以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る車両の変速制御装置1は、駆動源としてのエンジン(図示せず)と、自動変速機10の油圧制御に用いられる油圧制御装置11と、油圧制御装置11の動作を制御するコントロールユニット50とを備えている。
本実施形態における自動変速機10は、複数のプラネタリギヤ機構(図示せず)とクラッチおよびブレーキ等の複数の摩擦締結要素CL1~CL4とを有する有段式の変速機構を備える。この自動変速機10では、複数の摩擦締結要素CL1~CL4が選択的に締結されることにより、各プラネタリギヤ機構を経由する動力伝達経路が切り換えられ、これにより、車両の運転状態に応じた所定の変速段が形成される。
自動変速機10は、摩擦締結要素CL1~CL4毎に締結油圧室(図示せず)を備えている。該締結油圧室に供給される油圧は、油圧制御装置11によって制御される。油圧制御装置11は、オイルポンプ(図示せず)から油圧供給回路に供給された作動油の流れおよび油圧を、油圧供給回路に設けられた油圧制御弁および切換弁等によって制御する。
これにより、各摩擦締結要素の締結油圧室への作動油の供給によって締結され、締結油圧室からの作動油の排出によって解放される。さらに、各摩擦締結要素の締結油圧室の油圧が制御されることで、摩擦締結要素の締結、解放、およびスリップ、並びにスリップ状態における締結の度合い(締結割合)が制御される。
本実施形態において、自動変速機10は、例えば、図2の締結表に示されるように、複数の摩擦締結要素が締結されることで各変速段が形成されるように構成されている。本実施形態においては、第1摩擦締結要素CL1と第4摩擦締結要素CL4とが締結されることで4速段が形成され、第2摩擦締結要素CL2と第4摩擦締結要素CL4とが締結されることで3速段が形成され、第3摩擦締結要素CL3と第4摩擦締結要素CL4とが締結されることで2速段が形成される。以下の説明において、変速の際に締結状態から解放される摩擦締結要素を解放側摩擦締結要素とし、変速の際に解放状態から締結される摩擦締結要素を締結側摩擦締結要素とする。
コントロールユニット50は、例えばマイクロプロセッサを主要部として構成されている。コントロールユニット50は、中央演算装置(CPU)、例えばRAMおよびROMを含むメモリ、並びに、入出力インターフェース回路を備えている。
コントロールユニット50には、車両の制御に用いられる種々の外部信号が入力される。コントロールユニット50への入力信号の具体例としては、車両の走行速度を検出する車速センサ31、アクセル開度(アクセルペダルの踏込量)を検出するアクセル開度センサ32、トルクコンバータのタービン(変速機構の入力軸)の回転数を検出するタービン回転数を検出するタービン回転数センサ33等による検出信号が挙げられる。
コントロールユニット50は、各種入力信号に基づき、油圧制御装置11に制御信号を出力して、自動変速機10を制御する。変速制御では、例えば、車速センサ31によって検出される車速、アクセル開度センサ32によって検出されるアクセル開度、および、所定の変速マップに基づいて、目標変速段が決定される。
目標変速段への変速が行われるときは、いわゆる掛け替えが行われ、解放側摩擦締結要素および締結側摩擦締結要素に対応する各油圧制御弁が制御される。具体的に、変速開始時点で締結されていた解放側摩擦締結要素については、締結油圧室の油圧が低下するように油圧制御弁が制御され、これにより、解放側摩擦締結要素が解放される。一方、変速開始時点で解放されていた締結側摩擦締結要素については、締結用油圧が上昇するように油圧制御弁が制御され、これにより、締結側摩擦締結要素が締結される。
コントロールユニット50は、締結側摩擦締結要素を制御する締結制御部60、解放側摩擦締結要素を制御する解放制御部70とを備えている。
締結制御部60は、締結側摩擦締結要素の締結油圧室に供給される締結用油圧の制御(以下、「締結制御」ともいう)を行う。締結制御は、油圧制御弁の開度を制御することで行われる。締結制御では、プリチャージ工程、油圧保持工程、および、昇圧工程がこの順で行われる。そこで、締結制御部は、プリチャージ工程を制御するプリチャージ制御部、油圧保持工程を制御する油圧保持制御部、および、昇圧工程を制御する昇圧制御部を備えている。
プリチャージ制御部は、プリチャージ工程において、締結油圧室に作動油を速やかに充満させるように締結用油圧を速やかに上昇させる。プリチャージ制御部は、プリチャージ工程の長さを制御可能であり、これにより、プリチャージ工程後における締結側摩擦締結要素の締結開始タイミングが制御される。
油圧保持制御部は、油圧保持工程において、締結用油圧の上昇を抑制させる。油圧保持工程は、プリチャージ工程終了時点から締結側摩擦締結要素の締結開始時点までの期間に行われる。本実施形態において、油圧保持工程は、回転同期後に終了される。
油圧保持工程において、締結用油圧は、緩やかに上昇されてもよいし、一定圧に維持されてもよい。油圧保持工程により締結用油圧の上昇が抑制された状態で締結側締結側摩擦締結要素の締結が開始されることで、締結ショックが抑制される。
昇圧制御部は、昇圧工程における締結用油圧の上昇を制御する。昇圧工程では、締結用油圧の上昇に応じて、締結側摩擦締結要素の締結力が上昇する。
解放制御部70は、解放側摩擦締結要素の締結油圧室から作動油が排出されるように、該締結油圧室の油圧の制御(以下、「解放制御」ともいう)を行う。解放制御は、解放側摩擦締結要素に対する油圧制御弁の開度を制御することで行われる。解放制御では、変速初期工程(減圧工程)、回転同期工程、および、完了工程がこの順で行われる。そこで、解放制御部は、変速初期工程を制御する変速初期制御部、回転同期工程を制御する回転同期制御部、完了工程を制御する完了制御部を備えている。
変速初期制御部は、変速初期工程において、締結油圧室から作動油を速やかに排出させるように解放用油圧を速やかに下降させる。変速初期工程は、締結制御のプリチャージ工程および油圧保持工程と並行して行われる。
回転同期制御部は、回転同期工程において、締結油圧室の油圧の下降を抑制させる。回転同期制御工程は、締結制御の油圧保持工程と並行して行われる。これにより、締結側摩擦締結要素および解放側摩擦締結要素は、いずれもスリップ状態となるので、自動変速機は、ニュートラル状態となる。その結果、アクセル操作によるダウンシフト変速時には、エンジンの回転数を上昇させることができる。
回転同期制御部は、タービン回転数が変速後の変速段の回転数となるまで実施される。回転同期制御部は、前述のニュートラル状態において、エンジンの回転数が吹き上がるのを防止するために、締結油圧室に油圧を供給する補正制御を行う。この補正制御は、例えば、解放制御毎に行われるが、必ずしも毎回行われなくてもよい。例えば、変速中にエンジン回転の吹き上がりが生じない場合においては、実施される必要がない。
補正制御によって、ニュートラル状態の自動変速機10のスリップ量をコントロールすることで、エンジンの回転数が制御され、エンジン回転数が変速後の回転数となるように実施される。
完了制御部は、締結制御における締結開始時点(油圧保持工程が終了し、昇圧工程が開始されるタイミング)に応じた適切なタイミングで開始される。完了制御部は、目標加速度が得られるように締結油圧室の解放用油圧を適切に下降させる加速度制御を加速度制御手段によって実行する。この加速度制御は、例えば、解放制御毎に行われるが、必ずしも毎回行われなくてもよい。加速度制御の制御動作については、後に説明する。
加速度制御手段は、車速センサ31、アクセル開度センサ32、タービン回転数センサ33からの入力信号に基づいて、油圧制御装置11に制御信号を出力することで、次のような加速度制御を行う。
加速度制御は、アクセル踏込によるダウンシフト変速が実行されて、変速初期のアクセル踏込による第1の加速時における躍度J10と、変速後期の第2の加速時における躍度j10とが生じる場合における、第2の加速時における躍度j10を第1の加速時における躍度J10に対応するように車両の加速度をコントロールする制御である。
本実施形態における加速度制御では、第2の加速時における躍度j10を第1の加速時における躍度J10と略一致させることにより、ダウンシフト変速時における乗員に与える加速フィーリングが一貫したものになるように、回転同期制御後の解放側摩擦締結要素の締結圧の指示圧ライン(締結圧ライン)Lの傾きを設定される。
加速度制御は、所定のダウンシフト変速条件が成立したときに実行される。加速度制御条件は、例えば、アクセル踏み込み操作によるダウンシフト変速指令があること、アクセルペダルの操作速度(以下、「アクセル操作速度」ともいう)が所定よりも小さい場合であること、狙いのダウンシフト変速(例えば、5-4変速、4-3変速、3-2変速等の単一変速)であること等の諸条件をすべて満たすことである。
加速度制御手段は、第1の加速時における躍度J10(以下、「基準躍度J20」ともいう)を算出する基準躍度算出部と、算出された基準躍度J20を記憶する記憶手段としての記憶部と、第2の加速時における躍度j10を制御するための解放側摩擦締結要素の締結圧を算出する締結圧ライン算出部とを備えている。
基準躍度算出部は、アクセル踏込によるダウンシフト変速時において、アクセルの踏み込みによって生じる変速初期の目標加速度(第1の加速度)を、アクセル開度から算出し、この目標加速度を微分することで第1の加速時における躍度としての第1の躍度を算出する。本実施形態において、第1の加速時は、解放制御の実行後で解放側摩擦締結要素の締結油圧室から作動油が排出されて、解放側摩擦締結要素がスリップ状態となる程度の締結圧に至るまでの所定時間(例えば、ダウンシフト変速指令から100msec)である。
記憶部は、アクセル踏込によるダウンシフト変速時において、アクセルの踏み込みによって生じる変速初期の第1の加速時における躍度を記憶する。
記憶部に記憶される基準躍度J20(第1の加速時における躍度J10)は、ダウンシフト変速指令時点から所定の時間t(第1の加速度が生じる所定の期間)に至るまで更新される。基準躍度J20(第1の加速時における躍度J10)は、ダウンシフト変速指令時点から所定の時間t経過時点での加速度変化率である。
さらに、記憶部は、第1のダウンシフト変速開始後に、第2のダウンシフト変速指令があった場合は、第1の加速時における躍度J10と、第2のダウンシフト変速指令があった時点t17における躍度J30とを比較し、第2のダウンシフト変速指令時における躍度J30が第1の加速時における躍度J10よりも大きい場合は、基準躍度J20を第2のダウンシフト変速指令時における躍度J30に更新するとともに記憶する。
締結圧ライン算出部は、記憶部に記憶された第1の加速時における躍度J10に基づいて第2の加速時における躍度j10を制御するための解放側摩擦締結要素の締結圧ラインLを算出する。
例えば、エンジントルクと、解放側摩擦締結要素の分担トルクに基づいて解放側摩擦締結要素の目標トルクを求め、解放側摩擦締結要素の締結圧が目標トルクに応じた目標の締結圧になるように締結圧ラインLを算出する。
加速度制御手段は、解放側摩擦締結要素が締結圧ライン算出部によって算出された締結圧ラインLとなるように、油圧制御装置に油圧指令値を出力する。
図2のフローチャートを参照しながら、アクセル踏み込み操作によるダウンシフト変速時における解放制御部による解放制御および加速制御部による加速度制御の動作の一例を説明する。
まず、ステップS1では、アクセル踏込によるダウンシフト変速における解放制御に関連する各種情報が読み込まれる。ステップS2では、ダウンシフト変速指令の有無が判定される。ステップS2の判定の結果、ダウンシフト変速指令が出されない場合は、フローはリターンされる。ステップS2において、ダウンシフト変速指令が出されると、ステップS3において、初期変速制御として、油圧締結室内の作動油を速やかに排出することで、解放側摩擦締結要素(第1摩擦締結要素CL1)の締結油圧が所定の締結圧となるように降圧する。
ステップS4では、アクセル操作速度が予め設定した所定速度(例えば200%/sec)よりも遅いかどうかが判定される。アクセル操作速度が所定速度よりも速い場合は、続くステップS5において、回転同期制御が実行される。ステップS6で、回転同期が完了したか否かが判定され、完了するまでの間回転同期制御が実行される。ステップS6で回転同期が完了したと判定された後にステップS7の完了制御が実行される。
ステップS7の完了制御では、解放側摩擦締結要素(第1摩擦締結要素CL1)の締結油圧室の作動油が速やかに排出され、ステップS8では、ダウンシフト変速が完了したかどうかが判定される。ステップS8で、ダウンシフト変速が完了するまで、ステップS7の完了制御が実行され続け、ステップS8でダウンシフト変速が完了されるとフローを終了する。
ステップS4で、アクセル操作速度が所定速度よりも遅い場合は、ステップS9で、所定の変速かどうかが判定される。なお、本実施形態において所定の変速は、例えば、5速から4速、4速から3速、3速から2速等の単一変速、および、変速段差が大きい2速から1速への変速を除く変速を対象とする。
ステップS9で所定の変速ではない場合は、ステップS4のアクセル操作速度が所定速度よりも速い場合と同様に、ステップS5の回転同期制御およびステップS7の完了制御を実行し、ダウンシフト変速が終了される。
ステップS9で所定の変速と判定された場合は、ステップS10でアクセル開度を読み込むとともに、読み込まれたアクセル開度に基づいて目標躍度Jが設定される。目標躍度Jは、目標加速度の変化率であって、本実施形態において、目標躍度Jは、アクセル開度に基づいて算出された目標加速度Gを微分することで算出される。
ステップS11では、ステップS2のダウンシフト変速指令があった時から所定時間t(例えば、作動油が温まっている温間で100msec)経過したかどうかが判定される。ステップS11において、所定時間t経過するまでは、目標躍度Jが設定され続け、所定時間t経過した時点でステップS12にフローを進める。
なお、所定時間tは、解放側摩擦締結要素(第1摩擦締結要素CL1)の締結油圧室から作動油が排出されることにより、スリップ状態が生じる以前、かつ、加速度が増加している間の所定時間であればよく、作動油の排出速度、自動変速機の仕様、および、作動油の油温等によって変更されてもよい。
ステップS12では、所定時間t経過時点における目標躍度Jを第1の加速時における躍度J10(基準躍度J20)として、記憶部に記憶する。第1の加速時における躍度J10(基準躍度J20)は、変速初期の所定時間t経過時点における目標加速度変化率である。
続くステップS13では、回転同期制御が実行される。回転同期制御では、解放側摩擦締結要素(第1摩擦締結要素CL1)の締結圧がスリップ状態に制御されることで、エンジン回転数を上昇させて、タービン回転数(変速機の入力軸の回転数)が変速後の目標回転数となるように制御される。
回転同期制御において、解放側摩擦締結要素(第1摩擦締結要素CL1)のスリップ状態が継続すると、エンジン回転数の吹き上がりが生じる場合がある。この場合、回転同期制御では、補正制御が実行される。
補正制御では、解放側摩擦締結要素(第1摩擦締結要素CL1)の締結圧を漸増させることにより、スリップ状態よりもわずかに締結側に制御される。これにより、エンジン回転数の吹き上がりが抑制されてタービン回転数が目標とする変速後の回転数となるように制御される。
ステップS14では、単一変速中かどうかが判定され、単一変速中の場合は、ステップS15で、ステップS10同様にアクセル開度を読み込むとともに、読み込まれたアクセル開度に基づいて、目標躍度Jが設定される。
ステップS16では、ステップS2のダウンシフト変速指令に加え、第2のダウンシフト変速指令の有無を判定する。第2のダウンシフト変速指令がない場合は、ステップS17で回転同期が完了したか否かが判定され、回転同期が完了するまでは、目標躍度Jの設定、および、回転同期制御が継続される。
回転同期が完了した場合、ステップS18では、ステップS12で記憶部に記憶された第1の加速時における躍度J10(基準躍度J20)に基づいて、回転同期完了後の変速後期に実行される加速度制御時の解放側摩擦締結要素(第1摩擦締結要素CL1)の締結油圧に関する指示圧ライン(締結油圧ライン)Lが設定される。
指示圧ラインLは、解放側摩擦締結要素(第1摩擦締結要素CL1)の締結油圧室の油圧を抜く際の速度(抜き勾配)を制御することができ、これにより、変速後期の加速度制御時に生じる実際の加速度変化率(第2の加速時における躍度)j10を制御することができる。本実施形態においては、指示圧ラインLは、加速度制御時に生じる第2の躍度j10が、上述の基準躍度J20(第1の加速時における躍度J10)と略一致するように予め備えられたマップから取得される。
ステップS19では、加速度制御が実行される。加速度制御では、ステップS18で設定された解放側摩擦締結要素(第1摩擦締結要素CL1)の締結油圧に関する指示圧ラインLに沿って、解放側摩擦締結要素(第1摩擦締結要素CL1)の締結圧が制御される。
ステップS20では、ダウンシフト変速が完了したか否かが判定される。ダウンシフト変速が完了するまで、加速度制御が実行され、ダウンシフト変速が完了したときにフローが終了される。
ステップS16で第2のダウンシフト指令があった場合には、図4のステップS21に進み、第2のダウンシフト指令があった時点(図6のt13参照)における目標躍度J30と、ステップS12で記憶された基準躍度J20(第1の加速時における躍度J10)とを比較し、第2のダウンシフト指令があった時点における躍度J30が大きい場合は、ステップS22に進む。
ステップS22では、ステップS12で記憶された基準躍度J20(第1の加速時における躍度J10)が第2のダウンシフト指令があった時点における躍度J30に更新され、ステップS20で、第2のダウンシフト指令があった時点における躍度J30が小さい場合は、基準躍度J20は更新されない。
続くステップS23において、回転同期が完了したか否かが判定され、同期が完了していない場合はステップS13に戻り、回転同期制御が継続される。その後、ステップS14で単一変速中かが判定され、連続変速中なので、フローはステップS23の同期完了判定に進められる。
回転同期が完了された後、ステップS24では、ステップS22で記憶部に記憶された基準躍度J20(第1の加速時における躍度J10)または第2のダウンシフト変速指令があった時点における躍度J30に基づいて、回転同期完了後の変速後期に実行される加速度制御時の解放側摩擦締結要素(第1摩擦締結要素CL1)の締結油圧に関する指示圧ライン(締結油圧ライン)L1が設定される。指示圧ラインL1は、ステップS18と同様に予め備えられたマップから取得されることで設定される。
ステップS25では、加速度制御が実行される。加速度制御では、ステップS24で算出された解放側摩擦締結要素(第1摩擦締結要素CL1)の締結油圧に関する指示圧ラインL1に沿って、解放側摩擦締結要素(第1摩擦締結要素CL1)の締結圧が制御される。
ステップS26では、ダウンシフト変速が完了したか否かが判定される。ダウンシフト変速が完了するまで加速度制御が実行され、ダウンシフト変速が完了した場合には、ステップS27にフローを進め、第2のダウンシフト変速の変速初期制御を実行する。
第2のダウンシフト変速の変速初期制御では、例えば、3速から2速に変速する際に解放される第2の解放側摩擦締結要素としての第2摩擦締結要素CL2の油圧締結室内の作動油を速やかに排出することで、第2の解放側摩擦締結要素(第2摩擦締結要素CL2)の締結油圧が所定の締結圧となるように降圧される。
続くステップS28では、回転同期制御が実行される。回転同期制御では、第2の解放側摩擦締結要素(第2摩擦締結要素CL2)の締結圧がスリップ状態に制御されることで、エンジン回転数を上昇させて、タービン回転数(変速機の入力軸の回転数)が変速後の目標回転数となるように制御される。
回転同期制御において、第2の解放側摩擦締結要素(第2摩擦締結要素CL2)のスリップ状態が継続すると、エンジン回転数の吹き上がりが生じる場合がある。この場合、回転同期制御では、補正制御が実行される。
補正制御では、第2の解放側摩擦締結要素(第2摩擦締結要素CL2)の締結圧を漸増させることにより、スリップ状態よりもわずかに締結側に制御される。これにより、エンジン回転数の吹き上がりが抑制されてタービン回転数が目標とする変速後の回転数となるように制御される。
ステップS29では、回転同期制御が完了したか否かが判定され、回転同期が完了するまでは、回転同期制御が継続され、回転同期が完了した場合は、ステップS30で、加速度制御が実行される。
加速度制御では、ステップS24で算出された第2の解放側摩擦締結要素(第2摩擦締結要素CL2)の締結油圧に関する指示圧ラインL1に沿って、第2の解放側摩擦締結要素(第2摩擦締結要素CL2)の締結圧が制御される。
ステップS31では、ダウンシフト変速が完了したか否かが判定される。ダウンシフト変速が完了するまで加速度制御が実行され、ダウンシフト変速が完了した場合には、フローが終了される。
次に、図5に示すタイムチャートを参照しながら、本実施形態に係る制御装置を備えた車両のアクセル踏み込みによる所定の単一のダウンシフト変速が生じる場合における、各種要素の経時的変化の一例について説明する。
図4に示すように、時点t0において、アクセル踏み込みによりダウンシフト変速が開始され、アクセル操作速度が所定速度よりも遅く、ダウンシフト変速が狙いの変速(例えば、5-4変速、4-3変速、3-2変速等の単一変速)であった場合に、ダウンシフト変速制御が開始される。本実施形態におけるダウンシフト変速制御では、まず、4速の状態で締結されていた第1摩擦締結要素CL1の解放制御の変速初期制御(図3のステップS3)が実行される。
アクセル踏み込みによるアクセル開度の増大(a1)に伴って、アクセル開度に基づいて算出される目標加速度Gが増大する(a2)。変速初期制御中において、第1摩擦締結要素CL1の締結油圧は、第1摩擦締結要素CL1がスリップ状態となる締結油圧まで降圧される(a3)。なお、実際の締結油圧は、締結油圧室から作動油が排出されるまでの遅れがあるため、実際の締結油圧は、仮想線aで示すように変速開始時点t0から所定時間t経過した時点t1において、第1摩擦締結要素CL1がスリップ状態となる締結油圧まで降圧される。
図5の矢印a4に示すように、変速初期制御中(時点t0から時点t1)において、4速の状態で解放されて3速の状態で締結される第2摩擦締結要素CL2は、締結制御におけるプリチャージ制御が実行される。
変速初期制御中(時点t0から時点t1)では、第1摩擦締結要素CL1がトルクを伝達可能な状態であるので、図5の矢印a5に示すように、4速の状態で車両の実加速度が増大する。なお、本実施形態においては、第1摩擦締結要素CL1と、第4摩擦締結要素CL4とによって4速が形成される。
目標加速度Gおよび実加速度gの増大に伴って、図5の矢印a6および矢印a7に示すように、目標加速度の変化率(目標躍度)Jおよび実加速度の変化率(実躍度)jが増大する。単一変速においては、変速開始から所定時間tが経過した時点t1における目標加度の変化率(目標躍度)J10が、基準躍度J20として記憶部に記憶される。
基準躍度J20を記憶する時期は、変速開始時点t0から所定時間経過時点t1に設定されている。本実施形態において、所定時間経過時点t1は、第1摩擦締結要素CL1の締結室から作動油が排出された後、第1摩擦締結要素CL1がスリップ状態となる前の時点であり、4速の状態における加速度が得られる時期である。
解放制御では、変速初期制御によって、第1摩擦締結要素CL1がスリップ状態となる締結油圧まで降圧された後、回転数同期制御に移行する。回転同期制御では、第1摩擦締結要素CL1がスリップ状態となる締結油圧が維持される。
回転数同期制御中において締結制御では、プリチャージ制御完了時点t2から、第2摩擦締結要素CL2がスリップ状態となる油圧を維持する油圧維持制御に移行する。
回転数同期制御中においては、図5の矢印A1に示すように、第1摩擦締結要素CL1および第2摩擦締結要素CL2はともにスリップ状態にあるので、変速機がニュートラル状態となる。これにより、図5の矢印a8に示すように、エンジン回転数が上昇される。
ニュートラル状態を維持し続けると、図5の矢印a9に示すようにエンジン回転の吹き上がりが生じる虞がある。これに対して、回転数同期制御では、例えば、アクセルの操作速度や車両の走行状態によって予め設定された所定の時点t3において、図5のa10に示すように、第1摩擦締結要素CL1の締結油圧室の締結油圧を漸増させて第1摩擦締結要素CL1を締結側に制御することで、図5のa11に示すようにエンジン回転数の吹き上がりが制御される。
なお、回転数同期制御中において、目標加速度Gは、図5の矢印a12に示すようにアクセル開度に応じて増大された状態が維持されているが、ニュートラル状態なので、図5の矢印a13に示すように実加速度gは、減少した状態となる。
締結制御では、タービン回転数がダウンシフト変速後の回転数に同期された時点t5で、第2摩擦締結要素CL2が締結されるように、時点t5よりも前の時点t4において、油圧維持制御から昇圧制御に移行する。昇圧制御により、第2摩擦締結要素CL2が締結されるので、変速機は3速の状態となって、図5の矢印a14に示すように3速の加速が実行される。
解放制御は、タービン回転数が、ダウンシフト変速後の回転数に同期された時点t5において、回転数同期制御から加速度制御に移行する。加速度制御において、例えば、図5の矢印a15に示すように、第1摩擦締結要素CL1の締結室から油圧を速やかに抜く場合、図5の矢印a16に示すように変速後期の第2の加速時における加速度変化率gが上昇する。
これに対して、加速度制御では、回転数同期後の第2摩擦締結要素CL2の締結による3速の加速時(第2の加速時)における躍度j10を、基準躍度J10と対応させるように制御する。本実施形態においては、第2の加速時における躍度j10が、基準躍度J10と略一致(例えば、±1m/s3)するように、第2の加速時における躍度j2を制御する。
具体的に、回転数同期制御によって締結側に制御された第1摩擦締結要素CL1の締結油圧を抜く速度(抜き勾配)を、第2の加速時における躍度j10が基準躍度J10と略一致するように締結圧ラインLが設定されている。
したがって、変速初期の第1の加速時における躍度(基準躍度)J10と、回転数同期後の第2の加速時における躍度j10とを略一致させることができる。
解放制御の加速制御によって第1摩擦締結要素CL1が完全解放されるとともに、締結制御の昇圧制御によって第2摩擦締結要素CL2が完全締結された時点t6で、ダウンシフト変速が完了する。
解放制御の加速制御によって第1摩擦締結要素CL1が完全解放されるとともに、締結制御の昇圧制御によって第2摩擦締結要素CL2が完全締結された時点t6で、ダウンシフト変速が完了する。
次に、図6に示すタイムチャートを用いて、本実施形態に係る制御装置を備えた車両のアクセル踏み込みによって連続のダウンシフト変速が生じる場合について説明する。
図6に示すように、時点t10において、アクセル踏み込みによりダウンシフト変速が開始され、アクセル操作速度が所定速度よりも遅く、ダウンシフト変速が狙いの変速(例えば、6-5変速、5-4変速、4-3変速等の一段階の変速)であった場合に、ダウンシフト変速制御が開始される。ダウンシフト変速制御では、まず、4速の状態で締結されていた第1摩擦締結要素CL1の解放制御の変速初期制御(図3のステップS3)が実行される。
アクセル踏み込みによるアクセル開度増大(b1)に伴って、アクセル開度に基づいて算出される目標加速度Gが増大する(b2)。変速初期制御中において、第1摩擦締結要素CL1の締結油圧は、第1摩擦締結要素CL1がスリップ状態となる締結油圧まで降圧される(b3)。なお、単一変速同様に、実際の締結油圧は、仮想線bで示すように変速開始時点t10から所定時間tが経過した時点t11において、第1摩擦締結要素CL1がスリップ状態となる締結油圧まで降圧される。
図6の矢印b4に示すように、変速初期制御中(時点t0から時点t1)において、4速の状態で解放されて3速の状態で締結される第2摩擦締結要素CL2は、締結制御におけるプリチャージ制御が実行される。
変速初期制御中(時点t0から時点t1)では、第1摩擦締結要素CL1がトルクを伝達可能な状態であるので、図6の矢印b5に示すように、4速の状態で車両の実加速度gが増大する。なお、本実施形態においては、第1摩擦締結要素CL1と、第4摩擦締結要素CL4とによって4速が形成される。
目標加速度Gおよび実加速度gの増大に伴って、図6の矢印b6および矢印b7に示すように、目標加速度の変化率(目標躍度)Jおよび実加速度の変化率(実躍度)jが増大する。変速開始時点t10から所定時間t経過した時点t11における目標加速度の変化率J10が、基準躍度J20として記憶部に記憶される。
基準躍度J20を記憶する時期は、変速開始時点t0から所定時間経過時点t1に設定されている。本実施形態において、所定時間経過時点t1は、第1摩擦締結要素CL1の締結室から作動油が排出された後、第1摩擦締結要素CL1がスリップ状態となる前の時点であり、4速の状態における加速度が得られる時期である。
解放制御では、変速初期制御によって、第1摩擦締結要素CL1がスリップ状態となる締結油圧まで降圧された後、回転数同期制御に移行する。回転数同期制御では、第1摩擦締結要素CL1がスリップ状態となる締結油圧が維持される。
回転数同期制御中において締結制御では、プリチャージ制御完了時点t2から、第2摩擦締結要素CL2がスリップ状態となる油圧を維持する油圧維持制御に移行する。
目標躍度Jは、回転同期が完了するまで、基準躍度J20設定後も加速度制御部の基準躍度算出部によって設定される。
第1の変速開始(4-3変速)から所定時間tが経過した後に、第2のダウンシフト変速要求(3-2変速要求)があった時点t13における躍度J30が、記憶部に記憶された基準躍度J20よりも大きいので、記憶部に記憶された基準躍度J20が第2のダウンシフト変速要求時点における躍度J30に更新される。
回転数同期制御中においては、図6の矢印B1に示すように、第1摩擦締結要素CL1および第2摩擦締結要素CL2はともにスリップ状態にあるので、変速機がニュートラル状態となる。これにより、図6の矢印b8に示すように、エンジン回転数が上昇される。
ニュートラル状態を維持し続けると、前述のようにエンジン回転の吹き上がりが生じる虞がある。これに対して、回転数同期制御では、例えば、アクセルの操作速度や車両の走行状態によって予め設定された所定の時点t14において、図6のb9に示すように、第1摩擦締結要素CL1の締結油圧室の締結油圧を漸増させて第1摩擦締結要素CL1を締結側に制御することで、図6のb10に示すようにエンジン回転数の吹き上がりが制御される。
なお、回転数同期制御中において、目標加速度Gは、図6の矢印b11に示すようにアクセル開度に応じて増大されるが、ニュートラル状態なので、図6の矢印a12に示すように実加速度gは、減少した状態となる。
締結制御では、タービン回転数がダウンシフト変速後の回転数に同期された時点t16で、第2摩擦締結要素CL2が締結されるように、時点t16よりも前の時点t15において、油圧維持制御から昇圧制御に移行する。昇圧制御により、第2摩擦締結要素CL2が締結されるので、一旦3速の状態となって、図6の矢印b13に示すように3速の加速が実行される。
解放制御は、タービン回転数が、ダウンシフト変速後の回転数に同期された時点t16において、回転数同期制御から加速度制御に移行する。加速度制御では、回転数同期後の第2摩擦締結要素CL2の締結による3速の加速時(第2の加速時)における躍度j31を、更新された基準躍度(第2のダウンシフト変速要求時点における躍度)J30と対応させるように制御する。本実施形態においては、第2の加速時における躍度j31が、基準躍度J30と略一致(例えば、±1m/s3)するように制御される。
具体的に、回転数同期制御によって締結側に制御された第1摩擦締結要素CL1の締結油圧を抜く速度(抜き勾配)を、第2の加速時における躍度j31が基準躍度J30と略一致するように締結圧ラインL1が設定されている。
時点t13において、第2のダウンシフト変速要求があったので、3速の状態となった時点から、第2のダウンシフト変速制御(本実施形態では、3-2変速)を開始する(t17)。
第2のダウンシフト変速制御では、まず、3速の状態で締結されていたい第2摩擦締結要素CL2の解放制御の変速初期制御(図4のステップS24)が実行される。変速初期制御中において、第2摩擦締結要素CL2の締結油圧は、第2摩擦締結要素CL2がスリップ状態となる締結油圧まで降圧される(b14)。図6の矢印b15に示すように、変速初期制御中において、3速の状態で解放されて2速の状態で締結される第3摩擦締結要素CL3は、締結制御におけるプリチャージ制御が実行される。
変速初期制御中では、第2の摩擦締結要素CL2がトルクを伝達可能な状態であるので、図6の矢印b16に示すように、3速の状態で車両の実加速度が増大する。なお、本実施形態においては、第2摩擦締結要素CL2と、第4摩擦締結要素CL4とによって3速が形成される。
解放制御では、変速初期制御によって、第2摩擦締結要素CL2がスリップ状態となる油圧まで降圧された後、回転数同期制御に移行する。回転数同期制御では、第2摩擦締結要素CL2がスリップ状態となる締結油圧が維持される。
回転数同期制御中において締結制御では、プリチャージ完了時点t18から、第3摩擦締結要素CL3がスリップ状態となる油圧を維持する結愛築地制御に移行する。
回転数同期制御中においては、図6の矢印B2に示すように、第2摩擦締結要素CL2および第3摩擦締結要素CL3はともにスリップ状態にあるので、変速機がニュートラル状態となる。これにより、図6の矢印b17に示すように、エンジン回転数が上昇される。
第1のダウンシフト変速同様に、ニュートラル状態を維持し続けるとエンジン回転の吹き上がりが生じる虞がある。これに対して、回転数同期制御では、例えば、アクセルの操作速度や車両の走行状態によって予め設定された所定の時点t19において、図6のb18に示すように、第2摩擦締結要素CL2の締結油圧室の締結油圧を漸増させて第2摩擦締結要素CL2を締結側に制御することで、図6のb19に示すようにエンジン回転数の吹き上がりが制御される。
締結制御では、タービン回転数がダウンシフト変速後の回転数に同期された時点t21で、第3摩擦締結要素CL3が締結されるように、時点t21よりも前の時点t20において、油圧維持制御から昇圧制御に移行する。昇圧制御により、第3摩擦締結要素CL3が締結されるので、変速機は2速の状態となって、図6の矢印b20に示すように2速の加速が実行される。
解放制御は、タービン回転数が、ダウンシフト変速後の回転数に同期された時点t21において、回転数同期制御から加速度制御に移行する。加速度制御では、回転数同期後の第3摩擦締結要素CL3の締結による2速の加速時(第3の加速時)における躍度j32を、基準躍度J30と対応させるように制御する。本実施形態においては、第3の加速時における躍度j32が、基準躍度J30と略一致(例えば、±1m/s3)するように、第3の加速時における躍度j32を制御する。
具体的に、回転数同期制御によって締結側に制御された第2摩擦締結要素CL2の締結油圧を抜く速度(抜き勾配)を、第3の加速時における躍度j32が基準躍度J30と略一致するように締結圧ラインL1が設定されている。
したがって、変速初期の第1の加速時における躍度(基準躍度)J30と、第1のダウンシフト変速の回転数同期後の第2の加速時における躍度j31と、第2のダウンシフト変速の回転数同期後の第3の加速時における躍度j32とが略一致する。
解放制御の加速制御によって第2摩擦締結要素CL2が完全解放されるとともに、締結制御の昇圧制御によって第3摩擦締結要素CL3が完全締結された時点t22で、連続ダウンシフト変速が完了する。
以上の構成によれば、単一変速時においては、変速初期の第1の加速時における躍度(基準躍度)J10と、回転数同期後の第2の加速時における躍度j10とを一致させることによって、一貫した加速フィーリングを乗員に与えることができる。
連続変速時においても、変速初期の第1の加速時における躍度(基準躍度)J30と、第1のダウンシフト変速の回転数同期後の第2の加速時における躍度j31と、第2のダウンシフト変速の回転数同期後の第3の加速時における躍度j32とが略一致するので、連続変速においても、一貫した加速フィーリングを乗員に与えることができる。
また、アクセル踏み込み操作による所定のダウンシフト変速時において、エンジンの吹き上がりによる変速ショックを防止するためのインターロック状態を利用して、解放側摩擦締結要素の油圧の抜き勾配を制御することによって、ダウンシフト変速後の変速段による加速(第2の加速時における躍度)を適切な値に制御することができる。
また、変速開始した直後においては、加速度の変化が得られない場合があるが、第1の加速時における躍度J10に変速初期の変速開始t0から所定時間t経過した時点t1の躍度を用いることで、加速度の変化を確実に得ることができる。
また、加速度の変化率を目標加速度に基づいて算出する目標加速度の変化率とすることで、例えば、加速度センサ等から取得した実際の加速度に基づいて算出する加速度の変化率を用いる場合よりもノイズ等を考慮する必要がなく制御がしやすい。
また、2段変速では、摩擦締結要素の掛け替えが2回実行された後に変速が完了するため、単一変速に比して変速にかかる時間がかかる。これに対して、アクセル踏み込み操作による第1の加速時における躍度に比して、第2のダウンシフト変速指令時点の目標加速度の変化率が高い場合、第2のダウンシフト変速指令時点の目標躍度に、第2および第3の加速時における躍度を対応させることで、変速時間を短縮するとともに、乗員に対して一貫した加速フィーリングを与えることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に記載された構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、変速後期における第2の加速時における躍度を制御する、加速度制御手段として、解放側摩擦締結要素の締結圧の指示圧を制御に用いる例を説明したが、第2の加速時における躍度を制御する加速度制御手段は、駆動力を発生するエンジン等の駆動源のトルクを制御するものであってもよい。
また、例えば、本実施形態においては、単一変速の場合における加速度に目標加速度を用いる例を説明したが、加速度センサ等から取得される実際の加速度が用いられてもよい。
特許請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲から逸脱することなく、各種変形および変更を行うことも可能である。