JP7175870B2 - ダイクッション装置及びダイクッション装置の制御方法 - Google Patents

ダイクッション装置及びダイクッション装置の制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7175870B2
JP7175870B2 JP2019192547A JP2019192547A JP7175870B2 JP 7175870 B2 JP7175870 B2 JP 7175870B2 JP 2019192547 A JP2019192547 A JP 2019192547A JP 2019192547 A JP2019192547 A JP 2019192547A JP 7175870 B2 JP7175870 B2 JP 7175870B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cushion
die cushion
die
drive shaft
controller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019192547A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021065903A5 (ja
JP2021065903A (ja
Inventor
泰幸 河野
師文 土田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aida Engineering Ltd
Original Assignee
Aida Engineering Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aida Engineering Ltd filed Critical Aida Engineering Ltd
Priority to JP2019192547A priority Critical patent/JP7175870B2/ja
Priority to US17/076,497 priority patent/US11826810B2/en
Priority to DE102020127815.2A priority patent/DE102020127815A1/de
Priority to CN202011152024.0A priority patent/CN112692167A/zh
Publication of JP2021065903A publication Critical patent/JP2021065903A/ja
Publication of JP2021065903A5 publication Critical patent/JP2021065903A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7175870B2 publication Critical patent/JP7175870B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21DWORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21D37/00Tools as parts of machines covered by this subclass
    • B21D37/10Die sets; Pillar guides
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21DWORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21D24/00Special deep-drawing arrangements in, or in connection with, presses
    • B21D24/02Die-cushions
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21DWORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21D24/00Special deep-drawing arrangements in, or in connection with, presses
    • B21D24/10Devices controlling or operating blank holders independently, or in conjunction with dies
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/02Suppression of vibrations of non-rotating, e.g. reciprocating systems; Suppression of vibrations of rotating systems by use of members not moving with the rotating systems
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B19/00Programme-control systems
    • G05B19/02Programme-control systems electric
    • G05B19/18Numerical control [NC], i.e. automatically operating machines, in particular machine tools, e.g. in a manufacturing environment, so as to execute positioning, movement or co-ordinated operations by means of programme data in numerical form
    • G05B19/414Structure of the control system, e.g. common controller or multiprocessor systems, interface to servo, programmable interface controller

Description

本発明はダイクッション装置及びダイクッション装置の制御方法に係り、特に金型を自由配置可能なダイクッション装置及びダイクッション装置の制御方法に関する。
特許文献1には、複数のクッションパッドをそれぞれ複数の駆動軸(油圧シリンダ)で支持し、油圧シリンダ毎に必要なダイクッション荷重を作用させたり、クッションパッドが待機する位置を変更(することにより、ダイクッションストロークを変更)したりすることができるダイクッション装置が記載されている。
また、特許文献1の図5には、独立した複数の金型が装着されたプレス機械と、複数の金型の各々に対応して、複数のクッションパッドが設けられたダイクッション装置とが記載されている。
ところで、図16に示すように複数(2つ)の金型120L、120Rを装着したプレス機械で2種類の製品を生産し、その後、一方の金型120Rを外し、他方の金型120Lのみで製品を生産したい場合がある。
例えば、自動車のボディー量産を担うタンデムラインにおいて、製品の左右2個取りにより2種類の製品の規定数の生産が終了した後、一方の製品に不良品が発見された場合には、その不良品の個数だけ、一方の製品を引き続き生産したい場合がある。
図16に示すように破線で示した金型120Rを外し、金型120Lのみで製品を生産する場合、金型120Lは、左前、左後、右前、右後の4つの油圧シリンダ(220LF,220LB,220RF,220RB)により支持されるクッションパッド210(の投影面)上の偏った位置に配置されることになる。
この場合、図16の矢印で示すように、4つの油圧シリンダ(220LF,220LB,220RF,220RB)におけるダイクッション荷重制御により、クッションパッド210を図16の矢印方向に回転させるモーメントがクッションパッド210に作用し、クッションパッド210が傾く(図16上で右側が持ち上がる)ことになる。
特開2016-221564号公報
上記のように金型をクッションパッド上の偏った位置に配置すると、クッションパッドが傾くという問題が発生するため、金型の配置には制限があった。
その結果、例えば、2種類の製品を同時に生産するために2つの金型がプレス機械に装着された場合、規定数の生産後に不良品の個数の違いに伴う生産数の調整のために1種類の製品のみが必要な場合でも、2種類の製品を生産することになり、無駄が発生するという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、金型の配置に制限のないダイクッション装置及びダイクッション装置の制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の一の態様に係るダイクッション装置は、クッションパッドを支持する複数の駆動軸を有し、各駆動軸をそれぞれ駆動して前記クッションパッドを昇降動作させる複数のクッションパッド昇降手段と、前記複数のクッションパッド昇降手段の各駆動軸をそれぞれ制御し、前記クッションパッドにダイクッション荷重を発生させるダイクッション荷重制御器と、前記複数のクッションパッド昇降手段の各駆動軸をそれぞれ制御し、前記クッションパッドの位置を制御するダイクッション位置制御器と、前記複数のクッションパッド昇降手段の駆動軸毎に独立して、前記ダイクッション荷重制御器によるダイクッション荷重制御を行う第1の駆動軸とするか、又は前記ダイクッション荷重制御器によるダイクッション荷重制御を行わない第2の駆動軸とするかを選択する選択器と、を備え、特定のダイクッション荷重制御工程中に、前記ダイクッション荷重制御器は、前記選択器により選択された前記第1の駆動軸のみを制御することを特徴とする。
本発明の一の態様によれば、複数のクッションパッド昇降手段の駆動軸毎に独立して、ダイクッション荷重制御器によるダイクッション荷重制御を行う第1の駆動軸とするか、又はダイクッション荷重制御器によるダイクッション荷重制御を行わない第2の駆動軸とするかを選択する。複数のクッションパッド昇降手段の駆動軸毎に、第1の駆動軸とするか、又は第2の駆動軸とするかの選択は、クッションパッドの投影面上の金型が配置される領域に応じて決定することが好ましく、例えば、駆動軸の投影面上に金型が存在しない場合には、その駆動軸は第2の駆動軸として選択することができる。そして、特定のダイクッション荷重制御工程中に、ダイクッション荷重制御器は、第1の駆動軸のみを制御し、第2の駆動軸に対するダイクッション荷重制御は行わない。これにより、第2の駆動軸からクッションパッドを傾けるようなダイクッション荷重が発生しないようにすることができ、クッションパッドに対して良好なダイクッション荷重制御が可能になる。
本発明の他の態様に係るダイクッション装置において、前記選択器は、前記複数のクッションパッド昇降手段の駆動軸毎に独立して、前記ダイクッション荷重制御器によるダイクッション荷重制御を行う第1の駆動軸とするか、又は前記ダイクッション位置制御器によるダイクッション位置制御を行う第2の駆動軸とするかを選択し、前記特定のダイクッション荷重制御工程中に、前記ダイクッション荷重制御器は、前記選択器により選択された前記第1の駆動軸を制御し、前記ダイクッション位置制御器は、前記選択器により選択された前記第2の駆動軸を制御することを特徴とする。
本発明の他の態様によれば、ダイクッション荷重制御を行わない駆動軸として選択された第2の駆動軸は、ダイクッション位置制御器により制御され、これにより、第2の駆動軸からクッションパッドを傾けるようなダイクッション荷重が発生しないようにすることが可能になる。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置において、前記複数のクッションパッド昇降手段の各駆動軸の位置に対応する前記クッションパッドの昇降方向の位置を検出し、検出した位置を示す位置検出値をそれぞれ出力する複数のダイクッション位置検出器を備え、前記特定のダイクッション荷重制御工程中に、前記ダイクッション位置制御器は、前記第1の駆動軸に対応する前記ダイクッション位置検出器により検出された位置検出値に基づいて、前記第2の駆動軸を制御することを特徴とする。これにより、ダイクッション荷重制御器により制御される第1の駆動軸の位置に対して、ダイクッション位置制御器により制御される第2の駆動軸の位置を一致させることができ、クッションパッドが傾かないようにすることができる。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置において、前記ダイクッション位置制御器は、前記第2の駆動軸に隣接する前記第1の駆動軸に対応するダイクッション位置検出器により検出された位置検出値を目標値として使用し、又は複数の前記第1の駆動軸に対応する複数のダイクッション位置制御器により検出された2以上の位置検出値の平均値を目標値として使用することが好ましい。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置において、前記特定のダイクッション荷重制御工程中に、前記ダイクッション位置制御器は、前記目標値に対して±2mm以内になるように前記第2の駆動軸を制御することが好ましい。クッションパッドの傾きを許容範囲内にするためである。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置において、前記複数のクッションパッド昇降手段は、それぞれ各駆動軸を駆動する複数のサーボモータを含み、前記ダイクッション位置制御器は、前記目標値と前記第2の駆動軸に対応する前記ダイクッション位置検出器の位置検出値とに基づいて前記第2の駆動軸に対応するサーボモータのトルク指令信号を演算し、前記目標値に対して±2mm以内になるように前記目標値を時間で微分した信号に比例する信号、又はプレス機械のスライドの速度に比例する信号を、前記演算したトルク指令信号に加算することが好ましい。目標値を時間で微分した信号に比例する信号、又はプレス機械のスライドの速度に比例する信号をフィードフォワード補償量として、演算したトルク指令信号に加算することで位相遅れ量を補償し、目標値に対して±2mm以内になるように位置制御を可能にしている。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置において、前記複数のクッションパッド昇降手段は、それぞれ各駆動軸を駆動する複数のサーボモータを含み、前記ダイクッション位置制御器は、前記目標値と前記第2の駆動軸に対応する前記ダイクッション位置検出器の位置検出値とに基づいて前記第2の駆動軸に対応するサーボモータのトルク指令信号を演算し、前記目標値に対して±2mm以内になるように前記目標値を時間で微分した信号に比例する信号、又はプレス機械のスライドの速度に比例する信号に位相進ませ補償要素を乗じた信号を、前記演算したトルク指令信号に加算することが好ましい。目標値を時間で微分した信号に比例する信号、又はプレス機械のスライドの速度に比例する信号に位相進ませ補償要素を乗じた信号をフィードフォワード補償量として、演算したトルク指令信号に加算することで位相遅れ量を補償し、特に目標値を時間で微分した信号、又はプレス機械のスライドの速度が急変する場合には特定の高周波成分が含まれるが、これに対して位相進ませ補償要素は位置偏差が極小になるように補償する役割を担う。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置において、前記複数のサーボモータの回転角速度をそれぞれ検出する複数の角速度検出器を備え、前記ダイクッション位置制御器は、前記複数の角速度検出器によってそれぞれ検出される角速度信号を、角速度フィードバック信号として使用する安定化制御器を含むことが好ましい。安定化制御器は、特定のダイクッション荷重制御工程中の目標値を含むダイクッション位置指令信号から位置検出値に至るダイクッション位置制御系の一巡伝達関数(オープンループ)の位相遅れを改善し、位置制御機能を安定化させる役割を担う。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置において、前記複数のクッションパッド昇降手段は、各駆動軸として機能するピストンロッドを含む複数の液圧シリンダと、前記複数の液圧シリンダのダイクッション荷重発生側加圧室に作動液を作用させる複数の液圧ポンプ/モータと、を備え、前記複数のサーボモータは、前記複数の液圧ポンプ/モータに軸接続されることを特徴とする。
更に他の態様に係る発明は、クッションパッドを支持する複数の駆動軸を有し、各駆動軸をそれぞれ駆動して前記クッションパッドを昇降動作させる複数のクッションパッド昇降手段と、前記複数のクッションパッド昇降手段の各駆動軸を制御し、前記クッションパッドにダイクッション荷重を発生させるダイクッション荷重制御器と、前記複数のクッションパッド昇降手段の各駆動軸を制御し、前記クッションパッドの位置を制御するダイクッション位置制御器と、を備えたダイクッション装置の制御方法において、前記複数のクッションパッド昇降手段の駆動軸毎に独立して、前記ダイクッション荷重制御器によるダイクッション荷重制御を行う第1の駆動軸とするか、又は前記ダイクッション荷重制御器によるダイクッション荷重制御を行わない第2の駆動軸とするかを選択器により選択するステップと、特定のダイクッション荷重制御工程中に、前記ダイクッション荷重制御器により前記第1の駆動軸のみを制御するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置の制御方法において、前記選択器により選択するステップは、前記複数のクッションパッド昇降手段の駆動軸毎に独立して、前記ダイクッション荷重制御器によるダイクッション荷重制御を行う第1の駆動軸とするか、又は前記ダイクッション位置制御器によるダイクッション位置制御を行う第2の駆動軸とするかを選択し、前記特定のダイクッション荷重制御工程中に、前記ダイクッション荷重制御器により前記第1の駆動軸を制御するとともに、前記ダイクッション位置制御器により前記第2の駆動軸を制御することを特徴とする。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置の制御方法において、前記ダイクッション装置は、複数のクッションパッド昇降手段の各駆動軸の位置に対応する前記クッションパッドの昇降方向の位置を検出し、検出した位置を示す位置検出値をそれぞれ出力する複数のダイクッション位置検出器を備え、前記特定のダイクッション荷重制御工程中に、前記ダイクッション位置制御器は、前記第1の駆動軸に対応する前記ダイクッション位置検出器により検出された位置検出値に基づいて、前記第2の駆動軸を制御することを特徴とする。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置の制御方法において、前記ダイクッション位置制御器は、前記第2の駆動軸に隣接する前記第1の駆動軸に対応するダイクッション位置検出器により検出された位置検出値を目標値として使用し、又は複数の前記第1の駆動軸に対応する複数のダイクッション位置検出器により検出された2以上の位置検出値の平均値を目標値として使用することが好ましい。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置の制御方法において、前記特定のダイクッション荷重制御工程中に、前記ダイクッション位置制御器は、前記目標値に対して±2mm以内になるように前記第2の駆動軸を制御することを特徴とする。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置の制御方法において、前記特定のダイクッション荷重制御工程は、前記クッションパッドの中心に対して金型が偏った位置に配置される場合のダイクッション荷重制御工程、又は前記複数の駆動軸のうちの一部の駆動軸上に材料が存在しない場合のダイクッション荷重制御工程を含むことを特徴とする。
本発明によれば、金型の配置にかかわらず、ダイクッション荷重制御工程中にクッションパッドが傾かないように制御することができ、金型の配置に制限を受けないようにすることができる。
図1は、本発明が適用されるプレス機械の構成例を示す図である。 図2は本発明に係るダイクッション装置の全体構成を示す図である。 図3は、クッションパッド210に対する4つの駆動ポイントLF、LB、RF、RBの位置、及び左右の金型120L,120Rの位置の関係を示す図である。 図4は、通常のダイクッション荷重制御を行う場合と特定のダイクッション荷重制御を行う場合の、金型の位置、ダイクッション荷重制御又はダイクッション位置制御される駆動ポイント等を示す図である。 図5は、通常のダイクッション荷重制御を行う場合と特定のダイクッション荷重制御を行う場合の、金型の位置、ダイクッション荷重制御又はダイクッション位置制御される駆動ポイント等のバリエーションを示す図である。 図6は、特定のダイクッション荷重制御を行う場合の、金型の位置、ダイクッション荷重制御又はダイクッション位置制御される駆動ポイント等の他のバリエーションを示す図である。 図7は、図2に示したダイクッション装置におけるダイクッション制御装置の実施形態を示すブロック図である。 図8は、左部品のみの生産時のスライド位置及びダイクッション左前位置を示す波形図である。 図9は、左部品のみの生産時のダイクッション左前位置、ダイクッション右前位置、ダイクッション左後位置、及びダイクッション右後位置を示す波形図である。 図10は、左部品のみの生産時のダイクッション左前位置とダイクッション右前位置との偏差(ダイクッション左前位置-ダイクッション右前位置)を示す波形図である。 図11は、左部品のみの生産時の左前、右前、左後、右後の各駆動軸の荷重を示す波形図である。 図12は、左部品のみの生産時の各駆動軸をそれぞれ駆動する3基のサーボモータの内の代表1基のトルク指令信号を示す波形図である。 図13は、図9の円で示したX部を拡大した図面である。 図14は、図9の円で示したY部を拡大した図面である。 図15は、本発明に係るダイクッション装置の制御方法の実施形態を示すフローチャートである。 図16は、従来のダイクッション装置の課題を説明するために用いた図である。
以下添付図面に従って本発明に係るダイクッション装置及びダイクッション装置の制御方法の好ましい実施形態について詳説する。
[プレス機械]
図1は、本発明が適用されるプレス機械の構成例を示す図である。
図1に示すプレス機械100は、ベッド102、コラム104、及びクラウン(フレーム上部強度部材)106によりフレームが構成され、コラム104に設けられたガイド部108によりスライド110が上下方向(鉛直方向)に移動自在に案内されている。
スライド110は、コンロッド105を介してクランク軸112に連結されており、クランク軸112には、図示しない駆動手段(メカ式の駆動手段ではフライホイールから、サーボ式の駆動手段ではサーボモータから減速機)を介して回転駆動力が伝達される。スライド110は、駆動手段によりクランク軸112が回転駆動されることにより、図1上で上下方向に移動させられる。
また、クランク軸112には、クランク軸112の角度を検出するエンコーダ118が設けられており、エンコーダ118により検出されるクランク軸角度信号に基づいてスライド110の位置信号を換算(検出)し、また、スライド110の位置信号を時間微分することでスライド110の速度信号を検出することができる。
本例のスライド110には、2つの上型120LU、120RUが装着され、ベッド102上のボルスタ103には、2つの上型120LU、120RUに対応する2つの下型120LD、120RDが装着される。
上型120LU、120RUと下型120LD、120RDとの間には、それぞれブランクホルダ(皺押え板)202L、202Rが配置され、ブランクホルダ202L、202Rの下側が複数のクッションピン204を介してクッションパッド210で支持され、ブランクホルダ202L、202Rの上側にはそれぞれ材料10L、10Rがセットされる。
プレス機械100は、スライド110を下降させることにより、上型と下型との間で材料をプレス成形する。後述するダイクッション装置200は、プレス成形される材料の周縁を下側から押圧するものである。
図1に示す例では、スライド110に2つの上型120LU、120RUが装着され、ベッド102上のボルスタ103には、2つの上型120LU、120RUに対応する2つの下型120LD、120RDが装着され、2種類の製品を同時に生成した後、図1上で右側の金型120R(上型120RU,下型120RD)が外され、左側の金型120L(上型120LU,下型120LD)のみが装着され、左側の金型120Lのみで材料10Lを成形する場合に関して示している。
[ダイクッション装置]
図1はダイクッション装置の機械的な要部を示し、図2は本発明に係るダイクッション装置の全体構成を示す図である。
図1において、本例のダイクッション装置200は、ブランクホルダ202L、202Rを、プレス機械100のベッド102及びボルスタ103に挿通される複数本のクッションピン204を介して支持するクッションパッド210と、クッションパッド210を支持する複数の駆動軸を有し、各駆動軸をそれぞれ駆動してクッションパッド210を昇降動作させる複数の油圧シリンダ(液圧シリンダ)220LF、220LB、220RF、220RBとを備えている。
図2に示すように4つの油圧シリンダ220LF、220LB、220RF、220RBは、クッションパッド210に対してそれぞれ左前、左後、右前、右後に配置され、油圧シリンダ220LF、220LB、220RF、220RBの各ピストンロッド220LFa、220LBa、220RFa、220RBaが、クッションパッド210を支持する複数の駆動軸として機能する。
図2に示すように、4つの油圧シリンダ220LF、220LB、220RF、220RBに対し、各油圧シリンダをそれぞれ独立して駆動する油圧装置が設けられている。4つの油圧シリンダ220LF、220LB、220RF、220RB及び油圧装置は、複数の駆動軸をそれぞれ独立して駆動する複数のクッションパッド昇降手段として機能する。
ここで、各油圧シリンダをそれぞれ独立して駆動する油圧装置は、それぞれ同一の構成を有するため、図2では右前の油圧シリンダ220RFの油圧装置のみが図示され、他の油圧装置の図示は省略されている。
したがって、以下、右前の油圧シリンダ220RFの油圧装置について説明する。
油圧シリンダ220RFの油圧装置として、複数の液圧ポンプ/モータ(本例では、3基の油圧ポンプ/モータ(P/M1~P/M3))が設けられ、各油圧ポンプ/モータ(P/M1~P/M3)の回転軸には、それぞれ複数のサーボモータ(本例では、3基のサーボモータ(SM1~SM3))が軸接続されている。尚、各サーボモータ(SM1~SM3)には、それぞれ角速度検出器258が設けられ、各角速度検出器258は、各サーボモータ(SM1~SM3)の回転角速度を示す角速度信号を出力する。
3基の油圧ポンプ/モータ(P/M1~P/M3)の一方のポートは、それぞれ配管232を通じて油圧シリンダ220RFの一方の加圧室であるダイクッション荷重発生側加圧室(上昇側油圧室)に接続され、3基の油圧ポンプ/モータ(P/M1~P/M3)の他方のポートは、それぞれ配管234を通じて、油圧シリンダ220RFの他方の油圧室(ロッド側油圧室)に接続されるとともに、略一定の低圧を保持するアキュムレータ252に接続されている。
また、図2において、油圧シリンダ220RFには、ピストンロッド(駆動軸)に対応するクッションパッド210の昇降方向の位置を検出し、検出した位置を示す位置検出値を出力するダイクッション位置検出器224が設けられている。尚、ダイクッション位置検出器224は、油圧シリンダのピストンロッド(駆動軸)の位置を検出するものに限らず、各駆動軸の近傍のクッションパッド210の位置を検出するものでもよい。
油圧シリンダ220RFの上昇側油圧室に通じる配管232には、油圧シリンダ220RFの上昇側油圧室の圧力を検出し、ダイクッション荷重信号に対応する圧力信号を出力する圧力検出器264が設けられている。
アキュムレータ252は、低圧のガス圧がセットされ、タンクの役割を果たすとともに、逆止弁262を介して略一定の低圧油を油圧シリンダ220RFの上昇側油圧室に供給し、ダイクッション荷重制御時に昇圧しやすくする役割も果す。また、本油圧装置に設けられたリリーフ弁253は、異常圧力発生時(ダイクッション荷重制御が不能で、突発的な異常圧力発生時)に動作し、油圧装置の破損を防止する手段として機能する。
[ダイクッション荷重制御の原理]
各駆動軸に作用するダイクッション荷重は、油圧シリンダの上昇側油圧室の圧力とシリンダ面積の積で表すことができるため、ダイクッション荷重を制御することは、油圧シリンダの上昇側油圧室の圧力を制御することを意味する。
いま、油圧シリンダ・上昇側油圧室の断面積:a
油圧シリンダ・上昇側油圧室の体積:V
ダイクッション圧:P
サーボモータトルク:T
サーボモータの慣性モーメント:I
サーボモータの粘性抵抗係数:DM
サーボモータの摩擦トルク:fM
油圧モータの押し退け容積:Q
スライドから油圧シリンダのピストンロッドに加わる力:Fslide
プレスに押されて発生するクッションパッド速度:v
油圧シリンダのピストンロッド+クッションパッドの慣性質量:M
油圧シリンダの粘性抵抗係数:DS
油圧シリンダの摩擦力:fS
圧油に押されて回転するサーボモータ角速度:ω
作動油の体積弾性係数:K
比例定数:k1、k2
とすると、静的な挙動は、[数1]式及び[数2]式で表すことができる。
[数1]
P=∫K((v・A-3k1Q・ω)/V)dt
[数2]
T=k2・PQ/(2π)
また、動的な挙動は、[数1]式、[数2]式に加えて、[数3]式、[数4]式で表すことができる。
[数3]
PA-F=M・dv/dt+DS・v+fS
[数4]
T-k2・PQ/(2π)=I・dω/dt+DM・ω+fM
上記[数1]式~[数4]式が意味するもの、即ち、スライド110からクッションパッド210を介して油圧シリンダの駆動軸に伝わった力は、油圧シリンダの上昇側油圧室を圧縮し、ダイクッション圧力を発生させる。同時に、ダイクッション圧力によって油圧ポンプ/モータ(P/M1~P/M3)を油圧モータ作用させ、この油圧ポンプ/モータ(P/M1~P/M3)に発生する回転軸トルクがサーボモータ(SM1~SM3)の駆動トルクに抗じたところで、サーボモータ(SM1~SM3)を回転させ、圧力の上昇が抑制される。結局、ダイクッション圧(ダイクッション荷重)は、サーボモータ(SM1~SM3)の駆動トルクに応じて決定される。
図2に示すダイクッション装置200のダイクッション制御装置は、ダイクッション位置指令器302、ダイクッション位置制御器304、ダイクッション荷重指令器306、ダイクッション荷重制御器308、及びトルク指令選択器360から構成されている。
ダイクッション制御装置は、エンコーダ118により検出されるクランク軸角度信号に基づいて算出されたスライド110の位置信号から、スライド110が非加工工程の領域にあるか、又は加工工程の領域にあるかを判断し、スライド110が非加工工程の領域にある場合には、ダイクッション位置制御器304によるダイクッション位置制御状態に切り換え、スライド110が加工工程の領域にある場合には、ダイクッション荷重制御器308によるダイクッション荷重制御状態に切り換える。
ダイクッション位置制御器304は、ダイクッション位置指令器302から出力されるダイクッション位置指令信号と、ダイクッション位置検出器224により検出される各駆動軸のクッションパッドの位置信号(位置検出値)とに基づいて、各サーボモータを駆動するための位置制御用指令信号(トルク指令信号)を生成し、生成したトルク指令信号をトルク指令選択器360及びアンプを介して各サーボモータ(SM1~SM3)に出力し、クッションパッド210の各駆動軸に対応する位置をそれぞれ制御する。尚、ダイクッション位置制御器304は、角速度検出器258により検出される各サーボモータ(SM1~SM3)の角速度(サーボモータ角速度(ω))を示す角速度信号群を入力しており、角速度信号群を用いて、ダイクッション位置の動的安定性を確保するための角速度フィードバック信号として使用する。
動的安定性を確保のために各サーボモータ(SM1~SM3)を速度制御し、クッションパッド210の昇降方向の位置制御を行うことが好ましい。
また、ダイクッション位置制御器304は、後述する特定のダイクッション荷重制御工程の場合、そのダイクッション荷重制御工程中に、複数の駆動軸(本例では、左前、左後、右前、右後の4つの駆動軸)のうちのダイクッション位置制御を行う駆動軸として選択された駆動軸(第2の駆動軸)を位置制御すべく、第2の駆動軸に対応するトルク指令信号を生成する。
ダイクッション荷重制御器308は、ダイクッション荷重指令器306から加えられる各駆動軸に対するダイクッション荷重指令信号と、圧力検出器264により検出される各油圧シリンダの上昇側油圧室の圧力を示す圧力信号とに基づいて、各サーボモータを駆動するための圧力制御用指令信号(トルク指令信号)を生成し、生成したトルク指令信号をトルク指令選択器360及びアンプを介して各サーボモータ(SM1~SM3)に出力し、クッションパッド210の各駆動軸に加えるダイクッション荷重をそれぞれ制御する。尚、ダイクッション荷重制御器308は、角速度検出器258により検出される各サーボモータ(SM1~SM3)の角速度信号群を入力しており、角速度信号群をダイクッション荷重の動的安定性を確保するための角速度フィードバック信号として使用する。
また、ダイクッション荷重制御器308は、特定のダイクッション荷重制御工程の場合、そのダイクッション荷重制御工程中に、複数の駆動軸のうちのダイクッション荷重制御を行う駆動軸として選択された駆動軸(第1の駆動軸)のみをダイクッション荷重制御する。
トルク指令選択器360は、基本的にはスライド110が非加工工程の領域にある場合、ダイクッション位置制御器304により生成されたトルク指令信号を選択し、スライド110が加工工程の領域にある場合、ダイクッション荷重制御器308により生成されたトルク指令信号を選択し、選択したトルク指令信号を後段のアンプに出力する。
また、トルク指令選択器360は、特定のダイクッション荷重制御工程の場合には、複数の駆動軸をそれぞれダイクッション荷重制御するためのトルク指令信号を選択せず、複数の駆動軸のうちのダイクッション荷重制御を行う駆動軸として選択された第1の駆動軸に対して生成されたトルク指令信号のみを選択して出力し、複数の駆動軸のうちのダイクッション位置制御を行う駆動軸として選択された第2の駆動軸に対しては、ダイクッション位置制御器304により生成されたトルク指令信号を選択して出力する。
[特定のダイクッション荷重制御の適用例]
今、自動車のボディーを生産するプレス機械のタンデムラインにおいて、ある車種のあるボディー部位の部品(No.5)が、プレス機械100及びダイクッション装置200(図1、図2)等を使用して生産されているものとする。
図3は、クッションパッド210に対する4つの駆動ポイントLF、LB、RF、RBの位置、及び左右の金型120L,120Rの位置の関係を示す図である。
図3に示すようにボディー部位の部品は、表(No.5L)と裏(No.5R)の2部品で構成されるもので、プレス機械100の左側に表部品用の金型120Lを、プレス機械100の右側に裏部品用の金型120Rを装着し、同時に生産される。
クッションパッド210は、4ポイント駆動式であり、ダイクッション荷重は、各軸共1000kNの設定(つまり左ダイクッション荷重は2000kN、右ダイクッション荷重は2000kN、総ダイクッション荷重は4000kN)である。ダイクッションストロークは、200mmである。
4つの駆動ポイントLF、LB、RF、RBを独立して駆動する駆動軸は、それぞれ3基のサーボモータ(SM1~SM3)に軸接続された油圧ポンプ/モータ(P/M1~P/M3)で駆動される油圧シリンダ220LF、220LB、220RF、220RBのピストンロッドである。また、材料の板厚は左が1.2mm、右が1.6mmである。
そして、生産が規定数(例えば、5000個)を満了し終了したところで困ったことが生じた。プレスラインの後工程で、生産とほぼ同時進行で(やや遅れて)行われた製品の品質検査において、表部品(L)に複数個(例えば、45個)の表面の一部に破損(不良)が発覚した。裏部品(R)は全て正常であった。
この時、次の金型による別の部品生産を開始する前に、45個の不良の表部品(L)を補うために、45個の表部品(L)を早急に追加生産しなくてはならない(状況X)。 この状況Xにおいて、左右の金型120L,120Rによる左右部品の同時(2個取り)生産の場合、左部品だけ生産することはできず、余分な右部品も同時に生産しなくてはならなかった(状況Y)。
もし、右側に材料をセットせず空打ちすれば、材料の(成形を考慮した)板厚分、クッションパッド210が傾き(左側が沈むように傾き)、左部品の生産に不良が生じると共に、機械(例えば、クッションパッド210を駆動する各駆動軸)が損傷する等、支障をきたすからである。
<本発明の概要>
本発明は、特定のダイクッション荷重制御を実行し、例えば、状況Xにおいて、左右部品の同時(2個取り)生産の場合、左側の金型120Lのみを引き続き使用し、左部品だけを良好に生産可能にし、余分な右部品は同時に生産しなくて済むようにすることにある(状況Z)。
図4は、通常のダイクッション荷重制御を行う場合と特定のダイクッション荷重制御を行う場合の、金型の位置、ダイクッション荷重制御又はダイクッション位置制御される駆動ポイント等を示す図である。
図4(A)は左右部品を同時に生産する通常生産の場合を示し、図4(B)は左部品のみを生産する状況Zの場合を示す。尚、図4において、円内に記載した記号Aは、ダイクッション荷重制御される駆動ポイントを示し、記号Bは、ダイクッション位置制御される駆動ポイントを示す。
図4(A)に示す通常生産の場合、ダイクッション荷重工程中にクッションパッド210に対する4つの駆動ポイントLF、LB、RF、RBは、全てダイクッション荷重制御される駆動ポイントAとされる。
一方、図4(B)に示す状況Zの場合、ダイクッション荷重制御工程中に4つの駆動ポイントLF、LB、RF、RBのうちの左側の金型120Lに対応する駆動ポイントLF、LBは、ダイクッション荷重制御される駆動ポイントAとされ、右側の金型120Rに対応する駆動ポイントRF、RBは、ダイクッション位置制御される駆動ポイントBとされる。
即ち、図4(B)に示す状況Zの場合、ダイクッション荷重制御工程中にクッションパッドを駆動する複数の駆動軸のうちのダイクッション荷重制御を行う駆動軸として選択された駆動軸(第1の駆動軸)のみをダイクッション荷重制御する特定のダイクッション荷重制御が実施される。
特定のダイクッション荷重制御では、複数の駆動軸のうちの第1の駆動軸以外の駆動軸(第2の駆動軸)については、ダイクッション荷重制御工程中にダイクッション位置制御が行われる。また、この場合のダイクッション位置制御は、ダイクッション位置制御する第2の駆動軸に隣接する第1の駆動軸のダイクッション(クッションパッド)位置を位置制御上の目標値として制御する。
状況Zの場合、オペレータが、図示しないダイクッション操作画面で、“左側のみ生産”ボタンを押せば、特定のダイクッション荷重制御が実施され、左側の金型120Lのみが使用され、左部品だけが生産される。
これにより、右側に材料をセットせずとも(更に右側に金型が装着されてなくとも)、右側2つの駆動ポイントRF,RBに対応する各駆動軸には成形中常時、クッションパッド210を平行に保持しようとする力が作用する為、左部品のみの生産が良好に行われると共に、機械(例えば、クッションパッド210を駆動する各駆動軸)が損傷することも無い。
図5は、通常のダイクッション荷重制御を行う場合と特定のダイクッション荷重制御を行う場合の、金型の位置、ダイクッション荷重制御又はダイクッション位置制御される駆動ポイント等のバリエーションA~Hを示す図である。
バリエーションA、B、Eは、それぞれ通常のダイクッション荷重制御を行う場合の、クッションパッド210に対する金型(120、120L、120R、120’、120LF、120RB)の位置等を示している。これらの金型の位置の場合、4つの駆動ポイントは、ダイクッション荷重制御工程中に全てダイクッション荷重制御される駆動ポイントAである。
一方、バリエーションC、D、F、G、Hは、それぞれ特定のダイクッション荷重制御を行う場合の、クッションパッド210に対する金型(120R、120LF、120RF、120RB)の位置等を示している。特定のダイクッション荷重制御工程は、クッションパッド210の中心に対して金型が偏った位置に配置される場合のダイクッション荷重制御工程、又は複数の駆動軸のうちの一部の駆動軸上に材料が存在しない場合のダイクッション荷重制御工程を含む。
バリエーションGは、図4(B)に示した例に該当し、左部品だけを生産する場合の金型120Lの位置等を示しており、左側の駆動ポイントを、ダイクッション荷重制御工程中にダイクッション荷重制御される第1の駆動軸に対応する駆動ポイントAとし、右側の駆動ポイントを、ダイクッション荷重制御工程中に、それぞれ隣接する左側の駆動ポイントAのダイクッション位置を位置制御上の目標値としてダイクッション位置制御される第2の駆動軸に対応する駆動ポイントBとしている。
バリエーションCは、バリエーションGとは逆に右部品だけを生産する場合の金型120Rの位置等を示しており、右側の駆動ポイントを、ダイクッション荷重制御工程中にダイクッション荷重制御される第1の駆動軸に対応する駆動ポイントAとし、左側の駆動ポイントを、ダイクッション荷重制御工程中に、それぞれ隣接する右側の駆動ポイントAのダイクッション位置を位置制御上の目標値としてダイクッション位置制御される第2の駆動軸に対応する駆動ポイントBとしている。
バリエーションD、F、Hは、それぞれ金型(120LF、120RF、120RB)の投影面内に1つの駆動ポイントを有し、その駆動ポイントを、ダイクッション荷重制御工程中にダイクッション荷重制御される第1の駆動軸に対応する駆動ポイントAとし、他の駆動ポイントを、ダイクッション荷重制御工程中に、隣接する駆動ポイントAのダイクッション位置を位置制御上の目標値としてダイクッション位置制御される第2の駆動軸の駆動ポイントBとしている。
図6は、特定のダイクッション荷重制御を行う場合の、金型の位置、ダイクッション荷重制御又はダイクッション位置制御される駆動ポイント等の他のバリエーションI-Jを示す図である。
図6に示すバリエーションI-Jは、左右に2分割されたクッションパッド210L、210Rを有し、各クッションパッド210L、210Rをそれぞれ4基の駆動軸により駆動するダイクッション装置に適用されるもので、左右のクッションパッド210L、210Rに跨がった位置に、金型120、120’が配置されている。
バリエーションIは、金型120の投影面の内側に4つの駆動ポイントを有し、これらの駆動ポイントを、ダイクッション荷重制御工程中にダイクッション荷重制御される第1の駆動軸に対応する駆動ポイントAとし、金型120の投影面の外側の駆動ポイントを、ダイクッション荷重制御工程中に、隣接する駆動ポイントAのダイクッション位置を位置制御上の目標値としてダイクッション位置制御される第2の駆動軸の駆動ポイントBとしている。
バリエーションJは、金型120’に近接する左側のクッションパッド210Lの右前の駆動ポイント、及び右側のクッションパッド210Rの左前の駆動ポイントを、ダイクッション荷重制御工程中にダイクッション荷重制御される第1の駆動軸に対応する駆動ポイントAとし、他の駆動ポイントを、ダイクッション荷重制御工程中に、隣接する駆動ポイントAのダイクッション位置を位置制御上の目標値としてダイクッション位置制御される第2の駆動軸の駆動ポイントBとしている。
[ダイクッション制御装置]
図7は、図2に示したダイクッション装置200におけるダイクッション制御装置の実施形態を示すブロック図である。尚、ダイクッション制御装置におけるダイクッション荷重制御に関しては、状況Xのために金型120Lにより左部品のみを生産する場合の特定のダイクッション荷重制御を行う場合について説明する。
このダイクッション制御装置は、図に示したようにダイクッション位置指令器302、ダイクッション荷重指令器306、及び左前、左後、右前、右後の4基の駆動軸にそれぞれ対応する4つのダイクッション制御器(左前ダイクッション制御器300LF、右前ダイクッション制御器300RF、左後ダイクッション制御器300LB、右後ダイクッション制御器300RB)から構成されている。
4つのダイクッション制御器は、それぞれ同一の構成を有するため、図7では、右前ダイクッション制御器300RFのみ詳細に示している。
右前ダイクッション制御器300RFは、ダイクッション位置制御器304、ダイクッション荷重制御器308、及びトルク指令選択器360から構成されている。
ダイクッション位置指令器302は、エンコーダ118により検出されるクランク軸角度信号に基づいて算出されたスライド110の位置信号からスライド110が非加工工程の領域にあると判断されると、スライド110の位置信号に基づいてクッションパッド210の位置指令値を出力する。
本例では、ダイクッション位置指令器302は、予め設定したクッションパッド待機位置にクッションパッド210を待機させる位置制御中にはクッションパッド待機位置を示す位置指令値を出力し、ダイクッション荷重作用時の衝突における衝撃(力)を低減させる為に、クッションパッド210をクッションパッド待機位置からプリ加速する場合には、クッションパッド210をプリ加速させる位置指令値を出力し、スライド110が下死点に到達し、ダイクッション荷重制御が終了すると、製品のノックアウトを行うとともに、クッションパッド210をダイクッション待機位置に復帰させるための位置指令値を出力する。
ダイクッション位置制御器304は、位置指令選択器310、位置制御器320、安定化制御器330、フィードフォワード補償器350、及び加算器341-343から構成されている。
位置指令選択器310は、入力Aに加えられるダイクッション位置制御器304からの位置指令値、及び入力Bに加えられるダイクッション位置検出器224により検出される左前駆動軸の駆動ポイントLFにおけるクッションパッド210の位置信号(位置検出値)のうちのいずれか一方を選択する。ここで、入力Bに加えられる位置検出値は、特定のダイクッション荷重制御工程中にダイクッション荷重制御される駆動ポイントであって、右前ダイクッション制御器300RFの駆動ポイントRFに隣接する左前の駆動ポイントLFにおける位置検出値である。
位置指令選択器310は、ダイクッション荷重工程以外の場合、及びダイクッション荷重工程中に右前の駆動軸をダイクッション荷重制御を行う第1の駆動軸として選択されている場合には、スイッチSWprを入力Aに切り換え、ダイクッション位置制御器304から入力する位置指令値を選択し、ダイクッション荷重工程中に右前の駆動軸をダイクッション位置制御を行う第2の駆動軸として選択されている場合には、スイッチSWprを入力Bに切り換え、左前駆動軸の位置検出値をダイクッション位置制御の目標値(位置指令値)として選択する。
本例では、状況Xのために金型120Lにより左部品のみを生産することとしているため、位置指令選択器310は、ダイクッション荷重工程中に右前の駆動軸をダイクッション位置制御を行う第2の駆動軸として選択し、左前駆動軸の位置検出値を位置指令値として選択出力する。
位置制御器320は、減算器322及び位置制御補償器324を有している。減算器322の正入力には、位置指令選択器310により選択された位置指令値が加えられ、負入力には右前のダイクッション位置検出器224により検出されたクッションパッド210の右前の駆動ポイントRFの位置検出値が加えられており、減算器322は位置指令値に対する位置検出値の偏差(位置偏差)を演算し、演算した位置偏差を低減させるべく位置制御補償器324に出力する。
位置制御補償器324は、位置偏差に対して比例する補償量に位置偏差の積分量に比例する補償量等を加算し、位置偏差の低減を助長する信号を演算する。
安定化制御器330は、3つの減算器(331A~333A)及び3つの安定化制御補償器(331B~333B)を有しており、位置制御器320だけでは、位置指令値から位置検出値に至るダイクッション位置制御系の一巡伝達関数(オープンループ)の位相遅れが大きくなり、位置制御機能が不安定化する問題を改善する役割を担う。
各減算器(331A~333A)の正入力には、位置制御器320により演算された信号が加えられ、負入力には角速度検出器258により検出された各サーボモータ(SM1~SM3)の角速度を示す角速度信号(FR1~FR3)がそれぞれ角速度フィードバック信号として加えられており、各減算器(331A~333A)は、2入力信号の偏差(角速度偏差)を演算し、演算した角速度偏差を安定化制御補償器(331B~333B)に出力する。
各安定化制御補償器(331B~333B)は、各減算器(331A~333A)により演算された角速度偏差に対して比例する補償量に角速度偏差の積分量に比例する補償量等を加算する等し、角速度偏差の低減を助長する信号をそれぞれ演算する。
各安定化制御補償器(331B~333B)により演算された信号は、各サーボモータ(SM1~SM3)のトルク指令信号としてそれぞれ加算器(341~343)に出力される。
フィードフォワード補償器350は、微分要素352、位相進ませ補償要素354、調整器356、及びスイッチSWf1、SWf2を有し、クッションパッド210の位置制御中における、位置指令値と位置検出値の偏差を低減させる役割を担う。特に、右前のフィードフォワード補償器350は、ダイクッション荷重工程中に、右前の駆動軸がダイクッション位置制御を行う第2の駆動軸として選択された場合にスイッチSWf1がONされ、フィードフォワード補償が機能する。
フィードフォワード補償器350の微分要素162は、位置指令選択器310により入力Bの位置検出値(位置指令値)が選択された場合に、その位置指令値を時間微分した結果を出力する。ここで、微分要素162の伝達関数は、単にS(Sはラプラス演算子)ではなく、ωaS/(S+ωa)としている。微分に角周波数ωaのローパスフィルタを乗じている理由は、デジタル(離散値)演算における限られた演算周期内で滑らかに時間微分演算を処理する為の工夫である。
尚、ダイクッション荷重制御工程中の左前、左後の駆動軸のダイクッション位置(=ダイクッション位置指令)信号の微分信号は、ダイクッション荷重制御工程中のスライド速度信号とほぼ同等であり、ダイクッション位置信号の微分信号と、スライド速度信号を置き換えて使用することも可能である。
フィードフォワード補償器350内で機能させる位相補償要素は、左側の上型120LUが材料10L、下型120LD-ブランクホルダ202、クッションピン204を介して、クッションパッド210に衝突した際と、下死点近傍で上型120LUと下型120LDが胴体接触しプレスフレームが伸長し始め、左部品の成形が完了し、左側のダイクッション荷重が除荷する際に、右前の駆動軸の位置指令値として機能する左前の駆動軸の位置検出値、左後の駆動軸の位置検出値が急変化する際に、それぞれ特定の高周波数成分を含み、それに対して位置偏差が極小になるように補償する役割を担う。
位相進ませ補償要素354は、入力信号の位相を進ませる補償要素であり、その伝達関数が、(1+T・S)/(1+T・s)で表される。T及びT(ただしT<T)は、それぞれ定数であり、特定の高周波数成分に応じて適宜設定されることが好ましい。
位相進ませ補償要素354は、位置制御器320や安定化制御器330等のクローズドループを構成する補償要素に対して直列に配置せず、オープンループを構成するフィードフォワード補償器350に直列に配置することを特徴とする。こうすることで、位置制御系自体がノイズを増幅せず不安定に陥ることは無い。
スイッチSWf2は、微分要素352の出力信号が加えられる入力x、又は微分要素352の出力信号と位相進ませ補償要素354の出力信号が加えられる入力yを選択し、選択した信号を後段の調整器356に出力する。尚、スイッチSWf2は、ダイクッション荷重工程の開始時及び終了時の一定期間は入力yに切り換えられ、それ以外の期間は、入力xに切り換えられるが、スイッチSWf2の切り換えタイミング等の詳細については後述する。
調整器356は、スイッチSWf2を介して入力する信号のゲインを調整する。微分要素352と調整器356は、安定化制御器330に因る安定化の代償(副作用)であるサーボモータ角速度信号の、(見かけ上サーボモータの速度指令信号に相当する)位置制御補償器324からの出力信号に対する位相遅れ量を補償する。
スイッチSWf1は、前述したように右前の駆動軸がダイクッション位置制御を行う第2の駆動軸として選択された場合の、ダイクッション荷重工程中にONされ、右前のフィードフォワード補償器350を機能させる。スイッチSWf1を介して出力されるフィードフォワード補償器350からの出力信号は、それぞれ加算器(341~343)に出力される。
加算器341~343の他の入力には、安定化制御器330の各安定化制御補償器(331B~333B)により演算された信号が、各サーボモータ(SM1~SM3)のトルク指令信号として加えられており、加算器341~343は、フィードフォワード補償器350が機能している場合(即ち、スイッチSWf1がONされている場合)には、各サーボモータ(SM1~SM3)のトルク指令信号にフィードフォワード補償器350からの出力信号を加算し、その加算結果をトルク指令選択器360に出力し、フィードフォワード補償器350が機能していない場合(即ち、スイッチSWf1がOFFされている場合)には、各安定化制御補償器(331B~333B)により演算された各サーボモータ(SM1~SM3)のトルク指令信号をそのままトルク指令選択器360に出力する。
トルク指令選択器360の他の入力Fには、ダイクッション荷重制御器308により生成された各サーボモータ(SM1~SM3)へのトルク指令信号が加えられている。
トルク指令選択器360は、基本的にはスライド110が非加工工程の領域にある場合、ダイクッション位置制御器304により生成されたトルク指令信号を選択し、スライド110が加工工程の領域にある場合、ダイクッション荷重制御器308により生成されたトルク指令信号を選択し、選択したトルク指令信号(RF1~RF3)をアンプを介して各サーボモータ(SM1~SM3)に出力する。
また、トルク指令選択器360は、クッションパッド210の右前の駆動軸をダイクッション荷重制御器308によるダイクッション荷重制御を行う第1の駆動軸とするか、又はダイクッション位置制御器304によるダイクッション位置制御を行う第2の駆動軸とするかを選択する選択器としても機能する。
即ち、特定のダイクッション荷重制御工程が実施される右前の駆動軸に対する右前ダイクッション制御器300RFのトルク指令選択器360は、ダイクッション荷重制御工程中も、ダイクッション位置制御器304により生成された入力P側のトルク指令信号を選択することで、右前の駆動軸をダイクッション位置制御を行う第2の駆動軸として選択する。
一方、各駆動軸のダイクッション荷重制御器308は、本発明の主旨とは直接関係しない為、以下、簡単に説明する。
右前ダイクッション制御器300RFのダイクッション荷重制御器308には、ダイクッション荷重指令器306からのダイクッション荷重指令信号と、右前の駆動軸に対応する右前の油圧シリンダ220RFの上昇側油圧室の圧力を検出する圧力検出器264からの圧力信号とが加えられている。
ダイクッション荷重制御器308は、入力するダイクッション荷重指令信号と圧力信号とに基づいて、右前の油圧シリンダ220RFに対応して設けられた3基のサーボモータ(SM1~SM3)をそれぞれ駆動するための圧力制御用指令信号(トルク指令信号)を生成し、生成したトルク指令信号をトルク指令選択器360に出力する。
ダイクッション荷重制御器308は、ダイクッション位置制御器304の安定化制御器330と同様に、図示しない安定化制御器が設けられており、各サーボモータ(SM1~SM3)の角速度を示す角速度信号(FR1~FR3)を、各サーボモータ(SM1~SM3)をそれぞれ駆動するためのトルク指令信号の生成に使用する。
尚、右前ダイクッション制御器300RFのダイクッション荷重制御器308は、右前の油圧シリンダ220RFにダイクッション荷重を発生させるためのトルク指令信号を生成するが、本例では、右前の油圧シリンダ220RFは、ダイクッション荷重工程中にダイクッション位置制御されるため(トルク指令選択器360は、ダイクッション位置制御器304からのトルク指令信号を選択するため)、ダイクッション荷重制御器308によるトルク指令信号の生成動作は停止させてもよい。
また、本例の場合、右後ダイクッション制御器300RBは、右前ダイクッション制御器300RFと同様にダイクッション荷重工程中に、右後の油圧シリンダ220RBを、ダイクッション位置制御器304からのトルク指令信号により位置制御する。
一方、左前ダイクッション制御器300LF及び左後ダイクッション制御器300LBは、それぞれダイクッション荷重工程中にダイクッション荷重制御器308からのトルク指令信号による通常のダイクッション荷重制御を行う。
[ダイクッション装置の作用]
次に、図8から図12を参照しながら、ダイクッション装置200の作用について説明する。尚、図8から図12は、左部品だけを生産する場合(状況Zの場合)の、成形(ダイクッション荷重制御)工程と製品ノックアウト工程における、主要物理量を経過時間に対して示した図である。
図8は、左部品のみの生産時のスライ位置及びダイクッション左前位置を示す波形図である。ダイクッション左前位置は、左前の駆動軸で駆動させる左前の駆動ポイントに相当するクッションパッド位置を示す。
図9は、左部品のみの生産時のダイクッション左前位置、ダイクッション右前位置、ダイクッション左後位置、及びダイクッション右後位置を示す波形図である。
これらの位置は、サイクルを通して基本的に、ダイクッション開始位置指令やノックアウト時のノックアウト速度設定を積分して得られるノックアウト位置指令等、共通のダイクッション位置指令信号に追従させるべく位置制御されるが、ダイクッション荷重制御工程では、ダイクッション右前位置及びダイクッション右後位置が、それぞれダイクッション左前位置及びダイクッション左後位置を位置指令値として、それに対して位置偏差が(可能な限り)0になるように位置制御される。
尚、図9上では、上記4つの位置は、略一致しており、クッションパッド210は水平に保持されている。
図10は、左部品のみの生産時のダイクッション左前位置とダイクッション右前位置との偏差(ダイクッション左前位置-ダイクッション右前位置)を示す波形図である。この偏差の絶対値は、最大でも1mm程度に収まっている。
図11は、左部品のみの生産時の各(左前、右前、左後、右後)駆動軸の荷重を示す波形図である。
図11に示すように左前、左後の各駆動軸の荷重は略一致し、右前、右後の各駆動軸の荷重は略一致している。
また、荷重は、ダイクッション荷重を制御する駆動軸(本ケースでは、左前の駆動軸と左後の駆動軸)に関しては、ダイクッション荷重作用工程おいてダイクッション荷重を意味する。
図12は、左部品のみの生産時の各駆動軸をそれぞれ駆動する3基のサーボモータの内の代表1基のトルク指令信号を示す波形図である。
図12に示すように左前、左後の各駆動軸を駆動するサーボモータへのトルク指令信号は略一致しており、右前、右後の各駆動軸を駆動するサーボモータへのトルク指令信号は略一致している。
図13及び図14は、それぞれ図9の円で示したX部及びY部を拡大した図面である。
<クッションパッド待機工程>
図8等に示す2.3秒付近では、クッションパッドは、クッションピンを介して左右それぞれの下型内-ブランクホルダを、ダイクッション開始スライド位置200mmに保持している。左のブランクホルダ上には材料を搭載し、右のブランクホルダ上には材料を搭載しない状態で待機している。
この時、図7に示したダイクッション制御装置において、各駆動軸のトルク指令選択器360のスイッチSWtrは入力P側の位置制御用のトルク指令信号を選択し、ダイクッション位置制御器304が機能している。
各駆動軸のダイクッション位置制御器304では、位置指令選択器310のスイッチSWprは入力A側に切り換えられ、ダイクッション位置指令値として、ダイクッション位置指令器302から出力されるダイクッション開始位置(待機位置)指令信号が選択されている。
フィードフォワード補償器350では、スイッチSWf1がOFFにされ、フィードフォワード補償は機能していない。
各駆動軸のダイクッション位置制御器304で生成された位置制御用のトルク指令信号は、トルク指令選択器360を介して各駆動軸をそれぞれ駆動する3基のサーボモータ(SM1~SM3)へのトルク指令信号(LF1~LF3,LB1~LB3,RF1~RF3,RB1~RB3)として出力される。これにより、各駆動軸は、クッションパッド210が所定のクッションパッド待機位置で待機するように位置制御される。
このダイクッション位置制御によるクッションパッド待機工程中(2.3秒付近)では、例えば、図10に示すようにダイクッション前側の左右の位置偏差はほぼ0である。また図12に示すように各駆動軸を駆動する各代表サーボモータのトルク信号も同調している。
<成形開始直前のプリ加速工程>
図13に示すように、2.55秒付近では、クッションパッドは、成形開始時に左側の上型120LUと下型120LD-ブランクホルダ202Lが材料10Lを介して衝突する際の衝撃を緩和する為に、下方に僅かに加速している。
この時、図7に示したダイクッション制御装置において、各駆動軸のトルク指令選択器360のスイッチSWtrは入力P側の位置制御用のトルク指令信号を選択し、ダイクッション位置制御器304が機能している。
各駆動軸のダイクッション位置制御器304では、位置指令選択器310のスイッチSWprは入力A側に切り換えられ、ダイクッション位置指令値として、ダイクッション位置指令器302から出力されるプリ加速用ダイクッション位置指令値が選択される。
フィードフォワード補償器350では、スイッチSWf1がOFFにされ、フィードフォワード補償は機能していない。
結局、プリ加速工程では、位置制御器320とサーボモータ毎の安定化制御器330が機能し、各駆動軸のダイクッション位置は、共通のプリ加速用位置指令信号に追従するように位置制御され、同調している。
例えば、図10において、ダイクッション前側の左右の位置偏差は-0.03mm程度である。また,図12において、各駆動軸を駆動する各代表サーボモータのトルク指令信号も(負の値を示しながら)同調している。
<(左側)成形(ダイクッション荷重制御)工程>
図11に示すように2.6秒~3.41秒付近では、クッションパッドの左側にはダイクッション荷重が作用し、左部品の成形が進展する。クッションパッドの右側には、クッションパッドが左右方向に傾かないよう均衡を維持する操作力がダイクッション位置制御により作用する。
この時、図7に示したダイクッション制御装置において、右前の駆動軸、右後の駆動軸の位置指令選択器310RF、310RBの各SWprは入力B側に切り換えられ、ダイクッション位置指令値として、それぞれスライドによって間接的に押し下げられるダイクッション荷重制御中の左前の駆動軸の位置信号、左後の駆動軸の位置信号が位置指令値(位置制御の目標値)として使用される。
フィードフォワード補償器350では、スイッチSWf1がONにされ、フィードフォワード補償が機能する。
フィードフォワード補償器350は、左側の上型120LUが材料10L、下型120LD-ブランクホルダ202L、クッションピン204を介して、クッションパッド210に衝突した時、図9のX部(図13)では、フィードフォワード補償器350内のスイッチSWf2が、2.59秒の時点から0.03秒間、入力y側に切り換えられ、時定数がそれぞれT1X、T2X(ただしT1X<T2X)の位相進ませ補償要素354を作用させる。
このことは、図12において、サーボモータ右前及び右後のトルクが負側に大きく変化し、クッションパッドの左側を強く下方に加速している作用に関与している。
その後、スイッチSWf2は、一旦、入力x側に切り換えられ、下死点近傍(図のY部(図14)で再度、入力y側に切り換えられ、上下金型の胴体接触開始直前から左側のダイクッション荷重が除荷直後までの0.02秒程度の期間、時定数がそれぞれT1Y、T2Y(ただしT1Y<T2Y)の位相進ませ補償要素354を作用させる。
結局、成形工程中は、位置制御器320、サーボモータ毎の安定化制御器330、フィードフォワード補償器350が機能し、右前及び右後の駆動軸のダイクッション位置は、ダイクッション荷重制御されている第1の駆動軸のダイクッション位置(目標値)との偏差が少なく追従するように位置制御されながら、同調している。
このように特定のダイクッション荷重制御工程において、ダイクッション位置制御される第2の駆動軸に対するトルク指令信号を演算する場合、目標値と位置検出値とに基づいて第2の駆動軸に対応するサーボモータのトルク指令信号を演算し、演算したトルク指令信号にフィードフォワード補償器350により演算したフィードフォワード補償量を加算することで、目標値に対して±2mm以内になるようにダイクッション位置の制御を可能にしている。
本例では、図10に示すように目標値に対して、約-1.2mm~0mmの位置偏差以内に制御されている。
尚、目標値に対して±2mm以内に位置制御する理由は、±2mmを超えると、本例のダイクッション装置に設定されているクッションパッドの許容の傾き角を超えることになり、ダイクッション装置が異常停止することになるからである。
また、本例では、特定のダイクッション荷重工程中にダイクッション位置制御が行われる駆動軸(第2の駆動軸)は、右前、右後の駆動軸であり、これらの駆動軸をダイクッション位置制御する場合、それぞれダイクッション荷重制御される左前、左後の駆動軸(第1の駆動軸)のうち、隣接する(より近い)駆動軸のダイクッション(クッションパッド)位置を位置制御上の目標値としているが、これに限らず、2以上の第1の駆動軸の対応する各ダイクッション位置検出器により検出された2以上の位置検出値の平均値を共通の目標値として使用してもよい。
<ノックアウト工程>
図8等に示す3.41秒付近以降では、クッションパッドは、ダイクッション位置制御により成形後の製品を搭載し、所定の(予め設定された)ノックアウト速度で、ダイクッション開始スライド位置(待機位置)まで、上昇(ノックアウト動作)する。
この時、図7に示したダイクッション制御装置において、各駆動軸のトルク指令選択器360のスイッチSWtrは入力P側の位置制御用のトルク指令信号を選択し、ダイクッション位置制御器304が機能している。
各駆動軸のダイクッション位置制御器304では、位置指令選択器310のスイッチSWprは入力A側に切り換えられ、ダイクッション位置指令値として、ダイクッション位置指令器302から出力されるノックアウト用位置指令信号が選択される。
フィードフォワード補償器350では、スイッチSWf1がOFFにされ、フィードフォワード補償は機能していない。
結局、ノックアウト工程では、位置制御器320とサーボモータ毎の安定化制御器330が機能し、各駆動軸のダイクッション位置は、共通のノックアウト用位置指令信号に追従するように位置制御され、同調している。
尚、本例では、左右方向の金型配置のみ自在にする制御器の例を示しているが、前後方向の金型配置をも自在にする制御器も、本例と同様の考え方で構築可能であることは言うまでもない。
<ダイクッション装置の制御方法>
図15は、本発明に係るダイクッション装置の制御方法の実施形態を示すフローチャートである。
図15は、特に図1、図2に示したダイクッション装置200の制御方法を示す図であり、左側の金型120Lにより左部品のみを生産する場合(状況Zの場合)に関して示している。
図15において、クッションパッド210を駆動する4つの油圧シリンダ(220LF,220LB,220RF,220RB)に対応する左前、左後、右前、右後の4つの駆動軸をそれぞれ個別に、ダイクッション荷重制御器308によるダイクッション荷重制御を行う第1の駆動軸とするか、又はダイクッション位置制御器304によるダイクッション位置制御を行う第2の駆動軸とするかを選択する(ステップS10)。
この選択は、例えば、ダイクッション操作画面で、“左側のみ生産”が割り当てられたボタンを押すことで選択可能であり、その選択結果に応じて各駆動軸のトルク指令選択器360でのトルク指令信号の選択や、位置指令選択器310(図7)での位置指令値の選択等が行われる。本例では、左側の油圧シリンダ(220LF,220LB)に対応する2つの駆動軸が第1の駆動軸として選択され、右側の油圧シリンダ(220RF,220RB)に対応する2つの駆動軸が第2の駆動軸として選択される。
続いて、各駆動軸のダイクッション位置制御器304は、クッションパッド210が所定のクッションパッド待機位置で待機するように各駆動軸を位置制御する(ステップS12)。
クッションパッド待機中に、ダイクッション制御装置は、スライド110の位置を示すスライド位置信号に基づいてスライド110がプリ加速位置に達した否かを判別する(ステップS14)。スライド110の位置がプリ加速位置に達すると、各駆動軸のダイクッション位置制御器304は、プリ加速用ダイクッション位置指令値に基づいてクッションパッド210の位置を制御する(クッションパッド210をプリ加速させる)(ステップS16)。
プリ加速中に、ダイクッション制御装置は、スライド110の位置を示すスライド位置信号に基づいてスライド110が金型120L、材料等を介してクッションパッド210に衝突する位置に達した否かを判別する(ステップS18)。スライド110の位置がクッションパッド210に衝突する位置に達すると、各駆動軸に対応する4つのダイクッション制御器は、それぞれの制御対象の駆動軸が第1の駆動軸か又は第2の駆動軸かに応じて、ダイクッション荷重工程中の制御方法が分岐する(ステップS20)。
本例では、左前及び左後のダイクッション制御器は、第1の駆動軸として選択された各駆動軸をダイクッション荷重制御器308により制御し(ステップS22)、右前及び右後のダイクッション制御器は、第2の駆動軸として選択された各駆動軸をダイクッション位置制御器304により制御する。
この場合のダイクッション位置制御器304によるダイクッション位置制御は、第2の駆動軸に隣接する第1の駆動軸に対応するダイクッション位置検出器により検出された位置検出値を目標値として使用する。本例では、右前の駆動軸に対応するダイクッション位置制御器304は、ダイクッション荷重制御されている左前の駆動軸に対応するダイクッション位置検出器により検出された位置検出値を目標値として使用し、右後の駆動軸に対応するダイクッション位置制御器304は、ダイクッション荷重制御されている左後の駆動軸に対応するダイクッション位置検出器により検出された位置検出値を目標値として使用する。
続いて、ダイクッション制御装置は、ダイクッション荷重制御が終了したか否か(スライド110が所定の下死点近傍域に到達したか)を判別する(ステップS26)。ダイクッション荷重制御が終了すると、各駆動軸のダイクッション位置制御器304は、ノックアウト用ダイクッション位置指令値に基づいてクッションパッド210の位置を制御する(ステップS28)。
クッションパッド210が待機位置に達すると、プレス運転を終了するか否かが判別され(ステップS32)、終了しないと判別されると、ステップS12に遷移し、ステップS12からステップS32の処理を繰り返す。終了すると判別されると、状況Zの場合の左部品の生産を終了する。
[その他]
本実施形態では、ダイクッション操作画面で“左側のみ生産”ボタンを押すことで、特定のダイクッション荷重制御工程中に左前、左後、右前、右後の4つの駆動軸のうちのいずれの駆動軸をダイクッション荷重制御を行う第1の駆動軸とするか、又はダイクッション荷重制御を行わない第2の駆動軸(ダイクッション位置制御を行う第2の駆動軸)とするかを手動で選択し、その選択結果によりトルク指令選択器360、位置指令選択器310での選択が行われるようにしたが、これに限らず、第1の駆動軸又は第2の駆動軸の選択(認識)は、クッションパッド待機(位置制御)中に各駆動軸に対応する油圧シリンダの圧力を比較演算し、金型-ブランクホルダの質量をいずれの駆動軸が負担しているか判断することよって、あるいはボルスタ上の各部位に(金型が装着されていることを検出する複数の)エリアセンサを装着し、それらの信号を比較演算し、金型が装着されているエリアを認識することによって、自動で行うことも可能である。
また、本実施形態では、クッションパッドを昇降動作させる油圧シリンダ、及び油圧ポンプ/モータの作動液として油を使用した場合について説明したが、これに限らず、水やその他の液体を使用してもよい。
更に、クッションパッドを昇降動作させるクッションパッド昇降手段は、油圧シリンダ、油圧ポンプ/モータ及びサーボモータにより構成されているが、これに限らず、ダイクッション荷重制御、及びダイクッション位置制御が可能なものであれば、例えば、クッションパッドを昇降させるスクリューナット機構と、このスクリューナット機構を駆動するサーボモータを用いた機構や、クッションパッドを昇降させるラック・アンド・ピニオン機構と、このラック・アンド・ピニオン機構を駆動するサーボモータで基本構成されるものでもよく、本発明はサーボダイクッション装置であれば、いかなるものにも適用することができる。
また、ダイクッション装置の1つのクッションパッドに対する駆動軸の数は、本例の4つに限らず、2以上であればよく、クッションパッドは、複数に分割(例えば、図6に示した左右2分割)されたものでもよい。
更にまた、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
10L、10R 材料
100 プレス機械
102 ベッド
103 ボルスタ
104 コラム
105 コンロッド
108 ガイド部
110 スライド
112 クランク軸
118 エンコーダ
120 金型
120' 金型
120L 金型
120LD 下型
120LU 上型
120R 金型
120RD 下型
120RU 上型
162 微分要素
200 ダイクッション装置
200mm ダイクッション開始スライド位置
202L、202R ブランクホルダ
204 クッションピン
210、210L、210R クッションパッド
220LF、220LB、220RF、220RB 油圧シリンダ
220LFa、220LBa、220RFa、220RBa ピストンロッド
224 ダイクッション位置検出器
232 配管
234 配管
252 アキュムレータ
253 リリーフ弁
258 角速度検出器
262 逆止弁
264 圧力検出器
300LB 左後ダイクッション制御器
300LF 左前ダイクッション制御器
300RB 右後ダイクッション制御器
300RF 右前ダイクッション制御器
302 ダイクッション位置指令器
304 ダイクッション位置制御器
306 ダイクッション荷重指令器
308 ダイクッション荷重制御器
310 位置指令選択器
320 位置制御器
322、331A~333A 減算器
324 位置制御補償器
330 安定化制御器
331B~333B 安定化制御補償器
341、342、343 加算器
350 フィードフォワード補償器
352 微分要素
354 位相進ませ補償要素
356 調整器
360 トルク指令選択器
P/M1~P/M3 油圧ポンプ/モータ
SM1~SM3 サーボモータ
SWf1、SWf2、SWpr、SWtr スイッチ

Claims (13)

  1. クッションパッドを支持する複数の駆動軸を有し、各駆動軸をそれぞれ駆動して前記クッションパッドを昇降動作させる複数のクッションパッド昇降手段と、
    前記複数のクッションパッド昇降手段の各駆動軸をそれぞれ制御し、前記クッションパッドにダイクッション荷重を発生させるダイクッション荷重制御器と、
    前記複数のクッションパッド昇降手段の各駆動軸をそれぞれ制御し、前記クッションパッドの位置を制御するダイクッション位置制御器と、
    特定のダイクッション荷重制御工程中に、前記複数のクッションパッド昇降手段の駆動軸毎に独立して、前記ダイクッション荷重制御器によるダイクッション荷重制御を行う第1の駆動軸とするか、又は前記ダイクッション荷重制御器によるダイクッション荷重制御を行わない第2の駆動軸とするかを選択する選択器と、を備え、
    前記特定のダイクッション荷重制御工程中に、前記ダイクッション荷重制御器は、前記選択器により選択された前記第1の駆動軸を制御し、前記ダイクッション位置制御器は、前記選択器により選択された前記第2の駆動軸を制御することを特徴とするダイクッション装置。
  2. 前記複数のクッションパッド昇降手段の各駆動軸の位置に対応する前記クッションパッドの昇降方向の位置を検出し、検出した位置を示す位置検出値をそれぞれ出力する複数のダイクッション位置検出器を備え、
    前記特定のダイクッション荷重制御工程中に、前記ダイクッション位置制御器は、前記第1の駆動軸に対応する前記ダイクッション位置検出器により検出された位置検出値に基づいて、前記第2の駆動軸を制御することを特徴とする請求項に記載のダイクッション装置。
  3. 前記ダイクッション位置制御器は、前記第2の駆動軸に隣接する前記第1の駆動軸に対応するダイクッション位置検出器により検出された位置検出値を目標値として使用し、又は複数の前記第1の駆動軸に対応する複数のダイクッション位置検出器により検出された2以上の位置検出値の平均値を目標値として使用する請求項に記載のダイクッション装置。
  4. 前記特定のダイクッション荷重制御工程中に、前記ダイクッション位置制御器は、前記目標値に対して±2mm以内になるように前記第2の駆動軸を制御することを特徴とする請求項に記載のダイクッション装置。
  5. 前記複数のクッションパッド昇降手段は、それぞれ各駆動軸を駆動する複数のサーボモータを含み、
    前記ダイクッション位置制御器は、前記目標値と前記第2の駆動軸に対応する前記ダイクッション位置検出器の位置検出値とに基づいて前記第2の駆動軸に対応するサーボモータのトルク指令信号を演算し、前記目標値に対して±2mm以内になるように前記目標値を時間で微分した信号に比例する信号、又はプレス機械のスライドの速度に比例する信号を、前記演算したトルク指令信号に加算することを特徴とする請求項に記載のダイクッション装置。
  6. 前記複数のクッションパッド昇降手段は、それぞれ各駆動軸を駆動する複数のサーボモータを含み、
    前記ダイクッション位置制御器は、前記目標値と前記第2の駆動軸に対応する前記ダイクッション位置検出器の位置検出値とに基づいて前記第2の駆動軸に対応するサーボモータのトルク指令信号を演算し、前記目標値に対して±2mm以内になるように前記目標値を時間で微分した信号に比例する信号、又はプレス機械のスライドの速度に比例する信号に位相進ませ補償要素を乗じた信号を、前記演算したトルク指令信号に加算することを特徴とする請求項に記載のダイクッション装置。
  7. 前記複数のサーボモータの回転角速度をそれぞれ検出する複数の角速度検出器を備え、
    前記ダイクッション位置制御器は、前記複数の角速度検出器によってそれぞれ検出される角速度信号を、角速度フィードバック信号として使用する安定化制御器を含むことを特徴とする請求項又はに記載のダイクッション装置。
  8. 前記複数のクッションパッド昇降手段は、各駆動軸として機能するピストンロッドを含む複数の液圧シリンダと、前記複数の液圧シリンダのダイクッション荷重発生側加圧室に作動液を作用させる複数の液圧ポンプ/モータと、を備え、
    前記複数のサーボモータは、前記複数の液圧ポンプ/モータに軸接続されることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載のダイクッション装置。
  9. クッションパッドを支持する複数の駆動軸を有し、各駆動軸をそれぞれ駆動して前記クッションパッドを昇降動作させる複数のクッションパッド昇降手段と、前記複数のクッションパッド昇降手段の各駆動軸を制御し、前記クッションパッドにダイクッション荷重を発生させるダイクッション荷重制御器と、前記複数のクッションパッド昇降手段の各駆動軸を制御し、前記クッションパッドの位置を制御するダイクッション位置制御器と、を備えたダイクッション装置の制御方法において、
    特定のダイクッション荷重制御工程中に、前記複数のクッションパッド昇降手段の駆動軸毎に独立して、前記ダイクッション荷重制御器によるダイクッション荷重制御を行う第1の駆動軸とするか、又は前記ダイクッション荷重制御器によるダイクッション荷重制御を行わない第2の駆動軸とするかを選択器により選択するステップと、
    前記特定のダイクッション荷重制御工程中に、前記ダイクッション荷重制御器により前記第1の駆動軸を制御するとともに、前記ダイクッション位置制御器により前記第2の駆動軸を制御するステップと、
    を含むことを特徴とするダイクッション装置の制御方法。
  10. 前記ダイクッション装置は、複数のクッションパッド昇降手段の各駆動軸の位置に対応する前記クッションパッドの昇降方向の位置を検出し、検出した位置を示す位置検出値をそれぞれ出力する複数のダイクッション位置検出器を備え、
    前記特定のダイクッション荷重制御工程中に、前記ダイクッション位置制御器は、前記第1の駆動軸に対応する前記ダイクッション位置検出器により検出された位置検出値に基づいて、前記第2の駆動軸を制御することを特徴とする請求項に記載のダイクッション装置の制御方法。
  11. 前記ダイクッション位置制御器は、前記第2の駆動軸に隣接する前記第1の駆動軸に対応するダイクッション位置検出器により検出された位置検出値を目標値として使用し、又は複数の前記第1の駆動軸に対応する複数のダイクッション位置検出器により検出された2以上の位置検出値の平均値を目標値として使用する請求項10に記載のダイクッション装置の制御方法。
  12. 前記特定のダイクッション荷重制御工程中に、前記ダイクッション位置制御器は、前記目標値に対して±2mm以内になるように前記第2の駆動軸を制御することを特徴とする請求項11に記載のダイクッション装置の制御方法。
  13. 前記特定のダイクッション荷重制御工程は、前記クッションパッドの中心に対して金型が偏った位置に配置される場合のダイクッション荷重制御工程、又は前記複数の駆動軸のうちの一部の駆動軸上に材料が存在しない場合のダイクッション荷重制御工程を含むことを特徴とする請求項から12のいずれか1項に記載のダイクッション装置の制御方法。
JP2019192547A 2019-10-23 2019-10-23 ダイクッション装置及びダイクッション装置の制御方法 Active JP7175870B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019192547A JP7175870B2 (ja) 2019-10-23 2019-10-23 ダイクッション装置及びダイクッション装置の制御方法
US17/076,497 US11826810B2 (en) 2019-10-23 2020-10-21 Die cushion device and method for controlling die cushion device
DE102020127815.2A DE102020127815A1 (de) 2019-10-23 2020-10-22 Ziehkissenvorrichtung und verfahren zur steuerung der ziehkissenvorrichtung
CN202011152024.0A CN112692167A (zh) 2019-10-23 2020-10-23 模具缓冲装置及模具缓冲装置的控制方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019192547A JP7175870B2 (ja) 2019-10-23 2019-10-23 ダイクッション装置及びダイクッション装置の制御方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2021065903A JP2021065903A (ja) 2021-04-30
JP2021065903A5 JP2021065903A5 (ja) 2021-12-09
JP7175870B2 true JP7175870B2 (ja) 2022-11-21

Family

ID=75379373

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019192547A Active JP7175870B2 (ja) 2019-10-23 2019-10-23 ダイクッション装置及びダイクッション装置の制御方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US11826810B2 (ja)
JP (1) JP7175870B2 (ja)
CN (1) CN112692167A (ja)
DE (1) DE102020127815A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI763528B (zh) * 2021-06-09 2022-05-01 國立中興大學 應用伺服馬達於沖壓模墊之預加速參數設計方法及預加速控制方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014140871A (ja) 2013-01-24 2014-08-07 Aida Engineering Ltd プレス機械のダイクッション装置及びダイクッション制御方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2512645B2 (ja) * 1991-06-18 1996-07-03 浅井興産株式会社 マルチダイクッションを有する絞り成形用プレス機
JP6059291B2 (ja) 2015-06-03 2017-01-11 アイダエンジニアリング株式会社 プレス機械のダイクッション装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014140871A (ja) 2013-01-24 2014-08-07 Aida Engineering Ltd プレス機械のダイクッション装置及びダイクッション制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
DE102020127815A1 (de) 2021-04-29
US11826810B2 (en) 2023-11-28
US20210121932A1 (en) 2021-04-29
CN112692167A (zh) 2021-04-23
JP2021065903A (ja) 2021-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5680121B2 (ja) プレス機械のダイクッション装置及びダイクッション制御方法
JP6059291B2 (ja) プレス機械のダイクッション装置
KR100478111B1 (ko) 프레스 브레이크 및 프레스 브레이크에 있어서의 유압실린더의 쌍방향 유체 펌프 제어 방법
JP7175870B2 (ja) ダイクッション装置及びダイクッション装置の制御方法
US10065386B2 (en) Slide motion control apparatus for mechanical press
JP6356198B2 (ja) プレス機械のダイクッション装置
JP5995918B2 (ja) プレス機械の横方向高剛性化装置
US9586375B2 (en) Press machine controller
EP2818310B1 (en) Press machine
JP7140728B2 (ja) プレス機械
JP5606487B2 (ja) 機械プレスのスライドモーション制御装置
JP5801830B2 (ja) 機械プレスのスライドモーション制御装置
JP2009226451A (ja) スライド傾き軽減装置
JP5428948B2 (ja) 油圧ダイクッション装置及びその制御方法
JP2009101396A (ja) プレス機械
JP2022038228A (ja) プレス装置及び制御方法
JP5418154B2 (ja) ダイクッション装置の制御装置及び方法
JP2001321999A (ja) プレス機械の金型の傾き補正方法およびプレス機械の金型傾き補正機構
JP2633476B2 (ja) 打抜液圧プレス
JP2011152568A (ja) アクティブダンパーの制御装置及び制御方法
JP5931770B2 (ja) プレス装置
JP5440209B2 (ja) 油圧ダイクッション装置の制御装置及び制御方法
JP2023060635A (ja) 平衡装置、および、成形機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211008

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211026

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220722

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220909

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221102

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7175870

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150