JP7169638B2 - 表示部材、レベル表示具、調節補助具 - Google Patents

表示部材、レベル表示具、調節補助具 Download PDF

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Description

本発明は、コンクリートの天端面に流し込まれるレベリング材の打設目標高さを表示する表示部材に関する。本発明は、当該表示部材を備えたレベル表示具に関する。本発明は、当該表示部材を回転させるための調節具用の調節補助具に関する。
コンクリート基礎などのコンクリート構造物を施工する際には、打設したコンクリートの天端面を平坦にするため、当該天端面にレベリング材を流し込むことがある。レベリング材を流し込む前には、レベリング材の打設目標高さを示す目印を設置しておく必要がある。このような目印として、特許文献1は、ネジから成る進退目印を開示している。この進退目印は、一部がコンクリート内に挿入され埋設される補助具本体に保持される。
特開2015-030995号公報
ところで、目印として、例えば穴無しの六角ネジなど、頭部に工具係合溝が形成されていない目印を使用する場合、当該目印を回転させるためには、ボックスドライバーといった、目印の頭部と嵌合する係合凹部(ソケット)を備えた工具を使用する必要がある。目印の頭部側面は中心軸と平行に延びる直線状であるため、目印から工具を引き抜く際に、工具が傾いて係合凹部の内面が目印の頭部側面に引っ掛かり、工具が抜けにくくなることがある。特に、コンクリートが未硬化の状態で目印の高さ調節を行う場合、工具を目印から引き抜く際に工具が目印に引っ掛かると、目印が補助具本体と共に上方に引き上げられてしまう可能性がある。目印が上方へ移動した場合、目印を再度高さ調節し直さなければならなくなり、手間が掛かる。
本発明は、レベリング材の打設目標高さを表示する表示部材であって、工具を引き抜く際に工具と引っ掛かり難い表示部材を提供することを目的とする。本発明は、当該表示部材を備えたレベル表示具を提供することを目的とする。本発明は、当該表示部材を回転させるための調節具に使用される調節補助具を提供することを目的とする。
本発明は、
コンクリートの天端面に流し込まれるレベリング材の打設目標高さを示す表示部材であって、
ネジ部を有する表示部材本体と、
前記表示部材本体を回転させるための工具の係合凹部と係合可能な係合凸部と、
を備え、
前記係合凸部は、上方に向かうにしたがい縮小するテーパ状である、
ことを特徴とする。
本発明は、
レベル表示具であって、
上記記載の表示部材と、
少なくとも一部が打設後の未硬化のコンクリート内に挿入されると共に、前記表示部材を回転可能に保持する取付補助具と、
を備えることを特徴とする。
本発明は、上記記載の表示部材を回転させるための調節具用の調節補助具であって、
前記係合凸部と嵌合する係合凹部を備える、
ことを特徴とする。
本発明の表示部材の係合凸部は上方に向かうにしたがい縮小するテーパ状であるため、工具を表示部材から引き抜く際に、工具が係合凸部に引っ掛かり難くなり、工具をスムーズに引き抜くことができる。その結果、コンクリートが未硬化の状態で表示部材の高さ調節を行った場合には、表示部材が上方に移動することを防止できる。
(a)レベル表示具の分解斜視図、(b)レベル表示具の組立斜視図である。 (a)表示部材の平面図、(b)図1(a)のIIb-IIb線端面図、(c)図1(b)のIIc-IIc線断面図である。 (a)取付補助具本体の平面図、(b)(a)のIIIb-IIIb線断面図である。 (a)中間部材の平面図、(b)(a)のIVb-IVb線断面図である。 調節具の正面図である。 (a)保護キャップ無しの調節補助具の正面図、(b)(a)のVIb-VIb線断面図、(c)(a)のVIc-VIc線断面図、(d)保護キャップ有りの調節補助具の正面図、(e)(d)の縦断面図である。 (a)調節補助具を表示部材に係合させた状態の正面図、(b)高さ調節後の表示部材を備えたレベル表示具の斜視図である。 レベル表示具の使用状態を表す図である。 (a)から(c)は取付補助具本体の変形例を示す斜視図である。 (a)取付補助具の変形例を示す正面図、(b)(a)の縦断面図である。
本発明の表示部材、レベル表示具及び調節補助具について図面を参照しながら説明する。以下で説明する実施形態は、本発明の好ましい一具体例を示すものである。本発明は、以下の実施形態に限定されず、その主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
<1 レベル表示具>
図1(a)はレベル表示具1の分解斜視図、図1(b)はレベル表示具1の組立斜視図である。説明の便宜上、図1の上下をレベル表示具1の上下として説明する。
本発明のレベル表示具1は、コンクリート基礎等のコンクリート構造物を施工する際に、打設後のコンクリートの天端面に流し込まれるレベリング材の打設目標高さを表示するために使用される。図1に示すように、レベル表示具1は、表示部材2と、取付補助具3と、を備える。表示部材2は取付補助具3に保持されている。
<1-1 表示部材>
図1及び図2を参照して表示部材2について説明する。図2(a)は表示部材2の平面図、図2(b)は図1(a)のIIb-IIb線端面図、図2(c)は図1(b)のIIc-IIc線断面図である。
表示部材2は、表示部材本体21と、鍔部22と、ネジ部23と、基部24と、係合凸部25と、を備える。表示部材2は例えばポリプロピレンなどの樹脂製の一体成型品であることが好ましい。表示部材本体21は、長手状の棒状部材から成る。表示部本体21の下部は、下方に向かうにしたがい次第に縮径している。鍔部22は、表示部材本体21から水平に延びている。鍔部22は、平面視で真円形であり、表示部材本体21よりも大径である。ネジ部23は、鍔部22よりも下方の表示部材本体21の外面に形成された雄ネジである。
基部24は、鍔部22から上方に延びている。基部24は、表示部材本体21の中心軸Oと平行に延びる側面と、中心軸Oに向けて窪む側面と、を備える。中心軸Oと平行に延びる側面は、平面視で、真円の円周の一部を成す曲面状である。
係合凸部25は、基部24の上部に一体的に形成されている。係合凸部25は、表示部材2を回転させるための工具(調節補助具)の係合凹部と係合する。
基部24の上下方向長さは、係合凸部25の上下方向長さに比べて非常に小さくなっている。一例として、基部24の上下方向長さは1.5mmであり、係合凸部25の上下方向長さは5mmである。
図2(a)及び(b)に示すように、係合凸部25の上端面(頂部)は、平坦面である。係合凸部25の上端面は、視認可能な大きさの印を付すことが可能な面積を有している。
係合凸部25は、中心軸Oに対して垂直な断面視で非真円形状である。図2(b)に示すように、本実施形態では、係合凸部25は、中心軸Oに対して垂直な断面視で略十字形状である。
図2(c)に示すように、係合凸部25の側面は、上方に向かうにしたがい、中心軸Oに向けて傾斜するテーパ面である。したがって、係合凸部25は、上方に向かうにしたがい縮小するテーパ状である。
係合凸部25の上端は、レベリング材の打設目標高さを表示する目印として機能する。すわなち、レベリング材を打設する際には、まず、係合凸部25の上端位置をレベリング材の打設目標高さに合わせ、その後、係合凸部25の上端位置までレベリング材を流し込む(図8参照)。
<1-2 取付補助具>
図1及び図2に示すように、取付補助具3は、取付補助具本体4と、中間部材5と、から構成されている。中間部材5は取付補助具本体4に装着される。本実施形態では、中間部材5は、取付補助具本体4とは別部材から成り、取付補助具本体4と分離可能である。取付補助具本体4及び中間部材5はそれぞれ、例えばポリプロピレンなどの樹脂製の一体成型品であることが好ましい。
<1-2-1 取付補助具本体>
図1から図3を参照して取付補助具本体4について説明する。図3(a)は取付補助具本体4の平面図、図3(b)は図3(a)のIIIb-IIIb線断面図である。
取付補助具本体4は、挿入予定部41と、非挿入部42と、から構成されている。挿入予定部41は、打設後の未硬化のコンクリートに挿入され埋設されることになる部位である。非挿入部42は、コンクリートに挿入されず、コンクリートから突出することになる部位である(図8参照)。
挿入予定部41は、第一部分411と、第二部分412と、第三部分413と、から構成されている。
第一部分411は、挿入予定部41の中央に形成された、上下方向に延びる有底の膨出部である。第一部分411の内部は、表示部材本体21が挿入可能な中空部411aである。
第二部分412は、第一部分411の両端からそれぞれ延びる薄板から成る。
第三部分413は、第一部分411及び第二部分412の上端に形成されている。第三部分413は、平面視で楕円形の、水平方向の延びる薄板から成り、第一部分411及び第二部分412よりも幅広に形成されている。第三部分413の中央には、第一部分411の中空部411aと連通する開口部413aが形成されている。開口部413aの中心は、表示部材本体21及び第一部分411の中空部411aの中心軸と一致する。第三部分413の周縁には対称位置に二つの切欠き部413bが形成されている。
第三部分413は、取付補助具本体4をコンクリート内に挿入する際の挿入目標高さを示す目印として機能する。すなわち、取付補助具本体4は、第三部分413の上面にわずかにコンクリートが被る位置までコンクリート内に挿入される(図8参照)。
非挿入部42は、挿入予定部41の第三部分413から上方に延びる、平面視で矩形状の壁部421を備える。壁部421は、第三部分413の開口部413aを囲むようにして、開口部413aよりも外側の位置から上方に延びている。
壁部421には、壁部421の上端から下端近傍まで延びる二つのスリット421aが対称位置に形成されている。この二つのスリット421aにより壁部421は二つの壁部421b、421cに分離されている。各壁部421b、421cは、それぞれ外方へ弾性変形することができるようになっている。各壁部421b、421cが外方へ弾性変形することにより、壁部421の内側空間は拡大される。
壁部421b、421cの上部内面には、内方へ突出する突起部422がそれぞれ形成されている。壁部421bの突起部422と壁部421cの突起部422とは対称位置に形成されている。
<1-2-2 中間部材>
図1、図2及び図4を参照して中間部材5について説明する。図4(a)は中間部材5の平面図、図4(b)は図4(a)のIVb-IVb線断面図である。
中間部材5は、第一部分51と、第二部分52と、から構成されている。第一部分51は、円筒状である。第二部分52は、第一部分51の軸方向中間位置の外側に一体的に形成されている。
第一部分51は、軸方向に第一部分51を貫通する挿入穴511を有する。挿入穴511内には表示部材本体21が挿入可能である。挿入穴511の中心軸は、表示部材本体21、開口部413a及び中空部411aの中心軸と同軸である。第一部分51のうち、第二部分52よりも下方の部位は中空部411a内に挿入される。中間部材5が取付補助具本体4に装着されたとき、挿入穴511は取付補助具本体4の中空部411aと連通する。
挿入穴511の内面には、第一部分51の軸方向中間位置に、表示部材2のネジ部23と螺合する螺合部53が一体的に形成されている。螺合部53は、本実施形態では挿入穴511の内面から突出する突起部である。表示部材2は挿入穴511内に挿入され且つ螺合部53と螺合することにより、挿入穴511内において回転しながら上下方向に移動することができる。
第二部分52は、平面視で壁部421と相補的な矩形状である。第二部分52は、壁部421の内側空間に挿入され、壁部421の内面と嵌合する。第二部分52の上下方向長さは壁部421の上下方向長さよりも小さくなっており、第二部分52はその高さ方向において壁部421の内側空間内に完全に収容される。第二部分52が壁部421の内側空間に収容されたとき、突起部422は第二部分52の上端角部上に位置する。
<2 調節具>
図5及び図6を参照して、表示部材2を回転させて高さ調節を行うための調節具6について説明する。図5は調節具6の正面図である。説明の便宜上、図5の上下を調節具6の上下として説明する。
調節具6は、カバー61と、シャフト62と、ハンドル63と、調節補助具7と、を備える。カバー61は、中心軸に垂直な断面視で角筒状の金属材料から成る。カバー61にはレーザレベルからのレーザ光を受光するレベルセンサが取り付け可能である。シャフト62はカバー61内に挿通されている。ハンドル63はシャフト62の上端に、シャフト62と同軸に取り付けられている。調節補助具7はシャフト62の下端に、シャフト62と同軸に取り付けられている。ハンドル63の回転に伴いシャフト62が回転する共に、シャフト62に取り付けられた調節補助具7も回転する。
<3 調節補助具>
図6を参照して調節補助具7について説明する。図6(a)は後述する保護キャップ745が取り外された調節補助具7の正面図、図6(b)は図6(a)のVIb-VIb線断面図、図6(c)は図6(a)のVIc-VIc線断面図、図6(d)は後述する保護キャップ745が取り付けられた調節補助具7の正面図、図6(e)は図6(d)の縦断面図である。
調節補助具7は、調節補助具本体71と、係合凹部72と、キャップ73と、外観変化付与部74と、を備える。調節補助具本体71はその内部が中空となった筒状である。係合凹部72及び外観変化付与部74は調節補助具本体71内に設けられている。調節補助具本体71及びキャップ73は例えば樹脂製である。
図6(a)及び(e)に示すように、調節補助具本体71には、調節具6及び調節補助具7の使用時に、外観変化付与部74の下端を外部から視認できるようにするための貫通開口部75が形成されている。貫通開口部75は、調節補助具本体71を貫通し、調節補助具本体71の中空内部と連通している。本実施形態において、貫通開口部75は調節補助具本体71の中心軸に対して対称に二つ形成されている。貫通開口部75は、上下方向に延びるスリット状であり、調節補助具本体71の下端から、外観変化付与部74の下端よりもわずかに上方の位置まで延びている。
図6(b)、(c)及び(e)に示すように、係合凹部72は、表示部材2の基部24及び係合凸部25を収容する、基部24及び係合凸部25よりもわずかに大きく形成された開口部である。係合凹部72は、基部24を収容する第一凹部721と、係合凸部25を収容する第二凹部722と、から構成されている。
第一凹部721を形成する壁面721aは円筒形である。つまり、壁面721aは、図6(b)に示すように、調節補助具本体71の中心軸に対して垂直な断面視で真円状であり、図6(e)に示すように、調節補助具本体71の縦断面視で、調節補助具本体71の中心軸と平行に直線状に延びている。
第二凹部722は係合凸部25と係合する。第二凹部722を形成する壁面722aは、図6(c)に示すように、調節補助具本体71の中心軸に対して垂直な断面視で、係合凸部25と相補的形状の略十字形である。また、壁面722aは、図6(e)に示すように、調節補助具本体71の縦断面視で、上方に向かうにしたがい、調節補助具本体71の中心軸に向けて傾斜するテーパ状であり、その傾斜角度は係合凸部25の側面の傾斜角度と同じである。
第二凹部722は係合凸部25に嵌合し、第二凹部722が係合凸部25と噛み合うことで、表示部材2を回転させることができる。
図6(e)に示すように、キャップ73は、挿入部731と、フランジ部732と、延出部733と、を備える。挿入部731は、調節補助具本体71の中空内部に挿入される。フランジ部732は、調節補助具本体71の上端に載置される。延出部733は、フランジ部732から上方に延出している。挿入部731及び延出部733には、シャフト62を挿入するための凹部734が形成されている。調節補助具本体71及び挿入部731には、凹部734と連通し、且つネジ735が取り付けられる貫通穴が形成されている。貫通穴の内周面には雌ネジが形成されており、ネジ735はその雌ネジと螺合している。これにより、キャップ73は調節補助具本体71に着脱可能に固定される。また、ネジ735はその先端が凹部734内に挿入されたシャフト62に当接してシャフト62を凹部734の内壁に押し付けることで、シャフト62をキャップ73に固定している。こうして、調節補助具7は、シャフト62に着脱可能に取り付けられる。
図6(e)を参照して、外観変化付与部74について説明する。外観変化付与部74は表示部材2に当接して、表示部材2に外部から視認できる目印を付与する。外観変化付与部74は係合凹部72の直上に配置されている。本実施形態において、外観変化付与部74は、表示部材2を着色する着色手段74Aである。着色手段74Aとしては、例えばシャチハタ(登録商標)を利用することができる。
着色手段74Aは、印字部741と、吸蔵体742と、枠体743と、押さえ部材744と、保護キャップ745とを備える。印字部741は表示部材2に接触する印面741aを有している。印字部741の中央には貫通穴741bが形成されている。印字部741は例えば多孔質ゴムから成る。吸蔵体742は例えばスポンジから成り、着色成分を含有した着色物質を吸収して保持する。枠体743は調節補助具本体71の中空内部に保持されている。印字部741及び吸蔵体742は、吸蔵体742が印字部741の印面741aとは反対側に接触した状態で枠体743内に収容されている。印字部741には吸蔵体742から着色物質が供給される。印字部741は表示部材2に文字、図形又は記号などの有色の目印を付与する。着色物質は表示部材2を着色可能であれば特に限定されず、例えば水性又は油性インキなどを使用することができる。着色物質の色は表示部材2と同色でないことが好ましい。
押さえ部材744は吸蔵体742の上方に配置され、調節補助具本体71内に保持されている。押さえ部材744のうち吸蔵体742の直上に配置される部分には、貫通穴744aが形成されている。キャップ73を調節補助具本体71から外すと貫通穴744aから吸蔵体742の一部が露出する。この貫通穴744aを介して、吸蔵体742に着色物質を補充することが可能となっている。
保護キャップ745は有底の筒状であり、調節補助具本体71に着脱可能に取り付けられている。保護キャップ745は、印字部741の印面741a側に被せられており、印面741aを乾燥や汚れなどから保護する。保護キャップ745は、調節補助具本体71の下端から貫通開口部75よりも上方の位置まで延び、調節補助具本体71の下部の外側を覆っている。図6(d)に示す通り、調節補助具本体71に保護キャップ745が取り付けられた状態において、貫通開口部75は保護キャップ745により塞がれており、印字部741は貫通開口部75から露出していない。
調節補助具本体71の下端と印字部741の印面741aとの上下方向間の間隔L(図6(e)参照)は、基部24と係合凸部25の上下方向長さを足し合わせた長さよりも小さくなっている。これにより、係合凹部72内に基部24及び係合凸部25を収容した際に、印面741aは係合凸部25の上端面に接触する。
<4 レベル表示具、調節具及び調節補助具の使用方法>
図7及び図8を参照して、レベル表示具1、調節具6及び調節補助具7の使用方法について説明する。図7(a)は調節補助具7を表示部材2に係合させた状態の正面図、図7(b)は高さ調節後の表示部材2を備えたレベル表示具1の斜視図である。図8は、表示部材2を高さ調節した後、表示部材2の係合凸部25の上端までレベリング材Lが流し込まれた状態を表している。
図8に示すように、コンクリートCを打設した後、コンクリートCが硬化する前に、取付補助具3を、挿入予定部41の第三部分413の上面にコンクリートCがわずかに被る位置までコンクリートC内に挿入する。
コンクリートCが未硬化の状態で又はコンクリートCが硬化した後、図7(a)に示すように、調節補助具7の係合凹部72を表示部材2の基部24及び係合凸部25に被せる。調節補助具7の中心軸は、表示部材2の中心軸Oと一致する。印面741aは係合凸部25の上端面に接触する。調節具6のハンドル63を回転させ、調節補助具7を回転させる。調節補助具7の回転に伴い、係合凹部72の第二凹部722と係合凸部25とが噛み合い、表示部材2も回転する。係合凸部25の上端をレベリング材Lの打設目標高さに合わせた後、調節補助具7を表示部材2から引き抜く。図7(b)に示すように、着色手段74Aによって、係合凸部25の上端面には外部から視認可能な着色物質による印Mが付与される。
図8に示すように、係合凸部25の上端までレベリング材Lを流し込む。
<5 特徴>
係合凸部25は、表示部材本体21の中心軸Oに向けて傾斜するテーパ面を備え、上方に向かうにしたがい縮小している。そのため、調節補助具7を引き抜く際に、第二凹部722の壁面722aが係合凸部25の側面に引っ掛かり難くなり、調節補助具7をスムーズに引き抜くことができる。したがって、コンクリートが未硬化の状態で表示部材2の高さ調節を行った場合には、調節補助具7の引き抜きに伴ってレベル表示具1が上方に移動してしまうことを抑えることができる。なお、基部24は、表示部材本体21の中心軸Oと平行に延びる直線状の側面を備えるが、基部24の上下方向長さは係合凸部25の上下方向長さに比べて非常に小さいため、第一凹部721の壁面721aと基部24の側面との間での引っ掛かりはほとんど発生せず、仮に発生してとしてもそれらの間の摩擦は無視できる程小さい。つまり、第一凹部721の壁面721aと基部24の側面との間の引っ掛かりは仮に発生したとしても無視できる程小さく、問題にならない。
係合凸部25が、表示部材本体21の中心軸Oに対して垂直な断面視で非真円形状であることにより、表示部材2を回転させる際に、第二凹部722の壁面722aが係合凸部25の側面に引っ掛かり、表示部材2を回転させ易くなる。
係合凸部25の上端面が平坦面であることにより、調節補助具7の外観変化付与部74による印Mが付着しやすくなる。
挿入予定部41の第三部分413には切欠き部413bが形成されているため、挿入予定部41をコンクリート内に挿入したときに、切欠き部413b内にコンクリートが侵入する。切欠き部413b内に侵入したコンクリートは、取付補助具本体4が回転しようとする際の抵抗になる。こうして、コンクリートが未硬化の状態で表示部材2を回転させた際に、取付補助具本体4が表示部材2と共に共回りすることを一層防止できる。
コンクリート構造物を施工する際には、レベリング材の目標厚みに合わせて、適切なリード(一回転当たりの移動量)を有する表示部材2を選定する。例えば、レベリング材の打設目標高さを高精度で調節する必要がある場合には、リードが小さい表示部材2と、その表示部材2のネジ部23に適合する螺合部53を有した中間部材5とが使用される。レベル表示具1では、中間部材5が取付補助具本体4と完全に分離可能であることにより、表示部材2及び中間部材5を、所望のリードを有した表示部材2及びその表示部材2に適合する中間部材5に簡単に交換することができる。一方、取付補助具本体4は交換する必要がなくそのまま共通して使用できるため、部品の共通化により、製造コストを抑えることができる。
壁部421は平面視で矩形状であり、中間部材5の第二部分52は壁部421と相補的形状で且つ壁部421の内面に嵌合する。これにより、表示部材2を回転させた際に、中間部材5が壁部421の内側空間内で表示部材2と共に共回りしてしまうことを防止することができ、表示部材2のみを回転させることができる。
壁部421の内面に設けられた突起部422が中間部材5の第二部分52の上端角部に係合することにより、中間部材5を壁部421の内側空間から簡単には引き抜くことができないようになっている。これにより、例えば表示部材2を上方へ回転移動させる際に、中間部材5が壁部421の内側空間から抜けてしまうことを防止することができる。一方で、二つの壁部421b、421cは外方へ弾性変形可能であるため、二つの壁部421b、421cの一方又は両方を外方へ弾性変形させることで壁部421の内側空間を広げることができるようになっている。これにより、壁部421b、421cの内面に突起部422が形成されていたとしても、壁部421の内側空間を広げることで中間部材5を壁部421の内側空間に着脱することができる。
第二凹部722の壁面722aが、係合凸部25の側面と相補的形状のテーパ面であることにより、調節補助具7を引き抜く際に、係合凹部72が係合凸部25に引っ掛かり難くなる。
第二凹部722は断面視で非真円形状であり、第二凹部722は係合凸部25に嵌合する。これにより、調節補助具7を回転させた際に、第二凹部722は係合凸部25に引っ掛かる。つまり、第二凹部722の壁面722aは係合凸部25の側面と摩擦係合するため、空回りすることなく表示部材2を回転させることができる。
調節補助具7が外観変化付与部74を備えていることにより、高さ調節済みの表示部材2に対して印Mを付与することができる。これにより、高さ調節済みの表示部材2とそうでない表示部材2とを見分けることができる。着色手段74Aによる有色の印Mは目立つため特に好ましい。
<6 変形例>
以下では、表示部材2、取付補助具3及び調節補助具7の変形例について説明する。以下に示す変形例は適宜組み合わせ可能である。
<6-1 表示部材>
(1)係合凸部25は、中心軸Oに垂直な断面視で略十字形に限らず、調節補助具7が空回りしない形状であればよく、例えば四角形や六角形などの多角形又は楕円形といった非真円形状であってもよい。
(2)表示部材2は基部24を備えていなくてもよく、鍔部22から直接テーパ状の係合凸部25が突出していてもよい。
<6-2 取付補助具>
(3)図9(a)から(c)に示すように、取付補助具本体4の第一部分411及び第二部分412の少なくとも一方には、コンクリート内における取付補助具本体4の上方への移動を規制する規制部43が設けられていてもよい。取付補助具本体4に規制部43を設けることにより、コンクリートによる抵抗が規制部43に掛かり、未硬化のコンクリート内において取付補助具本体4が上方へ移動し難くなる。
図9(a)に示すように、規制部43は、一例として、第一部分411及び第二部分412の少なくとも一方から突出する突出部である。突出部は水平に延びる板状である。
図9(b)に示すように、規制部43は、一例として、第一部分411及び第二部分412の少なくとも一方に設けられた凹凸である。凹凸は、例えば第一部分411及び第二部分412に跨がって延びる溝を設けることにより形成することができる。
図9(c)に示すように、規制部43は、一例として、第二部分412を貫通する貫通穴である。貫通穴はコンクリートが侵入可能な大きさを有している。
(4)取付補助具本体4と中間部材5とは、分離不能に一体的に形成されていてもよい。
(5)取付補助具3は中間部材5を備えていなくてもよい。この場合、図10(a)及び(b)に示すように、壁部421を表示部材本体21に適合する大きさ及び形状(例えば、平面視で真円形状)に形成すると共に、螺合部53を壁部421の内面に形成することができる。あるいは、螺合部53は、取付補助具本体4の中空部411aの内面に形成することができる。
<6-3 調節補助具>
(6)第一凹部721を形成する壁面721aは、円筒形に限らず、調節補助具7を回転させた際に基部24と噛み合うよう、基部24と相補的形状であってもよい。
(7)第一凹部721の内径は、壁面721aが基部24の側面と接触することがないよう、基部24の直径よりも十分大きく構成されていてもよい。
(8)表示部材2が、基部24を備えず、係合凸部25のみから構成されていている場合には、係合凹部72は、第一凹部721を備えず、第二凹部722のみから構成される。表示部材2が基部24と係合凸部25とを備える場合であっても、係合凹部72は、第一凹部721を備えず、第二凹部722のみから構成され、係合凸部25のみを収容するよう構成されていてもよい。
(9)着色手段74Aとして、例えばマーキングペンを利用することもできる。
(10)外観変化付与部74は、表示部材2に傷、切欠き又は穴などを形成する刃や針などであってもよい。
1 レベル表示具
2 表示部材
21 表示部材本体
23 ネジ部
25 係合凸部
3 取付補助具
4 取付補助具本体
5 中間部材
6 調節具
7 調節補助具
72 係合凹部
722 第二凹部
722a 壁面
C コンクリート
L レベリング材

Claims (6)

  1. コンクリートの天端面に流し込まれるレベリング材の打設目標高さを示す表示部材であって、
    ネジ部を有する表示部材本体と、
    前記表示部材本体を回転させるための調節具に接続された調節補助具の係合凹部と係合可能であり、前記表示部材本体の上部に設けられ、上端がレベリング材の打設目標高さを表示する目印となる係合凸部と、
    を備え、
    前記係合凸部は、上方に向かうにしたがい縮小するテーパ状である、
    ことを特徴とする表示部材。
  2. 前記係合凸部の上端面は、平坦面である、
    請求項1に記載の表示部材。
  3. 請求項1または2に記載の表示部材と、
    少なくとも一部が打設後の未硬化のコンクリート内に挿入されると共に、前記表示部材を回転可能に保持する取付補助具と、
    を備えることを特徴とするレベル表示具。
  4. コンクリートの天端面に流し込まれるレベリング材の打設目標高さを示す表示部材と、
    少なくとも一部が打設後の未硬化のコンクリート内に挿入されると共に、前記表示部材を回転可能に保持する取付補助具と、
    を備え、
    前記表示部材が、
    ネジ部を有する表示部材本体と、
    前記表示部材本体を回転させるための調節具に接続された調節補助具の係合凹部と係合可能な係合凸部と、
    を備え、
    前記係合凸部が、上方に向かうにしたがい縮小するテーパ状である、
    レベル表示具。
  5. 請求項1または2に記載の表示部材を回転させるための調節具用の調節補助具であって、
    前記係合凸部と嵌合する係合凹部を備える、
    ことを特徴とする調節補助具。
  6. 前記係合凸部の上端面に外部から視認可能な目印を付与する外観変化付与部をさらに備える、
    請求項に記載の調節補助具。
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