JP7165370B1 - 配管補修装置及び配管補修方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】曲管部を有する配管内にライニング材を容易に送り込むことができ、配管補修作業の効率を向上させることができる配管補修装置及び配管補修方法を提供する。【解決手段】配管補修装置1は、光硬化樹脂を含むライニング材22が入れられたチューブ21を空気の圧力によって反転させて配管45の内部に挿入する反転送入機2と、配管45の内部に挿入されたチューブ21の内部に挿入され光を照射してライニング材22を硬化する光硬化装置3と、を具備し、光硬化装置3には、チューブ21に挿入されるケーブル32の先端から延出する弾性曲げ変形自在なガイド部材34が設けられている。これにより、複数の曲管部47を有する配管45の奥深くまでライニング材22とそれを硬化させる光源28を容易に送り込むことができる。よって、従来技術の配管補修装置では難しかった複数の曲管部を有する配管の補修を効率良く正確に行うことができる。【選択図】図8

Description

本発明は、集合住宅等の給排水配管等を内部から補修する配管補修装置及び配管補修方法に関する。
従来、集合住宅や戸建住宅等の一般的な既設の建築物において、老朽化等によって損傷した給排水配管を補修するため、配管の内部に補修用のライニング材を挿入して硬化させることにより配管の内周に新しいライニング層を形成することが知られている。
例えば、特許文献1には、老朽化等によって腐食または損傷した排水トラップや排水口の内壁に補修用のライニング層を施すようにした排水管の補修装置及び補修方法が開示されている。
同文献に開示された排水管の補修方法によれば、ライニング反転器の内部に圧縮エアを注入することによって、ライニングクロスチューブを反転しながら配管の内部に進入させ、ライニングチューブの膨張によってライニングクロスを配管の内壁に付着させる。
また、他の従来技術の例として、例えば、特許文献2には、清掃後の埋設管、排水管及び給水管等の配管網にライニング層を施す配管ライニング装置が開示されている。同文献に開示された配管ライニング装置は、配管内の本管と分岐管との接続部分にライニング層を塗装層として形成する接続部塗装具を有する。
この接続部塗装具は、液状の塗料が収容された塗料収容部と、加圧膨張により本管の内周面に圧接して接続部塗装具を位置保持するバルーン部と、を具備し、ワイヤ等の索条体により配管内に吊り下げられる。この接続部塗装具を配管の接続部分の本管内に保持して分岐管内を負圧にすることにより、塗料収容部内の塗料が吐出用開口部から飛散して分岐管の内周面に塗布されてライニング層が形成される。
特開2015-66718号公報 特開2014-4505号公報
一般に、老朽化した既設配管が損傷等した際には、短時間に確実な補修ができるよう作業性に優れた効率的な補修方法が求められる。しかしながら、上記した従来技術の配管補修装置では、種々の配管経路に対して迅速に対応して高効率な補修作業を可能とするために改善すべき点があった。
具体的には、建築物の給排水配管は、略鉛直方向に延在する縦管部や略水平方向に延在する横管部等を構成する直管部の他、方向の異なる直管部を連結する約90度の曲がり管等から成る曲管部を有するところ、従来技術の配管補修装置では、複数の曲管部を有する配管経路の補修が困難であった。
例えば、特許文献1に開示された排水管の補修装置のように、圧縮エアでライニングクロスチューブを反転させながら配管の内部に進入させる方式では、長い配管経路の奥深くにライニングクロスを挿入することは容易ではない。具体的には、配管経路の奥深くにライニングクロスを挿入するためには、ライニング反転器の管体を長くする必要がある。そのため、入口から遠く離れた位置で配管が損傷している場合等には、配管の奥深くにある損傷部分までライニングクロスを送り込むことが難しく、その補修は容易ではなかった。
また、圧縮エアでライニングクロスチューブを反転させながら配管の内部に進入させる方式では、進入したライニングクロスチューブは配管の内周面に入口側から順次当接し内側から押圧されるため、配管内に送り込んだライニングクロスの位置を調整することは難しい。そのため、入口から遠く離れた、複数の曲がり管を通過した位置において補修が要求される際には、ライニングクロスを正確な補修位置に送ることが難しかった。
即ち、従来技術によれば、配管入口から遠く離れた位置において配管が損傷した際には、配管内にライニング材を送り込むことができず、補修位置近傍の床や壁等を一部解体し、補修部分の配管を切断して新たな配管経路を設ける等の補修作業が必要であった。
また例えば、特許文献2に開示された配管ライニング装置のように、加圧膨張により配管の内周面に圧接するバルーン部を有する接続部塗装具を索条体により配管内に吊り下げる方式の装置では、接続部塗装具を横管部や曲管部に挿入することができなかった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、曲管部を有する配管内にライニング材を容易に送り込み硬化させることができ、配管補修作業の効率を向上させることができる配管補修装置及びそれを用いた配管補修方法を提供することにある。
本発明の配管補修装置は、光硬化樹脂を含むライニング材が入れられたチューブを空気の圧力によって反転させて配管の内部に挿入する反転送入機と、前記配管の内部に挿入された前記チューブの内部に挿入され光を照射して前記ライニング材を硬化する光硬化装置と、を具備し、前記光硬化装置には、前記チューブに挿入されるケーブルの先端から延出する弾性曲げ変形自在なガイド部材が設けられており、前記ガイド部材は、前記ケーブルの軸方向に延在するコイルばね形状を成し、径方向の寸法が小さい小径部と、前記小径部よりも径方向の寸法が大きい大径部と、を有し、前記大径部は、球体状若しくは楕円体状の形態を成すよう巻かれていることを特徴とする。
また、本発明の配管補修方法は、光硬化樹脂を含むライニング材が入れられたチューブを空気の圧力によって反転させて配管の内部に挿入する工程と、ケーブルの先端に弾性曲げ変形自在なガイド部材が設けられた光硬化装置の前記ケーブルを前記配管の内部に挿入する工程と、前記ケーブルに設けられた光源から光を照射して前記配管に挿入されている前記ライニング材を硬化する工程と、前記配管から前記ケーブルを取り出す工程と、前記配管から前記チューブを抜去する工程と、を具備し、前記ガイド部材は、前記ケーブルの軸方向に延在するコイルばね形状を成し、径方向の寸法が小さい小径部と、前記小径部よりも径方向の寸法が大きい大径部と、を有し、前記大径部は、球体状若しくは楕円体状の形態を成すよう巻かれていることを特徴とする。
本発明の配管補修装置は、光硬化樹脂を含むライニング材が入れられたチューブを空気の圧力によって反転させて配管の内部に挿入する反転送入機と、配管の内部に挿入されたチューブの内部に挿入され光を照射してライニング材を硬化する光硬化装置と、を具備し、光硬化装置には、チューブに挿入されるケーブルの先端から延出する弾性曲げ変形自在なガイド部材が設けられている。これにより、複数の曲管部を有する配管の奥深くまでライニング材と、ライニング材を硬化させる光硬化装置の光源を有するケーブルと、を容易に送り込むことができる。そして、配管に挿入されたライニング材を光硬化装置からの光の照射で効率良く硬化させることができる。よって、本発明の配管補修装置によれば、従来技術の配管補修装置では難しかった複数の曲管部を有する配管の補修を効率良く正確に行うことができる。
即ち、本発明の配管補修装置によれば、排水口等から遠く離れた位置においても、従来技術では必要であった建物の一部解体や配管の切断及び交換等を行うことなく、配管の内部から損傷部分を補修することができ、配管補修作業の効率化を図ることができる。
また、本発明の配管補修装置によれば、前記ガイド部材は、前記ケーブルの軸方向に延在するコイルばね形状を成す。このような構成により、配管補修装置の光源が設けられたケーブルを配管の内部に挿入し、ガイド部材で好適にガイドして、曲管部を容易に通過させることができる。
また、本発明の配管補修装置によれば、前記ガイド部材は、径方向の寸法が小さい小径部と、前記小径部よりも径方向の寸法が大きい大径部と、を有しても良い。これにより、ガイド部材は、大径部がチューブの内周と接触し小径部近傍が曲がり変形して、光硬化装置のケーブルを好適に導くことができる。
また、本発明の配管補修装置によれば、前記ガイド部材は、複数の前記大径部を有しても良い。これにより、ガイド部材は、チューブの内周との接触に対する曲がり変形、及び変形に対する反発力が好適な状態となり、曲管部を有する配管においてライニング材を硬化させる光硬化装置のケーブルを好適に導くことができる。
また、本発明の配管補修装置は、前記ガイド部材の先端には、前記配管の内部を撮影する撮像センサが設けられても良い。これにより、撮像センサによる画像によって、硬化前の配管内の異状の有無を確認することができ、精度の良い配管補修を行うことができる。
また、本発明の配管補修装置は、前記ケーブルに、弾性曲げ変形自在な鋼製の補強材が内嵌されても良い。これによりケーブルは、光源及び先端のガイド部材に対して配管内を移動するための押圧力を好適に伝達することができる。よって、曲管部を有する配管の奥深くまで、ライニング材を硬化する光源を効率良く送ることができる。
また、本発明の配管補修装置は、前記チューブの内部には、前記チューブの末端側に固定され前記チューブの先端側から引き出されて前記配管の内部に挿入されるロープが設けられても良い。これにより、空気の圧力のみでは進行が難しい曲管部を有する配管においても、チューブより先にロープを配管の内部に挿入し、配管の先端側からロープでライニング材を引くことができ、配管の内部にライニング材を容易に送り込むことができる。そして、空気の圧力でライニング材を配管の内周に接触させることができる。よって、複数の曲管部を有する配管の補修を効率良く正確に行うことができる。
また、本発明の配管補修方法は、光硬化樹脂を含むライニング材が入れられたチューブを空気の圧力によって反転させて配管の内部に挿入する工程と、ケーブルの先端に弾性曲げ変形自在なガイド部材が設けられた光硬化装置の前記ケーブルを前記配管の内部に挿入する工程と、前記ケーブルに設けられた光源から光を照射して前記配管に挿入されている前記ライニング材を硬化する工程と、前記配管から前記ケーブルを取り出す工程と、前記配管から前記チューブを抜去する工程と、を具備する。これにより、曲管部を有する配管の奥深くが損傷した場合であっても、ライニング材及びライニング材を硬化する光源を配管内に容易に送り込んで、損傷した配管を内周から修復することができる。よって、配管補修の作業効率を向上させることができる。
また、本発明の配管補修方法は、前記配管に挿入される前記チューブの内部には、前記チューブの末端側に固定され前記チューブの先端側から引き出されるロープが設けられており、前記チューブを前記配管の内部に挿入する工程において、前記ロープは、前記チューブよりも先に前記配管の内部に挿入されて前記配管の先端側から引き出され、前記ロープを前記配管の先端側から引っ張ることにより前記チューブの挿入がガイドされても良い。これにより、空気の圧力のみでは進行が難しい曲管部においても、ライニング材を、容易に送り込むことができ、且つ配管の内周に沿って正確に接触させることができる。よって、複数の曲管部を有する配管の補修を効率良く高精度に行うことができる。
本発明の実施形態に係る配管補修装置を示す図である。 本発明の実施形態に係る配管補修装置で用いられるチューブ及びライニング材を示す図である。 本発明の実施形態に係る配管補修装置の光硬化装置を示す図である。 本発明の実施形態に係る光硬化装置のガイド部材近傍を示す図である。 本発明の実施形態に係る光硬化装置のケーブルを示す断面図である。 本発明の実施形態に係る配管補修装置の反転送入機でライニング材を配管に挿入する状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る反転送入機でライニング材を配管に挿入する状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る光硬化装置のケーブルを配管の内部に挿入する状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る光硬化装置のケーブルを配管の内部に挿入する状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る配管補修装置1及びそれを用いた配管補修方法を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る配管補修装置1の概略構成を示す図である。図1を参照して、配管補修装置1は、老朽化した配管45(図6参照)を内部から補修する装置である。配管45は、例えば、マンション等の集合住宅、戸建住宅及びその他既設の建築物の給水配管または排水配管等である。
配管補修装置1は、ライニング材22を配管45の内部に挿入する反転送入機2と、ライニング材22に光を照射して硬化させる光硬化装置3と、を備えている。
反転送入機2は、ライニング材22及びライニング材22が入れられたチューブ21を空気の圧力によって反転させて配管45の内部に挿入する装置である。なお、チューブ21の詳細については後述する。
反転送入機2は、配管45に挿入されるチューブ21が収容される移動可能なドラムユニット10を有する。ドラムユニット10は、チューブ21を収納するための装置であり、チューブ21を収納する空間を有する。ドラムユニット10の内部には、チューブ21が巻き付けられるリール11が設けられている。
リール11には、チューブ21の末端(図2に示す左側の端部)近傍が固定され、例えば、長さ5から50m程度のライニング材22が挿入されたチューブ21が巻き付けられる。なお、リール11に巻き付けられるライニング材22及びチューブ21の長さは、50m以上であっても良い。即ち反転送入機2には、このように長いライニング材22を収納することができる。よって、配管補修装置1は、配管45の入口から奥深くにライニング材22を送り込むことが求められる配管補修工事に対応することができる。
ドラムユニット10の外部には、手作業でリール11を回転させることができるハンドル12が設けられている。ハンドル12は、リール11に対して動力伝達可能に連結されており、ハンドル12には、把手13が設けられている。作業者は、把手13を持ってハンドル12を回す。これにより、リール11が回転し、チューブ21をリール11に巻き付けることができる。なお、図示しないモータ等の駆動装置を設けて、その駆動装置を利用してリール11を回転させてチューブ21を巻き上げる構成を採用しても良い。
反転送入機2には、チューブ21を反転させるための高圧の空気を供給する加圧装置19が設けられている。加圧装置19は、空気を圧縮して高圧にする空気圧縮機等の加圧手段を備えており、エア配管20を介してドラムユニット10に接続されており、ドラムユニット10の内部に空気を供給してドラムユニット10の内部を加圧する。加圧装置19から供給される高圧の空気により、チューブ21が押されて反転しながら配管45に挿入されることになる。
また、加圧装置19は、空気を減圧して低圧にするための図示しない空気排出口及び排気弁を有する。なお、加圧装置19は、空気を減圧する図示しない真空ポンプ等の減圧手段を備えていても良い。
また、加圧装置19は、加圧と減圧を切り換えて圧力を調整するための切替弁、開閉弁、逆止弁及び流量調整弁等の各種弁機構、並びに圧力センサ、スイッチ、その他加圧手段及び減圧手段等を制御するための各種制御手段を有しても良い。
このような構成により、加圧装置19は、ドラムユニット10を介してチューブ21に空気を供給してチューブ21を加圧し、チューブ21及びライニング材22を反転させて配管45の内部に挿入することができる。
また、ライニング材22の取り付けが終了したら、図示しない空気排出口及び排気弁を開いて、または、減圧手段により、高圧の空気を排出してチューブ21の内部を減圧することができる。これにより、チューブ21を収縮させて配管45から容易に取り外すことができる。なお、加圧手段及び減圧手段として1つの共通する圧縮機等を利用し、図示しないバルブ等によってエア配管経路を切り換えてチューブ21の内部を加減圧する構成を採用しても良い。
ドラムユニット10には、配管45に挿入されるチューブ21を送り出す送出管14が設けられている。送出管14は、高圧の空気を送る配管であると共にチューブ21を送り出す配管である。送出管14の先端にある送り口17から、配管45に挿入されるチューブ21及びライニング材22が送り出される。
送出管14には、送出管14に光硬化装置3の光源28(図3参照)等を挿入するためのY字管継手15が設けられている。具体的には、Y字管継手15は、入口側が略Y字状に分かれた形態を成し、一方の入口部がドラムユニット10に接続され、他方の入口部が光硬化装置3に接続される。
詳しくは、Y字管継手15は、一方の入口部がドラムユニット10に接続されて、ドラムユニット10から送り口17につながるチューブ21及びライニング材22を送る送出管14の主たる経路を形成する。他方、Y字管継手15の他方の入口部には光硬化装置3の接続管41が接続される。これにより、ライニング材22を硬化させる光硬化装置3の光源28を配管45に送り込むための経路が形成される。
光硬化装置3の接続管41が接続されるY字管継手15の他方の入口部側の経路には、経路を開閉するバルブ18が設けられている。バルブ18は、例えば、ボールバルブ等である。光硬化装置3によるライニング材22の硬化工程を実行しない場合には、バルブ18を閉じてY字管継手15の他方の入口部から外部への高圧空気の漏れを止めることができる。
なお、図示を省略するが、送出管14には、送出管14の長さを好適に調整するための延長配管その他直管継手等が設けられても良い。また、送出管14には、配管補修を行う現場に応じて送出管14の曲がり形状を好適に調整するための曲管継手16が設けられても良い。曲管継手16は、例えば、90度エルボや45度エルボ等である。
光硬化装置3は、ライニング材22に光を照射してライニング材22を硬化させる装置である。光硬化装置3は、ライニング材22に光を照射する光源28を配管45に送り込むケーブル32を有する。ケーブル32は、Y字管継手15に接続される接続管41を介して送出管14に送り込まれる。そして、ケーブル32は、空気の圧力で先に配管45の内部に挿入されたチューブ21の内部に送り込まれる。なお、ケーブル32の詳細については後述する。
図2は、配管補修装置1で用いられるチューブ21及びライニング材22の概略構成を示す図である。図2を参照して、チューブ21は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、軟質塩化ビニル(PVC)等の合成樹脂材料から形成された略円筒状の部材である。チューブ21は、配管補修工事においてライニング材22を支持する保持部材であり、加圧装置19による空気の加圧によって反転する。
具体的には、チューブ21は、その直径が配管45(図6参照)の内径に近い大きさに形成されている。チューブ21の直径、即ち配管45の内径は、例えば、φ40から150mmである。チューブ21は、加圧装置19による圧力によって変形、膨張自在である。これによりチューブ21は、反転しながら配管45の内部に挿入される。例えば、チューブ21は、配管45内の曲管部47(図6参照)を通過できるよう、変形自在に形成されている。
チューブ21の内部には、織布、不織布等から形成された略円筒状の形態を成すライニング材22が設けられている。ライニング材22は、配管45の内周に固定され配管45の損傷を修復するクロス部材である。ライニング材22としては、硬化剤としての光硬化樹脂を含む繊維強化樹脂(FRP)等の複合材料が用いられる。
例えば、ライニング材22は、ガラス繊維、炭素繊維、ナイロン等の合成繊維、木綿その他繊維材料と、光の照射によって硬化するアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の光硬化樹脂から成る硬化剤と、から形成される。また、ライニング材22としては、その他の各種合成樹脂材料や、その他種々の材料が用いられても良い。
チューブ21の末端近傍、即ち図2における左側の端部近傍、具体的には、リール11(図1参照)に巻かれる端部近傍には、固定部材24が設けられている。固定部材24は、略円筒状の形態を成し、チューブ21の末端近傍に挿入されている。固定部材24が挿入されたチューブ21の末端近傍は、バンド27によって固定されている。
チューブ21の内部には、ロープ23が設けられている。詳しくは、ロープ23は、チューブ21に2倍程度の長さであり、末端側、即ち図2において左側、がチューブ21の末端側に固定され、先端側、即ち図2において右側、がチューブ21の先端側から突出している。チューブ21を配管45に挿入する工程において、ロープ23は、チューブ21に先立って配管45の内部に挿入される。
チューブ21の末端には、ロープ23を支持する支持部材26が設けられている。支持部材26は、ロープ23を縛り付ける略輪状の形態を成す紐状の部材である。チューブ21の内部に挿入されたロープ23は、支持部材26に縛り付けられる。そして、支持部材26は、例えば、固定部材24とチューブ21の間に挟まれ、バンド27によって締め付けられて、チューブ21の末端近傍に固定される。このようにして、チューブ21の末端近傍にロープ23が固定される。
また、支持部材26は、略輪状に形成された一部がチューブ21の末端から外側に突出するよう設けられても良い。支持部材26の一部がチューブ21の末端の外側に設けられることにより、支持部材26を利用してチューブ21の末端をドラムユニット10(図1参照)のリール11に固定することができる。よって、チューブ21をリール11に巻き付ける作業を容易に行うことができる。
また、固定部材24には、空気流通が可能となるように開口する通気孔25が形成されている。通気孔25は、空気の圧力を利用してチューブ21を反転させて配管45の内部に挿入する際、高圧の空気を僅かに漏らすための孔である。
固定部材24に通気孔25が形成されていることにより、チューブ21を配管45に挿入する工程において、チューブ21を加圧する空気を僅かに漏らすことができる。そして、通気孔25から空気を漏らすことにより、加圧装置19の連続した安定的な運転が可能となって、配管45内を好適な圧力に維持することができ、空気の圧力によるチューブ21及びライニング材22の反転を好適に行うことができる。
図3は、配管補修装置1の光硬化装置3の概略構成を示す図である。図3に示すように、光硬化装置3は、光源28と、撮像センサ31と、光源28及び撮像センサ31を支持するケーブル32と、ケーブル32を巻き付けるコードリール40と、光源28による光の照射及び撮像センサ31による撮影を制御する制御装置42と、を有する。光源28及び撮像センサ31の詳細については後述する。
ケーブル32は、光源28につながる配線44及び撮像センサ31につながる配線44を内部に有するホース状の部材である。ケーブル32は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、軟質塩化ビニル(PVC)等の合成樹脂材料から形成された柔軟な可撓性ホース材料から構成される。
ケーブル32の直径は、例えば、φ6mm程度である。ケーブル32の長さは、チューブ21(図2参照)の長さと同等かそれ以上である。具体的には、ケーブル32の長さは、例えば、5から50m程度、または50m以上であっても良い。
ケーブル32には、配管45(図6参照)内に挿入されたライニング材22(図2参照)に光を照射する光源28と、配管45の内部を撮像する撮像センサ31と、が設けられている。ライニング材22を硬化する工程が行われる際には、ケーブル32は、配管45の内部に挿入される。
光硬化装置3には、ケーブル32を巻き付ける巻取装置としてのコードリール40が設けられても良い。ケーブル32の末端側は、コードリール40に巻き付けられてコードリール40に支持され、ケーブル32の先端側は、配管45の内部に挿入される。
光硬化装置3がコードリール40を有することにより、長いケーブル32の取り扱いが容易になる。よって、配管45の奥に光源28を送り込む作業が容易になりライニング材22を硬化させる作業の効率が向上すると共に、ケーブル32の移動や保管の作業効率も向上する。
光硬化装置3は、光源28からの光の照射を制御する制御装置42を備えている。制御装置42は、光の照射を制御する図示しない操作ボタン等を有し、ケーブル32の内部を通過する配線44を介して光源28に接続されている。作業者は、制御装置42を操作することにより光源28を発光させてライニング材22を硬化させることができる。
また、光硬化装置3は、ケーブル32の先端近傍に設けられた撮像センサ31によって撮影された配管45の内部の画像を表示するディスプレイ43を備えている。ディスプレイ43は、例えば、液晶ディスプレイ等の各種映像表示装置であり、制御装置42に設けられても良い。
制御装置42等に設けられたディスプレイ43は、ケーブル32の内部を通過する配線44を介して、ケーブル32の先端に設けられた撮像センサ31に接続されている。作業者は、制御装置42等に設けられたディスプレイ43を視認することによりライニング材22と配管45の接合状況等を正確に把握することができる。
図4は、ケーブル32の先端近傍の概略構成を示す図である。図4に示すように、ケーブル32の先端側には、複数の光源28が設けられている。光源28は、配管45(図8参照)に挿入され配管45の内周に密着するライニング材22(図2参照)に光を照射してライニング材22を硬化させるために用いられる。
光源28は、例えば、白色光を発するLEDライトであり、透明なライトケース29と、そのライトケース29の内部に設けられる複数のLED素子30と、を有する。ライニング材22に含まれる硬化剤としての光硬化樹脂に対応するよう、紫外光や赤外光を発する光源28が用いられても良い。
光源28は、ライトケース29が、例えば、直径約φ20から40mm、長さ約20から40mmの略球体状または略楕円体状の形態を成し、ケーブル32に外嵌されている。光硬化装置3は、複数の光源28を有し、ケーブル32の先端側には、例えば、約5から20個の光源28がピッチ約50から100mmで、長さ約25cmから2m連続するよう設けられている。このような光源28の配置により、ライニング材22の光硬化を高精度に行うことができる。
ケーブル32の先端近傍には、ガイド部材34が設けられている。ガイド部材34は、ケーブル32の先端から延出する弾性曲げ変形自在な部材である。具体的には、ガイド部材34は、チューブ21の先端からチューブ21の軸方向に略沿って延出するコイルばね形状の部材である。ガイド部材34は、例えば、鋼材等から形成されても良い。
配管補修工事においてケーブル32を配管45の内部に挿入する際には、ガイド部材34は、配管45の軸に略沿って、ケーブル32の先端から配管45の奥方向に向かって突出することになる。
ガイド部材34は、先端側のガイドスプリング35と、末端側のスプリングロッド38と、から構成されている。スプリングロッド38は、略直管状に延在するコイルばね形状であり、ガイドスプリング35を支持する。
スプリングロッド38は、その末端が接続部材39を介してケーブル32の先端に固定されている。スプリングロッド38の先端側には、ガイドスプリング35の末端側が螺合するよう連結されている。
接続部材39は、ケーブル32とスプリングロッド38を連結する継手部材である。接続部材39は、例えば、末端側がケーブル32の先端に嵌合し、先端側がスプリングロッド38の末端に嵌合する。
このようにガイド部材34は、先端側のガイドスプリング35と、ガイドスプリング35を支持する末端側のスプリングロッド38と、を連結する構成であるので、ガイドスプリング35及びスプリングロッド38それぞれの生産及びそれらの組み立てが容易である。なお、ガイド部材34は、ガイドスプリング35とスプリングロッド38とが1つの連続する鋼材等から一体的に形成される構成でも良い。
前述の構成により、配管45の曲管部47(図8参照)において、ガイドスプリング35は、その外周が配管45の内周に当接して曲げられた状態で曲管部47を通過し、スプリングロッド38の末端につながるケーブル32を進行方向に導く。このように、ガイド部材34は、ケーブル32の進行を好適にガイドすることができる。
また、ガイドスプリング35は、スプリング形状の径方向の寸法が小さい小径部36と、径方向の寸法が小径部36よりも大きい大径部37と、を有する。具体的には、小径部36は、例えば、直径φ6から10mm程度、長さ約5から15mmの略円筒状の形態に巻かれ、大径部37は、最大直径φ15から30mm程度、長さ約15から30mmの略球体状若しくは略楕円体状の形態を成す。
このような小径部36及び大径部37が形成されることにより、ガイドスプリング35は、大径部37が配管45の内周と接触し小径部36近傍が曲がり変形して、ケーブル32を好適に導くことができる。なお、小径部36及び大径部37は、ガイドスプリング35の側面視において、スプリング形状の外周輪郭が曲線状に湾曲するような形態であっても良い。
また、ガイドスプリング35は、複数の大径部37を有する。具体的には、ガイドスプリング35は、2から5個の、好ましくは、3から4個の、更に好ましくは、3個の、大径部37を有する。これにより、ガイドスプリング35は、配管45の内周との接触に対する曲がり変形及び変形に対する反発力が好適な状態となり、曲管部47を有する配管45において光源28のケーブル32を好適に導くことができる。
ガイド部材34の先端、即ちガイドスプリング35の先端には、配管45の内部を撮影する撮像センサ31が設けられている。撮像センサ31は、例えば、CCD(charge coupled device)、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)等の撮像素子を利用したイメージセンサ等である。
配管45の内部に挿入されるケーブル32の先端には、ガイド部材34を介して撮像センサ31が設けられているので、作業者は、撮像センサ31で撮影された配管45内の画像から、ライニング材22と配管45内周の密着状況等を正確に把握することができる。これにより、高精度な配管補修工事が可能となる。
図5は、光硬化装置3のケーブル32の概略構成を示す断面図である。図5に示すように、ケーブル32の内部には、光源28(図4参照)や撮像センサ31(図4参照)につながる配線44が設けられていると共に、弾性曲げ変形自在な補強材33が内嵌されている。補強材33は、例えば、コイルばね形状を成す鋼製の部材である。また例えば、補強材33は、硬鋼線を撚ったワイヤ等から形成されても良い。
このようにケーブル32の内部に補強材33が挿入されていることにより、ケーブル32は、配管45(図8参照)内を移動するためにケーブル32の末端側からケーブル32に与えられる押圧力をケーブル32の先端側に好適に伝達することができる。よって、配管補修装置1は、曲管部47(図8参照)を有する配管45の奥深くまでケーブル32を効率良く送ることができる。
次に、配管補修装置1を用いた配管補修方法について詳細に説明する。
先ず、配管補修工事に使用するライニング材22を準備する工程が行われる。図2に示すように、ポリエチレン(PE)等の合成樹脂材料から成るチューブ21の内部に、合成繊維等から成り硬化剤としての光硬化樹脂を含むライニング材22が挿入される。
チューブ21のライニング材22の内部には、末端がチューブ21の末端近傍に固定され先端がチューブ21の先端側から引き出されるロープ23が設けられる。具体的には、ロープ23は、チューブ21の内部に挿入され、ロープ23の末端は、支持部材26に縛り付けられる。そして、支持部材26は、固定部材24と共にチューブ21の末端近傍に挿入され、チューブ21の外周からバンド27によって締め付けられてチューブ21に固定される。これにより、チューブ21の末端近傍が塞がれ、チューブ21の末端近傍の内部には、ロープ23の末端が固定されることになる。
なお、前述のライニング材22を準備する工程、即ち、チューブ21の内部に光硬化樹脂を含むライニング材22を挿入する工程は、ライニング材22等の製造工場において行われても良いし、配管補修工事を行う現場において行われても良い。
図6は、配管補修装置1の反転送入機2でライニング材22を配管45に挿入する状態を示す図である。図2及び図6を参照して、前述のライニング材22を準備する工程でライニング材22及びロープ23が挿入されたチューブ21は、その末端側からドラムユニット10のリール11に巻き付けられる。なお、リール11へのチューブ21の巻き取りは、作業者が把手13を持ってハンドル12を回すことにより容易に行うことができる。
そして、図6に示すように、チューブ21の先端近傍は、送出管14の送り口17近傍に固定される。送出管14へのチューブ21の固定は、チューブ21の先端近傍を外周側に反転させるようにして行われても良い。また、チューブ21は、図示しない接続継手等を用いて送り口17近傍に固定されても良い。
チューブ21の先端近傍が送出管14の送り口17近傍に固定されたら、チューブ21及びライニング材22を配管45の内部に挿入する工程が行われる。なお、配管45は、集合住宅等の一般的な建築物に設けられている既設の排水管であり、その管径は、例えば、φ40から150mmである。また、配管45は、給水管等であっても良い。
チューブ21等を配管45の内部に挿入する工程では、チューブ21の挿入に先立ち、先ずロープ23が配管45の内部に挿入される。ロープ23は、チューブ21を挿入する配管45の開口である配管入口46から挿入され、配管45の先端側の開口である配管出口48に達するまで送り込まれる。
配管45にロープ23が挿入された後、加圧装置19によってドラムユニット10の内部に高圧の空気が送られる。加圧装置19から供給された高圧の空気は、送出管14に送られ、先端近傍が送り口17に固定されたチューブ21を押圧する。
図7は、図6に示す反転送入機2でライニング材22を配管45に挿入する状態を示す図である。高圧の空気で押圧されたチューブ21及びライニング材22は、反転しながら配管45の内部に挿入される。
具体的には、チューブ21の反転部分は、高圧の空気によって押圧されて配管45の奥へと進行する。詳しくは、チューブ21の反転部分よりも末端側は、高圧の空気によって押圧され収縮して小径となって配管45の径方向中央近傍に集まり、チューブ21の反転部分よりも先端側は、高圧の空気によって押圧され大径となってライニング材22を配管45の内周に押し付ける。
このように、加圧装置19(図6参照)によって昇圧される空気の圧力を利用して、チューブ21及びライニング材22を配管45の内部の挿入することができ、光硬化樹脂を含むライニング材22を配管45の内周に密着させることができる。
ここで、従来技術の配管補修方法では、配管45の奥深くにライニング材22を送り込むことが難しく、特に曲管部47を有する配管45では、高圧の空気を供給してもライニング材22の反転が曲管部47で止まってしまうという問題点があった。
これに対して、本実施形態に係る配管補修装置1の反転送入機2は、配管45に挿入されるチューブ21の内部には、チューブ21の末端側に固定されチューブ21の先端側から引き出されるロープ23が設けられている。
そのため、チューブ21を配管45の内部に挿入する工程において、チューブ21より先にロープ23を配管45の内部に挿入して配管45の先端側から引き出し、ロープ23を配管45の先端側から引っ張ることにより、配管45内におけるチューブ21の進行をガイドすることができる。
このようなロープ23によるチューブ21のガイドは、ロープ23を軽く引けば良く、ロープ23を強く牽引する必要はない。何回かに分けてロープ23を軽い力で引っ張る、または、振動させる程度で、チューブ21の進行を好適にガイドすることができる。
これにより、空気の圧力のみでは進行が難しい曲管部47においても、ライニング材22を、容易に送り込むことができ、且つ配管45の内周に沿って正確に接触させることができる。よって、複数の曲管部47を有する配管45の補修を効率良く高精度に行うことができる。
また、空気の圧力と、ワイヤによる軽い牽引ガイドを利用して配管45の内部にチューブ21を挿入できるので、補修が必要な損傷部が配管45の奥深くにあっても、ライニング材22を送ることができる。例えば、配管45の損傷部が、配管入口46から約5から20m離れた位置またはそれ以上離れた位置にあったとしても、その損傷部までライニング材22を送ることができる。
このようにして、チューブ21は、補修工事が必要な配管45の出口、即ち配管出口48、まで送られ、ライニング材22が配管45の内周に密着される。反転送入機2によるライニング材22の挿入が完了したら、次に、光硬化装置3(図8参照)のケーブル32(図8参照)を配管45の内部に挿入する工程が行われる。
図8は、光硬化装置3のケーブル32を配管45の内部に挿入する状態を示す図である。図8に示すように、光硬化装置3のケーブル32を配管45の内部に挿入する工程では、先ず、反転送入機2の送出管14に光硬化装置3の接続管41が接続される。詳しくは、接続管41は、送出管14のY字管継手15に接続される。
そして、バルブ18が開かれ、光硬化装置3のケーブル32が送出管14に挿入される。ケーブル32は、送出管14を経由して、配管45の内部に送り込まれる。ここで、配管45には、既にライニング材22が反転挿入されているので、ケーブル32は、ライニング材22の内部に送り込まれることになる。
図9は、光硬化装置3のケーブル32を配管45の内部に挿入する状態を示す図であり、ケーブル32が配管45の更に奥まで送り込まれた状態を示している。図9を参照して、ケーブル32の先端近傍には複数の光源28が設けられているので、ケーブル32を配管45の内部に挿入することにより、ライニング材22を硬化させる光源28を配管45の奥まで、具体的には配管出口48まで、送ることができる。
ここで、本実施形態に係る配管補修装置1は、光硬化装置3のケーブル32に、弾性曲げ変形自在な補強材33(図5参照)が内嵌されている。そのためケーブル32は、光源28及び先端のガイド部材34に対して配管45内を移動するための押圧力を好適に伝達することができる。よって、作業者は、ライニング材22を硬化する光源28を、配管45の奥深くまで容易に送ることができる。
具体的には、補修に使用されるライニング材22が、配管入口46から約5から50m以上離れた位置まで挿入されていたとしても、ライニング材22を硬化させる光源28を、配管45に挿入されているライニング材22の奥まで送ることができる。
また、光硬化装置3には、ケーブル32の先端から延出する弾性曲げ変形自在なガイド部材34が設けられている。これにより、複数の曲管部47を有する配管45の奥深くまでライニング材22と、ライニング材22を硬化させる光硬化装置3の光源28を有するケーブル32と、を容易に送り込むことができる。
具体的には、ガイド部材34は、ケーブル32の軸方向に延在するコイルばね形状を成すスプリングロッド38及びガイドスプリング35を有する。このような構成により、配管45の内部に挿入される配管補修装置1のケーブル32を、ガイド部材34で好適にガイドして、曲管部47を容易に通過させることができる。
詳しくは、前述のとおり、ガイド部材34のガイドスプリング35は、径方向の寸法が小さい小径部36と、径方向の寸法が大きい大径部37と、を有する。これにより、ガイド部材34は、大径部37がチューブ21の内周と接触し小径部36近傍が曲がり変形して、光硬化装置3のケーブル32を好適に導くことができる。
そして、ガイド部材34のガイドスプリング35には、複数の大径部37が形成されているので、複数の大径部37がケーブル32の内周に接触してガイド部材34の進行をガイドする。よって、ガイド部材34は、チューブ21の内周との接触による曲がり変形、及び変形に対する反発力が好適な状態となり、曲管部47を有する配管45においてライニング材22を硬化させる光硬化装置3のケーブル32を配管45の奥まで好適に導くことができる。
また、本実施形態に係る配管補修装置1は、ガイド部材34の先端に、配管45の内部を撮影する撮像センサ31が設けられている。これにより、作業者は、ディスプレイ43(図8参照)等に表示される撮像センサ31による画像によって、配管45内に挿入されたライニング材22の状態を硬化前に確認することができる。即ち、ライニング材22を硬化させる工程の前に、配管45内の異状の有無を確認することができる。
例えば、光硬化装置3の撮像センサ31でライニング材22の状態を確認した結果、曲管部47等においてライニング材22と配管45との密着に不良が発見された場合には、配管45に挿入されているチューブ21及びライニング材22を全て配管45から引き抜いて配管45への挿入をやり直す。即ち、再度チューブ21及びライニング材22の反転挿入が行われる。
撮像センサ31を利用したライニング材22の確認は、ケーブル32を配管45の内部に挿入する工程で行われるので、この段階では、ライニング材22の光硬化は行われておらず、ライニング材22は配管45に固定されていない。また、光硬化樹脂を利用した硬化方法であるため、外気温等の影響を受けてライニング材22が硬化することもない。そのため、撮像センサ31で不具合を発見した際のチューブ21及びライニング材22の取り外しは容易である。
このように、ケーブル32の先端に撮像センサ31が設けられており、ケーブル32を挿入する工程において、撮像センサ31を利用してライニング材22の状態を把握できるので、本実施形態に係る配管補修装置1は、配管45内に異常が少ない正確な配管補修を行うことができる。
配管45の内部にケーブル32を挿入する工程が完了したら、即ち、光源28が配管出口48近傍まで挿入されたら、光源28から光を照射してライニング材22を硬化する工程が行われる。
ライニング材22を硬化する工程では、光源28から光を照射しながら所定の速度でケーブル32が配管入口46方向に引き戻される。これにより、ライニング材22の光硬化樹脂が硬化し、ライニング材22が配管45の内面に密着した状態で固定される。
ライニング材22を硬化する工程が完了し、ライニング材22が配管45の内周に固定されたら、配管45からケーブル32を取り出す工程が行われる。図8を参照して、ケーブル32は、コードリール40に巻かれながら、配管45の配管出口48側から引き抜かれ、送出管14から取り外される。
そして、配管45からケーブル32を取り出す工程が行われた後、配管45からチューブ21を抜去する工程が行われる。配管45からチューブ21を抜去する工程では、先ず、チューブ21内の空気が減圧される。
具体的には、加圧装置19による高圧空気の供給が止められ、図示しない排気口等を介してチューブ21の内部の空気が外部に排出される。これによりチューブ21内の空気の圧力が低下し、チューブ21は収縮し、配管45に固定されているライニング材22からの分離が容易となる。
なお、図示しない真空ポンプ等を利用して、チューブ21内を減圧して、チューブ21を収縮しても良い。
加圧装置19による加圧が停止されチューブ21の内部が減圧されたら、次に、チューブ21が反転送入機2の送出管14から取り外される。そして、チューブ21は、ライニング材22から剥離され、配管45から引き抜かれる。詳しくは、チューブ21は、配管入口46側から引き抜かれる。
ライニング材22は、光硬化装置3による光の照射によって硬化し、配管45の内周に固定されているので、配管入口46側に引かれたチューブ21は、ライニング材22から容易に剥離する。よって、チューブ21はライニング材22から分離し、チューブ21のみが配管45から抜去される。
以上の工程により、複数の曲管部47を有する配管45に対して高精度なライニング加工を施すことができる。例えば、複数の曲管部47を有する配管45の奥深くが損傷した場合であっても、ライニング材22及びライニング材22を硬化する光源28を配管45内に容易に送り込んで、損傷した配管45を内周から修復することができる。
以上説明の如く、本実施形態に係る配管補修装置1及びそれを用いた配管補修方法によれば、従来技術の配管補修装置1では困難であった曲管部47を有する配管45の補修が可能となり、配管補修の作業効率を大幅に向上させることができる。
例えば、配管補修装置1によれば、配管入口46から約5から50m以上離れた配管45の奥に補修が必要な損傷部があり、更に配管45の経路に曲管部47のような曲がりが4か所以上あったとしても、ライニング材22及び光源28を補修位置まで容易且つ正確に送り込んで高精度な配管補修を効率良く行うことができる。
即ち、配管補修装置1は、複数の曲管部47を有する配管45の奥深くまでライニング材22と、ライニング材22を硬化させる光硬化装置3の光源28を有するケーブル32と、を容易に送り込むことができる。
そして、配管45に挿入されたライニング材22を光硬化装置3からの光の照射で効率良く硬化させることができる。よって、本発明の配管補修装置1によれば、従来技術の配管補修装置1では難しかった複数の曲管部47を有する配管45の補修を効率良く正確に行うことができる。
本発明の配管補修装置1によれば、排水口等の配管入口46から遠く離れた位置においても、従来技術では必要であった建物の一部解体や配管45の切断及び交換等を行うことなく、配管45の内部から損傷部分を補修することができ、配管補修作業の効率化を図ることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。
1 配管補修装置
2 反転送入機
3 光硬化装置
10 ドラムユニット
11 リール
12 ハンドル
13 把手
14 送出管
15 Y字管継手
16 曲管継手
17 送り口
18 バルブ
19 加圧装置
20 エア配管
21 チューブ
22 ライニング材
23 ロープ
24 固定部材
25 通気孔
26 支持部材
27 バンド
28 光源
29 ライトケース
30 LED素子
31 撮像センサ
32 ケーブル
33 補強材
34 ガイド部材
35 ガイドスプリング
36 小径部
37 大径部
38 スプリングロッド
39 接続部材
40 コードリール
41 接続管
42 制御装置
43 ディスプレイ
44 配線
45 配管
46 配管入口
47 曲管部
48 配管出口

Claims (7)

  1. 光硬化樹脂を含むライニング材が入れられたチューブを空気の圧力によって反転させて配管の内部に挿入する反転送入機と、
    前記配管の内部に挿入された前記チューブの内部に挿入され光を照射して前記ライニング材を硬化する光硬化装置と、を具備し、
    前記光硬化装置には、前記チューブに挿入されるケーブルの先端から延出する弾性曲げ変形自在なガイド部材が設けられており、
    前記ガイド部材は、前記ケーブルの軸方向に延在するコイルばね形状を成し、径方向の寸法が小さい小径部と、前記小径部よりも径方向の寸法が大きい大径部と、を有し、
    前記大径部は、球体状若しくは楕円体状の形態を成すよう巻かれていることを特徴とする配管補修装置。
  2. 前記ガイド部材は、複数の前記大径部を有することを特徴とする請求項1に記載の配管補修装置。
  3. 前記ガイド部材の先端には、前記配管の内部を撮影する撮像センサが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の配管補修装置。
  4. 前記ケーブルには、弾性曲げ変形自在な鋼製の補強材が内嵌されていることを特徴とする請求項1に記載の配管補修装置。
  5. 前記チューブの内部には、前記チューブの末端側に固定され前記チューブの先端側から引き出されて前記配管の内部に挿入されるロープが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の配管補修装置。
  6. 光硬化樹脂を含むライニング材が入れられたチューブを空気の圧力によって反転させて配管の内部に挿入する工程と、
    ケーブルの先端に弾性曲げ変形自在なガイド部材が設けられた光硬化装置の前記ケーブルを前記配管の内部に挿入する工程と、
    前記ケーブルに設けられた光源から光を照射して前記配管に挿入されている前記ライニング材を硬化する工程と、
    前記配管から前記ケーブルを取り出す工程と、
    前記配管から前記チューブを抜去する工程と、を具備し、
    前記ガイド部材は、前記ケーブルの軸方向に延在するコイルばね形状を成し、径方向の寸法が小さい小径部と、前記小径部よりも径方向の寸法が大きい大径部と、を有し、
    前記大径部は、球体状若しくは楕円体状の形態を成すよう巻かれていることを特徴とする配管補修方法。
  7. 前記配管に挿入される前記チューブの内部には、前記チューブの末端側に固定され前記チューブの先端側から引き出されるロープが設けられており、
    前記チューブを前記配管の内部に挿入する工程において、前記ロープは、前記チューブよりも先に前記配管の内部に挿入されて前記配管の先端側から引き出され、前記ロープを前記配管の先端側から引っ張ることにより前記チューブの挿入がガイドされることを特徴とする請求項6に記載の配管補修方法。
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