本開示を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る通信システムの構成図である。
通信システム1は、施設における複数の設備と複数の機器であるオブジェクトとの連携についての通信に適用されるシステムである。
この例において、施設は、例えばビル2a、またはビル2bなどの建築物である。ここで、ビル2は、ビル2aおよびビル2bなどを区別しない場合の表記である。
ビル2aにおいて、複数の設備であるビル設備3aが設けられる。ビル2bにおいて、複数のビル設備3bが設けられる。ここで、ビル設備3は、ビル設備3aおよびビル設備3bなどを区別しない場合の表記である。
複数のオブジェクトは、例えば製造業者pによって製造された複数のオブジェクト4pと、例えば製造業者qによって製造された複数のオブジェクト4qと、を含む。ここで、オブジェクト4は、オブジェクト4pおよびオブジェクト4qなどを区別しない場合の表記である。
ビル設備3およびオブジェクト4は、施設において稼働する。ビル設備3およびオブジェクト4は、例えばビル2において自律的に移動するロボット、または自律的にもしくは利用者の操作によって移動するモビリティなどである。あるいは、ビル設備3およびオブジェクト4は、例えばビル2において移動する利用者が所持する無線タグまたは携帯端末などである。あるいは、ビル設備3およびオブジェクト4は、例えばエレベーター、乗客コンベア、入退管理装置、照明装置、または空調装置などの設備である。
この例において、複数のオブジェクト4pの一部は、ビル2aにおいて移動する。複数のオブジェクト4pの他の一部は、ビル2bにおいて移動する。また、複数のオブジェクト4qの一部は、ビル2aにおいて移動する。複数のオブジェクト4qの他の一部は、ビル2bにおいて移動する。オブジェクト4は、無線通信によってネットワーク5に接続される。ネットワーク5は、例えばインターネットなどである。オブジェクト4は、例えばLTE(Long Term Evolution)などの無線通信の規格によってネットワーク5に接続する。オブジェクト4は、例えば基地局6を経由してネットワーク5に接続してもよい。
通信システム1は、1以上の設備サーバ7を備える。この例において、設備サーバ7は、ビル2aに設けられる設備サーバ7aと、ビル2bに設けられる設備サーバ7bと、を含む。ここで、設備サーバ7は、設備サーバ7aおよび設備サーバ7bなどを区別しない場合の表記である。複数の設備サーバ7の各々は、ネットワーク5に接続される。設備サーバ7aは、ビル2aにおける複数のビル設備3aの各々を制御する。設備サーバ7aは、ビル2aのファイアウォール8を介してネットワーク5に接続される。設備サーバ7bは、ビル2bにおける複数のビル設備3bの各々を制御する。設備サーバ7bは、ビル2bのファイアウォール8を介してネットワーク5に接続される。設備サーバ7は、例えば対応するビル2におけるエッジサーバである。あるいは、設備サーバ7はその一部または全部の構成がクラウド上に設けられていてもよい。この場合に、設備サーバ7は、ネットワーク5を経由してビル設備3と接続する。あるいは、設備サーバ7は、基地局6を経由してビル設備3と接続する。あるいは、設備サーバ7は、ファイアウォール8を通じてビル設備3と接続する。
通信システム1は、機器サーバであるオブジェクトサーバ9を複数備える。この例において、複数のオブジェクトサーバ9は、互いに異なる管理者によって管理されるオブジェクトサーバ9pおよびオブジェクトサーバ9qを含む。ここで、オブジェクトサーバ9は、オブジェクトサーバ9pおよびオブジェクトサーバ9qなどを区別しない場合の表記である。オブジェクトサーバ9の管理者は、例えばオブジェクト4の製造業者、またはオブジェクト4の管理業者などである。オブジェクトサーバ9pの管理者は、例えば製造業者pである。オブジェクトサーバ9qの管理者は、例えば製造業者qである。なお、同一の管理者が複数のオブジェクトサーバ9を管理していてもよい。複数のオブジェクトサーバ9の各々は、ネットワーク5に接続される。オブジェクトサーバ9は、ネットワーク5を通じて複数のオブジェクト4の各々を制御するサーバ装置である。オブジェクトサーバ9pは、複数のオブジェクト4pの各々を制御する。オブジェクトサーバ9qは、複数のオブジェクト4qの各々を制御する。
通信システム1において、設備サーバ7およびオブジェクトサーバ9の間でメッセージが通信される。この例において、メッセージは、MQTT(Message Queuing Telemetry Transport)プロトコルによって通信される。MQTTプロトコルにおいて、MQTTブローカーおよびMQTTクライアントの間でメッセージが通信される。MQTTブローカーは、MQTTクライアントがトピックを指定して発行(Publish)したメッセージを受信する。MQTTブローカーは、MQTTクライアントが購読(Subscribe)しているトピックのメッセージが発行される場合に、当該メッセージを当該MQTTクライアントに送信する。
設備サーバ7とオブジェクトサーバ9とは、後述する共通のデータ形式で通信する。オブジェクトサーバ9と当該オブジェクトサーバ9により制御されるオブジェクト4は、共通のデータ形式とは異なるデータ形式で通信する。設備サーバ7と当該設備サーバ7により制御されるビル設備3は、共通のデータ形式で通信してもよいし、共通のデータ形式とは異なるデータ形式で通信してもよい。ビル設備3は設備サーバ7と直接通信する。一方、オブジェクトは設備サーバ7と直接通信することは出来ない。ビル設備3とオブジェクト4との通信はオブジェクトサーバ9を介して行われる。
オブジェクト4が、例えばロボットまたはモビリティなどの移動体である場合、その移動体の用途に応じた様々な種類の移動体が複数の異なる製造業者により製造されることがある。それぞれの種類の移動体の通信に使用するデータ形式の相違により、移動体と設備サーバ7との連携が容易ではない場合がある。
オブジェクト4が、エレベーターなどの昇降機である場合、同じ施設に複数の異なる製造業者によって複数のエレベーターが製造される場合がある。それぞれの製造業者により製造されたそれぞれのエレベーター間で通信に使用するデータ形式の相違により、エレベーターと設備サーバ7との連携が容易ではない場合がある。
通信システム1において通信されるメッセージは、ヘッダと、ペイロードと、を含む。ヘッダは、キープアライブタイマおよびトピック名などの通信の制御情報を含む部分である。キープアライブタイマは、MQTTクライアントから受信するメッセージの間隔の最大時間を表す。この例において、キープアライブタイマは、例えば2時間を上限として設定される。MQTTクライアントからの接続時のメッセージにおいてキープアライブタイマが指定されない場合、または指定されたキープアライブタイマが上限を超える場合に、MQTTブローカーは、キープアライブタイマを例えば上限の時間に設定する。ペイロードは、ビル設備3およびオブジェクト4の連携に用いられる情報を含む部分である。メッセージは、ビル設備3などの設備またはオブジェクト4を制御対象として、制御対象の制御に用いられる。メッセージは、制御対象の種類によらない共通の形式のデータ構造を有している。
設備サーバ7は、第1通信部10と、設備制御部11と、オブジェクト管理部12と、を備える。
第1通信部10は、メッセージを通信する部分である。第1通信部10は、ネットワーク5を通じて複数のオブジェクトサーバ9の各々に接続される。第1通信部10は、例えばLAN(Local Area Network)などを通じて、設備サーバ7が対応するビル2における複数のビル設備3の各々に接続される。この例において、第1通信部10は、MQTTブローカーの機能を搭載する。このとき、各々のオブジェクトサーバ9は、MQTTクライアントの機能を搭載する。第1通信部10は、いずれかのオブジェクトサーバ9が発行したメッセージを受信するときに、当該メッセージに含まれる情報を設備制御部11に出力する。第1通信部10は、複数のオブジェクトサーバ9と共通のデータ形式によるメッセージを送受信する。
設備制御部11は、メッセージが第1通信部10に受信されるときに、当該メッセージに基づいてビル設備3を制御する部分である。設備制御部11は、例えばビル設備3の種類ごとに複数設けられていてもよい。設備制御部11は、MQTTクライアントの機能を搭載していてもよい。設備制御部11は、ビル設備3の状況に応じてオブジェクト4に対するメッセージを発行する。第1通信部10は、設備制御部11が発行するメッセージのトピックを購読しているオブジェクトサーバ9に、当該メッセージを送信する。
オブジェクト管理部12は、設備サーバ7が対応するビル2において稼働するオブジェクト4を管理する部分である。オブジェクト管理部12は、MQTTクライアントの機能を搭載していてもよい。オブジェクト管理部12は、例えばオブジェクトサーバ9が購読できるトピックを管理してもよい。
オブジェクトサーバ9は、第2通信部13と、オブジェクト制御部14と、を備える。
第2通信部13は、メッセージを通信する部分である。第2通信部13は、ネットワーク5を通じて複数の設備サーバ7の各々に接続される。第2通信部13は、ネットワーク5を通じて、オブジェクトサーバ9が制御する複数のオブジェクト4の各々に接続される。この例において、第2通信部13は、MQTTクライアントの機能を搭載する。第2通信部13は、購読しているトピックのメッセージをいずれかの設備サーバ7から受信するときに、当該メッセージに含まれる情報をオブジェクト制御部14に出力する。第2通信部13は、共通のデータ形式とは異なるデータ形式でオブジェクト4と通信する。
オブジェクト制御部14は、メッセージが第2通信部13に受信されるときに、当該メッセージに基づいてオブジェクト4を制御する部分である。オブジェクト制御部14は、機器制御部の例である。オブジェクト制御部14は、オブジェクト4の種類ごとに複数設けられていてもよい。オブジェクト制御部14は、オブジェクト4の状況に応じてビル設備3に対するメッセージを第2通信部13に発行させる。第2通信部13は、当該ビル設備3を制御する設備サーバ7の第1通信部10に対して当該メッセージを発行する。
ビル2aにおいてオブジェクト4qがビル設備3aを利用する場合を例として、通信システム1におけるメッセージの通信の例を説明する。オブジェクト4qは、利用するビル設備3aに対するメッセージの発行をオブジェクトサーバ9qに要求する。オブジェクトサーバ9qの第2通信部13は、要求されたメッセージを設備サーバ7aの第1通信部10に対して発行する。
設備サーバ7aの設備制御部11は、第1通信部10が受信したメッセージを例えばトピック名に基づいて取得する。設備制御部11は、取得したメッセージに基づいて、ビル設備3aを制御する。設備制御部11は、複数のビル設備3aを制御する場合に、複数のビル設備3aのうちから制御すべき制御対象のビル設備3aを、取得したメッセージの第3情報に基づいて選択してもよい。また、設備制御部11は、複数のビル設備3aを制御する場合に、複数のビル設備3aのうちから制御すべき制御対象のビル設備3aを、取得したメッセージの発行を要求したオブジェクト4のビル2aにおける位置情報に基づいて選択してもよい。その位置情報は、そのメッセージの第1情報によって特定される。制御対象であるビル設備3aは、設備制御部11の制御に基づいて動作する。
また、設備サーバ7aの制御に基づいて動作するビル設備3aは、当該ビル設備3aを利用するオブジェクト4qに対して応答を行うことがある。このとき、ビル設備3aは、当該オブジェクト4qに対するメッセージの発行を設備サーバ7aに要求する。設備サーバ7aの第1通信部10は、ビル設備3aの要求に基づいて、オブジェクトサーバ9qが購読しているトピックのメッセージを発行する。
オブジェクトサーバ9qの第2通信部13は、購読しているトピックのメッセージを受信する。オブジェクトサーバ9qのオブジェクト制御部14は、第2通信部13が受信したメッセージを取得する。オブジェクト制御部14は、取得したメッセージに基づいて、オブジェクト4qを制御する。制御対象であるオブジェクト4qは、オブジェクト制御部14の制御に基づいて動作する。
続いて、図2を用いて、通信システム1において通信されるメッセージのデータ構造を説明する。
図2は、実施の形態1に係る通信システムにおけるメッセージのトピック名の構造の例を示す図である。
図2に示されるように、トピック名は階層構造を持つ。この例において、トピック名は、最上位の第1レイヤから最下位の第4レイヤまでの4層のレイヤで構成される。
第1レイヤは、オブジェクト種別を表す。オブジェクト種別は、例えばロボット、モビリティ、人、またはエレベーターなどの、オブジェクト4の種別を表す情報である。ここで、オブジェクト種別が人であるオブジェクト4は、例えば人に所持されて移動するオブジェクトである。
第2レイヤは、オブジェクトIDを表す。オブジェクトIDは、オブジェクト4を特定する情報である。オブジェクトIDの値は、例えば「O001」などのオブジェクト4に固有の番号である。オブジェクトIDは、第1情報の例である。
第3レイヤは、メッセージ種別を表す。メッセージ種別は、メッセージの送信方向を表す情報を含む。メッセージの送信方向は、例えばオブジェクト側から設備側、または設備側からオブジェクト側のいずれかである。この例において、メッセージの送信方向は、メッセージの送信者および受信者を個々に特定しない。オブジェクト側から設備側の送信方向は、例えば複数のオブジェクトサーバ9のいずれかから複数の設備サーバ7のいずれかにメッセージが送信される送信方向である。また、設備側からオブジェクト側の送信方向は、例えば複数の設備サーバ7のいずれかから複数のオブジェクトサーバ9のいずれかにメッセージが送信される送信方向である。メッセージ種別は、MQTTにおけるメッセージのQoSレベル(QoS:Quality of Service)を表す情報を含んでもよい。QoSレベルが0のメッセージは、MQTTブローカーから最高1回送信される送達保証のないメッセージである。QoSレベルが1のメッセージは、MQTTブローカーから最低1回送信される送達保証のあるメッセージである。メッセージ種別の値は、送信方向およびQoSレベルの情報を組み合わせて表記した例えば「O2B_Q0」などの文字列である。ここで、メッセージ種別「O2B_Q0」は、オブジェクト側から設備側へのQoSレベル0のメッセージを表す。メッセージ種別は、第2情報の例である。
第4レイヤは、機能種別を表す。機能種別は、制御対象に実行させる機能の種別を表す情報である。機能種別の値は、例えば「UserManagement」、「MovingObjectLocalization」、「ElevatorInterface」、または「ObjectInterface」などの文字列である。この例において、機能種別「UserManagement」は、ビル2において稼働するオブジェクト4の情報を設備サーバ7のオブジェクト管理部12に登録させるなどの管理機能の種別を表す。また、機能種別「MovingObjectLocalization」は、オブジェクト4の位置状態の同期などの機能の種別を表す。この機能種別は、例えば設備サーバ7のメモリに記憶されている位置情報の更新などを含む。ここで、オブジェクト4の位置状態の情報は、例えばオブジェクト4の位置および状態の情報を含む。また、機能種別「ElevatorInterface」は、ビル設備3であるエレベーターに対して要求する機能の種別を表す。機能種別「ObjectInterface」は、ビル2において稼働するオブジェクト4に対して要求する機能の種別を表す。
メッセージのペイロードに含まれる情報は、例えばJSON形式で記述される。
登録の要求を行うメッセージは、オブジェクトサーバ9から送信される。この例において、ビル2において移動するモビリティのオブジェクト4としての登録を要求するメッセージが示される。登録の要求のメッセージは、例えばオブジェクトサーバ9がビル2の設備サーバ7と最初に通信するときなどに、オブジェクトサーバ9から設備サーバ7に送信される。
当該メッセージのペイロードに含まれるJSON形式のデータは、キーとして「api」などを含む。
キー「api」の値は、利用するAPIの名称を表す。第3情報は、当該メッセージに関する処理を表す情報である。第3情報は、キー「api」の値を含む。キー「api」の値は、例えば登録の要求を表す文字列「Registration」である。キー「api」の値は、例えば登録の結果の通知を表す文字列「RegistrationResult」である。キー「api」の値は、例えば位置状態の通知を表す文字列「PositionSynchronization」である。キー「api」の値は、例えば位置状態の補正要求を表す文字列「PositionSynchronizationFromPF」である。キー「api」の値は、例えばエレベーターの呼出しを表す文字列「CallElevator」である。キー「api」の値は、例えばエレベーターの呼出し結果の通知を表す文字列「RequestFromElevator」である。キー「api」の値は、例えばエレベーターの利用状況を表す文字列「UsedStatusOfElevator」である。キー「api」の値は、例えばオブジェクト4への設備サーバ7からの要求を表す文字列「RequestMovement」である。キー「api」の値は、例えば設備サーバ7からの要求への応答結果の通知を表す文字列「RequestMovementResult」である。
続いて、図3から図8を用いて、通信システム1の動作の例を説明する。
図3から図8は、実施の形態1に係る通信システムの動作の例を示すシーケンス図である。
図3において、初期登録およびその後の定常動作におけるシーケンス図が示される。この例において、オブジェクト4を設備サーバ7のオブジェクト管理部12に登録させる動作の例が示される。
ビル2において稼働するオブジェクト4の登録のために、オブジェクトサーバ9は、当該ビル2に対応する設備サーバ7に接続する。設備サーバ7への接続は、例えばオブジェクト4の管理者によるオブジェクトサーバ9の操作に基づいて行われる。あるいは、設備サーバ7への接続は、例えばオブジェクト4の管理者によるオブジェクト4の操作に基づいて、オブジェクトサーバ9を経由して行われてもよい。
オブジェクトサーバ9の第2通信部13は、MQTTのCONNECTメッセージを設備サーバ7の第1通信部10に送信する。設備サーバ7の第1通信部10は、MQTTのCONNACKメッセージをオブジェクトサーバ9の第2通信部13に返送する。これにより、オブジェクトサーバ9は、設備サーバ7とのMQTTによる接続が確立したことを確認する。ここで、オブジェクトサーバ9および設備サーバ7との間の通信において、ユーザ名およびパスワードによる認証が行われてもよい。
オブジェクトサーバ9の第2通信部13は、オブジェクト4の登録用のトピックを購読するように、MQTTのSUBSCRIBEメッセージをQoSレベル1で設備サーバ7の第1通信部10に送信する。設備サーバ7の第1通信部10は、MQTTのSUBACKメッセージをオブジェクトサーバ9の第2通信部13に返送する。これにより、オブジェクトサーバ9は、当該トピックの購読が許可されたことを確認する。
オブジェクトサーバ9の第2通信部13は、登録するオブジェクト4の情報をペイロードに含むMQTTのPUBLISHメッセージをQoSレベル1で設備サーバ7の第1通信部10に送信する。当該メッセージにおいて、APIとして「Registration」が指定される。当該メッセージは、例えば、トピック名に、第1レイヤ:NULL、第2レイヤ(第1情報):NULL、第3レイヤ(第2情報):O2B、および第4レイヤ:UserManagementを含み、ペイロードにAPI(第3情報):Registrationを含むように構成されたメッセージとして発行される。設備サーバ7の第1通信部10は、MQTTのPUBACKメッセージをオブジェクトサーバ9の第2通信部13に返送する。これにより、オブジェクトサーバ9は、メッセージの発行が受け付けられたことを確認する。
設備サーバ7のオブジェクト管理部12は、第1通信部10がオブジェクトサーバ9から受信したメッセージに基づいて、オブジェクトIDの付与およびトピックヘッダの生成などのオブジェクト4の登録の処理を行う。オブジェクト管理部12は、登録の結果を第1通信部10に通知する。この例において、オブジェクト管理部12は、生成したトピックヘッダの情報をペイロードに含むMQTTのPUBLISHメッセージを、QoSレベル1のメッセージとして第1通信部10に発行する。当該メッセージにおいて、APIとして「RegistrationResult」が指定される。当該メッセージは、例えばトピック名に、第1レイヤ:NULL、第2レイヤ(第1情報):NULL、第3レイヤ(第2情報):O2B、および第4レイヤ:UserManagementを含み、ペイロードにAPI(第3情報):RegistrationResultを含むように構成されたメッセージである。
オブジェクトサーバ9の第2通信部13は、当該トピックを購読しているので、MQTTのPUBLISHメッセージとして設備サーバ7の第1通信部10から登録の結果を受信する。オブジェクトサーバ9の第2通信部13は、MQTTのPUBACKメッセージを設備サーバ7の第1通信部10に返送する。これにより、設備サーバ7は、登録の結果がオブジェクトサーバ9に通知されたことを確認する。
オブジェクトサーバ9の第2通信部13は、登録の結果において通知されたトピックヘッダを含むトピックを購読するように、MQTTのSUBSCRIBEメッセージを設備サーバ7の第1通信部10に送信する。第2通信部13は、QoSレベルが0のメッセージを購読するように、そのトピックについてのSUBSCRIBEメッセージを第1通信部10に送信する。また、第2通信部13は、QoSレベルが1のメッセージを購読するように、そのトピックについてのSUBSCRIBEメッセージを第1通信部10に送信する。すなわち、第2通信部13は、指定したバージョンにおける任意の機能種別を表すオブジェクト側へのメッセージの購読を申請する。設備サーバ7の第1通信部10は、MQTTのSUBACKメッセージをオブジェクトサーバ9の第2通信部13に返送する。これにより、オブジェクトサーバ9は、申請したトピックの購読が許可されたことを確認する。
以上のように登録が行われた後に、オブジェクトサーバ9および設備サーバ7の間の通信は、定常動作に移行する。オブジェクトサーバ9から設備サーバ7へのメッセージは、発行者であるMQTTクライアントからMQTTブローカーへのPUBLISHメッセージとして通信される。設備サーバ7からオブジェクトサーバ9へのメッセージは、トピックの購読者であるMQTTクライアントへのMQTTブローカーからのPUBLISHメッセージとして通信される。オブジェクトサーバ9は、メッセージが対象とするオブジェクト4を、当該メッセージのトピックヘッダに基づいて特定する。
なお、オブジェクトサーバ9および設備サーバ7の間の通信が切断された場合に、オブジェクトサーバ9は、設備サーバ7に再度CONNECTメッセージを送信することで通信を再開する。このとき、オブジェクトサーバ9は、同一のオブジェクト4に対して同一の仮IDを指定して再接続を行う。これにより、設備サーバ7は、同一のオブジェクト4に対して通信の切断前と同一のオブジェクトIDを設定する。
ここで、オブジェクト4自身が認識している当該オブジェクト4の位置状態と設備サーバ7が認識している当該オブジェクト4の位置情報との間の差異は、オブジェクト4およびビル設備3の連携の障害となりうる。このため、定常動作において、オブジェクト側および移動体側との間においてオブジェクト4の位置状態の同期が行われる。位置状態の同期は、例えばオブジェクト側から設備側への位置状態の定期的な通知、および設備側からオブジェクト側への位置状態の補正要求などによって行われる。なお、位置状態の通知および位置状態の補正要求などを含む定常動作における複数の通信は、例えば複合フラグメントPARによって示されるように並列処理によって行われる。
定常動作において、オブジェクト4の位置状態を通知しうるように、オブジェクトサーバ9から設備サーバ7にメッセージが送信される。当該メッセージは、例えば予め設定された周期によって定期的に送信される。オブジェクト4の位置状態の情報は、例えばオブジェクト制御部14が当該オブジェクト4から取得する。
位置状態の通知のメッセージは、オブジェクト4の位置状態の情報を例えばJSON形式のデータとしてペイロードに含む。オブジェクト4の位置の情報は、例えばオブジェクト4の向きの情報を含んでもよい。ペイロードに含まれるデータは、例えば位置状態の同期についての設備側の機能を指定するAPI名、同期するオブジェクト4を特定するオブジェクトID、オブジェクト4の位置のデータ表現を指定する情報などを含む。API名は、例えば「PositionSynchronization」である。位置状態の通知のメッセージは、例えばトピック名に、第1レイヤ:Mobility、第2レイヤ(第1情報):001、第3レイヤ(第2情報):O2B、および第4レイヤ:MovingObjectLocalizationを含み、ペイロードにAPI(第3情報):PositionSynchronizationを含むように構成される。オブジェクト4の位置のデータ表現は、例えば座標系、長さおよび角度などの単位系、ならびに整数型、実数型または文字列型などのデータ型などの組み合わせによって指定される。座標系は、例えば緯度、経度、および標高の組によってオブジェクト4の絶対位置を表し、方位によってオブジェクト4の向きを表す絶対座標系であってもよい。あるいは、座標系は、例えばビル2に固有の直交座標(x,y)および階床の組によってビル内におけるオブジェクト4のビル固有位置を表し、ビル2に固有の直交座標における角度によってオブジェクト4の向きを表すビル座標系であってもよい。このとき、ビル座標系における原点もあわせて指定されていてもよい。オブジェクト4から通知された位置状態は、例えばオブジェクト管理部12によって管理される。
オブジェクト4の位置状態の情報は、設備サーバ7からオブジェクト4の位置状態の補正が要求されたときに、当該補正要求においてオブジェクト4の補正位置を指定する基点を識別する識別子の情報を含んでもよい。このとき、オブジェクトサーバ9は、最後に受けた補正要求の識別子をメッセージに含めて設備サーバ7に送信することで、設備サーバ7との間に基点のずれが生じることを防ぐ。
オブジェクト4の位置状態の情報は、例えばオブジェクト4を駆動するバッテリーの充電残量を表す情報を含んでいてもよい。オブジェクト4の位置状態の情報は、例えばオブジェクト4の動作状態の情報を含んでいてもよい。オブジェクト4の動作状態は、例えば移動中、または待機中などの状態を含む。オブジェクト4の状態の情報は、例えばオブジェクト4のオペレーション内容の情報を含んでいてもよい。オペレーション内容の情報は、例えばオペレーション中、またはオペレーション無しなどの状態を含む。
また、定常動作において、オブジェクト4の位置状態の補正を要求しうるように、設備サーバ7からオブジェクトサーバ9にメッセージが送信される。設備サーバ7において、オブジェクト4の位置状態の情報は、例えばビル2に設けられるカメラなどの観測装置によって取得される。位置状態の補正要求は、例えば設備サーバ7が認識しているオブジェクト4の位置情報と当該オブジェクト4自身から通知される位置状態との間の差異が予め設定された範囲より大きくなった場合に行われる。
位置状態の補正要求のメッセージは、基点などの情報を例えばJSON形式のデータとしてペイロードに含む。基点の情報は、例えばオブジェクト4の向きを補正する情報を含んでもよい。ペイロードに含まれるデータは、例えば位置状態の同期についてのオブジェクト側の機能を指定するAPI名、同期するオブジェクト4を特定するオブジェクトID、基点のデータ表現を指定する情報などを含む。API名は、例えば「PositionSynchronizationFromPF」である。位置状態の補正要求のメッセージは、例えばトピック名に、第1レイヤ:Mobility、第2レイヤ(第1情報):001、第3レイヤ(第2情報):O2B、および第4レイヤ:MovingObjectLocalizationを含み、ペイロードにAPI(第3情報):PositionSynchronizationFromPFを含むように構成される。基点のデータ表現は、例えばオブジェクト4の位置のデータ表現と同様に指定される。位置状態の補正要求のメッセージは、基点を識別する識別子の情報を含んでもよい。
設備サーバ7から受信した補正要求のメッセージに基づいて、オブジェクトサーバ9のオブジェクト制御部14は、当該メッセージにおいて特定されるオブジェクト4に位置状態を補正させる。
ここで、位置状態の同期について設備サーバ7からオブジェクトサーバ9に送信されるメッセージは、位置状態の補正の要否を表す情報を含んでもよい。位置状態の補正が不要である場合に、当該メッセージは、基点の情報を含まなくてもよい。また、当該メッセージは、予め設定された周期によって定期的に送信されてもよい。
図4において、ビル設備3であるエレベーターを利用してオブジェクト4が移動する場合のシーケンス図が示される。
この例において、エレベーターは、複数のかごと、群管理装置と、を備えている。各々のかごは、呼びに応じてビル2における複数の階床の間を鉛直方向に走行することで利用者およびオブジェクト4などを輸送する装置である。群管理装置は、各々のかごに割り当てる呼びを管理する部分である。
オブジェクト4がエレベーターを利用する場合に、当該オブジェクト4が呼出し位置に到着したときに、通信システム1において図6に示されるエレベーターの呼出し処理が行われる。呼出し位置は、例えばエレベーターの乗場の位置である。呼出し処理において、オブジェクトサーバ9および設備サーバ7の間でメッセージが通信される。呼出し処理において、エレベーターは、オブジェクト4がいる階床を出発階とする乗場呼びを登録する。エレベーターの群管理装置は、登録した乗場呼びを複数のかごのいずれかに割り当てる。呼出し処理において、乗場呼びが割り当てられた応答かごは複数のかごのいずれであるかがオブジェクト4に通知される。ここで、エレベーターを利用するオブジェクト4は、施設内を移動する第1機器の例である。エレベーターを利用するオブジェクト4を制御するオブジェクトサーバ9は、第1機器サーバの例である。また、オブジェクト4の乗場呼びに応答する応答かごは、第1かごの例である。
呼出し処理が行われた後に、オブジェクト4は通知された応答かごの乗車待機位置に移動する。乗車待機位置は、応答かごに対応して予め設定される。乗車待機位置は、例えば応答かごが走行する昇降路に対応する乗場出入口の前の位置である。呼出し処理が行われた後に、応答かごは、出発階に移動する。
応答かごが出発階に到着したときに、通信システム1において図7に示されるエレベーターへの乗車処理が行われる。乗車処理において、オブジェクトサーバ9および設備サーバ7の間でメッセージが通信される。乗車処理において、オブジェクト4は、応答かごに乗車する。
乗車処理が行われた後に、応答かごは、オブジェクト4の行先階に移動する。
応答かごが行先階に到着したときに、通信システム1において図8に示されるエレベーターからの降車処理が行われる。降車処理において、オブジェクトサーバ9および設備サーバ7の間でメッセージが通信される。降車処理において、オブジェクト4は、応答かごから降車する。
図5において、エレベーターの呼出し処理におけるシーケンスが示される。
エレベーターを利用するオブジェクト4は、オブジェクトサーバ9にエレベーターの利用を要求する。ここで、オブジェクト4は、利用するかごを特定しなくてもよい。また、複数のエレベーターがビル2に設けられる場合に、オブジェクト4は、利用するエレベーターを特定しなくてもよい。
要求を受けたオブジェクトサーバ9は、エレベーターの呼出しを表すメッセージを設備サーバ7に送信する。呼出しを表すメッセージは、例えば呼出しの機能を指定するAPI名、エレベーターを利用するオブジェクト4を特定するオブジェクトID、およびオブジェクト4の行先階を指定する情報などを含む。API名は、例えば「CallElevator」である。当該メッセージは、例えばトピック名に、第1レイヤ:Mobility、第2レイヤ(第1情報):001、第3レイヤ(第2情報):O2B、および第4レイヤ:ElevatorInterfaceを含み、ペイロードにAPI(第3情報):CallElevatorを含むように構成される。
メッセージを受信した設備サーバ7の設備制御部11は、当該メッセージの機能種別に基づいて、複数のビル設備3のうちからエレベーターを制御対象として選択する。あるいは、エレベーターを制御対象とするエレベーター専用の設備制御部11が設けられている場合に、当該設備制御部11は、購読しているトピックのメッセージとして当該メッセージを取得してもよい。また、複数のエレベーターがビル2に設けられる場合に、設備制御部11は、複数のエレベーターのうちから制御対象とするエレベーターをオブジェクト4の位置に基づいて選択してもよい。このとき、設備制御部11は、例えば各々のエレベーターに対応する呼出し位置とオブジェクト4の位置との比較によって制御対象とするエレベーターを選択してもよい。
設備制御部11は、制御対象のエレベーターにオブジェクト4の専用運転を要求する。このとき、設備制御部11は、オブジェクトサーバ9から送信されたメッセージの情報をあわせて送信する。
要求を受けたエレベーターは、オブジェクト4がいる階床を出発階とする乗場呼びを、行先階を指定した乗場呼びとして登録する。オブジェクト4がいる階床は、例えば同期しているオブジェクト4の位置情報に基づいて取得される。行先階は、設備制御部11から受信した情報に基づいて指定される。群管理装置は、登録した乗場呼びを複数のかごのいずれかに割り当てる。乗場呼びが割り当てられた応答かごは、専用運転に移行する。エレベーターは、専用運転開始通知を設備サーバ7に送信する。ここで、専用運転開始通知は、応答かごの乗車待機位置の情報を含む。
エレベーターから専用運転開始通知を受信する場合に、設備サーバ7は、呼出し結果を通知するメッセージをオブジェクトサーバ9に送信する。呼出し結果を通知するメッセージは、例えば呼出し結果の通知の機能を指定するAPI名、呼出しの成否を表す情報、および応答かごの乗車待機位置の情報を含む。当該メッセージは、応答かご自体を特定する号機番号などの情報を含まなくてもよい。API名は、例えば「CallElevatorResult」である。当該メッセージは、例えばトピック名に、第1レイヤ:Mobility、第2レイヤ(第1情報):001、第3レイヤ(第2情報):B2O、および第4レイヤ:ElevatorInterfaceを含み、ペイロードにAPI(第3情報):CallElevatorResultを含むように構成される。
オブジェクト制御部14は、通知された呼出し結果の情報をオブジェクト4に送信する。その後、オブジェクト4は、受信した呼出し結果の情報に基づいて、乗車待機位置に移動する。
一方、専用運転を要求してからタイムアウト時間が経過するまで専用運転開始通知を受信しない場合に、設備サーバ7は、呼出し結果を通知するメッセージをオブジェクトサーバ9に送信する。タイムアウト時間は、例えば20分などの予め設定された時間である。当該メッセージは、専用運転開始通知を受信した場合と同一のAPIを指定する同一のトピックのメッセージとして送信される。このとき、当該メッセージは、呼出しの失敗を表す情報を含む。当該メッセージは、乗車待機位置の情報を含まなくてもよい。
オブジェクト制御部14は、通知された呼出し結果の情報をオブジェクト4に送信する。通信システム1は、オブジェクト4がエレベーターを利用して移動する場合のシーケンスを終了する。その後、オブジェクト4は、受信した呼出し結果の情報に基づいて、エレベーターの呼出しに失敗した場合の動作に移行する。
図6において、エレベーターへの乗車処理におけるシーケンスが示される。
オブジェクト4の出発階に到着したときに、応答かごは、かごの戸を開く。エレベーターは、戸開通知を設備サーバ7に送信する。
エレベーターから戸開通知を受信する場合に、設備サーバ7は、エレベーターからの要求を表すメッセージをオブジェクトサーバ9に送信する。エレベーターからの要求を表すメッセージは、例えばエレベーターからの要求に応答するオブジェクト4側の機能を指定するAPI名、および要求の種類を表す情報などを含む。要求の種類は、例えば乗車要求である。当該メッセージは、応答かごの内部における乗車位置の情報を含んでもよい。API名は、例えば「RequestFromElevator」である。当該メッセージは、例えばトピック名に、第1レイヤ:Mobility、第2レイヤ(第1情報):001、第3レイヤ(第2情報):B2O、および第4レイヤ:ElevatorInterfaceを含み、ペイロードにAPI(第3情報):RequestFromElevatorを含むように構成される。
オブジェクト制御部14は、設備サーバ7から受けたエレベーターからの要求の情報をオブジェクト4に送信する。オブジェクト4は、エレベーターからの乗車要求に基づいて、応答かごに乗車する。応答かごの内部の乗車位置に到着したときに、オブジェクト4は、乗車完了通知をオブジェクトサーバ9に送信する。
オブジェクト4から乗車完了通知を受信する場合に、オブジェクトサーバ9は、エレベーターの利用状況を表すメッセージを設備サーバ7に送信する。エレベーターの利用状況を表すメッセージは、例えばオブジェクト4の状況に応じた設備側の機能を指定するAPI名、エレベーターを利用しているオブジェクト4を特定するオブジェクトID,および利用状況のステータスコードなどを含む。利用状況のステータスコードは、例えば乗車完了を表す「1」などの数値である。API名は、例えば「UsedStatusOfElevator」である。当該メッセージは、例えばトピック名に、第1レイヤ:Mobility、第2レイヤ(第1情報):001、第3レイヤ(第2情報):O2B、および第4レイヤ:ElevatorInterfaceを含み、ペイロードにAPI(第3情報):UsedStatusOfElevatorを含むように構成される。
設備制御部11は、オブジェクトサーバ9から乗車完了の通知を受けたときに、エレベーターに応答かごの戸を閉める指示を送信する。エレベーターは、受信した指示に基づいて、応答かごの戸を閉める。
一方、戸開通知を受けてからタイムアウト時間が経過するまで乗車完了通知を受信しない場合に、設備サーバ7は、エレベーターからの要求を表すメッセージをオブジェクトサーバ9に送信する。タイムアウト時間は、例えば800秒などの予め設定された時間である。当該メッセージは、例えばトピック名に、第1レイヤ:Mobility、第2レイヤ(第1情報):001、第3レイヤ(第2情報):B2O、および第4レイヤ:ElevatorInterfaceを含むように構成される。当該メッセージにおける要求の種類は、例えば乗車中止要求である。
オブジェクト制御部14は、設備サーバ7から受けたエレベーターからの要求の情報をオブジェクト4に送信する。オブジェクト4は、エレベーターからの乗車中止要求に基づいて、応答かごへの乗車を中止する。乗車中止の処理において、オブジェクト4は、エレベーターが通常運転に復帰できるようにエレベーターの乗場に引き返す。
乗車中止の処理が完了したときに、オブジェクト4は、乗車中止完了通知をオブジェクトサーバ9に送信してもよい。オブジェクトサーバ9は、乗車完了通知と同様のAPIによって設備サーバ7に乗車中止完了のメッセージを送信してもよい。
設備制御部11は、応答かごの戸が開いてから戸開維持時間が経過するまで待機する。戸開維持時間は、例えば300秒などの予め設定された時間である。設備制御部11は、戸開維持時間が経過した後に、エレベーターに応答かごの戸を閉める指示を送信する。あるいは、オブジェクトサーバ9から乗車中止完了のメッセージを受信する場合に、設備制御部11は戸開維持時間の経過を待たずにエレベーターに応答かごの戸を閉める指示を送信してもよい。エレベーターは、受信した指示に基づいて、応答かごの戸を閉める。通信システム1は、オブジェクト4がエレベーターを利用して移動する場合のシーケンスを終了する。
図7において、エレベーターからの降車処理におけるシーケンスが示される。
降車処理において、オブジェクト4の行先階において応答かごの戸が閉まるまで、通信システム1は乗車処理と同様に動作する。すなわち、行先階に到着したときに、応答かごは、かごの戸を開く。エレベーターは、戸開通知を設備サーバ7に送信する。設備サーバ7は、降車要求を表すメッセージをオブジェクトサーバ9に送信する。オブジェクトサーバ9は、受信したメッセージに基づいてオブジェクト4を応答かごから降車させる。オブジェクト4の降車が完了したときに、オブジェクトサーバ9は、降車完了を表すメッセージを設備サーバ7に送信する。設備サーバ7は、応答かごの戸を閉める指示をエレベーターに送信する。また、行先階でのオブジェクト4の降車中にタイムアウトした場合に、設備サーバ7は、降車中止要求を表すメッセージをオブジェクトサーバ9に送信する。戸開維持時間が経過した後に、設備サーバ7は、応答かごの戸を閉める指示をエレベーターに送信する。
応答かごの戸を閉めた後に、エレベーターは専用運転を終了する。その後、エレベーターは、専用運転終了通知を設備サーバ7に送信する。
また、応答かごの戸を閉める指示を送信するまでにオブジェクトサーバ9から降車完了通知のメッセージを受けていない場合に、応答かごにおいてオブジェクト4の閉じ込めが発生している可能性がある。このとき、設備サーバ7は、オブジェクト4への設備サーバ7からの要求を表すメッセージをオブジェクトサーバ9に送信する。設備サーバ7からの要求を表すメッセージは、例えば当該要求に応答するオブジェクト側の機能を指定するAPI名、および要求の種類を表す情報などを含む。要求の種類は、例えば停止要求である。API名は、例えば「RequestMovement」である。
オブジェクト制御部14は、設備サーバ7から受けた要求の情報をオブジェクト4に送信する。オブジェクト4は、設備サーバ7からの停止要求に基づいて、応答かごの内部において停止する。その後、オブジェクト4は、停止完了通知をオブジェクトサーバ9に送信する。
オブジェクト4から停止完了通知を受信する場合に、オブジェクトサーバ9は、設備サーバ7からの要求への応答結果を表すメッセージを設備サーバ7に送信する。要求への応答結果を表すメッセージは、例えば応答結果の通知を表すAPI名、設備サーバ7からの要求の種類を表す情報、および応答結果のステータスコードなどを含む。応答結果のステータスコードは、例えば応答成功を表す「101」などの数値である。API名は、例えば「RequestMovementResult」である。当該メッセージは、例えばトピック名に、第1レイヤ:Mobility、第2レイヤ(第1情報):001、第3レイヤ(第2情報):O2B、および第4レイヤ:ObjectInterfaceを含み、ペイロードにAPI(第3情報):RequestMovementResultを含むように構成される。
設備制御部11は、オブジェクトサーバ9から応答結果の通知を受けたときに、応答かごの走行が可能であるかを判定する。応答かごの走行が可能である場合に、エレベーターは、閉じ込められたオブジェクト4を乗せたまま、応答かごを非常対応階床に走行させる。非常対応階床は、例えば防災センターなどが設けられる予め設定された階床である。非常対応階床において、エレベーターは、応答かごの戸を開く。設備サーバ7は、例えばオブジェクトサーバ9にメッセージを送信することによって、オブジェクト4を待機場所に移動させる。
図8において、設備サーバ7からオブジェクト4に移動を要求する場合のシーケンス図が示される。
設備サーバ7は、移動要求事象の発生が検知されるときに、移動要求事象の種類に応じた移動をオブジェクト4に要求する。移動要求事象は、オブジェクト4への移動の要求が必要となる事象である。移動要求事象は、例えばビル2に設けられる地震検知器が検知する地震、または火災検知器が検知する火災などの災害を含む緊急時の事象である。あるいは、移動要求事象は、オブジェクト4の位置状態に基づいてオブジェクト管理部12によって検知される事象であってもよい。移動要求事象は、例えばオブジェクト4の故障または不具合などの異常時の事象であってもよい。また、移動要求事象は、例えばオブジェクト4を駆動するバッテリーの充電残量の低下などのオブジェクト4のオペレーションに影響する事象であってもよい。また、移動要求事象は、例えば入域が許可されていない領域へのオブジェクト4の進入などのビル2のセキュリティに関する事象であってもよい。
移動要求事象の発生が検知されるときに、設備サーバ7は、オブジェクト4への設備サーバ7からの要求を表すメッセージをオブジェクトサーバ9に送信する。当該メッセージは、例えばAPI「RequestMovement」を指定する。当該メッセージにおける要求の種類は、例えば移動要求である。当該メッセージは、発生した災害の種類を通知する情報を含んでもよい。また、当該メッセージは、移動を要求する位置の情報を含んでもよい。移動を要求する位置は、例えば緊急時または異常時のオブジェクト4の待機場所の位置などである。あるいは、移動を要求する位置は、例えば充電ステーションの位置などであってもよい。あるいは、移動を要求する位置は、オブジェクト4に対して入域が許可されている領域の位置などであってもよい。
オブジェクト制御部14は、設備サーバ7から受けた要求の情報をオブジェクト4に送信する。オブジェクト4は、設備サーバ7からの移動要求の諾否を判定する。オブジェクト4は、諾否の判定結果をオブジェクトサーバ9に送信する。
オブジェクト4から判定結果を受信する場合に、オブジェクトサーバ9は、設備サーバ7からの要求への対応を表すメッセージを設備サーバ7に送信する。当該メッセージは、例えばAPI「RequestMovementResult」を指定する。当該メッセージは、例えばトピック名に、第1レイヤ:Mobility、第2レイヤ(第1情報):001、第3レイヤ(第2情報):O2B、および第4レイヤ:ObjectInterfaceを含み、ペイロードにAPI(第3情報):RequestMovementResultを含むように構成される。当該メッセージにおける応答結果のステータスコードは、例えば、要求の承諾を表す「1」、または拒否を表す「2」などの数値である。
オブジェクト4は、設備サーバ7からの移動要求を承諾する場合に、設備サーバ7からの移動要求に基づいて、要求された位置まで移動する。その後、オブジェクト4は、移動完了通知をオブジェクトサーバ9に送信する。
オブジェクト4から移動完了通知を受信する場合に、オブジェクトサーバ9は、設備サーバ7からの要求への応答結果を表すメッセージを設備サーバ7に送信する。当該メッセージは、例えば要求への対応を表すメッセージと同一のAPIを指定する同一のトピックのメッセージである。当該メッセージにおける応答結果のステータスコードは、例えば応答成功を表す「101」、または応答失敗を表す「102」などの数値である。
以上に説明したように、実施の形態1に係る通信システム1は、複数の設備サーバ7と、複数のオブジェクトサーバ9と、を備える。通信システム1において、複数の設備サーバ7の各々と、複数のオブジェクトサーバ9の各々との間において、共通の形式によってメッセージが通信される。メッセージは、第1情報と、第2情報と、第3情報と、を含む。第1情報は、複数の機器であるオブジェクト4の各々を特定する情報である。各々のオブジェクト4は、施設において稼働する。各々のオブジェクト4は、施設の複数の設備の少なくともいずれかを利用する。第2情報は、メッセージの送信方向を表す情報である。第3情報は、制御すべき制御対象の設備または機器に実行させる処理を表す情報である。第3情報は、例えばAPIを表す。複数の設備サーバ7の各々は、設備制御部11と、第1通信部10と、を備える。設備制御部11は、メッセージが設備サーバ7に受信されるときに、当該メッセージに基づいて複数の設備の少なくともいずれかを制御対象として制御する。第1通信部10は、複数のオブジェクトサーバ9の各々との間でメッセージを共通の形式によって通信する。複数のオブジェクトサーバ9の各々は、オブジェクト制御部14と、第2通信部13と、を備える。オブジェクト制御部14は、メッセージがオブジェクトサーバ9に受信されるときに、当該メッセージに基づいて複数のオブジェクト4の少なくともいずれかを制御対象として制御する。第2通信部13は、複数の設備サーバ7の各々との間でメッセージを共通の形式によって通信する。メッセージは、複数の設備サーバ7の各々と、複数のオブジェクトサーバ9の各々との間において、共通の形式によってメッセージが通信されることで、複数の設備および複数のオブジェクト4のうちの少なくともいずれかの制御に用いられる。
通信システム1において、複数の設備および複数のオブジェクト4は、設備サーバ7およびオブジェクトサーバ9を介した通信によって連携する。設備サーバ7およびオブジェクトサーバ9は、共通の形式のメッセージによって通信する。このように、複数の設備および複数のオブジェクト4は、連携についての通信に関して疎結合になる。第1情報によって連携するオブジェクト4が特定されるので、いずれのオブジェクト4についてのメッセージであるかが明確になる。第2情報においてメッセージの送信者および受信者の組み合わせを個々に特定する必要がないので、連携する設備およびオブジェクト4がともに多数であっても通信の量が増加しにくい。第3情報によって連携における機能の種別によって連携する設備などが特定されるので、オブジェクト4は、施設に設けられている個々の設備の情報を持つ必要がない。このため、設備およびオブジェクト4は、設備の種類およびオブジェクト4の種類の組み合わせなどによらずに、互いに連携して動作しやすくなる。これにより、製造業者および管理業者などが異なる複数のオブジェクト4が施設を移動する場合においても、オブジェクト4は、設備ごとのプロトコルを考慮することなく施設を自由に移動できるようになる。
また、設備制御部11は、メッセージに基づく制御対象を複数の設備のいずれにするかを、第3情報に基づいて選択する。これにより、オブジェクト4は、利用する個々の設備の情報を持つことなく、設備の機能を指定することで当該機能を利用できる。なお、例えば制御対象とする設備ごとに専用の設備制御部11が設けられる場合などに、当該設備制御部11は、取得するメッセージを第3情報に基づいて選択してもよい。
また、設備制御部11は、メッセージに基づく制御対象を複数の設備のいずれにするかを、第1情報によって特定されるオブジェクト4の情報に対応付けて記憶されている当該オブジェクト4の位置情報に基づいて選択する。これにより、設備制御部11は、オブジェクト4からの個々の設備の指定を必要とせずに、当該オブジェクト4に利用させる設備を選択できる。このため、オブジェクト4は、利用する個々の設備の情報を持つことなく、設備の機能を指定することで当該機能を利用できる。なお、設備制御部11は、制御対象とする設備を、オブジェクト4の位置と第3情報との組み合わせに基づいて選択してもよい。
また、設備制御部11は、メッセージの第3情報が乗場呼びを表す場合に、第1情報によって特定されるオブジェクト4の情報に対応付けて記憶されている当該オブジェクト4の位置情報に基づいてそのオブジェクト4が位置する階床を特定する。設備制御部11は、その特定された階床に対するその乗場呼びを、ビル設備3であるエレベーターに登録させる。また、第1通信部10は、エレベーターが複数のかごを有する場合に、複数のかごのうちオブジェクト4の乗場呼びに応答させるかごを特定する情報をメッセージに含めて、当該オブジェクト4を制御するオブジェクトサーバ9に送信する。これにより、エレベーターを設備として利用するオブジェクト4は、容易にエレベーターのかごを呼び出せる。オブジェクト4は、利用するエレベーターを選択する必要がない。オブジェクト4は、利用するエレベーターの数などの情報を持つことなくエレベーターを利用できる。また、オブジェクト4は、利用するエレベーターのかごを選択する必要がない。また、オブジェクト4は、利用できるエレベーターのかごを判定する必要がない。このため、オブジェクト4のエレベーターを利用した施設の移動が容易になる。
また、第1通信部10は、その特定された階床でエレベーターのかごの戸が開くときに、当該かごへの乗車要求を表す第3情報を含むメッセージを、当該オブジェクト4を制御するオブジェクトサーバ9に送信する。また、エレベーターのかごへの乗車要求を表す第3情報を含むメッセージをオブジェクトサーバ9に送信した後で、且つオブジェクトサーバ9からエレベーターのかごへの乗車完了を表す第3情報を含むメッセージを受信したときに、設備制御部11は、エレベーターに当該かごの戸を閉めさせる。これにより、エレベーターを設備として利用するオブジェクト4は、エレベーターの機種などによらずに容易にかごに乗車できる。また、設備サーバ7は、オブジェクト4の機種などによらずに、オブジェクト4を容易にかごに乗車させられる。
また、第1通信部10は、その特定された階床でエレベーターのかごの戸が開くときに、当該かごからの降車要求を表す第3情報を含むメッセージを、当該オブジェクト4を制御するオブジェクトサーバ9に送信する。また、エレベーターのかごからの降車要求を表す第3情報を含むメッセージをオブジェクトサーバ9に送信した後で、且つオブジェクトサーバ9からエレベーターのかごからの降車完了を表す第3情報を含むメッセージを受信したときに、設備制御部11は、エレベーターに当該かごの戸を閉めさせる。これにより、エレベーターを設備として利用するオブジェクト4は、エレベーターの機種などによらずに容易にかごから降車できる。また、設備サーバ7は、オブジェクト4の機種などによらずに、オブジェクト4を容易にかごから降車させられる。
また、第1通信部10は、オブジェクト4に対する移動の要求が必要となる事象である移動要求事象の発生が検知されたときに、移動要求事象の種類に応じたオブジェクト4の移動要求を表す第3情報を含むメッセージを、当該オブジェクト4を制御するオブジェクトサーバ9に送信する。これにより、設備サーバ7は、施設もしくは設備またはオブジェクト4などの状況に応じた対処を、機種などによらずにオブジェクト4に行わせることができる。
なお、オブジェクトサーバ9から送信されるメッセージの第3情報は、制御対象の設備の動作の開始要求を表すデータであってもよい。このとき、設備制御部11は、当該メッセージに基づく制御対象の設備の動作を開始させる。また、オブジェクトサーバ9から送信されるメッセージの第3情報は、制御対象の設備の動作の停止要求を表すデータであってもよい。このとき、設備制御部11は、当該メッセージに基づく制御対象の設備の動作を停止させる。これにより、施設においてオブジェクト4および設備の連携が容易になる。
当該メッセージの制御対象は、例えば乗客コンベア、空調装置、換気装置、または照明装置などであってもよい。制御対象が乗客コンベアである場合に、設備制御部11は、例えば当該乗客コンベアの運転を起動または停止させる。制御対象が空調装置である場合に、設備制御部11は、例えば当該空調装置の運転を起動または停止させる。制御対象が換気装置である場合に、設備制御部11は、例えば当該換気装置による送風または排風を起動または停止させる。制御対象が照明装置である場合に、設備制御部11は、例えば当該照明装置を点灯または消灯させる。
また、オブジェクトサーバ9から送信されるメッセージの第3情報は、制御対象の設備の動作状態の変更要求を表すデータであってもよい。このとき、設備制御部11は、当該メッセージに基づく制御対象の設備の動作状態を変更させる。これにより、施設においてオブジェクト4および設備の連携が容易になる。
動作状態の変更は、例えば動作モードの切り替えであってもよい。制御対象が乗客コンベアである場合に、動作モードの切り替えは、例えば上昇運転および下降運転の切り替え、または高速運転および低速運転の切り替えなどである。動作状態の変更は、例えば動作パラメータの変更であってもよい。制御対象が乗客コンベアである場合に、動作パラメータは、例えば運転速度などである。制御対象が空調装置である場合に、動作パラメータは、例えば設定温度または風量などである。制御対象が照明装置である場合に、動作パラメータの変更は、例えば調光または調色などである。
また、設備制御部11は、ビル設備3である入退管理装置に、第1情報に基づいて特定されるオブジェクト4を認証させるようにしてもよい。当該オブジェクト4の認証が成功する場合に、例えば当該入退管理装置が管理する電気錠の開錠などが行われる。これにより、入退域が管理される領域を有する施設においても、オブジェクト4は円滑に移動できる。なお、オブジェクトサーバ9から送信されるメッセージは、オブジェクト4の認証情報を含んでいてもよい。
また、オブジェクトサーバ9から送信されるメッセージは、オブジェクト4が自身の現在位置を見失ったことを表す情報を含んでもよい。このとき、設備サーバ7は、当該オブジェクト4を制御するオブジェクトサーバ9に、例えば位置情報の補正要求のメッセージ、または移動要求のメッセージなどを送信してもよい。
また、オブジェクトサーバ9から送信されるメッセージに基づく機能の実行を制御対象の設備が拒否する場合に、設備サーバ7は、拒否の理由を表す情報を含むメッセージを当該オブジェクトサーバ9に返送してもよい。例えばエレベーターが呼出し処理を拒否するときに、設備サーバ7は、地震による管制運転中であること、または、他のオブジェクト4がかごに既に乗車していることなどを拒否の理由としてオブジェクトサーバ9に返送してもよい。これにより、オブジェクト4は、機能の実行を再度要求する場合の承諾の可能性を判断できる。このとき、オブジェクト4は、返送された理由に応じて、要求を再度行うか否かを判定してもよい。
また、設備サーバ7は、エッジサーバでなくてもよい。設備サーバ7は、単一の施設に対して複数設けられていてもよい。設備サーバ7は、例えば一台のサーバコンピュータであってもよい。設備サーバ7は、複数のサーバコンピュータなどによって構成されていてもよい。設備サーバ7は、例えばクラウドサービスなどによって構成される仮想的なサーバであってもよい。第1通信部10、設備制御部11、およびオブジェクト管理部12などの設備サーバ7の機能の一部または全部は、個別のハードウェアに搭載されていてもよい。設備制御部11は、制御対象の設備に設けられていてもよい。
また、オブジェクトサーバ9は、例えば一台のサーバコンピュータであってもよい。オブジェクトサーバ9は、複数のサーバコンピュータなどによって構成されていてもよい。オブジェクトサーバ9は、例えばクラウドサービスなどによって構成される仮想的なサーバであってもよい。オブジェクトサーバ9は、互いに異なる製造業者によって製造された複数のオブジェクト4の各々を制御対象としてもよい。オブジェクトサーバ9の管理者は、オブジェクト4の管理者と異なっていてもよい。第2通信部13およびオブジェクト制御部14などのオブジェクトサーバ9の機能の一部または全部は、個別のハードウェアに搭載されていてもよい。オブジェクトサーバ9は、制御対象のオブジェクト4ごとの専用のサーバ装置、または専用のサーバソフトウェアであってもよい。オブジェクト制御部14は、制御対象のオブジェクト4に設けられていてもよい。オブジェクトサーバ9は、オブジェクト4が移動する施設ごとに設けられていてもよい。オブジェクトサーバ9は、制御対象のオブジェクト4との関係においてMQTTブローカーの機能を搭載していてもよい。このとき、制御対象のオブジェクト4の一部または全部は、MQTTクライアントの機能を搭載する。また、設備サーバ7は、MQTTブローカーとしてのオブジェクトサーバ9とのインターフェイスとなるMQTTクライアントの機能を搭載していてもよい。
また、設備サーバ7およびオブジェクトサーバ9の間の通信は、MQTT以外の多対多の通信に適したプロトコルによって行われてもよい。メッセージのペイロードにおいて通信されるデータは、共通の形式であれば、YAML形式(YAML:YAML Ain’t a Markup Language)またはバイナリ形式などのJSON以外の形式であってもよい。
また、施設は、単一の建築物でなくてもよい。施設は、複数の建築物を有する複合施設であってもよい。あるいは、施設は、例えば屋外施設であってもよい。
また、第3情報は、例えば図2に示されている第4レイヤである機能種別を含むものであってもよい。
また、オブジェクト4の専用運転などのエレベーターの利用を要求する設備制御部11は、オブジェクト4の位置情報と対応しない階床の乗場呼びをエレベーターに登録させてもよい。例えば、1階に移動中のオブジェクト4の現在の位置情報が2階である場合などにおいて、設備制御部11は、1階に対する乗場呼びをエレベーターに登録させてもよい。
続いて、図9を用いて、通信システム1の主要部のハードウェア構成の例について説明する。
図9は、実施の形態1に係る通信システムの主要部のハードウェア構成図である。通信システム1の主要部は、例えば設備サーバ7またはオブジェクトサーバ9などである。
通信システム1の各機能は、処理回路により実現し得る。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ1bと少なくとも1つのメモリ1cとを備える。処理回路は、プロセッサ1bおよびメモリ1cと共に、あるいはそれらの代用として、少なくとも1つの専用のハードウェア1aを備えてもよい。
処理回路がプロセッサ1bとメモリ1cとを備える場合、通信システム1の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。そのプログラムはメモリ1cに格納される。プロセッサ1bは、メモリ1cに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、通信システム1の各機能を実現する。
プロセッサ1bは、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。メモリ1cは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROMなどの、不揮発性または揮発性の半導体メモリなどにより構成される。
処理回路が専用のハードウェア1aを備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。
通信システム1の各機能は、それぞれ処理回路で実現することができる。あるいは、通信システム1の各機能は、まとめて処理回路で実現することもできる。通信システム1の各機能について、一部を専用のハードウェア1aで実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。このように、処理回路は、ハードウェア1a、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで通信システム1の各機能を実現する。
実施の形態2.
実施の形態2において、実施の形態1で開示される例と相違する点などについて特に詳しく説明する。実施の形態2で説明されない特徴については、実施の形態1で開示される例のいずれの特徴が採用されてもよい。
実施の形態2において、ビル設備3であるエレベーターと、ビル2において移動するオブジェクト4との連携の例を説明する。
図10は、実施の形態2に係る通信システムの構成図である。
ビル2において、昇降路15が設けられる。昇降路15は、ビル2の複数の階床にわたる空間である。ビル2の各々の階床において、昇降路15に隣接する乗場16が設けられる。乗場16において、乗場の戸17が設けられる。乗場の戸17は、昇降路15および乗場16を区画する戸である。
エレベーターは、かご18を備える。かご18は、呼びに応じて昇降路15を鉛直方向に走行することで、利用者および移動するオブジェクト4などをビル2の複数の階床の間で輸送する。かご18は、かごの戸19を備える。かごの戸19は、かご18がいずれかの階床に停止しているときに、利用者および移動するオブジェクト4などが乗降しうるように当該階床に設けられた乗場の戸17を連動させて開閉する。
エレベーターは、制御盤20を備える。制御盤20は、エレベーターの動作を制御する装置である。制御盤20が制御するエレベーターの動作は、例えばかご18の走行およびかごの戸19の開閉などを含む。ビル設備3であるエレベーターは、例えば制御盤20を通じて設備サーバ7と通信を行う。
この例において、ビル2の管理室21が設けられる。管理室21は、例えばビル2の一室である。あるいは、管理室21は、ビル2の外部のビルに設けられていてもよい。管理室21は、ビル2の管理の作業などを行う場所である。管理室21において、管理端末22が設置される。管理端末22は、ビル2の管理の作業などを行う装置である。管理端末22は、例えばパーソナルコンピュータなどの汎用の情報端末である。管理端末22は、例えばブザーまたはランプなどの警報器に接続されていてもよい。あるいは、管理端末22は、スマートフォンなどの可搬な情報端末であってもよい。管理端末22は、ビル2の管理者に使用される。
設備サーバ7は、報知部23を備える。報知部23は、ビル2の管理者への報知を行う部分である。報知部23は、例えば管理端末22によって閲覧可能な電子メールを送信することなどによって、管理者への報知を行う。報知部23は、管理端末22が例えば警報器に接続されている場合に、警報器の警報音または警報表示などによって管理者への報知を行なってもよい。
続いて、図11から図14を用いて、通信システム1の動作の例を説明する。
図11から図14は、実施の形態2に係る通信システムの動作の例を示すフローチャートである。
図11および図12において、エレベーターへの乗車処理における設備サーバ7の動作フローの例が示される。
オブジェクト4の乗場呼びが割り当てられたかご18は、オブジェクト4に対する専用運転を行っている。かご18がオブジェクト4の出発階においてかごの戸19を開くときに、設備サーバ7は、例えばエレベーターの制御盤20から戸開通知を受信する。このとき、設備サーバ7は、図11のステップS101からの動作を開始する。
ステップS101において、設備サーバ7は、乗車要求を表すメッセージをオブジェクトサーバ9に送信する。乗車要求は、例えばメッセージのペイロードにおいてAPI(第3情報)の情報として表される。なお、設備サーバ7は、乗車要求を表すメッセージをオブジェクト4に例えば無線通信などによって送信してもよい。その後、設備サーバ7の動作は、ステップS102に進む。
オブジェクトサーバ9は、設備サーバ7から受けた乗車要求の情報をオブジェクト4に送信する。オブジェクト4は、受信した乗車要求に基づいて、かご18に乗車する。かご18の内部の乗車位置に到着したときに、オブジェクト4は、乗車完了通知をオブジェクトサーバ9に送信する。オブジェクト4から乗車完了通知を受けるときに、オブジェクトサーバ9は、乗車完了通知を表すメッセージを設備サーバ7に送信する。乗車完了通知は、例えばメッセージのペイロードにおいてAPI(第3情報)の情報として表される。なお、オブジェクト4は、乗車完了通知を設備サーバ7に送信してもよい。
ステップS102において、設備サーバ7は、乗車完了通知をオブジェクトサーバ9またはオブジェクト4から受信したかを判定する。判定結果がYesの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS103に進む。一方、判定結果がNoの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS104に進む。
ステップS103において、設備サーバ7は、かごの戸19を閉める指示をエレベーターに送信する。その後、乗車処理における設備サーバ7の動作は、終了する。
エレベーターは、設備サーバ7から受信した指示に基づいて、かごの戸19を閉める。
ステップS104において、設備サーバ7は、オブジェクトサーバ9と正常に接続されているかを判定する。設備サーバ7がオブジェクト4と通信する場合に、設備サーバ7は、オブジェクト4と正常に接続されているかを判定してもよい。ステップS104の判定結果がYesの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS106に進む。一方、オブジェクトサーバ9またはオブジェクト4と正常に接続されていない場合に、オブジェクト4のかご18への乗車が完了していても乗車完了通知を受信しないことがある。このため、ステップS104の判定結果がNoの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS105に進む。
ステップS105において、設備サーバ7は、オブジェクト4と正常に接続されなくなった直前のオブジェクト4の位置情報がかご18の内部またはかご18の外部であるかを判定する。ステップS105の判定結果がYesの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS103に進む。一方、オブジェクト4と正常に接続されなくなった直前のオブジェクト4の位置情報がかご18の内部およびかご18の外部のいずれでもなかった場合に、オブジェクト4がかご18の内部およびかご18の外部の間に位置している可能性がある。このとき、ステップS103においてかごの戸19が閉まる場合に、オブジェクト4がかごの戸19に挟まれる可能性がある。したがって、ステップS105の判定結果がNoの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS106に進む。
ステップS106において、設備サーバ7は、タイムアウトしたか、すなわち戸開通知を受けてから予め設定された時間が経過したかを判定する。判定結果がNoの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS102に進む。一方、判定結果がYesの場合に、設備サーバ7の動作は、図12のステップS107に進む。
ステップS107において、設備サーバ7は、オブジェクト4がかご18への乗車に失敗したと判定する。このとき、設備サーバ7は、乗車中止要求を表すメッセージをオブジェクトサーバ9に送信する。乗車中止要求は、例えばメッセージのペイロードにおいてAPI(第3情報)の情報として表される。なお、設備サーバ7は、乗車中止要求を表すメッセージをオブジェクト4に送信してもよい。また、設備サーバ7は、オブジェクト4がかご18への乗車に失敗したと判定するときに、オブジェクト4に対する専用運転の解除の指示をエレベーターに送信する。その後、設備サーバ7の動作は、ステップS108に進む。
オブジェクトサーバ9は、設備サーバ7から受けた乗車中止要求の情報をオブジェクト4に送信する。オブジェクト4は、受信した乗車中止要求に基づいて、かご18への乗車を中止する。乗車中止の処理において、オブジェクト4は、エレベーターが通常運転に復帰できるように乗場16に引き返す。乗車中止の処理が完了したときに、オブジェクト4は、乗車中止完了通知をオブジェクトサーバ9に送信する。オブジェクト4から乗車中止完了通知を受けるときに、オブジェクトサーバ9は、乗車中止完了通知を表すメッセージを設備サーバ7に送信する。乗車中止完了通知は、例えばメッセージのペイロードにおいてAPI(第3情報)の情報として表される。なお、オブジェクト4は、乗車中止完了通知を設備サーバ7に送信してもよい。
なお、設備サーバ7は、オブジェクト4がかご18への乗車に失敗したと判定するときに、かご18の外部の予め設定された位置への移動要求を表すメッセージをオブジェクトサーバ9に送信してもよい。かご18の外部の位置は、例えば乗場16における位置である。移動要求は、例えばメッセージのペイロードにおいてAPI(第3情報)の情報として表される。乗車中止の処理において、オブジェクト4は、移動要求に従ってかご18の外部に移動してもよい。移動要求に従う移動が完了したときに、オブジェクト4は、移動完了通知をオブジェクトサーバ9に送信する。オブジェクト4から移動完了通知を受けるときに、オブジェクトサーバ9は、移動完了通知を表すメッセージを設備サーバ7に送信する。移動完了通知は、例えばメッセージのペイロードにおいてAPI(第3情報)の情報として表される。なお、オブジェクト4は、移動完了通知を設備サーバ7に送信してもよい。移動完了通知は、乗車中止完了通知とともに通信されてもよい。
ステップS108において、設備サーバ7は、乗車完了通知をオブジェクトサーバ9またはオブジェクト4から受信したかを判定する。ステップS108の判定結果がNoの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS109に進む。一方、図11のステップS106においてタイムアウトした場合においても、乗車中止要求の通信に係る処理などの間にオブジェクト4のかご18への乗車が完了することがある。このため、ステップS108の判定結果がYesの場合に、設備サーバ7の動作は、図11のステップS103に進む。
ステップS109において、設備サーバ7は、乗車中止完了通知をオブジェクトサーバ9またはオブジェクト4から受信したかを判定する。判定結果がYesの場合に、設備サーバ7の動作は、図11のステップS103に進む。一方、判定結果がNoの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS110に進む。
ステップS110において、設備サーバ7は、オブジェクトサーバ9と正常に接続されているかを判定する。設備サーバ7がオブジェクト4と通信する場合に、設備サーバ7は、オブジェクト4と正常に接続されているかを判定してもよい。ステップS110の判定結果がYesの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS112に進む。一方、オブジェクトサーバ9またはオブジェクト4と正常に接続されていない場合に、オブジェクト4のかご18への乗車中止の処理が完了していても乗車中止完了通知を受信しないことがある。このため、ステップS110の判定結果がNoの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS111に進む。
ステップS111において、設備サーバ7は、オブジェクト4と正常に接続されなくなった直前のオブジェクト4の位置情報がかご18の内部またはかご18の外部であるかを判定する。ステップS111の判定結果がYesの場合に、設備サーバ7の動作は、図11のステップS103に進む。一方、オブジェクト4と正常に接続されなくなった直前のオブジェクト4の位置情報がかご18の内部およびかご18の外部のいずれでもなかった場合に、オブジェクト4がかご18の内部およびかご18の外部の間に位置している可能性がある。このとき、ステップS103においてかごの戸19が閉まる場合に、オブジェクト4がかごの戸19に挟まれる可能性がある。したがって、ステップS111の判定結果がNoの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS112に進む。
ステップS112において、設備サーバ7は、タイムアウトしたか、すなわち乗車中止要求を送信してから予め設定された時間が経過したかを判定する。判定結果がNoの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS108に進む。一方、判定結果がYesの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS113に進む。
ステップS113において、設備サーバ7の報知部23は、オブジェクト4のかご18への乗車の失敗を管理者に報知する。その後、乗車処理における設備サーバ7の動作は、終了する。
なお、設備サーバ7の報知部23が報知を行った後などに、かごの戸19を閉めることができる場合に、制御盤20はかごの戸19を閉めてもよい。
また、ステップS108において乗車完了通知が受信された場合に、設備サーバ7は、オブジェクト4に対する専用運転の指示をエレベーターに再度送信してもよい。あるいは、ステップS107において、設備サーバ7は、オブジェクト4に対する専用運転の解除の指示をエレベーターに送信せずに、乗車中止要求のメッセージを送信してもよい。この場合に、設備サーバ7は、例えばステップS113などにおいて、オブジェクト4に対する専用運転の解除の指示をエレベーターに送信する。あるいは、例えばステップS109などにおいて乗車中止完了通知が受信された場合に、設備サーバ7は、オブジェクト4に対する専用運転の解除の指示をエレベーターに送信してもよい。あるいは、乗車中止要求に伴う移動要求に従った移動の移動完了通知が受信された場合に、設備サーバ7は、オブジェクト4に対する専用運転の解除の指示をエレベーターに送信してもよい。
また、ステップS104またはステップS110などにおいて、オブジェクトサーバ9と正常に接続されていないと判定する場合に、設備サーバ7は、オブジェクト4がかご18への乗車に失敗したと判定してもよい。
また、エレベーターが通常運転に復帰できる場合などに、報知部23は、管理者への報知を省略してもよい。
図13および図14において、エレベーターからの降車処理における設備サーバ7の動作フローの例が示される。
オブジェクト4が乗車しているかご18がオブジェクト4の行先階においてかごの戸19を開くときに、設備サーバ7は、例えばエレベーターの制御盤20から戸開通知を受信する。このとき、設備サーバ7は、図13のステップS201からの動作を開始する。
ステップS201において、設備サーバ7は、降車要求を表すメッセージをオブジェクトサーバ9に送信する。降車要求は、例えばメッセージのペイロードにおいてAPI(第3情報)の情報として表される。なお、設備サーバ7は、降車要求を表すメッセージをオブジェクト4に送信してもよい。その後、設備サーバ7の動作は、ステップS202に進む。
オブジェクトサーバ9は、設備サーバ7から受けた降車要求の情報をオブジェクト4に送信する。オブジェクト4は、受信した降車要求に基づいて、かご18から降車する。オブジェクト4の降車が完了したときに、オブジェクト4は、降車完了通知をオブジェクトサーバ9に送信する。オブジェクト4から降車完了通知を受けるときに、オブジェクトサーバ9は、降車完了通知を表すメッセージを設備サーバ7に送信する。降車完了通知は、例えばメッセージのペイロードにおいてAPI(第3情報)の情報として表される。なお、オブジェクト4は、降車完了通知を設備サーバ7に送信してもよい。
ステップS202において、設備サーバ7は、降車完了通知をオブジェクトサーバ9またはオブジェクト4から受信したかを判定する。判定結果がYesの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS203に進む。一方、判定結果がNoの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS204に進む。
ステップS203において、設備サーバ7は、かごの戸19を閉める指示をエレベーターに送信する。その後、降車処理における設備サーバ7の動作は、終了する。
エレベーターは、設備サーバ7から受信した指示に基づいて、かごの戸19を閉める。
ステップS204において、設備サーバ7は、オブジェクトサーバ9と正常に接続されているかを判定する。設備サーバ7がオブジェクト4と通信する場合に、設備サーバ7は、オブジェクト4と正常に接続されているかを判定してもよい。ステップS204の判定結果がYesの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS206に進む。一方、オブジェクトサーバ9またはオブジェクト4と正常に接続されていない場合に、オブジェクト4のかご18への降車が完了していても降車完了通知を受信しないことがある。このため、ステップS204の判定結果がNoの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS205に進む。
ステップS205において、設備サーバ7は、オブジェクト4と正常に接続されなくなった直前のオブジェクト4の位置情報がかご18の内部またはかご18の外部であるかを判定する。ステップS205の判定結果がYesの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS203に進む。一方、オブジェクト4と正常に接続されなくなった直前のオブジェクト4の位置情報がかご18の内部およびかご18の外部のいずれでもなかった場合に、オブジェクト4がかご18の内部およびかご18の外部の間に位置している可能性がある。このとき、ステップS203においてかごの戸19が閉まる場合に、オブジェクト4がかごの戸19に挟まれる可能性がある。したがって、ステップS205の判定結果がNoの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS206に進む。
ステップS206において、設備サーバ7は、タイムアウトしたか、すなわち戸開通知を受けてから予め設定された時間が経過したかを判定する。判定結果がNoの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS202に進む。一方、判定結果がYesの場合に、設備サーバ7の動作は、図14のステップS207に進む。
ステップS207において、設備サーバ7は、オブジェクト4がかご18からの降車に失敗したと判定する。このとき、設備サーバ7は、降車中止要求を表すメッセージをオブジェクトサーバ9に送信する。降車中止要求は、例えばメッセージのペイロードにおいてAPI(第3情報)の情報として表される。なお、設備サーバ7は、降車中止要求を表すメッセージをオブジェクト4に送信してもよい。その後、設備サーバ7の動作は、ステップS208に進む。
オブジェクトサーバ9は、設備サーバ7から受けた降車中止要求の情報をオブジェクト4に送信する。オブジェクト4は、受信した降車中止要求に基づいて、かご18からの降車を中止する。降車中止の処理が完了したときに、オブジェクト4は、降車中止完了通知をオブジェクトサーバ9に送信する。オブジェクト4から降車中止完了通知を受けるときに、オブジェクトサーバ9は、降車中止完了通知を表すメッセージを設備サーバ7に送信する。降車中止完了通知は、例えばメッセージのペイロードにおいてAPI(第3情報)の情報として表される。なお、オブジェクト4は、降車中止完了通知を設備サーバ7に送信してもよい。
ステップS208において、設備サーバ7は、降車完了通知をオブジェクトサーバ9またはオブジェクト4から受信したかを判定する。ステップS208の判定結果がNoの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS209に進む。一方、ステップS206においてタイムアウトした場合においても、降車中止要求の通信に係る処理などの間にオブジェクト4のかご18からの降車が完了することがある。このため、ステップS208の判定結果がYesの場合に、設備サーバ7の動作は、図13のステップS203に進む。
ステップS209において、設備サーバ7は、降車中止完了通知をオブジェクトサーバ9またはオブジェクト4から受信したかを判定する。判定結果がYesの場合に、設備サーバ7の動作は、図13のステップS203に進む。一方、判定結果がNoの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS210に進む。
ステップS210において、設備サーバ7は、オブジェクトサーバ9と正常に接続されているかを判定する。設備サーバ7がオブジェクト4と通信する場合に、設備サーバ7は、オブジェクト4と正常に接続されているかを判定してもよい。ステップS210の判定結果がYesの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS212に進む。一方、オブジェクトサーバ9またはオブジェクト4と正常に接続されていない場合に、オブジェクト4のかご18からの降車中止の処理が完了していても降車中止完了通知を受信しないことがある。このため、ステップS210の判定結果がNoの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS211に進む。
ステップS211において、設備サーバ7は、オブジェクト4と正常に接続されなくなった直前のオブジェクト4の位置情報がかご18の内部またはかご18の外部であるかを判定する。ステップS211の判定結果がYesの場合に、設備サーバ7の動作は、図13のステップS203に進む。一方、オブジェクト4と正常に接続されなくなった直前のオブジェクト4の位置情報がかご18の内部およびかご18の外部のいずれでもなかった場合に、オブジェクト4がかご18の内部およびかご18の外部の間に位置している可能性がある。このとき、ステップS203においてかごの戸19が閉まる場合に、オブジェクト4がかごの戸19に挟まれる可能性がある。したがって、ステップS211の判定結果がNoの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS212に進む。
ステップS212において、設備サーバ7は、タイムアウトしたか、すなわち降車中止要求を送信してから予め設定された時間が経過したかを判定する。判定結果がNoの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS208に進む。一方、判定結果がYesの場合に、設備サーバ7の動作は、ステップS213に進む。
ステップS213において、設備サーバ7の報知部23は、オブジェクト4のかご18からの降車の失敗を管理者に報知する。その後、降車処理における設備サーバ7の動作は、終了する。
なお、設備サーバ7の報知部23が報知を行った後などに、かごの戸19を閉めることができる場合に、制御盤20はかごの戸19を閉めてもよい。
また、ステップS204またはステップS210などにおいて、オブジェクトサーバ9と正常に接続されていないと判定する場合に、設備サーバ7は、オブジェクト4がかご18からの降車に失敗したと判定してもよい。
以上に説明したように、実施の形態2に係る通信システム1において、かご18は、オブジェクトサーバ9に制御されるオブジェクト4の乗場呼びに応答する。設備サーバ7の設備制御部11は、乗車要求を表す第3情報を含むメッセージをオブジェクトサーバ9に送信した後から予め設定された時間が経過するまでにオブジェクトサーバ9からかご18への乗車完了を表す第3情報を含むメッセージを受信するかを判定する。当該メッセージを受信しないときに、設備制御部11は、オブジェクト4がかご18への乗車に失敗したと判定する。このとき、設備制御部11は、かご18への乗車中止要求を表す第3情報を含むメッセージを、オブジェクトサーバ9に送信する。
また、設備制御部11は、降車要求を表す第3情報を含むメッセージをオブジェクトサーバ9に送信した後から予め設定された時間が経過するまでにオブジェクトサーバ9からかご18からの降車完了を表す第3情報を含むメッセージを受信するかを判定する。当該メッセージを受信しないときに、設備制御部11は、オブジェクト4がかご18からの降車に失敗したと判定する。このとき、設備制御部11は、かご18からの降車中止要求を表す第3情報を含むメッセージを、オブジェクトサーバ9に送信する。
このような構成によって、オブジェクト4がかご18に乗車できない場合にオブジェクト4の乗車が中止されるので、エレベーターが早期に通常運転に復帰できるようになる。また、オブジェクト4がかご18から降車できない場合にオブジェクト4の降車が中止されるので、エレベーターが早期に通常運転に復帰できるようになる。このため、エレベーターの運行効率が低下しにくくなる。また、設備サーバ7およびオブジェクトサーバ9の間の通信が確立した状態でオブジェクト4側の異常が判断されるので、ロボットの異常がより正確に判断される。なお、例えば出発階の乗場16においてかごの戸19が開いたことをオブジェクト4自体が判定するときに、オブジェクト4は乗車要求によらずにかご18への乗車を開始してもよい。このように乗車要求を含むメッセージが送信されていない場合においても、設備制御部11は、乗車に失敗したと判定するときに乗車中止要求を含むメッセージをオブジェクトサーバ9に送信してもよい。同様に、降車要求を含むメッセージが送信されていない場合においても、設備制御部11は、降車に失敗したと判定するときに降車中止要求を含むメッセージをオブジェクトサーバ9に送信してもよい。
また、設備制御部11は、かご18を乗場呼びに応答させるときにオブジェクト4に対する専用運転をかご18に行わせる。オブジェクト4がかご18への乗車に失敗したと判定するときに、設備制御部11は、かご18に専用運転を解除させる。
このような構成によって、オブジェクト4がかご18への乗車に失敗した場合に専用運転が解除されるので、エレベーターが早期に通常運転に復帰できるようになる。このため、エレベーターの運行効率が低下しにくくなる。
また、設備制御部11は、オブジェクト4がかご18への乗車に失敗したと判定するときに、かご18の外部の予め設定された位置へのオブジェクト4の移動要求を表す第3情報を含むメッセージをオブジェクトサーバ9に送信する。
このような構成によって、オブジェクト4がかご18への乗車に失敗した場合に、かご18の外部の位置までオブジェクト4が退避するので、エレベーターが早期に通常運転に復帰できるようになる。このため、エレベーターの運行効率が低下しにくくなる。
また、設備制御部11は、かご18を乗場呼びに応答させるときにオブジェクト4に対する専用運転をかご18に行わせる。オブジェクト4がかご18への乗車に失敗したと判定するときに、設備制御部11は、かご18の外部の予め設定された位置へのオブジェクト4の移動要求を表す第3情報を含むメッセージをオブジェクトサーバ9に送信する。その後に、設備制御部11は、オブジェクトサーバ9から移動要求に基づく移動の完了を表す第3情報を含むメッセージを受信したときに、かご18に専用運転を解除させる。
このような構成によって、オブジェクト4がかご18の外部の位置までオブジェクト4が退避したことが確認された後に専用運転が解除されるので、メッセージの入れ違いなどによって専用運転の再設定などが行われにくくなる。このため、エレベーターの運行効率が低下しにくくなる。
また、設備サーバ7は、報知部23を備える。報知部23は、オブジェクト4がかご18からの降車に失敗したと設備制御部11が判定するときに、降車の失敗を報知する。
このような構成によって、オブジェクト4がかご18からの降車に失敗した場合に、管理者に報知が行われる。管理者がオブジェクト4側に発生した異常などを速やかに把握できるので、エレベーターが早期に通常運転に復帰できるようになる。このため、エレベーターの運行効率が低下しにくくなる。
実施の形態3.
実施の形態3において、実施の形態1または実施の形態2で開示される例と相違する点などについて特に詳しく説明する。実施の形態3で説明しない特徴については、実施の形態1または実施の形態2で開示される例のいずれの特徴が採用されてもよい。
実施の形態3において、ビル設備3であるエレベーターと、ビル2において移動するオブジェクト4との連携の例を説明する。
図15は、実施の形態3に係る通信システムの構成図である。
エレベーターにおいて、1つ以上の乗場カメラ24が設けられる。各々の乗場カメラ24は、いずれかの乗場16に設けられる。乗場カメラ24は、画像を撮影する装置である。乗場カメラ24が撮影する画像は、静止画像または動画像などである。乗場カメラ24は、エレベーターに設けられたカメラの例である。
エレベーターのかご18は、秤25と、かごカメラ26と、通行検知器27と、を備える。秤25は、かご18の荷重を計測する装置である。秤25は、例えばかご18の下部または上部などに設けられる。かごカメラ26は、かご18の内側に設けられる。かごカメラ26は、画像を撮影する装置である。かごカメラ26が撮影する画像は、静止画像または動画像などである。かごカメラ26は、エレベーターに設けられたカメラの例である。通行検知器27は、かご18の出入口に設けられる。通行検知器27は、例えばかごの戸19に近接して配置される。通行検知器27は、かご18の出入口を通行する利用者またはオブジェクト4などのものを検知する装置である。通行検知器27は、例えば光電センサーを有する。通行検知器27は、投光器および受光器のセットを1つ以上有していてもよい。通行検知器27は、かごの戸19に設けられていてもよい。
設備サーバ7の設備制御部11は、乗降観測部28を備える。乗降観測部28は、オブジェクト4などの機器のかご18の乗降の状況を観測する部分である。乗降観測部28は、かご18への乗車の状況を観測する乗車観測部の例である。また、乗降観測部28は、かご18からの降車の状況を観測する降車観測部の例である。なお、設備サーバ7は、乗車観測部および降車観測部を個別に備えていてもよい。
設備サーバ7は、乗降観測部28による観測の結果に基づいてオブジェクト4のかご18の乗降の成否を判定する。設備サーバ7は、乗降観測部28による観測の結果と併せて、かごの戸19が開いてから予め設定された時間が経過するまでの乗車完了通知または降車完了通知などのメッセージの受信の有無に基づいてオブジェクト4のかご18の乗降の成否を判定してもよい。設備サーバ7は、乗車または降車の失敗を判定するときに、実施の形態2と同様に、乗車中止要求、降車中止要求、もしくは移動要求を表すメッセージの送信、専用運転の解除の指示の送信、または管理者への報知などを行う。
乗降観測部28は、例えば、オブジェクトサーバ9から定期的に受信するメッセージに基づいてオブジェクト4の位置情報を取得する。設備制御部11は、乗降観測部28が観測したオブジェクト4の位置情報に基づいて、例えば次のようにオブジェクト4のかご18の乗降の成否を判定する。設備制御部11は、オブジェクト4の位置が乗場16からかご18の内部に移動するときに、オブジェクト4のかご18への乗車が成功したと判定する。設備制御部11は、かごの戸19が開いてから予め設定された時間が経過するまでにオブジェクト4の位置がかご18の内部に移動しないときに、オブジェクト4のかご18への乗車が失敗したと判定する。設備制御部11は、オブジェクト4の位置がかご18の内部から乗場16に移動するときに、オブジェクト4のかご18からの降車が成功したと判定する。設備制御部11は、かごの戸19が開いてから予め設定された時間が経過するまでにオブジェクト4の位置が乗場16に移動しないときに、オブジェクト4のかご18からの降車が失敗したと判定する。
乗降観測部28は、例えば、エレベーターに設けられたカメラが撮影するオブジェクト4の画像を、制御盤20などを通じて取得する。設備制御部11は、乗降観測部28が取得したオブジェクト4の画像に基づいて、例えば次のようにオブジェクト4のかご18の乗降の成否を判定する。設備制御部11は、かご18の内部に移動したオブジェクト4の画像を取得するときに、オブジェクト4のかご18への乗車が成功したと判定する。設備制御部11は、かごの戸19が開いてから予め設定された時間が経過するまでにかご18の内部に移動したオブジェクト4の画像を取得しないときに、オブジェクト4のかご18への乗車が失敗したと判定する。設備制御部11は、乗場16に移動したオブジェクト4の画像を取得するときに、オブジェクト4のかご18からの降車が成功したと判定する。設備制御部11は、かごの戸19が開いてから予め設定された時間が経過するまでに乗場16に移動したオブジェクト4の画像を取得しないときに、オブジェクト4のかご18からの降車が失敗したと判定する。
乗降観測部28は、例えば、秤25によるかご18の荷重の計測値を、制御盤20などを通じて取得する。設備制御部11は、乗降観測部28が取得した秤25による荷重の計測値に基づいて、例えば次のようにオブジェクト4のかご18の乗降の成否を判定する。設備制御部11は、かごの戸19が開いている間にかご18の荷重において予め設定された重量の増加があるときに、オブジェクト4のかご18への乗車が成功したと判定する。設備制御部11は、かごの戸19が開いてから予め設定された時間が経過するまでにかご18の荷重において予め設定された重量の増加がないときに、オブジェクト4のかご18への乗車が失敗したと判定する。設備制御部11は、かごの戸19が開いている間にかご18の荷重において予め設定された重量の減少があるときに、オブジェクト4のかご18からの降車が成功したと判定する。設備制御部11は、かごの戸19が開いてから予め設定された時間が経過するまでにかご18の荷重において予め設定された重量の減少がないときに、オブジェクト4のかご18からの降車が失敗したと判定する。
乗降観測部28は、例えば、通行検知器27による通行の検知の有無の情報を、制御盤20などを通じて取得する。設備制御部11は、乗降観測部28が取得した通行検知器27による検知の有無に基づいて、例えば次のようにオブジェクト4のかご18の乗降の成否を判定する。設備制御部11は、かごの戸19が開いている間に乗場16からかご18へのオブジェクト4の通行が検知されるときに、オブジェクト4のかご18への乗車が成功したと判定する。設備制御部11は、かごの戸19が開いてから予め設定された時間が経過するまでに乗場16からかご18へのオブジェクト4の通行が検知されないときに、オブジェクト4のかご18への乗車が失敗したと判定する。設備制御部11は、かごの戸19が開いている間にかご18から乗場16へのオブジェクト4の通行が検知されるときに、オブジェクト4のかご18からの降車が成功したと判定する。設備制御部11は、かごの戸19が開いてから予め設定された時間が経過するまでにかご18から乗場16へのオブジェクト4の通行が検知されないときに、オブジェクト4のかご18からの降車が失敗したと判定する。
設備制御部11は、複数の条件を組み合わせて、または複数の条件を切り替えてオブジェクト4のかご18の乗降の成否を判定してもよい。設備制御部11は、例えば、オブジェクト4の位置情報、エレベーターに設けられたカメラが撮影するオブジェクト4の画像、秤25による計測値、または通行検知器27による通行検知の結果の少なくともいずれかに基づいて乗降の成否を判定する。
以上に説明したように、実施の形態3に係る通信システム1において、かご18は、オブジェクトサーバ9に制御されるオブジェクト4の乗場呼びに応答する。設備サーバ7の設備制御部11は、乗降観測部28を備える。乗降観測部28は、エレベーターのかご18へのオブジェクト4の乗車および降車の状況を観測する。設備制御部11は、乗降観測部28によって観測されるかご18へのオブジェクト4の乗車の状況に基づいてオブジェクト4がかご18への乗車に失敗したかを判定する。オブジェクト4がかご18への乗車に失敗したと判定するときに、設備制御部11は、かご18への乗車中止要求を表す第3情報を含むメッセージを、オブジェクトサーバ9に送信する。
また、設備制御部11は、乗降観測部28によって観測されるかご18からのオブジェクト4の降車の状況に基づいてオブジェクト4がかご18からの降車に失敗したかを判定する。オブジェクト4がかご18からの降車に失敗したと判定するときに、設備制御部11は、かご18からの降車中止要求を表す第3情報を含むメッセージを、オブジェクトサーバ9に送信する。
また、乗降観測部28は、オブジェクト4の位置情報、通行検知器27による通行の検知の有無、秤25による計測値、またはオブジェクト4の画像の少なくともいずれかによってオブジェクト4の乗車または降車の状況を観測する。オブジェクト4の位置情報は、第1情報によって特定されるオブジェクト4の情報に対応づけて記憶される。通行検知器27は、かご18の出入口に設けられる。通行検知器27は、かご18の出入口を通行するものを検知する。秤25は、かご18の荷重を計測する。オブジェクト4の画像は、エレベーターに設けられたカメラに撮影される。
このような構成によって、オブジェクト4のかご18の乗降の成否は乗降観測部28の観測結果に基づいて判定される。このため、乗降の成否の判定の精度が高まる。また、設備制御部11は、乗車完了通知または降車完了通知のメッセージの受信の有無などと組み合わせて乗降の成否を判定してもよい。このように複数の条件を組み合わせて判定が行われる場合に、乗降の成否の判定精度がより高くなる。
以上のように、本開示に係る構成は、以下にまとめる構成を含む。
(1)
施設内の機器と通信し当該機器を制御する複数の機器サーバとの間で共通のデータ形式によるメッセージを送受信する第1通信部と、前記第1通信部により受信されたメッセージに基づいて前記施設内の設備を制御する設備制御部と、を備えた設備サーバ。
(2)
前記メッセージは、
当該メッセージに関する処理を表す第3情報
を含む(1)に記載の設備サーバ。
(3)
前記メッセージは、
前記機器を特定する第1情報
を含む(2)に記載の設備サーバ。
(4)
前記メッセージは、
当該メッセージの送信方向を表す第2情報
を含む(3)に記載の設備サーバ。
(5)
前記機器は、ロボットまたはモビリティである
(3)または(4)に記載の設備サーバ。
(6)
前記設備制御部は、前記第3情報に基づいて、前記施設内の複数の設備から制御すべき設備を選択する
(3)から(5)のいずれか一項に記載の設備サーバ。
(7)
前記設備制御部は、前記第1情報によって特定される前記機器の情報に対応付けて記憶されている当該機器の位置情報に基づいて、施設内の複数の設備から前記制御すべき設備を選択する
(3)から(6)のいずれか一項に記載の設備サーバ。
(8)
前記設備制御部は、前記第3情報が前記制御すべき設備の動作の開始要求を表す場合に、当該設備の動作を開始させる
(3)から(7)のいずれか一項に記載の設備サーバ。
(9)
前記設備制御部は、前記第3情報が前記制御すべき設備の動作の停止要求を表す場合に、当該設備の動作を停止させる
(3)から(8)のいずれか一項に記載の設備サーバ。
(10)
前記設備制御部は、前記第3情報が前記制御すべき設備の動作状態の変更要求を表す場合に、当該設備の動作状態を変更させる
(3)から(9)のいずれか一項に記載の設備サーバ。
(11)
前記設備制御部は、前記制御すべき設備である入退管理装置に、前記第1情報に基づいて前記機器を認証させる
(3)から(10)のいずれか一項に記載の設備サーバ。
(12)
前記機器は、前記複数の機器サーバのうちの第1機器サーバに制御されて前記施設内を移動する第1機器であり、
前記設備制御部は、前記制御すべき設備であるエレベーターの第1かごを呼ぶ乗場呼びを前記第3情報が表す場合に、前記乗場呼びを前記エレベーターに登録させる
(3)から(11)のいずれか一項に記載の設備サーバ。
(13)
前記設備制御部は、前記第1情報によって特定される前記第1機器の情報に対応づけて記憶されている前記第1機器の位置情報に基づいて前記第1機器が位置する階床を特定し、特定された階床に対する前記乗場呼びを前記エレベーターに登録させる
(12)に記載の設備サーバ。
(14)
前記第1通信部は、前記エレベーターが複数のかごを有する場合に、前記複数のかごのうち前記第1機器の前記乗場呼びに応答させる前記第1かごを特定する情報を前記メッセージに含めて、前記第1機器サーバに送信する
(12)または(13)に記載の設備サーバ。
(15)
前記第1通信部は、前記乗場呼びの出発階で前記第1かごの戸が開くときに、前記第1かごへの乗車要求を表す前記第3情報を含む前記メッセージを、前記第1機器サーバに送信する
(12)から(14)のいずれか一項に記載の設備サーバ。
(16)
前記設備制御部は、前記乗車要求を表す前記第3情報を含む前記メッセージを前記第1機器サーバに送信した後で、且つ、前記第1機器サーバから前記第1かごへの乗車完了を表す前記第3情報を含む前記メッセージを受信したときに、前記エレベーターに前記第1かごの戸を閉めさせる
(15)に記載の設備サーバ。
(17)
前記設備制御部は、前記乗車要求を表す前記第3情報を含む前記メッセージを前記第1機器サーバに送信した後から予め設定された時間が経過するまでに、前記第1機器サーバから前記第1かごへの乗車完了を表す前記第3情報を含む前記メッセージを受信しないときに、前記第1機器が前記第1かごへの乗車に失敗したと判定して、前記第1かごへの乗車中止要求を表す前記第3情報を含む前記メッセージを、前記第1機器サーバに送信する
(15)または(16)に記載の設備サーバ。
(18)
前記設備制御部は、
前記エレベーターのかごへの前記機器の乗車の状況を観測する乗車観測部
を備え、
前記乗車観測部によって観測される前記第1かごへの前記第1機器の乗車の状況に基づいて前記第1機器が前記第1かごへの乗車に失敗したかを判定し、前記第1機器が前記第1かごへの乗車に失敗したと判定するときに、前記第1かごへの乗車中止要求を表す前記第3情報を含む前記メッセージを、前記第1機器サーバに送信する
(12)から(17)のいずれか一項に記載の設備サーバ。
(19)
前記乗車観測部は、
前記第1情報によって特定される前記第1機器の情報に対応づけて記憶されている前記第1機器の位置情報、
前記第1かごの出入口に設けられ前記第1かごの出入口を通行するものを検知する通行検知器による検知の有無、
前記第1かごの荷重を計測する秤による計測値、または
前記エレベーターに設けられたカメラが撮影する前記第1機器の画像、
の少なくともいずれかによって前記第1機器の乗車の状況を観測する
(18)に記載の設備サーバ。
(20)
前記設備制御部は、前記第1かごを前記乗場呼びに応答させるときに前記第1機器に対する専用運転を前記第1かごに行わせ、前記第1機器が前記第1かごへの乗車に失敗したと判定するときに前記第1かごに専用運転を解除させる
(17)から(19)のいずれか一項に記載の設備サーバ。
(21)
前記設備制御部は、前記第1機器が前記第1かごへの乗車に失敗したと判定するときに、前記第1かごの外部の予め設定された位置への前記第1機器の移動要求を表す前記第3情報を含む前記メッセージを前記第1機器サーバに送信する
(17)から(20)のいずれか一項に記載の設備サーバ。
(22)
前記設備制御部は、前記第1かごを前記乗場呼びに応答させるときに前記第1機器に対する専用運転を前記第1かごに行わせ、前記第1機器が前記第1かごへの乗車に失敗したと判定するときに、前記第1かごの外部の予め設定された位置への前記第1機器の移動要求を表す前記第3情報を含む前記メッセージを前記第1機器サーバに送信し、その後に、前記第1機器サーバから前記移動要求に基づく移動の完了を表す前記第3情報を含む前記メッセージを受信したときに前記第1かごに専用運転を解除させる
(17)から(19)のいずれか一項に記載の設備サーバ。
(23)
前記第1通信部は、前記乗場呼びの行先階において前記第1機器を載せた前記エレベーターの前記第1かごの戸が開くときに、前記第1かごからの降車要求を表す前記第3情報を含む前記メッセージを、前記第1機器サーバに送信する
(12)から(22)のいずれか一項に記載の設備サーバ。
(24)
前記設備制御部は、前記降車要求を表す前記第3情報を含む前記メッセージを前記第1機器サーバに送信した後で、且つ、前記第1機器サーバから前記第1かごからの降車完了を表す前記第3情報を含む前記メッセージを受信したときに、前記エレベーターに前記第1かごの戸を閉めさせる
(23)に記載の設備サーバ。
(25)
前記設備制御部は、前記降車要求を表す前記第3情報を含む前記メッセージを前記第1機器サーバに送信した後から予め設定された時間が経過するまでに、前記第1機器サーバから前記第1かごからの降車完了を表す前記第3情報を含む前記メッセージを受信しないときに、前記第1機器が前記第1かごからの降車に失敗したと判定して、前記第1かごからの降車中止要求を表す前記第3情報を含む前記メッセージを、前記第1機器サーバに送信する
(23)または(24)に記載の設備サーバ。
(26)
前記設備制御部は、
前記エレベーターのかごからの前記機器の降車の状況を観測する降車観測部
を備え、
前記降車観測部によって観測される前記第1かごからの前記第1機器の降車の状況に基づいて前記第1機器が前記第1かごからの降車に失敗したかを判定し、前記第1機器が前記第1かごからの降車に失敗したと判定するときに、前記第1かごからの降車中止要求を表す前記第3情報を含む前記メッセージを、前記第1機器サーバに送信する
(12)から(25)のいずれか一項に記載の設備サーバ。
(27)
前記降車観測部は、
前記第1情報によって特定される前記第1機器の情報に対応づけて記憶されている前記第1機器の位置情報、
前記第1かごの出入口に設けられ前記第1かごの出入口を通行するものを検知する通行検知器による検知の有無、
前記第1かごの荷重を計測する秤による計測値、または
前記エレベーターに設けられたカメラが撮影する前記第1機器の画像、
の少なくともいずれかによって前記第1機器の降車の状況を観測する
(26)に記載の設備サーバ。
(28)
前記第1機器が前記第1かごからの降車に失敗したと前記設備制御部が判定するときに、降車の失敗を報知する報知部
を備える
(25)から(27)のいずれか一項に記載の設備サーバ。
(29)
前記第1通信部は、前記機器に対する移動の要求が必要となる事象である移動要求事象の発生が検知されたときに、前記移動要求事象の種類に応じた前記機器の移動要求を表す前記第3情報を含む前記メッセージを、当該機器を制御する機器サーバに送信する
(3)から(28)のいずれか一項に記載の設備サーバ。
(30)
施設内の設備を制御する設備サーバとの間で共通のデータ形式によるメッセージを送受信する第2通信部と、前記第2通信部により受信されたメッセージに基づいて前記施設内の機器を制御する機器制御部と、を備えた機器サーバ。
(31)
前記メッセージは、
前記機器を特定する第1情報と、
当該メッセージの送信方向を表す第2情報と、
当該メッセージに関する処理を表す第3情報と、
を含む(30)に記載の機器サーバ。
(32)
設備サーバと、複数の機器サーバと、を備えた通信システムであって、
前記設備サーバは、前記複数の機器サーバとの間で共通のデータ形式によるメッセージを送受信する第1通信部と、前記第1通信部により受信されたメッセージに基づいて施設内の設備を制御する設備制御部と、を備え、
前記複数の機器サーバの各々は、前記設備サーバとの間で共通のデータ形式によるメッセージを送受信する第2通信部と、前記第2通信部により受信されたメッセージに基づいて前記施設内の機器を制御する機器制御部と、を備えた、
通信システム。
(33)
前記メッセージは、
前記機器を特定する第1情報と、
当該メッセージの送信方向を表す第2情報と、
当該メッセージに関する処理を表す第3情報と、
を含む(32)に記載の通信システム。
(34)
施設内の機器と通信し当該機器を制御する複数の機器サーバと、施設内の設備を制御する設備サーバとの間で共通のデータ形式により送受信されるメッセージのデータ構造であって、
前記メッセージの制御対象に実行させる処理を表す第3情報
を含むデータ構造。
(35)
前記メッセージは、
施設内の機器を特定する第1情報と、
メッセージの送信方向を表す第2情報と、
をさらに含む(34)に記載のデータ構造。