JP3503172B2 - 燃焼器及びその運転方法 - Google Patents

燃焼器及びその運転方法

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JP3503172B2
JP3503172B2 JP03109194A JP3109194A JP3503172B2 JP 3503172 B2 JP3503172 B2 JP 3503172B2 JP 03109194 A JP03109194 A JP 03109194A JP 3109194 A JP3109194 A JP 3109194A JP 3503172 B2 JP3503172 B2 JP 3503172B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、予混合器を有する燃焼
器に係り、特にガスタービンに適用するのに好適な燃焼
器に関する。
【0002】
【従来の技術】燃焼器、例えばガスタービン燃焼器にお
いては、窒素酸化物(以下、NOxという)の低減を図
るため燃料と空気を予め混合し燃焼させる予混合燃焼方
式が採用されている。この予混合燃焼方式は、燃料と空
気を分離して燃焼する拡散燃焼方式と比較して、燃料濃
度を低くし局所的な高温領域の発生を防止し、排ガス中
に含まれるNOxの発生量を少なくできる点で優れてい
る。
【0003】しかしながら、局所的な高温領域の発生を
防止する予混合燃焼方式では、高温領域不在となるため
に火炎が不安定になり易く、火炎の吹き飛びや逆火を発
生し易い。また、予混合気が空間的に十分均一に混合さ
れていないので、NOxを低減する効果が小さいという
課題があったために、これを解決せんとして従来より種
々のものが考えられている。
【0004】例えば、特開平1−203809号公報及び特開
平2−275221号公報に記載のように、予混合器を円錐状
に形成し、円錐の先端部に設置したノズルから軸方向に
燃料を噴出し、円錐側面の接線方向から空気を流入させ
て予混合器内部の周方向に旋回流を発生させることによ
り、予混合気の均一化を図ると共に、予混合器の出口に
軸方向の循環流を形成して火炎の安定化を図るものや、
特開平4ー103906 号公報に記載ように、予混合器の出口
に保炎器を設け、保炎器の下流側に軸方向の循環流を発
生させることにより火炎の安定化を図るものや、予混合
気に旋回流を与えて旋回の中心近傍に逆流を発生させ、
この逆流で高温の既燃物を保持し、これを着火源として
火炎の安定化を図るものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】燃焼器においては、燃
焼器の小型化,起動から定格運転の広い範囲にわたる火
炎の安定保持が必要である。また、複数の燃焼器を火炎
伝播管で結合するガスタービン燃焼器においては、起動
時における各燃焼器の確実な着火や、出力上昇における
起動燃焼器から他燃焼器への確実な火移りが必須の要件
である。
【0006】しかしながら、前述した従来例のうち、予
混合器を円錐状に形成するものでは、円錐状の予混合器
内で予混合気を十分に均一に混ぜ、予混合器の出口に循
環流を形成するためには、軸方向に十分な予混合器長さ
が必要となるので、予混合器の小型化が図れない。ま
た、予混合気の流速が低下すると出口の循環流を安定に
形成できないので、火炎が不安定になる。従って、ガス
タービンの連続負荷運転には適用できない。更に、空気
の流入口や円錐の先端部における圧力損失が大きいの
で、燃焼器としての効率が悪い。
【0007】また、予混合器の出口に保炎器を設けるも
のでは、保炎器は高温の燃焼ガスに晒されるので、焼損
防止のために保炎器の冷却が不可欠であり、複雑な冷却
構造を必要とする。従って、予混合器の小型化が図れな
い。
【0008】また、予混合気に旋回流を与えるもので
は、旋回の作用で生じる逆流領域の中心近傍に流速がゼ
ロになる淀み領域が発生するので、火炎が不安定にな
り、火炎の吹き消えや燃焼振動を起こす。
【0009】また、予混合器内における空気と燃料の混
合に関しては特に考慮されていないので、予混合気の十
分な均一性は得られずNOx低減効果は小さい。また、
前述した従来例では、複数の燃焼器を火炎伝播管で結合
するガスタービン燃焼器の起動時における各燃焼器の確
実な着火,出力上昇時における他燃焼器への確実な火移
りについては何等考慮されていない。
【0010】 本発明の目的は、ランチェスター渦の混
合作用でNOxの低減を図るとともに、予混合器の出口
で形成した循環流により予混合火炎の吹き飛びを防止し
て火炎を安定化することができる燃焼器及びその運転方
法を提供することにある。
【0011】
【0012】
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の燃焼器は、燃料
を燃焼する燃焼室と、燃焼用気体と燃料とを混合して燃
焼室に噴出する予混合器とを備えた燃焼器であって、前
記予混合器流路の長手方向に対してそれ自身が仰角を持
ち、予混合器の内面から突出した突出部を有し、ランチ
ェスター渦を発生させる構造物を前記予混合器内に設
け、且つ、該ランチェスター渦により該予混合器の出口
で循環流を形成するよう構成したことを特徴とする。
【0014】
【0015】
【0016】 或いは、本発明の燃焼器の運転方法は、
燃焼用気体と燃料を混合して予混合気を作る予混合器を
有する燃焼器の運転方法において、予混合器流路の長手
方向に対してそれ自身が仰角を持ち、予混合器の内面か
ら突出した突出部を有し、ランチェスター渦を発生させ
る構造物により、前記予混合器の流路にそった方向に回
転の中心軸を持つ該ランチェスター渦を前記予混合器内
に発生させ、且つ、該予混合器の出口で該ランチェスタ
ー渦による循環流を形成し運転することを特徴とする。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【作用】本発明では、予混合気の主流方向に回転の中心
軸を持つ渦を発生させる構造物を前記予混合器内に設け
ることにより、渦の中心軸周りの周方向流れ、及び渦の
中心と周りの圧力差に基づく半径方向の流れが有する大
きな混合作用を用いて予混合器内において空気と燃料を
空間的に均一に混合できるので、NOxを低減すること
ができる。また、予混合器の出口において、渦周辺の高
圧力部から渦中心の低圧力部に流れが発生することによ
り、出口における渦中心の圧力は予混合器内部の渦中心
の圧力よりも高くなるので、上流側への流れが発生す
る。また、前記渦は主流方向に進行するに伴い、渦の回
転半径が増加する。また、前記渦は主流方向に進行する
に伴い、渦の角運動量を増加する。従って、予混合器出
口の中心部に循環流を、該循環流の外側に主流を形成で
きるので、火炎の吹き飛び及び逆火を防止し安定化する
ことができる。更に、このような渦による混合作用を用
いると、空気と燃料を短時間で混合し予混合気を得るの
で、予混合器を小型化できる。
【0038】また、予混合気の主流方向に対して仰角を
持つ構造物を予混合器内に設け、該構造物は該予混合器
の内面に非接触な部分を有するようにしたことにより、
構造物の揚力に対する3次元効果でランチェスター渦と
呼ばれる強い渦が発生する。従って、上述した渦の作用
により、小型の予混合器でも火炎を安定化し、NOxを
低減することができる。
【0039】また、好ましくは、前記構造物上に乱流を
発生させる手段を設けることにより、この手段から発生
する方向性を持たない乱流と、構造物から発生する渦と
を組み合わせて空気と燃料の混合作用を強めることがで
きる。更に、この乱流は予混合気の主流が構造物の表面
から離れる現象(流れの剥離)を抑制する作用があるの
で、これも混合作用を強める働きがありNOxを低減す
ることができる。
【0040】また、好ましくは、前記構造物上に複数の
渦発生手段を設けたことにより、渦発生手段が発生する
複数の渦と構造物から発生する渦とを組み合わせて空気
と燃料の混合作用を強めることができる。
【0041】また、好ましくは、前記構造物を複数設け
ることにより、複数の構造物から発生した渦は干渉し、
渦形状が崩壊して乱流状態になる。これにより、予混合
気の混合作用をさらに強めることができる。
【0042】また、予混合気の主流方向に回転の中心軸
を持つ渦を発生させる構造物を予混合器内に複数設け、
該複数の構造物の下流に発生する複数の渦を合体させて
一つの渦を形成することによっても、上述と同様の作用
により小型の予混合器で火炎を安定化し、NOxを低減
することができる。
【0043】また、予混合気の主流方向に回転の中心軸
を持つ渦を発生させる構造物を予混合器内に3個設け、
各構造物が発生する渦の循環(中心軸の周りに渦として
流れる予混合気の流量)を各々Γ1,Γ2,Γ3とし、各
渦の中心間の距離を各々r12,r23,r31(rijは渦i
と渦jの中心間距離)としたときに、
【0044】
【数1】 Γ1・Γ2+Γ2・Γ3+Γ3・Γ1=0 …(1)
【0045】
【数2】 Γ1・Γ2・r12 2+Γ2・Γ3・r23 2+Γ3・Γ1・r31 2=0 …(2) を満足するように各構造物を配置することにより、3個
の渦を合体させて1つの渦を形成できるので、上述と同
様の作用により小型の予混合器で火炎を安定化し、NO
xを低減することができる。
【0046】また、予混合気の主流方向に回転の中心軸
を持つ渦を発生させる構造物を予混合器内に3個設け、
各構造物が発生する渦の循環(中心軸の周りに渦として
流れる予混合気の流量)を各々Γ,Γ,−Γ/2(負号
は渦の回転方向が逆であることを示す)とし、各渦の中
心が正三角形の頂点位置となるように各構造物を配置す
ることによっても、3個の渦から1個の渦を形成できる
ので、上述と同様の作用により小型の予混合器で火炎を
安定化し、NOxを低減することができる。
【0047】また、好ましくは、前記予混合器は前記渦
の中心と周りの圧力差を増大する圧力差調整手段を前記
構造物の下流側に備えることにより、渦の中心と周りの
圧力差に基づく半径方向の流れは強くなるので、予混合
気の混合作用をさらに強めることができる。
【0048】また、好ましくは、前記予混合器は前記渦
の中心の圧力を上昇させる圧力調整手段を前記圧力差調
整手段の下流側に備えることにより、圧力調整手段の上
流と下流における渦中心の圧力差に基づいて上流側への
流れが生じる。これが、予混合器内部における循環流を
形成するので、この循環流を用いて予混合気の混合作用
をさらに強めることができる。
【0049】また、好ましくは、前記予混合器は前記渦
の中心の圧力を上昇させる圧力調整手段を出口側に備え
ることにより、圧力調整手段の上流と下流における渦中
心の圧力差に基づいて上流側への流れが生じる。これ
が、予混合器出口における循環流を形成するので、火炎
の飛び火を防止し火炎を安定化することができる。
【0050】また、好ましくは、前記予混合器は前記渦
の周りの流速を増加させる流速調整手段を出口側に備え
ることにより、出口の渦の周りに高速の流れを形成でき
るので、火炎の逆火を防止し火炎を安定化することがで
きる。
【0051】また、好ましくは、前記予混合器を該燃焼
器の周方向に配置し、該予混合器出口に空気と燃料を個
別に噴出し拡散燃焼させるパイロットバーナーを設ける
ことにより、予混合器出口に形成される循環流のみで十
分な火炎の安定化が図れるので、パイロットバーナーを
十分小さくしても安定な燃焼器の運転が行える。更に、
予混合器出口においてパイロットバーナーの拡散火炎は
瞬時に予混合気の渦に巻き込まれ未燃焼気体を燃焼させ
るので、拡散火炎(パイロット火炎)の火移り特性を効
果的に向上でき、火炎を更に安定化することができる。
【0052】また、好ましくは、前記空気と燃料を個別
に噴出し拡散燃焼させるパイロットバーナーを該燃焼器
中心部に設け、該パイロットバーナーを取り囲むように
前記予混合器を該燃焼器の周方向に設けることによって
も、予混合器出口に形成される循環流のみで十分な火炎
の安定化が図れるので、パイロットバーナーを十分小さ
くしても安定な燃焼器の運転が行える。
【0053】また、好ましくは、前記予混合器は前記予
混合気の主流方向を周方向とする旋回流を発生させる手
段を入口側に備え、該予混合気の主流方向が周方向から
軸方向に移行する位置よりも下流側に前記構造物を備え
ることにより、旋回流の有する混合作用も利用できるの
で、空気と燃料の均一混合が促進され、NOxを更に低
減することができる。
【0054】また、予混合器は予混合気の主流方向に回
転の中心軸を持つ渦を発生させる構造物を内蔵し、出口
側の中心部に循環流を、該循環流の外側に主流を形成す
ることにより、火炎の吹き飛び及び逆火を防止できるの
で、火炎を安定化することができる。更に、前述した渦
の作用によりNOxを低減することができる。
【0055】また、予混合器で発生する予混合燃焼火炎
の上流側に、拡散燃焼火炎を発生することにより、予混
合器出口においては拡散燃焼火炎の有する優れた火炎安
定性能を利用し、燃焼器出口においては予混合燃焼火炎
の有する優れた低NOx性能を利用することができる。
【0056】また、空気と燃料を個別に噴出し拡散燃焼
させるパイロットバーナーを燃焼器の中心部に設け、該
パイロットバーナーを取り囲むように予混合器を周方向
に複数配置すると共に、該予混合器は予混合気の主流方
向に回転の中心軸を持つ渦を発生させる構造物を内蔵
し、少なくとも1つの予混合器から放出される渦の回転
方向を他の予混合器から放出される渦の回転方向と逆向
きにしたことにより、上述と同じ渦の作用を用いてNO
xを低減することができる。また、他の予混合器から放
出される渦と回転方向が逆向きの渦は隣の渦との間に燃
焼器の中心部から周辺部への流れを誘起するので、この
流れを用いて中心部の拡散火炎を効果的に予混合器に輸
送することができる。従って、予混合気への火移り特性
を向上でき、火炎を安定化することができる。更に、複
数の予混合器を小型化し負荷に応じて段階的に運転する
ことにより、実質的に連続負荷運転が可能となる。
【0057】また、空気と燃料を個別に噴出し拡散燃焼
させるパイロットバーナーを燃焼器の中心部に設け、該
パイロットバーナーを取り囲むように予混合器を同心円
状に複数段配置すると共に、該予混合器は予混合気の主
流方向に回転の中心軸を持つ渦を発生させる構造物を内
蔵し、周方向及び半径方向に隣合う予混合器から放出さ
れる渦の回転方向を互いに逆向きとしたことによって
も、上述と同様の作用により、小型の予混合器で火炎安
定性に優れNOxを低減できると共に、連続負荷運転が
可能となる。
【0058】また、予混合器は予混合気の主流方向に回
転の中心軸を持つ渦を発生させる構造物を内蔵し、該予
混合器を複数備え、隣合う予混合器から放出される渦の
回転方向を互いに逆向きとすることにより、予混合気を
空間的に均一にできるので、NOxを低減することがで
きる。この場合、各渦は両隣に逆向きの流れを誘起する
ので、この流れを用いて燃焼器中心付近の予混合器出口
で燃焼させた燃焼気体を各予混合器へ引き込むことがで
きる。従って、各予混合器がパイロットバーナーとして
の役割を果たすので、パイロット火炎の火移り特性を効
果的に向上でき、火炎を安定化することができる。更
に、複数の予混合器を小型化し負荷に応じて段階的に運
転することにより、実質的に連続負荷運転が可能とな
る。
【0059】また、予混合気を周方向に旋回させる第1
の手段と、該手段の外周部に位置し、該手段と同じ周方
向に前記予混合気を旋回させる第2の手段とを予混合器
の出口部に備え、前記第1の手段が発生する旋回流の軸
方向流速に対する周方向流速の比で表される旋回の強さ
が、前記第2の手段が発生する旋回流の旋回の強さより
も大きくする。また、好ましくは、前記第2の手段が旋
回軸近傍に発生する旋回流の軸方向流速に対する周方向
流速の比で表される旋回の強さが、該旋回流の外周部に
おける旋回の強さよりも大きくすることにより、火炎の
吹き消えや燃焼振動の原因となる中心軸近傍の淀み領域
を縮小することができる。従って、火炎の吹き消えを防
止し、火炎の安定性を向上することができる。
【0060】つまり、この作用は、以下の理論的考察に
より説明することができる。ここで、圧力をP,密度を
ρ,旋回流速をW,軸方向距離をx,半径方向距離を
r,燃焼器の半径をRとすると、旋回流場で以下の関係
が成り立つ。
【0061】
【数3】 (∂P/∂x)r=0〜(∂P/∂x)r=R−∂∫(ρW2/r)dr/∂x …(3) 即ち、中心軸の圧力勾配は、遠心力の軸方向の減衰割合
に比例して増加する。中心軸の圧力勾配が大きいほど逆
流流速は増大するから、逆流流速を増大させるために
は、下流ほど遠心力が弱くなるように工夫すればよい。
この結果、旋回流の内周部に比べて外周部での旋回の強
さを小さくすることにより、遠心力に強く影響する内周
部(r:小)での旋回流速を軸方向に効果的に減衰させ
ることができる。このため、逆流流速を増大させ、火炎
の安定性を向上することができる。また、パイロットバ
ーナーを燃焼器の中心部に設け、該パイロットバーナー
を取り囲むように予混合器を周方向に複数配置し構成さ
れた複数の燃焼器からなり、各燃焼器を前記パイロット
バーナーを含み、前記予混合器から放出される旋回流の
回転方向が直線上に略同一となる外周部を火炎伝播管で
結合すると、旋回流によって誘起された流れにより、パ
イロットバーナーから外周部の予混合器へ容易に火移り
できると共に、予混合燃焼火炎を火炎伝播管を介して他
の燃焼器の予混合器へ確実に火炎を伝播させることがで
きる。また、各予混合器から供給される予混合気は、出
口に形成される循環流により保炎しながら燃焼するの
で、予混合火炎の安定をさせることができる。
【0062】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0063】図1は本発明の第1の実施例であるガスタ
ービン燃焼器の縦断面を示す斜視図、図2は図1の予混
合器出口周りの詳細図、図3は図2の翼状構造物のA方
向矢視図である。
【0064】図面において、円筒状の燃焼器5は、その
中心部分に燃料噴射ノズル6a及び空気噴射ノズル6b
で構成されるパイロットバーナー6を備え、パイロット
バーナー6を取り囲むように予混合器1が配置されてい
る。予混合器1は周方向に区分された複数の予混合室か
らなり、各予混合室は入口側に燃料噴射ノズル2と、そ
の下流側の内側面に予混合気の主流方向11aに対して
適切な仰角αを持つ翼状構造物9を備えている。ここ
で、図3に示すように、翼状構造物9は三角錐形状をし
ており、9a,9b,9cを3頂点とする三角形の面
(頂点9aと辺9b−9c(頂点9bと9cを両端とす
る辺)の中点とを結ぶ線(図3の破線))が、予混合気の
主流方向11aに対して仰角αとなるように予混合室の
内面に固定されている。
【0065】予混合器1では、その入口から供給された
燃焼用空気3と燃料噴射ノズル2から噴射された燃料4
とが、拡散により混合しながら予混合気11を形成し、
予混合器1内を流れる。その際、翼状構造物9の予混合
器1の内面から離れた部分にある端部、即ち、突出部
(図3の頂点9d)の後方にランチェスター渦と呼ばれ
る予混合気11の主流方向に回転の中心軸を持つ渦(縦
渦)が形成され、ランチェスター渦10は燃料と空気を
巻き込み混合を行いながら予混合器1の出口へ向かう。
ランチェスター渦10の流れは、予混合室内の主流方向
の流れと、この主流方向を中心軸として旋回する流れと
を含み、主流方向の流量が全流量の半分以上を占めてい
る。ランチェスター渦10は下流側に進行するに伴って
渦の回転半径が増加し、角運動量も増加するので、強い
混合作用を有する。このランチェスター渦10の混合作
用により予混合気11は空間的に一様に混合されるの
で、濃度むらによる局所的な高温領域が発生せず、NO
xを低減することができる。
【0066】また、ランチェスター渦10は、予混合室
内において渦の中心圧力よりも周りの方の圧力が高い
が、予混合室の出口で周りの高圧力部から中心の低圧力
部に流れが発生することにより渦中心の圧力を上昇させ
る。これにより、渦中心の圧力は予混合室の出口の方が
予混合室内よりも高くなるので、この圧力差に基づく上
流側への流れが生じ、循環流8を形成する。この循環流
8の作用により予混合火炎12aの吹き飛びを防止し、
火炎を安定化を図ることができる。また、循環流8の外
側を流れる主流7の作用により予混合火炎12aの逆火
も防止できるので、更に火炎の安定化が図れる。尚、図
3では、仰角αとして主流方向11aに対して翼状構造
物9を時計方向に傾けた例を示したが、主流方向11a
に対して翼状構造物9を反時計方向に傾けることによ
り、逆向きのランチェスター渦10を発生することがで
きる。
【0067】本実施例では、ランチェスター渦10の流
れのうち主流方向を中心軸として旋回する流れの流量を
全流量の30〜50%の範囲にすることにより、上記し
た予混合気11の均一混合及び予混合火炎12aの安定
化を効果的に行うことができる。このような流量配分を
行うために、翼状構造物9としては、主流に対する仰角
が10°〜20°、主流に垂直な面における予混合室内
面からの高さが該垂直な面内の予混合室の平均内径の3
0〜50%の範囲となるようにすればよい。この時、予
混合気11の流れが翼状構造物9の表面から離れる流れ
の剥離現象を抑制し、予混合気11の混合効果を更に高
めることもできる。また、パイロットバーナー6の下流
側には拡散火炎12が形成されるので、これによっても
予混合火炎12aの安定性は更に高められる。
【0068】尚、上記したランチェスター渦10の作用
は予混合器1の予混合室を小型にしても十分に得られる
ので、燃焼器5を小型にしても火炎を安定化しNOxを
低減することができる。従って、本実施例のような複数
の予混合室を小型化し、又は小型の予混合器を複数設置
し、これらを負荷に応じて段階的に運転することによ
り、実質的に連続負荷運転が可能となる。以上のような
構成を備えることにより、NOxの発生要因である予混
合気の不均一性及びこれに伴う予混合火炎内の高温領域
の発生を極力抑えることができるので、10ppm 未満の
超低NOx濃度を達成することが可能となる。
【0069】次に、本実施例のガスタービン燃焼器の運
転方法について説明する。燃焼器5の起動時には、初め
にパイロットバーナー6を起動させ、これに供給する空
気3と燃料4の流量を徐々に増加させることにより、拡
散燃焼出力を増大させる。次に、出力が定格の所定割合
に達した時点で予混合器1を起動させ、予混合気11の
流量を増加させることにより、予混合燃焼出力を増大さ
せる。この時、パイロットバーナー6に供給する空気3
と燃料4の流量を減少させ、予混合燃焼出力に対する拡
散燃焼出力の割合を減らすことにより、低NOx化を図
る。出力が定格に達した時点で、予混合器1及びパイロ
ットバーナー6に供給する空気3と燃料4の流量を一定
にして、燃焼器5を定格出力で運転する。燃焼器5の停
止時には、起動時と逆の運転を行えばよい。上記した所
定割合を適切に設定することにより、低出力時における
予混合火炎の不安定性を拡散火炎の有する安定性で補い
ながら、予混合火炎の有する低NOx性能を有効に利用
できるので、低NOxで火炎安定性に優れた燃焼器の運
転を行うことができる。また、予混合器1の複数の予混
合室の出力増大を段階的に制御することにより、燃焼器
として実質的な連続負荷運転が可能となる。以上、本実
施例においては、構造物により予混合器内に渦を発生さ
せたが、この限りではなく、後述する予混合器の形状変
形や、旋回羽根等を含み、予混合器内に渦を発生させ、
かつ、燃焼器の運転上支障をきたさない手段であれば用
いても構わない。
【0070】 図4は参考技術例である予混合器を示す
図である。本参考技術例では、予混合気の主流方向11
aに対して適切な仰角α1 を持つ翼状構造物9を予混合
器1の内側面に設置すると共に、翼状構造物9上に主流
方向11aに対して適切な仰角α2 を持つ複数の小翼1
3を設置している。予混合器1では、その入口から供給
された燃焼用空気3と燃料噴射ノズル2から噴射された
燃料4とが、拡散により混合しながら予混合気を形成
し、予混合器1内を流れる。そして、第1の実施例と同
様の作用により、翼状構造物9の開放端後方に予混合気
のランチェスター渦10が形成されると共に、小翼13
からも複数の小さなランチェスター渦10aが生じる。
小さなランチェスター渦10aは互いに干渉しながら燃
料と空気を巻き込んで混合し、さらに大きなランチェス
ター渦10に巻き込まれながら予混合器出口に達し、出
口において燃焼される。本参考技術例によれば、予混合
器1で作られた予混合気11は複数の小さなランチェス
ター渦10aと1個の大きなランチェスター渦10との
組合わせにより、第1の実施例よりもさらに一様に混合
される。第1の実施例で述べたように、仰角α1,α2
10°〜20°の範囲に設定することにより、上記作用
を得ることができる。また、複数の小翼13の発生する
小さなランチェスター渦10aは、翼状構造物9の仰角
が大きくなったときに予混合気の主流が翼状構造物9の
表面を離れる流れの剥離現象を抑制する作用があるの
で、これによっても予混合気の混合は促進される。従っ
て、濃度むらによる局所的な高温領域の発生を防止でき
るので、NOx低減効果を更に高めることができる。
【0071】 尚、本参考技術例では、複数の小翼13
の仰角α2 が同じである例を示したが、小翼13の中に
仰角α2 が他と異なるものが存在しても上記作用は得る
ことができる。また、小翼13の代わりにワイヤー(細
線)などの乱流を発生させる手段を予混合気11の主流
方向に垂直に翼状構造物9上に設けても上述と同様な効
果を達成することができる。
【0072】 図5は、参考技術例である予混合器を示
す図である。本参考技術例では、予混合気の主流方向1
1aに対して適切な仰角α(10°〜20°)を持つ複
数の翼状構造物9を予混合器1の内側面に設置してい
る。予混合器1では、その入口から供給された燃焼用空
気3と燃料噴射ノズル2から噴射された燃料4とが、拡
散により混合しながら予混合気を形成し、予混合器1内
を流れる。そして、第1の実施例と同様の作用により、
複数の翼状構造物9の開放端後方に予混合気のランチェ
スター渦10が形成される。複数のランチェスター渦1
0は、互いに干渉しながら燃料と空気を巻き込んで混合
し、渦形状が崩壊して乱流状態となる。こうして混合さ
れた予混合気11は、予混合器出口において燃焼され
る。本参考技術例によれば、予混合器1で作られた予混
合気11は複数のランチェスター渦10の混合作用の相
乗効果でより一様に混合される。従って、前例と同様
に、NOx低減効果を更に高めることができる。
【0073】 図6は本発明の第2の実施例である予混
合器の横断面を示す図である。本実施例では、断面が四
角形の予混合器1の内面に予混合気の主流方向に対して
適切な仰角を持つ3個の三角錐形状をしたデルタ翼16
a,16b,16c(構造は図3と同じ)を設置してい
る。同図の横方向におけるデルタ翼16bと16cの高
さを予混合器1の内面の間隔の1/3に設定すると共
に、縦方向におけるデルタ翼16aの高さを予混合器1
の内面の間隔の1/3に設定し、各デルタ翼の先端が正
三角形の3つの頂点となるように配置する。この配置
で、デルタ翼16aと16cから発生するランチェスタ
ー渦10aと10cの循環(中心軸の周りに渦として流
れる流量)をΓとし、デルタ翼16bから発生するラン
チェスター渦10bの循環を−Γ/2(負号は渦の回転
方向が逆であることを示す)とするように、各デルタ翼
の仰角を10゜〜20゜の範囲で調整する。これによ
り、各デルタ翼から発生する3個のランチェスター渦1
0は前述の数1及び数2の条件を満足するので、螺旋軌
道を描きながら合体し、1つの強いランチェスター渦1
5を形成する。本実施例によれば、予混合器1で作られ
た予混合気11は強いランチェスター渦15の作用によ
り更に一様に混合されるので、濃度むらによる局所的な
高温領域の発生を防止し、NOx低減効果を更に高める
ことができる。
【0074】 図7は本発明の第3の実施例である予混
合器の縦断面を示す図である。本実施例では、予混合気
の主流方向11aに対して適切な仰角αを持つ翼状構造
物9を予混合器1の内側壁に設置し、翼状構造物9の下
流側に縮小流路と拡大流路の組合わせからなるスロート
部17を設けている。翼状構造物9により形成されたラ
ンチェスター渦10はスロート部17の縮小流路を通過
する際に主流方向に引き延ばされ、渦の中心と周りの圧
力差が増大するので、より強い縦渦が得られる。この強
い縦渦の中心と周りの圧力差に基づく半径方向の流れの
混合作用を用いて、空気と燃料の混合が一層促進され
る。また、ランチェスター渦10がスロート部17の拡
大流路を通過する際に、渦周りの高圧力部から渦中心の
低圧力部に流れが発生することにより、渦中心の圧力は
上昇する。この拡大流路の上流側と下流側における渦中
心の圧力差に基づいて上流側への流れが生じる。これに
より、予混合器1の内部に循環流8bを形成するので、
この循環流8bを用いて予混合気11をさらに混合する
ことができる。従って、NOx低減効果を更に高めるこ
とができる。また、予混合器1の出口に形成される循環
流8により火炎の吹き飛びを防止し、火炎を安定化する
ことができる。尚、本実施例では翼状構造物9を1個設
置した例を示したが、前述のように3個の翼状構造物9
を設置して1つのランチェスター渦を形成するような予
混合器に対しても同様の効果が得られる。図8は本発明
第4の実施例である予混合器を示す図である。本実施
例では、予混合気の主流方向に対して適切な仰角を持つ
翼状構造物9を内蔵する円筒容器20で予混合器本体は
構成され、その出口に拡大流路であるディフューザー2
1が設けられている。円筒容器20の入口からは燃焼用
空気3が予混合器内に供給され、予混合器の入口側に設
置した燃料噴射ノズル2から燃料4が噴射される。そし
て、第1の実施例と同様に、翼状構造物9から発生した
ランチェスター渦10は空気と燃料を混合しながら予混
合器出口へ向かう。ディフューザー21で、ランチェス
ター渦10の周りの高圧力部から渦中心の低圧力部に流
れが発生することにより、渦中心の圧力は上昇する。従
って、円筒容器20内とディフューザー21におけるラ
ンチェスター渦10の中心の圧力差によりディフューザ
ー21に循環流8が形成される。この循環流8により火
炎の吹き飛びを防止し、火炎の安定化が良好に行われ
る。
【0075】 図9は本発明の第5の実施例である予混
合器内の翼状構造物を示す図である。本実施例では、予
混合器1の内側面に設置され、ランチェスター渦10を
発生させる翼状構造物9の表面に複数の燃料噴出孔18
が開けられており、ここから燃料19が予混合器1内に
供給される。これによっても、予混合器1の入口側から
供給した空気3が翼状構造物9の後方でランチェスター
渦10を形成する領域で燃料と空気の混合を促進でき、
NOxを低減することができる。
【0076】 図10は本発明の第6の実施例であるガ
スタービン燃焼器の横断面を示す図である。本実施例で
は、図8で示した予混合器1を燃焼器5の周方向に8個
配置し、各予混合器1の出口中央部に、燃料噴射ノズル
と空気噴射ノズルで構成される小型のパイロットバーナ
ー6が設置されている。前述したように、各予混合器1
の出口には循環流8が形成されるので、この循環流の作
用により火炎の安定化を図ることができる。従って、各
パイロットバーナー6を小さくしても安定な燃焼器の運
転が行える。また、各パイロットバーナー6で生じた拡
散火炎は、各予混合器1の出口から放出されるランチェ
スター渦10に巻き込まれ、未燃焼予混合気を燃焼させ
る。これにより、拡散火炎の予混合気への火移り特性を
効果的に向上できる。本実施例によれば、パイロットバ
ーナーを小さくしても火炎を安定化できると共に、NO
xを低減することができる。
【0077】 図11は本発明の第7の実施例であるガ
スタービン燃焼器の横断面を示す図である。本実施例で
は、燃焼器5の中心部分に、燃料噴射ノズル6aと空気
噴射ノズル6bで構成されるパイロットバーナー6が設
置され、パイロットバーナー6を取り囲むように図8で
示した予混合器1が周方向に設置されている。また、隣
合う予混合器1から放出されるランチェスター渦10の
向きが逆になるように、各予混合器1を配置している。
このように、隣合うランチェスター渦10を逆向きとす
ることにより、燃焼器中心から予混合器への流れ14が
誘起される。パイロットバーナー6の出口に形成される
拡散火炎は、流れ14により予混合器1へと輸送され未
燃焼予混合気を燃焼させる。前述したように、各予混合
器1から供される予混合気は、出口に形成される循環流
8により保炎されながら燃焼するので、予混合火炎の安
定化が実現される。従って、本実施例によれば、NOx
を低減できると共に、拡散火炎の予混合気への火移り特
性を向上し、火炎を安定化することができる。尚、本実
施例では、隣合う予混合器1から放出されるすべてのラ
ンチェスター渦10が互いに逆向きとなる例を示した
が、ランチェスター渦10のうち少なくとも1つの向き
が逆であればその渦の隣に流れ14が発生するので、同
様に予混合火炎を安定化することができる。
【0078】 図12は本発明の第8の実施例であるガ
スタービン燃焼器の横断面を示す図である。本実施例で
は、燃焼器5の中心部分に、燃料噴射ノズル6a及び空
気噴射ノズル6bで構成されるパイロットバーナー6が
設置され、パイロットバーナー6を取り囲むように図8
で示した予混合器1が同心円状に2段に設置されてい
る。また、周方向及び半径方向に隣合う予混合器1から
放出されるランチェスター渦10の向きが逆になるよう
に、各予混合器1を配置している。このように、隣合う
ランチェスター渦10を半径方向の各段間においても逆
向きとすることにより、燃焼器中心から予混合器への流
れ14が誘起される。この流れ14は、半径方向の段数
を増加することによって、より効果的に発生させること
ができる。従って、図11で示した第9の実施例と同様
の作用により、NOxを低減できると共に、火炎を安定
化することができる。
【0079】 図13は本発明の第9の実施例であるガ
スタービン燃焼器の横断面を示す図である。本実施例で
は、図8に示した予混合器を燃焼器5内に格子状に配置
し、隣合う予混合器から放出されるランチェスター渦1
0の向きを全ての格子点上において逆にしている。格子
点上の一つの予混合器(例えば、予混合器1a)は、最
大8個の予混合器(予混合器1b〜1i)に囲まれる。
8個の予混合器出口から放出されるランチェスター渦は
互いに逆向きであるから、中心に位置する予混合器1a
からこの周囲に位置する予混合器への流れ14が誘起さ
れ、予混合器1a出口で燃焼させた燃焼気体を各予混合
器へ引き込む作用を持つ。このような作用が各格子点上
で発生する。従って、各予混合器がパイロットバーナー
としての役割も果たすことになるので、火炎の火移り特
性を効果的に向上でき、火炎を安定化することができ
る。また、拡散燃焼を含まないのでNOxの発生を容易
に抑制できる。
【0080】 図14は本発明の第10の実施例である
ガスタービン燃焼器の横断面を示す図である。本実施例
では、燃焼器5は板19で構成された三角柱構造物によ
り6つのセクターに分けられる。各三角柱構造物の内部
には、空気と燃料の予混合気を供給する2個の予混合器
1と、空気のみを供給する1個の旋回器22が設置さ
れ、それぞれの中心が正三角形をなすように配置してあ
る。各予混合器1及び旋回器22は内部に翼状構造物を
有し、旋回器22の出口は予混合器1の出口に形成され
る循環流8よりも下流側に配置される。三角柱構造物内
の各予混合器1から放出される縦渦の向き及び循環の強
さは同一とし、旋回器22から放出される縦渦の向きを
予混合器1の縦渦と逆方向に、循環の強さを予混合器1
から放出される縦渦の半分となるようにする。こうする
ことにより、前述の数1及び数2を満足し、各予混合器
1及び旋回器22から放出される3個の縦渦を一つの縦
渦に合体させることができる。各予混合器1から供給さ
れる予混合気はその出口に形成される循環流8内で燃焼
され、上記した3個の縦渦の合体により循環流8の下流
では火炎が冷却されるので、NOxの発生する高温部を
循環流8の内部に限定でき、NOxの発生を容易に抑制
できる。本実施例のように、予混合器に限らず、空気の
み又は燃料のみを供給する手段に対しても縦渦を発生さ
せることにより、NOxの低減と火炎の安定化を図るこ
とができる。
【0081】 図15は本発明の第11の実施例である
ガスタービン燃焼器を示す概略図である。本実施例での
予混合器は、入口側に、旋回羽根23を備えた円筒容器
20で構成されている。予混合器の入口から燃焼用空気
3が旋回羽根23を通して供給され、旋回羽根23の中
心に設置された燃料噴射ノズル2から燃料4が噴射され
る。旋回羽根23は燃焼用空気3の旋回流24を形成
し、燃料4を混合する。このようにして予混合器の入口
側に形成される予混合気は、下流側に流れるに伴って、
その主流方向が周方向から軸方向に移行する。この主流
方向が軸方向に移行する位置よりも下流側に設置した翼
状構造物9により、ランチェスター渦10が予混合器内
に形成される。この場合、旋回流24とランチェスター
渦10の両方の混合作用を用いることにより、出口側で
は均一な予混合気11を得ることができるので、NOx
の低減効果を更に高めることができる。また、予混合器
の出口に形成される循環流8により、火炎を安定化させ
ることができる。
【0082】 図16は本発明の第12の実施例である
ガスタービン燃焼器を示す概略図である。本実施例での
予混合器本体は、側面に、スリット部分25を備えた円
筒容器20で構成され、その出口側に縮小流路21aを
設けている。スリット部分25から円筒容器20内に燃
焼用空気3が供給され、予混合器入口に設置した燃料噴
射ノズル2から燃料4が噴射される。燃焼用空気3は円
筒容器20内に旋回流24を形成しながら燃料4を混合
する。こうして予混合器の入口側に形成される予混合気
は、下流側に流れるに伴って、その主流方向が周方向か
ら軸方向に移行する。この主流方向が軸方向に移行する
位置よりも下流側に設置した翼状構造物9によりランチ
ェスター渦10が予混合器内に形成され、予混合気を均
一に混合する。また、縮小流路21aにおいてランチェ
スター渦10の周りの圧力は上昇し、渦中心の圧力は低
下するので、この渦の中心と周りの圧力差に基づく半径
方向の流れの混合作用により、予混合気の均一性は増
す。従って、これらの作用により均一な予混合気11を
得ることができるので、NOxの発生を更に抑制するこ
とができる。一方、縮小流路21aの出口において、ラ
ンチェスター渦10の周りの高圧力部は半径方向に膨張
し、渦中心の圧力を上昇させる。この縮小流路21aの
出口と内部における渦中心の圧力差により循環流8が形
成され、火炎の吹き飛びを防止することができる。更
に、縮小流路21aはランチェスター渦10の周りの軸方
向の流速を増加する作用があるので、出口において循環
流8の周りに高速の主流7が形成され、これにより火炎
の逆火を防止することができる。従って、火炎を更に安
定化することができる。
【0083】 図17は参考技術例である予混合器の出
口周りを詳細に示す縦断面図、図18は図17の旋回羽
根の構成を示す構成図である。
【0084】 図面において、予混合器1は、その出口
側に図18に示す旋回羽根23を設けている。旋回羽根
23は、外側旋回羽根23aとその内側に形成された内
側旋回羽根23bとより構成され、中心部には一端が燃
料系に接続されている燃料管26が接続されている。予
混合器1では、その入口側から供給された燃焼用空気と
燃料とが拡散により混合しながら予混合気11を形成
し、予混合器1内を流れ、燃料室に流出される。この
際、予混合気11は、予混合器1の出口側に設けた旋回
羽根23(外側旋回羽根23a,内側旋回羽根23b)によ
り周方向に旋回が加えられ、旋回流を形成する。また、
燃料管26からは燃料が燃焼室に流出され予混合気11
と反応して燃焼し拡散火炎12を形成する。この時、燃
焼した高温の既燃気体27は、旋回羽根23(外側旋回
羽根23a,内側旋回羽根23b)により形成された旋
回流により拡散火炎12の中心軸近傍に逆流領域を形成
するが、この場合、本参考技術例では、内側旋回羽根2
3bの発生する旋回流の軸方向運動量に対する周方向運
動量の比で表されるスワール数、換言すれば、軸方向流
速に対する周方向流速の比で表される旋回の強さが、外
側旋回羽根23aの発生する旋回流よりも大きくする。
このようにすると、外側旋回羽根23aの旋回作用によ
り逆流領域が拡大され、火炎の吹き消えの原因となる中
心軸近傍の淀み領域を縮小する。従って、拡散火炎12
の中心軸近傍に発生する循環流の安定化を図ることがで
き、火炎の吹き消え防止し、火炎の安定性を向上するこ
とができる。また、中心軸近傍に発生する循環流の安定
化を図ることにより、火炎の揺らぎに伴う振動を低減で
きる。また、本参考技術例は、パイロット燃焼のために
燃料管26を通して燃料を供給するもの以外のものにお
いても有効であるが、拡散(パイロット)火炎を併用した
方が、火炎の安定性がよく希薄燃料での燃焼が可能であ
るため、NOxを低減することができる。
【0085】 また、本参考技術例における旋回羽根2
3(外側旋回羽根23a,内側旋回羽根23b)をテーパ
状に設けることにより、旋回流の中心軸近傍における旋
回の強さが更に強くすることができる。このようにする
と、中心軸近傍に形成される逆流領域が局在化する。こ
れにより、火炎長を短くすることができ、コンパクトな
燃焼器を実現できる。また、旋回の強さが強化される
と、拡散火炎12は旋回流の遠心力の影響により半径方
向に広がり、旋回流の外周部における予混合気の燃焼を
促進する。これにより、燃え残り燃料の量や一酸化炭素
の排出量を低減することができる。また、中心軸近傍の
旋回の強さが強化されると、中心軸近傍の圧力損失が外
周部の圧力損失より高くなり流量を減少させるので、拡
散火炎近傍の流速を低下させ火炎を安定に保つことがで
きる。尚、旋回羽根の旋回軸に対する角度を大きくする
ことにより本参考技術例の効果を達成することは可能で
あるが、本参考技術例のように、旋回羽根をテーパ状に
設けた方が旋回流の下流側においても旋回の強さを強化
できる。
【0086】 図19は参考技術例であるガスタービン
燃焼器を示す概略図である。本参考技術例での予混合器
は、その内部に図18で示した第1の旋回羽根23(外
側旋回羽根23a,内側旋回羽根23b)を設け、出口
部に第2の旋回羽根23(外側旋回羽根23cと内側旋
回羽根23d)を支持棒28で支持している円筒容器2
0で構成されている。第2の旋回羽根23は、円筒容器
20との間に間隔を開けて支持されている。予混合器の
入口から供給された燃焼用空気と燃料噴射ノズルから噴
射された燃料は、予混合気内部に設けられた第1の旋回
羽根23により混合され、予混合器内を下流に向かって
流れる。そして、予混合器の出口側に支持棒28で支持
された第2の旋回羽根により旋回が加えられる。本参考
技術例では、第2の旋回羽根23の作用により旋回流の
中心近傍の旋回の強さを強化できるので、前例と同様の
効果が得られる。また、本参考技術例では、予混合器の
内部にも旋回流が形成されるので、燃焼用空気と燃料と
の混合が促進され、燃料の空間的な不均一に基づく火炎
の局所的高温領域の発生を防止できる。従って、NOx
を低減することができる。また、仮に逆火が生じ火炎が
予混合器内に拡がった場合、本参考技術例では、予混合
器内の圧力上昇を容易に逃がすことができるので安全性
にも優れている。
【0087】 また、本参考技術例の第1の旋回羽根2
3の代わりに、予混合器の側面の接線方向に矩形状の予
混合器入口を形成する。このように形成された予混合器
入口は、予混合器の中心軸に対して偏心して取り付けら
れているため、予混合器内に供給された燃焼用空気の旋
回流を形成し、燃料噴射ノズル(図示せず)から噴射し
た燃料を混合し、予混合気を形成する。そして、予混合
器の出口側に支持棒28で支持されてた旋回羽根23に
より旋回を加え、旋回流の中心近傍の旋回の強さを強化
するので、上述と同様の効果が得られる。
【0088】 図20は本発明の第13の実施例である
ガスタービン燃焼器を示す縦断面図である。本実施例は
2段予混合方式の燃焼器を示しており、燃焼器5は中心
に設置したパイロットバーナー6の周りに複数の第1段
予混合器29を備えると共に、その下流側に複数の第2
段予混合器30を備えている。パイロットバーナー6は
燃焼用空気3と燃料4をノズルから噴射し、拡散火炎1
2を形成する。第1段予混合器29は翼状構造物9が発
生する縦渦を用いて燃焼用空気3と燃料4を混合して予
混合気11を形成し、出口に循環流8を形成する。前述
したように、縦渦の作用により予混合気11は空間的に
一様に混合されるので、予混合火炎12aには濃度むら
による局所的な高温領域が発生せずNOxを低減するこ
とができると共に、循環流8の作用により予混合火炎1
2aを安定化することができる。また、隣合う第1段予
混合器26から発生する縦渦の回転方向を互いに逆向き
とすることにより、図10で示した実施例と同じように
拡散火炎12から予混合火炎12aへの火移り特性を向
上し、予混合火炎12aを安定化することができる。本
実施例では更に、第2段予混合器30も第1段予混合器
26と同様に、翼状構造物9が発生する縦渦を用いて予
混合気11を混合し、出口に循環流8を形成する。第1
段予混合器26の出口に形成される予混合火炎12aは
下流側に拡散して第2段予混合器27の出口の予混合気
に火移りし、予混合火炎12bを発生させる。ここで
も、循環流8の作用により予混合火炎12bの安定化が
達成される。従って、第1段予混合器29と第2段予混
合器30の両方で発生する縦渦の作用を組合わせて、燃
焼器5の低NOx化及び火炎安定化を図ることができ
る。尚、本実施例では、燃焼器5で必要な予混合気の流
量を第1段予混合器26と第2段予混合器27に適切に
配分させることにより、予混合気を超希薄燃焼させるこ
とができるので、NOxの低減効果を高めることができ
る。更に、空気3の一部が第2段予混合器30の上流側
から予混合火炎12aの発生領域に供給されることによ
り、燃焼器内の構造物を冷却し焼損を防止できると共
に、予混合火炎12aを冷却しNOxの低減効果を更に
高めることができる。
【0089】次に、本実施例のガスタービン燃焼器の運
転方法について説明する。燃焼器5の起動時には、初め
にパイロットバーナー6を起動させ、これに供給する空
気3と燃料4の流量を徐々に増加させることにより、拡
散燃焼出力を増大させる。次に、出力が定格の第1の所
定割合に達した時点で第1段予混合器29を起動させて
これに供給する予混合気11の流量を増加させることに
より、第1段の予混合燃焼出力を増大させる。この時、
パイロットバーナー6に供給する空気3と燃料4の流量
を減少させ、予混合燃焼出力に対する拡散燃焼出力の割
合を減らすことにより、低NOx化を図る。出力が定格
の第2の所定割合に達した時点で、第1段予混合器29
及びパイロットバーナー6に供給する空気3と燃料4の
流量を一定にすると共に、第2段予混合器30を起動さ
せてこれに供給する予混合気11の流量を増加させるこ
とにより、第2段の予混合燃焼出力を増大させる。出力
が定格に達した時点で、第2段予混合器27に供給する
空気3と燃料4の流量を一定にして、燃焼器5を定格出
力で運転する。燃焼器5の停止時には、起動時と逆の運
転を行えばよい。上記した第1及び第2の所定割合を適
切に設定することにより、低出力時における予混合火炎
の不安定性を拡散火炎の有する安定性で補いながら、予
混合火炎の有する低NOx性能を有効に利用できるの
で、低NOxで火炎安定性に優れた燃焼器の運転を行う
ことができる。また、複数の第1段予混合器29及び第
2段予混合器30の出力増大を段階的に制御することに
より、燃焼器として実質的な連続負荷運転が可能とな
る。
【0090】 図21は参考技術例であるガスタービン
燃焼器を示す縦断面図、図22は図21のB−B′の断
面図である。本参考技術例は2段予混合方式の燃焼器を
示しており、燃焼器5は中心に設置したパイロットバー
ナー6の周りに複数の第1段予混合器29を備えると共
に、複数の第1段予混合器29の周りに複数の第2段予
混合器30を備えている。本参考技術例においては、パ
イロットバーナー6,第1段予混合器29及び第2段予
混合器30は、その出口側に外側旋回羽根23aとその
内側に形成された内側旋回羽根23bとより構成された
旋回羽根23を設けて、予混合気に旋回を加えて旋回流
を形成する。この時、内側旋回羽根23bの発生する旋
回流の軸方向運動量に対する周方向運動量の比で表され
るスワール数、換言すれば、軸方向流速に対する周方向
流速の比で表される旋回の強さが、外側旋回羽根23a
の発生する旋回流よりも大きいので、外側旋回羽根23
aの旋回作用により燃焼した高温の既燃気体が形成する
逆流領域を拡大し、火炎の吹き消えの原因となる中心軸
近傍の淀み領域を縮小する。これにより、拡散火炎12
の中心軸近傍に発生する循環流の安定化を図ることがで
き、火炎の吹き消えを防止し、火炎の安定性を向上する
ことができる。尚、本参考技術例の旋回羽根は、図21
で示した燃焼器、即ち、燃料と空気の予混合気を形成
し、出口部において燃料を噴射させ前記予混合気ととも
に燃焼させる燃焼器に限らず、燃料と空気の予混合気を
形成し該予混合気を燃焼する燃焼器や、燃料と空気を別
々に噴射させ燃焼させる燃焼器を含み、種々な燃焼器へ
の適用が可能である。
【0091】 また、本参考技術例においては、ガスタ
ービン燃焼器の起動及び停止を、パイロットバナー6,
複数の第1の予混合器29,複数の第2の予混合器30
の順に、前例と同様の運転方法で行うことにより、前例
と同様の効果、即ち低NOxで火炎安定性に優れた燃焼
器の運転を行うことができる。また、複数の第1段予混
合器29及び第2段予混合器30の出力増大を段階的に
制御することにより、燃焼器として実質的な連続負荷運
転が可能となる効果を得ることができる。
【0092】 図23は参考技術例である複数の燃焼器
で構成されるガスタービン燃焼器を示す断面図である。
図面において、複数の燃焼器5a,5b,5cは火炎伝
播管31により結合され燃焼器群を構成しており、各燃
焼器は火炎伝播管32の同一線上に並ぶ予混合器、例え
ば、燃焼器5aのパイロットバーナー6を含み、予混合
器1a,1b,1c,1dの発生する旋回流24の旋回
方向が同一になるように配設している。また、同心円状
の予混合器の発生する旋回流24の旋回方向が、同心円
状に隣合う予混合器と逆向きになるように予混合器を配
設している。このように予混合器を配設した本参考技術
の燃焼器によるとすると、各予混合器で発生する旋回
流により、燃焼器の中心を対称とする4箇所に図面に示
す流れ14(略ハート型)が誘起される。これにより、
パイロットバーナー6で形成される拡散火炎は、流れ1
4により外周部の予混合器へ輸送され未燃焼予混合気を
燃焼させる。また、予混合火炎は、予混合器1dから火
炎伝播管31を介して他の燃焼器5bの予混合器へ輸送
され未燃焼予混合気を燃焼させる。この場合、旋回流2
4により形成された流れ14は、予混合火炎を燃焼器の
中心部へ輸送する。また、各予混合器から供給される予
混合気は、出口に形成される循環流により保炎しながら
燃焼するので、予混合火炎の安定させる。本参考技術例
によれば、拡散火炎の予混合器への火移り特性を向上す
ると共に、他の燃焼器への火移りも可能とするものであ
る。また、NOxも低減できる。
【0093】 図24は参考技術例である複数の燃焼器
で構成されるガスタービン燃焼器を示す断面図である。
図面において、複数の燃焼器5a,5b,5cは火炎伝
播管31により結合され燃焼器群を構成しており、各燃
焼器はパイロットバーナー6,予混合器1a,1b,1
c,1dで発生する旋回流24の旋回方向が同一にし、
アニュラー型に配設している。また、予混合器1aと1
b,1bと1c,1cと1d,1dと1aの間に扇型を
した予混合器32を配設している。このように予混合器
を配設した本実施例の燃焼器によるとすると、予混合器
1a,1b,1c,1dで発生する旋回流と、扇型予混
合器32の形成した予混合気により図に示すような流れ
14(略正方形状)が誘起される。これにより、前例と
同様にパイロットバーナー6で形成される拡散火炎は、
流れ14により外周部の予混合器1a,1b,1c,1
d及び扇型予混合器32へ輸送され未燃焼予混合気を燃
焼させる。また、予混合火炎は、予混合器1dから火炎
伝播管31を介して他の燃焼器5bの予混合器へ輸送さ
れ未燃焼予混合気を燃焼させる。本参考技術例によれ
ば、拡散火炎の予混合器への火移り特性を更に向上する
ものである。
【0094】図25は前述した何れかの本発明による燃
焼器を用いた発電システムを示す図である。本実施例で
は、燃焼器33で発生した高温の燃焼ガス34はガスタ
ービン36へ供給されこれを駆動する。燃焼ガス34に
よりガスタービン36で生じた動力の一部は空気圧縮器
35の駆動に用いられ、残りの動力は発電機38の駆動
に用いられる。空気圧縮器35は発生した燃焼用空気3
を燃焼器33に供給する。燃焼ガス34は、ガスタービ
ン36を駆動した後、廃熱回収ボイラー39を通過する
際に蒸気40を発生し、煙突37から外気へ放出され
る。廃熱回収ボイラー40から発生した蒸気40は、蒸
気タービン41に送られ、発電機42を駆動する。燃焼
器33として前述した何れかの燃焼器を用いることによ
り、低NOxで燃焼が安定に行えると共に、高効率な発電
システムとすることができる。
【0095】尚、本実施例は、上記のように構成された
発電システムには限定されず、燃焼器33で発生した高
温の燃焼ガス34をガスタービン36へ供給しこれを駆
動するガスタービン機関や、燃焼器33で発生した高温
の燃焼ガス34をガスタービン36へ供給しこれを駆動
して発電機38を駆動するガスタービン発電設備等にも
用いることは可能である。
【0096】
【発明の効果】本発明によると、ランチェスター渦の混
合作用でNOxの低減を図るとともに、予混合器の出口
で形成した循環流により予混合火炎の吹き飛びを防止し
て火炎を安定化することができる燃焼器及びその運転方
法を提供することができるという効果を奏する。
【0097】
【0098】
【0099】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例であるガスタービン燃焼
器の縦断面を示す斜視図。
【図2】図1の予混合器出口周りの詳細図。
【図3】図2の翼状構造物のA方向矢視図。
【図4】参考技術例である予混合器を示す図。
【図5】参考技術例である予混合器を示す図。
【図6】本発明の第2の実施例である予混合器の横断面
を示す図。
【図7】本発明の第3の実施例である予混合器の縦断面
を示す図。
【図8】本発明の第4の実施例である予混合器を示す
図。
【図9】本発明の第5の実施例である予混合器内の翼状
構造物を示す図。
【図10】本発明の第6の実施例であるガスタービン燃
焼器の横断面を示す図。
【図11】本発明の第7の実施例であるガスタービン燃
焼器の横断面を示す図。
【図12】本発明の第8の実施例であるガスタービン燃
焼器の横断面を示す図。
【図13】本発明の第9の実施例であるガスタービン燃
焼器の横断面を示す図。
【図14】本発明の第10の実施例であるガスタービン
燃焼器の横断面を示す図。
【図15】本発明の第11の実施例であるガスタービン
燃焼器を示す概略図。
【図16】本発明の第12の実施例であるガスタービン
燃焼器を示す概略図。
【図17】参考技術例である予混合器出口周りの詳細
図。
【図18】図17の旋回羽根の構成を示す構成図。
【図19】参考技術例であるガスタービン燃焼器を示す
概略図。
【図20】本発明の第13の実施例であるガスタービン
燃焼器の横断面を示す図。
【図21】参考技術例であるガスタービン燃焼器の横断
面を示す図。
【図22】図21のB−B′方向の断面図。
【図23】参考技術例である複数の燃焼器で構成される
ガスタービン燃焼器の断面を示す図。
【図24】参考技術例である複数の燃焼器で構成される
ガスタービン燃焼器の断面を示す図。
【図25】本発明による燃焼器を用いた発電システムを
示す。
【符号の説明】
1…予混合器、2…燃料噴射ノズル、3…空気、4…燃
料、5…燃焼器本体、6…パイロットバーナー、6a…
燃料噴射ノズル、6b…空気噴射ノズル、7…主流、8
…循環流、9…翼状構造物、10,15…ランチェスタ
ー渦、11…予混合気、11a…主流方向、12…拡散
火炎、12a,12b…予混合火炎、13…小翼、14
…流れ、16a,16b,16c…デルタ翼、17…ス
ロート部、18…燃料噴出孔、19…板、20…円筒容
器、21…ディフューザー、21a…縮小流路、22…
旋回器、23…旋回羽根、24…旋回流、25…スリッ
ト部分、26…燃料管、27…既燃気体、28…支持
棒、29…第1段予混合器、30…第2段予混合器、3
1…火炎伝播管、32…扇型予混合器、33…燃焼器、
34…燃焼ガス、35…空気圧縮器、36…ガスタービ
ン、37…煙突、38,42…発電機、39…排熱回収
ボイラー、40…蒸気、41…蒸気タービン。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−267419(JP,A) 特開 平4−283316(JP,A) 特開 平4−43220(JP,A) 特開 平2−259331(JP,A) 特開 昭59−101551(JP,A) 特開 昭58−219329(JP,A) 特開 平4−161886(JP,A) 特開 平4−138848(JP,A) 特開 昭54−72312(JP,A) 特開 平4−126921(JP,A) 特公 昭59−7885(JP,B1) 欧州特許出願公開520163(EP,A 1) 英国特許出願公開2087249(GB,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23R 3/00 - 7/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料を燃焼する燃焼室と、燃焼用気体と燃
    料とを混合して燃焼室に噴出する予混合器とを備えた燃
    焼器であって、 前記予混合器流路の長手方向に対してそれ自身が仰角を
    持ち、予混合器の内面から突出した突出部を有し、ラン
    チェスター渦を発生させる構造物を前記予混合器内に設
    、且つ、該ランチェスター渦により該予混合器の出口
    で循環流を形成するよう構成したことを特徴とする燃焼
    器。
  2. 【請求項2】燃焼用気体と燃料を混合して予混合気を作
    る予混合器を有する燃焼器の運転方法において、 予混合器流路の長手方向に対してそれ自身が仰角を持
    ち、予混合器の内面から突出した突出部を有し、ランチ
    ェスター渦を発生させる構造物により、前記予混合器の
    流路にそった方向に回転の中心軸を持つ該ランチェスタ
    渦を前記予混合器内に発生させ、且つ、該予混合器の
    出口で該ランチェスター渦による循環流を形成し運転す
    ることを特徴とする燃焼器の運転方法。
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