<第1実施形態>
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る情報処理システムについて説明する。図1は、第1実施形態に係る情報処理システムの一例を示す。
第1実施形態に係る情報処理システムは、サーバ10と、1又は複数の端末装置12と、1又は複数の機器とを含む。図1に示す例では、情報処理システムは、機器14A,14B,14Cを含む。この構成は一例に過ぎず、他の機器が情報処理システムに含まれてもよい。以下、各機器を区別する必要がない場合には、各機器を「機器14」と称することとする。
サーバ10、端末装置12及び機器14は、他の装置と通信する機能を有する。その通信は、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。サーバ10、端末装置12及び機器14は、インターネット又は他のネットワーク等の通信経路Nを介して他の装置と通信してもよいし、直接的に他の装置と通信してもよいし、中継器を介して他の装置と通信してもよい。
第1実施形態に係る情報処理システムでは、商品やサービスの購入に対する支払い方法(支払い手段)がユーザに推奨される。
情報処理装置としてのサーバ10は、商品やサービスの購入に対する支払い方法をユーザに推奨する装置である。支払い方法として、例えば、現金支払い、銀行振り込み、電子マネーによる支払い、ポイントによる支払い、クレジットカードによる支払い、仮想通貨(暗号通貨)による支払い等が用いられる。また、サーバ10は、支払いを受け付けてもよい。なお、仮想通貨については、第2実施形態にて詳しく説明する。
端末装置12は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、スマートフォン又は携帯電話等の装置である。例えば、サーバ10によって推奨された支払い方法を示す情報が端末装置12に表示される。端末装置12には、支払いを実行するための1又は複数のアプリケーションソフトウェアがインストールされていてもよい。例えば、電子マネーによる支払いや、ポイントによる支払いや、クレジットカードによる支払いや、仮想通貨による支払い等を実行するためのアプリケーションソフトウェアがインストールされている。また、端末装置12には、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)を用いて支払いを実行するアプリケーションソフトウェアがインストールされていてもよい。例えば、電子マネーによる支払いが近距離無線通信によって実現されてもよい。
機器14は、ユーザから支払いを受ける機器や、商品やサービスを提供する機器等である。図1に示す例では、機器14の一例として、機器14A(レジスタ)、機器14B(自動改札機)及び機器14C(複合機)が情報処理システムに含まれている。レジスタは、店舗等に設置されて支払いのために用いられる機器である。自動改札機は、駅に設置されて電車の運賃の支払いのために用いられる。複合機14Cは、画像形成機能(スキャン機能、プリント機能、コピー機能、ファクシミリ機能等)を有し、コピー等のサービスを提供する。なお、機器14は、当該機器14自身が支払いを受けてもよいし、サーバ10等の他の装置が支払いを受けた場合に商品やサービスを提供してもよい。
第1実施形態では、ユーザは、現実空間に存在する実店舗等で商品やサービスを購入してもよいし、インターネット経由で商品やサービスを購入してもよいし(いわゆるネットショッピング)、電話を介した通信販売によって商品やサービスを購入してもよい。また、銀行での支払いや、保険の支払いや、機器14の利用に対する支払い等に、第1実施形態が適用されてもよい。もちろん、これら以外の場面にて商品やサービスが購入されてもよいし、これら以外の場面における支払いに第1実施形態が適用されてもよい。後述する第2及び第3実施形態においても同様である。
以下、図2を参照して、サーバ10の構成について詳しく説明する。図2は、サーバ10の構成の一例を示す。
通信部16は通信インターフェースであり、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を有する。通信部16は、無線通信機能を有する通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を有する通信インターフェースであってもよい。
記憶部18は、各種の情報を格納する1又は複数の格納領域である。各格納領域は、サーバ10に設けられている1又は複数の記憶装置(物理ドライブ)として定義されてもよいし、1又は複数の記憶装置に設定された論理パーティション又は論理ドライブとして定義されてもよい。なお、記憶部18はサーバ10以外の装置に設けられていてもよい。
記憶部18には、管理情報が格納されている。管理情報は、ユーザが支払い可能な1又は複数の支払い方法や、ユーザに推奨される支払い方法を決定するための判断基準を定めるための判断要素や、ユーザの他の属性を示す情報等を管理するための情報である。ユーザ毎にこれらの情報が管理されている。ユーザが支払い可能な支払い方法や判断要素も、ユーザの属性の一例といえる。例えば、ユーザが支払い可能な支払い方法や判断要素やその他の属性情報が、予め管理情報に登録される。
判断要素は、ユーザが支払いを行った場合に当該ユーザに与えられる利益に関する要素であり、例えば、支払い時に得られるポイント、ポイントの率、ポイントの有効期限、ポイントの汎用性、ポイントを他のポイントに変換するときの変換率、割引率等である。もちろん、これら以外の要素が判断要素として用いられてもよい。例えば、1又は複数の判断要素がユーザによって指定される。
設定部20は、ユーザによって指定された1又は複数の判断要素に基づいて、推奨支払い方法を決定するための判断基準を設定するように構成されている。判断基準は、ユーザによって指定された1又は複数の判断要素を含む。判断要素がユーザによって変更されると、判断基準も変更される。
決定部22は、ユーザが支払い可能な1又は複数の支払い方法の中から、設定部20によって設定された判断基準に従って、当該ユーザに推奨される支払い方法を決定するように構成されている。以下、ユーザに推奨される支払い方法を「推奨支払い方法」と称することとする。決定部22は、具体的には、判断基準に含まれる1又は複数の判断要素に従って推奨支払い方法を決定する。例えば、判断要素としてポイント率が指定されている場合、決定部22は、ユーザが支払い可能な1又は複数の支払い方法の中から、ポイント率が最も高い支払い方法を推奨支払い方法として決定する。
また、決定部22は、順位が付けられた複数の推奨支払い方法を決定してもよい。例えば、決定部22は、ポイント率が最も高い支払い方法を第1推奨支払い方法として決定し、ポイント率が2番目に高い支払い方法を第2推奨支払い方法として決定し、ポイント率が3番目に高い支払い方法を第3推奨支払い方法として決定してもよい。4番目以降についても同様である。
また、複数の判断要素が指定された場合、設定部20は、当該複数の判断要素の重み付け処理を行うことで判断基準を設定し、決定部22は、当該判断基準に従って推奨支払い方法を決定してもよい。また、各判断要素に優先度が設定されてもよい。この場合、設定部20は、その優先度に応じた重み付け処理を適用することで判断基準を設定する。
受付部24は、ユーザからの支払いを受け付けるように構成されている。支払いは、端末装置12や機器14や他の装置等を介して行われてもよい。この場合、受付部24は、端末装置12等から支払いを受け付ける。受付部24は、支払いを受けて決済を行う機能を有するともいえる。なお、受付部24は、各機器14に設けられていてもよい。
また、受付部24は、複数の支払い方法の中から選択された1又は複数の支払い方法による支払いを受け付ける機能を有する。例えば、受付部24は、電子マネーによる支払い、クレジットカードによる支払い、仮想通貨による支払い等のように複数の支払い方法に対応し、これらの支払い方法の中の1又は複数の支払い方法による支払いを受け付ける。
制御部26は、サーバ10の各部の動作を制御するように構成されている。また、制御部26は、決定部22によって決定された推奨支払い方法を示す情報を、通信部16によって端末装置12や機器14に送信するように構成されている。例えば、推奨支払い方法を示す情報が端末装置12や機器14に表示される。順位が付けられた複数の推奨支払い方法が決定された場合、当該複数の推奨支払い方法を示す情報がサーバ10から端末装置12や機器14に送信されて端末装置12や機器14に表示される。
以下、図3を参照して、端末装置12の構成について詳しく説明する。図3は、端末装置12の構成の一例を示す。
通信部28は通信インターフェースであり、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を有する。通信部28は、無線通信機能を有する通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を有する通信インターフェースであってもよい。
記憶部30は、各種の情報を格納する1又は複数の格納領域である。各格納領域は、端末装置12に設けられている1又は複数の記憶装置(物理ドライブ)として定義されてもよいし、1又は複数の記憶装置に設定された論理パーティション又は論理ドライブとして定義されてもよい。記憶部30には、支払いを実行するための1又は複数のアプリケーションソフトウェアがインストールされていてもよい。
UI部32はユーザインターフェースであり、表示部と操作部を含む。表示部は、例えば液晶ディスプレイやELディスプレイ等の表示装置である。操作部は、例えばタッチパネルやキーボードやマウス等の入力装置である。UI部32は、表示部と操作部とを兼ねたユーザインターフェース(例えば、タッチ式のディスプレイ、又は、ディスプレイ上に電子的にキーボード等を表示する装置等を含む)であってもよい。また、UI部32は、マイク等の集音部、及び、スピーカ等の音声発生部を含んでいてもよい。この場合、音声入力によって情報が端末装置12に入力されてもよいし、音声によって情報が発せられてもよい。
制御部34は、端末装置12の各部の動作を制御するように構成されている。例えば、制御部34は、サーバ10から端末装置12に送られてきた情報(例えば推奨支払い方法を示す情報等)や、機器14から端末装置12に送られてきた情報等をUI部32の表示部に表示させる。
なお、サーバ10の一部の機能が端末装置12に備えられていてもよい。例えば、管理情報が端末装置12の記憶部30に格納され、設定部20、決定部22及び受付部24が、端末装置12に備えられていてもよい。この場合、端末装置12にて、1又は複数の判断要素に基づいて判断基準が設定され、その判断基準に基づいて推奨支払い方法が決定され、その推奨支払い方法がUI部32に表示される。また、ユーザによる支払いが端末装置12によって受け付けられる。
以下、図4を参照して、機器14の構成について詳しく説明する。図4は、機器14の構成の一例を示す。なお、図4は、各機器14が共通して有する構成を示しており、各機器14の特有の構成は示していない。
通信部36は通信インターフェースであり、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を有する。通信部36は、無線通信機能を有する通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を有する通信インターフェースであってもよい。
記憶部38は、各種の情報を格納する1又は複数の格納領域である。各格納領域は、機器14に設けられている1又は複数の記憶装置(物理ドライブ)として定義されてもよいし、1又は複数の記憶装置に設定された論理パーティション又は論理ドライブとして定義されてもよい。記憶部38には、例えば、機器14の機能を実現するためのアプリケーションソフトウェア等が格納されている。
UI部40はユーザインターフェースであり、表示部と操作部を含む。表示部は、例えば液晶ディスプレイやELディスプレイ等の表示装置である。操作部は、例えばタッチパネルやキーボードやマウス等の入力装置である。UI部40は、表示部と操作部とを兼ねたユーザインターフェース(例えば、タッチ式のディスプレイ、又は、ディスプレイ上に電子的にキーボード等を表示する装置等を含む)であってもよい。また、UI部40は、マイク等の集音部、及び、スピーカ等の音声発生部を含んでいてもよい。この場合、音声入力によって情報が機器14に入力されてもよいし、音声によって情報が発せられてもよい。なお、機器14は、UI部40を有していなくてもよい。
実行部42は、機能を実行するように構成されている。例えば、機器14が複合機14Cである場合、実行部42は、スキャン機能、プリント機能又はコピー機能等の画像形成機能を実行する。
制御部44は、機器14の各部の動作を制御するように構成されている。例えば、制御部44は、各種の情報をUI部40の表示部に表示させる。
なお、サーバ10の一部の機能が機器14に備えられていてもよい。例えば、管理情報が機器14の記憶部38に格納され、設定部20、決定部22及び受付部24が、機器14に備えられていてもよい。この場合、機器14にて、1又は複数の判断要素に基づいて判断基準が設定され、その判断基準に基づいて推奨支払い方法が決定され、その推奨支払い方法がUI部40に表示される。また、ユーザによる支払いが機器14によって受け付けられる。
設定部20、決定部22及び受付部24のそれぞれの処理は、サーバ10によって行われてもよいし、端末装置12によって行われてもよいし、機器14によって行われてもよい。これらの処理の中の一部の処理が、サーバ10、端末装置12又は機器14の何れかの装置によって行われ、他の処理が他の装置によって行われてもよい。以下では、一例として、サーバ10がこれらの処理を実行するものとする。
以下、第1実施形態に係る情報処理システムについて詳しく説明する。
図5を参照して管理情報について詳しく説明する。図5は、管理テーブルの一例を示す。管理テーブルは管理情報の一例であり、管理テーブルのデータは、サーバ10の記憶部18に予め記憶されている。
管理テーブルにおいては、ユーザ毎に、ユーザIDと、支払い方法を示す情報と、判断要素を示す情報と、他の属性情報とが互いに対応付けられている。これらの情報は予め管理テーブルに登録される。ユーザIDは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報の一例である。管理テーブルには1又は複数の支払い方法が登録されている。この登録されている支払い方法は、ユーザによって支払いが可能な支払い方法である。判断要素は、推奨支払い方法を決定するための判断基準を定めるための要素である。判断要素は、例えばユーザによって指定される。他の属性情報は、支払い方法及び判断要素以外のユーザの属性を示す情報である。なお、支払い方法及び判断要素もユーザの属性に該当する。他の属性情報として、例えば、パスワード、ユーザの氏名、端末装置12の識別情報、端末装置12のアドレス情報、商品やサービスの購入履歴を示す情報等が管理テーブルに登録されている。例えば、ユーザが端末装置12を利用して当該ユーザの属性情報を入力すると、その属性情報が端末装置12からサーバ10に送信されて管理テーブルに登録される。
例えば、ユーザαは、電子マネーA1,A2、クレジットカードB1及び仮想通貨C1による支払いが可能であり、これらを示す情報が管理テーブルに登録されている。なお、電子マネーのサービスを提供する提供者(例えば企業等)や、クレジットカード会社や、仮想通貨を提供する提供者(例えば企業等)等を示す情報が、予めサーバ10によって収集されて管理テーブルに登録されてもよい。また、電子マネーや仮想通貨の残高、クレジットカードの支払い能力(上限額等)、ユーザに付与されているポイント、銀行の残高等が、管理テーブルに登録されてもよい。サーバ10は、支払い方法を提供する提供者(例えば企業等)の管理装置(例えばサーバ等)やユーザが利用する端末装置12等から上記の情報を収集して管理テーブルに登録する。なお、現金支払いが支払い方法として登録されてもよい。
また、ユーザαに紐付く判断要素として、ポイント率とポイント有効期限がユーザαによって指定されている。また、各判断要素に優先度が設定されてもよい。例えば、ユーザα自身が利益であると考える判断要素が、ユーザαによって指定される。設定部20は、ポイント率とポイント有効期限とを含む判断基準を設定する。
ユーザαの他の属性情報として、パスワード、ユーザαの氏名、端末識別情報、アドレス情報、及び、購入履歴情報が登録されている。パスワードは、例えば、機器14へのログインに用いられるパスワード、ネットショッピングのWebサイト(ショッピングサイト)へのログインに用いられるパスワード、サーバ10へのログインに用いられるパスワード等である。端末識別情報は、ユーザαが利用する端末装置12を識別するための情報であり、例えば、MACアドレスやIPアドレス等である。アドレス情報は、例えば、ユーザαに紐付く電子メールのアドレスを示す情報等である。購入履歴情報は、ユーザαによる商品やサービスの購入の履歴を示す情報である。購入履歴は、例えば、実店舗での購入履歴や、ショッピングサイトでの購入履歴等である。購入履歴情報は、例えば、ユーザが購入した商品やサービスを示す情報、その値段を示す情報、購入の日時を示す情報、購入数を示す情報等を含む。サーバ10は、ユーザαの購入履歴情報を、実店舗に設置されている機器14やショッピングサイトや端末装置12等から収集して管理テーブルに登録する。
ユーザβや他のユーザの属性情報も、ユーザαの属性情報と同様に管理テーブルに登録されている。
以下、判断要素について詳しく説明する。
ポイントは、支払い時にユーザが受け取るポイントであって、例えば、商品やサービスの購入代金にポイント率を乗算することで計算される。ポイントは、商品やサービスの購入時の支払いに用いられてもよいし、プレゼント(商品やサービス等)の交換のために用いられてもよい。例えば、ポイントは、購入時の店舗、系列の店舗、購入時のショッピングサイト、系列のショッピングサイト等で利用可能であってもよい。一般的に、より多くのポイントが得られる支払い方法ほど、ユーザの受ける利益が高い支払い方法であると考えられる。
ポイントが判断要素として指定されて判断基準に含まれている場合、決定部22は、各支払い方法によって得られるポイントに基づいて推奨支払い方法を決定する。例えば、決定部22は、ユーザが支払い可能な1又は複数の支払い方法のそれぞれのポイント率を示す情報を収集し、購入代金と各支払い方法のポイント率とに基づいて、各支払い方法によって得られるポイントを計算する。決定部22は、例えば、支払いによって得られるポイントが最も多い支払い方法を推奨支払い方法として決定する。こうすることで、ポイントに関してユーザに利益となる支払い方法が、ユーザに推奨される。
また、決定部22は、順位が付けられた複数の推奨支払い方法を決定してもよい。例えば、決定部22は、得られるポイントが最も多い支払い方法を第1推奨支払い方法として決定し、得られるポイントが2番目に多い支払い方法を第2推奨支払い方法として決定する。3番目以降についても同様である。
ポイント率(ポイント還元率)は、支払い時にユーザが受け取るポイントの率(購入代金に対する率(%))である。例えば、各支払い方法にポイント率が設定されている。もちろん、ポイント率が設定されていない支払い方法が管理テーブルに登録されていてもよい。一般的に、ポイント率が高い支払い方法ほど、ユーザの受ける利益が高い支払い方法であると考えられる。ポイント率は、例えば、商品やサービスを販売する販売者(例えば企業等)や、ショッピングサイトを運営する運営者(例えば企業等)によって定められる。ポイント率は、一定であってもよいし、変動してもよい。例えば、ポイント率に関するキャンペーン期間が設定され、その期間中は、他の期間よりもポイント率が高く設定されてもよい。また、商品やサービスの購入数、総購入代金、購入履歴、有料会員、無料会員等に応じて、ポイント率が変更されてもよい。もちろん、これら以外の要因によってポイント率が変更されてもよい。
ポイント率が判断要素として指定されて判断基準に含まれている場合、決定部22は、各支払い方法のポイント率に基づいて推奨支払い方法を決定する。例えば、決定部22は、ユーザが支払い可能な1又は複数の支払い方法のそれぞれのポイント率を示す情報を収集し、支払い時のポイント率が最も高い支払い方法を推奨支払い方法として決定する。こうすることで、ポイント率に関してユーザに利益となる支払い方法が、ユーザに推奨される。
また、決定部22は、順位が付けられた複数の推奨支払い方法を決定してもよい。例えば、決定部22は、ポイント率が最も高い支払い方法を第1推奨支払い方法として決定し、ポイント率が2番目に高い支払い方法を第2推奨支払い方法として決定する。3番目以降についても同様である。
ポイントの有効期限は、設定されてもよいし設定されなくてもよい。有効期限が設定されたポイントは、当該有効期限中のみの利用が可能となる。有効期限が設定されていないポイントは、期限に制限なく利用が可能となる。ポイントがユーザに付与された時点からポイントの使用が可能となってもよいし、その時点の後の期間中にポイントの使用が可能となってもよい。例えば、各支払い方法にポイント有効期限が設定されている。もちろん、ポイント有効期限が設定されていない支払い方法が管理テーブルに登録されていてもよい。ポイント有効期限は、例えば、商品やサービスを販売する販売者(例えば企業等)や、ショッピングサイトを運営する運営者(例えば企業等)によって定められる。ポイント有効期限は、一定であってもよいし、変動してもよい。例えば、商品やサービスの購入数、総購入代金、購入履歴、有料会員、無料会員等に応じて、ポイント有効期限が変更されてもよい。もちろん、これら以外の要因によってポイント有効期限が変更されてもよい。
ポイントの有効期限が判断要素として指定されて判断基準に含まれている場合、決定部22は、各支払い方法のポイントの有効期限に基づいて推奨支払い方法を決定する。例えば、決定部22は、ユーザが支払い可能な1又は複数の支払い方法のそれぞれのポイント有効期限を示す情報を収集し、支払い時からポイント有効期限が最も長いポイント支払い方法を推奨支払い方法として決定する。こうすることで、ポイント有効期限に関してユーザに利益となる支払い方法が、ユーザに推奨される。
また、決定部22は、順位が付けられた複数の支払い方法を決定してもよい。例えば、決定部22は、ポイント有効期限が最も長い支払い方法を第1推奨支払い方法として決定し、ポイント有効期限が2番目に長い支払い方法を第2推奨支払い方法として決定する。3番目以降についても同様である。
別の例として、決定部22は、支払い時からポイント有効期限が最も短い支払い方法を推奨支払い方法として決定してもよい。こうすることで、ポイント有効期限の短い支払い方法の利用をユーザに促すことができる。
また、決定部22は、ポイント有効期限が最も短い支払い方法を第1推奨支払い方法として決定し、ポイント有効期限が2番目に短い支払い方法を第2推奨支払い方法として決定してもよい。3番目以降についても同様である。
ポイントの汎用性は、ポイントの利用可能な店舗やショッピングサイトの数、変換可能な他のポイントの種類数、その変換率等によって定まる。例えば、ポイントの利用可能な店舗やショッピングサイトの数が多いポイントほど、汎用性が高い。また、変換可能な他のポイントの種類数が多いポイントほど、汎用性が高い。また、その変換率が高いポイントほど、汎用性が高い。ポイントの汎用性は、ポイントの利便性ともいえる。もちろん、これら以外の要素によって汎用性が定められてもよい。一般的に、汎用性が高いポイントが得られる支払い方法ほど、ユーザの受ける利益が高い支払い方法であると考えられる。例えば、各支払い方法にポイント汎用性が設定されている。もちろん、ポイント汎用性が設定されていない支払い方法が管理テーブルに登録されていてもよい。ポイント汎用性は、例えば、商品やサービスを販売する販売者(例えば企業等)や、ショッピングサイトを運営する運営者(例えば企業等)によって定められる。商品やサービスの購入数、総購入代金、購入履歴、有料会員、無料会員等に応じて、ポイント汎用性が変更されてもよい。もちろん、これら以外の要因によってポイント汎用性が変更されてもよい。
ポイントの汎用性が判断要素として指定されて判断基準に含まれている場合、決定部22は、各支払い方法のポイント汎用性に基づいて推奨支払い方法を決定する。例えば、決定部22は、ユーザが支払い可能な1又は複数の支払い方法のそれぞれのポイント汎用性を示す情報を収集し、その汎用性が最も高い支払い方法を推奨支払い方法として決定する。例えば、ポイントの利用可能な店舗やショッピングサイトの数が最も高い支払い方法が、推奨支払い方法として決定される。こうすることで、ポイントの汎用性に関してユーザに利益となる支払い方法が、ユーザに推奨される。
また、決定部22は、順位が付けられた複数の支払い方法を決定してもよい。例えば、決定部22は、汎用性が最も高い支払い方法を第1推奨支払い方法として決定し、汎用性が2番目に高い支払い方法を第2推奨支払い方法として決定する。3番目以降についても同様である。
ポイントの変換率は、ポイントを他のポイントに変換するときの率(%)である。一般的に、変換率が高いポイントが得られる支払い方法ほど、ユーザの利益が高い支払い方法であると考えられる。例えば、各支払い方法にポイントの変換率が設定されている。もちろん、ポイント変換率が設定されていない支払い方法が管理テーブルに登録されていてもよい。ポイント変換率は、例えば、商品やサービスを販売する販売者(例えば企業等)や、ショッピングサイトを運営する運営者(例えば企業等)によって定められる。ポイント変換率は、一定であってもよいし、変動してもよい。例えば、ポイント変換率に関するキャンペーン期間が設定され、その期間中は、他の期間よりもポイント変換率が高く設定されてもよい。また、商品やサービスの購入数、総購入代金、購入履歴、有料会員、無料会員等に応じて、ポイント変換率が変更されてもよい。もちろん、これら以外の要因によってポイント変換率が変更されてもよい。
ポイントの変換率が判断要素として指定されて判断基準に含まれている場合、決定部22は、各支払い方法のポイントの変換率に基づいて推奨支払い方法を決定する。例えば、決定部22は、ユーザが支払い可能な1又は複数の支払い方法のそれぞれのポイント変換率を示す情報を収集し、その変換率が最も高い支払い方法を推奨支払い方法として決定する。こうすることで、ポイントの変換率に関してユーザに利益となる支払い方法が、ユーザに推奨される。
また、決定部22は、順位が付けられた複数の支払い方法を決定してもよい。例えば、決定部22は、変換率が最も高い支払い方法を第1推奨支払い方法として決定し、変換率が2番目に高い支払い方法を第2推奨支払い方法として決定する。3番目以降についても同様である。
割引率は、商品やサービスの購入代金の割引率(%)である。例えば、各支払い方法に割引率が設定されている。もちろん、割引率が設定されていない支払い方法が管理テーブルに登録されていてもよい。一般的に、割引率が高い支払い方法ほど、ユーザの利益が高い支払い方法であると考えられる。割引率は、一定であってもよいし、変動してもよい。例えば、割引率に関するキャンペーン期間が設定され、その期間中は、他の期間よりも割引率が高く設定されてもよい。また、商品やサービスの購入数、総購入代金、購入履歴、有料会員、無料会員等に応じて、割引率が変更されてもよい。また、商品やサービス毎に異なる割引率が設定されてもよい。もちろん、これら以外の要因によって割引率が変更されてもよい。
割引率が判断要素として指定されて判断基準に含まれている場合、決定部22は、各支払い方法の割引率に基づいて推奨支払い方法を決定する。例えば、決定部22は、ユーザが支払い可能な1又は複数の支払い方法のそれぞれの割引率を示す情報を収集し、その割引率が最も高い支払い方法を推奨支払い方法として決定する。こうすることで、割引率に関してユーザに利益となる支払い方法が、ユーザに推奨される。
また、決定部22は、順位が付けられた複数の支払い方法を決定してもよい。例えば、決定部22は、割引率が最も高い支払い方法を第1推奨支払い方法として決定し、割引率が2番目に高い支払い方法を第2推奨支払い方法として決定する。3番目以降についても同様である。
決定部22は、支払い方法を提供する提供者(例えば企業等)のWebサイトから、各支払い方法のポイント率を示す情報、各支払い方法のポイント有効期限を示す情報、各支払い方法のポイント汎用性を示す情報、各支払い方法のポイント変換率を示す情報、各支払い方法の割引率を示す情報等を収集してもよいし、それらの情報がユーザの端末装置12に格納されている場合には当該端末装置12からそれらの情報を収集してもよい。また、これらの情報が予め収集されてサーバ10に格納されてもよい。例えば、サーバ10は、これらの情報を定期的に収集して記憶部18に格納させる。
上記の判断要素は一例に過ぎず、他の判断要素がユーザによって指定されてもよい。この場合、決定部22は、当該他の判断要素を含む判断基準に従って推奨支払い方法を決定する。ユーザは、1つの判断要素を指定してもよいし、複数の判断要素を指定してもよい。また、ユーザによって判断要素が変更されてもよい。この場合、判断要素の変更に伴って判断基準が変更される。
複数の判断要素がユーザによって指定された場合、設定部20は、当該複数の判断要素の中の何れか1つの判断要素のみを含む判断基準を設定してもよいし、当該複数の判断要素に対して重み付け処理を適用することで判断基準を設定してもよい。
例えば、ユーザによって指定された各判断要素に優先度が設定された場合、設定部20は、各判断要素の優先度に基づいて判断基準を設定する。各判断要素の優先度はユーザによって指定されてもよいし、判断要素毎に予め定められていてもよい。設定部20は、例えば、優先度が最も高い判断要素のみを含む判断基準(1つの判断要素のみを含む判断基準)を設定する。例えば、ポイント率とポイント有効期限がユーザによって指定され、更に、ポイント率の優先度として「1位」が指定され、ポイント有効期限の優先度として「2位」が指定された場合、設定部20は、優先度が「1位」のポイント率のみを含む判断基準を設定する。この場合、決定部22は、ポイント率が最も高い支払い方法を推奨支払い方法として決定する。
各判断要素に優先度が設定された場合、設定部20は、各判断要素に対して重み付け処理を適用し、重み付けされた各判断要素を含む判断基準を設定してもよい。例えば、ポイント率の優先度として「1位」が指定され、ポイント有効期限の優先度として「2位」が指定されたものとする。この場合、ポイント率に対する重み係数として、ポイント有効期限に対する重み係数よりも大きい値が用いられる。つまり、ポイント有効期限よりもポイント率が重視される判断基準が設定される。決定部22は、その判断基準に従って推奨支払い方法を決定する。例えば、決定部22は、ポイント率が最も高くポイント有効期限が最も長い支払い方法を第1推奨支払い方法として決定し、ポイント率が最も高いがポイント有効期限が最も長い支払い方法ではない支払い方法を第2推奨支払い方法として決定し、ポイント率が最も高い支払い方法ではないがポイント有効期限が最も長い支払い方法を第3推奨支払い方法として決定し、ポイント率が最も高い支払い方法ではなくポイント有効期限が最も長い支払い方法ではない支払い方法を第4推奨支払い方法として決定する。この場合、第1から第4推奨支払い方法のそれぞれを示す情報は、サーバ10から端末装置12に送信されて、各推奨支払い方法を示す情報が順位を付けて端末装置12に表示される。3つ以上の判断要素が指定された場合についても同様である。
なお、各支払い方法は、支払い方法を提供する提供者(例えば企業等)毎に異なっていてもよい。例えば、同じ種類(方式)のクレジットカードであっても、クレジットカード毎にクレジットカード会社が異なっていてもよい。例えば、同じ種類(方式)のクレジットカードであっても、クレジットカード会社毎に、ポイント率やポイント有効期限や汎用性や変換率や割引率等が異なっていてもよい。電子マネー等についても同様である。
また、得られるポイントやポイント率やポイント有効期限や汎用性や変換率や割引率等が変動した場合、支払いによってユーザによって与えられる利益が変動することになる。上記のように、期間やキャンペーンの実施等によってポイント率等が変更され、これによって、ユーザに与えられる利益も変動する。
以下、具体例を挙げて第1実施形態に係る情報処理システムの動作について説明する。ここでは、ユーザαが機器14C(複合機)を利用し、その利用に対して支払いを行うものとする。なお、以下では、説明の便宜上、機器14Cを複合機14Cと称することとする。
まず、ユーザαは複合機14Cにログインする。例えば、図6に示すように、ログイン画面48が複合機14CのUI部40に表示され、ユーザαはログイン画面48上で、ユーザαに紐付くユーザID及びパスワードを入力することで複合機14Cにログインする。ユーザIDとパスワードは、複合機14Cからサーバ10に送信される。これにより、サーバ10において、複合機14Cにログインしているユーザαが特定される。ここでは、一例として、複合機14CにログインするためのユーザIDが、サーバ10に格納されている管理テーブルに登録されているユーザIDとして用いられるものとする。もちろん、複合機14CにログインするためのユーザIDと、管理テーブルに登録されているユーザIDとが別のIDであってもよい。この場合、ログイン画面48上で、複合機14CにログインするためのユーザIDと管理テーブルに登録されているユーザIDの両方がユーザαによって入力され、これらのユーザIDが複合機14Cからサーバ10に送信される。また、複合機14Cは、ユーザが利用する端末装置12と通信することで、当該端末装置12を識別するための識別情報やアドレス情報等を取得し、これらの情報をサーバ10に送信する。また、複合機14Cは、複合機14Cが設置されている店舗を識別する情報、ユーザαが支払いを行う機器(例えば複合機14C)を識別するための情報、及び、ユーザが利用したサービス(例えば複合機14Cにてユーザαが利用したサービス)を識別するための情報をサーバ10に送信する。これにより、サーバ10において、当該店舗、当該機器(例えば複合機14C)及び当該サービスが特定される。なお、ユーザαが実店舗にて商品やサービスを購入する場合、当該実店舗を識別するための情報がサーバ10に送信されるが、ユーザαがショッピングサイトにて商品やサービスを購入する場合、当該ショッピングサイトを識別するための情報がサーバ10に送信される。
ユーザαが、複合機14Cが提供するサービスを利用した後、その利用に対する料金の支払いが発生する。例えば、複合機14CのUI部40に、ユーザαからの支払い要求を受け付けるための画面が表示され、ユーザαがその画面上で支払いを要求すると、その要求を示す情報が、複合機14Cからサーバ10に送信される。サーバ10の決定部22は、その要求を示す情報を受けると、ユーザαによって予め指定された1又は複数の判断要素によって定められた判断基準に従って推奨支払い方法を決定する。ここでは、図5に示すように、判断要素として「ポイント率」と「ポイント有効期限」がユーザαによって予め指定されているものとする。
まず、決定部22は、ユーザαが支払いを行う機器(例えば複合機14C)にて支払い可能な1又は複数の支払い方法を示す情報を収集し、当該機器にて支払い可能な1又は複数の支払い方法を特定する。例えば、決定部22は、当該情報を格納している格納領域(例えば、当該機器を提供する提供者が管理する格納領域)から当該情報を収集してもよい。また、当該情報はサーバ10に予め格納されていてもよい。
また、決定部22は、管理テーブルを参照することで、ユーザαによって支払い可能な1又は複数の支払い方法を特定する。
電子マネーA1,A2、クレジットカードB1及び仮想通貨C1が、ユーザαによって支払い可能な支払い方法であり、また、これらの支払い方法によって複合機14Cにて支払いが可能であるものとする。
決定部22は、ユーザαが支払うべき料金(複合機14Cの利用によって発生した料金)を示す情報を複合機14Cから取得し、また、ユーザαによって支払い可能な各支払い方法の支払い能力(例えば、電子マネーの残高、クレジットカードの利用可能額、仮想通貨の残高等)を確認する。各支払い方法の支払い能力を示す情報は、ユーザαに紐付けられて管理テーブルに予め登録されていてもよい。決定部22は、各支払い方法の支払い能力を示す情報を格納している格納領域(例えば、各支払い方法を提供する提供者が管理する格納領域)から支払い能力を示す情報を収集してもよい。そして、決定部22は、電子マネーA1、A2、クレジットカードB1及び仮想通貨C1の中で、ユーザαが支払うべき料金を支払う能力を有する1又は複数の支払い方法を特定する。例えば、電子マネーや仮想通貨の残高が、ユーザαが支払うべき料金以上である場合、当該電子マネーや仮想通貨は、その料金を支払う能力を有する。また、クレジットカードの利用可能額が、ユーザαが支払うべき料金以上である場合、当該クレジットカードは、その料金を支払う能力を有する。ここでは、電子マネーA1、A2、クレジットカードB1及び仮想通貨C1のすべてが、ユーザαが支払うべき料金を支払う能力を有するものとする。
次に、決定部22は、判断基準に基づいて、電子マネーA1,A2、クレジットカードB1及び仮想通貨C1の中から推奨支払い方法を決定する。上記のように、判断要素として、「ポイント率」と「ポイント有効期限」がユーザαによって指定されているため、決定部22は、これらの判断要素に基づいて推奨支払い方法を決定する。例えば、ポイント率の優先度が「1位」に設定され、ポイント有効期限の優先度が「2位」に設定されているものとする。決定部22は、優先度が1位のポイント率のみに基づいて推奨支払い方法を決定してもよいし、ポイント率とポイント有効期限とに対する重み付け処理によって得られた判断基準に従って推奨支払い方法を決定してもよい。また、決定部22は、順位が付けられた複数の推奨支払い方法を決定してもよい。1又は複数の推奨支払い方法を示す情報が、サーバ10から端末装置12又は複合機14Cに送られて、端末装置12又は複合機14Cに表示される。
ここでは、1又は複数の推奨支払い方法を示す情報が、サーバ10から複合機14Cに送られて複合機14Cに表示されるものとする。例えば図7に示すように、支払い画面50が、複合機14CのUI部40に表示される。支払い画面50には、決定部22によって決定された推奨支払い方法を示す情報が表示されている。ここでは、順位が付けられた複数の推奨支払い方法が決定されており、支払い画面50には、第1推奨支払い方法を示す情報が表示されている。
例えば、電子マネーA1,A2、クレジットカードB1及び仮想通貨C1の中で、ポイント率が最も高く、かつ、ポイント有効期限が最も長い電子マネーA1が、第1推奨支払い方法として決定されており、電子マネーA1を示す情報が支払い画面50に表示されている。また、電子マネーA1が推奨されている理由が支払い画面50に表示されてもよい。なお、理由は表示されなくてもよい。このように、受付部24が支払いを受け付ける前に、推奨支払い方法を示す情報が表示されることで、推奨支払い方法がユーザに通知される。
ユーザαが、支払い画面50上にて「はい」ボタンを押した場合、支払い方法が電子マネーA1に決定され、電子マネーA1を利用した支払いが行われる。例えば、サーバ10に設けられた受付部24が、電子マネーA1による支払いを受け付けてもよいし、複合機14Cに受付部24が設けられて、複合機14Cにて、電子マネーA1による支払いが受け付けられてもよい。なお、電子マネーA1による支払いを行うアプリケーションが端末装置12にインストールされて、そのアプリケーションによって電子マネーA1による支払いが行われてもよい。このように、推奨支払い方法の通知を受けたユーザαが、当該推奨支払い方法による支払いを決定した場合に、当該推奨支払い方法を利用した支払いが行われる。
ユーザαが、支払い画面50上にて「いいえ」ボタンを押した場合、第2推奨支払い方法を示す情報が支払い画面50に表示される。例えば、ポイント率が2番目に高く、かつ、ポイント有効期限が2番目に長いクレジットカードB1が、第2推奨支払い方法として決定されている。この場合、図8に示すように、クレジットカードB1を示す情報が、支払い画面50に表示される。電子マネーA1と同様に、クレジットカードB1が推奨されている理由が支払い画面50に表示されてもよい。ユーザαが「はい」ボタンを押した場合、クレジットカードB1を利用した支払いが行われる。第3推奨支払い方法が決定されている場合において、ユーザαが「いいえ」ボタンを押した場合、第3推奨支払い方法を示す情報が支払い画面50に表示される。第4推奨支払い方法以降についても同様である。
なお、各順位の推奨支払い方法を示す情報が、スクロール形式に従って画面に表示されてもよい。例えば、順位に従って各推奨支払い方法を示す情報が表示される。
上記のように、推奨支払い方法を決定するための判断基準に従って決定された推奨支払い方法がユーザに提示されるので、ユーザは、自身に適した支払い方法によって支払いを行うことができる。
設定部20は、受付部24が支払いの要求を受け付けた時点、つまり、支払いの時点における1又は複数の判断要素に基づいて判断基準を定めてもよいし、ユーザによって指定された時点における1又は複数の判断要素に基づいて判断基準を定めてもよい。決定部22は、そのような判断基準に従って推奨支払い方法を決定する。また、支払い方法として分割払いが指定されてもよい。分割支払いが指定され、支払いの時点における判断要素に基づいて判断基準が定められる場合、支払い毎に支払い方法が変更する可能性がある。
また、決定部22は、支払い料金のシミュレーションを実行してもよい。そのシミュレーション結果を示す情報は、サーバ10から端末装置12に送信されて端末装置12に表示される。例えば、ユーザが端末装置12を利用することで、購入予定の商品やサービス(購入対象)の代金を入力すると、その料金を示す情報は、端末装置12からサーバ10に送信される。決定部22は、その購入対象の代金と判断基準とに基づいて推奨支払い方法を決定する。例えば、判断要素としてポイント率が指定されている場合、決定部22は、購入対象の代金と各支払い方法のポイント率とに基づいて各支払い方法によって得られるポイントを計算し、最も多いポイントが得られる支払い方法を推奨支払い方法として決定する。なお、購入対象によって各支払い方法のポイント率が変更することもある。その推奨支払い方法を示す情報は、シミュレーション結果を示す情報としてサーバ10から端末装置12に送信されて端末装置12に表示される。こうすることで、ユーザが実際に商品やサービスを購入しなくても、その購入に適した推奨支払い方法がユーザに提示される。例えば、ユーザが商品やサービスを購入する前に、上記のシミュレーションが実行される。
また、設定部20は、ユーザの購入履歴に基づいて、当該ユーザによって指定された判断要素を別の判断要素に変更して判断基準を定めてもよい。決定部22は、変更後の判断基準に従って推奨支払い方法を決定する。
購入履歴を示す情報は、例えば、ユーザが購入した商品やサービスを示す情報、購入代金を示す情報、購入日時を示す情報、ユーザが購入した店舗やショッピングサイトを示す情報等を含む。購入履歴を示す情報は、例えば、サーバ10に格納されている。ユーザが商品やサービスを購入する度に、その購入履歴を示す情報が、店舗やショッピングサイトや端末装置12等からサーバ10に送信されてサーバ10に格納される。
例えば、ポイント汎用性が判断要素としてユーザによって指定されている場合であっても、当該ユーザによる利用頻度の高い店舗やショッピングサイトで利用可能なポイントの率が高い場合、設定部20は、ポイント汎用性を判断要素として用いずに、ポイント率を判断要素として用いて判断基準を定める。この場合、決定部22は、ポイント率に基づいて推奨支払い方法を決定する。
設定部20は、ポイント率の優先度を「1位」に設定し、ポイント汎用性の優先度を「2位」に設定して判断基準を定めてもよい。
利用頻度は購入履歴に基づいて算出される。例えば、ユーザによる利用の総回数が閾値以上となる店舗やショッピングサイトが、利用頻度の高い店舗やショッピングサイトに該当してもよいし、予め定められた単位期間中における利用回数が閾値以上となる店舗やショッピングサイトが、利用頻度の高い店舗やショッピングサイトに該当してもよいし、利用頻度の高い順に、予め定められた数の上位の店舗やショッピングサイトが、利用頻度の高い店舗やショッピングサイトに該当してもよい。また、ポイント率が閾値以上となるポイントが、ポイント率の高いポイントに該当する。各閾値は予め定められてもよいし、ユーザ等によって変更されてもよい。
購入履歴に基づいて判断基準が定められることで、購入履歴を考慮した推奨支払い方法がユーザに提示される。
決定部22は、ユーザの支払い方法の履歴に基づいて推奨支払い方法を決定してもよい。支払い方法履歴を示す情報は、例えば、ユーザが利用した支払い方法を示す情報、その支払いが行われた日時を示す情報等を含む。支払い方法履歴を示す情報は、購入履歴を示す情報を含んでもよい。支払い方法履歴を示す情報は、例えば、サーバ10に格納されている。ユーザが商品やサービスを購入する度に、その購入時に利用された支払い方法を示す情報が、支払い方法履歴を示す情報として、店舗やショッピングサイトや端末装置12等からサーバ10に送信されてサーバ10に格納される。
例えば、決定部22は、利用頻度の高い支払い方法を推奨支払い方法として決定する。例えば、ユーザによる利用の総回数が閾値以上となる支払い方法が、利用頻度の高い支払い方法に該当してもよいし、予め定められた単位期間中における利用回数が閾値以上となる支払い方法が、利用頻度の高い支払い方法に該当してもよいし、利用頻度の高い順に、予め定められた数の上位の支払い方法が、利用頻度の高い支払い方法に該当してもよい。閾値は予め定められてもよいし、ユーザ等によって変更されてもよい。
また、ユーザが支払い可能な1又は複数の支払い方法の中に、有効期間の残りが閾値以下になった支払い方法が含まれている場合、決定部22は、当該支払い方法を推奨支払い方法として決定し、受付部24は、当該推奨支払い方法による支払いを受け付けてもよい。有効期間は、例えば、支払い方法を利用することで得られたポイントの有効期間(当該ポイントを利用可能な期間)であってもよいし、支払い方法の有効期間(当該支払い方法を利用可能な期間)であってもよい。有効期間の残りが閾値以下となった複数の支払い方法を示す情報が、端末装置12に表示されてもよい。閾値は予め定められてもよいし、ユーザ等によって変更されてもよい。有効期間の残りが閾値以下となった支払い方法を示す情報を、推奨支払い方法を示す情報として表示することで、例えば、有効期限の近い支払い方法の利用をユーザに促すことができる。
また、決定部22は、有効期間の残りに基づいて各支払い方法に順位を付けてもよい。例えば、有効期間の残りが少ない支払い方法の順位ほど上位の順位が与えられる。端末装置12には、その順位に従って、各支払い方法を示す情報が表示されてもよい。
決定部22は、購入対象の商品毎やサービス毎に、推奨支払い方法を変更してもよい。例えば、判断基準に、判断要素としてのポイント率が含まれており、ポイント率に基づいて推奨支払い方法が決定されるものとする。例えば、商品Aを購入する場合において、電子マネーA1の利用によって得られるポイントの率が10%であり、電子マネーA2の利用によって得られるポイントの率が5%である場合、決定部22は、商品Aの購入に利用される推奨支払い方法として電子マネーA1を決定する。一方、商品Bを購入する場合において、電子マネーA1の利用によって得られるポイントの率が5%であり、電子マネーA2の利用によって得られるポイントの率が10%である場合、決定部22は、商品Bの購入に利用される推奨支払い方法として電子マネーA2を決定する。
また、商品A,Bの両方を購入する場合、決定部22は、得られるポイントが最も多いい支払い方法を推奨支払い方法として決定する。例えば、商品A,Bを電子マネーA1によって購入した場合に得られるポイントが1000ポイントであり、商品A,Bを電子マネーA2によって購入した場合に得られるポイントが1500ポイントである場合、決定部22は、電子マネーA2を推奨支払い方法として決定する。なお、得られるポイントは、例えば、商品の購入代金にポイント率を乗算することで得られる。例えば、購入代金が1000円であり、ポイント率が10%である場合、得られるポイントは100ポイントである。
また、決定部22は、ユーザの実質的な支払いが少なくなる支払い方法を推奨支払い方法として決定してもよい。例えば、ユーザが利用可能な各支払い方法のポイント残高(支払いに利用可能なポイントの残高)を示す情報が、当該ユーザに紐付けられてサーバ10に格納されている。決定部22は、例えば、ポイント残高が最も多い支払い方法を推奨支払い方法として決定する。ポイント残高が最も多い支払い方法は、他の支払い方法と比較して、ポイントによって支払える代金が多いため、ユーザの実質的な支払いが少ない支払い方法であるといえる。よって、このような支払い方法を推奨支払い方法として決定することで、ユーザの実質的な支払いが少なくなる支払い方法がユーザに提示される。また、決定部22は、各支払い方法のポイント残高が多い順に、各支払い方法に順位を付けてもよい。この場合、その順位に従って、各支払い方法を示す情報が端末装置12に表示される。
また、決定部22は、ユーザが購入しようとしている商品やサービスと同一の商品やサービスを購入することが可能な店舗やショッピングサイトであって、ユーザの実質的な支払いがより少なくなる店舗やショッピングサイトを特定してもよい。このようにして特定された店舗やショッピングサイトを示す情報は、サーバ10から端末装置12に送信されて端末装置12に表示される。ここでの実質的な支払いは、例えば、店舗やショッピングサイトでの支払いで得られるポイントを、購入代金から減算して得られる値段である。
また、決定部22は、今回の支払い、中間期間、次の支払い等の要素を考慮することで、ユーザにとってのメリットを予測し、ユーザによって実利が高いと予測される支払い方法を今回の推奨支払い方法として予測してもよい。中間期間は、今回の支払いと次の支払いの間の期間である。例えば、今回の支払いによってポイントがユーザに付与され、中間期間にてユーザがポイントを保有するものとする。決定部22は、例えば、今回の支払いにて得られるポイントが中間期間中に増える支払い方法を、今回の推奨支払い方法として決定してもよいし、その増加率が最大の支払い方法を、今回の推奨支払い方法として決定してもよい。なお、今回の支払いは、ポイントが得られるという意味において入口としての要素に該当し、次の支払いは、ポイントが使用されるという意味において出口としての要素に該当するともいえる。また、決定部22は、中間期間にて次の支払い(例えば次の買い物を行う店舗やショッピングサイト)に使用可能なポイントに変換可能なポイントが得られる支払い方法を、今回の推奨支払い方法として決定してもよい。例えば、ユーザが端末装置12を用いて次の支払い(次の買い物を行う店舗やショッピングサイト)を指定すると、当該次の支払いを示す情報が、端末装置12からサーバ10に送信され、これにより、決定部22は、当該次の支払いを認識する。また、決定部22は、ユーザの購入履歴に基づいて、今回の支払いに続く次の支払いを予測してもよい。
また、ユーザが、今回の店舗やショッピングサイトと同じ店舗やショッピングサイトにて次の買い物を行う場合、決定部22は、当該店舗や当該ショッピングサイトにて使用可能なポイントが得られる支払い方法を、今回の推奨支払い方法として決定してもよい。例えば、ユーザが端末装置12を用いて、次の買い物が行われる店舗やショッピングサイトを示す情報を入力すると、その情報が、端末装置12からサーバ10に送信され、これにより、決定部22は、次の買い物が今回の店舗やショッピングサイトと同じ店舗やショッピングサイトにて行われることを認識する。また、決定部22は、ユーザの購入履歴に基づいて、今回の支払いに続く次の支払いを予測してもよい。
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態に係る情報処理システムについて説明する。第2実施形態に係る情報処理システムは、仮想通貨(暗号通貨)の適切な利用を可能とする技術を提供するものである。
仮想通貨は、例えば、ブロックチェーンと称される技術を用いた分散型のネットワークによって管理される。仮想通貨による取引では、ハッシュ関数と公開鍵暗号方式とを用いて、取引データの真正性を担保している。暗号技術を用いて行われた仮想通貨の取引情報(トランザクション情報)は、仮想通貨を利用する端末装置に対してブロードキャストで送信される。送信された取引情報は、マイナー(採掘者)と称される端末装置によって真正性が検証され、承認されるとブロックにまとめられ、ブロックチェーンと称される台帳に記録される。
図9を参照して、第2実施形態に係る情報処理システムについて説明する。図9は、第2実施形態に係る情報処理システムの一例を示す。
第2実施形態に係る情報処理システムは、仮想通貨システム100と、1又は複数の端末装置と、1又は複数の機器とを含む。図9に示す例では、情報処理システムは、端末装置102A,102Bと機器104A,104Bとを含む。この構成は一例に過ぎず、他の端末装置や他の機器が情報処理システムに含まれてもよい。以下、各端末装置を区別する必要がない場合には、各端末装置を「端末装置102」と称することとする。また、各機器を区別する必要がない場合には、各機器を「機器104」と称することとする。
仮想通貨システム100、端末装置102及び機器104は、他の装置と通信する機能を有する。その通信は、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。仮想通貨システム100、端末装置102及び機器104は、インターネット又は他のネットワーク等の通信経路を介して他の装置と通信してもよいし、直接的に他の装置と通信してもよいし、中継器を介して他の装置と通信してもよい。
端末装置102は、PC、タブレットPC、スマートフォン又は携帯電話等の装置である。端末装置102には、仮想通貨による支払いを実行するためのアプリケーションソフトウェアがインストールされており、端末装置102は、仮想通貨を用いて取引を行う装置である。
機器104は、ユーザから支払いを受ける機器や、商品やサービスを提供する機器等である。図9に示す例では、機器104の一例として、機器104A(複合機)及び機器104B(自動改札機)が情報処理システムに含まれている。なお、機器104は、当該機器104自身が支払いを受けてもよいし、サーバ等の他の装置が支払いを受けた場合に商品やサービスを提供してもよい。
端末装置102及び機器104は、仮想通貨システム100との間で取引情報(トランザクション情報)の送受信を行うことができる。例えば、端末装置102Bから端末装置102Aに仮想通貨が送金された場合、その送金が行われたことを示す取引情報が、仮想通貨システム100に送信される。
以下、図10を参照して、仮想通貨システム100について説明する。図10は、仮想通貨システム100の構成の一例を示す。仮想通貨システム100は、複数の処理装置(例えば処理装置106A,106B,106C,106D)によって構成される分散型のネットワークシステムである。以下、各処理装置を区別する必要がない場合には、各処理装置を「処理装置106」と称することとする。仮想通貨システム100は、複数の処理装置106同士が互いに通信を行うP2P(Peer to Peer)型の構成を有し、各処理装置106は互いに接続されて同じデータを管理する。なお、図10に示す例では、4つの処理装置106が仮想通貨システム100に含まれているが、処理装置106の数はこれに限定されるものではない。
処理装置106は、例えば、PC、タブレットPC、スマートフォン又は携帯電話等の装置である。処理装置106には、仮想通貨管理ソフトウェアがインストールされており、処理装置106は、仮想通貨を用いて取引を行うと共に、取引情報(トランザクション情報)の検証や承認を行う装置である。なお、図9及び図10に示す例では、端末装置102及び機器104は、仮想通貨システム100に含まれていないが、端末装置102及び機器104も、仮想通貨システム100に含まれて、処理装置106と同様に仮想通貨システム100を構成してもよい。つまり、端末装置102及び機器104も、処理装置106と同様に他の装置に接続されて、取引データの検証や承認を行ってもよい。
なお、仮想通貨システム100にて扱われる一部の情報が、P2P型の通信によって各装置間で同期されずに、中央集権型の装置(例えばサーバ)によって収集されてもよい。
端末装置102及び処理装置106には口座アドレスが振り分けられ、仮想通貨の購入や取引が可能となる。仮想通貨の取引に関する情報や履歴は、ブロックチェーンとして、仮想通貨システム100全体で分散して管理されている。つまり、仮想通貨の複数の取引情報(トランザクション情報)を含むブロックが、そのブロックの1つ前に生成されたブロックと順次結ばれており、このように結ばれた各ブロックが、複数の処理装置106のそれぞれによって管理される。
以下、図11を参照してブロックについて説明する。図11は、ブロックの一例を示す。図11に示す例では、ブロックN-1、ブロックN、ブロックN+1の順に、各ブロックが数珠繋がり(チェーン接続)によって順次結ばれている。ブロックNには、そのブロックNの1つ前のブロックであるブロックN-1のハッシュ値と、取引の情報(トランザクションの情報)と、ノンスと称されるデータとが含まれている。これらの3つのデータを用いて演算を行うことで、ブロックNのハッシュ値が生成される。そして、ブロックNの次のブロックであるブロックN+1に、このハッシュ値が引き継がれる。このようにして、ブロックが順次結ばれていく。ブロック内のデータが改ざんされた場合、ハッシュ値が変わり、改ざんがあった以降ブロックのハッシュ値はすべて異なる値になるため、改ざん箇所の特定が容易である。なお、ハッシュ値が、仮想通貨の同一性を保つ識別情報の一例に相当する。
ブロックNのトランザクション情報には、個別の取引のデータが含まれる。例えば、「ユーザAからユーザBに対して10BTCが支払われた」という取引のデータが、トランザクション情報に含まれる。ここでBTCは、仮想通貨の一例としてのビットコインの通貨単位である。仮想通貨システム100は、このような取引のデータを複数集めて1つのブロックとして管理する。この取引のデータを参照することで、仮想通貨システム100を利用するユーザのアカウントの残高が特定される。
以下、図12を参照して、ブロックに記録されている取引履歴について説明する。図12は、ブロックの一例を示す。例えば、ユーザBからユーザAに対して1BTCの仮想通貨が送金され、その取引のデータが取引履歴としてブロックNのトランザクション情報に含まれる。ブロックNのトランザクション情報には、取引履歴として、1BTCの現在の保有者(ユーザA)を識別するための情報(一例としてユーザAのアドレス情報)、当該1BTCの直近の過去の保有者(ユーザB)を識別するための情報(一例としてユーザBのアドレス情報)、取引に用いられた仮想通貨の種類を示す情報、及び、その通貨の額を示す情報が含まれる。また、ユーザAが別のユーザ(例えばユーザC)に当該1BTCを送金することが決定されている場合、次の保有者(ユーザC)を識別するための情報(一例としてユーザCのアドレス情報)が、ブロックNのトランザクション情報に含まれてもよい。ブロックN-1,N+1についても同様である。この取引履歴を参照することで、当該仮想通貨がどこから(誰から)送られてきた通貨であるのかが特定され、また、当該仮想通貨がどこへ支払われているのかが特定される。
第2実施形態では、ユーザAが仮想通貨を用いて取引が行われた場合、その取引が行われた旨を示す情報が、ユーザAに仮想通貨を譲り渡した(送金した)ユーザBに通知される。例えば、その旨を示す情報が、仮想通貨システム100からユーザBのアドレス宛(例えばユーザBが利用する端末装置102)に送信され、当該端末装置102に表示される。他のユーザが仮想通貨を用いて取引を行った場合も同様である。
なお、各ブロックに、ユーザのアカウントを示す情報、端末装置102や機器104を識別するための情報、取引時間の制限を示す情報等を含めることで、仮想通貨のセキュリティをより高めてもよい。
以下、図13を参照して、処理装置106の構成について詳しく説明する。図13は、処理装置106の構成の一例を示す。
通信部108は通信インターフェースであり、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を有する。通信部108は、無線通信機能を有する通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を有する通信インターフェースであってもよい。
記憶部110は、各種の情報を格納する1又は複数の格納領域である。各格納領域は、処理装置106に設けられている1又は複数の記憶装置(物理ドライブ)として定義されてもよいし、1又は複数の記憶装置に設定された論理パーティション又は論理ドライブとして定義されてもよい。
通知部112は、あるユーザが仮想通貨を用いて取引を行った場合、その取引が行われた旨を示す情報を、当該ユーザに当該仮想通貨を譲り渡した(送金した)ユーザに通知するように構成されている。通知部112は、例えば、図12に示されているブロックに記録されているアドレス情報を参照することで、通知の宛先を特定し、そのアドレス宛に通知する。
制御部114は、処理装置106の各部の動作を制御するように構成されている。例えば、記憶部110に、仮想通貨管理ソフトウェアが格納されており、制御部114によって当該仮想通貨管理ソフトウェアが実行されることで、仮想通貨を用いた取引や、取引情報(トランザクション情報)の検証や承認等が行われる。
以下、図14を参照して、端末装置102の構成について詳しく説明する。図14は、端末装置102の構成の一例を示す。
通信部116は通信インターフェースであり、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を有する。通信部116は、無線通信機能を有する通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を有する通信インターフェースであってもよい。
記憶部118は、各種の情報を格納する1又は複数の格納領域である。各格納領域は、端末装置102に設けられている1又は複数の記憶装置(物理ドライブ)として定義されてもよいし、1又は複数の記憶装置に設定された論理パーティション又は論理ドライブとして定義されてもよい。
UI部120はユーザインターフェースであり、表示部と操作部を含む。表示部は、例えば液晶ディスプレイやELディスプレイ等の表示装置である。操作部は、例えばタッチパネルやキーボードやマウス等の入力装置である。UI部120は、表示部と操作部とを兼ねたユーザインターフェース(例えば、タッチ式のディスプレイ、又は、ディスプレイ上に電子的にキーボード等を表示する装置等を含む)であってもよい。また、UI部120は、マイク等の集音部、及び、スピーカ等の音声発生部を含んでいてもよい。この場合、音声入力によって情報が端末装置102に入力されてもよいし、音声によって情報が発せられてもよい。
制御部122は、端末装置102の各部の動作を制御するように構成されている。例えば、記憶部118に、仮想通貨による支払いを実行するためのソフトウェアが格納されており、制御部122によって当該ソフトウェアが実行されることで、仮想通貨を用いた取引が行われる。もちろん、仮想通貨管理ソフトウェアが記憶部118に格納されて、当該仮想通貨管理ソフトウェアが実行されることで、取引情報(トランザクション情報)の検証や承認等が行われてもよい。
以下、図15を参照して、機器104の構成について詳しく説明する。図15は、機器104の構成の一例を示す。なお、図15は、各機器104が共通して有する構成を示しており、各機器104の特有の構成は示していない。
通信部124は通信インターフェースであり、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を有する。通信部124は、無線通信機能を有する通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を有する通信インターフェースであってもよい。
記憶部126は、各種の情報を格納する1又は複数の格納領域である。各格納領域は、機器104に設けられている1又は複数の記憶装置(物理ドライブ)として定義されてもよいし、1又は複数の記憶装置に設定された論理パーティション又は論理ドライブとして定義されてもよい。記憶部126には、例えば、機器104の機能を実現するためのアプリケーションソフトウェア等が格納されている。
UI部128はユーザインターフェースであり、表示部と操作部を含む。表示部は、例えば液晶ディスプレイやELディスプレイ等の表示装置である。操作部は、例えばタッチパネルやキーボードやマウス等の入力装置である。UI部128は、表示部と操作部とを兼ねたユーザインターフェース(例えば、タッチ式のディスプレイ、又は、ディスプレイ上に電子的にキーボード等を表示する装置等を含む)であってもよい。また、UI部128は、マイク等の集音部、及び、スピーカ等の音声発生部を含んでいてもよい。この場合、音声入力によって情報が機器104に入力されてもよいし、音声によって情報が発せられてもよい。なお、機器104は、UI部128を有していなくてもよい。
実行部130は、機能を実行するように構成されている。例えば、機器104が複合機104Aである場合、実行部130は、スキャン機能、プリント機能又はコピー機能等の画像形成機能を実行する。
制御部132は、機器104の各部の動作を制御するように構成されている。
なお、通知部112が、機器104に含まれていてもよい。この場合、機器104に対して仮想通貨を用いた取引が行われた場合、機器104の通知部112は、その取引が行われた旨を示す情報を、当該仮想通貨を利用したユーザに当該仮想通貨を譲り渡した(送金した)ユーザに通知する。
以下、具体例を挙げて第2実施形態に係る情報処理システムの動作について説明する。ここでは、ユーザBからユーザAに仮想通貨が送金され、次に、ユーザAが機器104A(複合機)を利用し、その利用に対して仮想通貨によって支払いを行うものとする。つまり、ブロックチェーンにおいては、図12に示されているブロックN-1までが生成されており、ユーザAによる仮想通貨の使用によって、ブロックNが生成されてブロックN-1に繋げられる。例えば、ユーザAは企業の従業員であり、ユーザBは企業の経理担当者であり、ユーザBからユーザAに対して経費としての仮想通貨Aが送金され、ユーザAは、当該仮想通貨Aに使って取引を行うものとする。ユーザAは、当該仮想通貨Aそのものを原資として、当該仮想通貨Aを切り崩して仮想通貨B,C,・・・を使用する。つまり、ユーザAは、総和で仮想通貨Aの量まで仮想通貨を使用することができる。以下では、説明の便宜上、機器104Aを複合機104Aと称することとする。
まず、ユーザAは複合機104Aにログインする。例えば、図16に示すように、ログイン画面134が複合機104AのUI部128に表示され、ユーザAはログイン画面134上で、ユーザAに紐付くユーザID及びパスワードを入力することで複合機104Aにログインする。ユーザIDとパスワードは、複合機104Aから仮想通貨システム100に送信される。これにより、仮想通貨システム100において、複合機104AにログインしているユーザAが特定される。また、複合機104Aは、ユーザAが利用する端末装置102Aと通信することで、当該端末装置102Aを識別するための識別情報やアドレス情報等を取得し、これらの情報を仮想通貨システム100に送信する。また、複合機104Aは、複合機104Aが設置されている店舗を識別する情報、ユーザAが支払いを行う機器(例えば複合機104A)を識別するための情報、及び、ユーザが利用したサービス(例えば複合機104AにてユーザAが利用したサービス)を識別するための情報を仮想通貨システム100に送信する。これにより、仮想通貨システム100において、当該店舗、当該機器(例えば複合機104A)及び当該サービスが特定される。なお、ユーザAが実店舗にて商品やサービスを購入する場合、当該実店舗を識別するための情報が仮想通貨システム100に送信されるが、ユーザAがショッピングサイトにて商品やサービスを購入する場合、当該ショッピングサイトを識別するための情報が仮想通貨システム100に送信される。
ユーザAが、複合機104Aが提供するサービスを利用した後、その利用に対する料金の支払いが発生する。例えば図17に示すように、支払い画面136が、複合機104AのUI部128に表示される。支払い画面136には、複合機104Aにて支払いが可能な支払い方法を示す情報が表示される。ここでは、現金、電子マネー及び仮想通貨による支払いが可能であるため、それらを示す情報が表示される。
支払い画面136上にて、ユーザAが仮想通貨での支払いを選択した場合、図18に示すように、仮想通貨に関する情報を入力するための支払い画面138が、複合機104AのUI部128に表示される。例えば、支払い画面138上にて、支払いに使用される仮想通貨(例えばユーザBから譲り受けた仮想通貨A)を特定するためのIDと、その仮想通貨の台帳(ブロックチェーン)を特定するための情報が、ユーザAによって入力される。ログイン時に入力された情報、仮想通貨ID、及び、台帳情報に基づいて、当該仮想通貨を使用するユーザAが特定される。
ユーザAが支払い画面138上にて支払いを指示した場合(例えばユーザAによって「次へ」ボタンが押された場合)、複合機104Aにて行われた取引の情報が、複合機104Aから仮想通貨システム100に送信される。例えば、ログイン時に入力された情報、仮想通貨ID及び台帳情報等を含む取引の情報が、複合機104Aから仮想通貨システム100に送信される。
仮想通貨システム100では、その取引情報の検証や承認が行われる。ユーザAが支払いに足りる仮想通貨を有している場合、その仮想通貨(例えば仮想通貨A)から料金分の通貨(例えば仮想通貨B)が切り崩されて支払いが行われる。その履歴が、図12に示されているブロックNとして記録される。支払い後にユーザAが有する仮想通貨の額は、「仮想通貨A-仮想通貨B」である。例えば、ユーザBから譲り受けた仮想通貨の金額が1万円に相当する金額である場合、支払いの料金がその金額を超えなければ、正常に支払いが行われる。また、ユーザBからの指示によって、特定のユーザからの支払いのみが受け付けられるという制限が課されている場合、その認証も仮想通貨システム100によって行われる。
正常に支払いが完了した場合、通知部112は、ユーザAが複合機104Aにて仮想通貨(例えば仮想通貨Aから切り崩された仮想通貨B)によって取引を行った旨を示す情報を、ユーザBが利用する端末装置102Bに送信する。その情報は、端末装置102BのUI部120に表示される。なお、ユーザBが利用する端末装置102Bのアドレスを示す情報は、ブロックN-1に記録されている。
また、正常に支払いが完了した場合、図19に示すように、支払い完了画面140が、複合機104AのUI部128に表示される。支払い完了画面140は、仮想通貨システム100によって作成され、支払い完了画面140の情報が、仮想通貨システム100から複合機104Aに送信されて、支払い完了画面140がUI部128に表示される。支払い完了画面140には、支払いが正常に受け付けられたことを示す情報や、支払いの通知が所定の宛先(例えばユーザBが利用する端末装置102B)に送信されたことを示す情報等が表示される。
以下、図20を参照して、端末装置102Bに表示される情報について説明する。図20は、通知画面の一例を示す。ユーザAが複合機104Aにて仮想通貨によって取引を行った旨を示す情報が、ユーザBが利用する端末装置102Bに送信されると、図20に示すように、端末装置102Bの制御部122は、その情報をユーザBに通知するための通知画面142をUI部120に表示させる。通知画面142の情報は、仮想通貨システム100によって作成される。通知画面142には、ユーザBが仮想通貨(例えば仮想通貨A)を譲渡したユーザAによって、当該仮想通貨に基づく支払いが行われた旨を示す情報が表示される。例えば、通貨IDや通貨台帳を示す情報等が表示される。
ユーザBが、通知画面142上で、取引確認画面への移行を指示した場合(例えば「はい」ボタンを押した場合)、図21に示すように、取引確認画面144が、端末装置102BのUI部120に表示される。取引確認画面144の情報は、仮想通貨システム100によって作成される。取引確認画面144には、取引時間、仮想通貨の譲渡人のアドレス、譲受人のアドレス、通貨の種類、通貨の金額等の、より詳細な取引履歴を示す情報が表示される。これらの情報は、仮想通貨システム100から端末装置102Bに送信される。なお、取引確認画面144に表示されている取引履歴を示す情報が、支払いを確認するための情報の一例に相当し、通知画面142に表示されている情報が、取引確認画面144へユーザB(仮想通貨の譲渡者)を誘導するための誘導情報の一例に相当する。
上記のように、ユーザAが仮想通貨によって支払いを行った場合、ユーザAに当該仮想通貨を譲渡したユーザBに、当該支払いに関する情報が通知される。こうすることで、仮想通貨の適切な利用が可能となる。つまり、ユーザBは、通知された情報を参照することで、当該仮想通貨の譲受人であるユーザAによって当該仮想通貨がどのように利用されたのかを把握することができ、その結果、その利用が適切か否かを確認することができる。また、当該支払いに関する情報がユーザBに通知されるので、ユーザBは、マニュアル操作で台帳に記録された当該支払いを確認する必要がない。
ユーザAによる支払いが正常に完了しない場合、以下に説明する情報が表示される。仮想通貨システム100にてユーザAによる取引の情報の検証や承認が行われ、ユーザAが料金分の仮想通貨を有していない場合(例えば、ユーザAがユーザBから譲り受けた当該仮想通貨の金額が、支払いの料金よりも少ない場合)、図22に示すように、エラー画面146が、複合機104AのUI部128に表示される。エラー画面146の情報は、仮想通貨システム100によって作成されて仮想通貨システム100から複合機104Aに送信され、エラー画面146がUI部128に表示される。エラー画面146には、金額が足りないため支払いを完了することができなかった旨を示す情報が表示される。この場合、ユーザAは、他の支払い方法を選択する等して料金を支払うことになる。
また、通知部112は、金額が不足している旨を示す情報を、ユーザBが利用する端末装置102Bに送信する。端末装置102Bの制御部122は、図23に示すように、その情報をユーザBに通知するための通知画面148をUI部120に表示させる。通知画面148の情報は、仮想通貨システム100によって作成される。通知画面148には、ユーザBがユーザAに譲渡した仮想通貨が足りなくなった旨を示す情報が表示される。
ユーザBは、通知画面148上で、仮想通貨の追加入金の指示を与えることができる。ユーザBが、通知画面148上で、仮想通貨の追加入金の指示を与えた場合(例えばユーザBが「はい」ボタンを押した場合)、図24に示すように、入金画面150が、端末装置102BのUI部120に表示される。入金画面150には、通貨IDの入力欄、通貨台帳の入力欄、譲受人(送金先)のアドレスの入力欄、通貨の種類の入力欄、通貨の金額の入力欄等が表示されている。ユーザBが、これらの入力欄に情報を入力して送金を指示した場合(例えばユーザBが「はい」ボタンを押した場合)、ここで入力された金額の仮想通貨が、譲受人(例えばユーザA)に送金される。その送金に関する取引の情報は、端末装置102Bから仮想通貨システム100に送信され、仮想通貨システム100にて、その取引を含むブロックが形成される。
ユーザAが有する仮想通貨が足りない場合、その旨を示す情報がユーザBに通知されるので、ユーザBは、仮想通貨の不足を認識することができる。また、仮想通貨が追加入金された場合には、ユーザAは支払いを完了させることができる。
また、ユーザAが、支払い画面138上で指定した仮想通貨による支払いを許可されていない場合(例えば、ユーザBからの指示によって、ユーザAによる当該仮想通貨による支払いが許可されていない場合や、利用が許可された時間帯以外にて当該仮想通貨による支払いの試みがあった場合や、利用が許可された端末装置以外の装置によって当該仮想通貨による支払いの試みがあった場合等)、図25に示すように、エラー画面152が、複合機104AのUI部128に表示される。エラー画面152の情報は、仮想通貨システム100によって作成されて仮想通貨システム100から複合機104Aに送信され、エラー画面152がUI部128に表示される。エラー画面152には、ユーザAが選択した支払い方法での支払いをユーザAは許可されていない旨を示す情報が表示される。ユーザAは、他の支払い方法を選択する等して料金を支払うことになる。
また、通知部112は、利用が許可されていないユーザによって、ユーザBが有する仮想通貨の利用の試みがあった旨を示す情報を、ユーザBが利用する端末装置102Bに送信する。端末装置102Bの制御部122は、図26に示すように、その情報をユーザBに通知するための通知画面154をUI部120に表示させる。通知画面154の情報は、仮想通貨システム100によって作成される。通知画面154には、ユーザBが有する仮想通貨のIDと通貨台帳を示す情報、及び、その仮想通貨に対して、許可されないユーザからの利用の試みがあった旨の情報が表示される。
許可されていないユーザによる仮想通貨の利用の試みがあった場合、その旨を示す情報がユーザBに通知されるので、ユーザBは、その状況を認識することができる。
ユーザBは、通知画面154上で、仮想通貨の利用に関する設定変更の指示を与えることができる。ユーザBが、通知画面154上で、その設定変更の指示を与えた場合(例えばユーザBが「はい」ボタンを押した場合)、図27に示すように、設定変更画面156が、端末装置102BのUI部120に表示される。設定変更画面156には、通貨IDの入力欄、通貨台帳の入力欄、許可ユーザの変更指示欄、及び、返金処理の指示欄等が表示されている。
ユーザBが、設定変更画面156上で、通貨IDと通貨台帳の情報を記入し、許可ユーザの変更を指示した場合(例えばユーザBが「はい」ボタンを押した場合)、当該通貨IDと当該通貨台帳によって特定される仮想通貨の利用が許可されるユーザが変更される。例えば、ユーザBが、利用が許可されるユーザを特定するための情報(例えばアドレス情報やアカウント情報等)を設定変更画面156に入力して、許可ユーザの変更を指示した場合、利用が許可されるユーザが変更される。当該仮想通貨の利用が許可されるユーザを示す情報は、端末装置102Bから仮想通貨システム100に送信され、当該ユーザを示す情報がブロックに記録される。これにより、当該ユーザは当該仮想通貨の利用が許可される。
また、ユーザBが、設定変更画面156上で、通貨IDと通貨台帳の情報を記入し、返金処理の指示を与えた場合(例えばユーザBが「はい」ボタンを押した場合)、当該通貨IDと当該通貨台帳によって特定される仮想通貨が、ユーザBに返金される。例えば、ユーザBが他のユーザに譲り渡した当該仮想通貨が、ユーザBに返金される。その返金に関する取引の情報は、端末装置102Bから仮想通貨システム100に送信され、その取引の情報がブロックに記録される。
ユーザBに仮想通貨を返金することで、許可されていないユーザによって当該仮想通貨が利用されることを防止することができる。
なお、各支払い画面や支払い完了画面やエラー画面等は、ユーザAが有する端末装置102AのUI部120に表示され、これらの画面にて入力された情報や取引の情報が、端末装置102Aから仮想通貨システム100に送信されてもよい。また、取引が行われた旨を示す情報は、端末装置102A又は複合機104Aから端末装置102Bに送信されてもよい。
第2実施形態においては、例えば、処理装置106が情報処理装置の一例として動作する。
第2実施形態に係る情報処理装置は、例えば、譲渡者から仮想通貨の同一性の識別情報を受けたユーザが、当該識別情報によって特定される仮想通貨によって支払いを行った場合、当該支払いに関する情報を当該譲渡者に通知する通知手段を有する。この通知は、例えば図20及び図21に示されている情報の通知である。通知手段は、一例として通知部112である。もちろん、機器104に通知部112が設けられてもよい。この場合、機器104が情報処理装置の一例に相当する。また、識別情報は、例えば、ブロックに記録されているハッシュ値である。
また、当該通知手段は、当該識別情報によって特定される仮想通貨によって支払いが行われた場合、更に、当該支払いを確認するための情報(トランザクション情報)へ当該譲渡者を誘導するための誘導情報を当該譲渡者へ通知してもよい。この通知は、例えば図20及び図21に示されている情報の通知である。例えば、図21に示されている取引確認画面144に表示されている情報が、支払いを確認するための情報の一例に相当する。
また、当該通知手段は、更に、当該識別情報によって特定される仮想通貨が不足する場合、当該ユーザに仮想通貨を送金するための情報を当該譲渡者に通知してもよい。この通知は、例えば、図23及び図24に示されている情報の通知である。
また、当該通知手段は、更に、当該識別情報によって特定される仮想通貨による支払いが当該ユーザに許可されていない場合、その旨を示す情報を当該譲渡者に通知してもよい。この通知は、例えば、図26に示されている情報の通知である。
また、当該通知手段は、更に、当該識別情報によって特定される仮想通貨を当該譲渡者に返金するための情報を当該譲渡者に通知してもよい。この通知は、例えば、図27に示されている情報の通知である。
<第3実施形態>
以下、本発明の第3実施形態に係る情報処理システムについて説明する。第3実施形態に係る情報処理システムは、相対的に信用性の低い仮想通貨を用いた取引を抑制する技術を提供するものである。
第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、仮想通貨は、例えば、ブロックチェーンを用いた分散型のネットワークによって管理される。
図28を参照して、第3実施形態に係る情報処理システムについて説明する。図28は、第3実施形態に係る情報処理システムの一例を示す。
第3実施形態に係る情報処理システムは、仮想通貨システム200と、1又は複数の端末装置と、1又は複数の機器とを含む。図28に示す例では、情報処理システムは、端末装置102Aと機器104Aとを含む。この構成は一例に過ぎず、他の端末装置や他の機器が情報処理システムに含まれてもよい。以下、各端末装置を区別する必要がない場合には、各端末装置を「端末装置102」と称することとする。また、各機器を区別する必要がない場合には、各機器を「機器104」と称することとする。
仮想通貨システム200、端末装置102及び機器104は、他の装置と通信する機能を有する。その通信は、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。仮想通貨システム200、端末装置102及び機器104は、インターネット又は他のネットワーク等の通信経路を介して他の装置と通信してもよいし、直接的に他の装置と通信してもよいし、中継器を介して他の装置と通信してもよい。
第3実施形態に係る端末装置102は、第2実施形態に係る端末装置102と同じ構成を有し、第3実施形態に係る機器104は、第2実施形態に係る機器104と同じ構成を有する。また、端末装置102及び機器104は、仮想通貨システム200との間で取引情報(トランザクション情報)の送受信を行うことができる。
以下、図29を参照して、仮想通貨システム200について説明する。図29は、仮想通貨システム200の構成の一例を示す。仮想通貨システム200は、複数の処理装置(例えば処理装置202A,202B,202C,202D)によって構成される分散型のネットワークシステムである。以下、各処理装置を区別する必要がない場合には、各処理装置を「処理装置202」と称することとする。仮想通貨システム200は、第2実施形態に係る仮想通貨システム100と同様に、複数の処理装置202同士が互いに通信を行うP2P型の構成を有し、各処理装置202は互いに接続されて同じデータを管理する。なお、図29に示す例では、4つの処理装置202が仮想通貨システム200に含まれているが、処理装置202の数はこれに限定されるものではない。
処理装置202は、例えば、PC、タブレットPC、スマートフォン又は携帯電話等の装置である。処理装置202には、仮想通貨管理ソフトウェアがインストールされており、処理装置202は、仮想通貨を用いて取引を行うと共に、取引情報(トランザクション情報)の検証や承認を行う装置である。なお、図28及び図29に示す例では、端末装置102及び機器104は、仮想通貨システム200に含まれていないが、端末装置102及び機器104も、仮想通貨システム200に含まれて、処理装置202と同様に仮想通貨システム200を構成してもよい。つまり、端末装置102及び機器104も、処理装置202と同様に他の装置に接続されて、取引データの検証や承認を行ってもよい。
なお、仮想通貨システム200にて扱われる一部の情報が、P2P型の通信によって各装置間で同期されずに、中央集権型の装置(例えばサーバ)によって収集されてもよい。
第2実施形態と同様に、端末装置102及び処理装置202には口座アドレスが振り分けられ、仮想通貨の購入や取引が可能となる。仮想通貨の取引に関する情報や履歴は、ブロックチェーンとして、仮想通貨システム200全体で分散して管理されている。つまり、図11に示すように、仮想通貨の複数の取引情報(トランザクション情報)を含むブロックが、そのブロックの1つ前に生成されたブロックと順次結ばれており、このように結ばれた各ブロックが、複数の処理装置202のそれぞれによって管理される。
以下、図30を参照して、処理装置202の構成について詳しく説明する。図30は、処理装置202の構成の一例を示す。
通信部204は通信インターフェースであり、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を有する。通信部204は、無線通信機能を有する通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を有する通信インターフェースであってもよい。
記憶部206は、各種の情報を格納する1又は複数の格納領域である。各格納領域は、処理装置202に設けられている1又は複数の記憶装置(物理ドライブ)として定義されてもよいし、1又は複数の記憶装置に設定された論理パーティション又は論理ドライブとして定義されてもよい。
記憶部206には、例えば、通貨管理情報が格納されている。通貨管理情報は、各仮想通貨によって支払いが可能か否かを判断するための情報である。例えば、一般的に流通していない仮想通貨や、価格やレートが不安定な仮想通貨や、犯罪に使用される可能性のある仮想通貨等が、支払いが不可能な仮想通貨の一例に該当し、それら以外の仮想通貨は、支払いが可能な仮想通貨の一例に該当する。
判定部208は、通貨管理情報を参照することで、ユーザが支払いに用いようとしている仮想通貨が、支払いが可能な仮想通貨に該当するか否かを判定するように構成されている。
通知部210は、判定部208による判定結果を示す情報を、ユーザが利用する端末装置102や、支払いが行われる機器104に通知するように構成されている。
変換部212は、ユーザが支払いに用いようとしている仮想通貨が、支払いが不可能な仮想通貨に該当する場合に、当該仮想通貨を別の仮想通貨に変換するように構成されている。別の仮想通貨は、支払いが可能な仮想通貨である。変換部212は、例えば、支払いが不可能な仮想通貨を、より信用性の高い仮想通貨に変換する。また、変換部212は、支払い不可能な仮想通貨を、法定通貨(例えば円やドル等)に変換してもよい。また、変換部212は、支払い不可能な仮想通貨による支払いを受けた後に、当該仮想通貨を別の仮想通貨に変換してもよい。
制御部214は、処理装置202の各部の動作を制御するように構成されている。例えば、記憶部206に、仮想通貨管理ソフトウェアが格納されており、制御部214によって当該仮想通貨管理ソフトウェアが実行されることで、仮想通貨を用いた取引や、取引情報(トランザクション情報)の検証や承認等が行われる。
以下、図31を参照して、通貨管理情報の一例について説明する。図31は、通貨管理情報としての通貨管理テーブルの一例を示す。通貨管理テーブルにおいては、使用可能な仮想通貨、変換を要する仮想通貨、及び、変換すら不可能な仮想通貨が登録されている。
使用可能な仮想通貨は、そのまま使用可能な通貨である。例えば、価格やレートが相対的に安定して一般的に流通し、犯罪に使用される可能性の低い仮想通貨、つまり、信用性が相対的に高い仮想通貨が、使用可能な仮想通貨の一例に該当する。使用可能な仮想通貨の種類として、例えば、仮想通貨A,C,Dが通貨管理テーブルに登録されている。これらの仮想通貨はそのまま使用することができるので、変換先の仮想通貨は登録されていない。
変換を要する仮想通貨は、そのままでは使用不可能な通貨であるが、他の仮想通貨に変換することが許可されている通貨である。例えば、価格やレートが不安定であるが、一般的に流通しており犯罪に使用される可能性の低い仮想通貨、つまり、信用性が相対的に中程度の仮想通貨が、変換を要する仮想通貨の一例に該当する。変換を要する仮想通貨として、例えば、仮想通貨B,Eが通貨管理テーブルに登録されている。これらの仮想通貨はそのままでは使用することができない通貨であるが、仮想通貨Cへの変換が許可されている通貨である。仮想通貨B,Eによって取引が行われる場合には、仮想通貨B,Eは仮想通貨Cに変換されて取引が行われることになる。
図31に示す例では、変換先の仮想通貨として1つの仮想通貨(仮想通貨C)のみが登録されているが、複数の仮想通貨が変換先の仮想通貨として登録されてもよい。例えば、優先順位が付けられた複数の仮想通貨が変換先の仮想通貨として登録されてもよい。変換を要する仮想通貨の支払い要求がユーザによって与えられた場合、複数の変換先の仮想通貨が優先順位に従ってユーザに提示され、変換を要する仮想通貨は、ユーザによって選択された変換先の仮想通貨に変換される。
変換すら不可能な仮想通貨は、そのままでは使用不可能な通貨であって、他の仮想通貨への変換も許可されていない通貨である。ここでは、使用可能な仮想通貨、又は、変換を要する仮想通貨の何れにも該当しない仮想通貨が、変換すら不可能な仮想通貨に該当する。例えば、一般的に流通していない仮想通貨や、犯罪に使用される可能性の高い仮想通貨、つまり、信用性が相対的に低い仮想通貨が、変換すら不可能な仮想通貨の一例に該当する。変換すら不可能な仮想通貨は、他の仮想通貨に変換することも許可されていないので、変換先の仮想通貨は登録されていない。
通貨管理テーブルのデータは予め作成されて、処理装置202の記憶部206に格納される。例えば、仮想通貨システム200の管理者等によって、各仮想通貨の信用性が判定されて、その判定結果に従って、各仮想通貨が通貨管理テーブルに登録されてもよい。また、管理者等によって、変換先の仮想通貨が登録されてもよい。
処理装置202の判定部208は、インターネット等を利用することで各仮想通貨に関する情報を収集し、その情報に基づいて各仮想通貨の信用性を判定し、その判定結果に基づいて通貨管理テーブルを更新してもよい。また、判定部208は、新たな仮想通貨の信用性を判定し、当該新たな仮想通貨を、使用可能な仮想通貨、変換を要する仮想通貨、又は、変換すら不可能な仮想通貨の何れかに属する仮想通貨として通貨管理テーブルに登録してもよい。
例えば、判定部208は、各仮想通貨に対していわゆる51%攻撃を行うために必要な費用等に基づいて、各仮想通貨が51%攻撃を受ける可能性を予測し、その予測に基づいて、各仮想通貨の信用性を判定してもよい。その費用が低いほど、51%攻撃を受ける可能性が高くなる。例えば、51%攻撃を受ける可能性が相対的に低い仮想通貨(例えば、51%攻撃を受ける確率が下限閾値(例えば10%)以下となる仮想通貨)は、相対的に信用性の高い仮想通貨であると判定される。また、51%攻撃を受ける可能性が相対的に中程度の仮想通貨(例えば、51%攻撃を受ける確率が下限閾値を超え、かつ、上限閾値(40%)以下となる仮想通貨)は、相対的に信用性が中程度の仮想通貨であると判定される。また、51%攻撃を受ける可能性が相対的に高い仮想通貨(例えば、51%攻撃を受ける確率が上限閾値を超える仮想通貨)は、相対的に信用性の低い仮想通貨であると判定される。
また、判定部208は、各仮想通貨のマイニングプールのシェアに基づいて、各仮想通貨が51%攻撃を受ける可能性を予測してもよい。例えば、単一企業のシェアが51%以上となっている仮想通貨は、51%攻撃を受ける可能性が相対的に高い通貨であるため、当該仮想通貨は、相対的に信用性の低い仮想通貨であると判定される。また、2社又は3社の総シェアが51%以上となっている仮想通貨は、51%攻撃を受ける可能性が相対的に中程度の通貨であるため、当該仮想通貨は、相対的に信用性が中程度の仮想通貨であると判定される。2,3社であれば結託して51%攻撃を行う可能性があるからである。
また、判定部208は、各仮想通貨の発行枚数に基づいて、各仮想通貨の信用性を判定してもよい。発行枚数が少ない仮想通貨ほど、ブロックチェーンのデータ量が少なく、改ざんし易くなるので、そのような仮想通貨ほど信用性の低い仮想通貨であると判定される。例えば、発行枚数の閾値が定められ、判定部208は、各仮想通貨の発行枚数と閾値との比較に基づいて、各仮想通貨の信用性を判定する。
また、マイニングが不要な仮想通貨も存在する。このような仮想通貨に対するハッキングのリスクは、マイニングを要する仮想通貨に対するハッキングのリスクよりも低いと考えられる。従って、マイニングが不要な仮想通貨は、マイニングを要する仮想通貨よりも信用性の高い仮想通貨であると判定されてもよい。
上記の各判断要素(51%攻撃に要する費用、マイニングプールのシェア、発行枚数、マイニングの要否)は、仮想通貨の信用性を判定するための判断要素(通貨危険要因)の一例に過ぎず、判定部208は、他の判断要素に基づいて仮想通貨の信用性を判定してもよい。判定部208は、上記の各判断要素を総合的に判断して各仮想通貨の信用性を判定してもよい。例えば、判定部208は、各判断要素に重み付け処理を適用して各仮想通貨の信用性を判定する。また、マイニングプールのシェア等は随時変更するので、判定部208は、そのような情報を随時収集して仮想通貨の信用性を判定してもよい。
判定部208は、各仮想通貨の価格変動に基づいて、変換先の仮想通貨の優先順位を決定してもよい。例えば、判定部208は、各仮想通貨の過去の価格変動の履歴に基づいて、価格が下落する確率が高い仮想通貨ほど、優先順位の低い変換先の仮想通貨として決定する。一方、判定部208は、価格が上昇傾向である仮想通貨については、その上昇の程度が高いほど、優先順位の高い変換先の仮想通貨として決定する。
また、仮想通貨の変換には変換手数料が発生する場合がある。判定部208は、変換手数料(スプレッド等の取引コストを含む概念)が高い仮想通貨ほど、優先順位の低い変換先の仮想通貨として決定してもよい。
また、判定部208は、各仮想通貨の時価総額に基づいて、各仮想通貨の信用性を判定してもよいし、変更先の仮想通貨を決定してもよい。例えば、時価総額が閾値以上となる仮想通貨は、相対的に信用性の高い仮想通貨であると判定される。時価総額が閾値未満となる仮想通貨は、相対的に信用性が中程度の仮想通貨であると判定される。また、時価総額が閾値以上となる仮想通貨は、変換先の仮想通貨として登録され、時価総額が閾値未満となる仮想通貨は、変換先の仮想通貨として登録されなくてもよい。時価総額が低い仮想通貨は、売買の影響を受けやすいため、信用性の低い仮想通貨であると考えられる。
また、判定部208は、各仮想通貨の送金速度に基づいて、各仮想通貨の信用性を判定してもよい。例えば、送金速度が速く取引遅延が発生しない仮想通貨ほど、相対的に信用性の高い仮想通貨であると判定される。また、レートの変動が少ない仮想通貨ほど、相対的に信用性の高い仮想通貨であると判定されてもよい。
なお、判定部208、通知部210及び変換部212が端末装置102や機器104に設けられて、これらによる処理が端末装置102や機器104によって実行されてもよい。また、それぞれの処理が、端末装置102、機器104及び仮想通貨システム200のそれぞれによって分散して行われてもよい。
以下、具体例を挙げて第3実施形態に係る情報処理システムの動作について説明する。ここでは、ユーザAが複合機104Aを利用し、その利用に対して仮想通貨によって支払いを行うものとする。
まず、ユーザAは複合機104Aにログインする。第2実施形態と同様に、図16に示すように、ログイン画面134が複合機104AのUI部128に表示され、ユーザAはログイン画面134上で、ユーザAに紐付くユーザID及びパスワードを入力することで複合機104Aにログインする。ユーザIDとパスワードは、複合機104Aから仮想通貨システム200に送信される。これにより、仮想通貨システム200において、複合機104AにログインしているユーザAが特定される。また、複合機104Aは、ユーザAが利用する端末装置102Aと通信することで、当該端末装置102Aを識別するための識別情報やアドレス情報等を取得し、これらの情報を仮想通貨システム200に送信する。また、複合機104Aは、複合機104Aが設置されている店舗を識別する情報、ユーザAが支払いを行う機器(例えば複合機104A)を識別するための情報、及び、ユーザが利用したサービス(例えば複合機104AにてユーザAが利用したサービス)を識別するための情報を仮想通貨システム200に送信する。これにより、仮想通貨システム200において、当該店舗、当該機器(例えば複合機104A)及び当該サービスが特定される。なお、ユーザAが実店舗にて商品やサービスを購入する場合、当該実店舗を識別するための情報が仮想通貨システム200に送信されるが、ユーザAがショッピングサイトにて商品やサービスを購入する場合、当該ショッピングサイトを識別するための情報が仮想通貨システム200に送信される。
ユーザAが、複合機104Aが提供するサービスを利用した後、その利用に対する料金の支払いが発生する。第2実施形態と同様に、図17に示すように、支払い画面136が、複合機104AのUI部128に表示される。支払い画面136には、複合機104Aにて支払いが可能な支払い方法を示す情報が表示される。ここでは、現金、電子マネー及び仮想通貨による支払いが可能であるため、それらを示す情報が表示される。
支払い画面136上にて、ユーザAが仮想通貨での支払いを選択した場合、第2実施形態と同様に、図18に示すように、仮想通貨に関する情報を入力するための支払い画面138が、複合機104AのUI部128に表示される。例えば、支払い画面138上にて、支払いに使用される仮想通貨を特定するためのIDと、その仮想通貨の台帳(ブロックチェーン)を特定するための情報が、ユーザAによって入力される。ログイン時に入力された情報、仮想通貨ID、及び、台帳情報に基づいて、当該仮想通貨を使用するユーザAが特定される。
ユーザAが支払い画面138上にて支払いを指示した場合(例えばユーザAによって「次へ」ボタンが押された場合)、複合機104Aにて行われた取引の情報が、複合機104Aから仮想通貨システム200に送信される。例えば、ログイン時に入力された情報、仮想通貨ID及び台帳情報等を含む取引の情報が、複合機104Aから仮想通貨システム100に送信される。
仮想通貨システム200では、その取引情報の検証や承認が行われる。第3実施形態では、処理装置202の判定部208が、複合機104Aから送られてきた上記の情報に基づいて、ユーザAによって支払いの試みがなされている仮想通貨が、使用可能な仮想通貨に該当するか否かを判定する。一例として、この判定に、図31に示されている通貨管理テーブルが用いられる。
例えば、ユーザAが仮想通貨Aを用いて支払いを試みたとする。仮想通貨Aは、相対的に信用性の高い仮想通貨であるため、そのまま支払いに用いられて正常に支払いが行われる。
正常に支払いが完了した場合、第2実施形態と同様に、図19に示すように、支払い完了画面140が、複合機104AのUI部128に表示される。支払い完了画面140は、仮想通貨システム200によって作成され、支払い完了画面140の情報が、仮想通貨システム200から複合機104Aに送信されて、支払い完了画面140がUI部128に表示される。なお、第2実施形態と同様に、支払いの通知が所定の宛先(例えばユーザAに仮想通貨Aを譲渡したユーザが利用する端末装置102)に送信され、その旨を示す情報が表示されてもよい。
ユーザAが、仮想通貨Aではなく仮想通貨Bを用いて支払いを試みたとする。仮想通貨Bは、相対的に信用性が中程度の仮想通貨であるため、そのままでは支払いに用いられない。一方で、仮想通貨Bは、使用可能な仮想通貨Cに変更が許可された仮想通貨である。この場合、通知部210は、仮想通貨Bは変換を要する仮想通貨である旨を示す情報等を複合機104Aに送信する。複合機104AのUI部128には、その情報が表示される。
例えば、図32に示すように、通知画面216が複合機104AのUI部128に表示される。通知画面216には、仮想通貨Bが変換を要する仮想通貨であることを示す情報や、仮想通貨Bを仮想通貨Cに変換することをユーザAに促すための情報が表示される。
ユーザAが通知画面216上で仮想通貨の変換を指示した場合(例えばユーザAが「はい」ボタンを押した場合)、その指示を示す情報が、複合機104Aから仮想通貨システム200に送信される。仮想通貨システム200においては、変換部212が、その指示に従って、仮想通貨Bを仮想通貨Cに変換する。その変換に手数料を要する場合、その手数料はユーザA、又は、支払いを受ける側(例えば企業等)によって支払われることになる。そして、変換された仮想通貨Cによって支払いが行われる。
仮想通貨Cによる支払いが完了した場合、図33に示すように、支払い完了画面218が、複合機104AのUI部128に表示される。支払い完了画面218は、仮想通貨システム200によって作成され、支払い完了画面218の情報が、仮想通貨システム200から複合機104Aに送信されて、支払い完了画面218がUI部128に表示される。支払い完了画面218には、仮想通貨Bが仮想通貨Cに変換されて、仮想通貨Cによって支払いが完了した旨を示す情報が表示される。
なお、ユーザAによる変換指示が与えられない場合であっても、変換部212は、仮想通貨Bを仮想通貨Cに自動的に変換してもよい。そして、変換された仮想通貨Cによって支払いが行われる。この場合、通知画面216は、複合機104AのUI部128に表示されずに、支払い完了画面218がUI部128に表示されてもよい。例えば、仮想通貨の自動変換に続けて支払いを実行する設定が、ユーザAによって事前に設定されている場合、変換部212は、仮想通貨Bを仮想通貨Cに自動的に変換する。
ユーザAが、仮想通貨A,Bではなく仮想通貨Xによって支払いを試みたとする。仮想通貨Xは、使用可能な仮想通貨又は変換を要する仮想通貨の何れにも該当しない仮想通貨であって、変換すら不可能な仮想通貨である。つまり、仮想通貨Xは、相対的に信用性の低い仮想通貨である。この場合、通知部210は、仮想通貨Xは使用することができず、また、他の仮想通貨に変換することもできない旨を示す情報を複合機104Aに送信する。複合機104AのUI部128には、その情報が表示される。
例えば、図34に示すように、通知画面220が複合機104AのUI部128に表示される。通知画面220には、仮想通貨Xは使用することができず、他の仮想通貨に変換することもできない旨を示す情報が表示される。ユーザAは、他の支払い方法によって支払いを行うことになる。
なお、各支払い画面や支払い完了画面や通知画面等は、ユーザAが有する端末装置102AのUI部120に表示され、これらの画面にて入力された情報や取引の情報が、端末装置102Aから仮想通貨システム200に送信されてもよい。
以上のように、相対的に信用性の低い仮想通貨による支払いの試みが発生した場合、その仮想通貨による支払いが行われないので、相対的に信用性の低い仮想通貨を用いた取引を抑制することができる。
また、相対的に信用性が中程度の仮想通貨は、相対的に信用性の高い別の仮想通貨に変換され、変換された仮想通貨によって支払いが行われるので、より信頼性の高い仮想通貨によって取引を行うことができる。
第3実施形態においては、例えば、処理装置202が情報処理装置の一例として動作する。
第3実施形態に係る情報処理装置は、例えば、仮想通貨による支払いを受け付けた場合、当該仮想通貨による支払いが可能か否かを判定する判定手段を有する。判定手段は、一例として判定部208である。もちろん、端末装置102や機器104に判定部208が設けられてもよい。この場合、端末装置102や機器104が情報処理装置の一例に相当する。
第3実施形態に係る情報処理装置は、仮想通貨による支払いを受け付けた場合、当該仮想通貨による支払いが可能か否かを示す情報をユーザに通知する通知手段を有する。通知手段は、一例として通知部210である。もちろん、端末装置102や機器104に通知部210が設けられてもよい。この場合、端末装置102や機器104が情報処理装置の一例に相当する。
また、第3実施形態に係る情報処理装置は、当該仮想通貨による支払いが不可能である場合、当該仮想通貨を別の仮想通貨に変換する変換手段を更に有してもよい。変換手段は、一例として変換部212である。もちろん、端末装置102や機器104に変換部212が設けられてもよい。この場合、端末装置102や機器104が情報処理装置の一例に相当する。
また、当該通知手段は、当該仮想通貨による支払いが不可能である場合、更に、当該仮想通貨を別の仮想通貨に変換することを示す情報を当該ユーザに通知してもよい。
上記の各装置(サーバ10、端末装置12,102、機器14,104、及び、処理装置106,202)は、一例としてハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、各装置は、図示しないCPU等の1又は複数のプロセッサを備えている。当該1又は複数のプロセッサが、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各装置の各部の機能が実現される。上記プログラムは、CD又はDVD等の記録媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、記憶装置に記憶される。別の例として、各装置の各部は、例えばプロセッサ、電子回路又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア資源により実現されてもよい。その実現においてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。更に別の例として、各装置の各部は、DSP(Digital Signal Processor)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって実現されてもよい。