JPH08247587A

JPH08247587A - 冷凍システム

Info

Publication number: JPH08247587A
Application number: JP4702395A
Authority: JP
Inventors: Masaaki Tanaka; 正昭田中; Akihiro Kino; 章宏城野; Takeshi Shimizu; 武清水
Original assignee: Matsushita Refrigeration Co
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1995-03-07
Filing date: 1995-03-07
Publication date: 1996-09-27

Abstract

(57)【要約】【目的】冷凍システムに関し、ヘッダー内の冷凍機油
の滞留を低減することで、冷媒音を低減し、圧縮機の寿
命、信頼性を向上させる。【構成】圧縮機１と、凝縮器２と、膨張機構と、蒸発
器４と、ヘッダー５とを環状に接続し、冷媒と、冷媒に
相互溶解性がないまたは少ない冷凍機油７とを備えた冷
凍サイクルにおいて、ヘッダー５は、二重管であり、内
部空間１２には下方の絞り部１１の二重管の内管１０が
一部上方に分岐延長された挿入管１３を有し、下方の絞
り部１１に蒸発器４の出口配管１４を接続し、圧縮機１
の吸入配管６を上方側に接続した構成である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は冷媒と冷媒に相互溶解性
がない圧縮機の潤滑油を使用した冷凍システムに関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、冷媒と冷媒に相互溶解性がない圧
縮機の潤滑油を使用した冷凍システムに関するものとし
ては、特開平５−１５７３７９号公報が挙げられる。

【０００３】以下、図面を参照しながら上記従来の冷凍
システムを説明する。図４（ａ）は従来の冷凍システム
の配管図であり、図４（ｂ）は従来の冷凍システムのヘ
ッダーの断面図である。図４（ａ）、図４（ｂ）におい
て、１は冷媒ガスを圧縮する圧縮機、２は前記圧縮機か
ら吐出された冷媒ガスを凝縮する凝縮器、３は膨張機構
であるキャピラリチューブ、４は蒸発器、５は上方側に
蒸発器４の出口側を接続し、下方側に圧縮機１吸入側を
挿入したヘッダー、６はヘッダー５の下方側からヘッダ
ー５内に挿入され上方に延びた吸入配管である。

【０００４】７は圧縮機内の摺動部を潤滑する冷凍機油
で、ハードアルキルベンゼン油、低温流動性の優れたソ
フトアルキルベンゼン油、ポリアルファオレフィン、パ
ラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油等の冷凍機油を単独ま
たは混合したもので、ハイドロフルオロカーボンを主成
分としたＨＦＣ１３４ａ等の冷媒と相互溶解性の無いま
たは少ないものである。８は、ヘッダー５内に挿入され
た吸入配管６の上方の側面に設けた油戻し孔である。

【０００５】次に動作について説明する。圧縮機１より
吐出された冷媒は、凝縮器２で凝縮され、キャピラリチ
ューブ３にて減圧膨張し、蒸発器４で蒸発し、この蒸発
器４で蒸発しきれない冷媒は、ヘッダー５に貯留され、
気相分のみが、吸入配管６を経て圧縮機１に吸入され
る。このとき冷凍機油７は、冷媒とともに圧縮機１より
吐出され配管内を流動し、蒸発器４へ至る。

【０００６】冷凍機油７は、蒸発気化する冷媒とともに
蒸発器４内を流動し、ヘッダー５にいたり、そこに貯留
される液冷媒とともにヘッダーに貯留される。ここで、
冷凍機油７の比重が液冷媒より軽く、また冷媒との間に
相互溶解性がないため、冷媒と冷凍機油７は、二相分離
し、液冷媒の上に冷凍機油７が浮く形となる。

【０００７】この冷凍機油７の液面が、油戻し孔８に達
すると、冷凍機油７は、油戻し孔８より、吸入配管６に
吸入され圧縮機１の吸入される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、ヘッダー５内に冷凍機油７が滞留するこ
とから、圧縮機１での冷凍機油７が減少し、圧縮機１の
摺動部の磨耗が増大して圧縮機１の寿命や信頼性の低下
をもたらす。

【０００９】また、ヘッダー５内において、上部に冷凍
機油７、下部に液冷媒が二層分離して滞留するため、液
冷媒が蒸発する時に冷凍機油７を突き破ることから騒音
を生じる。

【００１０】また、蒸発器４での負荷が極めて少ない場
合、ヘッダー５に貯留される液冷媒が過剰となり、冷凍
機油７とともに液冷媒が吸入され、圧縮機１で液圧縮を
発生する危険性があった。

【００１１】本発明は上記課題に鑑み、冷凍機油の回収
を行う冷凍システムを提供することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】そこで本発明の冷凍サイ
クルは、圧縮機と、凝縮器と、膨張機構と、蒸発器と、
ヘッダーとを環状に接続し、冷媒と、冷媒に相互溶解性
がないまたは少ない冷凍機油とを備えた冷凍サイクルに
おいて、前記ヘッダーは、二重管であり、内部空間には
下方の絞り部の二重管の内管が一部上方に分岐延長され
た挿入管を有し、下方の絞り部に前記蒸発器の出口配管
を接続し、前記圧縮機の吸入配管を上方側に接続した。

【００１３】また、ヘッダーの下方の絞り部から分岐延
長された挿入管の下方に微小穴を設けた。

【００１４】

【作用】上記構成により、本発明の冷凍システムは、ヘ
ッダーの手前において冷凍機油と冷媒とを粘性の違いを
利用して分離し、ヘッダー内の冷凍機油の滞留を抑制す
ることで、圧縮機に冷凍機油を十分にリターンでき、さ
らに、ヘッダー内における液冷媒蒸発による冷媒ガスの
冷凍機油の層の突き破りの騒音を低減できる。

【００１５】また、ヘッダー内の冷媒が下から上へと流
れることから、圧縮機の吸入配管へ冷媒蒸気だけを戻す
ことができ、液冷媒の圧縮機への流入を防止できる。

【００１６】さらに、ヘッダーに挿入された蒸発器の出
口配管が下方に穴を有しているため、穴より液冷媒を蒸
発器の出口配管に戻すことで、霧状にして液冷媒の気化
を促進し、蒸発器での負荷が極めて少ない場合のヘッダ
ー内の液冷媒の過剰滞留を低減し、圧縮機への液冷媒の
流入を防止できる。

【００１７】

【実施例】本発明による冷凍システムの第１の実施例に
ついて、図面を参照しながら説明する。なお、従来と同
一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略
する。図１は、本発明の第１の実施例による冷凍システ
ムの配管図であり、図２は同図１のヘッダーの断面図で
ある。

【００１８】図１、図２において、ヘッダー５は、外管
９と内管１０からなる二重管であり、下方の絞り部１１
にて、内管１０がヘッダー５の内部空間１２に分岐延長
された挿入管１３を有しており、下方に蒸発器４の出口
配管１４を接続し、圧縮機１の吸入配管６を上方側に接
続した。

【００１９】以上のように構成された冷凍システムにつ
いて、以下その動作を説明する。冷凍機油７は、相互溶
解性のないＨＦＣ１３４ａ等のハイドロフルオロカーボ
ンを主体とした冷媒と二相分離することと、蒸発器４の
出口付近では非常に温度が低いため冷凍機油７は高粘度
となり、冷媒との粘度差が大きくなることから、蒸発器
４の出口付近での配管内の流動状態は、配管の内壁に冷
凍機油７が内側に冷媒が存在し流動する。

【００２０】このため、ヘッダー５の二重管部において
外管９と内管１０との間を冷凍機油７が流動し、ヘッダ
ー５内の内部空間１２を通らず圧縮機１の吸入配管６に
流入し、冷媒は内管１０を通り捜入管１３より内部空間
１２には流入する。そして、内部空間１２に流入した冷
媒は、蒸発器４の負荷により滞留し、滞留した冷媒は圧
縮機１の吸入配管６がヘッダー５の上方側に接続されて
いることから、完全に気化されて圧縮機１の吸入配管６
に流入する。

【００２１】以上のように本実施例の冷凍システムは、
圧縮機１と、凝縮器２と、膨張機構と、蒸発器４と、ヘ
ッダー５とを環状に接続し、冷媒と、冷媒に相互溶解性
がないまたは少ない冷凍機油７とを備えた冷凍サイクル
において、ヘッダー５は、二重管であり、内部空間１２
には下方の絞り部１１の二重管の内管１０が一部上方に
分岐延長された挿入管１３を有し、下方の絞り部１１に
蒸発器４の出口配管１４を接続し、圧縮機１の吸入配管
６を上方側に接続した構成であることから、冷凍機油７
は、ヘッダー５内の内部空間１２に流入しないのでほと
んど滞留せず、圧縮機１の吸入配管６にダイレクトにリ
ターンするので、圧縮機１の摺動部の潤滑を維持でき
る。

【００２２】さらに、圧縮機１の吸入配管６へは気化し
た冷媒がリターンするので、圧縮機１の液圧縮を防止で
き、耐久性及び信頼性を向上できる。

【００２３】次に、本発明による冷凍システムの第２の
実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、
第１の実施例と同一構成については、同一符号を付して
詳細な説明は省略する。

【００２４】図３は、本発明の他の実施例によるヘッダ
ーの断面図である。図３において、ヘッダー５の内部空
間１２の挿入管１３の下方に微小穴１５を有する。

【００２５】以上のように構成された冷凍システムにつ
いて、以下その動作を説明する。蒸発器４の負荷が少な
くなり、ヘッダー５内の液冷媒の滞留が増加すると、滞
留する液冷媒の自重により、微小穴１５から、液冷媒が
霧状となって蒸発器４の出口配管１４から噴射し、ヘッ
ダー５へ戻る。

【００２６】以上のように本実施例の冷凍システムは、
圧縮機１と、凝縮器２と、膨張機構と、蒸発器４と、ヘ
ッダー５とを環状に接続し、冷媒と、冷媒に相互溶解性
がないまたは少ない冷凍機油７とを備えた冷凍サイクル
において、ヘッダー５は、二重管であり、内部空間１２
には下方の絞り部１１の二重管の内管１０が一部上方に
分岐延長され、下方に微小穴１５を有する挿入管１３を
有し、下方の絞り部１１に蒸発器４の出口配管１４を接
続し、圧縮機１の吸入配管６を上方側に接続した構成で
あることから、ヘッダー５に過剰に滞留する液冷媒を微
小穴１５より、蒸発器４の出口配管１４に戻す。このと
き、液冷媒は霧状となり気化を促進し、ヘッダー５内の
内部空間１２での液冷媒の滞留を減少でき、蒸発器４の
負荷が少ない場合の圧縮機１での液圧縮を防止でき、圧
縮機１の耐久性、信頼性を向上できる。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、圧縮機
と、凝縮器と、膨張機構と、蒸発器と、ヘッダーとを環
状に接続し、冷媒と、冷媒に相互溶解性がないまたは少
ない冷凍機油とを備えた冷凍サイクルにおいて、ヘッダ
ーは、二重管であり、内部空間には下方の絞り部の二重
管の内管が一部上方に分岐延長された挿入管を有し、下
方の絞り部に前記蒸発器の出口配管を接続し、前記圧縮
機の吸入配管を上方側に接続した構成であることから、
冷凍機油は、ヘッダー内の空間に流入しないのでほとん
ど滞留せず、圧縮機の吸入配管にダイレクトにリターン
するので、圧縮機の摺動部の潤滑を維持でき、さらに、
圧縮機の吸入配管へは気化した冷媒がリターンするの
で、圧縮機の液圧縮を防止でき、耐久性及び信頼性を向
上できる。

【００２８】また、さらに、ヘッダーの下方の絞り部か
ら分岐延長された挿入管の下方に微小穴を有する構成で
あることから、ヘッダーに過剰に滞留する液冷媒を微小
穴より、蒸発器の出口配管に戻す。このとき、液冷媒は
霧状となり気化を促進し、ヘッダー内の空間での液冷媒
の滞留を減少でき、蒸発器の負荷が少ない場合の圧縮機
での液圧縮を防止でき、圧縮機の耐久性、信頼性を向上
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における冷凍システムの配管
図

【図２】同図１のヘッダーの断面図

【図３】本発明の他の実施例におけるヘッダーの断面図

【図４】（ａ）は従来の冷凍システムの配管図（ｂ）は従来の冷凍システムのヘッダーの断面図

【符号の説明】

１圧縮機２凝縮器４蒸発器５ヘッダー６吸入配管７冷凍機油１０内管１１絞り部１２内部空間１３挿入管１４出口配管１５微小穴

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】圧縮機と、凝縮器と、膨張機構と、蒸発
器と、ヘッダーとを環状に接続し、冷媒と、冷媒に相互
溶解性がないまたは少ない冷凍機油とを備えた冷凍サイ
クルにおいて、前記ヘッダーは、二重管であり、内部空
間には下方の絞り部の二重管の内管が一部上方に分岐延
長された挿入管を有し、下方の絞り部に前記蒸発器の出
口配管を接続し、前記圧縮機の吸入配管を上方側に接続
したことを特徴とする冷凍システム。
【請求項２】ヘッダーの下方の絞り部から分岐延長さ
れた挿入管の下方に微小穴を有する請求項１記載の冷凍
システム。