まず、本発明の実施の形態に係る照明装置を説明する前に、参考例に係る照明装置を説明する。参考例に係る照明装置は、実施の形態に係る照明装置における改善が施されていない照明装置の一例である。
図1は、参考例に係る照明装置10の回路図である。照明装置10は、交流電力の供給を受けて発光する装置であり、例えば、電球、直管等の照明用光源、ダウンライト、シーリングライト、ペンダント、テーブルスタンド等の各種照明器具に用いられる。照明装置10は、点灯回路20及び光源15を備える。
光源15は、電流の供給を受けて発光する素子であり、例えば、LED、EL(Electronic Liminescent)等の固体発光素子である。
点灯回路20は、光源15に定電流を供給する回路であり、整流回路21及びDC/DCコンバータ22で構成される。
整流回路21は、交流電源5から供給される交流電力を第1直流電力に変換する回路であり、本実施の形態では、AC100V等の商用の交流電力を全波整流して直流電力に変換する4つのダイオードD1~D4で構成されるブリッジダイオードである。なお、抵抗素子R1は、ブリッジダイオードと直列に接続される保護用の抵抗素子である。
DC/DCコンバータ22は、整流回路21から供給される第1直流電力を第2直流電力に変換して光源15に所定の電流を供給する電源である。DC/DCコンバータ22は、制御IC23、ダイオードD5~D6、抵抗素子R2~R15及びRP、コンデンサC1~C7、インダクタL1~L2、トランジスタQ1~Q2、並びに、コネクタJ1で構成される。
インダクタL1、コンデンサC1及びC2は、整流回路21から出力される第1直流電力を平滑化する回路である。具体的には、インダクタL1、コンデンサC1及びC2は、π型フィルタを構成している。なお、コンデンサC1及びC2の間に接続される抵抗素子RPは、DC/DCコンバータ22の電流リターン経路に挿入される保護用の抵抗素子である。
抵抗素子R10~R13及びトランジスタQ1~Q2は、整流回路21の2つの出力端子間に電流を流すためのブリーダ回路である。ブリーダ回路は、交流電源5からの交流電力の供給をオンオフする蛍スイッチ(図示せず)が設けられた場合に、蛍スイッチのオフ時に、蛍スイッチが有するランプ(図示せず)に微小な電流を流すための負荷となる回路である。
制御IC23は、スイッチング素子を内蔵し、光源15に定電流を供給する制御をするワンチップの集積回路であり、本実施の形態では、8個の端子(端子ZCD、端子GND、端子VDD、端子D、端子CS、端子COMP、端子RS、端子RTC)を有する。
抵抗素子R2及びR4は、整流回路21からの第1直流電力がコンデンサC1及びC2とインダクタL1で平滑化されて生成される直流電圧を制御IC23の端子VDDに供給するための電流制限用の抵抗素子である。
コンデンサC3は、制御IC23に供給される直流電圧を平滑化するバイパス・コンデンサである。抵抗素子R3は、コンデンサC3を蓄積された電荷を放電するための抵抗素子である。
ダイオードD5及び抵抗素子R5は、DC/DCコンバータ22の出力端子(コネクタJ1の端子LED+)から制御IC23のVDD端子に電流を供給するための回路である。
抵抗素子R6は、インダクタL2に生じる電圧を制御IC23の端子ZCDにフィードバックする抵抗素子であり、制御IC23において、内蔵のスイッチング素子のオンオフの切り替えタイミングを決定するゼロカレントの検出に用いられる。
抵抗素子R7及びR8は、制御IC23の温度制御に関わる端子RTCに接続される抵抗値(この抵抗値を、R7//R8と表現する)を決定する抵抗素子である。抵抗素子R9は、制御IC23の温度制御に関わる端子RSに接続される抵抗値を決定する抵抗素子である。
コンデンサC4は、制御IC23の端子COMPに接続され、出力電流を所定値に安定させるためのコンデンサである。
抵抗素子R14は、制御IC23の端子CSと回路グランドSGNDとの間に接続され、制御IC23が有するスイッチング素子を流れる電流を検出するための抵抗素子を構成している。
インダクタL2は、光源15と直列に接続され、制御IC23が有するスイッチング素子のオン時にエネルギーを蓄積し、スイッチング素子のオフ時に、蓄積していたエネルギーを放出し、かつ、出力電流のリップルを小さくするためのコイルである。
ダイオードD6は、インダクタL2に蓄積されたエネルギーを放出させるためのダイオードである。
コンデンサC5は、制御IC23が有するスイッチング素子とインダクタL2との直列回路(制御IC23の端子DとインダクタL2の一端)の両端に接続され、インダクタL2のオフ時に生じる過渡的な高電圧を吸収するスナバ回路を構成している。
コンデンサC6及びC7は、DC/DCコンバータ22の出力電圧及び出力電流を平滑化するコンデンサである。
抵抗素子R15は、光源15が接続されない場合であってもDC/DCコンバータ22の出力端子間(コネクタJ1の端子LED+と端子LED-との間)に電流を流すためのダミー抵抗素子である。
コネクタJ1は、DC/DCコンバータ22と光源15とを接続するコネクタであり、光源15であるLEDのアノード側に接続される端子LED+とカソード側に接続される端子LED-とを有する。
図2は、図1における制御IC23の詳細な構成を示すブロック図である。制御IC23は、電源回路30、温度制御回路31、スイッチング制御回路32、ドライバ33、及び、スイッチング素子34を有する。
電源回路30は、端子VDDに供給された直流電圧VDDを制御IC23の各構成要素に分配したり、直流電圧VDDから各種基準電圧を生成して温度制御回路31及びスイッチング制御回路32に供給したりする回路である。
温度制御回路31は、制御IC23の温度が、端子RTCと回路グランド(端子GND)との間の抵抗値(抵抗値RTCとする)に依存して定まる温度制御開始温度を超えると、スイッチング素子34に流れる電流を抑制する制御をする。そのとき、温度の上昇に伴って、端子RSと回路グランド(端子GND)との間の抵抗値(抵抗値RSとする)と抵抗値RTCとの比に依存して定まる負の傾斜(つまり、抑制される電流/上昇温度)に沿って、スイッチング素子34に流れる電流を抑制する。そのために、温度制御回路31は、サーミスタを内蔵しており、サーミスタで得られる制御IC23の温度、抵抗値RTC及び抵抗値RSに基づいて、スイッチング素子34に流れる最大電流を制限するための電圧Vadjを生成してスイッチング制御回路32に出力する。
スイッチング制御回路32は、PWM(Pulse Width Modulation)制御により、スイッチング素子34をオンオフする制御信号をドライバ33に出力する。より詳しくは、スイッチング制御回路32は、スイッチング素子34を流れる電流を検知するために端子CSの電圧を検出し、検出した電圧を示す信号を端子COMPに接続された容量で補償し、補償後の信号と内部の所定電圧とを比較する。そして、補償後の信号が所定電圧を超えた場合に、スイッチング素子34をオフさせる制御信号をドライバ33に出力する。また、端子CSの電圧が、温度制御回路31から送られてくる電圧Vadjを超える場合にも、スイッチング素子34をオフさせる制御信号をドライバ33に出力する。一方、スイッチング制御回路32は、端子ZCDに入力される電圧に基づいて、ゼロカレントが検出されると、スイッチング素子34をオンさせる制御信号をドライバ33に出力する。
ドライバ33は、スイッチング制御回路32から送られてきた制御信号を電流増幅してスイッチング素子34に出力して駆動するバッファアンプである。
スイッチング素子34は、ドライバ33から送られてくる制御信号に従って、端子D及び端子CSとの間を導通又は非導通にするスイッチング素子であり、例えば、MOSFETである。
以上のように構成された参考例に係る照明装置10の動作は、次の通りである。
交流電源5から供給された交流電力は、整流回路21で整流されて第1直流電力となり、第1直流電力はDC/DCコンバータ22によって第2直流電力に変換され、光源15に定電流が供給される。
DC/DCコンバータ22の前段では、整流回路21から出力された直流電圧は、コンデンサC1、インダクタL1及びコンデンサC2で平滑化され、平滑後の直流電圧として、抵抗素子R2及びR4を経て制御IC23に供給される。
また、平滑後の直流電圧は、抵抗素子R10~R13及びトランジスタQ1~Q2で構成されるブリーダ回路にも供給される。ブリーダ回路では、交流電源5と接続される蛍スイッチ(図示せず)がオンのときは、DC/DCコンバータ22が直流電圧を出力するので、抵抗素子R13を通じてトランジスタQ2がオンし、トランジスタQ1がオフし、ブリーダ回路としての機能を停止している。一方、蛍スイッチ(図示せず)がオフのときには、DC/DCコンバータ22が直流電圧を出力しないので、抵抗素子R13を通じてトランジスタQ2がオフし、トランジスタQ1がオンし、抵抗素子R10及びトランジスタQ1に微小な電流が流れる。その結果、蛍スイッチが有するランプ(図示せず)が点灯する。
また、平滑後の直流電圧は、制御IC23の端子Dに入力され、制御IC23のスイッチング素子34がオンしたときに、抵抗素子R14、インダクタL2を介して、光源15に電流が印加される。一方、制御IC23のスイッチング素子34がオフしたときに、インダクタL2に蓄積されたエネルギーが放出され、光源15、ダイオードD6、抵抗素子R14で形成されるループ回路に電流が流れる。光源15に印加される電圧及び電流は、コンデンサC7によって平滑化される。
また、制御IC23では、スイッチング制御回路32によるPWM制御により、スイッチング素子34のオンオフが制御される。より詳しくは、スイッチング制御回路32により、スイッチング素子34を流れる電流に対応する端子CSの電圧が検出され、検出された電圧を示す信号が端子COMPに接続された容量で補償され、補償後の信号と内部の所定電圧とが比較される。そして、補償後の信号が所定電圧を超えた場合に、スイッチング素子34をオフさせる制御信号がスイッチング制御回路32からドライバ33を介してスイッチング素子34に出力される。また、端子CSの電圧が、温度制御回路31から送られてくる電圧Vadjを超える場合にも、スイッチング素子34をオフさせる制御信号がスイッチング制御回路32からドライバ33を介してスイッチング素子34に出力される。一方、スイッチング制御回路32において、端子ZCDに入力される電圧が検出され、その電圧がゼロカレントを示す場合に、スイッチング素子34をオンさせる制御信号がドライバ33を介してスイッチング素子34に出力される。
また、温度制御回路31により、制御IC23の温度が一定条件の場合にスイッチング素子34を流れる電流(つまり、光源15を流れる電流)を抑制するための電圧Vadjが生成され、スイッチング制御回路32に出力される。これにより、端子RTCに接続された抵抗素子R7及びR8の並列の抵抗値RTCによって定まる温度制御開始温度を超える場合に、スイッチング素子34を流れる電流が抑制される。その場合に、温度の上昇に伴って、端子RSに接続された抵抗素子R9の抵抗値RSと抵抗値RTCとの比に依存して定まる負の傾斜(つまり、抑制される電流/上昇温度)に沿って、スイッチング素子34に流れる電流が抑制される。
次に、実施の形態に係る照明装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示す。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、回路要素、回路要素の位置及び接続形態、信号波形、制御方法、適用事例等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、必ずしも厳密に図示したものではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する場合がある。
図3は、実施の形態に係る照明装置40の回路図である。照明装置40は、交流電力の供給を受けて発光する装置であり、例えば、電球、直管等の照明用光源、ダウンライト、シーリングライト、ペンダント、テーブルスタンド等の各種照明器具に用いられる。照明装置40は、点灯回路50及び光源16を備える。
光源16は、電流の供給を受けて発光する素子であり、例えば、LED、EL等の固体発光素子である。
点灯回路50は、光源16に定電流を供給する回路であり、整流回路51及びDC/DCコンバータ52で構成される。
整流回路51は、交流電源6から供給される交流電力を第1直流電力に変換する回路であり、本実施の形態では、AC100V等の商用の交流電力を全波整流して直流電力に変換する4つのダイオードD21~D24で構成されるブリッジダイオードである。なお、抵抗素子R21は、ブリッジダイオードと直列に接続される保護用の抵抗素子である。
DC/DCコンバータ52は、整流回路51から供給される第1直流電力を第2直流電力に変換して光源16に定電流を供給するスイッチング電源である。DC/DCコンバータ52は、制御IC53、ダイオードD25、抵抗素子R22~R29及びRP1、コンデンサC21~C24、インダクタL21~L22、並びに、コネクタJ2で構成される。
インダクタL21、コンデンサC21及びC22は、整流回路51から出力される第1直流電力を平滑化する回路である。具体的には、インダクタL21、コンデンサC21及びC22は、π型フィルタを構成している。なお、コンデンサC21及びC22の間に接続される抵抗素子RP1は、DC/DCコンバータ52の電流リターン経路に挿入される保護用の抵抗素子である。
制御IC53は、スイッチング素子を内蔵し、光源16に定電流を供給する制御をするワンチップの集積回路であり、本実施の形態では、8個の端子(端子VCC、端子BL、端子RC、端子GND、端子DRAIN、端子NC、端子SOURCE、端子AUX)を有する。
制御IC53の端子VCCは、参考例の制御IC23の端子VDDに相当する端子であり、この端子VCCに、整流回路51からの第1直流電力がコンデンサC21及びC22とインダクタL21で平滑化されて生成される直流電圧が直接、供給される。参考例に係る抵抗素子R2及びR4に相当する抵抗素子は、このDC/DCコンバータ52では、簡素化のために省かれている。
抵抗素子R22は、制御IC53の端子VCCと端子BL(ブリーダ回路用の端子)との間に接続され、参考例に係る抵抗素子R3に相当する。
抵抗素子R23は、制御IC53の温度制御に関わる端子RCに接続される抵抗値を決定する抵抗素子である。端子RCは、参考例に係る制御IC23の端子RTCに相当する。
制御IC53の端子GNDは、DC/DCコンバータ52の電流リターン経路(抵抗素子R23~R27を接続している配線経路)に接続される端子である。
インダクタL22は、光源16と直列に接続され、制御IC53が有するスイッチング素子のオン時にエネルギーを蓄積し、スイッチング素子のオフ時に、蓄積していたエネルギーを放出し、かつ、出力電流のリップルを小さくするためのコイルである。
ダイオードD25は、インダクタL22に蓄積されたエネルギーを放出させるためのダイオードである。
コンデンサC23及びC24は、DC/DCコンバータ52の出力電圧及び出力電流を平滑化するコンデンサである。
抵抗素子R28は、光源16が接続されない場合であってもDC/DCコンバータ52の出力端子間(コネクタJ2の端子LED+と端子LED-との間)に電流を流すためのダミー抵抗素子である。
抵抗素子R25~R27は、制御IC53が有するスイッチング素子を流れる電流を検出するための抵抗素子を構成している。
抵抗素子R24は、制御IC53の端子AUXとDC/DCコンバータ52の電流リターン経路との間に接続されている。抵抗素子R29は、制御IC53の端子AUXと端子DRAINとの間に接続されている。制御IC53において、抵抗素子R29及び抵抗素子R24で定まる分圧が制御IC53内部の閾値と比較され、負荷の異常が検知される。
コネクタJ2は、DC/DCコンバータ52と光源16とを接続するコネクタであり、光源16であるLEDのアノード側に接続される端子LED+とカソード側に接続される端子LED-とを有する。
図4は、図3における制御IC53の詳細な構成を示すブロック図である。制御IC53は、電源回路30、温度制御回路31a、スイッチング制御回路32a、ドライバ33、スイッチング素子34、ブリーダ回路35、及び、コンデンサ36を有する。
電源回路30は、端子VCCに供給された直流電圧VCCを制御IC53の各構成要素に分配したり、直流電圧VCCから各種基準電圧を生成して温度制御回路31a及びスイッチング制御回路32aに供給したりする回路である。
ブリーダ回路35は、端子BLと端子GNDとの間に接続され、参考例に係るDC/DCコンバータ22が有するブリーダ回路(抵抗素子R10~R13及びトランジスタQ1~Q2)に対応する。このように、本実施の形態では、ブリーダ回路35が制御IC53に内蔵され、点灯回路50がコンパクト化されている。
コンデンサ36は、端子VCCと端子GNDとの間に接続されるバイパス・コンデンサであり、参考例に係るDC/DCコンバータ22が有するコンデンサC3に対応する。このように、本実施の形態では、バイパス用のコンデンサ36が制御IC53に内蔵され、点灯回路50がコンパクト化されている。
温度制御回路31aは、制御IC53の温度が、端子RCと電流リターン経路との間の抵抗値(抵抗値RCとする)に依存して定まる温度制御開始温度を超えると、スイッチング素子34に流れる電流を抑制する制御をする。そのとき、温度の上昇に伴って、内蔵の抵抗素子37の抵抗値(抵抗値RSとする)と抵抗値RCとの比に依存して定まる負の傾斜(つまり、抑制される電流/温度変化)に沿って、スイッチング素子34に流れる電流を抑制する。そのために、温度制御回路31aは、サーミスタを内蔵しており、サーミスタで得られる制御IC53の温度、抵抗値RC及び抵抗値RSに基づいて、スイッチング素子34に流れる最大電流を制限するための電圧Vadjを生成してスイッチング制御回路32aに出力する。なお、内蔵の抵抗素子37は、制御IC53の温度と光源16に出力する電流との依存関係を決定する少なくとも一つの抵抗素子の一例であり、機能的には、参考例に係る抵抗素子R9に対応する。このように、本実施の形態では、温度制御用の抵抗素子37が制御IC53に内蔵され、点灯回路50がコンパクト化されている。
スイッチング制御回路32aは、PWM制御により、スイッチング素子34をオンオフする制御信号をドライバ33に出力する。より詳しくは、スイッチング制御回路32aは、スイッチング素子34を流れる電流を検知するために端子SOURCEの電圧を検出し、検出した電圧を示す信号と内部の所定電圧とを比較する。そして、検出した電圧を示す信号が所定電圧を超えた場合に、スイッチング素子34をオフさせる制御信号をドライバ33に出力する。また、端子SOURCEの電圧が、温度制御回路31aから送られてくる電圧Vadjを超える場合にも、スイッチング素子34をオフさせる制御信号をドライバ33に出力する。一方、スイッチング制御回路32aは、端子AUXに入力される、抵抗素子R29及び抵抗素子R24とで定まる分圧と内部の閾値とを比較することで、負荷の異常を検知する。
ドライバ33は、スイッチング制御回路32aから送られてきた制御信号を電流増幅してスイッチング素子34に出力して駆動するバッファアンプである。
スイッチング素子34は、ドライバ33から送られてくる制御信号に従って、端子DRAIN及び端子SOURCEとの間を導通又は非導通にするスイッチング素子であり、例えば、MOSFETである。
以上のように構成された本実施の形態に係る照明装置40の動作は、次の通りである。
交流電源6から供給された交流電力は、整流回路51で整流されて第1直流電力となり、第1直流電力はDC/DCコンバータ52によって第2直流電力に変換され、光源16に定電流が供給される。
DC/DCコンバータ52の前段では、整流回路51から出力された直流電圧は、コンデンサC21、インダクタL21及びコンデンサC22で平滑化され、平滑後の直流電圧VCCとして、直接、制御IC53の端子VCCに供給される。
また、直流電圧VCCは、光源16にも供給され、制御IC53のスイッチング素子34がオンしたときに、光源16、インダクタL22及びスイッチング素子34に電流が流れる。一方、制御IC53のスイッチング素子34がオフしたときに、インダクタL22に蓄積されたエネルギーが放出され、ダイオードD25を介して、光源16に電流が流れる。光源16に流れる電流及び光源16に印加される電圧は、コンデンサC23によって平滑化される。
また、制御IC53では、スイッチング制御回路32aによるPWM制御により、スイッチング素子34のオンオフが制御される。より詳しくは、スイッチング制御回路32aにより、スイッチング素子34を流れる電流に対応する端子SOURCEの電圧が検出され、検出された電圧を示す信号と内部の所定電圧とが比較される。そして、検出した電圧を示す信号が所定電圧を超えた場合に、スイッチング素子34をオフさせる制御信号がスイッチング制御回路32aからドライバ33を介してスイッチング素子34に出力される。また、端子SOURCEの電圧が、温度制御回路31aから送られてくる電圧Vadjを超える場合にも、スイッチング素子34をオフさせる制御信号がスイッチング制御回路32aからドライバ33を介してスイッチング素子34に出力される。一方、スイッチング制御回路32aにおいて、端子AUXに入力される、抵抗素子R29及び抵抗素子R24で定まる分圧が、内部の閾値と比較されることで、負荷の異常が検知される。
また、温度制御回路31aにより、制御IC53の温度が一定条件の場合にスイッチング素子34を流れる電流(つまり、光源16を流れる電流)を抑制するための電圧Vadjが生成され、スイッチング制御回路32aに出力される。これにより、端子RCに接続された抵抗素子R23の抵抗値RCによって定まる温度制御開始温度を超える場合に、スイッチング素子34を流れる電流が抑制される。その場合に、温度の上昇に伴って、内蔵の抵抗素子37の抵抗値RSと抵抗値RCとの比に依存して定まる負の傾斜(つまり、抑制される電流/温度変化)に沿って、スイッチング素子34に流れる電流が抑制される。
また、制御IC53に内蔵されたブリーダ回路35により、交流電源6と接続される蛍スイッチ(図示せず)がオンのときは、端子BLと端子GNDとの間が開放状態となる。一方、蛍スイッチ(図示せず)がオフのときには、端子BLと端子GNDとの間に微小な電流が流れ、蛍スイッチが有するランプ(図示せず)が点灯する。
以上のように、本実施の形態に係る照明装置40は、光源16と、光源16に電流を供給する点灯回路50とを備え、点灯回路50は、交流電力を第1直流電力に変換する整流回路51と、整流回路51から供給される第1直流電力を第2直流電力に変換して光源16に電流を供給するDC/DCコンバータ52とを備え、DC/DCコンバータ52は、光源16と直列に接続されるインダクタL22と、インダクタL22に蓄積されたエネルギーを放出させるためのダイオードD25と、インダクタL22と直列に接続されるスイッチング素子34を有する制御IC53とを備え、制御IC53は、さらに、第1直流電力を平滑化するコンデンサ36を有する。
これにより、第1直流電力を平滑化するコンデンサ36が制御IC53に内蔵されるので、このようなコンデンサが制御ICの外に実装される従来の点灯回路に比べ、少ない部品点数で点灯回路50が実現される。その結果、点灯回路50がコンパクト化され、照明装置40における構造上の制約が少なくなり、照明装置40の発光機能を十分に引き出す構造設計(例えば、高配光なLED電球)が可能になる。
また、制御IC53は、さらに、整流回路51の2つの出力端子間に電流を流すためのブリーダ回路35を有する。これにより、蛍スイッチに対応した回路が制御IC53に内蔵されるので、このような回路が制御ICの外に実装される従来の点灯回路に比べ、少ない部品点数で蛍スイッチに対応した点灯回路50が実現される。その結果、さらに点灯回路50がコンパクト化される。
また、制御IC53は、さらに、制御IC53の温度と光源16に出力する電流との依存関係を決定する少なくとも一つの抵抗素子37を有する。これにより、制御IC53の温度と光源16に出力する電流との依存関係を決定する抵抗素子37が制御IC53に内蔵されるので、このような抵抗素子が制御ICの外に実装される従来の点灯回路に比べ、少ない部品点数で温度制御機能を有する点灯回路50が実現される。その結果、さらに点灯回路50がコンパクト化される。
次に、本実施の形態に係る照明装置40の適用事例を説明する。
図5は、実施の形態に係る照明装置40の適用事例の外観を示す模式図である。ここでは、比較のために、参考例に係る照明装置10の適用事例としてのE17口金のLED電球の外観(図5の(a))と、実施の形態に係る照明装置40の適用事例としての2種類のE17口金のLED電球の外観(図5の(b)の照明装置40a、及び、図5の(c)の照明装置40b)が図示されている。
図5の(a)に示されるように、参考例の適用事例に係る照明装置10は、図1に示される点灯回路20及び光源15に加えて、LED電球としての構成要素、つまり、グローブ41、筐体42及び口金43を備える。
グローブ41は、LEDで構成される光源15を覆い、光源15から出射された光を拡散させる樹脂等で構成される半球状のカバー部材である。筐体42は、点灯回路20を収容し、光源15及び点灯回路20で発生した熱を放熱する円筒状の樹脂又は金属で構成されるケースである。口金43は、商用の交流電源5からの交流電力を受電して点灯回路20に供給する円筒体のねじ込み金具であり、本実施の形態では、E17口金である。
なお、本図では、筐体42に収容される、制御IC23を含む点灯回路20が実装された回路基板25、及び、光源15のおよその実装位置が破線で示されている。本図に示されるように、参考例に係る照明装置10は、制御IC23に内蔵されずに回路基板25上に実装される電子部品が多い。そのために、実施の形態に係る照明装置40a及び40bに比べ、回路基板25のサイズが大きくなり、回路基板25を有用する筐体42がLED電球に占める体積が大きくなり、大きな配光角(例えば、180度を超える配光角)を実現することが困難となる。
図5の(b)に示されるように、実施の形態の第一の適用事例に係る照明装置40aは、図3に示される点灯回路50及び光源16に加えて、LED電球としての構成要素、つまり、グローブ41a、筐体42a及び口金43aを備える。
グローブ41aは、LEDで構成される光源16aを覆い、光源16aから出射された光を拡散させる樹脂等で構成される球状のカバー部材である。筐体42aは、点灯回路50を収容し、光源16a及び点灯回路50で発生した熱を放熱する円筒状の樹脂又は金属で構成されるケースである。口金43aは、商用の交流電源6からの交流電力を受電して点灯回路50に供給する円筒体のねじ込み金具であり、本実施の形態では、E17口金である。
本図に示されるように、実施の形態の第一の適用事例に係る照明装置40aは、制御IC53にブリーダ回路35及びコンデンサ36が内蔵され、参考例に係る照明装置10に比べ、回路基板55上に実装される電子部品が少ない。そのために、参考例に係る照明装置10に比べ、回路基板55のサイズが小さくなり、回路基板55を有用する筐体42aがLED電球に占める体積が小さくなる。その結果、筐体42aの円筒軸に垂直な断面視において、グローブ41aの最大寸法L1aを、筐体42aの最大寸法L2aよりも大きくできる。これにより、光源16aから出射された光を後方(つまり、口金43aに向かう方向)に散乱させることが可能となり、大きな配光角(例えば、180度を超える配光角)をもつLED電球を実現できる。
図5の(c)に示されるように、実施の形態の第二の適用事例に係る照明装置40bは、図3に示される点灯回路50及び光源16に加えて、LED電球としての構成要素、つまり、グローブ41b、筐体42b及び口金43bを備える。
グローブ41bは、LEDで構成される光源16bを覆い、光源16bから出射された光を拡散させる樹脂等で構成される球状のカバー部材である。筐体42bは、点灯回路50を収容し、光源16b及び点灯回路50で発生した熱を放熱する円筒状の樹脂又は金属で構成されるケースである。口金43bは、商用の交流電源6からの交流電力を受電して点灯回路50に供給する円筒体のねじ込み金具であり、本実施の形態では、E17口金である。
本図に示されるように、実施の形態の第二の適用事例に係る照明装置40bは、制御IC53にブリーダ回路35及びコンデンサ36が内蔵され、参考例に係る照明装置10に比べ、回路基板55上に実装される電子部品が少ない。そのために、参考例に係る照明装置10に比べ、回路基板55のサイズが小さくなる。さらに、この適用事例では、回路基板55が口金43bで覆われる空間に配置され、これにより、第一の適用事例に係る照明装置40aに比べ、筐体42bがLED電球に占める体積がより小さくなる。その結果、筐体42aの円筒軸に垂直な断面視において、グローブ41bの最大寸法L1bを、筐体42bの最大寸法L2bよりもさらに大きくできる。これにより、光源16bから出射された光をより後方(つまり、口金43bに向かう方向)に散乱させることが可能となり、より大きな配光角(例えば、260度)をもつLED電球を実現できる。また、回路基板55上の制御IC53は、口金43bで覆われる空間に収容されることになり、第一の適用事例に係る照明装置40aに比べ、光源16bからの距離が大きくなり、光源16bから受ける熱の量が抑制される。
なお、図5の(b)及び図5の(c)に示されるLED電球では、光源16a及び16bは、それぞれ、筐体42a及び42bの上端に覆われる位置に設けられたが、光源16a及び16bの配置位置はこれに限られない。グローブ41a及び41bで覆われる空間内に配置されてもよい。例えば、筐体42a及び42bの上面からグローブ41a及び41bで覆われる空間の中心付近まで延びる支柱が設けられ、その支柱の先端に光源16a及び16bが配置されてもよい。これにより、高配光なLED電球が実現される。
以上のように、本実施の形態に係る照明装置40a(及び40b)は、光源16を覆うグローブ41a(及び41b)と、点灯回路50を収容する円筒状の筐体42a(及び42b)とを備え、筐体42a(及び42b)の円筒軸に垂直な断面視において、グローブ41a(及び41b)の最大寸法L1a(及びL2b)は、筐体42a(及び42b)の最大寸法L2a(及びL2b)よりも大きい。
これにより、コンデンサ等が制御ICの外に実装される従来の点灯回路に比べ、光源16a(及び16b)から出射された光を後方に向かう方向に散乱させることが可能となり、より大きな配光角をもつLED電球を実現できる。
また、本実施の形態に係る照明装置40a(及び40b)は、さらに、外部から交流電力を受電する口金43a(及び43b)を有し、制御IC53は、口金43a(及び43b)で覆われる空間に収容されている。口金43a(及び43b)は、例えば、直径が17mmの円筒体である。
これにより、回路基板55上の制御IC53は、筐体で覆われる空間に収容される従来の点灯回路に比べ、光源16a(及び16b)から離されることになり、光源16bから受ける熱の量が抑制される。
以上、本発明に係る照明装置及び点灯回路について、実施の形態及び適用事例に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態及び適用事例に限定されない。本発明の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態及び適用事例に施したものや、実施の形態及び適用事例における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、点灯回路50の制御IC53は、ブリーダ回路35、コンデンサ36及び抵抗素子37を内蔵したが、必ずしも、これらの回路及び電子部品の全てを内蔵する必要はなく、少なくとも一つを内蔵すればよい。これらの回路及び電子部品の少なくとも一つが制御IC53に内蔵されることで、これらの回路及び電子部品の全てが制御IC23の外に実装される参考例に係る点灯回路20に比べ、点灯回路50は、部品点数が削減され、コンパクト化される。
また、上記実施の形態における適用事例では、照明装置40がE17口金のLED電球に適用された事例が説明されたが、照明装置40の適用として、これに限られない。照明装置40は、他のサイズ又は形状のLED電球、直管等の照明用光源、あるいは、ダウンライト、シーリングライト、ペンダント、テーブルスタンド等の各種照明器具にも適用できる。