JP7172949B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力伝達装置に供給されるオイルの種類の変更を検出する車両の制御装置に関するものである。
オイルが供給される動力伝達装置を備えた車両の制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載されたオイル劣化検出装置がそれである。この特許文献1には、車両に搭載された自動変速機内のオイルは時間経過に伴って劣化すること、劣化が進んだオイルは所定の作用が低下してしまう為、劣化が進行する前にオイルを交換する必要があることが開示されている。
特開2009-138852号公報
ところで、ユーザ等が動力伝達装置に供給されるオイルを交換した際、交換前と交換後とではオイルの種類が異なっている場合がある。このような場合、オイルの種類が変更されたことを検出することが考えられる。オイルの種類が変更されたことを精度良く検出できないと、オイル交換後の車両の制御性が悪化してしまうおそれがある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、動力伝達装置に供給されるオイルの種類が変更されたことを精度良く検出することができる車両の制御装置を提供することにある。
第1の発明の要旨とするところは、(a)オイルが供給される動力伝達装置を備えた車両の制御装置であって、(b)前記オイルの種類の違いによって変化し得る、前記車両の動作状態を表す複数種類の動作状態値のうちの少なくとも二つの動作状態値が各々の所定値を超えるような変化が重なって発生したか否かに基づいて、前記オイルの交換によって前記オイルの種類が変更されたか否かを判断することにある。
また、第2の発明は、前記第1の発明に記載の車両の制御装置において、前記動作状態値が前記所定値を超えるような変化は、前記オイルの種類が前記車両の工場出荷時のオイルの種類であるときの前記動作状態値に対する、所定の短期間における前記動作状態値の前記所定値を超える変化である。
また、第3の発明は、前記第2の発明に記載の車両の制御装置において、前記所定値は、前記車両とは別の他車両を含む複数の車両の各々において前記オイルが前記工場出荷時のオイルの種類から前記工場出荷時のオイルの種類へ交換された際の前記動作状態値の変化に基づく基準値に、前記オイルの種類が変更されたことを判断する為の所定変化分を加算した油種変更判定閾値である。
また、第4の発明は、前記第1の発明から第3の発明の何れか1つに記載の車両の制御装置において、前記動作状態値の変化は、前記車両が駆動トルクを発生し得るオン状態から前記車両が駆動トルクを発生し得ないオフ状態へ切り替えられる前の前記動作状態値に対する、前記オフ状態から前記オン状態へ切り替えられた後の前記動作状態値の変化である。
また、第5の発明は、前記第1の発明から第4の発明の何れか1つに記載の車両の制御装置において、前記複数種類の動作状態値は、前記動力伝達装置に備えられた自動変速機の変速制御において作動状態が切り替えられる油圧式の摩擦係合装置へ供給される前記オイルの油圧の値、前記自動変速機の変速指令開始時点からイナーシャ相開始時点までの時間、前記自動変速機の変速過渡中における前記自動変速機の入力回転速度の吹きが発生したときの吹き量、及び前記吹きが発生したときの吹き継続時間のうちの少なくとも一つを含んでいることにある。
また、第6の発明は、前記第1の発明から第5の発明の何れか1つに記載の車両の制御装置において、前記動作状態値の変化は、燃料の燃焼によって動力を発生する車両用エンジンの前記燃料の種類が変更されたとの判断が為されていない期間における前記動作状態値の変化である。
また、第7の発明は、前記第1の発明から第6の発明の何れか1つに記載の車両の制御装置において、機械学習による教師あり学習にて実現される、前記複数種類の動作状態値と前記オイルの種類との関係を示す予め定められた学習モデルに、前記動作状態値を適用することで前記オイルの種類を特定するものであり、前記学習モデルを用いた前記オイルの種類の特定結果を更に加えて、前記オイルの種類が変更されたか否かを判断することにある。
また、第8の発明は、前記第7の発明に記載の車両の制御装置において、前記機械学習による教師あり学習にて用いられる教師データは、前記車両とは別の他車両を含む複数の車両の各々における前記動作状態値の統計的なデータ、及び前記複数の車両の各々における前記オイルの種類の統計的なデータに基づいて変更されることにある。
前記第1の発明によれば、動力伝達装置に供給されるオイルの種類の違いによって変化し得る複数種類の動作状態値のうちの少なくとも二つの動作状態値が各々の所定値を超えるような変化が重なって発生したか否かに基づいて、オイル交換によってオイルの種類が変更されたか否かが判断されるので、動力伝達装置に供給されるオイルの種類が変更されたことを精度良く検出することができる。
また、前記第2の発明によれば、動作状態値が所定値を超えるような変化は、オイルの種類が工場出荷時のオイルの種類であるときの動作状態値に対する、所定の短期間における動作状態値の所定値を超える変化であるので、工場出荷時のオイルの種類以外のオイルに変更されたことを精度良く検出することができる。
また、前記第3の発明によれば、前記所定値は、複数の車両の各々においてオイルが工場出荷時のオイルの種類から工場出荷時のオイルの種類へ交換された際の動作状態値の変化に基づく基準値に所定変化分を加算した油種変更判定閾値であるので、工場出荷時のオイルの種類以外のオイルに変更されたことを一層精度良く検出することができる。
また、前記第4の発明によれば、動作状態値の変化は、車両がオン状態からオフ状態へ切り替えられる前の動作状態値に対する、車両がオフ状態からオン状態へ切り替えられた後の動作状態値の変化であるので、オイル交換は車両がオフ状態とされているときに行われることに対して、そのオイル交換によってオイルの種類が変更されたことを精度良く検出することができる。見方を換えれば、車両の走行継続中にはオイル交換が行われないので、車両の走行継続中における動作状態値の変化が発生したことではオイルの種類が変更されたとの判断が為されない。
また、前記第5の発明によれば、複数種類の動作状態値は、自動変速機の摩擦係合装置へ供給されるオイルの油圧の値、自動変速機の変速指令開始時点からイナーシャ相開始時点までの時間、自動変速機の変速過渡中における入力回転速度の吹き量、及び入力回転速度の吹き継続時間のうちの少なくとも一つを含んでいるので、オイルの種類が変更されたか否かが適切に判断され得る。
また、前記第6の発明によれば、動作状態値の変化は、車両用エンジンの燃料の種類が変更されたとの判断が為されていない期間における動作状態値の変化であるので、燃料の種類が変更されたことに伴う動作状態値の変化分が含まれない動作状態値の変化を用いて、オイルの種類が変更されたことを精度良く検出することができる。
また、前記第7の発明によれば、複数種類の動作状態値とオイルの種類との関係を示す予め定められた学習モデルを用いたオイルの種類の特定結果を更に加えて、オイルの種類が変更されたか否かが判断されるので、オイルの種類が変更されたことを一層精度良く検出することができる。又、前記学習モデルは、機械学習による教師あり学習にて実現されるので、オイルの種類を精度良く特定することができる学習モデルを構築することができる。
また、前記第8の発明によれば、前記機械学習による教師あり学習にて用いられる教師データは、複数の車両の各々における動作状態値の統計的なデータ及びオイルの種類の統計的なデータに基づいて変更されるので、オイルの種類を一層精度良く特定することができる学習モデルを構築することができる。
本発明が適用される車両の概略構成を説明する図であると共に、車両における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。 図1で例示した機械式有段変速部の変速作動とそれに用いられる係合装置の作動の組み合わせとの関係を説明する作動図表である。 電気式無段変速部と機械式有段変速部とにおける各回転要素の回転速度の相対的関係を表す共線図である。 油圧制御回路を説明する図であり、又、油圧制御回路へ作動油を供給する油圧源を説明する図である。 図4の油圧制御回路に設けられた、係合装置に供給する油圧を調圧するリニアソレノイドバルブの構成を説明する断面図である。 図5のリニアソレノイドバルブの弁特性の一例を示す図である。 有段変速部の変速制御時において摩擦係合装置の係合過渡中におけるソレノイドバルブに対する駆動電流の一例を説明する図である。 有段変速部の変速制御に用いる変速マップと、ハイブリッド走行とモータ走行との切替制御に用いる動力源切替マップとの一例を示す図であって、それぞれの関係を示す図でもある。 有段変速部の変速制御に関連する油種変更判断パラメータの一例を説明する為のタイムチャートである。 ソレノイドバルブによって直接的に係合圧を制御する際に発生する油種変更判断パラメータの急変の一例を説明する図であって、油種変更判断パラメータが変速開始時間の場合を示している。 ソレノイドバルブによって直接的に係合圧を制御する際に発生する油種変更判断パラメータの急変の一例を説明する図であって、油種変更判断パラメータが油圧指令値の学習値の場合を示している。 ソレノイドバルブによって直接的に係合圧を制御する際に発生する油種変更判断パラメータの急変の一例を説明する図であって、油種変更判断パラメータが有段変速部の変速過渡中におけるエンジン回転速度の吹き量の場合を示している。 ソレノイドバルブによって直接的に係合圧を制御する際に発生する油種変更判断パラメータの急変の一例を説明する図であって、油種変更判断パラメータが有段変速部の変速過渡中におけるエンジン回転速度の吹き時間の場合を示している。 電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであり、動力伝達装置に供給されるオイルの種類が変更されたことを精度良く検出する為の制御作動を説明するフローチャートである。 サーバーの詳細を説明する図である。 学習モデルの一例を示す図である。
本発明の実施形態において、前記自動変速機における変速比は、「入力側の回転部材の回転速度/出力側の回転部材の回転速度」である。この変速比におけるハイ側は、変速比が小さくなる側である高車速側である。変速比におけるロー側は、変速比が大きくなる側である低車速側である。例えば、最ロー側変速比は、最も低車速側となる最低車速側の変速比であり、変速比が最も大きな値となる最大変速比である。
また、前記車両は動力源を備えている。前記動力源は、例えば前記車両用エンジンであって、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の機関である。又、前記車両は、前記動力源として、前記車両用エンジンに加えて、又は、前記車両用エンジンに替えて、電動機等を備えていても良い。広義には、前記電動機は機関である。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10に備えられた動力伝達装置12の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、エンジン14と第1回転機MG1と第2回転機MG2とを備えている。動力伝達装置12は、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース16内において共通の軸心上に直列に配設された、電気式無段変速部18及び機械式有段変速部20等を備えている。電気式無段変速部18は、直接的に或いは図示しないダンパーなどを介して間接的にエンジン14に連結されている。機械式有段変速部20は、電気式無段変速部18の出力側に連結されている。又、動力伝達装置12は、機械式有段変速部20の出力回転部材である出力軸22に連結された差動歯車装置24、差動歯車装置24に連結された一対の車軸26等を備えている。動力伝達装置12において、エンジン14や第2回転機MG2から出力される動力は、機械式有段変速部20へ伝達され、その機械式有段変速部20から差動歯車装置24等を介して車両10が備える駆動輪28へ伝達される。尚、以下、トランスミッションケース16をケース16、電気式無段変速部18を無段変速部18、機械式有段変速部20を有段変速部20という。又、動力は、特に区別しない場合にはトルクや力も同意である。又、無段変速部18や有段変速部20等は上記共通の軸心に対して略対称的に構成されており、図1ではその軸心の下半分が省略されている。上記共通の軸心は、エンジン14のクランク軸、後述する連結軸34などの軸心である。
エンジン14は、駆動トルクを発生することが可能な動力源として機能する機関であって、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の公知の内燃機関である。つまり、エンジン14は、燃料の燃焼によって動力を発生する車両用エンジンである。このエンジン14は、後述する電子制御装置90によって車両10に備えられたスロットルアクチュエータや燃料噴射装置や点火装置等のエンジン制御装置50が制御されることによりエンジン14の出力トルクであるエンジントルクTeが制御される。本実施例では、エンジン14は、トルクコンバータやフルードカップリング等の流体式伝動装置を介することなく無段変速部18に連結されている。
第1回転機MG1及び第2回転機MG2は、電動機(モータ)としての機能及び発電機(ジェネレータ)としての機能を有する回転電気機械であって、所謂モータジェネレータである。第1回転機MG1及び第2回転機MG2は、各々、車両10に備えられたインバータ52を介して、車両10に備えられた蓄電装置としてのバッテリ54に接続されている。第1回転機MG1及び第2回転機MG2は、各々、後述する電子制御装置90によってインバータ52が制御されることにより、第1回転機MG1の出力トルクであるMG1トルクTg及び第2回転機MG2の出力トルクであるMG2トルクTmが制御される。回転機の出力トルクは、例えば正回転の場合、加速側となる正トルクでは力行トルクであり、減速側となる負トルクでは回生トルクである。バッテリ54は、第1回転機MG1及び第2回転機MG2の各々に対して電力を授受する蓄電装置である。
無段変速部18は、第1回転機MG1と、エンジン14の動力を第1回転機MG1及び無段変速部18の出力回転部材である中間伝達部材30に機械的に分割する動力分割機構としての差動機構32とを備えている。中間伝達部材30には第2回転機MG2が動力伝達可能に連結されている。無段変速部18は、第1回転機MG1の運転状態が制御されることにより差動機構32の差動状態が制御される電気式無段変速機である。第1回転機MG1は、エンジン14の回転速度であるエンジン回転速度Neを制御可能な回転機であって、差動用回転機に相当する。第2回転機MG2は、駆動トルクを発生することが可能な動力源として機能する回転機であって、走行駆動用回転機に相当する。車両10は、走行用の動力源として、エンジン14及び第2回転機MG2を備えたハイブリッド車両である。動力伝達装置12は、動力源の動力を駆動輪28へ伝達する。尚、第1回転機MG1の運転状態を制御することは、第1回転機MG1の運転制御を行うことである。
差動機構32は、シングルピニオン型の遊星歯車装置にて構成されており、サンギヤS0、キャリアCA0、及びリングギヤR0を備えている。キャリアCA0には連結軸34を介してエンジン14が動力伝達可能に連結され、サンギヤS0には第1回転機MG1が動力伝達可能に連結され、リングギヤR0には第2回転機MG2が動力伝達可能に連結されている。差動機構32において、キャリアCA0は入力要素として機能し、サンギヤS0は反力要素として機能し、リングギヤR0は出力要素として機能する。
有段変速部20は、中間伝達部材30と駆動輪28との間の動力伝達経路の一部を構成する有段変速機としての機械式変速機構、つまり無段変速部18と駆動輪28との間の動力伝達経路の一部を構成する機械式変速機構である。中間伝達部材30は、有段変速部20の入力回転部材としても機能する。中間伝達部材30には第2回転機MG2が一体回転するように連結されているので、又は、無段変速部18の入力側にはエンジン14が連結されているので、有段変速部20は、動力源(第2回転機MG2又はエンジン14)と駆動輪28との間の動力伝達経路の一部を構成する変速機である。中間伝達部材30は、駆動輪28に動力源の動力を伝達する為の伝達部材である。有段変速部20は、例えば第1遊星歯車装置36及び第2遊星歯車装置38の複数組の遊星歯車装置と、ワンウェイクラッチF1を含む、クラッチC1、クラッチC2、ブレーキB1、ブレーキB2の複数の係合装置とを備えている、公知の遊星歯車式の自動変速機である。以下、クラッチC1、クラッチC2、ブレーキB1、及びブレーキB2については、特に区別しない場合は単に係合装置CBという。
係合装置CBは、油圧アクチュエータにより押圧される多板式或いは単板式のクラッチやブレーキ、油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成される、油圧式の摩擦係合装置である。係合装置CBは、車両10に備えられた油圧制御回路56から出力される調圧された係合装置CBの各係合圧としての各油圧Pc1、Pc2、Pb1、Pb2(後述する図4参照)によりそれぞれのトルク容量が変化させられることで、各々、係合や解放などの状態である作動状態が切り替えられる。
有段変速部20は、第1遊星歯車装置36及び第2遊星歯車装置38の各回転要素が、直接的に或いは係合装置CBやワンウェイクラッチF1を介して間接的に、一部が互いに連結されたり、中間伝達部材30、ケース16、或いは出力軸22に連結されている。第1遊星歯車装置36の各回転要素は、サンギヤS1、キャリアCA1、リングギヤR1であり、第2遊星歯車装置38の各回転要素は、サンギヤS2、キャリアCA2、リングギヤR2である。
有段変速部20は、複数の係合装置のうちの何れかの係合装置である例えば所定の係合装置の係合によって、変速比(ギヤ比ともいう)γat(=AT入力回転速度Ni/出力回転速度No)が異なる複数の変速段(ギヤ段ともいう)のうちの何れかのギヤ段が形成される有段変速機である。つまり、有段変速部20は、複数の係合装置の何れかが係合されることで、ギヤ段が切り替えられるすなわち変速が実行される。有段変速部20は、複数のギヤ段の各々が形成される、有段式の自動変速機である。本実施例では、有段変速部20にて形成されるギヤ段をATギヤ段と称す。AT入力回転速度Niは、有段変速部20の入力回転部材の回転速度である有段変速部20の入力回転速度であって、中間伝達部材30の回転速度と同値であり、又、第2回転機MG2の回転速度であるMG2回転速度Nmと同値である。AT入力回転速度Niは、MG2回転速度Nmで表すことができる。出力回転速度Noは、有段変速部20の出力回転速度である出力軸22の回転速度であって、無段変速部18と有段変速部20とを合わせた全体の変速機である複合変速機40の出力回転速度でもある。複合変速機40は、エンジン14と駆動輪28との間の動力伝達経路の一部を構成する自動変速機である。
有段変速部20は、例えば図2の係合作動表に示すように、複数のATギヤ段として、AT1速ギヤ段(図中の「1st」)-AT4速ギヤ段(図中の「4th」)の4段の前進用のATギヤ段が形成される。AT1速ギヤ段の変速比γatが最も大きく、ハイ側のATギヤ段程、変速比γatが小さくなる。又、後進用のATギヤ段(図中の「Rev」)は、例えばクラッチC1の係合且つブレーキB2の係合によって形成される。つまり、後述するように、後進走行を行う際には、例えばAT1速ギヤ段が形成される。図2の係合作動表は、各ATギヤ段と複数の係合装置の各作動状態との関係をまとめたものである。すなわち、図2の係合作動表は、各ATギヤ段と、各ATギヤ段において各々係合される係合装置である所定の係合装置との関係をまとめたものである。図2において、「○」は係合、「△」はエンジンブレーキ時や有段変速部20のコーストダウンシフト時に係合、空欄は解放をそれぞれ表している。
有段変速部20は、後述する電子制御装置90によって、ドライバー(すなわち運転者)のアクセル操作や車速V等に応じて形成されるATギヤ段が切り替えられる、すなわち複数のATギヤ段が選択的に形成される。例えば、有段変速部20の変速制御においては、係合装置CBの何れかの掴み替えにより変速が実行される、すなわち係合装置CBの係合と解放との切替えにより変速が実行される、所謂クラッチツゥクラッチ変速が実行される。本実施例では、例えばAT2速ギヤ段からAT1速ギヤ段へのダウンシフトを2→1ダウンシフトと表す。他のアップシフトやダウンシフトについても同様である。
車両10は、更に、機械式のオイルポンプであるMOP57、電動式のオイルポンプであるEOP58等を備えている。MOP57は、連結軸34に連結されており、エンジン14の回転と共に回転させられて動力伝達装置12にて用いられる作動油OILを吐出する(後述する図4参照)。MOP57は、例えばエンジン14により回転させられて作動油OILを吐出する。EOP58は、車両10に備えられたオイルポンプ専用のモータ59により回転させられて作動油OILを吐出する(後述する図4参照)。MOP57やEOP58が吐出した作動油OILは、係合装置CBの作動状態の切替えなどに用いられる有段変速部20の作動油であって、動力伝達装置12に供給されるオイルである。
図3は、無段変速部18と有段変速部20とにおける各回転要素の回転速度の相対的関係を表す共線図である。図3において、無段変速部18を構成する差動機構32の3つの回転要素に対応する3本の縦線Y1、Y2、Y3は、左側から順に第2回転要素RE2に対応するサンギヤS0の回転速度を表すg軸であり、第1回転要素RE1に対応するキャリアCA0の回転速度を表すe軸であり、第3回転要素RE3に対応するリングギヤR0の回転速度(すなわち有段変速部20の入力回転速度)を表すm軸である。又、有段変速部20の4本の縦線Y4、Y5、Y6、Y7は、左から順に、第4回転要素RE4に対応するサンギヤS2の回転速度、第5回転要素RE5に対応する相互に連結されたリングギヤR1及びキャリアCA2の回転速度(すなわち出力軸22の回転速度)、第6回転要素RE6に対応する相互に連結されたキャリアCA1及びリングギヤR2の回転速度、第7回転要素RE7に対応するサンギヤS1の回転速度をそれぞれ表す軸である。縦線Y1、Y2、Y3の相互の間隔は、差動機構32のギヤ比(歯車比ともいう)ρ0に応じて定められている。又、縦線Y4、Y5、Y6、Y7の相互の間隔は、第1、第2遊星歯車装置36、38の各歯車比ρ1、ρ2に応じて定められている。共線図の縦軸間の関係においてサンギヤとキャリアとの間が「1」に対応する間隔とされるとキャリアとリングギヤとの間が遊星歯車装置の歯車比ρ(=サンギヤの歯数Zs/リングギヤの歯数Zr)に対応する間隔とされる。
図3の共線図を用いて表現すれば、無段変速部18の差動機構32において、第1回転要素RE1にエンジン14(図中の「ENG」参照)が連結され、第2回転要素RE2に第1回転機MG1(図中の「MG1」参照)が連結され、中間伝達部材30と一体回転する第3回転要素RE3に第2回転機MG2(図中の「MG2」参照)が連結されて、エンジン14の回転を中間伝達部材30を介して有段変速部20へ伝達するように構成されている。無段変速部18では、縦線Y2を横切る各直線L0、L0Rにより、サンギヤS0の回転速度とリングギヤR0の回転速度との関係が示される。
又、有段変速部20において、第4回転要素RE4はクラッチC1を介して中間伝達部材30に選択的に連結され、第5回転要素RE5は出力軸22に連結され、第6回転要素RE6はクラッチC2を介して中間伝達部材30に選択的に連結されると共にブレーキB2を介してケース16に選択的に連結され、第7回転要素RE7はブレーキB1を介してケース16に選択的に連結されている。有段変速部20では、係合装置CBの係合解放制御によって縦線Y5を横切る各直線L1、L2、L3、L4、LRにより、出力軸22における「1st」、「2nd」、「3rd」、「4th」、「Rev」の各回転速度が示される。
図3中の実線で示す、直線L0及び直線L1、L2、L3、L4は、少なくともエンジン14を動力源として走行するハイブリッド走行が可能なハイブリッド走行モードでの前進走行における各回転要素の相対速度を示している。このハイブリッド走行モードでは、差動機構32において、キャリアCA0に入力されるエンジントルクTeに対して、第1回転機MG1による負トルクである反力トルクが正回転にてサンギヤS0に入力されると、リングギヤR0には正回転にて正トルクとなるエンジン直達トルクTd(=Te/(1+ρ0)=-(1/ρ0)×Tg)が現れる。そして、要求駆動力に応じて、エンジン直達トルクTdとMG2トルクTmとの合算トルクが車両10の前進方向の駆動トルクとして、AT1速ギヤ段-AT4速ギヤ段のうちの何れかのATギヤ段が形成された有段変速部20を介して駆動輪28へ伝達される。このとき、第1回転機MG1は正回転にて負トルクを発生する発電機として機能する。第1回転機MG1の発電電力Wgは、バッテリ54に充電されたり、第2回転機MG2にて消費される。第2回転機MG2は、発電電力Wgの全部又は一部を用いて、或いは発電電力Wgに加えてバッテリ54からの電力を用いて、MG2トルクTmを出力する。
図3に図示はしていないが、エンジン14を停止させると共に第2回転機MG2を動力源として走行するモータ走行が可能なモータ走行モードでの共線図では、差動機構32において、キャリアCA0はゼロ回転とされ、リングギヤR0には正回転にて正トルクとなるMG2トルクTmが入力される。このとき、サンギヤS0に連結された第1回転機MG1は、無負荷状態とされて負回転にて空転させられる。つまり、モータ走行モードでは、エンジン14は駆動されず、エンジン回転速度Neはゼロとされ、MG2トルクTmが車両10の前進方向の駆動トルクとして、AT1速ギヤ段-AT4速ギヤ段のうちの何れかのATギヤ段が形成された有段変速部20を介して駆動輪28へ伝達される。ここでのMG2トルクTmは、正回転の力行トルクである。
図3中の破線で示す、直線L0R及び直線LRは、モータ走行モードでの後進走行における各回転要素の相対速度を示している。このモータ走行モードでの後進走行では、リングギヤR0には負回転にて負トルクとなるMG2トルクTmが入力され、そのMG2トルクTmが車両10の後進方向の駆動トルクとして、AT1速ギヤ段が形成された有段変速部20を介して駆動輪28へ伝達される。車両10では、後述する電子制御装置90によって、複数のATギヤ段のうちの前進用のロー側のATギヤ段である例えばAT1速ギヤ段が形成された状態で、前進走行時における前進用のMG2トルクTmとは正負が反対となる後進用のMG2トルクTmが第2回転機MG2から出力させられることで、後進走行を行うことができる。ここでは、前進用のMG2トルクTmは正回転の正トルクとなる力行トルクであり、後進用のMG2トルクTmは負回転の負トルクとなる力行トルクである。このように、車両10では、前進用のATギヤ段を用いて、MG2トルクTmの正負を反転させることで後進走行を行う。前進用のATギヤ段を用いることは、前進走行を行うときと同じATギヤ段を用いることである。尚、ハイブリッド走行モードにおいても、直線L0Rのように第2回転機MG2を負回転とすることが可能であるので、モータ走行モードと同様に後進走行を行うことが可能である。
動力伝達装置12では、エンジン14が動力伝達可能に連結された第1回転要素RE1としてのキャリアCA0と第1回転機MG1が動力伝達可能に連結された第2回転要素RE2としてのサンギヤS0と中間伝達部材30が連結された第3回転要素RE3としてのリングギヤR0との3つの回転要素を有する差動機構32を備えて、第1回転機MG1の運転状態が制御されることにより差動機構32の差動状態が制御される電気式変速機構としての無段変速部18が構成される。中間伝達部材30が連結された第3回転要素RE3は、見方を換えれば第2回転機MG2が動力伝達可能に連結された第3回転要素RE3である。つまり、動力伝達装置12では、エンジン14が動力伝達可能に連結された差動機構32と差動機構32に動力伝達可能に連結された第1回転機MG1とを有して、第1回転機MG1の運転状態が制御されることにより差動機構32の差動状態が制御される無段変速部18が構成される。無段変速部18は、入力回転部材となる連結軸34の回転速度と同値であるエンジン回転速度Neと、出力回転部材となる中間伝達部材30の回転速度であるMG2回転速度Nmとの比の値である変速比γ0(=Ne/Nm)が変化させられる電気的な無段変速機として作動させられる。
例えば、ハイブリッド走行モードにおいては、有段変速部20にてATギヤ段が形成されたことで駆動輪28の回転に拘束されるリングギヤR0の回転速度に対して、第1回転機MG1の回転速度を制御することによってサンギヤS0の回転速度が上昇或いは下降させられると、キャリアCA0の回転速度つまりエンジン回転速度Neが上昇或いは下降させられる。従って、ハイブリッド走行では、エンジン14を効率の良い運転点にて作動させることが可能である。つまり、ATギヤ段が形成された有段変速部20と無段変速機として作動させられる無段変速部18とで、無段変速部18と有段変速部20とが直列に配置された複合変速機40全体として無段変速機を構成することができる。
又は、無段変速部18を有段変速機のように変速させることも可能であるので、ATギヤ段が形成される有段変速部20と有段変速機のように変速させる無段変速部18とで、複合変速機40全体として有段変速機のように変速させることができる。つまり、複合変速機40において、エンジン回転速度Neの出力回転速度Noに対する比の値を表す変速比γt(=Ne/No)が異なる複数のギヤ段を選択的に成立させるように、有段変速部20と無段変速部18とを制御することが可能である。本実施例では、複合変速機40にて成立させられるギヤ段を模擬ギヤ段と称する。変速比γtは、直列に配置された、無段変速部18と有段変速部20とで形成されるトータル変速比であって、無段変速部18の変速比γ0と有段変速部20の変速比γatとを乗算した値(γt=γ0×γat)となる。
模擬ギヤ段は、例えば有段変速部20の各ATギヤ段と1又は複数種類の無段変速部18の変速比γ0との組合せによって、有段変速部20の各ATギヤ段に対してそれぞれ1又は複数種類を成立させるように割り当てられる。例えば、AT1速ギヤ段に対して模擬1速ギヤ段-模擬3速ギヤ段が成立させられ、AT2速ギヤ段に対して模擬4速ギヤ段-模擬6速ギヤ段が成立させられ、AT3速ギヤ段に対して模擬7速ギヤ段-模擬9速ギヤ段が成立させられ、AT4速ギヤ段に対して模擬10速ギヤ段が成立させられるように予め定められている。複合変速機40では、出力回転速度Noに対して所定の変速比γtを実現するエンジン回転速度Neとなるように無段変速部18が制御されることによって、あるATギヤ段において異なる模擬ギヤ段が成立させられる。又、複合変速機40では、ATギヤ段の切替えに合わせて無段変速部18が制御されることによって、模擬ギヤ段が切り替えられる。
図1に戻り、車両10は、エンジン14、無段変速部18、及び有段変速部20などの制御に関連する車両10の制御装置を含むコントローラとしての電子制御装置90を備えている。よって、図1は、電子制御装置90の入出力系統を示す図であり、又、電子制御装置90による制御機能の要部を説明する機能ブロック図である。電子制御装置90は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。電子制御装置90は、必要に応じてエンジン制御用、変速制御用等に分けて構成される。
電子制御装置90には、車両10に備えられた各種センサ等(例えばエンジン回転速度センサ60、出力回転速度センサ62、MG1回転速度センサ64、MG2回転速度センサ66、アクセル開度センサ68、スロットル弁開度センサ70、ブレーキペダルセンサ71、ステアリングセンサ72、ドライバ状態センサ73、Gセンサ74、ヨーレートセンサ76、バッテリセンサ78、油温センサ79、車両周辺情報センサ80、車両位置センサ81、外部ネットワーク通信用アンテナ82、ナビゲーションシステム83、運転支援設定スイッチ群84、シフトポジションセンサ85など)による検出値に基づく各種信号等(例えばエンジン回転速度Ne、車速Vに対応する出力回転速度No、第1回転機MG1の回転速度であるMG1回転速度Ng、AT入力回転速度NiであるMG2回転速度Nm、運転者の加速操作の大きさを表す運転者の加速操作量としてのアクセル開度θacc、電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度θth、ホイールブレーキを作動させる為のブレーキペダルが運転者によって操作されている状態を示す信号であるブレーキオン信号Bon、ブレーキペダルの踏力に対応する、運転者によるブレーキペダルの踏込操作の大きさを表すブレーキ操作量Bra、車両10に備えられたステアリングホイールの操舵角θsw及び操舵方向Dsw、ステアリングホイールが運転者によって握られている状態を示す信号であるステアリングオン信号SWon、運転者の状態を示す信号であるドライバ状態信号Drv、車両10の前後加速度Gx、車両10の左右加速度Gy、車両10の鉛直軸まわりの回転角速度であるヨーレートRyaw、バッテリ54のバッテリ温度THbatやバッテリ充放電電流Ibatやバッテリ電圧Vbat、作動油OILの温度である作動油温THoil、車両周辺情報Iard、位置情報Ivp、通信信号Scom、ナビ情報Inavi、自動運転制御やクルーズ制御等の運転支援制御における運転者による設定を示す信号である運転支援設定信号Sset、車両10に備えられたシフトレバーの操作ポジションPOSshなど)が、それぞれ供給される。
運転者の加速操作の大きさを表す運転者の加速操作量は、例えばアクセルペダルなどのアクセル操作部材の操作量であるアクセル操作量であって、車両10に対する運転者の出力要求量である。運転者の出力要求量としては、アクセル開度θaccの他に、スロットル弁開度θthなどを用いることもできる。
ドライバ状態センサ73は、例えば運転者の表情や瞳孔などを撮影するカメラ、運転者の生体情報を検出する生体情報センサなどのうちの少なくとも一つを含んでおり、運転者の視線や顔の向き、眼球や顔の動き、心拍の状態等の運転者の状態を取得する。
車両周辺情報センサ80は、例えばライダー、レーダー、及び車載カメラなどのうちの少なくとも一つを含んでおり、走行中の道路に関する情報や車両周辺に存在する物体に関する情報を直接的に取得する。前記ライダーは、例えば車両10の前方の物体、側方の物体、後方の物体などを各々検出する複数のライダー、又は、車両10の全周囲の物体を検出する一つのライダーであり、検出した物体に関する物体情報を車両周辺情報Iardとして出力する。前記レーダーは、例えば車両10の前方の物体、前方近傍の物体、後方近傍の物体などを各々検出する複数のレーダーなどであり、検出した物体に関する物体情報を車両周辺情報Iardとして出力する。前記ライダーやレーダーによる物体情報には、検出した物体の車両10からの距離と方向とが含まれる。前記車載カメラは、例えば車両10の前方や後方を撮像する単眼カメラ又はステレオカメラであり、撮像情報を車両周辺情報Iardとして出力する。この撮像情報には、走行路の車線、走行路における標識、駐車スペース、及び走行路における他車両200や歩行者や障害物などの情報が含まれる。他車両200は、他車両200a、200b等の車両10とは別の車両であり、基本的には車両10と同様の機能を有している。
車両位置センサ81は、GPSアンテナなどを含んでいる。位置情報Ivpは、GPS(Global Positioning System)衛星が発信するGPS信号(軌道信号)などに基づく地表又は地図上における車両10の位置を示す自車位置情報を含んでいる。
ナビゲーションシステム83は、ディスプレイやスピーカ等を有する公知のナビゲーションシステムである。ナビゲーションシステム83は、位置情報Ivpに基づいて、予め記憶された地図データ上に自車位置を特定する。ナビゲーションシステム83は、ディスプレイに表示した地図上に自車位置を表示する。ナビゲーションシステム83は、目的地が入力されると、出発地から目的地までの走行経路を演算し、ディスプレイやスピーカ等で運転者に走行経路などの指示を行う。ナビ情報Inaviは、例えばナビゲーションシステム83に予め記憶された地図データに基づく道路情報や施設情報などの地図情報などを含んでいる。前記道路情報には、市街地道路、郊外道路、山岳道路、高速自動車道路すなわち高速道路などの道路の種類、道路の分岐や合流、道路の勾配、制限車速などの情報が含まれる。前記施設情報には、スーパー、商店、レストラン、駐車場、公園、車両10を修理する拠点、自宅、高速道路におけるサービスエリアなどの拠点の種類、所在位置、名称などの情報が含まれる。上記サービスエリアは、例えば高速道路で、駐車、食事、給油などの設備のある拠点である。
運転支援設定スイッチ群84は、自動運転制御を実行させる為の自動運転選択スイッチ、クルーズ制御を実行させる為のクルーズスイッチ、クルーズ制御における車速を設定するスイッチ、クルーズ制御における先行車との車間距離を設定するスイッチ、設定された車線を維持して走行するレーンキープ制御を実行させる為のスイッチなどを含んでいる。
通信信号Scomは、例えば道路交通情報通信システムなどの車外装置であるセンターとの間で送受信された道路交通情報など、及び/又は、前記センターを介さずに車両10の近傍にいる他車両との間で直接的に送受信された車車間通信情報などを含んでいる。前記道路交通情報には、例えば道路の渋滞、事故、工事、所要時間、駐車場などの情報が含まれる。前記車車間通信情報は、例えば車両情報、走行情報、交通環境情報などを含んでいる。前記車両情報には、例えば乗用車、トラック、二輪車などの車種を示す情報が含まれる。前記走行情報には、例えば車速V、位置情報、ブレーキペダルの操作情報、ターンシグナルランプの点滅情報、ハザードランプの点滅情報などの情報が含まれる。前記交通環境情報には、例えば道路の渋滞、工事などの情報が含まれる。
電子制御装置90からは、車両10に備えられた各装置(例えばエンジン制御装置50、インバータ52、油圧制御回路56、モータ59、外部ネットワーク通信用アンテナ82、ホイールブレーキ装置86、操舵装置88、情報周知装置89など)に各種指令信号(例えばエンジン14を制御する為のエンジン制御指令信号Se、第1回転機MG1及び第2回転機MG2を各々制御する為の回転機制御指令信号Smg、係合装置CBの作動状態を制御する為の油圧制御指令信号Sat、EOP58の作動を制御する為のEOP制御指令信号Seop、通信信号Scom、ホイールブレーキによる制動トルクを制御する為のブレーキ制御指令信号Sbra、車輪(特には前輪)の操舵を制御する為の操舵制御指令信号Sste、運転者に警告や報知を行う為の情報周知制御指令信号Sinfなど)が、それぞれ出力される。この油圧制御指令信号Satは、有段変速部20の変速を制御する為の油圧制御指令信号でもあり、例えば係合装置CBの各々の油圧アクチュエータへ供給される各油圧Pc1、Pc2、Pb1、Pb2を調圧する各ソレノイドバルブSL1-SL4等(後述する図4参照)を駆動する為の指令信号である。電子制御装置90は、各油圧Pc1、Pc2、Pb1、Pb2の値に対応する油圧指令値を設定し、その油圧指令値に応じた駆動電流又は駆動電圧を油圧制御回路56へ出力する。
ホイールブレーキ装置86は、車輪にホイールブレーキによる制動トルクを付与するブレーキ装置である。ホイールブレーキ装置86は、運転者による例えばブレーキペダルの踏込操作などに応じて、ホイールブレーキに設けられたホイールシリンダへブレーキ油圧を供給する。ホイールブレーキ装置86では、通常時には、ブレーキマスタシリンダから発生させられる、ブレーキ操作量Braに対応した大きさのマスタシリンダ油圧がブレーキ油圧としてホイールシリンダへ供給される。一方で、ホイールブレーキ装置86では、例えばABS制御時、横滑り抑制制御時、車速制御時、自動運転制御時などには、ホイールブレーキによる制動トルクの発生の為に、各制御で必要なブレーキ油圧がホイールシリンダへ供給される。上記車輪は、駆動輪28及び不図示の従動輪である。
操舵装置88は、例えば車速V、操舵角θsw及び操舵方向Dsw、ヨーレートRyawなどに応じたアシストトルクを車両10の操舵系に付与する。操舵装置88では、例えば自動運転制御時などには、前輪の操舵を制御するトルクを車両10の操舵系に付与する。
情報周知装置89は、例えば車両10の走行に関わる何らかの部品が故障したり、その部品の機能が低下した場合に、運転者に対して警告や報知を行う装置である。情報周知装置89は、例えばモニタやディスプレイやアラームランプ等の表示装置、及び/又はスピーカやブザー等の音出力装置などである。前記表示装置は、運転者に対して視覚的な警告や報知を行う装置である。音出力装置は、運転者に対して聴覚的な警告や報知を行う装置である。
図4は、油圧制御回路56を説明する図であり、又、油圧制御回路56へ作動油OILを供給する油圧源を説明する図である。図4において、MOP57とEOP58とは、作動油OILが流通する油路の構成上、並列に設けられている。MOP57及びEOP58は、各々、係合装置CBの各々の作動状態を切り替えたり、動力伝達装置12の各部に潤滑油を供給したりする為の油圧の元となる作動油OILを吐出する。MOP57及びEOP58は、各々、ケース16の下部に設けられたオイルパン100に還流した作動油OILを、共通の吸い込み口であるストレーナ102を介して吸い上げて、各々の吐出油路104、106へ吐出する。吐出油路104、106は、各々、油圧制御回路56が備える油路、例えばライン圧PLが流通する油路であるライン圧油路108に連結されている。MOP57から作動油OILが吐出される吐出油路104は、油圧制御回路56に備えられたMOP用チェックバルブ110を介してライン圧油路108に連結されている。EOP58から作動油OILが吐出される吐出油路106は、油圧制御回路56に備えられたEOP用チェックバルブ112を介してライン圧油路108に連結されている。MOP57は、エンジン14と共に回転して作動油圧を発生する。EOP58は、モータ59により回転させられて作動油圧を発生する。EOP58は、エンジン14の回転状態に拘わらず作動油圧を発生することができる。EOP58は、例えばモータ走行モードでの走行時に作動させられる。
油圧制御回路56は、前述したライン圧油路108、MOP用チェックバルブ110、及びEOP用チェックバルブ112の他に、レギュレータバルブ114、切替えバルブ116、供給油路118、排出油路120、各ソレノイドバルブSLT、S1、S2、SL1-SL4などを備えている。
レギュレータバルブ114は、MOP57及びEOP58の少なくとも一方が吐出する作動油OILを元にしてライン圧PLを調圧する。ソレノイドバルブSLTは、例えばリニアソレノイドバルブであり、有段変速部20への入力トルク等に応じたパイロット圧Psltをレギュレータバルブ114へ出力するように電子制御装置90により制御される。これにより、ライン圧PLは、有段変速部20の入力トルク等に応じた油圧とされる。ソレノイドバルブSLTに入力される元圧は、例えばライン圧PLを元圧として不図示のモジュレータバルブによって一定値に調圧されたモジュレータ圧PMである。
切替えバルブ116は、ソレノイドバルブS1、S2から出力される油圧に基づいて油路が切り替えられる。ソレノイドバルブS1、S2は、何れも例えばオンオフソレノイドバルブであり、各々、油圧を切替えバルブ116へ出力するように電子制御装置90により制御される。切替えバルブ116は、ソレノイドバルブS2から油圧が出力され且つソレノイドバルブS1から油圧が出力されない状態とされると、ライン圧油路108と供給油路118とを接続するように油路が切り替えられる。切替えバルブ116は、ソレノイドバルブS1、S2から共に油圧が出力されるか或いはソレノイドバルブS1、S2から共に油圧が出力されないか或いはソレノイドバルブS1から油圧が出力され且つソレノイドバルブS2から油圧が出力されない状態とされると、ライン圧油路108と供給油路118との間の油路を遮断し、供給油路118を排出油路120に接続するように油路が切り替えられる。供給油路118は、ソレノイドバルブSL2、SL3に入力される元圧が流通する油路である。排出油路120は、油圧制御回路56内の作動油OILを油圧制御回路56の外へ排出する、すなわち作動油OILをオイルパン100へ還流する大気開放油路である。電子制御装置90は、例えば操作ポジションPOSshが車両10の前進走行を可能とする複合変速機40の前進走行ポジションを選択するD操作ポジションとされている場合には、ソレノイドバルブS2が油圧を出力し且つソレノイドバルブS1が油圧を出力しない為の油圧制御指令信号Satを油圧制御回路56へ出力する。電子制御装置90は、例えば操作ポジションPOSshが車両10の後進走行を可能とする複合変速機40の後進走行ポジションを選択するR操作ポジションとされている場合には、ソレノイドバルブS1、S2が各々油圧を出力する為の油圧制御指令信号Satを油圧制御回路56へ出力する。
ソレノイドバルブSL1-SL4は、何れも例えばリニアソレノイドバルブであり、各油圧Pc1、Pc2、Pb1、Pb2を係合装置CBの各々の油圧アクチュエータへ出力するように電子制御装置90により制御される。ソレノイドバルブSL1は、ライン圧PLを元圧として、クラッチC1の油圧アクチュエータへ供給するC1油圧Pc1を調圧する。ソレノイドバルブSL2は、切替えバルブ116を介したライン圧PLを元圧として、クラッチC2の油圧アクチュエータへ供給するC2油圧Pc2を調圧する。ソレノイドバルブSL3は、切替えバルブ116を介したライン圧PLを元圧として、ブレーキB1の油圧アクチュエータへ供給するB1油圧Pb1を調圧する。ソレノイドバルブSL4は、ライン圧PLを元圧として、ブレーキB2の油圧アクチュエータへ供給するB2油圧Pb2を調圧する。
図5は、ソレノイドバルブSL1-SL4の構成を説明する断面図である。ソレノイドバルブSL1-SL4は、基本的には何れも同じ構成であるので、ソレノイドバルブSL1を例示している。ソレノイドバルブSL1は、通電されることにより電気エネルギを駆動力に変換するソレノイド122と、ソレノイド122の駆動によりライン圧PLを調圧してC1油圧Pc1を発生させる調圧部124とを備えている。ソレノイド122は、円筒状の巻芯126と、巻芯126の外周に導線が巻回されたコイル128と、巻芯126の内部を軸心方向に移動可能に設けられたコア130と、コア130における調圧部124とは反対側の端部に固設されたプランジャ132と、巻芯126、コイル128、コア130、及びプランジャ132を格納するケース134と、ケース134の開口に嵌め着けられたカバー136とを備えている。調圧部124は、ケース134に嵌め着けられたスリーブ138と、スリーブ138の内部を軸心方向に移動可能に設けられたスプール弁子140と、スプール弁子140をソレノイド122側に付勢するスプリング142とを備えている。スプール弁子140におけるソレノイド122側の端部は、コア130における調圧部124側の端部に当接させられている。このように構成されたソレノイドバルブSL1では、コイル128に駆動電流が流されると、その駆動電流の大きさに応じてプランジャ132がコア130及びスプール弁子140に共通の軸心方向に移動させられ、それに伴ってコア130及びスプール弁子140が同方向に移動させられる。これにより、入力ポート144から入力される作動油OILの流量及びドレンポート146から排出される作動油OILの流量が調節され、例えば図6に示すような駆動電流と出力圧との予め定められた関係であるリニアソレノイドバルブの弁特性に従って入力ポート144に入力されるライン圧PLが調圧され、調圧後のC1油圧Pc1が出力ポート148から出力される。
図7は、有段変速部20の変速制御時に係合させられる係合側の摩擦係合装置の油圧を調圧するソレノイドバルブSLに対する係合過渡中における油圧指令値に応じた駆動電流の一例を説明する図である。図7において、t1a時点は、有段変速部20を変速制御において係合側の摩擦係合装置に対する油圧制御指令信号Satの出力が開始された時点を示している。油圧制御指令信号Satの出力開始後、t2a時点までのクイックアプライ区間では駆動電流が急激に大きくされる。次いで、t3a時点までの定圧待機区間では、係合側の摩擦係合装置の係合圧を係合直前状態の定圧待機圧とする為の大きさに駆動電流値が維持される。次いで、MG2回転速度Nm又はエンジン回転速度Neが変速後の回転速度と同期したとの同期判断が為されるまでのスイープ期間では、係合側の摩擦係合装置の係合圧を緩やかに上昇させる為の駆動電流値が出力される(t3a時点-t4a時点参照)。同期判断が為されると、駆動電流値が最大値まで上昇させられる(t4a時点参照)。
図1に戻り、車両10は、更に、送受信機150、第1ゲートウェイECU152、第2ゲートウェイECU154、コネクタ156等を備えている。
送受信機150は、車両10とは別に存在する、車両10とは別の車外装置であるサーバー210と通信する機器である。サーバー210は、車両10外部のネットワーク上におけるシステムである。サーバー210は、車両状態情報や車両現象情報等の各種情報を、受け付けたり、処理したり、解析したり、蓄積したり、提供したりする。サーバー210は、車両10との間でと同様に、他車両200との間で、各種情報を送受信する。送受信機150は、サーバー210を介さずに車両10の近傍にいる他車両200との間で直接的に通信する機能を有していても良い。前記車両状態情報は、例えば各種センサ等により検出された車両10の走行に関わる走行状態、つまり車両10の動作状態を示す情報である。この走行状態は、例えばアクセル開度θacc、車速Vなどである。前記車両現象情報は、例えば車両10で生じる現象を示す情報である。この現象は、例えば不図示のマイクロフォンにより検出された車内の音つまり音圧、Gセンサ74により検出された搭乗者が感じる振動などである。尚、外部ネットワーク通信用アンテナ82を介してサーバー210との間で無線通信が行われても良い。
第1ゲートウェイECU152及び第2ゲートウェイECU154は、各々、電子制御装置90と同様のハード構成を備えており、例えば電子制御装置90内の書き換え可能なROMに記憶されたプログラム及び/又はデータの書き換え用に設けられた中継装置である。第1ゲートウェイECU152は、送受信機150と接続されており、例えば送受信機150とサーバー210との間での無線通信を用いて、電子制御装置90内の上記ROMに記憶されたプログラムを書き換える為のものである。サーバー210は、書き換え用のプログラムを配信するソフト配信センターとして機能する。第2ゲートウェイECU154は、コネクタ156を介して車両10とは別の車外装置である外部書き換え装置220と機械的に連結可能とされており、例えば外部書き換え装置220を用いて、電子制御装置90内の上記ROMに記憶されたプログラムを書き換える為のものである。
電子制御装置90は、車両10における各種制御を実現する為に、AT変速制御手段すなわちAT変速制御部92、ハイブリッド制御手段すなわちハイブリッド制御部94、及び運転制御手段すなわち運転制御部96を備えている。
AT変速制御部92は、予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された関係すなわち予め定められた関係である例えば図8に示すようなATギヤ段変速マップを用いて有段変速部20の変速判断を行い、必要に応じて有段変速部20の変速制御を実行する為の油圧制御指令信号Satを油圧制御回路56へ出力する。上記ATギヤ段変速マップは、例えば車速V及び要求駆動力Frdemを変数とする二次元座標上に、有段変速部20の変速が判断される為の変速線を有する所定の関係である。ここでは、車速Vに替えて出力回転速度Noなどを用いても良いし、又、要求駆動力Frdemに替えて要求駆動トルクTrdemやアクセル開度θaccやスロットル弁開度θthなどを用いても良い。上記ATギヤ段変速マップにおける各変速線は、実線に示すようなアップシフトが判断される為のアップシフト線、及び破線に示すようなダウンシフトが判断される為のダウンシフト線である。
ハイブリッド制御部94は、エンジン14の作動を制御するエンジン制御手段すなわちエンジン制御部としての機能と、インバータ52を介して第1回転機MG1及び第2回転機MG2の作動を制御する回転機制御手段すなわち回転機制御部としての機能を含んでおり、それら制御機能によりエンジン14、第1回転機MG1、及び第2回転機MG2によるハイブリッド駆動制御等を実行する。ハイブリッド制御部94は、予め定められた関係である例えば駆動要求量マップにアクセル開度θacc及び車速Vを適用することで駆動要求量としての駆動輪28における要求駆動力Frdemを算出する。前記駆動要求量としては、要求駆動力Frdem[N]の他に、駆動輪28における要求駆動トルクTrdem[Nm]、駆動輪28における要求駆動パワーPrdem[W]、出力軸22における要求AT出力トルク等を用いることもできる。
ハイブリッド制御部94は、バッテリ54の充電可能電力Winや放電可能電力Wout等を考慮して、要求駆動トルクTrdemと車速Vとに基づく要求駆動パワーPrdemを実現するように、エンジン14を制御する指令信号であるエンジン制御指令信号Seと、第1回転機MG1及び第2回転機MG2を制御する指令信号である回転機制御指令信号Smgとを出力する。エンジン制御指令信号Seは、例えばそのときのエンジン回転速度NeにおけるエンジントルクTeを出力するエンジン14のパワーであるエンジンパワーPeの指令値である。回転機制御指令信号Smgは、例えばエンジントルクTeの反力トルクとしての指令出力時のMG1回転速度NgにおけるMG1トルクTgを出力する第1回転機MG1の発電電力Wgの指令値であり、又、指令出力時のMG2回転速度NmにおけるMG2トルクTmを出力する第2回転機MG2の消費電力Wmの指令値である。
バッテリ54の充電可能電力Winは、バッテリ54の入力電力の制限を規定する入力可能電力であり、バッテリ54の放電可能電力Woutは、バッテリ54の出力電力の制限を規定する出力可能電力である。バッテリ54の充電可能電力Winや放電可能電力Woutは、例えばバッテリ温度THbat及びバッテリ54の充電状態値SOC[%]に基づいて電子制御装置90により算出される。バッテリ54の充電状態値SOCは、バッテリ54の充電状態を示す値であり、例えばバッテリ充放電電流Ibat及びバッテリ電圧Vbatなどに基づいて電子制御装置90により算出される。
ハイブリッド制御部94は、例えば無段変速部18を無段変速機として作動させて複合変速機40全体として無段変速機として作動させる場合、エンジン最適燃費点等を考慮して、要求駆動パワーPrdemを実現するエンジンパワーPeが得られるエンジン回転速度NeとエンジントルクTeとなるように、エンジン14を制御すると共に第1回転機MG1の発電電力Wgを制御することで、無段変速部18の無段変速制御を実行して無段変速部18の変速比γ0を変化させる。この制御の結果として、無段変速機として作動させる場合の複合変速機40の変速比γtが制御される。
ハイブリッド制御部94は、例えば無段変速部18を有段変速機のように変速させて複合変速機40全体として有段変速機のように変速させる場合、予め定められた関係である例えば模擬ギヤ段変速マップを用いて複合変速機40の変速判断を行い、AT変速制御部92による有段変速部20のATギヤ段の変速制御と協調して、複数の模擬ギヤ段を選択的に成立させるように無段変速部18の変速制御を実行する。複数の模擬ギヤ段は、それぞれの変速比γtを維持できるように車速Vに応じて第1回転機MG1によりエンジン回転速度Neを制御することによって成立させることができる。各模擬ギヤ段の変速比γtは、車速Vの全域に亘って必ずしも一定値である必要はなく、所定領域で変化させても良いし、各部の回転速度の上限や下限等によって制限が加えられても良い。このように、ハイブリッド制御部94は、エンジン回転速度Neを有段変速のように変化させる変速制御が可能である。複合変速機40全体として有段変速機のように変速させる模擬有段変速制御は、例えば運転者によってスポーツ走行モード等の走行性能重視の走行モードが選択された場合や要求駆動トルクTrdemが比較的大きい場合に、複合変速機40全体として無段変速機として作動させる無段変速制御に優先して実行するだけでも良いが、所定の実行制限時を除いて基本的に模擬有段変速制御が実行されても良い。
ハイブリッド制御部94は、走行モードとして、モータ走行モード或いはハイブリッド走行モードを走行状態に応じて選択的に成立させる。例えば、ハイブリッド制御部94は、要求駆動パワーPrdemが予め定められた閾値よりも小さなモータ走行領域にある場合には、モータ走行モードを成立させる一方で、要求駆動パワーPrdemが予め定められた閾値以上となるハイブリッド走行領域にある場合には、ハイブリッド走行モードを成立させる。図8の一点鎖線Aは、車両10の走行用の動力源を、少なくともエンジン14とするか、第2回転機MG2のみとするかを切り替える為の境界線である。すなわち、図8の一点鎖線Aは、ハイブリッド走行とモータ走行とを切り替える為のハイブリッド走行領域とモータ走行領域との境界線である。この図8の一点鎖線Aに示すような境界線を有する予め定められた関係は、車速V及び要求駆動力Frdemを変数とする二次元座標で構成された動力源切替マップの一例である。尚、図8では、便宜上、この動力源切替マップをATギヤ段変速マップと共に示している。
ハイブリッド制御部94は、要求駆動パワーPrdemがモータ走行領域にあるときであっても、バッテリ54の充電状態値SOCが予め定められたエンジン始動閾値未満となる場合には、ハイブリッド走行モードを成立させる。モータ走行モードは、エンジン14を停止した状態で第2回転機MG2により駆動トルクを発生させて走行する走行状態である。ハイブリッド走行モードは、エンジン14を運転した状態で走行する走行状態である。前記エンジン始動閾値は、エンジン14を強制的に始動してバッテリ54を充電する必要がある充電状態値SOCであることを判断する為の予め定められた閾値である。
ハイブリッド制御部94は、エンジン14の運転停止時にハイブリッド走行モードを成立させた場合には、エンジン14を始動する始動制御を行う。ハイブリッド制御部94は、エンジン14を始動するときには、第1回転機MG1によりエンジン回転速度Neを上昇させつつ、エンジン回転速度Neが点火可能な所定回転速度以上となったときに点火することでエンジン14を始動する。すなわち、ハイブリッド制御部94は、第1回転機MG1によりエンジン14をクランキングすることでエンジン14を始動する。
運転制御部96は、車両10の運転制御として、運転者の運転操作に基づいて走行する手動運転制御と、運転者の運転操作に因らず車両10を運転する運転支援制御とを行うことが可能である。前記手動運転制御は、運転者の運転操作による手動運転にて走行する運転制御である。その手動運転は、アクセル操作、ブレーキ操作、操舵操作などの運転者の運転操作によって車両10の通常走行を行う運転方法である。前記運転支援制御は、例えば運転操作を自動的に支援する運転支援にて走行する運転制御である。その運転支援は、運転者の運転操作(意思)に因らず、各種センサからの信号や情報等に基づく電子制御装置90による制御により加減速、制動などを自動的に行うことによって車両10の走行を行う運転方法である。前記運転支援制御は、例えば運転者により入力された目的地や地図情報などに基づいて自動的に目標走行状態を設定し、その目標走行状態に基づいて加減速、制動、操舵などを自動的に行う自動運転制御などである。尚、広義には、操舵操作などの一部の運転操作を運転者が行い、加減速、制動などを自動的に行うようなクルーズ制御を運転支援制御に含めても良い。
運転制御部96は、運転支援設定スイッチ群84における自動運転選択スイッチやクルーズスイッチなどがオフとされて運転支援による運転が選択されていない場合には、手動運転モードを成立させて手動運転制御を実行する。運転制御部96は、有段変速部20やエンジン14や回転機MG1、MG2を各々制御する指令をAT変速制御部92及びハイブリッド制御部94に出力することで手動運転制御を実行する。
運転制御部96は、運転者によって運転支援設定スイッチ群84における自動運転選択スイッチが操作されて自動運転が選択されている場合には、自動運転モードを成立させて自動運転制御を実行する。具体的には、運転制御部96は、運転者により入力された目的地、位置情報Ivpに基づく自車位置情報、ナビ情報Inaviなどに基づく地図情報、及び車両周辺情報Iardに基づく走行路における各種情報等に基づいて、自動的に目標走行状態を設定する。運転制御部96は、設定した目標走行状態に基づいて加減速と制動と操舵とを自動的に行うように、有段変速部20やエンジン14や回転機MG1、MG2を各々制御する指令をAT変速制御部92及びハイブリッド制御部94に出力することに加え、必要な制動トルクを得る為のブレーキ制御指令信号Sbraをホイールブレーキ装置86に出力し、前輪の操舵を制御する為の操舵制御指令信号Ssteを操舵装置88に出力することで自動運転制御を行う。
ところで、動力伝達装置12に供給される作動油OILは、経時劣化する。作動油OILの劣化は、有段変速部20の変速制御等の車両10の制御性を悪化させる可能性がある。一般的には、劣化が進行する前に作動油OILの交換つまりオイル交換が行われる。オイル交換の際には、オイル交換前とは異なる種類の作動油OILが用いられる場合がある。このような場合、車両10の動作状態を表す動作状態値が大きく変化するなど、オイル交換後の車両10の制御性が悪化してしまうおそれがある。この動作状態値は、アクセル開度θacc、車速Vなどであるが、特には、作動油OILの種類の違いによって変化し得る値である。本実施例では、作動油OILの種類を作動油種といい、又、この作動油OILの種類の違いによって変化し得る値を油種変更判断パラメータという。
例えば、有段変速部20の変速制御に関連する複数種類の油種変更判断パラメータは、各油圧Pc1、Pc2、Pb1、Pb2の値、変速開始時間、自動変速機の入力回転速度の吹き量、及び自動変速機の入力回転速度の吹き継続時間のうちの少なくとも一つを含んでいる。上記各油圧Pc1、Pc2、Pb1、Pb2の値は、有段変速部20の変速制御における油圧指令値であり、例えば学習制御によって補正された油圧指令値の学習値である。この油圧指令値は、どの変速段間の変速であるか、パワーオン又はパワーオフの変速であるかなどによって複数種類の油種変更判断パラメータがある。又、各油圧Pc1、Pc2、Pb1、Pb2を各々検出する油圧センサが車両10に備えられている場合には、上記各油圧Pc1、Pc2、Pb1、Pb2の値は、実油圧の値でも良い。上記変速開始時間は、有段変速部20の変速指令開始時点からイナーシャ相開始時点までの時間である。上記変速指令開始時点は、有段変速部20の変速制御における油圧指令値の出力が開始された時点である。上記イナーシャ相開始時点は、例えば有段変速部20の変速制御の過渡中すなわち変速過渡中に、エンジン回転速度Ne又はMG2回転速度Nmが変速後の同期回転速度に向かって変化を開始したと判定された時点である。上記自動変速機の入力回転速度の吹き量は、例えば有段変速部20の変速過渡中におけるMG2回転速度Nmの吹きが発生したときのMG2回転速度Nmの吹き量である。MG2回転速度Nmの吹きは、MG2回転速度Nmが有段変速部20のギヤ比γatと出力回転速度Noとに基づく回転速度に対して回転上昇する現象であり、MG2回転速度Nmの吹き量は、その吹きの発生時に回転上昇した分の回転速度である。前述したように、複合変速機40全体として有段変速機のように変速させる場合、有段変速部20の変速制御と協調して、複数の模擬ギヤ段を選択的に成立させるように変速制御が実行される。従って、複合変速機40の入力回転速度であるエンジン回転速度Neにも吹きが発生する可能性がある。上記自動変速機の入力回転速度の吹き量は、例えば有段変速部20の変速過渡中におけるエンジン回転速度Neの吹きが発生したときのエンジン回転速度Neの吹き量である。エンジン回転速度Neの吹きは、エンジン回転速度Neが複合変速機40の変速比γtと出力回転速度Noとに基づく回転速度に対して回転上昇する現象であり、エンジン回転速度Neの吹き量は、その吹きの発生時に回転上昇した分の回転速度である。上記自動変速機の入力回転速度の吹き継続時間は、例えば上記吹きが発生したときのMG2回転速度Nm又はエンジン回転速度Neの吹き継続時間である。本実施例では、吹き継続時間を吹き時間ともいう。
図9は、有段変速部20の変速制御に関連する油種変更判断パラメータの一例を説明する為のタイムチャートである。図9において、t1b時点-t3b時点は、有段変速部20の2→3アップシフトが実行されている変速過渡中を示している。有段変速部20の変速過渡中において、エンジン回転速度Ne又はMG2回転速度Nmの吹きを収束させる学習制御が実施される。つまり、有段変速部20のクラッチツゥクラッチ変速の過渡中におけるエンジン回転速度Ne又はMG2回転速度Nmの吹き量が例えば微少吹き量の範囲内に収まるように学習制御が実施されて油圧指令値が補正される。具体的には、有段変速部20の変速過渡中にエンジン回転速度Ne又はMG2回転速度Nmの吹きが発生した場合に(t2b時点付近参照)、吹き量が大きいときは、次回の2→3アップシフトにおける係合側の油圧となるC2油圧の初期油圧が高くされ、吹き量が無いか又は極めて小さいときは、次回のC2油圧の初期油圧が低くされる。上記初期油圧は、例えばクイックアプライ区間の油圧指令値(図7のt1a時点-t2a時点参照)、定圧待機区間の油圧指令値(図7のt2a時点-t3a時点参照)などである。油圧指令値の補正によってエンジン回転速度Ne又はMG2回転速度Nmの吹き量が微少吹き量の範囲内に収まると、学習制御が完了させられる。尚、前記学習制御では、吹き量に替えて吹き時間が所定吹き時間内に収まるように油圧指令値が補正されても良い。
有段変速部20の油圧指令値の学習制御が完了した後に、前記吹き量又は前記吹き時間の急変が発生した場合には、オイル交換時に作動油種が変更された可能性がある。他の油種変更判断パラメータについても同様であり、油種変更判断パラメータの急変が発生した場合には、オイル交換時に作動油種が変更された可能性がある。作動油種が変更されたことを検出できれば、例えば油圧指令値の学習制御における補正量を作動油種の変更に応じて切り替えたりして学習制御を速やかに完了させるなど、オイル交換後の対応を速やかに行うことができ、オイル交換後の車両10の制御性の悪化を抑制することが可能となる。
図10、図11、図12、図13は、ソレノイドバルブSL1-SL4によって直接的に油圧Pc1、Pc2、Pb1、Pb2を制御する際に発生する油種変更判断パラメータの急変の一例を説明する図である。図10、図11、図12、図13では、各々、有段変速部20の油圧指令値の学習制御が完了した後における有段変速部20の変速制御の実行順に、油種変更判断パラメータの検出結果が示されている。図10は、油種変更判断パラメータが変速開始時間の場合を示している。学習制御完了後の変速開始時間は、作動油種が同じである場合は安定する。図10に示すように、急に変速開始時間が延びた場合には、作動油種が変更されたと判断することができる。図11は、油種変更判断パラメータが油圧指令値の学習値の場合を示している。学習制御が一通り行われると、この学習値が安定する。図11中の油圧指令値における第1油圧は、クイックアプライ区間の油圧指令値(図7のt1a時点-t2a時点参照)である。図11中の油圧指令値における第2油圧は、スイープ期間の油圧指令値(t3a時点-t4a時点参照)において、油圧の応答性を早める為に上昇させられる油圧指令値である。図11に示すように、例えば急に第2油圧学習値が変化した場合には、作動油種が変更されたと判断することができる。尚、定圧待機区間の油圧指令値(図7のt2a時点-t3a時点参照)なども学習制御の対象となり得る。図12は、油種変更判断パラメータが有段変速部20の変速過渡中におけるエンジン回転速度Neの吹き量の場合を示している。学習制御が一通り行われると、この吹き量が安定する。図12に示すように、急に吹き量が変化した場合には、作動油種が変更されたと判断することができる。図13は、油種変更判断パラメータが有段変速部20の変速過渡中におけるエンジン回転速度Neの吹き時間の場合を示している。学習制御が一通り行われると、この吹き時間が安定する。図13に示すように、急に吹き時間が変化した場合には、作動油種が変更されたと判断することができる。
図10-図13を用いて示したように、ある一つの油種変更判断パラメータの急変を判定すれば作動油種が変更されたことを検出することが可能である。作動油種が変更されたことに合わせて、オイル交換後の対応を行うのであれば、作動油種が変更されたことを精度良く検出することが望ましい。そこで、電子制御装置90は、少なくとも二つの油種変更判断パラメータの急変を各々判定した場合に、作動油種が変更されたと判断する。
具体的には、電子制御装置90は、作動油種が変更されたことを精度良く検出するという制御機能を実現する為に、更に、油種変更判断手段すなわち油種変更判断部98を備えている。
油種変更判断部98は、複数種類の油種変更判断パラメータのうちの少なくとも二つの油種変更判断パラメータが各々の所定値を超えるような変化が重なって発生したか否かに基づいて、オイル交換によって作動油種が変更されたか否かを判断する。
本実施例では、複数種類の油種変更判断パラメータのうちの二つの油種変更判断パラメータを用いて作動油種の変更を判断する。二つの油種変更判断パラメータは、例えば図10-図13を用いて示した四つの油種変更判断パラメータのうちの二つの油種変更判断パラメータである。又は、例えば有段変速部20の1→2アップシフトと2→3アップシフトとではクラッチツゥクラッチ変速に用いられる係合装置CBが異なるので、二つの油種変更判断パラメータは、例えば同じ変速開始時間でも、異なる変速の種類毎のうちの二つの油種変更判断パラメータとしても良い。本実施例では、二つの油種変更判断パラメータのうちの一方を油種変更第1パラメータと称し、他方を油種変更第2パラメータと称する。前記所定値は、例えば図10-図13中に示した、作動油種が変更されたことを判断する為の予め定められた油種変更判定閾値である。この油種変更判定閾値は、油種変更判断パラメータ毎に各々予め定められた値である。
以下、作動油種が車両10の工場出荷時の作動油種から変更された場合を例示して、作動油種の変更を判断することについて説明する。本実施例では、車両10の工場出荷時の作動油種を純正油つまり純正品と称する。
油種変更判断パラメータが油種変更判定閾値を超えるような変化は、作動油種が純正品であるときの油種変更判断パラメータに対する、所定の短期間における油種変更判断パラメータの油種変更判定閾値を超える変化である。前記所定の短期間は、例えば最新の制御過渡中の油種変更判断パラメータと、最新よりも一回前の制御過渡中の油種変更判断パラメータ又は最新よりも前の数回分の制御過渡中の油種変更判断パラメータの平均値とを比較する期間である。又は、前記所定の短期間は、例えば油種変更判定閾値を超えて変化したときの制御過渡中の油種変更判断パラメータを含むそれ以降の数回分の制御過渡中の油種変更判断パラメータの平均値と、油種変更判定閾値を超えて変化したときの制御過渡中よりも一回前の制御過渡中の油種変更判断パラメータ又は油種変更判定閾値を超えて変化したときの制御過渡中よりも前の数回分の制御過渡中の油種変更判断パラメータの平均値とを比較する期間である。上記制御過渡中は、例えば有段変速部20の変速過渡中である。
ある程度使用された純正品から新品の純正品へ作動油種が変更された際にも、油種変更判断パラメータが変化する可能性がある。従って、油種変更判断部98は、作動油種が純正品から純正品へ変更されたときよりも大きく油種変更判断パラメータが変化した場合に、作動油種が変更されたと判断する。例えば、サーバー210は、他車両200を含む複数の車両の各々において作動油OILが純正品から純正品へ交換された際のオイル交換前後の各油種変更判断パラメータの変化を取得し、その各油種変更判断パラメータの変化をそれぞれ平均化した各平均値をビッグデータとして記憶する。電子制御装置90は、各油種変更判断パラメータに対応する前記ビッグデータを必要に応じてサーバー210から取得し、各油種変更判断パラメータ毎の油種変更判定閾値の基準値とする。電子制御装置90は、上記基準値に、作動油種が変更されたことを判断する為の所定変化分を加算した値を油種変更判定閾値に設定する。
オイル交換は、車両10が駆動トルクを発生し得ないオフ状態すなわちイグニッションオフの状態とされているときに行われる。見方を換えれば、車両10が駆動トルクを発生し得るオン状態すなわちアクセルオンとされれば車両10が駆動トルクを発生する状態であるイグニッションオンの状態とされているときにはオイル交換は行われない。従って、車両10の走行継続中にはオイル交換が行われない為、車両10の走行継続中における油種変更判断パラメータの変化に基づいて作動油種が変更されたか否かを判断することは適切でない。その為、油種変更判断部98は、イグニッションオン直前の制御過渡中の油種変更判断パラメータに対するイグニッションオン直後の制御過渡中の油種変更判断パラメータの変化を識別し、イグニッションオフの状態からイグニッションオンの状態へ切り替えられたときだけ、作動油種が変更されたか否かを判断するようにしても良い。つまり、作動油種が変更されたか否かの判断に用いられる油種変更判断パラメータの変化は、イグニッションオンの状態からイグニッションオフの状態へ切り替えられる前の制御過渡中の油種変更判断パラメータに対する、イグニッションオフの状態からイグニッションオンの状態へ切り替えられた後の制御過渡中の油種変更判断パラメータの変化である。
エンジン14の燃料の種類が変更されると、例えばエンジントルクTeの出方が変化して油種変更判断パラメータが変化する可能性がある。従って、エンジン14の燃料の種類の変更前後における制御過渡中の油種変更判断パラメータの変化に基づいて作動油種が変更されたか否かを判断することは適切でない。その為、作動油種が変更されたか否かの判断に用いられる油種変更判断パラメータの変化は、エンジン14の燃料の種類が変更されたとの判断が為されていない期間における油種変更判断パラメータの変化である。
油種変更判断部98は、エンジン14の燃料の種類が変更されたか否かを判定する。例えば、油種変更判断部98は、エンジン14の燃料の性状を判定する公知の方法に基づいて、燃料の性状が変更されたか否かを判定する。油種変更判断部98は、燃料の性状が変更されたと判定した場合には、燃料の種類が変更されたと判定する。エンジン14の燃料の性状の違いは、例えば重質燃料と軽質燃料との違いである。又は、エンジン14の燃料の種類は、寒冷地用燃料と通常用燃料とで変更される場合もある。
油種変更判断部98は、エンジン14の燃料の種類が変更されたと判定した場合には、燃料の種類が変更されたと判定した時点前後における制御過渡中の油種変更判断パラメータの変化を用いた作動油種の変更の判断を実行しない。
油種変更判断部98は、エンジン14の燃料の種類が変更されていないと判定した場合には、油種変更第1パラメータが油種変更第1判定閾値を超える変化が発生したか否かを判定する。又、油種変更判断部98は、エンジン14の燃料の種類が変更されていないと判定した場合には、油種変更第2パラメータが油種変更第2判定閾値を超える変化が発生したか否かを判定する。油種変更第1判定閾値は、油種変更第1パラメータに対応する油種変更判定閾値である。油種変更第2判定閾値は、油種変更第2パラメータに対応する油種変更判定閾値である。
油種変更判断部98は、油種変更第1パラメータが油種変更第1判定閾値を超える変化が発生したと判定し、且つ、油種変更第2パラメータが油種変更第2判定閾値を超える変化が発生したと判定した場合には、作動油種が変更されたと判断する。この場合、油種変更判断部98は、作動油種が変更された旨を情報周知装置89に表示する。この表示は、例えばカーディーラや整備工場等においてメカニック等の専門の作業員が所定のパスワードを車両10に入力したときだけ、認識できるようにしても良い。
油種変更判断部98は、油種変更第1パラメータ及び油種変更第2パラメータのうちの何れか一方の油種変更判断パラメータのみが各々の油種変更判定閾値を超える変化が発生したと判定した場合には、コーションフラグをオンにする。このコーションフラグは、コーション状態、例えば作動油種が変更された可能性があるという注意を喚起する状態にあることを示す為のフラグである。一つの油種変更判断パラメータのみが油種変更判定閾値を超える変化が発生したとの判定であるので、油種変更判断部98は、作動油種が変更されたことを確定せずコーション状態とする。この場合、油種変更判断部98は、作動油種が変更された可能性があることを注意する旨を情報周知装置89に表示する。この表示は、例えばカーディーラ等において専門の作業員が所定のパスワードを車両10に入力したときだけ、認識できるようにしても良い。
油種変更判断部98は、油種変更第1パラメータ及び油種変更第2パラメータのうちの何れの油種変更判断パラメータも各々の油種変更判定閾値を超える変化が発生していないと判定した場合には、コーションフラグをオフにする、すなわちコーションフラグをクリアする。何れの油種変更判断パラメータも油種変更判定閾値を超える変化が発生していないとの判定であるので、油種変更判断部98は、作動油種が変更された確率は低いとする。
図14は、電子制御装置90の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、作動油種が変更されたことを精度良く検出する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば繰り返し実行される。図14のフローチャートにおける各ステップは油種変更判断部98の機能に対応している。
図14において、先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)S10において、エンジン14の燃料の種類が変更されたか否かが判定される。このS10の判断が肯定される場合は、本ルーチンが終了させられる。このS10の判断が否定される場合はS20において、油種変更第1パラメータが油種変更第1判定閾値を超える変化が発生したか否かが判定される。このS20の判断が肯定される場合はS30において、油種変更第2パラメータが油種変更第2判定閾値を超える変化が発生したか否かが判定される。このS30の判断が肯定される場合はS40において、作動油種が変更されたと判断される。次いで、S50において、作動油種が変更された旨が情報周知装置89に表示される。上記S20の判断が否定される場合はS60において、油種変更第2パラメータが油種変更第2判定閾値を超える変化が発生したか否かが判定される。上記S30の判断が否定される場合は、又は、上記S60の判断が肯定される場合は、S70において、コーションフラグがオンにされる。又、コーション状態にある旨が情報周知装置89に表示される。上記S60の判断が否定される場合はS80において、コーションフラグがクリアされる。
上述のように、本実施例によれば、動力伝達装置12に供給される作動油OILの種類の違いによって変化し得る複数種類の油種変更判断パラメータのうちの少なくとも二つの油種変更判断パラメータが各々の油種変更判定閾値を超えるような変化が重なって発生したか否かに基づいて、オイル交換によって作動油種が変更されたか否かが判断されるので、作動油種が変更されたことを精度良く検出することができる。これにより、オイル交換後の対応を速やかに行うことができ、オイル交換後の車両10の制御性の悪化を抑制することが可能となる。
また、本実施例によれば、油種変更判断パラメータが油種変更判定閾値を超えるような変化は、作動油種が純正品であるときの油種変更判断パラメータに対する、所定の短期間における油種変更判断パラメータの油種変更判定閾値を超える変化であるので、純正品以外の作動油OILに変更されたことを精度良く検出することができる。
また、本実施例によれば、油種変更判定閾値は、他車両200を含む複数の車両の各々において作動油OILが純正品から純正品へ交換された際の油種変更判断パラメータの変化に基づく基準値に所定変化分を加算した値であるので、純正品以外の作動油OILに変更されたことを一層精度良く検出することができる。
また、本実施例によれば、油種変更判断パラメータの変化は、イグニッションオンの状態からイグニッションオフの状態へ切り替えられる前の油種変更判断パラメータに対する、イグニッションオフの状態からイグニッションオンの状態へ切り替えられた後の油種変更判断パラメータの変化であるので、オイル交換によって作動油種が変更されたことを精度良く検出することができる。見方を換えれば、車両10の走行継続中における油種変更判断パラメータの変化が発生したことでは作動油種が変更されたとの判断が為されない。
また、本実施例によれば、複数種類の油種変更判断パラメータは、各油圧Pc1、Pc2、Pb1、Pb2の値、有段変速部20の変速制御における変速開始時間、有段変速部20の変速過渡中におけるMG2回転速度Nm又はエンジン回転速度Neの吹き量、及び、有段変速部20の変速過渡中におけるMG2回転速度Nm又はエンジン回転速度Neの吹き継続時間のうちの少なくとも一つを含んでいるので、作動油種が変更されたか否かが適切に判断され得る。
また、本実施例によれば、油種変更判断パラメータの変化は、エンジン14の燃料の種類が変更されたとの判断が為されていない期間における油種変更判断パラメータの変化であるので、燃料の種類が変更されたことに伴う油種変更判断パラメータの変化分が含まれない油種変更判断パラメータの変化を用いて、作動油種が変更されたことを精度良く検出することができる。
次に、本発明の他の実施例を説明する。尚、以下の説明において実施例相互に共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施例では、サーバー210が有する学習モデル212(後述する図15参照)を用いて作動油種を特定し、作動油種の特定結果と、油種変更判断パラメータを用いて判断された作動油種が変更されたか否かの判断結果とに基づいて、オイル交換によって作動油種が変更されたか否かを判断する。
図15は、サーバー210の詳細を説明する図である。図15において、サーバー210は、機械学習部214などを備えている。機械学習部214は、データを蓄積するデータベース部216と前記データから結論を推定する推論部218とを有する人工知能である。機械学習部214は、入力側を車両10や他車両200を含む複数の車両の各々における動作状態値のデータとし、出力側を作動油種として、教師ありの機械学習を行う。学習モデル212は、作動油種を特定する為の学習モデルであって、機械学習部214における機械学習による教師あり学習にて実現されている。
図16は、学習モデル212の一例を示す図である。図16において、学習モデル212は、コンピュータプログラムによるソフトウエアにより、或いは電子的素子の結合から成るハードウエアにより生体の神経細胞群をモデル化して構成され得るニューラルネットワークである。学習モデル212は、i個の神経細胞要素(=ニューロン)Pi1(P11-Pi1)から構成された入力層と、j個の神経細胞要素Pj2(P12-Pj2)から構成された中間層と、k個の神経細胞要素Pk3(P13-Pk3)から構成された出力層とから構成された多層構造である。前記中間層は、多層構造であっても良い。又、学習モデル212では、前記入力層から前記出力層へ向かって神経細胞要素の状態を伝達する為に、結合係数すなわち重み付け値Wijを有して前記i個の神経細胞要素Pi1と前記j個の神経細胞要素Pj2とをそれぞれ結合する伝達要素Dijと、重み付け値Wjkを有して前記j個の神経細胞要素Pj2と前記k個の神経細胞要素Pk3とをそれぞれ結合する伝達要素Djkとが設けられている。
学習モデル212は、重み付け値Wij、Wjkが所定のアルゴリズムによって機械学習された油種解析システムである。前記入力層に対する教師データすなわち教師信号は、車両10や他車両200における動作状態値のデータ、例えばアクセル開度θaccや車速Vのデータ及び油種変更判断パラメータのデータ(図16の「X11-Xi1」参照)等のビッグデータが与えられる。前記出力に対する教師信号は、車両10や他車両200における作動油種のデータ(図16の「Y13-Yk3」参照)が与えられる。このように、学習モデル212は、複数種類の動作状態値と作動油種との関係を示す予め定められた学習モデルである。
サーバー210に記憶される上記ビッグデータは、逐次更新される。従って、前記機械学習による教師あり学習にて用いられる教師データは、他車両200を含む複数の車両の各々における前記動作状態値の統計的なデータ、及び前記複数の車両の各々における作動油種の統計的なデータに基づいて変更される。統計的なデータは、例えば平均化された平均値であったり、又は、度数が最大となるデータ等である。
油種変更判断部98は、車両10における動作状態値とサーバー210における学習モデル212とを用いて、作動油種を特定する。つまり、油種変更判断部98は、車両10における動作状態値を学習モデル212に入力し、作動油種を特定する。このように、油種変更判断部98は、学習モデル212に、車両10における動作状態値を適用することで作動油種を特定する。
油種変更判断部98は、学習モデル212を用いた作動油種の特定結果を更に加えて、作動油種が変更されたか否かを判断する。例えば、油種変更判断部98は、油種変更第1パラメータ及び油種変更第2パラメータの何れもが各々の油種変更判定閾値を超える変化が発生したと判定した場合に、更に、学習モデル212を用いた作動油種の特定結果が作動油種の変更を示すものであった場合には、作動油種が変更されたと判断する。
上述のように、本実施例によれば、学習モデル212を用いた作動油種の特定結果を更に加えて、作動油種が変更されたか否かが判断されるので、作動油種が変更されたことを一層精度良く検出することができる。又、学習モデル212は、機械学習による教師あり学習にて実現されるので、作動油種を精度良く特定することができる学習モデルを構築することができる。
また、本実施例によれば、学習モデル212における機械学習による教師あり学習にて用いられる教師データは、複数の車両の各々における動作状態値の統計的なデータ及び作動油種の統計的なデータに基づいて変更されるので、作動油種を一層精度良く特定することができる学習モデルを構築することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例1では、作動油種が純正品から純正品以外に変更された場合を例示して、作動油種の変更を判断することについて説明したが、本発明は、作動油種が純正品以外から純正品以外に変更された場合にも適用することができる。
また、前述の実施例1では、二つの油種変更判断パラメータを用いて作動油種の変更を判断することを例示したが、三つ以上の油種変更判断パラメータを用いて作動油種の変更を判断しても良い。
また、前述の実施例1では、作動油種の変更情報やコーション状態の情報などは、情報周知装置89に表示されたが、この態様に限らない。例えば、上述したような情報は、整備工場等において車両10に接続されたモニタ等に表示されても良い。
また、前述の実施例1において、油種変更第1パラメータを用いた方が油種変更第2パラメータを用いるよりも作動油種が変更されたとの判断精度が高い場合には、油種変更第1パラメータを用いた判断結果を油種変更第2パラメータを用いた判断結果よりも優先して採用しても良い。このような場合、図14のフローチャートでは、例えばS60を実行する必要はない。すなわち、図14において、S20の判断が否定される場合はS80が実行されても良い。
また、前述の実施例2では、学習モデル212は、サーバー210が有していたが、この態様に限らない。例えば、学習モデル212は、車両10特には電子制御装置90に備えられていても良い。
また、前述の実施例2では、学習モデル212は、人工知能としての機械学習部214にて実現されているが、この態様に限らない。例えば、学習モデル212は、ニューラルネットワークをベースとしないコンピューター等によっても実現され得る。
また、前述の実施例では、作動油種の変更が判断される車両として、複合変速機40を備える車両10を例示したが、車両10に限らず、オイルが供給される動力伝達装置を備えた車両であれば、本発明を適用することができる。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両
12:動力伝達装置
14:エンジン(車両用エンジン)
20:機械式有段変速部(自動変速機)
40:複合変速機(自動変速機)
90:電子制御装置(制御装置)
200(200a、200b):他車両
212:学習モデル
CB:係合装置(摩擦係合装置)
OIL:作動油(オイル)

Claims (8)

  1. オイルが供給される動力伝達装置を備えた車両の制御装置であって、
    前記オイルの種類の違いによって変化し得る、前記車両の動作状態を表す複数種類の動作状態値のうちの少なくとも二つの動作状態値が各々の所定値を超えるような変化が重なって発生したか否かに基づいて、前記オイルの交換によって前記オイルの種類が変更されたか否かを判断することを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記動作状態値が前記所定値を超えるような変化は、前記オイルの種類が前記車両の工場出荷時のオイルの種類であるときの前記動作状態値に対する、所定の短期間における前記動作状態値の前記所定値を超える変化であることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記所定値は、前記車両とは別の他車両を含む複数の車両の各々において前記オイルが前記工場出荷時のオイルの種類から前記工場出荷時のオイルの種類へ交換された際の前記動作状態値の変化に基づく基準値に、前記オイルの種類が変更されたことを判断する為の所定変化分を加算した油種変更判定閾値であることを特徴とする請求項2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記動作状態値の変化は、前記車両が駆動トルクを発生し得るオン状態から前記車両が駆動トルクを発生し得ないオフ状態へ切り替えられる前の前記動作状態値に対する、前記オフ状態から前記オン状態へ切り替えられた後の前記動作状態値の変化であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の車両の制御装置。
  5. 前記複数種類の動作状態値は、前記動力伝達装置に備えられた自動変速機の変速制御において作動状態が切り替えられる油圧式の摩擦係合装置へ供給される前記オイルの油圧の値、前記自動変速機の変速指令開始時点からイナーシャ相開始時点までの時間、前記自動変速機の変速過渡中における前記自動変速機の入力回転速度の吹きが発生したときの吹き量、及び前記吹きが発生したときの吹き継続時間のうちの少なくとも一つを含んでいることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の車両の制御装置。
  6. 前記動作状態値の変化は、燃料の燃焼によって動力を発生する車両用エンジンの前記燃料の種類が変更されたとの判断が為されていない期間における前記動作状態値の変化であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の車両の制御装置。
  7. 機械学習による教師あり学習にて実現される、前記複数種類の動作状態値と前記オイルの種類との関係を示す予め定められた学習モデルに、前記動作状態値を適用することで前記オイルの種類を特定するものであり、
    前記学習モデルを用いた前記オイルの種類の特定結果を更に加えて、前記オイルの種類が変更されたか否かを判断することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の車両の制御装置。
  8. 前記機械学習による教師あり学習にて用いられる教師データは、前記車両とは別の他車両を含む複数の車両の各々における前記動作状態値の統計的なデータ、及び前記複数の車両の各々における前記オイルの種類の統計的なデータに基づいて変更されることを特徴とする請求項7に記載の車両の制御装置。
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