図1は、本発明の実施例に係るレセプタクルコネクタ(以下「レセプタクル」という。)100を示す。レセプタクル100は、概略円筒形状のシェル140と、シェル140の内部に配置されて一又は二以上の端子(図示せず)を保持するハウジング(図示せず)と、シェル140の外部に配置されるナット120及びワッシャー125を備える。シェル140は、プラグコネクタ(以下「プラグ」という。)200と嵌合して受け入れるための嵌合凹部105と、外周面145に形成されたロック突起110及びプラグガイド部115と、フランジ形状に形成された台座130を備える。レセプタクル100の本体部分(ワッシャー125及び台座130の間の部分)の直径と同じ又は大きい穴を有する壁(パネル)をワッシャー125及び台座130の間をナット120を用いて締め付けることによって、壁(パネル)にレセプタクル100を固定することができる。これにより、コネクタを必要とする電子装置又は電子装置を用いた機器にレセプタクル100を固定する。さらに、台座130と壁(パネル)との間にゴムなどの耐水性素材135(例えば、防水パッキンなど)を配置しても良い。これにより、電子装置の防水性能を向上させることができる。例えば、電子装置がドローンなどの屋外で用いるものである場合、防水性能は重要な性能である。
シェル140のプラグガイド部115は、プラグとの嵌合部分において外周面145より凹んだ部分として構成されており、レセプタクル100がプラグ200と正しい位置で嵌合することをガイドする。係合部としてのロック突起110は、プラグガイド部115において径方向に突出した部分として構成されており、後述するプラグ200のロック片230と係合して、レセプタクル100及びプラグ200をロックし、嵌合状態を維持する。本実施例において、ロック突起110は、プラグガイド部115の一部に配置したが、これは、一例であり、他の場所に、ロック突起110が配置されてもよい。
図2は、本発明の実施例に係るプラグ200を示す。プラグ200は、ハウジング220と、ハウジング220の周囲を覆うようにハウジング220に取り付けられるシェル225と、レセプタクル100と嵌合する側(X1)とは反対側であるケーブル側(X2)においてハウジング220とケーブル結線部分210を介して接続されているケーブル205とを少なくとも備える。ハウジング220は、その一部に円柱形状の嵌合凸部215を有し、X1側の端面にはレセプタクル100の端子が挿入可能な挿入孔250が形成されている。プラグ200の嵌合凸部215をレセプタクル100の嵌合凹部105に挿入させることにより、レセプタクル100の端子及びプラグ200の端子605が接続し、電気的接続が提供される。なお、嵌合部分に関し、レセプタクル100が凸部を有し、プラグ200が凹部を有するようにしていてもよい。レセプタクル100の端子及びプラグ200の挿入孔250の数それぞれは、一又は二以上とすることができる。端子及び挿入孔250の数は、一致していても、異なっていてもよい。
プラグ200は、さらに、ハウジング220に取り付けられたシェル225を有し、ハウジング220の周囲は、シェル225で覆われている。シェル225は、平板状の金属板を打ち抜き変形加工することで形成される。シェル225は、ロック片230を有し、このロック片230には、係合部としてのロック穴235が形成されている。レセプタクル100及びプラグ200が嵌合するとき、プラグ200のロック穴235がレセプタクル100のロック突起110と係合することにより、レセプタクル100及びプラグ200のロック機能が提供される。本実施例において、ロック片230は、その先端部分(嵌合側X1)に向けて、ハウジング220側に向かう傾斜部255とその方向とは反対に向かう傾斜部260を有しているが、これは例示であり、プラグ200がレセプタクル100と係合するのであれば、ロック片230の形状は他の形状でもよい。本実施例において、プラグ200がロック穴235を有し、レセプタクル100がロック突起110を有するが、これは例示であり、レセプタクル100が穴を有し、プラグ200が突起を有していてもよい。また、ロック穴は、貫通穴に限られず凹部で代替されてもよい。すなわち、レセプタクル100及びプラグ200それぞれのロック部が互いに嵌め合うなどの構成により係合しさえすればよい。プラグ200は、ロック機能の解除を制御する第1操作部240及び第2操作部245を有していてもよい。
図3は、本発明の実施例に係るレセプタクル100及びプラグ200が嵌合されている状態を示す。レセプタクル100及びプラグ200が嵌合されると、レセプタクル100のロック突起110がプラグ200のロック片230におけるロック穴235に係合する。ロック突起110がロック穴235に引っかかることによって、レセプタクル100及びプラグ200のロック機能が実現する。
図4aは、本発明の実施例に係るプラグ200を示しており、ロック片230を上面として示す。図4において、シェル225及びハウジング220が図示されており、ケーブル結線部210などは省略されている。図2に示したとおり、ハウジング220の少なくとも一部は、シェル225で覆われている。シェル225の一部であるロック片230は、嵌合方向402の軸上に沿ってX2側に向けて延びる第1の延長部405及び第1の連結部410を介してシェル225の本体部480と接続され、同様に、嵌合方向402の直線に沿ってX2側に向けて延びる第2の延長部415及び第2の連結部420を介してシェル225の本体部485と接続されている。
ロック片230は、他端側としてのケーブル側X2から一端側としての嵌合側X1に向けて延びる片であり、自由端側(一端側)である嵌合側X1にロック穴235、他端側であるケーブル側X2に押圧部430を有する。図中の「B」で接続される線は、長手方向に対して垂直である短手方向におけるロック片230の長さを半分にする線であり、図中の「B」で接続される線を中心線として、ロック穴235及び押圧部430は対称となるように構成されている。同様に、第1の延長部405及び第2の延長部415は、対となるように同様の構成を有する。このような構成により、ロック片230は、円周方向において第1の延長部405及び第2の延長部415の2か所でシェル本体部480、485と連結されている。
ロック片230は、X1側(始端部)周辺にロック穴235を有し、X2側(終端部)周辺に押圧部430を有する。ロック片230は、第1の延長部405及び第2の延長部415を有し、さらに、終端部において、第1の連結部410及び第2の連結部420を有する。第1の連結部410及び第2の連結部420は、それぞれ、短手方向の中心から外側に向けて延長し、第1の延長部405及び第2の延長部415に接続されている。第1の延長部405及び第2の延長部415は、嵌合方向402にX1側へ延び、シェル225の本体部480、485に接続されている。他の実施例において、ロック穴235をX2側に配置し、第1の延長部405、第1の連結部410、第2の延長部415、第2の連結部420及び押圧部430をX1側に配置するように変形してもよい。なお、シェル225の本体部480、485は、ロック片230以外の部分とすることができる。
本実施例において、第1の延長部405及び第2の延長部415は、ロック片230の両端部に対称となるように配置した(例えば図4a)。他の実施例において、第1の延長部405及び第2の延長部415を、連結部を用いてロック片230本体の下部で伸びるようにしてもよい。他の実施例において、延長部は、2つではなく、1つの延長部であってもよい。
図4bは、本発明の実施例に係るプラグ200を示しており、図4aにおいて示されている文字「A」で結ばれる線上の断面図であり、図4a中に示される矢印方向から見た図を示す。ハウジング220は、押圧支持部435及びシェル支持部440を有する。押圧支持部435は、ロック片230の内側に位置し、嵌合方向402の軸上で押圧部430とロック穴235の間に位置するように設けられている。シェル支持部440は、第1の延長部405及び第2の延長部415の内側に位置し、嵌合方向402の軸上で押圧部430とロック穴235との間に位置するように設けられていて、押圧部430に加えられる押圧力の方向490の直線に垂直に交わる平面を有する。ハウジング220のシェル支持部440は、シェル225におけるロック片230の第1の延長部405及び第2の延長部415を支持する。ロック片230における押圧部430は、第1操作部240の押圧制御部660(後述する)によって押下されることで、ロック片230の内側方向に押圧される。これにより、ロック片230の内側部分がハウジング220の押圧支持部435に当たるとともに、第1の延長部405及び第2の延長部415がシェル支持部440によって支持されていることでロック片230のX2側はロック片230の内側方向に移動し、ロック片230のX1側は、ロック片230の外側方向に移動する(後述する図8c及びdに示される状態)。レセプタクル100がプラグ200と嵌合しているとき、プラグ200におけるロック片230のロック穴235は、ロック片230の外側方向に移動し、レセプタクル100のロック突起110との係合を解除することができる。なお、ハウジング220は切欠部470を有し、シェル225における押圧部430とハウジング220との衝突を回避して、押圧部430の内側方向への移動を可能にする。
また、押圧部430が符号490で示される方向に押圧されると、ロック片230の内側方向への力がロック片230に加わり、第1の延長部405及び第2の延長部415に、ロック片230の外側方向への弾性力が発生する。押圧部430への押圧力が弱まると、押圧によりロック片230の内側方向に移動していた押圧部430は、第1の延長部405及び第2の延長部415の弾性力により元の状態(図4b)に戻る。この場合、レセプタクル100がプラグ200と嵌合しているとき、第1の延長部405及び第2の延長部415の弾性力により、ロック片230のX1側が内側方向に移動し(元の状態(図4b)に戻り)、プラグ200におけるロック片230のロック穴235は、レセプタクル100のロック突起110と係合し、レセプタクル100及びプラグ200がロックされる(図3及び後述する図8aの状態)。
図4cは、本発明の実施例に係るプラグを示し、図4aにおいて示されている文字「B」で結ばれる線上の断面図であり、図4a中に示される矢印方向から見た図を示す。プラグ200のハウジング220は、レセプタクル100を受け、ハウジング220の円周上に配置されたレセプタクル受入部445を有し、プラグ200は、レセプタクル受入部445より先のX2側にはレセプタクル100を差し込めないように制限する。レセプタクル受入部445のX1側の面にゴムなどの耐水性素材135(例えば、防水パッキンなど)を備えていても良い。これにより、コネクタを用いた電子装置の防水性能を向上させることができる。
図4dは、本発明の実施例に係るプラグであり、図4a及びbにおいて示されている文字「C」で結ばれる線上の断面図であり、図4a及びb中に示される矢印方向から見た図を示す。シェル225におけるロック片230の第1の延長部405及び第2の延長部415は、押圧部430に加えられる押圧力の方向490の直線に垂直に交わる第1の面450(シェル225外側を向いた面)及び第2の面455(シェル225内側を向いた面)を有する。第1の面450及び第2の面455が押圧力の方向の直線と垂直に交わることから、第1の面450及び第2の面455は、押圧部430に押圧力が加えられると、押圧力方向に対して反対方向の弾性力を発生させることができる。また、ロック片230の第1の延長部405及び第2の延長部415は、それらの終端において、シェル225本体に接続される第1の曲面460と、第1の連結部410又は第2の連結部420に接続される第2の曲面465とを有する。円筒形状のシェル225の第1の曲面460及び第2の曲面465において、シェル225(ロック片230)の一部の形状を曲げることによって、押圧力の方向の直線に垂直に交わる第1の面450及び第2の面455が形成される。
また、図4b及びcで示される押圧支持部435及びシェル支持部440に関し、後述する図6a及びbからも理解されるように、押圧支持部435は、ロック片230を支持し、シェル支持部440は、第1の延長部405及び第2の延長部415を支持するように構成されている。図8シェル支持部440の上面(ハウジング側の面)と、第1の延長部405及び第2の延長部415の下面(第2の面455)とは、図4bから理解されるように、それらの一部において平行して接する。言い換えるとシェル支持部440の上面は、押圧力の方向490に直線と垂直に交わる。他の実施例において、シェル支持部440の上面と、第1の延長部405及び第2の延長部415の下面とは、押圧部430が押圧されたときに、それらの一部が接するようにしてもよい。
図5aは、本発明の実施例に係るプラグ200のシェル225であり、図中の上部及び下部にそれぞれロック片230が配置されるようにしてシェル225を横から見た図である。図5bは、本発明の実施例に係るプラグ200をX1側から見た斜視図である。図5cは、本発明の実施例に係るプラグ200をX2側から見た斜視図である。ロック片230は、シェル225の一部であるが、第1の延長部405及び第2の延長部415を介してシェル225本体に接続されている。ロック片230は、シェル225において切欠加工されており、図5b及びcにおいて、切欠加工された部分は、切欠部510として示されている。
図6aは、本発明の実施例に係る分解したプラグ200のX2側から見た斜視図を示す。図6bは、本発明の実施例に係る分解したプラグ200のX1側から見た斜視図を示す。プラグ200のハウジング220は、端子605を保持し、端子605のそれぞれは、ケーブル205に接続される。シェル225は、その周囲外側を第1操作部240によって覆われており、第1操作部240は、その周囲外側を第2操作部245によって覆われている。第1操作部240は、押圧制御部660及び突起部610を有する。第2操作部245は、溝部620を有する。溝部620の深さ(第2操作部の内周面から外周面への方向における直線に関する距離)は、突起部610の高さと同程度することができる。溝部620は、ロック位置625及びロック解除位置630を有する。
第2操作部245が第1操作部240を覆うように、第1操作部240及び第2操作部245を配置したとき、第1操作部240の突起部610及び第2操作部245の溝部620が互いに係合することによって、第2操作部245は、第1操作部240に対してR方向650又はL方向655に回転し、突起部610及び溝部620は、第2操作部245の回転可能な範囲を制限する。これにより、第2操作部245は、第1操作部240の突起部610の位置が第2操作部245の溝部620におけるロック位置625及びロック解除位置630に対応するように回転する。
ロック位置625及び/又はロック解除位置630の周囲の溝の深さを浅くする(突起部610の高さ方向の長さより浅くする)ことができる。突起部610がロック位置625及びロック解除位置630に移動するように使用者が第2操作部245を回転させると、突起部610がロック位置625及びロック解除位置630の位置に置かれるときに、突起部610がロック位置625及び/又はロック解除位置630の周囲の浅い溝に引っかかることによって、クリック感が提供される。これにより、使用者は、ロックされていること、及び/又は、ロック解除可能であることをクリック感により検知することができる。第1操作部240の突起部610が第2操作部245のロック位置625に置かれたとき、第1操作部240は、X1側からX2側へ及びその逆への移動が行えないように制限される。第1操作部240の突起部610が第2操作部245のロック解除位置630に置かれたとき、第1操作部240は、X1側からX2側へ及びその逆への移動が行えるようなる(レセプタクル100及びプラグ200のロックが解除可能である状態)。使用者は、第1操作部240をX2側へ移動することによって、レセプタクル100及びプラグ200のロックを解除することができる。シェル225は突部670を有する。第1操作部240がシェル225に配置されたとき、突部670は、第1操作部240のX1側への移動を制限する。
図7aは、本発明の実施例に係る分解した第1操作部240及び第2操作部245のX2側から見た斜視図を示す。図7bは、本発明の実施例に係る分解した第1操作部240及び第2操作部245のX1側から見た斜視図を示す。図7aの点線で示した第1操作部240の突起部610は、第1操作部240の外円周外側に向けて突き出た突起部であり、第2操作部245の溝部620に係合させて用いられ、実線で示した突起部610は、図に示された溝部620の対面に配置された溝部620に係合させて用いられる。図7bも同様に、突起部610は、図に示された溝部620の対面に配置された溝部620に係合させて用いられる。図7aにおいて、押圧制御部660が示されており、押圧制御部660は、ロック片230の押圧部430を覆うことができる程度の大きさである。押圧制御部660の位置に対応する第1操作部240の部分には、穴715が設けられており、穴715は、シェル225におけるロック片230の押圧部430を通過させる程度の大きさである。押圧制御部660は、X1側に向けて第1操作部240の内側に傾斜する傾斜部710を有する。図7bにおいて示されるとおり、第2操作部245は、切欠部分720を有する。切欠部分720は、台形形状を有することができる。なお、本実施例において、突起部610及び溝部620は、二対として示されているが、これは例示であり、一対であっても、三対以上であってもよい。突起部610及び溝部620の対が多いほど、より強固にロックを制御することができる。
図8aは、第1操作部240及び第2操作部245を用いてロック片230の押圧部430を押圧できないようにすることによって、レセプタクル100及びプラグ200の接続がロックされている状態を示す。第2操作部245は、第1操作部240と接する部分で押圧制御部660を嵌合方向402の軸上で移動できないように制限する。押圧制御部660の内部に押圧部430が位置していることから、コネクタの使用者は、第1操作部240及び第2操作部245の外部から、プラグ200におけるロック片230の押圧部430にアクセスすることができない。押圧部430が押圧されないことから、プラグ200におけるロック片230のロック穴235がレセプタクル100のロック突起110と係合することにより、レセプタクル100及びプラグ200の接続が維持される。これにより、レセプタクル100及びプラグ200の接続をロックするロック状態が提供される。
図8bは、第1操作部240及び第2操作部245を用いてロック片230の押圧部430を押圧できるようにすることによって、レセプタクル100及びプラグ200の接続のロックが解除操作可能となっている状態を示す。図8bにおける第2操作部245は、図8aにおける第2操作部245をL方向655に回した状態である。第1操作部240は、第2操作部245と接していないことから、第2操作部245の切欠部分720(例えば、図7bにも示される)のスペースを用いて、プラグ200の軸方向上を移動することができる。図8bにおいて、第1操作部240は、X2側に移動することができる。
図8Cは、第1操作部240を用いて、レセプタクル100及びプラグ200の接続のロックが解除している状態を示す。第1操作部240がX2側に移動すると、第1操作部240の傾斜部710がロック片230の押圧部430に当たり、押圧部430にロック片230の内側方向の押圧力(例えば、図4b及び4dなどに示される矢印490方向の力)を与える。これにより、ロック片230のロック穴235がロック片230の外側に移動し、プラグ200におけるロック穴235とレセプタクル100のロック突起110との係合が解除される。これにより、使用者は、ロック穴235及びロック突起110の係合を解除することにより、プラグ200をレセプタクル100から抜くことができる。したがって、レセプタクル100及びプラグ200の接続のロックを解除するロック解除状態が提供される。また、図8cにおける第2操作部245をR方向650に回すと、第2操作部245は、押圧制御部660のX2側における面の一部が切欠部分720の台形形状の傾斜部分と接しながら、R方向650に回転しながら移動する。第2操作部245の回転移動が完了すると、押圧制御部660は、切欠部分720の台形形状における嵌合方向402の軸方向上の辺の長さ分、X2側からX1側に移動する。これにより、図8aに示されるとおり、レセプタクル100及びプラグ200の接続がロックされる。
図8dは、ロックが解除されている状態において、図8cにおいて示されている文字「A」で結ばれる線上の断面図であり、図8c中に示される矢印方向から見た図を示す。第1操作部240がX2側に移動し、第1操作部240における押圧制御部660が押圧制御部660から押圧部430への方向490の力を押圧部430に与える。これにより、ロック片230の押圧部430の周辺(ロック片230における押圧支持部435の位置に対応する部分からX2側方向に配置される部分850)がシェル225からハウジング220への方向(シェル225の内側方向)に移動し、ロック片230のX1側周辺(ロック片230における押圧支持部435の位置に対応する部分からX1側に配置される部分855)がハウジング220からシェル225への方向(シェル225の外側方向)に移動する。レセプタクル100及びプラグ200が嵌合しているとき、ロック穴235がシェル225の外側方向に移動することによって、ロック穴235がレセプタクル100のロック突起110と係合しなくなり、ロックが解除される。
ロック片230において、押圧部430からロック片230が押圧支持部435と接する部分への距離(LA860)とロック穴235からロック片230が押圧支持部435と接する部分への距離(LB865)には関連が無くてもよい。また、押圧部430及びロック穴235の移動距離を同じにするために、LA860は、LB865と等しくてもよい。好ましい実施例では、押圧部430のより少ない移動及びロック穴235のより大きな移動は、ロック機構をより使い易くすることから、LA860<LB865とすることができる。より好ましい実施例では、LA860:LB865を2:3とすることができる。これにより、押圧部430に多大な力を与えることなく、必要な量のロック穴235の移動が提供される。
図8dは、ロックが解除されている状態において、図8cにおいて示されている文字「B」で結ばれる線上の断面図であり、図8c中に示される矢印方向から見た図を示す。図8dにおいて、第1のロック片230の第1の延長部405及び第2のロック片230の第2の延長部415が、ぞれぞれ、対応するシェル支持部440に接している。シェル支持部440の位置に対応する部分からX2側の部分までの第1のロック片230の第1の延長部405の一部及び第2のロック片230の第2の延長部415の一部がシェル225の内側方向へ移動することによって、第1の延長部405及び第2の延長部415は、元の位置に戻るための弾性力(シェル225の外側方向への力)を提供する。押圧制御部660をX1側に移動してロック機能を有効にするとき、押圧部430が押圧制御部660の傾斜部710に弾性力(シェル225の外側方向への力)を与え、より少ない力で押圧制御部660をX1側に移動することができる。また、押圧制御部660をX2側に移動してロック機能を解除するとき、押圧制御部660の傾斜部710に弾性力(シェル225の外側方向への力)が与えられ、弾性力に抵抗するために、より大きい力で押圧制御部660をX2側に移動する必要がある。したがって、本実施例の第1の延長部405及び第2の延長部415が提供する弾性力により、より少ない力でロック機能を有効にし、より大きな力でロック機能を解除する必要があることから、使用者は、ロック機能の有効化をよりスムーズに行えるとともに、プラグ200を誤ってレセプタクル100から抜いてしまう誤動作などを防止することができる。
以上に説明してきた各実施例では、シェル225にロック片230を2つ設ける例を説明したが、当業者であれば理解されるように、各シェル225に1つのロック片230を設けることができ、3つ以上のロック片230を設けてもよい。ロック片230が多いほど、ロックが強固となる。小型コネクタにおいて、そのサイズの制限により、各シェル225に2つ又は3つのロック片230を設けることが望ましい。
以上に説明してきた各実施例では、レセプタクル100がロック突起110を有し、プラグ200がロック片230を有する例を説明した。他の実施例において、コネクタは、レセプタクル100がプラグ200を有し、ロック突起110がロック片230を有するように構成されてもよい。
以上に説明してきた各実施例は、特に丸形コネクタに用いることができる。電子装置は小型が進められており、小型の電子装置に用いられるコネクタにも、ロック機能を付加することができることから、本発明の実施例は有用である。例えば、プラグの長手方向の距離が約1.5cm程度である小型丸形コネクタには、ロック機能を付加することが難しいことから、本発明の実施例は有用である。また、コネクタに防水機能を持たせることによって、屋外で用いる電子装置にも有用である。屋外で用いる電子装置の例としては、防犯カメラや、赤外線センサーなどの各種センサーや、ドローンなどが好例である。電子装置は、レセプタクル100及びプラグ200の一方を少なくとも備える。この場合、電子装置を組み立てるなどの工程によってレセプタクル100及びプラグ200が接続された後、電子装置又は当該電子装置を含む装置は、電気的接続を得ることができる。
特許請求の範囲における請求項の記載「係合部」は、発明の詳細な説明で記載した「ロック穴」や、「レセプタクル100及びプラグ200それぞれのロック部が互いに嵌め合うなどの構成」などに対応し、プラグがレセプタクルを係合するために用いる構成を含む。
特許請求の範囲における請求項の記載「相手コネクタの係合部」は、発明の詳細な説明で記載した「ロック突起」や、「レセプタクル100及びプラグ200それぞれのロック部が互いに嵌め合うなどの構成」などに対応し、レセプタクルがプラグを係合するために用いる構成を含む。
特許請求の範囲における請求項の記載「一端部」及び「他端部」は、それぞれ、ロック片230におけるロック穴235が設けられている側の端部、及び、ロック片230における押圧部430が設けられている側の端部を意味する。例えば、図2おいて、一端部側は嵌合側X1に対応し、他端部側はケーブル側X2に対応する。
以上に説明してきた各実施例では、ロック片230におけるロック穴235及び押圧部430は、それぞれ、X1側及びX2側に配置している。他の実施例において、ロック穴235及び押圧部430は、それぞれ、X2側及びX1側に配置してもよい。この場合、以上に説明してきた各実施例におけるX1側及びX2側に配置されたロック片230の各構成を入れ替えることによって、ロック穴235及び押圧部430をそれぞれX2側及びX1側に配置した構成が実現される。
以上に説明してきた各実施例に関し、各実施例の一部又は全部を組み合わせて一つの実施例として実現されてもよい。
以上に説明してきた各実施例の要素の構造および配列は、例示にすぎない。各実施例について、当業者であれば、多くの変形を行うことが可能である。例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状および比率、パラメータの値、取り付け配列、材料の使用、色、向きなどの変更がその一例である。
以上に説明してきた各実施例は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。