JP7175399B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は、冷蔵庫に関する。
従来、圧縮機、凝縮器、絞り装置、および蒸発器を含む冷媒回路を備え、圧縮機が凝縮器とともに機械室内に配置されている冷蔵庫が知られている。
特許第5572606号には、圧縮機、凝縮器、絞り装置、および蒸発器を含む冷媒回路を備え、絞り装置が電子膨張弁とキャピラリチューブ(以下、キャピラリという)とを含む冷蔵庫が開示されている。キャピラリは蒸発器と圧縮機の吸入口との間を接続する管と接触されており、キャピラリを流れる冷媒は蒸発器から圧縮機に吸入される冷媒と熱交換する。
特許第5572606号
従来の冷蔵庫において、圧縮機は、凝縮器とともに機械室内に配置されているため、圧縮機冷蔵庫の設置場所の雰囲気に曝されている。そのため、上記冷蔵庫が東南アジアおよび北海道などの多湿地域にて使用されたとき、圧縮機に吸入される冷媒の温度が上記雰囲気の露点温度以下となって、圧縮機の吸入口に接続された吸入配管に結露が生じる場合があった。結露は機械室の床板などの機械室内の金属製部材を腐食させ、冷蔵庫の信頼性を低下させる。
また、特許第5572606号に記載の冷蔵庫では、蒸発器から流出した過熱冷媒は、キャピラリを流れる冷媒と熱交換した後、圧縮機に吸入される。キャピラリを流れる冷媒は、電子膨張弁にて膨張されたものであってキャピラリを流れながらも膨張するため、キャピラリを流れる冷媒の温度は、上記過熱冷媒の温度よりも低くなる。その結果、上記冷蔵庫において圧縮機に吸入される冷媒の温度は、蒸発器を流出した過熱冷媒の温度よりも低くなり、電子膨張弁およびキャピラリを備えない冷蔵庫において圧縮機に吸入される冷媒の温度と比べて、低くなる。そのため、上記冷蔵庫では、電子膨張弁およびキャピラリを備えない冷蔵庫と比べて、圧縮機の吸入口に接続された吸入配管に結露が生じやすい。
本発明の主たる目的は、従来の冷蔵庫と比べて、結露が生じにくい冷蔵庫を提供することにある。
本発明に係る冷蔵庫は、圧縮機、凝縮器、絞り装置、および蒸発器と、二重管とを含み、冷媒が圧縮機、凝縮器、絞り装置、蒸発器、および二重管を順に循環する冷媒回路を備える。圧縮機は、冷媒を吸入する吸入口を含む。二重管は、内管と、内管を囲むように配置されておりかつ吸入口に接続された外管とを有している。内管の内部には、冷媒回路において蒸発器と吸入口との間を接続する第1空間が形成されている。内管と外管との間には、内管によって第1空間と区画されており、かつ外管によって二重管の外部空間と区画された第2空間が形成されている。内管の冷媒回路の上流側に位置する端部と外管の冷媒回路の上流側に位置する端部とは、気密に封止されている。内管の冷媒回路の下流側に位置する端部と外管の冷媒回路の下流側に位置する端部とは、間隔を隔てて配置されている。
本発明によれば、従来の冷蔵庫と比べて、結露が生じにくい冷蔵庫を提供することができる。
実施の形態に係る冷蔵庫の冷媒回路を示す図である。 図1に示される冷蔵庫の冷媒回路の一部と機械室とを示す図である。 図2に示される冷蔵庫の二重管の配置例を示す図である。 図3に示される冷蔵庫の二重管の領域IVを示す部分端面図である。 実施の形態に係る冷蔵庫の二重管の変形例を示す部分端面図である。 実施の形態に係る冷蔵庫の二重管の他の変形例を示す部分端面図である。 実施の形態に係る冷蔵庫の二重管のさらに他の変形例を示す部分端面図である。 実施の形態に係る冷蔵庫の二重管のさらに他の変形例を示す部分端面図である。 実施の形態に係る冷蔵庫の二重管のさらに他の変形例を示す部分端面図である。 実施の形態に係る冷蔵庫の二重管のさらに他の変形例を示す部分端面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
<冷蔵庫の構成>
図1に示されるように、本実施の形態に係る冷蔵庫100は、冷凍サイクルを構成している冷媒回路を備える。
冷媒回路は、圧縮機1、凝縮器2、絞り装置3、および蒸発器4と、蒸発器4と圧縮機1との間に配置された二重管11、第1配管12、および第2配管13とを含む。冷媒回路は、冷媒が、圧縮機1、凝縮器2、絞り装置3、蒸発器4、第1配管12、二重管11、および第2配管13を順に循環するように設けられている。
圧縮機1は、冷媒を吸入する吸入口と、上記吸入口から吸入された冷媒を圧縮する圧縮部と、該圧縮部で圧縮した高温・高圧の気相冷媒を吐出する吐出口とを含む。
凝縮器2は、圧縮機1の吐出口から吐出された気相冷媒が第2方向B(図2および図3参照)に沿って流れる気体と熱交換するように設けられている。これにより、気相冷媒は凝縮されて液相冷媒となる。第2方向Bに沿った気体の流れは、送風機6によって凝縮器2の周囲に形成される。
絞り装置3は、電子膨張弁3Aと、キャピラリ3Bとを有している。電子膨張弁3Aおよびキャピラリ3Bは、上記冷媒回路において直列に接続されている。電子膨張弁3Aは、キャピラリ3Bよりも凝縮器2側に配置されている。言い換えると、キャピラリ3Bは、電子膨張弁3Aよりも蒸発器4側に配置されている。絞り装置3は、凝縮器2において凝縮された液相冷媒を減圧するように設けられている。これにより、液相冷媒は膨張して気液2相冷媒となる。
蒸発器4は、絞り装置3において減圧された気液2相冷媒が冷蔵庫100の図示しない貯蔵室内の空気と熱交換するように設けられている。これにより、気液2相冷媒は蒸発して気相冷媒となる。蒸発器4は、気相冷媒が流出する流出口を有している。蒸発器4の流出口は、第1配管12、二重管11、および第2配管13を介して、圧縮機1の吸入口に接続されている。
図1~図3に示されるように、二重管11は、上記冷媒回路において第1配管12よりも下流側であって第2配管13よりも上流側に配置されている。二重管11の延在方向は、例えば上下方向に沿っている。第1配管12は、いわゆる単管である。キャピラリ3Bと第1配管12とは、例えば熱交換部5を構成している。熱交換部5は、第1配管12を流れる冷媒はキャピラリ3Bを流れる冷媒とが熱交換するように設けられている。第1配管12は、例えばキャピラリ3Bに接触している。第2配管13は、圧縮機1の吸入口に接続されている。第2配管13は、いわゆる単管である。図3に示されるように、第2配管13は、例えば機械室101の内部において屈曲部14を有している。第2配管13は、例えば上下方向に沿って延在する部分と、水平方向に沿って延在する部分とを有している。
図2に示されるように、冷蔵庫100は、機械室101と、図示しない貯蔵室と、断熱部102とを備える。機械室101は、例えば圧縮機1、凝縮器2、電子膨張弁3A、二重管11、第2配管13および送風機6を内部に収容している。断熱部102は、蒸発器4により冷却される貯蔵室を囲むように配置されており、例えば蒸発器4、キャピラリ3B、および第1配管12を内部に収容している。断熱部102は、機械室101よりも上方に配置された部分を有している。
上述のように、二重管11および第2配管13は、機械室101の内部に配置されている。二重管11は、例えば機械室101の内部にのみ配置されている。
二重管11は、上記冷媒回路において蒸発器4と圧縮機1の吸入口との間を接続する冷媒配管のうち機械室101内に配置されている部分の一部を構成している。第2配管13は、蒸発器4と圧縮機1の吸入口との間を接続する冷媒配管のうち機械室101内に配置されている部分の残部を構成している。二重管11の上記冷媒回路の上流側に位置する端部は、機械室101内において断熱部102と隣接する境界領域に配置されている。二重管11の上記冷媒回路の下流側に位置する端部は、機械室101内において第2配管13の屈曲部14よりも上記冷媒回路の上流側に配置されている。
図4に示されるように、二重管11は、内管21と、内管21を囲むように配置されている外管22とを有している。内管21の上記冷媒回路の上流側に位置する第1端部211は、第1配管12の上記冷媒回路の下流側に位置する端部と連なっている。内管21の上記冷媒回路の下流側に位置する第2端部212は、外管22の内部に配置されており、かつ上記冷媒回路の下流側を向いて開口している。
外管22の上記冷媒回路の上流側に位置する第3端部221は、内管21の上記冷媒回路の上流側に位置する第1端部211と接続されている。第3端部221と第1端部211とは、例えばロウ材等によって接合されており、これにより気密に封止されている。外管22の上記冷媒回路の下流側に位置する第4端部222は、内管21の上記冷媒回路の下流側に位置する第2端部212と、内管21の厚み方向に間隔を隔てて配置されている。外管22の上記冷媒回路の下流側に位置する第4端部222は、第2配管13の上記冷媒回路の上流側に位置する端部と連なっている。
つまり、内管21は、上記冷媒回路の上流側および下流側において開口している。外管22は、上記冷媒回路の上流側において閉口し、かつ下流側において開口している。
内管21の内部には、上記冷媒回路において蒸発器4と圧縮機1の吸入口との間を接続する第1空間S1が形成されている。内管21と外管22との間には、内管21によって第1空間S1と区画されており、かつ外管22によって二重管11の外部空間と区画された第2空間S2が形成されている。第2空間S2は、上記冷媒回路の上流側において閉口し、かつ下流側において開口している。第2空間S2は、例えば第1空間S1を囲むように環状に形成されている。
第2配管13の内部には、上記冷媒回路において蒸発器4と圧縮機1の吸入口との間を接続する第3空間S3が形成されている。第3空間S3は、第1空間S1および第2空間S2と接続されている。第2空間S2は、第3空間S3を介して第1空間S1と接続されている。内管21および外管22は、第2空間S2内の気相冷媒の流れを分子流とみなせるように設計されている。
内管21の内径および外径は、例えば一定である。外管22は、上記冷媒回路の上流側から下流側に向かうにつれて外径が大きくなる拡径部を有している。第2配管13の内径および外径は、外管22の内径および外径と等しい。第1配管12の内径および外径は、内管21の内径および外径と等しい。
第2配管13および外管22は、例えば一体として構成されている。第1配管12および内管21は、例えば一体として構成されている。異なる観点から言えば、二重管11、第2配管13、および第1配管12は、例えば第3配管31および第4配管32により構成されている。第2配管13の外径は、例えば外管22の外径に等しい。第1配管12の外径は、例えば内管21の外径に等しい。
二重管11の内管21は、第3配管31の上記冷媒回路の下流側に配置されている部分として構成されている。第1配管12は、第3配管31の上記冷媒回路の上流側に配置されている部分として構成されている。
二重管11の外管22は、第4配管32の上記冷媒回路の上流側に配置されている部分として構成されている。第2配管13は、第4配管32の上記冷媒回路の下流側に配置されている部分として構成されている。
図4に示される二重管11、第2配管13、および第1配管12は、例えば以下のようにして形成される。まず、図4に示される形状に成形された第3配管31および第4配管32が準備される。第4配管32の上記冷媒回路の上流側に配置されている部分は、第4配管32の上記冷媒回路の下流側に配置されている部分に対して縮径されている。次に、第3配管31の上記冷媒回路の下流側に配置されている部分が、第4配管32の上記冷媒回路の上流側に配置されている部分の内部に挿入される。次に、第4配管32の第4配管32の上記冷媒回路の上流側に配置されている部分が第3配管31の上記冷媒回路の下流側に配置されている部分に接合される。このようにして、図4に示される二重管11、第2配管13、および第1配管12が形成される。なお、第4配管32は、縮径されていない直管として準備されてもよい。この場合、第4配管32の上記冷媒回路の上流側に配置されている部分は、第3配管31の上記冷媒回路の下流側に配置されている部分が第4配管32の上記冷媒回路の上流側に配置されている部分の内部に挿入された後、縮径される。
<作用効果>
上記冷蔵庫100の上記冷媒回路は、蒸発器4と圧縮機1の吸入口との間に配置された二重管11を含む。冷蔵庫100が定常運転している間、第1空間S1および第2空間S2は圧縮機1に吸入されるが、第1空間S1には気相冷媒が蒸発器4側から供給される一方で、第2空間S2には気相冷媒が蒸発器4側から供給されない。
上記冷蔵庫100が定常運転しているときの外管22の到達温度は、外管22と機械室101内の空気との間の熱交換量、圧縮機1から第2配管13を介した伝熱量、および内管21と外管22との間の熱交換量に応じて増減する。これらのうち、外管22の温度を低下させて結露水を発生させる要因となるのは、内管21と外管22との間の熱交換量である。内管21と外管22との間の熱交換量は、以下のように見積もられる。
まず、上記定常運転時における内管21と外管22との間の熱交換が、第2空間S2内の気相冷媒が自然対流することによって行われると考える。この仮定の下、外管22から内管21に伝わる熱量(単位:W/m2)は、以下の式(1)で表される。式(1)中、Aは熱交換面積(単位:m2)、T1は外管温度(単位:K)、T2は内管温度(単位:K)、δは外管22の外径と内管21の外径との差(単位:m)である。式(1)中、kは自然対流している気相冷媒の熱伝達率(単位:W/(m・K))であり、以下の式(2)で表される。式(2)中、kは気相冷媒の熱伝導率(単位:W/(m・K))、Lは二重管11の延在方向の長さ(単位:m)、Grはグラスホフ数、Prはプラントル数である。式(2)中、C,n,mは、流体状態および配管形状により決定される比例定数であって、実験により算出される。
Figure 0007175399000001
Figure 0007175399000002
まず、上記式(2)の各変数に、以下の値を代入して熱伝達率keを算出した。プラントル数Prは、二重管11の延在方向が水平方向としたときの実験値である0.7とした。熱伝導率kは、上記定常運転時に圧縮機1に吸入される過熱状態でのイソブタンの熱伝導率である0.017W/(m・K)とした。
さらに、上記式(1)の各変数に、上記式(2)から算出された熱伝達率keと、上記定常運転時を想定して導出された以下の値を代入して、外管22から内管21に伝わる熱量Qを算出した。外管温度T1は、40℃(313.15K)、内管温度T2は、25℃(298.15K)とした。外管22の外径は8.00mm、内管21の外径は6.35mmとし、δは1.65mmとした。
さらに、上記式(1)から算出された熱量Qから、内管21の到達温度を算出した。計算の結果、内管21の到達温度は30℃となり、外管22の到達温度は35℃となった。つまり、上記のようにイソブタンガスが第2空間S2内を自然対流する場合、外管22の温度の低下幅は5℃以下となった。
このことから、上記冷蔵庫100によれば、露点温度が25℃程度である環境下(例えば気温32℃湿度70%)において内管21を流れる冷媒の温度が25℃となるような運転条件で使用される場合にも、外管22の到達温度が内管21を流れる冷媒の温度よりも高くかつ上記露点温度よりも高いため、二重管11の外管22の周囲には結露が生じにくい。
さらに、上述のように、上記定常運転時には、第1空間S1には気相冷媒が蒸発器4側から供給される一方で、第2空間S2には気相冷媒が蒸発器4側から供給されないため、第2空間S2の圧力は第1空間S1の圧力よりも低くなる。第2空間S2の圧力は、例えば100Pa以下である。気相冷媒の熱伝導率は圧力に依存するため、第2空間S2内での気相冷媒の熱伝導率は第1空間S1内での気相冷媒の熱伝導率と比べて低くなる。つまり、第2空間S2内での気相冷媒の熱伝導率は、上記定常運転時に圧縮機1に吸入される過熱状態での気相冷媒の熱伝導率kよりも低くなる。その結果、第2空間S2と第1空間S1との圧力差も考慮すれば、上記冷蔵庫100が定常運転しているときに外管22から内管21に伝わる熱量は上記のように見積もられた熱量よりもさらに少なくなり、外管22の到達温度は上記のように見積もられた温度よりもさらに高くなる。
よって、上記冷蔵庫100によれば、上記定常運転時において内管21を流れる冷媒の温度が設置環境下の露点温度以下となる場合にも、外管22の到達温度を上記露点温度よりも高くすることができるため、二重管11の外管22の周囲に結露が生じにくい。
さらに、上記冷蔵庫100では、絞り装置3が電子膨張弁3Aとキャピラリ3Bとを含む。電子膨張弁3Aおよびキャピラリ3Bは、上記冷媒回路において互いに直列に配置されている。キャピラリ3Bは、電子膨張弁3Aよりも蒸発器4側に配置されており、蒸発器4と二重管11との間に配置された第1配管12と接触している。つまり、第1配管12を流れる冷媒は、キャピラリ3Bを流れる冷媒と熱交換する。
キャピラリ3Bを流れる冷媒の温度は、電子膨張弁3Aの開度が小さいほど低くなる。そのため、電子膨張弁3Aの開度が小さい場合には、キャピラリ3Bを流れる冷媒の温度は蒸発器4から流出した冷媒の温度よりも低くなり、第1配管12を流れる冷媒の温度は蒸発器4から流出した冷媒の温度よりも低くなる。その結果、二重管11の内管21に流入する冷媒の温度は、蒸発器4から流出した冷媒の温度よりも低くなる。
このような場合であっても、冷蔵庫100は上述した構成を備えることにより、上記定常運転時において内管21を流れる冷媒の温度が設置環境下の露点温度以下となる場合にも、外管22の到達温度が内管21に流入する冷媒の温度よりも高くなるため、二重管11の外管22の周囲に結露が生じにくい。
<変形例>
上記冷蔵庫100の上記冷媒回路は、絞り装置3として電子膨張弁3Aとキャピラリ3Bとを含み、さらにキャピラリ3Bと接触した第1配管12を含むが、これに限られるものではない。絞り装置3は、例えば膨張弁のみから成っていてもよい。上記冷媒回路は、第1配管12を含んでいなくてもよい。このような冷蔵庫100では、上記冷蔵庫100と比べて、二重管11の内管21に流入する冷媒の温度が高くなるため、二重管11の外管22の周囲には結露が生じにくい。つまり、冷蔵庫100は、絞り装置3の構成によらず、二重管11の外管22の周囲には結露が生じることを抑制できる。
上記冷蔵庫100では、二重管11が上記冷媒回路において蒸発器4と圧縮機1の吸入口との間を接続する冷媒配管のうち機械室101内に配置されている部分の一部を構成しており、第2配管13が上記部分の残部を構成しているが、これに限られるものでもない。図5に示されるように、上記冷蔵庫100において、二重管11は、上記冷媒回路において蒸発器4と圧縮機1の吸入口との間を接続する冷媒配管のうち機械室101内に配置されている部分の全体を構成していてもよい。すなわち、二重管11の上記冷媒回路の下流側に位置する端部は、圧縮機1の吸入口1Hに接続されていてもよい。言い換えると、内管21の上記冷媒回路の下流側に位置する第2端部212、および外管22の上記冷媒回路の下流側に位置する第4端部222は、圧縮機1の吸入口1Hに接続されていてもよい。このようにしても、二重管11の内部には第1空間S1および第2空間S2が形成され、かつ第2空間S2の圧力は第1空間S1の圧力よりも低くなる。そのため、このような冷蔵庫100は、上述した冷蔵庫100と同様の効果を奏することができる。さらにこのような冷蔵庫100は、上述した冷蔵庫100と比べて、二重管11の長さが長いため、機械室101内に結露がより生じにくい。なお、上記の場合、二重管11は屈曲部を有していてもよい。このような二重管11は、例えば予め屈曲された内管21および外管22を接合することによって組み立てられ得る。
上記冷蔵庫100では、外管22が上記冷媒回路の上流側から下流側に向かうにつれて外径が大きくなる拡径部を有しているが、これに限られるものではない。言い換えると、第2空間S2は、上記冷媒回路の上流側において外管22の上記拡径部に面しているが、これに限られるものではない。図6に示されるように、内管21が上記冷媒回路の上流側から下流側に向かうにつれて外径が小さくなる縮径部を有していてもよい。第2空間S2は、上記冷媒回路の上流側において内管21の上記縮径部に面していてもよい。また、図7に示されるように、外管22が上記冷媒回路の上流側から下流側に向かうにつれて外径が大きくなる拡径部を有しており、かつ、内管21が上記冷媒回路の上流側から下流側に向かうにつれて外径が小さくなる縮径部を有していてもよい。第2空間S2は、上記冷媒回路の上流側において内管21の上記縮径部および外管22の上記拡径部に面していてもよい。これらのような二重管11にも第1空間S1および第2空間S2が形成される。そのため、図6または図7に示される二重管11を備える冷蔵庫100は、図4に示される二重管11を備える冷蔵庫100と同様の効果を奏することができる。
図8に示されるように、上記冷蔵庫100では、第2配管13が上記冷媒回路の上流側から下流側に向かうにつれて外径が小さくなる縮径部を有していてもよい。第2配管13のうち上記縮径部よりも上記冷媒回路の下流側に位置する部分の外径は、外管22の外径L2未満である。
上記冷蔵庫100では、内管21の上記第1端部211と外管22の上記第3端部221とが接合されているが、これに限られるものではない。図9に示されるように、内管21の上記第1端部211と外管22の上記第3端部221とは、シール部材40を介して接続されていてもよい。内管21とシール部材40とは、例えばロウ材によって接合されている。外管22とシール部材40とは、例えばロウ材によって接合されている。好ましくは、シール部材40を構成する材料の熱伝導率は、内管21および外管22を構成する材料の熱伝導率と比べて低い。
上記冷蔵庫100において、二重管11は、内管21の外周面と外管22の内周面とを接続する少なくとも1つの接続部を有していてもよい。上記接続部は、例えば内管21の外周面および外管22の内周面の少なくともいずれかに対する凸部として形成されている。図10に示されるように、内管21は、例えば内管21の外周面に対して突出している複数の凸部21pを有している。複数の凸部21pは、内管21の周方向に沿って互いに間隔を隔てて配置されている。各凸部21pは、外管22の内周面に接触しており、上記接続部を構成している。二重管11の内管21と外管22との間には、複数の凸部21pによって区画された複数の第2空間S2が形成される。この場合、複数の凸部21pと外管22との接触面の面積が大きいと、内管21と外管22との間の熱交換量が増加し、上述した外管22の到達温度が低下する。一方で、各凸部21pは、第1空間S1と第2空間S2との間に生じる圧力差に起因した内管21の変形を抑制し得る。そのため、各凸部21pの構成は、上述した外管22の到達温度の低下を抑制しながらも、内管21の変形を抑制し得るように決定される。なお、上記接続部は、内管21および外管22とは別体として構成されていてもよい。好ましくは、接続部を構成する材料の熱伝導率は、内管21および外管22を構成する材料の熱伝導率と比べて低い。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、上述の実施の形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。
1 圧縮機、2 凝縮器、3 絞り装置、3A 電子膨張弁、3B キャピラリ、4 蒸発器、5 熱交換部、6 送風機、11 二重管、12 第1配管、13 第2配管、14 屈曲部、21 内管、22 外管、31 第3配管、32 第4配管、40 シール部材、100 冷蔵庫、101 機械室、102 断熱部、211 第1端部、212 第2端部、221 第3端部、222 第4端部。

Claims (7)

  1. 圧縮機、凝縮器、絞り装置、および蒸発器と、二重管とを含み、冷媒が前記圧縮機、前記凝縮器、前記絞り装置、前記蒸発器、および前記二重管を順に循環する冷媒回路を備え、
    前記圧縮機は、冷媒を吸入する吸入口を含み、
    前記二重管は、内管と、前記内管を囲むように配置されておりかつ前記吸入口に接続された外管とを有し、
    前記内管の内部には、前記冷媒回路において前記蒸発器と前記吸入口との間を接続する第1空間が形成されており、
    前記内管と前記外管との間には、前記内管によって前記第1空間と区画されており、かつ前記外管によって前記二重管の外部空間と区画された第2空間が形成されており、
    前記内管の前記冷媒回路の上流側に位置する端部と前記外管の前記冷媒回路の上流側に位置する端部とは、気密に封止されており、
    前記内管の前記冷媒回路の下流側に位置する端部と前記外管の前記冷媒回路の下流側に位置する端部とは、間隔を隔てて配置されており、
    少なくとも前記圧縮機および前記凝縮器を内部に収容する機械室をさらに備え、
    前記二重管は、前記機械室の内部にのみ配置されている、冷蔵庫。
  2. 前記絞り装置は、前記冷媒回路において互いに直列に配置された電子膨張弁とキャピラリとを含み、
    前記キャピラリは、前記電子膨張弁よりも前記冷媒回路の下流側に配置されており、
    前記冷媒回路は、前記蒸発器と前記二重管との間に配置された第1配管をさらに含み、
    前記キャピラリと前記第1配管とは熱交換部を成している、請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記二重管は、前記冷媒回路において前記蒸発器と前記吸入口との間を接続する冷媒配管のうち前記機械室内に配置されている部分の全体を構成している、請求項1または2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記冷媒回路は、前記機械室の内部において前記二重管と前記吸入口との間に配置された第2配管とを含み、
    前記外管は、前記第2配管に接続されており、
    前記第2配管の内部には、前記冷媒回路において前記蒸発器と前記吸入口との間を接続しかつ前記第1空間および前記第2空間と接続された第3空間が形成されている、請求項1または2に記載の冷蔵庫。
  5. 前記二重管は、前記冷媒回路において前記蒸発器と前記吸入口との間を接続する冷媒配管のうち前記機械室内に配置されている部分の一部を構成しており、
    前記第2配管は、前記冷媒回路において前記蒸発器と前記吸入口との間を接続する冷媒配管のうち前記機械室内に配置されている部分の残部を構成しており、
    前記第2配管は、前記機械室の内部において屈曲部を有している、請求項に記載の冷蔵庫。
  6. 前記外管は、前記冷媒回路の上流側から下流側に向かうにつれて外径が大きくなる拡径部を有している、請求項1~のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  7. 前記内管は、前記冷媒回路の上流側から下流側に向かうにつれて外径が小さくなる縮径部を有している、請求項1~のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
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