JP7167309B2 - アスファルト組成物、アスファルト混合物、アスファルト組成物の製造装置、アスファルト組成物の製造システムおよびアスファルト組成物の製造方法 - Google Patents

アスファルト組成物、アスファルト混合物、アスファルト組成物の製造装置、アスファルト組成物の製造システムおよびアスファルト組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、貯蔵安定性、強度および施工性を向上させるアスファルト組成物、アスファルト混合物、アスファルト組成物の製造装置、アスファルト組成物の製造システムおよびアスファルト組成物の製造方法に関する。
従来より、アスファルトは、道路舗装及び防水等の幅広い分野で使用されている。このアスファルトの補強材としてスチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(SBS)が一般に利用されている。アスファルトとSBSが利用される技術として、特許文献1、2が開示されている。
特許文献1には、アスファルトとSBSに、石油樹脂を混合する技術が開示されている。これにより、強度および施工性を向上させることができるものの、貯蔵安定性については更に改善の余地があった。また、特許文献2には、アスファルトとSBSに、ガムロジンを混合する技術が開示されている。これにより、強度および貯蔵安定性を向上させることができるものの、施工性についてはさらに改善の余地があった。したがって、貯蔵安定性、強度および施工性を向上させる技術が求められている。
特開2011-102308号公報 特開2008-328553号公報
そこで、本開示は上述した点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、アスファルト組成物の貯蔵安定性、強度および施工性を向上させる技術を提供することにある。
本開示の一態様によれば、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(SBS):4.0重量%以上6.0重量%未満、カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペン:0.5重量%以上3.0重量%以下、石油樹脂:0.5重量%以上5.0重量%以下、を含有し、残部は、アロマ系オイルが3.9重量%以下であるベースアスファルトで少なくとも構成され、SBSは、25%トルエン溶液粘度が2,500mPa・s以上5,000mPa・s以下であり、石油樹脂は、臭素価が30以下であることを特徴とするアスファルト組成物に関する技術を提供することができる。
本開示によれば、アスファルト組成物の貯蔵安定性、強度および施工性を向上させる技術を提供することができる。
本実施形態において好適に用いられるアスファルト組成物およびアスファルト混合物の製造装置および製造システムの一例を示す概略図である。 本実施形態において好適に用いられるアスファルト組成物およびアスファルト混合物の製造工程の一例を示す図である。
上述したように、本発明者らはアスファルト組成物およびアスファルト混合物の成分組成並びにその含有率、アスファルト組成物の製造装置、アスファルト組成物の製造システム並びにアスファルト組成物の製造方法について鋭意検討を行った。その結果、ベースアスファルト中に、特定のスチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(以下、SBSともいう)、カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペンおよび石油樹脂を所定重量%の範囲で混合することにより、アスファルト組成物の貯蔵安定性、強度および施工性が向上することを新たに見出し、本開示の技術を完成させるに至った。以下、本実施形態におけるアスファルト組成物、アスファルト混合物、アスファルト組成物の製造装置、アスファルト組成物の製造システムおよびアスファルト組成物の製造方法の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、SBS、カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペン、石油樹脂など、本開示のアスファルト組成物を生成するために、ベースアスファルトに添加する材料を総じて添加剤と表記する場合もある。さらに、以下の説明において、貯蔵安定性が良好であるとは、アスファルト組成物の引火点が所定の温度以上であり、かつ、アスファルト組成物を製品タンク等で保管する際に、配合成分が均一に分散され、局部的な分離を認めないことをいう。さらに、強度は、アスファルト組成物そのものの強度も含むが、主に道路舗装用途に所定の骨材とアスファルト組成物を混合したアスファルト混合物の強度をいう。さらに、施工性が良好であるとは、道路舗装を舗設・構築する際の作業の容易さをいい、舗設されたアスファルト混合物の密度を高めるために必要なエネルギーが少ないことをいう。
本実施形態におけるアスファルト組成物は、SBS、カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペンおよび石油樹脂を含有し、残部が少なくともベースアスファルトで構成され、SBSは、25%トルエン溶液粘度が2,500mPa・s以上5,000mPa・s以下であり、石油樹脂は、臭素価が30以下である。また、本開示におけるアスファルト組成物は、ベースアスファルト中に、原油の減圧蒸留残油を脱れきして得られた溶剤脱れき油を溶剤抽出して得られたエキストラクト等に代表されるアロマ系オイルが含まれていてもよい。各成分組成の好適な含有量および性状は以下の通りである。
SBS:4.0重量%以上6.0重量%未満
カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペン:0.5重量%以上3.0重量%以下
石油樹脂:0.5重量%以上5.0重量%以下
残部:アロマ系オイルが3.9重量%以下であるベースアスファルト
以下、各成分組成の詳細並びにその含有量を限定した理由について説明をする。なお、以降の記載において、単に分子量と表記した際には、特に言及しない限り、ゲル浸透クロマトグラフィー(el ermeation hromatography:GPC)測定法(標準物質:ポリスチレン)によって求めた、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を指すものとする。
(スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS))
本実施形態におけるアスファルト組成物において好適に用いられるSBSは、アスファルトへの補強材として添加される熱可塑性エラストマーである。SBSの性能は、主にその分子量及びスチレン含有量から推定することができる。SBSは、分子量が8万以上25万以下である。また、SBSは、スチレン含有量がSBS重量に対して10.0重量%以上40.0重量%以下である。SBSは、ゴム弾性を示すポリブタジエン鎖からなる柔軟性成分(ソフトセグメント)と、塑性変形を防止する架橋点の役目を果たすポリスチレンブロックからなる分子拘束成分(ハードセグメント)より構成されている。ここでスチレン含有量がSBS重量に対して10.0重量%に満たない場合、ハードセグメントが少ないため、そのSBSを用いて製造したアスファルト組成物の強度が低くなる。またスチレン含有量がSBS重量に対して40.0重量%を越える場合は、アスファルト組成物内でのSBSの貯蔵安定性が著しく低下し、材料分離を起こす。したがって、本実施形態において使用するSBSは、スチレン含有量がSBS重量に対して10.0重量%以上40.0重量%以下であることが好ましく、20.0重量%以上35.0重量%以下であることがより好ましい。これにより、貯蔵安定性に優れ、必要な強度を有するアスファルト組成物を得ることができる。
また、本実施形態において好適に用いられるSBSの含有量は、アスファルト組成物の全重量に対して4.0重量%以上6.0重量%未満である。ここで、SBSの含有量が、アスファルト組成物の全重量に対して4.0重量%未満の場合、アスファルト組成物の強度を発現することができない。このため、アスファルト組成物と骨材とを混合してアスファルト混合物とした際に、所定の強度、すなわち十分な耐わだち掘れ性能(測定値としてはDSが5,000以上)を得ることができない。また、SBSの含有量が、アスファルト組成物の全重量に対して6.0重量%以上の場合、アスファルト混合物とした際の施工性が悪化する。このため、本実施形態において使用するSBSの含有量は、アスファルト組成物の全重量に対して4.0重量%以上6.0重量%未満であることが好ましい。
さらに、本実施形態において好適に用いられるSBSは、25%トルエン溶液粘度が2,500mPa・s以上5,000mPa・s以下であることが好ましい。25%トルエン溶液粘度とは、溶媒にトルエンを使用し、所定の試料を溶液の25重量%溶かしたものを、25℃にてブルックフィールド(BF)型粘度計により測定される値である。ここで、本実施形態において使用するSBSが、25%トルエン溶液粘度が2,500mPa・s未満の場合、補強材としての強度が足りず、最終生成物としてのアスファルト組成物の強度を向上させることができなくなってしまう。また、本実施形態において使用するSBSが、25%トルエン溶液粘度が5,000mPa・s超の場合、最終生成物としてのアスファルト組成物の貯蔵安定性を向上させることができなくなってしまう。このため、SBSは、25%トルエン溶液粘度が2,500mPa・s以上5,000mPa・s以下であることが好ましい。
本実施形態においては、1種類のSBSのみを混合するようにしてもよいし、特定の分子構造を有する2種類以上のSBSを選択して混合するようにしてもよい。1種類のSBSのみを混合する場合には、2種類以上のSBSを選択して混合する煩雑さを解消することができ、アスファルト組成物を製造する際の労力の低減を図ることが可能となるため、2種類以上のSBSを選択して混合する場合よりも好ましい。
(カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペン)
本実施形態におけるアスファルト組成物に好適に用いられるカルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペン(樹脂酸)は、例えば、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、ピマール酸、イソピマール酸、パラストリン酸等が含まれるが、これに限定されるものではなく、カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペンという定義の下でのいかなる樹脂酸も含まれる。これらカルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペンは、一般にロジンに含まれている。
ここで本実施形態において好適に用いられるロジンとしては、ガムロジン、不均化ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等が使用される。これらロジンは、原産地、原材料、採取方法の違いにより上述したガムロジン、ウッドロジン等の如き分類が可能となるが、本実施形態において好適に用いられるロジンは、少なくとも松脂の水蒸気蒸留時の残渣成分として得られるものであれば足りる。これらのロジンは、成分としてアビエチン酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ピマール酸、サンダラコピマール酸、イソピマール酸等を含む混合物である。これらのロジンは、通常約80℃で軟化し、約90~100℃で溶融する。なお、ロジン中にはアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸、レボピマル酸などの各種樹脂酸が含まれているが、これら樹脂酸をそれぞれ精製して単独で使用するようにしてもよい。
本実施形態においては、以下、このカルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペン(樹脂酸)としてガムロジンを使用する場合を例にとり説明をする。このガムロジンは、採取した生松脂をろ過して不純物を除去し、その後、蒸留することにより、低沸点成分のテレピン油を分離して得られるロジンである。このガムロジンは、一般的に、アビエチン酸が20重量%以上40重量%以下、ネオアビエチン酸が15重量%以上25重量%以下、パラストリン酸が20重量%以上30重量%以下、ピマール酸が3重量%以上8重量%以下、イソピマール酸が10重量%以上20重量%以下、デヒドロアビエチン酸が3重量%以上8重量%以下、含まれている。
また、ロジンをそのまま適用する代わりに、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、ピマール酸、イソピマール酸、パラストリン酸等のうち何れか1種以上を単独で添加するようにしてもよい。
本実施形態において好適に用いられるカルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペンの含有量は、アスファルト組成物の全重量に対して0.5重量%以上3.0重量%以下であることが好ましい。このカルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペンの含有量が、アスファルト組成物の全重量に対して0.5重量%未満の場合、SBSにおけるブタジエンブロックに対する、カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペン(アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、ピマール酸、イソピマール酸、パラストリン酸等)の付加が十分ではなく、最終生成物としてのアスファルト組成物の貯蔵安定性の向上を図ることができない。また、カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペンの含有量が、アスファルト組成物の全重量に対して3.0重量%超の場合、最終生成物としてのアスファルト組成物の貯蔵安定性向上という効果が飽和してしまうばかりでなく、高価な樹脂酸の添加量が増加することによる原料コストの上昇が著しくなるという問題が生じる。即ち、樹脂酸の含有量を3重量%を超えて添加しても、貯蔵安定性はこれ以上大幅に向上するものではなく、却って原料コストの面において不利となる。このため、カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペン(樹脂酸)の含有量は、アスファルト組成物の全重量に対して、0.5重量%以上3.0重量%以下であることが好ましい。
(石油樹脂)
本実施形態におけるアスファルト組成物に好適に用いられる石油樹脂は、C5系石油樹脂等の脂肪族系石油樹脂(以下、C5系石油樹脂という)、C9系石油樹脂等の芳香族系石油樹脂(以下、C9系石油樹脂という)、C5/C9共重合系石油樹脂などの石油樹脂(以下、C5/C9系石油樹脂という)、並びにこれら石油樹脂を水添して得られる水添石油樹脂のうち少なくとも1つまたは複数を使用することができる。
本実施形態において好適に用いられる石油樹脂の含有量は、アスファルト組成物の全重量に対して、0.5重量%以上5.0重量%以下であることが好ましい。この石油樹脂の含有量が、アスファルト組成物の全重量に対して0.5重量%未満の場合、アスファルト組成物の貯蔵安定性が低下し材料分離を起こしやすくなり、さらにアスファルト混合物の施工性が悪化する。また、石油樹脂の含有量が、アスファルト組成物の全重量に対して5.0重量%超の場合、アスファルト混合物の施工性が悪化する。このため、用いられる石油樹脂の含有量は、アスファルト組成物の全重量に対して0.5重量%以上5.0重量%以下であることが好ましい。
また、本実施形態において好適に用いられる石油樹脂は、臭素価が30以下である。石油樹脂における臭素価が30超の場合、石油樹脂の酸化に対する安定性が低下し、その結果、最終生成物としてのアスファルト組成物の引火点が300℃未満となり、アスファルト組成物の貯蔵時の安全性が低下する。さらに、アスファルト組成物を工業的に製造する際、一定量の石油樹脂を常温で保管する必要があるが、この過程で石油樹脂の性状が変化する恐れがある。このため、本実施形態において好適に用いられる石油樹脂は、臭素価が30以下であるであることが好ましい。なお、石油樹脂の臭素価は、例えば、JIS K 2605 「石油製品-臭素価試験方法-電気滴定法」に準拠して測定される。
本実施形態において好適に用いられる石油樹脂は、さらに、軟化点が100℃以上170℃以下であることが好ましい。この石油樹脂の軟化点が100℃未満の場合、例えばペレット状に加工した石油樹脂を貯蔵中に、ブロッキングを起こし一塊になり、運搬や混合装置への投入の際の取り扱いが困難になる。また、石油樹脂の軟化点が170℃超の場合、石油樹脂の製造プロセスにおいて反応条件を厳しくする必要があり、さらに得率が低下することから、選択する必要は無い。このため、本実施形態において好適に用いられる石油樹脂は、軟化点が100℃以上170℃以下であることが好ましい。ここで、石油樹脂の軟化点は、例えば、JIS K 2207「石油アスファルト-軟化点試験方法」に準拠して測定することで検出することができる。
(ベースアスファルト)
本実施形態において好適に用いられるベースアスファルトは、原油を減圧蒸留した残油として得られるストレートアスファルト、原油の減圧蒸留残油をプロパン等により脱れきして得られたプロパン脱れきアスファルト等で構成される。ベースアスファルトは、ストレートアスファルト及びプロパン脱れきアスファルトで構成されてもよい。なお、上記の構成に原油の減圧蒸留残油をプロパン等により脱れきして得られた溶剤脱れき油を溶剤抽出して得られたエキストラクトをさらに含めてベースアスファルトとしても良い。また、このエキストラクトの代わりに、アロマ系オイルで構成するようにしてもよい。このアロマ系オイルは、例えば、JIS K 6200に規定されているものであり、芳香族炭化水素を、少なくとも35重量%含む炭化水素系プロセスオイルである。
本実施形態において好適に用いられるベースアスファルトは、上述した減圧蒸留法、ブローイング(空気吹き込み法)、調合法(ブレンド法)の何れかの方法により製造される。即ち、このベースアスファルトは、プロパン脱れきアスファルト、ストレートアスファルト、ブローンアスファルト、エキストラクトのうち何れか1種以上が含まれるものである。
プロパン脱れきアスファルトは、減圧蒸留残油に対して、プロパン、又はプロパンとブタンの混合物を溶剤として使用し、脱れき処理して得られた、いわゆる溶剤脱れきアスファルトである。
プロパン脱れきアスファルトは、例えば、JIS K 2207の下で25℃における針入度が針入度が13(1/10mm)、軟化点が61.5℃、15℃における密度が1066kg/mであるのものを使用するようにしてもよい。
また、ストレートアスファルトとしては、例えば、25℃における針入度が65(1/10mm)、軟化点が48.5℃、15℃における密度が1034kg/mであるのものを使用するようにしてもよい。
エキストラクトは、原油の減圧蒸留残油をプロパン等により脱れきして得られた溶剤脱れき油を更に極性溶剤を用いて溶剤抽出することにより、重質潤滑油を精製油として得る際の抽出油である。エキストラクトは、100℃における動粘度が61.2mm/s、40℃における動粘度が3970mm/s、15℃における密度が976.4kg/mであるのものを使用するようにしてもよい。また、本実施形態において好適に用いられるエキストラクトの含有量は、アスファルト組成物の全重量に対して3.9重量%以下であることが好ましい。ここで、エキストラクトの含有量が3.9重量%超の場合、最終生成物としてのアスファルト組成物の施工性を向上させることができない。なお、本開示に係るアスファルト組成物では、エキストラクトが含有されていなくてもよい。
本実施形態におけるアスファルト組成物は、ダイマー酸、パルミチン酸、アマイド等の剥離防止剤がさらに含まれていてもよい。
上述した成分組成で構成されるアスファルト組成物は、少なくとも骨材を配合(混合)し、アスファルト混合物として、例えば、道路舗装の所定基面上に舗設される。ここで、上述した成分組成で構成されるアスファルト組成物の製造装置および製造システムの実施形態の一例について図1を用いて説明する。なお、以下の説明で容器または配管と表記したものの大きさについては、特に限定はされず、どのような大きさのものを用いることとしても良い。
上述した成分組成で構成されるアスファルト組成物の製造システムとしてのアスファルト製造プラント100は、主に、ベースアスファルトを貯蔵・保管するベースアスファルト容器101と、ベースアスファルトと上述したSBS、カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペン、石油樹脂等の各種添加剤を混合する混合容器102によって構成されている。ここで、アスファルト製造プラント100は、混合によって生成されたアスファルト組成物を貯蔵・保管する製品容器103、混合容器102に設けられている攪拌装置(混合装置)105、各種添加剤を供給する添加剤供給装置106、少なくとも攪拌装置105と添加剤供給装置106を制御するための制御装置(コントロール部)108のいずれか1つまたはすべてを含めて構成することとしても良い。
また、ベースアスファルト容器101と混合容器102は、第1の供給配管104によって接続されており、所定の温度に維持されたベースアスファルトが、第1の供給配管104を介してベースアスファルト容器101から混合容器102へ予め定められた量だけ供給される。
同様に、混合容器102と製品容器103は、第2の供給配管107によって接続されており、混合容器102において生成されたアスファルト組成物が製品容器103に移送されて、所定期間、所定温度で貯蔵・維持されることとなる。
混合容器102には、SBS、カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペン、石油樹脂等の各種添加剤を供給するための添加剤供給装置106と、ベースアスファルトと添加剤を所定の回転数によって攪拌する攪拌装置(混合装置)105が設けられている。主に、混合容器102、攪拌装置105を含めてアスファルト組成物の製造装置が構成されることとなる。なお、添加剤供給装置106や、後述する制御装置108を含めてアスファルト組成物の製造装置としても良い。
制御装置108は、各種材料の温度管理や供給量などを制御する装置であり、有線または無線などによって、電気的に攪拌装置105、添加剤供給装置106と相互に接続されている。
また、制御装置108は、所定パラメータを記憶するHDD,CDなどの記憶装置(記憶部)110と、各パラメータを読み出して対象装置を制御する処理を行うCPUなどの処理装置(処理部)109と、各パラメータや必要データの入力や必要処理を実施させる信号を入力するためのUI等用いた入力装置(入力部)111を少なくとも有している。また、図示しないディスプレイやプリンターなどの出力装置を有していても良い。なお、処理装置109、記憶装置110、入力装置111のそれぞれは相互に電気的に接続されている。
次に、上述した成分組成で構成されるアスファルト組成物の製造工程について図2を用いて説明する。
(ベースアスファルト生成工程:S101)
ベースアスファルト容器101に供給されたストレートアスファルトに、必要であればエキストラクトを混合し、図示しない攪拌装置によって、例えば、140℃以上、2,000rpm以上4,000rpm以下の回転数となる条件で、所定の時間攪拌・混合され、アスファルト材としてのベースアスファルトを生成する(S101)。
(添加剤混合工程:S102)
次に、上述したベースアスファルトを所定量混合容器102に移送し、添加剤供給装置106によって、SBSとカルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペンと石油樹脂とを所定量添加する。攪拌装置105にて、例えば、160℃以上220℃以下、2,000rpm以上4,000rpm以下の回転数となる条件で、所定の時間攪拌・混合され、アスファルト組成物を生成する(S102)。
(アスファルト組成物(製品)貯蔵工程:S103)
次に、生成されたアスファルト組成物を一時的に貯蔵・保管するため、製品容器103へ移送する(S103)。この時、製品容器内では、所定の温度を維持するように、例えば制御装置108によって温度制御が行われていてもよい。
(アスファルト混合物製造工程:S104)
アスファルト組成物を貯蔵後、必要に応じて、アスファルト組成物に所定の粒径を有する骨材を少なくとも加えて、例えば、170℃程度、所定の時間混合することで所望の性状を有するアスファルト混合物を製造する(S104)。アスファルト組成物の状態で販売・出荷する際には、本工程は必要ない。
本実施形態におけるアスファルト混合物は、上述した成分組成で構成されるアスファルト組成物に少なくとも骨材が混合される。これにより、道路舗装用アスファルト混合物としての強度を発現させることができる。
以下に、上述した本実施形態を用いた場合の実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。
表1の実施例1~13、並びに比較例1~14に示す配合比率からなる、ストレートアスファルト、プロパン脱れきアスファルト、エキストラクト、SBS、カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペン、石油樹脂、剥離防止剤等を混合した試料を準備した。
Figure 0007167309000001
SBSについては、SBS1~SBS6を試料として準備した。それぞれの性状は以下の通りである。
SBS1:スチレン含有量30.0重量%、25%トルエン溶液粘度3,000mPa・s
SBS2:スチレン含有量31.0重量%、25%トルエン溶液粘度4,000mPa・s
SBS3:スチレン含有量30.0重量%、25%トルエン溶液粘度1,700mPa・s
SBS4:スチレン含有量30.0重量%、25%トルエン溶液粘度20,000mPa・s
SBS5:スチレン含有量35.0重量%、25%トルエン溶液粘度470mPa・s
SBS6:スチレン含有量45.0重量%、25%トルエン溶液粘度170mPa・s
このうち、上述した本実施形態において規定した25%トルエン溶液粘度を満たすのはSBS1、2であり、SBS3~SBS6はいずれも比較例用の試料である。
カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペンについては、ガムロジンおよび不均化ガムロジンを実施例用の試料として準備した。それぞれの性状は以下の通りである。
ガムロジン:酸価155(mgKOH/g:JIS K0070)、軟化点75.0℃(JIS K2207)
不均化ガムロジン:酸価156(mgKOH/g:JIS K0070)、軟化点77.0℃(JIS K2207)
剥離防止剤については、ダイマー酸およびパルミチン酸を比較例用の試料として準備した。それぞれの性状は以下の通りである。
ダイマー酸:炭素数36で酸価190(mgKOH/g:JIS K0070)のトール油脂肪酸二量体化物
パルミチン酸:炭素数16で酸価210(mgKOH/g:JIS K0070)の脂肪酸
石油樹脂については、C9系石油樹脂、C5/C9系石油樹脂、水添石油樹脂およびDCPD(dicyclopentadiene)を試料として準備した。それぞれの性状は以下の通りである。
C9系石油樹脂:軟化点135.0℃、臭素価15、C5/C9系石油樹脂:軟化点145.0℃、臭素価15、水添石油樹脂:軟化点140.0℃、臭素価2、DCPD:軟化点125.0℃、臭素価92。
このうち、上述した本実施形態において規定した臭素価が30以下を満たす石油樹脂は、C9系石油樹脂、C5/C9系石油樹脂および水添石油樹脂であり、DCPDは比較用の試料である。
いずれの実施例1~13、並びに比較例1~14の針入度は、30~60(1/10mm)になるようストレートアスファルト、プロパン脱れきアスファルトおよびエキストラクトで調製している。
次に、上述した構成からなる各試料の調製方法について説明をする。
表1の各材料を、表1の実施例1~13、並びに比較例1~14のそれぞれの配合比率となるようにホモミキサーで混合して195℃程度に維持した後、SBSを添加した。撹拌は、ホモミキサーの回転数を3500回転/分として3時間行った。その際の製造量は0.9kgとした。次に、調製したアスファルト組成物と骨材を175℃で混合し、所定の供試体を作製し、試験に供した。
次に本発明に使用した試験法について説明する。
針入度(25℃)は、JIS K 2207「石油アスファルト-針入度試験方法」で測定した。この値は35(1/10mm)以上が好ましい。
軟化点は、JIS K 2207「石油アスファルト-軟化点試験方法」で測定した。この値は56.0(℃)以上が好ましい。
粘度(180℃)は、JPI-5S-54-99「アスファルト-回転粘度計による粘度試験方法」の条件の下、測定温度180℃、使用スピンドルSC4-21、スピンドル回転数20回転/分で測定した。
アスファルト組成物は、製品容器内で180℃程度の温度で貯蔵される。このため、引火点が高いものが求められる。そこで、本実施例では、貯蔵安定性試験(160℃)の結果と、引火点と、により貯蔵安定性を判定した。
貯蔵安定性試験(160℃)は、内径が5.2cm、高さが13cmのアルミニウム製円筒缶に、深さ12cmの位置まで本発明アスファルト組成物(約250g)を注入して密封し、160℃で72時間加熱した。その後、アルミニウム製円筒缶に注入されているアスファルト組成物の上部4cm、下部4cmにおける軟化点を測定することにより、試験結果を確認する。軟化点の測定は、JIS K 2207に示す方法に基づいて行う。この上部の軟化点と下部の軟化点の差の差分絶対値を介して貯蔵安定性の判断を行う。
引火点は、JIS K 2207「石油アスファルト-引火点試験方法」により測定した。
本実施例では、貯蔵安定性試験(160℃)による軟化点差としての差分絶対値が3.0℃以下であり、かつ、引火点が300℃以上のときに、貯蔵安定性を向上させることができると判定した。
強度については、DS(動的安定度:Dynamic Stability)により判定した。DSは、(公社)日本道路協会「舗装調査・試験法便覧」に規定されているホイールトラッキング試験方法に準拠して行った。日本の道路は、夏場には60℃程度の温度になることが実験的に確認されている。この状態で、道路上を車両が通過すると、塑性変形や流動変形してわだち掘れが発生する。ホイールトラッキング試験は、このわだち掘れの発生の程度を実験的に確認するために考案された試験であり、舗装材における耐わだち掘れ性能、すなわち耐流動性の指標である動的安定度を評価するために実施される試験である。具体的には、60℃に保持された恒温槽の中で、アスファルト混合物(試験体)上に所定の荷重をかけたタイヤを1時間往復走行させ、その変形量を測定した。
DS(回/mm)は、試験開始後45分から60分までの15分間の変形量(mm)と、試験開始後45分から60分までの15分間のタイヤ走行回数(回)を用いて以下の数式(A)を用いて求める。
DS(回/mm)=(45分~60分までの間のタイヤ走行回数(回))/(45分~60分までの間の変形量(mm))・・・・・・・・・(A)
このDSの値が大きいほど、アスファルト混合物の強度が高く、わだち掘れに強い舗装材料を提供できることを意味している。前記の「舗装調査・試験法便覧」にはDSが6000回/mm以上となった場合は、DSが「6000回/mm以上」と報告することになっているが、本実施例では実際に得られたDSを用いた。本実施例では、DSが5000回/mm以上のとき、強度を向上させることができると判定した。
施工性の評価は、マーシャル安定度試験(Marshall stability test)で用いられる供試体(マーシャル供試体)の締固め度を用いて評価した。すなわち、本実施例では、まずストレートアスファルト60~80を、「舗装施工便覧(平成18年版)」((公社)日本道路協会)6-3-2配合設計の手順に示される、混合温度および締め固め温度を用いてマーシャル供試体を作製した際の、供試体の密度を基準密度とする。その後、実施例1~13、並びに比較例1~14のアスファルト組成物と所定の骨材を用いて、混合温度175℃、締め固め温度を165℃、150℃、および135℃と変化させてマーシャル供試体を作製し、供試体の密度を測定する。それぞれの供試体の密度を、先に求めた基準密度で割った(除算した)値を締固め度とし、その値が100%となる温度が150℃以下のときに、施工性を向上させることができると判定した。
なおDS測定およびマーシャル供試体作製に用いたアスファルト混合物は、「舗装設計施工指針」((公社)日本道路協会)による密粒度アスファルト混合物(13)の中央粒度を用い、アスファルト組成物の量を5.2重量%として作製した。
以下、本実施形態において規定したアスファルト組成物において、その効果を検証するために、実施例と比較例について、貯蔵安定性、強度および施工性を判定した。
実施例1~13は、何れもアロマ系オイルの含有量、SBSの含有量、カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペンの含有量、石油樹脂の含有量、SBSの25%トルエン溶液粘度および石油樹脂の臭素価が、上述した本実施形態において規定された範囲内である。その結果、実施例1~13は、貯蔵安定性試験(160℃)による軟化点差としての差分絶対値が3.0℃以下であり、かつ、引火点が300℃以上となった。このため、貯蔵安定性を向上させることが可能となる。また、実施例1~13は、DSが5,000回/mm以上となった。このため、強度を向上させることが可能となる。また、実施例1~13は、締固め度が100%となる温度が150℃以下である。このため、施工性を向上させることが可能となる。
以上により、本実施形態におけるアスファルト組成物は、貯蔵安定性、強度および施工性を向上させることができる。
比較例1は、25%トルエン溶液粘度が2,500mPa・s未満であるSBS3を用いた。その結果、比較例1では、DSが5,000回/mm未満となった。このため、比較例1では、強度を向上させることができない。
比較例2は、25%トルエン溶液粘度が5,000mPa・s超であるSBS4を用いた。その結果、比較例2では、貯蔵安定性試験(160℃)による軟化点差としての差分絶対値が3.0℃超となった。このため、比較例2では、貯蔵安定性を向上させることができない。
比較例3は、25%トルエン溶液粘度が2,500mPa・s未満であるSBS5を用いた。その結果、比較例3では、DSが5,000回/mm未満となった。このため、比較例3では、強度を向上させることができない。
比較例4は、25%トルエン溶液粘度が2,500mPa・s未満であるSBS6を用いた。その結果、比較例4では、貯蔵安定性試験(160℃)による軟化点差としての差分絶対値が3.0℃超となった。このため、貯蔵安定性を向上させることができない。また、比較例4では、DSが5,000回/mm未満となった。このため、比較例4では、強度を向上させることができない。
比較例5は、SBS1の含有量がアスファルト組成物全体に対して4.0重量%未満である。その結果、比較例5では、DSが5,000回/mm未満となった。このため、比較例5では、強度を向上させることができない。
比較例6は、SBS1の含有量がアスファルト組成物全体に対して6.0重量%以上である。その結果、比較例6では、締固め度が100%となる温度が150℃超となった。このため、比較例6では、施工性を向上させることができない。
比較例7、8は、カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペンが添加されておらず、ダイマー酸が添加される。その結果、比較例7、8では、貯蔵安定性試験(160℃)による軟化点差としての差分絶対値が3.0℃超となった。このため、貯蔵安定性を向上させることができない。また、比較例7、8では、DSが5,000回/mm未満となった。このため、比較例7、8では、強度を向上させることができない。
比較例9、10は、カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペンが添加されておらず、パルミチン酸が添加される。その結果、比較例9、10では、貯蔵安定性試験(160℃)による軟化点差としての差分絶対値が3.0℃超となった。このため、貯蔵安定性を向上させることができない。また、比較例9、10では、DSが5,000回/mm未満となった。このため、比較例9、10では、強度を向上させることができない。
比較例11は、C9系石油樹脂の含有量が0.5重量%未満である。その結果、貯蔵安定性試験(160℃)による軟化点差としての差分絶対値が3.0℃超となった。このため、貯蔵安定性を向上させることができない。また、比較例11では、締固め度が100%となる温度が150℃超となった。このため、比較例11では、施工性を向上させることができない。
比較例12は、C9系石油樹脂の含有量が5.0重量%超である。その結果、比較例12では、締固め度が100%となる温度が150℃超となった。このため、比較例12では、施工性を向上させることができない。
比較例13は、臭素価が30超であるDPCDが用いられる。その結果、比較例13では、引火点が300℃未満となった。このため、比較例13では、貯蔵安定性を向上させることができない。
比較例14は、エキストラクトの含有量が3.9重量%超である。その結果、比較例14では、締固め度が100%となる温度が150℃超となった。このため、比較例14では、施工性を向上させることができない。
100 :アスファルト製造プラント
101 :ベースアスファルト容器
102 :混合容器
103 :製品容器
104 :第1の供給配管
105 :攪拌装置
106 :添加剤供給装置
107 :第2の供給配管
108 :制御装置
109 :処理装置
110 :記憶装置
111 :入力装置


Claims (7)

  1. スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(SBS):4.0重量%以上6.0重量%未満、
    カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペン:0.5重量%以上3.0重量%以下、
    石油樹脂:0.5重量%以上5.0重量%以下、を含有し、
    残部は、アロマ系オイルが3.9重量%以下であるベースアスファルトで少なくとも構成され、
    上記SBSは、25%トルエン溶液粘度が2,500mPa・s以上5,000mPa・s以下であり、
    上記石油樹脂は、臭素価が30以下であること
    を特徴とするアスファルト組成物。
  2. 上記石油樹脂は、軟化点が100℃以上170℃以下であること
    を特徴とする請求項1記載のアスファルト組成物。
  3. 上記カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペンは、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、ピマール酸、イソピマール酸、パラストリン酸のうち何れか1種以上を含有するロジンであること
    を特徴とする請求項1又は2記載のアスファルト組成物。
  4. 上記カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペンは、ガムロジンに含まれるものであること
    を特徴とする請求項1~3の何れか1項記載のアスファルト組成物。
  5. 上記アロマ系オイルは、原油の減圧蒸留残油を脱れきして得られた溶剤脱れき油を溶剤抽出して得られたエキストラクトであること
    を特徴とする請求項1~4の何れか1項記載のアスファルト組成物。
  6. 請求項1~請求項5の何れか1項記載のアスファルト組成物に少なくとも骨材を混合したこと
    を特徴とするアスファルト混合物。
  7. アロマ系オイルが3.9重量%以下であるベースアスファルト中に、少なくとも
    スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(SBS):4.0重量%以上6.0重量%未満、
    カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペン:0.5重量%以上3.0重量%以下、
    石油樹脂:0.5重量%以上5.0重量%以下、を混合する工程を有し、
    上記SBSは、25%トルエン溶液粘度が2,500mPa・s以上5,000mPa・s以下であり、
    上記石油樹脂は、臭素価が30以下であること
    を特徴とするアスファルト組成物の製造方法。
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