図4に示すように、実際には凹凸を含むデータとなるが、これらのデータに対し最小二乗法を用いることで、基準平面板20の平面表面21に対応する近似直線を求めることができる。
図7(a)に示すように、第1ラインセンサー10Aから取得された基準平面板20の平面表面21の測定データに対応する直線L1の傾きをs(=a1)、切片(y切片)をtaとする。
組み立て用治具30は、センサー保持板31と、感光体保持軸32と、を備える。
第1ラインセンサー10Aをセンサー保持板31に取り付ける際には、取り付け板33の側面に第1ラインセンサー10Aを突き当てた状態で、第1ラインセンサー10Aをセンサー保持板31に固定する。
第2ラインセンサー10Bをセンサー保持板31に取り付ける際には、取り付け板34の側面に第2ラインセンサー10Bを突き当てた状態で、第2ラインセンサー10Bをセンサー保持板31に固定する。
これにより、第1ラインセンサー10Aにより測定される第1座標平面、及び、第2ラインセンサー10Bにより測定される第2座標平面が、センサー保持板31と平行となり、第1座標平面と第2座標平面とは同一又は平行となる。センサー保持板31に対して、第1ラインセンサー10Aと取り付け板33、第2ラインセンサー10Bと取り付け板34のセットを取り付けることで、2つのラインセンサー10A,10Bのビーム面が平行となり、測定精度を上げることができる。
基準平面板20が取付穴22を有することで、組み立て用治具30に固定されている第1ラインセンサー10A及び第2ラインセンサー10Bに対して、基準平面板20の傾きの変更が容易になり、基準平面板20を回転させた2以上の位置で、第1ラインセンサー10A及び第2ラインセンサー10Bの測定データを取得する際の操作がより簡単になる。
次に、データ処理装置40について説明する。
図11は、データ処理装置40の機能的構成を示すブロック図である。
データ処理装置40は、CPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)43、測定データI/F部44、記憶部45、操作部46、表示部47、通信部48等を備える。
CPU41は、2以上の位置ごとに求められた第1座標平面上の直線の傾き及び切片と、第2座標平面上で回転させた後の直線の傾き及び切片と、に基づいて、第1座標平面の原点Oaと第2座標平面の原点Obの相対位置(dx,dy)を算出する。
図12は、データ処理装置40により実行されるキャリブレーション処理を示すフローチャートである。この処理は、組み立て用治具30に基準平面板20が取り付けられた状態で行われる処理であり、CPU41とROM42に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
次に、CPU41は、第1ラインセンサー10A及び第2ラインセンサー10Bの初期化が終了したか否かを判断する(ステップS2)。第1ラインセンサー10A又は第2ラインセンサー10Bの初期化が終了していない場合には(ステップS2;NO)、ステップS1に戻り、初期設定が続けられる。
基準平面板20の測定回数が2回未満である場合には(ステップS5;NO)、CPU41は、基準平面板20の位置を変更する旨のメッセージを表示部47に表示させる(ステップS6)。ユーザーは、基準平面板20を、感光体保持軸32を中心に回転させ、基準平面板20の位置を変更する。そして、ステップS3に戻り、処理が繰り返される。
以上で、キャリブレーション処理が終了する。
次に、感光体及び現像ローラーの位置調整について説明する。
ユーザーは、キャリブレーション処理が終了すると、組み立て用治具30の感光体保持軸32から基準平面板20を取り外し、感光体保持軸32に感光体を取り付ける。また、組み立て用治具30上で、感光体に対して、現像ローラーを含む現像器を組み付ける。
また、第2ラインセンサー10Bにより、感光体50の表面形状51を測定して得られた測定データを、第1ラインセンサー10Aの座標系に変換することで、第1座標平面上での感光体50の表面形状51がわかり、第1ラインセンサー10Aの座標系における感光体50の軸中心位置C2及び半径r2が求められる。
このようにして、第1ラインセンサー10A及び第2ラインセンサー10Bから取得した測定データに対し、数学的な処理を施すことで、感光体50と現像ローラー60の距離dを測定することができる。
ユーザーは、表示部47に表示された感光体50と現像ローラー60との隙間の距離dを確認しながら、感光体50及び現像ローラー60の位置を調整する。
感光体50は、感光体保持軸32により、組み立て用治具30に取り付けられている。感光体50の軸方向端部には、感光体保持板52が設けられている。また、感光体保持板52には、隙間調整板53が設けられており、隙間調整板53の位置は、感光体保持板52に対して感光体50の半径方向に変更可能となっている。隙間調整板53の位置を調整するための機構としては、どのような方法を用いてもよい。
現像ローラー60には、現像ローラー60の軸方向端部の軸周りにリング状の隙間調整スペーサー62が設けられている。
また、組み立て用治具30に設けられた感光体保持軸32を、基準平面板20を保持するためにも使用することで、基準平面板20の位置の変更が容易になる。
また、定期的にキャリブレーション処理を行うことで、組み立て用治具30における測定値の信頼性を維持することができる。
また、組み立て用治具30における測定値がずれてきた場合に、キャリブレーション処理を行うこととしてもよい。例えば、組み立て用治具30を用いて、マスターとなる感光体50に対して現像ローラー60との間の隙間を定期的に測定しておき、その値がずれた際にキャリブレーション処理を行うことで、測定の信頼性を高めることができる。
図16に、感光体50に対して2つの現像ローラー70,80が設けられている画像形成装置を組み立てる際の隙間調整に用いる組み立て用治具90の構成を示す。
センサー保持板91上には、上述したラインセンサー10と同様の第1ラインセンサー10A及び第2ラインセンサー10Bが配置され、センサー保持板92上には、上述したラインセンサー10と同様の第3ラインセンサー10C及び第4ラインセンサー10Dが配置されている。第1ラインセンサー10Aは、現像ローラー70の表面形状を測定するために用いられる。第2ラインセンサー10Bは、感光体50の表面形状を測定するために用いられる。第3ラインセンサー10Cは、感光体50の表面形状を測定するために用いられる。第4ラインセンサー10Dは、現像ローラー80の表面形状を測定するために用いられる。
第1ラインセンサー10Aと第2ラインセンサー10B、第3ラインセンサー10Cと第4ラインセンサー10D、第2ラインセンサー10Bと第3ラインセンサー10Cの3組について、上述したキャリブレーション処理と同様、基準平面板20を少なくとも2以上の傾き(位置)で測定し、2つのラインセンサーの同一座標軸間の角度、及び、2つのラインセンサーの原点の相対位置を算出する。さらに、3組のラインセンサーの位置関係に基づいて、4つのラインセンサーから取得される測定データを同一座標系で表すことができる。
第1ラインセンサー10Aにより測定される現像ローラー70の表面形状と、第2ラインセンサー10Bにより測定される感光体50の表面形状と、に基づいて、感光体50と現像ローラー70との隙間の距離を求める。
また、第3ラインセンサー10Cにより測定される感光体50の表面形状と、第4ラインセンサー10Dにより測定される現像ローラー80の表面形状と、に基づいて、感光体50と現像ローラー80との隙間の距離を求める。
10A 第1ラインセンサー
10B 第2ラインセンサー
20 基準平面板
21 平面表面
22 取付穴
30 組み立て用治具
31 センサー保持板
32 感光体保持軸
40 データ処理装置
41 CPU
42 ROM
44 測定データI/F部
45 記憶部
47 表示部
50 感光体
53 隙間調整板
60 現像ローラー
62 隙間調整スペーサー
70,80 現像ローラー
90 組み立て用治具
d 距離
Claims (7)
- 測定対象の形状を2次元座標上の測定データとして測定する第1ラインセンサー及び第2ラインセンサーから取得した測定データを処理するデータ処理装置であって、
前記第1ラインセンサーにより測定される第1座標平面と前記第2ラインセンサーにより測定される第2座標平面とは同一又は平行であり、
前記第1座標平面及び前記第2座標平面と表面が直交するように配置された基準平面板を、前記第1座標平面及び前記第2座標平面と直交する軸を中心に回転させた互いに異なる2以上の位置で、前記第1ラインセンサー及び前記第2ラインセンサーから測定データを取得する取得手段と、
前記基準平面板の前記2以上の位置で前記第1ラインセンサー及び前記第2ラインセンサーから取得された測定データに基づいて、前記第1座標平面と前記第2座標平面の同一座標軸間の角度、及び、前記第1座標平面の原点と前記第2座標平面の原点の相対位置を算出する算出手段と、
を備えるデータ処理装置。 - 前記算出手段は、
前記基準平面板の前記2以上の位置のうち少なくとも1以上の位置で前記第1ラインセンサー及び前記第2ラインセンサーから取得された測定データに基づいて、前記第1座標平面と前記第2座標平面の同一座標軸間の角度を算出し、
前記基準平面板の前記2以上の位置ごとに、前記第1ラインセンサーから取得された測定データに対応する前記第1座標平面上の直線の傾き及び切片と、前記第2ラインセンサーから取得された測定データに対応する前記第2座標平面上の直線を、前記第2座標平面の原点を中心に前記角度だけ回転させた後の直線の傾き及び切片と、を求め、前記2以上の位置ごとに求められた前記第1座標平面上の直線の傾き及び切片と、前記第2座標平面上で回転させた後の直線の傾き及び切片と、に基づいて、前記第1座標平面の原点と前記第2座標平面の原点の相対位置を算出する請求項1に記載のデータ処理装置。 - 前記第2ラインセンサーから取得された測定データを、前記第1ラインセンサーと同一の座標系における測定データに変換する変換手段を備える請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
- 前記第1ラインセンサー及び前記第2ラインセンサーは、電子写真方式の画像形成装置に用いられる感光体と現像ローラーとの間の距離を測定するための治具上に配置されている請求項1から3のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
- 前記治具には、前記感光体を保持するための保持軸が設けられており、
前記保持軸は、前記感光体に代えて前記基準平面板を保持するためにも使用され、
前記基準平面板が前記保持軸を中心に回転されることで、前記2以上の位置での前記基準平面板の測定が行われる請求項4に記載のデータ処理装置。 - 測定対象の形状を2次元座標上の測定データとして測定する第1ラインセンサー及び第2ラインセンサーから取得した測定データを処理するデータ処理方法であって、
前記第1ラインセンサーにより測定される第1座標平面と前記第2ラインセンサーにより測定される第2座標平面とは同一又は平行であり、
前記第1座標平面及び前記第2座標平面と表面が直交するように配置された基準平面板を、前記第1座標平面及び前記第2座標平面と直交する軸を中心に回転させた互いに異なる2以上の位置で、前記第1ラインセンサー及び前記第2ラインセンサーから測定データを取得する取得工程と、
前記基準平面板の前記2以上の位置で前記第1ラインセンサー及び前記第2ラインセンサーから取得された測定データに基づいて、前記第1座標平面と前記第2座標平面の同一座標軸間の角度、及び、前記第1座標平面の原点と前記第2座標平面の原点の相対位置を算出する算出工程と、
を含むデータ処理方法。 - 測定対象の形状を2次元座標上の測定データとして測定する第1ラインセンサー及び第2ラインセンサーから取得した測定データを処理するコンピューターを制御するためのプログラムであって、
前記第1ラインセンサーにより測定される第1座標平面と前記第2ラインセンサーにより測定される第2座標平面とは同一又は平行であり、
前記コンピューターに、
前記第1座標平面及び前記第2座標平面と表面が直交するように配置された基準平面板を、前記第1座標平面及び前記第2座標平面と直交する軸を中心に回転させた互いに異なる2以上の位置で、前記第1ラインセンサー及び前記第2ラインセンサーから測定データを取得する取得工程と、
前記基準平面板の前記2以上の位置で前記第1ラインセンサー及び前記第2ラインセンサーから取得された測定データに基づいて、前記第1座標平面と前記第2座標平面の同一座標軸間の角度、及び、前記第1座標平面の原点と前記第2座標平面の原点の相対位置を算出する算出工程と、
を実行させるためのプログラム。
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