JP7180150B2 - 窒素酸化物吸蔵材料、排気ガス浄化触媒、排気ガス浄化装置 - Google Patents

窒素酸化物吸蔵材料、排気ガス浄化触媒、排気ガス浄化装置 Download PDF

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Description

本発明は、Aabc8.5-δで表される複合酸化物を少なくとも含有する窒素酸化物吸蔵材料、これを用いた排気ガス浄化触媒、排気ガス浄化装置に関する。
例えば工場における化学工程、内燃機関等から排出される排気ガス中には、有害な窒素酸化物が含まれる。そこで、排気ガス中の窒素酸化物を浄化する技術が求められる。
例えば内燃機関においては、燃焼効率の改善及び燃費の向上が望まれており、燃費向上等の観点から酸素過剰条件下で燃焼を行う希薄燃焼方式が用いられることがある。希薄燃焼方式においては、排気ガス中の窒素酸化物が多くなる傾向がある。そのため、吸蔵性能により優れた窒素酸化物吸蔵材料の開発が求められている。
窒素酸化物を浄化する方法としては、塩基性金属(アルカリ金属、アルカリ土類金属)と白金とを組み合わせた吸蔵材に窒素酸化物を吸着させ、続いて三元触媒により窒素酸化物を浄化する方法がある。ところが、塩基性金属は燃料に含まれる硫黄分で被毒してその窒素酸化物の吸蔵性能が低下する。このような硫黄被毒した吸蔵材を高温で還元雰囲気にさらすことで硫黄を脱離除去できるが、吸蔵材が高温に暴露されるため、熱劣化が生じてしまう。
また、NOxを吸蔵材に吸蔵した後、排気環境に応じてNOxを放出して、窒素酸化物を浄化する方法が提案されている。この方法では、白金によってNOをNO2に酸化し、NOxをNO2の状態で吸蔵する。しかし、例えば250℃以下という低温では、白金による酸化活性が低いため、塩基性金属と白金とを組み合わせた吸蔵材は、低温ではNOxを十分に吸蔵できない。
そこで、特許文献1には、ペロブスカイト型複合酸化物を含有する触媒組成物が提案されている。このような触媒組成物は、耐硫黄特性及び耐熱性が高い触媒として注目されている。
特開2006-346602号公報
しかしながら、ペロブスカイト型複合酸化物を含有する触媒組成物は、250℃を超える活性は比較的高いが、250℃以下の低温での窒素酸化物に対する吸蔵、除去性能が十分とはいえない。そこで、低温でも窒素酸化物に対する吸蔵性能の高い吸蔵材料の開発が望まれている。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、低温での窒素酸化物に対する吸蔵性能に優れた窒素酸化物吸蔵材料、排気ガス浄化触媒、排気ガス浄化装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、一般式I:Aabc8.5-δで表される第1複合酸化物(2)を含有し、
上記第1複合酸化物が窒素酸化物に対する吸蔵サイトを有し、
上記一般式Iにおいて、Aが希土類元素、Ca、及びInからなる群より選ばれる少なくとも1種からなると共に少なくともYを含み、Bがアルカリ土類金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種からなると共に少なくともBaを含み、Cが遷移金属元素、Al、Zn、及びGaからなる群より選ばれる少なくとも1種からなると共に少なくともCoを含み、a、b、c、δが、それぞれ、a=1、b=1、c=4、0<δ≦1.5を満足する、窒素酸化物吸蔵材料(1)にある。
本発明の他の態様は、上記窒素酸化物吸蔵材料が担体(5)に担持された排気ガス浄化触媒(4)にある。
本発明のさらに他の態様は、上記窒素酸化物吸蔵材料と、
オゾン発生装置(62)と、を有し、
上記窒素酸化物吸蔵材料が上記オゾン発生装置から発生するオゾン(Go)の存在下にて排気ガス(GE)中のNOxを吸蔵するように構成された排気ガス浄化装置(6)にある。
上記窒素酸化物吸蔵材料は、上記特定の第1複合酸化物を含有する。第1複合酸化物は、上記一般式Iで表されるように、酸素欠陥構造を有しており、この酸素欠陥構造が窒素酸化物に対する吸蔵サイトとなる。したがって、上記窒素酸化物吸蔵材料は、高温でも窒素酸化物を吸蔵できるが、上記吸蔵サイトに窒素酸化物が吸蔵されることにより、例えば250℃以下という低温でも十分に窒素酸化物を吸蔵できる。さらに、上記窒素酸化物吸蔵材料は、水分や二酸化炭素に対して耐性があり、水分や二酸化炭素が共存する環境下においても窒素酸化物を十分に吸蔵することができる。
また、上記窒素酸化物吸蔵材料は、貴金属と組み合わせて用いることができるが、貴金属含有量を少なくしたり、貴金属含有量が0であっても、窒素酸化物を吸蔵することができる。これは、第1複合酸化物が上述の吸蔵サイトを有するため、窒素酸化物吸蔵材料は、窒素酸化物を、一酸化窒素、二酸化窒素、硝酸のいずれの形態でも吸蔵できるからであると考えられる。つまり、窒素酸化物吸蔵材料は、一酸化窒素をそのままの状態で吸蔵できるし、貴金属によって一酸化窒素を酸化してなる二酸化窒素として吸蔵することもできるし、二酸化窒素を硝酸イオンとして吸蔵することもできる。
第1複合酸化物は、上記一般式で表されるようにアルカリ土類金属元素を結晶構造の内部に含有する。そのため、窒素酸化物吸蔵材料は化学的に安定である。つまり、窒素酸化物吸蔵材料を加熱しても、アルカリ土類金属が、例えば担体などの他部材と反応することを抑制できる。そのため、窒素酸化物吸蔵材料は、加熱による吸蔵性能の劣化を抑制できる。
上記排気ガス浄化触媒は、低温での窒素酸化物に対する吸蔵性能に優れた窒素酸化物吸蔵材料が担体に担持されている。そのため、排気ガス浄化触媒は、低温で窒素酸化物に対して優れた吸蔵性能を示すことができる。また、窒素酸化物吸蔵材料は、加熱されても担体と化学的に反応しにくい。したがって、排気ガス浄化触媒は、安定して高い吸蔵性能を発揮することができる。
上記排気ガス浄化装置は、窒素酸化物吸蔵材料が、オゾンの存在下にて排気ガス中のNOxを吸蔵するように構成されている。窒素酸化物吸蔵材料の吸蔵性能は、NOよりもNO2が多く存在する雰囲気において高くなる傾向がある。上記排気ガス浄化装置においては、オゾンの強酸化作用により排気ガス中のNOがNO2に酸化されるため、排気ガス中のNO2濃度が高まる。
したがって、排気ガス浄化装置においては、窒素酸化物吸蔵材料の窒素酸化物に対する吸蔵性能が高くなる。その結果、例えば250℃以下の低温環境下でも、NOxに対する吸蔵性能をさらに十分に高めることができる。また、上記排気ガス浄化装置は、水分や二酸化炭素が存在する環境下において窒素酸化物吸蔵材料が窒素酸化物に対して高い吸蔵性能を発揮する。これは、オゾンによる強酸化効果と、第1複合酸化物を含有する窒素酸化物吸蔵材料の優れた吸蔵性能との相乗効果によるものであると考えられる。なお、NOxの「吸蔵」は、「吸着」、「捕捉」ととらえることもできる。
以上のごとく、上記態様によれば、低温での窒素酸化物に対する吸蔵性能に優れた窒素酸化物吸蔵材料及び排気ガス浄化触媒を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、第1複合酸化物を含有する窒素酸化物吸蔵材料の断面図。 実施形態1における、第1複合酸化物の結晶構造の模式図。 実施形態1における、主相と副相とを有する窒素酸化物吸蔵材料の模式図。 実施形態2における、排気ガス浄化触媒の斜視図。 実施形態2における、排気ガス浄化触媒のセル壁の部分拡大断面図。 実施例1、実施例2、及び比較例1の排気ガス浄化触媒について、窒素酸化物の吸蔵量と吸蔵率との関係をそれぞれ示す説明図。 図6の要部拡大図。 実験例1における、実施例1、実施例2、及び比較例1の排気ガス浄化触媒について、窒素酸化物に対する吸蔵量をそれぞれ示す説明図。 実験例2における、実施例1、実施例2、及び比較例1の排気ガス浄化触媒について、低温での窒素酸化物に対する吸蔵量をそれぞれ示す説明図。 実施形態3における、排気ガス浄化装置の構成を示す模式図。 実施形態3における、窒素酸化物吸蔵材料がオゾン存在下でNOxを吸蔵する様子の模式図。 比較形態1における、窒素酸化物吸蔵材料がオゾン存在下でNOxよりもH2OやCO2を優先的に吸着する様子を示す模式図。 実験例3における、排気ガス浄化装置の構成を示す模式図。 実験例3における、経過時間とNOx濃度とNOx吸蔵量との関係を模式的に示す説明図。 実験例3における、実施例3~9及び比較例2~5の窒素酸化物の吸蔵量を示すグラフ。 実験例4における、実施例3、実施例10~25の窒素酸化物の吸蔵量を示すグラフ。
(実施形態1)
窒素酸化物吸蔵材料に係る実施形態について、図1~図3を参照して説明する。図1に例示されるように、窒素酸化物吸蔵材料1は第1複合酸化物2を含有する。第1複合酸化物2は、一般式I:Aabc8.5-δで表される化合物である。
一般式Iにおいて、Aは、希土類元素、Ca、及びInからなる群より選ばれる少なくとも1種である。Aは、好ましくは、Y、Pr、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ca、及びInからなる群より選ばれる少なくとも1種がよく、より好ましくは、Y及びCaの少なくとも一方(つまり、Y及び/又はCa)がよく、特に好ましくは、少なくともYを含有することがよい。この場合には、窒素酸化物吸蔵材料1の窒素酸化物に対する吸蔵性能をより向上させることができる。
第1複合酸化物は、例えば、一般式Iで表される化合物が得られるように、この化合物を構成するA元素源、B元素源、C元素源を所望の配合比にて混合して、加熱することにより得られる。一般式Iにおいて、aは0<a≦1である。a=0の場合には、一般式Iで表される化合物に対してB元素、C元素が余剰となり、一般式Iで表される化合物以外の酸化物相が形成されるおそれがあり、この酸化物相が窒素酸化物に対する吸蔵性能を劣化させる可能性がある。一方、a>1の場合には、余剰なA元素が一般式Iで表される化合物以外の酸化物相を形成するおそれがあり、この酸化物相が窒素酸化物に対する吸蔵性能を劣化させる可能性がある。一般式Iで表される化合物相を単相で形成するという観点から、0.5≦a≦1であることがより好ましく、0.9≦a≦1であることがさらに好ましい。
Bは、アルカリ土類金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種である。Bは、好ましくは、Ba及びSrの少なくとも一方(つまり、Ba及び/又はSr)であることがよい。この場合には、窒素酸化物吸蔵材料の窒素酸化物に対する吸蔵性能をより向上させることができる。また、一般式Iで表される化合物の結晶構造が安定化させることができるという観点から、Bは少なくともBaを含有することが特に好ましい。
一般式Iにおいて、bは0<b≦1である。b=0の場合には、一般式Iで表される化合物に対してA元素、C元素が余剰となり、一般式Iで表される化合物以外の酸化物相が形成されるおそれがあり、この酸化物相が窒素酸化物に対する吸蔵性能を劣化させる可能性がある。一方、b>1の場合には、余剰なB元素が一般式Iで表される化合物以外の酸化物相を形成するおそれがあり、この酸化物相が窒素酸化物に対する吸蔵性能を劣化させる可能性がある。一般式Iで表される化合物相を単相で形成するという観点から、0.5≦b≦1であることがより好ましく、0.9≦b≦1であることがさらに好ましい。
一般式Iにおいて、Cは、遷移金属、Al、Zn、及びGaからなる群より選ばれる少なくとも1種からなり、酸素の4配位をとる元素である。Cは、好ましくは、Fe、Co、Mn、Ni、Al、及びGaからなる群より選ばれる少なくとも1種であることがよく、より好ましくは、Fe、Co、及びGaからなる群より選ばれる少なくとも1種であることがよい。Cは、さらに好ましくは少なくともCoを含有することがよく、特に好ましくは、Coと、Ga及び/又はFe(つまり、Ga及びFeの少なくとも一方)とを含有することがよい。このようにCを選択することにより、窒素酸化物吸蔵材料1の窒素酸化物に対する吸蔵性能をより向上させることができる。
一般式Iにおいて、cは0<c≦4である。c=0の場合には、一般式Iで表される化合物に対してA元素、B元素が余剰となり、一般式Iで表される化合物以外の酸化物相が形成されるおそれがあり、この酸化物相が窒素酸化物に対する吸蔵性能を劣化させる可能性がある。一方、c>4の場合には、余剰なC元素が一般式Iで表される化合物以外の酸化物相を形成するおそれがあり、この酸化物相が窒素酸化物に対する吸蔵性能を劣化させる可能性がある。一般式Iで表される化合物相を単相で形成するという観点から、3.5≦c≦4であることがより好ましく、3.9≦c≦4であることがさらに好ましい。
上記第1複合酸化物は、上記一般式Iにおけるδで表されるように、酸素欠損構造を有する。δは0<δ≦1.5を満足する。δ>1.5の場合には、結晶構造が変化し、窒素酸化物に対する吸蔵性能が低下するおそれがある。
図2には、一般式IにおけるAがY、BがBa、CがCoの場合における第1複合酸化物2の結晶構造を示している。図2に例示されるように、第1複合酸化物2は、一般式Iで表される結晶構造を有しており、Y、Ba、Co及びOから結晶構造が形成されている。結晶構造中に酸素欠損21が存在している。
図2において酸素欠損21は破線の小さい丸で示している。なお、酸素原子Oに結合した破線の丸はCoなどのC元素を示す。C元素は、酸素原子同士の結合面よりも内部に存在しているため、図2においては破線で示している。図2に例示されるように、第1複合酸化物の結晶構造中で、一般式IにおけるCは酸素の4配位をとる。第1複合酸化物2において、酸素原子は陰イオンとして存在している。
第1複合酸化物2においては、例えば、酸素欠損21が起点となって結晶構造内に窒素酸化物に対する吸蔵サイトが生成するか、あるいは酸素欠損21自体が吸蔵サイトとなると考えられる。酸素欠損21が起点となる場合には、例えば酸素欠損21によって結晶構造が変化し、その結果、結晶構造内に吸蔵サイトが生成すると考えられる。つまり、酸素欠損21が吸蔵サイトの生成起点となっている。そして、吸蔵サイトには、窒素酸化物が、硝酸イオン、一酸化窒素、二酸化窒素の形態で吸蔵されると考えられる。
吸蔵サイトを有する第1複合酸化物は、一般式II:Aabc8.5-δ(NOx)θで表すことができる。一般式IIにおけるA、B、C、a、b、c、δについては、一般式Iと同様である。NOxは窒素酸化物のことである。一般式IIは、一般式Iで表される第1複合酸化物2に窒素酸化物に対する吸蔵サイトが存在することを表しており、第1複合酸化物2が窒素酸化物NOxを吸蔵可能であることを示している。
一般式IIにおいて0≦θ≦1.5である。θ=0の場合は、NOxが吸蔵されていない状態であり、一般式Iと同じである。θ>0の場合は、吸蔵サイトにNOxが吸蔵された状態を示す。吸蔵サイトに窒素酸化物が吸蔵されるという理由からθ≦1.5である。
酸素欠損21は、窒素酸化物吸蔵材料の熱重量測定により特定することができる。つまり、熱重量測定により一般式I、IIにおけるδを決定することができる。具体的には次の通りである。NETZSCH社製の熱重量測定装置STA449 F3を用いて、粉末状の窒素酸化物吸蔵材料100mgをまずは還元雰囲気にて加熱する。これにより、酸素欠損δ=0の窒素酸化物吸蔵材料を作製する。なお、還元雰囲気による加熱は、水素:5体積%、窒素:残部からなる還元雰囲気ガスを窒素酸化物吸蔵材料に100mL/minの流量で流通させながら、昇温速度10℃/minで500℃まで加熱することにより行う。次いで、δ=0の窒素酸化物吸蔵材料を酸素雰囲気にて加熱する。このときの重量増加分として酸素欠損量δを求めることができる。なお、酸素雰囲気による加熱は、100体積%の酸素ガスを窒素酸化物吸蔵材料に100mL/minの流量で流通させながら、昇温速度2℃/分で500℃まで加熱することにより行う。
窒素酸化物吸蔵材料1は、第1複合酸化物とは異なる第2化合物を含有することができる。第2化合物は、遷移金属元素、アルカリ土類金属元素、Al、及びZnからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する化合物であることが好ましい。この場合には、窒素酸化物吸蔵材料の熱耐久性が向上する。第2化合物は1種類であってもよいが、2種以上の化合物であってもよい。
第2化合物は、上記一般式IにおけるA元素、B元素、及びC元素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物であることが好ましい。この場合には、上記第1複合酸化物の製造時における原料種を増やすことなく、その原料の配合比を調整することにより、第1複合酸化物と第2化合物とを含有する窒素酸化物吸蔵材料を製造することができる。
第2化合物は、酸化物及び塩の少なくとも一方を含有することが好ましく、少なくともアルカリ土類金属元素の炭酸塩を含有することがより好ましい。この場合には、窒素酸化物吸蔵材料の熱耐久性をより向上させることができる。
図3に例示されるように、窒素酸化物吸蔵材料1は、第1複合酸化物2からなる主相20と、第2化合物3からなる副相30とを含有することが好ましい。主相20は、主成分となる相であり、副相30は副成分となる相である。この場合には、窒素酸化物吸蔵材料の熱耐久性をより向上させることができる。主相20、副相30は、例えばX線回折(つまり、XRD)により確認される。
図1~図3に例示されるように、窒素酸化物吸蔵材料1は、上記特定の第1複合酸化物2を含有する。第1複合酸化物2は、一般式I:Aabc8.5-δで表されるように、酸素欠陥構造を有している。この酸素欠陥構造が窒素酸化物に対する吸蔵サイトの生成起点あるいは吸蔵サイトとなりうる。つまり、第1複合酸化物2が吸蔵サイトを有することとなる。そのため、窒素酸化物吸蔵材料1は、高温でも窒素酸化物NOxを吸蔵できるが、例えば250℃以下という低温でも十分に窒素酸化物NOxを吸蔵できる。吸蔵サイトに窒素酸化物NOxを吸蔵できるからである。
窒素酸化物吸蔵材料の製造方法は特に限定されず、固相反応法、錯体重合法等により製造できる。例えば固相反応法においては、まず、上記一般式で表される化合物が生成する化学量論比にて、A源、B源、C源を固体の状態で混合する。混合は、ボールミル、乳鉢等に行うことができる。次いで、混合物を焼成する。これにより、窒素酸化物吸蔵材料を得ることができる。固相反応法における、A源、B源、C源としては、A元素、B元素、C元素をそれぞれ含有する酸化物、塩、その他の化合物を用いることができる。
また、錯体重合法においては、A元素を含有する塩(つまりA塩)、B元素を含有する塩(つまりB塩)、C元素を含有する塩(つまりC塩)を用いる。これらの塩を用いて、水中でA元素、B元素、C元素の金属錯体を形成させた後、ゲル化剤により水溶液をゲル化させる。次いで、ゲル化した金属錯体を仮焼し、焼成させることにより、酸化物として、窒素酸化物吸蔵材料を得ることができる。ゲル化剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコールを用いることができる。
また、窒素酸化物吸蔵材料1は、貴金属と組み合わせて用いることができるが、貴金属含有量を少なくしたり、貴金属含有量が0であっても、窒素酸化物を吸蔵することができる。これは、第1複合酸化物2が上述の吸蔵サイトを有するため、窒素酸化物吸蔵材料1は、窒素酸化物を、一酸化窒素、二酸化窒素、硝酸のいずれの形態でも吸蔵できるからであると考えられる。つまり、窒素酸化物吸蔵材料1は、一酸化窒素をそのままの状態で吸蔵できるし、貴金属によって一酸化窒素を酸化してなる二酸化窒素として吸蔵することもできるし、二酸化窒素を硝酸イオンとして吸蔵することもできる。窒素酸化物吸蔵材料1と貴金属とを組み合わせてもよい。この場合には、貴金属として例えばPt、Pd、Rh等を用いることができる。
また、従来においては、窒素酸化物の吸蔵材料として、例えば、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)などのアルカリ土類金属、あるいは、後述の比較形態1に示すようなアルカリ土類金属酸化物などが用いられていた。これらの吸蔵材料は、多孔質の担体に担持して使用されるが、アルカリ土類金属は例えば加熱時に担体などの他部材と反応しやすく、化学的に不安定である。その結果、窒素酸化物に対する吸蔵性能が劣化するおそれがある。一方、第1複合酸化物2は、一般式Iで表されるようにアルカリ土類金属元素Bを結晶構造の内部に含有する。そのため、本形態の窒素酸化物吸蔵材料1は化学的に安定である。つまり、窒素酸化物吸蔵材料1を加熱しても、アルカリ土類金属Bが、例えば担体などの他部材と反応することを抑制できる。そのため、窒素酸化物吸蔵材料1は、加熱による吸蔵性能の劣化を抑制できる。
窒素酸化物吸蔵材料の使用対象は特に限定されるわけではないが、例えばエンジンなどの内燃機関から排出される排気ガスである。この場合には、リーン雰囲気などでは排気ガス中のNOxが窒素酸化物吸蔵材料に捕捉される。一方、リッチ雰囲気などでは捕捉されていたNOxが還元、分解されて放出される。
また、窒素酸化物吸蔵材料は、Mg及びSrの少なくとも一方を含む化合物を含むことが好ましい。この場合には、窒素酸化物吸蔵材料の硫黄被毒を抑制することできる。Mg及びSrの少なくとも一方を含む化合物としては、MgAl24、SrCO3等が挙げられる。
以上のごとく、本実施形態によれば、低温での窒素酸化物に対する吸蔵性能に優れた窒素酸化物吸蔵材料1を提供することができる。窒素酸化物吸蔵材料1は、250℃以下という低温でも窒素酸化物に対する優れた吸蔵性能を示す。また、窒素酸化物吸蔵材料1は、250℃を超える高温で用いることもできる。この場合であっても、窒素酸化物に対して優れた吸蔵性能を示す。
(実施形態2)
本実施形態においては、窒素酸化物吸蔵材料を担体に担持してなる排気ガス浄化触媒について図4及び図5を参照して説明する。なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
図4及び図5に例示されるように、排気ガス浄化触媒4は、担体5と、これに担持された窒素酸化物吸蔵材料1とを有する。担体5は例えばハニカム構造体である。つまり、担体5は、筒状の外皮50と、その内側を区画する多数のセル壁51とを有する。これにより、外皮50の内側には、セル壁51に囲まれた多数のセル52が形成されている。
担体5は例えば多孔質体である。つまり、図5に例示されるように、担体5の例えばセル壁51は、多数の細孔511を有している。
セル壁51には、窒素酸化物吸蔵材料1が担持されている。窒素酸化物吸蔵材料1は、セル壁51の表面に担持させることができ、細孔511内に担持させることもできる。窒素酸化物吸蔵材料1は、例えば、図示を省略する貴金属と共に担体5に担持させることができる。また、窒素酸化物吸蔵材料1は、図示を省略する助触媒、無機バインダ等と共に担体5に担持させることができる。
排気ガス浄化触媒4において、担体5に、窒素酸化物吸蔵材料1と共に、貴金属が担持されている場合には、窒素酸化物に対する吸蔵性能が向上する。これは、貴金属が窒素酸化物のうち一酸化窒素を二酸化窒素に酸化することができるためであり、窒素酸化物吸蔵材料1が、一酸化窒素よりも二酸化窒素や硝酸を吸蔵しやすいからであると考えられる。
また、排気ガス浄化触媒4において担体5にさらに助触媒が担持されている場合には、貴金属の一酸化窒素に対する酸化性能が向上する。その結果、窒素酸化物吸蔵材料1への窒素酸化物の吸蔵性能が向上する。
助触媒は、セリア、ジルコニア、及びセリア-ジルコニア固溶体からなる群より選ばれる少なくとも1種からなることが好ましい。この場合には、窒素酸化物吸蔵材料1への窒素酸化物の吸蔵性能をより一層向上させることができる。
窒素酸化物吸蔵材料1は、無機バインダと共に、担体5に担持させることができる。無機バインダとしては、アルミナ、シリカ、及びチタニアからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
窒素酸化物吸蔵材料1の担体5への担持方法は、特に限定されるものではない。例えば含浸法、イオン交換法により担持させることができる。含浸法としては、蒸発乾固法、平行吸着法、ポアフィリング法等が挙げられる。触媒の調整が比較的容易であるという観点から、蒸発乾固法が好ましい。
蒸発乾固法においては、具体的には、まず、窒素酸化物吸蔵材料1を含有するスラリーに担体5を浸漬する。次いで、スラリーから担体5を引き上げ、担体5を乾燥させる。その後、担体5を加熱して焼成する。このようにして、窒素酸化物吸蔵材料を担体に担持させることができる。なお、スラリーに対しては、超音波発生器によって超音波照射を行うことができる。これにより、窒素酸化物吸蔵材料1を微細化しながら溶媒中に均等に分散させることができる。スラリーの溶媒は、特に限定されないが、例えば水である。乾燥は、例えば熱風発生器により行うことができる。
貴金属を用いる場合には、貴金属は、貴金属を担持した窒素酸化物吸蔵材料1を担体5に担持させることにより、担体5に担持できる。
助触媒、無機バインダを用いる場合には、助触媒、無機バインダは、窒素酸化物吸蔵材料と共に担体に担持させることができる。例えば蒸発乾固法においては、窒素酸化物吸蔵材料、助触媒、無機バインダを含有するスラリーに担体を担持すればよい。
窒素酸化物吸蔵材料1としては、実施形態1において説明したものを用いることができる。担体5は、例えばコージェライト、SiC等の耐熱性に優れた材質からなることが好ましい。
本形態の排気ガス浄化触媒4は、低温での窒素酸化物に対する吸蔵性能の高い実施形態1の窒素酸化物吸蔵材料1を含有する。そのため、排気ガス浄化触媒4は、低温で、窒素酸化物に対する優れた吸蔵性能を示す。また、窒素酸化物吸蔵材料1は加熱されても担体5と化学的に反応しにくい。したがって、排気ガス浄化触媒4は、安定して高い吸蔵性能を発揮することができる。
(実験例1)
本例は、窒素酸化物吸蔵材料の窒素酸化物に対する吸蔵性能を評価する例である。評価は、実施形態2のように窒素酸化物吸蔵材料を担体に担持した排気ガス浄化触媒を用いて行う。まず、以下のようにして第1複合酸化物を合成した。本例の第1複合酸化物はYBaCo47であり、その合成には錯体重合法を用いた。
まず、クエン酸を溶解させた水溶液に、硝酸イットリウムn水和物と、炭酸バリウムと、硝酸コバルトn水和物とを添加した。配合比は、金属元素のモル比で、Y:Ba:Co=1:1:4である。その後、温度80℃で2時間静置した。本明細書では所定温度での静置を熟成という。この熟成により錯体が十分に形成され、金属クエン酸錯体を得ることができる。
次に、水溶液中にエチレングリコールを添加し、温度150℃で5時間静置した。つまり、温度150℃で5時間熟成させた。このエチレングリコールの添加後の熟成により、エステル重合が進行し、水溶液がゲル化する。
次いで、ゲルを温度400℃で3時間仮焼させた後、温度1100℃で12時間焼成させた。焼成は大気中で行った。焼成後、酸化物が得られる。この酸化物がYBaCo47である。以上のようにして、YBaCo47を含有する窒素酸化物吸蔵材料を得た。
次に、以下のようにして窒素酸化物吸蔵材料に貴金属を担持させた。具体的には、まず、濃度1質量%のジニトロジアミン白金水溶液100mlに、YBaCo47からなる窒素酸化物吸蔵材料を混合した。次いで、溶媒である水を蒸発させることにより、白金を窒素酸化物吸蔵材料に担持させた。
次に、実施形態2と同様の蒸発乾固法により、白金を担持したYBaCo47及びアルミナを担体に担持した。担体としては、直径30mm、外皮の軸方向の長さ40mmのハニカム構造体を用いた。焼成温度は500℃、焼成時間は2時間である。
このようにして、YBaCo47からなる窒素酸化物吸蔵材料と白金とアルミナとが担体に担持された排気ガス浄化触媒を作製した。この排気ガス浄化触媒を実施例1とする。実施例1の排気ガス浄化触媒は、YBaCo47100質量部に対して白金を1質量部、アルミナを5質量部含有する。
また、実施形態2と同様の蒸発乾固法により、白金を担持したYBaCo47、セリア、及びアルミナを担体に担持した。このようにして、YBaCo47からなる窒素酸化物吸蔵材料と白金とセリアとアルミナとが担体に担持された排気ガス浄化触媒を作製した。この排気ガス浄化触媒を実施例2とする。実施例2の排気ガス浄化触媒は、YBaCo4710質量部とセリア90質量部との合計100質量%に対してPtを1質量部、アルミナを5質量部含有する。実施例2において、担体、焼成温度、焼成時間は、実施例1と同様である。
次に、比較用として、BaOからなる窒素酸化物吸蔵材料、白金、及びアルミナが担体に担持された排気ガス浄化触媒を作製した。これを比較例1とする。比較例1は、窒素酸化物吸蔵材料としてBaOを用い、その他は実施例1と同様にして製造できる。比較例1の排気ガス浄化触媒は、BaO20質量部に対してPtを1質量部、アルミナを79質量部含有する。
次に、以下のようにして、実施例1、実施例2及び比較例1の排気ガス浄化触媒について、窒素酸化物に対する吸蔵量を調べた。吸蔵量の測定は、実施例、比較例の排気ガス浄化触媒に測定ガスを流通させながら堀場製作所製の触媒試験機SIGUを用いて行った。測定ガスの組成は、NOガス:200体積ppm、O2ガス:3体積%、N2ガス:バランスであり、測定ガスの流速は23L/minであり、測定温度は300℃である。そして、排気ガス浄化触媒の前後の測定ガスのNOx濃度を分析器にて検出した。つまり、排気ガス浄化触媒に流入する前、排気ガス浄化触媒を通過した後の測定ガスのNOx濃度を調べた。排気ガス浄化触媒への流入前のことを、排気ガス浄化触媒の上流という。また、排気ガス浄化触媒を通過した後のことを、排気ガス浄化触媒の下流という。
測定ガス中のNOは、排気ガス浄化触媒の窒素酸化物吸蔵材料に吸蔵される。したがって、測定開始から所定時間までは下流におけるNO濃度は小さくなると考えられる。一方、窒素酸化物吸蔵材料内に吸蔵されたNO量が増えて飽和に近づくと、下流におけるNO濃度が大きくなると考えられる。
したがって、排気ガス浄化触媒の下流のNOx濃度を経時的に測定することにより、窒素酸化物吸蔵材料へのNOの吸蔵量を算出できる。また、上流及び下流におけるNO濃度の比から吸蔵率を算出できる。吸蔵率は、NOの流入量に対する窒素酸化物吸蔵材料に吸蔵されたNO量の割合を示す。例えば、吸蔵率100%は、流入したNOがすべて窒素酸化物吸蔵材料に吸蔵されていることを意味する。実施例1及び比較例1の排気ガス浄化触媒について、NO吸蔵量と吸蔵率との関係を図6、図7に示す。また、実施例1、実施例2、比較例1の吸蔵量をそれぞれ図8に示す。
図6より知られるように、比較例1は、窒素酸化物吸蔵材料内のNOxの吸蔵量が増えると比較的早い段階から吸蔵率が低下している。これに対し、実施例1及び実施例2は、窒素酸化物吸蔵材料内のNOxの吸蔵量が増えても吸蔵率100%の状態がより長く維持されている。したがって、実施例1及び実施例2は、比較例1よりもNOxを漏れなく吸蔵できるという点で優れている。
また、実施例1及び実施例2が、比較例1よりも上記のように吸蔵率100%の状態をより長く維持できることは、実施例1、実施例2のような第1複合酸化物を含有する窒素酸化物吸蔵材料が、二酸化窒素や硝酸イオンだけでなく、一酸化窒素をそのまま吸蔵できることを表していると考えられる。これに対し、比較例1のようにBaOを含有する窒素酸化物吸蔵材料は、NOをそのまま吸蔵することはできない。BaOを含有する窒素吸蔵材料は、NOの吸蔵のために貴金属が必要であり、貴金属によってNOをNO2に酸化し、NO2を硝酸として吸蔵することができる。
実施例1、実施例2のような第1複合酸化物は、上述のようにNOをそのまま吸蔵することが可能であるため、NOの吸蔵のために貴金属は必ずしも必要ない。したがって、高価な貴金属量を0にしたり、減らすことが可能になる。
図8より知られるように、実施例1及び実施例2は、比較例1よりも窒素酸化物の吸蔵量が高い。つまり、実施例1のようなAabc8.5-δで表される第1複合酸化物を含有する窒素酸化物吸蔵材料は、BaOのような窒素酸化物吸蔵材料に比べて、より多くの窒素酸化物を吸蔵することができる。また、実施例2は、実施例1に比べて、第1複合酸化物からなる窒素酸化物の量が1/10であるが、図8より知られるように窒素酸化物の吸蔵量が1/5程度に抑えられていることがわかる。
(実験例2)
本例は、低温での窒素酸化物の吸蔵性能を評価する例である。具体的には、実験例1において用いた実施例1、実施例2及び比較例1の排気ガス浄化触媒について、実験例1とは温度条件を変更して窒素酸化物に対する吸蔵量を調べた。本例においては、測定温度を200℃に変更した点を除いては、実験例1と同様にして窒素酸化物に対する吸蔵量を調べた。その結果を図9に示す。
図9より知られるように、窒素酸化物吸蔵材料としてBaOを含有する比較例1は、低温でのNOx吸蔵量が低い。この理由は次のように推察される。BaOは、NO2を吸蔵できるものの、NOをそのままでは吸蔵できない。したがって、比較例1のようにBaOを吸蔵材料として用いる場合には、PtのようにNOをNO2に変換する触媒が併用されるが、Ptは、200℃のような低温ではNOをNO2に十分変換できない。その結果、窒素酸化物吸蔵材料としてBaOを含有する比較例1においては、上述のように低温でのNOx吸蔵性能が不十分になったと考えられる。
これに対し、窒素酸化物吸蔵材料としてYBaCo47を含有する実施例1及び実施例2は、比較例1に比べて低温でもより高いNOx吸蔵量を示した。これは、YBaCo47のようなAabc8.5-δで表される第1複合酸化物が、NO2だけでなく、NOをそのまま吸蔵できるためであると考えられる。つまり、Aabc8.5-δで表される第1複合酸化物を含有する窒素酸化物吸蔵材料は、低温で窒素酸化物に対して優れた吸蔵性能を示す。
(実施形態3)
本形態においては、窒素酸化物吸蔵材料とオゾン発生装置とを備える排気ガス浄化装置について図10及び図11を参照して説明する。
図10に例示されるように、排気ガス浄化装置6は、排気ガス流路61と排気ガス浄化触媒4とオゾン発生装置62とを備える。排気ガス流路61は、例えばガス管からなり、内部を排気ガスGEが流れる。図10の下部における矢印は排気ガスの流れ方向を示し、矢印の先端が下流側Dであり、後端が上流側Uである。排気ガスの排気ガス流路61内には、排気ガス浄化触媒4が配置されている。
排気ガス浄化触媒4は、担体5とこれに担持された窒素酸化物吸蔵材料1とを有し、上述の実施形態2と同様の構成にすることができる。担体5は例えば多孔質のハニカム構造体である。
オゾン発生装置62は、例えば市販のものを利用することができる。図10に例示されるように、オゾン発生装置62は、例えば排気ガス浄化触媒4に到達する前の排気ガスGEに対してオゾンGoを発生させる。これは、窒素酸化物吸蔵材料1に到達する前の排気ガスGEに対してオゾンGoを発生させることと実質的に同義である。窒素酸化物吸蔵材料1は、排気ガス浄化触媒4に担持されているからである。
オゾン発生装置62は、例えばオゾン発生源621と排気ガス流路61内へオゾンGoを供給する導入口622とを有する。導入口622の位置を調整することにより、排気ガスGEに対するオゾンGoの供給位置を調整することができる。図10に例示されるように、導入口622を排気ガス浄化触媒4の上流側Uに設けることにより、排気ガス浄化触媒4に到達する前の排気ガスGEに対してオゾンGoを供給することができる。
また、構成の図示を省略するが、導入口622を排気ガス浄化触媒4のハニカム構造体の上流側端面401に向け、オゾンGoを導入口622から上流側端面401に噴射することができる。この場合には、窒素酸化物吸蔵材料に到達時の排気ガスGEに対してオゾンGoを供給することができる。
オゾンGoは、その強酸化作用によって排気ガスGE中のNOをNO2にする。つまり、オゾンGoは、排気ガスGE中のNO2量を増加させることができる。これにより、図11に例示されるようにNO2量が増大した排気ガスGEが窒素酸化物吸蔵材料1と接触することとなる。
第1複合酸化物を含有する窒素酸化物吸蔵材料1は、NO2量の多い環境下でより活性化し、NOxのうち主にNO2を吸蔵し易くなる傾向がある。その結果、250℃以下という低温環境下においてもNOxを十分に吸蔵することが可能になる。また、担体に貴金属が担持されている場合、低温環境下では貴金属の酸化触媒活性が低い。この場合においても、オゾン存在下では低温でもNOがNO2に酸化されるため、窒素酸化物吸蔵材料がNOxを十分に吸蔵することができる。
図11に例示されるように、排気ガスGE中には、NOxの他にも、H2O、CO2等が含まれる。このようなNOx、H2O、CO2等が混在する環境下においては、後述の比較形態1に例示するように従来の構成の窒素酸化物吸蔵材料には、CO2やH2Oが吸蔵されやすく、NOxの吸蔵性能が低下する傾向にある。
一方、図11に例示されるように、本形態の排気ガス浄化装置6のように、オゾンGoの存在下にて、第1複合酸化物を含有する窒素酸化物吸蔵材料1にNOxを吸蔵させると、CO2やH2Oが吸蔵されにくく、NOxが優先的に吸蔵される。したがって、排気ガス浄化装置6においては、CO2やH2Oの存在下でも、窒素酸化物吸蔵材料1がNOxを十分に吸蔵することができる。
なお、本形態では、窒素酸化物吸蔵材料1を担体5に担持させた排気ガス浄化触媒4を排気ガス流路61内に配置した構成について説明したが、窒素酸化物吸蔵材料1を担体5に担持させることなく、排気ガス流路61内に充填させた構成を採用することも可能である。
(比較形態1)
本形態は、担体に貴金属と酸化バリウムとが担持された排気ガス浄化触媒の例である。図12に例示されるように、排気ガス浄化触媒9は、例えばハニカム構造体からなる担体91に、貴金属92と、酸化バリウム93とが担持されている。貴金属92は例えばPtである。
貴金属92は、NOをNO2に酸化する機能を有する。酸化バリウム93は、窒素酸化物に対する吸蔵性能を有し、NO2を優先的に吸蔵することができる。したがって、排気ガスGE中のNOは、貴金属92によりNO2に酸化され、NO2が酸化バリウム93に吸蔵される。
このような構成の排気ガス浄化触媒9において、図12に例示されるように排気ガスGE中にNOxの他にH2O、CO2等が含まれると、酸化バリウム93には、CO2やH2Oが吸蔵されやすくなり、NOxが吸蔵されにくくなる。また、低温では、Ptの酸化触媒機能が低くなるため、さらにNOxが吸蔵されにくくなる。
これに対し、上述の実施形態3の構成の排気ガス浄化装置6では、オゾンGoの存在下において窒素酸化物吸蔵材料1の吸蔵性能がCO2やH2Oからの影響を受けにくく、CO2やH2Oが存在してもNOxを十分に吸蔵することができる(図11参照)。オゾン存在下における窒素酸化物吸蔵材料の吸蔵性能の評価については、後述の実験例3においても説明する。
(実験例3)
本例は、排気ガス浄化装置の窒素酸化物に対する吸蔵性能を評価する例である。図13に例示されるように、本例の排気ガス浄化装置6は、排気ガス流路61と、オゾン発生装置62と、窒素酸化物吸蔵材料1とを有する。窒素酸化物吸蔵材料1は、担体5に担持され、排気ガス浄化触媒4を形成している。担体5は、多孔質のハニカム構造体であり、排気ガス浄化触媒4は、実施形態2と同様の構成である。
排気ガス流路61内には、排気ガス浄化触媒4が配置されている。また、排気ガス流路61には、排気ガス浄化触媒4を迂回するバイパスライン74が設けられている。排気ガス流路61における排気ガス浄化触媒4の上流側には、ボンベボックス71、オゾン発生装置62が設けられている。オゾン発生装置62のオゾンGoの導入口622は、ボンベボックス71と排気ガス浄化触媒4との間に設けられている。
排気ガス浄化触媒4の下流には、ガス分析装置72が設けられている。ガス分析装置72は、排気ガス浄化触媒4を通過した排気ガスGE中に含まれるNO、NO2の濃度を分析する。ガス分析装置72は、フーリエ変換赤外分光分析計(つまり、FT-IR)である。また、オゾン発生装置62から供給されるオゾン濃度はオゾン計73により計測される。
排気ガス流路61の上流には、ボンベボックス71が設けられている。ボンベボックス71からは、排気ガス流路61内に排気ガスGEのモデルガスが供給される。モデルガスを構成する各ガス成分は、O2:10体積%、NO:100体積ppm、CO2:3体積%、H2O:3体積%、N2:バランスである。また、オゾン発生装置62からは排気ガス流路61内に0、100体積ppm、300体積ppmにてオゾンGoが供給される。排気ガス流路61内でのガス流量は10L/分であり、これは空間速度SV:49kh-1に相当する。
実施例における窒素酸化物吸蔵材料は、YBaCo47からなる。この窒素酸化物吸蔵材料と、PtとRhとγAl23とがハニカム構造体に担持されている。YBaCo47とPtとRhとγAl23とは、質量比で、YBaCo47/Pt/Rh/γAl23=100/1/1/5の割合で担持されている。担持量は1g程度である。ハニカム構造体は、直径Φ19mmで、長さL50mmである。
以下、実験方法について説明する。まず、ボンベボックス71からモデルガスを排気ガス流路61内に供給する。このとき、排気ガス浄化触媒4内にモデルガスを流さずにバイパスライン74に迂回させておく。そして、ガス分析装置72にてモデルガス中のNO濃度とNO2の濃度をモニタする。モデルガスの温度は150℃である。
バイパスライン74にモデルガスを流した状態で、ガス分析装置72にて検出される検知ガス濃度が安定化したら、バイパスライン74に流れる経路から排気ガス浄化触媒4に流れる経路に切り替える。これにより、モデルガスを排気ガス浄化触媒4に流通させる。
次いで、ガス分析装置72により経時的にモニタされるNO濃度及びNO2濃度に基づいて、窒素酸化物吸蔵材料1に吸蔵されたNOxの吸蔵量を算出する。図14に例示されるように、ガス分析装置72における検知ガス濃度と時間との関係図において、斜線領域の面積がNOxの吸蔵量となる。検知ガス濃度はNOとNO2の合計濃度のことである。図14中、矢印Sはバイパスライン74から排気ガス浄化触媒4への経路に切り替えた時点を示す。NOxの吸蔵量を担持量で除することにより、単位担持量あたりの吸蔵量を算出した。その結果を表1に示す。なお、本例では、モデルガスの組成を変更して実施例3~8の吸蔵量を測定した。
一方、窒素酸化物吸蔵材料として、BaOを用い、その他は実施例と同様の構成の排気ガス浄化触媒4を用いた比較例についても吸蔵量の測定を行った。その結果を表1に併記する。さらに、各実施例、比較例の吸蔵量の結果を図15に示す。
Figure 0007180150000001
表1及び図15より知られるように、第1複合酸化物を含有する窒素酸化物吸蔵材料を用いた実施例においては、オゾンGoの存在下でNOxを吸着させることにより、NOx吸蔵量が顕著に増大している(実施例4~8参照)。これは、オゾンGoの強酸化作用によってNOが酸化され、より窒素酸化物吸蔵材料に吸着されやすいNO2になるためである。吸蔵量の増大効果は、実施例において顕著である。
また、実施例では、150℃という低温でも窒素酸化物が窒素酸化物吸蔵材料に十分に吸蔵されている。したがって、実施例の排気ガス浄化装置のように、オゾン存在下にて第1複合酸化物を含有する窒素酸化物吸蔵材料に窒素酸化物を吸蔵させることにより、例えば内燃機関の始動時等の低温でも十分に窒素酸化物を吸蔵することができる。第1複合酸化物を含有する窒素酸化物吸蔵材料は、低温でも十分に吸蔵性能を示すが、オゾン存在下にてさらに吸蔵性能が向上する。
これに対し、比較例2~5は、従来のBaOからなる窒素酸化物吸蔵材料であり、吸蔵性能が低い。さらにH2OやCO2が存在する環境下では、比較例のNOxの吸蔵量は一層低下する(比較例2参照)。これに対し、第1複合酸化物を含有する窒素酸化物吸蔵材料は、比較例2と同条件下においても相対的に高いNOx吸蔵性能を示す(実施例9参照)。つまり、第1複合酸化物を含有する窒素酸化物吸蔵材料は、H2OやCO2が存在する環境下においても、NOxに対する吸蔵性能に優れる。
表1、図15より知られるよに、実施例のように、第1複合酸化物を含有する窒素酸化物吸蔵材料は、オゾンGoの存在下で、H2OやCO2が存在する環境下におけるNOx吸蔵量の増大効果が顕著になる。少なくともH2Oが存在する環境下においては、オゾンGo存在下でのNOx吸蔵量の増大効果がより顕著になる。
したがって、H2O、CO2などを含む排気ガス中では、第1複合酸化物を含有する窒素酸化物吸蔵材料がNOxに対する吸蔵性能の点において優れており、実施例の窒素吸蔵材料は、実使用条件下において従来のアルカリ土類金属酸化物からなる従来品よりも有利であることがわかる。そして、実施例の窒素酸化物吸蔵材料は、オゾンの存在により、NOxに対する吸蔵性能が顕著に増大する。
(実験例4)
本例では、組成が異なる第1複合酸化物からなる窒素酸化物吸蔵材料を作製し、NOx吸蔵量を比較評価する。具体的には、表2に示す組成の第1複合酸化物を作製した。各第1複合酸化物は、原料を変更した点を除いては実験例1の錯体重合法により作製した。
表2に示す各第1複合酸化物の製造にあたり、Y源、Ba源、Co源としては、実験例1と同様に、それぞれ、硝酸イットリウムn水和物、炭酸バリウム、硝酸コバルトn水和物を用いた。Al源としては硝酸アルミニウムn水和物を用いた。Ga源としては硝酸ガリウムn水和物を用いた。Cr源としては硝酸クロムn水和物を用いた。Fe源としては硝酸鉄n水和物を用いた。Mn源としては酢酸マンガンn水和物を用いた。Ni源としては硝酸ニッケルn水和物を用いた。Pr源としては硝酸プラセオジムn水和物を用いた。Dy源としては硝酸ジスプロシウムn水和物を用いた。
各第1複合酸化物よりなる窒素酸化物吸蔵材料を用いて、実験例3と同様にして排気ガス浄化触媒を作製した。これらを実施例10~25とする。
実施例10~25の排気ガス浄化触媒においては、窒素酸化物吸蔵材料とPtとRhとγAl23とが実験例3と同様にハニカム構造体に担持されている。窒素酸化物吸蔵材料とPtとRhとγAl23とは、質量比で、窒素酸化物吸蔵材料/Pt/Rh/γAl23=100/1/1/5の割合で担持されている。担持量は1g程度である。
実施例10~25のNOx吸蔵量を実験例3と同様にして測定した。本例ではオゾンを使用せず、H2O、CO2を供給していない。つまり、モデルガスを構成する各ガス成分は、O2:10体積%、NO:100体積ppm、N2:バランスであり、オゾン発生装置を作動させずに測定を行った。その結果を表2、図16に示す。また、図16においては、実施例3の結果を併記する。実施例3は、窒素酸化物吸蔵材料としてYBaCo47を含有する。
Figure 0007180150000002
表2及び図16より知られるように、第1複合酸化物を含有する窒素酸化物吸蔵材料は、実施例10~25のように組成を変更しても、NOxに対して高い吸蔵性能を示す。これらの中でも、実施例12~14、実施例17~19のようにCoとGa、CoとFeを含有する窒素酸化物吸蔵材料は、実施例3よりも高いNOx吸蔵性能を示す。また、安価なFeの使用は、窒素酸化物吸蔵材料の製造コストの低減につながる。
本例によれば、一般式I:Aabc8.5-δにおけるC元素としては、遷移金属元素、Al、Zn、Fe、Co、Mn、Ni、Cu、Ca、Ga、及びLiからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を用いることができるが、Co、Fe、及びGaからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を用いることが好ましいことがわかる。
NOx吸蔵性能のさらなる向上という観点から、一般式IにおけるCは、CoとFe、あるいは、CoとGaであることがより好ましい。製造コスト低下させつつ、NOx吸蔵性能の高めるという観点からは、一般式IにおけるCは、CoとFeとがさらに好ましい。また、一般式IにおけるCは、CoよりもFe又はGaを多く含有していることが好ましい。
なお、実施例10~25は、実験例3における実施例3と同様に、H2O、CO2の存在下でも優れたNOx吸蔵性能を示し、オゾンの存在下でNOx吸蔵性能が顕著に増大すると考えられる。
本発明は上記各実施形態、各実験例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。一般式IにおけるA、B、Cの種類や、a、b、c、δの値を変更しても上述の実験例等と同様に窒素酸化物に対する吸蔵性能が得られると考えられる。
1 窒素酸化物吸蔵材料
2 第1複合酸化物
20 主相
21 酸素欠損
3 第2化合物
30 副相
4 排気ガス浄化触媒
5 担体
6 排気ガス浄化装置

Claims (14)

  1. 一般式I:Aabc8.5-δで表される第1複合酸化物(2)を含有し、
    上記第1複合酸化物が窒素酸化物に対する吸蔵サイトを有し、
    上記一般式Iにおいて、Aが希土類元素、Ca、及びInからなる群より選ばれる少なくとも1種からなると共に少なくともYを含み、Bがアルカリ土類金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種からなると共に少なくともBaを含み、Cが遷移金属元素、Al、Zn、及びGaからなる群より選ばれる少なくとも1種からなると共に少なくともCoを含み、a、b、c、δが、それぞれ、a=1、b=1、c=4、0<δ≦1.5を満足する、窒素酸化物吸蔵材料(1)。
  2. 上記第1複合酸化物が一般式II:Aabc8.5-δ(NOx)θで表され、上記一般式IIにおいて、Aが希土類元素、Ca、及びInからなる群より選ばれる少なくとも1種からなると共に少なくともYを含み、Bがアルカリ土類金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種からなると共に少なくともBaを含み、Cが遷移金属元素、Al、Zn、及びGaからなる群より選ばれる少なくとも1種からなると共に少なくともCoを含み、a、b、c、δ、θが、それぞれ、a=1、b=1、c=4、0<δ≦1.5、0≦θ≦1.5を満足する、請求項1に記載の窒素酸化物吸蔵材料。
  3. さらに、上記窒素酸化物吸蔵材料が上記第1複合酸化物とは異なる第2化合物(3)を含有し、該第2化合物が、遷移金属元素、アルカリ土類金属元素、Al、及びZnからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1又は2に記載の窒素酸化物吸蔵材料。
  4. 上記窒素酸化物吸蔵材料は、上記第1複合酸化物からなる主相(20)と、上記第2化合物からなる副相(30)とを有する、請求項3に記載の窒素酸化物吸蔵材料。
  5. 上記第2化合物が、酸化物及び塩の少なくとも一方を含有する、請求項3又は4に記載の窒素酸化物吸蔵材料。
  6. 上記第2化合物が、少なくともアルカリ土類金属元素の炭酸塩を含有する、請求項3~のいずれか1項に記載の窒素酸化物吸蔵材料。
  7. 請求項1~のいずれか1項に記載の窒素酸化物吸蔵材料が担体(5)に担持された、排気ガス浄化触媒(4)。
  8. 上記窒素酸化物吸蔵材料が貴金属と共に上記担体に担持された、請求項に記載の排気ガス浄化触媒。
  9. 上記窒素酸化物吸蔵材料が、アルミナ、シリカ、及びチタニアからなる群より選ばれる少なくとも1種からなる無機バインダと共に上記担体に担持された、請求項又はに記載の排気ガス浄化触媒。
  10. 上記窒素酸化物吸蔵材料が、セリア、ジルコニア、及びセリア-ジルコニア固溶体からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる助触媒と共に上記担体に担持された、請求項のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒。
  11. 請求項1~のいずれか1項に記載の窒素酸化物吸蔵材料と、
    オゾン発生装置(62)と、を有し、
    上記窒素酸化物吸蔵材料が上記オゾン発生装置から発生するオゾン(Go)の存在下にて排気ガス(GE)中のNOxを吸蔵するように構成された排気ガス浄化装置(6)。
  12. 排気ガス流路(61)と、
    上記排気ガス流路内の上記排気ガス中に上記オゾンを供給する上記オゾン発生装置と、
    上記排気ガス流路内に配置された上記窒素酸化物吸蔵材料と、を有し、
    上記オゾン発生装置は、オゾン発生源(621)と、該オゾン発生源から発生したオゾンを上記排気ガス流路内に供給する導入口(622)とを有し、
    該導入口が上記窒素酸化物吸蔵材料に到達時又は到達前の上記排気ガスに対してオゾンを供給する位置に設けられている、請求項11に記載の排気ガス浄化装置。
  13. 上記排気ガス流路内には、上記窒素酸化物吸蔵材料と、該窒素酸化物吸蔵材料が担持された担体(5)とを有する排気ガス浄化触媒(4)が配置されている、請求項12に記載の排気ガス浄化装置。
  14. 上記オゾン発生装置の上記導入口が、上記排気ガス流路における上記排気ガス浄化触媒の上流に設けられた、請求項13に記載の排気ガス浄化装置。
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