JP7173198B2 - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、主としてタイヤのサイドウォール部に使用することを意図したタイヤ用ゴム組成物に関する。
一般的に、空気入りタイヤを構成するゴム組成物(特に、サイドウォール部を構成するゴム組成物)には、老化防止性能(耐オゾン性能)を付与するため、ワックスを配合することが行われている。但し、ワックスは、ゴム表面に移行(ブルーム)して、ゴム表面を白色化させる等の外観不良の原因になる虞があった。
一方で、石油資源の枯渇や二酸化炭素の排出規制などの環境問題の観点から、上述のワックスを、環境負荷が低い石油外資源(非石油系材料)に代替することが望まれている。例えば、特許文献1は、植物由来のワックスとして、米糠から抽出されるライスワックスを用いることを提案している。但し、植物由来のワックスは、ブルームが生じにくく、外観不良の抑制には効果的であるものの、耐オゾン性能は必ずしも十分に得られるとは言えず、老化防止性能の維持が難しいという問題があった。また、従来のワックスと同等の耐オゾン性能を得るために植物由来のワックスの配合量を増やすと、ゴムの補強性(破断強度)が低下することが懸念される。そのため、植物由来のワックスを用いる場合であっても、ゴムの補強性(破断強度)を損なうことなく、老化防止性能(耐オゾン性能)を向上し、且つ、ブルームに起因する白色化等の外観不良を抑制する対策が求められている。
国際公開第2019/077885号
本発明の目的は、破断強度を良好に維持し、老化防止性能(耐オゾン性能)を向上し、且つ、ブルームに起因する白色化等の外観不良を抑制することを可能にしたタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、植物由来ワックスの加水分解物、パラフィンワックス、およびマイクロクリスタリンワックスの3種のワックスを混合してなる混合ワックスが0.5質量部~5質量部配合され、前記混合ワックス100質量%中に含有される前記マイクロクリスタリンワックスの割合が45質量%~55質量%であることを特徴とする。
本発明の発明者は、従来のワックスに代えて植物由来のワックスを用いる場合の効果および影響について鋭意研究した結果、植物由来ワックスの加水分解物と同時に、パラフィンワックスおよびマイクロクリスタリンワックスを併用することで、老化防止性能(耐オゾン性能)の向上と、ブルームに起因する白色化等の外観不良の抑制とを高度に両立できることを知見した。また、上述の3種のワックスの併用により、老化防止性能や外観を損なうことなく、ゴム組成物に添加するワックスの総量の低減が可能であり、ワックス量の増加による補強性の低下も防止できることを知見した。本発明は、この知見に基づいて、タイヤ用ゴム組成物を上述の配合で構成しているので、破断強度を良好に維持し、老化防止性能(耐オゾン性能)を向上し、且つ、ブルームに起因する白色化等の外観不良を抑制し、これら性能をバランスよく両立することができる。
本発明においては、混合ワックス100質量%中に含有されるマイクロクリスタリンワックスの割合は、上記のように45質量%~55質量%である。このように混合ワックス中のマイクロクリスタリンワックスの割合を適度な範囲に設定することで、破断強度の維持と老化防止性能の向上と外観不良の抑制をバランスよく両立するには有利になる。
本発明においては、植物由来ワックスの加水分解物が、イネ科植物から抽出され、且つ、下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。これにより、破断強度の維持と老化防止性能の向上と外観不良の抑制をバランスよく両立するには有利になる。
Figure 0007173198000001
(式中、nは1以上の整数である。)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、タイヤのサイドウォール部に好適に用いることができる。本発明のタイヤ用ゴム組成物を、サイドウォール部に用いた空気入りタイヤは、上述のゴム組成物の性能によって、優れた破断強度および老化防止性能を発揮し、且つ、良好な外観を維持することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、ゴム成分はジエン系ゴムである。ジエン系ゴムとしては、タイヤ用ゴム組成物(特に、空気入りタイヤのサイドウォール部に使用されるタイヤ用ゴム組成物)に一般的に用いられるゴムを使用することができる。本発明では、特に、ジエン系ゴムとして、天然ゴムおよびポリブタジエンゴムを含むことが好ましい。また、本発明のゴム組成物として、天然ゴムおよびポリブタジエンゴム以外の他のジエン系ゴムを配合することもできる。他のジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム、スチレン‐ブタジエンゴム等のタイヤ用ゴム組成物に一般的に用いられるゴムを例示することができる。これらジエン系ゴムは、単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
ジエン系ゴムが天然ゴムおよびポリブタジエンゴムを含む場合、ポリブタジエンゴムの配合量は、ジエン系ゴム100質量%中に好ましくは40質量%~80質量%、より好ましくは60質量%~70質量%である。また、天然ゴムの配合量は、ジエン系ゴム100質量%中に好ましくは20質量%~60質量%、より好ましくは30質量%~40質量%である。ポリブタジエンゴムの配合量が40質量%未満であると、耐疲労性能が低下する。ポリブタジエンゴムの配合量が80質量%を超えると、破断強度が低下する。天然ゴムの配合量が20質量%未満であると、破断強度が低下する。天然ゴムの配合量が60質量%を超えると、ヒステリシスロスが上昇する。
本発明のゴム組成物は、タイヤ用ゴム組成物として十分な機械的特性を確保するために、カーボンブラックを配合することができる。カーボンブラックを配合する場合、その配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、好ましくは30質量部~80質量部、より好ましくは45質量部~55質量部である。このように適度な量のカーボンブラックを配合することで、補強性能を確保することができ、特に空気入りタイヤのサイドウォール部に使用する場合に、破断強度を向上することができる。カーボンブラックの配合量が30質量部未満であると、ゴム組成物の機械的特性を十分に確保できず、基本的なタイヤ性能(例えば、破断強度)が低下する虞がある。カーボンブラックの配合量が80質量部を超えると、低ヒステリシスロス性を確保することが難しくなる。
カーボンブラックを用いる場合、その等級は、例えばSAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、HMF、SRF等を例示することができ、中でも、HAFを好適に用いることができる。カーボンブラックの窒素吸着比表面積N2 SAは、特に制限されるものではないが、好ましくは20m2 /g~100m2 /g、より好ましくは30m2 /g~80m2 /gであるとよい。カーボンブラックの窒素吸着比表面積N2 SAを20m2 /g以上にすることにより、破断強度を確保することができる。またカーボンブラックの窒素吸着比表面積N2 SAを100m2 /g以下にすることにより、低ヒステリシスロス性を良好にすることができる。本明細書において、カーボンブラックの窒素吸着比表面積N2 SAは、JIS K6217‐2に準拠して測定するものとする。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラック以外の他の無機充填剤を配合することができる。他の無機充填剤としては、例えば、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、水酸化アルミニウム等のタイヤ用ゴム組成物に一般的に用いられる材料を例示することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、植物由来ワックスの加水分解物、パラフィンワックス、およびマイクロクリスタリンワックスの3種のワックスを混合してなる混合ワックスが必ず配合される。前述の3種のワックスからなる混合ワックスの配合量(3種のワックスの合計)は、前述のゴム成分100質量部に対して0.5質量部~5質量部、好ましくは1質量部~2質量部である。このように、植物由来ワックスの加水分解物と同時に、パラフィンワックスおよびマイクロクリスタリンワックスを併用することで、老化防止性能(耐オゾン性能)の向上と、ブルームに起因する白色化等の外観不良の抑制とを高度に両立することができる。また、上述の3種のワックスの併用により、老化防止性能や外観を損なうことなく、ゴム組成物に添加するワックスの総量の低減が可能であり、ワックス量の増加による補強性の低下も防止できる。
混合ワックスの配合量が0.5質量部未満であると、老化防止性能(耐オゾン性能)を向上する効果が得られない。混合ワックスの配合量が5質量部を超えると、補強性(破断強度)が低下する虞がある。前述の3種のワックスが併用されず、植物由来ワックスの加水分解物のみが配合されると、老化防止性能が低下する虞がある。前述の3種のワックスが併用されず、パラフィンワックスのみが配合されると、ブルームに起因する白色化等の外観不良が生じる虞がある。前述の3種のワックスが併用されず、マイクロクリスタリンワックスのみが配合されると、老化防止性能が低下する虞がある。前述の3種のワックスが併用されず、植物由来ワックスの加水分解物およびパラフィンワックスの2種のみが併用されると、ブルームに起因する白色化等の外観不良が生じる虞があり、補強性(破断強度)を維持することも困難である。前述の3種のワックスが併用されず、植物由来ワックスの加水分解物およびマイクロクリスタリンワックスの2種のみが併用されると、老化防止性能(耐オゾン性能)や補強性(破断強度)が低下する虞がある。前述の3種のワックスが併用されず、パラフィンワックスおよびマイクロクリスタリンワックスの2種のみが併用されると、ブルームに起因する白色化等の外観不良が生じる虞があり、補強性(破断強度)を維持することも困難である。
本発明に使用される植物由来ワックスの加水分解物は、例えば、カルナバワックス、キャンデリラワックス、木蝋、ヒマワリワックス、ライスワックス等の植物蝋の一部または全部を任意の方法で加水分解したものである。これらの中でも、イネ科植物から抽出されたライスワックスは、後述の炭素数分布と成分組成を有する第一級アルコールを効率的に得ることができるため、好適に用いることができる。植物由来ワックスの加水分解物は、通常、有効成分として直鎖である一価の第一級アルコールを含み、その他の成分として、アルカン、アルケン、アルキン、カルボン酸、ケトン、アルデヒド、直鎖でない及び/又は不飽和結合を含む第一級アルコール、第二級アルコール、第三級アルコール、二価以上の多価アルコール、樹脂、ワックスエステル等を含むが、その他の成分は積極的に除去する必要は無い。その他の成分の中でも、植物蝋を加水分解して得られる高級脂肪酸は、ゴム組成物において加硫助剤として機能するため、除去する必要性は低い。勿論、任意の方法を用いて任意の成分を除去しても構わない。具体例を挙げると、植物蝋の加水分解物であれば、含まれる脂肪酸を低級アルコールとのエステルとした後に、高級アルコールとエステルの低極性溶媒に対する溶解性の違いを利用して、高級脂肪酸エステルを除去し、高級アルコールを濃縮してもよい。
植物由来ワックスの加水分解物の有効成分である「直鎖である一価の第一級アルコール」は、下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0007173198000002
(式中、nは1以上の整数である。)
植物由来ワックスの加水分解物100質量%中に含まれる上記式(1)で表される第一級アルコールの含有割合は、好ましくは1.5質量%~35質量%、より好ましくは2質量%~25質量%であるとよい。上記式(1)で表される第一級アルコールの含有割合が1.5質量%未満であると、上記式(1)で表される第一級アルコールの効果が得にくくなり、他の成分の影響が相対的に大きくなることで望まない効果が表れる虞がある。
本発明の植物由来ワックスの加水分解物においては、上記式(1)で表される第一級アルコール100質量%のうち、炭素数が30~38である成分の含有率が好ましくは35質量%超、より好ましくは40質量%超、更に好ましくは60質量%、更に好ましくは70質量%超であるとよい。炭素数が30~38である成分の含有率が35質量%以下であると、ブルームに起因する白色化等の外観不良を十分に抑制できない虞がある。
また、本発明の植物由来ワックスの加水分解物においては、上記式(1)で表される第一級アルコール100質量%のうち、炭素数が12~26である成分の含有率が好ましくは25質量%未満、より好ましくは20質量%未満、更に好ましくは15質量%未満であるとよい。炭素数が12~26である成分の含有率が25質量%以上であると、ワックスと一緒にブルームしたアルコール成分がブルーム被膜を乱し、ゴム組成物の耐オゾン性が低下する虞がある。
また、本発明の植物由来ワックスの加水分解物においては、上記式(1)で表される第一級アルコール100質量%のうち、炭素数が42~68である成分の含有率が好ましくは25質量%未満、より好ましくは15質量%未満、更に好ましくは5質量%未満であるとよい。炭素数が42~68である成分の含有率が25質量%以上であると、ゴム表面の白化変色を招き、ゴム組成物の外観を損なう虞がある。
本発明の植物由来ワックスの加水分解物においては、上記のような炭素数分布と成分組成を有する第一級アルコールの物性として、示差走査熱量測定における融解ピーク温度が好ましくは75℃以上90℃未満、より好ましくは80℃以上88℃未満であるとよい。また、上記式(1)で表される第一級アルコールの融解開始温度としては好ましくは65℃以上82℃未満、より好ましくは70℃以上82℃未満であるとよい。上記式(1)で表される第一級アルコールの融解終了温度としては好ましくは82℃以上96℃未満、より好ましくは84℃以上94℃未満であるとよい。
尚、本発明の植物由来ワックスの加水分解物に、高融点の直鎖状アルカン(ノルマルアルカンともいう)が含有されていると、ゴム組成物の耐オゾン性を低下させる虞があることから、上記式(1)で表される第一級アルコール100質量%に対して、炭素数が50~68である直鎖状アルカンの含有率は好ましくは2質量%未満であるとよい。
本発明に使用されるパラフィンワックスおよびマイクロクリスタリンワックスは、いずれも組成として特に限定されず、タイヤ用組成物に一般的に用いられるものを使用することができる。これらは、ゴム組成物が使用される温度範囲によってワックスの種類および組合せを選択することができる。これらのワックスにはブルーミングおよび/またはブロッキングの防止を目的にポリエチレン等が配合されていてもよい。
但し、マイクロクリスタリンワックスについては、混合ワックス100質量%中に好ましくは30質量%~70質量%、より好ましくは45質量%~55質量%配合されているとよい。このように混合ワックス中にマイクロクリスタリンワックスを適度に配合することで、破断強度の維持と老化防止性能の向上と外観不良の抑制をバランスよく両立するには有利になる。マイクロクリスタリンワックスの配合量が30質量%未満であると、ゴム組成物の外観を損なう虞がある。マイクロクリスタリンワックスの配合量が70質量%を超えると、老化防止性能が低下する。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、加硫または架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤、加工助剤、熱硬化性樹脂などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種配合剤を配合することができる。このような配合剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫または架橋するのに使用することができる。これらの配合剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量にすることができる。タイヤ用ゴム組成物は、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混練、混合することによって製造することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上述のように、破断強度を良好に維持し、老化防止性能(耐オゾン性能)を向上し、且つ、ブルームに起因する白色化等の外観不良を抑制し、これら性能をバランスよく両立することができる。そのため、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、空気入りタイヤのサイドウォール部に好適に用いることができる。また、本発明のタイヤ用ゴム組成物をサイドウォール部に用いた空気入りタイヤは、上述のゴム組成物の性能によって、優れた破断強度および老化防止性能を発揮し、且つ、良好な外観を維持することができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に記載の組成からなる9種類のタイヤ用ゴム組成物(標準例1、比較例1~4、実施例1~4)を調製するにあたり、硫黄および加硫促進剤を除く成分を1.7Lのバンバリーミキサーで5分間混練し、145℃に達したとき放出しマスターバッチとした。得られたマスターバッチに、硫黄および加硫促進剤を加えて70℃のオープンロールで混練することにより、9種類のタイヤ用ゴム組成物を得た(尚、混合ワックス100質量%中に含有されるマイクロクリスタリンワックスの割合が本発明の条件を満たさない実施例2,4は参考例である)
得られたタイヤ用ゴム組成物を、所定形状の金型を用いて180℃で、5分間加硫し、加硫ゴム試験片を作成し、下記に示す方法により、破断強度、耐オゾン性、外観(短期静置後および長期静置後)の評価を行った。
破断強度
得られた加硫ゴム試験片を用いて、JIS K6251に準拠して、ダンベル型JIS3号形試験片を作製した。得られた試験片を用い、室温(23℃)で500mm/分の引張り速度で引張り試験を行い、引張り破断強度(単位:MPa)を測定した。測定値は、標準例1の値を100とする指数として、表1の「破断強度」の欄に記載した。この指数が大きいほど引張り破断強度が高く、補強性に優れることを意味する。
耐オゾン性
得られた試験片からJIS K6251に準拠したJIS3号ダンベル型試験片を切り出した。この試験片を40%伸長、オゾン濃度50pphm、40℃、48時間という条件で、JIS K6259に準拠してオゾン劣化させた。その後、試験片表面の亀裂(オゾンクラック)の有無を目視で観察し、亀裂の状態を以下の判定基準に基づき4段階で評価した。得られた結果は、表1の「耐オゾン性」の欄に示した。この点数が大きいほど耐オゾン性に優れることを意味する。尚、点数が3以上であれば、十分な耐オゾン性が得られたことを意味する。
4:オゾンクラックが目視観察されない。
3:オゾンクラックが僅かに目視観察されるが実用性に問題のないレベルである。
2:オゾンクラックが目視観察され、実用性が懸念されるレベルである。
1:オゾンクラックが試験片の表面全体に観察される、またはクラックが大きい若しくは深い。
外観(短期静置後)
得られた試験片を40℃のオーブン中で1週間静置して状態調節した。その後、試験片の表面を目視で観察し、白化の状態を以下の判定基準に基づき5段階で評価した。得られた結果を、表1の「外観(短期静置後)」の欄に示した。この点数が大きいほど耐白化性に優れ、外観が優れることを意味する。尚、点数が4以上であれば、良好な外観を十分に維持できたことを意味する。
5:試験片の表面に白化が全く認められない(不変)。
4:試験片の表面面積の3割程度がくすんでいる。
3:試験片の表面が全体的にくすんでいる。
2:試験片の表面面積の3割程度が白色に変化した。
1:試験片の表面が全体的に白色に変化した。
外観(長期静置後)
得られた試験片を25℃の室内で8週間静置して状態調節した。その後、試験片の表面を目視で観察し、白化の状態を以下の判定基準に基づき5段階で評価した。得られた結果を、表1の「外観(長期静置後)」の欄に示した。この点数が大きいほど耐白化性に優れ、外観が優れることを意味する。尚、点数が4以上であれば、良好な外観を十分に維持できたことを意味する。
5:試験片の表面に白化が全く認められない(不変)。
4:試験片の表面面積の3割程度がくすんでいる。
3:試験片の表面が全体的にくすんでいる。
2:試験片の表面面積の3割程度が白色に変化した。
1:試験片の表面が全体的に白色に変化した。
Figure 0007173198000003
表1において使用した原材料の種類を下記に示す。
・NR:天然ゴム、PT.KIRANA SAPTA社製SIR20
・BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製NIPOL BR1220
・CB:カーボンブラック、キャボットジャパン社製ショウブラック N330(窒素吸着比表面積N2 SA:76m2 /g)
・ワックス1:植物由来ワックスの加水分解物:イネ科植物から抽出されたライスワックスの加水分解物(試作品)、日本精蝋社製(前述の式(1)においてn=28~36の成分を35質量%以上、n=18~24の成分を20質量%未満、n=40~46の成分を25質量%未満含有)
・ワックス2:パラフィンワックス:日本精蝋社製OZOACE‐0015
・ワックス3:マイクロクリスタリンワックス:日本精蝋社製Hi‐Mic 1080
・オイル:昭和シェル社製エクストラ4号
・老化防止剤:EASTMAN社製6PPD
・亜鉛華:正同化学社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:日本油脂社製ビーズステアリン酸YR
・加硫促進剤:三新化学社製サンセラーNS‐G
・硫黄:四国化成工業社製ミュークロン OT‐20
表1から明らかなように、実施例1~4のタイヤ用ゴム組成物は、ワックスが配合されない標準例1に対して、破断強度を良好に維持し、耐オゾン性を向上し、且つ、短期および長期に亘って外観を良好に維持することができた。一方、比較例1は、植物由来ワックスの加水分解物およびパラフィンワックスの2種のみが併用されているため、破断強度および外観(短期静置後および長期静置後)を良好に維持することができなかった。比較例2は、植物由来ワックスの加水分解物およびマイクロクリスタリンワックスの2種のみが併用されているため、耐オゾン性能および破断強度が低下し、更に長期静置後に良好な外観を維持することができなかった。比較例3は、パラフィンワックスおよびマイクロクリスタリンワックスの2種のみが併用されているため、破断強度および外観(短期静置後および長期静置後)を良好に維持することができなかった。比較例4は、ワックス総量が多いため、破断強度および外観(短期静置後および長期静置後)を良好に維持することができなかった。

Claims (4)

  1. ゴム成分100質量部に対して、植物由来ワックスの加水分解物、パラフィンワックス、およびマイクロクリスタリンワックスの3種のワックスを混合してなる混合ワックスが0.5質量部~5質量部配合され、前記混合ワックス100質量%中に含有される前記マイクロクリスタリンワックスの割合が45質量%~55質量%であることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記植物由来ワックスの加水分解物が、イネ科植物から抽出され、且つ、下記式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする請求項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 0007173198000004
    (式中、nは1以上の整数である。)
  3. タイヤのサイドウォール部に用いられることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を、サイドウォール部に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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