JP7180241B2 - 単量体組成物の精製方法及び重合体の製造方法 - Google Patents
単量体組成物の精製方法及び重合体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7180241B2 JP7180241B2 JP2018180497A JP2018180497A JP7180241B2 JP 7180241 B2 JP7180241 B2 JP 7180241B2 JP 2018180497 A JP2018180497 A JP 2018180497A JP 2018180497 A JP2018180497 A JP 2018180497A JP 7180241 B2 JP7180241 B2 JP 7180241B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- monomer composition
- sulfur
- polymerization
- removal step
- halogen
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
また、本発明は、精製された多環芳香族ビニル化合物含有単量体組成物を少なくとも含む組成物を用いた重合体の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明によれば、精製された多環芳香族ビニル化合物含有単量体組成物を少なくとも含む組成物を用いた重合体の製造方法を提供することができる。
ここで、本発明の単量体組成物の精製方法により得られた精製済単量体組成物は、本発明の重合体の製造方法に際して好適に用いることができる。
本発明の単量体組成物の精製方法は、芳香族炭化水素単環及び芳香族複素単環からなる群より選択される単環を少なくとも2つ有する多環芳香族ビニル化合物を含む単量体組成物の精製方法である。かかる精製方法は、単量体組成物から硫黄を除去する硫黄除去工程を含むことを特徴とする。本発明の単量体組成物の精製方法では、精製対象である単量体組成物に不純物として含有される硫黄物質を除去することで、精製済単量体組成物として、重合した際の重合転化率の高い単量体組成物を得ることができる。ここで、ある単量体組成物を重合した際の重合転化率が高い、ということは、かかる単量体組成物を用いて重合体を得た場合の収率が高いということを意味する。従って、重合体を効率的に製造する観点から、重合した際の重合転化率の高い単量体組成物は有利である。さらに、本発明の単量体組成物の精製方法は、ハロゲン除去工程を含むことが好ましい。以下、精製対象である単量体組成物、及び本発明の単量体組成物の精製方法に含まれうる各種工程等について、説明する。
本発明の単量体組成物の精製方法における精製対象である単量体組成物は、所定の多環芳香族ビニル化合物と、不純物とを含む。
多環芳香族ビニル化合物は、芳香族炭化水素単環及び芳香族複素単環からなる群より選択される単環を少なくとも2つ有する化合物である。なお、多環芳香族ビニル化合物中に2つ以上存在する単環は、互いに独立していてもよく、縮合して縮合環を形成していてもよいが、2つ以上存在する単環は縮合して存在することが好ましい。また、精製対象である単量体組成物は、1種又は複数種の多環芳香族ビニル化合物を含んでいても良い。
精製対象である単量体組成物に含まれる不純物としては、硫黄が挙げられる。不純物としての硫黄は、特に限定されることなく、遊離硫黄、及び各種の硫黄含有化合物といった硫黄物質として含有されうる。また、硫黄以外の不純物としては、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素等のハロゲン、並びに水等が挙げられる。不純物としてのハロゲンの含有態様としては、特に限定されることなく、各種のハロゲン含有化合物が挙げられる。
硫黄除去工程では、単量体組成物から硫黄を除去する。硫黄の除去方法としては、特に限定されることなく、吸着材を用いた方法及び昇華法等を採用することができる。中でも、除去効率の観点から、吸着材を用いた方法が好ましい。具体的には、吸着材を用いた方法では、精製対象としての単量体組成物に対して吸着材を接触させることにより、単量体組成物中に含まれる硫黄を除去することができる。なお、吸着材としては、無機酸化物等の無機材料を好適に用いることができる。より具体的には、無機酸化物としては、活性アルミナを好適に用いることができる。なお、硫黄除去工程は、例えば、-80℃以上70℃以下の温度条件にて、0.5時間以上30日以内の処理時間(期間)で、実施することができる。
さらに、本発明の単量体組成物の精製方法は、ハロゲン除去工程を含むことが好ましい。ハロゲン除去工程を実施することで、重合した際の重合転化率の一層高い単量体組成物を得ることができる。ハロゲン除去工程では、ハロゲンの中でも、臭素を除去することが好ましく、より具体的には、ハロゲン除去工程において、単量体組成物に含まれる臭素の量を、後述する好適な範囲内とすることが好ましい。ここで、上述した硫黄除去工程と、ハロゲン除去工程とは、如何なる順序で実施しても良い。より詳細には、硫黄除去工程又はハロゲン除去工程の何れかを先に実施してから、他方を実施しても良いし、双方を同時に実施しても良い。ハロゲンの除去方法としては、特に限定されることなく、吸着材を用いた方法、昇華法、及び蒸留法等を採用することができる。
さらに、任意で、単量体組成物中に含有される水等を除去する下処理工程を実施することができる。単量体組成物中に含有される水を除去する方法としては、特に限定されることなく、モレキュラーシーブ等のゼオライトよりなる乾燥剤と単量体組成物とを接触させる方法等が挙げられる。かかる下処理工程は、特に限定されることなく、あらゆるタイミングで実施することができるが、製造効率を高める観点から、上述した硫黄除去工程及びハロゲン除去工程の双方又は何れか一方と同時に実施することが好ましい。
本発明の重合体の製造方法は、上述した本発明の単量体組成物の精製方法に従って得た精製済単量体組成物を含む組成物(I)を、アニオン重合して重合体を得る重合工程を含むことを特徴とする。組成物(I)をアニオン重合することで、高い重合転化率で重合体を形成することができる。その理由は明らかではないが、硫黄除去工程にて除去される硫黄物質が、種々の重合様式の中でも、特にアニオン重合を阻害するように作用するため、上記硫黄除去工程を経た精製済単量体組成物を用いることで、アニオン重合による重合転化率を顕著に高め得るためであると推察される。
重合工程では、組成物(I)をアニオン重合して重合体を得る。組成物(I)は、上述した芳香族炭化水素単環及び芳香族複素単環からなる群より選択される単環を少なくとも2つ有する多環芳香族ビニル化合物を含むことを必要とする。そして、重合工程では、アニオン重合触媒を用いたアニオン重合を実施して、多環芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位のみからなるホモポリマー、又は、多環芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位と他の化合物に由来する単量体単位とを含む共重合体を得ることができる。なお、アニオン重合は、特に限定されることなく、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で、有機溶媒中にて行うことができる。
(i)多環芳香族ビニル化合物を含む単量体混合物(a1)を重合させて、所定の重合体ブロック[A]を形成する第1の重合工程と、脂肪族共役ジエン化合物を含有する単量体混合物(b1)を重合させて、所定の重合体ブロック[B]を形成する第2の重合工程と、多環芳香族ビニル化合物を含有する単量体混合物(a2)を重合させて、所定の重合体ブロック[A]を形成する第3の重合工程とを含む方法;及び
(ii)多環芳香族ビニル化合物を含有する単量体混合物(a1)を重合させて、所定の重合体ブロック[A]を形成する第1の重合工程と、脂肪族共役ジエン化合物を含有する単量体混合物(b1)を重合させて、脂肪族共役ジエン化合物由来の構造単位を主成分とする重合体ブロック[B’]を形成する第2の重合工程と、重合体ブロック[B’]の末端同士をカップリング剤によりカップリングさせる工程とを含む方法、
等が挙げられる。なお、上記(ii)の方法において使用するカップリング剤としては、特に限定されることなく、従来公知のカップリング剤を使用することができる。また、カップリング剤の使用量は、目的とするブロック共重合体の分子量に応じて適宜調節すればよい。なお、本明細書において、ある重合体ブロックがある構造単位を「主成分とする」とは、当該重合体ブロックを構成する全単位を100質量%として、ある構造単位の割合が、50質量%超であることを意味し、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であることを意味する。なお、ある重合体ブロックがある構造単位を「主成分とする」場合に、当該重合体ブロックの全単位がある構造単位であっても良い。即ち、ある重合体ブロックが、主成分である構造単位のみからなるブロックであっても良い。そして、かかる重合体ブロックを形成する際に用いる単量体混合物における各化合物間の質量比率は、目的とする重合体ブロックにおける各構造単位の割合に準ずる。
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、実施例、比較例で得た各種重合体について、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及びピークトップ分子量(Mp)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
その際、測定器としてはHLC-8320(東ソー社製)を用いた。カラムとしてはTSKgelα-M(東ソー社製)二本を直列に連結して用いた。検出器としては示差屈折計RI-8320(東ソー社製)を用いた。そして、展開溶媒としてテトラヒドロフランを用いて、上記各種重合体について、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及びピークトップ分子量(Mp)を標準ポリスチレン換算値として求めた。それから分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
重クロロホルムを溶剤とする1H-NMRを測定することにより、2-ビニルナフタレンの転化率及びイソプレンの転化率を算出し、以下の基準に従って評価した。
A:90%以上
B:80%以上90%未満
C:80%未満
実施例、比較例で得られた精製済単量体組成物を減圧下で蒸留して溶媒を除去し、試料を得た。約0.02gの試料を磁性ボードに量り取り、自動燃焼装置(ヤナコ社製)で燃焼後、イオンクロマトグラフィー(DIONEX社製、ICS-1500)により硫黄量及び臭素量を定量した。なお、硫黄量及び臭素量は、それぞれ、多環芳香族ビニル化合物の質量1g当たりに含有される、硫黄量(μg)及び臭素量(μg)、即ち、多環芳香族ビニル化合物の質量を基準とした量(ppm)として定量した。
なお、対精製前硫黄量比率、及び対精製前臭素量比率は、上記に従って定量した精製済単量体組成物中における各量(ppm)を、精製前の単量体組成物中における硫黄量(ppm)、臭素量(ppm)でそれぞれ除して、100分率とすることで得ることができる。
実施例8~10、比較例3~4で得られたトリブロック共重合体の純度について、下記式に基づいて算出した。
トリブロック共重合体の純度(%)=[単離したトリブロック共重合体の質量(g)/反応混合物中に含まれる全重合体の質量(g)]×100
なお、反応混合物中に含まれる各重合体の質量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による面積比に基づいて算出した。
<硫黄除去工程及びハロゲン除去工程>
耐圧ガラス容器に、多環芳香族ビニル化合物としての2-ビニルナフタレンを含む単量体組成物(粉体、硫黄量:150ppm、臭素量:300ppm、2-ビニルナフタレン基準)28gを量り取り、トルエン84gに溶解させた。その後、乾燥剤としてのモレキュラーシーブス3Aを14gと吸着材としての活性アルミナ(住友化学社製、NKHD-24HD)をそれぞれ加え、25℃で7日間静置した。なお、モレキュラーシーブス3Aは、硫黄及びハロゲンの除去には寄与せず、単量体組成物中の水分子を吸着除去する目的で添加される乾燥剤である。
<重合工程>
窒素雰囲気下で乾燥し、反応器内雰囲気を窒素ガスに置換した耐圧反応器に、溶媒としてのトルエン30ml、及びアニオン重合触媒としてのn-ブチルリチウムの1.6Mヘキサン溶液32μl(n-ブチルリチウム:52μモル)をそれぞれ入れた。その後、上記耐圧反応器に、上記<硫黄除去工程及びハロゲン除去工程>で得られた、7日間精製処理をした精製済単量体組成物である、2-ビニルナフタレンの25質量%トルエン溶液8g(n-ブチルリチウムに対して250当量)加えた。25℃で1時間反応させた後、得られた2-ビニルナフタレン単位よりなるホモポリマーの一部を採取し、上記に従って各種測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
<硫黄除去工程及びハロゲン除去工程>における処理期間を、それぞれ表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にして、各種操作、測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
<硫黄除去工程及びハロゲン除去工程>における処理期間を21日間とし、更に、<重合工程>で添加する精製済単量体組成物である、2-ビニルナフタレンの25質量%トルエン溶液の量を16g(n-ブチルリチウムに対して500当量)に変更した以外は、実施例1と同様にして、各種操作、測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
実施例3~4と同様の<硫黄除去工程及びハロゲン除去工程>により得られた、21日間精製処理をした2-ビニルナフタレンの25質量%トルエン溶液4g(ブチルリチウムに対して125当量)と、実施例1にて2-ビニルナフタレンを含む単量体組成物を精製した際と同様の処理を行って精製した1-ビニルナフタレンの25wt%トルエン溶液4g(ブチルリチウムに対して125当量)との混合溶液を、精製済単量体組成物として用いた。かかる点以外は、実施例1と同様にして、各種操作、測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
<1-ビニルナフタレンについての硫黄除去工程及びハロゲン除去工程>
多環芳香族ビニル化合物として、1-ビニルナフタレンを含む単量体組成物(液体、硫黄量:70ppm、臭素量:<10ppm、1-ビニルナフタレン基準)を用いて、処理期間を21日間とした以外は、実施例1と同様にして、1-ビニルナフタレンを含む単量体組成物を精製した。
<硫黄除去工程及びハロゲン除去工程>における処理期間を28日間とし、更に、<重合工程>で添加する精製済単量体組成物である、2-ビニルナフタレンの25質量%トルエン溶液の量を48g(n-ブチルリチウムに対して1500当量)に変更した以外は、実施例1と同様にして、各種操作、測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
<硫黄除去工程及びハロゲン除去工程>における処理期間を21日間とし、更に、<重合工程>で、精製済単量体組成物である2-ビニルナフタレンの25質量%トルエン溶液に加えて、脂肪族共役ジエン化合物であるイソプレンを2g(n-ブチルリチウムに対して567当量)添加した。さらに、<重合工程>における反応温度を50℃に変更した。このようにして、本実施例では、2-ビニルナフタレン単位とイソプレン単位とを有するランダム共重合体を得た。これらの点以外は、実施例1と同様にして、各種操作、測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
<硫黄除去工程及びハロゲン除去工程>を行わずに、下記の下処理をして、下処理済単量体組成物(2-ビニルナフタレンの25wt%トルエン溶液)を得て、<重合工程>において、精製済単量体組成物に代えて、下処理済単量体組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、各種操作、測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
<下処理工程>
活性アルミナを用いなかった以外は、実施例1の<硫黄除去工程及びハロゲン除去工程>と同じ操作を行った。即ち、本下処理工程では、モレキュラーシーブス3Aを加えて7日間静置することにより、単量体組成物から水を除去して乾燥させることで、下処理済単量体組成物を得た。
<重合工程>において、精製済単量体組成物に代えて、比較例1と同様にして得た下処理済単量体組成物(2-ビニルナフタレンの25wt%トルエン溶液)8gと、脂肪族共役ジエン化合物であるイソプレン2g(n-ブチルリチウムに対して567当量)と、を添加した。さらに、<重合工程>における反応温度を50度に変更した。このようにして、本比較例では、2-ビニルナフタレン単位とイソプレン単位とを有するランダム共重合体を得た。これらの点以外は、実施例1と同様にして、各種操作、測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
<ブロック共重合体の製造工程>
<<第1の重合工程>>
窒素雰囲気下、乾燥し、窒素で置換された耐圧反応器に、有機溶媒としてトルエン20ml、重合触媒としてn-ブチルリチウムの1.6Mヘキサン溶液32μl(n-ブチルリチウム:52μモル)をそれぞれ入れた。その後、上記の耐圧反応器に、多環芳香族ビニル化合物として実施例1と同様の<硫黄除去工程及びハロゲン除去工程>を経て得られた精製済単量体組成物である2-ビニルナフタレンの25%トルエン溶液8g(n-ブチルリチウムに対して250当量)を添加して25℃で1時間反応させ、一段回目の重合反応を行い、重合体を得た。得られた重合体について、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ピークトップ分子量(Mp)、及び分子量分布(Mw/Mn)を、上記に従って測定し、また、2-ビニルナフタレンの転化率を上記に従って測定及び評価した。結果を表2に示す。
一段階目の重合反応の終了後、次いで、上記耐圧反応器中の反応混合物に、鎖状共役ジエン化合物としてイソプレン2g(n-ブチルリチウムに対して567当量)を添加し、更に50℃で30分間反応させ、二段階目の重合反応を行った。その結果、反応混合物中に、[2-ビニルナフタレンブロック]-[イソプレンブロック]のブロック構成を有するジブロック共重合体を得た。得られたジブロック共重合体の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ピークトップ分子量(Mp)、及び分子量分布(Mw/Mn)を、上記に従って測定した。また、上記に従って本工程で添加したイソプレンの転化率を測定及び評価した。結果を表2に示す。なお、1H-NMRの測定結果から、1段階目の重合反応後に残っていた2-ビニルナフタレンはすべて消費されたことを確認した。
その後、上記反応混合物に、更に、芳香族ビニル化合物として、実施例1と同様の<硫黄除去工程及びハロゲン除去工程>を経て得られた精製済単量体組成物である2-ビニルナフタレンの25%トルエン溶液8g(n-ブチルリチウムに対して250当量)、及び、共触媒として、ジブチルエーテル8.7μL(n-ブチルリチウムに対して1当量)を添加して、25℃で17時間反応させ、三段階目の重合反応を行った。重合反応終了後、50μLのメタノールを添加して重合反応を停止させた。その結果、反応混合物中に、[2-ビニルナフタレンブロック]-[イソプレンブロック]-[2-ビニルナフタレンブロック]のブロック構成を有するトリブロック共重合体を得た。得られたトリブロック共重合体の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ピークトップ分子量(Mp)、及び分子量分布(Mw/Mn)、及びトリブロック共重合体の純度を上記に従って測定した。また、本工程で添加した2-ビニルナフタレンの転化率を上記に従って測定した。なお、1H-NMRの測定結果から、2段階目の重合反応後に残っていたイソプレンはすべて消費されたことを確認した。
ブロック共重合体を製造するにあたり、<<第1の重合工程>>及び<<第3の重合工程>>にて、多環芳香族ビニル化合物として、実施例2と同様の<硫黄除去工程及びハロゲン除去工程>を経て得られた14日間にわたる精製処理を経た精製済単量体組成物である2-ビニルナフタレンの25%トルエン溶液8g(n-ブチルリチウムに対して250当量)を添加した以外は、実施例8と同様にして、各種操作、測定、及び評価を実施した。結果を表2に示す。なお、実施例8と同様に、第2の重合工程の完了時に、1段階目の重合反応後に残っていた2-ビニルナフタレンはすべて消費されたことを確認し、第3の重合工程の完了時に、2段階目の重合反応後に残っていたイソプレンはすべて消費されたことを確認した。
ブロック共重合体を製造するにあたり、<<第1の重合工程>>及び<<第3の重合工程>>にて、多環芳香族ビニル化合物として、実施例3と同様の<硫黄除去工程及びハロゲン除去工程>を経て得られた21日間にわたる精製処理を経た精製済単量体組成物である2-ビニルナフタレンの25%トルエン溶液8g(n-ブチルリチウムに対して250当量)を添加した以外は、実施例8と同様にして、各種操作、測定、及び評価を実施した。結果を表2に示す。なお、実施例8と同様に、第2の重合工程の完了時に、1段階目の重合反応後に残っていた2-ビニルナフタレンはすべて消費されたことを確認し、第3の重合工程の完了時に、2段階目の重合反応後に残っていたイソプレンはすべて消費されたことを確認した。
ブロック共重合体を製造するにあたり、<<第1の重合工程>>にて、多環芳香族ビニル化合物として、比較例1と同様の<下処理工程>を経て得られた下処理済単量体組成物である2-ビニルナフタレンの25%トルエン溶液8g(n-ブチルリチウムに対して250当量)を添加した以外は、実施例8と同様にして、各種操作を順次行うことを試みたが、第2の重合工程にて転化率が5%未満となり、それ以上反応を進めることができなかった。測定及び評価を可能な範囲で実施した結果を表2に示す。
ブロック共重合体を製造するにあたり、<<第1の重合工程>>にて、多環芳香族ビニル化合物として、多環芳香族ビニル化合物としての2-ビニルナフタレンを含む単量体組成物(粉体、硫黄量:500ppm、臭素量:20ppm未満、2-ビニルナフタレン基準)について、比較例1と同様の<下処理工程>を施して得られた下処理済単量体組成物である2-ビニルナフタレンの25%トルエン溶液8g(n-ブチルリチウムに対して250当量)を添加した以外は、実施例8と同様にして、各種操作を順次行うことを試みたが、第2の重合工程にて転化率が5%未満となり、それ以上反応を進めることができなかった。測定及び評価を可能な範囲で実施した結果を表2に示す。
また、本発明によれば、精製された多環芳香族ビニル化合物含有単量体組成物を少なくとも含む組成物を用いた重合体の製造方法を提供することができる。
Claims (8)
- ビニルナフタレンと、不純物としての硫黄及び臭素含有化合物と、を含む単量体組成物の精製方法であって、
前記単量体組成物から前記硫黄を吸着材としての活性アルミナを用いて除去する硫黄除去工程、及び
前記単量体組成物から前記臭素含有化合物を吸着材としての活性アルミナを用いて除去するハロゲン除去工程、
を含み、
前記硫黄は、アニオン重合触媒としてのアルキルリチウムの重合触媒作用を阻害する遊離硫黄及び硫黄化合物であり、
前記硫黄除去工程にて、前記単量体組成物に含有される硫黄量を、前記ビニルナフタレンの質量を基準として150ppm以下とし、さらに、
前記臭素含有化合物は、アニオン重合触媒としてのアルキルリチウムの重合触媒作用を阻害する臭素含有化合物である、
単量体組成物の精製方法。 - 前記硫黄除去工程を経て得られる硫黄除去済単量体組成物に含有される硫黄量を、精製前の前記単量体組成物に含有される硫黄量の90質量%以下とする、請求項1に記載の単量体組成物の精製方法。
- 前記ハロゲン除去工程にて、前記単量体組成物に含有されるハロゲン量を、前記ビニルナフタレンの質量を基準として300ppm以下とする、請求項1又は2に記載の単量体組成物の精製方法。
- 前記ハロゲン除去工程を経て得られるハロゲン除去済単量体組成物に含有されるハロゲン量を、精製前の前記単量体組成物に含有されるハロゲン量の90質量%以下とする、請求項1~3の何れかに記載の単量体組成物の精製方法。
- 請求項1~4の何れかに記載の単量体組成物の精製方法に従って得た精製済単量体組成物を含む組成物(I)を、アニオン重合して重合体を得る重合工程を含む、重合体の製造方法。
- 前記重合工程にて、前記ビニルナフタレンを、脂肪族共役ジエン化合物と共重合させることを更に含む、請求項5に記載の重合体の製造方法。
- 前記重合工程にて、前記ビニルナフタレンと、前記脂肪族共役ジエン化合物とをブロック共重合させて、ブロック共重合体を得ることを更に含む、請求項6に記載の重合体の製造方法。
- 前記重合工程にて、前記ビニルナフタレンを、脂肪族共役ジエン化合物とランダム共重合させて、ランダム共重合体を得ることを更に含む、請求項6に記載の重合体の製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018180497A JP7180241B2 (ja) | 2018-09-26 | 2018-09-26 | 単量体組成物の精製方法及び重合体の製造方法 |
PCT/JP2019/025214 WO2020066174A1 (ja) | 2018-09-26 | 2019-06-25 | 単量体組成物の精製方法及び重合体の製造方法 |
US17/276,516 US20220033328A1 (en) | 2018-09-26 | 2019-06-25 | Method of purifying monomer composition and method of producing polymer |
CN201980046951.3A CN112424240A (zh) | 2018-09-26 | 2019-06-25 | 单体组合物的纯化方法和聚合物的制造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018180497A JP7180241B2 (ja) | 2018-09-26 | 2018-09-26 | 単量体組成物の精製方法及び重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020050743A JP2020050743A (ja) | 2020-04-02 |
JP7180241B2 true JP7180241B2 (ja) | 2022-11-30 |
Family
ID=69995880
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018180497A Active JP7180241B2 (ja) | 2018-09-26 | 2018-09-26 | 単量体組成物の精製方法及び重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7180241B2 (ja) |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002003506A (ja) | 2000-06-26 | 2002-01-09 | Nippon Zeon Co Ltd | 芳香族ビニル重合体水素添加物またはシクロアルケンビニル重合体水素添加物の製造方法およびその原料単量体 |
JP2006111650A (ja) | 2004-10-12 | 2006-04-27 | Tosoh Corp | 水素添加ブロック共重合体及びそれよりなる光学フィルム |
WO2013080967A1 (ja) | 2011-11-28 | 2013-06-06 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 1,3-ブタジエンの精製方法 |
JP2016011366A (ja) | 2014-06-30 | 2016-01-21 | 東亞合成株式会社 | 着色された2−シアノアクリレート系接着剤組成物 |
WO2016035866A1 (ja) | 2014-09-04 | 2016-03-10 | 株式会社クラレ | アニオン重合体の製造方法 |
JP2016160387A (ja) | 2015-03-04 | 2016-09-05 | 株式会社クラレ | 重合体組成物 |
JP2017119756A (ja) | 2015-12-28 | 2017-07-06 | 日本ゼオン株式会社 | 重合体の製造方法 |
-
2018
- 2018-09-26 JP JP2018180497A patent/JP7180241B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002003506A (ja) | 2000-06-26 | 2002-01-09 | Nippon Zeon Co Ltd | 芳香族ビニル重合体水素添加物またはシクロアルケンビニル重合体水素添加物の製造方法およびその原料単量体 |
JP2006111650A (ja) | 2004-10-12 | 2006-04-27 | Tosoh Corp | 水素添加ブロック共重合体及びそれよりなる光学フィルム |
WO2013080967A1 (ja) | 2011-11-28 | 2013-06-06 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 1,3-ブタジエンの精製方法 |
JP2016011366A (ja) | 2014-06-30 | 2016-01-21 | 東亞合成株式会社 | 着色された2−シアノアクリレート系接着剤組成物 |
WO2016035866A1 (ja) | 2014-09-04 | 2016-03-10 | 株式会社クラレ | アニオン重合体の製造方法 |
JP2016160387A (ja) | 2015-03-04 | 2016-09-05 | 株式会社クラレ | 重合体組成物 |
JP2017119756A (ja) | 2015-12-28 | 2017-07-06 | 日本ゼオン株式会社 | 重合体の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020050743A (ja) | 2020-04-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2010255008A (ja) | 星型ブロックコポリマー | |
WO1997000292A1 (en) | Gels made from triblock copolymers | |
EP2899255A1 (en) | Viscosity index improver, method for producing same, and oil composition | |
CA3003844A1 (en) | Asphalt modifier and asphalt composition comprising the same | |
JP4213468B2 (ja) | 星形−ブロックインターポリマー及びそれらの製造 | |
JP7180241B2 (ja) | 単量体組成物の精製方法及び重合体の製造方法 | |
JP4767552B2 (ja) | フェノール系スターポリマー | |
EP3401364B1 (en) | Asphalt modifier and asphalt composition comprising same | |
JP5710258B2 (ja) | アニオン重合においてそれらを用いるための溶媒およびモノマーの乾燥および精製におけるアルカリ金属−シリカゲル(m−sg)材料の使用 | |
WO2020066174A1 (ja) | 単量体組成物の精製方法及び重合体の製造方法 | |
JP2020050744A (ja) | 単量体組成物の精製方法 | |
CN1164623C (zh) | 一种制造氢化芳香聚合物的方法 | |
JP2000017020A (ja) | イソブチレン系共重合体の製造方法 | |
CN1060184C (zh) | 活性阴离子向活性自由基变换合成嵌段共聚物的方法 | |
JP7400717B2 (ja) | ブロック共重合体及びその製造方法、ブロック共重合体水素化物、重合体組成物、並びに、成形体 | |
JP6691139B2 (ja) | 共役ジエン系アニオン重合体の製造方法 | |
KR20210068516A (ko) | 적어도 하나의 폴리(알파-메틸스티렌) 블록을 포함하는 열가소성 엘라스토머의 합성 방법 | |
WO2020021912A1 (ja) | 共重合体の製造方法及び共重合体水素化物の製造方法、共重合体組成物、重合体組成物、並びに成形体 | |
EP1867666A1 (en) | Optically active copolymer, process for producing the same, and packing for chromatography comprising the copolymer | |
WO1997041160A1 (en) | Alkyl methacrylate polymers | |
CN115368524A (zh) | 芳族聚合物的氢化方法和氢化的嵌段共聚物及其应用 | |
JP2000072837A (ja) | ジリチウム開始剤を用いたブロックコポリマーの製造方法 | |
JPH1180220A (ja) | 共役ジエン系重合体の製造方法 | |
JP4843838B2 (ja) | シクロペンタジエン系ランダム共重合体およびその製造方法 | |
JP4843839B2 (ja) | シクロペンタジエン系重合体およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210806 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220614 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220812 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221018 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221031 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7180241 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |