JP7175074B1 - 裾の有るズボン用の型紙、当該型紙に基づいて行う裾の有るズボンの製法 - Google Patents

裾の有るズボン用の型紙、当該型紙に基づいて行う裾の有るズボンの製法 Download PDF

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Abstract

【課題】股下の部分に縫い目が無く、縫い合わせを行う部分の少ない簡易な1枚仕立ての裾の有るズボン用の型紙を提供する。【解決手段】本発明の裾の有るズボンの型紙は、概略矩形の右側筒形成部2と、右側筒形成部の型紙を上下反転させた概略矩形の左筒形成部3と、股下部分4とで構成されており、股下部分は、右側筒形成部の右前身頃の裾部分に繋がっており、当該部分を2等辺の内の1辺とする2等辺三角形と、2等辺三角形と底辺を共通し、左側筒形成部の左後身頃の裾部分に繋がっており、当該部分を2等辺の内の1辺とする2等辺三角形と、を合わせた形の4辺形で構成されていることを特徴とする。当該構成を採用する型紙を用いることによって、裾のあるタイプの半ズボンから長ズボンまでを簡易に製造できる。【選択図】図1

Description

本発明は、裾の無いブリーフパンツ状の半ズボンを除く、裾の有るズボンの型紙、当該型紙を使って行う裾の有るズボンの製法と、当該製法によって製造された裾の有るズボンに関する。
従来、裾の無いブリーフパンツ状の半ズボンを除く、裾の有るズボンを製造する際には、前右半分、前左半分、後右半分、後左半分といったように4枚以上の布が必要であった。
特開2014-51764号公報
特許文献1には、図16(a)(b)(c)(d)に示すように4枚の布で構成される従来の裾の有るズボンが開示されている。従来の製法では、裁縫する部分が多く、位置のずれ、布の特性によって捩れが生じる虞がある。また、伸縮性の布の場合、縫い合わせている部分は、布の重ね合わせにより肌当たりが悪く、伸びも悪くなる。特に、平らな座面に座る場合には、股下の部分に縫い目が無いのが好ましいが、このようなタイプのズボンを製造するには、使用する布及び工程が増え、歩留まりを良くするために、高い加工精度が求められるといった課題がある。
本発明は、上記従来例の問題を解決するためになされたものであり、股下の部分に縫い目が無く、縫い合わせを行う部分の少ない、裾の有るズボン用の1枚仕立ての型紙、当該型紙に基づいて行う裾の有るズボンの製法、当該製法によって製造された裾の有るズボンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の裾の有るズボンの型紙は、境界線を介して右前身頃となる部分及び右後身頃となる部分を有し、前記境界線で山折することによって、右前身頃の腰部分及び裾部分、並びに、右後身頃の腰部分及び裾部分を作る右側筒形成部と、前記右側筒形成部と同一形状の型紙を、前記右前身頃の腰部分及び裾部分の境界と前記右後身頃の腰部分及び裾部分の境界とを結ぶ線を軸に反転させてなり、境界線を介して左前身頃となる部分及び左後身頃となる部分を有し、前記境界線で山折することによって、左前身頃の腰部分及び裾部分、並びに、左後身頃の腰部分及び裾部分を作る左側筒形成部と、前記右側筒形成部及び前記左側筒形成部を繋ぐ股下部分と、の3つの部分で構成され、前記股下部分は、前記右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部寄りに遠位にある裾部分の縁に繋がっており、当該縁を2等辺の内の1辺とする2等辺三角形と、当該2等辺三角形と底辺を共通し、当該左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部寄りに遠位にある裾部分の縁に繋がっており、当該縁を2等辺の内の1辺とする2等辺三角形と、を合わせた形の4辺形で構成されていることを特徴とする。
また、前記股下部分は、前記2つの2等辺三角形のそれぞれの底辺の間に、更に、当該底辺を向かい合う2辺とする矩形のまち部分を有している、ことが好ましい。
本発明のズボンの製法は、前記何れかの型紙に基づいて切り抜く等、用意した衣服材を使用し、前記右側筒形成部の右前身頃となる部分及び右後身頃となる部分を境界線で山折りする工程と、前記右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部寄りに遠位にある、前記股下部分に繋がっている裾部分の縁を山折りする工程と、前記左側筒形成部の左前身頃となる部分及び左後身頃となる部分を境界線で山折りする工程と、前記左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部寄りに遠位にある、前記股下部分に繋がっている裾部分の縁を山折りする工程と、前記股下部分の2つの2等辺三角形の頂角を結ぶ線に沿って、前記股下部分を谷折りする工程と、を含み、前記5つの工程の後に、右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部から離れる向きに遠位にある腰部の縁と左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部寄りに遠位にある腰部の縁とを接続し、右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部から離れる向きに遠位にある裾部分の縁と前記股下部分の、前記左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部寄りに遠位にある裾部分の縁と同じ長さの2等辺三角形の残りの辺とを接続する、第1縫製工程と、右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部寄りに遠位にある腰部分の縁と左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部から離れる向きに遠位にある腰部の縁とを接続し、左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部から離れる向きに遠位にある裾部分の縁と前記股下部分の、前記右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部寄りに遠位にある裾部分の縁と同じ長さの2等辺三角形の残りの辺とを接続する、第2縫製工程と、で構成されることを特徴とする。
また、前記何れかの裾の有るズボンの型紙において、前記右側筒形成部は、右前身頃の裾部分の裾縁に繋がっている右前身頃の下部裾部分と、右後身頃の裾部分の裾縁に繋がっている右後身頃の下部裾部分とを有しており、前記左側筒形成部は、左前身頃の裾部分の裾縁に繋がっている左前身頃の下部裾部分と、左後身頃の裾部分の裾縁に繋がっている左後身頃の下部裾部分とを有している、ことが好ましい。
この場合、本発明の裾の有るズボンの製法は、前記好ましい型紙に基づいて切り抜く等、用意した衣服材を使用し、前記右側筒形成部の右前身頃となる部分及び右後身頃となる部分を境界線で山折りする工程と、前記右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部寄りに遠位にある、前記股下部に繋がっている裾部分の縁を山折りする工程と、前記左側筒形成部の左前身頃となる部分及び左後身頃となる部分を境界線で山折りする工程と、前記左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部寄りに遠位にある、前記股下部に繋がっている裾部分の縁を山折りする工程と、前記股下部分の2つの2等辺三角形の頂角を結ぶ線に沿って、前記股下部分を谷折りする工程と、を含み、前記5つの工程の後に、右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部から離れる向きに遠位にある腰部の縁と左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部寄りに遠位にある腰部の縁とを接続し、右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部から離れる向きに遠位にある裾部分の縁と前記股下部分の、前記左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部寄りに遠位にある裾部分の縁と同じ長さの2等辺三角形の残りの辺とを接続し、右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部から離れる向きに遠位にある下部裾部分の縁と右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部寄りに遠位にある下部裾部分の縁とを接続する、第1縫製工程と、右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部寄りに遠位にある腰部分の縁と左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部から離れる向きに遠位にある腰部の縁とを接続し、左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部から離れる向きに遠位にある裾部分の縁と前記股下部分の、前記右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部寄りに遠位にある裾部分の縁と同じ長さの2等辺三角形の残りの辺とを接続し、左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部から離れる向きに遠位にある下部裾部分の縁と左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部寄りに遠位にある下部裾部分の縁とを接続する、第2縫製工程と、で構成されることを特徴とする。
本発明の裾の有るズボンの型紙によれば、1枚の型紙に基づいて、裾のあるタイプの半ズボンから長ズボンまでを製造できる。また、当該型紙に基づいて行う製法によれば、少ない縫製工程によって裾の有るズボンを製造することができる。当該製法によって製造された裾の有るズボンは、股下の部分に縫い目が無く、縫い目のゴツゴツ感を感じずに平らな座面に座れるという利点を有している。
(a)~(c)は本発明の一実施の形態に係る型紙を用いて裾の有るズボンの製法手順の説明図。 図1(a)の型紙に沿って切り抜いた布を示す。 布の左後身頃の部分を山折りした状態を示す。 図1(c)に示す状態にある布を示す。 図4に示した状態に、伸縮性のあるウェットスーツ用の布を用いて同一の手法でズボンを製造した際の、縫い代部分を白点線で示す。 図5において、縫い合わせてできるズボンの股下に縫い目が無いことを示す。 図1で用いた型紙を示す。 前後に厚みのある(太い)人向けのズボン用の型紙を示す。 (a)は図7に示した型紙を布の代わりに組み立てた状態の前身頃の様子を示し、(b)は図8に示した型紙を布の代わりに組み立てた状態の前身頃の様子を示す。 (a)は図7に示した型紙を布の代わりに組み立てた状態の後身頃の様子を示し、(b)は図8に示した型紙を布の代わりに組み立てた状態の後身頃の様子を示す。 (a)は図7に示した型紙を布の代わりに組み立てた状態を上から見た様子を示し、(b)は図8に示した型紙を布の代わりに組み立てた状態を上から見た様子を示す。 裾の長い長ズボン用の型紙を示す。 図12に示した型紙を布の代わりに組み立てた状態の前身頃を示す。 図12に示した型紙を布の代わりに組み立てた状態の後身頃を示す。 図12に示した型紙を布の代わりに組み立てた状態の股下を示す。 (イ)(ロ)(ハ)(ニ)は、従来のズボンの製法で使用される4枚の型紙を示す。
本発明の裾の有るズボン(以下、単にズボンとも記す)の型紙は、上下にV字型の切り欠きが設けられた1続き1枚の略N字型、または、N字を左右又は上下に反転させた逆N字型の型紙で、製造されるズボンの股下部分に縫い目が無いように設計されている。型紙は、右前身頃及び右後身頃の境界線で山折することによって、右前身頃の腰部分及び裾部分、並びに、右後身頃の腰部分及び裾部分を作る右側筒形成部と、右側筒形成部の型紙を平面上で180度回転させ、更に、左右反転させた状態、即ち上下反転させた状態のもので、左前身頃及び左後身頃の境界線で山折することによって、左前身頃の腰部分及び裾部分、並びに、左後身頃の腰部分及び裾部分を作る左側筒形成部と、右側筒形成部及び前記左側筒形成部を繋ぐ股下部分と、の3つの部分で構成される。股下部分は、右側筒形成部の前記左側筒形成部寄りの裾部分に繋がっており、当該部分を2等辺の内の1辺とする2等辺三角形と、2等辺三角形と底辺を共通し、左側筒形成部の前記右側筒形成部寄りの裾部分に繋がっており、当該部分を2等辺の内の1辺とする2等辺三角形と、を合わせた形の4辺形で構成されている。股下部分は、2つの2等辺三角形のそれぞれの底辺の間に、更に、当該底辺を向かい合う2辺とする矩形のまち部分を有してもよい。ズボンの裾を長くするため、右側筒形成部は、右前身頃の裾部分に繋がっている右前身頃の下部裾部分と、右後身頃の裾部分に繋がっている右後身頃の下部裾部分とを有し、左側筒形成部は、左前身頃の裾部分に繋がっている左前身頃の下部裾部分と、左後身頃の裾部分に繋がっている左後身頃の下部裾部分とを有してもよい。型紙には、必用に応じて縫い代が付される。
本発明の裾の有るズボンの製法は、前記型紙に基づいて、必要に応じて縫い代等を考慮し、切り抜く、打ち抜く、所望の形状に直接製造する等して、用意した略N字型又は逆N字型の衣服材、例えば布を使用し、折り曲げ加工の後に、第1及び第2縫製工程を実施して行う。
折り曲げ加工は、右側筒形成部の右前身頃となる部分及び右後身頃となる部分を境界線で山折りする工程と、右側筒形成部の股下部分に繋がっている裾部分の縁を山折りする工程と、左側筒形成部の左前身頃となる部分及び左後身頃となる部分を境界線で山折りする工程と、左側筒形成部の股下部分に繋がっている裾部分の縁を山折りする工程と、股下部分の2つの2等辺三角形の頂角を結ぶ線に沿って股下部分を谷折りする工程と、の5つの工程を含む。
第1縫製工程は、右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部から離れる向きに遠位にある腰部の縁と左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部寄りに遠位にある腰部の縁とを接続し、右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部から離れる向きに遠位にある裾部分の縁と前記股下部分の、前記左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部寄りに遠位にある裾部分の縁と同じ長さの2等辺三角形の残りの辺とを接続し、更に、下部裾部分を有する場合には、右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部から離れる向きに遠位にある下部裾部分の縁と右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部寄りに遠位にある下部裾部分の縁とを接続する。
次の第2縫製工程は、右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部寄りに遠位にある腰部分の縁と左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部から離れる向きに遠位にある腰部の縁とを接続し、左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部から離れる向きに遠位にある裾部分の縁と前記股下部分の、前記右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部寄りに遠位にある裾部分の縁と同じ長さの2等辺三角形の残りの辺とを接続し、更に、下部裾部分を有する場合には、左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部から離れる向きに遠位にある下部裾部分の縁と左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部寄りに遠位にある下部裾部分の縁とを接続する。
第1及び第2縫製工程は、何れの順序で実施しても良いし、同時に実施しても良い。本明細書において「縫製」という用語は、縫い糸を用いて行う縫合処理の他、アイロン等で加熱することによって溶ける粘着剤の塗布されているテープを用いて行う接着処理、また、衣服材が化学繊維の場合には、衣服材を突き合わせた部分、または、重ねた部分を加熱しておこなう溶着処理を含む。
本発明によれば、わずか1枚の型紙に基づいて、裾のあるタイプの半ズボンから長ズボンまでを製造できる。また、当該型紙に基づいて行う製法によれば、2回の縫製工程によってズボンを製造することができる。少ない縫製工程は、不良品の発生率を抑える。当該製法によって製造されたズボンは、股下の部分に縫い目が無く、縫い目のゴツゴツ感を感じずに平らな座面に座れるという利点を有している。上記製法は略N字型の型紙だけでなく、逆N字型に股下部が左右の筒形成部の裾部分の縁に繋がっている型紙を用いても同様に行える。
本発明の一実施の形態に係るズボンの型紙、当該型紙に基づいて用意される衣服材、当該衣服材を縫合して製造されるズボンについて、半ズボンの型紙(第1実施形態)、太めの人用の半ズボンの型紙(第1実施形態の変形例)、長ズボン用の型紙(第2実施形態)の順で説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態として、裾の有るズボンの型紙、当該型紙を用いて行う裾の有るズボンの製法、当該製法によって製造された裾の有るズボンの説明を行う。
図1(a)は、裾の有るズボンの略N字型の型紙1を示す。実際にズボンを製造する場合は、当該型紙1に基づいて、略N字型の衣服材、一般には綿絹などの天然素材の布、伸縮性のあるウェットスーツ用の布等を含む化学繊維の布、その他、柔らかな皮、ビニール等を準備する。以下、説明の便宜上、前記衣服材を用いてズボンを製造する手順を、型紙1を参照しつつ説明する。ズボンの型紙1は、概略矩形の布に2箇所V字の切り欠きを入れた簡単な構成の型紙で、縫合わせる箇所にアルファベットの文字を付して示す。アルファベットの向きは、縫合時に正読できる向きで隣接するように描いて示す。本図では縫い代を示していないが、型紙及び衣服材には必要に応じて縫い代を設ける。
型紙1は、ズボンの右身頃を作る右側筒形成部2と、左身頃を作る左側筒形成部3と、右側筒形成部2及び左側筒形成部3を繋ぐ股下部分4と、で構成されている。
図1(a)に矢印10で示すように、右側筒形成部2の右前身頃及び右後身頃を、境界線2aで山折りする。図1(a)に矢印11で示すように、左側筒形成部3の左前身頃及び左後身頃を、境界線3aで山折する。さらに、股下部分4を点線4dで谷折りする。これにより図1(b)に示す状態となる。
図1(a)の状態において、右側筒形成部2を、股下部4に繋がっている線(図7の縁RB2aを参照)で山折りする。換言すると、図1(b)に示す状態では、右側筒形成部2を、股下部4に繋がっている線で谷折りする。図1(a)(b)の状態において、左側筒形成部3を、股下部4に繋がっている線(図7の縁LF2aを参照)で山折りする。これにより図1(c)に示す状態となる。
図1(c)の状態において、右側筒形成部2のA、B、Cで示す右前身頃と、左側筒形成部3のA、B、Cで示す左前身頃と、を縫合する。右側筒形成部2のG、Hで示す右前裾部と、股下部分4のG、Hで示す部分を縫合する。前記2つの縫合は、連続して一度で行うことが可能である。以上が第1製法工程となる。
同様に、図1(c)には前身頃と重なるため示していないが、図1(b)に示している右側筒形成部2のI、J、Kで示す右後身頃と、左側筒形成部3のI、J、Kで示す左後身頃とを縫合する。図1(b)に点線で示している左側筒形成部3のD、E、Fと、図1(b)ではG、Hの部分の背後に隠れる位置にある股下部分4のD、E、Fで示す部分(図1(a)を参照)を縫合する。前記2つの縫合は、連続して一度で行うことが可能である。以上が第2製法工程となる。これによって、半ズボンが完成する。
図1(c)から理解されるように、半ズボンの股下は、股下部分4を折り曲げた部分になるので、股下中央には縫い目が無い。半ズボンの裾の長さは、股下部分4を折り曲げた部分の長さが最も短い長さとなる。即ち、股下部分4は必須構成要素の1つであるので、本発明の型紙で製造されるズボンには、必ず、股下部分4を折り曲げた部分の長さ以上の長さの裾を有する。第1製法工程で作られるA、B、C、G、Hの縫い代のラインと、第2製法工程で作られるI、J、K、D、E、Fの縫い代のラインは、股下部分4の折り曲げた部分の幅だけ離れた「ねじれ」の位置関係にあることからも明らかである。
図2は、衣服材として布20を使用し、型紙1に沿って当該布を切り抜いた状態を示す。対応する箇所に図1(a)で示したアルファベットを記す。
図3は、図1(a)に矢印11を付して示すように、布20の左後身頃の部分を背面へと山折りし、股下部分4を点線4dで谷折りした状態を示す。
図4は、図1(c)に示す状態にある実際の布20を示す。
図5は、図4に示した布20と共に、伸縮性のあるウェットスーツ用の布30を用いて同一の手法で半ズボンを製造した際の、縫い代部分を白点線31で示す。白点線31は図1(c)を参照しつつ説明した、(a)右側筒形成部2のA、B、Cで示す右前身頃と、左側筒形成部3のA、B、Cで示す左前身頃と、を縫合する工程と(b)右側筒形成部2のG、Hで示す右前裾部と、股下部分4のG、Hで示す部分を縫合する工程とを、連続して縫合処理(第1縫製工程)を実施した例を示す。
図6は、図5に示したウェットスーツ用の布30の後身頃側に、左側筒形成部3のD、E、Fと股下部分4のD、E、Fで示す部分(図1(a)(b)(c)を参照)を縫合する第2縫製工程でできる縫い代部分を白点線32で示す。白点線31と白点線32とは、接すること無く互いに交差しており、この結果、縫合してできるズボンの股下には、縫い目が無いことが理解される。
図7は、図1(a)に示したN字型の型紙1の詳細を示す。型紙1は、右側筒形成部2と、左側筒形成部3と、股下部4との3つの部分で構成されている。右側筒形成部2、左側筒形成部3及び股下部4の外周部分は、二重線で描いてあるが、これは、縫い代を示す。縫製時に縫い代を要しない場合には、省略する。この場合、右側筒形成部2、左側筒形成部3、及び股下部4の周囲は、二重線の内の内側に描いてある線のみで表される。
右側筒形成部2は、境界線2aを介して右前身頃となる部分RF及び右後身頃となる部分RBを有している。右側筒形成部2は、矢印10で示すように、境界線2aで山折することによって、右前身頃の腰部分RF1及び裾部分RF2、並びに、右後身頃の腰部分RB1及び裾部分RB2を作る。
左側筒形成部3は、右側筒形成部の型紙を平面上で180度回転させ、更に、左右反転させた状態、即ち上下反転させた状態の形状を有している。即ち、左側筒形成部3は、右側筒形成部2と同一形状の型紙を、縁の部分で、右前身頃の腰部分RF1及び裾部分RF2の境界と右後身頃の腰部分RB1及び裾部分RB2の境界とを結ぶ線(一点鎖線2bで示す)を軸に反転(上下反転)させた状態のもので、境界線3aを介して左前身頃となる部分LF及び左後身頃となる部分LBを有している。左側筒形成部3は、矢印11で示すように、境界線3aで山折することによって、左前身頃の腰部分LF1及び裾部分LF2、並びに、左後身頃の腰部分LB1及び裾部分LB2を作る。
股下部4は、2つの2等辺三角形4a、4bを合わせた4辺形の形状を有している。2等辺三角形4aは、右側筒形成部2の境界線2aから左側筒形成部3寄りに遠位にある右後身頃RBの裾部分RB2の縁RB2aに繋がっており、縁RB2aを2等辺の内の1辺とする。2等辺三角形4bは、2等辺三角形4aと底辺を共通し、左側筒形成部3の境界線3aから右側筒形成部2寄りに遠位にある左前身頃LFの裾部分LF2の縁LF2aに繋がっており、縁LF2aを2等辺の内の1辺とする。
実施例としては、右側筒形成部2において、右前身頃の腰部分RF1の幅は205mm、縁部RF1aの長さは240mm、右後身頃の腰部分RB1の幅は215mm、縁部RB1aの長さは295mm、右前身頃の裾部分RF2の幅は250mm、縁部RF2aの長さは305mm、右後身頃の裾部分RB2の幅は310mm、縁部RB2aの長さは320mmである。左側筒形成部3において、左前身頃の腰部分LF1の幅は205mm、縁部LF1aの長さは240mm、左後身頃の腰部分LB1の幅は215mm、縁部LB1aの長さは295mm、左前身頃の裾部分LF2の幅は250mm、縁部LF2aの長さは305mm、左後身頃の裾部分LB2の幅は310mm、縁部LB2aの長さは320mmである。この値は、一例であり、サイズ変更は当業者によって行い得る。
なお、本明細書において、「等しい長さ」とは、厳格な数値上の等しさに限らず、「当該型紙に基づいて、等しい長さの部分を有する衣服材を用意した際に、その部分が不良品と扱われ無い程度に等しいとみなされる長さ」を含む。衣服材の伸縮性によって変わるが、例えば、日本国内では±1cm~2cmを許容誤差とする傾向があり、日本以外では±2cm~3cmを許容誤差とする傾向がある。しかし、この値の範囲内に限定するものではなく、等しい長さか否かは、使用する衣服材との関係で、実務慣行上、不良品とみなされる程、長さに違いが無いか否かで判断を行う。
型紙1に基づいて用意した布、例えば、型紙1に基づいて、必要な縫い代を考慮し、原材料の大きなサイズの布地から、カッターで切り抜く、プレス機で打ち抜く、または、織器で所望の形状に直接製造する等して、用意した略N字型の布を用いて、半ズボンを製造する手順について、型紙1を用いて説明する。製造工程は、型紙1を折り曲げる工程と、縫製工程とで構成されている。
折り曲げる工程は、次の(i)~(v)の5つの工程を含む。
(i)右側筒形成部2の右前身頃となる部分RF及び右後身頃となる部分RBを境界線2aで山折りする工程、
(ii)右側筒形成部2の境界線2aから左側筒形成部3寄りに遠位にある、股下部分4に繋がっている裾部分の縁RB2aを山折りする工程、
(iii)左側筒形成部3の左前身頃となる部分LF及び左後身頃となる部分LBを境界線3aで山折りする工程、
(iv)左側筒形成部3の境界線3aから右側筒形成部2寄りに遠位にある、股下部分4に繋がっている裾部分の縁LF2aを山折りする工程、そして、
(v)股下部分4の2つの2等辺三角形4a、4bの頂角を結ぶ点線4dに沿って、股下部分4を谷折りする工程。
例えば、縫い代を設ける場合、後の縫製工程での作業をし易くするため、折り目を付けて置く作業等、当業者が一般に行う作業も必要に応じて行うが、発明の骨子に関わるものではないので説明は省く。
前記(i)~(v)の5つの工程は、順不同で実施可能である。5つの工程を実施後に、(α)第1縫製工程、(β)第2縫製工程を実施する。
(α)第1縫製工程では、右側筒形成部2の境界線2aから左側筒形成部3から離れる向きに遠位にある腰部RF1の縁RF1a(図1(a)の左下部に示すA、B、Cが相当)と、左側筒形成部3の境界線3aから右側筒形成部2寄りに遠位にある腰部LF1の縁LF1a(図1(a)の中央部に示すA、B、Cが相当)とを接続する(図1(c)を参照)。また、右側筒形成部2の境界線2aから左側筒形成部3から離れる向きに遠位にある裾部分RF2の縁RF2a(図1(a)の左上部に示すG、Hが相当)と、股下部分4の辺であって、左側筒形成部3の境界線3aから右側筒形成部2寄りに遠位にある裾部分LF2の縁LF2aと同じ長さの2等辺三角形4bの残りの辺4e(図1(a)の中央部に示すG、Hが相当)とを接続する。
(β)第2縫製工程では、右側筒形成部2の境界線2aから左側筒形成部3寄りに遠位にある腰部分RB1の縁RB1a(図1(a)の中央部に示すI、J、Kが相当)と、左側筒形成部3の境界線3aから右側筒形成部2から離れる向きに遠位にある腰部LB1の縁LB1a(図1(a)の左上部に示すI、J、Kが相当)とを接続する。また、左側筒形成部3の境界線3aから右側筒形成部2から離れる向きに遠位にある裾部分LB2の縁LB2a(図1(a)のD、E、Fが相当)と、股下部分4の辺であって、右側筒形成部2の境界線2aから左側筒形成部3寄りに遠位にある裾部分RB2の縁RB2aと同じ長さの2等辺三角形4aの残りの辺4f(図1(a)の中央部に示すD、E、Fが相当)とを接続する。
以上の縫製工程を実施することによって型紙1を用いた半ズボンが製造される(図1(c)を参照)。
なお、第1縫製工程及び第2縫製工程において、「接続する」という語には、縫い合わせ、溶着、接着等する際に、当業者が一般に行っている生地を裏側にしたりする処理も含むものとする。
また、型紙1を表裏反転した、逆N字型の型紙を用いる場合であっても、同様の手順で裾の有るズボンを製造することができる。例えば型紙1を左右反転するように裏返しにした場合、左側に前記左側筒形成部3を表裏反転させた右側筒形成部ができ、右側に前記右側筒形成部2を表裏反転させた左側筒形成部ができる。例えば型紙1を上下反転するように裏返しにした場合、左側に右側筒形成部2を表裏反転させた左側筒形成部ができ、右側に左側筒形成部3を表裏反転させた右側筒形成部ができる。右側筒形成部から左側筒形成部へ、又は、その逆に入れ替わった場合、対応する参照符号は、RとLが入れ替わるだけである。股下部分4は、左下になる右側筒形成部の右前身頃の裾部分と、右上になる左側筒形成部の左後身頃の裾部分とを、記号/字状に接続する。この逆N字型の型紙の場合であっても、左右の筒形成部を境界線で山折りし、股下部分に繋がっている裾部の縁で山折りし、股下部分は2つの2等辺三角形の頂角を結ぶ点線に沿って谷折りすることによって、前記折り曲げ処理が行われる。第1及び第2縫製処理についても同様である。以下に説明する型紙についても同様である。なお、請求項には、理解の容易のため、略N字型の型紙1を用いる場合についての参照符号を示しているが、これに限定するものでは無く、逆N字型の型紙、当該型紙を用いた製法は、権利に含まれる。
図8は、腰回りの太めの人向けのズボンを製造する際に用いる型紙100を示す。型紙1と同一の構成要件には同一の参照符号及び番号を付して、ここでの重複した説明は省く。型紙100は、股下部分4において、2つの2等辺三角形4a、4bのそれぞれの底辺の間に、更に、当該底辺を向かい合う2辺とする矩形のまち部分4cを有していることを特徴とする。股下部分4を谷折りする点線4dの長さが、このまち部分4cの幅の分だけ長くなり、結果、ズボンの股下部分の前後幅が大きくなる(図1(c)を参照)。なお、型紙100に沿って切り抜いた衣服材、例えば布を用いてズボンを製造する工程は、型紙1の場合と同一で、前記(i)~(v)の工程を実施後に、前記(α)第1縫製工程及び(β)第2縫製工程を実施する。
図9~図11は、型紙1、型紙100を衣服材の布の代わりに用いてズボンを組み立てたときの、正面図、背面図、平面図を示す。図9~図11は、型紙1、型紙100を用いれば半ズボンが製造できることを証明する。図11に顕著に表れているように、股下部分4の前後長さが型紙100を用いた場合の方が長くなっていることが明確に確認できる。
以上説明した型紙1、100には、右側筒形成部2、左側筒形成部3、股下部分4の輪郭に、縫い代を付した状態のものを示しているが、本発明はこれに限らず、縫い代を要しない縫い方、又は、接着、接合手段を用いる場合には、型紙1、100に基づいて用意する衣服材、例えば布に縫い代は不要であり、これについては当業者の設定事項である。また、型紙1、型紙100の腰部には、半ズボンの腰部をシェイプするためのV字型の切り込みを付して示しているが、当該切り込みは必須なものではなく、当業者が必要に応じて付加又は削除すればよい。右側筒形成部2の右後腰部RB1、左側筒形成部3の左後腰部LB1、それぞれに点線で描いてあるV字型の切り込みについても同様である。本発明の型紙は、種々の体系に応じたズボンを製造できるという利点を有しているため、老若男女を問わず、種々の用途のズボンに使用することができる。
(第2実施形態)
図12は、長ズボン用の型紙200を示す。型紙1と同一の構成要素には同一の参照符号及び番号を付して表し、ここでの重複した説明は省く。型紙200は、型紙1の構成要素に加えて、ズボンの裾を長くするための要素、下部裾部分RF3、RB3、LF3、LB3を有している。詳しくは、型紙100は、右側筒形成部2において、右前身頃の裾部分RF2の裾縁RF2bに繋がっている右前身頃RFの下部裾部分RF3を有し、右後身頃の裾部分RB2の裾縁RB2bに繋がっている右後身頃RBの下部裾部分RB3を有している。同様に、左側筒形成部3において、左前身頃の裾部分LF2の裾縁LF2bに繋がっている左前身頃LFの下部裾部分LF3を有し、左後身頃の裾部分LB2の裾縁LB2bに繋がっている左後身頃LBの下部裾部分LB3を有している。以下、下部裾部分RF3、RB3、LF3、LB3との明確な区別のため、裾部分RF2、RB2、LF2、LB2を、「中裾部分」と称する。図12に示す長ズボン用の型紙200において、境界線2a、3aは、下部裾部分RF3、RB3、LF3、LB3が追加された事によって延長されているが、同一線上に延長されているものなので、型紙1と同一の符号を付して示す。
型紙200に基づいて用意した衣服材、例えば布を用いてズボンを製造する手順について、型紙200を用いて説明する。製造工程は型紙200を折り曲げる工程と、縫合する工程とで構成される。折り曲げる工程に関しては、型紙1の(i)~(v)の5つの工程を含む工程と、同一で、同様に、順不同で実施可能であるため、ここでの重複した説明を省く。
(i)~(v)の5つの工程を実施後に、(γ)の第1’縫製工程(請求項5の第1縫製工程に相当)、(δ)の第2’縫製工程(請求項5の第2縫製工程に相当)を実施する。
(γ)第1’製法工程では、右側筒形成部2の境界線2aから、左側筒形成部3から離れる向きに遠位にある腰部の縁RF1aと、左側筒形成部3の境界線3aから右側筒形成部2寄りに遠位にある腰部の縁LF1aとを接続する。右側筒形成部2の境界線2aから左側筒形成部3寄りに遠位にある中裾部分RF2の縁RF2aと、股下部分4の辺であって、左側筒形成部3の境界線3aから右側筒形成部2寄りに遠位にある中裾部分LF2の縁LF2aと同じ長さの2等辺三角形4bの残りの辺4eとを接続する。更に、右側筒形成部2の境界線2aから、左側筒形成部3から離れる向きに遠位にある下部裾部分RF3の縁RF3aと、右側筒形成部2の境界線2aから左側筒形成部3寄りに遠位にある下部裾部分RB3の縁RB3aとを接続する。
(δ)第2’縫製工程では、右側筒形成部2の境界線2aから左側筒形成部3寄りに遠位にある腰部分RB1の縁RB1aと、左側筒形成部3の境界線3aから、右側筒形成部2から離れる向きに遠位にある腰部LB1の縁LB1aとを接続する。左側筒形成部3の境界線3aから、右側筒形成部2から離れる向きに遠位にある中裾部分LB2の縁LB2aと、股下部分4の辺であって、右側筒形成部2の境界線2aから左側筒形成部3寄りに遠位にある中裾部分RB2の縁RB2aと同じ長さの2等辺三角形4aの残りの辺4fとを接続する。更に、左側筒形成部3の境界線3aから、右側筒形成部2から離れる向きに遠位にある下部裾部分LB3の縁LB3aと、左側筒形成部3の境界線3aから右側筒形成部2寄りに遠位にある下部裾部分LF3の縁LF3aとを接続する。
以上の工程を実施することによって型紙200を用いた長ズボンが製造される。
図13~図15は、型紙200を衣服材の布の代わりに用いて長ズボンを組み立てたときの様子を示す、正面図、背面図、底面方向から股下部分4の様子が分かるように示す図である。図13~図15は、型紙200を用いれば、長ズボンが製造できることを証明する。
型紙200の変形例について説明する。図12に点線5a、5bで示す部分は、右側筒形成部2の下部裾部分RF3、RB3の変形例を示す。同様に、図12に点線5c、5dで示す部分は、左側筒形成部3の下部裾部分LF3、LB3の変形例を示す。図12に示す下部裾部分RF3、RB3、LF3、LB3は、図13及び図14から確認できるように、いわゆるストレート型のスタイルのズボンを製造する場合のものである。例えば、型紙200の形状を点線5a~5dで描く形状とする場合、型紙200を組み立ててみれば確認できるが、出来上がるズボンは裾広がりのデザインとなる。
以上、第1実施形態、第2実施形態について説明したように、本発明は、わずか1枚の型紙に基づいて、裾のあるタイプの半ズボンから長ズボンまで、さらに、着る人の腰回りの前後幅の太さに応じたズボンを製造できる。また、当該型紙を用いて行う製法によれば、2回の縫製工程によってズボンを製造することができる。当該製法によって製造されたズボンは、股下の部分に縫い目が無く、縫い目のゴツゴツ感を感じずに平らな座面に座れるという利点を有している。
なお、本発明は、上記各種実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、長ズボンの型紙200の下部裾部分の形状だけで無く、股下部分4の折り曲げる箇所を示す点線4dの幅、即ち、ズボンの前後幅を越える長さがあるというズボンの型紙設計上、当然に求められる要件を満たす限りにおいて、右側筒形成部2及び左側筒形成部3の腰部及び裾部の幅は所望するズボンのデザインに応じて変更可能である。
また、ズボンを作る際に使用する原材料の布が小さく、例えばロール状に巻いてある布で、幅が狭く、一度の切り抜き等の工程で型紙1、100、200に基づく略N字型の衣服材を用意するのが困難な場合、股下部分4及び当該股下部分に繋がる右後身頃の裾部分RB2、左前身頃の裾部分LF2の部分以外の構成要素、例えば右前身頃RFを境界線2aで分離し、及び/または、左後身頃LBを境界線3aで分離させた副次的な型紙を準備し、更には、長ズボンの場合には、左右何れか又は両方の下部裾部分を分離させた副次的な型紙を準備してもよい。この場合、副次的な型紙に沿って切り抜いた衣服材を繋ぎ合わせて「型紙に基づいて用意した衣服材」を作り、前述した製法によってズボンを製造する。原材料の布の大きさに起因して生じる前記余分な工程を除けば、発明の効果である股下部分に縫い目のないズボンを2回の縫製工程で製造することができる。
本発明の裾の有るズボンの型紙、当該型紙を用いた裾の有るズボンの製法、当該製法によって製造される裾の有るズボン、については、柔らかく、縫製(縫い合わせる、だけでなく必要に応じて接着又は溶着することを含む)可能、という衣服材に適したもの用いる限りにおいて、伸縮性、防水性、耐火性、耐酸性等を有する特殊素材、を用いるもの全般に使用することができる。また、アウターウェアズボンだけでなく、インナーウェアズボンにも用いることができる。
1、100、200 型紙
2 右側筒形成部
2a 右側筒形成部の境界線
3 左側筒形成部
3a 左側筒形成部の境界線
4 股下部分
5a、5b、5c、5d 下部裾部分の変形例を示す輪郭線
20、30 ズボンを作るのに用いる布
RF 右前身頃
RF1 右前身頃の腰部
RF2 右前身頃の(中)裾部
RF3 右前身頃の下部裾部(長ズボン用)
RB 右後身頃
RB1 右後身頃の腰部分
RB2 右後身頃の(中)裾部分
RB3 右後身頃の下部裾部分(長ズボン用)
LF 左前身頃
LF1 左前身頃の腰部分
LF2 左前身頃の(中)裾部分
LF3 左前身頃の下部裾部分(長ズボン用)
LB 左後身頃
LB1 左後身頃の腰部分
LB2 左後身頃の(中)裾部分
LB3 左後身頃の下部裾部分(長ズボン用)

Claims (5)

  1. 裾の有るズボン用の型紙において、
    境界線(2a)を介して右前身頃となる部分(RF)及び右後身頃となる部分(RB)を有し、前記境界線(2a)で山折することによって、右前身頃の腰部分(RF1)及び裾部分(RF2)、並びに、右後身頃の腰部分(RB1)及び裾部分(RB2)を作る右側筒形成部(2)と、前記右側筒形成部と同一形状の型紙を、前記右前身頃の腰部分及び裾部分の境界と前記右後身頃の腰部分及び裾部分の境界とを結ぶ線(2b)を軸に反転させてなり、境界線(3a)を介して左前身頃となる部分(LF)及び左後身頃となる部分(LB)を有し、前記境界線(3a)で山折することによって、左前身頃の腰部分(LF1)及び裾部分(LF2)、並びに、左後身頃の腰部分(LB1)及び裾部分(LB2)を作る左側筒形成部(3)と、前記右側筒形成部及び前記左側筒形成部を繋ぐ股下部分(4)と、の3つの部分で構成され、
    前記股下部分(4)は、前記右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部寄りに遠位にある裾部分の縁(RB2a)に繋がっており、当該縁を2等辺の内の1辺とする2等辺三角形(4a)と、当該2等辺三角形と底辺を共通し、当該左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部寄りに遠位にある裾部分の縁(LF2a)に繋がっており、当該縁を2等辺の内の1辺とする2等辺三角形(4b)と、を合わせた形の4辺形で構成されている、ことを特徴とする裾の有るズボン用の型紙。
  2. 請求項1に記載の型紙において、前記股下部分(4)は、前記2つの2等辺三角形(4a、4b)のそれぞれの底辺の間に、更に、当該底辺を向かい合う2辺とする矩形のまち部分(4c)を有している、ことを特徴とする裾の有るズボン用の型紙。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の裾の有るズボンの型紙において、
    前記右側筒形成部(2)は、右前身頃の裾部分の裾縁(RF2b)に繋がっている右前身頃の下部裾部分(RF3)と、右後身頃の裾部分の裾縁(RB2b)に繋がっている右後身頃の下部裾部分(RB3)とを有しており、
    前記左側筒形成部(3)は、左前身頃の裾部分の裾縁(LF2b)に繋がっている左前身頃の下部裾部分(LF3)と、左後身頃の裾部分の裾縁(LB2b)に繋がっている左後身頃の下部裾部分(LB3)とを有している、ことを特徴とする裾の有るズボンの型紙。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の裾の有るズボン用の型紙に基づいて用意した衣服材を使用し、
    前記右側筒形成部(2)の右前身頃となる部分(RF)及び右後身頃となる部分(RB)を境界線(2a)で山折りする工程と、
    前記右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部寄りに遠位にある、前記股下部分4に繋がっている裾部分の縁(RB2a)を山折りする工程と、
    前記左側筒形成部(3)の左前身頃となる部分(LF)及び左後身頃となる部分(LB)を境界線(3a)で山折りする工程と、
    前記左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部寄りに遠位にある、前記股下部分4に繋がっている裾部分の縁(LF2a)を山折りする工程と、
    前記股下部分の2つの2等辺三角形(4a、4b)の頂角を結ぶ線(4d)に沿って、前記股下部分(4)を谷折りする工程と、を含み、
    前記5つの工程の後に、右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部から離れる向きに遠位にある腰部の縁(RF1a)と左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部寄りに遠位にある腰部の縁(LF1a)とを接続し、右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部から離れる向きに遠位にある裾部分の縁(RF2a)と前記股下部分の、前記左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部寄りに遠位にある裾部分の縁(LF2a)と同じ長さの2等辺三角形(4b)の残りの辺(4e)とを接続する、第1縫製工程と、
    右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部寄りに遠位にある腰部分の縁(RB1a)と左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部から離れる向きに遠位にある腰部の縁(LB1a)とを接続し、左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部から離れる向きに遠位にある裾部分の縁(LB2a)と前記股下部分の、前記右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部寄りに遠位にある裾部分の縁(RB2a)と同じ長さの2等辺三角形(4a)の残りの辺(4f)とを接続する、第2縫製工程と、で構成されることを特徴とする裾の有るズボンの製法。
  5. 請求項3に記載の裾の有るズボン用の型紙に基づいて用意した衣服材を使用し、
    前記右側筒形成部(2)の右前身頃となる部分(RF)及び右後身頃となる部分(RB)を境界線(2a)で山折りする工程と、
    前記右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部寄りに遠位にある、前記股下部4に繋がっている裾部分の縁(RB2a)を山折りする工程と、
    前記左側筒形成部(3)の左前身頃となる部分(LF)及び左後身頃となる部分(LB)を境界線(3a)で山折りする工程と、
    前記左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部寄りに遠位にある、前記股下部4に繋がっている裾部分の縁(LF2a)を山折りする工程と、
    前記股下部分の2つの2等辺三角形(4a、4b)の頂角を結ぶ線(4d)に沿って、前記股下部分(4)を谷折りする工程と、を含み、
    前記5つの工程の後に、右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部から離れる向きに遠位にある腰部の縁(RF1a)と左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部寄りに遠位にある腰部の縁(LF1a)とを接続し、右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部から離れる向きに遠位にある裾部分の縁(RF2a)と前記股下部分の、前記左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部寄りに遠位にある裾部分の縁(LF2a)と同じ長さの2等辺三角形(4b)の残りの辺(4e)とを接続し、右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部から離れる向きに遠位にある下部裾部分の縁(RF3a)と右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部寄りに遠位にある下部裾部分の縁(RB3a)とを接続する、第1縫製工程と、
    右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部寄りに遠位にある腰部分の縁(RB1a)と左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部から離れる向きに遠位にある腰部の縁(LB1a)とを接続し、左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部から離れる向きに遠位にある裾部分の縁(LB2a)と前記股下部分の、前記右側筒形成部の境界線から前記左側筒形成部寄りに遠位にある裾部分の縁(RB2a)と同じ長さの2等辺三角形(4a)の残りの辺(4f)とを接続し、左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部から離れる向きに遠位にある下部裾部分の縁(LB3a)と左側筒形成部の境界線から前記右側筒形成部寄りに遠位にある下部裾部分の縁(LF3a)とを接続する、第2縫製工程と、で構成されることを特徴とする裾の有るズボンの製法。
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