以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る印刷装置の構成および作用を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
図1は、本開示の一実施の形態におけるスクリーン印刷装置1の斜視図である。図2は、本開示の一実施の形態におけるスクリーン印刷装置1の側面図である。図3は、本開示の一実施の形態におけるスクリーン印刷装置1の部分斜視図である。図4は、本開示の一実施の形態におけるスクリーン印刷装置1の部分平面図である。
印刷装置の一例としてのスクリーン印刷装置1は、上流工程側から投入された基板2(回路基板の一例)を受け取ってその基板2の各電極2dにペーストPst(半田ペーストの一例)をスクリーン印刷し、下流工程側の装置(例えば図示しない部品実装装置)に受け渡すスクリーン印刷動作を繰り返し実行する。以下の実施の形態では説明の便宜上、作業者(オペレータの一例)から見た左右方向をX軸方向とし、左方を上流工程側、右方を下流工程側とする。また、作業者OPを前、作業者OPから離反する方向を後とした前後方向をY軸方向とし、上下方向をZ軸方向とする。
図1および図2において、スクリーン印刷装置1は、基台11上に基板保持移動機構12を備えており、基板保持移動機構12の上方にはスクリーンマスク13が設けられている。
図3および図4に示すように、基板保持移動機構12の左方には、スクリーン印刷装置1の上流工程側から投入された基板2を受け取って基板保持移動機構12に搬送する搬入コンベア14が設けられている。また、基板保持移動機構12の右方には、基板保持移動機構12から基板2を受け取って下流工程側に搬送する搬出コンベア15が設けられている。スクリーンマスク13の下方領域にはカメラ16が移動自在に設けられており、スクリーンマスク13の上方領域にはスキージヘッド17が移動自在に設けられている。
図2および図3において、テーブルの一例としての基板保持移動機構12は、基板保持部21と移動テーブル部22とを有する。基板保持部21は位置決めコンベア31(図4参照)、下受け部32および前後一対のクランパ33(図4参照)を備えている。位置決めコンベア31は搬入コンベア14から受け取った基板2を所定のクランプ位置に位置決めする。下受け部32は位置決めコンベア31がクランプ位置に位置決めした基板2を下方から支持し、クランパ33はその基板2を側方(Y軸方向)からクランプして保持する。基板保持部21が有する2つのクランパ33のうち、作業者OPの側に位置するものを前方クランパ33Fと称し、作業者OPとは反対の側に位置するものを後方クランパ33Rと称する。移動テーブル部22は複数のテーブル機構が多段積みされて成るXYθテーブル機構から成り、基板保持部21を水平面内方向および上下方向に移動させる。
図1および図2において、マスクの一例としてのスクリーンマスク13は、XY平面に広がった矩形平板形状の金属部材を有して構成される。図4において、スクリーンマスク13の中央の矩形領域は下面が基板2と接触する基板接触領域Rとなっている。基板接触領域Rにはパターン開口(開口の一例)13hが基板2の電極2dの配置に対応して設けられている。スクリーンマスク13の外周は枠部材13Wによって支持されている。基板保持移動機構12の上方には、スクリーンマスク13を支持するL型レール状のマスク支持部19が対向して設けられている。スクリーンマスク13は、前後方向(Y軸方向)の両端の枠部材13Wにおいてマスク支持部19によって支持され、左右方向(Y軸方向)に移動可能に配置される。
図2において、カメラ16は、撮像視野を上方に向けた上方撮像部16aと、撮像視野を下方に向けた下方撮像部16bを有する。カメラ16はボール螺子機構をアクチュエータとするカメラ移動機構16K(図1参照)に駆動されてXY面内で移動する。
図1および図2において、スキージヘッド17は、移動ベース41と、2つのスキージ42と、2つのスキージ昇降シリンダ43から成る。移動ベース41はX軸方向に延びた部材であり、ボール螺子機構をアクチュエータとする印刷ヘッド移動機構17Kに駆動されてY軸方向に移動する。2つのスキージ42は移動ベース41に前後に並んで対向配設されており、移動ベース41のY軸方向への移動によって2つ一体となってY軸方向に往復移動する。前後の2つのスキージ42のうち、前方(図2の紙面右側)に位置するものを前方スキージ42Fと称し、後方(図2の紙面左側)に位置するものを後方スキージ42Rと称する。2つのスキージ42はそれぞれX軸方向に延びた「へら」状の部材から成り、互いに下方に広がる姿勢で斜め下方に延びている。前方スキージ42Fについては後側の面がペースト掻寄せ面であり、後方スキージ42Rについては前側の面がペースト掻寄せ面である。
2つのスキージ昇降シリンダ43は2つのスキージ42に対応して移動ベース41に前後方向に並んで設けられている。2つのスキージ昇降シリンダ43は個別に作動して2つのスキージ42を移動ベース41に対して独立して昇降させる。各スキージ昇降シリンダ43は対応するスキージ42を、そのスキージ42の下端がスクリーンマスク13の上面から所定距離だけ離間した待機高さ位置(図2中に示すスキージ42参照)と、下端がスクリーンマスク13に当接する当接高さ位置との間で昇降させることができる。
図2において、スクリーン印刷装置1は、半田ペースト回収装置(回収装置あるいは回収/供給装置の一例)71を有する。半田ペースト回収装置71は、スクリーン印刷装置1において一つの印刷動作が終了したときに、スクリーンマスク13上のペーストPstを回収する。また、スクリーン印刷装置1において次の印刷動作に用いるスクリーンマスク13への交換を行ったときに、半田ペースト回収装置71は、交換後のスクリーンマスク13上に回収したペーストPstを供給する。
図5は、本開示の一実施の形態におけるスクリーン印刷装置1が有するスキージヘッド17の側面図である。スキージヘッド17は、スクリーンマスク13上を摺動し、かつ基板2にペーストPstを印刷するためのスキージ42を上下方向に移動させる。スキージヘッド17には、スキージヘッド17がスクリーンマスク13上を摺動するための移動機構を利用して、スクリーンマスク13の位置決めを行うためのマスク自動位置決めユニット(位置決め部の一例)91が搭載されている。スクリーンマスク13は、四角形の枠部材13Wにより枠取りされる。マスク自動位置決めユニット91は、スクリーンマスク13の枠部材13Wを利用してスクリーンマスク13を移動させ、スクリーンマスク13の位置決めを行う。
この際、スキージヘッド17に搭載されたマスク自動位置決めユニット91は、枠部材13Wよりもさらに後方に移動する。スキージヘッド17は、この移動位置が最後端の移動位置となる。スクリーン印刷装置1は、半田ペースト回収装置71を、新たに増設する場合、スクリーンマスク13上を移動するスキージヘッド17に搭載することが、移動機構を兼用できることから望ましい。そこで、スクリーン印刷装置1は、この最後端に移動されたスキージヘッド17と設備の骨組み113とが干渉しないように、スキージヘッド17とマスク自動位置決めユニット91との間に半田ペースト回収装置71を設けている。この構成により、設備の奥行きを変更することなく、前後方向のコンパクト化を図りつつ半田ペースト回収装置71の搭載が可能になる。
マスク自動位置決めユニット91は、半田回収取付けユニット93を有する。半田回収取付けユニット93には、半田ペースト回収装置71が着脱自在に取り付けられる。半田回収取付けユニット93は、マスク位置決め用のロッド97と、ロッド97をZ軸方向に駆動するシリンダ99と、半田ペースト回収装置71を支持する回収ユニット支持杆105とを有する。シリンダ99は、左右方向(X軸方向)に沿って複数配置され、半田回収取付けユニット93の筐体に取り付けられる。また、半田回収取付けユニット93において、複数配置されたシリンダ99の間に、回収ユニット支持杆105が設けられる。回収ユニット支持杆105には、半田ペースト回収装置71を昇降させる昇降シリンダおよび昇降ロッドが取り付けられ、昇降ロッドに半田ペースト回収装置71が取り付けられている。
半田ペースト回収装置71は、スクリーンマスク13に当接して回収したペーストPstを保持する当接部73を有する。当接部73は、スキージ42の長手方向に沿って延在する短冊状の薄板から成る。当接部73は、一方の長辺部側が、半田ペースト回収装置71の筐体89に固定され、他方の長辺部側が下向きに傾斜して取り付けられている。
図6は、本開示の一実施の形態におけるスクリーン印刷装置1の制御系統を示すブロック図である。スクリーン印刷装置1は、装置各部の動作を司る制御部の一例としての制御装置60を有する。スクリーン印刷装置1において、制御装置60は、搬入コンベア14による基板2の搬送動作、基板保持移動機構12による基板2の保持および移動動作、搬出コンベア15による基板2の搬送動作に関する、各動作の制御を実行する。また、制御装置60は、カメラ移動機構16Kによるカメラ16の移動動作とカメラ16の撮像動作、印刷ヘッド移動機構17Kによるスキージヘッド17の移動動作、およびスキージ昇降シリンダ43による各スキージ42の昇降動作に関する、各動作の制御を実行する。また、制御装置60は、半田ペースト回収装置71による半田ペースト回収動作および供給動作に関する、各動作の制御を実行する。カメラ16の撮像によって得られた画像データは制御装置60に送られ、制御装置60の画像処理部60aにおいて画像認識がなされる。
本実施の形態におけるスクリーン印刷装置1では、制御装置60に接続される入力装置61から必要な入力が行われる。これにより、前後一対のスキージ42のそれぞれの当接地点が任意に設定可能となる。また、入力装置61から必要な入力が行われることにより、スキージ42のスクリーンマスク13上での摺動速度と、スキージ42のスクリーンマスク13に対する印圧をそれぞれ任意に設定できるようになっている。また、スクリーン印刷装置1は、入力装置61からの入力に基づき、印刷動作の開始位置、終了位置を任意に設定可能となっている。ここで、作業者OPに近い側をフロント側(前側)、フロント側と反対方向をリア側(後側)とする。
入力装置61は、選択部の一例として機能し、印刷開始位置と印刷終了位置の少なくとも一方を、それぞれフロント側、リア側のいずれか任意に選択可能であり、制御装置60に対して選択位置を通知する。入力装置61は、タッチパネル、押しボタン、スイッチ等の各種入力デバイスにより構成してよい。制御装置60は、印刷終了位置に応じて半田ペーストの回収位置を設定し、印刷開始位置に応じて半田ペーストの供給位置を設定する。このため、制御装置60は、印刷動作の終了位置に関わらず、前後いずれの位置でも半田ペースト回収装置71による半田ペースト回収動作を実行可能とする。また、制御装置60は、半田ペーストの回収位置に関わらず、前後いずれの位置でも半田ペースト回収装置71による半田ペースト供給動作を実行可能とする。これにより、前後いずれの位置でも半田ペーストを回収し、回収した半田ペーストを前後いずれの位置にも供給し、前の印刷動作の印刷終了位置に関わらず任意の印刷開始位置で次の印刷動作を開始できるようにする。
次に、上述したスクリーン印刷装置1によるペーストPstの回収供給動作を説明する。
図1~図4に示すように、上流工程側から基板2が投入されると、その基板2を搬入コンベア14が受け取り、基板保持部21に受け渡す。基板保持部21は、搬入コンベア14から受け取った基板2を位置決めコンベア31によって所定のクランプ位置に位置決めし、下受け部32により下方から支持した上でクランパ33によってクランプする。基板保持部21が基板2を保持したら、移動テーブル部22が基板保持部21を移動させ、基板2をスクリーンマスク13の基板接触領域Rの下方に位置させる。
基板2が基板接触領域Rの下方に位置したらカメラ16が移動し、上方撮像部16aによって基板接触領域R内に設けられたマスク側マーク13m(図4)を下方から撮像し、下方撮像部16bによって基板保持部に保持された基板2の基板側マーク2m(図3)を上方から撮像する。カメラ16による撮像が終了したら、基板保持移動機構12は、マスク側マーク13mと基板側マーク2mが平面視において一致するように基板2を移動させた上で上昇させ、基板接触領域Rに基板2を接触させる。これにより各電極2dは対応するパターン開口13hと合致してマスクプレートの上面側に露出する。
上述のように基板2が基板接触領域Rに接触すると、前方クランパ33Fは基板接触領域Rの前方領域でスクリーンマスク13の下面に接触し、後方クランパ33Rは基板接触領域Rの後方領域でスクリーンマスク13の下面に接触する。本実施の形態では、前方クランパ33Fがスクリーンマスク13と接触する部分の上面領域を前方待機領域TFと称し、後方クランパ33Rがスクリーンマスク13と接触する部分の上面領域を後方待機領域TRと称する(図4参照)。前方待機領域TFと後方待機領域TRはそれぞれ、印刷動作開始前にペーストPstを待機させる領域となる。本実施の形態では、ペーストPstは初め、前方待機領域TFに供給される(図4参照)。
スクリーン印刷装置1による印刷動作の概略は、先ず、供給されたペーストPstをスキージ42で掻き寄せてスクリーンマスク13のパターン開口13hにペーストPstを充填させる。次いで、スキージ42を当接高さ位置に下降させ、スキージ42のペースト掻寄せ面がペーストPstに接触するようにする。そして、移動ベース41を後方に移動させ、スキージ42をスクリーンマスク13上で摺動させることによって、ペーストPstを掻き寄せる。これにより、ペーストPstがパターン開口13hを通過して基板2の電極2dに印刷される。
図7,図8,図9,図10,図11,図12は、それぞれ本開示の一実施の形態におけるスクリーン印刷装置1が行うペースト回収動作および供給動作の第1例を示す説明図である。第1例のペースト回収動作および供給動作では、図7~図12における[A1]~[A18]の各状態に遷移する。第1例は、印刷終了位置がフロント側であり、次の印刷開始位置がフロント側である場合に、第1のスクリーンマスク(第1のマスクの一例)13Fのフロント側でペーストPstの回収を行い、第2のスクリーンマスク(第2のマスクの一例)13Rのフロント側にペーストPstの供給を行う動作例である。
図7において、状態[A1]は、スクリーン印刷装置1が第1のスクリーンマスク13Fにおいて印刷動作を実行し、スキージヘッド17を前方に移動させ、後方スキージ42RによってペーストPstを前方に掻き寄せてフロント側で印刷動作が終了した状態を示している。ここで、異なる種類の基板2への印刷を行うために、機種の切り替え指示を受けると、制御装置60は、以下に示すペースト回収動作および供給動作の実行を制御する。このとき、制御装置60は、基板保持移動機構12、印刷ヘッド移動機構17Kを制御し、移動テーブル部22とスキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91とを移動させ、半田ペースト回収装置71を稼働させる。スクリーン印刷装置1は、機種の切り替え時において、第1のスクリーンマスク13Fのフロント側の印刷終了位置に残ったペーストPstの回収を行った後、後方に待機させてある次機種に対応する第2のスクリーンマスク13Rを後方から前方へ搬送する。そして、第2のスクリーンマスク13Rのフロント側の印刷開始位置にペーストPstの供給を行い、次の印刷動作の準備を行う。
まず、図7に示すように、状態[A1]から、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17の後方スキージ42Rを上昇し、スキージ42を第1のスクリーンマスク13Fから離間させる。また、スクリーン印刷装置1は、基板保持移動機構12の基板保持部21および移動テーブル部22を下降し、前方クランパ33Fおよび後方クランパ33Rを第1のスクリーンマスク13Fから離間させる(状態[A2])。そして、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を後方に移動する。このとき、スクリーン印刷装置1は、マスク自動位置決めユニット91に設けたシリンダ99のロッド97が、第1のスクリーンマスク13Fの後端側の枠部材13Wの内側近傍の上方に位置するように、マスク自動位置決めユニット91を駆動する(状態[A3])。
そして、図8に示すように、スクリーン印刷装置1は、マスク自動位置決めユニット91のロッド97を下降し、ロッド97を第1のスクリーンマスク13Fの後端側の枠部材13Wに当接させる(状態[A4])。続いて、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を後方に移動し、第1のスクリーンマスク13Fを後方に所定距離(例えば10mm程度)移動させる。これにより、第1のスクリーンマスク13Fのフロント側の印刷終了位置に残留しているペーストPstが半田ペースト回収装置71の可動範囲内に入るようにし、半田ペースト回収装置71によって回収可能な位置にペーストPstを位置させる。このとき、スクリーン印刷装置1は、第1のスクリーンマスク13Fの下方にある基板保持移動機構12を第1のスクリーンマスク13Fと共に後方に移動する(状態[A5])。
例えば、状態[A1]および[A2]において、スキージヘッド17の前端近傍の位置がスキージ可動限界である場合、スキージヘッド17とマスク自動位置決めユニット91の間に半田ペースト回収装置71を設けた構成では、半田ペースト回収装置71をさらに前方へ移動させることができない。この場合、フロント側の印刷終了位置に半田ペースト回収装置71が届かないおそれがある。そこで、状態[A5]のようにスクリーンマスク13を後方の半田ペースト回収装置71側へ移動させることにより、フロント側の印刷終了位置でのペーストPstの回収を可能にしている。また、スクリーンマスク13を移動させるスキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91の移動に伴い、基板保持移動機構12を一緒に半田ペースト回収装置71側へ移動させることにより、スクリーンマスク13によって基板保持移動機構12の上面が常に覆われる状態にしている。なお、制御装置60は、印刷終了位置とスキージヘッド17の位置とに基づき、スクリーンマスク13の移動要否を判断し、移動が必要な場合のみスキージヘッド17および基板保持移動機構12を移動させるようにしてもよい。
状態[A5]において、スキージヘッド17と基板保持移動機構12の後方への移動は、両者を連動させて移動してもよいし、それぞれを個別に独立して移動してもよい。また、移動距離は、両者を同一距離移動してもよいし、それぞれ個別に所定範囲内の異なる距離移動してもよい。移動タイミングは、両者を同時に移動させてもよいし、所定時間内で基板保持移動機構12を先に移動させてもよいし、所定時間内でスキージヘッド17を先に移動させてもよい。基板保持移動機構12は、鉛直方向(Z軸方向)において第1のスクリーンマスク13Fと重なった状態となり、第1のスクリーンマスク13Fの下に隠れて露呈しない状態を保持可能であればよく、この条件下で適宜スキージヘッド17と基板保持移動機構12を後方に移動させればよい。すなわち、スクリーン印刷装置1は、スクリーンマスク13および基板保持移動機構12を移動させる際、基板保持移動機構12がスクリーンマスク13によって覆われる状態を維持する。そして、スクリーン印刷装置1は、マスク自動位置決めユニット91のシリンダ99のロッド97を上昇する(状態[A6])。
次に、図9に示すように、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を前方に移動し、半田ペースト回収装置71を前方に移動させる。このとき、スクリーン印刷装置1は、マスク自動位置決めユニット91に取り付けられた半田ペースト回収装置71の当接部73が、第1のスクリーンマスク13Fのフロント側の印刷終了位置に残留しているペーストPstの後側近傍の上方に位置するように、マスク自動位置決めユニット91を駆動する(状態[A7])。
続いて、スクリーン印刷装置1は、マスク自動位置決めユニット91の半田回収取付けユニット93に取り付けられた回収ユニット支持杆105の昇降ロッド103を下降し、半田ペースト回収装置71の当接部73を第1のスクリーンマスク13Fに当接させる。また、スクリーン印刷装置1は、基板保持移動機構12の基板保持部21および移動テーブル部22を上昇し、前方クランパ33Fおよび後方クランパ33Rを第1のスクリーンマスク13Fに当接させる。このとき、前方クランパ33Fの上方に第1のスクリーンマスク13Fを挟んで半田ペースト回収装置71が位置する(状態[A8])。そして、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を前方に移動し、半田ペースト回収装置71の当接部73を第1のスクリーンマスク13F上で前方に摺動させてペーストPstをすくい取る(状態[A9])。
次に、図10に示すように、スクリーン印刷装置1は、回収ユニット支持杆105の昇降ロッド103を上昇し、半田ペースト回収装置71を上昇させて第1のスクリーンマスク13Fから離間させる。また、スクリーン印刷装置1は、基板保持移動機構12の基板保持部21および移動テーブル部22を下降し、前方クランパ33Fおよび後方クランパ33Rを第1のスクリーンマスク13Fから離間させる(状態[A10])。ここまでが、第1例のペースト回収動作に相当する。
そして、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を後方に移動する。このとき、スクリーン印刷装置1は、マスク自動位置決めユニット91に設けたシリンダ99のロッド97が、第2のスクリーンマスク13Rの後端側の枠部材13Wの外側近傍の上方に位置するように、マスク自動位置決めユニット91を第2のスクリーンマスク13Rの後端まで大きく駆動する(状態[A11])。そして、スクリーン印刷装置1は、マスク自動位置決めユニット91のロッド97を下降し、ロッド97を第2のスクリーンマスク13Rの後端側の枠部材13Wに当接させる(状態[A12])。
続いて、図11に示すように、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を前方に移動し、第2のスクリーンマスク13Rを第1のスクリーンマスク13Fと共に前方に移動させる。これにより、第2のスクリーンマスク13Rを基板保持移動機構12の上方に位置させる(状態[A13])。そして、スクリーン印刷装置1は、マスク自動位置決めユニット91のシリンダ99のロッド97を上昇する(状態[A14])。次に、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を前方に移動し、半田ペースト回収装置71を前方に移動させる。このとき、スクリーン印刷装置1は、半田ペースト回収装置71の当接部73が、第2のスクリーンマスク13Rのフロント側の前方待機領域TFの上方に位置するように、マスク自動位置決めユニット91を駆動する(状態[A15])。
次に、図12に示すように、スクリーン印刷装置1は、マスク自動位置決めユニット91の半田回収取付けユニット93に取り付けられた回収ユニット支持杆105の昇降ロッド103を下降し、半田ペースト回収装置71の当接部73を第2のスクリーンマスク13Rに当接させる。また、スクリーン印刷装置1は、基板保持移動機構12の基板保持部21および移動テーブル部22を上昇し、前方クランパ33Fおよび後方クランパ33Rを第2のスクリーンマスク13Rに当接させる。このとき、前方クランパ33Fの上方に第2のスクリーンマスク13Rを挟んで半田ペースト回収装置71が位置する(状態[A16])。
続いて、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を後方に移動し、半田ペースト回収装置71の当接部73を第2のスクリーンマスク13R上で後方に摺動させて印刷開始位置である前方待機領域TFにペーストPstを留置する(状態[A17])。そして、スクリーン印刷装置1は、回収ユニット支持杆105の昇降ロッド103を上昇し、半田ペースト回収装置71を上昇させて第2のスクリーンマスク13Rから離間させる。(状態[A18])。ここまでが、第1例のペースト供給動作に相当する。
その後、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を移動し、マスク自動位置決めユニット91のロッド97を下降して第2のスクリーンマスク13Rの枠部材13Wに当接させる。続いて、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を所定位置に移動させ、第2のスクリーンマスク13Rの位置を所定の印刷位置に位置決めする。そして、スクリーン印刷装置1は、選択されたフロント側の印刷開始位置から前方スキージ42Fによる印刷を開始する。
上述したように、第1例では、スクリーンマスク13のフロント側で印刷動作が終了し、機種の切り替えを行う場合に、今まで使用していた第1のスクリーンマスク13Fのフロント側の印刷終了位置に残留したペーストPstの回収を行う。そして、スクリーンマスク13の交換を行い、次に使用する第2のスクリーンマスク13Rのフロント側の印刷開始位置にペーストPstの供給を行う。このように、スクリーンマスク13のフロント側でのペースト回収動作の後にフロント側でのペースト供給動作が可能である。
なお、ペースト回収動作において半田ペースト回収装置71を印刷終了位置に届かせるために実行するスクリーンマスク13および基板保持移動機構12の移動は、ペースト供給動作において適用してもよい。この場合、ペースト供給動作時に、スクリーンマスク13および基板保持移動機構12を半田ペースト回収装置71側へ移動し、半田ペースト回収装置71を印刷開始位置に十分に到達させ、ペーストPstを供給する。これにより、適切なペースト供給が可能になる。
図13,図14,図15,図16は、それぞれ本開示の一実施の形態におけるスクリーン印刷装置1が行うペースト回収動作および供給動作の第2例を示す説明図である。第2例のペースト回収動作および供給動作では、図13~図16における[B1]~[B18]の各状態に遷移する。第2例は、印刷終了位置がフロント側であり、次の印刷開始位置がリア側である場合に、第1のスクリーンマスク13Fのフロント側でペーストPstの回収を行い、第2のスクリーンマスク13Rのリア側にペーストPstの供給を行う動作例である。
図13において、状態[B1]は、スクリーン印刷装置1が第1のスクリーンマスク13Fにおいて印刷動作を実行し、スキージヘッド17を前方に移動させ、後方スキージ42RによってペーストPstを前方に掻き寄せてフロント側で印刷動作が終了した状態を示している。ここで、異なる種類の基板2への印刷を行うために、機種の切り替え指示を受けると、制御装置60は、以下に示すペースト回収動作および供給動作の実行を制御する。スクリーン印刷装置1は、機種の切り替え時において、第1のスクリーンマスク13Fのフロント側の印刷終了位置に残ったペーストPstの回収を行った後、後方に待機させてある次機種に対応する第2のスクリーンマスク13Rを後方から前方へ搬送する。そして、第2のスクリーンマスク13Rのリア側の印刷開始位置にペーストPstの供給を行い、次の印刷動作の準備を行う。
ここで、第2例におけるペースト回収動作は、第1例のペースト回収動作と同様になる。このため、第1例の[A1]~[A14]と第2例の[B1]~[B14]の状態はそれぞれ同じ状態となる。よって、第2例では第1例と異なる部分を中心に説明する。
まず、図13に示すように、状態[B1]から、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17を上昇し、スキージ42を第1のスクリーンマスク13Fから離間させる。また、スクリーン印刷装置1は、基板保持移動機構12を下降し、前方クランパ33Fおよび後方クランパ33Rを第1のスクリーンマスク13Fから離間させる(状態[B2])。そして、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を後方に移動し、ロッド97を下降して第1のスクリーンマスク13Fの後端側の枠部材13Wに当接させた状態で、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を後方に移動し、第1のスクリーンマスク13Fを後方に所定距離移動させる。また、スクリーン印刷装置1は、基板保持移動機構12を第1のスクリーンマスク13Fと共に後方に移動する(状態[B5])。これにより、第1のスクリーンマスク13Fのフロント側の印刷終了位置に残留しているペーストPstが半田ペースト回収装置71の可動範囲内にあり、半田ペースト回収装置71によって回収可能な位置に配置させる。
そして、図14に示すように、スクリーン印刷装置1は、マスク自動位置決めユニット91のロッド97を上昇し、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を前方に移動し、半田ペースト回収装置71を前方に移動させる。続いて、スクリーン印刷装置1は、マスク自動位置決めユニット91に取り付けられた昇降ロッド103を下降し、半田ペースト回収装置71の当接部73を第1のスクリーンマスク13Fに当接させる。また、スクリーン印刷装置1は、基板保持移動機構12の基板保持部21および移動テーブル部22を上昇し、前方クランパ33Fおよび後方クランパ33Rを第1のスクリーンマスク13Fに当接させる(状態[B8])。
次に、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を前方に移動し、半田ペースト回収装置71の当接部73を第1のスクリーンマスク13F上で前方に摺動させてペーストPstをすくい取る。そして、スクリーン印刷装置1は、回収ユニット支持杆105の昇降ロッド103を上昇し、半田ペースト回収装置71を上昇させて第1のスクリーンマスク13Fから離間させる。また、スクリーン印刷装置1は、基板保持移動機構12を下降し、前方クランパ33Fおよび後方クランパ33Rを第1のスクリーンマスク13Fから離間させる(状態[B10])。ここまでが、第2例のペースト回収動作に相当する。
そして、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を第2のスクリーンマスク13Rの後端まで後方に大きく移動し、ロッド97を下降して第2のスクリーンマスク13Rの後端側の枠部材13Wに当接させる(状態[B12])。
続いて、図15に示すように、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を前方に移動し、第2のスクリーンマスク13Rを第1のスクリーンマスク13Fと共に前方に移動させる。これにより、第2のスクリーンマスク13Rを基板保持移動機構12の上方に位置させる(状態[B13])。そして、スクリーン印刷装置1は、マスク自動位置決めユニット91のロッド97を上昇する(状態[B14])。
次に、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を前方に所定距離移動し、半田ペースト回収装置71を前方に移動させる。このとき、スクリーン印刷装置1は、半田ペースト回収装置71の当接部73が、第2のスクリーンマスク13Rのリア側の後方待機領域TRの上方に位置するように、マスク自動位置決めユニット91を駆動する(状態[B15])。
次に、図16に示すように、スクリーン印刷装置1は、マスク自動位置決めユニット91に取り付けられた昇降ロッド103を下降し、半田ペースト回収装置71の当接部73を第2のスクリーンマスク13Rに当接させる。また、スクリーン印刷装置1は、基板保持移動機構12を上昇し、前方クランパ33Fおよび後方クランパ33Rを第2のスクリーンマスク13Rに当接させる。このとき、後方クランパ33Rの上方に第2のスクリーンマスク13Rを挟んで半田ペースト回収装置71が位置する(状態[B16])。
続いて、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を後方に移動し、半田ペースト回収装置71の当接部73を第2のスクリーンマスク13R上で後方に摺動させて印刷開始位置である後方待機領域TRにペーストPstを留置する(状態[B17])。そして、スクリーン印刷装置1は、回収ユニット支持杆105の昇降ロッド103を上昇し、半田ペースト回収装置71を上昇させて第2のスクリーンマスク13Rから離間させる。(状態[B18])。ここまでが、第2例のペースト供給動作に相当する。
その後、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を移動し、マスク自動位置決めユニット91のロッド97を下降して第2のスクリーンマスク13Rの枠部材13Wに当接させる。続いて、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を所定位置に移動させ、第2のスクリーンマスク13Rの位置を所定の印刷位置に位置決めする。そして、スクリーン印刷装置1は、選択されたリア側の印刷開始位置から後方スキージ42Rによる印刷を開始する。
上述したように、第2例では、スクリーンマスク13のフロント側で印刷動作が終了し、機種の切り替えを行う場合に、今まで使用していた第1のスクリーンマスク13Fのフロント側の印刷終了位置に残留したペーストPstの回収を行う。そして、スクリーンマスク13の交換を行い、次に使用する第2のスクリーンマスク13Rのリア側の印刷開始位置にペーストPstの供給を行う。このように、スクリーンマスク13のフロント側でのペースト回収動作の後にリア側でのペースト供給動作が可能である。
図17,図18,図19,図20,図21は、それぞれ本開示の一実施の形態におけるスクリーン印刷装置1が行うペースト回収動作および供給動作の第3例を示す説明図である。第3例のペースト回収動作および供給動作では、図17~図21における[C1]~[C14]の各状態に遷移する。第3例は、印刷終了位置がリア側であり、次の印刷開始位置がフロント側である場合に、第1のスクリーンマスク13Fのリア側でペーストPstの回収を行い、第2のスクリーンマスク13Rのフロント側にペーストPstの供給を行う動作例である。
図17において、状態[C1]は、スクリーン印刷装置1が第1のスクリーンマスク13Fにおいて印刷動作を実行し、スキージヘッド17を後方に移動させ、前方スキージ42FによってペーストPstを後方に掻き寄せてリア側で印刷動作が終了した状態を示している。ここで、異なる種類の基板2への印刷を行うために、機種の切り替え指示を受けると、制御装置60は、以下に示すペースト回収動作および供給動作の実行を制御する。スクリーン印刷装置1は、機種の切り替え時において、第1のスクリーンマスク13Fのリア側の印刷終了位置に残ったペーストPstの回収を行った後、後方に待機させてある次機種に対応する第2のスクリーンマスク13Rを後方から前方へ搬送する。そして、第2のスクリーンマスク13Rのフロント側の印刷開始位置にペーストPstの供給を行い、次の印刷動作の準備を行う。
まず、図17に示すように、状態[C1]から、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17の前方スキージ42Fを上昇し、スキージ42を第1のスクリーンマスク13Fから離間させる。また、スクリーン印刷装置1は、基板保持移動機構12の基板保持部21および移動テーブル部22を下降し、前方クランパ33Fおよび後方クランパ33Rを第1のスクリーンマスク13Fから離間させる(状態[C2])。そして、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を前方に移動し、半田ペースト回収装置71を前方に移動させる。このとき、スクリーン印刷装置1は、マスク自動位置決めユニット91に取り付けられた半田ペースト回収装置71の当接部73が、第1のスクリーンマスク13Fのリア側の印刷終了位置に残留しているペーストPstの後側近傍の上方に位置するように、マスク自動位置決めユニット91を駆動する(状態[C3])。
次に、図18に示すように、スクリーン印刷装置1は、マスク自動位置決めユニット91の半田回収取付けユニット93に取り付けられた回収ユニット支持杆105の昇降ロッド103を下降し、半田ペースト回収装置71の当接部73を第1のスクリーンマスク13Fに当接させる。また、スクリーン印刷装置1は、基板保持移動機構12の基板保持部21および移動テーブル部22を上昇し、前方クランパ33Fおよび後方クランパ33Rを第1のスクリーンマスク13Fに当接させる。このとき、後方クランパ33Rの上方に第1のスクリーンマスク13Fを挟んで半田ペースト回収装置71が位置する(状態[C4])。そして、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を前方に移動し、半田ペースト回収装置71の当接部73を第1のスクリーンマスク13F上で前方に摺動させてペーストPstをすくい取る(状態[C5])。
続いて、スクリーン印刷装置1は、回収ユニット支持杆105の昇降ロッド103を上昇し、半田ペースト回収装置71を上昇させて第1のスクリーンマスク13Fから離間させる。また、スクリーン印刷装置1は、基板保持移動機構12の基板保持部21および移動テーブル部22を下降し、前方クランパ33Fおよび後方クランパ33Rを第1のスクリーンマスク13Fから離間させる(状態[C6])。ここまでが、第3例のペースト回収動作に相当する。
次に、図19に示すように、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を後方に移動する。このとき、スクリーン印刷装置1は、マスク自動位置決めユニット91に設けたシリンダ99のロッド97が、第2のスクリーンマスク13Rの後端側の枠部材13Wの外側近傍の上方に位置するように、マスク自動位置決めユニット91を第2のスクリーンマスク13Rの後端まで大きく駆動する(状態[C7])。そして、スクリーン印刷装置1は、マスク自動位置決めユニット91のロッド97を下降し、ロッド97を第2のスクリーンマスク13Rの後端側の枠部材13Wに当接させる(状態[C8])。
続いて、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を前方に移動し、第2のスクリーンマスク13Rを第1のスクリーンマスク13Fと共に前方に移動させる。これにより、第2のスクリーンマスク13Rを基板保持移動機構12の上方に位置させる(状態[C9])。
そして、図20に示すように、スクリーン印刷装置1は、マスク自動位置決めユニット91のシリンダ99のロッド97を上昇する(状態[C10])。続いて、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を前方に移動し、半田ペースト回収装置71を前方に移動させる。このとき、スクリーン印刷装置1は、半田ペースト回収装置71の当接部73が、第2のスクリーンマスク13Rのフロント側の前方待機領域TFの上方に位置するように、マスク自動位置決めユニット91を駆動する(状態[C11])。
次に、スクリーン印刷装置1は、マスク自動位置決めユニット91の半田回収取付けユニット93に取り付けられた回収ユニット支持杆105の昇降ロッド103を下降し、半田ペースト回収装置71の当接部73を第2のスクリーンマスク13Rに当接させる。また、スクリーン印刷装置1は、基板保持移動機構12の基板保持部21および移動テーブル部22を上昇し、前方クランパ33Fおよび後方クランパ33Rを第2のスクリーンマスク13Rに当接させる。このとき、前方クランパ33Fの上方に第2のスクリーンマスク13Rを挟んで半田ペースト回収装置71が位置する(状態[C12])。
続いて、図21に示すように、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を後方に移動し、半田ペースト回収装置71の当接部73を第2のスクリーンマスク13R上で後方に摺動させて印刷開始位置である前方待機領域TFにペーストPstを留置する(状態[C13])。そして、スクリーン印刷装置1は、回収ユニット支持杆105の昇降ロッド103を上昇し、半田ペースト回収装置71を上昇させて第2のスクリーンマスク13Rから離間させる。(状態[C14])。ここまでが、第3例のペースト供給動作に相当する。
その後、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を移動し、マスク自動位置決めユニット91のロッド97を下降して第2のスクリーンマスク13Rの枠部材13Wに当接させる。続いて、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を所定位置に移動させ、第2のスクリーンマスク13Rの位置を所定の印刷位置に位置決めする。そして、スクリーン印刷装置1は、選択されたフロント側の印刷開始位置から前方スキージ42Fによる印刷を開始する。
上述したように、第3例では、スクリーンマスク13のリア側で印刷動作が終了し、機種の切り替えを行う場合に、今まで使用していた第1のスクリーンマスク13Fのリア側の印刷終了位置に残留したペーストPstの回収を行う。そして、スクリーンマスク13の交換を行い、次に使用する第2のスクリーンマスク13Rのフロント側の印刷開始位置にペーストPstの供給を行う。このように、スクリーンマスク13のリア側でのペースト回収動作の後にフロント側でのペースト供給動作が可能である。
図22,図23,図24,図25は、それぞれ本開示の一実施の形態におけるスクリーン印刷装置1が行うペースト回収動作および供給動作の第4例を示す説明図である。第4例のペースト回収動作および供給動作では、図22~図25における[D1]~[D14]の各状態に遷移する。第4例は、印刷終了位置がリア側であり、次の印刷開始位置がリア側である場合に、第1のスクリーンマスク13Fのリア側でペーストPstの回収を行い、第2のスクリーンマスク13Rのリア側にペーストPstの供給を行う動作例である。
図22において、状態[D1]は、スクリーン印刷装置1が第1のスクリーンマスク13Fにおいて印刷動作を実行し、スキージヘッド17を後方に移動させ、前方スキージ42FによってペーストPstを後方に掻き寄せてリア側で印刷動作が終了した状態を示している。ここで、異なる種類の基板2への印刷を行うために、機種の切り替え指示を受けると、制御装置60は、以下に示すペースト回収動作および供給動作の実行を制御する。スクリーン印刷装置1は、機種の切り替え時において、第1のスクリーンマスク13Fのリア側の印刷終了位置に残ったペーストPstの回収を行った後、後方に待機させてある次機種に対応する第2のスクリーンマスク13Rを後方から前方へ搬送する。そして、第2のスクリーンマスク13Rのリア側にペーストPstの供給を行い、次の印刷動作の準備を行う。
ここで、第4例におけるペースト回収動作は、第3例のペースト回収動作と同様になる。このため、第3例の[C1]~[C10]と第4例の[D1]~[D10]の状態はそれぞれ同じ状態となる。よって、第4例では第3例と異なる部分を中心に説明する。
まず、図22に示すように、状態[D1]から、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17を上昇し、スキージ42を第1のスクリーンマスク13Fから離間させる。また、スクリーン印刷装置1は、基板保持移動機構12を下降し、前方クランパ33Fおよび後方クランパ33Rを第1のスクリーンマスク13Fから離間させる(状態[D2])。そして、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を前方に移動し、半田ペースト回収装置71を前方に移動させる。続いて、スクリーン印刷装置1は、マスク自動位置決めユニット91に取り付けられた昇降ロッド103を下降し、半田ペースト回収装置71の当接部73を第1のスクリーンマスク13Fに当接させる。また、スクリーン印刷装置1は、基板保持移動機構12の基板保持部21および移動テーブル部22を上昇し、前方クランパ33Fおよび後方クランパ33Rを第1のスクリーンマスク13Fに当接させる(状態[D4])。
そして、図23に示すように、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を前方に移動し、半田ペースト回収装置71の当接部73を第1のスクリーンマスク13F上で前方に摺動させてペーストPstをすくい取る。そして、スクリーン印刷装置1は、回収ユニット支持杆105の昇降ロッド103を上昇し、半田ペースト回収装置71を上昇させて第1のスクリーンマスク13Fから離間させる。また、スクリーン印刷装置1は、基板保持移動機構12を下降し、前方クランパ33Fおよび後方クランパ33Rを第1のスクリーンマスク13Fから離間させる(状態[D6])。ここまでが、第4例のペースト回収動作に相当する。
次に、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を第2のスクリーンマスク13Rの後端まで後方に大きく移動し、ロッド97を下降して第2のスクリーンマスク13Rの後端側の枠部材13Wに当接させる(状態[D8])。続いて、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を前方に移動し、第2のスクリーンマスク13Rを第1のスクリーンマスク13Fと共に前方に移動させる。これにより、第2のスクリーンマスク13Rを基板保持移動機構12の上方に位置させる(状態[D9])。
そして、図24に示すように、スクリーン印刷装置1は、マスク自動位置決めユニット91のロッド97を上昇する(状態[D10])。続いて、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を前方に所定距離移動し、半田ペースト回収装置71を前方に移動させる。このとき、スクリーン印刷装置1は、半田ペースト回収装置71の当接部73が、第2のスクリーンマスク13Rのリア側の後方待機領域TRの上方に位置するように、マスク自動位置決めユニット91を駆動する(状態[D11])。
次に、スクリーン印刷装置1は、マスク自動位置決めユニット91に取り付けられた昇降ロッド103を下降し、半田ペースト回収装置71の当接部73を第2のスクリーンマスク13Rに当接させる。また、スクリーン印刷装置1は、基板保持移動機構12を上昇し、前方クランパ33Fおよび後方クランパ33Rを第2のスクリーンマスク13Rに当接させる。このとき、後方クランパ33Rの上方に第2のスクリーンマスク13Rを挟んで半田ペースト回収装置71が位置する(状態[D12])。
続いて、図25に示すように、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を後方に移動し、半田ペースト回収装置71の当接部73を第2のスクリーンマスク13R上で後方に摺動させて後方待機領域TRにペーストPstを留置する(状態[D13])。そして、スクリーン印刷装置1は、回収ユニット支持杆105の昇降ロッド103を上昇し、半田ペースト回収装置71を上昇させて第2のスクリーンマスク13Rから離間させる。(状態[D14])。ここまでが、第4例のペースト供給動作に相当する。
その後、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を移動し、マスク自動位置決めユニット91のロッド97を下降して第2のスクリーンマスク13Rの枠部材13Wに当接させる。続いて、スクリーン印刷装置1は、スキージヘッド17およびマスク自動位置決めユニット91を所定位置に移動させ、第2のスクリーンマスク13Rの位置を所定の印刷位置に位置決めする。そして、スクリーン印刷装置1は、選択されたリア側の印刷開始位置から後方スキージ42Rによる印刷を開始する。
上述したように、第4例では、スクリーンマスク13のリア側で印刷動作が終了し、機種の切り替えを行う場合に、今まで使用していた第1のスクリーンマスク13Fのリア側の印刷終了位置に残留したペーストPstの回収を行う。そして、スクリーンマスク13の交換を行い、次に使用する第2のスクリーンマスク13Rのリア側の印刷開始位置にペーストPstの供給を行う。このように、スクリーンマスク13のリア側でのペースト回収動作の後にリア側でのペースト供給動作が可能である。
本実施の形態におけるスクリーン印刷装置1は、スクリーンマスク13を用いて基板2にペーストPstを印刷する。スクリーン印刷装置1は、スクリーンマスク13上を摺動すると共に、スクリーンマスク13に設けられたパターン開口13hを介して基板2にペーストPstを印刷するスキージ42と、基板2を保持すると共に、基板2をスクリーンマスク13に対して位置合わせする基板保持移動機構12と、スキージ42によって印刷終了位置に掻き寄せられたペーストPstを回収する半田ペースト回収装置71と、スクリーンマスク13を印刷位置に位置決めするマスク自動位置決めユニット91と、半田ペースト回収装置71が印刷終了位置に届かない場合、マスク自動位置決めユニット91を用いてスクリーンマスク13を半田ペースト回収装置71側へ移動させると共に、基板保持移動機構12を半田ペースト回収装置71側へ移動させる制御装置60と、を有する。
このスクリーン印刷装置1では、半田ペースト回収装置71が印刷終了位置に届かない場合、マスク自動位置決めユニット91を用いてスクリーンマスク13を半田ペースト回収装置71側へ移動させ、これと共に、基板保持移動機構12を半田ペースト回収装置71側へ移動させる。このため、半田ペースト回収装置71の配置構成に起因して、半田ペースト回収装置71が印刷終了位置に届かない場合であっても、スクリーンマスク13の移動によって、ペーストPstの位置が半田ペースト回収装置71の可動範囲内に入るようになる。これによって、印刷終了位置に残留しているペーストPstまで半田ペースト回収装置71を十分に到達させ、ペーストPstを適切に回収できる。
また、スクリーンマスク13を半田ペースト回収装置71側へ移動させるのに伴い、基板保持移動機構12を半田ペースト回収装置71側へ移動させることにより、基板保持移動機構12の上方が露出することが無くなり、スクリーンマスク13によって覆われた状態となる。これによって、スキージ42に付着したペーストPstが重力によって垂れ落ちた場合、基板保持移動機構12のクランパ33および下受け部32、ならびにこれに保持された基板2等にペーストPstが落下して付着することを抑止できる。したがって、基板保持移動機構12がペーストPstにより汚れることを回避し、基板保持移動機構12の汚れによる印刷品質不良を抑制できる。
制御装置60は、印刷終了位置に基づいて、スクリーンマスク13および基板保持移動機構12を半田ペースト回収装置71側へ移動させる。この構成では、制御装置60は、印刷終了位置に応じて、半田ペースト回収装置71が印刷終了位置に届かずにスクリーンマスク13を移動させる必要があるかどうかを判定し、必要な場合に移動させることが可能になる。
また、スクリーン印刷装置1は、スキージ42を上下方向に移動させるスキージヘッド17を有し、マスク自動位置決めユニット91は、スキージヘッド17に接続して設けられ、半田ペースト回収装置71は、スキージヘッド17とマスク自動位置決めユニット91との間に設けられる。この構成では、スキージヘッド17と半田ペースト回収装置71との配置関係によって、スキージヘッド17の可動範囲の一方の端部の印刷終了位置が、半田ペースト回収装置71の可動範囲から外れてしまうことが起こり得る。このため、半田ペースト回収装置71が印刷終了位置に届かない場合に、スクリーンマスク13を半田ペースト回収装置71側へ移動させることによって、ペーストPstを適切に回収できる。
また、スクリーン印刷装置1は、作業者OPに近い側をフロント側、フロント側と反対の側をリア側とすると、マスク自動位置決めユニット91は、スキージヘッド17のリア側に接続して設けられている。この場合、スキージヘッド17のリア側のマスク自動位置決めユニット91との間に半田ペースト回収装置71が配置される。制御装置60は、スキージヘッド17がフロント側にある印刷終了位置で印刷を終了すると、スクリーンマスク13および基板保持移動機構12をリア側へ移動させる。これにより、印刷終了位置に残留しているペーストPstまで半田ペースト回収装置71を十分に到達させ、ペーストPstを適切に回収できる。
また、制御装置60は、スクリーンマスク13および基板保持移動機構12を移動させる際、基板保持移動機構12がスクリーンマスク13によって覆われる状態を維持する。これにより、常に基板保持移動機構12がスクリーンマスク13によって覆われた状態となり、基板保持移動機構12にペーストPstが落下して付着することを抑止でき、基板保持移動機構12の汚れによる印刷品質不良を抑制できる。
本実施の形態におけるスクリーン印刷装置1は、第1のスクリーンマスク13Fを用いて第1の回路基板にペーストPstを印刷した後に第1のスクリーンマスク13Fと異なる第2のスクリーンマスク13Rを用いて第2の回路基板にペーストPstを印刷する。スクリーン印刷装置1は、装置の一方の側または他方の側にて、第1のスクリーンマスク13F上のペーストPstを回収すると共に、一方の側または他方の側にて、回収したペーストPstを第2のスクリーンマスク13R上に供給可能な半田ペースト回収装置71と、半田ペースト回収装置71が第2のスクリーンマスク13R上にペーストPstを供給する側を、一方の側および他方の側のうちのいずれかから選択可能な入力装置61と、半田ペースト回収装置71を入力装置61で選択された側へ移動させると共に、第2のスクリーンマスク13R上にペーストPstを供給させる制御装置60と、を有する。
このスクリーン印刷装置1では、ペーストPstを供給する側を、一方の側および他方の側のうちのいずれかから任意に選択して入力装置61より指示し、選択した側から第2のスクリーンマスク13Rを用いた第2の回路基板への印刷を開始できる。この場合、第1の回路基板に対する印刷が終了した後、異なる種類の第2の回路基板に対する印刷を行う際に、次の印刷開始位置に応じてペーストの供給位置を選択し、選択された側の供給位置にペーストPstを供給し、印刷開始位置から印刷を実行できる。よって、印刷開始位置が限定されることなく、印刷終了位置に関わらず任意の位置および方向から印刷を開始可能になり、各種の印刷処理に柔軟に対応できる。
また、スクリーン印刷装置1は、基板2を両側から保持すると共に、基板2を第2のスクリーンマスク13Rの下面に当接させるクランパ33と、第2のスクリーンマスク13R上に供給されたペーストPstを第2のスクリーンマスク13Rのパターン開口13hを介して、基板2に印刷するスキージ42とを有する。制御装置60は、入力装置61で選択された側からスキージ42による印刷を開始する。この構成では、クランパ33によって第2のスクリーンマスク13Rの下面を支持し、選択された側のスキージ42によって、印刷開始位置に供給されたペーストPstを掻き出し、第2のスクリーンマスク13Rの上を摺動することにより、選択した任意の位置から印刷が実行可能である。
また、スクリーン印刷装置1において、一方の側は、作業者OPに近いフロント側であり、他方の側は、フロント側と反対方向のリア側であるものとする。この場合、印刷終了位置がフロント側、リア側のいずれであっても、印刷終了位置に関わらず任意にペーストの供給位置を選択でき、選択されたフロント側またはリア側にペーストPstを供給して印刷を開始できる。
また、入力装置61は、スクリーン印刷装置1のフロント側に設けられたタッチパネルである。この構成では、タッチパネルによって作業者OPが任意に印刷開始位置を選択して指示し、選択された側の供給位置にペーストPstを供給して印刷を開始できる。また、タッチパネルを用いた入力操作によって、作業者OPは簡便に印刷開始位置の選択入力が可能である。
また、制御装置60は、半田ペースト回収装置71が選択された側の印刷開始位置に届かない場合、第2のスクリーンマスク13Rを半田ペースト回収装置71側へ移動させる。この構成では、半田ペースト回収装置71の配置構成に起因して、半田ペースト回収装置71が印刷開始位置に届かない場合であっても、第2のスクリーンマスク13Rの移動によって、印刷開始位置が半田ペースト回収装置71の可動範囲内に入るようになる。これによって、半田ペースト回収装置71を印刷開始位置まで十分に到達させ、ペーストPstを適切に供給できる。
本実施の形態におけるスクリーン印刷装置1は、スクリーンマスク13を用いて基板2にペーストPstを印刷する。スクリーン印刷装置1は、スクリーンマスク13上を摺動すると共に、スクリーンマスク13に設けられたパターン開口13hを介して基板2にペーストPstを印刷するスキージ42と、スキージ42によって印刷終了位置に掻き寄せられたペーストPstを回収する半田ペースト回収装置71と、スクリーンマスク13を印刷位置に位置決めするマスク自動位置決めユニット91と、半田ペースト回収装置71が印刷終了位置に届かない場合、マスク自動位置決めユニット91を用いてスクリーンマスク13を半田ペースト回収装置71側へ移動させる制御装置60と、を有する。
このスクリーン印刷装置1では、半田ペースト回収装置71が印刷終了位置に届かない場合、マスク自動位置決めユニット91を用いてスクリーンマスク13を半田ペースト回収装置71側へ移動させる。このため、半田ペースト回収装置71の配置構成に起因して、半田ペースト回収装置71が印刷終了位置に届かない場合であっても、スクリーンマスク13の移動によって、ペーストPstの位置が半田ペースト回収装置71の可動範囲内に入るようになる。これによって、印刷終了位置に残留しているペーストPstまで半田ペースト回収装置71を十分に到達させ、ペーストPstを適切に回収できる。
制御装置60は、印刷終了位置に基づいて、マスク自動位置決めユニット91を用いてスクリーンマスク13を半田ペースト回収装置71側へ移動させる。この構成では、制御装置60は、印刷終了位置に応じて、半田ペースト回収装置71が印刷終了位置に届かずにスクリーンマスク13を移動させる必要があるかどうかを判定し、必要な場合に移動させることが可能になる。
また、スクリーン印刷装置1は、スキージ42を上下方向に移動させるスキージヘッド17を有し、マスク自動位置決めユニット91は、スキージヘッド17に接続して設けられ、半田ペースト回収装置71は、スキージヘッド17とマスク自動位置決めユニット91との間に設けられる。この構成では、スキージヘッド17と半田ペースト回収装置71との配置関係によって、スキージヘッド17の可動範囲の一方の端部の印刷終了位置が、半田ペースト回収装置71の可動範囲から外れてしまうことが起こり得る。このため、半田ペースト回収装置71が印刷終了位置に届かない場合に、スクリーンマスク13を半田ペースト回収装置71側へ移動させることによって、ペーストPstを適切に回収できる。
また、スクリーン印刷装置1は、作業者OPに近い側をフロント側、フロント側と反対の側をリア側とすると、マスク自動位置決めユニット91は、スキージヘッド17のリア側に接続して設けられている。この場合、スキージヘッド17のリア側のマスク自動位置決めユニット91との間に半田ペースト回収装置71が配置される。制御装置60は、スキージヘッド17がフロント側にある印刷終了位置で印刷を終了すると、マスク自動位置決めユニット91を用いてスクリーンマスク13をリア側へ移動させる。これにより、印刷終了位置に残留しているペーストPstまで半田ペースト回収装置71を十分に到達させ、ペーストPstを適切に回収できる。
また、スクリーン印刷装置1は、第1のスクリーンマスク13Fを用いて印刷した後に、第1のスクリーンマスク13Fと異なる第2のスクリーンマスク13Rを用いて印刷する。この場合、半田ペースト回収装置71は、装置の一方の側または他方の側にて、回収したペーストPstを第2のスクリーンマスク13R上に供給可能であり、半田ペースト回収装置71が第2のスクリーンマスク13R上にペーストPstを供給する側を、一方の側および他方の側のうちのいずれかから選択可能な入力装置61を有する。制御装置60は、半田ペースト回収装置71を入力装置61で選択された側へ移動させると共に、第2のスクリーンマスク13R上にペーストPstを供給させる。これにより、第1のスクリーンマスクを用いた印刷が終了した後、異なる種類の第2のスクリーンマスクを用いた印刷を行う際に、次の印刷開始位置に応じてペーストの供給位置を選択し、選択された側の供給位置にペーストPstを供給し、印刷開始位置から印刷を実行できる。よって、印刷開始位置が限定されることなく、印刷終了位置に関わらず任意の位置および方向から印刷を開始可能になり、各種の印刷処理に柔軟に対応できる。
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。