JP6995696B2 - 燃料噴射装置及びガスタービン - Google Patents
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Description
特許文献1には、圧縮空気と燃料ガスとを混合した混合気を、円形の基板に規則的に形成された複数の噴出孔から噴出する燃料噴射装置が開示されている。
しかしながら、予混合チューブを用いて空気に燃料ガスを噴射して空気と燃料ガスとを混合している場合、空気と燃料ガスとを十分に混合させるためには、予混合チューブの長さを長くする必要がある。予混合チューブが長くなると、部品コストが上昇したり、燃焼安定性が低下して燃焼振動が生じたりする可能性がある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、予混合チューブの長さが長くなることを抑制しつつ、空気と燃料ガスとを十分に混合させることが可能な燃料噴射装置及びガスタービンを提供するものである。
この発明の第一態様によれば、燃料噴射装置は、予混合チューブと、燃料導入部と、下流側プレートと、を備える。予混合チューブは、導入口から内部空間に空気を導入する。予混合チューブは、前記空気と燃料とを混合した混合気を吐出口から吐出する。燃料導入部は、前記内部空間に燃料を導入する。下流側プレートは、前記予混合チューブの前記吐出口側の端部が貫通し、前記予混合チューブの下流側の端部を支持する。前記予混合チューブは、チューブ本体と、案内部と、を備える。チューブ本体には、前記導入口に近い側の上流側端部に内部空間と外部空間とを連通する貫通孔が形成されている。案内部は、前記予混合チューブの軸線を中心とした周方向における前記貫通孔の端部から前記周方向と前記軸線の延びる軸線方向との両方と交差するように延びる。前記案内部は、前記周方向における前記貫通孔の第一端部から、前記導入口の内側で、且つ前記貫通孔の第二端部に近づく側に向かって延びる内側案内部を備え、前記周方向における前記内側案内部の長さは、前記周方向における前記貫通孔の長さよりも短い。
このように構成することで、予混合チューブの内部空間に導入される空気の一部が上流側端部に形成された貫通孔を介して予混合チューブの内部空間に導入される。このとき、空気は、周方向における貫通孔の端部から、周方向および軸線の延びる軸線方向の両方と交差するように延びる案内部によって案内される。この案内部によって案内された空気の流れは、周方向に向かう流れを含む。そのため、予混合チューブの内部空間に導入された空気の流れは、予混合チューブの軸線を中心とした旋回流を含むようになる。そのため、旋回流によって空気と燃料との混合が促進される。
したがって、予混合チューブの長さが長くなることを抑制しつつ、空気と燃料ガスとを十分に混合させることが可能となる。
このように構成された外側案内部によって空気を案内させることで、貫通孔を介して内部空間に導入される空気を、周方向における貫通孔の第一端部から第二端部に向かう方向へ旋回させることができる。
このように構成することで、空気を複数の貫通孔から内部空間に同時に導入することができる。複数の貫通孔から内部空間に導入される空気は、複数の貫通孔から延びる案内部によって案内されるため、内部空間に導入される空気の旋回流をより一層強めることができる。
このように構成することで、導入口から挿入されたノズルによって予混合チューブの内部空間に燃料を噴射する場合に、ノズルの周囲を流れて下流側に向かって流れる空気の流れに旋回流を生じさせることができる。そのため、ノズルの下流側で旋回流によって空気と燃料とを十分に混合させて吐出口から吐出させることができる。
このように構成することで、空気と燃料とを十分に混合できるため窒素酸化物を低減できる。さらに、予混合チューブの全長を短くできるため燃焼振動を抑制できる。
次に、この発明の第一実施形態における燃料噴射装置及びガスタービンを図面に基づき説明する。
図1は、この発明の実施形態におけるガスタービンの概略構成を示す構成図である。
図1に示すように、この実施形態のガスタービン100は、圧縮機51と、複数の燃焼器52と、タービン53と、を備えている。
圧縮機ロータ56は、ガスタービン軸線Arを中心として回転する。圧縮機ロータ56は、圧縮機ロータ軸59と、複数の圧縮機動翼列60と、を有している。圧縮機ロータ軸59は、ガスタービン軸線Arに沿って延びている。複数の圧縮機動翼列60は、圧縮機ロータ軸59に取り付けられている。
圧縮機車室57は、圧縮機ロータ56を回転可能に覆っている。
燃料噴射装置1は、圧縮機51で圧縮された圧縮空気Aと、燃料ガスFとの混合気を生成して燃焼筒69に供給する。燃料噴射装置1は、燃焼器52の外筒(図示せず)の内部に配置されている。
図2に示すように、燃料噴射装置1は、燃料供給管8と、複数の予混合チューブ2と、上流側プレート3と、下流側プレート4と、外側壁5と、を備えている。
なお、以下の説明において、燃料供給管8の軸線Atが延びている方向を軸線方向Daとする。また、軸線Atに直交する方向を径方向Drとし、この径方向Drで軸線Atから遠ざかる側を径方向外側Dr1とし、この径方向Drで軸線Atに近づく側を径方向内側Dr2とする。また、軸線方向Daの燃料ガスFが導入されてくる側(図2紙面左側)を上流側Da1、軸線方向Daの燃料ガスFが噴射される側(図2紙面右側)を下流側Da2とする。また、軸線Atを中心とした周方向を、単に周方向Dcとする。
図3、図4に示すように、予混合チューブ2は、チューブ本体21と、案内部22と、を備えている。
その結果、予混合チューブ2の長さが長くなることを抑制しつつ、空気Aと燃料Fとを十分に混合させることが可能となる。
さらに、予混合チューブ2の外側に案内部22(内側案内部22I)が配置されないため、案内部22同士が干渉して隣り合う予混合チューブ2同士の間隔が増大することを抑制できる。
次に、この発明の第二実施形態を図面に基づき説明する。この第二実施形態の燃料噴射装置は、上述した第一実施形態の燃料噴射装置1に対して、案内部の構成のみが異なる。そのため、図2を援用し、上述した第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。
図5に示すように、予混合チューブ202は、軸線方向Da(図2参照)に延びる円筒状に形成されている。予混合チューブ202は、チューブ本体21と、案内部22と、を備えている。チューブ本体21は、第一実施形態のチューブ本体21と同様に、導入口2Aに近い側である上流側Da1(図2参照)の端部2aに内部空間S1と外部空間S2とを連通する貫通孔23を備えている。この第二実施形態における貫通孔23は、チューブ本体21の上流側Da1の端面2atから下流側Da2(図2参照)に向かって凹むようにして形成されている。貫通孔23は、第一実施形態と同様に、上流側Da1の端面2atから軸線方向Daに延びる第一辺部23a及び第二辺部23bと、これら第一辺部23a及び第二辺部23bの下流側Da2の端部同士を繋ぐ周方向Dc2に延びる底辺部23cと、を備えている。
この第二実施形態の複数の予混合チューブ202は、図6のように配置することができる。これら予混合チューブ202の四つの外側案内部22Oのうち、予混合チューブ202の軸線A2を挟んで対向配置された所定の二つの外側案内部22Oは、軸線A2に直交する第一の方向D1に延びるように配置されている。また、図6に示す外側案内部22Oのうちの残りの二つは、軸線A2及び第一の方向D1に直交する方向に延びている。この図6のように配置することで、複数の予混合チューブ202の間隔を低減しつつ、隣り合う予混合チューブ202の外側案内部22O同士が干渉することを抑制できる。
次に、この発明の第三実施形態を図面に基づき説明する。この第三実施形態の燃料噴射装置は、第一、第二実施形態に対して案内部の構成のみが相違する。そのため、図2を援用し、第二実施形態と同一部分に同一符号を付して説明し、重複する説明を省略する。
図7は、この発明の第三実施形態における図4に相当する図である。
図7に示すように、この第三実施形態の燃料噴射装置の予混合チューブ302は、チューブ本体21と、案内部22と、を備えている。
チューブ本体21は、上流側Da1の端部2a(図2参照)に内部空間S1と外部空間S2とを連通する貫通孔23を備えている。
図8は、この発明の実施形態の他の変形例における図2に相当する図である。
上述した各実施形態において、燃料導入部が、燃料供給管8からプレナムPFに燃料Fを供給し、その後、プレナムPFから内部空間S1に燃料Fを供給する場合を一例にして説明した。しかし、燃料導入部の構成は、上述した各実施形態の構成に限られない。
例えば、上述した各実施形態では、燃料噴射装置1,101をガスタービン100に用いる場合について説明した。しかし、ガスタービン100に限られない。例えば、上記燃料噴射装置1,101は、ガスタービン100以外のボイラーやバーナー等に適用してもよい。
2,202,302 予混合チューブ
2a 端部(上流側端部)
2A 導入口
2at 端面
2b 端部
2B 吐出口
2bt 端面
2d 外壁
2f 外周面
2i 内周面
3 上流側プレート
3a 第一貫通孔
3b 第二貫通孔(上流側貫通孔)
3c 面
4 下流側プレート
4a 面
4b 面
5 外側壁
5a 内周面
8 燃料供給管
8a 端部
12 燃料貫通孔形成部
12h 燃料貫通孔
21 チューブ本体
22 案内部
22I 内側案内部
22O 外側案内部
22Ot 端部
23 貫通孔
23a 第一辺部(第一端部)
23b 第二辺部(第二端部)
23c 底辺部
30 燃料ノズル
30f 外周面
31 先端部
51 圧縮機
52 燃焼器
53 タービン
56 圧縮機ロータ
57 圧縮機車室
58 圧縮機静翼列
59 圧縮機ロータ軸
60 圧縮機動翼列
61 タービンロータ
62 タービン車室
63 タービン静翼列
64 タービンロータ軸
65 タービン動翼列
67 中間車室
68 ガスタービンロータ
69 燃焼筒
100 ガスタービン
Claims (6)
- 導入口から内部空間に空気を導入し、前記空気と燃料とを混合した混合気を吐出口から吐出する予混合チューブと、
前記内部空間に燃料を導入する燃料導入部と、
前記予混合チューブの前記吐出口側の端部が貫通、前記予混合チューブの下流側の端部を支持する下流側プレートと、
を備え、
前記予混合チューブは、
前記導入口に近い側の上流側端部に前記内部空間と外部空間とを連通する貫通孔が形成されたチューブ本体と、
前記予混合チューブの軸線を中心とした周方向における前記貫通孔の端部から前記周方向と前記軸線の延びる軸線方向との両方と交差するように延びる案内部と、を備え、
前記案内部は、前記周方向における前記貫通孔の第一端部から、前記導入口の内側で、且つ前記貫通孔の第二端部に近づく側に向かって延びる内側案内部を備え、
前記周方向における前記内側案内部の長さは、前記周方向における前記貫通孔の長さよりも短い燃料噴射装置。 - 導入口から内部空間に空気を導入し、前記空気と燃料とを混合した混合気を吐出口から吐出する予混合チューブと、
前記内部空間に燃料を導入する燃料導入部と、
前記予混合チューブの前記吐出口側の端部が貫通、前記予混合チューブの下流側の端部を支持する下流側プレートと、
を備え、
前記予混合チューブは、
前記導入口に近い側の上流側端部に前記内部空間と外部空間とを連通する貫通孔が形成されたチューブ本体と、
前記予混合チューブの軸線を中心とした周方向における前記貫通孔の端部から前記周方向と前記軸線の延びる軸線方向との両方と交差するように延びる案内部と、を備え、
前記案内部は、前記周方向における前記貫通孔の第二端部から、前記導入口の外側で、且つ前記貫通孔の第一端部に近づく側に向かって延びる外側案内部を備え、
前記周方向における前記外側案内部の長さは、前記周方向における前記貫通孔の長さよりも短い燃料噴射装置。 - 前記案内部及び前記貫通孔は、前記導入口の周方向に間隔をあけて複数設けられている請求項1又は2に記載の燃料噴射装置。
- 前記燃料導入部は、前記導入口から前記内部空間に挿入されて、先端部から燃料を噴射するノズルを備える請求項1から3の何れか一項に記載の燃料噴射装置。
- 前記燃料導入部は、
前記下流側プレートと、
前記下流側プレートよりも前記導入口に近い側に配置され、前記予混合チューブを貫通させる上流側貫通孔を有し、前記予混合チューブの外壁と、前記下流側プレートとの間にプレナムを形成する上流側プレートと、
前記プレナムに燃料を供給する燃料供給管と、
前記予混合チューブの外壁の一部を形成し、前記予混合チューブの前記外壁を貫通する燃料貫通孔を形成する燃料貫通孔形成部と、を備える請求項1から3の何れか一項に記載の燃料噴射装置。 - 請求項1から請求項5の何れか一項に記載の燃料噴射装置を備えるガスタービン。
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