JP7171276B2 - 固体燃料バーナ - Google Patents
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Description
なお、油バーナを有しない構成では、各旋回器を支持するための支持部材として油バーナと同様に、燃料ノズルの中心を貫通する支持部材が必要となる。
しかしながら、中心軸貫通式の支持部材では、下流側の旋回器がノズル開口(火炉側)に近い部位に設置されるため、支持部材が長尺となる。したがって、旋回器を支持する上で十分な強度とするために、支持部材の外径をある程度大きなものとする必要がある。支持部材の外径が大きくなると、旋回器の上流側の流路が狭まり、圧力損失が増大する問題がある。
また、エルボ部(曲管部)近傍では、下方から搬送されてくる高速の燃料粒子が支持部材の側面から衝突するため、その摩耗対策が必要になる問題もある。
請求項1記載の発明は、火炉に向かって開口を有する直管部と、前記直管部に連続する曲管部と、を有し、前記曲管部に供給される固体燃料とその搬送気体の混合流体を前記直管部の開口から火炉に噴出する燃料ノズルと、前記直管部内の中心軸側に設けられ、混合流体に旋回を与える第1の旋回器と、前記第1の旋回器の混合流体の流れ方向下流に設けられて混合流体に第1の旋回器とは逆方向の旋回を与える第2の旋回器と、前記燃料ノズルの軸方向に沿って延び前記第1の旋回器と前記第2の旋回器とを接続する軸体と、を有する旋回ユニットと、前記燃料ノズルの径方向に延び、前記旋回ユニットと前記燃料ノズルの内面とを接続し、前記旋回ユニットを前記燃料ノズルに支持する支持体と、を備え、前記軸体の上流側端部及び下流側端部が、前記直管部内に存在することを特徴とする固体燃料バーナである。
請求項2記載の発明によれば、第1の旋回器と第2の旋回器と軸体とが一体形成されない場合に比べて、製造コストを削減できる。
請求項4記載の発明によれば、第1の旋回羽根で燃料ノズルの内面近傍の燃料濃度を上昇させるとともに、第2の旋回羽根で混合流体の旋回成分を弱めることができる。
請求項5記載の発明によれば、旋回羽根の外縁に支持体を設けない場合に比べて、支持体の長さを短くすることができる。
請求項6記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、燃料ノズルの内面近傍の燃料濃度を上昇させやすくすることができる。
本発明の実施例の固体燃料バーナ1は、火炉13の壁面スロート13aに設けられている。固体燃料バーナ1は、微粉の燃料と搬送気体との混合流体(固気二相流)が流れる断面円形の燃料ノズル9を有する。燃料ノズル9は、90°の曲がり部を持つ曲管部5と曲管部5に連続する直管部2とを有する。
また、二次空気ノズル3と三次空気ノズル4に供給される空気は、図示しない流量調整部材(ダンパやエアレジスタなど)により、空気の流量及び流速を調整、制御可能である。
図2は実施例1の旋回ユニットの説明図であり、図2(A)は斜視図、図2(B)は断面図、図2(C)は開口側から見た図である。
図1、図2において、直管部2の下流部には、旋回ユニット21が配置されている。旋回ユニット21は、軸体の一例としてのスピンドル部22を有する。スピンドル部22は、燃料ノズル9の軸方向に沿って延びる紡錘体状に形成されている。なお、スピンドル部22は、軽量化とコスト削減のため中空の棒状で構成することが望ましい、中実の棒状とすることも可能である。
混合流体の流れ方向に対して、スピンドル部22の上流側の外面には、第1の旋回器の一例としての第1の旋回羽根23が支持されている。実施例1の第1の旋回羽根23は、4枚の板状の部材により構成されている。第1の旋回羽根23は、通過する混合流体が径方向の外側に送られるような旋回が付与されるように、燃料ノズル9の軸方向に対して傾斜した状態でスピンドル部22に支持されている。
なお、実施例1では、各旋回羽根23,24の軸方向に対する傾斜角は同様の傾斜角に設定されているが、設計や仕様等で要求される旋回付与能力や逆旋回付与能力に応じて、異なる傾斜角とすることも可能である。
各支持ロッド26は、径方向の外側に延びる棒状に形成されている。支持ロッド26の外端は、燃料ノズル9の内壁9aに溶接等で固定されている。したがって、実施例1の旋回ユニット21は、燃料ノズル9に対して、3か所で固定されている。
また、実施例1の燃料ノズル9では、旋回ユニット21が設置される位置よりも下流部2aは、耐摩耗材料で構成されている。すなわち、旋回ユニット21よりも上流部2bでは、燃料ノズル9の内面側に燃料が偏っていないが、旋回ユニット21よりも下流部2aでは、燃料が偏り、燃料ノズル9の内面が摩耗しやすくなるため、耐摩耗材料で構成されている。
燃料ノズル9内の旋回ユニット21の上流側には、構造物の設置されない空筒部を形成して、曲管部5の外周側にフランジ部を介して設けられる衝突板を貫通するような部材は設けないことが望ましい。
前記構成を備えた実施例1の固体燃料バーナ1では、燃料ノズル9に供給された燃料を含む混合流体は、第1の旋回羽根23を通過する際に旋回が付与される。したがって、旋回による遠心効果で、燃料が径方向の外側に移動し、燃料ノズル9の内面近傍の燃料濃度が上昇する。そして、旋回が付与された流体は、第2の旋回羽根24を通過する際に、逆旋回が付与される。したがって、流体の旋回成分が打ち消されて、旋回が弱まる。そして、バーナ出口では、保炎器10近傍での燃料濃度が上昇した状態で、旋回成分が弱い流れとなっている。
一次空気ノズル9の出口で混合流体に強い旋回がかかっていると、火炉13内で微粉炭粒子が固体燃料バーナ1の外周側へ飛び散ることで、火炎の安定性が低下し、NOx排出量が増加する。これに対して、実施例1では、第2の旋回羽根24により、混合流体が火炉13内に噴出される前に旋回強度が弱められている。したがって、火炎の安定性が向上され、NOx排出量の上昇も抑制される。
また、実施例1の旋回ユニット21では、燃料ノズル9の軸方向から見た場合に、第1の旋回羽根23と第2の旋回羽根24の半径の範囲内において、混合流体が軸方向に貫通しないように、第1の旋回羽根23と第2の旋回羽根24が配置されている。したがって、混合流体の一部が各旋回羽根23,24に触れずに通過することが低減されている。したがって、混合流体が軸方向に貫通可能な場合に比べて、燃料が燃料ノズル9の内面に偏りやすく、燃料の濃縮効果が高くなっている。
また、特許文献1に記載の中心軸貫通式の支持部材を使用する構成では、曲管部5で支持部材(油バーナ)の摩耗対策が必要になるが、実施例1では、この摩耗対策が必要ない。したがって、摩耗に伴う部品交換が必要なく、メンテナンスの頻度を減らすことも期待でき、メンテナンス性に優れる。
したがって、摩耗対策が必要な部位(支持ロッド26)の範囲を狭くすることができ、材料費を削減することが可能である。特に、支持ロッド26を、高価な耐摩耗材料等の別材料で構成する場合では、費用の削減効果が高くなる。また、支持ロッド26が短くなると、支持ロッド26が長い場合に比べて、混合流体の流れの妨げになりにくい。よって、着火性や火炎の安定性も向上する。
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例2は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
図3において、実施例2の旋回ユニット21では、旋回羽根23a,23b,24aの長手方向の中央部に支持ロッド26が配置された実施例1と異なり、支持ロッド31は、第2の旋回羽根24の長手方向の両端(上流側および下流側)に配置されている。実施例2の支持ロッド31は、いわば、第2の旋回羽根24の外端が径方向に延びた形状に形成されている。
前記構成を備えた実施例2の旋回ユニット21では、実施例1と同様に、着火性と火炎の安定性を確保しつつ、メンテナンス性も向上させることができる。
また、実施例2では、第2の旋回羽根24に支持ロッド31が設けられているが、第1の旋回羽根23に設けることも可能である。燃料が径方向の外側に偏る前である上流側の第1の旋回羽根23に支持ロッド31を設けて、燃料が径方向の外側に偏った後の下流側の第2の旋回羽根24に支持ロッド31を設けない場合、支持ロッド31の摩耗が抑制され、長寿命化が期待できる。
次に本発明の実施例3の説明をするが、この実施例3の説明において、前記実施例1,2の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例3は下記の点で、前記実施例1,2と相違しているが、他の点では前記実施例1,2と同様に構成される。
図4において、実施例3の旋回ユニット21では、旋回羽根23a,23b,24aに支持ロッド26が配置された実施例1と異なり、支持ロッド32は、スピンドル部22を貫通する棒状に形成されている。実施例3の支持ロッド32は、2本の棒がスピンドル部22を十字に貫通する形状に形成されている。
前記構成を備えた実施例3の旋回ユニット21でも、実施例1,2と同様に、着火性と火炎の安定性を確保しつつ、メンテナンス性も向上させることができる。
なお、支持ロッド32は、外端に行くほど燃料濃度が高くなるため、摩耗が厳しくなる。よって、外端部に耐摩耗性のセラミックリング33を装着することで耐摩耗性を向上させることが望ましい。
次に本発明の実施例4の説明をするが、この実施例4の説明において、前記実施例1~3の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例4は下記の点で、前記実施例1~3と相違しているが、他の点では前記実施例1~3と同様に構成される。
また、中流部22bは、耐摩耗性材料で構成され、同じく耐摩耗性材料で構成された支持ロッド36が、実施例3と同様に中流部22bを十字に貫通している。
前記構成を備えた実施例4の旋回ユニット21でも、実施例1~3と同様に、着火性と火炎の安定性を確保しつつ、メンテナンス性も向上させることができる。
また、実施例4の旋回ユニット21では、支持ロッド36や中流部22bが耐摩耗性材料で構成されているので、燃料を含む混合流体の通過に伴う摩耗がしにくくなっている。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)~(H07)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、直管部2の下流部2aのみ耐摩耗材料で構成することが望ましいが、直管部2の全体を耐摩耗材料で構成することも可能である。また、コスト削減や十分に寿命が持つ等の理由で全体を耐摩耗材料でない材料で構成することも可能である。
(H03)前記実施例において、支持ロッド26,31,32,36の本数は、少ないほうが流路抵抗や摩耗する部分が少なくなるため好ましいが、設計や仕様等に応じて、本数を増減することも可能である。また、支持ロッド26,31,32,36を設ける位置も、例示した位置に限定されず、変更可能である。
(H05)前記実施例において、旋回羽根23,24は回転不能な構成を例示したが、これに限定されない。スピンドル部22を中心として回転可能な構成とすることも可能である。この場合、支持体は、スピンドル部22に設けることとなる。
(H07)前記実施例において、旋回ユニット21は、直管部2の下流側に設置する構成を例示したが、これに限定されない。上流側に設置することも可能である。
2…直管部、
5…曲管部、
9…燃料ノズル、
13…火炉、
21…旋回ユニット、
22…軸体、
23…第1の旋回器、
24…第2の旋回器、
26,31,32,36…支持体。
Claims (6)
- 火炉に向かって開口を有する直管部と、前記直管部に連続する曲管部と、を有し、前記曲管部に供給される固体燃料とその搬送気体の混合流体を前記直管部の開口から火炉に噴出する燃料ノズルと、
前記直管部内の中心軸側に設けられ、混合流体に旋回を与える第1の旋回器と、前記第1の旋回器の混合流体の流れ方向下流に設けられて混合流体に第1の旋回器とは逆方向の旋回を与える第2の旋回器と、前記燃料ノズルの軸方向に沿って延び前記第1の旋回器と前記第2の旋回器とを接続する軸体と、を有する旋回ユニットと、
前記燃料ノズルの径方向に延び、前記旋回ユニットと前記燃料ノズルの内面とを接続し、前記旋回ユニットを前記燃料ノズルに支持する支持体と、
を備え、
前記軸体の上流側端部及び下流側端部が、前記直管部内に存在することを特徴とする固体燃料バーナ。 - 前記第1の旋回器と前記第2の旋回器と前記軸体とが一体形成された
ことを特徴とする請求項1に記載の固体燃料バーナ。 - 前記軸体と前記燃料ノズルの内面とを接続する前記支持体、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の固体燃料バーナ。 - 前記直管部の軸方向に対して傾斜する第1の旋回羽根により構成された前記第1の旋回器と、
前記第1の旋回羽根とは逆向きに傾斜する第2の旋回羽根により構成された前記第2の旋回器と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の固体燃料バーナ。 - 前記第1の旋回羽根又は前記第2の旋回羽根の少なくともいずれか一方の旋回羽根の外縁と前記燃料ノズルの内面とを接続する前記支持体、
を備えたことを特徴とする請求項4に記載の固体燃料バーナ。 - 前記直管部の開口側から見た場合に、前記第1の旋回羽根と前記第2の旋回羽根の外径の範囲内において、前記混合流体が軸方向に貫通しないように、周方向の位相をずらして配置された前記第1の旋回羽根および前記第2の旋回羽根、
を備えたことを特徴とする請求項4または5に記載の固体燃料バーナ。
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