JP7175212B2 - 重力補償機構付パラレルリンク作動装置 - Google Patents

重力補償機構付パラレルリンク作動装置 Download PDF

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Description

この発明は、医療機器や産業機器等の精密で広範な作動範囲を必要とする機器に用いられるパラレルリンク作動装置に、重力補償機構を付加した重力補償機構付パラレルリンク作動装置に関する。
基端側のリンクハブに対して出力部となる先端側のリンクハブを3組以上のリンク機構(リンクユニット)によって姿勢を変更可能に連結し、各リンク機構をそれぞれモータで駆動して前記先端側のリンクハブの姿勢を決めるパラレルリンク作動装置が特許文献1に提案されている。
このパラレルリンク作動装置の剛性確保の構成として、特許文献2が提案さている。
さらに、ロボット開発において、重力の影響を無くす方法として、非特許文献1には、固定された支点を中心に揺動するリンクの反対側にカウンターウェイトを設ける方式とスプリング力でバランスを取る方式との二つの方式が紹介されている。
特開2005-144627号公報 特許第5675258号公報
武井直行著、「省エネ・安全のための重力補償機構」、日本ロボット学会、2011年7月、Vol.29 ・6 、pp.508-511
特許文献1に示されるパラレルリンク機構は、先端側リンクハブにエンドエフェクタ等の積載物を積載して姿勢変更させると、個々のリンク機構であるリンクユニットの形状が変化し、負荷バランスが崩れる。そのため、負荷が大きくなったパラレルリンク機構の剛性確保が難しくなる。このため、先端側リンクハブの積載物が目的位置に行かなかったり、その姿勢を保持できないと言う問題が発生する。確実に目的位置に移動させ、また静止姿勢を保持するためには、大きな駆動力と大型化が必要になる。
これを解消するため、特許文献2にパラレルリンク機構の静止方法が示されている。この方法では先端側リンクハブと基端側リンクハブ間に構造物を設け、この構造物で各リンクハブに力を発生させて静止させる。この案では、前記力を発生させるための制御装置が必要になると言う課題があり、また構造物間に力を発せさせるため、パラレルリンク機構を駆動する以外にエネルギーが必要になり、省エネルギー化ができない。
非特許文献1には、重量を補償する各種の方法が示されている。しかし、特許文献2の段落〔0032〕~〔0034〕にも示されているように、パラレルリンク機構は、基端側リンクハブの動作の球面中心と先端側リンクハブの動作の球面中心間の距離が、出力部材の傾きでは変わらないが、基端側リンクハブに対して先端側リンクハブが搖動(傾斜)する中心である折れ点と先端側リンクハブおよび基端側リンクハブとの各距離は、先端側リンクバブの傾きで変化する。このため、非特許文献1のスプリングバランス方式では、折れ点が変化するパラレルリンク機構には応用できない。
このように、パラレルリンク機構は、折れ曲がりなどの動きで、パラレルリンク機構を構成する各リンクユニットの姿勢変化により、各リンクユニットの積載物重量の負荷率が変化するため、各リンクユニットが、これらのリンクユニットに均等に付加された場合に支持できる積載重量以下に制限される。
パラレルリンク機構の積載重量を大きくするためには、駆動力の増大と剛性確保が必要であり、このためには駆動モータの大型化や、リンク部材の形状を大きくして剛性を強化する等の必要がある。そのため、パラレルリンク機構が大型化し、消費電力が増加すると言う問題がある。
この発明は、パラレルリンク機構の動きに追従して、パラレルリンク機構への積載物重力を補償するものであり、大型化することなく、消電力で積載重量を増大することができる重力補償機構付パラレルリンク作動装置を提供することを目的とする。
この発明の重力補償機構付パラレルリンク作動装置は、基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブが3組以上のリンクユニットを介して姿勢を変更可能に連結されたパラレルリンク機構と、前記先端側のリンクハブの姿勢を変更させるアクチュエータと備え、前記各リンクユニットが、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とでなるパラレルリンク作動装置であって、
前記基端側のリンクハブと先端側のリンクハブとの間に、前記先端側のリンクハブの姿勢変更に応じ重力に対する補償力を発生する重力補償機構が取付けられている。
前記従来のパラレルリンク機構は、先端側リンクハブの姿勢を変えたときに、個々のリンクユニットの姿勢が変化することによって、先端側リンクハブの積載物の重量により生じる個々のリンクユニット間の負荷のバランスが崩れる。このバランスの崩れにより個々のリンクユニットに作用する最大の負荷で制限されて、パラレルリンク機構の全体として先端側リンクハブの積載重量が限られる。
これ対して、この発明は、重力補償機構が取付けられていて、先端側リンクハブの姿勢変更に応じ補償力を発生するため、先端側リンクハブの積載物の重量が補償され、個々のリンクユニッの負荷が軽減されて、前記積載物の重量制限範囲を広くすることが可能となる。
また、重力補償機構の補償力により、パラレルリンク機構への積載重量の負荷が軽減されるため、駆動モータ等の前記アクチュエータの大型化が防げ、また供給電力を省電力化できる。
前記重力補償機構は、パラレルリンク機構の内部に配置できて、パラレルリンク機構自体が大きくなることが防止される。
このように、大型化することなく、消電力で積載重量を増大することができる。
この発明において、前記重力補償機構は、揺動中心回りに正逆に回転する動作である揺動が可能であり、前記パラレルリンク機構における前記基端側のリンクハブの中心軸と前記先端側のリンクハブの中心軸とが交差する折れ点に前記揺動中心が位置するように設置され、揺動により揺動角に応じた前記補償力を発生するようにしてもよい。
このように、パラレルリンク機構の折れ点に合わせて重力補償機構が揺動するように構成することで、パラレルリンク機構の動作に円滑に追随して補償力が適切に得られる重力補償機構となる。
なお、前記「折れ点に前記揺動中心が位置する」とは、前記折れ点を搖動中心となる直線が通ることを意味する。この場合に、前記重力補償機構における、前記パラレルリンク機構の両リンクハブの離間方向に延びる中心線が前記折れ点を通ることが望ましい。
この構成の場合に、前記重力補償機構は、一端が前記揺動中心で互いに揺動可能に連結されて他端がそれぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに連結された基端側アームおよび先端側アームと、前記基端側アームと前記先端側アームとに両端がそれぞれ連結された巻きばねとを有するようにしてもよい。
巻きばねを用いることで、基端側アームと先端側アーム間の揺動角の変化を弾性復元力として蓄えることが容易に行え、コンパクトな構成で、大きく安定した補償力を得ることができる。
前記基端側アームおよび先端側アームは、それぞれ、連結部がこれらアームの長手方向に移動可能でかつアーム軸中心回りに回転可能なように、前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに前記連結部で連結されていてもよい。
例えば、基端側アームおよび先端側アームが外周面にスプライン溝を有し、これらスプライン溝にそれぞれ係合するスプライン軸受が設けられ、これらスプライン軸受の外周に回転軸受が設けられ、これら回転軸受の外輪が前記基端側アームおよび先端側アームに取付けられることで、前記長手方向に移動可能でかつ回転可能な連結を行なう。
パラレルリンク機構が、先端側リンクハブが傾いた揺動状態で、旋回や基端回転を行う場合でも、パラレルリンク機構への重力補償機構の連結部を回転可能に連結することで、重力補償機構はパラレルリンク機構の動きを吸収し、パラレルリンク機構は重力補償機構に制限されずに動作ができ、さらに重力補償機構によりパラレルリンク機構へ補償力を作用させることが出来る。
上向きのパラレルリンク機構に重力補償機構を取付ける場合につき具体例で説明する。
前記重力補償機構は、揺動可能に取付けた上アームである先端側アームと下アームである基端側アームとの2つのアームを持ち、両アーム相互の連結部に、揺動角に応じた補償力を発生する補償力発生部を設け、最大揺動角になった時に最大補償力を発生するように構成する。この重力補償機構は、前記先端側アームと基端側アームの軸中心がパラレルリンク機構の各球面リンク中心を通り各リンクハブに垂直となり、さらに摺動と回転が可能に取付ける。
この状態で、先端側リンクハブが真上を向いた時(先端側リンクハブと基端側リンクハブが平行の状態)に、重力補償機構の上アームである先端側アームと下アームである基端側アームの揺動中心は、パラレルリンク機構の折れ点と同じ位置にする。
これにより、パラレルリンク機構のアクチュエータとなるモータを駆動して、先端側リンクハブの揺動に応じて折れ点の位置が変化すると、これに応じて先端側リンクハブと下アームである基端側アームとが互いに摺動する。このようにパラレルリンク機構の連結部が摺動することで、パラレルリンク機構の折れ点の位置の変化を吸収し、パラレルリンク機構の動きに影響を及ぼすことなく重力補償機構も揺動する。
この時、重力補償機構の揺動で補償力が発生し、上アームである先端側アームから先端側リンクハブに揺動方向と逆の補償力が作用する。これにより、先端側リンクハブの積載物の重量が補償され、この補償によって積載物重量に対するパラレルリンク機構の負荷が軽減される。
下向きのパラレルリンク機構に重力補償機構を取付ける場合も、上向きのパラレルリンク機構に重力補償機構を設けた構造と同じ構造にする。
下向きのパラレルリンク機構と上向きのパラレルリンク機構の重力補償機構の違いは、補償力の発生方向である、上向きパラレルリンク機構の重力補償機構の補償力は最大揺動位置が一番大きくその力の向きは、最大揺動位置から真上方向に発生する。
これに対して、下向きのパラレルリンク機構の場合は、補償力は真下の位置に先端側アームが来た場合で、その力の向きは真下から最大揺動位置方へ向く点が、上向きパラレルリンク機構の場合と異なる。
この発明において、前記重力補償機構は、前記パラレルリンク機構の前記基端側のリンクハブの中心軸と前記先端側のリンクハブの中心軸とが交差する折れ点で、任意の揺動方向に揺動可能であり、揺動により前記補償力を発生する発生するように構成されていてもよい。すなわち、ピボット状に搖動可能であってもよい。
この構成の場合、重力補償機構がパラレルリンク機構の折れ点を中心として任意方向に揺動可能なため、パラレルリンク機構の任意方向の揺動による姿勢変化に、円滑に対応できる。
なおこの構成の場合、前記重力補償機構は、パラレルリンク機構の任意の旋回方向(旋回角度を言う)における搖動中心(直線)が無数交差する搖動中心点で任意方向にピボット状に搖動可能であり、前記搖動中心点が前記折れ点に位置するように、パラレルリンク機構に組み込まれる。
前記任意方向に揺動可能な前記重力補償機構は、一端が前記折れ点でジョイントにより互いに揺動可能に連結されて他端がそれぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに連結された基端側アームおよび先端側アームと、前記基端側アームおよび前記先端側アームと前記ジョイントの間に介在し、前記基端側アームおよび前記先端側アームを回転自在に支持する回転軸受と、前記基端側アームおよび先端側アームに設けられたスプライン溝に係合するスプライン軸受とを有し、前記スプライン軸受を介して前記基端側アームおよび先端側アームが前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに連結されていてもよい。前記ジョイントは、例えばユニバーサルジョイントとされる。
このように重力補償機構が、パラレルリンク機構の折れ点で任意方向に揺動可能なジョイントを有し、互いに揺動可能な各アームがスプライン軸受と回転軸受とを介してパラレルリンク機構の各リンクハブに連結されていると、パラレルリンク機構の任意方向への揺動に、より一層円滑に対応できる。
前記重力補償機構が、前記ジョイントを有する構成において、前記基端側アームと前記基端側のリンクハブの間、および前記先端側アームと前記先端側のリンクハブとの間にばね部材が設けられ、このばね部材は、前記パラレルリンク機構の姿勢の変化による前記スプライン軸受の移動によって弾性変形させられて前記補償力を発生する構成であってもよい。
この構成の場合、パラレルリンク機構が揺動すると、パラレルリンク機構の各リンクハブと重力補償機構の各アームとの間に設けらればね部材が、相対的に軸方向移動する力でばね力を発生し、このばね力が前記補償力としてパラレルリンク機構に作用する。
この発明において、前記重力補償機構は、中央部材の両端に一対の揺動体が搖動可能に連結され、前記各揺動体の揺動中心点が、前記基端側のリンクハブの動作の中心となる球面リンク中心、および前記先端側のリンクハブの動作の中心となる球面リンク中心にそれぞれ位置するように、前記各揺動体が前記パラレルリンク機構の前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに連結され、前記各揺動体の揺動に応じて前記補償力を発生する補償力発生部が設けられていてもよい。
この構成の場合、パラレルリンク機構の先端側リンクハブが基端側リンクハブに対して姿勢変更すると、前記重力補償機構は、中央部材の両端の揺動体がパラレルリンク機構の各球面中心で揺動してパラレルリンク機構の動きに追従する。このとき、補償力発生部は揺動体の揺動に応じた補償力が先端側リンクハブの揺動方向と逆方向に発生し、先端側リンクハブの積載物の重量を軽減して、パラレルリンク機構への積載物重量の負荷を軽減する。
なお、前記両搖動体の搖動中心となる直線は、互いに平行であることが望ましい。
この構成の場合に、前記重力補償機構は、前記中央部材と前記各揺動体との連結部に、前記補償力発生部がそれぞれ設けられ、これら補償力発生部は、前記揺動に応じてばね部材が弾性変形することで補償力を発生するようにしてもよい。
この構成の場合、ばね部材が弾性変形することで補償力を発生するため、別途に駆動源を設けることなく、パラレルリンク機構の積載物の重力を補償することができる。
また、この構成の場合に、前記重力補償機構の前記各揺動体が、前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに対し、それぞれ回転軸受によって回転可能に連結されていてもよい。
先端リンクハブの揺動方向が旋回方向につき狙い方向と異なる場合には、先端側リンクハブを旋回させて向きを修正する。この時、重力補償機構は、パラレルリンク機構の旋回に伴い、基端側リンクハブの取付け部の軸受が回転して、パラレルリンク機構の旋回運動に追従する。
また、パラレルリンク機構の旋回動作で、先端リンクハブの積載物の姿勢が狙いの姿勢と異なる場合には、基部リンクハブを回転させることで先端リンクハブが等速回転して、積載物の姿勢を狙いの姿勢に修正する。この時も重力補償機構と先端リンクハブ及び基部リンクハブの取付け部の軸受が回転することで、パラレルリンク機構動きに重力補償機構の影響はない。
なお、この旋回及び回転時でも重力補償機構は揺動姿勢を保持しているため、補償力は常に発生しパラレルリンク機構の積載物の重量を軽減する。
このように重力補償機構の各揺動体とパラレルリンク機構の各ハブリンクとの連結が回転可能になされていると、パラレルリンク機構の動作を阻害することなく各揺動体が自由に揺動できる。
前記パラレルリンク機構は、先端側リンクハブが上向きとなる使用形態と、下向きとなる使用形態とを2通りの使用形成を取り得る。
前記重力補償機構は、上向きのパラレルリンク機構に設置する場合と下向きに設置する場合とで、同じ構成とされていてもよい。ただし、上向きのパラレルリンク機構用の重力補償機構と、下向きのパラレルリンク機構用の重力補償機構とでは、最大の補償力を発生する方向を異ならせる。
前記パラレルリンク機構が、前記先端側のリンクハブが基端側リンクハブに対して上側に位置する上向き姿勢である場合、前記重力補償機構は、真上から揺動した位置にある前記先端側のリンクハブに対して、補償力を真上方向に発生させるようにする。
前記パラレルリンク機構が、前記先端側のリンクハブが基端側リンクハブに対して下側に位置する下向き姿勢である場合は、前記重力補償機構は、真下から揺動した位置にある前記先端側のリンクハブに対して、補償力を最大の揺動角度となる方向に発生させるようにする。
これにより、パラレルリンク機構が上向き姿勢である場合と下向き姿勢である場合とのいずれにおいても、パラレルリンク機構の揺動時に、積載物を搭載した先端側リンクハブの重力を補償して、パラレルリンク機構への積載物重量の負荷を軽減できる。
この発明において、前記揺動の角度を検出する回転センサが設けられ、検出された揺動角度に応じて前記アクチュエータを駆動させてパラレルリンク機構の姿勢を変更させるコントローラを備えていてもよい。
この構成の場合、回転センサおよびコントローラが必要となるが、積載物の重力に対してより一層の適切な補償が行える。
なお、この発明において、前記パラレルリンク機構の前記各リンクの関節を中空軸にし、さらに前記リンクに穴を設け、この穴へケーブルを通して配線することで、前記パラレルリンク機構の前記先端側リンクハブに取付られたエンドエフェクタの配線を行うようにしてもよい。
この発明の重力補償機構付パラレルリンク作動装置は、基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブが3組以上のリンクユニットを介して姿勢を変更可能に連結されたパラレルリンク機構と、前記先端側のリンクハブの姿勢を変更させるアクチュエータと備え、前記各リンクユニットが、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とでなるパラレルリンク作動装置であって、前記基端側のリンクハブと先端側のリンクハブとの間に、前記先端側のリンクハブの姿勢変更に応じ重力に対する補償力を発生する重力補償機構が取付けられたため、パラレルリンク機構の動きに追従して、パラレルリンク機構への積載物重力を補償でき、大型化することなく、消電力で積載重量を増大することができる。
この発明の第1の実施形態に係る上向きの重力補償機構付パラレルリンク作動装置の正面図である。 同パラレルリンク作動装置の一つのリンクユニットとアクチュエータを示す斜視図である。 同パラレルリンク作動装置の重力補償機構未設置状態における斜視図である。 同パラレルリンク作動装置の正面図である。 同パラレルリンク作動装置の図4と異なる姿勢の正面図である。 同パラレルリンク作動装置の一部を示す正面図である。 同パラレルリンク作動装置の破断平面図である。 同パラレルリンク作動装置におけるパラレルリンク機構を直線で示すモデルである。 同重力補償機構付パラレルリンク作動装置における重力補償機構の破断正面図である。 同重力補償機構の破断側面図である。 (A)は同重力補償機構の下半部を示す分解破断正面図、(B)は同重力補償機構の下半部における下側取付部材の平面図である。 (A)は同重力補償機構の上半部を示す分解破断正面図、(B)は同重力補償機構の上半部における上側取付部材の平面図である。 (A)~(C)は同重力補償機構の補償力付与部の部品図、(D),(E)は同図(A),(C)に示す部品の裏面図である。 (A)~(C)は重力補償機構付パラレルリンク作動装置の揺動、旋回、基端回転の動作状態をそれぞれ示す動作説明図である。 同重力補償機構の下向き用とした変形例の破断正面図である。 同変形例に係る重力補償機構の破断側面図である。 (A)は同変形例に係る重力補償機構の上半部を示す分解破断正面図、(B)はその上半部における上側取付部材の平面図である。 (A)は同変形例に係る重力補償機構の下半部を示す分解破断正面図、(B)はその下半部における下側取付部材の平面図である。 (A)~(C)は同変形例に係る重力補償機構の補償力付与部の部品図、(D),(E)は同図(A),(C)に示す部品の裏面図である。 同変形例に係る重力補償機構の補償部の組み立て過程を示す破断正面図である。 同変形例に係る重力補償機構の補償部の組み立て過程における他の状態を示す破断側面図である。 この発明の他の実施形態に係る上向きの重力補償機構付パラレルリンク作動装置の破断正面図である。 その重力補償機構の破断正面図である。 同重力補償機構の分解状態の破断正面図である。 (A)~(C)は同重力補償機構付パラレルリンク作動装置の揺動、旋回、基端回転の動作状態をそれぞれ示す動作説明図である。 (A)は同重力補償機構の変形例の部分破断正面図、(B)は同変形例の重力補償機構をパラレルリンク機構と共に示す部分破断正面図である。 同重力補償機構の下向き用とした変形例の部分破断正面図である。 同重力補償機構を装備した下向きのパラレルリンク作動装置の揺動、旋回、基端回転の動作状態をそれぞれ示す動作説明図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る上向きの重力補償機構付パラレルリンク作動装置の一部破断正面図である。 同パラレルリンク作動装置における重力補償機構の破断側面図である。 同重力補償機構の破断正面図である。 同重力補償機構の補償力発生部の分解斜視図である。 (A)~(B)は重力補償機構付パラレルリンク作動装置の揺動、旋回、基端回転の動作状態をそれぞれ示す動作説明図である。 さらに他の実施形態に係る下向きの重力補償機構付パラレルリンク作動装置の一部破断正面図である。 同重力補償機構の分解斜視図である。 (A)~(B)は同重力補償機構付パラレルリンク作動装置の揺動、旋回、基端回転の動作状態をそれぞれ示す動作説明図である。
<第1の実施形態の重力補償機構付パラレルリンク作動装置の上向きの例>
この重力補償機構付パラレルリンク作動装置は、パラレルリンク機構10と、その姿勢変更のための駆動用のアクチュエータ11と、重力補償機構60とによって構成され、コントローラ2によってアクチュエータ11を制御することで、パラレルリンク機構10の姿勢が制御される。
<パラレルリンク機構10>
パラレルリンク機構10は、図3に示すように、基端側のリンクハブ12に対し先端側のリンクハブ13を、3組のリンクユニット14を介して姿勢変更可能に連結してなる。リンクユニット14の数は、4組以上であってもよい。
各リンクユニット14は、その一つを図6に示すように、基端側の端部リンク部材15、先端側の端部リンク部材16、および中央リンク部材17で構成され、4つの回転対偶部31~34からなる4節連鎖のリンク機構をなす。基端側および先端側の端部リンク部材15,16はL字状をなし、一端がそれぞれ基端側のリンクハブ12および先端側のリンクハブ13に回転自在に連結されている。中央リンク部材17は、両端に基端側および先端側の端部リンク部材15,16の他端がそれぞれ回転自在に連結されている。
パラレルリンク機構10は、2つの球面リンク機構を組み合わせた構造であって、リンクハブ12,13と端部リンク部材15,16の各回転対偶部31,32、および端部リンク部材15,16と中央リンク部材17の各回転対偶部33,34の中心軸O1,O2(図7)が、基端側と先端側においてそれぞれの球面リンク中心PA,PB(図6、図8) で交差している。また、基端側と先端側において、リンクハブ12,13と端部リンク部材15,16の各回転対偶部31,32とそれぞれの球面リンク中心PA,PBからの距離も同じであり、端部リンク部材15,16と中央リンク部材17の各回転対偶33,34とそれぞれの球面リンク中心PA,PBからの距離も同じである。端部リンク部材15,16と中央リンク部材17との各回転対偶部33,34の中心軸は、ある交差角γ(図6)を持っていてもよいし、平行であってもよい。
図7はリンク作動装置の破断平面図であって、同図に、基端側のリンクハブ12と基端側の端部リンク部材15の各回転対偶部31の中心軸O1と、中央リンク部材17と基端側の端部リンク部材15の各回転対偶部33の中心軸O2と、基端側の球面リンク中心PAとの関係が示されている。つまり、中心軸O1と中心軸O2とが交差する点が球面リンク中心PAである。図の例では、リンクハブ12(13)と端部リンク部材15(16)との各回転対偶部31,32の中心軸O1と、端部リンク部材15(16)と中央リンク部材17との各回転対偶部33,34の中心軸O2とが成す角度αが90°とされているが、前記角度αは90°以外であってもよい。
図8は、一組のリンクユニット14を直線で表現した図である。3組のリンクユニット14は、如何なる姿勢においても幾何学的に同一形状をなす。幾何学的に同一形状とは、図8に示すように、各リンク部材15,16,17を直線で表現した幾何学モデル、すなわち各回転対偶部31~34と、これら回転対偶部31~34間を結ぶ直線とで表現したモデルが、中央リンク部材17の中央部に対する基端側部分と先端側部分が対称を成す形状であることを言う。この実施形態のパラレルリンク機構10は回転対称タイプで、基端側のリンクハブ12および基端側の端部リンク部材15と、先端側のリンクハブ13および先端側の端部リンク部材16との位置関係が、中央リンク部材17の中心線Cに対して回転対称となる位置構成になっている。各中央リンク部材17の中央部は、共通の軌道円上に位置している。
基端側のリンクハブ12と先端側のリンクハブ13と3組のリンクユニット14とで、基端側のリンクハブ12に対し先端側のリンクハブ13が直交2軸回りに回転自在な2自由度機構が構成される。言い換えると、基端側のリンクハブ12に対して先端側のリンクハブ13を、回転が2自由度で姿勢変更自在な機構である。この2自由度機構は、コンパクトでありながら、基端側のリンクハブ12に対する先端側のリンクハブ13の可動範囲を広くとれる。
例えば、球面リンク中心PA,PBを通り、リンクハブ12,13と端部リンク部材15,16の各回転対偶部31,32の中心軸O1(図7)と直角に交わる直線をリンクハブ12,13の中心軸QA,QBとした場合、基端側のリンクハブ12の中心軸QAと先端側のリンクハブ13の中心軸QBとの折れ角θ(図8)の最大値を約±90°とすることができる。また、基端側のリンクハブ12に対する先端側のリンクハブ13の旋回角φを0°~360°の範囲に設定できる。折れ角θは、基端側のリンクハブ12の中心軸QAに対して先端側のリンクハブ13の中心軸QBが傾斜した垂直角度のことであり、旋回角φは、基端側のリンクハブ12の中心軸QAに対して先端側のリンクハブ13の中心軸QBが傾斜した水平角度のことである。
基端側のリンクハブ12に対する先端側のリンクハブ13の姿勢変更は、基端側のリンクハブ12の中心軸QAと先端側のリンクハブ13の中心軸QBとの交点である折れ点Oを回転中心として行われる。基端側のリンクハブ12の中心軸QAと先端側のリンクハブ13の中心軸QBが同一線上にある原点姿勢(図4)では、先端側のリンクハブ13は真下を向く。図3,図5は、基端側のリンクハブ12の中心軸QA(図8)に対して先端側のリンクハブ13の中心軸QBが或る作動角をとった状態を示す。姿勢が変化しても、基端側と先端側の球面リンク中心PA,PB間の距離Lは変化しない。
各リンクユニット14が次の各条件を満たす場合、幾何学的対称性から基端側のリンクハブ12および基端側の端部リンク部材15と、先端側のリンクハブ13および先端側の端部リンク部材16とは同じに動く。よって、パラレルリンク機構10は、基端側から先端側へ回転伝達を行う場合、基端側と先端側は同じ回転角になって等速で回転する等速自在継手として機能する。
条件1:各リンクユニット14におけるリンクハブ12,13と端部リンク部材15,16との回転対偶部31,32の中心軸O1の角度および長さが互いに等しい。
条件2:リンクハブ12,13と端部リンク部材15,16との回転対偶部31,32の中心軸O1および端部リンク部材15,16と中央リンク部材17との回転対偶部33,34の中心軸O2が、基端側および先端側において球面リンク中心PA,PBで交差する。
条件3:基端側の端部リンク部材15と先端側の端部リンク部材16の幾何学的形状が等しい。
条件4:中央リンク部材17における基端側部分と先端側部分の幾何学的形状が等しい。
条件5:中央リンク部材17の対称面に対して、中央リンク部材17と端部リンク部材15,16との角度位置関係が基端側と先端側とで同じである。
図4に示すように、基端側のリンクハブ12は、基端部材20と、この基端部材20と一体に設けられた3個の回転支持部材21とで構成される。3個の回転支持部材21が円周方向に等間隔で配置されている。各回転支持部材21には、軸心が基端側のリンクハブ12の中心軸QAと交差する回転軸22が回転自在に連結されている。この回転軸22に、基端側の端部リンク部材15の一端が連結される。
先端側のリンクハブ13は、平板状の先端部材50と、この先端部材50の内面に円周方向等配で設けられた3個の回転支持部材51とで構成される。各回転支持部材51は、軸心が先端側のリンクハブ13の中心軸QBと交差する回転軸52が回転自在に連結されている。この先端側のリンクハブ13の回転軸52に、先端側の端部リンク部材16の一端が連結される。先端側の端部リンク部材16の他端には、中央リンク部材17の他端に回転自在に連結された回転軸55が連結される。先端側のリンクハブ13の回転軸52および中央リンク部材17の回転軸55も、前記回転軸35と同じ形状であり、かつ2個の軸受(図示せず)を介して回転支持部材51および中央リンク部材17の他端にそれぞれ回転自在に連結されている。
<回転対偶部31(リンクハブ12と端部リンク部材15の間)>
図7に基端側の各端部リンク部材15の断面と、各アクチュエータ11と、基端側のリンクハブ12の関係を示す。
基端側のリンクハブ12は、各端部リンク部材15を支持するための3個の回転軸支持部材21が、基端部材20の上面に突出して設けられている。この回転軸支持部材21に回転軸22が、軸受を介して回転自在に支持され、回転軸22に端部リンク部材15の一端が固定されている。この基端側のリンクハブ12とリンクハブ12との軸受による連結部分を、回転対偶部31と称す。
図4において、先端側の端部リンクハブ13と端部リンク部材16との連結は、基端側のリンクハブ12と端部リンク部材15との上記回転対偶部31と同様な構成の回転対偶部32で連結されている。
<回転対偶部33(端部リンク部材15と中央リンク部材17の間)>
図7に示すように、基端側の端部リンク部材15の他端には、二叉状となった一対の分岐片が設けられ、両分岐片の間に、中央リンク部材17の端部が介在する。この中央リンク部材17の端部に、基端側のリンクハブ12との回転対偶部31と同様に、軸受並べて設けられて、その外輪が中央リンク部材17に嵌合状態に固定され、内輪に回転軸35が嵌合している。前記軸受予圧が与えられている。なお、この部分の回転軸35は、回転の支持を行う軸であって、回転は行わないが、回転する構成としてもよい。
先端側の端部リンク部材16(図4参照)と中央リンク部材17との回転対偶部34は、図7と共に説明した基端側の端部リンク部材15と中央リンク部材17との回転対偶部33と同様な構成で連結されている。
<アクチュエータ11>
アクチュエータ11は、図4のように、減速機構62を備えた駆動モータ等のロータリアクチュエータであり、基端側のリンクハブ12の基端部材20の下面に、前記回転軸22と同軸上に設置されている。姿勢制御用駆動源11と減速機構62は一体に設けられ、駆動源取り付け部材63により減速機構62が基端部材20に固定されている。この例では、3組のリンクユニット14の全てにアクチュエータ11が設けられているが、3組のリンク機構14のうち少なくとも2組にアクチュエータ11を設ければ、基端側のリンクハブ12に対する先端側のリンクハブ13の姿勢を確定することができる。
パラレルリンク機構10は、各アクチュエータ11を回転駆動することで姿勢の変更を行う。詳しくは、アクチュエータ11を回転駆動すると、その回転が減速機構62を介して減速して回転軸22に伝達される。それにより、基端側のリンクハブ12に対する基端側の端部リンク部材15の角度が変わり、基端側のリンクハブ2に対する先端側のリンクハブ3の姿勢が変更される。
<エンドエフェクタ88>
図1,図3において、先端側リンクハブ12には、作業の対象物(図示せず)に対して作業を行うエンドエフェクタ88(図2)が取付けられる。エンドエフェクタ88は、例えば、塗布ノズル、エアーノズル、溶接トーチ、カメラ、把持機構等とされる。
<重力補償機構60>
重力補償機構60は、基端側リンクハブ12と先端側リンクハブ13との間に設けられて、先端側リンクハブ13の姿勢変更に対して補償力を発生する機構である。
この実施形態では、図9、図10等に示すように、重力補償機構60は、互いに一端が揺動中心Nで折れ曲がり可能に連結された基端側アーム62および先端側アーム63と、補償力発生源であるばね部材64を有する補償力発生部76とで主に構成される。基端側アーム62および先端側アーム63は、他端がそれぞれ、パラレルリンク機構10の基端側リンクハブ12および先端側リンクハブ13に連結され、揺動中心Nがパラレルリンク機構10の折れ点Oと一致するように設置される。
この実施形態の重力補償機構60は、上向き姿勢(先端側リンクハブ63が基端側リンクハブ62に対して上側に位置する姿勢)のパラレルリンク機構10に用いられる例であり、前記基端側アーム62は「下アーム」、先端側アーム63は「上アーム」と称する場合がある。
ばね部材64は、揺動中心Nと同心に配置された均等型の渦巻きばね等の巻きばねであり、両端が基端側アーム62および先端側アーム63に、後述のように他の部材を介して間接的に係合し、基端側アーム62と先端側アーム63とが揺動中心Nで回りに互いに折れ曲がるように搖動すると、曲げ角に応じた弾性復元力であるばね力を発生する。このばね力がパラレルリンク機構10の姿勢変更に対する補償力として作用する。均等型の巻きばねは、負荷が作用しない自然状態で各周回部分が等間隔で離れているばねである。
重力補償機構60の基端側アーム62および先端側アーム63と、パラレルリンク機構10における基端側リンクハブ12および先端側のリンクハブ13との連結は、連結部が、基端側アーム62および先端側アーム63の長手方向に移動可能でかつアーム中心軸回りに回転可能なように行われる。この長手方向移動および回転可能な連結は、スプライン結合と軸受とにより、次のように行われる。
図9に示すように、基端側アーム62および先端側アーム63の外周面にスプライン溝65A,65Bが設けられ、これらスプライン溝65A,65Bに沿って基端側アーム62および先端側アーム63の長手方向に移動自在にスプライン軸受66A,66Bが設けられている。スプライン軸受66A,65Bは、ボールプスプライン型であっても、摺動スプライン型であってもよい。これらスプライン軸受66A,66Bの外周に転がり軸受からなる回転軸受67A,67Bが設けられ、各回転軸受67A,7Bの外輪が、それぞれ基端側ハブ取付部材68Aおよび先端側ハブ取付部材68Bを介して基端側アーム62および先端側アーム63に固定状態に取付けられる。基端側ハブ取付部材68Aおよび先端側ハブ取付部材68Bは、重力補償機構60のパラレルリンク機構10に対する連結部となる。
基端側アーム62の前記回転軸受67Aには、その内輪と外輪間の回転角度を検出する回転センサ70が取付けられている。
詳しくは、各スプライン軸受66A,66Bの外周に座部材71A,71B(図11,図12)が嵌合状態に固定され、この座部材71A,71Bの外周に形成された段付き円筒面における小径部分に前記回転軸受67A,67Bの内輪が嵌合する。各回転軸受67A,67Bの内輪は、一方の側面が座部材71A,71Bの段差面に係合し、他方の側面が座部材71A,71Bの外周の止め輪溝に係合する止め輪75A,75Bに係合することで、軸方向に固定されている。
下アームとなる基端側アーム62の外周の座部材71Aの外周には、回転軸受67Aの内輪と軸方向に重なって前記回転センサ70(図9、図10)が設置けられている。
基端側アーム62の下端外周には止め輪溝が形成されてばね受けとなる止め輪73Aが取付けられ、止め輪73Aとスプライン軸受66Aとの間で基端側アーム62の外周に設けられた戻しばね72Aによって、スプライン軸受66Aが上側つまり揺動中心N側に付勢されている。
上アームである先端側アーム63の下端外周には止め輪溝が形成されて止め輪86が取付けられ、スプライン軸受66Bを当接させることでその下方への移動範囲を規制している。先端側アーム63の上端外周には止め輪溝が形成されてばね受けとなる止め輪73Bが取付けられ、止め輪73Bとスプライン軸受66Bとの間で先端側アーム63の外周に設けられた戻しばね72Bによって、スプライン軸受66Bが下側つまり揺動中心N側に付勢されている。 前記各戻しばね72A,72Bにはコイルばね等が用いられる。
<補償力発生部76>
補償力発生部76を、組み立て状態を示す図10と、分解状態を示す図11、図12と、部品図である図13とで説明する。
補償力発生部76は、浅い円筒状とされて中心部に揺動軸挿通孔78(図13)を有するばねハウジング77(図10参照)と、前記揺動軸挿通孔78に挿通される揺動軸80を有しばねハウジング77の開口を閉じる蓋部材79と、ばねハウジング78内に収納される均等型の渦巻きばね等の巻ばねからなる前記ばね部材64とを有する。揺動軸80の軸心が前記揺動中心Nとなる。蓋部材79は、裏面(内面)の外周に、ばねハウジング77の円筒部77bの先端が嵌まる段差状の肩部79a(図13(E))を有しており、ばねハウジング77に対して回転可能に組付けられる。ばね部材64は、中心側端および外径側間の折曲部分からなる係合部64a,64bが、揺動軸80およびばねハウジング77にそれぞれ設けられた係止孔80a,77aに係止される。
補償力発生部76の両面には、図10~図12に示すように、下側取付部材81Aおよび上側取付部材81Bが重ねられ、ビス82,83によって取付けられる。下側取付部材81Aおよび上側取付部材81Bは、折曲片状の軸取付部81Aa,81Baを有し、これら軸取付部81Aa,81Baが,基端側アーム62および先端側アーム63の端面にビス84A,84Bによって取付けられる。上側の軸取付部81Baを取付けるビス84Bの頭部にはばね座金85(図12参照)を介在させてもよい。
<重力補償機構60のパラレルリンク機構10への取付>
上向きのパラレルリンク機構10に重力補償機構60を設置する方法を、図1と共に説明する。
重力補償機構60の上アームである先端側アーム63の軸中心とパラレルリンク機構10の上側の球面リンク中心PBを含む中心軸OB(図8)とを同軸に組み込み、下アームである基端側アーム6の軸中心とパラレルリンク機構10の下側の球面リンク中心PAを含む中心軸QAとを同軸に組み込む。具体的には、先端側リンクハブ13の球面リンク中心PBを通り、先端側リンクハブ13に対して先端側アーム62が垂直になるように、先端側ハブ取付部材68B(図9参照)を先端側リンクハブ63へ取付ける。これと同様に、基端側リンクハブ12に基端側ハブ取付部材68Aにより、基端側アーム63を取付ける。
このとき、先端側リンクハブ13が真上を向いた状態(図4に示すように先端側リンクハブ13と基端側リンクハブ12が平行な状態(原点姿勢))で、重力補償機構60の揺動中心Nとパラレルリンク機構10の折れ点Oを一致させるために、重力補償機構60の図1、図10に示す連結点中心間距離X(基端側ハブ取付部材68Aの軸方向を向く取付面68Aaと揺動中心Nとの距離)を、パラレルリンク機構10の折れ点球面中心間距離(L/2)と取付位置離間距離Y(図1)の合計(L/2+Y)と一致させる。折れ点球面中心間距離(L/2)は、両球面中心PA,PB間の距離Lの1/2である。取付位置離間距離Yは、前記取付面68Aaが折れ点Oから軸方向に離れる距離である。
この場合、基端側ハブ取付部材68Aとスプライン軸受68Aで基端側アーム62を位置決めして前記連結点中心間距離Xを調整する。
なお、図9に示す戻しばね72A,72Bを、基端側アーム62および先端側アーム63へ設けても良い。
先端側リンクハブ13に積載するエンドエフェクタ88(図2)を駆動させるためのケーブル89は、先端側リンクハブ13に設けた貫通穴を通し、各リンク部材15~17の関節軸を中空にして、その中空穴を通して配線して、先端側リンクハブ13から基部側リンクハブ12側へ配線する。
基端側アーム62の回転軸受67Aには前記のように回転センサ70を設けるが、この回転センサ70の原点を重力補償機構60がNを中心に傾いて補償力を発生する位置に合わせる。
<動作および作用の説明>
重力補償機構60を設けた上向きのパラレルリンク機構10の揺動、旋回、および基端回転の3通りの動作について図14(A)~(C)にそれぞれに示す。
前記「揺動」は、図8の旋回角φを維持したままで折れ点O回りの折れ角θを変更させる動作、つまり先端側リンクハブ13を傾ける動作を言う。
前記「旋回」は、折れ角θを維持したままで旋回角φを変更させる動作を言う。換言すれば、先端側リンクハブ13の傾きを維持したままで、先端側リンクハブ13の方向を変化させる動作を言う。
前記「基端回転」は、基端側リンクハブ12を搭載した回転台90により、パラレルリンク機構10の基端側リンクハブ12を、その中心軸回りに回転させる動作を言う。
<揺動(図14(A))について>
図14(A)において、先端側リンクハブ13を揺動させる場合には、コントローラ2(図1)の制御により、先ず、重力補償機構60の基端側アーム62の回転軸受67Aに設けられた回転センサ70で重力補償機構60が揺動して補償力が発生する位置を検出後に先端リングハブ13を、各リンクユニット14のアクチュエータ11となる駆動モータを駆動して、先端リングハブ13を揺動する。次に、回転体90を回転させて先端リングハブ13を目的の方向に向ける。又は、この逆の方法でも良い。
先端側リンクハブ13が揺動すると、先端リンクハブ13の積載物(エンドエフェクタ88等) の重量がパラレルリンク機構10の各リンクユニット14に負荷される。一方、この揺動により、重力補償機構60の補償力発生部76のばね部材64である均等型巻ばねが巻かれることで、その反発力が補償力として発生し、重力補償機構60の先端側アーム63からスプライン軸受66B→回転軸受67B→先端側ハブ取付部材68Bを介して先端側リンクハブ13に伝達され、先端側リンクハブ12の積載物の重量を補償する。
パラレルリンク機構10が揺動したときの各リンクハブ12,13の折れ点Oからの伸びは、重力補償機構60の各アーム62,63に設けたスプライン軸受66A,66Bが摺動して吸収する。
また、先端側アーム63と基端側アーム62に戻しばね72B,72Aを設けることで、先端側リンクハブ13の傾き後、元の姿勢に戻るときのパラレルリンク機構10の折れ点Oの位置に対して、重力補償機構60の揺動中心Nの追従がスムーズになる。
<旋回(図14(B))>について
旋回は、前記「揺動」の動作で巻きばねからなるばね部材64の巻き方向に先端側リンクハブ13を傾けた後、各アクチュエータ11を駆動して、先端側リンクハブ13を回転させる。重力補償機構60の下アームである基端側アーム62は、先端側リンクハブ13に対して回転する。
具体的に説明すると、揺動について前述したように、パラレルリンク機構10を重力補償機構60が補償力を発せさせる姿勢で揺動させた時に、先端リンクハブ12の旋回角方向が目的姿勢の旋回角方向と異なる場合には、各リンクユニット14のアクチュエータ11を駆動して目的姿勢となる旋回角方向へ旋回させる。
先端側リンクハブ13の旋回に伴い、揺動した重力補償機構60は、基端側アーム62を中心に回転する。この回転は、基端側アーム12の基端側ハブ取付部材68Aに設けた回転軸受67Aで行われ、回転することで重力補償機構60の姿勢を保持する。この時、重力補償機構60は折れ角θを維持しているため、補償力も発生している。
<基端回転(図14(C))>について
先端側リンクハブ13を回転させる場合は、先ず重力補償機構60の巻きばねからなるばね部材64が巻き方向になるように先端側リンクハブ13を傾け、次に目的の旋回角方向に先端側リンクハブ13を旋回させる。その後、基端側リンクハブ12を回転させると、先端側リンクハブ13は、目的の旋回角方向に回転する。
具体的に説明すると、前記「旋回」の後、先端リンクハブ13の積載物の姿勢が目的の旋回角方向と異なる場合、基端側リンクハブ12を回転台90によって回転させる(この状態は図示していない) 。この基端側リンクハブ12の回転が、パラレルリンク機構10のリンクユニット14を介して先端側リンクハブ13へ等速で伝達されて、積載物の姿勢を目的の旋回角方向に向けられる。この時、各リンクハブ12,13の回転は、重力補償機構60の各アーム62,63の取付け部に設けた回転軸受67A,67Bが回転することで、重力補償機構60は揺動状態を保ち、補償力を発生している。
<作用効果>
この構成の重力補償機構付パラレルリンク作動装置によると、前記のように、パラレルリンク機構10が揺動状態となりリンクユニット14のバランスが崩れ、先端側リンクハブ13の積載物重の影響が生じる時に、この重量を重力補償機構60が補償する。これにより、パラレルリンク機構10への積載物重量の影響を減少させて、アクチュエータ11の駆動モータ出力を低減でき、そのためアクチュエータ11の駆動モータ等を小型化してコンパクト化と省エネルギー化ができる。
パラレルリンク機構10に組込む重力補償機構60は、パラレルリンク機構10の内部に取付けるため、パラレルリンク機構10が大型化することはない。
前記重力補償機構60は、パラレルリンク機構10の先端側リンクハブ13と基端側リンクハブ12に取付ける際に、スプライン軸受66A,66Bと回転軸受67A,67Bを介して取付けるため、パラレルリンク機構10が揺動・旋回・基端回転しても、重力補償機構60の各アーム62,63が摺動および回転を行い調整する。このようにパラレルリンク機構10の動きに追従して重力補償機構60も作動するため、パラレルリンク機構10に重力補償機構60を組込んでもパラレルリンク機構60はスムーズな動作が可能になる。
パラレルリンク機構10のケーブル89の配線は、各リンクユニット14の関節部の中心軸を中空化し、この穴を通して配線するため、リンクユニット14の各リンク部材15~17の動きの影響をケーブル89が受けにくくなり、パラレルリンク機構10の動きの邪魔にならず、配線が可能になる。
<下向きのパラレルリンク機構10用の重力補償機構60′の例>
下向き姿勢のパラレルリンク機構10に用いる重力補償機構60′の例を、図15ないし図21と共に説明する。この重力補償機構60′は、図9~図14と共に説明した上向き姿勢のパラレルリンク機構10用の重力補償機構60とは上下逆の設置状態になるが、特に説明する事項の他は同一であるので、対応部分に同一符号を付してその説明を省略する。
上向き姿勢用の重力補償機構60と異なる点は、補償力発生部76の補償力の発生方向が異なる点である。上向きの前記重力補償機構60は、先端側リンクハブ13に掛かる補償力が揺動位置から真上方向に発生するのに対して、下向きの重力補償機構60Aは真下方向から揺動側に発生する。このため、下向きのパラレルリンク機構10に取付ける重力補償機構60′の補償力発生部76′には、ばね部材64′として接触型巻ばねを用い、図15に示す様にばね部材64′である接触型巻ばねを巻いて、先端側アーム63が真下を向いた時(先端側リンクハブ13と基端側リンクハブ12とが平行な状態)、最大の補償力を発生する点で、上向きのパラレルリンク機構10用の重力補償機構60と異なっている。
ばね部材64′である補償力発生用の接触型巻ばねを巻く場合は、重力補償機構60′を組立て、最後に補償力発生部76′と下側取付部材となる先端側ハブ取付部材68Bを重力補償機構60′の蓋部材70にねじ止めする前に、図21のように搖動軸80の端面の工具係合穴93に嵌まる六角軸等の工具92を用いて補償力発生部76′のばね部材64′を、このばね部64′の各周回部分の間隔が広がるように巻く。巻き終えた後に、下側取付部材となる先端側ハブ取付部材68Bをビス83でねじ止めして完成させる。図20のように、先端側アーム63の巻方向Sと反対側となる反力方向Rに補償力が発生する。
パラレルリンク機構10を動かす時には、上向きのパラレルリンク機構10の場合と同様に、重力補償機構60′の基端側アーム62の回転軸受70に設けられた回転センサ70で、補償力が発生する方向へ先ず揺動させて、その後、旋回、基端回転により、パラレルリンク機構10の先端側リンクハブ13の搭載物を目的の方向へ向ける。
<重力補償機構160が任意方向に揺動可能な実施形態(上向き)>
この発明のさらに他の実施形態を図22~図25と共に説明する。この実施形態の重力補償機構付パラレルリンク作動装置は、上向き姿勢のパラレルリンク機構10に、図23に示す重力補償機構160が設置されており、重力補償機構160の構成が異なる他は、図1~図14に示した第1の実施形態と同様である。
図22において、重力補償機構160は、パラレルリンク機構の折れ点Oに揺動中心点N′が位置して、この揺動中心点N′で任意の揺動方向に揺動可能であり、揺動により前記補償力を発生する。折れ点Oは、図8と共に前述したように、基端側リンクハブ12の中心軸QAと先端側のリンクハブ13の中心軸QBとが交差する点である。
なおこの構成の場合、前記重力補償機構160は、パラレルリンク機構10の任意の旋回方向における搖動中心(直線)が無数交差する搖動中心点N′で任意方向にピボット状に搖動可能であり、前記搖動中心点N′が前記折れ点Oに位置するように、パラレルリンク機構10に組み込まれる。
<重力補償機構160の具体的構成>
図23に示すように、重力補償機構160は、下アームである基端側アーム165Aと上アームである先端側アーム165Bとの2つのアームを持ち、両アーム165A,165Bの一端は、任意の方向に揺動可能なジョイント121により連結する。このジョイント121と各アーム165A,アーム165Bの間に回転軸受167A,167Bを組み込み、各アーム165A,165Bとジョイント121とは回転可能にする。重力補償機構160の各アーム165A,165Bの他端は、スプライン軸受166A,166Bを介してパラレルリンク機構10の基端側のリンクハブ12(図22参照)および先端側のリンクハブ13に連結される。また、各アーム165A,165Bには、それぞれ補償力発生部176A,176Bを構成する補償力発生用のばね部材164A,164Bが設けられる。
ジョイント121はユニバーサルジョイントであり、図24に示すように、一対のジョイント部材122,123と、中間部材124とを有する。中間部材124は、片方のジョイント部材122に対して第1の連結軸125で回転可能に連結され、もう片方のジョイント部材123に対しては、前記第1の連結軸125と直交する方向に延びる第2の連結軸126で回転可能に連結される。このようにジョイント121は、一対のジョイント部材122,123が直交する2本の連結軸125,126を介して連結されることで、
両連結軸125,126の軸心の交点となる搖動中心点N′回りに、任意方向に揺動可能とされている。
ジョイント121の各ジョイント部材122,123に前記回転軸受167A,167Bの外輪が固定され、各回転軸受167A,167Bの内輪に、前記基端側アーム162および先端側アーム163が嵌合状態に固定される。
基端側アーム162および先端側アーム163は、外周面にスプライン溝165A,165Bを有し、これらスプライン溝165A,165Bに係合して前記スプライン軸受166A,166Bが、各アーム162,163に対して軸方向移動可能に設置される。
前記各スプライン軸受166A,166Bの外周に、基端側ハブ取付部材168A,168Bが、それぞれ座部材171A,171Bを介して取付けられる。座部材171A,171Bは、スプライン軸受166A,166Bの外周に嵌合して固定される筒状の部材である。これら座部材171A,171Bの外周面に設けられた上下2か所の止め輪溝に係合する一対の止め輪172,173で挟み付けるように、前記各スプライン軸受166A,166Bが座部材171A,171Bに取付けられる。なお、前記スプライン軸受166A,166Bは、ボールスプライン型軸受であっても摺動型スプライン軸受であってもよい。
前記償力発生用の各ばね部材164A,164Bは、一端側が大径となる台形の均等巻きばねであり、基端側アーム162および先端側アーム163の他端に取付けらればね座174A,174Bに小径側端が係合し、大径側端が各スプライン軸受166A,166Bに接してこれらスプライン軸受166A,166Bを揺動中心点N′側に付勢する。
上側アームとなる先端側アーム163には、スプライン軸受166Bの揺動中心点N′側への移動範囲を規制する止め輪175が設けられている。
このようにばね部材164A,164Bでスプライン軸受166A,166Bを揺動中心点N′側へ付勢することにより、パラレルリンク機構10が揺動すると、重力補償機構160の基端側アーム162および先端側アーム163に対して各基端側リンクハブ12および先端側リンクハブ13が摺動し、これによりばね部材164A,164Bが縮み、摺動方向と逆向きのばね力を発生する。このばね力が補償力としてパラレルリンク機構10に作用する。
前記ばね部材164A,164Bには台形形のばねを使用しているため、自然長における軸方向寸法を短くすることが可能となる。
なお、図26に示すように、ばね部材164A,164Bの別の例として、先端側リンクハブ13(図22)の内側に密着型の巻ばね164A′等を設け、先端側リンクハブ13と上アームである先端側アーム163に設けたばね座174Bを前記密着型の巻ばね164B′のフック部a,bで取付けてもよい。基端側リンクハブ12(図22)と下アームである基端側アーム162間も上記と同様に密着型の巻ばね(図示せず)を設ける。密着型の巻ばねは、負荷が作用しない自然状態で各周回部分が相互に接するばねである。
上記重力補償機構160をパラレルリンク機構10に取付ける位置および方向については、基端側および先端側の各リンクハブ12,13の各球面リンク中心PA,PB(図8)を通る中心軸QA,QBに同軸で、パラレルリンク機構10が真上を向いた状態で、重力補償機構160のジョイント121の揺動中心点N′とパラレルリンク機構10の折れ点Oが同じ位置となるように取付ける。
これにより、パラレルリンク機構10を揺動させる場合、先端側リンクハブ13は任意の方向に揺動が可能で、この揺動によりパラレルリンク機構10の折れ点Oの位置が変化すると、これに応じて先端側リンクハブ12と下アームである先端側アーム163とが摺動して、重力補償機構160はパラレルリンク機構10の動きに追従してジョイント121の揺動中心点N′も移動して揺動する。これにより、パラレルリンク機構10はスムーズに動作可能になる。また、この揺動により各リンクハブ12,13と重力補償機構60の各アーム162,163間に設けたばね部材164A、164Bが縮んで反力が発生し、この反力がパラレルリンク機構10を真上方向へ戻す補償力としてパラレルリンク機構10へ作用する。
パラレルリンク機構10が揺動状態で、旋回や回転を行う場合でも、重力補償機構160の各アーム162,163とジョイント121間に設けた回転軸受167A,167Bが回転することで、重力補償機構さはパラレルリンク機構10の動きに追従することができる。また、パラレルリンク機構10が旋回や回転中でも、パラレルリンク機構10が揺動状態であれは、常に補償力をパラレルリンク機構10へ作用させることが出来る。
図25は、パラレルリンク機構10の3つの動き(揺動、旋回、基端回転) について、この重力補償機構付パラレルリンク作動装置の動きを示す。
<揺動について(図20(A))>
重力補償機構160の上アームである先端側アーム163と下アームである基端側アーム162とはユニバーサル型のジョイント121で連結されているため、どの方向にも揺動が可能であり、そのため、パラレルリンク機構10のリンクユニット14のアクチュエータ11を駆動して、パラレルリンク機構10の先端側リンクハブ12は、重力補償機構160により阻害されることなく、目的の方向に揺動できる。
先端側リンクハブ12が揺動すると、先端側リンクハブ12の積載物(図示せず)の重量がパラレルリンク機構10の各リンクユニット14に負荷される。一方、この揺動により先端側リンクハブ12は揺動方向に対して垂直方向に伸びる方向に摺動する。すると、上アームである先端側アーム163と先端側リンクハブ12間に設けられたばね部材164Bが縮む。この縮んだばね部材164Bのばね力が先端側リンクハブ12を基の位置へ戻す補償力となる。
同時に、下アームである基端側アーム162は上方向へ摺動し、これにより基端側アーム162と基端側リンクハブ12の間に設けらればね部材164Aも縮む。このばね部材164Aのばね力が下アームである基端側アーム162を元の角度に戻す補償力となる。 これらの補償力がパラレルリンク機構10に作用して、パラレルリンク機構10の先端側リンクハブ13の積載物の重量が補償され、積載物の重量が増えてもパラレルリンク機構10はスムーズな稼働が可能になる。
なお、先端側リンクハブ13が揺動する際、先端側リンクハブ12と基端側リンクハブ13に対し、上アームである先端側アーム163と下アームである基端側アーム162はスプライン軸受166B,166Aを介して摺動する。
<旋回について(図20(B))>
次の揺動方向へ向くように先端側リンクハブ12を旋回させるために、パラレルリンク機構10のリンクユニット14のアクチュエータ11を駆動する。この時、重力補償機構160も先端側リンクハブ12に合わせて揺動状態となっている。そこで、先端側リンクハブ12が旋回すると、これに合わせて、重力補償機構160の下アームである基端側アーム162とユニバーサル型のジョイント121は旋回するが、下アームである基端側アーム162に取付けられた回転軸受167Aが回転し、基端側アーム162はスプライン軸受166Aを介して基端側リンクハブ12側に停止している。
なお、重力補償機構160は揺動状態を維持しているため、補償力も発生している。
<回転について(図20(C))>
先端側リンクハブ13の積載物の姿勢を変更する場合には、基端側リンクハブ12を回転台90の回転用アクチュエータ91で回転させて、パラレルリンク機構10の全体の回転により先端側リンクハブ12を等速で回転させることにより、積載物の姿勢を変更する。
この時、重力補償機構160の下アームである基端側アーム162と上アームである先端側アーム163とは、各基端側および先端側の各リンクハブ12,13にスプライン軸受166A,166Bを介して取付けられているため、パラレルリンク機構10の各リンクハブ12,13と同時に回転するが、ユニバーサル型のジョイント121と基端側および先端側の各アーム162,163間の回転軸受167A,167Bが回転することで、ユニバーサル型のジョイント121は、パラレルリンク機構10の揺動角を保持した状態で静止状態となる。
このように、重力補償機構160は揺動姿勢を保持しているため、揺動時の補償力も保持したままパラレルリンク機構10が回転する。
<効果>
この実施形態の重力補償機構付パラレルリンク機構は、パラレルリンク機構10が揺動状態となりリンクユニット14のバランスが崩れ、先端側リンクハブ13の積載物の重量の影響が生じる時に、この重量を重力補償機構160が補償することで、パラレルリンク機構10への積載物重量の影響を減少させて、アクチュエータ11のモータ出力を低減できるため、モータを小型化してコンパクト化と省エネルギー化できる。
パラレルリンク機構10の特徴として任意の方向に揺動できるが、この実施形態の重力補償機構160も、ユニバーサル型のジョイント121をパラレルリンク機構10の折れ点Oに揺動中心点N′が一致するように設け、各基端側および先端側のアーム162,163はパラレルリンク機構10とスプライン軸受166A,166Bを介してパラレルリンク機構10の各球面リンク中心PA,PBを通る各中心軸QA,QBに同軸に取付けているため、パラレルリンク機構10の任意の方向への揺動に対応できる。
この実施形態の重力補償機構160は、各先端側および基端側の各リンクハブ12,13と各先端側および基端側の各アーム162,163の先端に取付けたばね部材164A,164Bが、パラレルリンク機構10が揺動すると、各アーム162,163に対して各リンクハブ12,13が相対的に摺動する力でばね力を発生し、このばね力を補償力としてパラレルリンク機構10の揺動する方向に関係なく発生する。
また、この重力補償機構160は、上アームである先端アーム163と下アームである基端側アーム162はユニバーサル型のジョイント121で連結して、各アーム162,163とユニバーサル型のジョイント121の間に回転軸受167B,167Aを設けた構造にしており、このため、パラレルリンク機構10が揺動・旋回・基端回転しても、重力補償機構160はこの動きに追従する。そのため、パラレルリンク機構10はスムーズに動作する。
<下向きのパラレルリンク機構10用の重力補償機構160′の例>
次に、下向きのパラレルリンク機構10用の重力補償機構160′の構造を図27、図28に示す。この実施形態の重力補償機構160′は、特に説明した事項の他は、図22~図26と共に説明した実施形態の重力補償機構160と同じ構造であり、設置の向きが上下逆向きとなる。
異なる点は、組込むばね部材164A,164Bとして密着型の巻ばねを使用し、次のように取付ける点である。パラレルリンク機構10の基端側および先端側の各リンクハブ12,13と重力補償機構160′の基端側および先端側の各アーム162,163のばね座174A,174Bに、ばね部材164A′,164B′の両端に設けられたフック部a,bを掛けてばね部材164A′,164B′を取り付け、パラレルリンク機構10を真下に向けた状態でばね力を発生させるようにする。
これにより、パラレルリンク機構10が揺動すると常に重力補償機構160′は、パラレルリンク機構10の先端側リンクハブ13と重力補償機構160′の先端側アーム163に対して、揺動方向にばね力が発生し、このばね力でパラレルリンク機構10の揺動力を補償する。また、この補償力は、パラレルリンク機構10の旋回方向に関係なくどの旋回方向で揺動しても補償力は発生する。
なお、下向きのパラレルリンク10に設置する重力補償機構160′において、ばね部材164B′として均等型の巻きばね(図示せず)を用い、圧縮させて先端側リンクハブ13の内側と先端側アーム163のばね座174Bにフックで取付けても良い。
図28は、下向きのパラレルリンク機構10に重力補償機構160′を設けた場合の各動作を示す。この場合も、揺動、旋回、基端回転の動きについては上向きのパラレルリンク機構10に重力補償機構160を設けた場合の動きと同じ動きになる。
<第3の実施形態の重力補償機構付パラレルリンク作動装置の上向きの例>
図29~図33は、この発明における第3の実施形態の重力補償機構付パラレルリンク作動装置の上向きの例を示す。図31は、図30のXXXI-XXX断面である。
この例では、図30および図31に破断正面図および破断側面図を示すように、重力補償機構260は、棒状の中央部材201の両端に、互いに平行な揺動中心N,N回りにそれぞれ揺動可能に、ハウジングとなる一対の揺動体202,203が連結される。具体的には、中央部材201の両端に両面に突出するように揺動軸204,205が固定され、これら揺動軸204,205の外周に、前記揺動体202,203が、転がり軸受からなる回転軸受206,207を介して回転可能に設置される前記揺動中心N,Nは、揺動軸204,205の軸中心であり、棒状の中央部材201の長手方向に対して直交する方向である。
中央部材201と各揺動体202,203との連結部には、補償力発生部212,213が設けられる。各補償力発生部212,213は、各連結部において揺動軸204,205の両端に設けられた左右対称構造の補償力発生部構成体212L,212R,213L,213Rで構成される。各補償力発生部212,213は、揺動軸204,205と同軸心で前記各揺動体202,203にばねハウジング214,215を固定し、その内部に巻きばねからなるばね部材216,217が収容されている。
なお、図32は。基端側の補償力発生部212を示すが、先端側の補償力発生部213
は基端側の補償力発生部212と同様な構成であり、先端側の補償力発生部213における基端側の補償力発生部212との対応部分の符号を括弧書きで示す。
ばねハウジング214,215は、浅い円筒状であり、その開口は蓋部材214a,215aで閉じられている。各ばね部材216,217は、それぞれ一端が前記揺動軸204,205に固定され、他端が前記ばねハウジング214,215に固定される。具体的には、ばね部材216,217の一端216a,217aは、揺動軸204,205に設けられたばね止めスリット226,227に係合し、他端216a,217aがばねハウジング214,215に設けられたばね止めスリット228に係合している。これにより、中央部材201に対して各揺動体202,203が揺動すると、巻きばねからなるばね部材216,217が巻かれ、その弾性復元力が補償力として利用される。
各揺動体202,203には、転がり軸受からなる回転軸受222,223が、その内輪を固定した状態に設置され、これら回転軸受222,223の外輪の外周に、基端側ハブ取付部材224および先端側ハブ取付部材225が組み込まれる。基端側ハブ取付部材224内の回転軸受222には、回転センサ270が設置されている。
前記基端側ハブ取付部材224および先端側ハブ取付部材225は、各揺動体202,203の中心である揺動中心N,Nが、それぞれ基端側リンクハブ12と先端側リンクハブ13の球面リンク中心PA,PBを通り、これら球面リンク中心PA,PBを結ぶ直線に対して垂直に取付ける。
さらに、重力補償機構260の各揺動中心点N′,N′は、パラレルリンク機構10の2か所の球面リンク中心位置PA,PBと同じ位置に設定し、2か所の補償力発生部212,213の補償力発生方向も合わせる。揺動中心点N′は、揺動中心Nとなる直線上における、中央部材201の軸心が交わる点である。
上記の重力補償機構260の2つの揺動体202,203に組込む回転軸受206,207のうち、基端側リンクハブ12側の回転軸受202には回転センサ270を組込む。この回転センサ270の原点を重力補償機構260が傾ける方向に合わせて、コントローラ2は、パラレルリンク機構10が常に前記原点で揺動するように前記アクチュエータ11を駆動する。これにより、重力補償機構260は、パラレルリンク機構10揺動と共に補償力を発生させる。
次に、上記重力補償機構260を組込んだパラレルリンク機構10の揺動、旋回、基端回転基端の動作方法を図33に示す。
<揺動について(図33(A))>
パラレルリンク機構10を揺動させる場合には、先ず重力補償機構260の回転センサ270の原点位置を検知して、その原点位置でパラレルリンク機構10の各アクチュエータ11のモータを駆動して先端側リンクハブ12を揺動させる。これにより、重力補償機構260の2か所の揺動部202,203の揺動中心N,Nとパラレルリンク機構10の球面リンク中心PA,PBが一致しているため、重力補償機構260も揺動し、その位置に設けられた補償力発生部212,213から補償力を発生する。この補償力により、先端側リンクハブ13の積載物(図示せず)の重量を補償することで、パラレルリンク機構10への積載物の重量による負荷を軽減する。この時、先端リングハブ13が目的の位置と異なる場合には回転台90で目的の方向に向ける。逆に、回転台90を回転後、先端リングハブ13を傾けても良い。
<旋回について(図33(B))>
上記のパラレルリンク機構10の揺動は、回転センサ229の原点位置で揺動するため、先端側リンクハブ12は旋回方向につき狙いの位置と揺動した方向が異なる場合がある。この時、パラレルリンク機構10の各アクチュエータ11を駆動することで、先端側リンクハブ13を旋回させて旋回方向につき目的の方向に先端リンクハブ12を向ける。この時、重力補償機構260は、下側の揺動体202と基端側リンクハブ12との取付部材224の軸受222が回転するため、パラレルリンク機構10への重力補償機構260の影響はない。
なお、重力補償機構260は揺動した形状で旋回するため、旋回時も補償力を発生してパラレルリンク機構10に掛かる積載物重量を補償する。
<基端回転について(図33(C))>
上記の旋回で、先端側リンクハブ13は旋回方向につき目的の方向を向いているが、先端側リンクハブ13の積載物は目的の方向と異なる場合がある。この時は、パラレルリンク機構10の基部側リンクハブ13を回転台90の回転用アクチュエータ91で回転させる(回転後の状態は図示せず)。この回転が等速で先端側リンクハブ13へ伝達され、先端側リンクハブ13が回転して積載物を狙いの姿勢にする。
このパラレルリンク機構10の基端回転時には重力補償機構260の各取付部材225,226の回転軸受222,223が回転し、重力補償機構260は揺動状態を保持することで補償力を発生している。
<第3の実施形態の効果>
前述のように従来のパラレルリンク機構では、先端側リンクハブの積載物の重量は夫々のリンクユニットが支持しているが、パラレルリンク機構が揺動すると各リンクユニットの姿勢変化により負荷バランスが崩れる。そのため、先端リンクハブの積載重量が限られる。
しかし、この実施形態の重力補償機構260をパラレルリン機構10へ取付けることで、重力補償機構260で先端側リンクハブ13の積載物の重量を補償するため、各リンクユニット14の負荷が軽減し、これにより積載物の重量制限範囲を広くすることが可能になる。
また、この重力補償機構260の補償力により、パラレルリンク機構10への積載重量の負荷が軽減するため、アクチュエータ11の駆動モータの負荷も軽減され、パラレルリンク機構10のアクチュエータ11の小型化が図れると共に、アクチュエータ11への供給電力を省電力化できる。
また、この重力補償機構260は、パラレルリンク機構10内部に取付けるため、パラレルリンク機構10自体が大きくなることもない。
この重力補償機構260は、パラレルリンク機構10の先端側リンクハブ13と基端側リンクハブ12に取付ける際に、パラレルリンク機構10の球面リンク中心PA,PBと重力補償機構260の揺動中心N,Nを一致させ、さらに回転軸受222,223を介して夫々をパラレルリンク機構10の基端側リンクハブ12および先端側リンクハブ13に取付けているため、パラレルリンク機構10が揺動・旋回・基端回転の動作をしても、重力補償機構260が影響を及ぼすことなくスムーズに動作できる。
<第3の形態の重力補償機構付パラレルリンク作動装置の下向きの例>
次に下向きのパラレルリンク機構10に重力補償機構260を設けた場合の例を図34~36に示す。この下向きのパラレルリンク機構10に設置する重力補償機構260′も、図29~33に示した上向きのパラレルリンク機構10用の重力補償機構260と、特に説明した事項の他は同じ構造になる。上向き用と下向き用の異なる点は、補償力の発生方向であり、上向き用は先端側リンクハブ12が最大揺動時に最大の補償力を発生するが、下向き用の場合には先端側リンクハブ13が真下を向いた時に最大の補償力を発生するところである。
このため、下向き用の重力補償機構260の補償力発生部212,213の巻ばねからなるばね部材216,217は、予め巻いて弾性復元力が発生する状態でパラレルリンク機構10に取付け、パラレルリンク機構10が揺動する時に、先端側リンクハブ13への積載物の重量を補償して、軽負荷で先端側リンクハブ13が揺動する。
以上、実施形態に基づいて本発明を実施するための形態を説明したが、ここで開示した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2…コントローラ
10…パラレルリンク機構
11…アクチュエータ
12…基端側のリンクハブ
13…先端側のリンクハブ
14…リンクユニット
15,16…端部リンク部材
17…中央リンク部材
60,60′…重力補償機構
62…基端側アーム
63…先端側アーム
64,64′…ばね部材
65A,65B…スプライン溝
66A,66B…スプライン軸受
67A,67B…回転軸受
68A…基端側ハブ取付部材
68B…先端側ハブ取付部材
68Aa…取付面
70…回転センサ
76,76′…補償力発生部
77…ばねハウジング
80…揺動軸
81A…下側取付部材
81B…上側取付部材
81Aa,81Ba…軸取付部
88…エンドエフェクタ
89…ケーブル
121…ジョイント
122,123…ジョイント部材
124…中間部材
125…第1の連結軸
126…第2の連結軸
160,160′…重力補償機構
165A…基端側アーム
165B…先端側アーム
167A,167B…回転軸受
166A,166B…スプライン軸受
176A,176B…補償力発生部
164A,164Bばね部材
162…基端側アーム
163…先端側アーム
165A,165B…スプライン溝
166A,166B…スプライン軸受
168A,168B…基端側ハブ取付部材
171A,171B…座部材
174A,174B…ばね座
164A′,164B′…ばね部材
201…中央部材
204,205…揺動軸
202,203…揺動体
206,207…回転軸受
212,213…補償力発生部
214,215…ばねハウジング
216,217…ばね部材
222,223…回転軸受
224…基端側ハブ取付部材
225…先端側ハブ取付部材
260…重力補償機構
L…両球面中心間の距離
L/2…折れ点球面中心間距離
N…揺動中心
N′…揺動中心点
O…折れ点
O1,O2…中心軸
PA,PB…球面リンク中心
QA,QB…中心軸
X…連結点中心間距離
Y…取付位置離間距離
γ…交差角

Claims (14)

  1. 基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブが3組以上のリンクユニットを介して姿勢を変更可能に連結されたパラレルリンク機構と、前記先端側のリンクハブの姿勢を変更させるアクチュエータと備え、前記各リンクユニットが、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とでなるパラレルリンク作動装置であって、
    前記基端側のリンクハブと先端側のリンクハブとの間に、前記先端側のリンクハブの姿勢変更に応じ重力に対する補償力を発生する重力補償機構が取付けられ、前記重力補償機構は、揺動中心回りに正逆に回転する動作である揺動が可能であり、前記パラレルリンク機構における前記基端側のリンクハブの中心軸と前記先端側のリンクハブの中心軸とが交差する折れ点に前記揺動中心が位置するように設置され、揺動により揺動角に応じた前記補償力を発生する重力補償機構付パラレルリンク作動装置。
  2. 請求項1に記載の重力補償機構付パラレルリンク作動装置において、前記重力補償機構は、一端が前記揺動中心で互いに揺動可能に連結されて他端がそれぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに連結された基端側アームおよび先端側アームと、前記基端側アームと前記先端側アームとに両端がそれぞれ連結された巻きばねとを有する重力補償機構付パラレルリンク作動装置。
  3. 請求項2に記載の重力補償機構付パラレルリンク作動装置において、前記基端側アームおよび先端側アームは、それぞれ、連結部がこれらアームの長手方向に移動可能でかつアーム軸中心回りに回転可能なように、前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに前記連結部で連結された重力補償機構付パラレルリンク作動装置。
  4. 請求項3に記載の重力補償機構付パラレルリンク作動装置において、前記基端側アームおよび先端側アームが外周面にスプライン溝を有し、これらスプライン溝にそれぞれ係合するスプライン軸受が設けられ、これらスプライン軸受の外周に回転軸受が設けられ、これら回転軸受の外輪が前記基端側アームおよび先端側アームに取付けられることで、前記長手方向に移動可能でかつ回転可能な連結が行われた重力補償機構付パラレルリンク作動装置。
  5. 基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブが3組以上のリンクユニットを介して姿勢を変更可能に連結されたパラレルリンク機構と、前記先端側のリンクハブの姿勢を変更させるアクチュエータと備え、前記各リンクユニットが、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とでなるパラレルリンク作動装置であって、
    前記基端側のリンクハブと先端側のリンクハブとの間に、前記先端側のリンクハブの姿勢変更に応じ重力に対する補償力を発生する重力補償機構が取付けられ、
    前記重力補償機構は、前記パラレルリンク機構の前記基端側のリンクハブの中心軸と前記先端側のリンクハブの中心軸とが交差する折れ点で、任意の揺動方向に揺動可能であり、揺動により前記補償力を発生する重力補償機構付パラレルリンク作動装置。
  6. 請求項5に記載の重力補償機構付パラレルリンク作動装置において、前記重力補償機構は、一端が前記折れ点でジョイントにより互いに揺動可能に連結されて他端がそれぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに連結された基端側アームおよび先端側アームと、前記基端側アームおよび前記先端側アームと前記ジョイントの間に介在し、前記基端側アームおよび前記先端側アームを回転自在に支持する回転軸受と、前記基端側アームおよび先端側アームに設けられたスプライン溝に係合するスプライン軸受とを有し、前記スプライン軸受を介して前記基端側アームおよび先端側アームが前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに連結された重力補償機構付パラレルリンク作動装置。
  7. 基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブが3組以上のリンクユニットを介して姿勢を変更可能に連結されたパラレルリンク機構と、前記先端側のリンクハブの姿勢を変更させるアクチュエータと備え、前記各リンクユニットが、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とでなるパラレルリンク作動装置であって、
    前記基端側のリンクハブと先端側のリンクハブとの間に、前記先端側のリンクハブの姿勢変更に応じ重力に対する補償力を発生する重力補償機構が取付けられ、
    前記重力補償機構は、前記パラレルリンク機構の前記基端側のリンクハブの中心軸と前記先端側のリンクハブの中心軸とが交差する折れ点で、任意の揺動方向に揺動可能であり、揺動により前記補償力を発生するものであり、
    前記重力補償機構は、一端が前記折れ点でジョイントにより互いに揺動可能に連結されて他端がそれぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに連結された基端側アームおよび先端側アームと、前記基端側アームおよび前記先端側アームと前記ジョイントの間に介在し、前記基端側アームおよび前記先端側アームを回転自在に支持する回転軸受と、前記基端側アームおよび先端側アームに設けられたスプライン溝に係合するスプライン軸受とを有し、前記スプライン軸受を介して前記基端側アームおよび先端側アームが前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに連結され、
    前記ジョイントがユニバーサルジョイントである重力補償機構付パラレルリンク作動装置。
  8. 請求項6または請求項7に記載の重力補償機構付パラレルリンク作動装置において、前記基端側アームと前記基端側のリンクハブの間、および前記先端側アームと前記先端側のリンクハブとの間にばね部材が設けられ、このばね部材は、前記パラレルリンク機構の姿勢の変化による前記スプライン軸受の移動によって弾性変形させられて前記補償力を発生する重力補償機構付パラレルリンク作動装置。
  9. 基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブが3組以上のリンクユニットを介して姿勢を変更可能に連結されたパラレルリンク機構と、前記先端側のリンクハブの姿勢を変更させるアクチュエータと備え、前記各リンクユニットが、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とでなるパラレルリンク作動装置であって、
    前記基端側のリンクハブと先端側のリンクハブとの間に、前記先端側のリンクハブの姿勢変更に応じ重力に対する補償力を発生する重力補償機構が取付けられ、
    前記重力補償機構は、中央部材の両端に一対の揺動体が搖動可能に連結され、前記各揺動体の揺動中心点が、前記基端側のリンクハブの動作の中心となる球面リンク中心、および前記先端側のリンクハブの動作の中心となる球面リンク中心にそれぞれ位置するように、前記各揺動体が前記パラレルリンク機構の前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに連結され、前記各揺動体の揺動に応じて前記補償力を発生する補償力発生部が設けられた重力補償機構付パラレルリンク作動装置。
  10. 請求項9に記載の重力補償機構付パラレルリンク作動装置において、前記重力補償機構は、前記中央部材と前記各揺動体との連結部に、前記補償力発生部がそれぞれ設けられ、これら補償力発生部は、前記揺動に応じてばね部材が弾性変形することで補償力を発生する重力補償機構付パラレルリンク作動装置。
  11. 請求項10に記載の重力補償機構付パラレルリンク作動装置において、前記重力補償機構の前記各揺動体が、前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに対し、それぞれ回転軸受によって回転可能に連結された重力補償機構付パラレルリンク作動装置。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の重力補償機構付パラレルリンク作動装置において、前記パラレルリンク機構が、前記先端側のリンクハブが基端側リンクハブに対して上側に位置する上向き姿勢であり、前記重力補償機構は、真上から揺動した位置にある前記先端側のリンクハブに対して、補償力を真上方向に発生させる重力補償機構付パラレルリンク作動装置。
  13. 請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の重力補償機構付パラレルリンク作動装置において、前記パラレルリンク機構が、前記先端側のリンクハブが基端側リンクハブに対して下側に位置する下向き姿勢であり、前記重力補償機構は、真下から揺動した位置にある前記先端側のリンクハブに対して、補償力を最大の揺動角度となる方向に発生させる重力補償機構付パラレルリンク作動装置。
  14. 請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の重力補償機構付パラレルリンク作動装置において、前記重力補償機構に、この重力補償機構の揺動角度を検出する回転センサが設けられ、検出された揺動角度に応じて前記アクチュエータを駆動させてパラレルリンク機構の姿勢を変更させるコントローラを備える重力補償機構付パラレルリンク作動装置。
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