本開示の情報処理装置は、車両の周辺の移動体の検出結果を取得する第1の取得部と、前記車両に載っている物体の状態を示す物体状態情報を取得する第2の取得部と、前記検出結果に基づいて、前記移動体が前記車両に影響を及ぼすか否か、又は前記車両が前記移動体に影響を及ぼすか否か、を判定する第1の判定部と、前記物体状態情報の示す前記物体の状態が前記物体又は前記物体の周辺に危険又は不快を招くおそれがある状態である所定の状態であるかを判定する第2の判定部と、前記判定結果に基づいて前記移動体に提案する動作であって、前記移動体が前記車両に及ぼす影響又は前記車両が前記移動体に及ぼす影響を少なくとも緩和するための動作を決定する決定部と、前記移動体が前記車両に影響を及ぼすと判定された場合又は前記車両が前記移動体に影響を及ぼすと判定された場合、かつ前記物体の状態が前記所定の状態であると判定される場合、決定された前記提案する動作に基づく通知を前記移動体に行う通知部と、を備える。
例えば、車両に載っている物体の状態が物体又は物体の周辺に危険又は不快を招くおそれがある状態である所定の状態である場合に、移動体によって車両が影響を及ぼされたとき又は車両が移動体に影響を及ぼすときには、当該影響を緩和するために車両は急加速、急減速または急旋回等をする必要があり、物体に関連する危険な状態が発生し得る。本開示では、特定の移動体によって車両が影響を及ぼされないような動作、つまり、物体に関連する危険な状態が発生しないような動作をするように移動体に提案できるため、物体が載っている車両は急加速、急減速または急旋回等をする必要がなくなる。したがって、より効果的に危険又は不快な状況を予防できる。
また、前記移動体が前記車両に及ぼす影響は、前記車両が現在行っている動作と異なる動作を行うことになる影響であってもよい。例えば、前記異なる動作は、前記車両の加速度または角速度が所定の閾値以上となる動作であってもよい。
これによれば、決定された提案する動作に基づく通知を移動体にすることで、車両は現在行っている動作を維持することができ、具体的には、車両の加速度または角速度が所定の閾値以上になることが抑制されるため、物体に関連する危険又は不快な状態が発生することを抑制できる。
また、前記車両が前記移動体に及ぼす影響は、前記移動体が将来行う予定の動作を中止又は延期することになる影響であってもよい。
これによれば、例えば、車両が、移動体が走行する道路を横断しようとしており、移動体が将来行う予定の動作(例えば、直進)を中止させる(例えば停止させる)場合、車両は加速して移動体に停止させない若しくはなるべく停止させる時間を減らすように、加速することが考えられる。しかし、決定された提案する動作に基づく通知を移動体にすることで、例えば、移動体に車両よりも先に道路を横断させることができるため、車両が加速せずに、物体に関連する危険又は不快な状態が発生することを抑制できる。
また、前記物体は、前記車両の乗員であり、前記所定の状態は、前記影響に対する前記車両の動作により前記乗員が危険又は不快になると推定される状態であってもよい。例えば、前記所定の状態は、前記乗員が立っている状態、前記乗員が前記車両に設置された器具に掴まっていない状態、前記乗員がシートベルトを正常に着用できていない状態、または、前記乗員が子供を保持している状態であってもよい。
これによれば、物体に関連する危険又は不快な状態として、立っている乗員、固定器具に掴まっていない乗員、シートベルトを正常に着用できていない乗員または乗員が保持している子供が危険又は不快になることを抑制できる。
また、前記物体は、前記車両の荷台の積載物であり、前記所定の状態は、前記影響に対する前記車両の動作により前記積載物が周辺に危険又は不快を招くおそれがあると推定される状態であってもよい。例えば、前記所定の状態は、前記積載物が固定されていない状態、前記積載物が揺れている状態、または、前記積載物が前記車両または前記車両の周辺の他の車両の運転者の視界を遮っている状態であってもよい。
これによれば、物体に関連する危険又は不快な状態として、不安定な状態の積載物または運転者の視界を遮っている積載物によって周辺に危険又は不快を招くことを抑制できる。
また、前記決定部は、前記所定の状態となっている物体の数または量にも応じて前記提案する動作を決定してもよい。
例えば、物体に関連する危険又は不快な状況による被害又は影響は、物体の数または量が多いほど大きくなり得る。したがって、所定の状態となっている物体の数または量に応じた提案する動作を決定することで、より効果的に危険又は不快な状況を予防できる。
また、情報処理装置は、さらに、受信部と、車両制御部とを備え、前記受信部は、前記通知に対する応答を受信し、前記車両制御部は、前記応答に応じて前記車両を制御してもよい。
これによれば、移動体への通知に対する応答によっては、車両は危険又は不快な状況の予防のために車両制御を行わなければならない場合がある。したがって、当該応答に応じて車両を制御することで、より効果的に危険又は不快な状況を予防できる。
また、前記移動体は、他の車両であり、前記提案する動作は、当該他の車両の移動制御であってもよい。
これによれば、他の車両の移動制御に基づく通知を当該他の車両に行うことで、より効果的に危険又は不快な状況を予防できる。
また、前記移動体は、人であり、前記提案する動作は、当該人の移動または停止であってもよい。
これによれば、人の移動または停止に基づく通知を当該人に行うことで、より効果的に危険又は不快な状況を予防できる。
また、前記通知は、前記提案する動作を実現するための制御情報であってもよい。
これによれば、提案する動作を実現するために、制御情報によって特定の移動体(例えば他の車両)を制御できる。
また、前記通知は、前記提案する動作を示す画像、音または振動の提示であってもよい。
これによれば、提案する動作を示す画像、音または振動の提示によって、提案する動作に基づく通知を特定の移動体に行うことができる。
また、本開示の情報処理方法は、プロセッサを用いて、車両の周辺の移動体の検出結果を取得し、前記車両に載っている物体の状態を示す物体状態情報を取得し、前記検出結果に基づいて、前記移動体が前記車両に影響を及ぼすか否か、又は前記車両が前記移動体に影響を及ぼすか否か、を判定し、前記物体状態情報の示す前記物体の状態が前記物体又は前記物体の周辺に危険又は不快を招くおそれがある状態である所定の状態であるかを判定し、前記判定結果に基づいて前記移動体に提案する動作であって、前記移動体が前記車両に及ぼす影響又は前記車両が前記移動体に及ぼす影響を少なくとも緩和するための動作を決定し、前記移動体が前記車両に影響を及ぼすと判定された場合又は前記車両が前記移動体に影響を及ぼすと判定された場合、かつ前記物体の状態が前記所定の状態であると判定される場合、決定された前記提案する動作に基づく通知を前記移動体に行う。
これによれば、より効果的に危険又は不快な状況を予防できる情報処理方法を提供できる。
また、本開示のプログラムは、上記の情報処理方法をコンピュータに実行させる。
これによれば、より効果的に危険又は不快な状況を予防できるプログラムを提供できる。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態)
以下、図1から図15を用いて実施の形態について説明する。
[1.情報処理装置の構成]
図1は、実施の形態1に係る情報処理装置10の構成の一例を示すブロック図である。なお、図1には、情報処理装置10を搭載する車両100、ならびに、車両100に搭載されたカメラ20およびセンサ30も記載している。
カメラ20は、車両100の周辺を撮影するカメラであり、例えば、車両100の前方、側方および後方の撮影が可能となっている。なお、カメラ20は、ドライブレコーダ等のカメラであってもよい。また、車両100は、さらに、レーダまたはLIDAR等を備えていてもよい。
センサ30は、例えば、車両100が一般車両またはバス等の場合には、車両100の内部に設置され車両100の乗員(乗客)を撮影するカメラである。また、センサ30は、例えば、車両100がトラック等の場合には、車両100の荷台の積載物の重さを計測する重さセンサである。また、センサ30は、例えば、車両100がトラック等の場合には、車両100の荷台の積載物の高さを計測するセンサ(赤外線センサまたはカメラ等)である。なお、車両100がトラック等の場合には、車両100は、センサ30として、車両100の内部に設置され車両100の乗員を撮影するカメラも備えていてもよい。
情報処理装置10は、車両100に搭載され、例えば、1つの電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)、または、車載ネットワークで接続された複数のECUで構成される。情報処理装置10は、カメラ20またはセンサ30等から得られる検出結果を用いて、車両100に影響を及ぼす又は車両100が影響を及ぼすと推定される周辺の移動体に、車両100に影響が及ばないような動作をするように提案する。なお、車両100が移動体に影響を及ぼすことで、車両100は、その影響を緩和するための動作をすることになり、結果的に、車両100は移動体から影響を及ぼされることになる。これにより、情報処理装置10は、車両100に影響が及ぼされることで車両100が急加速、急減速または急旋回等をすることを抑制し、車両100に載っている物体に関連する危険な状態が発生することを抑制する。情報処理装置10は、第1の取得部11、第2の取得部12、第1の判定部13、第2の判定部14、決定部15、通知部16、受信部17および車両制御部18を備える。
第1の取得部11は、車両100の周辺の移動体の検出結果を取得する。例えば、第1の取得部11は、検出結果として、カメラ20による車両100の周辺の撮影により得られる画像を取得する。また、例えば、第1の取得部11は、検出結果として、レーダまたはLIDARによる車両100の周辺の走査により得られるレーダ情報を取得する。第1の取得部11が取得した情報は、第1の判定部13に送られ、解析されたり、機械学習に基づく判断に用いられたりする。
第2の取得部12は、車両100に載っている物体の状態を示す物体状態情報を取得する。当該物体は、例えば、車両100の乗員(乗客)または車両100の荷台の積載物である。例えば、第2の取得部12は、物体状態情報として、センサ30(カメラ)による車両100の乗員の撮影により得られる画像を取得する。また、例えば、第2の取得部12は、物体状態情報として、センサ30(重さセンサ)による荷台の場所毎の重さの変化(つまり、積載物の重心の変化)を取得する。なお、物体状態情報には、積載物の積載量は含まれない。第2の取得部12が取得した情報は、第2の判定部14に送られ、解析されたり、機械学習に基づく判断に用いられたりする。なお、情報処理装置10は、入力部を有していてもよく、入力部に物体状態情報が入力されることで、第2の取得部12は物体状態情報を取得してもよい。
第1の判定部13は、第1の取得部11が取得した検出結果に基づいて、周辺の移動体が車両100に影響を及ぼすか否かを判定する。例えば、第1の判定部13は、画像またはレーダ情報等の解析により、車両100の周辺の移動体として他の車両または人等の位置、速度、向き、状態および属性等を判定する。そして、第1の判定部13は、周辺の移動体の位置、速度、向き、状態および属性等に基づいて周辺の移動体が車両100に影響を及ぼすかを判定する。当該影響は、例えば、車両100が現在行っている動作と異なる動作を行うことになる影響である。当該異なる動作は、車両100の加速度または角速度が所定の閾値以上となる動作であり、急加速、急減速または急旋回等である。所定の閾値は、特に限定されないが、車両100の乗員または積載物がふらつくような値であり、適宜決定される。なお、第1の判定部13による判定は、画像およびレーダ情報等の論理的または統計的解析によるものに限らず、例えば、ディープラーニング等の機械学習を用いたもの、または、動き予測を用いたもの等であってもよい。また、当該判定は、例えば車車間通信、インフラ(路側機等)との通信またはGPS(Global Positioning System)を介して得られる情報を用いた判定であってもよい。
また、第1の判定部13は、第1の取得部11が取得した検出結果に基づいて、車両100が周辺の移動体に影響を及ぼすか否かを判定する。例えば、第1の判定部13は、上述したように判定された周辺の移動体の位置、速度、向き、状態および属性等に基づいて車両100が周辺の移動体に影響を及ぼすかを判定する。当該影響は、例えば、周辺の移動体が将来行う予定の動作を中止又は延期することになる影響である。将来行う予定の動作としては、車両100が走行する道路の横断、当該道路への合流、車両100が走行する車線への車線変更などがある。
第2の判定部14は、第2の取得部12が取得した物体状態情報の示す物体の状態が物体又は物体の周辺に危険又は不快を招くおそれがある状態である所定の状態であるかを判定する。第2の判定部14は、センサ30により得られる物体状態情報を解析する。
例えば、センサ30が車両100の内部に設置されたカメラの場合、第2の判定部14は、当該カメラの車両100内の撮影により得られる画像の解析により、車両100の物体(乗員)の状態を判定し、物体(乗員)の状態が所定の状態であるかを判定する。当該所定の状態は、例えば、周辺の移動体から車両100に及ぼされる影響に対する車両100の動作により乗員が危険又は不快になると推定される状態である。具体的には、当該所定の状態は、乗員が立っている状態、乗員が車両100に設置された固定器具(つり革、座席等に設置されたグリップまたはスタンションポール等)に掴まっていない状態、乗員がシートベルトを正常に着用できていない状態、または、乗員が子供を保持している状態等であり、車両100が周辺の移動体から影響を及ぼされることで、これらの状態にある乗員は危険又は不快になると推定される。例えば、車両100が周辺の移動体から影響を及ぼされて車両100が急加速、急減速または急旋回することで、立っている状態または固定器具に掴まっていない状態の乗員は、転倒するおそれがあり、シートベルトを正常に着用できていない状態の乗員または保持されている子供は座席から投げ出されるおそれがある。また、車両100が急加速、急減速または急旋回することで、乗員は体が揺らされて気分を害するおそれがある。
また、例えば、センサ30が車両100の荷台の積載物の重さを計測する重さセンサの場合、第2の判定部14は、当該センサにより得られる荷台の場所毎の重さの変化(つまり、積載物の重心の変化)を取得することにより、物体(積載物)の状態が所定の状態であるかを判定する。また、例えば、センサ30が車両100の荷台の積載物の高さを計測するセンサの場合、第2の判定部14は、積載物の高さを取得することにより、物体(積載物)の状態が所定の状態であるかを判定する。当該所定の状態は、例えば、周辺の移動体から車両100に及ぼされる影響に対する車両100の動作により積載物が周辺に危険又は不快を招くおそれがあると推定される状態である。具体的には、当該所定の状態は、積載物が固定されていない状態、積載物が揺れている状態、または、積載物が車両100または車両100の周辺の他の車両の運転者の視界を遮っている状態等であり、車両100が周辺の移動体から影響を及ぼされることで、これらの状態にある積載物が周辺に危険又は不快を招くおそれがあると推定される。例えば、車両100が周辺の移動体から影響を及ぼされて車両100が急加速、急減速または急旋回することで、固定されていない状態または揺れている状態の積載物は荷台から落下するおそれがあり、また、車両100は運転者の視界を遮っている状態の積載物に隠れて存在する車両と衝突するおそれがある。
決定部15は、第1の判定部13の判定結果に基づいて、車両100に又は車両100が影響を及ぼすと判定された移動体である特定の移動体に提案する動作であって、移動体が車両100に及ぼす影響又は車両100が移動体に及ぼす影響を少なくとも緩和するための動作を決定する。具体的には、決定部15は、第1の判定部13による解析結果を用いて当該提案する動作を決定する。なお、以下では、移動体が車両100に及ぼす影響又は車両100が移動体に及ぼす影響を少なくとも緩和するための動作を、車両100から提案される移動体を特定の移動体とも呼ぶ。
例えば、特定の移動体は他の車両であり、提案する動作は他の車両の移動制御である。当該提案する動作は、特定の移動体が車両100の前方に割り込もうとしており車両100に影響を及ぼすと判定された場合、車両100の前方に割り込まない動作である。また、当該提案する動作は、特定の移動体が車両100の走行車線と交差する道路等から飛び出そうとしており車両100に影響を及ぼすと判定された場合、当該道路等から飛び出さない動作である。また、当該提案する動作は、特定の移動体が車両100の前方または後方から接近しようとしており車両100に影響を及ぼすと判定された場合、車両100との車間距離を小さくしない動作である。また、当該提案する動作は、特定の移動体が車両100を追い越そうとしており車両100に影響を及ぼすと判定された場合、車両100を追い越さない動作である。
また、当該提案する動作は、車両100が特定の移動体が走行する道路を横断しようとしており特定の移動体に影響を及ぼすと判定された場合、車両100よりも先に道路を横断する動作である。例えば、車両100の乗客が立っている場合急加速ができないため、特定の移動体に道を譲る、といった状況が考えられる。また、当該提案する動作は、車両100が特定の移動体の合流先の道路を走行しており特定の移動体に影響を及ぼすと判定された場合、車両100の前方において合流をする動作である。また、当該提案する動作は、車両100が特定の移動体が変更しようとしている車線を走行しており特定の移動体に影響を及ぼすと判定された場合、当該車線への車線変更をする動作である。
また、例えば、特定の移動体は人であり、提案する動作は人の移動または停止である。当該提案する動作は、特定の移動体が歩道から車道へ飛び出そうとしており車両100に影響を及ぼすと判定された場合、歩道で停止する動作である。また、当該提案する動作は、特定の移動体が車道を横断しており車両100に影響を及ぼすと判定された場合、車道から歩道に移動する動作である。
また、当該提案する動作は、車両100が特定の移動体が横断する道路を走行しようとしており特定の移動体に影響を及ぼすと判定された場合、車両100よりも先に道路を横断する動作である。
通知部16は、第1の判定部13によって移動体が車両100に影響を及ぼすと判定された場合又は車両100が移動体に影響を及ぼすと判定された場合、かつ、第2の判定部14によって、物体の状態が所定の状態であると判定される場合、決定部15によって決定された提案する動作に基づく通知を特定の移動体に行う。当該通知は、例えば、無線通信(車両との車車間通信もしくは光通信、または、人が有する携帯端末もしくはウェアラブル端末等の通信デバイスとの通信)、人には認識できないような非可視光のプロジェクション、可視光、画像、音または振動等により行われる。なお、非可視光のプロジェクションとは、例えば、道路上に非可視光による画像(例えば速度制限が30km/hであることを示す画像)を映し出し、自動運転車両等に、現在走行している道路が、当該画像が示す速度制限であると認識させるようなものである。
例えば、特定の移動体が自動運転車両の場合、当該通知は、特定の移動体が当該提案する動作を実現するための制御情報であり、車車間通信、光通信、プロジェクション等により行われる。例えば、通知部16は、自動運転車両の挙動を直接制御する制御情報を車車間通信、光通信、プロジェクション等を用いて自動運転車両に通知する。
また、例えば、特定の移動体が手動運転車両の場合、当該通知は、当該提案する動作を示す画像、音、光または振動の提示であり、車車間通信、光通信、可視光、画像、音または振動等により行われる。例えば、通知部16は、手動運転車両の挙動を指示する情報として画像(文字)、音またはその両方を特定の移動体に搭載されたディスプレイまたはスピーカ等を介して手動運転車両の運転者に提示する。また、通知部16は、手動運転車両の挙動を指示する情報として手動運転車両のハンドルを振動させる情報により、手動運転車両の運転車に手動運転車両の挙動を指示する。また、通知部16は、手動運転車両の挙動を指示する情報として、指向性のある音または可視光を手動運転車両の運転者に向けて発する。
また、例えば、特定の移動体が人の場合、当該通知は、当該提案する動作を示す画像、音、光または振動の提示であり、人が有する通信デバイスとの通信、可視光、画像、音または振動等により行われる。例えば、通知部16は、人の移動または停止を指示する情報として画像(文字)、音またはその両方を当該通信デバイスが有するディスプレイまたはスピーカ等を介して当該人に提示する。また、通知部16は、人の移動または停止を指示する情報として当該通信デバイスを振動させる情報を当該通信デバイスに送信して当該人に移動または停止を指示する。また、通知部16は、人の移動または停止を指示する情報として、指向性のある音または可視光を当該人に向けて発する。
受信部17は、通知部16が行った通知に対する応答を特定の移動体から受信し、車両制御部18は、当該応答に応じて車両100を制御する。例えば、車両100が自動運転車両の場合には、車両制御部18は、「曲がる」、「止まる」等の車両100の挙動等の制御に関連するシャーシ系のECUであり、ステアリング、エンジンおよびブレーキ等に接続されており、これらに制御情報を出力する。また、例えば、車両100が手動運転車両の場合には、車両制御部18は、「曲がる」、「止まる」等の車両100の挙動等を指示する制御情報として画像(文字)情報、音声情報、またはその両方を車両100に搭載されたディスプレイまたはスピーカ等に出力する。なお、車両制御部18は、車両100が自動運転車両の場合であっても、車両100の乗員に通知するために、制御情報として画像(文字)情報、音声情報、またはその両方を車両100に搭載されたディスプレイまたはスピーカ等に出力してもよい。また、車両制御部18は、車両100が手動運転車両の場合であっても、手動運転の補助のために、ステアリング、エンジンおよびブレーキ等に制御情報を出力してもよい。
情報処理装置10(ECU)は、例えば、プロセッサ(マイクロプロセッサ)、メモリ等のデジタル回路、アナログ回路、通信回路等を含む装置である。メモリは、ROM、RAM等であり、プロセッサにより実行される制御プログラム(コンピュータプログラム)を記憶することができる。例えばプロセッサが、制御プログラム(コンピュータプログラム)に従って動作することにより、情報処理装置10は各種機能(第1の取得部11、第2の取得部12、第1の判定部13、第2の判定部14、決定部15、通知部16、受信部17および車両制御部18)を実現することになる。
[2.情報処理装置の動作]
次に、情報処理装置10の動作について図2を用いて説明する。
図2は、実施の形態における情報処理装置10の動作の一例を示すフローチャートである。図2は、情報処理装置10の基本的な動作の一例を示しており、具体的な動作については、後述する第1例から第4例において説明する。
まず、第1の取得部11は、車両100の周辺の移動体の検出結果を取得する(ステップS11)。次に、第1の判定部13は、第1の取得部11が取得した検出結果に基づいて、周辺の移動体が車両100に影響を及ぼすか否か又は車両100が周辺の移動体に影響を及ぼすか否かを判定する(ステップS12)。周辺の移動体が車両100に影響を及ぼす又は車両100が周辺の移動体に影響を及ぼすと第1の判定部13が判定した場合(ステップS12でYes)、第2の取得部12は、車両100に載っている物体の状態を示す物体状態情報を取得する(ステップS13)。次に、第2の判定部14は、物体状態情報の示す物体の状態が物体又は物体の周辺に危険又は不快を招くおそれがある状態である所定の状態であるか否かを判定する(ステップS14)。物体状態情報の示す物体の状態が所定の状態であると第2の判定部14が判定した場合(ステップS14でYes)、決定部15は、車両100に又は車両100が影響を及ぼすと判定された移動体である特定の移動体に提案する動作を決定する(ステップS15)。
なお、ステップS11からステップS14の処理が行われる順序は、図2に示される順序に限らない。例えば、ステップS13、ステップS14、ステップS11、ステップS12の順序で処理が行われてもよい。また、例えば、ステップS11、ステップS13、ステップS12、ステップS14の順序で処理が行われてもよい。このとき、ステップS11とステップS13とが行われる順序が逆であってもよく、ステップS12とステップS14とが行われる順序が逆であってもよい。
したがって、周辺の移動体が車両100に影響を及ぼさない若しくは車両100が周辺の移動体に影響を及ぼさないと第1の判定部13が判定した場合(ステップS12でNo)、または、物体状態情報の示す物体の状態が所定の状態でないと第2の判定部14が判定した場合(ステップS14でNo)には、情報処理装置10は、周辺の移動体に対して何も行わない(つまり、ステップS15の処理を行わない)。
そして、通知部16は、決定部15によって決定された提案する動作に基づく通知を特定の移動体に行う(ステップS16)。
次に情報処理装置10の具体的な動作について、4つの具体例および各具体例の別の形態を示して説明する。
[3-1.第1例]
図3は、第1例における車両100内から見た走行風景を示す図である。第1例では、車両100はバスである。車両100の隣接車線において車両100の前方を移動体200a(他の車両)が走行しており、移動体200aは、車両100の前方に割り込もうとしている。また、車両100に載っている物体110a(乗員)が立っている。このような状況における情報処理装置10の動作について図4を用いて説明する。
図4は、第1例における情報処理装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、第1の判定部13は、前方車両(移動体200a)が割り込みをしようとしているか否かを判定する(ステップS21)。つまり、第1の判定部13は、移動体200aが車両100に影響を及ぼす(具体的には、移動体200aが車両100の前方に割り込んで車両100が現在行っている動作と異なる動作を行うことになる)か否かを判定する。例えば、第1の判定部13は、カメラ20の撮影により得られる画像を用いて移動体200aの車両100の走行車線側にある方向指示器が点滅しているか否かを判定することで、移動体200aが割り込みをしようとしているか否かを判定する。
第1の判定部13は、移動体200aが割り込みをしようとしていると判定した場合(ステップS21でYes)、車両100と前方車両(移動体200a)との距離が近いか否かを判定する(ステップS22)。言い換えると、第1の判定部13は、車両100と移動体200aとの距離が所定の距離以下であるか否かを判定する。なお、所定の距離は、例えば、所定の状態(ここでは立っている状態)となっている物体の数または量(ここでは乗員の数)に応じて決められてもよい。例えば、立っている状態の乗員の数が多いほど、車両100が急加速、急減速または急旋回したときの被害が大きくなり得るため、所定の距離を大きくする。つまり、被害が大きくなる可能性が高いほど所定の距離を大きくすることで、車両100が急加速、急減速または急旋回することを未然に防ぐことができる。
車両100と移動体200aとの距離が近いと第1の判定部13が判定した場合(ステップS22でYes)、第2の判定部14は、車両100内に立っている人(物体110a)がいるか否かを判定する(ステップS23)。つまり、第2の判定部14は、物体110aの状態が所定の状態(立っている状態)であるか否かを判定する。例えば、第2の判定部14は、センサ30(車内カメラ)の撮影により得られる画像を用いて車両100内に立っている人(物体110a)がいるか否かを判定する。
車両100内に立っている人(物体110a)がいると第2の判定部14が判定した場合(ステップS23でYes)、決定部15は、車両100に影響を及ぼすと判定された移動体である特定の移動体200aに提案する動作を決定し、通知部16は、決定された当該提案する動作に基づく通知を特定の移動体200aに行う。例えば、決定部15は、提案する動作として、移動体200aが車線変更をしないという動作を決定し、通知部16は、例えば、「車線変更をしないでください」という通知を移動体200aに行う。これにより、情報処理装置10は、移動体200aに割り込みを禁止させる(ステップS24)。なお、このとき、通知部16は、将来的に車両100に影響を及ぼすと推定される周辺の移動体にも割り込みを禁止させる通知をしてもよい。
なお、当該通知に対する応答がない場合、または、提案する動作を受け入れられないとする応答を受信した場合に、移動体200aが割り込んできたときには、車両100は減速しないと移動体200aに衝突するおそれがあるため、例えば、情報処理装置10の車両制御部18は、なるべく急減速しないように車両100を減速させる。
移動体200aが割り込みをしようとしていないと第1の判定部13が判定した場合(ステップS21でNo)、車両100と移動体200aとの距離が遠いと第1の判定部13が判定した場合(ステップS22でNo)、または、車両100内に立っている人(物体110a)がいないと第2の判定部14が判定した場合(ステップS23でNo)には、情報処理装置10は、周辺の移動体に対して何も行わない(つまり、ステップS24の処理を行わない)。
なお、車両100の前方において自転車(移動体200b)が走行しているため、第1の判定部13は、前方の自転車(移動体200b)が割り込みをしようとしているか否かを判定してもよい。例えば、第1の判定部13は、移動体200bの運転者の属性を判定し、当該運転者が老人であると判定して動き予測をすることで、ふらつき運転をして車両100の前方に割り込んでくると判定してもよい。この場合、例えば、決定部15は、提案する動作として、移動体200bがふらつき運転をしないという動作を決定し、通知部16は、例えば、「ふらつき運転をしないでください」という通知を移動体200bに行う。
このように、移動体200aまたは200bに割り込みを禁止させることで、車両100が急減速をすることが抑制され、物体110aに関連する危険として、例えば車両100に載っている人が転倒してしまうことを抑制できる。
[3-1a.第1例の別の形態]
状況は上述した図3に示す状況と同様であり、当該状況における情報処理装置10の動作について図5を用いて説明する。
図5は、第1例の別の形態における情報処理装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、第1の判定部13は、前方車両(移動体200a)が変更しようとしている車線を車両100が走行しているか否かを判定する(ステップS25)。つまり、第1の判定部13は、車両100が移動体200aに影響を及ぼすか否かを判定する。例えば、第1の判定部13は、カメラ20の撮影により得られる画像を用いて移動体200aの車両100の走行車線側にある方向指示器が点滅しているか否かを判定することで、移動体200aが車線変更をしようとしているか否かを判定し、これにより、前方車両が変更予定の走行車線を車両100が走行しているか否かを判定する。
第1の判定部13は、移動体200aが変更しようとしている車線を車両100が走行していると判定した場合(ステップS25でYes)、車両100と前方車両(移動体200a)との距離が近いか否かを判定する(ステップS26)。言い換えると、第1の判定部13は、車両100と移動体200aとの距離が所定の距離以下であるか否かを判定する。なお、当該所定の距離は、上述した第1例における所定の距離よりも長くてもよい。また、車両100と前方車両との距離の代わりに又はそれと共に、車両100の移動速度又は前方車両と車両100との相対速度が所定の速度以下であるかを判定してもよい。これにより、車両100の速度が遅いせいで移動体200aを待たせてしまう場合には移動体200aに先に車線変更させることができる。
車両100と移動体200aとの距離が近いと第1の判定部13が判定した場合(ステップS26でYes)、第2の判定部14は、車両100内に立っている人(物体110a)がいるか否かを判定する(ステップS27)。当該処理は、上述のステップS23と同様であるため説明を省略する。
車両100内に立っている人(物体110a)がいると第2の判定部14が判定した場合(ステップS27でYes)、決定部15は、車両100が影響を及ぼすと判定された移動体である特定の移動体200aに提案する動作を決定し、通知部16は、決定された当該提案する動作に基づく通知を特定の移動体200aに行う。例えば、決定部15は、提案する動作として、車両100が通過する前に車線変更する動作を決定し、通知部16は、例えば、「お先に車線変更をしてください」という通知を移動体200aに行う。これにより、情報処理装置10は、移動体200aに車線変更させる(ステップS28)。
なお、車両100の前方において自転車(移動体200b)が走行しているため、第1の判定部13は、車両100が前方の自転車(移動体200b)が横断しようとしている道路を走行しているか否かを判定してもよい。例えば、第1の判定部13は、移動体200bの動き予測をすることで、移動体200bが横断しようとしているか否かを判定してもよい。この場合、例えば、決定部15は、提案する動作として、移動体200bが道路を横断するという動作を決定し、通知部16は、例えば、「先に横断してください」という通知を移動体200bに行う。
このように、移動体200aまたは200bに先に動作を行わせることで、車両100が急加速をすることが抑制され、物体110aに関連する危険として、例えば車両100に載っている人が転倒してしまうことを抑制できる。それと共に、移動体200aまたは200bを待たせる時間を低減することが可能となる。
[3-2.第2例]
図6は、第2例における車両100内から見た走行風景を示す図である。第2例では、車両100は一般車両である。車両100の走行車線と交差する路地に移動体200c(他の車両)が存在しており、移動体200cは、路地から飛び出そうとしている。また、車両100に載っている物体110b(運転者)の危険度が高いとする。このような状況における情報処理装置10の動作について図7を用いて説明する。
図7は、第2例における情報処理装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、第1の判定部13は、車両(移動体200c)が飛び出そうしようとしているか否かを判定する(ステップS31)。つまり、第1の判定部13は、移動体200cが車両100に影響を及ぼす(具体的には、移動体200cが車両100の前方に飛び出して車両100が現在行っている動作と異なる動作を行うことになる)か否かを判定する。例えば、第1の判定部13は、カメラ20の撮影により得られる画像を用いて移動体200cが路地におり方向指示器が点滅しているか否かを判定することで、移動体200cが飛び出そうとしているか否かを判定する。
第1の判定部13は、移動体200cが飛び出そうとしていると判定した場合(ステップS31でYes)、車両100と路地(つまり移動体200c)との距離が近いか否かを判定する(ステップS32)。言い換えると、第1の判定部13は、車両100と移動体200cとの距離が所定の距離以下であるか否かを判定する。なお、所定の距離は、例えば、周囲の環境に応じて決められてもよい。例えば、図6に示されるように、雨(雪)等により道路がスリップしやすい環境の場合、車両100が急加速、急減速または急旋回したときの被害が大きくなり得るため、所定の距離を大きくする。つまり、被害が大きくなる可能性が高いほど所定の距離を大きくすることで、車両100が急加速、急減速または急旋回することを未然に防ぐことができる。
車両100と路地との距離が近いと第1の判定部13が判定した場合(ステップS32でYes)、第2の判定部14は、運転者(物体110b)の危険度が高いか否かを判定する(ステップS33)。つまり、第2の判定部14は、物体110bの状態が所定の状態(危険度が高い状態)であるか否かを判定する。例えば、第2の判定部14は、センサ30(車内カメラ)の撮影により得られる画像を用いて運転者の眠気または疲労度が高いか否かを判定することで、運転者(物体110b)の危険度が高いか否かを判定する。
運転者(物体110b)の危険度が高いと第2の判定部14が判定した場合(ステップS33でYes)、決定部15は、車両100に影響を及ぼすと判定された移動体である特定の移動体200cに提案する動作を決定し、通知部16は、決定された当該提案する動作に基づく通知を特定の移動体200cに行う。例えば、決定部15は、提案する動作として、移動体200cが停止するという動作を決定し、通知部16は、例えば、「停止してください」という通知を移動体200cに行う。これにより、情報処理装置10は、移動体200cに飛び出しを禁止させる(ステップS34)。
なお、当該通知に対する応答がない場合、または、提案する動作を受け入れられないとする応答を受信した場合に、移動体200cが飛び出してきたときには、車両100は減速しないと移動体200cに衝突するおそれがあるため、例えば、情報処理装置10の車両制御部18は、なるべく急減速しないように車両100を減速させる。
移動体200cが飛び出そうとしていないと第1の判定部13が判定した場合(ステップS31でNo)、車両100と路地との距離が遠いと第1の判定部13が判定した場合(ステップS32でNo)、または、運転者(物体110b)の危険度が低いと第2の判定部14が判定した場合(ステップS33でNo)には、情報処理装置10は、周辺の移動体に対して何も行わない(つまり、ステップS34の処理を行わない)。
なお、第2例では、車両100の前方に移動体200d(人)が存在しており、移動体200dは、歩道から車道へ飛び出そうとしている。このような状況における情報処理装置10の動作について図8を用いて説明する。
図8は、第2例における情報処理装置10の動作の他の一例を示すフローチャートである。
まず、第1の判定部13は、人(移動体200d)が車道へ飛び出そうとしているか否かを判定する(ステップS41)。つまり、第1の判定部13は、移動体200dが車両100に影響を及ぼす(具体的には、移動体200dが車道へ飛び出して車両100が現在行っている動作と異なる動作を行うことになる)か否かを判定する。例えば、第1の判定部13は、カメラ20の撮影により得られる画像を用いて、移動体200dが車道の傍で携帯端末等を操作しており、周囲への注意力が散漫となっているか否かを判定することで、移動体200dが車道へ飛び出そうとしているか否かを判定する。
第1の判定部13は、移動体200dが車道へ飛び出そうとしていると判定した場合(ステップS41でYes)、車両100と人(移動体200d)との距離が近いか否かを判定する(ステップS42)。言い換えると、第1の判定部13は、車両100と移動体200cとの距離が所定の距離以下であるか否かを判定する。
車両100と人(移動体200d)との距離が近いと第1の判定部13が判定した場合(ステップS42でYes)、第2の判定部14は、運転者(物体110b)の危険度が高いか否かを判定する(ステップS43)。
運転者(物体110b)の危険度が高いと第2の判定部14が判定した場合(ステップS43でYes)、通知部16は、人(移動体200d)が有する通信デバイスを介して通信可能か否かを判定する(ステップS44)。例えば、通知部16は、移動体200dへ向けて、受信した場合に応答させる信号を送信し、移動体200dが有する通信デバイスから応答があったか否かを判定することで、移動体200dが有する通信デバイスを介して通信可能か否かを判定する。
人(移動体200d)が有する通信デバイスを介して通信可能と通知部16が判定した場合(ステップS44でYes)、決定部15は、車両100に影響を及ぼすと判定された移動体である特定の移動体200dに提案する動作を決定し、通知部16は、決定された当該提案する動作に基づく通知を特定の移動体200dに行う。例えば、決定部15は、提案する動作として、移動体200dが停止するという動作を決定し、通知部16は、例えば、移動体200dを停止させるために、通信デバイスを振動させたり、通信デバイスから「停止してください」というような音声を出力させたり、通信デバイスを光らせたりする。これにより、情報処理装置10は、移動体200dに通信デバイスを介して飛び出しを禁止させる(ステップS45)。
一方、通知部16は、人(移動体200d)が有する通信デバイスを介して通信不可能と判定した場合(ステップS44でNo)、人(移動体200d)の近傍に通信可能な通信デバイスを有する人がいるか否かを判定する(ステップS46)。例えば、通知部16は、移動体200dの周辺へ向けて、受信した場合に応答させる信号を送信し、人(移動体200d)の近傍にいる人が有する通信デバイスから応答があったか否かを判定することで、移動体200dの近傍に通信可能な通信デバイスを有する人がいるか否かを判定する。
人(移動体200d)の近傍に通信可能な通信デバイスを有する人がいると通知部16が判定した場合(ステップS46でYes)、決定部15は、車両100に影響を及ぼすと判定された移動体である特定の移動体200dに提案する動作を決定し、通知部16は、決定された当該提案する動作に基づく通知を特定の移動体200dの近傍にいる人に行う。例えば、決定部15は、提案する動作として、移動体200dが停止するという動作を決定し、通知部16は、例えば、移動体200dを停止させるために、近傍の人の通信デバイスから「隣の人を停止させてください」というような音声を出力させたり、画像を表示させたりする。これにより、情報処理装置10は、近傍にいる人経由で移動体200dに飛び出しを禁止させる(ステップS47)。
移動体200dが車道へ飛び出そうとしていないと第1の判定部13が判定した場合(ステップS41でNo)、車両100と人との距離が遠いと第1の判定部13が判定した場合(ステップS42でNo)、または、運転者(物体110b)の危険度が低いと第2の判定部14が判定した場合(ステップS43でNo)には、情報処理装置10は、周辺の移動体に対して何も行わない(つまり、ステップS45またはステップS47の処理を行わない)。また、人(移動体200d)の近傍に通信可能な通信デバイスを有する人がいないと通知部16が判定した場合(ステップS46でNo)、車両100は減速しないと移動体200dに衝突するおそれがあるため、例えば、情報処理装置10の車両制御部18は、なるべく急減速しないように車両100を減速させる。
このように、移動体200cまたは200dに飛び出しを禁止させることで、車両100が急減速をすることが抑制されるため、物体110bに関連する危険として、例えば危険度が高い(眠気または疲労度が高い)運転者が急減速をするという判断が遅れて事故が発生してしまうことを抑制できる。
[3-2a.第2例の別の形態]
状況は上述した図6に示す状況と同様であり、当該状況における情報処理装置10の動作について図9を用いて説明する。
図9は、第2例の別の形態における情報処理装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、第1の判定部13は、別の車両(移動体200c)が左折して合流しようとしている道路を車両100が走行しているか否かを判定する(ステップS35)。つまり、第1の判定部13は、車両100が移動体200cに影響を及ぼすか否かを判定する。例えば、第1の判定部13は、カメラ20の撮影により得られる画像を用いて移動体200cが路地におり、方向指示器が点滅しているか否かを判定することで、移動体200cが左折して合流しようとしているか否かを判定し、これにより、別の車両が合流予定の道路を車両100が走行しているか否かを判定する。
第1の判定部13は、移動体200cが左折して合流しようとしている道路を車両100が走行していると判定した場合(ステップS35でYes)、車両100と路地(つまり移動体200c)との距離が近いか否かを判定する(ステップS36)。言い換えると、第1の判定部13は、車両100と移動体200cとの距離が所定の距離以下であるか否かを判定する。なお、当該所定の距離は、上述した第2例における所定の距離よりも長くてもよい。また、車両100と前方車両(移動体200c)との距離の代わりに又はそれと共に、車両100の移動速度又は前方車両と車両100との相対速度が所定の速度以下であるかを判定してもよい。これにより、車両100の速度が遅いせいで移動体200cを待たせてしまう場合には移動体200cに先に左折させることができる。
車両100と路地との距離が近いと第1の判定部13が判定した場合(ステップS36でYes)、第2の判定部14は、運転者(物体110b)の危険度が高いか否かを判定する(ステップS37)。当該処理は、上述のステップS33と同様であるため説明を省略する。
運転者(物体110b)の危険度が高いと第2の判定部14が判定した場合(ステップS36でYes)、決定部15は、車両100が影響を及ぼすと判定された移動体である特定の移動体200cに提案する動作を決定し、通知部16は、決定された当該提案する動作に基づく通知を特定の移動体200cに行う。例えば、決定部15は、提案する動作として、移動体200cが右折するという動作を決定し、通知部16は、例えば、「お先に左折してください」という通知を移動体200cに行う。これにより、情報処理装置10は、移動体200cに左折を促す(ステップS38)。
このように、移動体200cに先に左折させることで、車両100が急加速をすることが抑制される。それにより、物体110bに関連する危険として、危険度が高いすなわち眠気または疲労度が高いせいで判断が遅れた運転者が焦って操作することにより事故が発生してしまうことを抑制できる。それと共に、移動体200cを待たせる時間を低減することが可能となる。
[3-3.第3例]
図10は、第3例における車両100内から見た走行風景を示す図である。第3例では、車両100は一般車両である。車両100の走行車線において車両100の前方を移動体200e(他の車両)が走行している。また、車両100に載っている物体110c(乗員)がシートベルトを正常に着用できていないとする。このような状況における情報処理装置10の動作について図11を用いて説明する。
図11は、第3例における情報処理装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、第1の判定部13は、車両100と前方車両(移動体200e)との車間距離が近いか否かを判定する(ステップS51)。言い換えると、第1の判定部13は、車両100と移動体200eとの距離が所定の距離以下であるか否かを判定する。なお、所定の距離は、例えば、周囲の環境、または、所定の状態(ここではシートベルトを正常に着用できていない状態)となっている物体の数または量(ここでは乗員の数)に応じて決められてもよい。例えば、第1の判定部13は、カメラ20の撮影により得られる画像を用いて車両100と移動体200eとの車間距離を測定することで、車両100と移動体200eとの車間距離が近いか否かを判定する。
車両100と前方車両(移動体200e)との距離が近いと第1の判定部13が判定した場合(ステップS51でYes)、第2の判定部14は、シートベルトを正常に着用できていない乗員(物体110c)がいるか否かを判定する(ステップS52)。つまり、第2の判定部14は、物体110cの状態が所定の状態(シートベルトを正常に着用できていない状態)であるか否かを判定する。例えば、第2の判定部14は、センサ30(車内カメラ)の撮影により得られる画像を用いてシートベルトを正常に着用できていない乗員(物体110c)がいるか否かを判定する。
シートベルトを正常に着用できしていない乗員(物体110c)がいると第2の判定部14が判定した場合(ステップS52でYes)、決定部15は、車両100に影響を及ぼすと判定された移動体である特定の移動体200eに提案する動作を決定し、通知部16は、決定された当該提案する動作に基づく通知を特定の移動体200eに行う。例えば、決定部15は、提案する動作として、移動体200eが加速するという動作を決定し、通知部16は、例えば、「加速してください」という通知を移動体200eに行う。これにより、情報処理装置10は、車両100と移動体200eに車両100との車間距離を大きくさせる(ステップS53)。なお、どの程度の車間距離にさせるかは、例えば、周囲の環境、または、所定の状態(ここではシートベルトを正常に着用できていない状態)となっている物体の数または量(ここでは乗員の数)に応じて決められてもよい。また、決定部15は、提案する動作として、移動体200eがこれ以上減速しないという動作を決定し、通知部16は、例えば、「減速しないでください」という通知を移動体200eに行ってもよい。
なお、当該通知に対する応答がない場合、または、提案する動作を受け入れられないとする応答を受信した場合に、移動体200eが接近してきたときには、車両100は減速しないと移動体200aに衝突するおそれがあるため、例えば、情報処理装置10の車両制御部18は、なるべく急減速しないように車両100を減速させる。
車両100と前方車両(移動体200e)との距離が遠いと第1の判定部13が判定した場合(ステップS51でNo)、または、シートベルトを正常に着用できていない乗員(物体110c)がいないと第2の判定部14が判定した場合(ステップS52でNo)、には、情報処理装置10は、周辺の移動体に対して何も行わない(つまり、ステップS53の処理を行わない)。
なお、車両100の後方において後方車両(移動体200f)が走行しているため、第1の判定部13は、車両100と後方車両(移動体200f)との車間距離が近いか否かを判定してもよい。この場合、例えば、決定部15は、提案する動作として、移動体200fが減速するという動作を決定し、通知部16は、例えば、「減速してください」という通知を移動体200fに行う。
このように、移動体200eまたは200fに車両100との車間距離を大きくさせることで、車両100が急減速または急加速をすることが抑制され、物体110cに関連する危険として、例えばシートベルトを正常に着用できていない人が危険に陥ることを抑制できる。
[3-3a.第3例の別の形態]
状況は上述した図10に示す状況と同様であり、当該状況における情報処理装置10の動作について図12を用いて説明する。
図12は、第3例の別の形態における情報処理装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、第1の判定部13は、車両100と後方車両(移動体200f)との車間距離が近いか否かを判定する(ステップS54)。言い換えると、第1の判定部13は、車両100が移動体200fに影響を及ぼすか否かを判定する。具体的には、第1の判定部13は、車両100と移動体200fとの距離が所定の距離以下であるか否かを判定する。なお、当該所定の距離は、上述した第3例における所定の距離よりも長くてもよい。また、車両100と移動体200fとの距離の代わりに又はそれと共に、車両100の移動速度又は移動体200fと車両100との相対速度が所定の速度以下であるかを判定してもよい。これにより、車両100の速度が遅いせいで移動体200fを待たせてしまう場合には移動体200cに追い越させることができる。
車両100と後方車両(移動体200f)との距離が近いと第1の判定部13が判定した場合(ステップS54でYes)、第2の判定部14は、シートベルトを正常に着用できていない乗員(物体110c)がいるか否かを判定する(ステップS55)。当該処理は、上述のステップS52と同様であるため説明を省略する。
シートベルトを正常に着用できしていない乗員(物体110c)がいると第2の判定部14が判定した場合(ステップS55でYes)、決定部15は、車両100が影響を及ぼすと判定された移動体である特定の移動体200fに提案する動作を決定し、通知部16は、決定された当該提案する動作に基づく通知を特定の移動体200eに行う。例えば、決定部15は、提案する動作として、移動体200fが追い越しするという動作を決定し、通知部16は、例えば、「お先にどうぞ」という通知を移動体200eに行う。これにより、情報処理装置10は、移動体200fに車両100を追い越しさせる(ステップS56)。なお、決定部15は、移動体200fに追い越しさせる動作を決定するとともに、車両100を減速させる動作を決定してもよい。
このように、移動体200fに車両100を追い越させることで、車両100が急加速をすることが抑制され、物体110cに関連する危険として、例えばシートベルトを正常に着用できていない人が危険に陥る又は不快になることを抑制できる。それと共に、移動体200fを車両100の後ろで待たせる時間を低減することが可能となる。
[3-4.第4例]
図13は、第4例における車両100内から見た走行風景を示す図である。第4例では、車両100はトラックである。車両100の走行車線と交差する路地に移動体200g(他の車両)が存在しており、移動体200gは、路地から飛び出そうとしている。また、図13では、バックミラーの大部分に物体110d(積載物)が映っており、車両100に載っている積載物が車両100の運転者の視界を遮っている。このような状況における情報処理装置10の動作について図14を用いて説明する。
図14は、第4例における情報処理装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、第1の判定部13は、車両(移動体200g)が飛び出そうしようとしているか否かを判定する(ステップS61)。つまり、第1の判定部13は、移動体200gが車両100に影響を及ぼす(具体的には、移動体200gが車両100の前方に飛び出して車両100が現在行っている動作と異なる動作を行うことになる)か否かを判定する。例えば、第1の判定部13は、カメラ20の撮影により得られる画像を用いて移動体200gが路地におり方向指示器が点滅しているか否かを判定することで、移動体200gが飛び出そうとしているか否かを判定する。なお、車両100からは路地から移動体200gが飛び出そうとしているかが見えない場合がある。したがって、情報処理装置10は、当該路地の状況を確認できる他の移動体300から車両(移動体200g)が飛び出そうしようとしているか否かを示す情報を取得することで、第1の判定部13は、車両(移動体200g)が飛び出そうしようとしているか否かを判定してもよい。
第1の判定部13は、移動体200gが飛び出そうとしていると判定した場合(ステップS61でYes)、車両100と路地(つまり移動体200g)との距離が近いか否かを判定する(ステップS62)。言い換えると、第1の判定部13は、車両100と移動体200gとの距離が所定の距離以下であるか否かを判定する。なお、所定の距離は、例えば、周囲の環境に応じて決められてもよい。
車両100と路地との距離が近いと第1の判定部13が判定した場合(ステップS62でYes)、第2の判定部14は、積載物(物体110d)が運転者の視界を遮っているか否かを判定する(ステップS63)。つまり、第2の判定部14は、物体110dの状態が所定の状態(運転者の視界を遮っている状態)であるか否かを判定する。例えば、第2の判定部14は、センサ30(車内カメラ)の撮影により得られる画像を用いて、積載物(物体110d)が運転者の視界を遮っているか否かを判定する。
積載物(物体110d)が運転者の視界を遮っていると第2の判定部14が判定した場合(ステップS63でYes)、決定部15は、車両100に影響を及ぼすと判定された移動体である特定の移動体200gに提案する動作を決定し、通知部16は、決定された当該提案する動作に基づく通知を特定の移動体200gに行う。例えば、決定部15は、提案する動作として、移動体200gが停止するという動作を決定し、通知部16は、例えば、「停止してください」という通知を移動体200gに行う。これにより、情報処理装置10は、移動体200gに飛び出しを禁止させる(ステップS64)。
なお、当該通知に対する応答がない場合、または、提案する動作を受け入れられないとする応答を受信した場合に、移動体200gが飛び出してきたときには、車両100は減速しないと移動体200gに衝突するおそれがあるため、例えば、情報処理装置10の車両制御部18は、なるべく急減速しないように車両100を減速させる。
移動体200gが飛び出そうとしていないと第1の判定部13が判定した場合(ステップS61でNo)、車両100と路地との距離が遠いと第1の判定部13が判定した場合(ステップS62でNo)、または、積載物(物体110d)が運転者の視界を遮っていないと第2の判定部14が判定した場合(ステップS63でNo)には、情報処理装置10は、周辺の移動体に対して何も行わない(つまり、ステップS64の処理を行わない)。
このように、移動体200gに飛び出しを禁止させることで、車両100が急減速をすることが抑制されるため、物体110dに関連する危険として、例えば物体110dによって運転者から見えていない車両100の後方に存在する車両が、車両100に追突してしまうことを抑制できる。
[3-4a.第4例の別の形態]
状況は物体110dの状態以外は上述した図13に示す状況と同様である。本事例では、物体110dが固定されていない。当該状況における情報処理装置10の動作について図15を用いて説明する。
図15は、第4例の別の形態における情報処理装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、第1の判定部13は、別の車両(移動体200g)が右折して合流しようとしている道路を車両100が走行しているか否かを判定する(ステップS65)。つまり、第1の判定部13は、車両100が移動体200gに影響を及ぼすか否かを判定する。
第1の判定部13は、移動体200gが右折して合流しようとしている道路を車両100が走行していると判定した場合(ステップS65でYes)、車両100と路地(つまり移動体200g)との距離が近いか否かを判定する(ステップS66)。言い換えると、第1の判定部13は、車両100と移動体200gとの距離が所定の距離以下であるか否かを判定する。なお、当該所定の距離は、上述した第4例における所定の距離よりも長くてもよい。また、車両100と移動体200gとの距離の代わりに又はそれと共に、車両100の移動速度又は移動体200gと車両100との相対速度が所定の速度以下であるかを判定してもよい。これにより、車両100の速度が遅いせいで移動体200gを待たせてしまう場合には移動体200gに先に合流させることができる。
車両100と路地との距離が近いと第1の判定部13が判定した場合(ステップS66でYes)、第2の判定部14は、積載物(物体110d)が固定されているか否かを判定する(ステップS67)。つまり、第2の判定部14は、物体110dの状態が所定の状態(可動状態)であるか否かを判定する。例えば、第2の判定部14は、センサ30(車内カメラ)の撮影により得られる画像を用いて、積載物(物体110d)が拘束具で固定されているか否かを判定する。
積載物(物体110d)が固定されていないと第2の判定部14が判定した場合(ステップS67でNo)、決定部15は、車両100が影響を及ぼすと判定された移動体である特定の移動体200gに提案する動作を決定し、通知部16は、決定された当該提案する動作に基づく通知を特定の移動体200gに行う。例えば、決定部15は、提案する動作として、移動体200gが右折するという動作を決定し、通知部16は、例えば、「お先に右折してください」という通知を移動体200gに行う。これにより、情報処理装置10は、移動体200gに先に右折させる(ステップS68)。
このように、移動体200gに先に右折させることで、車両100が急加速をすることが抑制されるため、物体110dに関連する危険として、例えば物体110dが急加速により落下することを抑制できる。それと共に、移動体200gを待たせる時間を低減することが可能となる。
[4.効果等]
以上説明したように、例えば、車両100に載っている物体の状態が所定の状態である場合に、特定の移動体によって車両100が影響を及ぼされたとき又は車両100が特定の移動体に影響を及ぼすときには、当該影響を緩和するために車両100は急加速、急減速または急旋回等をする必要があり、物体に関連する危険な状態が発生し得るが、本開示では、特定の移動体によって車両100が影響を及ぼされないような動作、つまり、物体に関連する危険な状態が発生しないような動作をするように特定の移動体に提案できるため、物体が載っている車両100は急加速、急減速または急旋回等をする必要がなくなる。したがって、より効果的に危険又は不快な状況を予防できる。
また、決定された提案する動作に基づく通知を特定の移動体にすることで、車両100は現在行っている動作を維持することができ、具体的には、車両100の加速度または角速度が所定の閾値以上になることが抑制されるため、物体に関連する危険又は不快な状態が発生することを抑制できる。また、車両100が、特定の移動体が走行する道路を横断しようとしており、特定の移動体が将来行う予定の動作(例えば、直進)を中止させる(例えば停止させる)場合、車両100は加速して特定の移動体に停止させない若しくはなるべく停止させる時間を減らすように、加速することが考えられる。しかし、決定された提案する動作に基づく通知を特定の移動体にすることで、例えば、特定の移動体に車両100よりも先に道路を横断させることができるため、車両100が加速せずに、物体に関連する危険又は不快な状態が発生することを抑制できる。
例えば、物体に関連する危険又は不快な状態として、立っている乗員、固定器具に掴まっていない乗員、シートベルトを正常に着用できていない乗員または乗員が保持している子供が危険に陥ることを抑制できる。また、例えば、物体に関連する危険又は不快な状態として、不安定な状態の積載物または運転者の視界を遮っている積載物によって周辺に危険又は不快を招くことを抑制できる。
また、例えば、物体に関連する危険又は不快な状況による被害又は影響は、物体の数または量が多いほど大きくなり得る。したがって、所定の状態となっている物体の数または量に応じた提案する動作を決定することで、より効果的に危険又は不快な状況を予防できる。
また、特定の移動体への通知に対する応答によっては、車両100は危険又は不快な状況の予防のために車両制御を行わなければならない場合がある。したがって、当該応答に応じて車両100を制御することで、より効果的に危険又は不快な状況を予防できる。
また、特定の移動体が他の車両の場合に、当該他の車両の移動制御に基づく通知を当該他の車両に行うことで、より効果的に危険又は不快な状況を予防できる。また、特定の移動体が人の場合に、当該人の移動または停止に基づく通知を当該人に行うことで、より効果的に危険を予防又は不快な状況できる。また、通知が提案する動作を実現するための制御情報であることで、提案する動作を実現するために、制御情報によって特定の移動体(例えば他の車両)を制御できる。
(その他の実施の形態)
以上、本開示の情報処理装置10について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、および、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
例えば、第2の判定部14が判定する所定の状態は、車両100の荷台に、荷台を囲うアオリがない状態であってもよい。この場合、積載物が荷台から落下して周辺に危険を及ぼすおそれがある。
また、例えば、通知部16が行う通知は、車両100の状態(例えば急加速、急減速または急旋回できない状態)の通知であってもよい。
また、例えば、通知部16は、車両100と特定の移動体との距離が所定の距離以下であると第1の判定部13が判定した場合に特定の移動体に通知を行うが、当該所定の距離は、車両100の位置に応じて決められてもよい。例えば、第1の判定部13が、車両100が現在交差点付近にいることを判定した場合には、当該所定の距離は大きくされる。これは、交差点付近では、車両100が急加速、急減速または急旋回等をする可能性が高いためである。第1の判定部31は、車両100が現在交差点付近にいることを、例えば、カメラ20の撮影により得られる画像を用いた機械学習、インフラ(路側機等)もしくはGPSから取得した情報、または、他の車両から取得した情報等を用いて判定する。
上述した実施の形態では、車両100に搭載された情報処理装置10が処理を行う例を説明したが、路側機などのインフラが処理を行ってもよい。例えば、情報処理装置10は、決定部15で決定された提案する動作を示す情報及び動作の通知先を示す情報をインフラへ提供し、インフラが通知先に対して提案する動作を通知してよい。また、情報処理装置10は、カメラ20及びセンサ30から得られるデータをインフラへ提供し、インフラにおいて第1の判定部13、第2の判定部14、決定部15、通知部16の処理に相当する処理が実行されてもよい。
なお、本開示は、情報処理装置10として実現できるだけでなく、情報処理装置10を構成する各構成要素が行うステップ(処理)を含む情報処理方法として実現できる。
具体的には、当該情報処理方法は、プロセッサを用いて、車両の周辺の移動体の検出結果を取得し、前記車両に載っている物体の状態を示す物体状態情報を取得し、前記検出結果に基づいて、前記移動体が前記車両に影響を及ぼすか否か、又は前記車両が前記移動体に影響を及ぼすか否か、を判定し、前記物体状態情報の示す前記物体の状態が前記物体又は前記物体の周辺に危険又は不快を招くおそれがある状態である所定の状態であるかを判定し、前記判定結果に基づいて前記移動体に提案する動作であって、前記移動体が前記車両に及ぼす影響又は前記車両が前記移動体に及ぼす影響を少なくとも緩和するための動作を決定し、前記移動体が前記車両に影響を及ぼすと判定された場合又は前記車両が前記移動体に影響を及ぼすと判定された場合、かつ前記物体の状態が前記所定の状態であると判定される場合、決定された前記提案する動作に基づく通知を前記移動体に行う。
例えば、それらのステップは、コンピュータ(コンピュータシステム)によって実行されてもよい。そして、本開示は、それらの方法に含まれるステップを、コンピュータに実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本開示は、そのプログラムを記録したCD-ROM等である非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
例えば、本開示が、プログラム(ソフトウェア)で実現される場合には、コンピュータのCPU、メモリおよび入出力回路等のハードウェア資源を利用してプログラムが実行されることによって、各ステップが実行される。つまり、CPUがデータをメモリまたは入出力回路等から取得して演算したり、演算結果をメモリまたは入出力回路等に出力したりすることによって、各ステップが実行される。
また、上記実施の形態の情報処理装置10に含まれる複数の構成要素は、それぞれ、専用または汎用の回路として実現されてもよい。これらの構成要素は、1つの回路として実現されてもよいし、複数の回路として実現されてもよい。
また、上記実施の形態の情報処理装置10に含まれる複数の構成要素は、集積回路(IC:Integrated Circuit)であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらの構成要素は、個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。LSIは、集積度の違いにより、システムLSI、スーパーLSIまたはウルトラLSIと呼称される場合がある。
また、集積回路はLSIに限られず、専用回路または汎用プロセッサで実現されてもよい。プログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、または、LSI内部の回路セルの接続および設定が再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサが、利用されてもよい。
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。