JP7166495B1 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

インクジェット記録装置は、搬送部と、キャリッジと、一または複数のインクヘッドと、処理ヘッドと、前処理ヘッドと、後処理ヘッドとを備える。前記搬送部は、記録媒体を所定の搬送方向に搬送する。前記キャリッジは、前記搬送方向と交差する主走査方向に往復移動する。前記複数のインクヘッドは、前記キャリッジに搭載され、インクをそれぞれ吐出する。前処理ヘッドは、前記搬送方向において前記複数のインクヘッドに対して上流側に配置され、非発色性の前処理液を吐出する。後処理ヘッドは、前記搬送方向において前記複数のインクヘッドに対して下流側に配置され、非発色性の後処理液を吐出する。前記複数のインクヘッドは、前記搬送方向に並んで配置され互いに同じ色のインクを吐出する複数の同色インクヘッドを含む。

Description

本開示は、主走査方向に移動するキャリッジに搭載されたインクヘッドを備えたインクジェット記録装置に関する。
インクジェット式プリンター等のインクジェット記録装置は、画像形成用のインクを記録媒体に向けて吐出するインクヘッドを備える。例えば、記録媒体が織物や編物等の繊維シートやプラスチックシートである場合、インクを記録媒体へ向けて吐出させる前・後に、当該記録媒体に対して前処理液・後処理液の施与が必要となる場合がある(例えば特許文献1)。前処理液は、例えば記録媒体へのインクの定着性やインク顔料の凝集性を向上させるための処理液である。後処理液は、例えば印刷された画像の堅牢性を高める処理液である。この場合、インクジェット記録装置には、インクヘッドに加えて、前処理液及び後処理液を吐出する処理ヘッドが備えられる。
記録媒体が広幅のものである場合、上記のインクヘッド及び各処理ヘッドは、主走査方向に往復移動するキャリッジに搭載される。記録処理に際しては、記録媒体は所定の搬送方向(副走査方向)に間欠送りされ、当該記録媒体の停止中にキャリッジが主走査方向に往復移動される。キャリッジの移動時、インクヘッド及び各処理ヘッドから各々インク及び処理液が吐出される。
特開2019-147307号公報
本開示の一の局面に係るインクジェット記録装置は、搬送部と、キャリッジと、一または複数のインクヘッドと、処理ヘッドと、少なくとも一つの前処理ヘッドと、少なくとも一つの後処理ヘッドとを備える。前記搬送部は、記録媒体を所定の搬送方向に搬送する。前記キャリッジは、前記搬送方向と交差する主走査方向に往復移動する。前記複数のインクヘッドは、前記キャリッジに搭載され、インクをそれぞれ吐出する。前記少なくとも一つの前処理ヘッドは、前記搬送方向において前記複数のインクヘッドに対して上流側に配置され、非発色性の前処理液を吐出する。前記少なくとも一つの後処理ヘッドは、前記搬送方向において前記複数のインクヘッドに対して下流側に配置され、非発色性の後処理液を吐出する。前記複数のインクヘッドは、前記搬送方向に並んで配置され互いに同じ色のインクを吐出する複数の同色インクヘッドを含む。
図1は、本開示の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成を示す斜視図である。 図2は、図1のII-II線の模式的な断面図である。 図3は、図1に示すキャリッジの拡大斜視図である。 図4は、本開示の第1実施形態で採用されているシリアル印刷方式を示す模式図である。 図5Aは、キャリッジの往路及び復路での印刷状況を示す模式図である。 図5Bは、キャリッジの往路及び復路での印刷状況を示す模式図である。 図6は、図3に示すキャリッジ上のインクヘッド及び処理ヘッドの配置を概略的に示す平面図である。 図7は、図6に示すインクヘッド及び処理ヘッドのノズルの位置関係を概略的に示す平面図である。 図8は、本開示の第1実施形態に係るインクジェット記録装置のブロック図である。 図9は、本開示の第1実施形態に係るインクジェット記録装置における上流側インクヘッドおよび下流側インクヘッドを示す模式的な平面図である。 図10は、本開示の第1実施形態に係るインクジェット記録装置において、ヘッド境界付近における画像ドット上のインクおよび各処理液の着弾を説明する模式図である。 図11は、本開示の第1実施形態に係るインクジェット記録装置において、ヘッド境界付近における画像ドット上のインクおよび各処理液の着弾を説明する模式図である。 図12は、本開示の第2実施形態に係るインクジェット記録装置における上流側インクヘッドおよび下流側インクヘッドを示す模式的な平面図である。 図13は、本開示の第3実施形態に係るインクジェット記録装置におけるキャリッジ上のインクヘッド及び処理ヘッドの配置を概略的に示す平面図である。 図14は、本開示の第4実施形態に係るインクジェット記録装置におけるキャリッジ上のインクヘッド及び処理ヘッドの配置を概略的に示す平面図である。 図15は、本開示の第5実施形態に係るインクジェット記録装置におけるキャリッジ上のインクヘッド及び処理ヘッドの配置を概略的に示す平面図である。 図16は、本開示の第6実施形態に係るインクジェット記録装置におけるキャリッジ上のインクヘッド及び処理ヘッドの配置を概略的に示す平面図である。 図17は、本開示の第6実施形態に係るインクジェット記録装置におけるキャリッジ上のインクヘッド、処理ヘッドおよびサブタンクの配置を概略的に示す平面図である。 図18は、本開示の各実施形態と比較される他のインクジェット記録装置におけるキャリッジ上のインクヘッド及び処理ヘッドの配置を概略的に示す平面図である。 図19は、図18に示すインクジェット記録装置において、ヘッド境界付近における画像ドット上のインクおよび各処理液の着弾を説明する模式図である。 図20は、図18に示すインクジェット記録装置において、ヘッド境界付近における画像ドット上のインクおよび各処理液の着弾を説明する模式図である。 図21は、本開示の各実施形態と比較される他のインクジェット記録装置におけるキャリッジ上のインクヘッド及び処理ヘッドの配置を概略的に示す平面図である。
以下、図面を参照しつつ、本開示の各実施形態に係るインクジェット記録装置ついて説明する。これらの実施形態では、インクジェット記録装置の具体例として、広幅で長尺の記録媒体に画像形成用のインクを吐出するインクヘッドを備えたインクジェット式プリンターを例示する。インクジェット式プリンターは、織物や編物等の生地からなる記録媒体に、文字類や模様等の画像をインクジェット方式で印刷するデジタル捺染印刷に好適である。もちろん、本開示に係るインクジェット記録装置は、紙シートや樹脂シート等の記録媒体に各種のインクジェット画像を印刷する用途にも用いることができる。
[インクジェット式プリンターの全体構成]
図1は、本開示の第1実施形態に係るインクジェット式プリンター1の全体構成を示す斜視図、図2は、図1のII-II線の模式的な断面図である。インクジェット式プリンター1は、広幅且つ長尺のワークW(記録媒体)にインクジェット方式で画像を印刷するプリンターであって、装置フレーム10と、この装置フレーム10に組み込まれたワーク搬送部20(搬送部)及びキャリッジ3とを含む。なお、本実施形態では、左右方向がワークWに対する印刷の際の主走査方向S(図3)、後方から前方に向かう方向が副走査方向(ワークWの搬送方向F)である。
装置フレーム10は、インクジェット式プリンター1の各種構成部材を搭載するための骨組みを形成している。ワーク搬送部20は、インクジェット印刷処理が行われる印刷領域においてワークWが、後方から前方に向かう搬送方向Fに進行するように、当該ワークWを間欠送りする(搬送する)機構である。キャリッジ3は、インクヘッド4、前処理ヘッド5、後処理ヘッド6及びサブタンク7を搭載し、前記インクジェット印刷処理の際にワークWの搬送方向Fと交差する主走査方向S(左右方向)に往復移動する。
装置フレーム10は、中央フレーム111、右フレーム112及び左フレーム113を含む。中央フレーム111は、インクジェット式プリンター1の各種構成部材を搭載するための骨組みを形成しており、ワーク搬送部20に応じた左右幅を有している。右フレーム112及び左フレーム113は、それぞれ中央フレーム111の右隣、左隣に立設されている。右フレーム112と左フレーム113との間が、ワークWに対して印刷処理が実行される印刷エリア12である。
右フレーム112は、メンテナンスエリア13を形成する。メンテナンスエリア13は、前記印刷処理が実行されないときに、キャリッジ3を退避させるエリアである。メンテナンスエリア13では、インクヘッド4、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6のノズル(吐出孔)のクリーニング処理、パージ処理等が行われ、またキャップが被嵌される。左フレーム113は、キャリッジ3の折り返しエリア14を形成する。折り返しエリア14は、前記印刷処理において右方から左方へ印刷エリア12を主走査したキャリッジ3が、逆方向の主走査を行う際に一時的に入る領域である。
装置フレーム10の上方側には、キャリッジ3に左右方向の往復移動を行わせるためのキャリッジガイド15が組み付けられている。キャリッジガイド15は、左右方向に長い平板状の部材であり、ワーク搬送部20の上方に配置されている。キャリッジガイド15には、タイミングベルト16(移動部材)が左右方向(主走査方向)に周回移動が可能に組み付けられている。タイミングベルト16は、無端ベルトであって、後記のキャリッジ駆動部3Sによって、左方向又は右方向に周回移動するよう駆動される。
キャリッジガイド15には、キャリッジ3を主走査方向Sに往復移動が可能な状態で保持する上下一対のガイドレール17(保持部材)が、左右方向に平行に延在するように装備されている。キャリッジ3は、ガイドレール17と係合している。また、キャリッジ3は、タイミングベルト16に固定されている。キャリッジ3は、タイミングベルト16の左方向又は右方向の周回移動に伴って、ガイドレール17に案内されつつ、キャリッジガイド15に沿って左方向又は右方向に移動する。
図2を主に参照して、ワーク搬送部20は、印刷前のワークWを繰り出す送り出しローラー21と、印刷後のワークWを巻き取る巻き取りローラー22とを含む。送り出しローラー21は、装置フレーム10の後方下部に配置され、印刷前のワークWの巻回体である送り出しロールWAの巻き取り軸である。巻き取りローラー22は、装置フレーム10の前方下部に配置され、印刷処理後のワークWの巻回体である巻き取りロールWBの巻き取り軸である。巻き取りローラー22には、当該巻き取りローラー22を軸回りに回転駆動し、ワークWの巻き取り動作を実行させる第1モーターM1が付設されている。
送り出しローラー21と巻き取りローラー22との間であって印刷エリア12を通る経路が、ワークWの搬送経路となる。この搬送経路には、上流側から順に第1テンションローラー23、ワークガイド24、搬送ローラー25及びピンチローラー26、折り返しローラー27、第2テンションローラー28が配置されている。第1テンションローラー23は、搬送ローラー25の上流側において、ワークWに所定の張力を付与する。ワークガイド24は、ワークWの搬送方向を上方向から前方向に変更し、ワークWを印刷エリア12へ搬入させる。
搬送ローラー25は、印刷エリア12においてワークWを間欠送りする搬送力を発生するローラーである。搬送ローラー25は、第2モーターM2により軸回りに回転駆動され、ワークWがキャリッジ3に対向する印刷エリア12(画像形成位置)を通過するように、ワークWを前方向(所定の搬送方向F)に間欠的に搬送する。ピンチローラー26は、搬送ローラー25に対して上方から対向するように配置され、搬送ローラー25と搬送ニップ部を形成している。
折り返しローラー27は、印刷エリア12を通過したワークWの搬送方向を前方向から下方向に変更し、印刷処理後のワークWを巻き取りローラー22へ導く。第2テンションローラー28は、搬送ローラー25の下流側において、ワークWに所定の張力を付与する。印刷エリア12においてワークWの搬送経路の下方には、プラテン29が配置されている。
キャリッジ3は、ガイドレール17に片持ち支持された状態で、搬送方向Fと交差(本実施形態では直交)する主走査方向S(本実施形態では左右方向)に往復移動する。キャリッジ3は、キャリッジフレーム30と、このキャリッジフレーム30に搭載されるインクヘッド4、前処理ヘッド5、後処理ヘッド6及びサブタンク7とを備える。キャリッジフレーム30は、ヘッド支持フレーム31及びバックフレーム32(係合部)を含む。
ヘッド支持フレーム31は、上掲のヘッド4~6を保持する水平板である。バックフレーム32は、ヘッド支持フレーム31の後端縁から上方に延びる垂直板である。上述したように、タイミングベルト16は、バックフレーム32に固定されている。また、ガイドレール17は、バックフレーム32に係合されている。すなわち、本実施形態では、バックフレーム32がガイドレール17に片持ち状態で保持される係合部である。ヘッド支持フレーム31は、その後端側が前記係合部によってガイドレール17に片持ち支持された水平板である。
なお、片持ち状態とは、キャリッジ3において、係合部(バックフレーム32)が、搬送方向Fにおいて、キャリッジ3の中央から上流側、若しくは下流側の片側のみに存在し、係合部が存在する側の反対側には、他の係合部が存在しない状態を表す。前記係合部は、保持部材であるガイドレール17に保持されている部分である。前記係合部は、さらに、搬送方向Fにおいて、インクヘッド4及び処理ヘッドが配置されている範囲以外に配置されていてもよい。すなわち、前記係合部は、搬送方向Fにおいて、インクヘッド4及び処理ヘッドが配置されている範囲に対して、上流側のみ、若しくは下流側のみに配置されていてもよい。
[キャリッジの詳細]
キャリッジ3について、さらに説明を加える。図3は、図1に示すキャリッジ3の拡大斜視図である。図3には、ワークWの搬送方向F(副走査方向)と、キャリッジ3の移動方向である主走査方向Sとが示されている。図3では、ワークWに対して画像形成用のインクを吐出する複数のインクヘッド4と、非発色性の処理液を吐出する前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6と、これらのヘッド4~6に前記インク及び前記処理液を供給する複数のサブタンク7とが、キャリッジ3に搭載されている例を示している。
インクヘッド4の各々は、例えばピエゾ素子を用いたピエゾ方式、加熱素子を用いたサーマル方式等の吐出方式でインク滴を吐出する多数のノズル(インク吐出孔)と、このノズルにインクを導くインク通路とを備える。インクとしては、例えば、水系の溶媒、顔料及び結着樹脂を含む水系顔料インクを用いることができる。本実施形態における複数のインクヘッド4は、互いに異なる6色のインクを各々吐出する第1~第6インクヘッド4A~4Fを含む。例えば、第1インクヘッド4Aはオレンジ、第2インクヘッド4Bはグリーン、第3インクヘッド4Cはイエロー、第4インクヘッド4Dはレッド、第5インクヘッド4Eはブルー、第6インクヘッド4Fはブラックのインクを各々吐出する。
各色のインクヘッド4A~4Fは、主走査方向Sに並ぶように、キャリッジ3のヘッド支持フレーム31に搭載されている。各色のインクヘッド4A~4Fは、それぞれ2個のヘッドを有している。例えば第1インクヘッド4Aは、搬送方向Fの上流側に配置された上流側インクヘッド4A1と、この上流側インクヘッド4A1よりも下流側であって、主走査方向Sの左方側にシフトした位置に配置された下流側インクヘッド4A2とで構成されている。他の色のインクヘッド4B~4Fも同様である。これらインクヘッド4B~4Fの各上流側インクヘッドは、上流側インクヘッド4A1と搬送方向Fにおいて同位置で主走査方向Sに一列に並び、また各下流側インクヘッドは、下流側インクヘッド4A2と搬送方向Fにおいて同位置で主走査方向Sに一列に並んでいる。なお、本実施形態では、一列のインクヘッド4には、各色のインクヘッド4A~4Fが一つずつ含まれているが、一列に同じ色のインクヘッド4が2つ以上あってもよい。
なお、以後の説明では、各色のインクヘッド4A~4Fにおいて、搬送方向に並んで配置される2つのインクヘッドを同色インクヘッドと称することがある。また、各色のインクヘッド4A~4Fをそれぞれ一組の同色インクヘッドと称し、インクヘッド4A~4Fをまとめて複数組の同色インクヘッドと称することがある。複数組の同色インクヘッドは、主走査方向Sに並んで配置され互いに異なる色のインクをそれぞれ吐出する。
前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6は、搬送方向Fにおいてインクヘッド4とは異なる位置に配置されている。前処理ヘッド5は、搬送方向Fにおいてインクヘッド4に対して上流側に配置されている。図3では、1個の前処理ヘッド5がインクヘッド4の配列体の右端部付近に配置されている例を示している。同様に、後処理ヘッド6は、搬送方向Fにおいてインクヘッド4に対して下流側に配置されている。図3では、1個の後処理ヘッド6がインクヘッド4の配列体の右端部に配置されている例を示している。他の実施形態において、複数の前処理ヘッド5または複数の後処理ヘッド6が配置されてもよい。すなわち、キャリッジ3には、少なくとも一つ前処理ヘッド5および少なくとも一つの後処理ヘッド6がそれぞれ備えられる。
なお、以上の説明に用いているように、インクヘッド4及び後処理ヘッド6により構成されている、主走査方向Sに沿ったヘッドの連なりをヘッドの列、或いは単に列と称する。また、インクヘッド4、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6により構成されている、搬送方向Fに沿ったヘッドの連なりを、ヘッドの行、或いは単に行と称する。
前処理ヘッド5は、ワークWに対して所定の前処理を施すための前処理液を吐出する。前処理液は、インクヘッド4からワークWの、まだインクヘッド4からインクが吐出されていない位置に、前処理ヘッド5から吐出される。前処理液は、ワークWに付着しても発色しない非発色性の処理液であって、例えばワークWへのインクの定着性やインク顔料の凝集性を高める機能等を発現する処理液である。このような前処理液としては、溶媒に結着性樹脂を配合した処理液、或いは、溶媒にプラス帯電するカチオン樹脂を配合した処理液等を用いることができる。
後処理ヘッド6は、インクが付着したワークWに対して所定の後処理を施すための後処理液を吐出する。後処理液は、ワークWの、インクヘッド4からインクが吐出された後の位置に、後処理ヘッド6から吐出される。後処理液は、同様にワークWに付着しても発色しない非発色性の処理液であって、インクヘッド4によりワークW上に印画されたインク画像の定着性や堅牢性(擦れや削れに対する耐性)を高める機能を発現する処理液である。このような後処理液としては、シリコーン系の処理液等を用いることができる。なお、後処理液と前処理液とは異なる処理液である。具体的には、後処理液と前処理液とでは、含まれる成分が異なる。
ここで、非発色性の処理液とは、記録媒体に単独で印刷した場合に、人に肉眼では発色したと認識されないものを表す。ここでの色とは、黒、白及び灰色などの彩度が0のものも含める。非発色性の処理液は、基本的には、透明な液体であるが、例えば、1リットルの処理液を液体の状態で見ると、完全に透明ではなく、わずかに白色などに見えることもある。そのような色は、非常に薄いので、記録媒体に単独で印刷した場合に、人が肉眼で発色したとは認識できない。なお、処理液の種類によっては、記録媒体に単独で印刷した場合に、記録媒体に光沢が生じるなどの変化があることもあるが、そのような状態は、発色ではない。
本実施形態では、前処理液及び後処理液は、ワークWの略全面に吐出してもよいし、前処理液及び後処理液は、インクと同様に、印刷する画像に合わせて、選択的に吐出してもよい。
続いて、前処理液及び後処理液を選択的に吐出する場合について説明する。上述したように、画像に合わせて色を印刷する部分のワークWには、前処理液、インク、後処理液の順で吐出される。この場合、インクは、一色であったり、複数の色であったりする。色を印刷しない部分、すなわち、インクが吐出されない部分には、基本的には前処理液及び後処理液も吐出されない。なお、印刷する画像の画質や、ワークWの風合いなどを調整するために、前処理液及び後処理液の吐出の選択の一部を、インクの吐出と異ならせてもよい。
ヘッド支持フレーム31のヘッドの配置箇所には、開口31H(図3)が設けられている。インクヘッド4A~4F、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6は、各々の開口31Hに嵌め込まれるように、ヘッド支持フレーム31に組み付けられている。各開口31Hからは、各ヘッド4、5、6の下端面に配置されているノズルがそれぞれ露出している。
サブタンク7は、図略の保持フレームを介して、ヘッド4、5、6の上方側においてキャリッジ3に支持されている。サブタンク7は、ヘッド4、5、6の各々に対応して設けられる。各サブタンク7には、図略のインク及び処理液が収容されているカートリッジ又はメインタンクから、インク又は処理液が供給される。各サブタンク7は、前記インク又は処理液をヘッド4、5、6の各々に供給する。各サブタンク7とヘッド4、5、6とは、図3では図略の管路(図17に示すP1、P2、P3)によって接続される。
以上の通り、本実施形態に係るインクジェット式プリンター1は、インクヘッド4、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6の3種類のヘッドが、一つのキャリッジ3に搭載されたオールインワン型のプリンターである。このインクジェット式プリンター1によれば、例えばデジタル捺染印刷における、生地にインクジェット印刷を行う印捺工程において、前処理液の吐出工程及び後処理液の吐出工程を一体的に実行させることができる。従って、捺染工程の簡素化、捺染装置のコンパクト化を図ることができる。
[印刷方式]
続いて、本実施形態に係るインクジェット式プリンター1が実行する印刷方式について説明する。インクジェット式プリンター1は、シリアル印刷方式でワークWに対して印刷処理を行う。図4は、前記シリアル印刷方式を示す模式図である。図4では、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6を省いて簡略的にキャリッジ3を描いている。
ワークWが幅広のサイズを有するものである場合、当該ワークWを連続的に送りながら印刷を行うことはできない。シリアル印刷方式は、各色のインクヘッド4を搭載したキャリッジ3の主走査方向Sへの往復移動と、ワークWの搬送方向Fへの間欠送りとを繰り返す印刷方式である。ここでは、インクヘッド4が搬送方向Fに所定の印刷幅Pwを持つものとする。印刷幅Pwは、インクヘッド4のインク吐出用ノズルの配置領域の搬送方向Fの長さに略等しい。なお、図4及び次で説明する図5A、図5Bでは、各ヘッドの搬送方向Fの長さと、印刷幅Pwを略等しく描いている。実際は、印刷幅Pw及び吐出用ノズルの配置領域の搬送方向Fの長さよりも、各ヘッドの搬送方向Fの長さの方が大きい。
図4では、キャリッジ3が主走査方向Sにおける往路方向SAに移動し、印刷幅Pwの帯状画像G1の印刷が完了している状態を示している。この往路方向SAの主走査の際、ワークWの送りは停止される。帯状画像G1の印刷後、ワークWは印刷幅Pwに相当するピッチだけ搬送方向Fに送り出される。この際、キャリッジ3は、左端側の折り返しエリア14で待機する。ワークWの送り出し後、キャリッジ3はタイミングベルト16の反転移動に伴って、復路方向SBに折り返す。ワークWは停止状態である。そして、図4に示すように、キャリッジ3は復路方向SBに移動しつつ、帯状画像G1の上流側に、印刷幅Pwを持つ帯状画像G2を印刷する。以下、同様の動作が繰り返される。
図5A及び図5Bは、キャリッジ3の往路及び復路での印刷状況を示す模式図である。ここでは、キャリッジ3に搭載されるインクヘッド4、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6を簡略的に示している。インクヘッド4は、互いに異なる第1色、第2色、第3色、第4色のインク吐出用の第1、第2、第3、第4インクヘッド4A、4B、4C、4Dを備え、これら第1~第4インクヘッド4A~4Dが主走査方向Sに一列に並んでいる。インクヘッド4の搬送方向Fの上流側に前処理ヘッド5が、下流側に後処理ヘッド6が各々配置されている。また、図4で説明した場合と同様に、往路の印刷と復路の印刷との間に、ワークWは搬送方向Fに送り出される。この際の搬送方向Fの移動距離は、搬送方向Fにおいて隣接するヘッド同士の間隔ピッチ(ヘッドピッチ)である。また、この移動距離は、各ヘッド4、5、6の印刷幅Pwでもある。
図5Aは、キャリッジ3が主走査方向Sにおける往路方向SAに移動しながら、印刷動作を行っている状態(往路主走査)を示している。ワークW上の領域A4は、キャリッジ3の最上流側に搭載されている前処理ヘッド5が対峙する領域である。今回の往路主走査では、領域A4上には、前処理ヘッド5から吐出された前処理液によって、前処理層Lpreが形成される。
領域A3は、領域A4よりも1ヘッドピッチ分だけ下流側の領域であって、インクヘッド4が対峙する領域である。領域A3上には、前回の復路主走査によって、前処理層Lpreが主走査方向の全長に亘って既に形成されている。今回の往路主走査では、領域A3の前処理層Lpre上には、第1~第4インクヘッド4A~4Dの並び順に順次吐出される第1色~第4色のインクによって、第1、第2、第3、第4インク層LCA、LCB、LCC、LCDが形成される。なお、図5Aでは、理解を容易とするために第4~第1インク層LCD~LCAが順次積層されるように図示しているのであって、実際は積層されるわけではない。なお、前述の前処理層Lpre及び後述の後処理層Lposについても、ワークW上に形成されるわけではない。
領域A2は、領域A3よりも1ヘッドピッチ分だけ下流側の領域であって、キャリッジ3の最下流側に搭載されている後処理ヘッド6が対峙する領域である。領域A2上には、前回の往路主走査による前処理層Lpreと、前回の復路主走査による第1~第4インク層LCA~LCDとが、主走査方向の全長に亘って既に形成されている。今回の往路主走査では、領域A2の第1~第4インク層LCA~LCD上に、後処理ヘッド6から吐出された後処理液によって、後処理層Lposが形成される。
領域A1は、領域A2よりも1ヘッドピッチ分だけ下流側の領域であって、キャリッジ3が通過し、印刷処理が完了した領域である。すなわち、領域A1には、前処理層Lpre、第1~第4インク層LCA~LCD及び後処理層Lposが、主走査方向の全長に亘って形成されている。
図5Bは、図5Aの往路主走査を終えたあと、キャリッジ3が折り返して復路方向SBに移動しながら、復路主走査を行っている状態を示している。前記折り返しの移動の前に、ワークWは1ヘッドピッチ分だけ搬送方向Fに送り出されている。ワークW上の領域A5は、領域A4よりも1ヘッドピッチ分だけ上流側の領域であって、今回の復路主走査では、前処理ヘッド5が対峙する領域である。領域A5上には、前処理ヘッド5から吐出された前処理液によって、前処理層Lpreが形成される。
領域A4、領域A3には、それぞれ第1~第4インク層LCA~LCD、後処理層Lposが、既存の層上に形成される。具体的には、領域A4においては、前処理層Lpre上に第1~第4インク層LCA~LCDが形成される。領域A3においては、第1~第4インク層LCA~LCDの上に後処理層Lposが形成される。領域A2は、領域A1に続いて、印刷処理が完了した領域となる。
上述のような往路主走査及び復路主走査の双方において印刷処理が可能となるのは、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6を、インクヘッド4に対して搬送方向Fにシフトして配置しているからである。仮に、キャリッジ3において、前処理ヘッド5、インクヘッド4及び後処理ヘッド6が、この順で主走査方向Sに一列に並んでいる場合、前処理液及び後処理液を望ましい着弾順にできる印刷処理は、往路又は復路主走査の一方でしか実現できない。双方向での印刷処理を可能とするには、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6のペアを、インクヘッド4の配列体の両サイドにそれぞれ配置せねばならない。この場合、キャリッジ3の主走査方向Sの長さが大型化してしまう。このような配置は本実施形態では不要となるので、キャリッジ3の主走査方向Sの長さを小型化することができる。
なお、インクヘッド4の列を複数列にすれば、ワークWに着弾させるインク量を多くすることができる。例えば、インクヘッド4の列が2列ある場合、次のように印刷できる。1列目のインクヘッド4によって、上述のように第1~第4インク層LCA~LCDを形成した後、ワークWを1ヘッドピッチ分だけ搬送方向Fに搬送し、2列目のインクヘッド4によって、第1~第4インク層LCA~LCDを形成する。このようにすることで、ワークWに2層分の量のインクを印刷することができる。
図6は、本実施形態に係るキャリッジ3上のヘッド配置を概略的に示す平面図であって、図3に示すキャリッジ3におけるインクヘッド4、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6(複数の処理ヘッド)の配置を示した図でもある。前述のように、キャリッジ3は、バックフレーム32(係合部)において、ガイドレール17によって片持ち状態で支持されている。バックフレーム32は、ヘッド支持フレーム31の搬送方向Fの上流側に配置されている。搬送方向Fにおいて、ヘッド支持フレーム31の、バックフレーム32が配置されている側を基端側311とし、ヘッド支持フレーム31の、基端側311の反対側を先端側312とする。既述の通り、キャリッジ3のヘッド支持フレーム31には、互いに異なる6色のインクを各々吐出する第1~第6インクヘッド4A~4F、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6が搭載されている。各色のインクヘッド4A~4Fは、各々2個(合計12個)の単位ヘッドを備えている。前処理ヘッド5および後処理ヘッド6はそれぞれ1個備えられている。
インクヘッド4を構成する第1~第6インクヘッド4A~4Fの群は、ヘッド支持フレーム31の搬送方向Fの中央領域において主走査方向Sに並ぶように配列されている。前処理ヘッド5は、主走査方向Sにおけるキャリッジ3の右端部付近において、インクヘッド4よりも搬送方向Fの上流側であって、ヘッド支持フレーム31の基端側311に配置されている。一方、後処理ヘッド6は、主走査方向Sにおけるキャリッジ3の右端部において、インクヘッド4よりも搬送方向Fの下流側であって、ヘッド支持フレーム31の先端側312に配置されている。
第1インクヘッド4Aは、上流側インクヘッド4A1と、この上流側インクヘッド4A1よりも下流側に配置される下流側インクヘッド4A2とを含む。つまり、上流側インクヘッド4A1と下流側インクヘッド4A2とは、搬送方向Fに配列されている。上流側インクヘッド4A1の配置位置は、ヘッド支持フレーム31の前記中央領域における基端側311寄りの位置である。下流側インクヘッド4A2の配置位置は、ヘッド支持フレーム31の前記中央領域における先端側312寄りの位置である。上流側インクヘッド4A1に対して下流側インクヘッド4A2は、主走査方向Sの一方側(左側)にシフトした位置(異なる位置)であって、搬送方向Fに一部が重複する位置に配置されている。すなわち、本実施形態では、複数の同色インクヘッドは、主走査方向Sにおいて互いに異なる位置であって、搬送方向Fにおいて互いの一部が重なるように配置されている。同色インクヘッドが搬送方向Fに3つ以上配列される場合は、搬送方向Fに隣り合って配列される2つの同色インクヘッドが、上述のように配置される。もちろん、上流側インクヘッド4A1及び下流側インクヘッド4A2を主走査方向Sの同位置(搬送方向Fに直線的に並ぶ位置)に配列しても良い。しかし、本実施形態の配置の方がキャリッジ3の搬送方向Fのサイズを小型化できる。
また、このように配置することで、一つの色を吐出するインクヘッド4は、主走査方向Sにおいて、まとまって配置される。具体的には、キャリッジ3に搭載されている一つの色を吐出する全てのインクヘッド4は、主走査方向Sにおける互いの中間に他の色を吐出するインクヘッド4を挟まないように配置される。更に、キャリッジ3に搭載されている一つの色を吐出する全てのインクヘッド4を所定の範囲内に配置し、その範囲内には、他の色を吐出するインクヘッド4を配置しないようにしてもよい。
2つのインクヘッド4の間で、着弾位置や吐出量などの印刷状態に差があった場合、その差は、2つのインクヘッド4が違う色を吐出する場合よりも、同じ色を吐出する場合の方が目立つ可能性が高い。同じ色を吐出するインクヘッド4が、主走査方向Sにおいて、まとめて配置されていれば、インクヘッド4の間に印刷状態の差があっても、印刷の画像品質を低下し難くできる。
第2~第6インクヘッド4B~4Fも、上述の上流側インクヘッド4A1及び下流側インクヘッド4A2と同様な、上流側インクヘッド4B1、4C1、4D1、4E1、4F1と、下流側インクヘッド4B2、4C2、4D2、4E2、4F2を備えている。第1~第6インクヘッド4A~4Fの各上流側インクヘッド4A1~4F1は、搬送方向Fにおいて同位置で主走査方向Sに所定間隔を置いて一列に並んでいる。また、各下流側インクヘッド4A2~4F2も、搬送方向Fにおいて同位置で主走査方向Sに所定間隔を置いて一列に並んでいる。結果として、上流側インクヘッド4A1~4F1の各配置ピッチの間に下流側インクヘッド4A2~4F2の一部が各々入り込んだ、千鳥状の配置態様を形成している。
前処理ヘッド5は、主走査方向Sにおいて隣り合う一対のインクヘッドの間に一部が入り込むように配置されている。具体的には、第5インクヘッド4Eの上流側インクヘッド4E1と、第6インクヘッド4Fの上流側インクヘッド4F1との間に、前処理ヘッド5の下流側部分が入り込む位置関係である。また、前処理ヘッド5は、第6インクヘッド4Fの下流側インクヘッド4F2と主走査方向Sにおいて同位置に配置されている。
後処理ヘッド6は、第6インクヘッド4Fの下流側インクヘッド4F2の右側部分に、その上流側部分が入り込むように配置され、上流側インクヘッド4F1と主走査方向Sにおいて同位置に配置されている。かかる配置によって、後処理ヘッド6は、下流側インクヘッド4F2と搬送方向Fにおいて重複領域faを持つ配置関係とされている。搬送方向Fにおいて、各ヘッドの幅は、印刷幅Pw及び吐出用ノズルの配置領域の幅よりも大きい。このため、各列のヘッドの印刷範囲Pwと、隣の列のヘッドの印刷範囲Pwとの間が空かないように、各ヘッドは重複領域faを持つよう配置されている。
なお、特に説明しない限り、図6を含む各図では、主走査方向Sにおいて隣接するヘッド同士の間隔(各ヘッドの中心同士の間隔)は互いに同じである。同様に、搬送方向Fにおいて隣接するヘッド同士の間隔(各ヘッドの中心同士の間隔)は互いに同じである。
上述のヘッド配置とした結果、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6は、インクヘッド4の主走査方向Sにおける配置幅Hの範囲内に配置されている。インクヘッド4は、主走査方向Sにおいて、第1インクヘッド4Aの下流側インクヘッド4A2~第6インクヘッド4Fの上流側インクヘッド4F1間の配置幅Hを有している。前処理ヘッド5は、インクヘッド4の上流側において配置幅Hの範囲内に、後処理ヘッド6はインクヘッド4の下流側において配置幅Hの範囲内に、それぞれ配置されている。
図7は、図6に示すインクヘッド及び処理ヘッドのノズルの位置関係を概略的に示す平面図である。図7では、各ヘッドの外観形状の内側に、ヘッドの下面部に配置された、印刷の際に液体を吐出するノズルの配置領域が模式的に図示されている。第1インクヘッド4A~第6インクヘッド4Fの下流側インクヘッド(4A2~4F2)は、各色のインクヘッドの中で搬送方向Fにおいて最も後処理ヘッド6に近い位置に配置される。一方、第1インクヘッド4A~第6インクヘッド4Fの上流側インクヘッド(4A1~4F1)は、搬送方向Fにおいて前処理ヘッド5と前記下流側インクヘッド(4A2~4F2)との間に配置される。
そして、第1インクヘッド4A~第6インクヘッド4Fの上流側インクヘッド(4A1~4F1)のノズル配置領域の搬送方向Fの上流側および下流側の端部は、搬送方向Fにおいて互いに同じ位置に配置されている。同様に、第1インクヘッド4A~第6インクヘッド4Fの下流側インクヘッド(4A2~4F2)のノズル配置領域の搬送方向Fの上流側および下流側の端部は、搬送方向Fにおいて互いに同じ位置に配置されている。また、上流側インクヘッド(4A1~4F1)のノズル配置領域の搬送方向Fの上流側の端部は、前処理ヘッド5のノズル配置領域の搬送方向Fの下流側の端部に対して、搬送方向Fにおいて連続して配置されている(接している、隣り合っている)。また、下流側インクヘッド(4A2~4F2)のノズル配置領域の搬送方向Fの上流側の端部は、上流側インクヘッド(4A1~4F1)のノズル配置領域の搬送方向Fの下流側の端部に対して、搬送方向Fにおいて連続して配置されている。更に、後処理ヘッド6のノズル配置領域の搬送方向Fの上流側の端部は、下流側インクヘッド(4A2~4F2)のノズル配置領域の搬送方向Fの下流側の端部に対して、搬送方向Fにおいて連続して配置されている。
このように、インクおよび各処理液を吐出するノズルの配置領域は、インクおよび各処理液が解像度の単位で隣り合って着弾するように配置されている。したがって、前処理液の着弾領域と上流側インクヘッド(4A1~4F1)のインクの着弾領域とは前処理・インクヘッド境界線L1において連続(隣接)しており、上流側インクヘッド(4A1~4F1)のインクの着弾領域と下流側インクヘッド(4A2~4F2)のインクの着弾領域とはインクヘッド境界線L2において連続しており、下流側インクヘッド(4A2~4F2)のインクの着弾領域と後処理液の着弾領域とはインク・後処理ヘッド境界線L3において連続している。なお、以後の各実施形態についても同様である。
図8は、本実施形態に係るインクジェット式プリンター1のブロック図である。インクジェット式プリンター1は、当該インクジェット式プリンター1の各部の動作を統括的に制御する制御部90と、キャリッジ駆動部3Sと、I/F91と、画像メモリ92とを更に備える。制御部90は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。また、制御部90には、前述の第1モーターM1および第2モーターM2、インクヘッド4、前処理ヘッド5および後処理ヘッド6に加え、キャリッジ駆動部3S、I/F91、画像メモリ92などが電気的に接続されている。キャリッジ駆動部3Sは、キャリッジ3を主走査方向Sに沿って往復移動させるためにタイミングベルト16を周回させる不図示のモーターなどを含む。
画像メモリ92は、例えばパーソナルコンピューターなどの外部機器から与えられる印刷用画像データを一時的に記憶する。
I/F91は、外部機器とのデータ通信を実現させるためのインターフェイス回路であり、例えばインクジェット式プリンター1と外部機器とを接続するネットワークの通信プロトコルに従った通信信号を作成すると共に、ネットワーク側からの通信信号をインクジェット式プリンター1が処理可能な形式のデータに変換する。パーソナルコンピューター等から送信される印刷指示信号はI/F91を介して制御部90に与えられ、また画像データは、I/F91を介して画像メモリ92に記憶される。
制御部90は、前記CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、駆動制御部901、吐出制御部902、吐出パターン指定部903(吐出ヘッド指定部)および記憶部904を備えるように機能する。
駆動制御部901は、ワーク搬送部20の第1モーターM1および第2モーターM2を制御することで、ワークWの搬送動作を制御する。また、駆動制御部901は、キャリッジ駆動部3Sを制御することで、キャリッジ3の主走査方向Sに沿った往復移動を制御する。
吐出制御部902は、インクヘッド4、前処理ヘッド5および後処理ヘッド6に所定の指令信号を入力し、各色のインク、前処理液および後処理液の吐出タイミングを制御する。
吐出パターン指定部903は、I/F91または画像メモリ92から受け付ける画像情報に応じて、吐出を行うヘッド4、5、6を指定する。より詳しくは、画像情報に応じた画像を記録することのできる、ヘッド4、5、6からの各液の吐出量の割合(吐出パターン)が複数ある(例えば、記憶部904に複数記憶されている)場合に、それらの中から記録に使用する吐出パターンを指定する。具体的には、吐出パターンは、同じ液体を吐出するヘッド4、5、6が複数ある場合に、どのヘッド4、5、6からどれだけの液体を吐出させるかという情報である。吐出パターンの情報を吐出パターン情報と呼ぶ。
続いて、吐出パターン指定部903がインクの吐出パターンを指定する場合について説明する。ワークW上の所定の位置にインクを着弾させるために、複数の同色インクヘッドの中からインクを吐出するインクヘッドである吐出インクヘッドを指定する。より詳しくは、吐出パターン指定部903は、各色のインクヘッド4のうち上流側インクヘッド(4A1~4F1)および下流側インクヘッド(4A2~4F2)における吐出量の割合(吐出パターン)を指定し、当該割合に対応する信号を吐出制御部902に入力する。図9は、本実施形態に係るインクジェット式プリンター1における上流側インクヘッド(4A1~4F1)および下流側インクヘッド(4A2~4F2)を示す模式的な平面図である。図9は、複数の色のインクを吐出可能なインクヘッド4のうち、ブラック色のインクを吐出する第6インクヘッド4Fの上流側インクヘッド4F1および下流側インクヘッド4F2の周辺を拡大した平面図である。以後の説明では、図9に示すように、インクの色を問わず、上流側インクヘッドをH1、下流側インクヘッドをH2と表記することがある。
なお、上流側インクヘッドH1および下流側インクヘッドH2について付言すると、上流側インクヘッドH1は、主走査方向Sに沿って見た場合、そのノズル配置領域が後処理ヘッド6のノズル配置領域と繋がっておらず、重なってもいないインクヘッドである。一方、下流側インクヘッドH2は、主走査方向Sに沿って見た場合、そのノズル配置領域が後処理ヘッド6のノズル配置領域と繋がっているか重なっているインクヘッドである。なお、後記のように、複数の上流側インクヘッドH1が搬送方向Fに並んで配置されてもよい。すなわち、各色のインクヘッド4が搬送方向Fに沿って3以上の同色インクヘッドを有してもよい。
記憶部904は、駆動制御部901、吐出制御部902および吐出パターン指定部903によって参照される各種の閾値、パラメータなどを予め記憶している。また、記憶部904は、ワークWに形成される画像中の所定の画素を所定のインクで印刷する場合に、当該画素を要求された濃度で印刷可能なインクヘッド数と各インクヘッドのインク吐出量との組み合わせ情報(吐出パターン情報)を記憶している。記憶部904には、少なくとも一つ濃度に対応して記憶された複数の吐出パターン情報がある。印刷可能な画素の濃度が複数ある場合、複数の吐出パターン情報が対応して記憶されていない濃度があってもよい。
一つ濃度に対応して予め記憶されている複数の吐出パターン情報は、例えば、2個(n個)のインクヘッドから吐出する吐出パターン情報と、1個(n-1個)以下のインクヘッドから吐出する吐出パターン情報とである。換言すれば、記憶部904は、所定の濃度で所定の画素の画像を形成する際に、互いに異なる数のインクヘッドからインクを吐出する前記情報を予め記憶している。本実施形態では、各インク色について2つのインクヘッド4が配置されているため、前記情報として、上流側インクヘッドH1および下流側インクヘッドH2によるインクの吐出パターン(第1吐出パターン、第1吐出パターン情報)、上流側インクヘッドH1のみによるインクの吐出パターン(第2吐出パターン、第2吐出パターン情報)、の2種類の吐出パターンが記憶されており、吐出パターン指定部903によってこれらのパターン情報が選択的に参照される。
第1吐出パターンとして、上流側インクヘッドH1のインク量と下流側インクヘッドH2のインク量の割合が異なる、複数の吐出パターンが記憶されていてもよい。また、ヘッド4、5,6の有する吐出素子を駆動する駆動信号として、同じ量の液体を吐出する、異なる駆動信号が複数存在してもよい。吐出パターンとして、駆動信号の種類の情報まで記憶する場合は、第1吐出パターンおよび第2吐出パターンのそれぞれとして複数の吐出パターンが記憶されていてもよい。
また、前記情報として、下流側インクヘッドH2のみによるインクの吐出パターン(第3吐出パターン、第3吐出パターン情報)が記憶されていてもよい。なお、後記のとおり、第3吐出パターンではなく、第1吐出パターンもしくは第2吐出パターンを使用することで、画像の品質低下を起こしに難くできる。
<ヘッド配置における課題>
図18は、本開示の各実施形態と比較される他のインクジェット記録装置におけるキャリッジ上のインクヘッド及び処理ヘッドの配置を概略的に示す平面図である。当該インクジェット記録装置では、各色のインクを吐出する第1インクヘッド4A~第6インクヘッド4Fが主走査方向Sに沿って一列に配列されている。また、前処理ヘッド5は、主走査方向Sにおいて第6インクヘッド4Fに隣接し、第6インクヘッド4Fの搬送方向上流側に配置されている。更に、後処理ヘッド6は、主走査方向Sにおいて第6インクヘッド4Fに隣接し、第6インクヘッド4Fの搬送方向下流側に配置されている。前処理ヘッド5および後処理ヘッド6は主走査方向Sにおいて同じ位置に配置されている。なお、これらのインクヘッドおよび処理ヘッドにおいても、互いのノズルは図7と同様に、搬送方向Fにおいて連続して配置されている。図18に示すように、インクヘッド4および後処理ヘッド6が搬送方向Fにおいて隣り合わせに配置される場合、キャリッジ3の主走査方向Sにおける特定の方向への移動に伴って印刷すると(つまり双方向印刷の場合は必ず)、搬送方向Fにおけるヘッドの境界において、後処理液が前処理液に直接影響し、インクの発色濃度が薄くなるおそれがある。以下に、このような現象について詳述する。
図19および図20は、図18に示すインクジェット記録装置において、ヘッド境界付近における画像ドット上のインクおよび各処理液の着弾を説明する模式図である。図19および図20において、△は前処理ヘッド5から吐出された前処理液5M、〇はインクヘッド4から吐出されたインク4M、◇は後処理ヘッド6から吐出された後処理液6Mをそれぞれ示している。なお、各図において重なって描かれている各液(4M、5M、6M)は、実際には同一地点に着弾するものであり、説明のために一部が主走査方向Sにずれて描かれている。
図19のA部分(図20のA部分も同じ)は、ワークW上の所定の画素境界線Lが図18の前処理ヘッド5とインクヘッド4との境界LAに位置する様子を示している。画素境界線Lよりも搬送方向Fの下流側では、予め着弾した前処理液5Mの上にインク4Mが着弾している。一方、画素境界線Lよりも搬送方向Fの上流側では、下流側のインク4Mの着弾と同じ、キャリッジ3の主走査方向Sにおける移動に伴って、前処理液5Mが着弾している。つまり、この画素境界線Lは、各液体の着弾のタイミングが異なる主走査となる画素の境界である主走査の境界線である。
図19のA部分の状態からワークWが搬送方向Fに間欠搬送されると、前述の画素境界線Lが図18のインクヘッド4と後処理ヘッド6との境界LBに配置される。ここで、キャリッジ3の復路方向SB(図18)への移動に伴ってインク4Mおよび後処理液6Mが吐出され、着弾する場合には、図18に示すようにインクヘッド4に対して復路方向SBの先端側に後処理ヘッド6が配置されているため、図19のB部分のように、まず、画素境界線Lよりも搬送方向Fの下流側部分に後処理液6Mが着弾する。この際、矢印で示すように、後処理液6Mの着弾ずれや滲みによってその一部が画素境界線Lよりも搬送方向Fの上流側部分に流れ込むことがある。その後、同じ復路方向SBへのキャリッジ3の移動において、インク4Mが画素境界線Lよりも搬送方向Fの上流側部分に着弾する(図19のC部分)。この際、上記のように流れ込んだ後処理液6Mの影響を受けて、インク4Mの発色濃度が低下する(現象1:図19のC部分の4MA)。
このような発色濃度の低下は、一例として以下のように発現するものと推察される。本来、前処理液5Mとインク4Mとが混じると、インク4M内の色素の凝集は極短時間で起きる。しかし、ワークWの繊維への結着までには、ある程度時間がかかる。このため、インク4Mの着弾から結着までの時間内に、ワークWの繊維内に液体が浸透する流れが増えると、ワークWの奥に引き込まれる色素の割合が増え、ワークWの表面近くに残る色素が減るので、見た目の色が薄くなる。なお、前処理液5Mの着弾は、インク4Mの着弾の走査の前の走査において行われている。また、前処理液5Mの浸透は着弾直後がもっとも強く働くため、通常は、インク4Mの着弾時にはある程度弱まっている。しかしながら、インク4Mの着弾と同じ走査で隣に着弾した後処理液6Mのずれ・にじみなどで浸透する流れが増えると、上記のように色が薄くなりやすい。
この現象を、図19を用いて説明すると、上記のような後処理液6Mのにじみや着弾ずれで、後処理液6Mが隣の前処理液5Mの着弾部分に作用すると、前処理液5Mと後処理液6Mとが混合したものがワークW(布、紙)の奥に浸透していく流れが発生する。特に、同じ走査内で図19のB部分から図19のC部分の状態に移行する時間間隔は短いため、このような混合液の流れが収まる前に図19のC部分のインク4Mが着弾する。したがって、着弾するインク4M内においてワークWの奥に入ってしまう色素の割合が増え、結果として、ワークW上の色が薄くなる。更に、後処理液6Mによって前処理液5Mの濃度が下がり、後から着弾するインク4Mの色素の凝集作用が充分発現せず、同様に色が薄くなる。なお、このような現象は、インク内に顔料が含まれている際に顕著であるが、染料が含まれている場合にも同様に発生しうる。したがって、ここでは、顔料および染料を含む概念を色素と表現している。
なお、図19のC部分において、画素境界線Lよりも搬送方向Fの上流側に着弾したインク4M(4MA)の一部が矢印のように画素境界線Lよりも搬送方向Fの下流側に流れ込むと、既に着弾した後処理液6Mに作用し、僅かながら画像濃度の変化が発生することがある(現象2)。
一方、図20のA部分(図19のA部分と同じ)の後に、キャリッジ3の往路方向SA(図18)への移動に伴って、インク4Mおよび後処理液6Mが吐出され、着弾する場合には、図18に示すように後処理ヘッド6に対して往路方向SAの先端側にインクヘッド4が配置されているため、図20のB部分のように、まず、インク4Mが画素境界線Lよりも搬送方向Fの上流側部分に着弾する(なお、図20のB部分のうち画素境界線Lよりも搬送方向Fの下流側のインク4Mは前の走査(図20のA部分)において着弾したもの)。この際、図20のB部分の矢印で示すように、インク4Mの着弾ずれや滲みによってその一部が画素境界線Lよりも搬送方向Fの下流側部分に流れ込むことがある(現象3)。
その後、同じ往路方向SAへのキャリッジ3の移動において、図20のC部分に示すように、後処理液6Mが画素境界線Lよりも搬送方向Fの下流側部分に着弾すると、後処理液6Mの着弾ずれや滲みによってその一部が画素境界線Lよりも搬送方向Fの上流側部分に流れ込むことがある(現象4)。なお、上記の現象2、3および4では、現象1のように後処理液6Mが前処理液5Mに直接作用するものではないため、現象1と比較すると画像濃度の変化の問題は小さい。
上記のような現象に基づく問題を解決するために、本実施形態では、キャリッジ3上にインクヘッド4、前処理ヘッド5および後処理ヘッド6が好適に配置されるとともに、制御部90がインクヘッド4からのインクの吐出パターンを好適に制御する。
すなわち、本実施形態では、図6、図7に示すように、搬送方向Fにおいて複数列のインクヘッド4が配置されており、同じ色のインクが異なるキャリッジ3の走査においてそれぞれ吐出可能である。特に、上流側のインクヘッド4のノズル配置領域は、後処理ヘッド6のノズル配置領域に対して搬送方向Fに間隔をおいて配置されており、後処理ヘッド6から後処理液6Mが吐出される走査よりも前の走査において、ワークW上にインク4Mを吐出することができる。したがって、図19のB部分のように、画素境界線Lの直ぐ上流側にインク4Mが着弾していない状態で、画素境界線Lの直ぐ下流側に後処理液6Mが着弾することがなく、図19のC部分における画像濃度の低下(4MA)を起き難くできる。なお、インクヘッド4は、2列に限定されるものではなく、3列以上配置されてもよい。
図10は、本実施形態に係るインクジェット式プリンター1において、ヘッド境界付近における画像ドット(画素)上のインクおよび各処理液の着弾を説明する模式図である。本実施形態では、ワークW上に濃度の濃い画素を記録する場合、吐出パターン指定部903(図8)は記憶部904に格納された吐出パターンの中から1列目および2列目の両方のインクヘッド4(上流側インクヘッドH1、下流側インクヘッドH2)によってインク4Mを吐出するパターンを採用し、吐出制御部902にその情報を入力する。
この結果、図19のB部分に相当する状況においては、図10のA部分に示すように、画素境界線Lよりも搬送方向Fの上流側部分には一つ前の走査において既にインク4Mが着弾しているため、後処理液6Mが前処理液5Mに直接作用することが起き難くなり、前述のような画像濃度の低下が起きる可能性を低くできる。このように、インクヘッド4を2列に配列することで、2つのインクヘッドで印刷されることが必要な高濃度の画素があっても後処理液6Mの影響を少なくできる。
また、ワークW上に、前述の濃度の濃い画素よりも濃度が薄い画素を記録する場合、吐出パターン指定部903は記憶部904に格納された吐出パターンから、1列目および2列目の両方のインクヘッド4によってインク4Mを吐出するパターン(第1吐出パターン)、または、1列目のインクヘッド4のみによってインク4Mを吐出するパターン(第2吐出パターン)のいずれかを採用し、吐出制御部902にその情報を入力する。
なお、いずれの吐出パターンであっても、薄い画素に吐出されるインクの合計量は、濃い画素に吐出されるインクの合計量よりも少なくされる。例えば、薄い画素の濃度が、濃い画素の濃度の半分の場合、薄い画素のインクの合計量は、濃い画素のインクの合計量の約半分にされる。またその場合において、第1吐出パターンであれば、2つのインクヘッド4からと吐出されるインク量は、例えば、それぞれ約半分にされる。第2吐出パターンであれば、インクヘッド4から吐出されるインク量は、ほぼ同じされ、吐出するインクヘッド4の数が半分になることで、インクの合計量が約半分にされる。
1列目および2列目の両方のインクヘッド4によってインク4Mを吐出する場合には、上記の高濃度の場合(図10のA部分)と同様に、画像濃度の低下が起きる可能性を低くできる。また、1列目のインクヘッド4のみによってインク4Mを吐出する場合にも、図10のB部分に示すように、画素境界線Lよりも搬送方向Fの上流側部分には一つ前の走査において既にインク4Mが着弾しているため、後処理液6Mが前処理液5Mに直接作用することが起き難くなり、同様に、画像濃度の低下が起きる可能性を低くできる。
上記では、濃い画素および薄い画素の例を説明したが、これらのうちのどちらか一方だけを行ってもよいし、両方行ってもよい。2列目のインクヘッド4のみによってインク4Mを吐出すると、図10のC部分に示すように、後処理液6Mのずれ又は滲んだ後処理液6Mが前処理液5Mに直接影響するおそれがあるため、両方において上記のような吐出パターンが採用されることが望ましい。
なお、1列目および2列目の両方のインクヘッド4によってインク4Mを吐出する場合、1列目のインクヘッド4のみによってインク4Mを吐出する場合と比較して、2列目のインクヘッド4のノズルの乾燥を起き難くできる。なお、この場合も、各インクヘッド4から吐出されるインク4Mの吐出量は半減するが、図10のA部分に示すように、前処理液5Mの上に少なくともインク4Mが着弾した状態で、後処理液6Mが流れ込むようにすることで、前処理液5Mと後処理液6Mとが直接作用することを起き難くできる。
以上のように、本実施形態では、ワークW上に形成される濃度の差(階調表現)に応じて、吐出パターン指定部903が2列のインクヘッド4の吐出.パターンを適切に指定するため、画素境界線Lの周辺における画像濃度の低下を防ぎ、安定した階調表現を実現することができる。
なお、複数の同色インクヘッドが、搬送方向Fにおいて互いに異なる位置に配置されるn個(nは2以上の整数)の同色インクヘッドを有し、吐出パターン指定部903が所定の画像情報に基づいてn-1個以下の同色インクヘッドからインクを吐出させる場合には、前記n個の同色インクヘッドのうち上流側インクヘッドH1からインクを吐出し下流側インクヘッドH2からインクを吐出しないように吐出インクヘッドを指定すればよい。この場合も、画素境界線L近傍における濃度低下を起き難くできる。
この際、記憶部904は、ワークW上に所定の濃度で画像を形成するために吐出パターン指定部903によって参照される情報であって、吐出インクヘッドの数と各吐出インクヘッドから吐出されるインクの吐出量との組み合わせに関する複数の吐出パターン情報を予め記憶していることが望ましい。特に、前記吐出パターン情報は、n個の同色インクヘッドからインクを吐出させる吐出パターン情報(第1パターン情報)と、n-1個以下の同色インクヘッドからインクを吐出させる吐出パターン情報(第2パターン情報)とを少なくとも含むことがより望ましい。この場合、吐出パターン指定部903は、後者の吐出パターン情報に基づいて吐出インクヘッドを指定する場合に、上流側インクヘッドH1からインクを吐出し下流側インクヘッドH2からインクを吐出しないように吐出インクヘッドを指定すればよい。この結果、すべての同色インクヘッドからインクを吐出する必要がない場合には、下流側インクヘッドH2からのインクの吐出を優先的に阻止することで、画素境界線L近傍における濃度低下を起き難くできる。
本実施形態に係るインクジェット式プリンター1では、インクのみの印刷、前処理液およびインクのみの印刷、インクおよび後処理液のみの印刷をしてもよい。そのような場合、前述の濃度低下は起きないため、下流側インクヘッドH2のみによるインクの吐出パターン(第3吐出パターン)が使用されてもよい。また、前述の濃度低下は、前処理液、インク、後処理液およびワークWの種類の組み合わせや、温度および湿度などの環境要因などで、影響度合いが変わることがある。前述の濃度低下の影響が小さい場合、他の画質に影響する因子などの改善を優先して、第3吐出パターンが使用されてもよい。さらに、前述の濃度低下の影響の程度により、特定の濃度には、第3吐出パターンが使用され、他の濃度には、第3吐出パターン以外が使用されてもよい。
吐出パターン指定部903が特定のインクを特定の濃度で印刷する場合に使用する吐出パターンは、ユーザーが設定することが可能なものでもよいし、記憶部904に記憶されている吐出パターンの中からユーザーが選択できるものでもよい。印刷に使用するすべての濃度に対して、上流側インクヘッドH1および下流側インクヘッドH2からインクをそれぞれ吐出するパターン(第1吐出パターン)、および、上流側インクヘッドH1からインクを吐出し下流側インクヘッドH2からインクを吐出しないパターン(第2吐出パターン)のいずれかが設定されたモードを使用することで、第3吐出パターンを含まない印刷をすることができる。
なお、制御部90は、印刷に使用する複数の濃度に対応する吐出パターンを、特定の吐出パターンにまとめて設定された吐出モードが設定できてもよい。さらに、印刷に使用するすべての濃度に対して、上述の第3吐出パターンを含まない吐出パターンが設定された吐出モードを有してもよい。
図11は、本実施形態に係るインクジェット記録装置において、ヘッド境界付近における画像ドット上のインクおよび各処理液の着弾を説明する模式図である。前述のように、図18~図20を用いて説明した現象1~4のうち現象2、3および4は、現象1と比較すると大きな画像濃度の変化には繋がりにくいが、図20のC部分の矢印に示す現象4では、現象1よりも少ないながらも、多少画像濃度が低下する可能性がある。
本実施形態に係るインクジェット式プリンター1では、このような現象4に基づく画像濃度の低下も低減することができる。前述のように、図20のB部分、C部分に示す状態では、キャリッジ3の所定の走査中にインク4Mが先に着弾するとともに隣接する後処理液6Mの着弾がずれる又は滲むことがある。このため、本来の次の走査において後処理液6Mが着弾する場合と比較すると、インク4Mの着弾から後処理液6Mが影響するまでの時間が大幅に短くなるため、凝集した色素がワークWの繊維とあまり結着しないうちに、後処理液6Mとともに繊維の奥に流され、結果として濃度が薄くなるおそれがある。
一方、本実施形態では、たとえば、高濃度の画素を印刷する場合、図11のA部分に示すように、後処理液6Mが着弾するよりも1走査分の時間以上前に上流側インクヘッドH1のインク4Mが着弾している。そして、この上流側インクヘッドH1のインク4M1は、前処理液5Mと混じった後に所定の時間が経過しているため、下流側インクヘッドH2のインク4M2が着弾した後、早いタイミングで後処理液6Mがずれる又は滲んだとしても、その影響は小さくなる。
また、図11のB部分を参照して、本実施形態において、濃度の薄い画素を印刷する場合には、少なくとも上流側インクヘッドH1からインク4Mが吐出されることで、後処理液6Mの着弾時には、そのインク4Mは前処理液5Mと混じったあと充分時間が経過しているため、後処理液6Mがずれる又は滲んだとしても、その影響は小さくなる。
このように、本実施形態では、現象4に基づく画像濃度の低下も起き難くできる。なお、図20のB部分の矢印で示す現象3は、予め着弾したインク4Mに新たなインク4Mが流れ込むものであるため、上記のように前処理液5Mに後処理液6Mが作用する現象と比較して、大きな濃度の変化には繋がりにくい。
更に、本実施形態に係るヘッド配置によれば、キャリッジ3の小型化を図りつつ、必要なインク及び処理液の吐出量を多くすることができる。すなわち、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6を、搬送方向Fにおいてインクヘッド4と異なる位置に配置することにより、必要な量のインクを吐出できるインクヘッド4A~4Fを主走査方向Sに配列しつつ、また往路主走査及び復路主走査の双方で印刷処理を可能としつつ、上記ヘッド4~6の搭載に必要なキャリッジの主走査方向の長さを短くすることができる。
特に、第1~第6インクヘッド4A~4Fは、それぞれ搬送方向F(複数の処理ヘッドの配列方向と交差する方向)に配列された上流側インクヘッドH1(4A1~4F1)と下流側インクヘッドH2(4A2~4F2)とを備える。このため、各色のインクの吐出量を増加させるため、若しくは、多色化を図るべくインクヘッド4の数を増やしても、キャリッジ3の主走査方向の長さを大型化し難くできる。
また、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6は、第1~第6インクヘッド4A~4Fの主走査方向Sにおける配置幅Hの範囲内に配置されている(図6)。このため、インクヘッド4に加えて前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6をキャリッジ3に搭載させる場合でも、当該キャリッジ3の主走査方向の長さを拡張させる必要はない。つまり、キャリッジ3の主走査方向の長さを大型化し難くできる。
更に、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6は、第1~第6インクヘッド4A~4Fの配列ピッチ間に一部が入り込むように配置されている。このような千鳥状配置とすることで、搬送方向Fの異なる位置に配置されるインクヘッド4と処理ヘッド5、6とを、搬送方向Fに高密度に配置することができる。従って、キャリッジ3の搬送方向Fの長さの小型化を図ることができる。
また、本実施形態におけるヘッド配置では、搬送方向Fにおいてインクヘッド4の上流側に1個の前処理ヘッド5が、下流側に1個の後処理ヘッド6が各々配置されている。すなわち、前処理液、インク及び後処理液の吐出用ヘッドの3種類のヘッドを、一つのキャリッジ3に搭載したオールインワン型のインクジェット式プリンター1を提供することができる。また、前処理ヘッド5、インクヘッド4及び後処理ヘッド6が順次搬送方向Fに配置されているので、往路主走査及び復路主走査の双方において、前処理液、インク及び後処理液を望ましい着弾順となるように吐出できる。
また、本実施形態では、後処理ヘッド6は、主走査方向Sにおいて各色の下流側インクヘッドH2(4A2~4F2)が配置される配置範囲HBの外側に配置されている(図6)。このような配置によれば、主走査方向Sにおいて後処理ヘッド6に近い下流側インクヘッドH2の数を減らすことができる。また、後処理ヘッド6と各色の下流側インクヘッドH2との主走査方向Sにおける距離の平均値も小さくすることが可能となる。この結果、図18~図20で説明したような現象の発生を低減することができる。なお、複数の後処理ヘッド6が配置される場合には、後記のように全ての後処理ヘッド6が前記配置範囲の外側に配置されることが望ましいが、少なくとも一部の後処理ヘッド6が前記配置範囲の外側に配置されてもよい。
また、本実施形態では、後処理ヘッド6は、複数組の同色インクヘッドに含まれる複数の下流側インクヘッド2Hに対して、その一部が搬送方向Fに重なるように配置されるとともに、前記複数組の同色インクヘッドに含まれる複数の上流側インクヘッドのうちの一の上流側インクヘッド(図9の4F1)と主走査方向Sにおいて同じ位置に配置されている。このような構成によれば、インクヘッド4、前処理ヘッド5および後処理ヘッド6が搭載されるキャリッジ3のサイズを主走査方向Sおよび搬送方向Fにおいてコンパクトにすることができる。
更に、本実施形態では、キャリッジ3は、ガイドレール17(保持部材)によって片持ち状態で保持されるバックフレーム32(係合部)を有する。キャリッジ3をタイミングベルト16に片持ち支持させることにより、構造を簡略化できる。また、片持ち支持させることにより、容易に当該キャリッジ3の下流側を開放させた構造とすることができ、インクヘッド4及び処理ヘッド5、6のメンテナンスを行い易くすることができる。
このように片持ち支持されるキャリッジ3において、前処理ヘッド5はヘッド支持フレーム31の基端側311(係合部に近い側)に、後処理ヘッド6は先端側312(係合部から遠い側)に、それぞれ配置されている。タイミングベルト16に固定されるバックフレーム32に近い基端側311と異なり、自由端である先端側312では位置精度が低下することが想定される。しかし、先端側312には、比較的吐出精度に高度なシビアさを求められない後処理ヘッド6が搭載されている。後処理液は、ワークW上に印画されたインク画像上をコーティングするものであるため、着弾位置ズレが生じたとしても、前処理液に同程度の着弾位置ズレが生じるよりは、画像品質に与える相対的な影響度を小さくできる。従って、片持ち支持されるキャリッジ3を使用する場合でも、画像の品質低下を起こしに難くできる。更に、このような後処理液にたとえ着弾位置ズレが生じたとしても、前述のように画素境界線L近傍における画像濃度低下を安定して起きにくくできる。
なお、図6、図7および図9に示されるヘッド配置において、各色の2列目の下流側インクヘッドH2が配置されない態様でもよい。つまり、この場合、インクヘッド4の列は一つでもよい。ただし、この場合、搬送方向Fにおける後処理ヘッド6の配置は上記の各図のように、1列目の上流側インクヘッドH1に対して搬送方向Fの下流側に間隔をおいて配置されることが望ましい。すなわち、後処理ヘッド6から後処理液6Mが吐出されるノズル配置領域に対して、インクヘッド4からインク4Mが吐出されるノズル配置領域が搬送方向Fの上流側に離れて配置されていることが望ましい。なお、このような位置関係を前提とすれば、上流側インクヘッドH1は複数列配置されてもよい。このようなヘッド配置によれば、後処理液6Mの着弾位置は、図19のB部分のようにインク4Mの着弾位置に対して搬送方向Fにおいて隣り合うことがない。
この場合、インクジェット式プリンター1は、ワークWを所定の搬送方向Fに搬送するワーク搬送部20と、搬送方向Fと交差する主走査方向Sに往復移動するキャリッジ3と、キャリッジ3に搭載され、インクをそれぞれ吐出するインクヘッド4と、搬送方向Fにおいてインクヘッド4に対して上流側に配置され非発色性の前処理液を吐出する少なくとも一つの前処理ヘッド5と、搬送方向Fにおいて複数のインクヘッド4に対して下流側に配置され非発色性の後処理液を吐出する少なくとも一つの後処理ヘッド6とを備える。そして、インクヘッド4のノズル配置領域は、その下流側に位置する後処理ヘッド6のノズル配置領域に対して搬送方向Fに間隔をおいて配置されている。
次に、本開示の他の実施形態に係るインクジェット式プリンター1のキャリッジ3におけるヘッド配置について説明する。なお、以後の実施形態では、先の第1実施形態との相違点を中心に説明し、共通する点の説明を省略する。
図12は、本開示の第2実施形態に係るインクジェット式プリンター1(インクジェット記録装置)のキャリッジ3A上における上流側インクヘッドH1および下流側インクヘッドH2を示す模式的な平面図である。先の第1実施形態では、図9に示すように、各色のインクヘッド4として、上流側インクヘッドH1および下流側インクヘッドH2が1つずつ備えられる態様にて説明した。本実施形態では、図12に示すように、上流側インクヘッドH1が搬送方向Fにおいて異なる位置に配置された2列のヘッド(4F1、4F2)を備え、下流側インクヘッドH2が第1実施形態と同様に、1列のヘッド(4F3)を備える。なお、図12では、ブラック色の第6インクヘッド4Fについてのみ図示しているが、他の色のインクヘッドについても同様である。また、本実施形態においても、各ヘッドは千鳥形状に配置されている。
本実施形態では、下流側インクヘッドH2(4F3)のノズル配置領域は、後処理ヘッド6のノズル配置領域と搬送方向Fに沿って連続している(繋がっている、隣接している)。一方、上流側インクヘッドH1(4F1、4F2)のノズル配置領域は、後処理ヘッド6のノズル配置領域に対して、搬送方向Fにおいて間隔をおいて配置されている。このため、本実施形態においても、所定の画素に対して少なくとも上流側インクヘッドH1からインクを吐出することで、画素境界線L近傍における画像濃度の低下を起き難くできる。
この際、前記所定の画素に要求される画像濃度に対して、吐出パターン指定部903が上流側インクヘッドH1および下流側インクヘッドH2の3つのヘッドからインクを分散して吐出するパターンを採用することで、図10のA部分、図10のB部分と同様に、少なくとも後処理ヘッド6から吐出された後処理液6Mが前記所定の画素位置に着弾する際には、予め前処理液5M上にインク4Mが着弾しているため、前処理液5Mに後処理液6Mが直接作用することが起き難くなる。
また、前記所定の画素に要求される画像濃度に対して、2つのヘッドからインクを分散して吐出する場合、吐出パターン指定部903は、上流側インクヘッドH1の2つのヘッドからインクを吐出させてもよい。更に、各色のインクヘッドについて、搬送方向Fにおいて互いに異なる位置に配置されるn個(nは3以上の整数)の同色インクヘッドが配置され、吐出パターン指定部903が所定の画像情報に基づいてn-2個以下の同色インクヘッドからインクを吐出させる場合には、複数の上流側インクヘッドH1のうち搬送方向Fの上流側に位置する同色インクヘッドから優先的に前記吐出インクヘッドを指定すればよい。このような構成によれば、より上流側のインクヘッドからインクが吐出されるため、前処理液5Mとインク4Mとが充分に作用した後に、後処理液6Mが着弾する。この結果、前処理液5Mに後処理液6Mが直接作用することが更に起き難くなる。
また、本実施形態においても、記憶部904は、ワークW上に所定の濃度で画像を形成するために吐出パターン指定部903によって参照される情報であって、前記吐出インクヘッドの数と各吐出インクヘッドから吐出されるインクの吐出量との組み合わせに関する一つ以上の吐出パターン情報を記憶するものでもよい。当該吐出パターン情報の中に、少なくとも一つの濃度と対応して記憶され吐出インクヘッドの数が互いに異なる複数の吐出パターン情報(特定吐出パターン情報)が含まれる場合には、吐出パターン指定部903は、前記複数の特定吐出パターン情報が対応して記憶されている濃度で画像を記録する際に、吐出インクヘッドの数が最も小さい吐出パターン情報を選択し吐出インクヘッドを指定してもよい。この場合も、可能な限り少ない数のインクヘッドで搬送方向Fの上流側に配置されるインクヘッドから優先的にインクを吐出することで、前処理液5Mに後処理液6Mが直接作用することが更に起き難くなる。
図13は、本開示の第3実施形態に係るインクジェット式プリンター1におけるキャリッジ3B上のインクヘッド及び処理ヘッドの配置を概略的に示す平面図である。先の第1実施形態では、インクヘッド4の右端部に前処理ヘッド5および後処理ヘッド6がそれぞれ配置される態様にて説明したが、図13に示すように、インクヘッド4の左端部に前処理ヘッド5および後処理ヘッド6が配置される態様でもよい。この場合も、インクヘッド4のうちの少なくとも上流側インクヘッド(たとえば4A1)からインクが吐出されることで、画素境界線Lの近傍において後処理液6Mが前処理液5Mに直接作用することが起き難くなる。
図14は、本開示の第4実施形態に係るインクジェット式プリンター1におけるキャリッジ3C上のインクヘッド及び処理ヘッドの配置を概略的に示す平面図である。先の第1実施形態では、各色のインクヘッドについて上流側インクヘッドH1が下流側インクヘッドH2の右側に配置される態様にて説明したが、図14に示すように、上流側インクヘッドが下流側インクヘッドの左側に配置される態様でもよい。また、この場合も、インクヘッド4、前処理ヘッド5および後処理ヘッド6が千鳥形状に配置されることで、キャリッジ3上のヘッド配置領域をコンパクトに設定することができる。なお、図13、図14のいずれの態様も、先の第1実施形態と同様に、各ヘッドが千鳥形状に配置されるとともに、前処理ヘッド5および後処理ヘッド6が主走査方向Sにおけるインクヘッド4の配置範囲内に配置されているため、主走査方向Sおよび搬送方向Fにおけるキャリッジ3のサイズを更にコンパクトにすることができる。
図15は、本開示の第5実施形態に係るインクジェット式プリンター1におけるキャリッジ3D上のインクヘッド及び処理ヘッドの配置を概略的に示す平面図である。先の第1実施形態では、前処理ヘッド5および後処理ヘッド6が1つずつ配置される態様にて説明したが、図15に示すように、主走査方向Sにおいて互いに異なる位置に配置される2つの後処理ヘッド6A、6Bが備えられる態様でもよい。この場合、後処理ヘッド6A、6Bは、主走査方向Sにおいて各色の下流側インクヘッドH2が配置される配置範囲HBの外側において、主走査方向Sに並んで配置されている。このような配置によれば、主走査方向Sにおいて後処理ヘッド6A、6Bに近い下流側インクヘッドH2の数を減らすことができる。また、後処理ヘッド6A、6Bと各色の下流側インクヘッドH2との主走査方向Sにおける距離の平均値も小さくすることが可能となる。この結果、図18~図20で説明したような現象の発生を低減することができる。また、本実施形態のように、後処理ヘッド6が複数の後処理ヘッド6A、6Bで構成されることで、単体ヘッドでは後処理液の吐出量が不足する場合でも、複数の後処理ヘッド6A、6Bの配置により必要な量を吐出できる。なお、図15における後処理ヘッドの数は3以上でもよい。
図16は、本開示の第6実施形態に係るインクジェット式プリンター1におけるキャリッジ3E上のインクヘッド及び処理ヘッドの配置を概略的に示す平面図である。
本実施形態においても、キャリッジ3Eは、ガイドレール17(保持部材)(図1、図2)にてバックフレーム32(係合部)が片持ち状態で保持されている。ヘッド支持フレーム31には、第1~第6インクヘッド4A~4Fを備えたインクヘッド4と、1つの前処理ヘッド5と、2つの後処理ヘッド6A、6Bを備えた後処理ヘッド6とが搭載されている。本実施形態においても、前記所定の画素に対して少なくとも搬送方向Fの上流側のインクヘッド4からインクを吐出することで、画素境界線Lの近傍において後処理液6Mが前処理液5Mに直接作用し、画像濃度の低下が生じることが起き難くなる。
また、本実施形態においても、主走査方向Sにおいて互いに異なる位置に配置される後処理ヘッド6A、6Bが備えられている。ここで、図16に示すように、後処理ヘッド6Bは、複数組の同色インクヘッドに含まれる複数の下流側インクヘッドH2の配置範囲HBに対して主走査方向Sの外側に配置されている(第1後処理ヘッド)。一方、後処理ヘッド6Aは、複数の下流側インクヘッドH2のうちの主走査方向Sにおいて隣り合う一対の下流側インクヘッドH2の間にその一部が入り込むように配置されるとともに、主走査方向Sにおいて後処理ヘッド6Bに並んで配置されている(第2後処理ヘッド)。このような配置でも、主走査方向Sにおいて複数の後処理ヘッド6A、6Bに近いインクヘッドの数を減らすことができる。また、後処理ヘッド6A、6Bと各色の下流側インクヘッドとの主走査方向Sにおける距離の平均値も小さくすることが可能となる。また、このような効果を奏しながら、キャリッジ3の主走査方向Sにおけるサイズをコンパクトにすることができる。
また、本実施形態では、前処理ヘッド5は一つの単位ヘッドで、後処理ヘッド6は二つの単位ヘッド(後処理ヘッド6A、6B)で、それぞれ構成されている。これら前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6のうち、単位ヘッドの個数が少ない前処理ヘッド5が、ヘッド支持フレーム31の基端側311に配置されている。単位ヘッドの個数が多い後処理ヘッド6については、先端側312に配置されている。換言すると、ヘッド支持フレーム31の搬送方向Fの上流側端縁が、ガイドレール17で保持される側とされている。
上述の通り、処理ヘッド5、6は吐出動作によって発熱する。図16に模式的に示すように、高温化した前処理ヘッド5は、熱haを放散する。後処理ヘッド6A、6Bも同様である。この熱haによってキャリッジ3Eのヘッド支持フレーム31は加温され、当該ヘッド支持フレーム31及びその保持構造体であるバックフレーム32や、バックフレーム32とタイミングベルト16との固定金具等に熱変形を招来し得る。この熱変形は、片持ち状態で保持されるキャリッジ3Eでは、インクヘッド4から吐出されるインクの着弾精度に影響を与え得る。
しかし、本実施形態に係るキャリッジ3Eでは、ヘッド支持フレーム31の片持ち保持される側である基端側311に、単位ヘッドの個数が少ない前処理ヘッド5を配置している。これにより、熱変形による影響(着弾精度の低下)を小さくできる。仮に、単位ヘッドの個数が多い後処理ヘッド6を基端側311に配置した場合、バックフレーム32は2個の単位ヘッドから熱haの放散を受け、より高温化して熱変形し易くなる。
また、キャリッジ3Eでは、キャリッジ3Eのバックフレーム32に最も近い側に配置される前処理ヘッド5は、インクヘッド4及び処理ヘッド5、6の配列体HAにおける主走査方向Sの端を除く位置に配置されている。キャリッジ3Eに搭載されるヘッド4,5,6のうち、前処理ヘッド5はバックフレーム32(係合部)に最も近い側に配置されるヘッドである。このような前処理ヘッド5が、ヘッド配列体HAの端である配置端313を除く位置に配置されている。
キャリッジ3Eは徒らにサイズを大きくできないので、ヘッド配列体の主走査方向Sの配置端313は、もしそこにヘッドを配置すると、そのヘッドはキャリッジ3E(ヘッド支持フレーム31)の主走査方向Sの角部に最も近いヘッドになる。配置端313は、片持ち支持されるバックフレーム32の近傍でもあるため、その付近で熱変形が生じると、ヘッド支持フレーム31の高さ方向や水平方向の歪みや位置ずれを誘発し得る。このことは、キャリッジ3Eに搭載されたヘッド4,5,6の着弾位置精度を低下させる。従って、配置端313の領域には高温化する前処理ヘッド5を配置しないことで、上記の熱変形の問題を発生し難くできる。
また、本実施形態においても、2列あるインクヘッド4の列のうちで、係合部側に配置されているヘッド4の列(上流側インクヘッドH1)が、図16において右側にずれた位置にある千鳥配置となっている。更に、係合部側にヘッド数の少ない処理ヘッドである前処理ヘッド5を配置し、前処理ヘッド5を千鳥配置となる配置位置の中で最も右側に配置している。このように配置することで、配置端313に処理ヘッドを配置しないようにヘッドを配置できる。
また、本実施形態では、複数の後処理ヘッド6が配置される点で同様の図15の配置と比較して、主走査方向Sにおけるインクヘッド4の配置範囲内に後処理ヘッド6A、6Bが配置されているため、キャリッジ3Eのサイズをコンパクトにすることができる。
図17は、本実施形態に係るインクジェット式プリンター1におけるキャリッジ3E上のインクヘッド、処理ヘッドおよびサブタンクの配置を概略的に示す平面図である。以下ではキャリッジ3E上のヘッド4,5,6と、これらにインク又は処理液を供給するサブタンクとの好ましい配置関係について例示する。
キャリッジ3Eにはサブタンク7も搭載されている。サブタンク7は、インク用サブタンク7A~7F、前処理液用サブタンク71及び後処理液用サブタンク72を含む。これらのサブタンク7には、図略のメインタンクからインク、前処理液及び後処理液が各々供給される。インク用サブタンク7A~7Fは、第1~第6インクヘッド4A~4Fの各々に前記インクを供給する。例えば、第1インクヘッド4Aの上流側インクヘッド4A1にはインク用サブタンク7Aの第1タンク7A1から、下流側インクヘッド4A2には第2タンク7A2から、管路P1を介して第1色のインクが供給される。第2~第6インクヘッド4B~4Fについても、同様して第2色~第6色のインクが各々供給される構造である。インク用サブタンク7の主走査方向Sにおける配置順は、それぞれのインク用サブタンク7がインクを供給しているインクヘッド4の主走査方向Sにおける配置順と同じである。
なお、同色のインクを吐出する複数のインクヘッド4に対して、1つのインク用サブタンク7からインクを供給してもよい。この場合、インク用サブタンク7を共有するインクヘッド4は、主走査方向Sにおいて、まとまった位置に配置してもよい。さらに、同じインクを吐出するインクヘッド4は、主走査方向Sにおいて、まとめて配置するのがよく、主走査方向Sにおいて、各色のインク用サブタンク7の配置の順番を、各色のインクヘッド4の配置の順番を同じにしてもよい。
前処理液用サブタンク71は、管路P2を介して前処理ヘッド5に前処理液を供給する。後処理液用サブタンク72は、第1タンク72A及び第2タンク72Bを含む。第1、第2タンク72A、72Bは、それぞれ管路P3を介して、後処理ヘッド6A、6Bに後処理液を供給する。
インク用サブタンク7A~7Fは、主走査方向Sに並ぶようにキャリッジ3Eに搭載されている。処理液用サブタンク71、72は、搬送方向Fにおいてインク用サブタンク7A~7Fとは異なる位置で、主走査方向Sに並んで配置されている。具体的には、前処理液用サブタンク71と、後処理液用サブタンク72の第1、第2タンク72A、72Bとが、インク用サブタンク7A~7Fの搬送方向Fの下流側において、主走査方向Sに一列に並んでいる。なお、前処理液用サブタンク71だけを、インク用サブタンク7A~7Fの上流側に配置しても良い。
主走査方向Sに往復移動するキャリッジ3Eに搭載されたサブタンク7の液体には、その主走査方向Sの加速度が作用する。サブタンク7と各ヘッド4,5,6とは管路P1,P2,P3で接続されるが、サブタンク7がキャリッジ3J上で広く分布していると、主走査方向Sにおける管路P1~P3の配置範囲も大きくなる。これら管路P1~P3にもインク又は処理液が充填されているので、前記加速度の影響を受けてヘッド4,5,6の吐出部分においてメニスカス破壊を起こすことがある。
しかし、本実施形態の構成によれば、インク用サブタンク7A~7Fは、第1~第6インクヘッド4A~4Fと同様に主走査方向Sに並ぶようにキャリッジ3Eに搭載される。このため、インク用サブタンク7A~7Fをキャリッジ3Jのヘッド支持フレーム31上の比較的狭い範囲に配置させることが可能となる。同様に、前処理液用サブタンク71及び後処理液用サブタンク72についても、キャリッジ3Eのヘッド支持フレーム31上の比較的狭い範囲に配置させることができる。
さらに、前処理液用サブタンク71及び後処理液用サブタンク72を、搬送方向Fにおいて、インク用サブタンク7A~7Fとは別の位置に配置しているので、前処理液用サブタンク71及び後処理液用サブタンク72と、前処理液用サブタンク71及び後処理液用サブタンク72のそれぞれが処理液を供給する処理ヘッドとの主走査方向Sにおける位置の差を少なく配置できる。これにより、前処理液用サブタンク71、管路P及び前処理ヘッド5の中に繋がって存在する前処理液の主走査方向Sの分布範囲を小さくでき、前記加速度の影響を受け難くすることができる。同様に、繋がって存在する後処理液の主走査方向Sにおける分布範囲を小さくでき、前記加速度の影響を受け難くすることができる。
同様に、インク用サブタンク7A~7Fと、インク用サブタンク7A~7Fのそれぞれがインクを供給するインクヘッド4との主走査方向Sにおける位置の差を少なく配置できる。これにより、繋がって存在するインクの主走査方向Sにおける分布範囲を小さくでき、前記加速度の影響を受け難くすることができる。
次に、本開示の各実施形態に係るインクジェット式プリンター1と比較される他のインクジェット記録装置におけるキャリッジ上のヘッド配置について説明する。図21は、上記の他のインクジェット記録装置におけるキャリッジ上のインクヘッド及び処理ヘッドの配置を概略的に示す平面図である。
前述のように図18~図20で説明した各現象に基づく問題は、ワークW上の所定の画素に対して前処理液5M、インク4Mおよび後処理液6Mをそれぞれ別の走査(キャリッジ3の移動)で着弾させる場合に顕著となる。上記の各実施形態に係るヘッド配置は、このような問題を好適に解決することができる。
一方、図21に示される例では、複数のインクヘッド4(4A~4F)の主走査方向Sの両側に2つの前処理ヘッド5A、5Bが配置され、これらのヘッドの搬送方向Fの下流側に後処理ヘッド6が配置されている。このような場合、キャリッジ3の所定の方向への走査内で、前処理ヘッド5Aまたは5Bから前処理液5Mを吐出し着弾させるとともに、各インクヘッド4からインク4Mを吐出し着弾させることができる。そして、キャリッジ3の次の走査において後処理ヘッド6から後処理液6Mを吐出し着弾させることができる。この場合、前処理液5MがワークWの繊維内に浸透している最中にインク4Mが着弾するため、その後に後処理液6Mの着弾時にずれや滲みが生じたとしても、前処理液5Mの浸透が収まった後にインク4Mが着弾する場合と比較して、インク4Mの色素が繊維の奥に進入する作用は発生しにくい。しかしながら、図21に示される例でも、双方向印刷を行う場合には、キャリッジ3の移動方向が切り換わる主走査方向Sの端部において、インク4Mの着弾と後処理液6Mの着弾との間の時間間隔が短いため、前述の画像濃度の低下が懸念されるが、上記のように予めインク4Mと前処理液5Mとが同じ走査内で更に短い時間間隔で着弾しているため、前処理液5Mと後処理液6Mとの直接的な相互作用などによる画像濃度の低下は生じにくい。つまり、図21に示される配置では、図19を用いて説明した、画素の濃度が低下するという課題は実質的に生じない。
1 インクジェット式プリンター(インクヘッド式記録装置)
16 タイミングベルト(移動部材)
17 ガイドレール(保持部材)
20 ワーク搬送部(搬送部)
3、3A~3E キャリッジ
31 ヘッド支持フレーム
32 バックフレーム
4 インクヘッド
4A~4F 第1~第6インクヘッド
5 前処理ヘッド(処理ヘッド)
6 後処理ヘッド(処理ヘッド)
7 サブタンク
71 前処理液用サブタンク
72 後処理液用サブタンク
7A~7F インク用サブタンク
90 制御部
901 駆動制御部
902 吐出制御部
903 吐出パターン指定部(吐出ヘッド指定部)
904 記憶部
F 搬送方向
H1 上流側インクヘッド
H2 下流側インクヘッド
S 主走査方向
W ワーク(記録媒体)

Claims (14)

  1. 記録媒体を所定の搬送方向に搬送する搬送部と、
    前記搬送方向と交差する主走査方向に往復移動するキャリッジと、
    前記キャリッジに搭載され、インクをそれぞれ吐出する複数のインクヘッドと、
    前記搬送方向において前記複数のインクヘッドに対して上流側に配置され、非発色性の前処理液を吐出する少なくとも一つの前処理ヘッドと、
    前記搬送方向において前記複数のインクヘッドに対して下流側に配置され、非発色性の後処理液を吐出する少なくとも一つの後処理ヘッドと、
    を備え、
    前記複数のインクヘッドは、前記搬送方向に並んで配置され互いに同じ色のインクを吐出する複数の同色インクヘッドを含む、インクジェット記録装置。
  2. 請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
    前記複数の同色インクヘッドは、前記主走査方向において互いに異なる位置であって、前記搬送方向において互いの一部が重なるように配置されている、インクジェット記録装置。
  3. 請求項1または2に記載のインクジェット記録装置において、
    前記複数のインクヘッドは、前記複数の同色インクヘッドを一組の同色インクヘッドとした場合、前記主走査方向に並んで配置され互いに異なる色のインクをそれぞれ吐出する複数組の同色インクヘッドを有し、
    前記複数組の同色インクヘッドは、
    前記搬送方向において最も前記後処理ヘッドに近い位置に配置される下流側インクヘッドと、
    前記搬送方向において前記前処理ヘッドと前記下流側インクヘッドとの間に配置される少なくとも一つの上流側インクヘッドと、
    をそれぞれ含み、
    前記少なくとも一つの後処理ヘッドは、前記複数組の前記同色インクヘッドに含まれる複数の前記下流側インクヘッドの配置範囲に対して前記主走査方向の外側に配置されている、インクジェット記録装置。
  4. 請求項3に記載のインクジェット記録装置において、
    前記少なくとも一つの後処理ヘッドは、前記主走査方向において互いに異なる位置に配置される複数の後処理ヘッドを含み、
    前記複数の後処理ヘッドは、前記複数の前記下流側インクヘッドの配置範囲に対して前記主走査方向の外側に並んで配置されている、インクジェット記録装置。
  5. 請求項1または2に記載のインクジェット記録装置において、
    前記複数のインクヘッドは、前記複数の同色インクヘッドを一組の同色インクヘッドとした場合、前記主走査方向に並んで配置され互いに異なる色のインクをそれぞれ吐出する複数組の同色インクヘッドを有し、
    前記複数組の同色インクヘッドは、
    前記搬送方向において最も前記後処理ヘッドに近い位置に配置される下流側インクヘッドと、
    前記搬送方向において前記前処理ヘッドと前記下流側インクヘッドとの間に配置される少なくとも一つの上流側インクヘッドと、
    をそれぞれ含み、
    前記少なくとも一つの後処理ヘッドは、前記複数組の同色インクヘッドに含まれる複数の前記下流側インクヘッドに対して、その一部が前記搬送方向に重なるように配置されるとともに、前記複数組の同色インクヘッドに含まれる複数の前記上流側インクヘッドのうちの一の上流側インクヘッドと前記主走査方向において同じ位置に配置されている、インクジェット記録装置。
  6. 請求項1または2に記載のインクジェット記録装置において、
    前記複数のインクヘッドは、前記複数の同色インクヘッドを一組の同色インクヘッドとした場合、前記主走査方向に並んで配置され互いに異なる色のインクをそれぞれ吐出する複数組の同色インクヘッドを有し、
    前記複数組の同色インクヘッドは、
    前記搬送方向において最も前記後処理ヘッドに近い位置に配置される下流側インクヘッドと、
    前記搬送方向において前記前処理ヘッドと前記下流側インクヘッドとの間に配置される少なくとも一つの上流側インクヘッドと、
    をそれぞれ含み、
    前記少なくとも一つの後処理ヘッドは、前記主走査方向において互いに異なる位置に配置される複数の後処理ヘッドを含み、
    前記複数の後処理ヘッドは、
    前記複数組の前記同色インクヘッドに含まれる複数の前記下流側インクヘッドの配置範囲に対して前記主走査方向の外側に配置される第1後処理ヘッドと、
    前記複数の前記下流側インクヘッドのうちの前記主走査方向において隣り合う一対の下流側インクヘッドの間にその一部が入り込むように配置されるとともに、前記主走査方向において前記第1後処理ヘッドに並んで配置される少なくとも一つの第2後処理ヘッドと、
    を含む、インクジェット記録装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載のインクジェット記録装置において、
    前記キャリッジを前記主走査方向に往復移動が可能な状態で保持する保持部材を更に備え、
    前記キャリッジは係合部を含み、当該係合部によって前記保持部材に片持ち状態で保持されており、
    前記搬送方向において、前記前処理ヘッドは前記後処理ヘッドよりも前記係合部側に配置されている、インクジェット記録装置。
  8. 請求項1乃至6の何れか1項に記載のインクジェット記録装置であって、
    前記キャリッジを前記主走査方向に往復移動が可能な状態で保持する保持部材を更に備え、
    前記キャリッジは係合部を含み、当該係合部によって前記保持部材に片持ち状態で保持されており、
    前記前処理ヘッド及び前記後処理ヘッドのうち、ヘッド数の少ない方が前記キャリッジの前記係合部側に配置されている、インクジェット記録装置。
  9. 請求項1乃至8の何れか1項に記載のインクジェット記録装置において、
    前記キャリッジを前記主走査方向に往復移動が可能な状態で保持する保持部材をさらに備え、
    前記キャリッジは係合部を含み、当該係合部によって前記保持部材に片持ち状態で保持されており、
    前記前処理ヘッドおよび前記後処理ヘッドのうち、前記キャリッジの前記係合部に最も近い側に配置されるヘッドは、前記前処理ヘッド、前記インクヘッドおよび前記後処理ヘッドのヘッド配列体における前記主走査方向の端を除く位置に配置されている、インクジェット記録装置。
  10. 請求項1乃至9の何れか1項に記載のインクジェット記録装置において、
    前記複数の同色インクヘッドは、前記搬送方向において互いに異なる位置に配置されるn個(nは2以上の整数)の同色インクヘッドを有し、
    前記複数の同色インクヘッドは、
    前記搬送方向において最も前記後処理ヘッドに近い位置に配置される下流側インクヘッドと、
    前記搬送方向において前記前処理ヘッドと前記下流側インクヘッドとの間に配置される少なくとも一つの上流側インクヘッドと、
    をそれぞれ含み、
    所定の画像情報に基づいて前記記録媒体上の所定の位置に前記インクを着弾させるために、前記n個の同色インクヘッドの中から前記インクを吐出するインクヘッドである吐出インクヘッドを指定する吐出ヘッド指定部を更に備え、
    前記吐出ヘッド指定部は、前記画像情報に基づいてn-1個以下の同色インクヘッドから前記インクを吐出させる場合に、前記n個の同色インクヘッドのうち前記上流側インクヘッドから前記インクを吐出し前記下流側インクヘッドから前記インクを吐出しないように前記吐出インクヘッドを指定する、インクジェット記録装置。
  11. 請求項10に記載のインクジェット記録装置において、
    前記nは3以上の整数であって、
    前記吐出ヘッド指定部は、前記画像情報に基づいてn-2個以下の同色インクヘッドから前記インクを吐出させる場合に、前記上流側インクヘッドのうち前記搬送方向上流側に位置する同色インクヘッドから優先的に前記吐出インクヘッドを指定する、インクジェット記録装置。
  12. 請求項11に記載のインクジェット記録装置において、
    前記記録媒体上に所定の濃度で画像を形成するために前記吐出ヘッド指定部によって参照される情報であって、前記吐出インクヘッドの数と各吐出インクヘッドから吐出されるインクの吐出量との組み合わせに関する一つ以上の吐出パターン情報を記憶する記憶部を更に備え、
    前記吐出パターン情報は、少なくとも一つの濃度と対応して記憶されている、前記吐出インクヘッドの数が互いに異なる複数の特定吐出パターン情報を含み、
    前記吐出ヘッド指定部は、前記複数の特定吐出パターン情報が対応して記憶されている濃度で画像を記録する際に、前記複数の特定吐出パターン情報の中から前記吐出インクヘッドの数が最も小さい特定吐出パターン情報を選択し前記吐出インクヘッドを指定する、インクジェット記録装置。
  13. 請求項10に記載のインクジェット記録装置において、
    前記記録媒体上に所定の濃度で画像を形成するために前記吐出ヘッド指定部によって参照される情報であって、前記吐出インクヘッドの数と各吐出インクヘッドから吐出されるインクの吐出量との組み合わせに関する複数の吐出パターン情報を記憶する記憶部を更に備え、
    前記吐出パターン情報は、n個の同色インクヘッドから前記インクを吐出させる第1パターン情報と、n-1個以下の同色インクヘッドから前記インクを吐出させる第2パターン情報とを少なくとも含み、
    前記吐出ヘッド指定部は、前記第2パターン情報に基づいて前記吐出インクヘッドを指定する場合に、前記上流側インクヘッドから前記インクを吐出し前記下流側インクヘッドから前記インクを吐出しないように前記吐出インクヘッドを指定する、インクジェット記録装置。
  14. 請求項1乃至9の何れか1項に記載のインクジェット記録装置において、
    前記複数の同色インクヘッドは、
    前記搬送方向において最も前記後処理ヘッドに近い位置に配置される下流側インクヘッドと、
    前記搬送方向において前記前処理ヘッドと前記下流側インクヘッドとの間に配置される少なくとも一つの上流側インクヘッドと、
    をそれぞれ含み、
    所定の画像情報に基づいて前記記録媒体上の所定の位置に同じ色の前記インクを着弾させる吐出は全て、前記上流側インクヘッドから前記インクを吐出し前記下流側インクヘッドから前記インクを吐出しない吐出であるか、前記上流側インクヘッドおよび前記下流側インクヘッドから前記インクをそれぞれ吐出させる吐出であるかのいずれかである、インクジェット記録装置。
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