JP7169699B2 - 強化された溝輪郭を備える自家移植器具および使用方法 - Google Patents

強化された溝輪郭を備える自家移植器具および使用方法 Download PDF

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Description

本発明の分野。本発明は、全般的に、インプラントまたは固定具を受けるための穴を作成する器具(tool)に関し、より具体的には、上記によってインプラントまたは他の固定装置を受けいれるための無機材料の骨切り(osteotomy、骨切除部位)または穴を拡張するために実施される方法に関する。
関連技術の説明。インプラントは欠損した生物学的構造と置き換えるために製造される医療装置であり、損傷した生物学的構造を支援し、または既存の生物学的構造を強化する。骨インプラントは、患者の骨の中に配置されるタイプのインプラントである。骨インプラントは、人間の骨格系を通して回復を行うことのできるものであり、喪失または損傷した歯と交換するための顎骨の歯科インプラント、臀部および膝部などの損傷した関節と交換するための関節インプラント、および、ひびを修復し、脊柱の安定化に使用される椎弓根スクリューのような、他の欠陥を治癒するために設置される強化インプラントなどを含む。インプラントの配置は、手動オステオトーム、または、骨の燃焼もしくは圧迫壊死を防止するために、高度に調節された速度による精密ドリルのいずれかを使用した、骨の前処理を必要とすることがしばしばある。インプラント表面に骨を成長させるための可変の期間の後、十分な治癒により、患者がリハビリテーション治療を開始し、または、通常の使用に戻るか、もしくは、恐らく、修復物または他の接続機構を装着できるようになる。
受け穴または骨切りを形成するいくつかの既知の方法が存在する。インプラント学の初期の頃から、例えば骨切りは、工業用途での使用に設計されたようなドリルの外観を有すると共に、そのように扱う標準的なドリルを使用して作成された。このドリルの設計は、歯科および医療用途にも機能的であることが判明したが、著しく不完全であった。インプラントの成功率は時間を経て満足のいくものとなったが、骨切り作成技術は様々な理由により、まだ不足していた。歯科および医療インプラント学で使用されていた標準的なドリルの設計は、インプラントを配置すべき空間を創出するために、骨に穴を掘るように作られ、まさに、非医療用途に設計されたドリルのようであった。ねじれているか、または溝が付された形状による標準的なドリルの設計は、骨を効果的に切断したが、典型的には、きれいで正確な円周の骨切りを作成できない。ドリルは極めて大胆な(aggressive)カッターであることから、骨切りはがたがたした振動により細長で楕円になることがある。骨切り部位が不完全な円形である場合、インプラントの挿入トルクが減少し、不十分な初期の安定性および潜在的な一体性の欠如を引き起こす。狭い骨の箇所に開けられた骨切りは頬側または舌側に離開することがあり、これもまた初期の安定性を減少させ、追加的な骨移植術を要し、費用と治癒に係る時間を治療に追加することとなる。
さらに最近では、「オッセオデンシフィケーション(osseodensification、骨の高密度化)」と呼ばれる新しい生物力学的な骨の前処理技術が、本発明の出願人によって開発された。オッセオデンシフィケーション技術は、受容骨(host bone、宿主骨)の保護に基づいており、歯科業界で急速に受け入れられつつある。いくつかの例では、オッセオデンシフィケーションは好適な標準的治療とみなされている。オッセオデンシフィケーションの例は、2015年5月12日に発行された米国特許第9,028,253号、2016年5月3日に発行された米国特許第9,326,778号、および、2015年9月17日に公開された国際公開第2015/138842号に見ることができる。これらの参考文献の全体的な開示が、参照によりここに組み込まれ、関連する国の法域で許容される範囲において依拠される。
一般的には、オッセオデンシフィケーションは独自に設計された、多数の溝が付された回転式オステオトームまたはバーを使用して骨切り部位を拡張する手順のことである。適切な回転式オステオトームは上記の米国特許第9,326,778号に説明されている。歯科用途の回転式オステオトームは、本出願人の被許諾者である、米国ミシガン州ジャクソンのヴェルサー エルエルシー(Versah LLC)を介して、Densah(登録商標) Bursとして販売されている。
従来の穿孔技術とは異なり、オッセオデンシフィケーションは骨組織に穴を開けない。正しくは、骨組織が骨切り部位から外側に拡張する方向に向かって、同時に、高密度化(compact、凝縮する)および自家移植される。これは従来の叩く(hammered)オステオトームに幾分か類似しているが、外傷や従来技術の他の制限を伴わない。一定の外部洗浄を行いながら、反対方向の非切断方向に高速で回転されるとき、この回転式オステオトームは骨切り部位の壁部および底部に沿って、骨組織の強固かつ高密度の層を形成する。高密度に圧縮された骨組織は、外科医の最も好むインプラントとして、より強い取得意欲をそそり、より迅速な治癒を促進するであろう。
簡単に述べると、歯科インプラント学の例がオッセオデンシフィケーション技術の一般原則を示すのに使用されてもよい。骨切り部位はまず、例えば1.5mmの小型の標準的な医療品質のツイストドリルまたは他の穿孔器を用いてあけられた前駆パイロット穴(precursor pilot hole)で前処理される(当然、事実上の歯科または非歯科のいずれかの、与えられた手術の適用の状況が、前駆パイロット穴のサイズおよび他の動作の特徴に影響を与える)。前駆パイロット穴は所定の深さまで穴をあけられる。外科医は、オッセオデンシフィケーション用に設計された回転式オステオトームを使用して、骨の硬度、最終的に予定する骨切り/インプラントのサイズ、骨形成の局所的幅、および、他の関連する要素を考慮しながら、前駆パイロット穴を圧縮または切断のいずれかによって拡大することを決定する。
外科医が切断により前駆パイロット穴を拡大すると決定した場合、特別に設計された回転式オステオトームが、高速で切断方向に回転される。高速とは、約1.5mmから6mmの範囲の直径の回転式オステオトームに関して、一般に200RPMを超えると定義される。回転式オステオトームは、多くの場合、穏やかなポンピング動作(pumping、上下に動かす動作)および十分な量の洗浄を伴って、前駆パイロット穴に対して前進する。下降の際、回転式オステオトームの刃先が骨材料を小さな切片または粒子に切断し、それらは溝に蓄積される。続いて、骨粒子は廃棄されるか、場合によっては、後の使用のために収集/採取される。骨切り部位は同様に、徐々に大きくなる回転式オステオトームを使用する一または複数の後作業において、切断(または圧縮)によってさらに拡大されてもよい。
一方で、外科医が圧縮により前駆パイロット穴を拡大することを好んだ場合、同一の回転式オステオトームが使用されるが、高速で非切断方向に回転される。回転式オステオトームが、(通常、多くのツイストドリルがそうであるように)回転方向を時計回りに設計されている場合、同一の回転式オステオトームの非切断方向は、反時計回りである。すなわち、非切断方向すなわち圧縮方向は、切断方向の逆である。圧縮する場合、外科医は、反対方向に回転する回転式オステオトームを、前駆パイロット穴(または、先の段落で説明したような、事前の拡張動作によって形成される前駆穴)に、大量の洗浄液と共に前進する。回転式オステオトームの刃先を骨切り内部の骨表面に接触させ続けるために、外科医によって付加される下方向の圧力が必要とされ、多くの場合、圧力を調節し、それによって、骨組織の過熱および過度なひずみを避けるための、上記のゆるやかな「バウンド動作」を伴う。外科医が骨切りに向かって回転式オステオトームをより強く押圧すると、より大きな圧力が機械的に、および、同時の洗浄により可能となる流体力学的効果を介して
、横方向に与えられる。回転式オステオトームの長手方向軸と、骨切りの孔軸との間の整列を維持するよう、常時細心の注意が払われる。回転式オステオトームが目的の深さまで完全に到達すると、回転式オステオトームによる拡大が完了する。次いで、骨切りは、同じ手順に従って、徐々に大きくなる回転式オステオトームを使用して、1または複数の後作業を以て圧縮することによって、さらに拡大される。
オッセオデンシフィケーション技術の生物学的および組織学的検証研究は、豚の脛骨および羊の腸骨稜において、オッセオデンシフィケーションが骨膨隆を促進し、インプラントの安定性を向上させ、骨切りの深さ全体に沿って、骨粒子を密集(compacting、圧縮)および自家移植することで、前処理部位周囲に圧縮層を創出すると結論付けている。
ここまで、医学的応用の観点で説明されてきたが、これらの同一の技術が非骨材料に適用されてもよい。発泡金属、細胞構成、他の非有機的材料へのねじ込み式アンカーの配置が必要な用途を含むいくつかの工業用途が、この技術の一般原則を許容し、そこから恩恵を受けてもよい。
米国特許第9,326,778号 国際公開第2015/138842号
オッセオデンシフィケーションは比較的新しい分野である。技術が成熟し始め、完成されつつあるため、新たな技術と同様に、新たな、および改良された器具および技術が期待される。さらに、より速く、より容易な実施を可能にする外科手術の効率性を高めるという、継続的なニーズが存在する。従って、基礎となる技術を進歩させ、効率性を高めるオッセオデンシフィケーションの器具および/または技術における改良は、関連する医療および工業関係者から歓迎されることであろう。
本発明の第1の態様によると、回転式オステオトームは回転の長手方向軸を定める軸部を備える。本体が軸部から延伸する。本体は軸部から離れた先端部を有する。らせん状に渦巻いた形状の複数の溝が本体の周囲に配置される。各溝は一方の側面に、すくい角をそこに規定する切断面を有し、他方の側面に、ヒール角(heel-side angle)をそこに規定する圧縮面を有する。溝は軸長さおよび半径方向深さを有する。本体のストッパ部が溝と軸部の間に配置される。ランド(land、溝の間の山部)がそれぞれの隣接する一対の溝の間に形成される。各ランドは1つの隣接する溝の切断面に沿って刃先を有する。刃先は本体の回りにらせん状にねじれている。溝はその長さ方向に沿って、連続する負のすくい角で形成される。
ストッパ部と組み合された負のすくい角により、回転式オステオトームは、従来は成し得なかった効果、すなわち、切断モードで動作している間、取り囲んでいる骨切りの部位(すなわち穴)の圧縮している外皮(densifying crust、密度の高い外皮)の初期形成という効果を実現可能にする。
本発明の別の態様によると、母材に前駆穴(precursor hole)を拡大する方法が提供される。前駆穴は向上した初期安定性を有するねじ込み式の固定具を受けるために、前処理段階で拡大される。本方法は一連のステップを含み、切断方向に高速で回転されるように構成された回転式器具を利用可能にするステップを含む。器具は軸部およ
び軸部に接合された本体を備える。本体は軸部から離れた先端部を有する。複数の溝が本体周囲に配置される。溝はらせん状のねじれを有する。各溝は圧縮面、および、その反対側の切断面を有する。本体のストッパ部は溝と軸部の間に配置される。また、本体は複数のランドを有する。各ランドは2つの隣接する溝の間に形成される。各ランドは片方の溝の圧縮面と、もう片方の溝の切断面を接合するランド面を有する。各ランド面は刃先に沿って切断面のそれぞれと交わる。ステップはさらに、母材の前駆穴を洗浄することを含む。前駆穴は、概ね円形の入り口と、母材で閉じられた底部の間に延在する内面を有するタイプの穴である。ステップは、約200RPMよりも速い速度で、切断方向に器具本体を回転させることを含む。切断方向は、回転しながら切断面を母材に掃くように接触させる(sweep into)方向として定められる。ステップは、刃先が母材を切断し、洗浄用液体と混合された母材粒子のスラリーが溝内に蓄積されるように、回転する本体を前駆穴の底部に向かって強く押し付けることで前駆穴を拡大することをさらに含む。前駆穴を拡大するこの後者のステップは、同時に、本体のストッパ部で穴を塞ぐことを含み、一方で、スラリーに圧力をかける軸方向の力を付加し続け、それによって、溝に蓄積された少なくとも幾分かの母材粒子を、穴の側壁に直接自家移植する(すなわち、埋め込む)ことを含む。
本発明の方法は、切断モードで側壁内に圧縮した外皮を早期に形成することで、後にその穴にねじ込まれるべき固定具に、向上した初期安定性をもたらすことが可能である。
本発明のこれらの、および、他の態様は、本発明の詳細な説明および図面を検討することによって、より完全に理解されるであろう。
本発明のこれらの、ならびに、他の特徴および有利点は、以下の詳細な説明および添付図面と関連付けて考慮されると、より容易に理解されるであろう。
図1は、インプラントを受けるための、拡大が必要な無歯(歯の無い)顎部位での本発明の例示的適用を図示している。
図2は図1の図であるが、拡大のための一連の漸進的ステップにおいて、本発明を使用して実現された、完全に前処理された骨切りを示している。
図3は図1の図であり、本発明の1つの実施形態に従った回転式オステオトームを用いた漸進的拡大ステップを示している。
図4は図2の図であり、その後で装着される人工装具(図示せず)のための支台または基部を受けるための、設置されたインプラントの前処理が整った様子を示している。
図5は、本発明に従った、徐々に大きくなる直径を有する4つのオステオトームを含む手術用キットの使用を、例示の目的で図示しており、当該手術用キットは、手術用ドリルモータからオステオトームを取り外すことなく、切断またはバニシングのいずれかにより各骨切りを拡大するために、オステオトームの方向の選択的な反転を利用して、人の顎部に3つの別々の骨切り部位を同時に作成するための可逆的ドリルモータと組み合されている。
図6は、本発明のある実施形態に従った、回転式オステオトームの側面図である。
図7は、ここでは「バウンド(bounce)」と呼ばれる外科処置を示した、簡略化された断面図であり、外科医が臨機応変に調節を行い、拡大率(および他の要因)を管理しながら骨切りを拡大できるように、本発明に従ったオステオトームが、オステオトームが反復的に回転する状態を保ちつつ、骨切りに繰り返し押し付けられて引き抜かれる様子を示している。
図8は、個別の状況に応じて、外科医(またはユーザ)が前進する力に対して臨機応変な調節を行うことができることを図示することを目的に、3つの別個の手順において、骨切り(または穴)に向かって、貫通深さに対して本体を骨切りに前進させるために、ユーザによって付加される力を描画した例示のグラフである。
図9は、全般に、本発明の使用に適した骨、金属発泡体、および他の母材を表した、簡略化された応力-ひずみ曲線である。
図10は、本発明のある実施形態に従った回転式オステオトームの先端部の拡大図である。
図11は、本発明に従った拡大手順の最中に、部分的に配置された回転式オステオトームを含む骨切りを通る断面図である。
図12は、図11において12で囲まれた領域の拡大図であり、バニシング方向のオステオトームの回転に反応して、回転式オステオトームに対して骨の壁部により付加される反力(R)により強化される。
図13は、図12の反力(R)の図であり、横方向の力(R)と軸方向の力(R)の要素に分かれて示されている。
図14は、本発明のある実施形態に従った回転式オステオトームの先端部の部分的斜視図である。
図15は、図6、10、および14の回転式オステオトームの先端部の端面図である。
図15Aは、図15の半円線15A-15A線に概ね沿った、本発明に従ったオステオトームの先端部の断面図である。
図16は、図15において16で囲まれたランドの拡大図である。
図17は、拡大工程の各段階で粉砕、高密度化および自家移植を経験する骨切りの区域を説明するために、拡大手順の様々な段階で示された回転式オステオトームの先端部を含んだ、骨切りの誇張された断面図である。
図18は、図17の18-18線に概ね沿った断面図である。
図19は、図17の19-19線に概ね沿った断面図である。
図20は、図17において20で囲まれた領域の拡大図であり、当該先端部の骨粉砕および自家移植の特徴を表している。
図21は、図14に示される先端部の部分的な斜視図であるが、わずかに異なる視点からの図であり、骨材料が集合し、続いて周囲の骨に還元される先端部の領域を図示している。
図22は、従来技術のバードリル、ならびに、切断および圧縮方向の両方に回転する回転式オステオトームによって創出された、比較用の穴が付された豚03の脛骨内側プラトーの横方向薄片図を示したマイクロCT画像である。
図23Aから23Dは、切断方向および圧縮方向の両方の方向で、回転式オステオトームによって創出された豚02および豚03の脛骨内側プラトーの比較のための軸方向薄片図を示したマイクロCT画像である。
図24は、回転用ではなく、高周波振動用に構成された本発明のオステオトームの別の実施形態を表している。
図25は、本発明に従った拡大手順を部分的に完了して配置された図24の別のオステオトームを含む骨切りの断面図である。
図26は、図24の別のオステオトームの先端部の拡大図である。
図27は、本発明の新規なオステオトームが効果的に適用可能な多くの領域の中のいくつかの例を強調表示した、ヒトの骨格の簡略化された図である。
図27Aは、ヒトの椎骨の拡大図である。
図27Bは、図27Aで示した椎骨の断面図であり、本発明のある実施形態に従った回転式オステオトームを伴っている。回転式オステオトームは、固定用ねじまたは他のインプラント装置を受けいれる目的で、骨切り部位を拡大するために配置されている。
図28は、本発明の、少なくとも1つの模範的な骨以外の商業用途を例証する、回転式オステオトームを使用して形成された穴を有する発泡金属製品の斜視図である。
図29は図7の断面図であり、前駆穴の底部に向かって、ねじポンプのように溝の間を洗浄流体が強く押し出している状態で、わずかに持ち上げられて、骨切りの内部側壁と接触していないオステオトームを示しており、さらに、放射矢印を使用して、周囲の洗浄流体の概ね均一な圧力勾配を表している。
図30は、図29において30で囲まれた領域の拡大図であり、オステオトーム本体と、骨切りの内部側壁の間の物理的分離を示している。
図31は、図29の図であるが、骨切りの内部側壁に接触するように下方に押圧され、結果として骨切りの内部側壁に付加される圧力に変化をもたらすことを示している。
図32は、図31の32-32線に概ね沿った部分的な断面図であり、刃先に接触する直前に、骨の側壁に対して生成される、上昇する動圧スパイクを示している。
図33は、本発明の別の実施形態に従った、強化された回転式オステオトームの側面である。
図34は、図33を概ね34-34線にらせん状に沿った断面図である。
図35は、図33の35-35線に概ね沿った、強化された回転式オステオトームの断面図である。
図36は、図34の部分断面図であるが、多様な任意の特性を強調するために、誇張された形式で溝の構造を示している。
図37は、図34の強化された回転式オステオトームの簡略化された断面図であり、切断モードで前駆骨切りに向かって部分的に下降している様子を示している。
図38は、図38の図面であり、溝内部に閉じ込められた骨スラリーの圧力が増加するように、ストッパ部が骨切り部位を塞いだ状態で目的の深さにある強化された回転式オステオトームを示している。
図39は、強化された回転式オステオトームの構造的配置により可能となるDensify-After-Cut(DAC、切断後圧縮)プロトコルと呼ばれる任意の方法を説明する、簡略化されたフロー図である。
図40は、骨スラリーで圧力が増加している、図38の強化された回転式オステオトームの溝領域の拡大部分図である。
図41は、図40において41で囲まれた領域の拡大図であり、圧力が、弾性域または塑性域に十分に強いひずみ応答を誘発した後の、動作する刃と骨切り部位の側壁との間の関係を示している。
図42は、わずかに修正された実施形態に従った強化された回転式オステオトームの側面図である。
図43は、図42の43-43線に概ね沿った先端部の図である。
図44は、図42の44-44線に概ね沿った断面図である。
図45は、図42の45-45線に概ね沿った断面図である。
図46は、図42の46-46線に概ね沿った断面図である。
図47は、図42の47-47線に概ね沿った断面図である。
図48は、切断モードで作業しながら、圧縮した外皮を生成するように特別に構成された、本発明のさらに別の実施形態である。
図面を参照すると、類似の符号は、複数の図面を通して類似の、または対応する部品を表しており、図1から4は歯科インプラントの例を示し、骨インプラントを受容するために骨切りの前処理が必要である(図4)。当然のことながら、本発明は歯科用途にのみ限定されることなく、広範な整形外科用途に適用することができる。ヒトへの適用が代表的な適用ではあるが、動物への適用も同様に妥当であり、本発明の範囲から除外されない。
さらに、本発明は骨用途に限定されるものでもなく、金属発泡体や他の海綿状物質などを含むがそれらに限定されない工業用途および商業用途のための非有機材料に穴を作成するのにも使用されてもよい。図1では、インプラント34(図4)または他の固定装置を受けるための、最終的な完全形成された骨切り部位32(図2)に拡大および作成する必要がある無歯の(歯の無い)顎部位30が示されている。図2の完全形成された骨切り部位32を実施するために、一連のステップが必要とされる。当該一連のステップは、第1に、初期骨切り(図示せず)を形成するために、受容者の骨にパイロット穴を開けること、次いで、最終的に予定する直径が得られるまで、図3で全般に符号36として示される、漸進的に幅広とする回転式の拡張装置またはオステオトームを使用して、骨切り部位を徐々に拡大することを含む。骨切りが前処理されると、図4に図示されるように、インプラント34または固定具ねじがねじ込まれる。骨切りを形成する手順は、全般に、以下に説明される。
図5は、本発明に従った、徐々に直径が大きくなる4つのオステオトーム36AからDを含み、可逆的手術用ドリルモータと組み合された、手術用キットの使用を例示の目的で図示している。本例ではパイロットドリルは表示されていない。手術用ドリルモータから所定のオステオトーム36を取り外さずに、切断または高密度化のいずれかにより各骨切り部位を拡大するために、オステオトーム36AからDを使用し、および、オステオトームの方向の選択的に反転させて、人の顎部30に3つの別々の骨切り部位32A、32B、および32Cを同時に前処理するために、当該手術用キットが使用されてもよい。再度となるが、この例は歯科用途の観点から提示されているものの、ここに説明される技術は、関節置換術、骨固定全般、および、非有機的工業用途を含むがそれらに限定されない非歯科用途に適応される(例えば図27Bおよび28参照)。
図5の例では、第1の骨切り部位32Aが、骨の幅が比較的狭い下顎骨30の前部に置かれる。第1の骨切り部位32Aの領域の骨30の組成は、例として、大部分がタイプIIとして説明されてもよい。第2の骨切り部位32Bが、骨30の適度な幅を有する下顎の領域に、第1の部位32Aのわずかに後部に置かれる。第2の骨切り部位32Bの領域の骨30の組成は、この例では全般にタイプIIとタイプIIIの組合せとして説明されてもよい。第3の骨切り部位32Cが下顎の大臼歯領域に置かれ、骨30の比較的大きめのリッジ(隆起)幅によって包囲される。第3の部位32Cの領域の骨30の組成は、この例では大部分がタイプIIIとして説明されてもよい。部位32A、32Bおよび32Cでの変化するリッジ幅、および、骨30の組成により、外科医は、各部位に同一プロトコルを適用することを望まないであろう。本発明を使用することにより、外科医(または非外科用途におけるユーザ)は、回転式オステオトーム36Aから36Cの同一セットを効率的に使用しながらも、異なる方法で3つすべての骨切り部位32Aから32Cを同時に前処理する性能を有する。
この例では、各骨切り部位32Aから32Cは、第1に1.5mmのパイロット穴を開けることにより前処理された前駆骨切りを有すると推定される(当然、実際のところ歯科用または非歯科用のいずれかという所与の外科用途の状況が、前駆穴のサイズおよび他の作用の特性を決定することになろう)。前駆穴は、骨(または、事前に切除されていない場合は歯肉)の露出表面の入り口33または縁から底部35に延在する。入り口33は図2および3で確認でき、一方で底部35は図7および11で確認できる。外科医は、第1の回転式オステオトーム36Aをドリルモータ38にロックまたは取付け、この例では、回転方向を、頂部から見て(すなわち、外科医の視点で)反時計回りの方向である非切断方向に設定する。外科医は、状況判断により、オステオトーム36の回転速度を変更してもよいが、実験結果は、約200RPMよりも速い高回転速度、および、約5-50Ncmのトルク設定により、満足のいく結果が提供されることを示している。高速回転は、約1.5mmから6mmの範囲の直径の回転式オステオトーム36に関して、約200RP
Mを超えるものとみなされる。これらの比較的小さな直径の回転式オステオトームの上限は約2000RPMに到達する。より好適には、約600から1800RPMの間の回転速度と、約20から45Ncmのトルク設定が、満足のいく結果をもたらす。さらにより好適には、800から1500RPMの範囲の回転速度と、約35Ncmのトルク設定が、満足のいく結果をもたらす。しかし、オステオトーム36の直径が増加すると、推奨される回転速度を減少させることが望ましい場合がある。ここで提案される速度は、例示的な歯科用途の観点から該当する。大腿骨のような大型の骨の整形外科用途に使用される、比較的大きな直径の回転式オステオトーム36は、刃先での接線速度を考慮する必要があることから、より小さな骨の用途に使用される回転式オステオトーム36よりも遅い回転速度が必要となる場合がある。すなわち、大きな直径の回転式オステオトーム36の指針として、オッセオデンシフィケーションを遂行することが必要な骨に適切な圧縮波(compresssion wave)を創り出すために、約0.02m/秒の下限から約0.6m/秒の上限の間の接線速度(刃先72で測定)を維持することが有利である。
外科医は、回転する第1のオステオトーム36Aを第1の骨切り部位32Aに押圧し、高密度化(詳細は以下に説明される)を介して初期パイロット穴を拡大する。これは、圧縮(非切断)動作モードと呼ばれ、以下の技術用語にて説明される。ただし、第2の骨切り部位32Bと第3の骨切り部位32Cの異なる組成特性のため、外科医はこれらの部位32Bおよび32Cを、高密度化ではなく切断により拡大することを選択する。上記に作用するために、外科医はドリルモータ38から第1のオステオトーム36Aを取り外さずに、ドリルモータ38を時計回りに反転する。圧縮モードおよび切断モードの両方に高速回転が使用される。外科医は、同様の調節された押圧動作を使用して、必要に応じて採取されてもよい骨材料を除去することにより、第2の骨切り部位32Bおよび第3の骨切り部位32Cを拡大する。これは、切断動作モードと呼ばれ、以下に詳述される。手順全体において、継続的に洗浄流体が使用される。
仮説に基づいた例におけるこの段階で、第1の骨切り部位32Aは外科医の所望の大きさに拡大されている。第1の骨切り部位32Aには小さな直径のインプラントを配置する予定であるため、第1の骨切り部位32Aにはさらなる拡大は不要である。しかし、第2の骨切り部位32Bおよび第3の骨切り部位32Cはいずれも、さらなる拡大が必要である。なぜなら、これらの部位に予定しているインプラントが、さらに大きな直径を有しているためである。次に、外科医は第2のオステオトーム36Bをドリルモータ38に取付け、ドリルモータ38の回転方向を反時計回り(非切断方向)に設定する。第2の骨切り部位32Bおよび第3の骨切り部位32Cの事前に拡大した穴は、ここでは、次の作業のための前駆穴とみなされ、それぞれは骨の露出表面の入り口33、および閉じられた底部35を備える。完成した第1の骨切り部位32Aを飛ばして進み、次に外科医は上記の圧縮モードを使用して、第2のオステオトーム36Bを第2の骨切り部位32Bに向かって進行する。ただし、第3の骨切り部位32Cの異なる組成特性のため、外科医は高密度化ではなく切断により拡大することを選択する。上記に作用するために、外科医は手術用モータ38の回転方向を変更し、同様の押圧動作を使用して、切断モードを使って第3の骨切り部位32Cの拡大を進める。
残りの2つの骨切り部位32B、32Cが第2のオステオトーム36Bによって拡大されると、外科医は第3のオステオトーム32Cをドリルモータ38に取付け、回転方向を反時計回りに設定する。再度、完成した第1の骨切り部位32Aを飛ばして進み、第2の骨切り部位32B、第3の骨切り部位32Cは高密度化で拡大される。いずれのケースでも、外科用モータ38は反時計回りの方向に回転するように設定され、それ以前に拡大された穴は次の作業の前駆穴とみなされる。第2の骨切り部位32Bは外科医の所望の大きさに拡大されている。第2の骨切り部位32Bにはさらなる拡大は不要である。しかし、第3の部位32Cに予定しているインプラントが、第2の骨切り部位32Bに配置される
インプラントよりも大きな直径を有していることから、第3の骨切り部位32Cはさらなる拡大が必要である。従って、外科医は第4のオステオトーム32Dをドリルモータ38に取付け、回転方向を反時計回りに設定する。第3のオステオトーム36Cによって実施された拡大は、骨の露出面の新たに拡大された入り口33、およびまだ閉じられた底部35を含む、第3の骨切り部位32Cでの次の作業の前駆穴から成る。完成した第1の骨切り部位32Aおよび第2の骨切り部位32Bを飛ばして進み、先述の圧縮モード技術を使用して第3の骨切り部位32Cがさらに拡大される。ここで、適切なサイズのインプラント34(またはインプラントの固定部分)が、各骨切り部位32Aから32Cに設置されてもよい。例えば、外科医は3.0から3.25mmのインプラント(図示せず)を第1の骨切り部位32Aに、5.0mmのインプラント(図示せず)を第2の骨切り部位32Bに、6.0mmのインプラント(図示せず)を第3の骨切り部位32Cに配置してもよい。
このように、外科医は複数の骨切り部位32A、32B、32C・・・32nを同時に前処理でき、さらに、ドリルモータ38からオステオトーム36を取り外さずに、ある部位は高密度化により、また別の部位は切断により、拡大する性能を併せ持つ。回転式オステオトーム36は、高速で回転し、一方の方向では高密度化により骨切り部位を拡大し、反対の回転方向では、異なる骨切り部位を切断により拡大するように構成されている。
図6を見ると、本発明の先の実施形態に従ったオステオトーム36が軸部40および本体42を含んで示されている。軸部40は、回転式オステオトーム36の回転の長手方向軸Aを規定する、細長で筒状のシャフトを有する。ドリルモータが嵌合する接続面44とは、ドリルモータ38に連結するためにシャフトの遠位の上端部に形成されている。接続面44の具体的構成は、使用されるドリルモータ38のタイプに応じて変化し、いくつかのケースでは、コレットの顎部を把持するシャフトの円滑な部分にすぎない場合もある。本体42は軸部40の下端部に接合し、この接合部は先細りした(taper)、またはドーム型の移行部46で形成されていてもよい。移行部46は、工程中、外科医が水で洗浄する際に傘のような役割を果たす。ならだかな移行部46は、オステオトーム36が回転している間、骨切り部位上に洗浄流体を円滑に流す。
好適には、本体42は、軸部40および移行部46に隣接する最大直径から、先端部48に隣接する最小直径に向かって減少する、円錐形で先細の外径を有する。ただし、いくつかの検討されている実施形態では、本体が先細りでなくてもよい(すなわち、筒状)。従って、先端部48は軸部40から遠位にある。本体42の作業長さまたは有効長さは、テーパー角(taper angle)、サイズ、およびキット内のオステオトームの数(26A、36B、36C、36D・・・36n)に対して比例関係にある。好適には、キット内のすべてのオステオトーム36は同一のテーパー角、またはほぼ同一のテーパー角を有し、好適には、1つのオステオトーム(例えば36A)の本体42の上端部の直径は、その次に大きなサイズのオステオトーム(例えば36B)の本体42の先端部に隣接する直径とほぼ等しい。約1°から5°(またはそれ以上)の間のテーパー角が、用途に応じて可能である。より好適には、約2°から3°の間のテーパー角は満足な結果をもたらすであろう。さらに好適には、本体32の長さが約11mmから15mmの間である場合、約2°36’のテーパー角が歯科用途に目覚ましい結果をもたらすことが知られている。
先端部48は、少なくとも1つの、しかし好適には一対の縁部50によって画定される。実際、縁部50は、先端部48の両側に配置された端部であるが、図示されている実施形態では、共通する平面上には置かれていない。換言すると、図14および15で示されるように、縁部50は、長手方向軸Aを通って中央に延伸するチゼルポイント52(chisel point)の短い長さで、(直接的な直径方向の配列において)わずかにオ
フセット(位置ずれ)されてもよい。チゼルポイント52はドリル器具に見られる共通の特徴であるが、チゼルポイント52に代わる先端部48の形成が、当然のことながら可能であり、丸みを帯びた単純な尖頭形状を含む。記載されているように、縁部50は先端部48から上方および(半径方向に)外側に向けて角度をつける端部である。縁部50の角度は用途に関する性能を最適化するように変化してもよい。長手方向軸Aに対する縁部50の角度は、約30°(極めて鋭角)から70°(極めて鈍角)の間に及んでもよい。図示されている例では、縁部角度は長手方向軸Aに対して約60°であり、または、2つの対向する縁部50の間で120°である。
各縁部50は概ね平面的な第1の後方フランク54(trailing flank 54、後方側面54)を有する。第1の後方フランク54は、それぞれの縁部50から第1の角度で傾斜している。第1の角度は、用途の性能を最適化するために、約30°から60°の間で変化してもよい。実際のところ、第1の角度は長手方向軸Aに対して約45°であってもよい(図15Aの半円断面図で縁部面60と一致して示されている)。従って、使用時にオステオトーム36が回転しているとき、第1の後方フランク54が各縁部50の先を行くように、またはその後を追うように、2つの対向する第1の後方フランク54が反対方向に設定されることは当然に理解されるであろう。第1の後方フランク54がその各縁部50の先を行く場合、オステオトームは圧縮モードの非切断方向に回転する。反対に、第1の後方フランク54が各縁部50の後を追う場合、オステオトームは、縁部50が下降して切断または薄切りにする切断方向に回転する。または、先述の別の方法では、切断方向とは、切断面66を骨(または非医療用途では母材)に回転させながら掃くように接触する方向と定義されてもよい。圧縮方向では、第1の後方フランク54は、縁部50と接触する地点で、骨(または他の母材)における切りくずの形成やせん断変形を最小化するために、縁部50に大きな負のすくい角を実質的に形成する。
概ね平面の第2の後方フランク56が、第2の角度で各第1の後方フランク54に隣接して、および、各第1の後方フランク54から離れて形成される。第2の角度は第1の角度よりも小さく、好適には約55°よりも小さい。第1の後方フランク54が、(軸Aに対して)45°で形成されている例では、第2の後方フランク56は40°またはそれよりも小さい場合がある。概ね平面的なリリーフポケット(relief pocket)58が、第3の角度で、各第2の後方フランク56に隣接して、および、第2の後方フランク56から離れて形成される。第3の角度は第2の角度よりも小さい。第2の後方フランク56が(軸Aに対して)40°で形成されている例では、リリーフケット58(すなわち、第3の角度)は30°以下でもよい。各リリーフポケット58は第2の後方フランク56と縁部50の間の先端部48の区域に配置される。概ね軸方向に配置された縁部面60はリリーフポケット58と隣接する縁部50の間に延在する。上記はおそらく図10の拡大図に最もわかりやすく示されている。オステオトーム36が切断方向に回転されているとき、顕著な量の骨の切りくずがリリーフポケット58の領域に収集される。オステオトーム36が圧縮方向に回転するとき、リリーフポケット58の領域に集合する骨の切りくずは皆無かそれに近い状態である。
図15Aは、図15の半円線15A-15A線に沿った、オステオトーム36の先端部48の極めて簡略化された例示的な半円断面図である。この簡略化された図では、平面54、56および58が交わる位置に小点が配置されている。結節状の点は実際には存在しないが、異なる表面(54、56、58、60)の境界を際立たせるためにこの図面には加えられている。いくつかの他の図面および説明との組み合わせで、図15Aは、様々な小平面(54、56、58、60)に関して、ならびに、互いの関係および縁部50との関係に関して、当業者に情報を提供する手助けとなろう。
複数の溝(grooves、flutes)62が本体42の周囲に配置されている。
溝62は共通する軸長さおよび半径方向深さを有してもよいが、有していなくてもよい。すなわち、ある構成において、溝62はすべてが同一ではない場合がある。好適には、溝62は本体42の周囲に均等に円周方向に配置されるが、必須ではない。本体42の直径は溝62の数にも影響する可能性がある。例えば、約1.5mmから2.8mmの直径の範囲の本体42には、3または4つの溝が形成されることができる。約2.5mmから3.8mmの直径の範囲の本体42には、5または6つの溝が形成されることができる。約3.5mmから4.8mmの範囲の直径の本体42には、7または8つの溝が形成されることができる。約4.5mmから5.8mmの範囲の直径の本体42には、9または10つの溝が形成されることができる、といった例が挙げられる。当然ながら、性能を最適化し、および/または特定の用途により適合するために、溝62の数はここで提供される例よりも多く、または少なく変化してもよい。
図示されている実施形態では、溝62はらせん状にねじれて形成されている。切断方向が右手方向(時計回り)である場合、好適にはらせん状のねじれもまた右手方向である。このRHS-RHC構造が図全体を通じて示されているが、必要に応じて、実質的に同等の結果を有しながら、切断方向とらせん状ねじれ方向を逆にしてもよい(すなわち、LHS-LHC)ことは当然に理解されるであろう。本体42の直径は、らせん状ねじれの角度に影響を与える可能性がある。一般的に、約5°から20°の間のねじれが、約1.2mmから6mmの間の本体42の直径で可能となる。例として、約1.5mmから2.8mmの範囲の本体42が、9.5°のねじれで形成されてもよい。約2.5mmから3.8mmの範囲の本体42が、11°のねじれで形成されてもよい。約3.5mmから4.8mmの範囲の本体42が、12°のねじれで形成されてもよい。約4.5mmから5.8mmの範囲の本体42が、12.5°のねじれで形成されてもよい。当然ながら、性能を最適化し、および/または特定の用途により適合するように、ねじれ角度はここで提供される例よりも大きく、または小さく変化してもよい。実際、約1.2mmから6mmの間の直径の本体42は、約5°から20°の一般的範囲で形成されてもよい。
図15および16で恐らく最もわかりやすく示されているように、各溝62は圧縮面64および反対側の切断面66を有する。リブまたはランドが、隣接する溝62の間に交互に形成される。このように、4つの溝62が付されたオステオトーム36は4つのランドを有し、10の溝62が付されたオステオトーム36は10の交互のランドを有する、といった様相である。各ランドは一方の側の溝62の圧縮面64と、他方の側の溝62の切断面66の間で(円周上に)延在する外側ランド面70を有する。ランド面70とその関連する切断面66の間の鋭利な接触面は、刃先72と呼称される。オステオトーム36の回転方向に応じて、刃先72は骨を切断するか、または骨を圧縮するか、いずれかで機能する。すなわち、オステオトームが切断方向に回転する場合、刃先72は骨(または他の母材)を薄切りにし、骨に穴を開ける。オステオトームが圧縮(非切断)方向に回転する時、刃先72は、ほとんど、または全く骨(または他の母材)を切断せずに、骨を圧迫し、半径方向に骨を配置する。この高密度化(小型化)および半径方向の配置は、凝縮機構において、横方向かつ外側方向に骨構造を緩やかに押圧するものとして示される。図15は破線円が重ね合されたコア径74(core diameter、中心部の直径)を表している。図35も、正反対の溝62の間の最短の垂直距離として、コア径74を表示している。コア径74はすべてのランドに接合する本体42の根元部または中心部である。コア径74の直径は、本体42の先細りの形状の直径によって変化する。
刃先72は、図面を通して、実質的にマージンレス(縁なし、margin-less)で示されており、各ランド面70の全体が刃先72の裏側で切除され、完全なクリアランス(clearance、除去、間隔)を提供している。標準的な従来技術のバーおよびドリルでは、通常、マージンは刃先の裏側に組み込まれ、穴内のドリルをガイドするとともに、ドリルの直径を維持する役割を果たす。一次テーパークリアランス角度(Pri
mary taper clearanceangle、一次テーパー逃げ角)、すなわち、図16で示されている刃先72の接線と各ランド面70の間の角度は、用途に応じて、および、場合によっては本体42の直径に応じて、約1°から35°の間のいずれかの値となってもよい。約5°から20°の間の一次テーパークリアランスは約1.2mmから6mmの間の直径の本体42で効果があることが判明している。例として、約1.5mmから2.8mmの範囲の本体42は15°の一時テーパークリアランスで形成されたランド面70を有してもよい。約2.5mmから3.8mmの範囲の本体42は15°の一次テーパークリアランスで形成されたランド面70を有してもよい。約3.5mmから4.8mmの範囲の本体42は12°の一次テーパークリアランスで形成されたランド面70を有してもよい。約4.5mmから5.8mmの範囲の本体42は10°の一次テーパークリアランスで形成されたランド面70を有してもよい。当然ながら、性能を最適化し、および/または特定の用途により適合するように、一次テーパークリアランス角度はここで提供される例よりも大きく、または小さく変化してもよい。らせん状ねじれの角度について先述されたように、例えば図14では、概ねマージンレスの刃先72が、本体42の円錐形のテーパー状輪郭(先細りの概形)の直径が減少するにつれ、圧縮方向から遠ざかる様子が示されている。換言すると、図14で、圧縮方向が反時計回りの場合、刃先72のらせん状ねじれは、本体42の頂部からその先端部48に向かって見た場合、反時計回りの方向にらせん状になっている。または、反対に、先端部48から本体42の頂部に向かって見た場合、ねじれは時計回りの方向に見えるであろう。よって、圧縮方向が反時計回りの場合、各ランド面70および溝62を先端部48に向かって下方向にたどりながら、すべてのランド面70および溝62が長手方向軸Aの周囲を反時計回りに周回するとき、刃先72は「圧縮方向から遠ざかる」。
切断面66は、各刃先72のすくい角を定める。すくい角は、刃先72の先端面(leading face)から、作業対象(例えば骨切りの骨内面)の表面に垂直に延伸する仮想線までを測定された傾斜角のことである。すくい角は様々な切断および機械加工において使用されるパラメータであり、作業対象に対する切断面の角度を表している。すくい角は、正数、負数、またはゼロである。図16によると、切断方向に回転している場合、刃先72のすくい角は約ゼロ度(0°)であってもよい。換言すると、図16の例の切断面66は刃先72全体に刻設された弧の接線に対して概ね垂直に配向している。図16に示されているように、上記は、オステオトーム36が切断方向に回転しているとき、骨を切断/薄切りするのに極めて適した、細かく縮れた形状の刃先72を定める。ただし、回転式オステオトーム36の切断機能は、先端部48からの距離の係数として、切断面66のすくい角を約0°から約―65°(負のすくい角)の間に変更することにより、改善可能であることが発見されている。この、切断面66のすくい角の最適化は、図33から47に関連して以下に詳述される。
オステオトーム36が、圧縮モードで反時計回りに回転するとき、効果的なすくい角は刃先72からランド面70の間で定められ、先述のとおり、約55°から89°の大きな負のすくい角であってもよく、一次テーパークリアランス角の補完(compliment)である。(圧縮方向で回転される場合)刃先72の大きな負のすくい角が、骨切り部位32の壁部および刃先72の間の接触点で、外方向の圧力を付加し、トーストにバターを塗り広げるのと似たような、接触点より前方に進む圧縮波を創出する。オッセオデンシフィケーションは、金属表面の品質を向上するための、金属バニシング(burnishing、研磨)の既知の工程と大まかに比較されてもよい。
拡大される骨切り部位32の骨表面に刃先72を接触させ続けるために、外科医によって付加される下方向の圧力が必要とされる。すなわち、接触応力が母材の骨の強度を超過した場合に開始する骨における圧縮波を生成および伝搬する圧力が必要とされる。上記は、骨切り部位32の先細りの効果、および、横方向(すなわち、拡大する際の意図する方
向)の圧力を創出する器具36によって補助される。外科医が回転式オステオトーム36を骨切り部位32により強く押圧すると、より大きな圧力が横方向に与えられる。上記はオステオトーム36の回転速度に大きく影響されることなく、外科医に拡大速度の完全な制御を提供する。この制御は、オッセオデンシフィケーション技術を習得するのに必要な短期間習得の根拠を成す要因である。従って、高密度化の効果の強さは、主に、オステオトーム36に付加される力の大きさに依存し、この強度は外科医によって制御されるものである。より多くの力が付加されれば、より迅速な拡張が実施される。
各刃先72が骨を横断して引き込むとき、付加された力は2つの要素に分解されることができる。一方は骨表面に対して垂直な力で、骨表面を外側方向に押圧し、もう片方は接線の力で、骨を骨切り部位32の内面に沿って引き込む。接線成分が増加すると、刃先は骨に沿ってスライドし始める。同時に、垂直抗力はより軟質な骨材料を変形するであろう。垂直抗力が低い場合、刃先は骨に対して擦れるが、恒久的にその表面を変形するものではない。摩擦作用が抵抗および熱を生成するが、上記は、外科医が回転速度および/または圧力および/または洗浄流を臨機応変に変更することにより制御可能である。オステオトーム36の本体42が先細りになっているため、外科医は、手術手順中、いかなる時点においても、冷却のために刃先72を骨表面との接触から持ち上げて離すことができる。上記は制御された「バウンド」の方法により実施可能であり、ここでは、外科医が継続的に進行をモニタリングし、微細な修正および調整をしながら、一気に圧力が付加される。図7および8を参照のこと。図7および8では、骨切り部位32の壁部への可変な力の付加、および、工程のいかなる時点においても、骨切り部位32の壁部との係合からオステオトームを持ち上げる性能が図示されている。外科医が付加した下方向の力が増加すると、最終的には、骨表面の応力はその強度を超過する。上記が発生すると、刃先72は表面をゆっくり切り開いて進み(plow)、刃先後方に溝を創出する。図32を参照のこと。よって、刃先72の耕起作用は回転式オステオトーム36が完全/最大深さに到達するまで、骨切りを漸進的に拡大し、この時点で、必要に応じて、さらなる拡大を達成するために、異なるより大きな回転式オステオトーム36が使用されなければならない。
図9は、骨、および、様々な商業用途、工業用途および航空宇宙用途で使用されるタイプの発砲金属および多孔性重合体を含むがそれらに限定されない他の延性材料の全般的な実例となる応力-ひずみ曲線を示している。座標原点(0、0)からBへの曲線の直線区分は材料の弾性応答領域を表す。基準点Bは材料の弾性限界を示している。骨の弾性特性はよく知られているが、外科医によってかけられる負荷が、弾性的に変形する骨の能力を超過しない場合、すなわち、点Bを超える場合、骨は、応力が除去されるとすぐに元の(非変形の)状態に戻る。一方で、外科医によってかけられる負荷が弾性的に変形する骨の能力を超過する場合、骨は変形し、塑性変形により恒久的にその形状を変化させる。骨において、形状の恒久的変化は、エネルギー放出や、完全破断に対する自然防御能である協調(compromise)を可能にする微小クラックに関連する可能性がある。微小クラックが小さい場合、骨切りが拡大している間も、骨は1つの塊を維持する。塑性変形の領域が材料の降伏点(C)から、はるか破断点(E)まで延伸する。降伏点(C)から破断点(E)の間の曲線のピーク(D)は、材料の最大引張強度を示している。降伏点(C)からその最大引張強度(D)の間の領域で、材料(例えば骨)に応力がかけられた場合、材料はひずみ硬化を経験する。加工硬化、または冷間加工としても知られるひずみ硬化は、塑性変形により延性材料を強化することである。この強化は、材料の結晶構造内での転移の動きまたは転位の発生により発生し、ここで骨材料は、骨組織内のコラーゲン繊維の間での公差結合の転移と調和する。材料は、最大引張強度(D)と破断点(E)の間の領域で応力がかけられる場合に、ネッキングを経験する傾向にある。
らせん状ねじれの方向は、外科医の制御に貢献する役割を果たすように設計可能であり、結果として、(図9のグラフの(C)と(D)の間のひずみ硬化域における)最適水準
の応力を、拡大手順全体を通じて、骨(または他の母材)にかけることができる。具体的には、右手方向の切断方向のための右手方向らせんを表した、上記のRHS-RHC構造(またはその代わりにLHS-LHC構成、図示せず)は、オステオトーム36が継続的に圧縮方向に高速で回転され、同時に(外科医によって手動で)強制的にオステオトーム32に向かって前進するとき、受容骨(host bone)において、有益な反対の軸方向の反力(Ry)を誘発する応力を付加する。この、反対の軸方向の反力(Ry)は図11から13にグラフで図示されており、骨切り部位32に対して強制的に前進する方向に対して反対方向となっている。換言すると、オステオトーム36を操作する外科がオステオトーム36を骨切り部位32に向かって下方に押圧すると、次いで、反対の軸方向の反力(Ry)は反対方向に作用し、オステオトームを上方に押し上げる。反対の軸方向の反力(Ry)は、垂直線(または、恐らくより正確には、長手方向軸Aに相対する「軸」(「axial」vis-a-vis the longitudinal axis A)であり、当該垂直線は、オステオトーム36の刃先72の全長に対して骨によって付加される、ニュートンの「大きさが同じで向きが反対の反作用の力」(すなわち、ニュートンの運動の第3法則)である。図20に示されており、且つ図15Aから容易に理解されるように、オステオトーム36が圧縮方向に回転するとき、反対向きの軸方向の反力(Ry)が、効果的で大きな負のすくい角によって、縁部に創出される。当業者は、好適な実施形態では協調して機能する縁部(50)と刃先(72)の両方ではなく、縁部50単体の構成、または刃先72単体の構成のいずれかによって反対の軸方向の反力(Ry)が創出される別の実施形態を正しく理解するであろう。
オステオトーム36が圧縮方向で回転しているとき、骨切り部位32の底部に向かって先端部48を前進させる外科医は、上記のように骨を塑性的に移動させる/拡大するのに必要な力を供給することに加えて、反対の軸方向の反力(Ry)に対して押圧するとともに、当該反力に打ち勝たなければならない。オステオトーム36は、いうなれば、外科医が高密度化によって、すなわち圧縮モードの場合に、骨切り部位32を拡大するために反対の軸方向の反力(Ry)に対して継続的に作業しなければならないように設計されている。反対の軸方向の反力(Ry)は、不利益となるどころか、拡大プロセスでのより大きな制御性能を外科医にもたらすことにより有益である。反対の軸方向の反力(Ry)のおかげで、オステオトーム36は、骨部位の内部に向かってオステオトームを前進しがちなけん引力を生成するように設計された、標準的な「アップカット(上向き切削)」ツイストドリルまたはバーで発生するように、骨切り部位32に向かってより深く引き込まれることがないであろう。アップカットバーは、骨切りに向かってより深い位置でバーを捉え、および引き込む可能性を有し、不注意な過度の貫通を引き起こすことがある。
圧縮モードにおいて、反対の軸方向の反力(Ry)の強度は、本体42を骨切り部位32に前進する際、外科医が付加する力の強度と常に比例する。よって、この反対の力は、必要とされる力の量を常時外科医に伝えるために、直観的かつ自然なリアルタイムの触覚フィードバックを創出する。この同時的触覚フィードバックは、オステオトーム36を介して直接反力(R、具体的には軸方向の構成要素であるRy)を付加することにより、外科医の繊細な触覚を最大限に活用している。この圧縮モードでは、反対の軸方向の反力(Ry)の機械的刺激が、どのように骨(または他の母材)が拡大手順にリアルタイムで反応するかという事実に基づいて、外科医が拡大手順をより良好に制御することを支援する。
このように、図7から9に関連した上記の制御された「バウンド」または「ポンピング」動作は、反対の事項方向の反力(Ry)によって、より効果的、および、実質的により制御可能とされ、その結果、外科医は、拡大速度の制御を失うことなく、進捗を本能的にモニターできるとともに、臨機応変に微細な修正、および付加された圧力の調整を行うことができる。反対の軸方向の反力(Ry)からの触覚フィードバックにより、外科医は直
観的に応力を骨材料にかけることが可能となり、その結果、好適には、そのひずみ応答がひずみ硬化域、すなわち、降伏点(C)とその最大引張強度(D)の間に存在する。いずれの場合も、外科医は、弾性限界(B)を上回り、破断点(E)を下回る、(外科医が回転式オステオトーム36を介して付加する力によって発生する)応力を維持するよう努めるであろう。当然ながら、付加された応力が弾性限界(B)を超えるまで、骨が恒久的に変形することは全くない。破断点(E)を上回る応力を付加すると、骨(または他の母材)が、場合によっては壊滅的に破損する原因となろう。
図8の例示のグラフは、3つの別々の手順(A-B-C)における骨切り部位32への貫通深さに対して、骨切り部位32に向かって本体を前進させるために、外科医によって付加される力を表しており、外科医が直面する特定の状況に応じて、外科医がどのように臨機応変な調整を行うことができるのかを、グラフを用いて表している。先述のように、付加された力は、外科医によって手動で発生されるとともに、反対の軸方向の反力(Ry)と、骨を拡大/変形するのに必要な力とを組み合わせた力に打ち勝つために必要とされる力である。付加された力は骨(または他の母材)に応力を生成し、それによって、図9に示されるようなひずみ応答を創出する。ひずみ応答が塑性変形領域(B-E)内に維持され、より好適には、より理想的なひずみ硬化領域(C-D)内に維持されるように、作業中、外科医は手動で付加する応力を変化させる技能を用いる。よって、オステオトーム36の構成は、オステオトーム36が連続して回転し、同時に、骨切り部位32に向かって強制的に前進されるとき、比例する反対の軸方向の反力(Ry)を発生させることにより、拡大(圧縮モード)手順の間、外科医に対して、より高度な制御性を与えるように設計されている。
図17から21は回転式オステオトーム36の、骨の自家移植と高密度化を同時に行うことができる性能を図示している。この高密度化の様態は、骨切り部位32を包囲する領域全体の細胞を高密度化するように、横方向かつ外側方向に骨構造を緩やかに押圧することと定められてもよい。図17では、それぞれが徐々に大きくなるオステオトーム36を用いた、少量の骨(または他の母材)に必要な研削を強調するために、本発明によって形成された骨切り部位32が、(約2°から3°の範囲の好適なテーパー角と比較して)7°以下程度の誇張された先細りの形状で示されている。
図17では、表面76は、より小さなサイズのオステオトーム36による事前の拡大作業で前処理された骨切り部位32の内壁を示している。すなわち、この例では、表面76は前駆穴を表している。次の、徐々に大きくなるオステオトーム36の先端部48が実線で示されており、今まさに骨切りに進入しようとし、骨切り部位32にその2/3が進入しようとしている。オステオトーム36は圧縮方向(例えば反時計回り)に高速で連続して回転し、同時に、外科医の手動労力によって骨切り部位32に同時に強制的に前進することが理解されるであろう。作図線78は、骨切り部位32内の頂部から底部に向かって移動する際の、先端部48の筒状(すなわち先細りではない形状)の経路を示している。換言すると、先端部48の直径は同一で維持されており、従って、その経路78の直径も、移動する距離を通じて一定である。オステオトーム36が、実線で示されるように、最初に骨切り部位32に進入するとき、事前の骨切り76の内径は先端部48の直径とほぼ等しい。しかし、事前の骨切り76の内径は、骨切り部位32の底部35に向かって、漸進的に狭くなる(すなわち、内部に向かって先細りとなっている)。さらに示されているように、先端部48の筒状経路は一定を保っている。従って、オステオトーム36が骨切り部位32の底部35に向かってより深く前進するとき、より多くの骨が粉砕、および/または移動されて、前進する(より大きな)オステオトーム36のための空間を作成する。表面76と78の間の環状空間(それに加えて先端部48の部分)として定められる領域80は、先端部48がその経路を骨切り部位32の全深さにまで達する際に、縁部50の最外部の端部によって圧延および/または移動される骨材料を表している。圧延または
粉砕された領域80は、側壁のみならず、オステオトーム32の先端部48を含む。心覚えとして、粉砕領域80が、約2°から3°のより小さなテーパー角の場合と比較して、大幅に大きく見えるように、図17ではテーパー角が大幅に誇張されて示されている。後作業において(図示せず)、次に大きなサイズの別のオステオトーム36が、骨切り部位32をさらに拡大するために使用されるとき、その先端部48が骨切り部位32の底部35に向かって押圧されるため、同様の(ただし、より大きな)領域80が存在する、といった具合である。
続けて図17を見ると、表面82は、その先端部48が底部35に到達したときに、オステオトーム36の拡大作業によって前処理された骨切り部位32の外壁を示す。表面82は、回転するオステオトーム本体42の実質的に完全な陰画(negative、ネガとなっている)である。換言すると、表面82はオステオトーム本体42の先細の形状と等しい形状、および、ここに図示されるオステオトームの回転する先端部48によって作られた底部の印象(bottom impression)を有するであろう。表面78と82の間の環状空間として定められる領域84は、オステオトーム本体42が骨切り部位32の全深さに経路を進める際にランドの刃先72によって塑性的に移動される骨材料を表している。領域84内のすべての骨材料は、切断せずに、包囲する骨構造に半径方向に外側に向かって密集させられるため、圧縮された骨の区域を表している。
「一旦領域80を占領した、粉砕/圧延された骨材料には何が起こったのか?」という重要な見解が示されるかもしれない。以前にも示唆されたように、オステオトーム36は、それが回転するとともに強制的に骨切り部位32に前進する際に、領域80からの粉砕/圧延された骨を、同時に自家移植および高密度化するように構成されている。自家移植現象は、骨切りの内壁82をさらに圧縮するために、上記の基本的な骨の高密度化、および凝縮硬化を補完する。さらに、患者自身の骨材料を返還するプロセスである自家移植は、回復を加速し、オッセオインテグレーションを向上するための、人体における自然治癒特性を強化する。
次に図20を見ると、図17の円で囲まれたエリアから抜粋された、先端部48と受容骨材料の間の接触面(interface)が示されている。回転し、強制的に前進する各縁部50の最外部の端部が骨に接触する地点で、摩耗が骨の粉砕を引き起こす。骨の破片は第2の後方フランク、すなわち、それぞれの第1の後方フランク54のすぐ裏側に主に集合する。蓄積された骨の破片は縁部50に沿って半径方向に内側に受かって移行し、骨切り部位32の最も底部にまで運搬される。蓄積された骨の破片の残余は、外科医の手動による押圧労力を介して課される圧力によって、第2の後方フランク56と直接交わる溝62に沿って分布される。上記は図21に図示されている。複数の溝62が第2の後方フランク56に対して開口していることが見て取れる(さらに、圧縮モードでの骨スラリーの上昇流を受けるために、複数の溝162がそれぞれの第2の後方フランク156と出会うことが明確に示されている図43も参照のこと)。最小の直径のオステオトーム36においては、恐らく2つの溝62のみが第2の後方フランク56と交わることになろう。しかし、オステオトーム36の直径が増加すると、3以上の溝62が、第2の後方フランク56からの骨粒子の流出を直接受容する機会が極めて現実的となる。これらの溝62は粉砕接触面から骨の破片を容易に運搬し、それにより、骨粒子における熱誘起および/または圧力誘起による壊死の可能性を軽減する。第2の後方フランク56に向いた複数の溝62の開口部によって可能となる豊富な容量の流出にも関わらず、ごく少量の骨の破片しかリリーフポケット58に漏れ出さないことも可能であるが、上記はそれほど重要ではない。
溝62の上方まで分布する骨の破片は、関連するランド面70の中に入り込む。当該骨の破片は拭き取られ、骨切り部位32の細胞壁に押し付けられ、さらに、骨が採取された
部位に近接した患者の骨にただちに自家移植される。骨切り部位32の底部に運搬された骨の破片が拭き取られ、骨切り部位32の底部に押し付けられる。結果として、図17に示されるように、自家移植領域86は圧縮領域84の周囲およびその下部に展開する。興味深いことに、自家移植領域86は、圧縮領域84が最も厚い部分でもっとも薄く、反対に、自家移植領域86は圧縮領域84が最も薄い部分でもっとも厚い。さらに、高密度化が皆無、または殆ど行われていない骨切り底部35では、圧縮が行われないであろう骨切り部位32のエリアを圧縮(および、場合によっては刺激)する役割を果たす、自家移植86の重要な領域が存在する。上記は、図22の右端の骨切りのマイクロCT画像で確認される。従って、当然のことながら、自家移植現象は、インプラント34または他の固定装置を受けるための骨切り部位32を前処理する際の、基本的な骨の高密度化および凝縮の理想的な補完である。
図22から23Dは豚の脛骨で展開するマイクロCT画像である。図22は、3つの異なる方法で作成された比較用の穴が付された、豚03の中央脛骨プラトーの横方向の薄片である。左端の骨切りは、従来技術のバードリルを使用して作成された。粗く、不均等な側壁が見られる。中央の骨切りは、図6において、切断方向(すなわち、切断モード)で回転する回転式オステオトーム36で前処理された。比較的きれいな/均一な側壁が見られる。右端のオステオトームは、図6において、反時計回りの方向(すなわち、圧縮モード)で回転する回転式オステオトーム36で作成された。
図23Aから23Dは、切断方向および圧縮方向の両方で回転される、図6の回転式オステオトーム36を使用した、異なるタイプの豚脛骨で展開するマイクロCT画像である。図23Aおよび23Cはいずれも、豚03の中央脛骨プラトー穴の軸方向の薄片図を表す。図23Bおよび23Dはいずれも、豚02の中央脛骨プラトー穴の軸方向の薄片図を表す。図23Aおよび23Bでは、回転式オステオトーム36は切断方向(切断モード)で回転された。図23Cおよび23Dでは、回転式オステオトーム36は反対方向(圧縮モード)で回転された。これらの画像は、2つの異なる骨タイプにおいて、切断を実行するために時計回りに回転され、および、オッセオデンシフィケーションを実行するために反時計回りに回転された同一の回転式オステオトーム36の効果を図示するために、互いに比較および対照される。骨側壁の圧縮した外皮(強化層)は、図22(右端)および図23Cおよび23Dの、オステオトームを包囲する白色の領域によって識別可能である。
要約すると、オッセオデンシフィケーションは、塑性を増強するために、骨およびそのコラーゲン含有量を維持する方法である。次の配置されるインプライントまたは固定具34のための前処理で、回転式オステオトーム34を用いて、高密度化(および/または反対に回転される場合は切断)により、骨切り部位32を拡大することを可能にする。本方法の基本的なステップは、母材の提供で開始し、好適な実施形態では、母材は骨であるが、他の予定される用途では、細胞質または非細胞質の非骨材料であってもよい。前駆穴32も母材に創出されてもよい。この前駆穴は、比較的小さな直径の標準的なツイストドリルで開けられたパイロット穴か、前駆穴用の回転式オステオトームの切断または圧縮技術の、先述の適用により形成された穴のいずれかであってもよい。いずれのケースでも、前駆穴32は母材の露出表面上の概ね円形の入り口33と、多くの場合、母材によって閉じられた底部35の間に延在する内部表面(すなわち、側壁76)を有する。底部35はパイロットドリル、または先述のオステオトーム36の先端によって創出され、概ね円錐形となる。前駆穴が回転式オステオトーム36の事前の適用により形成された場合、その内面は円錐台形の先細形状となり、その際、底部35よりもわずかに大きな直径を有する入り口33を伴う。
本方法は、切断方向または圧縮方向のいずれかの方向に高速で回転するように構成された、回転式オステオトーム36を提供するステップをさらに含む。オステオトーム36が
高密度化または切断のいずれかで拡大するか否かに関わらず、オステオトーム36は、いくつかの従来技術のシステムが教示する、低速での振動運動/ロッキング運動とは反対に、高速で回転する。オステオトーム36は軸部40と、軸部40に接合される本体42を備える。本体42は軸部40から離れた先端部48、および、軸部40に隣接する最大直径から、先端部48に隣接する最小直径に向かって減少する円錐形の先細りの輪郭を有する。
オステオトーム36は、約200から2000RPMの間の回転速度、および、約5から50Ncmのトルク設定で、手術用モータ38に動作可能に結合される。本手順の最中、前駆穴32の入り口33に隣接した回転する本体42上に、実質的に非圧縮性の液体を次々と流す形で、大量の洗浄液が提供される。
本体42は、外科医によって、先端部48が前駆穴32の入り口33に向かって強制的に前進されている間、圧縮方向で連続して回転される。連続前進は、結果として、回転する本体42を強制的に押圧することにより、前駆穴32の拡大につながり、それにより、刃先72が前駆穴32の内面を拭き取り、入り口33付近で開始する前駆穴32の進行性の拡大を発生させる漸進的な塑性変形、および、底部35に向かって下方方向の円錐台形パターンでの展開により、骨を緩やかに拡大する。この拡大ステップは、好適には、前駆穴32の内部で回転する本体42を軸方向に打ち付ける(stroke)動作、またはポンピング動作をさせることを含み、その結果、刃先72は、より深く掘る動作において、下方向の動作で骨内面を粗く研磨し、次いで上方向の動作で骨内面から引き離されることを交互に行う。この深堀り動作は、前駆穴の内面の、進行性の塑性変形を発生させる。刃先72が骨と物理的に接触しているとき、外科医は、触覚による骨の反応性に応じて、軸方向の可変圧力を手動で付加することができる。また、拡大ステップは、刃先72が周囲の骨を切断することなく、さらに、前駆穴32の底部35に向かって前進する速度を、本体42の回転速度とは独立させた方法で、前駆穴32の内面を粗研磨することも含む。この後者の特徴は、器具の回転と前進速度とが連関した従来技術システムとは対照的である。
本発明の注目すべき改良点は以下を含む。本体が骨切り部位32に向かってより深く進行する際、漸進的により多くの量の骨材料を粉砕すること、粉砕された骨材料を骨切り部位32内部の受容骨に自家移植し、粉砕された骨材料を溝付き本体42で受容骨へと密集させる(compact)こと、および、骨切り部位32に向かう本体42の前進方向とは逆の、反対の軸方向の反力(Ry)を生成することである。反対の軸方向の反力(Ry)は縁部50および/または刃先72の構成によって創出される。
オステオトーム36を拡大された穴から取り除いた後、穴をより大きくするために、追加的な拡大ステップが実施可能であり、または、インプラント34の固定部分もしくは他のアンカー(固着)装置が前処理された骨切り部位32に挿入可能である。固定具34またはアンカーを設置するステップは、固定具34またはアンカーの外部アンカーねじ山の構造を、刃先72ですでに形成された、拡大された穴に直接係合することを含んでもよい。
本発明の器具および技術は、コンピュータ処理によるインプラント配置誘導の方法にも容易に適用可能であり、例えば、出願人自身の、2016年11月24日に発行された、ヒューワイスによるPCT出願公開WO2016/187493号でも説明されている(参照による引用を許容する法域において、上記公開の完全な開示が参照によりここに組み込まれる)。これらの方法によると、顎骨30の構造細部、歯茎の表面形状情報、および、提案する歯または歯科プロテーゼ(補綴)形状情報を提供するコンピュータモデルが創出される。コンピュータモデルは、互いに適切に参照された骨の構造、歯茎表面および歯
の画像を表示し、結果として、骨切り部位32の位置を、骨30内の適切な位置決め、および、インプラント34に関する適切な位置決めを考慮しながら選択することが可能である。
図24から26は本発明の別の実施形態、すなわち、回転を伴わずに骨切りを拡大するように構成された、超音波オステオトーム90を図示している。超音波オステオトーム90は軸部および隣接する本体92を含む。本体92は軸部から遠位にある先端部94を有する。本体92は概ね平滑であり(すなわち、溝が無い)、軸部に隣接する最大直径から、先端部94に隣接する最小直径にかけて減少する円錐形の先細の輪郭を有する。本体92の全体的な大きさおよび寸法は、先述の例の本体42の大きさおよび寸法と類似しているであろう。先端部94は、粗面の形体を採用した単向性(unidirectinal)の粉砕構造を含む。超音波オステオトーム90は(市販の手術用超音波発生装置により)高周波で振動するため、先端部94は、先述の実施形態における先端部48の効果から乖離しすぎないやり方で、少量の骨を粉砕する効果を有する。本体92は、本体が高周波振動により同時に強制的に骨切りに前進するときに、骨が先端部94によって超音波で微粉化された後に、骨を自家移植および高密度化するように構成された自家移植勾配96をさらに含む。この例で、自家移植勾配96は、本体92の平滑な先細り部分のすぐ下部に配置された円錐台形部材である。自家移植勾配96は本体92の先細形状よりも大きな第1の角度で延伸し、結果として、粒状の骨の破片が、くさびを打ち込むような動作により骨切りの周囲の壁部に詰め込まれるであろう。
図27から27Bは、本発明の原則が歯科用途に限定されておらず、人間(または動物)の身体のあらゆる骨前処理部位が、その適合性を研究されてもよいことを、当業者のために図示している。最初の表示は、椎骨および手/手首における適用が回転式オステオトーム36で形成された骨切り部位32の最有力候補であることを明らかにしている。ただし、適用の可能性のある範囲は、図27に示された領域、または人間の患者のみに限定されない。
さらに、図28で示されるように、本発明の原則は、母材として骨に限定されない。実際、本発明のオステオトームまたは回転式器具36は、切断および/または高密度化によって、ほぼあらゆる種類の細胞材料または固体材料における穴を拡大するように構成されてもよい(非医療用途において、オステオトーム36は、骨での使用を暗示する、骨が接頭辞として付されるものとの混同を避けるために、単純に器具または回転式器具と識別されるべきである)。この例示において、金属発泡体98の部位は航空宇宙分野、遮熱材、および、他の過酷な状況での用途に使用されるタイプのものである。発泡金属は、上記の方法に従って密集させることによって形成される穴100を含んで表示されている。結果としてできる穴100は、その内部側壁が本発明の圧縮による移動および自家移植の効果によって高密度な状態にされる(densify)ため、ねじまたは他の固定アンカーを受けるために、より良好に前処理されている。発泡金属に加え、生きている骨と同様の粘弾性を有するあらゆる無機材料がとりわけ良好な候補である。いくつかの試験は、アルミニウムとプラスチックの板のような、非細胞構造の無機材料での穴形成を用いて行われた。本発明の原則を利用した穴の前処理による、ねじまたはアンカーの改善された保持の潜在力が完全に熟考されるように、これらの非細胞材料での一定の有益性もまた示されている。
図29から32を参照すると、外部洗浄用ハンドピースなどによる洗浄流体102の連続流と組み合された場合の、本発明の強化された動作モードが説明される。好適には、洗浄用流体は、無菌食塩水溶液または水のような無圧縮性液体であるが、他の適切な液体がその代わりに使用されてもよい。
図29は全般に図7および11と対応するが、上記の制御された「バウンド」技術を実施している際に繰り返し発生するとき、オステオトーム36の刃先72が、骨切り部位32の内部側壁とわずかに離れている点で、具体的には異なる。この分離は図30の拡大図で見ることができる。洗浄用流体102の連続流が提供され、回転式オステオトーム36が圧縮モードで回転されるとき、ねじ62の逆転方向のねじれは、洗浄用流体102を骨切り部位32の底部35に向かって下方に押し出す(ポンピング動作する)。すなわち、溝62は、ねじポンプまたは船用プロペラの軸方向の推進力要素と同様に、洗浄用流体を移動する。結果として、洗浄用流体102は、手術手順を通して前駆穴の底部35に向かって強制的に移動される。このポンピング動作または推進動作は図29の下方のねじりを伴った矢印で表される。
余剰の洗浄用液体102は、骨切り部位32からオステオトーム36周囲の間隙に連続して押し出される(器具36が非医療用途に使用される場合、器具36は、骨切り部位32の代わりに母材表面の穴100の入り口に配置されることは理解されるであろう)。従って、洗浄用流体102の流れが維持され、オステオトーム36が骨切り部位32内で回転している限り、骨切り部位32内で外側方向に押圧する水圧が創出される。洗浄用流体の概ね均一な圧力勾配104が、半径方向の矢印で図示されている。圧縮モードで動作している場合、手術手順の最中、常に圧力勾配が骨の側壁を押し、拡大ステップの前に、前駆穴の内面を前処理およびプレコンディショニングする。
刃先72が骨切り部位32の内部側壁から離れた状態で維持されるように、先細りのオステオトーム36が(外科医によって)把持されるとき、溝62の下方向のポンピング動作によって創出される推進水圧は、水力学および流体動力学の一般原則に従って、骨切り部位32の内壁全体に渡り、概ね均等に分布されよう。例えば図29および30で示されているように、外科医が骨切り部位32に向かって回転するオステオトーム36をさらに深く移動させるが、刃先72はまだ骨切り部位32の内部側壁に直接接触していないとき、水圧が骨切り部位32内で上昇する。余剰の洗浄用流体102は、オステオトーム36の周囲の、より小さな円形の間隙を通って骨切り部位32の外へと排出され続け、これにより、水圧の増加が生じる。
圧力勾配104は、外科医が、回転するオステオトーム36を骨切り部位32に繰り返し前進し、また、力を緩めることで付加される力の大きさに直接反応して増減するであろう。圧力勾配104は、オステオトーム36が骨切り部位32の側壁から離れて把持されているときに最小である。反対に、オステオトーム36の刃先72が骨切り部位32の側壁に強く押し付けられるときに最大である。洗浄用流体102の連続供給と、オステオトーム36の位置の調節により、外科医は、刃先72で骨切り部位32の壁部に物理的に接することなく、骨切り部位32の内部側壁に対するピストン効果で均一に分布される膨張圧を付加することができる。この拍動性の水力学的効果は、プレコンディショニングに関する多くの有利な点を有し、1)次に続く高密度化の接触のための前処理における、骨切り部位32の骨構造の穏やかなプレストレス(予め圧縮応力を加える)、2)オステオトーム36と側壁の間の実際の接触前に、外科医が瞬間的に付加された圧力を巧妙に識別することを可能にする、オステオトーム36を介して伝達される触覚フィードバック、3)骨の靱性および骨の塑性を向上する、骨構造の強化された水和性、4)周囲骨の格子構造への、水圧による骨の破片80の注入、5)低減された伝熱、6)流体潤滑、7)患者によって感知される外傷の湿潤または衝撃の緩和、などを含む。
触覚(haptic)フィードバックの利点に関して、加圧された洗浄流体102は、洗浄流体が使用されないという仮想シナリオと比較して、顕著な増幅効果を有するであろう。後者の仮説の触覚フィードバックは、骨の側壁と刃先72と縁部50の間の直接的な物理的接触によってのみ発生する。外科医が使用時にオステオトームを「バウンド」させ
ると、触覚フィードバックは、骨の側壁と刃先72と縁部40の間で分離する瞬間に、急に停止する可能性がある。しかし、洗浄用流体102があれば、図30の例にあるように、骨の側壁と刃先72と縁部40の間でわずかに分離している場合であっても、触覚フィードバックは先端部48の全体に沿った反力、および、オステオトーム36を包囲する圧力勾配104によって増大される。
図31は、外科医が回転するオステオトーム36の刃先72を骨の側壁に直接接触させたとき、骨切り部位32の内部側壁に対して付加される圧力勾配104を図示している。骨切り部位32の側壁から垂直に、放射状に広がる矢印が、圧力勾配104を示し続ける。オステオトーム36の刃先72が水力学的強化層を破壊するとき、上記の高密度化の動作を実施する。直接接触する領域で、圧力勾配104は、刃先72を介して機械的に付加される圧力の結果として、急激な増加を経験するであろう。この圧力勾配104の急激な増加は、次に、骨構造の塑性変形を発生させる。一方で、オステオトーム36の下部に閉じ込められた洗浄用流体102は、オステオトーム36の先端部48の下部に、プレコンディショニングの流体静力学的圧力を付加し続けるであろう。前駆穴32内部で軸方向に回転する本体42を打ち付ける(stroke)することにより、前駆穴内部の水力学的圧力は外科医の動作に直接反応して調節される。そして、実際には、外科医は、所望の最終的な深さに到達するまで、オステオトーム36をその底部35に向かってより深く、漸進的に進めるために、連続して回転するオステオトーム36に、繰り返し力を付加、緩和するであろう。洗浄用流体102によって提供される水力学的アシストは、大幅に冷却され、迅速で、平滑および制御可能な拡大手順を可能にする。さらに、洗浄流体102の水力学的動作により提供される湿潤効果は、外科医によって付加される力の、患者の知覚を緩和する手助けとなり、それによって、結果としてより快適な経験をもたらす。
図32は、図31の32-32線に概ね沿った、骨切り部位32を通過する水平方向の断面図である。図32はオステオトーム36の1つの刃先72周囲の瞬間的な圧力勾配104のスナップショットを提示している。この図から容易に見られるように、瞬間的圧力勾配104は溝62の領域において相対的に低いものとなる。溝62の領域の瞬間的圧力勾配104の値は、オステオトーム36の先端部48の下部の圧力勾配の値に近いことが予想されるかもしれない。しかし、ランド面70が、刃先72より前に存在する流体102を素早く圧縮して、くさび(wedge)のように作用するため、圧力は素早く上昇、すなわち、スパイク(spike、瞬時の変化)する。ランド面70と骨切り部位32の内壁の間に閉じ込められた洗浄用流体102は、常に刃先72よりも前に存在する(すなわち、刃先72を誘導する)高圧緩和層(high pressure cushion)として作用し、さらに、骨切り部位32の骨構造に積極的に作用して直径を拡大し、骨(もしくは金属または他の非骨母材の場合、硬化した外皮)に強化層(圧縮した外皮)を生成する補助をする。圧縮方向に回転している間、高圧緩和層の後を絶え間なく追う刃先72は、外科医によって十分な下方方向の力が付加されたとき、緩和層を突き破り、骨の側壁に直接接触する。
直接的な骨と刃先の接触がなされると、刃先72は上記の高密度化の動作を実施し、骨切り部位32を拡大するとともに、骨の側壁に圧縮した外皮(強化層)を同時に創出する。ただし、外科医がほんの少しでもオステオトーム36を持ち上げると、より多くの洗浄用流体が研磨されたばかりの表面を洗浄する。従って、外科医が、ある程度拡大を進展させた後、オステオトーム36をそっと持ち上げたとき、加圧された洗浄流体102の洗浄が、骨構造の水和作用をただちに強化し、刃先72によるさらなる高密度化の前処理において、骨構造に対して穏やかに圧縮応力を与え、周囲の骨の格子構造に骨の破片80を水力学的に注入し、接触面を冷却する。このサイクルは、外科医が高速回転するオステオトーム36を最終深さに向かってそっとバウンドさせて、何度も繰り返されてもよい。多くの場合、外科医は、回転するオステオトーム36を、底部35に到達するまでに、約5か
ら20回、骨の側壁に接触させるとともに接触から離すようにバウンドさせる。各バウンドにより、骨切り部位32をプレコンディショニングするために直接接触する直前に水力学的圧力が急増し、それによって、性能および結果の両方を向上させる。
よって、本発明の方法は、上記の拡大ステップの前に、前駆穴32の内面をプレコンディショニングするステップを含む。プレコンディショニングステップは、高速回転するオステオトーム36の溝62の間の非圧縮性液体102を、前駆穴32の底部に向かって押し出すことによって、先端部48と底部35の間の前駆穴32の内部に水力学的圧力を生成することを含む。水力学的圧力は、前駆穴32内での回転する本体42を軸方向に打ち付けるステップに、直接的に、および、幾分か比例して反応して、前駆穴32内部で調節されてもよい。プレコンディショニングのステップは、上昇する流体力学的圧力の急増、すなわちスパイクを、刃先72のすぐ上流、すなわち、回転の角度方向に生成することをさらに含む。上記生成ステップは、各ランドのランド面70から半径方向に外側に向けて、圧力スパイクを配置することをさらに含む。図32に図示されているように、流体力学的圧力スパイクは、刃先72の直接的な物理的接触により母材に生成される機械的圧力よりも小さいが、溝62のポケットにおける圧力勾配よりも大きい。
本発明は、洗浄用流体102の連続供給を伴って動作するとき、骨に加えて多様な異なるタイプの材料に穴を形成するのに使用されてもよい。例えば、可鍛性金属(例えばアルミニウム)またはプラスチックが母材として使用されてもよい。これらの状況における洗浄用流体は、水または生理食塩水よりも、油または切削液物質であってもよい。非骨母材が発泡金属や重合体のような細胞質である場合、母材は幾分骨のように反応を示すことがある。ただし、母材が細胞質ではなく固体である場合、除去された金属材料は、穴100の側壁に自家移植するのではなく、むしろ穴の上部および下部に積み上げられる傾向がある。この積載は、刃先72の圧縮波によって塑性的に除去される可鍛性材料(malleable material)を表しており、先述の水力学的支援によって全体がさらに強化される。結果として、非細胞質材料に形成された穴の周囲の効果的な金属材料厚さは、元の金属材料厚さよりも概ね大きくなる。
結果として、本発明は、流体力学的な高密度化によって特徴づけられる穴形成の器具および方法として、医療用ではない用途で使用されてもよい。流体力学的高密度化の利点および有益性は、回転する器具36との転がり接触(rolling contact)および滑り接触(sliding contact)による軽度の塑性変形を含む。流体力学的高密度化は、穴が形成される際、穴の側壁を圧縮するための刃先72を有する器具36により発生する。他の多数の利点において、過熱を防ぎ、圧縮による粘性の流体力学的層を創出するために、潤滑および洗浄が提供される。流体力学的高密度化は、負荷が極限強度を下回って良好に制御されているときに発生する。流体力学的高密度化は、大きな負のすくい角(非切断端部)が高密度化のための端部として使用される場合に発生する。通常のツイストドリルまたは直線状の溝付きドリルは、穴を介して誘導するために2から3のランドを有するが、流体力学的高密度化ドリルは好適には4以上のランドおよび溝を有する。
当業者は、本発明のオステオトームが、図のような先細の刃先ではなく、直線状または先細の形状ではない本体で構成されることも可能であることを理解するであろう。結果的に、説明されている骨切り拡大技術は、新規な高密度化の方法を通じ、流体力学的効果と組み合わせ、先細の形状ではない器具を使用して達成することができる。
図33から47を参照すると、修正および強化された回転式オステオトームが、全般に136で示されている。同様の、または対応する特徴を識別するために、図33から47を通じて、上記で使用されているが100ずつ加算された符号が使用されている。よって
、回転式オステオトーム136は図5から21および図29から32の回転式オステオトーム36と比較され、そこに備わる多くの同様の特徴を共有している。実際、強化された回転式オステオトーム136と以前の回転式オステオトーム36は、溝162、62の形状をそれぞれ維持し、多くの態様において概ね同一である。強化された回転式オステオトーム136の溝162は、書記の回転式オステオトーム36では不可能だった成果を達成するように、特別に形成されている。すなわち、切断モードで操作されるときに、中等度の圧縮を実現する。図5から21および図29から32の回転式オステオトーム36は、図22(中央)、図23Aおよび23BのマイクロCT画像で識別できるように、切断モードで操作されるとき、強化層を作成することができなかった。しかし、溝162の修正された形状により、回転式オステオトーム136は、切断方向に回転されるとき、部分的に圧縮した外皮を生成することができる。図38を参照のこと。強化された回転式オステオトーム136によって切断モードで作成された、初期段階の強化層は、同一の強化された回転式オステオトーム136が圧縮モードで操作された場合ほど発達していない。それでもなお、切断モードである程度の圧縮を実現する性能は、例えば硬質の骨などの多様な用途において、外科医にとって有益であることを証明できる。そして、必要に応じて、強化層は、後述する新規なDensify-After-Cut(DAC、切断後圧縮)プロトコルを実施することによりさらに強化することもできる。
図33は強化された回転式オステオトーム136の側面図である。回転式オステオトーム136の本体142は、溝162の終端と移行部146の間に延在するストッパ部106を含む。ストッパ部106は切断モードにおいて、溝162に沿って骨粒子が継続的に移動することを防止するための、不可欠な閉鎖動作を生成し、それにより、切断方向に操作されるとき、オステオトーム136の切断の実施を自己停止(self-arrest)する。図34は図33の34-34線でらせん状に沿った断面図であり、直径方向に対向する2つの溝162を示している。強化された回転式オステオトーム136の溝162は、先端部48から、サイズ(すなわち断面領域)が徐々に減少するように形成されている。
実際のところ、ストッパ部106の軸方向長さは、溝162の平均幅と少なくとも等しく、および好適には当該平均幅よりも大きくあるべきことが知られている。すなわち、らせん状の全長に沿って測定された溝162の平均幅が、例えば1.8mmだと仮定すると、ストッパ部106の軸方向長さは、例えば、少なくとも1.8mmであるべきである。実際のところ、歯科用途において、図42で示唆されているように、ストッパ部は約2mmよりも大きいか、約2mmに等しくなる。より大型の整形外科用途では、溝162はより大型となり、従って、ストッパ部106も同様に、望ましい閉鎖動作を実現するために、より長くなる可能性がある。
溝162のいくつかの関連する特徴は、図35の断面図で明確に示されている。ここでは、コア径174が表示され、当該コア径は本体142の長さに沿った溝162の深さと一致する。また、1つの切断面166に沿って、すくい角も表示されている。さらに、ヒール角が表示され、当該ヒール角は各溝162の圧縮面164のおおよその角度に一致する。各刃先172の裏側の逃げ角が、1つのランド面170のランド幅と共に表示されている。これらの図は、強化された回転式オステオトーム136を特徴づける、増強された溝162の形状の以下の説明の理解を高めるために提供されている。
強化された設計において、すくい角(すなわち、各切断面166と、対応する刃先172を通過する放射状線の間の角度関係)は、概ねその全長に沿って(バニシング器具と同様に)負に変化されている。(以下に説明される別の実施形態は、各溝の下部誘導部が急な(aggressive)ゼロのすくい角、または正のすくい角を有するが、本体中間部付近で負のすくい角に変形する。)最初に説明された回転式オステオトーム36のすく
い角は、好適には溝62の全長に沿って、ゼロで画定されていた。図16を参照のこと。強化された回転式オステオトーム136の負のすくい角は大きく変化してもよいが、約―1°から-75°の間の(すなわち、バニシング器具のように負の)研磨が満足できる切断結果をもたらし、一方で本実施形態の新規で、以前には予期されなかった有利点を可能にする。規定された範囲は、約-5°から-65°の間の負のすくい角を維持することによって、幾分か改善可能である。より良好な結果は、すくい角を約-5°から-50°の間で設定することで達成可能である。そして、いくつかのケースでは、すくい角が約-10°から-40°の間である場合に優れた結果が達成されている。
同一の、または概ね同一の負のすくい角が、溝162の全長に沿って維持されてもよい。例えば、図43から46の画像では、溝162の長さに沿って、約-13°から-28°(15°以下の変化量(variance、分散))という比較的狭い範囲にとどまっている。具体的には、すくい角は、図43から46に関して、それぞれ、約-28°/-18°/-13°/-24°と測定されている。このような変動は、ある場合には、製造時の制約により義務付けられる場合がある。負のすくい角は、許容範囲に保持されるよりも、むしろ、溝162の長さに沿って変化するように、意図的に設計されてもよい。この変化は比較的小さい(例えば<30°の変化量)、または、比較的大きい(例えば>30°の変化量)ものであってもよい。すくい角の意図的な変化は、(図43から46にわずかに見られるように)逆進的または漸進的に変動してもよい。漸進的変化は、すくい角が先端部148に隣接した地点で最小(ゼロに最も近い)であり、ストッパ部106に隣接した地点で最大となるように緩やかに拡大することを示す。負のすくい角における漸進的変化が図36に示されている。一方で、逆進性の変化は、負のすくい角が先端部148でより大きくなり、ストッパ部106付近でより小さくなる(よって、切断モードにおいてより急な角度になる)ことを意味する。
図36は、負のすくい角における漸進的変化、および、溝162の深さにおける漸進的減少を強調するために、誇張された形で本体部分142の半分の断面を描いている。明確性のために、1つの可視的ならせん状部分の溝162からのいくつかの例示的な輪郭が、溝162の上部に、すくい角を延長した作図線で表されている。特に、先端部148付近のすくい角は約-5°から-10°の間である。ただし、すくい角はストッパ部106に向かって漸進的に、より負の値になる。溝162の末端付近で、すくい角は約-60°または-65°となり、それにより、刃先172が切断モードで回転しているとき、刃先172に切断端部としてではなく、高密度化のための端部として作用させる。
すくい角と同様に、ヒール角も溝162の全長に沿って概ね一定(すなわち、許容範囲内)に維持するか、または変化するかのいずれかであってもよい。図36および43から46は、圧縮面164のヒール角が、30°未満の合計変化量により、溝162の長さに沿って変化する例を図示している。圧縮面164とその関連するランド面170の間の交点を通過する放射状線に対するヒール角を測定するとき(図35を参照のこと)、図36に示されるヒール角は先端部148に隣接した地点で最小であり、ストッパ部106に隣接した地点で最大である。図43から46で、ヒール角はそれぞれ約39°/42°/44°/65°である。よって、ヒール角およびすくい角の両方の絶対値が、先端部148に隣接した地点での最小値から、ストッパ部106に隣接した地点での最大値に向けて増加するように設計されてもよい。
ヒール角が約15°から55°の間である場合に、良好な結果が見られた。約15°から40°の間のヒール角を設定することで、さらに良好な結果が達成された。そして、ある場合には、ヒール角が約15°から35°の間である場合に、優れた結果が得られた。
一次逃げ角(例えば図16では一次テーパークリアランスとも呼ばれる)に関して、角
度が約6°から34°の間である場合に、良好な結果が見られた。約6°から28°の間の一次逃げ角を設定することで、さらに良好な結果が達成された。そして、ある場合には、一次逃げ角が約10°から25°の間である場合に、優れた結果が得られた。
また、図36は刃先を通過するくさび状の作図線(上側)と、溝の輪郭の基部(下側)に関して注目に値する。この作図線は、溝162の深さを長さに沿って意図的に変更するという、この例示の実施形態の特徴を可視的に補強するものである。図36における変化は逆進的で、溝162の深さは先端部148に一番近い地点で最大であり、ストッパ部106に接近するにつれて小さくなることを意味する。この、溝162の構成における変化を説明する別の方法は、その長さに沿った各地点での、溝の断面領域を考慮することであろう。再度、図36の例示的輪郭を参照すると、溝162の領域はストッパ部106に隣接する地点で最小、および、先端部148に隣接する地点で最大となることを見ることができる。図36で示される溝162の深さおよび断面領域での逆進的変化は、一定のすくい角、変動するすくい角(図43から46)、漸進的(図36)または逆進的なすくい角と組み合されることが可能である。同様に、溝162の深さおよび/または領域における逆進的変化は一定のヒール角、変動するヒール角、漸進的または逆進的なヒール角と組み合されることが可能である。少なくとも幾分か負のすくい角と組み合される溝162の深さおよび/または領域における逆進的変化は、強化された回転式オステオトーム136の有利な切断モードの特性に関連性のある適切な要因であると考えられている。
図36に示されるように、負のすくい角が漸進的に変化する実施形態では、すくい角が先端部148に隣接する地点から、約0°から-30°の間で開始し、ストッパ部106に隣接する地点で約-45°から-70°で漸進する場合に、満足な結果を得ることができる。逃げ角は約5°から35°の範囲で形成されてもよい。ヒール角は約15°から55°の範囲で形成されてもよい。しかし、溝162のこれらの特性のいずれにおける漸進的または逆進的変化は、強化された回転式オステオトーム136の上記有利点を達成する必須条件ではないことは、明確に理解されるべきである。例えば、図43から46の実施形態は、すくい角が著しく漸進的でも逆進的でもない、実行可能な代替案を提示する。
強化された回転式オステオトームが切断モードで使用されるとき、骨粒子は溝162を素早く充填する。図37から38は、切断モードで操作される強化されたオステオトーム136を描いている。ここでは示されていないが、先に述べた例と同様に、連続する外部洗浄液がこの手順で併用されている。図37で、強化された回転式オステオトーム136は切断モードで骨切り部位32に向かって下降する。骨粒子が溝162を充填しているのが見て取れる。骨片が血液、コラーゲンおよび洗浄流体と混合されて、半粘性のスラリーの濃度となる。図38で、強化された回転式オステオトーム136は骨切り部位32の底部135で、意図した深さに到達する。図38では、溝162の全長が骨切り部位32に進入すると、骨粒子によるスラリーが溝162から容易に脱出できないことが見て取れる。ストッパ部106は、例えばコルクまたはピストンのように、溝162と骨切り部位32の側壁の間に骨粒子を密閉または閉じ込める。外科医が骨切り部位32に向かって、回転するオステオトーム136をより深く前進し続けた場合、相当な抵抗を受けることとなろう。閉じ込められた骨片スラリーは外科医によって押圧する力に反応して、溝162内部で加圧される。図38で、水力学的圧力が外側方向に向いた小さな矢印で示されている。外科医が望めば、水力学的圧力が、先述のポンピング動作により、骨片スラリーを介して脈動されてもよい。
図40は、本体142の概ね中央における、拡大された部分的断面図を表している。この図では、ストッパ部106が完全に骨切り部位32に降下された後の、骨粒子が閉じ込められた状態の単体の溝162を示している(図38)。この図の強化された回転式オステオトーム136は切断方向に回転されている。切断面166によって表される負のすく
い角は明らかである。外側方向に向いた矢印が、溝162が骨切りに完全に沈没した後の、強化された回転式オステオトーム136の連続前進によって主に発生する、半粘性骨粒子スラリーの水力学的圧力を示している。連続する圧力が、ますます多くの骨粒子を密閉された溝162に押し固めさせる。
図41は図40で41として囲まれた領域の、高拡大された図であり、切断面166および刃先172を示している。半粘性の骨粒子スラリーで発生する高圧力のため、切断モードで動作する強化された回転式オステオトーム136は、切断面166の負のすくい角と組み合わせて、スラリーを骨切り部位32の周囲の壁表面に押し込み始め、それによって、初期の圧縮された外皮(高密度の外皮)を形成し始める。すなわち、負のすくい角の溝162を有する強化された回転式オステオトーム136は、実際に、刃先172をオステオトーム132との接触から離し、切断動作を停止する外側方向のひずみを生成する地点での圧力を増加する。切断モードで操作するとき、幾分かの骨粒子およびコラーゲンが、骨切り部位32の側壁に直接自家移植される。結果として、その後で骨切り部位32(すなわち、非医療用途の場合、穴)にねじ込まれて設置されるインプラントまたは固定具は、高度な初期安定性により、恩恵を受けるであろう。
さらに、強化された回転式オステオトーム136は、「切断のあとの凝縮(Densify-After-Cut、DAC)」と呼ばれる新規なプロトコルを実行可能にする。DACプロトコルは硬質な骨の条件に最適であり、同じ強化された回転式オステオトーム136が、同一の骨切り部位32内で、1回の連続する操作で切断し、次いで圧縮するのに使用される。極めて高密度の骨を表す例示のケースでは、外科医は最初に切断モードで骨切り部位32を拡大し始めるか、または、おそらく、圧縮モードで開始するが、強い抵抗を受けるとすぐに切断モードに切り替えるであろう。いずれにせよ、推定されるように、後先を考えない圧縮モードの使用を強いる硬質な骨の条件により、強化された回転式オステオトーム136は、所望の深さに到達するまで、切断モードで前進される。切断モードの動作により、溝162は図38に描かれるように、骨粒子スラリーが蓄積されるであろう。ストッパ部106の溝162の末端が骨切り部位32内部を降下すると、先述のように、初期段階の自家移植および凝縮が始まる。骨切り部位32が拡大されると、外科医は強化された回転式オステオトーム136を引き抜き、インプラントを配置するか、またはさらに大きなオステオトーム136でさらに骨切り部位32を拡大してもよい。その代わりに、外科医はDACプロトコルを適用するために追加的にあと数秒を費やしてもよい。DACプロトコルは以下の追加的ステップを含む。外科医は、強化された回転式オステオトーム136の本体142を骨切り部位32から取り出すことなく、高速回転を保ちながら、ドリルモータを逆回転(圧縮モード)に変更し、さらに、ヒール側溝162の輪郭と本体142の先細り形状を伴った遠心力を使用して、閉じ込められた残りのすべての骨粒子およびコラーゲンを、骨切り壁部に自家移植する。この手順を通じて大量の外部洗浄液が継続される。穏やかなポンピング動作、すなわち、骨切り部位32内部の回転する本体142の軸方向の打ち付け(stroke)が推奨され、その結果、先端部148は骨切り底部135に間欠接触する。この、高速の逆回転における穏やかなポンピング動作は、図22(最右)、23Cおよび23Dで見られるような、完全な、またはほぼ完全な強化層(すなわち圧縮した外皮)の形成をも促進するであろう。圧縮モードの操作に切り替える前に、骨切り部位32から強化された回転式オステオトーム136の本体142を取り除かないことにより、外科医は切断された骨粒子およびコラーゲンを、受容骨切り部位32内部に再び堆積(自家移植)させる。
DACプロトコルの一般的なステップが図39に簡略なフロー図で概説されている。図を参照すると、外科医は最初に骨切り部位32の目的とする深さを決定する。この深さは、初期段階において、パイロットドリル工程で規定されているであろう。この深さは、場合によっては、好適には、ただし必須ではなく、より小さな直径の強化された回転式オス
テオトーム136を使用した1または複数の先述の拡大ステップによって、初期段階で画定されているであろう。外科医は、インプラント(34、図示せず)の設置直前の最後の拡大ステップを考慮して、強化された回転式オステオトーム136をドリルモータ(38、図示せず)に取り付ける。骨切り部位の洗浄は手順を通じて連続して行われることが予期される。外科医は最後の拡大手順を切断モードで開始してもよいし、そうでなくてもよい。外科医は、圧縮モードが、すぐれた圧縮した外皮を生成することを知っており、最後の拡大手順を圧縮モードで開始してもよいが、大きすぎる抵抗を感じた後には、切断モードに切り替えてもよい。外科医は、最後の拡大ステップを開始するのにどちらのモードが使用されたかに関わらず、最後の拡大ステップを切断モードで完了する。切断モードでは、上記のように、骨片、血液、コラーゲンおよび洗浄流体が溝162に骨スラリーとして蓄積される。強化された回転式オステオトーム136の前進は、外科医が事前に決定した深さ限界に先端部148が到達したときに中断される。外科医は、強化された回転式オステオトーム136を骨切り部位32から取り除くことなく、器具の回転方向を骨切り部位32の中で逆転する。溝162に閉じ込められた半粘性の骨片スラリーは、高速で逆回転する本体142によって、骨切り部位32の周囲の側壁に移行される。刃先172は、緩やかな上下方向のポンピング動作を伴って圧縮した外皮を形成すると同時に、骨スラリーを直接骨切り部位32の壁部に自家移植する。例えば、約3秒から10秒といった、ほんの数秒の圧縮モードの後に、外科医は拡大された骨切り部位32から本体142を抜き取り、手順の次の段階へと進む。DACプロトコルは、強化された回転式オステオトーム136を使用して硬質な骨に骨切り部位32を拡大し、一方で、ほぼすべての切断された骨およびコラーゲンを側壁に貯蔵(自家移植)するための効果的な方法を示している。
図42は本発明のある例示的実施形態に従った、強化された回転式オステオトーム136の本体142を描いている。図43は先端部の図であり、図44から47は、先端部148から測定して、4mm、8mm、13mmおよび15mm以下の高さの、様々な高さでの横方向断面図をそれぞれ示している。図44から46で、断面図は先端部148から増加する距離における溝162の輪郭の変化を明らかにしている。図43から46の切断面166の変化する勾配の比較は、各溝162の長さに沿った、先述の、一定して負のすくい角を明らかにするであろう。図43の端面図は、溝162が第1の後方フランク156およびリリーフポケット158と交わる、溝162でのすくい角を示している。図43において、すくい角は、溝162が第2の後方フランク156とリリーフポケット158のそれぞれに開口している地点で、わずかにカッター状である(least cutter-like)。切断面166のすくい角が決して正にならないこの実施形態では、先端部148から溝162に対する開口部は、溝162の全長に沿って、最も負のすくい角を示している。ヒール角は先端部148で最小である。先端部148から4mmにおける溝162の輪郭を表した図44を見ると、すくい角がわずかに小さな負(slightly
less negative)であり、コア径はより大きい。溝断面図の深さおよび領域はここではわずかに、より小さい。ヒール角も大きくなっているのが見て取れ、一方で、ランド幅は概ね変化せずに維持されている。先端部148から8mmの地点の溝162の輪郭を表した図45を見ると、すくい角がわずかに小さな負(slightly less negative)であり、コア径はより大きく、上記は、溝の断面図の深さおよび領域のさらなる減少と一致する。ヒール角はわずかに大きく、ランド幅は概ね変化せずに維持されている。先端部148から13mmで露出された溝162の輪郭を表した図46を見ると、ストッパ部106の末端の近接地点で、すくい角は負の方向に増加し、溝162は断面領域において極めて浅く、小さい。ヒール角は最大であり、ランド幅は近接するストッパ部106と一致するように、突然に大きく広がって示されている。図47はストッパ部106での断面であり、溝162を見ることはできない。
強化された回転式オステオトーム136の新規な特性を要約すると、生きている骨が粘弾性の特性を有することを思い出すことが重要である。図9に示されるように、中程度の
ひずみの状態で、すなわち、曲線における原点(0、0)からBの直線区分内において、骨は概ね弾性の反応を示す。この点を超えた継続的なひずみは、塑性変形を引き起こす。拡張方向の(すなわち、半径方向に外側に向かう)ひずみが、図9のBからDのひずみ硬化範囲内の、骨切り部位32の側壁に付加されたとき、有利な圧縮した外皮が最適に形成される。切断モードの間、半粘性の骨粒子、コラーゲン、および血液を溝162内に閉じ込めることによって、強化された回転式オステオトーム136は、図38および40に示されるように、骨切り部位32の側壁を外側方向に変形するように、刃先172と共に作用する水力学的圧力の増大を発生させる。圧力の増大は、刃先72での接触圧力を減少させる効果を有する外側方向の弾性反応を(少なくとも初期段階で)引き起こす(図41)。切断動作は減速され、または、恐らく完全に停止される。負のすくい角(図43)と組み合わせて、上記により、強化された回転式オステオトーム136は、ストッパ部106が骨切り部位32を塞ぐとただちに、連続的な高速回転により、切断方向で、切断モードから自家移植/圧縮モードに移行することができる。外方向の力ベクトルを生成する負のすくい角の羽根に似た特性と組み合わせて、水力学的圧力が、ストッパ部106のピストンに似た効果によって生成される。この水力学的圧力は、骨切り部位32の粘弾性骨壁部に対して、骨粒子スラリーを通じて付加される。オステオトーム136が高速で切断モードで回転しているにもかかわらず、図41に図示されるように、十分な圧力の増大により、骨切り部位32の側壁が、刃先72との直接接触からはじかれるため、さらなる切断動作が減速される。骨切り部位32の側壁に加圧された骨スラリーによって付加される、連続するひずみは、最終的に弾性変形の地点(図9のB)を超過し、図9のCからDで特定される理想的なひずみ硬化の領域で塑性変形を発生させる。結果として、修正、強化された回転式オステオトーム136は、切断モードのみで操作されたとき、清潔で、半凝縮した骨切り部位32を創出することが可能である。任意で、DACプロトコルを適用することにより、圧縮された外皮がさらに強化されることも可能である。
ここには図示されていないが、計画される別の実施形態では、溝162は切断モードで操作されるときに、切断および圧縮の両方を実行するように構成される。具体的には、図16に示されるように、例えばゼロまたはほぼゼロの傾斜角度により、切断モードにおいて最大レベルの急な角度の切断を行うために、すくい角が先端部付近で画定されてもよい。ただし、この代替的な実施形態でのすくい角は、負のすくい角に素早く移行することもできる。負のすくい角への進行は極めて急激であるため、溝の上部は一次テーパークリアランス/逃げ角と等しい負のすくい角に接近し始め、その結果、刃先172は、実際にランド面160のもう片方の側(ヒール側)に移る。結果として、溝の上部は、切断方向に回転しているにも関わらず、圧縮機として機能することができる。らせん状ねじれは、ある程度まで自家移植に対して作用しないであろうが、いくつかの用途においては、全体的な有益性が相当なものとなる場合がある。本構成の回転式オステオトームは、決して逆走しない。当該オステオトームは常に切断モードで動作する。いくつかの手術用途において(そして、いくつかの工業用途でも)、切断方向のみで穴を開けることにより、圧縮された外皮によって骨切り(穴)を迅速に形成する性能は、この選択肢を極めて魅力的なものにする。
次に図48を参照すると、切断方向のみで穴を開けることにより、圧縮された外皮によって骨切り(または穴)を迅速に形成するという同様の目的を有する、本発明のさらに別の実施形態が説明される。この例では、回転式オステオトーム236の本体部分には2つの区別される溝部分、すなわち、下部切断部分208および上部圧縮部分210が備わっている。下部切断部分208の溝は、オステオトーム236が切断モード(時計回り)方向に高速で回転するときに切断するように、右手方向のらせん状ねじれを有する。これは、先述の図を通じて示されるRHS-RHC構造と一致する。反対に、上部圧縮部分210の溝は、オステオトーム236が切断モード(時計回り)方向に高速で回転するときに、最適に高密度化するように、左手方向のらせん状ねじれを有する。上部圧縮部分210
の溝は左手方向のねじれ構造を有する。環状の移行領域212が切断部分208と圧縮部分210の間に形成されてもよい。
本実施形態によると、回転式オステオトーム236が切断方向に高速で回転され、骨切りに向かって前進する際、半粘性の骨粒子スラリーは切断部分208の溝に容易に流出(flow up)し、移行領域212に集合する。次いで、骨スラリーは移行領域212から、上記の圧縮モードでの方法で、骨切りの内壁に自家移植される圧縮部分210へと移動する。移行領域212は、高密度化段階前の領域、またはスラリーが蓄積され、次に、上部圧縮部分210の複数の溝へと、概ね均等な配分を行う経路を見つけるためのマニホルドの役割を果たす。また、移行領域212は下部切断部分208の溝が、上部圧縮部分210の溝と整列する必要性を回避することにも役立っている。また、移行領域212は、オステオトーム236の本体部分が、その後の製造作業で組み立てられる複数の部品から製造可能であることをも予測している。例えば、下部切断部分208は専用の製造作業におけるルーズピース(loose piece)として製造されてもよい。同様に、上部圧縮部分210も専用の製造作業におけるルーズピースとして製造されてもよい。下部切断部分208および上部圧縮部分210は、次に、適切な結合技術により取り付けられる。軸部は上部圧縮部分210と一体的に形成されてもよく、または、同様に複合的な本体部分に結合される、さらに別のルーズピースとして形成されてもよい。この場合、非類似の材料が選択されてもよい。例えば、下部切断部分208および軸部は手術器具用の鋼で製造されてもよく、一方で、上部圧縮部分210は適した高密度の医療グレードの重合体で製造されてもよい。多くの選択肢が存在する。
それでもなお、移行領域212は任意であり、下部切断部分208の溝が、上部圧縮部分210の溝と直接整列して対になってもよい。この後者の構成では、下部切断部分208から上方向に移動する骨粒子が上記の方法で骨切りの側壁に堆積するために、上部圧縮部分210の対応する溝に進行するであろう。図48の代替的実施形態の有利点は、骨切りが連続する前方方向の切断動作により、切断と圧縮の両方を前処理することができ、それによって時間を短縮し、手順を簡素化できることである。
繰り返しとなるが、図33から48に関連して説明されたものを含む本発明のすべての実施形態は、金属、発泡体および他の非有機性材料の非医療用途でも使用可能である。かかる事例では、オステオトーム36、136、236は、器具または回転式器具と名称が変更される。これは、オステオトームという用語は、具体的に骨での使用を暗示するためである。実際のところ、当業者は、骨および骨スラリーに関するすべての言及を、拡大対象の穴の母材として機能する、関連する非有機性材料として再考することが可能である。また、図示される実施形態では、本体42、142は先細の形状であるが、新規の特性および本発明の趣旨は、先細ではない(すなわち筒状)本体に関しても達成される。
上述した発明は関連する法的基準を順守して説明されており、よって、本説明は事実上、限定ではなく例示を意味する。ここに開示される実施形態の変更および修正は、当業者にとって明白であると思われ、本発明の特許請求の範囲に含まれる。

Claims (14)

  1. 回転式オステオトーム(136)であって、
    回転の長手方向軸を定める軸部(140)と、
    前記軸部(140)から延伸する本体(142)と、を備えており、
    前記本体(142)が、前記軸部(140)から離れた先端部(148)を有しており、前記本体(142)が前記軸部(140)に隣接する最大直径から前記先端部(148)に隣接する最小直径まで減少する円錐形で先細の輪郭を有しており、複数の溝(162)が前記本体(142)の周囲にらせん状に渦巻いて配置されており、複数の前記溝(162)のそれぞれが、一方の側面にすくい角をそこに規定する切断面(166)を有しており且つ他方の側面にヒール角をそこに規定する圧縮面(164)を有しており、複数の前記溝(162)は軸方向の長さおよび半径方向の深さを有しており、前記溝(162)が平均幅を有しており、前記本体(142)のストッパ部(106)が前記溝(162)と前記軸部(140)の間に配置されており、前記ストッパ部(106)が前記溝(162)の前記平均幅以上の軸方向長さを有しており、それぞれの隣接する一対の溝(162)の間にランド(170)が形成されており、前記ランド(170)のそれぞれが1つの隣接する前記溝(162)の前記切断面(166)に沿って刃先(172)を有しており、前記刃先(172)は前記本体(142)の回りにらせん状にねじれており、
    それぞれの前記溝(162)は、前記切断面(166)の全長に沿って、前記回転式オステオトームが切断方向に回転されるときに、連続した負のすくい角で形成されている、回転式オステオトーム(136)。
  2. 前記溝(162)は、前記先端部(148)に隣接する地点で最も深く、且つ前記ストッパ部(106)に隣接する地点で最も浅いことが計測される、逆進的な深さを有することを特徴とする請求項1に記載の回転式オステオトーム(136)。
  3. 前記連続する負のすくい角は、30°未満の合計変化量で、それぞれの前記溝(162)の長さ方向に沿って変動することを特徴とする請求項1に記載の回転式オステオトーム(136)。
  4. 前記連続する負のすくい角は、30°より大きい合計変化量により、それぞれの前記溝(162)の長さ方向に沿って変動することを特徴とする請求項1に記載の回転式オステオトーム(136)。
  5. 前記連続する負のすくい角は、それぞれの前記溝(162)の長さ方向に沿って、ストッパ部に向かって増加することを特徴とする請求項1に記載の回転式オステオトーム(136)。
  6. 前記連続する負のすくい角は、それぞれの前記溝(162)の長さ方向に沿って、ストッパ部に向かって減少することを特徴とする請求項1に記載の回転式オステオトーム(136)。
  7. 前記ヒール角は、それぞれの前記溝(162)の全長に沿って概ね一定であることを特徴とする請求項1に記載の回転式オステオトーム(136)。
  8. 前記ヒール角は、30°未満の合計変化量により、前記溝(162)の長さに沿って変動することを特徴とする請求項1に記載の回転式オステオトーム(136)。
  9. 前記刃先(172)は、前記円錐形で先細の本体の先端部に向かって、前記本体(142)の表面に、非切断方向と逆向きのらせん状のねじれ形状で形成されていることを特徴とする請求項に記載の回転式オステオトーム(136)。
  10. 回転式オステオトーム(136)であって、
    回転の長手方向軸を定める軸部(140)と、
    前記軸部(140)から延伸する本体(142)と、を備えており、
    前記本体(142)が、前記軸部(140)から離れた先端部(148)を有しており、前記本体(142)が前記軸部(140)に隣接する最大直径から前記先端部(148)に隣接する最小直径まで減少する円錐形で先細の輪郭を有しており、複数の溝(162)が前記本体(142)の周囲にらせん状に渦巻いて配置されており、複数の前記溝(162)のそれぞれが、一方の側面にすくい角をそこに規定する切断面(166)を有しており且つ他方の側面にヒール角をそこに規定する圧縮面(164)を有しており、複数の前記溝(162)は軸方向の長さおよび半径方向の深さを有しており、前記溝(162)が平均幅を有しており、前記本体(142)のストッパ部(106)が前記溝(162)と前記軸部(140)の間に配置されており、前記ストッパ部(106)が前記溝(162)の前記平均幅以上の軸方向長さを有しており、それぞれの隣接する一対の溝(162)の間にランド(170)が形成されており、前記ランド(170)のそれぞれが1つの隣接する前記溝(162)の前記切断面(166)に沿って刃先(172)を有しており、前記刃先(172)は前記本体(142)の回りにらせん状にねじれており、
    前記溝(162)は、前記先端部(148)に隣接する地点で最も深く、且つ前記ストッパ部(106)に隣接する地点で最も浅いことが計測される、逆進的な深さを有しており、
    それぞれの前記溝(162)は、前記切断面(166)の全長に沿って、前記回転式オステオトームが切断方向に回転されるときに、連続した負のすくい角で形成されており、前記連続した負のすくい角は、各前記溝(162)の長さに沿って負の値が増加する、回転式オステオトーム(136)。
  11. 前記連続する負のすくい角は、30°未満の合計変化量で、それぞれの前記溝(162)の長さ方向に沿って変動することを特徴とする請求項10に記載の回転式オステオトーム(136)。
  12. 前記連続する負のすくい角は、30°より大きい合計変化量により、それぞれの前記溝(162)の長さ方向に沿って変動することを特徴とする請求項10に記載の回転式オステオトーム(136)。
  13. 前記ヒール角は、それぞれの前記溝(162)の全長に沿って概ね一定であることを特徴とする請求項10に記載の回転式オステオトーム(136)。
  14. 前記ヒール角は、30°未満の合計変化量により、前記溝(162)の長さに沿って変動することを特徴とする請求項10に記載の回転式オステオトーム(136)。
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