JP7176877B2 - 耐衝撃性に優れた機械構造用合金鋼 - Google Patents

耐衝撃性に優れた機械構造用合金鋼 Download PDF

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Description

本発明は、土木、建設等の分野で使用される土木建設機械等に使用される機械構造用合金鋼に関し、とりわけ土砂や岩石等との摩耗や折損が問題となる環境下で使用される部材として良好な機械構造用合金鋼に関する。
土木建設機械に使用される部材は、岩石等を割る際には折損等が生じることがある。また土砂、岩石等によって摩耗も引き起こされる。近年、土木建設機械の使用される環境はますます過酷になってきており、早期折損、早期摩耗が問題視されている。こうした早期折損に対しては部材の靱性を向上させること、早期摩耗に対しては部材を高強度化、高硬度化させる必要がある。
また、土木建設機械用の部材は大型の部品であることが多いために、焼入れ時に完全に中心部まで硬化させる必要がある。さらに、焼入れ硬化層が浅い場合、表面部の硬化層が一旦摩耗しきってしまうとその内部は急激に摩耗してしまう。そこで、土木建設機械用鋼にはより良好な硬度と靱性とのバランスが求められている。しかしながら、靱性と耐摩耗性はトレードオフの関係にある。たとえば、低温焼入れによると高硬度が得られるものの靱性は低くなりやすいように、それらの両立は一般的に困難である。
従来、土砂や岩石などによる摩耗が問題となる土木建設機械に使用される部材に対しては、Cr、Mo等の合金元素を多量に添加した鋼材に焼入れを行い、高硬度化した鋼材が使用されている。
またC添加による高硬度化、Si、Cr添加による焼入性の増大、Si添加による焼戻軟化抵抗性の向上により、耐摩耗性の向上を志向する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この提案の方法では、硬度向上のためにCを増加するものの、他方で靱性が低下するという問題が生じてしまう。また、焼入性向上のためにSi、Crを多量に添加しているものの、今度は過剰な焼入性によって製造性が低下することも懸念される。
次に、B添加による粒界強化によって靱性の向上を図るとともに、Siの添加による固溶強化によって耐摩耗性の向上を志向する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この提案の方法では、Mn、Bの添加により焼入性の向上が図られるものの、合金元素が不足しているために焼入性が未だ低く十分とはいえない。すると、大型部材に対し焼入れを行った場合には中心部までの硬化が得られないこととなることから、耐摩耗性が十分とはいえなかった。
また、Mn、Cr、Moの複合添加により焼入性、焼戻軟化抵抗性の向上および靱性の向上を志向する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。しかし、Mnの添加により粒界への炭化物の偏析が大きくなるので、靱性を低下させる要因となる。また、Moの添加により成分偏析が大きくなることによって靱性が低下したり、過剰な焼入性によって製造性が低下すること等も懸念される。
再表2016/170866号公報 特開2012-233252号公報 特開平08-199287号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、土木建設機械用部材、例えばトラックリンク、トラックシュー、リッパーポイント等のような大型の部材にも適用可能で、かつ厳しい衝撃が加わったり摩耗が生じやすい厳しい環境下での使用に適した鋼材として、中心部までの焼入れ性に優れる機械構造用合金鋼を提供することである。
また、上記の機械構造用合金鋼を焼入焼戻し処理した際に、優れた硬度と靱性とを兼ね備えている機械構造用合金鋼の提供、すなわち、土木建設機械用部材に好適な、焼入焼戻し後の鋼材中心部の硬さが45HRC以上、2mmVノッチシャルピー衝撃試験により測定した衝撃値が35J/cm2であることを満たす硬度と靱性に優れる機械構造用合金鋼を提供することである。
本願の発明者らは、焼入焼戻し処理を施して用いられる土木建設機械用部材に対し、Siの低減によって粒界炭化物を抑制し、またAl、Nの添加によりピンニング粒子であるAlNを析出させることによって結晶粒粗大化を防止することで靱性を改善し、さらにC、Mn、Cr、Moを適切に添加することにより、焼入れ時に鋼材の中心部まで焼入れ硬化する、靱性と耐摩耗性の双方に優れる鋼を見出した。
そこで、本発明の課題を解決するための第1の手段では、質量%で、C:0.25~0.40%、Si:0.05~0.30%、Mn:1.00~1.50%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Cr:1.50~3.00%、Mo:0.05~0.50%、Al:0.020~0.050%、N:0.0100~0.0200%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、以下の式(1)のAの値が10以上20以下であることを特徴とする機械構造用合金鋼である。
A=0.5C×(1+0.7Si)×(1+3.6Mn)×(1+2.2Cr)×(1+3.0Mo)・・・式(1)
ただし、式中の元素記号には、各元素の含有率(質量%)を代入する。
第2の手段では、第1の手段の化学成分に加えて、質量%でNb:0.02~0.04%、Ti:0.005~0.030%のうち一種または二種を含有し、NbとTiの質量%の合計値は0.005≦(Nb+Ti)≦0.050を満足するものであって、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、以下の式(1)のAの値が10以上20以下であることを特徴とする機械構造用合金鋼である。
A=0.5C×(1+0.7Si)×(1+3.6Mn)×(1+2.2Cr)×(1+3.0Mo)・・・式(1)
ただし、式中の元素記号には、各元素の含有率(質量%)を代入する。
第3の手段は、質量%で、C:0.25~0.40%、Si:0.05~0.30%、Mn:1.00~1.50%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Cr:1.50~3.00%、Mo:0.05~0.50%、Al:0.020~0.050%、N:0.0100~0.0200%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
以下の式(1)のAの値が10以上20以下であって、
さらにオーステナイト化温度より30℃~100℃高い加熱温度から焼入焼戻し処理した場合、焼入硬さが45HRC以上となっていることを特徴とする機械構造用合金鋼である。
A=0.5C×(1+0.7Si)×(1+3.6Mn)×(1+2.2Cr)×(1+3.0Mo)・・・式(1)
ただし、式中の元素記号には、各元素の含有率(質量%)を代入する。
第4の手段は第3の手段に記載の化学成分に加えて、質量%で、Nb:0.02~0.04%、Ti:0.005~0.030%のうち一種または二種を含有し、NbとTiの質量%の合計値は0.005≦(Nb+Ti)≦0.050を満足するものであって、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
以下の式(1)のAの値が10以上20以下であって、
さらにオーステナイト化温度より30℃~100℃高い加熱温度から焼入焼戻し処理した場合、焼入硬さが45HRC以上となっていることを特徴とする機械構造用合金鋼である。
A=0.5C×(1+0.7Si)×(1+3.6Mn)×(1+2.2Cr)×(1+3.0Mo)・・・式(1)
ただし、式中の元素記号には、各元素の含有率(質量%)を代入する。
本発明は、Siの低減によって粒界炭化物を抑制し、またAl、Nの添加によりピンニング粒子であるAlNを析出させることによって結晶粒粗大化を抑止して靱性を改善し、C、Mn、Cr、Moを適切に添加することにより、焼入れ時に鋼材の中心部まで焼入れ硬化させることができる。そこで、硬さと靱性のバランスに優れた土木建設機械用部材に好適な鋼を得ることができる。
また、本発明の機械構造用合金鋼は、さらにオーステナイト化温度の30~100℃の高さの加熱温度から焼入焼戻し処理をした際には、鋼材の中心の硬さが45HRC以上となっている。さらにシャルピー衝撃試験により測定した衝撃値が35J/cm2を確保しやすくなっている。そこで、硬さと靱性のバランスに優れた土木建設機械用部材に好適な鋼を得ることができる。
以下、本発明の機械構造用合金鋼における各成分組成を決定した理由と、式(1)によりA値を特定する理由、ならびに焼入温度、焼入焼戻し後の鋼材中心部の硬さの限定理由を説明する。なお、化学成分の%は質量%である。
C:0.25~0.40%
Cは、焼入れ時のマトリックス強度を向上させ、焼入性、耐摩耗性を向上させるのに有効な元素である。Cが0.25%以下では十分な硬度が確保できないため、Cは0.25%以上とする。一方、Cが0.40%を超えると靱性を大きく低下させるため、Cは0.40%以下とする。そこで、Cは0.25~0.40%とする。
また、より高い靱性を確保するため、好ましくは、Cは0.25~0.35%とする。
Si:0.05~0.30%
Siは、鋼の脱酸に必要であるとともに、焼入性の向上に影響する元素である。焼入れ性を向上させるためには、Siは0.05%以上必要である。他方、Siが0.30%を超えると粒界炭化物の生成を促進し、靱性を低下させるため、Siは0.30%以下とする。そこで、Siは0.05~0.30%である。
Mn:1.00~1.50%
Mnは、焼入性の向上、焼戻軟化抵抗性の向上に有効な元素であり、そのためにはMnが1.00%以上必要である。一方、Mnが1.50%を超えると結晶粒界に偏析し、靱性を低下させるため、Mnは1.50%以下とする。そこで、Mnは1.00~1.50%である。
P:0.030%以下
Pは、結晶粒界に偏析し、靱性を低下させる元素である。そこで、Pは0.030%以下とする。
S:0.030%以下
Sは、靱性の低下を招く元素である。そこで、Sは0.030%以下とする。
Cr:1.50~3.00%
Crは、焼入性、焼戻軟化抵抗性を増加させ、耐摩耗性を向上させるのに有効な元素である。Crが1.50%以下では鋼材の中心部まで焼入れ硬化させることができないため、Crは1.50%以上とする。一方、Crが3.00%を超えると靱性の低下、焼入性過剰による製造性の低下を招くため、Crは3.00%以下とする。そこで、Crは1.50~3.00%である。
Mo:0.05~0.50%
Moは、焼入性、焼戻軟化抵抗性の向上に有効な元素である。焼入性と焼戻軟化抵抗性の向上のためにはMoが0.05%以上必要である。一方、Moが0.50%を超えると鋼材の成分偏析を助長するため、Moは0.50%以下とする。そこで、Moは0.05~0.50%である。
Al:0.020~0.050%
Alは、鋼中でAlNを形成し、ピンニング粒子としてオーステナイト粒径の粗大化を抑制することで靱性の向上に寄与する。靱性の向上のためにはAlは0.020%以上とする。一方、Alは0.050%を超えると窒化物や酸化物が粗大化してしまうので、靱性が低下するとともに製造性が低下することから、Alは0.050%以下とする。そこでAlは0.020~0.050%である。
N:0.0100~0.0200%
Nは、鋼中でAlNを形成し、オーステナイト粒径の粗大化を抑制する元素であり、そのためにはNが0.0100%以上必要である。一方、Nは0.0200%を超えると窒化物が粗大化し、靱性が低下するため、Nは0.0200%以下とする。そこで、は0.0100~0.0200%である。
さらに、本発明の機械構造用合金鋼には、選択的成分としてTi、Nbのうち1種類または2種類を、以下に説明する数値範囲で含有させてもよい。
Ti:0.005~0.030%
Tiは、TiはAlと同様にオーステナイト粒径の粗大化を抑制するのに有効な元素である。そのためにはTiは0.005%以上必要である。一方、Tiは0.030%を超えると窒化物の粗大化により靱性が低下するため、Tiは0.030%以下とする。そこで、Ti:0.005~0.030%である。
Nb:0.02~0.04%
Nbは、鋼中でNbCを形成し、オーステナイト粒径の粗大化を抑制することで靱性の向上に寄与する。そのためにはNbは0.02%以上とする。一方、Nbが0.04%を超えると粗大なNbCが析出し、靱性が低下するため、Nbは0.04%以下とする。
NbとTiの質量%の合計値 Nb+Ti:0.005~0.050%
NbとTiの質量%の合計値は0.050%で効果が飽和するため、NbとTiの質量%の合計値は、0.005~0.050%とする。すなわち、合計値は、0.005≦(Nb+Ti)≦0.050を満足するものである。
式(1)について
A=0.5C×(1+0.7Si)×(1+3.6Mn)×(1+2.2Cr)×(1+3.0Mo)・・・式(1)
式(1)で示すA値が10以上20以下であること

式(1)のA値は、値が増大する程、鋼材の焼入性は向上する指標であり、式(1)で勘案する成分元素と、A値の算定のための各成分元素の計数は、焼入れ性の観点から設定している。なお、A値は、各元素部分に、該当の元素の成分組成を質量%で表した数値が代入されることで算出して求める。
A値は、鋼材の中心部まで焼入れ硬化することにより、耐摩耗性が向上することから、大型の部材にも十分適用することができるようになる。そこで、φ200未満の鋼材径に対し中心部まで焼入れ硬化できるように、A値は10以上とする。
一方、A値が20以上であると焼入性が過剰となることから、コストの増加、製造性の低下を招くこととなるので、A値は20以下とする。そこで、本発明における式(1)で示すA値は10以上20以下の範囲とする。
オーステナイト化温度より30℃~100℃高い加熱温度から焼入焼戻し処理をした際に焼入れされた部材の硬さが45HRC以上となっていること
焼入温度が低いと、十分に鋼材を焼入れ硬化させることができないため、焼入温度は鋼材のオーステナイト化温度より30℃以上高いものとする。もっとも、焼入温度が過度に高すぎると結晶粒の粗大化が生じて靱性の低下を招くことがあるので、焼入温度は鋼材のオーステナイト化温度より高いとしても100℃以下の高さとする。そこで、焼入処理のために部材を加熱する温度は、オーステナイト化温度より30℃~100℃高い加熱温度とする。
そして、上記範囲の加熱温度から焼入焼戻処理された機械構造用合金鋼の部材は、焼入焼戻し後の鋼材の中心部硬さが45HRC以上となる。
すると、本発明の鋼は、例えばオーステナイト化温度より30℃~100℃高い加熱温度から焼入焼戻した後の鋼材は、鋼材中心部の硬さが45HRC以上であり、なおかつ35J/cm2以上の衝撃値を確保することができるので、硬さと靱性の双方がバランス良く優れたものとなる。
さらに、Cが0.25~0.35%であるときには、オーステナイト化温度より30℃~100℃高い加熱温度で焼入焼戻した後の鋼材は、鋼材中心部の硬さが45HRC以上であり、なおかつ40J/cm2以上の衝撃値を確保することができるので、硬さとより高い靱性の双方をバランス良く得ることができる。
以下に、本発明の実施例を示す。まず、表1に示すNo.1~10の実施例鋼およびNo.11~21の比較例鋼のそれぞれの化学成分からなる鋼を100kg真空溶解炉で溶製した。
Figure 0007176877000001
得られた鋼部材を試験片へと加工し、靱性についてはJIS Z 2242に基づいたシャルピー衝撃試験を用いて評価した。また、耐摩耗性については直径160mmの鋼材を焼入焼戻ししたときの鋼材中心部の硬さをJIS Z 2245に基づいたロックウェル硬度測定にて評価した。
まず表1に示す鋼を1200℃で直径160mmに鍛伸した後、870℃で1時間保持後空冷の焼ならしを行った。その後、焼入れ処理として870℃に加熱して100~200分保持後に水冷し室温まで冷却した後、210℃に60~90分保持後に60℃に油冷にて室温まで冷却して焼戻しを行い棒鋼を得た。得られた棒鋼について、靱性、耐摩耗性を評価した。
すなわち、上記の条件で製造、熱処理を行った棒鋼について、中心の位置より、それぞれJIS 3号 2mm Vノッチシャルピー衝撃試験片を採取し、JIS Z 2242に準拠してシャルピー衝撃試験を行った。
また、上記の条件で製造、熱処理を行った棒鋼について、棒鋼の長さの中心位置(1/2L位置)より、直径160mm×長さ15mmを硬さ測定用試験片として採取し、JIS Z 2245に準拠し、鋼材の直径160mmの中心部の硬さをロックウェル硬度測定機にて測定した。
表2にシャルピー衝撃試験、硬さ測定の結果と、焼入性の指標として式(1)のA値を示す。
Figure 0007176877000002
表2に示した通り、本発明に従う実施例鋼(No.1~10)は、中心部硬さが45HRC以上、シャルピー衝撃値が35J/cm2以上を満たしており、硬さと靱性のバランスに優れる鋼であることが確認された。
また、さらにCの成分範囲を0.25~0.35%としたときには、すなわち実施例鋼No.1、3、4、6、7、10は、鋼材中心部の硬さが45HRC以上であり、なおかつシャルピー試験の衝撃値が40J/cm2以上となったことから、硬さと靱性にさらに優れる鋼が得られることが確認された。
これに対し、式(1)で示すA値が10未満である比較例鋼No.11、16、18、19、21は、鋼材中心部の硬さが45HRCを下回っており、焼入性の不足から鋼材の中心部まで焼入れ硬化していないことが確認された。
他方、式(1)で示すA値が20以上である比較例鋼No.12、13では、合金元素量が多いことから焼入性が過剰となっており、製造性の低下、コストの増加が懸念されるとともに、靱性の低下も認められた。
また、Si量が多い比較例鋼No.14、15では、靱性の低下が認められた。
さらに、C量が多い比較例鋼No.17、20、22、23では、C量が過剰であることから靱性の低下を招いており、シャルピー衝撃値が35J/cm2に満たず、靱性に劣ることが分かった。

Claims (2)

  1. 質量%で、C:0.25~0.40%、Si:0.05~0.30%、Mn:1.00~1.50%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Cr:1.50~3.00%、Mo:0.05~0.50%、Al:0.020~0.050%、N:0.0100~0.0200%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、以下の式(1)のAの値が10以上20以下であることを特徴とする機械構造用合金鋼。

    A=0.5C×(1+0.7Si)×(1+3.6Mn)×(1+2.2Cr)×(1+3.0Mo)・・・式(1)
    ただし、式中の元素記号には、各元素の含有率(質量%)を代入する。
  2. 請求項1に記載の化学成分に加えて、質量%でNb:0.02~0.04%、Ti:0.005~0.030%のうち一種または二種を含有し、NbとTiの質量%の合計値は0.005≦(Nb+Ti)≦0.050を満足するものであって、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、以下の式(1)のAの値が10以上20以下であることを特徴とする機械構造用合金鋼。
    A=0.5C×(1+0.7Si)×(1+3.6Mn)×(1+2.2Cr)×(1+3.0Mo)・・・式(1)
    ただし、式中の元素記号には、各元素の含有率(質量%)を代入する。
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