JP2013052499A - デルタ型パラレルロボット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】デルタ型パラレルロボット1が、ベース2と、ツール9を取り付けるためのブラケット3と、ベース2にブラケット3を連結する3組のアーム機構4とを備える。各アーム機構4は、基端部がベース2に揺動可能に連結された1本のアーム10と、平行リンクを構成するようにアーム10の基端部を挟み且つブラケット3を挟むようにして配置された一対のリンク11,12とを有する。3組のアーム機構4のうち少なくとも一組が、アーム10の少なくとも先端部が軸心周りに回転可能なように構成される。
【選択図】図2
Description
図1は、本発明の第1実施形態に係るロボット1の側面図である。図1に示すロボット1は、作業用ツール9の位置だけでなく姿勢も変えることができ、従前一般的なロボットよりも広範な応用性を有している。例えば、このロボット1は、食品、薬品、化粧品又は小型電装品等の生産設備90内で、ピッキング作業、箱詰め作業及び部品組立作業等の各種作業に好適に利用される。
図1に示すように、ロボット1は、ベース2と、ブラケット3と、3組のアーム機構4と、3つの揺動アクチュエータ5とを備えている。ベース2は、例えばバケット状に形成され、架台91に固定される。ブラケット3は、例えば略平板状に形成されており、ブラケット3の下面に作業用ツール9が取外し可能に取り付けられる。各アーム機構4は、ブラケット3をベース2に連結している。
図2は、アーム機構4の構成及び動作を示す模式図である。図2(a)に示すように、アーム10は、筒状のアーム本体45と、アーム本体45の先端部に設けられた先端アーム47とを備えている。一対の基端ジョイント13,14は、先端アーム47の両端にそれぞれ設けられた一対のボール23,24と、ボール23,24にそれぞれ嵌合する一対のソケット25,26とから構成されている。一対のソケット25,26は、2本のリンク11,12の基端部にそれぞれ固定されている。先端アーム47は、一対の基端ジョイント11,12を互いに連結する上リンク17となる。
図3は、図1に示すロボット1の構成を示すブロック図である。図3に示すように、ロボット1は、3つの自転アクチュエータ50を備え、3つの自動アクチュエータ50は3本のアーム10に個別に対応している。アーム10の自転角は、自転アクチュエータ50の動作に応じて変化する。つまり、自転アクチュエータ50を制御することによって上リンク17及び下リンク18の姿勢を意図的に変えることが可能であり、それによりブラケット3及びこれに取り付けられる作業用ツール9の姿勢を変えることが可能となる。
図4は、自転アクチュエータ50を動作させたときのブラケット3の姿勢変化の態様を示す模式図である。なお、図4においては、図1とは逆にブラケット3の下面が紙面上方に向けられている。
図4(a)は、3組のアーム機構4の上リンク17及び下リンク18が全て標準姿勢にあるときから、1本のアーム10を単独で自転させた場合を例示している。このような場合、当該アーム10に対応した下リンク18の中点Mが円弧又は楕円弧を描くようにして、ブラケット3の姿勢が変わっていく。当該中点Mの軌跡をより具体的に言えば、当該中点Mは、自転しない2本のアーム10に対応した2つの下リンク18の延長線同士の交点Pの付近の点Qを頂点とし、点Qを当該中点Mに結ぶ直線を母線Lとした円錐又は楕円錐の底面周に沿って移動する。
図4(b)は、3組のアーム機構4の上リンク17及び下リンク18が全て標準姿勢にあるときから、2本のアーム10を同時に自転させた場合、特に、自転させる2本のアーム10が互いに反対方向に同じ速度で自転する場合を例示している。このような場合、自転しないアーム10に対応した下リンク18と垂直な平面上でブラケット3が運動する。例えば、自転する2本のアーム10に対応した2つの下リンク18の延長線同士の交点Pが当該平面上を略上方又は略下方に移動するようにして、ブラケット3の姿勢が変わる。
図4(c)は、3組のアーム機構4の上リンク17及び下リンク18が全て標準姿勢にあるときから、3本のアーム10を同時に自転させる場合、特に3本のアーム10が同じ方向に同じ速度で自転する場合を例示している。このような場合、ブラケット3が、基準面RPに垂直な軸線A(ベース2の中心軸線2a(図1参照)に平行な軸線)周りに自転する。
ここで、図5及び図6を参照しながら、アーム10の自転角と上リンク17の傾斜角との間の関係、アーム10の自転角と下リンク18の傾斜角との間の関係、上リンク17の傾斜角と下リンク18の傾斜角との間の関係について、従来のデルタ型パラレルロボットと比較して説明する。また、この対比を通じて、本実施形態に係るロボット1が奏する、ブラケット3の姿勢を容易に且つ精度良く制御することができるとの作用効果について詳細に説明する。ここでの比較例は、特許文献1に開示されているようなロボットとする。
図7は、図3に示す揺動アクチュエータ5及び自転アクチュエータ50の配置を示すアーム10の断面図である。図7に示すように、ベース2は、減速ボックス41を有している。揺動アクチュエータ5は、例えば電気モータであり、ベース2の減速ボックス41に固定され、その出力軸5aが減速ボックス41内に配置されている。減速ボックス41は、揺動アクチュエータ5の回転動力を減速して揺動シャフト43に伝達する揺動用減速機42を収容している。揺動シャフト43は、減速ボックス41に回転可能に支持されると共にアーム10の基端部に固定されており、この揺動シャフト43の中心軸線が上記揺動軸線10aを成している。揺動アクチュエータ5が動作すると、揺動シャフト43が回転駆動され、アーム10が揺動シャフト43と共に揺動軸線10a周りに揺動する。なお、図3は揺動用減速機42に平歯車列を適用した場合を例示しているが、揺動用減速機42にはどのような動力伝達機構が適用されてもよい。
図8は、図1に示すアーム機構4の一部を示す正面図である。図8に示すように、アーム機構4は、一対のリンク11,12を互いに近付く方向に付勢するための付勢ユニット60を備えている。図1に示すように、1組のアーム機構4に対して、リンク11,12の延在方向に離れた2個の付勢ユニット60が設けられている。図8は、基端側の付勢ユニット60のみ示しているが、2個の付勢ユニット60は互いに同じ構造であるため、先端側のものについては詳細な説明を省略する。
図9は、本発明の第2実施形態に係る揺動アクチュエータ5及び自転アクチュエータ250の配置を示すアーム210の断面図である。図9に示すように、自転アクチュエータ250は、アーム210に内蔵されていてもよい。この場合、収容体246の第1壁246aに貫通孔246dが設けられ、自転アクチュエータ250が、この貫通孔246dを塞ぐようにして第1壁246aに固定される。自転アクチュエータ250のハウジング250bは、第1壁246aの外面からアーム本体245内でアーム本体245の基端部に向かうようにして突出する。自転アクチュエータ250の出力軸250aは、貫通孔246dを通って収容体246の内部空間246c内へと延びている。動力伝達機構251は、第1実施形態のような自転用減速機を有さず、カウンタ軸253のみを有している。このカウンタ軸253は、出力軸250aと同一軸線上に配置され、出力軸250aに図示しない軸継手を介して連結されている。本実施形態でも、カウンタ軸253の軸線が自転軸線10bを成しており、第1実施形態と同様にして、ブラケットの姿勢を容易に且つ精度良く制御可能になる。
図10は、本発明の第3実施形態に係る揺動アクチュエータ5及び自転アクチュエータ350の配置を示すアーム310の断面図である。図10に示すように、本実施形態では、自転アクチュエータ350が、ベース2の減速ボックス341に固定されている。自転アクチュエータ350の回転動力をマウントアーム47に伝達する動力伝達機構351は、減速ボックス341、揺動シャフト343、アーム本体345及び収容体346に内蔵されている。揺動シャフト343は、第1実施形態と同様に配置されているが、動力伝達機構351を内蔵するために、両端が開口した内部空間343aを有している。
図11は、本発明の第4施形態に係る揺動アクチュエータ5及び自転アクチュエータ350の配置を示すアーム410の断面図である。図11に示すように、本実施形態に係るアーム410は、アーム基部445と、アーム本体446と、先端アーム47とを有している。先端アーム47は、アーム本体446の先端部に固定されている。揺動アクチュエータ5、減速ボックス341、揺動用減速機342、揺動シャフト343及び自転用アクチュエータ350は、第3実施形態と同様である。
図12は、本発明の第5実施形態に係るアーム機構504の一部を示す正面図である。図12に示すように、一対の基端ジョイント513,514は、先端アーム47の両端に設けられたボール523,524と、ボール523,524を保持するソケット525,526とを有している。ソケット525,526は、断面視においてボール523,524を上下方向に挟み込むようにして支持するよう構成されていてもよい。このようにすれば、ソケット525,526がボール523,524に一体的に取り付けられる。すると、リンク11,12がアーム10から脱落するおそれを低減することができる。したがって、本実施形態においては、第1実施形態に係る付勢ユニットを省略することができる。図12では、基端ジョイント513,514を示しているが、先端ジョイントも同様に変更可能である。
2 ベース
3 ブラケット
4 アーム機構
5 揺動アクチュエータ
9 作業用ツール
10 アーム
11,12 リンク
13,14 基端ジョイント
15,16 先端ジョイント
17 上リンク
18 下リンク
47 先端アーム
50 自転アクチュエータ
Claims (5)
- ベースと、ツールを取り付けるためのブラケットと、前記ベースに前記ブラケットを連結する3組のアーム機構と、を備え、
前記各アーム機構が、基端部にて前記ベースに揺動可能に連結された1本のアームと、前記アームの基端部を挟み且つ前記ブラケットを挟む一対のリンクと、前記一対のリンクをそれぞれ前記アームの基端部に回動可能に連結する一対の基端ジョイントと、前記一対のリンクをそれぞれ前記ブラケットに回動可能に連結する一対の先端ジョイントと、を有し、前記一対のリンク、前記一対の基端ジョイント及び前記一対の先端ジョイントが平行リンクを構成可能に配置され、
前記3組のアーム機構のうち少なくとも一組は、前記アームの少なくとも前記先端部が前記アームの軸心周りに回転可能なように構成されている、デルタ型パラレルロボット。 - 前記3組のアーム機構のうち複数のアーム機構が、前記アームの少なくとも前記先端部が前記アームの軸心周りに自転可能なように構成されている、請求項1に記載のデルタ型パラレルロボット。
- 前記3組のアーム機構の全てが、前記アームの少なくとも前記先端部が前記アームの軸心周りに回転可能なように構成されている請求項2に記載のデルタ型パラレルロボット。
- 前記アームを前記アームの軸心周りに回転させる自転アクチュエータを更に備え、
前記自転アクチュエータが、前記ベースに取り付けられている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデルタ型パラレルロボット。 - 前記アームを前記アームの軸心周りに回転させる自転アクチュエータを更に備え、
前記自転アクチュエータが、前記アームに取り付けられている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデルタ型パラレルロボット。
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