JP7173270B2 - 導光フィルム、偽造防止用構造体及び偽造防止物品 - Google Patents

導光フィルム、偽造防止用構造体及び偽造防止物品 Download PDF

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Description

本発明は、偽造防止、真贋判定を目的とする導光フィルムと、所望の物品に偽造防止機能を付与するための偽造防止用構造体及び偽造防止機能が付与された偽造防止物品とに関する。
近年、紙幣、パスポート、身分証明カード、商品券やクレジットカード等の有価証券類、所謂ブランド品に付されるタグ、梱包シール等の偽造防止機能が必要とされる物品において、偽造防止、真贋判定の手段として、導光フィルムが使用されている。従来の導光フィルムは、例えば、導波路と、導波路に設けられた入射部及び出射部とを備え、入射部に光を入射させると、出射部から所望の絵柄で光が出射されるものである。この出射部から出射される光を目視にて又は検証機器を用いて確認することにより、導光フィルムが設けられた偽造防止物品の真贋判定が可能となる。このような導光フィルムは、例えば、入射部と出射部とを露出させるように偽造防止物品に埋め込まれて使用されたり、入射部と出射部とを露出させるように印刷等の加工が施されて使用されたりしている。
また、偽造防止物品の表面から視認される印刷絵柄の配色や、偽造防止物品にともに設けられるホログラム等の他の偽造防止手段との関係で、導光フィルムの出射部から出射される光の絵柄を所望の色で表示することが要望される場合がある。このような要望に対して、導光フィルムの導波路内や、入射部又は出射部に発光色素を配置し、出射部から出射される光の絵柄が所望の色で表示されたり、多色画像として表示されたりすることにより、偽造防止効果を高めた導光フィルムが開発されている(特許文献1)。
特表2013-514200号公報
しかしながら、発光色素を配置した従来の導光フィルムは、発光色素の経時劣化により、偽造防止機能を付与する対象となる物品に設定される使用期間において偽造防止機能が安定して発現されないという問題がある。また、経時劣化を生じないような発光色素であっても、その発光色素が着色を有するものである場合、入射部に光を入射しなくても、導光フィルムを配設した箇所や、表示される絵柄の把握が容易となり、偽造防止上好ましくない。このため、無色又は無色に近い発光色素の使用が要求され、色素選択の幅が極めて狭いものとなり、材料コストの増大を来すという問題がある。さらに、入射部に入射させる光の光量は、発光色素を発光させる光量以上である必要がある。光源としてレーザを使用する場合には、このような光量を得ることが容易であるが、例えば、比較的光量の低いLED光源からの白色光で発光色素を発光させることは難しい。したがって、従来の導光フィルムによる真贋判定にはレーザ光源のような検証機器を用いる必要があり、偽造防止物品の真贋を簡易に判定する上で支障となっている。また、導光フィルムの製造において、発光色素を配置する工程が加わることになり、製造コストの増大を来すという問題がある。
本発明は、上記のような実状に鑑みてなされたものであり、出射部から出射される光の絵柄を所望の色で表示したり、多色画像として表示したりすることが可能であり、かつ、偽造防止機能を安定して発現できる導光フィルムと、これを用いた偽造防止用構造体及び偽造防止物品とを提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明は、支持フィルムと、該支持フィルムの一方の面の少なくとも一部に位置する被覆層と、外部からの入射光から特定の波長域の光を前記支持フィルム内に入射させる入射部と、前記入射部から入射され、前記支持フィルム内で導光された前記特定の波長域の光を外部に出射させる出射部と、前記被覆層の屈折率よりも大きい屈折率を具備する高屈折率層とを有し、前記入射部及び前記出射部のそれぞれは、前記被覆層の所望部位において前記支持フィルムの厚み方向に凹凸を有する回折構造からなり、前記入射部の数と前記出射部の数とは互いに異なり、前記高屈折率層は、前記被覆層上に設けられていることを特徴とする導光フィルムを提供する。
本発明によれば、出射部から出射される光の絵柄を所望の色で表示したり、多色画像として表示したりすることが可能であり、かつ、偽造防止機能を安定して発現できる導光フィルムと、これを用いた偽造防止用構造体及び偽造防止物品とを提供することができる。
図1は、本発明の導光フィルムの一実施形態を示す平面図である。 図2Aは、図1に示される導光フィルムのI-I線における概略断面図である。 図2Bは、本発明の導光フィルムの他の実施形態を示す図2A相当の概略断面図である。 図3は、図1に示される導光フィルムの部分拡大断面図である。 図4は、本発明の導光フィルムの他の実施形態を示す図2A相当の概略断面図である。 図5Aは、本発明の導光フィルムの他の実施形態を示す平面図である。 図5Bは、本発明の導光フィルムの他の実施形態を示す平面図である。 図6は、本発明の導光フィルムの他の実施形態を示す平面図である。 図7は、本発明の導光フィルムの他の実施形態を示す平面図である。 図8は、図7に示される導光フィルムのII-II線における概略断面図である。 図9は、本発明の導光フィルムの他の実施形態を示す平面図である。 図10は、図9に示される導光フィルムのIII-III線における概略断面図である。 図11は、本発明の導光フィルムの他の実施形態を示す平面図である。 図12は、図11に示される導光フィルムのIV-IV線における概略断面図である。 図13は、本発明の導光フィルムの他の実施形態を示す平面図である。 図14は、本発明の偽造防止用構造体の一実施形態を示す概略断面図である。 図15は、本発明の偽造防止用構造体の他の実施形態を示す概略断面図である。 図16は、本発明の偽造防止用構造体の他の実施形態を示す概略断面図である。 図17は、本発明の偽造防止物品の一実施形態を示す平面図である。 図18は図17に示される偽造防止物品のV-V線における概略断面図であって、構成層の一部を離間させたものである。 図19は図17に示される偽造防止物品のVI-VI線における部分拡大断面図である。 図20は、本発明の偽造防止物品の他の実施形態を示す平面図である。 図21は、図20に示される偽造防止物品のVII-VII線における部分拡大断面図である。 図22は、本発明の偽造防止物品の他の実施形態の一具体例である紙幣を示す平面図である。 図23は、図22に示される偽造防止物品のVIII-VIII線における部分拡大断面図である。 図24は、本発明の偽造防止物品の他の実施形態の一具体例であるIDカードを示す平面図である。 図25は、図24に示される偽造防止物品のIX-IX線における断面図である。 図26は、図24に示される偽造防止物品の他の態様を示す、図24におけるIX-IX線に相当する線における断面図である。 図27は、図24に示される偽造防止物品の他の態様を示す、図24におけるIX-IX線に相当する線における断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部材の寸法、部材間の大きさの比等は、必ずしも現実のものと同一とは限らず、また、同じ部材等を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比が異なって表される場合もある。
[導光フィルム]
図1は、本発明の導光フィルムの一実施形態を示す平面図であり、図2Aは図1に示される導光フィルムのI-I線における概略断面図であり、図3は、導光フィルムの入射部の部分拡大断面図である。
図1~図3において、導光フィルム11は、支持フィルム12、この支持フィルム12の一方の面12aに位置する被覆層14、及びこの被覆層14上に位置する高屈折率層18を備えている。なお、図2Aでは、図面が煩雑となることを避けるために、断面を示す斜線が省略され、また、高屈折率層18は太線で示されている。
支持フィルム12は、外部よりも屈折率の高い材料であり、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、アクリル、シクロオレフィン、ポリエステル、ポリスチレン、アクリルスチレン等の樹脂製フィルムを挙げることができる。ここで、外部とは、導光フィルム11が使用される状態で支持フィルム12の他方の面12bが接する雰囲気、材質を意味する。以下においても同様である。
このような支持フィルム12は、支持フィルム12を残存させた状態で導光フィルム11が使用される場合、後述する入射部15から入射される光を導光する機能を発現する必要がある。この場合、支持フィルム12の厚みは、支持フィルム12の屈折率、入射部15から入射される光の波長等を考慮して設定されることができ、例えば、5~400μmの範囲で適宜設定されることができる。
導光フィルム11を構成する被覆層14は、入射部15と出射部16とを有している。入射部15は、支持フィルム12の厚み方向に凹凸を有する回折構造17aを有しており、また、出射部16は、支持フィルム12の厚み方向に凹凸を有する回折構造17bを有している。入射部15は、外部からの入射光Lから特定の波長域の光Lλを支持フィルム12内に入射させる機能を発現する。例えば、白色光を入射部15に入射させた場合、入射部15は、特定の波長域の光Lλを支持フィルム12内に入射させる機能を発現する。勿論、この入射部15が支持フィルム12内に入射させ得る特定の波長域の入射光Lλを、外部から入射部15に入射させた場合、この特定の波長域の光Lλは支持フィルム12内に入射される。さらに、入射部15となる1箇所の回折構造17aに、凹凸の周期が異なる複数種の周期構造が存在し、入射部15に入射した白色光をそのまま支持フィルム12内に入射させるものであってもよい。
また、出射部16は、支持フィルム12内を導光された光Lλを外部に出射する機能を発現する。さらに、出射部16となる1箇所の回折構造17bに、凹凸の周期が異なる複数種の周期構造が存在し、出射部16から出射される光が、異なる波長域の光の混色であってもよい。
このような被覆層14上には、図3に示されるように、この被覆層14よりも屈折率の大きい高屈折率層18を備えている。
被覆層14は、例えば、フォトリソグラフィ法、電子線リソグラフィ法、インプリントリソグラフィ法等により、ライン状パターンの周期構造である回折格子(回折構造)の原版を作製し、この原版を使用して樹脂状の版を作製し、支持フィルム12上に形成した透明材料に回折構造を賦形することにより形成することができる。被覆層14を形成するための透明材料としては、従来からレリーフ型ホログラム等の形成に使用されている樹脂材料、例えば、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂の硬化物、熱可塑性樹脂等を用いることができる。
上記の熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル変性ウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。また、上記の熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独重合体であっても、2種以上の構成成分からなる共重合体であってもよい。また、これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂は、各種イソシアネート化合物、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛等の金属石鹸、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の有機過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルスルフィド等の熱あるいは紫外線硬化剤を含んでいてもよい。
また、上記の電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂等が挙げられ、中でもウレタン変性アクリレート樹脂が好ましく、特に特開2007-017643号公報で示される化学式で表されるウレタン変性アクリル系樹脂が好ましい。
このような電離放射線硬化性樹脂を硬化させる際には、架橋構造、粘度の調整等を目的として、単官能または多官能のモノマー、オリゴマー等を併用することができる。単官能モノマーとしては、例えば、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート等のモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、2官能以上のモノマーとしては、骨格構造で分類すると、ポリオール(メタ)アクリレート(例えば、エポキシ変性ポリオール(メタ)アクリレート、ラクトン変性ポリオール(メタ)アクリレート等)、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、その他ポリブタジエン系、イソシアヌール酸系、ヒダントイン系、メラミン系、リン酸系、イミド系、ホスファゼン系等の骨格を有するポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。さらに、紫外線、電子線硬化性である種々のモノマー、オリゴマー、ポリマーが利用できる。
さらに詳しくは、2官能のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。3官能のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、脂肪族トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。4官能のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、脂肪族テトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、5官能以上のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、ポリエステル骨格、ウレタン骨格、ホスファゼン骨格を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。官能基数は特に限定されるものはないが、官能基数が3より小さいと耐熱性が低下する傾向があり、また、20を超える場合には柔軟性が低下する傾向にあるため、特に官能基数が3~20の範囲内のものが好ましい。
上記のような単官能または多官能のモノマー、オリゴマーの含有量としては適宜調整することができるが、通常、電離放射線硬化性樹脂100重量部に対して50重量部以下とすることが好ましく、中でも0.5~20重量部の範囲内が好ましい。
また、被覆層14を形成するための透明材料には、必要に応じて、光重合開始剤、重合禁止剤、劣化防止剤、可塑剤、滑剤、染料や顔料などの着色剤、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤等の添加剤が適宜加えられていてもよい。
被覆層14の入射部15における回折構造17aは、外部からの入射光L(例えば、白色光)から特定の波長域の光Lλを支持フィルム12内に入射させる機能、あるいは、外部から入射した特定の波長域の入射光Lλを支持フィルム12内に入射させる機能を発現するものである。被覆層14の屈折率をn、支持フィルム12内に入射させる光Lλの波長をλとした場合、入射部15における回折構造17aの周期Pは、λ/nとすることができる。この周期Pの回折構造17aと、外部からの入射光L中の波長λの光との相互作用により、ほぼ回折格子ベクトルの方向に進行する光Lλが発生する。例えば、回折構造17aが、同心円形状に周期的に凹凸が形成された回折格子である場合、回折格子ベクトルは同心円の中心から外側に向かう方向となり、回折構造17aが、平行線形状に周期的に凹凸が形成された回折格子である場合、回折格子ベクトルは平行線に直交する方向となる。したがって、回折構造17bは、入射部15における回折構造17aの回折格子ベクトルの方向に位置するように配置される。一方、出射部16における回折構造17bは、支持フィルム12内を導光される光Lλを外部に出射させるものであり、その周期Pは、λ/nとすることができる。また、被覆層14の回折構造17a,17bの凸部の高さHは、例えば、1~1000nmの範囲、回折構造17a,17bが位置しない領域の被覆層14の厚さTは、例えば、500~10000nmの範囲とすることができる。
なお、図示例では、入射部15の平面視形状が矩形であり、この入射部15における回折構造17aは、所定の周期Pで同心円形状に凹凸が形成された回折格子となっている。したがって、回折格子ベクトルは所定角度内で放射状に広がるものとなっている。また、出射部16は、入射部15における回折格子ベクトルの放射状の広がりの範囲内に位置する。この出射部16の平面視形状は正六角形状であり、出射部16における回折構造17bは、所定の周期Pで平行線形状凹凸が形成された回折格子となっており、回折格子ベクトルの方向は、入射部15が位置する部位を向いている。なお、入射部15、出射部16の平面視形状、回折構造17a,17bの形状は、図示例に限定されるものではない。
ここで、上記導光フィルム11において、出射部16は回折構造17bを有しておらず、波長選択性を具備しないものであってもよい。この場合、出射部16は、被覆層14の所望部位に位置する凹凸構造からなるものであってもよく、また、被覆層14の所望部位(平面形状)をそのまま出射部16としてもよく、いずれの場合も、入射部15から入射され、支持フィルム12内を導光した光を当該出射部16から出射することができる。
また、出射部16が波長選択性を具備していれば、入射部15は回折構造17aを有しておらず、波長選択性を具備しないものであってもよい。この場合、入射部15を、被覆層14の所望部位、被覆層14と支持フィルム12との層間の所望部位、及び支持フィルム12の他方の面12bの所望部位のうちの何れかに位置する反射層からなるものとしてもよい。図4は、このような反射層を備える導光フィルム11の例を示す図2A相当の概略断面図である。図4に示す例では、被覆層14上に位置する反射層20が入射部15であり、支持フィルム12側から導光フィルム11に入射した入射光L(例えば、白色光)は、反射層20で反射されて支持フィルム12内に入射される。そして、支持フィルム12内を導光した光から、出射部16で波長選択された光Lλが出射される。また、反射層20が、上記のように、被覆層14と支持フィルム12との層間の所望部位に位置する場合も、支持フィルム12側から導光フィルム11に入射した入射光Lは、反射層20で反射されて支持フィルム12内に入射される。一方、反射層20が、上記のように、支持フィルム12の他方の面12bの所望部位に位置する場合は、被覆層14側から導光フィルム11に入射した入射光Lが、反射層20で反射されて支持フィルム12内に入射される。このような反射層20は、例えば、Al等の薄膜とすることができる。なお、反射層20は、入射部15以外にも設けてよい。例えば、他の偽造防止手段であるホログラムを導光フィルム11の一部に形成し、平面視において、ホログラムが形成された箇所と重複する箇所に反射層20を設けることができ、この場合、入射光をホログラムに適切に導光することができる。
また、出射部16が波長選択性を具備しており、入射部15は回折構造17aを有しておらず、波長選択性を具備しない場合の入射部15の他の例として、被覆層14の所望部位に位置する凹凸構造からなるものであってもよく、また、被覆層14の所望部位(平面形状)をそのまま入射部15としてもよい。被覆層14に、凹部、凸部等により厚みが変化している凹凸構造が存在すれば、この部分が入射部15となり、外部からの入射光L(例えば、白色光)を支持フィルム12内に入射させる機能を発現することができる。また、被覆層14に設定した入射部15(平面形状)に高光量で入射光L(例えば、白色光)を入射させることにより、支持フィルム12内に入射させることができる。
さらに、出射部16が波長選択性を具備しており、入射部15は回折構造17aを有しておらず、波長選択性を具備しない場合、入射部15には被覆層14が存在しなくてもよい。このため、支持フィルム12の所望部位を入射部15としてもよい。
被覆層14上に位置する高屈折率層18は、被覆層14の屈折率よりも大きい屈折率を有する薄膜であり、支持フィルム12内における導光をより容易なものとすることを目的として設けられている。このような高屈折率層18は、被覆層14よりも大きい屈折率を具備する透明材料からなるものであってよく、例えば、Mg、Ti、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Se、Rb、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Au、Pb、Bi等の金属、上記金属の酸化物、ZnS等の上記金属の硫化物等の材料を用いて、真空成膜法で形成することができる。また、高屈折率層18は、上記材料から2以上の材料を用いて形成した複数層からなる積層構造であってもよい。さらに、入射部15に位置する高屈折率層18と、出射部16に位置する高屈折率層18とが、互いに異なる材料からなるものであってもよい。
このような高屈折率層18の厚みは、例えば、1~300nmの範囲で設定することができる。図示例では、被覆層14の全域を被覆するように高屈折率層18が位置しているが、被覆層14の一部を被覆するように高屈折率層18が位置していてもよい。例えば、入射部15及び出射部16を被覆するとともに、入射部15から出射部16へ支持フィルム12内を光が導光される導光路に相当する部位を被覆するように高屈折率層18が位置していてもよい。また、高屈折率層18は、回折構造17a,17bの凹凸の凸部の表面、凸部間に位置する凹部面に位置し、凸部の側壁面には位置しないものでもよい。さらに、本発明の導光フィルム11は、高屈折率層18を備えていないものであってもよい。
なお、高屈折率層18は、被覆層14上に位置していなくてもよい。高屈折率層18は、例えば、被覆層14上、被覆層14と支持フィルム12の一方の面12aとの間、及び支持フィルム12の他方の面12b上の少なくともいずれかに位置していればよい。
このような導光フィルム11は、出射部16から出射される光の絵柄を所望の色で表示することが可能である。例えば、被覆層14の入射部15における回折構造17aを、緑色の波長域の光を支持フィルム12内に入射可能なものとし、また、出射部16における回折構造17bを、支持フィルム12内を導光される緑色の波長域の光を外部に出射可能なものとした場合、導光フィルム11の入射部15に白色光あるいは緑色の波長域の光を入射させることにより、出射部16において、緑色の波長域の光の絵柄を表示することができる。そして、導光フィルム11は発光色素を使用していないので、経時劣化による表示性能の低下を生じることがなく、偽造防止機能を安定して発現することができる。なお、絵柄とは、文字、記号、模様、画像を包含する概念である。
上記導光フィルム11は、被覆層14を備えるものであるが、この実施形態に限定されるものではなく、例えば、図2Bに示すように、被覆層14を備えず、支持フィルム12の一方の面12aに入射部15及び出射部16が設けられていてもよい。図2Bに示す導光フィルム11は、支持フィルム12の一方の面12aに入射部15及び出射部16が設けられ、被覆層14を備えない以外は、図2Aに示す導光フィルム11と同様の構成を有するものである。したがって、図2Bに示す導光フィルム11の各構成要素(支持フィルム12、入射部15、出射部16及び高屈折率層18)についての詳細な説明は、省略される。なお、図2Bに示す導光フィルム11において、高屈折率層18が設けられていなくてもよく、支持フィルム12の一方の面12a上に、金属酸化物のナノ粒子を含有する樹脂、ジルコニウムアクリレートモノマーを重合させてなる重合体、ハフニウムアクリレートモノマーを重合させてなる重合体、ジルコニウムアクリレートモノマーとハフニウムアクリレートモノマーとを共重合させてなる共重合体等の透明材料により構成されるオーバーコート層(保護層,図示を省略)が設けられていてもよい。オーバーコート層(保護層)を構成する透明材料は、支持フィルム12との間で所望の屈折率差を有する材料であるのが好ましい。
図2Bに示す導光フィルム11において、支持フィルム12の一方の面12aに入射部15及び出射部16としての回折構造17a,17bを形成する方法は、特に限定されるものではない。例えば、ダイから押し出された溶融状態の樹脂材料(支持フィルム12を構成する樹脂材料)を、上記回折構造17a,17bに対応する凹凸構造を有するロールに接触させることで、入射部15及び出射部16としての回折構造17a,17bが形成されてなる支持フィルム12(支持フィルム12の原反)を製造してもよい。また、支持フィルム12の一方の面12aに対し、上記回折構造17a,17bに対応する凹凸構造を有する版を用いて賦形することで、入射部15及び出射部16としての回折構造17a,17bが形成されてなる支持フィルム12を製造してもよい。
図5Aは、本発明の導光フィルムの他の実施形態を示す平面図である。図5Aに示される導光フィルム11′は、入射部15を3箇所に有し、各入射部15に対応した出射部16を3箇所に有する他は、上述の導光フィルム11(図1、図2A、図2B参照)と同様である。このような導光フィルム11′では、3箇所に位置する入射部15の中の所望の入射部15に白色光あるいは所定の波長域の光を入射させることにより、光を入射させた入射部15に対応する出射部16において、所定の波長域の光の絵柄を表示することができる。
なお、図5Aでは、入射部15と出射部16の組み合わせが3対、並列に設けられているが、入射部15と出射部16の組み合わせの数、配置は、図示例に限定されるものではない。また、図5Aでは、出射部16は同一形状(正六角形)の絵柄となるように設定されているが、これに限定されず、例えば、各出射部16が異なる絵柄であってもよい。
さらに、図5Bに示されるように、導光フィルム11′は、入射部15と出射部16との数を互いに一致させなくてもよく、例えば、入射部15を3箇所に有し、出射部16を1箇所に有するものであってもよい。図5Bに示す導光フィルム11′は、入射部15を3箇所に有する以外、上述の導光フィルム11と同様の構成を有する。このような導光フィルム11′においては、3箇所に位置する入射部15のうちのいずれかの入射部15に白色光あるいは所定の波長域の光を入射させることで、光を入射させた入射部15に対応するように、出射部16において所定の波長域の光の絵柄を表示することができる。例えば、3箇所の入射部15のそれぞれが、互いに異なる波長域の光を入射させ得る回折構造17aを有する場合、各入射部15に白色光あるいは所定の波長域の光を入射させたときに、出射部16においてそれぞれ異なる波長域の光の絵柄を表示することができ、3箇所に位置する入射部15のすべてに白色光あるいは所定の波長域の光を同時に入射させたときには、異なる波長域の混色の絵柄を表示することもできる。また、出射部16を、異なる波長域の光を出射させ得るもの、例えば、互いに周期の異なる複数の回折構造17bを含むものとすることで、各入射部15に白色光あるいは所定の波長域の光を入射させたときに、出射部16においてそれぞれ異なる形状の絵柄を表示することもできる。
なお、図5Bに示す導光フィルム11は、3箇所の入射部15と1箇所の出射部16とを有するが、入射部15及び出射部16の数は、上記の数に限定されるものではない。
図6は、本発明の導光フィルムの他の実施形態を示す平面図である。図6に示される導光フィルム11″は、1箇所に入射部15を有し、この入射部15における回折構造17aの回折格子ベクトルの広がりの範囲内の3箇所に、出射部16を有する他は、上述の導光フィルム11(図1、図2A、図2B参照)と同様である。このような導光フィルム11″では、入射部15に白色光あるいは所定の波長域の光を入射させることにより、3箇所の出射部16において、所定の波長域の光の絵柄を同時に表示することができる。
なお、図6では、出射部16が3箇所に設けられているが、出射部16の数、配置は、図示例に限定されるものではない。また、図6では、出射部16は同一形状(正六角形)の絵柄となるように設定されているが、これに限定されず、例えば、各出射部16が異なる絵柄であってもよい。
上述した導光フィルムの実施形態では、出射部での表示は、所定の波長域の光によるもの、すなわち、単色の表示が可能である。次に、多色の表示が可能な実施形態について説明する。
図7は、本発明の導光フィルムの他の実施形態を示す平面図であり、図8は図7に示される導光フィルムのII-II線における概略断面図である。
図7及び図8において、導光フィルム21は、支持フィルム22、この支持フィルム22の一方の面22aに位置する被覆層24、この被覆層24上に位置する高屈折率層28を備えている。なお、図7では、被覆層24の全域を被覆するように高屈折率層28が位置しているが、これに限定されるものではない。また、図8では、図面が煩雑となることを避けるために、断面を示す斜線を省略し、また、高屈折率層28を太線で示している。
導光フィルム21を構成する支持フィルム22は、上述の導光フィルム11(図1、図2A参照)を構成する支持フィルム12と同様とすることができ、ここでの説明は省略する。また、被覆層24上に位置する高屈折率層28も、上述の導光フィルム11(図1、図2A参照)を構成する高屈折率層18と同様とすることができる。
導光フィルム21を構成する被覆層24は、3箇所に入射部25となる回折構造27aを有し、3箇所に出射部26となる回折構造27bを有しており、これらの回折構造27a,27bは支持フィルム22の厚み方向に凹凸を有している。
3箇所に位置している入射部25は、外部からの入射光Lから赤色域の波長λRの光LλRを支持フィルム22内に入射させるための入射部25R、緑色域の波長λGの光LλGを支持フィルム22内に入射させるための入射部25G、青色域の波長λBの光LλBを支持フィルム22内に入射させるための入射部25Bからなっている。各入射部25R,25G,25Bに位置する回折構造27aの周期Pは、それぞれλR/n、λG/n、λB/nとされている。ここで、nは被覆層24の屈折率である。なお、図7では、便宜的に、入射部25R,25G,25Bに位置する回折構造27aの凸部を、それぞれ鎖線、一点鎖線、二点鎖線で示している。
また、3箇所に位置している出射部26は、支持フィルム22内を導光された赤色域の波長λRの光LλRを外部に出射させるための出射部26R、緑色域の波長λGの光LλGを外部に出射させるための出射部26G、青色域の波長λBの光LλBを外部に出射させるための出射部26Bからなっている。各出射部26R,26G,26Bに位置する回折構造27bの周期Pは、それぞれλR/n、λG/n、λB/nとされている。そして、出射部26R,26G,26Bは、それぞれ入射部25R,25G,25Bにおける回折構造27aの回折格子ベクトルの方向(図7に矢印aで示す方向が回折格子ベクトルの中心方向)に位置するように配置されている。したがって、入射部25Rと出射部26Rが一対となり、また、入射部25Gと出射部26G、入射部25Bと出射部26Bが一対となるように構成され、これらの各対は並列に配設されている。図7では、便宜的に、出射部26R,26G,26Bに位置する回折構造27bの凸部を、それぞれ鎖線、一点鎖線、二点鎖線で示している。
なお、被覆層24の回折構造27a,27bの凸部の高さ(凹部の深さ)、回折構造27a,27bが位置しない領域の被覆層24の厚さは、上述の導光フィルム11を構成する被覆層14と同様とすることができる。
このような導光フィルム21は、出射部26から出射される光の絵柄を多色で表示することが可能である。例えば、被覆層24の入射部25Rに白色光を入射させることにより、出射部26Rにおいて、赤色の波長域の光の絵柄を表示することができる。同様に、入射部25Gに白色光を入射させることにより、出射部26Gにおいて、緑色の波長域の光の絵柄を表示することができ、入射部25Bに白色光を入射させることにより、出射部26Bにおいて、青色の波長域の光の絵柄を表示することができる。そして、導光フィルム21は発光色素を使用していないので、経時劣化による表示性能の低下を生じることがなく、偽造防止機能を安定して発現することができる。図7、図8では、便宜的に、赤色域の波長λRの光LλRを鎖線、緑色域の波長λGの光LλGを一点鎖線、青色域の波長λBの光LλBを二点鎖線で示している。
なお、図7では、入射部25と出射部26との3対の組み合わせが並列に設けられているが、入射部25と出射部26との組み合わせの数、配置は、図示例に限定されるものではない。また、図7では、出射部26は同一形状(正六角形)の絵柄となるように設定されているが、これに限定されず、例えば、表示色に応じて異なる絵柄であってもよい。
また、上記の出射部26R,26G,26Bは、それぞれ特定の波長域の光に対する波長選択性を具備しているので、入射部25は、波長選択性を具備しないものであってもよい。この場合、入射部25を、被覆層24の所望部位、被覆層24と支持フィルム22との層間の所望部位、あるいは、支持フィルム22の他方の面22bの所望部位に位置する反射層からなるものとしてもよい。また、入射部25は、被覆層24の所望部位に位置する凹凸構造からなるものであってもよく、さらに、被覆層24の所望部位(平面形状)をそのまま入射部25としてもよい。このような入射部25は、いずれも、外部からの入射光L(例えば、白色光)を支持フィルム22内に入射させる機能を発現する。
また、逆に、上記の入射部25R,25G,25Bが、それぞれ特定の波長域の光に対する波長選択性を具備しているので、出射部26は、波長選択性を具備しないものであってもよい。例えば、出射部26を、被覆層14に、凹部、凸部等により厚みが変化している部分とし、入射部25R,25G,25Bから入射され、支持フィルム22内を導光された光を当該出射部26から出射するようにしてもよい。
なお、図7及び図8に示す導光フィルム21において、被覆層24を備えず、支持フィルム22の一方の面22aの所望の部位に入射部25及び出射部26が設けられていてもよい。この場合において、当該支持フィルム22の一方の面22a上に高屈折率層28が設けられていてもよいし、金属酸化物のナノ粒子を含有する樹脂、ジルコニウムアクリレートモノマーを重合させてなる重合体、ハフニウムアクリレートモノマーを重合させてなる重合体、ジルコニウムアクリレートモノマーとハフニウムアクリレートモノマーとを共重合させてなる共重合体等の透明材料により構成されるオーバーコート層(保護層)が設けられていてもよい。
図9は、本発明の導光フィルムの他の実施形態を示す平面図であり、図10は図9に示される導光フィルムのIII-III線における概略断面図である。
図9及び図10において、導光フィルム31は、支持フィルム32、この支持フィルム32の一方の面32aに位置する被覆層34、この被覆層34上に位置する高屈折率層38を備えている。なお、図9では、被覆層34の全域を被覆するように高屈折率層38が位置しているが、これに限定されるものではない。また、図10では、図面が煩雑となることを避けるために、断面を示す斜線を省略し、また、高屈折率層38を太線で示している。
導光フィルム31を構成する支持フィルム32は、上述の導光フィルム11(図1、図2A参照)を構成する支持フィルム12と同様とすることができ、ここでの説明は省略する。また、被覆層34上に位置する高屈折率層38も、上述の導光フィルム11(図1、図2A参照)を構成する高屈折率層18と同様とすることができる。
導光フィルム31を構成する被覆層34は、3箇所に入射部35となる回折構造37aを有し、3箇所に出射部36となる回折構造37bを有しており、これらの回折構造37a,37bは支持フィルム32の厚み方向に凹凸を有している。
3箇所に位置している入射部35は、入射部35R,35G,35Bからなっており、各入射部35R,35G,35Bは、上述の導光フィルム21を構成する入射部25R,25G,25Bに対応するものである。また、3箇所に位置している出射部36は、出射部36R,36G,36Bからなっており、各出射部36R,36G,36Bは、上述の導光フィルム21を構成する出射部26R,26G,26Bに対応するものである。なお、図9では、便宜的に、入射部35R,35G,35Bに位置する回折構造37aの凸部、出射部36R,36G,36Bに位置する回折構造37bの凸部を、それぞれ鎖線、一点鎖線、二点鎖線で示している。
このような入射部35R,35G,35Bは、回折構造37aの回折格子ベクトルの方向(図9に矢印aで示す方向が回折格子ベクトルの中心方向)が一致するように直列に配置されている。また、出射部36R,36G,36Bは、入射部35R,35G,35Bにおける回折構造37aの回折格子ベクトルの方向に位置するように直列に配置されている。そして、入射部35Rと出射部36Rが一対となり、また、入射部35Gと出射部36G、入射部35Bと出射部36Bが一対となるように構成されている。したがって、これらの各対は導光路が一部重複するように直列に配設されている。
このような導光フィルム31は、出射部36から出射される光の絵柄を多色で表示することが可能である。例えば、被覆層34の入射部35Rに白色光を入射させることにより、出射部36Rにおいて、赤色の波長域の光の絵柄を表示することができる。同様に、入射部35Gに白色光を入射させることにより、出射部36Gにおいて、緑色の波長域の光の絵柄を表示することができ、入射部35Bに白色光を入射させることにより、出射部36Bにおいて、青色の波長域の光の絵柄を表示することができる。そして、導光フィルム31は発光色素を使用していないので、経時劣化による表示性能の低下を生じることがなく、偽造防止機能を安定して発現することができる。図9、図10では、便宜的に、赤色域の波長λRの光LλRを鎖線、緑色域の波長λGの光LλGを一点鎖線、青色域の波長λBの光LλBを二点鎖線で示している。
なお、図9では、入射部35と出射部36の3対の組み合わせが直列に設けられているが、入射部35と出射部36の組み合わせの数、配置は、図示例に限定されるものではない。また、図9では、出射部36は同一形状(正六角形)の絵柄となるように設定されているが、これに限定されず、例えば、表示色に応じて異なる絵柄であってもよい。
また、上記の出射部36R,36G,36Bは、それぞれ特定の波長域の光に対する波長選択性を具備しているので、入射部35は、波長選択性を具備しないものであってもよい。この場合、入射部35を、被覆層34の所望部位、あるいは、被覆層34と支持フィルム32との層間の所望部位、あるいは、支持フィルム32の他方の面32bの所望部位の何れかに位置する反射層からなるものとしてもよい。また、入射部35は、被覆層34の所望部位に位置する凹凸構造からなるものであってもよく、さらに、被覆層34の所望部位(平面形状)をそのまま入射部35としてもよい。このような入射部35は、いずれも、外部からの入射光L(例えば、白色光)を支持フィルム32内に入射させる機能を発現する。
なお、図9及び図10に示す導光フィルム31において、被覆層34を備えず、支持フィルム32の一方の面32aの所望の部位に入射部35及び出射部36が設けられていてもよい。この場合において、当該支持フィルム32の一方の面32a上に高屈折率層38が設けられていてもよいし、金属酸化物のナノ粒子を含有する樹脂、ジルコニウムアクリレートモノマーを重合させてなる重合体、ハフニウムアクリレートモノマーを重合させてなる重合体、ジルコニウムアクリレートモノマーとハフニウムアクリレートモノマーとを共重合させてなる共重合体等の透明材料により構成されるオーバーコート層(保護層)が設けられていてもよい。
図11は、本発明の導光フィルムの他の実施形態を示す平面図であり、図12は図11に示される導光フィルムのIV-IV線における概略断面図である。
図11及び図12において、導光フィルム41は、支持フィルム42、この支持フィルム42の一方の面42aに位置する被覆層44、この被覆層44上に位置する高屈折率層48を備えている。なお、図11では、被覆層44の全域を被覆するように高屈折率層48が位置しているが、これに限定されるものではない。また、図12では、図面が煩雑となることを避けるために、断面を示す斜線を省略し、また、高屈折率層48を太線で示している。
導光フィルム41を構成する支持フィルム42は、上述の導光フィルム11(図1、図2A参照)を構成する支持フィルム12と同様とすることができ、ここでの説明は省略する。また、被覆層44上に位置する高屈折率層48も、上述の導光フィルム11(図1、図2A参照)を構成する高屈折率層18と同様とすることができる。
導光フィルム41を構成する被覆層44は、3箇所に入射部45となる回折構造47aを有し、3箇所に出射部46となる回折構造47bを有しており、これらの回折構造47a,47bは支持フィルム42の厚み方向に凹凸を有している。
3箇所に位置している入射部45は、相互に隣接している入射部45R,45G,45Bからなっている。このような入射部45R,45G,45Bは、それぞれ上述の導光フィルム21を構成する入射部25R,25G,25Bに対応するものである。そして、入射部45Rは、回折構造47aの回折格子ベクトルの方向が後述する出射部46Rの配設位置を向くように配設されている。同様に、入射部45Gは、回折
構造47aの回折格子ベクトルの方向が後述する出射部46Gの配設位置を向くように配設され、入射部45Bは、回折構造47aの回折格子ベクトルの方向が後述する出射部46Bの配設位置を向くように配設されている。なお、図11では、便宜的に、入射部45R,45G,45Bに位置する回折構造47aの凸部を、それぞれ鎖線、一点鎖線、二点鎖線で示している。
ここで、上記の入射部45R,45G,45Bが相互に隣接するとは、入射部が互いに接している状態、入射部が互いに離間している状態の両方を包含している。入射部が互いに離間している場合、隣り合う入射部同士の間隔は、例えば、1~1000μmの範囲内であることが好ましい。以下の実施形態においても同様であり、出射部が隣接する場合においても同様である。
また、3箇所に位置している出射部46は、出射部46R,46G,46Bからなっており、各出射部46R,46G,46Bは、上述の導光フィルム21を構成する出射部26R,26G,26Bに対応するものである。このような出射部46R,46G,46Bは、入射部45R,45G,45Bが相互に隣接して配設されている入射部45に対して並列に配置されている。なお、図11では、便宜的に、出射部46R,46G,46Bに位置する回折構造47bの凸部を、それぞれ鎖線、一点鎖線、二点鎖線で示している。
このような導光フィルム41は、各入射部45R,45G,45Bが相互に隣接して配設されている入射部45に白色光を入射させることにより、出射部46R,46G,46Bにおいて、同時に、赤色の波長域の光の絵柄、緑色の波長域の光の絵柄、青色の波長域の光の絵柄を表示することができる。すなわち、入射部45Rから支持フィルム42内に入射された赤色域の波長λRの光LλRは、出射部46Rから出射され、赤色の波長域の光の絵柄が表示される。同様に、入射部45Gから支持フィルム42内に入射された緑色域の波長λGの光LλGは、出射部46Gから出射され、緑色の波長域の光の絵柄が表示され、入射部45Bから支持フィルム42内に入射された青色域の波長λBの光LλBは、出射部46Bから出射され、青色の波長域の光の絵柄が表示される。なお、相互に隣接している入射部45R,45G,45Bからそれぞれ支持フィルム42内に入射された赤色域の波長λRの光LλR、緑色域の波長λGの光LλG、青色域の波長λBの光LλBは、支持フィルム42内を導光される過程で混ざり合い、その後、出射部46R,46G,46Bにおいて再度特定の波長が選択され、それぞれ赤色域の波長λRの光LλR、緑色域の波長λGの光LλG、青色域の波長λBの光LλBが出射されるものであってもよい。
このような導光フィルム41は発光色素を使用していないので、経時劣化による表示性能の低下を生じることがなく、偽造防止機能を安定して発現することができる。図11、図12では、便宜的に、赤色域の波長λRの光LλRを鎖線、緑色域の波長λGの光LλGを一点鎖線、青色域の波長λBの光LλBを二点鎖線で示している。
なお、相互に隣接して入射部45を構成する入射部45R,45G,45Bの数、配置は、図示例に限定されるものではない。また、図11では、出射部46は同一形状(正六角形)の絵柄となるように設定されているが、これに限定されず、例えば、表示色に応じて異なる絵柄であってもよい。
また、上記の出射部46R,46G,46Bは、それぞれ特定の波長域の光に対する波長選択性を具備しているので、入射部45は、波長選択性を具備しないものであってもよい。この場合、入射部45を、被覆層44の所望部位、あるいは、被覆層44と支持フィルム42との層間の所望部位、あるいは、支持フィルム42の他方の面42bの所望部位の何れかに位置する反射層からなるものとしてもよい。また、入射部45は、被覆層44の所望部位に位置する凹凸構造からなるものであってもよく、さらに、被覆層44の所望部位(平面形状)をそのまま入射部45としてもよい。このような入射部45は、いずれも、外部からの入射光L(例えば、白色光)を支持フィルム42内に入射させる機能を発現する。
また、逆に、上記の入射部45R,45G,45Bは、それぞれ特定の波長域の光に対する波長選択性を具備しているので、出射部46は、波長選択性を具備しないものであってもよい。例えば、出射部46を、被覆層14に、凹部、凸部等により厚みが変化している部分とし、入射部45R,45G,45Bから入射され、支持フィルム22内を導光された光を当該出射部46から出射するようにしてもよい。
なお、図11及び図12に示す導光フィルム41において、被覆層44を備えず、支持フィルム42の一方の面42aの所望の部位に入射部45及び出射部46が設けられていてもよい。この場合において、当該支持フィルム42の一方の面42a上に高屈折率層48が設けられていてもよいし、金属酸化物のナノ粒子を含有する樹脂、ジルコニウムアクリレートモノマーを重合させてなる重合体、ハフニウムアクリレートモノマーを重合させてなる重合体、ジルコニウムアクリレートモノマーとハフニウムアクリレートモノマーとを共重合させてなる共重合体等の透明材料により構成されるオーバーコート層(保護層)が設けられていてもよい。
図13は、本発明の導光フィルムの他の実施形態を示す平面図である。
図13において、導光フィルム51は、支持フィルム52、この支持フィルム52の一方の面に位置する被覆層54、この被覆層54上に位置する高屈折率層58を備えている。なお、図13では、被覆層54の全域を被覆するように高屈折率層58が位置しているが、これに限定されるものではない。
導光フィルム51を構成する支持フィルム52は、上述の導光フィルム11(図1、図2A参照)を構成する支持フィルム12と同様とすることができ、ここでの説明は省略する。また、被覆層54上に位置する高屈折率層58も、上述の導光フィルム11(図1、図2A参照)を構成する高屈折率層18と同様とすることができる。
導光フィルム51を構成する被覆層54は、9箇所に入射部55となる回折構造57aを有し、25箇所に出射部56となる回折構造57bを有しており、これらの回折構造57a,57bは支持フィルム52の厚み方向に凹凸を有している。
9箇所に位置している入射部55は、それぞれ3箇所に位置している入射部55R,55G,55Bからなっており、各入射部55R,55G,55Bは碁盤目をなすように相互に隣接して配設され、1個の入射部55を構成している。このような入射部55R,55G,55Bは、それぞれ上述の導光フィルム21を構成する入射部25R,25G,25Bに対応するものである。そして、3箇所に位置している入射部55Rは、3箇所の入射部55Rにおける回折構造57aの回折格子ベクトルの広がり範囲の集合が、25箇所に位置する出射部56を包含するように配設されている。同様に、3箇所に位置している入射部55Gは、3箇所の入射部55Gにおける回折構造57aの回折格子ベクトルの広がり範囲の集合が、25箇所に位置する出射部56を包含するように配設され、3箇所に位置している入射部55Bについても、3箇所の入射部55Bにおける各回折構造57aの回折格子ベクトルの広がり範囲の集合が、25箇所に位置する出射部56を包含するように配設されている。なお、図13では、便宜的に、入射部55R,55G,55Bに位置する回折構造57aの凸部を、それぞれ鎖線、一点鎖線、二点鎖線で示している。
また、25箇所に位置している出射部56は、出射部56R,56G,56Bからなっており、各出射部56R,56G,56Bは、上述の導光フィルム21を構成する出射部26R,26G,26Bに対応するものである。このような出射部56R,56G,56Bは、所望の絵柄を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色で表示するように、碁盤目状に相互に隣接して配設されており、これにより、全体で1個の出射部56を構成している。したがって、表示する3色から構成される絵柄に応じて、出射部56R,56G,56Bの数、配置を適宜設定することができる。なお、図13では、便宜的に、出射部56R,56G,56Bに位置する回折構造57bの凸部を、それぞれ鎖線、一点鎖線、二点鎖線で示している。
このような本発明の導光フィルム51は、各入射部55R,55G,55Bが碁盤目をなすように相互に隣接して配設されている1個の入射部55に白色光を入射させることにより、出射部56R,56G,56Bが碁盤目状に相互に隣接して所望の位置に配設されている出射部56において、赤色、緑色、青色の複数色による表示が可能となる。すなわち、3個の入射部55Rから支持フィルム52内に入射された赤色域の波長λRの光LλRは、所望の位置に配設されている出射部56Rから出射され、3個の入射部55Gから支持フィルム52内に入射された緑色域の波長λGの光LλGは、所望の位置に配設されている出射部56Gから出射され、3個の入射部55Bから支持フィルム52内に入射された青色域の波長λBの光LλBは、所望の位置に配設されている出射部56Bから出射され、赤色、緑色、青色の各波長域の光の絵柄が表示されるので、3色での表示が可能となる。なお、相互に隣接している各入射部55R,55G,55Bからそれぞれ支持フィルム52内に入射された赤色域の波長λRの光LλR、緑色域の波長λGの光LλG、青色域の波長λBの光LλBは、支持フィルム52内を導光される過程で混ざり合い、その後、出射部56R,56G,56Bにおいて再度特定の波長が選択され、それぞれ赤色域の波長λRの光LλR、緑色域の波長λGの光LλG、青色域の波長λBの光LλBが出射されるものであってもよい。
このような導光フィルム51は発光色素を使用していないので、経時劣化による表示性能の低下を生じることがなく、偽造防止機能を安定して発現することができる。図13では、便宜的に、赤色域の波長λRの光LλRを鎖線、緑色域の波長λGの光LλGを一点鎖線、青色域の波長λBの光LλBを二点鎖線で示している。
なお、図13では、入射部55が3箇所の入射部55R、3箇所の入射部55G、3箇所の入射部55Bで構成されているが、入射部55R,56G,56Bの数、配置は、図示例に限定されるものではない。また、図13では、25箇所に設けられた出射部56で絵柄が構成されているが、絵柄を構成する出射部56の数、個々の出射部56の形状、寸法比等は、これに限定されない。
なお、図13に示す導光フィルム51において、被覆層54を備えず、支持フィルム52の一方の面52aの所望の部位に入射部55及び出射部56が設けられていてもよい。この場合において、当該支持フィルム52の一方の面52a上に高屈折率層58が設けられていてもよいし、金属酸化物のナノ粒子を含有する樹脂、ジルコニウムアクリレートモノマーを重合させてなる重合体、ハフニウムアクリレートモノマーを重合させてなる重合体、ジルコニウムアクリレートモノマーとハフニウムアクリレートモノマーとを共重合させてなる共重合体等の透明材料により構成されるオーバーコート層(保護層)が設けられていてもよい。
上述の導光フィルムの実施形態は例示であり、本発明の導光フィルムはこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、導光フィルムは、高屈折率層を備えていないものであってもよい。また、導光フィルムの用途に応じて、例えば、支持フィルムと被覆層との間に剥離層が介在している導光フィルムであってもよい。
また、上記の導光フィルム51では、出射部56R,56G,56Bから出射される光が赤(R)、緑(G)、青(B)であり、この3色による表示が可能であるが、出射部から出射される光は赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかに限定されるものではなく、例えば、黄色、青緑色等の単色であってもよいし、赤(R)と緑(G)との混色、緑(G)と青(B)との混色であってもよい。
また、入射部からの入射、入射部から出射部までの支持フィルム内の導光、出射部からの出射が可能であれば、支持フィルム上に被覆層が存在しない部位があってもよい。例えば、被覆層が複数の出射部を有する場合、平面視において支持フィルム上に複数の被覆層が存在し、これらの各被覆層に出射部が1つ以上位置するものであってもよい。また、導光フィルムが複数の出射部を有する場合、一部の出射部には被覆層が存在し、他の出射部には被覆層が存在しないものであってもよい。
上記導光フィルムは、上述のように、発光色素を使用していないので、経時劣化による表示性能の低下を生じることがなく、偽造防止機能を安定して発現することができる。また、発光色素を発光させる必要がないので、例えば、比較的光量の低いLED光源から照射される白色光で表示可能である。さらに、発光色素を使用していないので、製造工程の増大、原料コストの増大による製造コストの増大を抑制することができる。
[偽造防止用構造体]
本発明の偽造防止用構造体は、上述の導光フィルムを用いたものである。
図14は、本発明の偽造防止用構造体の一実施形態を示す概略断面図である。図14に示される偽造防止用構造体101は、図1~図3に示される導光フィルム11を用いた例であり、導光フィルム11と、この導光フィルム11の被覆層14側の最表面に位置する接着層102と、を備えている。
接着層102は、導光フィルム11が備えている高屈折率層18上に位置するものであり、偽造防止機能を付与する対象の物品に導光フィルム11を貼合する作用をなすものである。接着層102を形成する接着剤としては、ヒートシール型接着剤、感圧型接着剤、粘着型接着剤等、偽造防止用構造体の用途に応じて適宜選択することができる。このような接着層102は、導光フィルム11の被覆層14が備えている回折構造17a,17bが、偽造防止用構造体101の貼合対象となる物品と当接して損傷しないような緩衝層としの作用も発現する。接着層102の厚みは、例えば、回折構造17a,17b上に接着層102が0.1~100μmの範囲で存在するように設定することができる。
この偽造防止用構造体101は、所望の物品に接着層102を介して貼合することにより、偽造防止機能を付与することができる。すなわち、例えば、比較的光量の低いLED光源からの光を、対象物品に貼合してある偽造防止用構造体101の入射部15に照射して、所定の色で絵柄が出射部16に表示されるか否かにより、真贋判定を行うことができる。
図15は、偽造防止用構造体の他の実施形態を示す概略断面図である。図15に示される偽造防止用構造体111は、図1~図3に示される導光フィルム11を用いた例であり、導光フィルム11と、この導光フィルム11の被覆層14側の最表面に位置する接着層112と、支持フィルム12側に位置する接着層113を備えている。
接着層112は、導光フィルム11が備えている高屈折率層18上に位置するものであり、ヒートシール型接着剤を用いて形成されたものである。このような接着層112は、導光フィルム11の被覆層が備えている回折構造17a,17bが対象物品と当接して損傷しないような緩衝層としの作用を発現することが好ましく、接着層112の厚みは、例えば、回折構造17a,17b上に接着層112が0.1~100μmの範囲で存在するように設定することができる。また、接着層113もヒートシール型接着剤を用いて形成されたものであり、その厚みは、例えば、0.1~100μmの範囲内で設定することができる。
この偽造防止用構造体111は、例えば、紙の抄造段階で抄き込むことにより、カレンダー工程における加熱でヒートシール型接着剤からなる接着層112,113がパルプに対する接着性を発現する。これにより、導光フィルム11をスレッドとして組み込んで、偽造防止機能を付与することができる。
なお、上述の偽造防止用構造体101において、接着層102がヒートシール型接着剤を用いて形成されたものは、偽造防止用構造体111と同様に、紙の抄造段階で抄き込むことにより、導光フィルムスレッドとして偽造防止機能を付与することができる。
図16は、偽造防止用構造体の他の実施形態を示す概略断面図である。図16に示される偽造防止用構造体121は、図1~図3に示される導光フィルム11であって、支持フィルム12と被覆層14との間に剥離層19が介在している導光フィルム11を用いた例である。この偽造防止用構造体121は、導光フィルム11の被覆層14側の最表面に接着層122を備えている。
剥離層19は、剥離層19と支持フィルム12との密着力が、剥離層19と被覆層14との密着力よりも小さくなるように、支持フィルム12の材質、被覆層14の材料を考慮して剥離剤を適宜選定して形成することができる。
接着層122は、導光フィルム11が備えている高屈折率層18上に位置するものであり、ヒートシール型接着剤等を用いて形成されたものである。使用する接着剤は、転写対象物品との接着力が、上記の剥離層19と支持フィルム12との密着力よりも大きくなるように、公知の接着剤から適宜選択することができる。このような接着層122の厚みは、偽造防止用構造体121を転写対象物品に密着した後、支持フィルム12が剥離除去されるため、導光フィルム11の入射部15から入射した光Lから特定の波長域の光Lλが被覆層14内に入射されるように、接着層122の屈折率を考慮して設定することができる。また、転写対象物品が透明基材である場合、接着層122の厚みは、偽造防止用構造体121を転写対象物品に転写した後、導光フィルム11の入射部15から入射した光Lから特定の波長域の光Lλが転写対象物品内に入射されるように、転写対象物品の屈折率を考慮して設定することができる。
この偽造防止用構造体121は、所望の物品に接着層122を介して密着し、その後、支持フィルム12を剥離除去することにより、偽造防止機能を付与することができる。すなわち、例えば、比較的光量の低いLED光源からの白色光を対象物品に転写してある偽造防止用構造体121の入射部15に照射して、所定の色で絵柄が出射部16に表示されるか否かにより、真贋判定を行うことができる。
このような偽造防止用構造体は、出射部から出射される光の絵柄を所望の色で表示したり、多色画像として表示することが可能な偽造防止機能であって、安定した偽造防止機能を、対象物品に付与することができる。
上述の偽造防止用構造体の実施形態は例示であり、本発明の偽造防止用構造体はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、導光フィルム11に代えて、上述の導光フィルム21,31,41,51のいずれかを用いてもよいし、図2Bに示す被覆層14を備えない導光フィルム11を用いてもよい。
[偽造防止物品]
本発明の偽造防止物品は、上述の導光フィルム、あるいは、上述の偽造防止用構造体を用いたものである。ここで、偽造防止物品とは、例えば、紙幣;パスポート、身分証明カード、運転免許証、健康保険証等のIDカード類;キャッシュカード、クレジットカード等の有価証券類等の偽造防止機能が付与された媒体(偽造防止媒体)を含む概念である。
図17は、偽造防止物品の一実施形態を示す平面図であり、図18は図17に示される偽造防止物品のV-V線における概略断面図であって、構成層の一部を離間させたものであり、図19は図17に示される偽造防止物品のVI-VI線における部分拡大断面図である。
図17~図19に示される偽造防止物品201は、本発明の導光フィルム11を備えており、図15に示される偽造防止用構造体111を用いた例である。この偽造防止物品201は、複数枚の基材202からなる積層体と、この積層体の最外層の基材202に設けられた印刷層203,203′と、印刷層203側に配設された偽造防止用構造体111と、この偽造防止用構造体111を被覆するように配設された透明基材204、反対側の印刷層203′に配設された透明基材204′を備えている。
基材202の材質は、例えば、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等を挙げることができ、特に制限はなく、偽造防止物品201の用途に応じて適宜選択することができる。図示例では、複数枚の基材202からなる積層体の最外層の2枚のみを示しているが、基材202の枚数は適宜設定することができる。
印刷層203,203′は、基材202の全面に設けられていてもよく、また、一部に設けられていてもよい。
また、偽造防止物品201において偽造防止用構造体111が存在する厚み方向の領域(図18に一点鎖線で囲んだ領域)を透明な窓部としてもよい。このような偽造防止物品201は、基材202として透明材料を使用し、透明な窓部とする領域に印刷層203,203′を設けないことにより作製することができる。また、透明な窓部とする領域が開口部となるように、複数枚の基材202からなる積層体を形成し、開口部に透明基材を嵌合してもよい。このような偽造防止物品201は、表裏いずれからも、偽造防止用構造体111に対して光を入射させることができる。
また、偽造防止用構造体111は、図19に示される状態と表裏逆に配設してもよい。
このような偽造防止物品201は、偽造防止用構造体111を、透明基材204と印刷層203、基材202とで挟持した状態で熱融着することにより製造することができる。
この偽造防止物品201は、例えば、比較的光量の低いLED光源からの白色光を入射部15に照射して、所定の色で絵柄が出射部16に表示されるか否かにより、真贋判定を行うことができる。
図20は、偽造防止物品の他の実施形態を示す平面図であり、図21は、図20に示される偽造防止物品のVII-VII線における部分拡大断面図である。図20、図21に示される偽造防止物品211は、図2Aに示す導光フィルム11を、支持フィルム12が存在しない状態で備えており、図16に示される偽造防止用構造体121を用いた例である。この偽造防止物品211は、カード基材212に、接着層122を介して偽造防止用構造体121を密着させ、その後、支持フィルム12を剥離除去して作製することができる。
この偽造防止物品211は、例えば、比較的光量の低いLED光源からの白色光を入射部15に照射して、所定の色で絵柄が出射部16に表示されるか否かにより、真贋判定を行うことができる。
図22は、偽造防止物品(偽造防止媒体)の他の実施形態の一具体例である紙幣を示す平面図であり、図23は、図22に示される偽造防止物品(偽造防止媒体)としての紙幣のVIII-VIII線における部分拡大断面図である。
図22及び図23に示されるように、偽造防止物品(偽造防止媒体)としての紙幣221は、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)などの基材222と、基材222の一方面の所望の位置に接着層122を介して密着させてなる導光フィルム11とを含む。この導光フィルム11は、接着層122側から高屈折率層18、被覆層14及び剥離層19がこの順に積層され、支持フィルム12を有しないものである。この紙幣221は、基材222に、図16に示される偽造防止用構造体121を、接着層122を介して密着させ、その後、支持フィルム12を剥離除去することで作製され得る。
この紙幣221においては、図23に示すように、入射部15から入射された光Lは、基材222の他方面と外部との界面及び剥離層19と外部との界面において反射しながら導光し、出射光Lλが出射部16から出射される。例えば、比較的光量の低いLED光源からの白色光を入射部15に照射すると、所定の色の絵柄が出射部16に表示される。これにより、紙幣221の真贋判定が可能となる。なお、入射部15から入射された光Lのほとんどは、最も屈折率差の大きい基材222の他方面と外部との界面及び剥離層19と外部との界面にて反射するものと考えられるが、一部の光は、基材222と接着層122との界面や、接着層122と高屈折率層18との界面等においても反射するものと考えられる。
なお、偽造防止物品(偽造防止媒体)としての紙幣221は、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)等の基材222の所望の位置に、入射部15及び出射部16を設けてなるものであってもよいし、当該所望の位置に接着層122を介して図2Bに示す導光フィルム11を接着させたものであってもよい。
図24は、偽造防止物品(偽造防止媒体)の他の実施形態の一具体例であるIDカードを示す平面図であり、図25は、図24に示される偽造防止物品(偽造防止媒体)としてのIDカードのIX-IX線における断面図であり、図26及び図27は、図24及び図25に示される偽造防止物品の他の態様を示す、図24のIX-IX線に相当する線における断面図である。
図24及び図25に示すように、偽造防止物品(偽造防止媒体)としてのIDカード231は、第1印刷層2321、第1コアシート層2322、第2コアシート層2323、第2印刷層2324及びレーザ発色層2325がこの順で積層されてなるカード基材232と、レーザ発色層2325側の所望の位置に接着層122を介して密着させてなる導光フィルム11とを含む積層体を積層方向上下から第1オーバーシート層233及び第2オーバーシート層234にて挟むように被覆されてなる構成を有する。導光フィルム11は、接着層122側から高屈折率層18及び被覆層14がこの順に積層され、支持フィルム12を有しないものである。このIDカード231は、カード基材232の所望の位置に積層方向に貫通する貫通孔を形成し、当該貫通孔に透明樹脂層235を嵌合させ、その透明樹脂層235を嵌合させたカード基材232に、図16に示される偽造防止用構造体121を、接着層122を介して密着させ、その後、支持フィルム12を剥離除去することで作製され得る。
IDカード231は、図26に示すように、透明樹脂層235を有さず、カード基材232のレーザ発色層2325上に接着層122を介して密着させてなる導光フィルム11を含む積層体を積層方向上下から第1オーバーシート層233及び第2オーバーシート層234にて挟むように被覆されてなる構成を有していてもよい。また、IDカード231は、図27に示すように、カード基材232の所望の位置に形成された積層方向に貫通する貫通孔に、透明樹脂層235及び透明樹脂層235上に接着層122を介して密着させてなる導光フィルム11を含む積層体を嵌合させ、当該積層体を嵌合させたカード基材232を積層方向上下から第1オーバーシート層233及び第2オーバーシート層234にて挟むように被覆されてなる構成を有していてもよい。
これらのIDカード231においては、図25~図27に示すように、入射部15から入射された光Lは、第1オーバーシート層233と外部との界面及び第2オーバーシート層234と外部との界面において反射しながら導光し、出射光Lλが出射部16から出射される。例えば、比較的光量の低いLED光源からの白色光を入射部15に照射すると、所定の色の絵柄が出射部16に表示される。これにより、IDカード231の真贋判定が可能となる。なお、入射部15から入射された光Lのほとんどは、最も屈折率差の大きい第1オーバーシート層233と外部との界面及び第2オーバーシート層234と外部との界面にて反射するものと考えられるが、一部の光は、カード基材232内の各層の界面等においても反射するものと考えられる。
なお、図25及び図27に示される偽造防止物品(偽造防止媒体)としてのIDカード231において、カード基材232の所望の位置に形成された貫通孔に嵌合させた透明樹脂層235上に位置する導光フィルム11に代えて、当該透明樹脂層235に入射部15及び出射部16が直接設けられていてもよいし、図2Bに示す導光フィルム11(被覆層14を有しない導光フィルム11)が設けられていてもよい。
図25~27に示される偽造防止物品(偽造防止媒体)としてのIDカード231において、導光フィルム11に代えて、第1オーバーシート層233又は第2オーバーシート層234に入射部15及び出射部16が直接設けられていてもよい。また、被覆層14と第2オーバーシート層234との間に、被覆層14側から剥離層とヒートシール層とがこの順に積層されていてもよい。さらに、カード基材232を構成する各層(第1印刷層2321、第1コアシート層2322、第2コアシート層2323、第2印刷層2324及びレーザ発色層2325)の積層順は、当該各層の機能が奏され得る限りにおいて、特に制限されない。さらにまた、カード基材232は、第1印刷層2321及び第2印刷層2324のいずれか一方又は両方を有しないものであってもよい。
上述の偽造防止物品の実施形態は例示であり、本発明の偽造防止物品は、これらの実施形態に限定されるものではない。例えば、偽造防止物品が備える導光フィルムは、導光フィルム11に限定されず、上述の導光フィルム21,31,41,51のいずれかを備えるもの、あるいは、上述の導光フィルム21,31,41,51を、支持フィルム22,32,42,52が存在しない状態で備えるものであってもよい。
また、本発明の偽造防止物品は、例えば、上述のように、紙の抄造段階で本発明の偽造防止用構造体111を抄き込むことにより、本発明の導光フィルム11をスレッドとして具備するものであってもよい。このようなスレッドは、抄造した紙の一方の表面に連続して配設されてもよく、また、少なくとも導光フィルム11の入射部15と出射部16が紙の一方の表面に位置し、他の部位が紙の内部に位置するように、周期的にスレッドが露出するように配設されてもよい。さらに、抄造した紙の一方の表面と他方の表面に交互に露出するように配設され、かつ、露出部位に少なくとも導光フィルム11の入射部15と出射部16が位置するように配設してもよい。
このような本発明の偽造防止物品は、出射部から出射される光の絵柄を所望の色で表示したり、多色画像として表示したりすることが可能であるとともに安定した偽造防止機能を具備しており、真贋判定を容易に行うことができる。
本発明は、偽造防止機能を必要とする種々の物品、製品及びそれらの製造分野等において有用である。
11,21,31,41,51…導光フィルム
12,22,32,42,52…支持フィルム
14,24,34,44,54…被覆層
15,25,35,45,55…入射部
16,26,36,46,56…出射部
17a,17b,27a,27b,37a,37b,47a,47b,57a,57b…回折構造
18,28,38,48,58…高屈折率層
19…剥離層
20…反射層
101,111,121…偽造防止用構造体
102,112,113,122…接着層
201,211…偽造防止物品

Claims (11)

  1. 支持フィルムと、
    該支持フィルムの一方の面の少なくとも一部に位置する被覆層と、
    外部からの入射光から特定の波長域の光を前記支持フィルム内に入射させる入射部と、
    前記入射部から入射され、前記支持フィルム内で導光された前記特定の波長域の光を外部に出射させる出射部と
    前記被覆層の屈折率よりも大きい屈折率を具備する高屈折率層と
    を有し、
    前記入射部及び前記出射部のそれぞれは、前記被覆層の所望部位において前記支持フィルムの厚み方向に凹凸を有する回折構造からなり、
    前記入射部の数と前記出射部の数とは互いに異なり、
    前記高屈折率層は、前記被覆層上に設けられていることを特徴とする導光フィルム。
  2. 前記入射部の数が、前記出射部の数よりも多いことを特徴とする請求項1に記載の導光フィルム。
  3. 複数の前記入射部を有し、
    前記複数の入射部の前記回折構造の凹凸の周期は、相互に異なることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導光フィルム。
  4. 前記複数の入射部は隣接していることを特徴とする請求項3に記載の導光フィルム。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の導光フィルムと、前記導光フィルムの前記被覆層側の最表面に位置する接着層と、を備えることを特徴とする偽造防止用構造体。
  6. 前記導光フィルムの前記支持フィルム側に接着層を備えることを特徴とする請求項5に記載の偽造防止用構造体。
  7. 前記導光フィルムの前記支持フィルムと前記被覆層との間に剥離層が介在していることを特徴とする請求項5に記載の偽造防止用構造体。
  8. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の導光フィルムを備えることを特徴とする偽造防止物品。
  9. 所望の部位に、請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の偽造防止用構造体を備えることを特徴とする偽造防止物品。
  10. 基材と、
    前記基材の一方の面に、接着層を介して設けられた導光フィルムと
    を備え、
    前記導光フィルムは、被覆層と、外部からの入射光から特定の波長域の光を前記被覆層に入射させる入射部と、前記入射部から入射され、前記被覆層内で導光された前記特定の波長域の光を外部に出射させる出射部と、前記被覆層の屈折率よりも大きい屈折率を具備する高屈折率層とを有し、
    前記入射部及び前記出射部のそれぞれは、前記被覆層の所望部位において前記被覆層の厚み方向に凹凸を有する回折構造からなり、
    前記入射部の数と前記出射部の数とは互いに異なり、
    前記高屈折率層は、前記被覆層上に設けられており、前記接着層に接していることを特徴とする偽造防止物品。
  11. 基材と、
    前記基材の一方の面に、接着層を介して設けられた導光フィルムと、
    前記導光フィルムの前記接着層と反対側に設けられた剥離層と
    を備え、
    前記導光フィルムは、被覆層と、外部からの入射光から特定の波長域の光を前記被覆層に入射させる入射部と、前記入射部から入射され、前記被覆層内で導光された前記特定の波長域の光を外部に出射させる出射部と、前記被覆層の屈折率よりも大きい屈折率を具備する高屈折率層とを有し、
    前記入射部及び前記出射部のそれぞれは、前記被覆層の所望部位において前記被覆層の厚み方向に凹凸を有する回折構造からなり、
    前記入射部の数と前記出射部の数とは互いに異なり、
    前記高屈折率層は、前記被覆層上に設けられており、前記接着層に接しており、
    前記剥離層は、前記被覆層の前記高屈折率層と反対側に設けられていることを特徴とする偽造防止物品。
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