JP7173526B2 - 冷却食品の製造方法および真空冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷却食品の製造方法および真空冷却装置に関し、特に、加熱調理された食品を真空冷却するときの圧力制御に関するものである。
一般に、食品の真空冷却法は、加熱された食品を収容した容器の内部を減圧することにより、食品内部の水分の沸騰に伴う気化熱により食品を効果的に目標温度まで冷却し、食品の温度が目標温度に達した後は、容器内部の圧力が大気圧に復帰するまでに容器内に外気を導入するというものである。
ところが、従来の真空冷却法では、食品の温度が目標冷却温度まで低下したときには、容器の内部は、圧力が低下する状態から圧力が増大する状態に切り替わることから、食品は、その内部の水分の沸騰により膨張した状態で、大気の導入により圧縮されることとなる。その結果、食品は、食品の種類によって程度の差はあるが、食品が目標温度まで真空冷却された後の復圧(すなわち、減圧状態からの大気圧までの復帰)の際に変形し、食感の硬いものとなってしまう。
特に、米飯では、真空冷却を施すと、復圧の際に飯粒が変形して硬くなることで、本来の米飯の美味しさが損なわれてしまうという問題があった。
本発明は、食品を格納する冷却庫の減圧直後の復圧により食品が収縮するのを回避でき、食品の収縮による食感や風味の劣化を抑制することができる冷却食品の製造方法および真空冷却装置を得ることを目的とする。
本発明の食品の製造方法は、冷却された食品の製造方法であって、該食品の加熱された原材料を提供することと、該原材料の真空冷却を行って、該冷却された食品を得ることとを含み、該真空冷却は、冷却庫内に該原材料を格納して、該原材料の温度が目標温度に達するまで前記冷却庫内を減圧する減圧工程と、該冷却庫内の圧力を増加させる復圧工程とを含むように構成されており、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の1つの実施形態において、前記復圧工程は、前記冷却庫内の圧力を一定の割合で増加させる第一復圧工程と、該第一復圧工程後、該冷却庫内の圧力を加速的に増加させる第二復圧工程とを含んでいてもよい。
本発明の1つの実施形態において、前記減圧工程は、前記提供された原材料の温度を測定する温度測定工程と、前記冷却庫内を、該温度測定工程において測定された温度で水が沸騰する圧力まで急速に減圧する急速減圧工程と、該冷却庫内を、該原材料の温度が目標温度に達するまでさらに減圧する減速減圧工程とを含んでいてもよい。
本発明の1つの実施形態において、前記減圧工程と前記復圧工程との間に、前記冷却庫内圧力を略一定に保つ保圧工程をさらに含んでいてもよい。
本発明の1つの実施形態において、前記保圧工程は、約30秒~約60秒の間行うように構成されていてもよい。
本発明の1つの実施形態において、前記第一復圧工程は、約210秒~約240秒の間、約4kPa/min~約9kPa/minの割合で増加させる工程であってもよい。
本発明の1つの実施形態において、前記急速減圧工程は、約20kPa/min~約40kPa/minの減圧速度で前記冷却庫内の圧力を減圧し、前記減速減圧工程は、該急速減圧工程の減圧速度よりも小さい減圧速度で該冷却庫内の圧力を減圧するように構成されていてもよい。
本発明の1つの実施形態において、前記食品は、米飯であってもよい。
本発明の真空冷却装置は、食品を真空冷却する装置であって、該食品を格納する冷却庫と、該冷却庫内を減圧するための真空ポンプと、該冷却庫内の圧力を調整する圧力調整弁と、該冷却庫内の温度を検出する温度センサと、該温度センサの検出出力に基づいて前記圧力調整弁の弁開度を制御する制御部とを備え、該制御部は、該圧力調整弁を制御することにより、該食品の温度が目標温度に達した後、第1の期間の間、該圧力調整弁の弁開度が一定開度に固定され、該第1の期間の経過後の第2の期間の間、該圧力調整弁の弁開度が調整されることにより該冷却庫内の圧力が加速的に増大するように構成されている。
本発明の米飯は、炊飯後に真空冷却された米飯であって、約5℃~約30℃における降伏荷重が約0.8N~約1.1Nである。
本発明によれば、食品を格納する冷却庫の減圧直後の復圧により食品が収縮するのを回避でき、食品の収縮による食感や風味の劣化を抑制することができる冷却食品の製造方法および真空冷却装置を得ることができる。
図1は、本発明の実施形態1による真空冷却装置100を説明するための図であり、真空冷却装置100の構成を模式的に示している。 図2は、圧力制御条件としての基本特性ラインを示す図である。 図3は、圧力制御条件としての目標特性ラインを示す図である。 図4は、図1に示す真空冷却装置100に搭載されているコンピュータ150aが実行する処理のフローを示す図である。 図5は、実施例1における目標特性ラインと、それに従って炊飯後の米飯を実際に真空冷却した結果の庫内圧力および品温を示す図である。 図6は、歪率-荷重特性を、実施例1の目標特性ラインに基づく真空冷却により冷却した米飯と、従来の急速急冷により冷却した米飯と、一般的な送風冷却により冷却した米飯とで対比してグラフで示す図である。 図7は、実施例4のさつまあげの断面を示す図である。
以下に本発明を、必要に応じて、添付の図面を参照して例示の実施例により説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
以下に提供される実施形態は、本発明のよりよい理解のために提供されるものであり、本発明の範囲は以下の記載に限定されるべきではない。本明細書中の記載を参酌して、本発明の範囲内で適宜改変を行なうことができることは、当業者に明らかである。
本明細書において使用される用語「約」とは、後に続く数値の±10%の範囲を意味する。
本発明は、冷却食品の製造方法に関するものであり、加熱された食品の冷却を真空冷却により行うことを前提とし、冷却時間を増加させることなく形状変化などの食品のダメージを抑えることを目的とする。
本発明の冷却食品の製造方法は、食品の加熱された原材料を提供することと、原材料の真空冷却を行って、冷却された食品を得ることとを含み、真空冷却は、冷却庫内に原材料を格納して、原材料の温度が目標温度に達するまで冷却庫内を減圧する減圧工程と、冷却庫内の圧力を増加させる復圧工程とを含むものである。
本発明の冷却食品の製造方法における減圧工程では、無駄な圧力制御の時間を削減し得る。
本発明の冷却食品の製造方法における復圧工程では、低速で圧力増加させる圧力制御を行う工程を含み、食品のダメージを抑制するようにしたものである。
さらに、本発明の冷却食品の製造方法は、減圧工程の終了後、冷却庫内を一定期間の間保圧する保圧工程を設けることによりさらに食品のダメージを抑制することが可能となる。
ここで、本発明の減圧工程、復圧工程、およびそれらの間の保圧工程はそれぞれ、以下の圧力変動特徴を有し得る。
(減圧工程)
本発明における減圧工程は、食品の原材料へのダメージを軽減するように行われ得る。1つの実施形態においては、減圧工程は、第1の減圧特性ラインと第2の減圧特性ラインに基づいて庫内の温度(圧力)をフィードバック制御することにより減圧を行う。
第1の減圧特性ラインは、冷却庫の内部圧力(庫内圧力)が大気圧から冷却庫に格納された直後の加熱された食品の温度が飽和温度となる圧力までどのように減圧させるか減圧時間に対する温度(圧力)の特性を示すラインである(図3の急速減圧期間のラインを参照)。冷却庫に格納された直後の加熱された食品の温度が飽和温度と等しい場合には、第1の減圧特性ラインは存在しないが、このような場合も本発明に包含されることは当業者には明らかである。
第2の減圧特性ラインは、第1の減圧特性ラインに基づく減圧の後、冷却庫内を目標冷却温度が沸点となる圧力までどのように減圧させるか減圧時間に対する温度(圧力)の特性を示すラインである(図3の減速減圧期間のラインを参照)。第1の減圧特性ラインおよび第2の減圧特性ラインは、いずれも、線形のものであってもよいし、非線形のものであってもよい。
図3に示すように、第1の減圧特性ラインは、第2の減圧特性ラインとは異なる特性を示すラインであり、少なくとも、第1の減圧特性ラインは、第2の減圧特性ラインと比べて減圧速度(単位時間あたりに庫内圧力が低下する低下量)が速くなっている。そのようにすることで、無駄な冷却時間を短縮することが可能となる。第1の減圧特性ラインの減圧速度は、約20kPa/min~約40kPa/min、好ましくは約25kPa/min~約35kPa/minである。第2の減圧特性ラインの減圧速度は、典型的には、食品へのダメージを軽減するために、第1の減圧特性ラインの減圧速度よりも小さい。一つの実施形態において、第2の減圧特性ラインの減圧速度は、初期段階は約5kPa/min~約15kPa、終期では約0.1kPa/min~約1kPaである。しかし本発明はこれに限定されない。
減圧工程の時間は、長時間で行えば食品の形状変化が少なく食感が硬くなるなどの食品のダメージが抑制できるが生産性が損なわれる。逆に減圧工程の時間を短時間にすると生産性は向上するが、食品がダメージを受け品質が損なわれる。減圧工程の時間は、生産性と食品の品質に基づいて設定されるものであって、例えば、約15分~約30分、好ましくは約20分~約25分に設定される。
目標冷却温度は、約5℃~約30℃、好ましくは約10℃~約25℃の範囲である。
(復圧工程)
本発明の復圧工程は、復圧開始から冷却庫内の圧力を一定の割合で増加させる第一復圧工程と、第一復圧工程後、冷却庫内の圧力を加速的に増加させる第二復圧工程とを含む。
第一復圧工程は、圧力調整弁130の開度を固定した状態で開放し、庫内圧力を線形に増大させることによって行われる。圧力調整弁130の開度は、約5%~約20%、好ましくは約8%~約15%、さらに好ましくは約10%である。ここで、圧力調整弁130は、真空ポンプ120により真空引きされる冷却庫への吸気を行うための吸気管101bに設けられた吸気弁である。
第一復圧工程の期間は、約120秒~約300秒であって期間内の増加圧力は約5kPa~約40kPa、好ましくは約150秒~約270秒であって期間内の増加圧力は約10kPa~約35kPa、さらにこのましくは約210秒~約240秒の間であって期間内の増加圧力は約15kPa~約30kPaである。
第一復圧工程における増加圧力は、約1kPa/min~約20kPa/minの一定割合での増加、好ましくは増加圧力は約2kPa/min~約14kPa/minの一定割合での増加、さらに好ましくは増加圧力は約4kPa/min~約9kPa/minの一定割合での増加である。
理論に拘束されることを意図しないが、第一復圧工程を設けることによって、従来の復圧開始から圧力弁の開度を大きくすることで急激な加速的な圧力増加をさせるのに比べて食品が少しずつ空気と触れ合うことで圧力上昇への耐性が形成され、収縮による形状変化などの食品のダメージを抑制することが可能となる。
第二復圧工程は、第一復圧工程の後、一定期間圧力調整弁130の開度を徐々に広げて庫内圧力を加速的に増大させる工程である。典型的には、第二復圧工程における圧力増加速度は、第一復圧工程における圧力増加速度よりも大きい。第二復圧工程における圧力調整弁130の開度は、期間初期は約5%~約20%、期間終期は約100%である。
理論に拘束されることを意図しないが、第一復圧工程によって食品は圧力上昇への耐性が形成されているため、加速的に圧力増加させても食品のダメージの発生を抑制される。
第二復圧工程の期間は、約30秒~約180秒、好ましくは約60秒~約150秒、さらに好ましくは約90秒~約120秒である。
(保圧工程)
保圧工程は、冷却庫の減圧後、一定期間経過してから冷却庫の復圧が行われるように、減圧工程と復圧工程との間で冷却庫の圧力を保持する工程である。
保圧工程の期間は、0秒超~約120秒、好ましくは約15秒~約90秒、さらに好ましくは約30秒~約60秒である。理論に拘束されることを意図しないが、保圧工程を設けることにより、食品の内部圧力を増大させても食品が収縮しにくい状態にすることができる。また、保圧工程を設けることによって、冷却庫内に格納された複数の食品原材料ごとの冷却温度のばらつきを抑制することができる。
(食品)
食品は、加熱調理後に常温あるいは常温以下の温度(例えば、約5℃~約10℃)に冷却して流通させられるものであれば任意の食品であり得る。例えば、米飯、佃煮、魚介類、豆類、海藻類、肉類を煮上げた各種の調理食品を含むものである。
好ましくは、本発明の製造方法が対象とする食品は米飯である。炊飯後の米飯の冷却は、食品の冷却の中でも従来より難しい技術であり、デンプンの老化、水分蒸発によるパサつき等の問題から、管理温度は他の食品に比較して高かった。本発明の製造方法を用いることによって、低温(約5℃~約30℃、好ましくは約10℃~約25℃)でも食味の優れた米飯を提供することができる。
好ましい実施形態において、本発明は、炊飯後に真空冷却された米飯であって、約5℃~約30℃における降伏荷重が約0.8N~約1.1N、より好ましくは約0.8N~約1Nである米飯を提供し得る。このような米飯は、約5℃~約30℃という低温であり、かつ炊飯後に真空冷却されたものであるにも拘わらず、降伏荷重が約0.8N~約1.1Nと小さいため、炊飯直後の硬くなくふっくらとした食味を維持している。
別の好ましい実施形態においては、本発明は、炊飯後に真空冷却された米飯であって、約10℃~約25℃における降伏荷重が約0.8N~約1.1N、より好ましくは約0.8N~約1Nである米飯を提供し得る。
(真空冷却装置)
図1は、本発明の食品の製造方法に用いる真空冷却装置を示す模式図である。
図1に示す真空冷却装置100は、加熱された食材を格納する冷却庫110と、冷却庫110内を減圧するための真空ポンプ120と、冷却庫110の内部を大気圧に開放する開放弁131と、冷却庫110内の圧力を調整するための圧力調整弁130とを有する。
この真空冷却装置100では、食品Fは食品容器Cに収容された状態で冷却庫110に格納されるようになっている。冷却庫110には排気管101aおよび吸気管101bが取り付けられている。
排気管101aは、冷却庫110からの排気を行うための配管であり、排気管101aには排気管101aを通して冷却庫110内を真空引きする真空ポンプ120が取り付けられ、冷却庫110と真空ポンプ120との間には、排気管101aを導通状態と非導通状態との間で切り替える開閉弁140が設けられている。開閉弁140は、開状態と閉状態とのいずれかの状態に設定されるように構成されたオンオフ電磁弁であり、開閉弁140が開状態である場合のみ、真空ポンプ120による真空引きにより冷却庫110の内部が減圧され、開閉弁140が閉状態であるときは、真空ポンプ120による真空引きが行われていても、排気管101aが開閉弁140により遮断されているため、冷却庫110の内部の減圧は行われない。
吸気管101bは、冷却庫110への吸気(外気の導入)を行うための配管であり、吸気管101bには、圧力調整弁130と開放弁131とが並列に設けられている。開放弁131は、開状態と閉状態とのいずれかの状態に設定されるように構成されたオンオフ電磁弁であり、開放弁131が開状態である場合は、冷却庫110内は大気に開放された状態であるため、圧力調整弁130の弁開度の状態に拘わらず、冷却庫110内の圧力制御は行われることはなく、開放弁131が閉状態である場合のみ、圧力調整弁130による冷却庫110内の圧力調整が可能となる。圧力調整弁130は、弁開度を非常に細かく設定可能に構成された超高精度バルブである。
冷却庫110は、冷却庫110に格納された食材の温度を検出する温度センサ111と、冷却庫110内の圧力(庫内圧力)を検出する圧力センサ112とを有する。
真空冷却装置100は真空冷却時の庫内圧力を制御する制御部150をさらに有する。制御部150は、冷却庫110内の温度センサ111および圧力センサ112の検出出力に基づいて、真空ポンプ120の運転、開閉弁140、開放弁130のオンオフ、および圧力調整弁130の弁開度を制御するように構成されている。
ここで、制御部150は、コンピュータ150a、表示部150b、および操作部150cを有し、コンピュータ150aは、プロセッサ151、メモリ152、および入出力インターフェース153を有し、プロセッサ151、メモリ152、および入出力インターフェース153はデータバスを介して相互に接続されている。
入出力インターフェース153には、真空ポンプ120、開閉弁140、圧力調整弁130、開放弁131、温度センサ111、圧力センサ112、操作部150cおよび表示部150bが接続されている。操作部150cと表示部150bとは別体であってもよいし、一体となっていてもよい。例えば、図1に示す実施形態において、表示部105bには、操作部150cがタッチパネルとして一体に組み込まれている。ただし、操作部150cはタッチパネルではなく、複数のスイッチを搭載した操作盤でもよい。
メモリ152には、冷却庫110内で食材(原材料)の真空冷却が行われるように真空ポンプ120、開閉弁140、圧力調整弁130および開放弁131を制御するための制御プログラムが格納されている。プロセッサ151は、メモリ152に格納されている制御プログラムを読み出して実行する。これにより、コンピュータ150aは、冷却庫110での食材の真空冷却が行われるように真空ポンプ120、開閉弁140、圧力調整弁130および開放弁131を制御する機能を持つ。
メモリ152には、真空冷却を行う際の圧力制御条件が食品毎に予め格納されている。図2は、この圧力制御条件の例として食品が米飯である場合の圧力制御特性ラインを示している。
図2に示す座標の縦軸は、庫内圧力を庫内圧力における沸点温度で示しており、この座標の横軸は、時間軸(秒)である。すなわち、縦軸の沸点温度が低いということは、庫内圧力が低いということであり、縦軸の沸点温度が高いということは、庫内圧力が高いということであり、縦軸の沸点温度の100℃は、庫内圧力が大気圧(1気圧)であることを示している。
具体的には、コンピュータ150aでは、操作部150cからの操作信号により冷却される食品が選択されると、プロセッサ151は、予めメモリ152に格納されている複数種類の食品に対応する複数の圧力制御条件のうちから、選択された食品に対応する圧力制御条件を基本特性ラインとして読み出す。基本特性ラインは、冷却庫110に格納されたときの品温が100℃である加熱された食品の原材料を目標温度まで最適に減圧するためにどのように減圧するか減圧時間に対する圧力(温度)の条件を示すラインである(図2を参照)。
プロセッサ151が、加熱された食品の原材料が冷却庫110に格納されたときの品温(例えば、60℃)である冷却開始温度Taを温度センサ111から受け取り、操作部150cから作業者が設定した冷却時間を受け取ると、プロセッサ151は、読み出した基本特性ライン(図2参照)を冷却開始温度Taと冷却時間とに基づいて補正することで目標特性ライン(図3参照)を作成する。
具体的には、基本特性ライン(図2参照)における100℃に対応する圧力(1気圧)から冷却開始温度Taで水が沸騰する圧力までの部分を、この部分より減圧速度が速い特性に置き換え、この置き換えにより短縮した時間が、基本特性ラインの復圧部分に加算されるように基本特性ラインの復圧部分の復圧速度が遅い特性となるように補正することにより目標特性ラインが得られる。
プロセッサ151は、冷却庫110内の減圧・復圧が目標特性ラインに従って行われるように、温度センサ111および/または圧力センサ112の出力に基づいて圧力調整弁130の弁開度(弁の開閉具合)を自動でフィードバック制御する。好ましい実施形態において、フィードバック制御は約0秒超~約1秒以下のサイクルで精密に制御することにより、目標特性に忠実に追従した減圧・復圧が実施でき、従来に比べて食品の形状変化や食品が硬くなるなどのダメージを抑制することが可能となる。
以下、食品が米飯であり、冷却庫110に格納された直後の米飯の温度が約60℃であり、冷却時間が30分である場合を例に挙げて、食品の加熱された食材を真空冷却することにより食品を製造する方法を、図1~図5を用いて説明する。
図4は、図1に示す真空冷却装置100に搭載されているコンピュータ150aが実行する処理フローを示す。
真空冷却装置100の電源が投入されると、制御部150では、コンピュータ150aのプロセッサ151は、作業者の操作部150cの操作により制御部150からの運転指令を受けたか否かの判断を、運転指令を受信するまで行う(ステップS1)。運転指令は、例えば、食品の種類、冷却時間の項目である。運転指令を受けた場合は、プロセッサ151は、運転指令に含まれる食品の種類に基づいて、コンピュータ150aのメモリ152に登録されている複数種類の食品の圧力制御条件の中から、米飯に対応する圧力制御条件を基本特性ラインとして選択する(ステップS2)。
ここで、米飯に対応する基本特性ライン(図2)は、例えば、100℃に加熱されている米飯を、冷却時間約24分で目標冷却温度の20℃まで減圧冷却し、約6分で復圧する場合の圧力制御条件として作成されたものである。
この基本特性ラインは、主に減速減圧期間と、リニア復圧期間(第一復圧工程)と、加速復圧期間(第二復圧工程)とを含む。また、必要に応じて、減速減圧期間とリニア復圧期間との間に圧力ホールド期間、加速復圧期間の後に開放期間を設けてもよい。
減速減圧期間は、真空ポンプ120を駆動し、開放弁131を閉じかつ開閉弁140を開けた状態で圧力調整弁130の弁開度を制御することにより庫内圧力を減圧する割合を徐々に小さくしていく減圧制御により、庫内圧力が1気圧から目標冷却温度で水が沸騰する圧力まで低下させる期間である。
具体的には、目標特性ライン(図3)における急速減圧期間を経た後の減速減圧期間では、真空ポンプは排気速度が大気圧に近いほど早いことから急速減圧期間では全閉あるいは微量な開度であった圧力調整弁130の弁開度が、食品の加熱された食材(原材料)が冷却庫110内に格納されたときに予め測定した品温での飽和圧力帯の圧力を制御可能な開度(例えば、約60%~約80%の範囲の開度)まで一気に開いて減圧速度が減速される。なお、予め測定した品温が100℃に近いときは、急速減圧期間はほとんど存在しない。
その後、予め設定されている圧力制御条件の特性ラインに沿って徐冷制御(減速減圧)が行われるように、圧力調整弁130の開度がフィードバック制御により冷却庫110内が目標冷却温度での飽和圧力に減圧されるまで徐々に閉じる。
減速減圧期間は、短いと生産性が高くなるが食品のダメージが大きく品質を損ない、長いと食品のダメージは小さいが生産性が低くなる。減速減圧期間は食品の品質および生産性などの観点に基づいて設定される。例えば、減速減圧期間は、約10分~約40分、好ましくは約15分~約30分、さらに好ましくは約20分~約25分である。
減速減圧期間の後に行う圧力ホールド期間は、庫内圧力を一定期間維持する期間である。圧力ホールド期間は、0秒超~約120秒、好ましくは約15秒~約90秒、さらに好ましくは約30秒~約60秒である。圧力ホールド期間は、真空ポンプ120は駆動したままで開閉弁140を閉じることで真空引きによる減圧は停止し、かつ、開放弁131を閉じたままで圧力調整弁130の弁開度を0(閉じた状態)にすることで、吸気管101bからの大気の導入も停止し、冷却庫110の内部の圧力が一定に維持される期間である。
圧力ホールド期間に続くリニア復圧期間は、開閉弁140および開放弁131は閉じたままで、圧力調整弁130を一定弁開度に固定した状態で開放し、庫内圧力を線形に増大させる期間である。圧力調整弁130の開度は、約5%~約20%、好ましくは約8%~約15%、さらに好ましくは約10%である。
リニア復圧期間は、約120秒~約300秒の間の期間であって期間内の増加圧力は約1kPa/min~約25kPa/minの一定割合での増加、好ましくは約150秒~約270秒の期間であって期間内の増加圧力は約2kPa/min~約18kPa/minの一定割合での増加、さらに好ましくは約210秒~約240秒の期間であって期間内の増加圧力は約4kPa/min~約12kPa/minの一定割合での増加である。
加速復圧期間は、開閉弁140および開放弁131は閉じたままで、リニア復圧期間の後の一定期間圧力調整弁130の弁開度を徐々に広げて庫内圧力を加速的に増大させる期間である。圧力調整弁130の開度は、期間初期は約5%~約20%、期間終期は約100%である。
加速復圧期間は、約30秒~約180秒、好ましくは約60秒~約150秒、さらに好ましくは約90秒~約120秒である。
開放期間は、加速復圧期間の後で、開閉弁140は閉じたままで、電磁弁である開放弁131を開放して一気に庫内圧力を大気圧まで復圧する期間である。開放期間では、圧力調整弁130の弁開度を100%にするのが望ましい。なぜなら、圧力調整弁130が全開することで、圧力調整弁130が全開でない場合よりも、冷却庫110内への大気の吸入抵抗が下がるからである。
次に、プロセッサ151は、温度センサ111から、冷却庫110内に格納された加熱された食材の温度を受信したか否かの判断を、温度センサ111から食材の温度を受信するまで行う(ステップS3)。
プロセッサ151は、温度センサ111から食材の温度を受信すると、制御部150からの指令に含まれている冷却時間と食材の温度とに基づいて、図2に示す基本特性ラインとして選択した圧力制御条件を補正して図3に示す目標特性ラインを作成し、真空ポンプ120を起動し、開閉弁140を開け、開放弁131を閉じて目標特性ラインに従って圧力調整弁130の開度をフィードバック制御することにより冷却庫110の減圧を開始する(ステップS4)。
目標特性ライン(図3)は、基本特性ライン(図2)に従って大気圧から冷却庫110に格納された直後の食材の温度(約60℃)で水が沸騰する圧力まで約4分程度減圧する圧力制御に代えて、冷却庫110内の圧力を大気圧から格納された直後の食材の温度で水が沸騰する圧力まで約1分程度の急速で減圧を行う。このようにすることで、従来、基本特性ラインに基づいて減圧制御することで無駄に費やす冷却時間を短縮することが可能となる。
ここで、冷却庫110内の圧力を大気圧から格納された直後の食材の温度で水が沸騰する圧力まで約1分程度の間に急速で減圧する期間(急速減圧期間)は、真空ポンプ120を起動し、開閉弁140を開け、開放弁131を閉じ状態で、圧力調整弁130を、弁が閉じた状態(弁開度が0である全閉状態)にするか、弁開度が非常に小さい状態(微量な開度の状態)にすることで、真空ポンプ120の吸引引きによる庫内圧力の減圧作用が大きくなることで冷却庫110を急速に減圧する期間である。
目標特性ライン(図3)は、削減された減圧時間を、目標温度まで冷却した後の復圧時間に割り当て、復圧をより緩やかに行うようにした圧力制御条件である。このようにすることにより、従来の急速復圧に比べて食品の形状変化や食品が硬くなるなどのダメージを抑制することが可能となる。
プロセッサ151は、冷却庫110の内部の圧力(庫内圧力)が、目標特性ライン(図3)に従って減圧されるように圧力調整弁130の弁開度を温度センサ111および/または圧力センサ112からの検出信号に基づいて約1秒以下の頻度で自動的にフィードバック制御を行う。一秒以下の細かい頻度でのフィードバックを行うことにより目標特性ラインに忠実に沿った減圧制御が行えることから、食品のダメージを抑制された品質の良い冷却食品を製造することができる。
具体的には、プロセッサ151は、急速減圧期間から加速復圧期間までは、冷却庫110の内部の圧力(庫内圧力)が、目標特性ライン(図3)に従って減圧されるように、開放弁131および開閉弁140を閉じた状態で、圧力調整弁130の弁開度を温度センサ111および/または圧力センサ112からの検出信号に基づいてフィードバック制御し、加速復圧期間後の開放期間には、開放弁130を開放する。
プロセッサ151は、目標特性ラインにより決まる真空冷却に要する時間が経過したか否かを判定し(ステップS5)、真空冷却に要する時間が経過するまで、真空冷却のための庫内圧力の制御を継続する(ステップS6)。
なお、制御部150は、コンピュータ150aにより構成されたものに限定されず、操作スイッチ、リレー回路、およびタイマー回路を含む電気回路により構成されたものでもよい。
本発明の実施形態の真空冷却方法では、冷却庫110に格納された直後の食品の温度が100℃よりも低い場合は、大気圧から実際の食品の温度で水が沸騰する圧力まで、圧力調整弁130の弁開度を0%あるいは微量な開度にして冷却庫110内を真空ポンプ120の能力を実質的に最大限に使って急速に減圧するので、大気圧から格納された直後の実際の食品の温度で水が沸騰する圧力までの減圧制御に費やされる無駄な時間を削減することできる。
また、食品が真空冷却により目標温度に到達したときには、冷却庫110内を復圧する前に、一定時間の間、冷却庫110内の圧力を保持した後、開閉弁140を閉じることで真空ポンプ120の真空引きが冷却庫110内に作用しない状態にした上で、圧力調整弁130の弁開度を僅かの開度(例えば、約10%)に固定して冷却庫110内を復圧するので、食品を格納する冷却庫の減圧直後に圧力調整弁130の弁開度を大きく(例えば、約100%)したり、開放弁131を開放したりすることによる急激な復圧により食品を収縮させてしまうのを回避でき、食品の収縮による食感や風味の劣化に影響する目標冷却温度付近での圧力制御に時間をかけて圧力変動を緩やかにできる。
その結果、真空冷却に要する時間の増大を招くことなく、実際の食品の目標冷却温度付近での圧力制御に時間をかけて圧力変動を緩やかにでき、その結果、真空冷却の作業性を確保しつつ、真空冷却により冷却した食品が硬くなるのを回避して食品の美味しさを維持することができる。
(実施例1:本発明の方法に従う米飯の製造)
本発明の製造方法に従い、炊飯後の米飯を真空冷却した。炊飯後の米飯を、図1に示す真空冷却装置100に投入した。投入時の米飯温度は87.6℃であった。
これに基づき、この米飯の真空冷却の目標特性ラインが以下の表1に示されるように作成された。なお、経過時間0分における目標圧力は大気圧である。
Figure 0007173526000001
表1に示す目標特性ラインでは、冷却庫110に格納された加熱された食材の温度が87.6℃であることから、急速冷却期間(約30kPa/分の減圧期間)が約1分間、減速減圧期間(約3.2kPa/分の減圧期間)が約22分間、圧力ホールド期間が約30秒(約23分~約24分の間の30秒)、リニア復圧期間(約3.5kPa/分の減圧期間)が約240秒間(約24分~約28分)、加速復圧期間と開放期間とが、約35kPa/分の復圧期間(28分~30分の約2分間)である。
表1には、上記目標特性ラインに従って炊飯後の米飯を実際に真空冷却した結果の庫内圧力および品温も示している。リニア復圧期間では約240秒間の間に、約20kPaだけ庫内圧力が増加した。また、加速復圧期間とこれに続く開放期間との約2分間では約25kPaから約100kPaまでの約75kPaの圧力増加があった(図5)。
(比較例1.送風冷却)
比較例1で得られた冷却米飯は、加熱された米飯を約20℃~約25℃の環境において送風しながらほぐし作業を行うことにより冷却されたものである。ただし、送風冷却は、食品が傷むのと時間がかかるのとで実用的ではない点に留意すべきである。
(比較例2.急速減圧と急速復圧との組み合わせ)
比較例2で得られた冷却米飯は、炊飯後の米飯を、目標温度(23℃)まで約5分間で急冷し、品温が目標温度まで低下した直後に約1分間で一気に大気圧まで復圧することによって得られたものである。
(比較例3.急速減圧と復圧の組み合わせ)
比較例3で得られた冷却米飯は、炊飯後の米飯を、目標温度(23℃)まで約5分間で急冷し、品温が目標温度まで低下した直後に約2分間で庫内圧力が加速的に増加するように変化させながら大気圧まで復圧することによって得られたものである。
(実施例2)
実施例1で得られた本発明の真空冷却米飯と、比較例1および2で得られた冷却米飯とについて、米飯の硬さを試験した。米飯の硬さは、荷重-歪率試験(荷重に対する歪率)によって評価した。
ここで、荷重-歪率試験方法は、試料を圧縮変形させたときの破断強度(降伏荷重)を測定するものであり、試料にかかる荷重を徐々に増大させたときに試料にかかる荷重のピークは、試料が荷重に耐えられなくなって破断するときの荷重(降伏荷重)である。荷重-歪率試験は市販の破断試験機によって行うことができる。
荷重-歪率試験の結果から、降伏荷重が小さい試料は、降伏荷重が高い試料に比べて柔らかいと評価することができる。
試験は実施例1、比較例1、比較例2それぞれ10サンプルについて行い、その結果を平均したグラフを図6に示す。
実施例1で得られた米飯は従来法の比較例2と比較して、有意に柔らかいことが明らかになった。図6においては、極大値が米粒の破砕時を示し、このときの荷重(降伏荷重)が大きいほど、米粒が硬いことを意味することに留意されたい。従来法の米飯の降伏荷重が約1.6Nを超えるのに対して、本発明の真空冷却した米飯の降伏荷重は約0.9N~約1.1Nと低く、柔らかい米粒に仕上げることができた。
(実施例3.食味試験)
実施例1、比較例2および比較例3で製造した冷却米飯について、10名のボランティアによって食味試験を行った。冷却後の炊飯米および炒飯(炒飯は調理後に冷却したもの)を試験に使用した。
実施例1の米飯は、解れが非常によく、容器に入れた米飯も軽くほぐれた。10名の試験者によると、
・食感は非常に柔らかでふっくら仕上がり、風味も良い。
・締まった感覚はほとんどない。
などの評価が得られた。
比較例2の米飯については、米が固く締り、もろく感じるとの評価であった。容器に入れた10kg程度の米飯は、解れも悪く、盛り付け等他工程への影響も大きいと考えられた。
比較例3の米飯は、比較例2の米飯よりは評価はよかったが、実施例1の米飯とは明らかに異なり、締まった食感になる、との評価であった。
10名の試験者に、実施例1、比較例2および比較例3で製造した冷却米飯について、最も食味が良いものを1つ選択してもらったところ、10名迷うことなく実施例1の米飯を選択し、評価に大差がついた(表2)。
Figure 0007173526000002
以上の結果から、減圧と復圧を本発明に従って制御することによって、食品の食感を大きく改善できることが明らかになった。また、加熱された食品を冷却庫110に格納した直後の温度を制御開始温度として計測し、大気圧から減速減圧期間の制御開始温度に相当する庫内圧力までを急速に減圧することにより効率良く徐冷することが可能となり、生産性向上につながる。
(実施例4.さつまあげの変形)
本発明の真空冷却方法では、減速減圧期間にて、実際の品温が飽和温度に近い温度となるように、目標特性の庫内圧力を補正しながら真空冷却を行う場合(図7(a))と、単に急速に減圧する通常の真空冷却の場合(図7(b))とで、さつまあげの断面を比較した(図7)。
通常真空冷却の場合、さつま揚げに含まれる水分が沸騰し、内部を膨張させたため、空洞が出来てしまっている。一方、本発明の真空冷却方法では、内部沸騰が最小限に抑えられ、形状が保たれている。このように形状維持は食感が保たれることにつながる。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明は、冷却食品の製造方法および真空冷却装置の分野において、食品を格納する冷却庫の減圧直後の復圧により食品が収縮するのを回避することができ、これにより食品の収縮による食感や風味の劣化を抑制することができる冷却食品の製造方法および真空冷却装置を得ることができるものとして有用である。
100 真空冷却装置
110 冷却庫
111 温度センサ
112 圧力センサ
120 真空ポンプ
130 開放弁
140 圧力調整弁
150 制御部

Claims (4)

  1. 冷却された食品の製造方法であって、
    該食品の加熱された原材料を提供することと、
    該原材料の真空冷却を行って、該冷却された食品を得ることと
    を含み、該真空冷却は、
    冷却庫内に該原材料を格納して、該原材料の温度が目標温度に達するまで前記冷却庫内を減圧する減圧工程と、
    該冷却庫内の圧力を増加させる復圧工程と
    を含み、
    該減圧工程は、
    該提供された原材料の温度を測定する温度測定工程と、
    該冷却庫内を、該温度測定工程において測定された温度で水が沸騰する圧力まで20kPa/min~40kPa/minの速度で減圧する急速減圧工程と、
    該冷却庫内を、該原材料の温度が目標温度に達するまでさらに減圧する減速減圧工程とを含み、
    該復圧工程は、
    該冷却庫内の圧力を210秒~240秒の間、4kPa/min~9kPa/minの割合で増加させる第一復圧工程と、
    該第一復圧工程後、該冷却庫内の圧力を加速的に増加させる第二復圧工程とを含む、食品の製造方法。
  2. 前記減圧工程と前記復圧工程との間に、前記冷却庫内圧力を略一定に保つ保圧工程をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記保圧工程は、0秒~0秒の間行う、請求項に記載の製造方法。
  4. 前記食品は、米飯である、請求項1~のいずれか一項に記載の製造方法。
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