JP2020123653A - 電子機器 - Google Patents

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真弘 蜂矢
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実 吉川
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隆 大塚
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信夫 金子
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Abstract

【課題】回路基板および筐体で囲われた空間内に発熱体と冷媒を閉じ込める場合であっても、冷媒の漏洩を抑制すること。【解決手段】本発明の第1の実施の形態における電子機器100は、回路基板10と、筐体20と、被覆層30とを備えている。回路基板10には、発熱体Hが取り付けられる。筐体20は、第1の主面11に取り付けられ、回路基板10の第1の主面11との間で発熱体Hおよび冷媒COOを密閉する。被覆層30は、少なくとも、第1の主面11上であって筐体20および発熱体Hに囲われた領域に撥液性のコーティング剤により形成されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、電子機器等に関し、たとえば、発熱体を冷却する電子機器等の技術に関する。
近年、クラウドサービス等の情報インフラの発展に伴って、情報処理量が増加している。この膨大な情報を処理するために、中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)や集積回路(Multi-chip Module:MCM)などの発熱体の計算量が、増加する傾向にある。この発熱体の計算量の増加に伴って、発熱体の発熱量も増加する傾向にある。この傾向に対して、発熱体をより効率よく冷却しようとする試みが日々なされている。
発熱体の冷却技術として、冷媒を用いて発熱体を冷却する電子機器が知られている(たとえば、特許文献1、2)。
特許文献1に記載の技術では、発熱体が実装された基板を電子機器の筐体(容器)の中に収容するともに、冷媒を筐体内に密閉している。このとき、基板全体が発熱体ごと冷媒に浸けられる。これにより、基板全体を冷媒で冷却することができる。
しかし、特許文献1に記載の技術では、基板全体を冷媒に漬けるために、冷媒量が多くなるという問題があった。また、これに伴って電子機器の重量も重くなるという問題があった。
特許文献1に記載の技術に対して、特許文献2に記載の技術では、基板の一方の面上の一部の領域であって発熱体を含む領域のみを筐体で覆うことで、基板の一方の面と筐体との間で発熱体と冷媒とを密閉している。このように、基板の一部のみを筐体で覆って基板の一部のみを冷媒に浸ける構成を採用している。これにより、特許文献2に記載の技術では、特許文献1に記載の技術と比較して、冷媒量を低減でき、電子機器の重量と低減することができる。また、特許文献2に記載の技術では、基板には鉄心を用いることで、冷媒が基板を介して漏れ出すのを抑制していた。なお、特許文献2に記載の技術は、部分液浸漬冷却とも呼ばれている。
実開昭58−27946号公報 特開昭59−188198号公報
前述の通り、特許文献2に記載の技術では、基板には鉄心を用いることで、冷媒が基板を介して漏れ出すのを抑制していた。
近年では、電子部品を搭載する回路基板は多層基板やビルドアップ基板などが主流となり、電子基板の材料にはフェノール樹脂やガラスエポキシ樹脂が広く用いられている。
しかしながら、特許文献2に記載の技術のように、回路基板および筐体で囲われた空間内に発熱体と冷媒を閉じ込める場合に、フェノール樹脂やガラスエポキシ樹脂を材料とする回路基板を用いると、冷媒が回路基板を透過して外部に漏れてしまう。冷媒が回路基板を透過して外部に漏れると、回路基板および筐体で囲われた空間内の冷媒量が減り、発熱体の冷却性能が下がってしまうという問題があった。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、回路基板および筐体で囲われた空間内に発熱体と冷媒を閉じ込める場合であっても、冷媒の漏洩を抑制することができる電子機器等を提供することにある。
本発明の電子機器は、主面に発熱体が取り付けられた回路基板と、前記主面に取り付けられ、前記主面との間で前記発熱体および冷媒を密閉する筐体と、少なくとも前記筐体および前記発熱体に囲われた前記主面の領域に撥液性のコーティング剤により形成された被覆層と、を備えている。
本発明によれば、回路基板および筐体で囲われた空間内に発熱体と冷媒を閉じ込める場合であっても、冷媒の漏洩を抑制することができる。
本発明の第1の実施の形態における電子機器の構成を示す断面図であって、図4のA−A切断面における断面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における電子機器の構成を示す断面図であって、図3のB−B切断面における断面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における電子機器の構成を示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態における電子機器の構成を示す上面図である。 本発明の第1の実施の形態における電子装置の構成を示す断面図であって、図7のC−C切断面における断面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における電子装置の構成を示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態における電子装置の構成を示す前面図である。 本発明の第1の実施の形態における収容ラックの構成を示す断面図であって、図9のD−D切断面における断面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における収容ラックの構成を示す前面図である。 本発明の第1の実施の形態における電子機器の第1の変形例の構成を示す断面図であって、図13のE−E切断面における断面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における電子機器の第1の変形例の構成を示す断面図であって、図12のF−F切断面における断面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における電子機器の第1の変形例の構成を示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態における電子機器の第1の変形例の構成を示す上面図である。 本発明の第2の実施の形態における電子機器の構成を示す断面図であって、図17のG−G切断面における断面を示す図である。 本発明の第2の実施の形態における電子機器の構成を示す断面図であって、図16のH−H切断面における断面を示す図である。 本発明の第2の実施の形態における電子機器の構成を示す側面図である。 本発明の第2の実施の形態における電子機器の構成を示す上面図である。 本発明の第2の実施の形態における電子機器の第1の変形例の構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態における電子機器の構成を示す断面図であって、図22のJ−J切断面における断面を示す図である。 本発明の第3の実施の形態における電子機器の構成を示す断面図であって、図21のK−K切断面における断面を示す図である。 本発明の第3の実施の形態における電子機器の構成を示す側面図である。 本発明の第3の実施の形態における電子機器の構成を示す上面図である。 本発明の第3の実施の形態における電子機器の第1の変形例の構成を示す断面図である。 本発明の第4の実施の形態における電子機器の構成を示す断面図であって、図27のL−L切断面における断面を示す図である。 本発明の第4の実施の形態における電子機器の構成を示す断面図であって、図26のM−M切断面における断面を示す図である。 本発明の第4の実施の形態における電子機器の構成を示す側面図である。 本発明の第4の実施の形態における電子機器の構成を示す上面図である。 本発明の第5の実施の形態における電子機器の構成を示す断面図であって、図31のN−N切断面における断面を示す図である。 本発明の第5の実施の形態における電子機器の構成を示す断面図であって、図30のP−P切断面における断面を示す図である。 本発明の第5の実施の形態における電子機器の構成を示す側面図である。 本発明の第5の実施の形態における電子機器の構成を示す上面図である。 本発明の第5の実施の形態における電子機器の第1の変形例の構成を示す断面図であって、図35のQ−Q切断面における断面を示す図である。 本発明の第5の実施の形態における電子機器の第1の変形例の構成を示す断面図であって、図34のR−R切断面における断面を示す図である。 本発明の第5の実施の形態における電子機器の第1の変形例の構成を示す側面図である。 本発明の第5の実施の形態における電子機器の第1の変形例の構成を示す上面図である。 本発明の第6の実施の形態における電子機器の構成を示す断面図であって、図39のS−S切断面における断面を示す図である。 本発明の第6の実施の形態における電子機器の構成を示す断面図であって、図38のT−T切断面における断面を示す図である。 本発明の第6の実施の形態における電子機器の構成を示す側面図である。 本発明の第6の実施の形態における電子機器の構成を示す上面図である。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態における電子機器100の構成について、図に基づいて説明する。
図1は、電子機器100の構成を示す断面図であって、図4のA−A切断面における断面を示す図である。図2は、電子機器100の構成を示す断面図であって、図3のB−B切断面における断面を示す図である。図3は、電子機器100の構成を示す側面図である。図4は、電子機器100の構成を示す上面図である。なお、図1および図3には、鉛直方向Gが示されている。
図1〜図4を参照して、電子機器100は、回路基板10と、筐体20と、被覆層30とを備えている。なお、電子機器100は、たとえば、通信装置やサーバーなどに組み込まれる電子モジュールに用いることができる。
回路基板10は、平板状に形成されている。回路基板10は、第1の主面11と、第2の主面12と、コネクタ部13を有している。ここで、回路基板10の主面とは、回路基板10の主たる面をいい、たとえば電子部品が実装される面をいう。なお、第1の主面11を回路基板の表面(おもて面)と呼び、第2の主面12を回路基板の裏面とも呼ぶことがある。回路基板10の第1の主面11上には、発熱体Hが取り付けられている。
なお、発熱体Hは、稼働すると熱を発する部品であって、たとえば中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)や集積回路(Multi-chip Module:MCM)などである。本実施形態の説明では、発熱体Hは1つであるとするが、複数の発熱体Hが設けられてもよい。また、回路基板10の第1の主面11および第2の主面12には、発熱体H以外の電子部品が実装されてもよい。
回路基板10は、たとえば、プリント配線基板である。プリント配線基板は、複数の絶縁体の基板および導体配線が積層されて構成されている。また、回路基板10の第1の主面11および第2の主面12には、電子部品を実装するための導電性のパッドが形成されている。絶縁体の基板の材料には、たとえば、フェノール樹脂やガラスエポキシ樹脂が用いられる。導体配線やパッドは、たとえば銅箔により形成されている。
また、コネクタ部13は、他の電子部品(不図示)と接続するために、回路基板10の第1の主面11上に形成されている。コネクタ部13は、例えば、回路基板10の第1の主面11に形成された複数の端子によって、構成されている。なお、コネクタ部13は、第2の主面12上にも形成されてもよい。この場合、第2の主面12のうちで、第1の主面11に形成されたコネクタ部13の形成領域に対応する領域に、コネクタ部13が形成される。なお、このコネクタ部13は、本実施形態において、必須の構成ではない。
図1に示されるように、筐体20は、第1の主面11に取り付けられ、回路基板10の第1の主面11との間で発熱体Hおよび冷媒(Coolant)COOを密閉する。筐体20は、コネクタ部13を被覆しないように、第1の主面11に取り付けられている。
筐体20は、回路基板10との間で、冷媒COOおよび発熱体Hを収容する。筐体20の材料には、熱伝導性部材が用いられ、例えば銅や銅合金やアルミニウムやアルミニウム合金などが用いられる。
なお、筐体20は、たとえば、接着剤やネジ止めなどにより、第1の主面11に取り付けられる。このとき、筐体20の回路基板側の端部と、回路基板10の第1の主面11とが、接着剤やネジ止めなどにより、接合される。
なお、筐体20の回路基板側の端部と回路基板10の第1の主面11の間には、弾性部材として、ゴム状のパッキン等(不図示)が介在されてもよい。ゴム状のパッキン等の材料には、たとえば、天然ゴムや合成ゴムが用いられる。これにより、筐体20の回路基板側の端部と回路基板10の第1の主面11との間に隙間が発生することを抑制できる。この結果、筐体20の回路基板側の端部と回路基板10の第1の主面11との間から、冷媒COOが漏れ出すのを抑制できる。
また、筐体20の回路基板側の端部と回路基板10の第1の主面11との間に、グリースを介在させてもよい。これにより、ゴム状のパッキン等を介在させた場合と同様に、筐体20の回路基板側の端部と回路基板10の第1の主面11との間に隙間が発生することを抑制できる。
冷媒COOには、液相状態の冷媒(液相冷媒(Liquid-Phase Coolant)LP−COO)と気相状態の冷媒(気相冷媒(Gas-Phase Coolant)GP−COO)の間で相変化する冷媒が用いられている。
冷媒COOには、低沸点の冷媒として、例えば、ハイドロフルオロカーボン(HFC:Hydro Fluorocarbon)や、ハイドロフルオロエーテル(HFE:Hydro Fluoroether)などのフッ素系溶剤や、水を用いることができる。また、冷媒COOに、相変化しない物質を用いてもよい。相変化しない冷媒として、たとえば、ポリアルファオレフィン(PAO:Poly Alpha Olefins)などの油を用いることができる。
冷媒COOは、筐体20と回路基板10との間の空間内に、密閉された状態で閉じこめられる。このため、筐体20と回路基板10との間の空間内に、液相冷媒LP−COOを注入した後に真空排気することにより、筐体20と回路基板10との間の空間内を常に冷媒の飽和蒸気圧に維持する。なお、筐体20と回路基板10との間の空間内に冷媒COOを充填する方法については、後述の電子機器100の製造方法の説明の中で詳しく説明する。
被覆層30は、回路基板10の第1の主面11上であって筐体20および発熱体Hに囲われた領域に設けられる。被覆層30は、撥液性のコーティング剤(liquid-repellent coating agent)により形成される。ここで、撥液性とは、冷媒COOをはじく性能や冷媒COOが湿りにくい性能をいう。撥液性のコーティング剤とは、冷媒COOをはじく性能や冷媒COOが湿りにくい性能を有するコーティング剤をいう。
撥液性のコーティング剤の材料には、例えば、フッ素系の樹脂や、アクリル系の樹脂や、エポキシ系の樹脂や、ウレタン系の樹脂が用いられる。なお、冷媒COOがハイドロフルオロカーボン(HFC)やハイドロフルオロエーテル(HFE)のようなフッ素系溶剤である場合、被覆層30の材料にはアクリル系樹脂を用いる。これにより、フッ素系樹脂で形成された被覆層30がフッ素系の冷媒COOにより溶解することを抑制できる。
なお、被覆層30は、回路基板10の第1の主面11上であって筐体20および発熱体Hに囲われた領域に設けられると説明した。一方、被覆層30は、少なくとも、回路基板10の第1の主面11上であって筐体20および発熱体Hに囲われた領域に設けられればよい。被覆層30は、少なくとも、回路基板10の第1の主面11上の領域であって、被覆層30が形成されていない場合に冷媒COOが接する領域に、設けられていればよい。
以上、電子機器100の構成について説明した。
つぎに、電子機器100の製造方法について、説明する。
まず、発熱体Hが取り付けられた回路基板10を準備する。つぎに、筐体20を接着剤やネジ止めなどにより回路基板10の第1の主面11上に取り付ける。このとき、筐体20の上面(図1にて紙面上側の面)は、取り外し可能に形成されている。そして、筐体20の上面を取り外した状態で、回路基板10の第1の主面11上であって筐体20および発熱体Hに囲われた領域にコーティング剤を塗布して、被覆層30を形成する。
つぎに、筐体20の上面(図1にて紙面上側の面)を取り付けて、筐体20および回路基板10の間の空間内に発熱体Hを密閉する。そして、筐体20と回路基板10との間の空間内に冷媒COOを充填する。
筐体20と回路基板10との間の空間内に冷媒COOを充填する方法については、次の通りである。
筐体20の上面(図1にて紙面上側の面)に予め設けられている冷媒注入孔(不図示)から、筐体20と回路基板10との間の空間内に冷媒COOを注入する。そして、冷媒注入孔を閉じる。また、筐体20の上面(図1にて紙面上側の面)に予め設けられている空気排除用孔(不図示)を介して、真空ポンプ(不図示)などを用いて、筐体20と回路基板10との間の空間内から、空気を排除する。そして、空気排除用孔を閉じる。このようにして、筐体20と回路基板10との間の空間内に冷媒COOを密閉する。これにより、筐体20と回路基板10との間の空間内の圧力は冷媒COOの飽和蒸気圧と等しくなり、筐体20と回路基板10との間の空間内に密閉された冷媒COOは気液平衡状態となる。なお、冷媒注入孔を空気排除用孔として共用してもよい。
以上の通り、電子機器100の製造方法について、説明した。
次に、本発明の第1の実施の形態における電子装置1000の構成について説明する。
図5は、電子装置1000の構成を示す断面図であって、図7のC−C切断面における断面を示す図である。図6は、電子装置1000の構成を示す側面図である。図7は、電子装置1000の構成を示す前面図である。図5および図6において、左側が電子装置1000の前面側で、右側が電子装置1000の背面側である。なお、図5〜図7には、鉛直方向Gが示されている。
図5〜図7を参照して、電子装置1000は、電子機器100と、収容ラック200とを備えている。なお、電子装置1000は、たとえば、通信装置やサーバーなどである。電子装置1000には、電子機器100(電子モジュールなど)が組み込まれる。
図5に示されるように、収容ラック200は、複数の電子機器100を収容する。図5では、3つの電子機器100が収容ラック200に収容されている。しかしながら、3つに限らず、1または複数の電子機器100が収容ラック200に収容されてもよい。
なお、ここでは、図5および図7に示されるように、電子機器100の回路基板10のうち、コネクタ部13と反対側の端部には、前面カバー110が取り付けられている。なお、前面カバー110は本実施形態の必須の構成要素ではない。
収容ラック200の構成について、具体的に説明する。図8は、収容ラック200の構成を示す断面図であって、図9のD−D切断面における断面を示す図である。図9は、収容ラック200の構成を示す前面図である。なお、図8および図9には、鉛直方向Gが示されている。
図8および図9に示されるように、収容ラック200は、筐体210と、回路基板220とを備えている。
筐体210は、内部を空洞とする箱状に形成されている。筐体210は、回路基板220を収容する。筐体210は、開口部211を有する。開口部211は、収容ラック200の前面側に形成されている。回路基板220や電子機器100は、開口部211を介して、筐体210内に収容される。筐体210の材料には、たとえば、アルミニウムや、アルミニウム合金や、ステンレス合金などが用いられる。
回路基板220は、筐体210の背面側の内部にネジ止め等により固定されている。回路基板220は、鉛直方向Gに沿って、配置される。また、図8に示されるように、回路基板220上には、収容ラック側コネクタ部223が実装されている。収容ラック側コネクタ部223は、コネクタ部13と嵌り合うように設けられている。すなわち、コネクタ部13が配置された位置における回路基板10の厚みと、収容ラック側コネクタ部223のうちコネクタ部13を収容する部分の幅は、ほぼ同じになるように設定されている。また、コネクタ部13に設けられた端子(不図示)間のピッチ距離と、収容ラック側コネクタ部223の端子(不図示)間の距離が、ほぼ同じになるように設定されている。
以上、収容ラック200の構成について説明した。
次に、電子装置1000の動作説明をする。図5に示されるように、電子機器100を収容ラック200の筐体210内に収容する。このとき、電子機器100のコネクタ部13を、収容ラック200の収容ラック側コネクタ部223に挿入する。これにより、コネクタ部13が収容ラック側コネクタ部223に嵌合する。この結果、コネクタ部13および収容ラック側コネクタ部223が電気的に接続される。そして、収容ラック200の回路基板220と、電子機器100の回路基板10とが、コネクタ部13および収容ラック側コネクタ部223を介して、電気的に接続される。
次に、電子装置1000を起動すると、電源が、回路基板220から、収容ラック側コネクタ部223およびコネクタ部13を介して、回路基板10上の発熱体Hに供給される。これにより、発熱体Hが発熱する。
液相冷媒LP−COOが、発熱体Hの表面で、発熱体Hの熱によって沸騰し、気相冷媒GP−COOに相変化する。これにより、気相冷媒GP−COOの気泡が発生する。この相変化に必要な潜熱(気化熱)を利用して、発熱体Hで生じる熱を吸熱する。この結果、発熱体Hが冷却される。
気相冷媒GP−COOは、液相冷媒LP−COO内を鉛直方向Gの上方へ上昇し、液相冷媒LP−COOの液面上を抜けて、さらに鉛直方向Gの上方へ上昇する。そして、発熱体Hの熱によって沸騰した気相冷媒GP−COOは、筐体20の内壁面と接触することにより冷却されると凝縮し、再び液相冷媒LP−COOに相変化する。この液相冷媒LP−COOは、筐体20内を鉛直方向Gの下方へ下降し、回路基板10側に溜まり、発熱体Hの冷却に再び用いられる。
つぎに、被覆層30の作用について説明する。図1に示されるように、被覆層30は、回路基板10の第1の主面11上であって筐体20および発熱体Hに囲われた領域に設けられる。このため、冷媒COOは、被覆層30および発熱体Hの上面に接するが、回路基板10の第1の主面11に接しない。
また、被覆層30は、撥液性のコーティング剤により形成されている。このため、冷媒COOが被覆層30を透過することを抑制できるので、冷媒COOが回路基板10の第1の主面11に到達することを抑制できる。
したがって、被覆層30を設けることにより、冷媒COOが回路基板10を透過して、外部に漏れ出すことを抑制できる。
以上、被覆層30の作用について説明した。
以上の通り、本発明の第1の実施の形態における電子機器100は、回路基板10と、筐体20と、被覆層30とを備えている。回路基板10には、第1の主面11に発熱体Hが取り付けられる。筐体20は、第1の主面11に取り付けられ、回路基板10の第1の主面11との間で発熱体Hおよび冷媒COOを密閉する。被覆層30は、少なくとも、筐体20および発熱体Hに囲われた第1の主面11の領域に撥液性のコーティング剤により形成されている。筐体20および発熱体Hに囲われた第1の主面11の領域とは、より具体的には、図2に示されるように、第1の主面11の一部の領域であって、筐体20の内面と発熱体の4枚の側面とに囲われた領域である。
このように、被覆層30は、回路基板10の第1の主面11上であって筐体20および発熱体Hに囲われた領域に設けられる。このため、冷媒COOは、被覆層30および発熱体Hの上面に接するが、回路基板10の第1の主面11に接しない。
また、被覆層30は、撥液性のコーティング剤により形成されている。このため、冷媒COOが被覆層30を透過することを抑制できるので、冷媒COOが回路基板10の第1の主面11に到達することを抑制できる。
したがって、被覆層30を設けることにより、冷媒COOが回路基板10を透過して、外部に漏れ出すことを抑制できる。
ゆえに、本発明の第1の実施の形態における電子機器100によれば、回路基板10および筐体20で囲われた空間内に発熱体Hと冷媒COOを閉じ込める場合であっても、冷媒COOの漏洩を抑制することができる。このように、冷媒COOが回路基板10を透過して外部に漏れることが抑制できるので、回路基板10および筐体20で囲われた空間内の冷媒COOの量が減ることも抑制できる。これにより、発熱体Hを冷却性能が下がってしまうことを抑制できる。
また、冷媒COOに導電性の材料(たとえば、純水ではない水)を用いた場合であっても、被覆層30を設けたことにより冷媒COOが回路基板10に接しないので、回路基板10に形成された回路がショートすることを抑制できる。なお、一般的に、水などの導電性の冷媒は、非導電性の冷媒よりも比重が小さくコストも安い。非導電性の冷媒の比重は、導電性の冷媒の比重の1.5倍程度に達することもある。また、非導電性の冷媒のコストは、導電性の冷媒のコストの100倍程度に達することもある。なお、非導電性の冷媒は、例えば、ハイドロフルオロカーボン(HFC)やハイドロフルオロエーテル(HFE)などのフッ素系溶剤やポリアルファオレフィン(PAO)などの油である。
ここで、本発明の第1の実施の形態における電子機器100と、特許文献2に記載の技術とを対比する。前述の通り、特許文献2に記載の技術では、基板には鉄心を用いることで、冷媒が基板を介して漏れ出すのを抑制していた。
これに対して、本発明の第1の実施の形態における電子機器100では、回路基板10に鉄心を用いずにフェノール樹脂やガラスエポキシ樹脂を材料とする基板を用いている。しかしながら、本発明の第1の実施の形態における電子機器100では、被覆層30が、少なくとも、回路基板10の第1の主面11上であって筐体20および発熱体Hに囲われた領域に撥液性のコーティング剤により形成されているので、フェノール樹脂やガラスエポキシ樹脂を材料とする基板を回路基板10に用いても、冷媒COOが回路基板10を介して漏れ出すことを抑制することができる。
また、本発明の第1の実施の形態における電子機器100において、冷媒COOには、液相冷媒LP−COOおよび気体冷媒GP−COOに相変化することができるものを用いる。
これにより、冷媒COOの温度変化による顕熱の移動だけでなく、相変化による潜熱の移動も利用しているので、相変化しない冷媒と比較して、発熱体Hの冷却効率を高めることができる。
また、相変化する冷媒COOは、液相状態および気相状態の間での圧力差が大きい。とくに、相変化する冷媒COOが液相冷媒GP−COOから気相冷媒GP−COOへ相変化することにより、筐体20と回路基板10との間の密閉空間内の冷媒COOの圧力は大きく上昇する。このため、相変化する冷媒COOを用いた場合、冷媒COOの自重に加えて、冷媒COOの相変化時に生じる圧力が回路基板10に加わる。
したがって、相変化する冷媒COOを用いる場合、相変化しない冷媒を用いる場合と比較して、冷媒COOが回路基板10を介して漏れ出しやすくなる。一方で、上述の通り、電子機器100では、被覆層30を備えることで、冷媒COOの相変化により生じる圧力が加わったとしても、冷媒COOが回路基板10を介して漏れ出すことを抑制することができる。
また、本発明の第1の実施の形態における電子機器100において、コーティング剤の材料は、フッ素系の樹脂またはアクリル系の樹脂により構成されている。これにより、コーティング剤の材料を撥液性とすることができる。
また、本発明の第1の実施の形態における電子機器100は、コネクタ部13をさらに備えている。コネクタ部13は、回路基板10の端部の第1の主面11上に設けられ、他の電子部品(たとえば、収容ラック側コネクタ部223)と接続される。また、筐体20は、コネクタ部13を被覆しないように、第1の主面11に取り付けられている。すなわち、筐体20は、第1の主面11のうち、コネクタ部13以外の場所に、取り付けられる。なお、コネクタ部13は、第1の主面11上に限らず、第2の主面12上に設けられてもよい。
これにより、筐体20は、コネクタ部13と干渉しないように、回路基板10の第1の主面11上に取り付けられる。この結果、他の電子部品とコネクタ部13を接続するのに、筐体20が邪魔になることを防止できる。また、筐体20を取り外すことなく、他の電子部品とコネクタ部13を接続することができるので、回路基板10上の電子部品を補修等の保守作業を容易に行うことができる。
また、本発明の第1の実施の形態における電子装置1000は、電子機器100と、収容ラック200を備えている。収容ラック200には、電子機器100が取り付けられる。これにより、電子機器100を組み込んだ電子装置1000を構成でき、上述した電子機器100の効果と同様の効果を奏することができる。
また、本発明の第1の実施の形態における電子装置1000は、電子機器100と、収容ラック200を備えている。収容ラック200には、電子機器100が取り付けられる。さらに、収容ラック200は、コネクタ部13と接続する収容ラック側コネクタ部223をさらに備えている。これにより、電子機器100および収容ラック200の間を、コネクタ部13および収容ラック側コネクタ部223を介して、電気的に接続することができる。また、電子機器100を組み込んだ電子装置1000を構成でき、上述した電子機器100の効果と同様の効果を奏することができる。
なお、筐体20の上面(図1の紙面の上側の面)の上に、放熱部(不図示)をさらに設けてもよい。この放熱部は、たとえば、フィン構造を有するヒートシンクにより構成される。これにより、放熱部が、筐体20に伝達された発熱体Hの熱を外気に効率よく放熱することできる。また、放熱部を構成するヒートシンクに冷却風を送るファンがさらに設けられていてもよい。
また、筐体20の内部に、ファン(不図示)やポンプ(不図示)を設けて、筐体20の内部で冷媒COOを強制的に対流させてもよい。これにより、筐体20内部での冷媒COOの循環をより効率よく促すことができる。この結果、発熱体Hの熱をより効率よく冷却することができる。
<第1の実施の形態の第1の変形例>
本発明の第1の実施の形態における電子機器の第1の変形例である電子機器100Aの構成について、図に基づいて説明する。
図10は、電子機器100Aの構成を示す断面図であって、図13のE−E切断面における断面を示す図である。図11は、電子機器100Aの構成を示す断面図であって、図12のF−F切断面における断面を示す図である。図12は、電子機器100Aの構成を示す側面図である。図13は、電子機器100Aの構成を示す上面図である。なお、図10および図12には、鉛直方向Gが示されている。また、図10〜図13では、図1〜図9で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜図9に示した符号と同等の符号を付している。
図10〜図13を参照して、電子機器100Aは、回路基板10Aと、筐体20と、被覆層30とを備えている。電子機器100Aは、電子機器100と同様に、収容ラック200に取り付けることができる。なお、電子機器100Aは、たとえば、通信装置やサーバーなどに組み込まれる電子モジュールに用いることができる。
ここで、電子機器100と電子機器100Aとを比較する。図10〜図13に示されるように、電子機器100Aは、発熱体Hの他に電子部品Eが回路基板10Aの上に実装されている点で、電子機器100と相違する。
電子部品Eは、回路基板10Aの第1の主面11の上に実装されている。電子部品Eは、たとえば、コンデンサやコイルなどの発熱量が小さい素子である。電子部品Eの発熱量は、少なくとも、発熱体Hの発熱量よりも小さい。
なお、電子部品Eは、第2の主面12の上に実装されてもよい。また、図10〜図13を参照して、2つの電子部品Eが回路基板10Aの上に実装されている。一方、1つまたは3以上の電子部品Eが回路基板10Aの上に実装されてもよい。
このように、発熱量が最大の発熱体Hのみを冷媒COOに漬からせる構造にすることで、電子部品Eの全ておよび発熱体Hの双方を冷媒COOに漬からせる構造と比較して、冷媒COOの量を低減することができる。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態における電子機器100Bの構成について、図に基づいて説明する。
図14は、電子機器100Bの構成を示す断面図であって、図17のG−G切断面における断面を示す図である。図15は、電子機器100Bの構成を示す断面図であって、図16のH−H切断面における断面を示す図である。図16は、電子機器100Bの構成を示す側面図である。図17は、電子機器100Bの構成を示す上面図である。なお、図14および図16には、鉛直方向Gが示されている。また、図14〜図17では、図1〜図13で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜図13に示した符号と同等の符号を付している。
図14〜図17を参照して、電子機器100Bは、回路基板10と、筐体20と、被覆層30Aと、補強部材40と、接着層50とを備えている。電子機器100Bは、電子機器100と同様に、収容ラック200に取り付けることができる。なお、電子機器100Bは、たとえば、通信装置やサーバーなどに組み込まれる電子モジュールに用いることができる。
ここで、電子機器100と電子機器100Bとを比較する。図14〜図17を参照して、電子機器100Bは、補強部材40と接着層50をさらに備えている点で、電子機器100と相違する。
図14〜図17を参照して、補強部材40は、筐体20と回路基板10の第1の主面11の間に設けられている。また、補強部材40は、板状に形成されるとともに、枠状または額縁形状に形成されている。補強部材40の材料には、たとえば、銅や銅合金が用いられている。補強部材40は、スティフナ(stiffener)とも呼ばれている。補強部材40を設けることにより、回路基板10の変形を抑制できる。補強部材40は、接着剤を用いて、第1の主面11に固定される。
図14を参照して、筐体20は、補強部材40を介して回路基板10の第1の主面11に取り付けられ、回路基板10の第1の主面11との間で発熱体Hおよび冷媒COOを密閉する。
接着層50は、補強部材40および第1の主面11の間に形成されている。接着層50は、補強部材40および第1の主面11を接着するための接着剤(例えば、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂)が硬化されることにより、形成される。なお、冷媒COOが水の場合に限り、シリコン系樹脂の接着剤を用いることができる。
図15を参照して、被覆層30Aは、少なくとも、第1の主面11上であって補強部材40および発熱体Hに囲われた領域に撥液性のコーティング剤により形成されている。ここでは、図14に示されるように、被覆層30Aの高さは、補強部材40の高さに合わせて設定されている。一方、被覆層30Aの高さを、補強部材40の高さ以上にしてもよいし、補強部材40の高さ以下にしてもよい。
以上、電子機器100Bの構成について説明した。
つぎに、電子機器100Bの製造方法について、説明する。
まず、発熱体Hが取り付けられた回路基板10を準備する。つぎに、接着剤を用いて補強部材40を回路基板10の第1の主面11の上に取り付ける。次に、筐体20を接着剤やネジ止めなどにより補強部材40に取り付ける。このとき、筐体20の上面(図14にて紙面上側の面)は、取り外し可能に形成されている。そして、筐体20の上面を取り外した状態で、回路基板10の第1の主面11上であって補強部材40および発熱体Hに囲われた第1の主面11の領域にコーティング剤を塗布して、被覆層30Aを形成する。補強部材40および発熱体Hに囲われた第1の主面11の領域とは、図15に示されるように、筐体20の上面を取り外した状態で、回路基板10の第1の主面11上の領域で、補強部材40および発熱体Hに囲われた領域をいう。
つぎに、筐体20の上面(図14にて紙面上側の面)を取り付けて、筐体20および回路基板10の間の空間内に発熱体Hを密閉する。そして、筐体20と回路基板10との間の空間内に冷媒COOを充填する。筐体20と回路基板10との間の空間内に冷媒COOを充填する方法については、第1の実施の形態で説明した通りである。
以上の通り、電子機器100Bの製造方法について、説明した。
なお、電子機器100Bの動作については、第1の実施の形態における電子機器100と同様である。
以上の通り、本発明の第2の実施の形態における電子機器100Bは、補強部材40をさらに備えている。補強部材40は、筐体20と第1の主面11の間に設けられる。筐体20は、補強部材40を介して第1の主面11に取り付けられ、第1の主面11との間で発熱体Hおよび冷媒COOを密閉する。被覆層30Aは、少なくとも、補強部材40および発熱体Hに囲われた第1の主面11の領域に撥液性のコーティング剤により形成されている。
補強部材40を設けたことにより、回路基板10の剛性を高めることができ、回路基板10の変形を抑制できる。
<第2の実施の形態の第1の変形例>
本発明の第2の実施の形態における電子機器の第1の変形例である電子機器100Cの構成について、図に基づいて説明する。
図18は、電子機器100Cの構成を示す断面図である。図18は、図1と同等の方向で電子機器100Cを切断した断面図である。なお、図18には、鉛直方向Gが示されている。また、図18では、図1〜図17で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜図17に示した符号と同等の符号を付している。
図18を参照して、電子機器100Cは、回路基板10と、筐体20と、被覆層30Bと、補強部材40とを備えている。電子機器100Cは、電子機器100と同様に、収容ラック200に取り付けることができる。なお、電子機器100Cは、たとえば、通信装置やサーバーなどに組み込まれる電子モジュールに用いることができる。
ここで、電子機器100Bと電子機器100Cとを比較する。電子機器100Bでは、図14に示されるように、補強部材40と第1の主面11の間には接着層50が介在されていた。これに対して、電子機器100Cでは、図18に示されるように、補強部材40と第1の主面11の間には被覆層30Bが介在されている。すなわち、電子機器100Cでは、電子機器100Bの接着層50に代えて被覆層30Bが設けられている。この点で両者は互いに相違する。
図18を参照して、被覆層30Bは、少なくとも、補強部材40および発熱体Hに囲われた第1の主面11の領域に撥液性のコーティング剤により形成されている。また、補強部材40は接着剤を用いて第1の主面11に固定される。また、この接着剤の材料は、被覆層30Bに用いる撥液性のコーティング剤の材料と同じである。言い換えると、被覆層30Bに用いる撥液性のコーティング剤に、接着性を有する材料を用いる。このとき、撥液性のコーティング剤の材料には、たとえば、撥液性のエポキシ系樹脂、撥液性のウレタン系樹脂を用いる。なお、撥液性のエポキシ系樹脂にフッ素化合物が含有され、かつ、冷媒COOがフッ素系冷媒である場合には、被覆層30Bに撥液性のエポキシ系樹脂を使用できない。この場合には、被覆層30Bに撥液性のウレタン系樹脂を使用する。このように、接着剤に使用される材料を被覆層30Bに用いることにより、図18に示されるように、補強部材40および第1の主面11の間にも、被覆層30Bが形成される。したがって、電子機器100Bと比較して、部材や材料を低減するこことができ、より簡単な構造とすることができる。
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態における電子機器100Dの構成について、図に基づいて説明する。
図19は、電子機器100Dの構成を示す断面図であって、図22のJ−J切断面における断面を示す図である。図20は、電子機器100Dの構成を示す断面図であって、図21のK−K切断面における断面を示す図である。図21は、電子機器100Dの構成を示す側面図である。図22は、電子機器100Dの構成を示す上面図である。なお、図19および図21には、鉛直方向Gが示されている。また、図19〜図22では、図1〜図18で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜図18に示した符号と同等の符号を付している。
図19〜図22を参照して、電子機器100Dは、回路基板10Bと、筐体20と、被覆層30、封止層60とを備えている。電子機器100Dは、電子機器100と同様に、収容ラック200に取り付けることができる。なお、電子機器100Dは、たとえば、通信装置やサーバーなどに組み込まれる電子モジュールに用いることができる。
ここで、電子機器100と電子機器100Dとを比較する。図19〜図22を参照して、電子機器100Dは、封止層60をさらに備えている点で、電子機器100と相違する。また、電子機器100Dでは、回路基板10Bに実装されている発熱体H1が、たとえば、ワイヤーボンディング、フリップチップボンディング等を用いて実装される集積回路である点で、電子機器100と相違する。
図19および図20を参照して、封止層60は、第1の主面11の上でアンダーフィルを用いて発熱体H1を封止する。ここでアンダーフィルとは、集積回路の封止に用いられる液状硬化性樹脂の総称である。また、封止層60の材料には、撥液性の樹脂であって接着性を有するものをもちいることができる(たとえば、撥液性のエポキシ系樹脂、撥液性のウレタン系樹脂)。封止層60の材料には、被覆層30を形成するコーティング剤と同じ材料を用いる。なお、撥液性のエポキシ系樹脂にフッ素化合物が含有され、かつ、冷媒COOがフッ素系冷媒である場合には、封止層60に撥液性のエポキシ系樹脂を使用できない。この場合には、封止層60に撥液性のウレタン系樹脂を使用する。
以上、電子機器100Dの構成について説明した。
つぎに、電子機器100Dの製造方法について、説明する。
まず、発熱体H1が取り付けられた回路基板10を準備する。このとき、発熱体H1は、封止層60により封止されている。つぎに、筐体20を接着剤やネジ止めなどにより回路基板10の第1の主面11上に取り付ける。このとき、筐体20の上面(図1にて紙面上側の面)は、取り外し可能に形成されている。そして、筐体20の上面を取り外した状態で、回路基板10Bの第1の主面11上であって筐体20および発熱体H1に囲われた領域にコーティング剤を塗布して、被覆層30を形成する。
つぎに、筐体20の上面(図1にて紙面上側の面)を取り付けて、筐体20および回路基板10Bの間の空間内に発熱体Hを密閉する。そして、筐体20と回路基板10Bとの間の空間内に冷媒COOを充填する。
筐体20と回路基板10Bとの間の空間内に冷媒COOを充填する方法については、第1の実施の形態で説明した通りである。
以上の通り、電子機器100Dの製造方法について、説明した。
なお、電子機器100Dの動作については、第1の実施の形態における電子機器100と同様である。
以上の通り、本発明の第3の実施の形態における電子機器100Dは、封止層60をさらに備えている。封止層60は、前記第1の主面上でアンダーフィルを用いて前記発熱体を封止する。このように、回路基板10Bに実装されている発熱体H1が、たとえば、ワイヤーボンディング、フリップチップボンディング等を用いて実装される集積回路であっても、被覆層30を形成することができる。また、アンダーフィルの材料は、被覆層30の材料と同じである。すなわち、アンダーフィルの材料には、被覆層30の材料を形成するコーティング剤と同じものを用いる。
このように、封止層60(アンダーフィル)の材料を、被覆層30を形成するコーティング剤の材料と同じにすることにより、アンダーフィルを介して、冷媒COOが回路基板10Bを透過して、外部に漏れ出すことを抑制できる。これにより、回路基板10Bに実装されている発熱体H1が、たとえば、ワイヤーボンディング、フリップチップボンディング等を用いて実装される集積回路であっても、第1の実施の形態における電子機器100と同様に、冷媒COOの漏洩を抑制することができる。
<第3の実施の形態の第1の変形例>
本発明の第3の実施の形態における電子機器の第1の変形例である電子機器100Eの構成について、図に基づいて説明する。
図23は、電子機器100Eの構成を示す断面図である。図23は、図19と同等の方向で電子機器100Eを切断した断面図である。なお、図23には、鉛直方向Gが示されている。また、図23では、図1〜図22で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜図22に示した符号と同等の符号を付している。
図23を参照して、電子機器100Eは、回路基板10Bと、筐体20と、被覆層30Cとを備えている。電子機器100Eは、電子機器100と同様に、収容ラック200に取り付けることができる。なお、電子機器100Eは、たとえば、通信装置やサーバーなどに組み込まれる電子モジュールに用いることができる。
ここで、電子機器100Dと電子機器100Eとを比較する。電子機器100Dでは、図19に示されるように、封止層60と被覆層30を別々に形成していた。これに対して、電子機器100Eでは、図23に示されるように、被覆層30Cを封止層も含めて一体で形成している。この点で両者は互いに相違する。
このように、電子機器100Eでは、封止層および被覆層は一体で形成されているので、より簡単な構成とすることができ、より簡素に製造することができる。
<第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態における電子機器100Fの構成について、図に基づいて説明する。
図24は、電子機器100Fの構成を示す断面図であって、図27のL−L切断面における断面を示す図である。図25は、電子機器100Fの構成を示す断面図であって、図26のM−M切断面における断面を示す図である。図26は、電子機器100Fの構成を示す側面図である。図27は、電子機器100Fの構成を示す上面図である。なお、図24および図26には、鉛直方向Gが示されている。また、図24〜図27では、図1〜図23で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜図23に示した符号と同等の符号を付している。
図24〜図27を参照して、電子機器100Fは、回路基板10と、筐体20と、被覆層30、金属層70とを備えている。電子機器100Fは、電子機器100と同様に、収容ラック200に取り付けることができる。なお、電子機器100Fは、たとえば、通信装置やサーバーなどに組み込まれる電子モジュールに用いることができる。
ここで、電子機器100Fと電子機器100とを比較する。図24〜図27を参照して、電子機器100Fは、金属層70をさらに備えている点で、電子機器100と相違する。
金属層70は、被覆層30のうち、第1の主面11と反対側の面上の少なくとも一部に設けられている。金属層70の材料には、たとえば、銅や銅合金などの金属で形成された箔材や板材を用いる。なお、図24および図25では、金属層70は、被覆層30の全面に設けられている例を示す。
以上、電子機器100Fの構成について説明した。
つぎに、電子機器100Fの製造方法について、説明する。
まず、発熱体Hが取り付けられた回路基板10を準備する。つぎに、筐体20を接着剤やネジ止めなどにより回路基板10の第1の主面11上に取り付ける。このとき、筐体20の上面(図24にて紙面上側の面)は、取り外し可能に形成されている。そして、筐体20の上面を取り外した状態で、回路基板10の第1の主面11上であって筐体20および発熱体Hに囲われた領域にコーティング剤を塗布して、被覆層30を形成する。
つぎに、金属層70を被覆層30の上面(図24にて紙面上側の面)の上に接着剤などにより貼り付ける。これにより、金属層70が被覆層30の上面に形成される。
つぎに、筐体20の上面(図24にて紙面上側の面)を取り付けて、筐体20および回路基板10の間の空間内に発熱体Hを密閉する。そして、筐体20と回路基板10との間の空間内に冷媒COOを充填する。
筐体20と回路基板10との間の空間内に冷媒COOを充填する方法については、第1の実施の形態で説明した通りである。
以上の通り、電子機器100Fの製造方法について、説明した。
なお、電子機器100Fの動作については、第1の実施の形態における電子機器100と同様である。
以上の通り、本発明の第4の実施の形態における電子機器100Fは、金属層70がさらに設けられている。金属層70は、被覆層30のうち、第1の主面11と反対側の面上の少なくとも一部に設けられている。
一般的に、金属層70の材料である金属の方が、被覆層30の材料である樹脂と比較して冷媒COOの透過率は低い。したがって、金属層70を被覆層30の上に設けたことにより、第1の実施の形態における電子機器100と比較して、より効率よく、冷媒COOが回路基板10を透過して、外部に漏れ出すことを抑制できる。
ゆえに、本発明の第3の実施の形態における電子機器100Fによれば、回路基板10および筐体20で囲われた空間内に発熱体Hと冷媒COOを閉じ込める場合であっても、冷媒COOの漏洩をさらに効率よく抑制することができる。
なお、回路基板10および金属層70の間には被覆層30が介在されるので、金属層70が回路基板10の回路とショートすることはない。また、金属層70は、たとえば、金属板や金属箔により形成することができる。この場合、特許文献1に記載の技術で示された鉄心よりも重量を軽減することができる。
<第5の実施の形態>
本発明の第5の実施の形態における電子機器100Gの構成について、図に基づいて説明する。
図28は、電子機器100Gの構成を示す断面図であって、図31のN−N切断面における断面を示す図である。図29は、電子機器100Gの構成を示す断面図であって、図30のP−P切断面における断面を示す図である。図30は、電子機器100Gの構成を示す側面図である。図31は、電子機器100Gの構成を示す上面図である。なお、図28および図30には、鉛直方向Gが示されている。また、図28〜図31では、図1〜図27で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜図27に示した符号と同等の符号を付している。
図28〜図31を参照して、電子機器100Gは、回路基板10と、筐体20と、被覆層30、沸騰促進部80とを備えている。電子機器100Gは、電子機器100と同様に、収容ラック200に取り付けることができる。なお、電子機器100Gは、たとえば、通信装置やサーバーなどに組み込まれる電子モジュールに用いることができる。
ここで、電子機器100Gと電子機器100とを比較する。図28〜図31を参照して、電子機器100Gは、沸騰促進部80をさらに備えている点で、電子機器100と相違する。
図28を参照して、電子機器100Gは、沸騰促進部80をさらに備えている。沸騰促進部80は、発熱体Hの第1の発熱体外面99(図28の紙面にて上側の面)の上に設けられている。発熱体Hの第1の発熱体外面99は、発熱体Hの外面のうち第1の主面11側の面に対して反対側の面である。沸騰促進部80は、第1の発熱体外面99の周辺の液相冷媒LP−COOが発熱体Hの熱によって気相冷媒GP−COOに相変化することを促進する。
ここで、沸騰促進部80は、たとえば、複数の溝や多孔質体を有する。なお、図28では、沸騰促進部80の一例として、複数の溝を有するものが示されている。また、図28では、沸騰促進部80は、被覆層30を介して、発熱体Hの第1の発熱体外面99に、被覆層30の材料であるコーティング剤の接着により取り付けられている。なお、沸騰促進部80は、被覆層30を介さずに、別の接着剤やねじ止めなどにより、発熱体Hの第1の発熱体外面99に取り付けられてもよい。
沸騰促進部80は、第1の発熱体外面99の上に形成された溝または多孔質体であってもよい。すなわち、発熱体Hの第1の発熱体外面99を切削加工や樹脂成形することで形成された溝または多孔質体を、沸騰促進部80とすることもできる。このように、沸騰促進部80は、別体によって第1の発熱体外面99に接着されるものであっても、発熱体Hと一体となるように第1の発熱体外面99を加工するものであってもよい。なお、多孔質体とは、複数の微細な孔が形成されたものである。
多孔質体は、たとえば、焼結体やメッシュで構成されてもよい。焼結体は、固体粉末の集合体が固められた物体で、固体粉末の粒子間が結合することによって複数の微細な孔が固体粉末間に形成されたものである。この焼結体は、発熱体Hの上面上で、固体粉末を焼結することにより、形成される。焼結とは、固体粉末の集合体を当該固体粉末の融点よりも低い温度で加熱して、固体粉末を固めることをいう。メッシュは、たとえば、網の目を有する金属シートによって形成される。
なお、焼結体の材料には、たとえば、セラミック、アルミニウム、ステンレス、銅、黄銅、ブロンズなどが用いられる。セラミックの主成分には、たとえば、アルミナ、イットリア(酸化イットリウム)、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化珪素、窒化珪素等が用いられる。メッシュの材料には、たとえば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金などの金属が用いられる。
また、被覆層30と同じコーティング剤を硬化したものを加工して、沸騰促進部80を形成してもよい。この場合、沸騰促進部80は、被覆層30と一体に形成される。
ただし、好ましくは、沸騰促進部80は、別体によって第1の発熱体外面99に接着されるものではなく、発熱体Hと一体となるように第1の発熱体外面99を加工するものである。別体によって第1の発熱体外面99に接着されるもので沸騰促進部80を構成する場合、沸騰促進部80と発熱体Hの間に隙間が生じ、発熱体Hの熱が沸騰促進部80に十分に伝わらない場合がある。これに対して、発熱体Hと一体となるように第1の発熱体外面99を加工するもので、沸騰促進部80を構成する場合、沸騰促進部80と発熱体Hの間に隙間が生じず、発熱体Hの熱を沸騰促進部80により効率よく伝えることができる。
沸騰促進部80を発熱体Hの第1の発熱体外面99上に設けることにより、沸騰核(=沸騰が起きるきっかけ)を発熱体H上に形成することができ、過熱状態(=沸点を超えても沸騰が起きない状態)を抑制することができる。このため、第1の発熱体外面99の周辺の液相冷媒LP−COOに発熱体Hの熱がより効率良く伝達される。この結果、沸騰促進部80を設けない場合と比較して、より効率よく、第1の発熱体外面99の周辺の液相冷媒LP−COOを気相冷媒GP−COOに相変化することができる。とくに、沸騰促進部80を設けることで、冷媒COOとの熱交換面積を大きくすることができる。すなわち、沸騰促進部80を設けない場合、冷媒COOとの熱交換面積は、発熱体Hの第1の発熱体外面99の面積となる。ここで、沸騰促進部80の溝や多孔質体を含めた表面積は、発熱体Hの第1の発熱体外面99の表面積よりも大きくなる。したがって、沸騰促進部80を設けた場合、冷媒COOとの熱交換面積は、沸騰促進部80を設けない場合と比較して、大きくなる。このため、より効率よく発熱体Hの熱を冷媒COOに伝達することができる。
以上、電子機器100Gの構成について説明した。
つぎに、電子機器100Gの製造方法について、説明する。
まず、発熱体Hが取り付けられた回路基板10を準備する。つぎに、筐体20を接着剤やネジ止めなどにより回路基板10の第1の主面11上に取り付ける。このとき、筐体20の上面(図28にて紙面上側の面)は、取り外し可能に形成されている。そして、筐体20の上面を取り外した状態で、回路基板10の第1の主面11上であって筐体20の内壁に囲われた領域にコーティング剤を塗布して、被覆層30を形成する。つぎに、沸騰促進部80を発熱体Hの第1の発熱体外面99上に取り付ける。なお、沸騰促進部80を発熱体Hと一体に構成する場合や、予め沸騰促進部80を発熱体Hに取り付けている場合では、沸騰促進部80が形成された発熱体Hを用意する点で第1の実施の形態における電子機器100の製造方法と異なるが、それ以外の処理は第1の実施の形態における電子機器100の製造方法と同様である。
つぎに、筐体20の上面(図28にて紙面上側の面)を取り付けて、筐体20および回路基板10の間の空間内に発熱体Hを密閉する。そして、筐体20と回路基板10との間の空間内に冷媒COOを充填する。
筐体20と回路基板10との間の空間内に冷媒COOを充填する方法については、第1の実施の形態で説明した通りである。
以上の通り、電子機器100Gの製造方法について、説明した。
なお、電子機器100Gの動作について説明する。
回路基板10上の発熱体Hが動作すると、発熱体Hが発熱する。ここで、発熱体Hの第1の発熱体外面99の上に設けられた沸騰促進部80は、筐体20内の液相冷媒LP−COOに接触している。このため、筐体20の鉛直方向Gの下側に貯留されている液相冷媒LP−COOが、沸騰促進部80で、発熱体Hの熱によって沸騰し、気相冷媒GP−COOに相変化する。これにより、気相冷媒GP−COOの気泡が発生する。この相変化により生じる気化熱(潜熱)によって、発熱体Hが冷却される。
気相冷媒GP−COOは、筐体20内の液相冷媒LP−COO内を鉛直方向Gの上方へ上昇し、液相冷媒LP−COOの液面上を抜けて、さらに鉛直方向Gの上方へ上昇する。そして、発熱体Hの熱によって沸騰した気相冷媒GP−COOは、筐体20の内壁面と接触することにより冷却されると、再び液相冷媒LP−COOに相変化する。この液相冷媒LP−COOは、筐体20内を鉛直方向Gの下方へ下降し、回路基板10側に溜まり、発熱体Hの冷却に再び用いられる。
以上、電子機器100Gの動作について説明した。
以上の通り、第5の実施の形態における電子機器100Gは、沸騰促進部80をさらに備えている。沸騰促進部80は、発熱体Hの第1の発熱体外面99上に設けられている。発熱体Hの第1の発熱体外面99は、発熱体Hの外面のうち第1の主面11側の面に対して反対側の面である。沸騰促進部80は、第1の発熱体外面99の周辺の液相冷媒LP−COOが発熱体Hの熱によって気相冷媒GP−COOに相変化することを促進する。
このように、沸騰促進部80を発熱体Hの第1の発熱体外面99上に設けることにより、沸騰核(=沸騰が起きるきっかけ)を発熱体H上に形成することができ、過熱状態(=沸点を超えても沸騰が起きない状態)を抑制することができる。このため、第1の発熱体外面99の周辺の液相冷媒LP−COOに発熱体Hの熱がより効率良く伝達される。この結果、沸騰促進部80を設けない場合と比較して、より効率よく、第1の発熱体外面99の周辺の液相冷媒LP−COOを気相冷媒GP−COOに相変化することができる。とくに、沸騰促進部80を設けることで、冷媒COOとの熱交換面積を大きくすることができる。すなわち、沸騰促進部80を設けない場合、冷媒COOとの熱交換面積は、発熱体Hの第1の発熱体外面99の面積となる。ここで、沸騰促進部80の溝や多孔質体を含めた表面積は、発熱体Hの第1の発熱体外面99の表面積よりも大きくなる。したがって、沸騰促進部80を設けた場合、冷媒COOとの熱交換面積は、沸騰促進部80を設けない場合と比較して、大きくなる。このため、より効率よく発熱体Hの熱を冷媒COOに伝達することができる。
また、第5の実施の形態における電子機器100Gにおいて、沸騰促進部80の材料は、被覆層30と同じ材料と同じであり、沸騰促進部80および被覆層30は一体で形成してもよい。すなわち、沸騰促進部80の材料には、被覆層30と同じコーティング剤を用いる。これにより、部品点数を低減できる。また、沸騰促進部80および被覆層30を同じコーティング剤で同時に形成できるので、製造工程を少なくすることができ、より効率よく電子機器100Gを製造できる。
また、第5の実施の形態における電子機器100Gにおいて、沸騰促進部80は、第1の発熱体外面99に形成された溝または多孔質体である。これにより、沸騰促進部80を容易に形成することができる。
<第5の実施の形態の第1の変形例>
本発明の第5の実施の形態における電子機器の第1の変形例である電子機器100Hの構成について、図に基づいて説明する。
図32は、電子機器100Hの構成を示す断面図であって、図35のQ−Q切断面における断面を示す図である。図33は、電子機器100Hの構成を示す断面図であって、図34のR−R切断面における断面を示す図である。図34は、電子機器100Hの構成を示す側面図である。図35は、電子機器100Hの構成を示す上面図である。なお、図32および図34には、鉛直方向Gが示されている。また、図32〜図35では、図1〜図31で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜図31に示した符号と同等の符号を付している。
図32〜図35を参照して、電子機器100Hは、回路基板10と、筐体20と、被覆層30、沸騰促進部80Aとを備えている。電子機器100Hは、電子機器100と同様に、収容ラック200に取り付けることができる。なお、電子機器100Hは、たとえば、通信装置やサーバーなどに組み込まれる電子モジュールに用いることができる。
ここで、電子機器100Hと電子機器100Gとを比較する。図28〜図31を参照して、電子機器100Gの沸騰促進部80は、発熱体Hの第1の発熱体外面99の上のみに取り付けられていた。これに対して、図32〜図35を参照して、電子機器100Hの沸騰促進部80Aは、発熱体Hの第1の発熱体外面99の上を含めて、筐体20の内壁に囲われた領域全体に取り付けられる。この点で、電子機器100Hと電子機器100Gは互いに相違する。
以上、電子機器100Hの構成について説明した。
なお、電子機器100Hの製造方法や動作は、電子機器100Gと同様である。
以上の通り、第5の実施の形態における電子機器の第1の変形例である電子機器100Hにおいて、沸騰促進部80Aは、筐体20の内壁に囲われた領域に設けられている。これにより、冷媒COOが沸騰促進部80Aに接する面積を、電子機器100Gの場合と比較して、大きくすることができる。この結果、より効率よく発熱体Hの熱を冷媒COOに伝達することができる。また、沸騰促進部80Aが被覆層30と別体で、かつ金属製(例えば金属製のヒートシンク)である場合、本発明の第4の実施の形態における電子機器100Fと同様に冷媒COOが漏れ出すことを抑制する効果を奏する。
<第6の実施の形態>
本発明の第6の実施の形態における電子機器100Jの構成について、図に基づいて説明する。
図36は、電子機器100Jの構成を示す断面図であって、図39のS−S切断面における断面を示す図である。図37は、電子機器100Jの構成を示す断面図であって、図38のT−T切断面における断面を示す図である。図38は、電子機器100Jの構成を示す側面図である。図39は、電子機器100Jの構成を示す上面図である。なお、図36および図38には、鉛直方向Gが示されている。また、図36〜図39では、図1〜図35で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜図35に示した符号と同等の符号を付している。
図36〜図39を参照して、電子機器100Jは、回路基板10と、筐体20と、被覆層30、冷媒流路90とを備えている。電子機器100Jは、電子機器100と同様に、収容ラック200に取り付けることができる。なお、電子機器100Jは、たとえば、通信装置やサーバーなどに組み込まれる電子モジュールに用いることができる。
ここで、電子機器100と電子機器100Jとを比較する。図36に示されるように、電子機器100Jでは、冷媒流路90をさらに有する点で、電子機器100と相違する。
図36を参照して、冷媒流路90は、筐体20の内面の側面(図11の紙面上にて左側の面と右側の面)と、被覆層30の上とに形成されている。より具体的には、冷媒流路90は、筐体10の内面であって第1の主面11側から液相冷媒LP−COOの液面の鉛直方向Gの上方に亘る面上と、被覆層30上に設けられている。また、冷媒流路90は、液相冷媒LP−COOが発熱体Hに向けて流れるように形成されている。
冷媒流路90の下端は、発熱体Hに接する。冷媒流路90上端は、筐体20内の液相冷媒LP−COOが最も少ない際の当該液相冷媒LP−COOの液面よりも、鉛直方向Gの上方に設定されている。したがって、図36の例では、冷媒流路90の上端は筐体20の側面内に設定されているが、冷媒流路90の上端を筐体20の底面側に設定してもよい。
ここで、冷媒流路90は、上述の通り、筐体20内の液相冷媒LP−COOが発熱体Hに向けて流れるように形成されている。冷媒流路90は、たとえば、毛細管現象により液相冷媒LP−COOを発熱体Hへ導く多孔質体や微細な溝によって形成されている。なお、毛細管現象とは、細い管状物体(毛細管)の内側の液体が管の中を上昇(場合によっては下降)する物理現象である。毛管現象とも呼ばれる。なお、多孔質体とは、前述の通り、複数の微細な孔が形成されたものである。
前述の沸騰促進部80と同様に、多孔質体を、たとえば、焼結体やメッシュで構成してもよい。
微細な溝は、発熱体Hを中心に外方に向かうように形成されている。この溝は、筐体20の内面を切削するか、筐体20の内面に微細な突起状の部材を取り付けることにより、形成することができる。
なお、多孔質体および微細な溝は、筐体20の底面や側面の全面に形成されてもよいし、部分的に形成されてもよい。
また、被覆層30と同じコーティング剤を硬化したものを加工して、冷媒流路90を形成してもよい。この場合、冷媒流路90は、被覆層30と一体に形成される。
以上、電子機器100Jの構成について説明した。
つぎに、電子機器100Jの製造方法について、説明する。
まず、発熱体Hが取り付けられた回路基板10を準備する。つぎに、筐体20を接着剤やネジ止めなどにより回路基板10の第1の主面11上に取り付ける。このとき、筐体20の上面(図28にて紙面上側の面)は、取り外し可能に形成されている。そして、筐体20の上面を取り外した状態で、回路基板10の第1の主面11上であって筐体20の内壁に囲われた領域にコーティング剤を塗布して、被覆層30を形成する。つぎに、冷媒流路90を筐体20の内面上と被覆層30上に設ける。
つぎに、筐体20の上面(図36にて紙面上側の面)を取り付けて、筐体20および回路基板10の間の空間内に発熱体Hを密閉する。そして、筐体20と回路基板10との間の空間内に冷媒COOを充填する。
筐体20と回路基板10との間の空間内に冷媒COOを充填する方法については、第1の実施の形態で説明した通りである。
以上の通り、電子機器100Jの製造方法について、説明した。
つぎに、電子機器100Jの動作について説明する。
電源が、回路基板10上の発熱体Hに供給されると、発熱体Hが発熱する。
ここで、発熱体Hの第1の発熱体外面99の中央部は、筐体20内の液相冷媒LP−COOに接触している。このため、筐体20の鉛直方向Gの下側に貯留されている液相冷媒LP−COOが、発熱体Hの第1の発熱体外面99で、発熱体Hの熱によって沸騰し、気相冷媒GP−COOに相変化する。これにより、気相冷媒GP−COOの気泡が発生する。この相変化により生じる気化熱(潜熱)によって、発熱体Hが冷却される。
気相冷媒GP−COOは、液相冷媒LP−COO内を鉛直方向Gの上方へ上昇し、液相冷媒LP−COOの液面上を抜けて、さらに鉛直方向Gの上方へ上昇する。そして、発熱体Hの熱によって沸騰した気相冷媒GP−COOは、筐体20の内壁面と接触することにより冷却されると、再び液相冷媒LP−COOに相変化する。この液相冷媒LP−COOは、筐体20内を鉛直方向Gの下方へ下降し、回路基板10側に溜まり、発熱体Hの冷却に再び用いられる。
このとき、液相冷媒LP−COOは、冷媒流路90内を発熱体Hへ向けて流れる。とくに、液相冷媒LP−COOは、冷媒流路90内の毛細管現象により、発熱体Hへ導かれる。
そして、再び、筐体20の鉛直方向Gの下側に貯留されている液相冷媒LP−COOが、発熱体Hの第1の発熱体外面99で、発熱体Hの熱によって沸騰し、気相冷媒GP−COOに相変化する。以降、上述の動作を繰り返して、冷媒COOが筐体20内で循環する。
以上、電子機器100Jの動作について説明した。
以上のように、第6の実施の形態における電子機器100Jは、冷媒流路90をさらに備えている。冷媒流路90は、筐体20の内面であって第1の主面11側から液相冷媒LP−COOの液面の鉛直方向Gの上方に亘る面上と、被覆層30上に設けられている。冷媒流路90は、液相冷媒LP-COOが発熱体Hに向けて流れるように形成されている。
このように、冷媒流路90は、筐体20の内面であって第1の主面11側から液相冷媒LP−COOの液面の鉛直方向Gの上方に亘る面上と、被覆層30上に設けられている。冷媒流路90は、液相冷媒LP-COOが発熱体Hに向けて流れるように形成されている。このため、筐体20内の鉛直方向Gの上方で発生する液相冷媒LP−COOは、冷媒流路90を通って、発熱体Hに向けて流れる。したがって、液相冷媒LP−COOをより速く円滑に発熱体Hに供給することができる。この結果、冷媒流路90を設けない場合を比較して、発熱体Hの熱をより効率よく冷却することができる。
また、第6の実施の形態における電子機器100Jにおいて、 冷媒流路90の材料は、被覆層30の材料と同じであり、冷媒流路90および被覆層30は一体で形成されている。すなわち、冷媒流路90は、被覆層30を構成する撥液性のコーティング剤を用いて形成された溝または多孔質体により構成される。これにより、部品点数を低減できる。また、冷媒流路90および被覆層30を同じコーティング剤で同時に形成できるので、製造工程を少なくすることができ、より効率よく電子機器100Jを製造できる。
また、第6の実施の形態における電子機器100Jにおいて、冷媒流路90は、毛細管現象により液相冷媒LP−COOを導く。このように、毛細管現象を用いて、液相冷媒LP−COOを発熱体Hへ導くことができるので、さらに、液相冷媒LP−COOをより速く円滑に発熱体Hに供給することができる。この結果、冷媒流路90を設けない場合を比較して、発熱体Hの熱をさらに効率よく冷却することができる。また、冷媒流路90は、毛細管現象により液相冷媒LP−COOを導くので、図36において、電子機器100Jが天地逆転して配置された場合や、電子機器100Jが縦置きにされた場合であっても、重力に逆らって、液相冷媒LP−COOを発熱体Hへ導くことができる。なお、電子機器100Jが縦置きにされた場合とは、たとえば、回路基板10の第1の主面11が鉛直方向Gに対して平行に配置された場合をいう。
また、第6の実施の形態における電子機器100Jにおいて、冷媒流路90は、溝または多孔質体によって形成されている。これにより、毛細管現象を生じさせる冷媒流路90を容易に形成することができる。
なお、この第6の実施の形態では、電子機器100Jに冷媒流路90を追加した態様を説明したが、冷媒流路90を電子機器100A〜100Hに追加することもできる。
また、前述の各実施の形態の一部または全部は、以下のようにも記載されうるが、以下に限定されない。
(付記1)
主面に発熱体が取り付けられた回路基板と、
前記主面に取り付けられ、前記主面との間で前記発熱体および冷媒を密閉する筐体と、
少なくとも前記筐体および前記発熱体に囲われた前記主面の領域に撥液性のコーティング剤により形成された被覆層と、を備えた電子機器。
(付記2)
前記主面上でアンダーフィルを用いて前記発熱体を封止する封止層をさらに備え、
前記アンダーフィルの材料は、前記被覆層の材料と同じであり、前記封止層および前記被覆層は一体で形成されている付記1に記載の電子機器。
(付記3)
前記筐体と前記主面の間に設けられる補強部材をさらに備え、
前記筐体は、前記補強部材を介して前記主面に取り付けられ、前記主面との間で前記発熱体および冷媒を密閉し、
前記被覆層は、少なくとも、前記補強部材および前記発熱体に囲われた前記主面の領域に撥液性のコーティング剤により形成されている付記1または2に記載の電子機器。
(付記4)
前記補強部材は接着剤を用いて前記主面に固定され、前記接着剤の材料は、前記被覆層の材料と同じである付記3に記載の電子機器。
(付記5)
前記被覆層のうち、前記主面と反対側の面上の少なくとも一部に金属層が設けられている付記1〜4のいずれか1項に記載の電子機器。
(付記6)
前記冷媒は、液相冷媒および気体冷媒に相変化することができる付記1〜5のいずれか1項に記載の電子機器。
(付記7)
前記発熱体の外面のうち前記主面側の面に対して反対側の面である第1の発熱体外面の上に設けられ、前記第1の発熱体外面の周辺の液相冷媒が前記発熱体の熱によって気相冷媒に相変化することを促進する沸騰促進部をさらに備えた付記6に記載の電子機器。
(付記8)
前記沸騰促進部の材料は、前記被覆層の材料と同じであり、前記沸騰促進部および前記被覆層は一体で形成されている付記7に記載の電子機器。
(付記9)
前記沸騰促進部は、前記第1の発熱体外面に形成された溝または多孔質体により形成されている付記7に記載の電子機器。
(付記10)
前記筐体の内面であって前記主面側から前記液相冷媒の液面の鉛直方向の上方に亘る面上と、前記被覆層上に設けられ、前記液相冷媒が前記発熱体に向けて流れるように形成された冷媒流路をさらに備えた付記6に記載の電子機器。
(付記11)
前記冷媒流路の材料は、前記被覆層の材料と同じであり、前記冷媒流路および前記被覆層は一体で形成されている付記10に記載の電子機器。
(付記12)
前記冷媒流路は、溝または多孔質体によって形成されている付記10または11に記載の電子機器。
(付記13)
前記冷媒流路は、毛細管現象により前記液相冷媒を前記発熱体へ導く付記11〜12のいずれか1項に記載の電子機器。
(付記14)
前記回路基板上に設けられ、他の電子部品と接続されるコネクタ部をさらに備え、
前記筐体は、前記コネクタ部を被覆しないように、前記主面に取り付けられている付記1〜13のいずれか1項に記載の電子機器。
(付記15)
付記14に記載の電子機器と、
前記コネクタ部と接続する収容ラック側コネクタ部を備え、前記電子機器が取り付けられる収容ラックと、を備えた電子装置。
(付記16)
前記コーティング剤の材料は、フッ素系の樹脂、アクリル系の樹脂、エポキシ系の樹脂、またはウレタン系の樹脂により構成されている付記1に記載の電子機器。
(付記17)
前記アンダーフィルの材料は、エポキシ系の樹脂、またはウレタン系の樹脂により構成されている付記2に記載の電子機器。
(付記18)
前記接着剤の材料は、エポキシ系の樹脂、またはウレタン系の樹脂により構成されている付記4に記載の電子機器。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
10、10A、10B 回路基板
11 第1の主面
12 第2の主面
13 コネクタ部
20 筐体
30、30A、30B、30C 被覆層
40 補強部材
50 接着層
60 封止層
70 金属層
80、80A 沸騰促進部
90 冷媒流路
99 第1の発熱体外面
100、100A、100B、100C、100D、100D 電子機器
100F、100G、100H、100J 電子機器
110 前面カバー 200 収容ラック
210 筐体
220 回路基板
223 収容ラック側コネクタ部
1000 電子装置
H 発熱体
E 電子部品

Claims (10)

  1. 主面に発熱体が取り付けられた回路基板と、
    前記主面に取り付けられ、前記主面との間で前記発熱体および冷媒を密閉する筐体と、
    少なくとも前記筐体および前記発熱体に囲われた前記主面の領域に撥液性のコーティング剤により形成された被覆層と、を備えた電子機器。
  2. 前記主面上でアンダーフィルを用いて前記発熱体を封止する封止層をさらに備え、
    前記アンダーフィルの材料は、前記被覆層の材料と同じであり、前記封止層および前記被覆層は一体で形成されている請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記筐体と前記主面の間に設けられる補強部材をさらに備え、
    前記筐体は、前記補強部材を介して前記主面に取り付けられ、前記主面との間で前記発熱体および冷媒を密閉し、
    前記被覆層は、少なくとも、前記補強部材および前記発熱体に囲われた前記主面の領域に撥液性のコーティング剤により形成されている請求項1または2に記載の電子機器。
  4. 前記補強部材は接着剤を用いて前記主面に固定され、前記接着剤の材料は、前記被覆層の材料と同じである請求項3に記載の電子機器。
  5. 前記被覆層のうち、前記主面と反対側の面上の少なくとも一部に金属層が設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子機器。
  6. 前記冷媒は、液相冷媒および気体冷媒に相変化することができる請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子機器。
  7. 前記発熱体の外面のうち前記主面側の面に対して反対側の面である第1の発熱体外面の上に設けられ、前記第1の発熱体外面の周辺の液相冷媒が前記発熱体の熱によって気相冷媒に相変化することを促進する沸騰促進部をさらに備えた請求項6に記載の電子機器。
  8. 前記沸騰促進部の材料は、前記被覆層の材料と同じであり、前記沸騰促進部および前記被覆層は一体で形成されている請求項7に記載の電子機器。
  9. 前記沸騰促進部は、前記第1の発熱体外面に形成された溝または多孔質体により形成されている請求項7に記載の電子機器。
  10. 前記筐体の内面であって前記主面側から前記液相冷媒の液面の鉛直方向の上方に亘る面上と、前記被覆層上に設けられ、前記液相冷媒が前記発熱体に向けて流れるように形成された冷媒流路をさらに備えた請求項6に記載の電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20210010757A1 (en) * 2018-04-02 2021-01-14 Nec Corporation Electronic apparatus
WO2022019152A1 (ja) 2020-07-20 2022-01-27 学校法人 愛知医科大学 多能性細胞の未分化維持培養用組成物、多能性細胞の未分化維持培養用培地、多能性細胞の未分化状態での維持培養方法、および多能性細胞の製造方法

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