JP7176615B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器等に関し、たとえば、発熱体を冷却する電子機器等の技術に関する。
近年、クラウドサービス等の技術発展に伴って、情報処理量が増大しつつある。この膨大な情報を処理するために、中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)や集積回路(Multi-chip Module:MCM)などの発熱体の計算量が、増加する傾向にある。このため、これらの発熱体の発熱量も増加する傾向にある。この傾向に伴って、発熱体をより効率よく冷却しようとする試みが日々なされている。
発熱体の冷却技術として、冷媒を用いて発熱体を冷却する電子機器が知られている(たとえば、特許文献1)。
特許文献1に記載の技術では、ベーパチャンバを用いて発熱体を冷却している。ベーパチャンバの受熱面は発熱体に取り付けられている。ベーパチャンバでは、複数のウィックを集合したウィック組がケースおよびカバーの間の密閉空間(作動液槽)に配置されている。また、この密閉空間内に冷媒(作動液)が封入されている。
ベーパチャンバは、受熱面を介して発熱体の熱を受け取る。受熱面を介して受け取った発熱体の熱はウィックに伝達する。これにより、ウィックに含まれている冷媒は、沸騰し蒸発して、液相状態から気相状態へ相変化し、カバー側に広がる。カバー側に広がった冷媒は、カバー壁面で凝縮して液化して、気相状態から液相状態へ相変化する。凝縮潜熱として放出された熱は、カバーの外面を介して大気へ放出される。液化した冷媒は、ウィックを通じて毛細管力により発熱体に還流され、前記密閉空間内で、再び蒸発および凝縮を繰り返す。
なお、本発明に関連する技術が、特許文献2~5にも開示されている。
特開2008-153423号公報 特開昭59-188198号公報 特表2012-531056号公報 特開平11-087586号公報 特開昭61-237993号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、発熱体はベーパチャンバの受熱面に取り付けられており、発熱体の熱はベーパチャンバのケースを介して冷媒に伝達される。このとき、発熱体と、ベーパチャンバのケースとの間には隙間が生じるため、発熱体の熱が十分に冷媒に伝達されない。このため、ベーパチャンバ内の冷媒の温度上昇が抑制される。この結果、液相状態から気相状態への冷媒の相変化が抑制され、発熱体の熱を十分に冷却できないという問題があった。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、発熱体の熱をより効率よく冷却できる電子機器等を提供することにある。
本発明の電子機器は、主面に発熱体が取り付けられた回路基板と、前記発熱体と向き合う面に形成された開口部を有し、冷媒を収容する筐体と、前記開口部と前記発熱体を連結して前記冷媒を密閉する連結部を備え、前記連結部の厚さは、0.21mm以下である。
本発明によれば、発熱体の熱をより効率よく冷却できる電子機器を提供できる。
本発明の第1の実施の形態における電子機器の構成を示す断面図であって、図4のA-A切断面における断面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における電子機器の構成を示す断面図であって、図3のB-B切断面における断面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における電子機器の構成を示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態における電子機器の構成を示す上面図である。 本発明の第1の実施の形態における電子装置の構成を示す断面図であって、図7のC-C切断面における断面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における電子装置の構成を示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態における電子装置の構成を示す前面図である。 本発明の第1の実施の形態における収容ラックの構成を示す断面図であって、図9のD-D切断面における断面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における収容ラックの構成を示す前面図である。 本発明の第1の実施の形態における電子機器の第1の変形例の構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態における電子機器の構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態における電子機器の第1の変形例の構成を示す断面図である。 金属板の構成を示す平面図である。 本発明の第3の実施の形態における電子機器の構成を示す断面図である。 冷媒流路を構成する部材の一例として、網目状シートの構成を示す平面図である。 本発明の第4の実施の形態における電子機器の構成を示す断面図である。 連結部、沸騰促進部および冷媒流路を構成する部材の一例として、合板の構成を示す平面図である。 連結部、沸騰促進部および冷媒流路を構成する部材の一例として、合板の構成を示す断面図であって、図17のE-E切断面における断面を示す図である。 本発明の第5の実施の形態における電子機器の構成を示す断面図であって、図22のA1-A1切断面における断面を示す図である。 本発明の第5の実施の形態における電子機器の構成を示す断面図であって、図21のB1-B1切断面における断面を示す図である。 本発明の第5の実施の形態における電子機器の構成を示す側面図である。 本発明の第5の実施の形態における電子機器の構成を示す上面図である。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態における電子機器100について、図に基づいて説明する。
図1は、電子機器100の構成を示す断面図であって、図4のA-A切断面における断面を示す図である。図2は、電子機器100の構成を示す断面図であって、図3のB-B切断面における断面を示す図である。図3は、電子機器100の構成を示す側面図である。図4は、電子機器100の構成を示す上面図である。なお、図1および図3には、鉛直方向Gが示されている。
図1~図4を参照して、電子機器100は、回路基板10と、筐体30と、連結部40とを備えている。なお、電子機器100は、たとえば、通信装置やサーバーなどに組み込まれる電子モジュールに用いることができる。
回路基板10は、平板状に形成されている。回路基板10は、第1の主面11と、第2の主面12と、コネクタ部13を有している。ここで、回路基板10の主面とは、回路基板10の主たる面をいい、たとえば電子部品が実装される面をいう。なお、第1の主面11を回路基板の表面(おもて面)と呼び、第2の主面12を回路基板の裏面とも呼ぶことがある。回路基板10の第1の主面11上には、発熱体20が取り付けられている。
回路基板10は、たとえば、プリント配線基板である。プリント配線基板は、複数の絶縁体の基板および導体配線が積層されて構成されている。また、回路基板10の第1の主面11および第2の主面12には、電子部品を実装するための導電性のパッドが形成されている。絶縁体の基板の材料には、たとえば、フェノール樹脂やガラスエポキシ樹脂が用いられる。導体配線やパッドは、たとえば銅箔により形成されている。
また、コネクタ部13は、他の電子部品(不図示)と接続するために、回路基板10の第1の主面11上に形成されている。コネクタ部13は、例えば、回路基板10の第1の主面11に形成された複数の端子(不図示)によって、構成されている。なお、コネクタ部13は、第2の主面12上にも形成されてもよい。この場合、第2の主面12のうちで、第1の主面11に形成されたコネクタ部13の形成領域に対応する領域に、コネクタ部13が形成される。なお、このコネクタ部13は、本実施形態において、必須の構成ではない。
発熱体20は、回路基板10の第1の主面11に取り付けられている。発熱体20は、第1の発熱体外面21を有する。第1の発熱体外面21は、発熱体20の外面の1つであって、発熱体20のうちで回路基板10側の面と反対側の面である。第1の発熱体外面21は、一般的には平面で構成されるが、曲面で構成されてもよい。なお、発熱体20は、稼働すると熱を発する部品であって、たとえば中央演算処理装置CPUや集積回路MCMなどである。
図1に示されるように、筐体30は、開口部31を有する箱形に形成されている。筐体30は、冷媒(Coolant)COOを収容する。筐体30の内側は空洞になっている。この空洞内に冷媒COOが設けられる。開口部31は、筐体30を構成する面のうちで、回路基板10の第1の主面11と向かい合う面に形成されている。開口部31は、通常、発熱体20と向かい合う位置に設けられる。また、筐体30の材料には、熱伝導性部材が用いられ、例えばアルミニウムやアルミニウム合金や銅や銅合金などが用いられる。筐体30の板厚は、製造効率や重量等を考えると、たとえば、1mm~2mmとすることができるが、これに限定されない。
連結部40は、熱伝導性部材により形成されている。連結部40の材料には、熱伝導性部材として、たとえば、銅、銅合金、銀、銀合金、金、金合金、アルミニウム、アルミニウム合金などが用いられる。連結部40は、板または箔である。なお、アルミニウム及びアルミニウム合金の箔や銅の箔で一般的に流通しているのは、厚さ約0.2mm以下であることが知られている。すなわち、アルミニウム及びアルミニウム合金はくの公称厚さは、0.2mm以下で規定されている(日本工業規格(JIS H4160:2006))。また、参考資料として、プリント配線板用銅はくの公称厚さは、0.21mm以下で規定されている(日本工業規格(JIS C6515:1998))。
また、連結部40は、筐体30の開口部31と、発熱体20とを連結して、冷媒COOを密閉する。連結部40は、筐体30および発熱体20の間に配置され、筐体30および発熱体20を連結する。
連結部40の一端部は、たとえば、接着剤やネジによる固定によって、発熱体20の第1の発熱体外面21の外周部に取り付けられている。これにより、連結部40の一端部と、発熱体20の第1の発熱体外面21の外周部が接合される。連結部40の他端部は、たとえば、接着剤やネジによる固定によって、筐体30の開口部31に取り付けられている。これにより、連結部40の他端部と、筐体30の開口部31が接合される。これらの接合によって、筐体30の内部が密閉され、冷媒COOが漏れ出すのを抑制できる。なお、連結部40の一端部は、当該連結部40の他端部よりも鉛直方向Gの下方側にあることから、連結部40の下端部でもある。連結部40の他端部は、当該連結部40の一端部とりも鉛直方向Gの上方側にあることから、連結部40の上端部でもある。
なお、連結部40の一端部と、発熱体20の第1の発熱体外面21の外周部との間に、グリースを介在させてもよい。これにより、連結部40の一端部と、発熱体20の第1の発熱体外面21の外周部との間に隙間が発生することを抑制できる。この結果、連結部40の一端部と、発熱体20の第1の発熱体外面21の外周部との間から、冷媒COOが漏れ出すのを抑制できる。
また、連結部40の他端部と、筐体30の開口部31との間に、グリースを介在させてもよい。これにより、連結部40の他端部と、筐体30の開口部31との間に隙間が発生することを抑制できる。この結果、連結部40の他端部と、筐体30の開口部31との間から、冷媒COOが漏れ出すのを抑制できる。
冷媒COOには、液相状態の冷媒(液相冷媒(Liquid-Phase Coolant:以下、LP-COOと称する。))と気相状態の冷媒(気相冷媒(Gas-Phase Coolant:以下、GP-COOと称する。))の間で相変化する冷媒が用いられている。
冷媒COOには、例えば、ハイドロフルオロカーボン(HFC:Hydro Fluorocarbon)やハイドロフルオロエーテル(HFE:Hydro Fluoroether)などを用いることができる。
冷媒COOは、発熱体20の第1の発熱体外面21および連結部40により、筐体30の開口部31を密閉した空間内に、密閉された状態で閉じ込められる。このため、筐体30の内部と発熱体20と連結部40との間の密閉空間内に、液相冷媒LP-COOを注入した後に真空排気することにより、前記密閉空間内を常に冷媒の飽和蒸気圧に維持することができる。なお、筐体30の内部と発熱体20と連結部40との間の密閉空間内に冷媒COOを充填する方法については、後述の電子機器100の製造方法の説明の中で詳しく説明する。
以上、電子機器100の構成について説明した。
つぎに、電子機器100の製造方法について、説明する。
まず、発熱体20が取り付けられた回路基板10を準備する。つぎに、筐体30の開口部31と発熱体20とを連結部40で連結する。すなわち、たとえば、接着剤やネジによる固定によって、連結部40の一端部を、発熱体20の第1の発熱体外面21の外周部に取り付ける。また、たとえば、接着剤やネジによる固定によって、連結部40の他端部を、筐体30の開口部31に取り付ける。これにより、連結部40によって、発熱体20と、筐体30の開口部31とが、連結される。この結果、筐体30の内部と発熱体20と連結部40との間に密閉空間を形成することができる。
つぎに、筐体30と発熱体20と連結部40とに囲われた空間内に冷媒COOを充填する。
筐体30と発熱体20と連結部40とに囲われた空間内に冷媒COOを充填する方法については、次の通りである。
筐体30の上面(図1にて紙面上側の面)に予め設けられている冷媒注入孔(不図示)から、筐体30と発熱体20と連結部40とに囲われた空間内に冷媒COOを注入する。そして、冷媒注入孔を閉じる。また、筐体30の上面(図1にて紙面上側の面)に予め設けられている空気排除用孔(不図示)を介して、真空ポンプ(不図示)などを用いて、筐体30と発熱体20と連結部40とに囲われた空間内から、空気を排除する。そして、空気排除用孔を閉じる。このようにして、筐体30と発熱体20と連結部40とに囲われた空間内に冷媒COOを密閉する。これにより、筐体30と発熱体20と連結部40とに囲われた空間内の圧力は冷媒COOの飽和蒸気圧と等しくなり、筐体30と発熱体20と連結部40とに囲われた空間内に密閉された冷媒COOは気液平衡状態となる。なお、冷媒注入孔を空気排除用孔として共用してもよい。
以上の通り、電子機器100の製造方法について、説明した。
次に、本発明の第1の実施の形態における電子装置1000の構成について説明する。図5は、電子装置1000の構成を示す断面図であって、図7のC-C切断面における断面を示す図である。図6は、電子装置1000の構成を示す側面図である。図7は、電子装置1000の構成を示す前面図である。図5および図6において、左側が電子装置1000の前面側で、右側が電子装置1000の背面側である。なお、図5~図7には、鉛直方向Gが示されている。
図5~図7を参照して、電子装置1000は、電子機器100と、収容ラック200とを備えている。なお、電子装置1000は、たとえば、通信装置やサーバーなどである。電子装置1000には、1以上の電子機器100(電子モジュールなど)が組み込まれる。
図5に示されるように、収容ラック200は、複数の電子機器100を収容する。図5では、3つの電子機器100が収容ラック200に収容されている。しかしながら、3つに限らず、1または複数の電子機器100が収容ラック200に収容されてもよい。
なお、ここでは、図5および図7に示されるように、電子機器100の回路基板10のうち、コネクタ部13と反対側の端部には、前面カバー110が取り付けられている。なお、前面カバー110は本実施形態の必須の構成要素ではない。
収容ラック200の構成について、具体的に説明する。図8は、収容ラック200の構成を示す断面図であって、図9のD-D切断面における断面を示す図である。図9は、収容ラック200の構成を示す前面図である。なお、図8および図9には、鉛直方向Gが示されている。
図8および図9に示されるように、収容ラック200は、筐体210と、回路基板220とを備えている。
筐体210は、内部を空洞とする箱状に形成されている。筐体210は、回路基板220を収容する。筐体210は、開口部211を有する。開口部211は、収容ラック200の前面側に形成されている。回路基板220や電子機器100は、開口部211を介して、筐体210内に収容される。筐体210の材料には、たとえば、アルミニウムや、アルミニウム合金や、ステンレス合金などが用いられる。
回路基板220は、筐体210の背面側の内部にネジ止め等により固定されている。回路基板220は、鉛直方向Gに沿って、配置される。また、図8に示されるように、回路基板220上には、収容ラック側コネクタ部223が実装されている。収容ラック側コネクタ部223は、コネクタ部13と嵌り合うように設けられている。すなわち、コネクタ部13が配置された位置における回路基板10の厚みと、収容ラック側コネクタ部223のうちコネクタ部13を収容する部分の幅は、ほぼ同じになるように設定されている。また、コネクタ部13に設けられた端子(不図示)間のピッチ距離と、収容ラック側コネクタ部223の端子(不図示)間の距離が、ほぼ同じになるように設定されている。
以上、収容ラック200の構成について説明した。
次に、電子機器100および電子装置1000の動作説明をする。図5に示されるように、電子機器100を収容ラック200の筐体210内に収容する。このとき、電子機器100のコネクタ部13を、収容ラック200の収容ラック側コネクタ部223に挿入する。これにより、コネクタ部13が収容ラック側コネクタ部223に嵌合する。この結果、コネクタ部13および収容ラック側コネクタ部223が電気的に接続される。そして、収容ラック200の回路基板220と、電子機器100の回路基板10とが、コネクタ部13および収容ラック側コネクタ部223を介して、電気的に接続される。
次に、電子装置1000を起動すると、電源が、回路基板220から、収容ラック側コネクタ部223およびコネクタ部13を介して、電子機器100へ供給される。これにより、電子機器100が起動される。
電子機器100が起動されると、電源が、回路基板10上の発熱体20に供給される。これにより、発熱体20が発熱する。
ここで、発熱体20の第1の発熱体外面21は、筐体30内の液相冷媒LP-COOに接触している。このため、筐体30の鉛直方向Gの下側に貯留されている液相冷媒LP-COOが、発熱体20の第1の発熱体外面21で、発熱体20の熱によって沸騰し、気相冷媒GP-COOに相変化する。これにより、気相冷媒GP-COOの気泡が発生する。この相変化により生じる気化熱(潜熱)によって、発熱体20が冷却される。
また、発熱体20の第1の発熱体外面21は、熱伝導部材により形成された連結部40を介して、筐体30の開口部31に接続されている。このため、発熱体20の熱が、連結部40を介して、筐体30に伝達される。これにより、発熱体20が冷却される。
また、連結部40は、筐体30内の液相冷媒LP-COOに接触している。このため、筐体30の鉛直方向Gの下側に貯留されている液相冷媒LP-COOが、連結部40で発熱体20の熱によって沸騰し、気相冷媒GP-COOに相変化する。これにより、気相冷媒GP-COOの気泡が発生する。
気相冷媒GP-COOは、連結部40を介して筐体30内の液相冷媒LP-COO内を鉛直方向Gの上方へ上昇し、液相冷媒LP-COOの液面上を抜けて、さらに鉛直方向Gの上方へ上昇する。そして、発熱体20の熱によって沸騰した気相冷媒GP-COOは、筐体30の内壁面と接触することにより冷却されると、再び液相冷媒LP-COOに相変化する。この液相冷媒LP-COOは、筐体30内を鉛直方向Gの下方へ下降し、回路基板10側に溜まり、発熱体20の冷却に再び用いられる。
以上、電子機器100および電子装置1000の動作について説明した。
以上の通り、本発明の第1の実施の形態における電子機器100は、回路基板10と、筐体30と、連結部40を備えている。回路基板10では、第1の主面11に発熱体20が取り付けられている。筐体30は、開口部31を有し、冷媒COOを収容する。開口部31は、筐体30を構成する面のうちで、発熱体20と向き合う面に形成されている。連結部40は、熱伝導性部材により形成されている。連結部40は、開口部31と発熱体20を連結して冷媒COOを密閉する。
このように、本発明の第1の実施の形態における電子機器100では、開口部31と発熱体20を連結して冷媒COOを密閉する。これにより、発熱体20が筐体30内の冷媒COOと直接的に接することができる。このため、発熱体20の熱が筐体30内の冷媒COOに効率よく伝達されるので、冷媒COOの相変化がより効率よく促進される。この結果、本発明の第1の実施の形態における電子機器100では、発熱体の熱をより効率よく冷却することができる。
また、連結部40を設けることにより、筐体30と発熱体20との間の距離を大きくすることができる。また、連結部40を設けた分だけ、冷媒COOを収容する体積を大きくすることもできる。また、開口部31の大きさを、発熱体20の第1の発熱体外面21の大きさよりも大きくすることができる。さらに、筐体30と発熱体20との間に連結部40を介在させることにより、筐体30および発熱体20の製造時に生じる寸法ばらつきや、発熱体20の発熱時の変形を吸収することができる。
連結部40の厚さは、0.21mm以下である。これにより、アルミニウムや、アルミニウム合金や、銅などの主要な金属材料にて、連結部40を箔状にすることができる。この結果、連結部40をより柔軟にすることができ、開口部31と発熱体20の第1の発熱体外面21とを簡単に接続できる。
ここで、前述の通り、特許文献1に記載の技術では、発熱体はベーパチャンバの受熱面に取り付けられており、発熱体の熱はベーパチャンバのケースを介して冷媒に伝達される。このとき、発熱体と、ベーパチャンバのケースとの間には隙間が生じるため、発熱体の熱が十分に冷媒に伝達されない。ベーパチャンバ内の冷媒の温度上昇が抑制され、液相状態から気相状態への冷媒の相変化が抑制され、発熱体の熱を十分に冷却できない。
これに対して、本発明の第1の実施の形態における電子機器100では、前述の通り、発熱体20が筐体30内の冷媒COOと直接的に接することができる。これにより、筐体30のうちで発熱体20側の面(底面)や、筐体30の底面および発熱体20の間の隙間を介すことなく、発熱体20の熱を筐体30内の冷媒COOに直接的に伝達することができる。この結果、本発明の第1の実施の形態における電子機器100では、特許文献1に記載の発明と比較して、発熱体20の熱をより効率よく冷却できる。
また、特許文献2に記載の技術では、電子回路パッケージにおいて、少なくとも発熱部品を内蔵し、パッケージの部品実装面の壁の一部とした密閉容器となるようにカバーを施し、そのカバー内に冷却液を入れて前記発熱部品の全体を浸漬させている。より具体的には、特許文献2に記載の技術では、基板の一方の面上の一部の領域であって発熱体を含む領域のみを筐体で覆うことで、基板の一方の面と筐体との間で発熱体と冷媒とを密閉している。このように、基板の一部のみを筐体で覆って基板の一部のみを冷媒に浸ける構成を採用している。これにより、特許文献2に記載の技術では、冷媒量を低減でき、電子機器の重量を低減することができる。また、特許文献2に記載の技術では、基板には鉄心を用いることで、冷媒が基板を介して漏れ出すのを抑制していた。なお、特許文献2に記載の技術は、部分液浸漬冷却とも呼ばれている。
これに対して、本発明の第1の実施の形態における電子機器100では、回路基板10に鉄心を用いずにフェノール樹脂やガラスエポキシ樹脂を材料とする基板を用いている。しかしながら、本発明の第1の実施の形態における電子機器100では、連結部40によって開口部31と発熱体20を連結して冷媒COOを密閉している。このため、フェノール樹脂やガラスエポキシ樹脂を材料とする基板を回路基板10に用いても、冷媒COOが回路基板10を介して漏れ出すことを抑制することができる。
また、特許文献3に記載の技術では、発熱体(発熱電子デバイス510)は、回路基板(プリント回路基板540)上に実装されている。筐体(モジュールケーシング530、ハウジングの最上部壁571)は、発熱体を収容し、且つ、回路基板の一方の面との間で冷媒(誘電冷却液532)を密閉するように、回路基板の一方の面に取り付けられている。また、2つのポンプ(衝突冷却型浸漬ポンプ535、536)が、筐体内の冷媒中に配置されており、冷媒を循環させている。また、冷却機関(液冷コールドプレート420)が、筐体の上面(ハウジングの最上部壁571)に、取り付けられている。冷却機関では、筐体内の冷媒とは別の冷媒が、吸入口から排出口へ向けて流れている。このように、特許文献3に記載の技術では、筐体内で冷媒を循環させるとともに、筐体内の冷媒とは別の冷媒を冷却機関内に流すことで、発熱体の熱を冷却している。
特許文献2および3に記載の技術では、発熱体全体が筐体内の冷媒に浸漬されている。
これに対して、本発明の第1の実施の形態における電子機器100では、連結部40によって開口部31と発熱体20を連結して冷媒COOを密閉するので、発熱体20(特に第1の発熱体外面21)のみが筐体30内の冷媒COOに接する。すなわち、発熱体20全体が筐体30内の冷媒に浸漬されていない。
このように、本発明の第1の実施の形態における電子機器100では、発熱体20の一部の面のみが筐体30内の冷媒に接するように構成されているので、特許文献2および3に記載の技術と比較して、冷媒の量を低減できる。
また、本発明の第1の実施の形態における電子機器100では、発熱体全体を冷媒COO中に浸漬させる必要がない。このため、電子機器100は、特許文献1に記載の技術と比較して、発熱体20等の交換作業の際に、発熱体20を回路基板10から簡単に取り外すことができる。
また、本発明の第1の実施の形態における電子機器100において、連結部40は、熱伝導部材により形成されている。これにより、連結部40を介して、発熱体20の熱を効率よく筐体30に伝達することができる。すなわち、連結部40を非熱伝導性部材で形成した場合と比較して、より効率よく発熱体20の熱を筐体30に伝達することができる。この結果、発熱体20の熱をより効率よく冷却できる。
また、本発明の第1の実施の形態における電子機器100において、冷媒COOには、液相冷媒LP-COOおよび気体冷媒GP-COOに相変化することができるものを用いる。これにより、冷媒COOの温度変化による顕熱の移動だけでなく、相変化による潜熱の移動も利用しているので、相変化しない冷媒と比較して、発熱体20の冷却効率を高めることができる。
また、本発明の第1の実施の形態における電子機器100は、コネクタ部13をさらに備えている。コネクタ部13は、回路基板10の端部の第1の主面11上に設けられ、他の電子部品(たとえば、収容ラック側コネクタ部223)と接続される。また、筐体30は、コネクタ部13を被覆しないように、第1の主面11に取り付けられている。すなわち、筐体30は、第1の主面11のうち、コネクタ部13以外の場所に、取り付けられる。なお、コネクタ部13は、第1の主面11上に限らず、第2の主面12上に設けられてもよい。
これにより、筐体20は、コネクタ部13と干渉しないように、回路基板10の第1の主面11上に取り付けられる。この結果、他の電子部品とコネクタ部13を接続するのに、筐体20が邪魔になることを防止できる。また、筐体30を取り外すことなく、他の電子部品とコネクタ部13を接続することができるので、回路基板10上の電子部品を補修等の保守作業を容易に行うことができる。
また、本発明の第1の実施の形態における電子装置1000は、電子機器100と、収容ラック200を備えている。収容ラック200には、電子機器100が取り付けられる。これにより、電子機器100を組み込んだ電子装置1000を構成でき、上述した電子機器100の効果と同様の効果を奏することができる。
また、本発明の第1の実施の形態における電子装置1000は、電子機器100と、収容ラック200を備えている。収容ラック200には、電子機器100が取り付けられる。さらに、収容ラック200は、コネクタ部13と接続する収容ラック側コネクタ部223をさらに備えている。これにより、電子機器100および収容ラック200の間を、コネクタ部13および収容ラック側コネクタ部223を介して、電気的に接続することができる。また、電子機器100を組み込んだ電子装置1000を構成でき、上述した電子機器100の効果と同様の効果を奏することができる。
なお、筐体30の上面(図1の紙面の上側の面)の上に、放熱部(不図示)をさらに設けてもよい。この放熱部は、たとえば、フィン構造を有するヒートシンクにより構成される。これにより、放熱部が、筐体30に伝達された発熱体20の熱を外気に効率よく放熱することできる。また、放熱部を構成するヒートシンクに冷却風を送るファンがさらに設けられていてもよい。
また、筐体30の内部に、ファン(不図示)やポンプ(不図示)を設けて、筐体30の内部で冷媒COOを強制的に対流させてもよい。これにより、筐体30内部での冷媒COOの循環をより効率よく促すことができる。この結果、発熱体20の熱をより効率よく冷却することができる。
なお、発熱体20が3次元半導体の場合について、説明する。一般的な3次元半導体は、ベースの上にダイが実装されて構成される。この場合、ダイは、回路基板10上に半田付けや、バネ部材による圧着などにより取り付けられる。また、ベースは、ダイの上に半田つけや、バネ部材により圧着により取り付けられる。このとき、連結部40は、ベースおよび開口部31の間を接続する。
一方、連結部40は、ダイおよび開口部31の間を接続してもよい。この場合において、本実施形態における回路基板は、ベースが取り付けられた回路基板20であってもよいし、ダイが取り付けられたベースであってもよい。
<第1の実施の形態の第1の変形例>
本発明の第1の実施の形態における電子機器の第1の変形例である電子機器100Aの構成について、図に基づいて説明する。図10は、電子機器100Aの構成を示す断面図である。図10は、図1に対応した断面図である。なお、図10には、鉛直方向Gが示されている。また、図10では、図1~図9で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1~図9に示した符号と同等の符号を付している。
図10を参照して、電子機器100Aは、回路基板10と、発熱体20Aと、筐体30と、連結部40と、保持部50とを備えている。電子機器100Aは、電子機器100と同様に、収容ラック200に取り付けることができる。なお、電子機器100Aは、たとえば、通信装置やサーバーなどに組み込まれる電子モジュールに用いることができる。
ここで、電子機器100Aと電子機器100とを比較する。電子機器100Aでは、図10に示されるように、保持部50を備えている点で、電子機器100と相違する。
図10を参照して、保持部50は、回路基板10の第1の主面11に取り付けられ、筐体30を開口部31に沿って保持する。保持部50は、回路基板10の第1の主面11と、筐体30の下面との間に配置されている。保持部50は、枠状に形成されている。保持部50は、たとえば、接着剤やネジによる固定によって、回路基板10に取り付けられる。また、筐体30の面のうちで回路基板10の第1の主面11と向かい合う面は、たとえば、接着剤やネジによる固定によって、開口部31に沿って保持部50に取り付けられる。また、連結部40の他端部は、筐体30に接合されるとともに、保持部50に固定されてもよい。なお、保持部50は、スチフナ(Stiffeners)とも呼ばれている。
このように、第1の実施の形態における電子機器の第1の変形例である電子機器10において、保持部50は、回路基板10の第1の主面11に取り付けられ、筐体30を開口部31に沿って保持する。このため、筐体30を、保持部50を介して、回路基板10の第1の主面に取り付けることができる。これにより、筐体30が、回路基板10に対して動いたり、回路基板10から外れてしまったりすることを抑制できる。また、たとえば、筐体10や冷媒COOの自重により、連結部40と開口部31の接合部に負荷が加わることを抑制できる。これにより、連結部40と開口部31の接合部付近にて、連結部40が筐体30から外れてしまうことを抑制できる。この結果、連結部40と開口部31の接合部から、冷媒COOが流出することを抑制できる。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態における電子機器100Bの構成について、図に基づいて説明する。図11は、電子機器100Bの構成を示す断面図である。図11は、図1に対応した断面図である。なお、図11には、鉛直方向Gが示されている。また、図11では、図1~図10で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1~図10に示した符号と同等の符号を付している。
図11を参照して、電子機器100Bは、回路基板10と、発熱体20Aと、筐体30と、連結部40と、保持部50と、沸騰促進部60とを備えている。電子機器100Bは、電子機器100と同様に、収容ラック200に取り付けることができる。なお、電子機器100Bは、たとえば、通信装置やサーバーなどに組み込まれる電子モジュールに用いることができる。
ここで、電子機器100Bと電子機器100Aとを比較する。電子機器100Bでは、図11に示されるように、沸騰促進部60を備えている点で、電子機器100Aと相違する。また、電子機器100Bにおいて、発熱体20AがBGA(Ball Grid Array)型IC(Integrated Circuit)パッケージにより構成されている点で、通常のパッケージにより構成されている発熱体20と相違する。
図11を参照して、発熱体20Aは、はんだボール(Solder Balls:以下、SBと称する)によって接続されている。なお、電子機器100Bにおいて、発熱体20Aに代えて、発熱体20を用いてもよい。
図11を参照して、沸騰促進部60は、発熱体20Aの第1の発熱体外面21上に設けられている。沸騰促進部60は、第1の発熱体外面21の周辺の液相冷媒LP-COOが発熱体20Aの熱によって気相冷媒GP-COOに相変化することを促進する。
ここで、沸騰促進部60は、金属または樹脂で形成された板部材であり、複数の溝や多孔質体を有する。また、沸騰促進部60は、接着剤やネジによる固定によって、第1の発熱体外面21に取り付けられている。なお、沸騰促進部60は、たとえば、第1の発熱体外面21の上に形成された溝または多孔質体であってもよい。すなわち、沸騰促進部60は、別体によって第1の発熱体外面21に固定されるものであっても、発熱体20Aと一体となるように第1の発熱体外面21を加工するものであってもよい。なお、多孔質体とは、複数の微細な孔が形成されたものである。
多孔質体は、たとえば、焼結体やメッシュで構成されてもよい。焼結体は、固体粉末の集合体が固められた物体で、固体粉末の粒子間が結合することによって複数の微細な孔が固体粉末間に形成されたものである。この焼結体は、発熱体20Aの上面上で、固体粉末を焼結することにより、形成される。焼結とは、固体粉末の集合体を当該固体粉末の融点よりも低い温度で加熱して、固体粉末を固めることをいう。メッシュは、たとえば、網の目を有する金属シートによって形成される。
なお、焼結体の材料には、たとえば、セラミック、アルミニウム、ステンレス、銅、黄銅、ブロンズなどが用いられる。セラミックの主成分には、たとえば、アルミナ、イットリア(酸化イットリウム)、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化珪素、窒化珪素等が用いられる。メッシュの材料には、たとえば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金などの金属が用いられる。
なお、この実施形態においては、好ましくは、沸騰促進部60は、別体によって第1の発熱体外面21に接着されるものではなく、発熱体20Aと一体となるように第1の発熱体外面21を加工するものである。別体によって第1の発熱体外面21に接着されるもので沸騰促進部60を構成する場合、沸騰促進部60と発熱体20Aの間に隙間が生じ、発熱体20Aの熱が沸騰促進部60に十分に伝わらない場合がある。これに対して、発熱体20Aと一体となるように第1の発熱体外面21を加工するもので、沸騰促進部60を構成する場合、沸騰促進部60と発熱体20Aの間に隙間が生じず、発熱体20Aの熱を沸騰促進部90により効率よく伝えることができる。
沸騰促進部60を発熱体20Aの第1の発熱体外面21上に設けることにより、沸騰核(=沸騰が起きるきっかけ)を発熱体20A上に形成することができ、過熱状態(=沸点を超えても沸騰が起きない状態)を抑制することができる。このため、第1の発熱体外面21の周辺の液相冷媒LP-COOに発熱体20Aの熱がより効率良く伝達される。この結果、沸騰促進部60を設けない場合と比較して、より効率よく、第1の発熱体外面21の周辺の液相冷媒LP-COOを気相冷媒GP-COOに相変化することができる。
とくに、沸騰促進部60を設けることで、冷媒COOとの熱交換面積を大きくすることができる。すなわち、沸騰促進部60を設けない場合、冷媒COOとの熱交換面積は、発熱体20Aの第1の発熱体外面21の面積となる。ここで、沸騰促進部60の溝や多孔質体を含めた表面積は、発熱体20Aの第1の発熱体外面21の表面積よりも大きくなる。したがって、沸騰促進部60を設けた場合、冷媒COOとの熱交換面積は、沸騰促進部60を設けない場合と比較して、大きくなる。このため、より効率よく発熱体20Aの熱を冷媒COOに伝達することができる。
以上、電子機器100Bの構成について説明した。
つぎに、電子機器100Bの製造方法について、説明する。
まず、発熱体20Aが取り付けられた回路基板10を準備する。つぎに、回路基板10の第1の主面11の上に保持部50を取り付ける。筐体30の開口部31と発熱体20とを連結部40で連結する。この結果、筐体30の内部と発熱体20と連結部40とにより囲われた空間を形成することができる。このとき、筐体30の上面(図11にて紙面上側の面)は、取り外し可能に形成されている。
そして、筐体30の上面を取り外した状態で、沸騰促進部60を発熱体20Aの第1の発熱体外面21上に取り付ける。なお、沸騰促進部60を発熱体20Aと一体に構成する場合や、予め沸騰促進部60を発熱体20Aに取り付けている場合では、沸騰促進部60が形成された発熱体20Aを用意する点で第1の実施の形態における電子機器100の製造方法と異なるが、それ以外の処理は第1の実施の形態における電子機器100の製造方法と同様である。
つぎに、筐体30の上面(図11にて紙面上側の面)を取り付けて、筐体30の内部と発熱体20Aと連結部40とにより囲われた空間を密閉する。そして、筐体30の内部と発熱体20Aと連結部40とにより囲われた空間内に冷媒COOを充填する。
筐体30の内部と発熱体20Aと連結部40とにより囲われた空間内に冷媒COOを充填する方法については、第1の実施の形態で説明した通りである。
以上の通り、電子機器100Bの製造方法について、説明した。
つぎに、電子機器100Bの動作について説明する。
回路基板10上の発熱体20Aが動作すると、発熱体20Aが発熱する。ここで、発熱体20Aの第1の発熱体外面21の上に設けられた沸騰促進部60は、筐体30内の液相冷媒LP-COOに接触している。このため、筐体30の鉛直方向Gの下側に貯留されている液相冷媒LP-COOが、沸騰促進部60で、発熱体20Aの熱によって沸騰し、気相冷媒GP-COOに相変化する。これにより、気相冷媒GP-COOの気泡が発生する。この相変化により生じる気化熱(潜熱)によって、発熱体20Aが冷却される。
また、発熱体20の第1の発熱体外面21は、熱伝導部材により形成された連結部40を介して、筐体30の開口部31に接続されている。このため、発熱体20の熱が、連結部40を介して、筐体30に伝達される。これにより、発熱体20が冷却される。
また、連結部40は、筐体30内の液相冷媒LP-COOに接触している。このため、筐体30の鉛直方向Gの下側に貯留されている液相冷媒LP-COOが、連結部40で発熱体20の熱によって沸騰し、気相冷媒GP-COOに相変化する。これにより、気相冷媒GP-COOの気泡が発生する。
気相冷媒GP-COOは、筐体30内の液相冷媒LP-COO内を鉛直方向Gの上方へ上昇し、液相冷媒LP-COOの液面上を抜けて、さらに鉛直方向Gの上方へ上昇する。そして、発熱体20Aの熱によって沸騰した気相冷媒GP-COOは、筐体30の内壁面と接触することにより冷却されると、再び液相冷媒LP-COOに相変化する。この液相冷媒LP-COOは、筐体30内を鉛直方向Gの下方へ下降し、回路基板10側に溜まり、発熱体20Aの冷却に再び用いられる。
以上、電子機器100Bの動作について説明した。
以上の通り、第2の実施の形態における電子機器100Bは、沸騰促進部60をさらに備えている。沸騰促進部60は、発熱体Hの第1の発熱体外面21上に設けられている。発熱体20Aの第1の発熱体外面21は、発熱体20Aの外面のうち回路基板10の側の面に対して反対側の面である。沸騰促進部60は、第1の発熱体外面21の周辺の液相冷媒LP-COOが発熱体20Aの熱によって気相冷媒GP-COOに相変化することを促進する。
このように、沸騰促進部60を発熱体20Aの第1の発熱体外面21上に設けることにより、沸騰核(=沸騰が起きるきっかけ)を発熱体20A上に形成することができ、過熱状態(=沸点を超えても沸騰が起きない状態)を抑制することができる。このため、第1の発熱体外面21の周辺の液相冷媒LP-COOに発熱体Hの熱がより効率良く伝達される。この結果、沸騰促進部60を設けない場合と比較して、より効率よく、第1の発熱体外面21の周辺の液相冷媒LP-COOを気相冷媒GP-COOに相変化することができる。とくに、沸騰促進部60を設けることで、冷媒COOとの熱交換面積を大きくすることができる。すなわち、沸騰促進部60を設けない場合、冷媒COOとの熱交換面積は、発熱体20Aの第1の発熱体外面21の面積となる。ここで、沸騰促進部60の溝や多孔質体を含めた表面積は、発熱体20Aの第1の発熱体外面21の表面積よりも大きくなる。したがって、沸騰促進部60を設けた場合、冷媒COOとの熱交換面積は、沸騰促進部60を設けない場合と比較して、大きくなる。このため、より効率よく発熱体Hの熱を冷媒COOに伝達することができる。
また、第2の実施の形態における電子機器100Bにおいて、沸騰促進部60は、第1の発熱体外面21に形成された溝または多孔質体である。これにより、沸騰促進部60を容易に形成することができる。
なお、この第2の実施の形態では、電子機器100Bに沸騰促進部60を追加した態様を説明したが、沸騰促進部60を電子機器100~100Aに追加することもできる。
<第2の実施の形態の第1の変形例>
本発明の第2の実施の形態における電子機器の第1の変形例である電子機器100Cの構成について、図に基づいて説明する。
図12は、電子機器100Cの構成を示す断面図である。図12は、図1に対応した断面図である。なお、図12には、鉛直方向Gが示されている。また、図12では、図1~図11で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1~図11に示した符号と同等の符号を付している。
図12を参照して、電子機器100Cは、回路基板10と、発熱体20Aと、筐体30と、連結部40Aと、保持部50と、沸騰促進部60Aとを備えている。連結部40Aと沸騰促進部60Aは金属板500に形成されている。電子機器100Cは、電子機器100と同様に、収容ラック200に取り付けることができる。なお、電子機器100Cは、たとえば、通信装置やサーバーなどに組み込まれる電子モジュールに用いることができる。
ここで、電子機器100Cと電子機器100Bとを比較する。電子機器100Bでは、図11に示されるように、沸騰促進部60と連結部40は別体でそれぞれ形成されていた。これに対して、電子機器100Cでは、図12に示されるように、沸騰促進部60Aと連結部40Aが一体になるように形成されることで、金属板500が構成されている。この点で両者は相違する。
図13は、金属板500の構成を示す平面図である。図13に示されるように、金属板500には、沸騰促進部60Aと連結部40Aが形成されている。金属板500の外形は、たとえば、開口部31の形に対応している。発熱体20Aの第1の発熱体上面21と、開口部31とは、鉛直方向Gにて高さが異なるため、通常、金属板500の外形は、開口部31の形よりも一回り大きく設定される。
また、沸騰促進部60Aが金属板500の中央部に配置され、連結部40Aが金属板500の外周部(中央部を囲う領域)に配置されている。
連結部40Aは、金属板500の外周部により構成される。したがって、金属板500の外周部は、連結部40Aとしての機能を果たす。このため、金属板500は、第1の実施の形態における連結部40と同様に、熱伝導性部材により形成されている。そして、金属板500の材料には、連結部40の材料と同様に、熱伝導性部材として、たとえば、銅、銅合金、銀、銀合金、金、金合金、アルミニウム、アルミニウム合金などが用いられる。金属板500は、板または箔(厚さが0.21mm以下)が用いられる。
沸騰促進部60Aは、金属板500の中央部に形成された複数の孔によって構成される。なお、この複数の孔は、網目状に配列されてもよい。なお、この複数の孔径は、例えば、100-200μmとすることができる。
以上、電子機器100Cの構成について説明した。
つぎに、電子機器100Cの製造方法について、説明する。
まず、発熱体20Aが取り付けられた回路基板10を準備する。つぎに、保持部50を回路基板10の第1の主面11の上に取り付ける。保持部50の上に、筐体30を固定する。このとき、筐体30の上面(図12にて紙面上側の面)は、取り外し可能に形成されている。
つぎに、筐体30の上面を取り外した状態で、筐体30の開口部31と、発熱体20Aの第1の発熱体外面21に、金属板500を取り付ける。具体的には、接着剤やネジによる固定によって、金属板500中の沸騰促進部60Aを、発熱体20Aの第1の発熱体外面21に取り付ける。また、接着剤やネジによる固定によって、金属板500中の連結部40Aの一端部を、第1の発熱体外面21の外周部に取り付け、金属板500中の連結部40Aの他端部を、筐体30の開口部31に取り付ける。これにより、筐体30の開口部31と発熱体20Aとが金属板500中の連結部40Aによって連結される。この結果、筐体30の内部と発熱体20Aと連結部40Aとにより囲われた空間を形成することができる。
つぎに、筐体30の上面(図12にて紙面上側の面)を取り付けて、筐体30の内部と発熱体20Aと連結部40Aとにより囲われた空間を密閉する。そして、筐体30の内部と発熱体20Aと連結部40Aとにより囲われた空間内に冷媒COOを充填する。
筐体30の内部と発熱体20Aと連結部40Aとにより囲われた空間内に冷媒COOを充填する方法については、第1の実施の形態で説明した通りである。
以上の通り、電子機器100Cの製造方法について、説明した。
つぎに、電子機器100Cの動作について説明する。
回路基板10上の発熱体20Aが動作すると、発熱体20Aが発熱する。ここで、発熱体20Aの第1の発熱体外面21の上に設けられた沸騰促進部60Aは、筐体30内の液相冷媒LP-COOに接触している。このため、筐体30の鉛直方向Gの下側に貯留されている液相冷媒LP-COOが、沸騰促進部60Aで、発熱体20Aの熱によって沸騰し、気相冷媒GP-COOに相変化する。これにより、気相冷媒GP-COOの気泡が発生する。この相変化により生じる気化熱(潜熱)によって、発熱体20Aが冷却される。
また、発熱体20Aの第1の発熱体外面21は、金属板500に形成された連結部40Aを介して、筐体30の開口部31に接続されている。このため、発熱体20Aの熱が、連結部40Aを介して、筐体30に伝達される。これにより、発熱体20Aが冷却される。
また、連結部40Aは、筐体30内の液相冷媒LP-COOに接触している。このため、筐体30の鉛直方向Gの下側に貯留されている液相冷媒LP-COOが、連結部40Aで発熱体20Aの熱によって沸騰し、気相冷媒GP-COOに相変化する。これにより、気相冷媒GP-COOの気泡が発生する。
気相冷媒GP-COOは、筐体30内の液相冷媒LP-COO内を鉛直方向Gの上方へ上昇し、液相冷媒LP-COOの液面上を抜けて、さらに鉛直方向Gの上方へ上昇する。そして、発熱体20Aの熱によって沸騰した気相冷媒GP-COOは、筐体30の内壁面と接触することにより冷却されると、再び液相冷媒LP-COOに相変化する。この液相冷媒LP-COOは、筐体30内を鉛直方向Gの下方へ下降し、回路基板10側に溜まり、発熱体20Aの冷却に再び用いられる。
以上、電子機器100Cの動作について説明した。
以上の通り、本発明の第2の実施の形態における電子機器の第1の変形例である電子機器100Cにおいて、連結部40Aおよび沸騰促進部60Aは一体に形成されている。
これにより、連結部40Aおよび沸騰促進部60Aの2つ機能を1つの部材に一体化することができる。この結果、部品点数を少なくすることができる。また、部品点数が少なくなるので、電子機器100Cの組み立てをより容易にすることができる。
また、本発明の第2の実施の形態における電子機器の第1の変形例である電子機器100Cにおいて、沸騰促進部60Aは、金属板500の中央部に形成された複数の孔によって構成されている。また、連結部40Aは、金属板500の中央部を囲う外周部によって構成されている。
これにより、連結部40Aおよび沸騰促進部60Aの2つの機能を、金属板500に含ませることができる。この結果、部品点数を少なくすることができる。また、部品点数が少なくなるので、電子機器100Cの組み立てをより容易にすることができる。
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態における電子機器100Dの構成について、図に基づいて説明する。
図14は、電子機器100Dの構成を示す断面図である。図14は、図1に対応した断面図である。なお、図14には、鉛直方向Gが示されている。また、図14では、図1~図13で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1~図13に示した符号と同等の符号を付している。
図14を参照して、電子機器100Dは、回路基板10と、発熱体20Aと、筐体30と、連結部40と、保持部50と、冷媒流路70とを備えている。電子機器100Dは、電子機器100と同様に、収容ラック200に取り付けることができる。なお、電子機器100Dは、たとえば、通信装置やサーバーなどに組み込まれる電子モジュールに用いることができる。
ここで、電子機器100Dと電子機器100Aとを比較する。電子機器100Dでは、図14に示されるように、冷媒流路70をさらに備えている点で、電子機器100Aと相違する。
図14を参照して、冷媒流路70は、筐体30の内面であって開口部31の側から液相冷媒LP-COOの液面の鉛直方向Gの上方に亘る面上と、連結部40のうちで筐体30の内部側の面上に設けられている。具体的には、冷媒流路70は、筐体30の内面の側面(図14の紙面上にて左側の面と右側の面)および底面(図14の紙面上にて下側の面)と、連結部40のうちで筐体30の内部側の面上とに、形成されている。
冷媒流路70の下端は、発熱体20Aに近接されている。冷媒流路70上端は、筐体30内の液相冷媒LP-COOが最も少ない際の当該液相冷媒LP-COOの液面よりも、鉛直方向Gの上方に設定されている。筐体30内の液相冷媒LP-COOが最も少ない際とは、最も多くの液相冷媒LP-COOが相変化した状態をいい、冷媒COO全体で気相冷媒GP-COOが最も多い状態でもある。したがって、図14の例では、冷媒流路70の上端は筐体30の側面内に設定されているが、冷媒流路70の上端を筐体30の底面側や連結部40側に設定してもよい。
ここで、冷媒流路70は、筐体30内の液相冷媒LP-COOが発熱体20Aに向けて流れるように形成されている。冷媒流路70は、たとえば、毛細管現象により液相冷媒LP-COOを発熱体20Aへ導く多孔質体や微細な溝によって形成されている。なお、毛細管現象とは、細い管状物体(毛細管)の内側の液体が管の中を上昇(場合によっては下降)する物理現象である。なお、多孔質体とは、前述の通り、複数の微細な孔が形成されたものである。
前述の沸騰促進部40と同様に、多孔質体を、たとえば、焼結体やメッシュで構成してもよい。
微細な溝は、発熱体20Aを中心に外方に向かうように形成されている。この溝は、筐体30の内面を切削するか、筐体30の内面に微細な突起状の部材を取り付けることにより、形成することができる。
なお、多孔質体および微細な溝は、筐体30の内面の全面に形成されてもよいし、部分的に形成されてもよい。
ここで、冷媒流路70を、網目状シート600を用いて構成することもできる。網目状シート600をメッシュで構成してもよい。図15は、冷媒流路70を構成する部材の一例として、網目状シート600の構成を示す平面図である。図15に示されるように、網目状シート600に冷媒流路70の機能を含めることができる。網目状シート600は、開口部601を有する。この開口部601は、発熱体20Aの外形に対応する大きさになるように形成されている。
網目状シート600の外形は、ここでは、筐体30の底面の大きさや形状に合わせて形成している。この場合、筐体30の内側の側面に取り付ける冷媒流路70を、別に設ける必要がある。ただし、網目状シート600の外形を、筐体30の内側の底面の大きさや形状に合わせるだけでなく、筐体30の内側の側面の大きさや形状にも合わせてもよい。この場合、網目状シートを1枚だけ用意することで、冷媒流路70を筐体30の内側の底面および側面に設けることができる。
網目状シート600に、連結部40を組み合わせてもよい。この場合、たとえば、連結部40を構成する金属板を網目状シート600に貼り合わせる。
以上、電子機器100Dの構成について説明した。
つぎに、電子機器100Dの製造方法について、説明する。
まず、発熱体20Aが取り付けられた回路基板10を準備する。つぎに、保持部50を回路基板10の第1の主面11の上に取り付ける。保持部50の上に、筐体30を固定する。このとき、筐体30の上面(図12にて紙面上側の面)は、取り外し可能に形成されている。
つぎに、筐体30の上面を取り外した状態で、筐体30の開口部31と、発熱体20Aの第1の発熱体外面21に、連結部40を取り付ける。具体的には、接着剤やネジによる固定によって、連結部40の一端部を発熱体20Aの第1の発熱体外面21に取り付ける。また、接着剤やネジによる固定によって、連結部40の他端部を、筐体30の開口部31に取り付ける。これにより、筐体30の開口部31と発熱体20Aとが連結部40によって連結される。この結果、筐体30の内部と発熱体20Aと連結部40とにより囲われた空間を形成することができる。
つぎに、網目状シート600を、筐体30の内側の底面と連結部40に取り付ける。また、筐体30の内側の側面にも冷媒流路70を設ける。このとき、筐体30の内側の側面には、網目状シート600と一体の部材を取り付けてもよいし、網目状シート600と別体の部材を取り付けてもよい。
つぎに、筐体30の上面(図14にて紙面上側の面)を取り付けて、筐体30の内部と発熱体20Aと連結部40とにより囲われた空間を密閉する。そして、筐体30の内部と発熱体20Aと連結部40Aとにより囲われた空間内に冷媒COOを充填する。
筐体30の内部と発熱体20Aと連結部40Aとにより囲われた空間内に冷媒COOを充填する方法については、第1の実施の形態で説明した通りである。
以上の通り、電子機器100Dの製造方法について、説明した。
つぎに、電子機器100Dの動作について説明する。
電源が、回路基板10上の発熱体20Aに供給されると、発熱体20Aが発熱する。
ここで、発熱体20Aの第1の発熱体外面21の中央部は、筐体30内の液相冷媒LP-COOに接触している。このため、筐体30の鉛直方向Gの下側に貯留されている液相冷媒LP-COOが、発熱体20Aの第1の発熱体外面21で、発熱体20Aの熱によって沸騰し、気相冷媒GP-COOに相変化する。これにより、気相冷媒GP-COOの気泡が発生する。この相変化により生じる気化熱(潜熱)によって、発熱体20Aが冷却される。
また、発熱体20Aの第1の発熱体外面21は、連結部40を介して、筐体30の開口部31に接続されている。このため、発熱体20Aの熱が、連結部40を介して、筐体30に伝達される。これにより、発熱体20Aが冷却される。
気相冷媒GP-COOは、筐体30内の液相冷媒LP-COO内を鉛直方向Gの上方へ上昇し、液相冷媒LP-COOの液面上を抜けて、さらに鉛直方向Gの上方へ上昇する。そして、発熱体20Aの熱によって沸騰した気相冷媒GP-COOは、筐体30の内壁面と接触することにより冷却されると、再び液相冷媒LP-COOに相変化する。この液相冷媒LP-COOは、筐体30内を鉛直方向Gの下方へ下降し、回路基板10側に溜まり、発熱体20Aの冷却に再び用いられる。
このとき、液相冷媒LP-COOは、冷媒流路70内を発熱体20Aへ向けて流れる。とくに、液相冷媒LP-COOは、冷媒流路70内の毛細管現象により、発熱体20Aへ導かれる。
そして、再び、筐体30の鉛直方向Gの下側に貯留されている液相冷媒LP-COOが、発熱体20Aの第1の発熱体外面21で、発熱体20Aの熱によって沸騰し、気相冷媒GP-COOに相変化する。以降、上述の動作を繰り返して、冷媒COOが筐体30内で循環する。
以上、電子機器100Dの動作について説明した。
以上のように、第3の実施の形態における電子機器100Dは、冷媒流路70をさらに備えている。冷媒流路70は、筐体30の内面であって開口部31側から液相冷媒LP-COOの液面の鉛直方向Gの上方に亘る面上と、連結部40のうちで筐体30の内部側の面上に設けられている。冷媒流路70は、液相冷媒LP-COOが発熱体20Aに向けて流れるように形成されている。
このように、冷媒流路70は、筐体20Aの内面であって開口部31側から液相冷媒LP-COOの液面の鉛直方向Gの上方に亘る面上と、連結部40のうちで筐体30の内部側の面上に設けられている。冷媒流路70は、液相冷媒LP-COOが発熱体20Aに向けて流れるように形成されている。このため、筐体30内の鉛直方向Gの上方で発生する液相冷媒LP-COOは、冷媒流路70を通って、発熱体20Aに向けて流れる。したがって、液相冷媒LP-COOをより速く円滑に発熱体20Aに供給することができる。この結果、冷媒流路70を設けない場合と比較して、発熱体20Aの熱をより効率よく冷却することができる。
ここで、冷媒流路70が設けられていない場合と対比する。冷媒流路70が設けられていない場合、発熱体20Aに向かう液相冷媒LP-COOの流路と、発熱体20Aから離れる気相冷媒GP-COOの流路が分かれていないので、気相冷媒GP-COOと液相冷媒LP-COOの衝突が筐体30の内部で発生してしまう。この結果、冷媒COOが筐体30の内部で円滑に循環されない状況が生じうる。
とくに、発熱体20Aの発熱量が大きくなると、冷媒COOの蒸気(気相冷媒GP-COO)の発生量が増える。この場合に、発熱体20Aが完全に気相冷媒GP-COOによって覆われてしまい、液相冷媒LP-COOが発熱体20Aに供給されなくなってしまうことが起こりうる。液相冷媒LP-COOが発熱体20Aに供給されないと、冷媒COOが相変化せず、発熱体20Aを冷却できなくなる。
これに対して、冷媒流路70を設けることで、液相冷媒LP-COO専用の流路が設定される。これにより、気相冷媒GP-COOの流路と液相冷媒LP-COOの流路とを別々に分けて設けることができる。この結果、気相冷媒GP-COOと液相冷媒LP-COOの衝突の発生を回避できる。このように、電子機器100Dでは、気相冷媒GP-COOと液相冷媒LP-COOの衝突の発生を回避できるので、冷媒流路70を設けない場合と比較して、液相冷媒LP-COOをより速く円滑に発熱体20Aに供給でき、冷媒COOを円滑に循環させることができる。ゆえに、電子機器100Dでは、冷媒流路70を設けない場合と比較して、発熱体20Aの熱をより効率よく冷却することができる。
また、第3の実施の形態における電子機器100Dにおいて、冷媒流路70は、毛細管現象により液相冷媒LP-COOを導く。このように、毛細管現象を用いて、液相冷媒LP-COOを発熱体20Aへ導くことができるので、さらに、液相冷媒LP-COOをより速く円滑に発熱体20Aに供給することができる。この結果、冷媒流路70を設けない場合と比較して、発熱体20Aの熱をさらに効率よく冷却することができる。また、冷媒流路70は、毛細管現象により液相冷媒LP-COOを導くので、図14において、電子機器100Dが天地逆転して配置された場合や、電子機器100Dが縦置きにされた場合であっても、重力に逆らって、液相冷媒LP-COOを発熱体20Aへ導くことができる。なお、電子機器100Dが縦置きにされた場合とは、たとえば、回路基板10の第1の主面11が鉛直方向Gに対して平行に配置された場合をいう。
また、第3の実施の形態における電子機器100Dにおいて、冷媒流路70は、網目状シート600を、筐体30の内面であって開口部31側から液相冷媒LP-COOの液面の鉛直方向Gの上方に亘る面上と、連結部40のうちで筐体30の内部側の面上とに取り付けることにより、構成されてもよい。このように、網目状シート600を部材として用いることにより、毛細管現象を生じさせる冷媒流路70を容易に形成することができる。網目状シート600の材料には、たとえば、銅、銅合金、銀、銀合金、金、金合金、アルミニウム、アルミニウム合金などが用いられる。
また、第3の実施の形態における電子機器100Dにおいて、冷媒流路70は、溝または多孔質体によって形成されている。これにより、毛細管現象を生じさせる冷媒流路90を容易に形成することができる。
なお、この第3の実施の形態では、電子機器100Dに冷媒流路70を追加した態様を説明したが、冷媒流路70を電子機器100A~100Cに追加することもできる。
<第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態における電子機器100Eの構成について、図に基づいて説明する。
図16は、電子機器100Eの構成を示す断面図である。図16は、図1に対応した断面図である。なお、図16には、鉛直方向Gが示されている。また、図16では、図1~図15で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1~図15に示した符号と同等の符号を付している。
図16を参照して、電子機器100Eは、回路基板10と、発熱体20Aと、筐体30と、連結部40Bと、保持部50と、沸騰促進部60Bと、冷媒流路70Bとを備えている。電子機器100Eは、電子機器100と同様に、収容ラック200に取り付けることができる。なお、電子機器100Eは、たとえば、通信装置やサーバーなどに組み込まれる電子モジュールに用いることができる。
ここで、電子機器100Eと電子機器100Dとを比較する。電子機器100Eでは、図16に示されるように、冷媒流路70Bに加えて、さらに沸騰促進部60Bを備えている点で、電子機器100Dと相違する。
ここで、電子機器100Eでは、連結部40B、沸騰促進部60Bおよび冷媒流路70Bを合板700で形成している。
図17は、連結部40B、沸騰促進部60Bおよび冷媒流路70Bを構成する部材の一例として、合板700の構成を示す平面図である。図18は、合板700の構成を示す断面図であって、図17のE-E切断面における断面を示す図である。
図17および図18に示されるように、合板700は、2枚のシートによって構成される。具体的には、2枚のシートのうちの一方は、たとえば網目状シート701であり、沸騰促進部60Bおよび冷媒流路70Bが形成される。網目状シート701はメッシュであってもよい。2枚のシートのうちの他方は、たとえば金属シート702であり、連結部40Bが形成される。合板700のうちの網目状シート701は、金属シート702と比較して、鉛直方向Gの上方側に配置される。すなわち、金属シート702は、網目状シート701と比較して回路基板10により近い位置に、配置される。
網目状シート701の外形は、ここでは、筐体30の底面の大きさや形状に合わせて形成している。この場合、筐体30の内側の側面に取り付ける冷媒流路70を、別に設ける必要がある。ただし、網目状シート701の外形を、筐体30の内側の底面の大きさや形状に合わせるだけでなく、筐体30の内側の側面の大きさや形状にも合わせてもよい。この場合、網目状シートを1枚だけ用意することで、冷媒流路70を筐体30の内側の底面および側面に設けることができる。
金属シート702の外形は、ここでは、筐体30の開口部31の大きさに対応している。また、金属シート702は開口部702aを有する。開口部702aは、発熱体20Aの第1の発熱体外面21の外形に対応している。具体的には、合板700を取り付けたときに、連結部40Bとしての金属シート702が、発熱体20Aおよび開口部31を連結できるように、金属シート702の各所の寸法を調整する。金属シート702の材料には、連結部40の材料と同様に、熱伝導性部材として、たとえば、銅、銅合金、銀、銀合金、金、金合金、アルミニウム、アルミニウム合金などが用いられる。金属シート702は、板または箔(厚さが0.21mm以下)が用いられる。
なお、ここでは、連結部40B、沸騰促進部60Bおよび冷媒流路70Bを構成する部材の一例として、合板700を紹介したが、2枚のシートを合わせずに網目状シート701と金属シート702とに分けて構成してもよい。
連結部40B、沸騰促進部60Bおよび冷媒流路70Bの機能は、上述した連結部40、沸騰促進部60および冷媒流路70と同様である。
以上、電子機器100Eの構成について説明した。
つぎに、電子機器100Eの製造方法について、説明する。
まず、発熱体20Aが取り付けられた回路基板10を準備する。つぎに、保持部50を回路基板10の第1の主面11の上に取り付ける。保持部50の上に、筐体30を固定する。このとき、筐体30の上面(図16にて紙面上側の面)は、取り外し可能に形成されている。
つぎに、筐体30の上面を取り外した状態で、金属シート702が下になるように合板700を筐体30の底面側に取り付ける。すなわち、金属シート702を、網目状シート701と比較して回路基板10により近い位置に、配置する。
具体的には、筐体30の開口部31と、発熱体20Aの第1の発熱体外面21に、金属シート702で構成される連結部40Bを取り付ける。すなわち、接着剤やネジによる固定によって、連結部40Bの一端部を発熱体20Aの第1の発熱体外面21に取り付ける。また、接着剤やネジによる固定によって、連結部40Bの他端部を、筐体30の開口部31に取り付ける。これにより、筐体30の開口部31と発熱体20Aとが連結部40Bによって連結される。この結果、筐体30の内部と発熱体20Aと連結部40Bとにより囲われた空間を形成することができる。
つぎに、網目状シート701で構成される沸騰促進部60Bを発熱体20Aの第1の発熱体外面21に取り付ける。併せて、網目状シート701で構成される冷媒流路70Bを、筐体30の内側の底面と連結部40Bの内面上に取り付ける。また、筐体30の内側の側面にも冷媒流路70Bを設ける。このとき、筐体30の内側の側面には、網目状シート701と一体の部材を取り付けてもよいし、網目状シート701と別体の部材を取り付けてもよい。
つぎに、筐体30の上面(図16にて紙面上側の面)を取り付けて、筐体30の内部と発熱体20Aと連結部40Bとにより囲われた空間を密閉する。そして、筐体30の内部と発熱体20Aと連結部40Bとにより囲われた空間内に冷媒COOを充填する。
筐体30の内部と発熱体20Aと連結部40Bとにより囲われた空間内に冷媒COOを充填する方法については、第1の実施の形態で説明した通りである。
以上の通り、電子機器100Eの製造方法について、説明した。
以上の通り、第4の実施の形態における電子機器100Eにおいて、沸騰促進部60Bと冷媒流路70Bは一体で形成されている。
このように、沸騰促進部60Bと冷媒流路70Bを一体に形成することにより、沸騰促進部60Bと冷媒流路70Bを別体で形成する場合よりも部品点数を少なくすることができる。また、部品点数が少なくなるため、電子機器100Eの組み立てを容易にすることができる。
また、第4の実施の形態における電子機器100Eにおいて、沸騰促進部60Bおよび冷媒流路70Bは、網目状シート701を、筐体30の内面であって開口部31の側から液相冷媒LP-COOの液面の鉛直方向Gの上方に亘る面上と、連結部40Bのうちで筐体30の内部側の面上と、第1の発熱体外面21の上とに取り付けることにより、構成される。このように、網目状シート701を用いることで、簡単に沸騰促進部60Bおよび冷媒流路70Bを設けることができる。
<第5の実施の形態>
本発明の第5の実施の形態における電子機器100Fについて、図に基づいて説明する。
図19は、電子機器100Fの構成を示す断面図であって、図22のA1-A1切断面における断面を示す図である。図20は、電子機器100Fの構成を示す断面図であって、図3のB1-B1切断面における断面を示す図である。図21は、電子機器100Fの構成を示す側面図である。図22は、電子機器100Fの構成を示す上面図である。なお、図19および図22には、鉛直方向Gが示されている。
図19~図22を参照して、電子機器100Fは、回路基板10と、筐体30と、連結部40とを備えている。なお、電子機器100Fは、たとえば、通信装置やサーバーなどに組み込まれる電子モジュールに用いることができる。
回路基板10の少なくとも一方の面には、発熱体20が取り付けられている。回路基板10は、たとえば、プリント配線基板である。発熱体20は、稼働すると熱を発する部品であって、たとえば中央演算処理装置CPUや集積回路MCMなどである。
図19に示されるように、筐体30は、冷媒COOを収容する。開口部31は、筐体30を構成する面のうちで、回路基板10の上面(図19の紙面の上側の面)と向かい合う面に形成されている。開口部31は、通常、発熱体20と向かい合う位置に設けられる。
連結部40は、筐体30の開口部31と、発熱体20とを連結して、冷媒COOを密閉する。連結部40は、筐体30および発熱体20の間に配置され、筐体30および発熱体20を連結する。連結部40の厚さは、0.21mm以下である。
冷媒COOには、例えば、ハイドロフルオロカーボンHFCやハイドロフルオロエーテルHFEなどを用いることができる。
冷媒COOは、発熱体20および連結部40により、筐体30の開口部31を密閉した空間内に、密閉された状態で閉じ込められる。このため、筐体30の内部と発熱体20と連結部40との間の密閉空間内に、液相冷媒LP-COOを注入した後に真空排気することにより、前記密閉空間内を常に冷媒の飽和蒸気圧に維持することができる。なお、筐体30の内部と発熱体20と連結部40との間の密閉空間内に冷媒COOを充填する方法については、後述の電子機器100Fの製造方法の説明の中で詳しく説明する。
以上、電子機器100Fの構成について説明した。
つぎに、電子機器100Fの製造方法について、説明する。
まず、発熱体20が取り付けられた回路基板10を準備する。つぎに、筐体30の開口部31と発熱体20とを連結部40で、たとえば接着剤やネジによる固定によって連結する。これにより、連結部40によって、発熱体20と、筐体30の開口部31とが、連結される。この結果、筐体30の内部と発熱体20と連結部40との間に密閉空間を形成することができる。
つぎに、筐体30と発熱体20と連結部40とに囲われた空間内に冷媒COOを充填する。
筐体30と発熱体20と連結部40とに囲われた空間内に冷媒COOを充填する方法については、第1の実施の形態で説明した内容と同様である。
以上の通り、電子機器100Fの製造方法について、説明した。
次に、電子機器100Fの動作説明をする。
電子機器100Fが起動されると、電源が、回路基板10上の発熱体20に供給される。これにより、発熱体20が発熱する。
ここで、発熱体20の上面は、筐体30内の液相冷媒LP-COOに接触している。このため、筐体30の鉛直方向Gの下側に貯留されている液相冷媒LP-COOが、発熱体20の上面で、発熱体20の熱によって沸騰し、気相冷媒GP-COOに相変化する。これにより、気相冷媒GP-COOの気泡が発生する。この相変化により生じる気化熱(潜熱)によって、発熱体20が冷却される。
気相冷媒GP-COOは、連結部40を介して筐体30内の液相冷媒LP-COO内を鉛直方向Gの上方へ上昇し、液相冷媒LP-COOの液面上を抜けて、さらに鉛直方向Gの上方へ上昇する。そして、発熱体20の熱によって沸騰した気相冷媒GP-COOは、筐体30の内壁面と接触することにより冷却されると、再び液相冷媒LP-COOに相変化する。この液相冷媒LP-COOは、筐体30内を鉛直方向Gの下方へ下降し、回路基板10側に溜まり、発熱体20の冷却に再び用いられる。
以上、電子機器100Fの動作について説明した。
以上の通り、本発明の第5の実施の形態における電子機器100Fは、回路基板10と、筐体30と、連結部40を備えている。回路基板10では、第1の主面11に発熱体20が取り付けられている。筐体30は、開口部31を有し、冷媒COOを収容する。開口部31は、筐体30を構成する面のうちで、発熱体20と向き合う面に形成されている。連結部40は、熱伝導性部材により形成されている。連結部40は、開口部31と発熱体20を連結して冷媒COOを密閉する。
このように、本発明の第5の実施の形態における電子機器100Fでは、開口部31と発熱体20を連結して冷媒COOを密閉する。これにより、発熱体20が筐体30内の冷媒COOと直接的に接することができる。このため、発熱体20の熱が筐体30内の冷媒COOに効率よく伝達されるので、冷媒COOの相変化がより効率よく促進される。この結果、本発明の第5の実施の形態における電子機器100Fでは、発熱体の熱をより効率よく冷却することができる。
また、連結部40を設けることにより、筐体30と発熱体20との間の距離を大きくすることができる。また、連結部40を設けた分だけ、冷媒COOを収容する体積を大きくすることもできる。また、開口部31の大きさを、発熱体20の第1の発熱体外面21の大きさよりも大きくすることができる。さらに、筐体30と発熱体20との間に連結部40を介在させることにより、筐体30および発熱体20の製造時に生じる寸法ばらつきや、発熱体20の発熱時の変形を吸収することができる。
連結部40の厚さは、0.21mm以下である。これにより、アルミニウムや、アルミニウム合金や、銅などの主要な金属材料にて、連結部40を箔状にすることができる。この結果、連結部40をより柔軟にすることができ、開口部31と発熱体20の第1の発熱体外面21とを簡単に接続できる。
また、前述の各実施の形態の一部または全部は、以下のようにも記載されうるが、以下に限定されない。
(付記1)
主面に発熱体が取り付けられた回路基板と、
前記発熱体と向き合う面に形成された開口部を有し、冷媒を収容する筐体と、
前記開口部と前記発熱体を連結して前記冷媒を密閉する連結部を備え、
前記連結部の厚さは、0.21mm以下である電子機器。
(付記2)
前記連結部は、熱伝導性部材により形成されている付記1に記載の電子機器。
(付記3)
前記冷媒は、液相冷媒および気体冷媒に相変化することができる付記1または2に記載の電子機器。
(付記4)
前記発熱体の外面のうち前記回路基板側の面に対して反対側の面である第1の発熱体外面の上に設けられ、前記第1の発熱体外面の周辺の前記液相冷媒が前記発熱体の熱によって前記気相冷媒に相変化することを促進する沸騰促進部をさらに備えた付記3に記載の電子機器。
(付記5)
前記沸騰促進部は、前記第1の発熱体外面に形成された溝または多孔質体により形成されている付記4に記載の電子機器。
(付記6)
前記連結部および前記沸騰促進部は一体に形成された付記4に記載の電子機器。
(付記7)
前記沸騰促進部は、金属板の中央部に形成された複数の孔によって構成され、
前記連結部は、前記金属板の前記中央部を囲う外周部によって構成される付記6に記載の電子機器。
(付記8)
前記筐体の内面であって前記開口部側から前記液相冷媒の液面の鉛直方向の上方に亘る面上と、前記連結部のうちで前記筐体内部側の面上に設けられ、前記液相冷媒が前記発熱体に向けて流れるように形成された冷媒流路をさらに備えた付記3~7のいずれか1項に記載の電子機器。
(付記9)
前記冷媒流路は、網目状シートを、前記筐体の内面上と、前記連結部のうちで前記筐体内部側の面上とに取り付けることにより、構成される付記8に記載の電子機器。
(付記10)
前記冷媒流路は、毛細管現象により前記液相冷媒を前記発熱体へ導く付記8又は付記9のいずか1項に記載の電子機器。
(付記11)
前記沸騰促進部と前記冷媒流路は一体で形成された付記8に記載の電子機器。
(付記12)
前記沸騰促進部および前記冷媒流路は、網目状シートを、前記筐体の内面であって前記開口部側から前記液相冷媒の液面の鉛直方向の上方に亘る面上と、前記連結部のうちで前記筐体内部側の面上と、前記第1の発熱体外面の上とに取り付けることにより、構成される付記11に記載の電子機器。
(付記13)
前記回路基板の前記主面に取り付けられ、前記筐体を前記開口部に沿って保持する保持部をさらに備えた付記1~12のいずれか1項に記載の電子機器。
(付記14)
前記回路基板上に設けられ、他の電子部品と接続されるコネクタ部をさらに備え、
前記筐体は、前記コネクタ部を被覆しないように、前記主面に取り付けられている付記1~13のいずれか1項に記載の電子機器。
(付記15)
付記14に記載の電子機器と、
前記コネクタ部と接続する収容ラック側コネクタ部を備え、前記電子機器が取り付けられる収容ラックと、を備えた電子装置。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2019年3月28日に出願された日本出願特願2019-062948を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
10 回路基板
11 第1の主面
12 第2の主面
13 コネクタ部
20 発熱体
21 第1の発熱体外面
30 筐体
31 開口部
40 連結部
50 保持部
60 沸騰促進部
70 冷媒流路
100、100A、100B、100C、100D、100E 電子機器
110 前面カバー
200 収容ラック
210 筐体
220 回路基板
223 収容ラック側コネクタ部
500 金属板
600 網目状シート
700 合板
701 網目状シート
702 金属シート
1000 電子装置

Claims (10)

  1. 主面に発熱体が取り付けられた回路基板と、
    前記発熱体と向き合う面に形成された開口部を有し、冷媒を収容する筐体と、
    前記開口部と前記発熱体を連結して前記冷媒を密閉する連結部を備え、
    前記連結部の厚さは、0.21mm以下である電子機器。
  2. 前記連結部は、熱伝導性部材により形成されている請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記冷媒は、液相冷媒および気相冷媒に相変化することができる請求項1または2に記載の電子機器。
  4. 前記発熱体の外面のうち前記回路基板側の面に対して反対側の面である第1の発熱体外面の上に設けられ、前記第1の発熱体外面の周辺の前記液相冷媒が前記発熱体の熱によって前記気相冷媒に相変化することを促進する沸騰促進部をさらに備えた請求項3に記載の電子機器。
  5. 前記沸騰促進部は、前記第1の発熱体外面に形成された溝または多孔質体により形成されている請求項4に記載の電子機器。
  6. 前記連結部および前記沸騰促進部は一体に形成された請求項4に記載の電子機器。
  7. 前記沸騰促進部は、金属板の中央部に形成された複数の孔によって構成され、
    前記連結部は、前記金属板の前記中央部を囲う外周部によって構成される請求項6に記載の電子機器。
  8. 前記筐体の内面であって前記開口部側から前記液相冷媒の液面の鉛直方向の上方に亘る面上と、前記連結部のうちで前記筐体内部側の面上に設けられ、前記液相冷媒が前記発熱体に向けて流れるように形成された冷媒流路をさらに備えた請求項3~7のいずれか1項に記載の電子機器。
  9. 前記冷媒流路は、網目状シートを、前記筐体の内面上と、前記連結部のうちで前記筐体内部側の面上とに取り付けることにより、構成される請求項8に記載の電子機器。
  10. 前記冷媒流路は、毛細管現象により前記液相冷媒を前記発熱体へ導く請求項8または9に記載の電子機器。
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