JP7162664B2 - 運転者選定装置および運転者選定方法 - Google Patents

運転者選定装置および運転者選定方法 Download PDF

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Description

本発明は、運転者選定装置および運転者選定方法に関する。
昨今、開発が盛んに行われている自動運転システムは、特定の条件下にて、運転者を運転操作から解放し、自動運転モードで車両の走行を制御する。また、自動運転システムは、そのような、車両側で全てのアクチュエータを操作して走行する自動運転モードから、手動運転モードに切り替える制御も行う。
自動運転システムは、自動運転モードから手動運転モードに切り替える場合、運転者の心身の状態(以下、バイタル状態という。)が運転に適する状態か否かを判定する。運転者のバイタル状態が運転に適している場合、自動運転システムは手動運転操作を許可する。運転者のバイタル状態が不適切である場合、自動運転システムは、車両を適当な駐車エリアに駐車させる制御を行う。
特許文献1または2に記載のシステムは、車両に搭乗する複数の乗員毎に運転適性度を読み取る。システムは、運転適性度に関する特定の運転者選定規則に従って、複数の乗員から手動運転に適した運転者を選定し、自動運転から手動運転に切り替える。
特定の運転者選定規則とは、運転技能レベル、体調や覚醒度などであるバイタル状態、手動運転区間の道路形状や構造による運転容易性、運転の公平性などである。例えば、システムは、バイタル状態に関する運転者選定規則に基づき、自動運転区間から手動運転区間に移行する前の適当な時点で最も覚醒度の高い乗員を運転者として選定する。
また、特許文献3には、運転者のバイタル状態を検出するシステムが提案されている。
特開2018-41238号公報 特開2017-24653号公報 特開2018-75208号公報
しかし、システムが自動運転モードに切り替える際に、全ての乗員の運転適性度が手動運転のための基準を満たさない状況が生じ得る。その場合、システムは、いずれかの乗員の運転適性度が改善するまで、車両を適当な駐車エリアで待機させる制御を行う。その結果、乗員にとっては、待ち時間が生じる。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、車両の運転者を選定するにあたり、完全自動運転が可能な完全自動運転区間から完全自動運転が不可能な不完全自動運転区間に車両が移行する時点で、適当な運転適性度を有する運転者が車両に搭乗していない確率を低減できる運転者選定装置の提供を目的とする。
本発明に係る運転者選定装置は、車両の運転に関与する運転者を、車両に搭乗する複数の乗員から選定して提示する。運転者選定装置は、乗員情報取得部と運転計画部と、を含む。乗員情報取得部は、複数の乗員の各々の状態であって搭乗中に時間的に変化する動的状態以外の状態である静的状態を取得する。運転計画部は、地図情報として道路の区間ごとに予め設定されている自動運転レベルの情報と、車両が走行する予定の走行経路の情報と、に基づいて、走行経路に含まれる複数の不完全自動運転区間を求める。複数の不完全自動運転区間は、車両の運転に対して人間の関与が要求されるあるいは要求される可能性がある自動運転レベルが設定された区間である。運転計画部は、複数の乗員の各々の静的状態に関する予め定められた運転者選定規則に従って、複数の乗員のうち一の乗員を、一の不完全自動運転区間を運転する予定の運転者として選定することにより、複数の不完全自動運転区間をそれぞれ運転する予定の複数の運転者の情報を含む運転者交代計画を策定し、運転者交代計画を複数の乗員のうち少なくとも1人の乗員に提示する。その予め定められた運転者選定規則は、複数の乗員の各々の静的状態と複数の不完全自動運転区間の情報とに基づいて定められている。運転計画部は、走行経路の策定の後に、運転者交代計画を策定する。乗員情報取得部は、提示される運転者交代計画の策定後、かつ、車両が一の不完全自動運転区間に到達する前の予め定められたタイミングにおける複数の乗員の各々の動的状態をさらに取得する。運転計画部は、その予め定められたタイミングにおける複数の乗員の各々の動的状態に基づいて、一の不完全自動運転区間についての運転者交代計画を再策定する。一の不完全自動運転区間は、運転者交代計画が策定された複数の不完全自動運転区間のうち、車両が次に走行する次期不完全自動運転区間に対応し、予め定められたタイミングは、車両が次期不完全自動運転区間に到達する前であり、運転計画部は、次期不完全自動運転区間の運転者である次期運転者の動的状態が、予め定められた基準を満たさない場合に、次期運転者を除く少なくとも1人の乗員から、次期不完全自動運転区間における車両の運転者を再選定する。

本発明によれば、車両の運転者を選定するにあたり、完全自動運転が可能な完全自動運転区間から完全自動運転が不可能な不完全自動運転区間に車両が移行する時点で、適当な運転適性度を有する運転者が車両に搭乗していない確率を低減する運転者選定装置の提供が可能である。
本発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白になる。
実施の形態1における運転者選定装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1における運転者選定装置が有する処理回路の構成の一例を示す図である。 実施の形態1における運転者選定装置が有する処理回路の構成の別の一例を示す図である。 実施の形態1における運転者選定装置の動作および運転者選定方法を示すフローチャートである。 本明細書における完全自動運転および不完全自動運転の定義と、自動運転レベルとの関係を示す図である。 実施の形態2における運転者選定装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態2における運転者選定装置の全体動作および運転者選定方法を示すフローチャートである。 実施の形態2における自動運転走行計画の策定動作を示すフローチャートである。 実施の形態2における表示装置に表示される自動運転走行計画に基づく走行経路を示す図である。 実施の形態2における静的状態に基づく運転者交代計画の策定動作を示すフローチャートである。 実施の形態2における表示装置に表示される運転者交代計画策定ボタンと自動運転走行計画とを示す図である。 実施の形態2における乗員の静的状態および運転適性度の一例を示す図である。 実施の形態2における表示装置に表示される運転者交代計画を示す図である。 実施の形態2における運転者交代計画に基づく運転者交代制御の動作を示すフローチャートである。 予め運転者交代計画を策定しない場合の走行経路および運転者の運転適性度の変化を示す図である。 予め運転者交代計画を策定しない場合の走行経路および運転者の運転適性度の変化を示す図である。 予め運転者交代計画を策定する場合の走行経路および運転者の運転適性度の変化を示す図である。 実施の形態2の変形例2における運転者交代計画を示す図である。 実施の形態2の変形例6における運転者選定装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態2の変形例6における車両内のシートの配置を示す図である。 実施の形態2の変形例6における車両内のシートの配置を示す図である。 実施の形態2の変形例6におけるシート移動後のシートの配置を示す図である。 実施の形態3における運転者選定装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態4における運転者選定装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態5における運転者選定装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態5における次期運転者のための表示装置に表示される運転者交代計画を示す図である。 実施の形態5における他の乗員のための表示装置に表示される運転者交代計画を示す図である。 実施の形態6における運転者選定装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態7における運転者選定装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態7における運転者選定装置の全体動作および運転者選定方法を示すフローチャートである。 実施の形態7における自動運転走行計画の策定動作を示すフローチャートである。 実施の形態7における動的状態に基づく運転者交代計画の策定および運転者交代制御動作を示すフローチャートである。 実施の形態7における自動運転走行計画、運転者交代計画および運転適性度の変化を示す図である。 実施の形態8における運転者選定装置およびそれに関連して動作する装置の構成を示すブロック図である。
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1における運転者選定装置100の構成を示すブロック図である。運転者選定装置100は、車両の運転に対し人間の関与が要求される、あるいは要求される可能性がある自動運転レベルが設定された、少なくとも1つの不完全自動運転区間を含む車両の走行経路について、少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々における車両の運転に関与する運転者を、車両に搭乗する複数の乗員から選定して提示する。運転者選定装置100は、乗員情報取得部10および運転計画部20を有する。
乗員情報取得部10は、複数の乗員の各々の状態であって、搭乗中に時間的に変化する状態である動的状態を取得する。または、乗員情報取得部10は、複数の乗員の各々の状態であって、動的状態以外の状態である静的状態を取得する。
運転計画部20は、複数の乗員の各々の動的状態と少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々の自動運転レベルとに基づき、複数の乗員のうち一の乗員を、一の不完全自動運転区間における車両の運転者として選定して運転者交代計画を策定する。または、運転計画部20は、複数の乗員の各々の静的状態に基づき、複数の乗員のうち一の乗員を、一の不完全自動運転区間における車両の運転者として選定して運転者交代計画を策定する。そして、運転計画部20は、運転者交代計画を複数の乗員のうち少なくとも1人の乗員に提示する。
運転計画部20は、動的状態に基づく運転者交代計画の策定については、車両が一の不完全自動運転区間に到達する前の予め定められたタイミングでその不完全自動運転区間について運転者交代計画を策定する。
運転計画部20は、静的状態に基づく運転者交代計画の策定については、走行経路の策定の後に少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々について予め運転者交代計画を策定する。
図2は、運転者選定装置100が有する処理回路90の構成の一例を示す図である。乗員情報取得部10および運転計画部20の各機能は、処理回路90により実現される。すなわち、処理回路90は、乗員情報取得部10および運転計画部20を有する。
処理回路90が専用のハードウェアである場合、処理回路90は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせた回路等である。乗員情報取得部10および運転計画部20の各機能は、複数の処理回路により個別に実現されてもよいし、1つの処理回路によりまとめて実現されてもよい。
図3は、運転者選定装置100が有する処理回路の構成の別の一例を示す図である。処理回路は、プロセッサ91とメモリ92とを有する。プロセッサ91がメモリ92に格納されるプログラムを実行することにより、乗員情報取得部10および運転計画部20の各機能が実現される。例えば、プログラムとして記述されたソフトウェアまたはファームウェアがプロセッサ91により実行されることにより各機能が実現される。すなわち、運転者選定装置100は、プログラムを格納するメモリ92と、そのプログラムを実行するプロセッサ91とを有する。
プログラムには、運転者選定装置100が、複数の乗員の各々の状態であって搭乗中に時間的に変化する状態である動的状態、または、動的状態以外の状態である静的状態を取得し、複数の乗員の各々の動的状態と少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々の自動運転レベルとに基づき、または、複数の乗員の各々の静的状態に基づき、複数の乗員のうち一の乗員を、一の不完全自動運転区間における車両の運転者として選定して運転者交代計画を策定し、運転者交代計画を複数の乗員のうち少なくとも1人の乗員に提示し、動的状態に基づく運転者交代計画の策定については、車両が一の不完全自動運転区間に到達する前の予め定められたタイミングで一の不完全自動運転区間について運転者交代計画を策定し、静的状態に基づく運転者交代計画の策定については、走行経路の策定の後に少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々について予め運転者交代計画を策定する機能が記述されている。また、プログラムは、乗員情報取得部10および運転計画部20の手順または方法をコンピュータに実行させるものである。
プロセッサ91は、例えば、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)等である。メモリ92は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリである。または、メモリ92は、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等、今後使用されるあらゆる記憶媒体であってもよい。
上述した乗員情報取得部10および運転計画部20の各機能は、一部が専用のハードウェアによって実現され、他の一部がソフトウェアまたはファームウェアにより実現されてもよい。このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現する。
図4は、実施の形態1における運転者選定装置100の動作および運転者選定方法を示すフローチャートである。
ステップS1にて、乗員情報取得部10は、複数の乗員の各々の静的状態または動的状態を取得する。
ステップS2にて、運転計画部20は、複数の乗員の各々の動的状態と不完全自動運転区間の自動運転レベルとに基づき、または、複数の乗員の各々の静的状態に基づき、一の乗員を不完全自動運転区間の運転者として選定する。
ステップS3にて、運転計画部20は、運転者交代計画を複数の乗員のうち少なくとも1人の乗員に提示する。
以上をまとめると、実施の形態1における運転者選定装置100は、車両の運転に対し人間の関与が要求される、あるいは要求される可能性がある自動運転レベルが設定された、少なくとも1つの不完全自動運転区間を含む車両の走行経路について、少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々における車両の運転に関与する運転者を、車両に搭乗する複数の乗員から選定して提示する。運転者選定装置100は、乗員情報取得部10と運転計画部20と、を含む。乗員情報取得部10は、複数の乗員の各々の状態であって搭乗中に時間的に変化する状態である動的状態、または、動的状態以外の状態である静的状態を取得する。運転計画部20は、複数の乗員の各々の動的状態と少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々の自動運転レベルとに基づき、または、複数の乗員の各々の静的状態に基づき、複数の乗員のうち一の乗員を、一の不完全自動運転区間における車両の運転者として選定して運転者交代計画を策定し、運転者交代計画を複数の乗員のうち少なくとも1人の乗員に提示する。運転計画部20は、動的状態に基づく運転者交代計画の策定については、車両が一の不完全自動運転区間に到達する前の予め定められたタイミングでその一の不完全自動運転区間について運転者交代計画を策定する。運転計画部20は、静的状態に基づく運転者交代計画の策定については、走行経路の策定の後に少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々について予め運転者交代計画を策定する。
以上の構成により、運転者選定装置100は、運転者を選定するにあたり、完全自動運転区間から不完全自動運転区間の移行する時点で、静的状態または動的状態に基づく適当な運転適性度を有する運転者が車両に搭乗していない確率を低減する。運転者選定装置100は、手動運転の実施時にいずれかの乗員の運転適性度が向上するまで、適当な駐車エリアで待機しなければならない状況を減少させる。
また、実施の形態1における運転者選定方法は、車両の運転に対し人間の関与が要求される、あるいは要求される可能性がある自動運転レベルが設定された、少なくとも1つの不完全自動運転区間を含む車両の走行経路について、少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々における車両の運転に関与する運転者を、車両に搭乗する複数の乗員から選定して提示する。運転者選定方法は、複数の乗員の各々の状態であって搭乗中に時間的に変化する状態である動的状態、または、動的状態以外の状態である静的状態を取得する。運転者選定方法は、複数の乗員の各々の動的状態と少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々の自動運転レベルとに基づき、または、複数の乗員の各々の静的状態に基づき、複数の乗員のうち一の乗員を、一の不完全自動運転区間における車両の運転者として選定して運転者交代計画を策定し、運転者交代計画を複数の乗員のうち少なくとも1人の乗員に提示する。運転者選定方法は、動的状態に基づく運転者交代計画の策定については、車両が一の不完全自動運転区間に到達する前の予め定められたタイミングでその一の不完全自動運転区間について運転者交代計画を策定する。運転者策定方法は、静的状態に基づく運転者交代計画の策定については、走行経路の策定の後に少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々について予め運転者交代計画を策定する。
以上の構成により、運転者選定方法は、運転者を選定するにあたり、完全自動運転区間から不完全自動運転区間の移行する時点で、静的状態または動的状態に基づく適当な運転適性度を有する運転者が車両に搭乗していない確率を低減する。運転者選定方法は、手動運転の実施時にいずれかの乗員の運転適性度が向上するまで、適当な駐車エリアで待機しなければならない状況を減少させる。
<実施の形態2>
実施の形態2における運転者選定装置および運転者選定方法を説明する。実施の形態2における運転者選定装置は、複数の乗員の各々の静的状態に基づいて運転者を選定し、運転者交代計画を策定する。実施の形態2は実施の形態1の下位概念であり、実施の形態2における運転者選定装置は、実施の形態1における運転者選定装置の各構成を含む。なお、実施の形態1と同様の構成および動作については説明を省略する。
図5は、本明細書における完全自動運転および不完全自動運転の定義と、自動運転レベルとの関係を示す図である。図5は、「官民ITS構想・ロードマップ2017」から引用された図である。各自動運転レベルは、SAE J3016の定義に基づくものである。
本明細書では、自動運転レベル「0」から「3」のいずれかが設定された区間を不完全自動運転区間と定義する。すなわち、不完全自動運転区間とは、車両の運転に対し人間の関与が要求される、あるいは要求される可能性がある自動運転レベルが設定された区間である。例えば、自動運転レベル「3」において、車両の駆動に関係する全てのアクチュータは、原則として、後述する運転制御装置によって操作される。運転制御装置が車両の運転に対して運転手による関与を求めた場合には、運転者が車両を運転する。よって、本明細書では、自動運転レベル「3」が設定された区間は、不完全自動運転区間と定義する。
また、自動運転レベル「4」または「5」が設定された区間を完全自動運転区間と定義する。すなわち、完全自動運転区間とは、不完全自動運転区間以外の区間である。ただし、不完全自動運転区間および完全自動運転区間の各定義は、一例であって、上記に限定されるものではない。
図6は、実施の形態2における運転者選定装置101の構成を示すブロック図である。また、図6は、運転者選定装置101に関連して動作する装置として、乗員情報入力装置120、地図記憶装置130、表示装置111、音声出力装置112、操作装置140、周辺情報検出装置150および運転制御装置160を示している。
運転者選定装置101は、乗員情報記憶部30、乗員情報取得部10、測位部40、地図取得部50および運転計画部20を有する。運転計画部20は報知制御部21を有する。以下に示す乗員情報記憶部30、乗員情報取得部10、測位部40、地図取得部50、運転計画部20および報知制御部21の各機能は、図2または図3に示される処理回路により実現される。
乗員情報入力装置120は、乗員の静的状態が入力される装置である。乗員情報入力装置120は、例えばタッチパネルである。その場合、乗員の静的状態は、乗員などユーザのタッチパネル操作により入力される。乗員の静的状態は、乗員の運転能力に関する情報を含む。乗員の運転能力に関する情報とは、例えば、乗員の基本情報または乗員の運転経験に関する情報である。乗員の基本情報とは、例えば、乗員の年齢、運転経験年数である。乗員の運転経験に関する情報とは、乗員が運転した経験のある道路の地形、車両の種類、天候等に基づく経験値である。
乗員情報記憶部30は、乗員情報入力装置120により入力された乗員の静的状態を記憶する。図6において、乗員情報記憶部30は、運転者選定装置101に設けられているが、サーバ(図示せず)など外部の装置に設けられていてもよい。
乗員情報取得部10は、複数の乗員の各々の静的状態を取得する。実施の形態2において、乗員情報取得部10は、乗員情報記憶部30から各乗員の静的状態を取得する。乗員情報記憶部30が、サーバ(図示せず)に設けられる場合、乗員情報取得部10は、通信装置(図示せず)を介してサーバから各乗員の静的状態を取得する。
測位部40は、GNSS(Global Navigation Satellite System)または車両センサ(図示せず)から取得する信号に基づき車両の現在位置を測定する。
地図記憶装置130は、車両走行用の地図を記憶している。その地図は、道路の区間ごとに設定された自動運転レベルの情報を含む。地図記憶装置130は、例えば、サーバに設けられる。ただし、地図記憶装置130は、運転者選定装置101に設けられていてもよい。
地図取得部50は、地図記憶装置130から自動運転レベルの情報を含む地図を取得する。
運転計画部20は、車両の現在位置と地図とに基づき、車両の走行経路を求める。また、運転計画部20は、地図に含まれる自動運転レベルの情報に基づき、走行経路に含まれる不完全自動運転区間と完全自動運転区間とを求める。運転計画部20は、その走行経路を含む自動運転走行計画を策定する。
運転計画部20は、自動運転走行計画の策定の後、少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々について、予め運転者交代計画を策定する。その際、運転計画部20は、複数の乗員の各々の静的状態に基づき、複数の乗員のうち一の乗員を、一の不完全自動運転区間における車両の運転者として選定する。より詳細には、運転計画部20は、静的状態に関する予め定められた運転者選定規則に従い、運転者を選定する。例えば、運転計画部20は、自動運転走行計画に従って車両が走行する前に、走行経路に含まれる少なくとも1つの不完全自動運転区間の運転者を選定する。または例えば、運転計画部20は、自動運転走行計画に従って車両が走行した後、走行経路に含まれるいずれかの不完全自動運転区間に到達する前のタイミングにおいて、それ以降の少なくとも1つの不完全自動運転区間の運転者を選定する。
運転計画部20は、報知制御部21を有する。報知制御部21は、車両に搭載される報知装置に対して、車両の現在位置と運転者交代計画とを報知させる制御を行う。実施の形態2における報知制御部21は、報知装置である表示装置111または音声出力装置112に対し、車両の現在位置、運転者交代計画および自動運転走行計画を報知させる制御を行う。実施の形態2における運転計画部20は、報知制御部21が上記の報知制御を行うことにより、運転者交代計画を少なくとも1人の乗員に提示する。
表示装置111および音声出力装置112は、報知装置の一例である。表示装置111および音声出力装置112は、車両に搭載されている。音声出力装置112は、例えばスピーカであり、表示装置111と一体の装置であってもよい。表示装置111は、運転計画部20の制御に従い、運転者交代計画および自動運転走行計画を表示する。または音声出力装置112は、運転計画部20の制御に従い、運転者交代計画および自動運転走行計画を音声出力する。
操作装置140は、車両に搭乗する乗員の操作による操作情報が入力される装置である。
周辺情報検出装置150は、運転制御装置160が自動運転制御を行うために必要な車両の周辺情報を検出する。周辺情報検出装置150は、例えば、カメラ、レーザレーダ、超音波センサ、ミリ波レーダなどである。
運転制御装置160は、車両の走行を制御する。自動運転レベル「4」以上の完全自動運転区間においては、運転制御装置160は、車両の駆動に関係するアクチュータを操作する。それにより、車両は自動運転制御される。


図7は、実施の形態2における運転者選定装置101の全体動作および運転者選定方法を示すフローチャートである。
ステップS10にて、運転者選定装置101は、自動運転走行計画の策定を行う。図8は、実施の形態2における自動運転走行計画の策定動作を示すフローチャートであり、ステップS10の詳細を示す。
ステップS11にて、運転計画部20は、測位部40にて測定された車両の現在位置を取得する。この際、運転計画部20の報知制御部21は、表示装置111に現在位置を示す地図を表示させる制御を行ってもよい。それにより、表示装置111に現在位置を示す地図が表示される。
ステップS12にて、運転計画部20は、乗員によって操作装置140に入力された目的地を取得する。運転計画部20は、地図記憶装置130から地図取得部50を介して地図を取得する。
ステップS13にて、運転計画部20は、目的地および地図に基づき、予め定められた経路探索方法によって、目的地までの走行経路を計算する。運転計画部20は、地図に含まれる自動運転レベルの情報に基づき、走行経路における完全自動運転区間と不完全自動運転区間とを求める。以上により、自動運転走行計画が策定される。
ステップS14にて、報知制御部21は、自動運転走行計画を表示装置111に表示させる制御を行う。表示装置111は、その制御に従い、自動運転走行計画に基づく走行経路を表示する。この際、表示装置111は、完全自動運転区間と不完全自動運転区間とが識別可能なように表示する。また、表示装置111は、各区間の自動運転レベルが識別可能なように表示してもよい。
図9は、表示装置111に表示される自動運転走行計画に基づく走行経路を示す図である。不完全自動運転区間は破線で表示されている。出発地点Sから第1地点W1までの区間は、自動運転レベル「0」の不完全自動運転区間である。第1地点W1から第2地点W2までの区間は、自動運転レベル「4」の完全自動運転区間である。第2地点W2から第3地点W3までの区間は、自動運転レベル「3」の不完全自動運転区間である。第3地点W3から第4地点W4までの区間は、自動運転レベル「5」の完全自動運転区間である。第4地点W4から目的地Dまでの区間は、自動運転レベル「2」の不完全自動運転区間である。
以上で、自動運転走行計画の策定動作は終了し、図7に示されるステップS20が実行される。
ステップS20にて、運転者選定装置101は、静的状態に基づく運転者交代計画の策定を行う。図10は、実施の形態2における静的状態に基づく運転者交代計画の策定動作を示すフローチャートであり、ステップS20の詳細を示す。
ステップS21にて、報知制御部21は、運転者交代計画策定ボタンを表示装置111に表示させる制御を行う。図11は、表示装置111に表示される運転者交代計画策定ボタンと自動運転走行計画とを示す図である。
ステップS22にて、運転計画部20は、運転者交代計画策定をオンにする信号を受け付けたか否かを判定する。運転者交代計画策定をオンにする信号とは、運転者交代計画策定ボタンが押されることによって生じる信号である。運転計画部20がその信号を受け付けた場合、ステップS25が実行される。運転計画部20がその信号を受け付けない場合、ステップS23が実行される。
ステップS23にて、運転計画部20は、予め定められた時間が経過したか否かを判定する。予め定められた時間は、例えば5分である。予め定められた時間が経過した場合、ステップS24が実行される。予め定められた時間が経過していない場合、再びステップS22が実行される。
ステップS24にて、運転計画部20は、運転者交代計画フラグをオフに設定する。
ステップS25にて、乗員情報取得部10は、複数の乗員の各々の静的状態を取得する。ここでは、一例として、乗員情報取得部10は、車両に搭乗する乗員A、乗員B、乗員Cの3人の乗員の各静的状態を取得する。
図12は、乗員の静的状態および運転適性度の一例を示す図である。ここでは、運転適性度は、乗員の静的状態に基づいて3段階の点数により表され、点数が大きいほど有利である。
乗員の静的状態は、乗員の運転能力に関する情報を含む。乗員の運転能力に関する情報とは、乗員の基本情報または乗員の運転経験に関する情報である。
乗員の基本情報とは、乗員の年齢、運転経験年数である。乗員の年齢が高いほど、疲れやすいことが予想されるため、運転適性度として低い点数が付与される。例えば、40歳未満の乗員に3点、40歳以上55歳未満の乗員に2点、55歳以上の乗員に1点が付与される。また、運転経験年数が長いほど、運転適性度として高い点数が付与される。10年以上の運転経験年数の乗員に3点、5年以上10年未満の運転経験年数の乗員に2点、5年未満の運転経験年数の乗員に1点が付与される。
乗員の運転経験に関する情報とは、道路の地形ごと、車両の種類ごと、天候ごとの乗員の運転経験に関する情報を含む。図12は、道路の地形ごとの運転経験、車類ごとの運転経験、天候ごとの運転経験のそれぞれに基づく運転適性度を示している。
ステップS26にて、運転計画部20は、静的状態に関する予め定められた運転者選定規則に従い、複数の乗員から各不完全自動運転区間の運転者を選定する。
静的状態に関する予め定められた運転者選定規則は、例えば、以下に示される規則R1から規則R6のいずれかである。
規則R1:年齢が高い乗員ほど、距離が短い不完全自動運転区間の運転者として優先的に選定する。
規則R2:年齢が高い乗員ほど、走行順序が早い不完全自動運転区間の運転者として優先的に選定する。
規則R3:運転経験年数が短い乗員ほど、距離が短い不完全自動運転区間の運転者として優先的に選定する。
規則R4:選定対象の不完全自動運転区間の道路地形に慣れた乗員を、その不完全自動運転区間の運転者として優先的に選定する。
規則R5:搭乗中の車種の運転に慣れた乗員を運転者として優先的に選定する。
規則R6:目的地までの走行経路において、乗員毎の運転回数または乗員毎の総運転距離の差が大きくならないように運転者を選定する。
運転者選定規則は、上記に限定されるものではない。運転計画部20は、複数の規則の各々に対し適当な重み付け係数を適用して、運転適性度の合計点数から運転者を選定してもよい。または、運転計画部20は、1つの規則を採用して運転者を選定してもよい。
ステップS27にて、報知制御部21は、運転者交代計画を表示装置111に表示させる制御を行う。図13は、表示装置111に表示される運転者交代計画を示す図である。図13に示される運転者交代計画は、上記の規則R2に基づき策定された計画である。最も年齢が若い乗員Aが最終の不完全自動運転区間を運転する。
ステップS28にて、運転計画部20は、運転者交代計画フラグをオンに設定する。
以上で、運転者交代計画の策定動作は終了し、図7に示されるステップS30が実行される。
ステップS30にて、運転者選定装置101は、運転者交代計画に基づく運転者交代制御を行う。図14は、実施の形態2における運転者交代計画に基づく運転者交代制御の動作を示すフローチャートであり、ステップS30の詳細を示す。
ステップS31にて、運転計画部20は、測位部40にて測定された車両の現在位置を再取得して更新する。
ステップS32にて、報知制御部21は、車両の現在位置を表示装置111に表示させる制御を行う。
ステップS33にて、運転計画部20は、車両が完全自動運転区間を走行しているか否かを判定する。車両が完全自動運転区間を走行している場合、ステップS34が実行される。車両が不完全自動運転区間を走行している場合、ステップS38が実行される。なお、運転制御装置160は、それぞれの運転モードに応じて車両の走行を制御する。
ステップS34にて、運転計画部20は、現時点が不完全自動運転区間に到達する前の予め定められたタイミングに該当するか否かを判定する。現時点が予め定められたタイミングに該当する場合、ステップS35が実行される。予め定められたタイミングとは、例えば、予め定められた期間経過後に、車両が不完全自動運転区間に到達するタイミングである。現時点が予め定められたタイミングに該当しない場合、ステップS38が実行される。
ステップS35にて、運転計画部20は、運転者交代計画フラグがオンであるか否かを判定する。運転者交代計画フラグがオフである場合、すなわち運転者交代計画が策定されていない場合、ステップS36が実行される。運転者交代計画フラグがオンである場合、すなわち、運転者交代計画が策定されている場合、ステップS37が実行される。
ステップS36にて、報知制御部21は、手動運転が必要である旨を報知装置に報知させる制御を行う。ここでは、報知装置は、表示装置111または音声出力装置112である。表示装置111または音声出力装置112は、その制御に従い、手動運転が必要である旨を乗員に、表示または音声により報知する。報知制御部21は、例えば、運転者全員に手動運転が必要である旨を報知させる制御を行う。その後、乗員間で決定された運転者の情報が、操作装置140から特定の操作により運転計画部20に入力される。乗員間で決定された運転者の情報が入力されない場合、車両制御装置は、適当な駐車スペースに車両を自動で駐車させる。
ステップS37にて、報知制御部21は、次期運転者を報知装置に報知させる制御を行う。ここでは、報知装置は、表示装置111または音声出力装置112である。表示装置111または音声出力装置112は、その制御に従い、次期運転者を乗員に、表示または音声により報知する。また、報知制御部21は、次期運転者とともに、不完全自動運転区間が近づいている旨も、表示装置111または音声出力装置112に報知させる制御を行ってもよい。この際、運転計画部20は、複数の乗員のうち少なくとも1人の乗員に対し次期運転者を報知することにより、運転者交代計画を提示する。その少なくとも1人は、次期運転者に該当する乗員を含む。
ステップS38にて、運転計画部20は、車両が目的地に到達したか否かを判定する。車両が目的地に到達していない場合、ステップS31が再び実行される。車両が目的地に到達した場合、運転者交代計画に基づく運転者交代制御の動作は終了する。そして、図7に示される運転者選定装置101の全体動作および運転者選定方法が終了する。
運転者選定装置が予め運転者交代計画を策定する機能を有しない場合、運転者選定装置は、車両が不完全自動運転区間に到達する前に運転手を選定する必要がある。例えば、図14に示されるステップS36に相当する時点において、運転者選定装置は、運転適性度(バイタル状態に基づく値)または不完全自動運転区間の運転容易度に基づき、その時点で最も運転者として相応しい乗員を不完全自動運転区間の運転者として選定する。以下にその一例を示す。
図15は、予め運転者交代計画を策定しない場合の走行経路および運転者の運転適性度の変化の一例を示す図である。図15において、上側には走行経路が示され、下側にはその走行経路における運転適性度Pの変化の一例が示されている。
運転適性度Pは、例えば、各乗員のバイタル状態を正規化した値である。または、運転適性度Pは、運転者のバイタル状態と静的状態とに基づく値でもよい。バイタル状態とは、例えば各乗員の覚醒度である。乗員が完全に覚醒している時のバイタル状態は1.0であり、睡眠している時のバイタル状態は0.0である。運転適性度に関して予め手動運転適性閾値Pthが設定されており、運転者選定装置は、その手動運転適性閾値Pth以上の運転適性度Pを有する乗員を運転者として選定する。
出発地点Sから第1地点W1の間において、乗員Aの運転適性度PA(t),乗員Bの運転適性度PB(t),乗員Cの運転適性度PC(t)は、全て手動運転適性閾値Pth以上である。よって、3人の乗員のうちいずれの乗員も、その区間を運転してもよい。ここでは、例えば乗員Cが運転者である。
第1地点W1から第2地点W2の間は、完全自動運転区間であるため、乗員の誰も車両を運転しない。車両が次の不完全自動運転区間の始端である第2地点W2に到達する前の予め定められたタイミングt1において、運転者選定装置は、全ての乗員の運転適性度を計算する。運転者選定装置は、最も運転適性度が高い乗員Bを選定し、乗員Bが次の運転者である旨を報知する。
同様に、第3地点W3から第4地点W4の間の完全自動運転区間を走行する車両が、次の不完全自動運転区間の始端である第4地点W4に到達する前の予め定められたタイミングt2において、運転者選定装置は、その時の運転適性度に基づき運転者を選定する。運転者選定装置は、タイミングt2において最も運転適性度が高い乗員Aを運転者として選定する。
しかし、タイミングt1もしくはt2で選定された運転者は、予め運転する心構えができていない可能性がある。その場合、運転に対し身体的または心理的余裕がない状態で、運転者は運転を開始せざるを得ない。または、その時点で、全ての乗員の運転適性度が手動運転適性閾値Pthを満たさない状態が発生する可能性もある。
図16は、走行経路および運転者の運転適性度の変化の別の一例を示す図である。タイミングt1において、いずれの乗員の運転適性度PA(t),PB(t),PC(t)も、手動運転適性閾値Pthより小さい。したがって、車両が不完全自動運転区間の始点である第2地点W2に到着したタイミングt0で、車両制御装置は車両を駐車させる。車両の乗員は、いずれかの乗員の運転適性度が向上するのを待つ。そして、運転適性度が改善した乗員が、運転手として車両を運転する。このように、乗員の誰もが手動運転適性閾値Pthを満たさない状況が発生する。
一方で、実施の形態2における運転者選定装置101は、予め運転者交代計画を策定する機能を有する。上述したように、運転者選定装置101は、予め各不完全自動運転区間の運転者を選定し、図13に示されるような運転者交代計画を乗員に提示する。例えば、運転者選定装置101は、車両が出発地点Sを出発する前に、各不完全自動運転区間の運転者を乗員に提示する。よって、乗員Bは、第2地点W2から第3地点W3までの不完全自動運転区間を運転すべきことを予め認知している。乗員Bは、第2地点W2に近づく前に、自身の運転適性度PB(t)を向上させるように、自らに意識して働きかける。図17は、実施の形態2における走行経路および運転者の運転適性度の変化の一例を示す図である。第2地点W2において、乗員Bの運転適性度PB(t)は、手動運転適性閾値Pthを上回っており、車両を運転可能である。
以上をまとめると、実施の形態2における運転者選定装置101は、乗員情報取得部10と運転計画部20と、を含む。乗員情報取得部10は、複数の乗員の各々の静的状態を取得する。運転計画部20は、複数の乗員の各々の静的状態に基づき、複数の乗員のうち一の乗員を、一の不完全自動運転区間における車両の運転者として選定して運転者交代計画を策定し、運転者交代計画を複数の乗員のうち少なくとも1人の乗員に提示する。運転計画部20は、走行経路の策定の後に少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々について予め運転者交代計画を策定する。
運転者選定装置101は、例えば、車両が自動運転走行計画に従って走行する前に、走行経路に含まれる少なくとも1つの不完全自動運転区間の運転者を予め選定する。または例えば、運転者選定装置101は、車両が自動運転走行計画に従って走行した後、走行経路に含まれるいずれかの不完全自動運転区間に到達する前のタイミングにおいて、それ以降の少なくとも1つの不完全自動運転区間の運転者を予め選定する。また、その際、運転者選定装置101は、複数の乗員の各々の静的状態に基づいて運転者を選定する。このように、運転者選定装置101が予め運転者交代計画を策定し、乗員に提示することにより、不完全自動運転区間の運転者として選定された乗員は、運転開始時期に合わせて自ら運転適性度を向上させることができる。また、その他の乗員も、選定された乗員に対し、運転に備えさせるような配慮や働きかけを行うことが可能である。それゆえ、運転者選定装置101は、運転者を選定するにあたり、完全自動運転区間から不完全自動運転区間の移行する時点で、適当な運転適性度を有する運転者が車両に搭乗していない確率を低減することができる。運転者選定装置101は、手動運転の実施時にいずれかの乗員の運転適性度が向上するまで、適当な駐車エリアで待機しなければならない状況を減少させる。
また、実施の形態2における運転者選定装置101は、測位部40と地図取得部50と、をさらに含む。測位部40は、車両の現在位置を測定する。地図取得部50は、道路の区間ごとに設定された自動運転レベルの情報を含む地図を取得する。運転計画部20は、車両の現在位置と地図とに基づき、車両の走行経路を求め、地図に含まれる自動運転レベルの情報に基づき、走行経路に含まれる少なくとも1つの不完全自動運転区間を求める。
このような構成により、運転者選定装置101は、車両の運転に対し人間の関与が要求される、あるいは要求される可能性がある自動運転レベルが設定された、少なくとも1つの不完全自動運転区間を含む車両の走行経路を策定する。運転者選定装置101は、少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々における車両の運転に関与する運転者を、車両に搭乗する複数の乗員から選定して提示する。
また、実施の形態2における運転者選定装置101の運転計画部20は、複数の乗員の各々の静的状態に関する予め定められた運転者選定規則に従い、複数の乗員のうち一の乗員を、一の不完全自動運転区間における車両の運転者として選定する。
このような構成により、運転者選定装置101は、運転者を選定するにあたり、完全自動運転区間から不完全自動運転区間の移行する時点で、静的状態に基づく適当な運転適性度を有する運転者が車両に搭乗していない確率を低減する。運転者選定装置101は、手動運転の実施時にいずれかの乗員の運転適性度が向上するまで、適当な駐車エリアで待機しなければならない状況を減少させる。
また、実施の形態2における運転者選定装置101において、複数の乗員の各々の静的状態は、複数の乗員の各々が有する車両の運転能力を含む。
このような構成により、運転者選定装置101は、乗員の運転能力に応じて運転者を選定することができる。
また、実施の形態2における運転者選定装置101の運転計画部20は、車両に搭載される報知装置に対して、車両の現在位置と運転者交代計画とを報知させる制御を行う報知制御部21を含む。運転計画部20は、報知制御部21が制御を行うことにより、運転者交代計画を少なくとも1人の乗員に提示する。
このような構成により、運転者選定装置101は、不完全自動運転区間の運転者として選定された乗員は、いつどこで車両を運転すべきかを認知することができる。運転者に選定された乗員は、運転開始時期に合わせて自ら運転適性度を向上させる。また、その他の乗員も選定された乗員に対し、運転に備えさせるような配慮や働きかけを行うことが可能である。
(実施の形態2の変形例1)
実施の形態2の変形例1における運転計画部20は、自動運転走行計画に従って、運転制御装置160の自動運転モードを制御する。その自動運転モードは、道路の区間ごとに設定された自動運転レベルに基づくものである。また、運転計画部20は、運転制御装置160から取得する自動運転モードや種々の情報を、表示装置111に表示させる制御を行ってもよい。
(実施の形態2の変形例2)
実施の形態2の変形例2において、静的状態に関する予め定められた運転者選定規則は、複数の乗員の各々が有する運転能力と、少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々の運転難易度と、に基づいて定められる。すなわち、運転計画部20は、図12に示されるような乗員の静的状態である運転能力に関する情報に、不完全自動運転区間の運転難易度に関する情報を加味して、運転者を選定する。運転難易度は、例えば、以下に示す情報に基づき、運転計画部20によって求められる。
運転難易度は、例えば、走行経路における道路状態であって、車両の走行中に変化しない道路状態である静的道路状態に基づいて計算される。静的道路状態とは、道路の構造、形状、目的地までの右左折の回数などである。道路の構造とは、分合流などである。道路の形状とは、カーブなどである。道路の構造および形状は、地図データベースから取得される。
または、運転難易度は、例えば、走行経路における道路の状態であって、車両の走行中に変化する状態である動的道路状態に基づいて計算される。動的道路状態とは、車両の走行時の交通状況、天候、車外の照度、自動運転レベルなどである。天候および車外の照度は、走行経路とともに求められる各区間の予想走行時刻に基づき推定される。
運転難易度は、上記の項目の2つ以上の組み合わせによって計算されてもよい。
実施の形態2の変形例2において、静的状態に関する予め定められた運転者選定規則は、例えば、以下に示される規則R7から規則R10のいずれかである。
規則R7:運転経験年数が短い乗員ほど、運転難易度が小さい不完全自動運転区間の運転者として優先的に選定する。
規則R8:運転経験年数が短い乗員ほど、自動運転レベルが高い不完全自動運転区間の運転者として優先的に選定する。
規則R9:予想走行時刻における交通状態を予測し、運転経験年数が短い乗員ほど、車両密度が高い不完全自動運転区間を避けて運転者を選定する。
規則R10:予想走行時刻またはその時刻における天候に慣れた乗員を運転者として選定する。
図18は、実施の形態2の変形例2における運転者交代計画を示す図である。図18は、予め定められた運転者選定規則として上記の規則R8が適用された結果を示している。第2地点W2から第3地点W3の間の不完全自動運転区間の自動運転レベルは「3」である。3つの不完全自動運転区間のうち、自動運転レベルが最も高い区間である。また、図12に示されるように、3人の乗員のうち、乗員Aが最も運転経験年数が短い。運転計画部20は、規則R8に従い、乗員Aを、第2地点W2から第3地点W3までの不完全自動運転区間の運転者として選定する。
以上をまとめると、実施の形態2の変形例2において、複数の乗員の各々の静的状態に関する予め定められた運転者選定規則は、複数の乗員の各々が有する運転能力と、少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々の運転難易度と、に基づいて定められる。
このような構成により、運転者選定装置は、各不完全自動運転区間に適した運転者の選定を実現する。
また、実施の形態2の変形例2において、少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々の運転難易度は、少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々の自動運転レベルに基づいて決定されてもよい。
このような構成により、運転者選定装置は、各不完全自動運転区間に適した運転者の選定を実現する。
また、実施の形態2の変形例2において、少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々の運転難易度は、少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々における道路形状または走行周辺環境に基づいて決定されてもよい。
このような構成により、運転者選定装置は、各不完全自動運転区間に適した運転者の選定を実現する。
また、実施の形態2の変形例2において、道路形状は、道路の構造、または、走行経路における右左折の回数を含む。
このような構成により、運転者選定装置は、各不完全自動運転区間の道路の状況に応じた運転者の選定を実現する。
また、実施の形態2の変形例2において、走行周辺環境は、車両の周辺を走行する他の車両の存在密度、または、天候を含む。
このような構成により、運転者選定装置は、各不完全自動運転区間において時々刻々と変化する状況に応じた運転者の選定を実現する。
(実施の形態2の変形例3)
1つの不完全自動運転区間内に複数の自動運転レベルが設定されている場合、運転計画部20は、それら複数の自動運転レベルと特定の規則とに基づき、運転難易度を求める。例えば、1つの不完全自動運転区間のうち、1/2の区間が自動運転レベル「3」で走行可能な区間であり、残りの1/2の区間が自動運転レベル「2」で走行可能な区間である場合、運転計画部20は、各区間の自動運転レベルの平均値を算出する。そして、運転計画部20は、自動運転レベル「2.5」が設定された不完全自動運転区間として、その区間の運転難易度を求めてもよい。
(実施の形態2の変形例4)
実施の形態2の変形例4における運転計画部20は、運転能力が高い乗員ほど、複数の不完全自動運転区間のうち、後方の不完全自動運転区間の運転者として優先的に選定する。すなわち、複数の乗員の各々の静的状態に関する予め定められた運転者選定規則は、複数の乗員の各々が有する運転能力と、複数の不完全自動運転区間の車両の走行順序と、に基づいて定められる。運転計画部20は、複数の乗員のうち、高い運転能力を有する乗員ほど、走行順序が後方の不完全自動運転区間の運転者として選定する。
または、運転計画部20は、運転能力が高い乗員ほど、複数の不完全自動運転区間のうち、距離が長い不完全自動運転区間の運転者として優先的に選定してもよい。または、運転計画部20は、運転能力が高い乗員ほど、多くの不完全自動運転区間を運転する運転者として優先的に選定してもよい。
(実施の形態2の変形例5)
実施の形態2の変形例5における乗員情報取得部10は、乗員毎の降車予定、つまり複数の乗員の各々が到達すべき目的地を、静的状態として取得する。運転計画部20は、最終目的地よりも早期に降車する乗員を、走行順序が前方の不完全自動運転区間の運転者として優先的に選定する。すなわち、複数の乗員の各々の静的状態に関する予め定められた運転者選定規則は、車両の現在位置から目的地までの到達順序と、走行経路に含まれる少なくとも1つの不完全自動運転区間の走行順序と、に基づいて定められる。運転計画部20は、複数の乗員のうち、到達順序が早い乗員ほど、走行順序が前方の不完全自動運転区間の運転者として選定する。
(実施の形態2の変形例6)
実施の形態2の変形例6における車両は、シートを移動させることによって車両内のシートの配置を変更するシート移動装置を有する。図19は、実施の形態2の変形例6における運転者選定装置102の構成を示すブロック図である。運転者選定装置102は、実施の形態2の構成に加え、シート移動制御部60をさらに有する。
シート移動制御部60は、運転者交代計画が策定された不完全自動運転区間のうち、車両が次に走行する次期不完全自動運転区間の運転者である次期運転者が着座するシートを、次期運転者の運転に適した位置に移動させる制御を、シート移動装置170に対して行う。次期運転者の運転に適した位置とは、例えば、ハンドルと向かい合う位置、つまり運転席である。
または、車両の運転操作装置が車内で自由に移動できる車両である場合、次期運転者の運転に適した位置とは、例えば、車両の進行方向が視認できる位置である。次期運転者は、運転操作装置を有線または無線で操作することにより運転制御装置160に制御信号を送信する。なお、実施の形態2の変形例6における運転操作装置とは、例えば、ハンドル、ブレーキ、アクセルの機能を操作可能なリモコンである。
図20および図21は、シート移動装置170が設けられた車両におけるシート2の配置を示す図である。前方の2つのシート2B,2Cと後方の2つのシート2A,2Dとが向かい合って配置されている。ここで、次期運転者が後方のシート2Aに着座している場合、シート移動制御部60は、シート2Aがハンドル3と向かい合う位置に移動させる制御を行う。例えば、シート移動制御部60は、4つのシート2の配置を反時計回りに移動させる制御を行う。また、その際、シート移動制御部60は、4つのシート2のそれぞれが車両の前方を向くように、シート2Bおよびシート2Cを180度回転させる制御を行う。シート移動装置170は、それら制御に従って、各シート2を移動させ、シート2の配置を変更する。図22は、シート移動後のシート2の配置を示す図である。以上の移動により、次期運転者が着座するシート2Aは、運転席の位置に移動する。
実施の形態2の変形例6における運転者選定装置102は、次期運転者が運転席に着座するために車両を駐停車させる計画を含めた自動運転走行計画または運転者交代計画を策定する必要がない。
(実施の形態2の変形例7)
実施の形態2の変形例7における車両には、実施の形態2の変形例6に示されたシート移動装置が設けられていない。シートの配置が車内で変更不可能な場合、運転計画部20は、適当な駐停車地点で各乗員の着座位置を交代できるような運転者交代計画を策定してもよい。
(実施の形態2の変形例8)
実施の形態2の変形例8における運転計画部20は、次期運転者以外の他の乗員が自ら次の不完全自動運転区間を運転する旨の入力操作信号を操作装置140から受け付ける。運転計画部20は、その入力操作信号に基づき、運転者交代計画を再策定する。
このような、運転者選定装置は、運転意思の高く自ら運転者に立候補する他の乗員を運転者として選定することができる。また、運転者選定装置は、次期運転者のバイタル状態が低下している場合に、自ら運転者に立候補する他の乗員を運転者として選定することができる。また、運転者選定装置は、次期運転者が、他の乗員が運転者に立候補する申し出を承認する操作入力フロー、または、拒絶する操作入力フローを制御してもよい。
(実施の形態2の変形例9)
実施の形態2の変形例9において、各乗員に対し共通の表示装置111が車両に設けられている。その表示装置111は、指向性を有する音声出力装置を含む。また、運転者選定装置は、複数の乗員の各々が着座する位置を予め取得している。
報知制御部21は、次期運転者として選定された乗員を除く他の乗員が着座する方向よりも、その次期運転者が着座する方向に音声を出力させる制御を行う。音声出力装置112は、その制御に従い、次期運転者が着座する方向に音声を出力する。
このような構成により、運転者選定装置は、次期運転者は、正確に自身が運転する不完全自動運転区間を認知することができる。次期運転者は、運転開始時期に合わせて自ら運転適性度を向上させる。また、その他の乗員も次期運転者に対し、運転に備えさせるような配慮や働きかけを行うことが可能である。
<実施の形態3>
実施の形態3における運転者選定装置および運転者選定方法を説明する。実施の形態3は実施の形態1の下位概念であり、実施の形態3における運転者選定装置は、実施の形態1における運転者選定装置の各構成を含む。なお、実施の形態1または2と同様の構成および動作については説明を省略する。
実施の形態3における運転計画部20は、乗員のバイタル状態である動的情報を取得し、次期運転者が運転を開始する前に、次期運転者が運転に適した状態であるか否かを検知する。図23は、実施の形態3における運転者選定装置103の構成を示すブロック図である。以下に示す乗員情報取得部10および運転計画部20の各機能は、図2または図3に示される処理回路により実現される。
乗員状態検出装置180は、複数の乗員の各々の状態であって、搭乗中に時間的に変化する状態である動的状態を検出する。動的状態は、バイタル状態を含む。バイタル状態とは、体重の移動頻度、瞬きの回数、まぶたの開口度、刺激に対する反応度、呼吸数、血圧値、心拍数、体温などである。乗員状態検出装置180は、例えば、着座センサ、車内カメラ、血圧計、体温計などである。
乗員情報取得部10は、完全自動運転区間を走行中に、車両が次に走行する次期不完全自動運転区間に到達する前の予め定められたタイミングで、動的状態を取得する。予め定められたタイミングとは、例えば、次期不完全自動運転区間に到達する15分前である。図23においては、乗員情報取得部10は、乗員状態検出装置180から動的状態を直接取得しているが、一旦、乗員状態検出装置180から乗員情報記憶部30に保存された動的状態を取得してもよい。
運転計画部20は、次期運転者の動的状態に基づく運転適性度が、予め定められた基準を満たしているか否かを判定する。その予め定められた基準とは、心理的な観点または運動能力の観点から、乗員が十分な運転適性度を有していることを示す基準である。予め定められた基準とは、例えば、乗員の覚醒度が基準値以上であること、または、乗員のタスクに対する反応時間が基準値以上であることを含む。動的状態に基づく運転適性度が予め定められた基準を満たしている場合、運転計画部20は、次期運転者である乗員を、そのまま次期運転者として再認定する。動的状態に基づく運転適性度が予め定められた基準を満たしていない場合、車両制御装置は、運転計画部20の制御に従い、車両が不完全自動運転区間に到達する前に、車両を適当な地点で自動的に駐停車させる。
(実施の形態3の変形例)
実施の形態3の変形例における運転計画部20は、動的状態に基づく運転適性度が予め定められた基準を満たしていない場合、次期運転者を除く少なくとも1人の乗員から、次期不完全自動運転区間における車両の運転者を再選定する。
運転計画部20は、例えば、次期運転者を除く他の乗員のうち、運転適性度が予め定められた基準を満たす乗員が存在するか否かを検出する。予め定められた基準を満たす乗員が存在している場合、運転計画部20は、その乗員を次期不完全自動運転区間の運転者として選定し、運転者選定計画を再策定する。さらに運転計画部20は、残りの不完全自動運転区間についても、運転者選定計画を再策定してもよい。
以上をまとめると、実施の形態3の変形例における運転者選定装置の乗員情報取得部10は、複数の乗員の各々の状態であって、搭乗中に時間的に変化する状態である動的状態を、運転者交代計画が策定された少なくとも1つの不完全自動運転区間のうち、車両が次に走行する次期不完全自動運転区間に到達する前の予め定められたタイミングで取得する。運転計画部20は、次期不完全自動運転区間の運転者である次期運転者の動的状態に基づく運転適性度が予め定められた基準を満たさない場合に、次期運転者を除く少なくとも1人の乗員から、次期不完全自動運転区間における車両の運転者を再選定する。
また、実施の形態3の変形例における運転者選定装置における次期運転者の動的状態は、次期運転者のバイタル状態を含む。
このような構成により、運転者選定装置は、予め策定した運転者交代計画に基づく運転者が運転できないような状況に至った場合でも、新たな運転者交代計画を策定し、車両の走行を継続させることができる。運転者選定装置は、手動運転の実施時にいずれかの乗員の運転適性度が向上するまで、適当な駐車エリアで待機しなければならない状況を減少させる。
<実施の形態4>
実施の形態4における運転者選定装置および運転者選定方法を説明する。実施の形態4は実施の形態1の下位概念であり、実施の形態4における運転者選定装置は、実施の形態1における運転者選定装置の各構成を含む。なお、実施の形態1から3のいずれかと同様の構成および動作については説明を省略する。
図24は、実施の形態4における運転者選定装置104の構成を示すブロック図である。運転者選定装置104は、図23に示された構成に加え、通信部70および遠隔運転インターフェース71を有する。以下に示す通信部70、遠隔運転インターフェース71、乗員情報取得部10および運転計画部20の各機能は、図2または図3に示される処理回路により実現される。
遠隔運転サービスセンタ190は、指定された車両の遠隔運転を実行する。例えば、遠隔運転サービスセンタ190は、車両との間で情報を送受信し、車両の走行を遠隔制御する。例えば、遠隔運転サービスセンタ190の車両オペレータは、指定車両と遠隔運転サービスセンタ190との間で情報を交換しながら、遠隔運転を実行する。
通信網191は、インターネットである。通信網191は、運転者選定装置104と遠隔運転サービスセンタ190との間の通信を中継する。
通信部70は、遠隔運転サービスセンタ190と通信する。
遠隔運転インターフェース71は、遠隔運転サービスセンタ190に対し、通信部70を介して遠隔運転に必要な車両情報を送信する。遠隔運転インターフェース71は、遠隔運転サービスセンタ190が行う運転操作に関する遠隔操作情報を通信部70を介して受信し、運転制御装置160に出力する。
乗員情報取得部10は、実施の形態3と同様に、車両が次に走行する次期不完全自動運転区間に到達する前の予め定められたタイミングで、乗員状態検出装置180から動的状態を取得する。予め定められたタイミングとは、例えば、次期不完全自動運転区間に到達する20分前である。
運転計画部20は、次期運転者の動的状態に基づく運転適性度が、予め定められた基準を満たしているか否かを判定する。動的状態に基づく運転適性度が予め定められた基準を満たしている場合、運転計画部20は、次期運転者である乗員を、そのまま次期運転者として再認定する。動的状態に基づく運転適性度が予め定められた基準を満たしていない場合、遠隔運転サービスセンタ190に、次期不完全自動運転区間における車両の遠隔運転を依頼する。
また、運転計画部20が遠隔運転サービスセンタ190から遠隔運転可能の信号を受信した場合、運転制御装置160は、遠隔運転インターフェース71を介して遠隔運転サービスを受け付ける。運転計画部20が遠隔運転可能の信号を受信しなかった場合、運転制御装置160は、車両が不完全自動運転区間に到達する前に、車両を適当な地点で自動的に駐停車させる。
以上をまとめると、実施の形態4における運転者選定装置104の乗員情報取得部10は、運転者交代計画が策定された少なくとも1つの不完全自動運転区間のうち、車両が次に走行する次期不完全自動運転区間の運転者である次期運転者の状態であって、搭乗中に時間的に変化する状態である動的状態を、車両が次期不完全自動運転区間に到達する前の予め定められたタイミングで取得する。運転計画部20は、次期運転者の動的状態に基づく運転適性度が、予め定められた基準を満たさない場合に、車両を遠隔操作によって運転する遠隔運転サービスセンタ190に、次期不完全自動運転区間における車両の遠隔運転を依頼する。
また、実施の形態4における運転者選定装置104における次期運転者の動的状態は、次期運転者のバイタル状態を含む。
このような構成により、運転者選定装置104は、手動運転の実施時にいずれかの乗員の運転適性度が向上するまで、適当な駐車エリアで待機しなければならない状況を減少させる。
(実施の形態4の変形例1)
次期運転者を含め全ての乗員の動的状態に基づく運転適性度が予め定められた基準を満たしていない場合、運転計画部20は、遠隔運転サービスセンタ190に、次期不完全自動運転区間における車両の遠隔運転を依頼する。
(実施の形態4の変形例2)
運転計画部20が、遠隔運転インターフェース71を含んでいてもよい。
<実施の形態5>
実施の形態5における運転者選定装置および運転者選定方法を説明する。実施の形態5は実施の形態1の下位概念であり、実施の形態5における運転者選定装置は、実施の形態1における運転者選定装置の各構成を含む。なお、実施の形態1から4のいずれかと同様の構成および動作については説明を省略する。
図25は、実施の形態5における運転者選定装置105の構成を示すブロック図である。以下に示す報知制御部21の機能は、図2または図3に示される処理回路により実現される。
運転者選定装置105は、実施の形態1とは異なり、マルチHMI(Human Machine Interface)として複数の表示装置を有する。複数の表示装置は、車両に搭載され、複数の乗員毎に設けられている。実施の形態5においては、車両に搭乗する4人の乗員A,B,C,Dのそれぞれに対し、第1表示装置111A、第2表示装置111B、第3表示装置111Cおよび第4表示装置111Dが車両に搭載されている。すなわち、各乗員に専用の表示装置が設けられている。運転者選定装置105は、乗員とその乗員が使用する表示装置との対応関係を予め取得している。
報知制御部21は、各表示装置に対して、車両の現在位置と運転者交代計画とを表示させる制御を行う。報知制御部21は、複数の表示装置のうち一の表示装置が表示する態様と、他の表示装置が表示する態様とが異なるように、表示制御を行う。一の表示装置は、次期不完全自動運転区間の運転者である次期運転者に、運転者交代計画を表示する。他の表示装置は、次期運転者を除く少なくとも1人の乗員つまり他の乗員に、運転者交代計画を表示する。
ここでは、乗員Bが次期運転者である場合を説明する。第1表示装置111A、第2表示装置111B、第3表示装置111Cおよび第4表示装置111Dは、それぞれ、報知制御部21の表示制御に従い、乗員A,B,C,Dに対して、車両の現在位置および運転者交代計画を表示する。図26は、次期運転者のための表示装置に表示される運転者交代計画を示す図である。乗員Bのための表示装置である第2表示装置111Bは、自動運転区間(完全自動運転区間)、手動運転区間(不完全自動運転区間)および現在位置(図26において△印)を表示する。また図26は、車両が走行する区間が完全自動運転区間から不完全自動運転区間に移行する状態を示す図であり、上段、中段および下段の図は、車両が不完全自動運転区間の始端から3km手前、1km手前、不完全自動運転区間をそれぞれ走行中であることを示す図である。また、第2表示装置111Bは、車両が不完全自動運転区間に到達する前に、第2表示装置111Bを使用する乗員B自身が次期運転者である旨のメッセージを表示する。図27は、他の乗員のための表示装置に表示される運転者交代計画を示す図である。他の表示装置である第1表示装置111A、第3表示装置111Cおよび第4表示装置111Dは、第2表示装置111Bと同様に、自動運転区間、手動運転区間および現在位置を表示している。しかし、それら他の表示装置は、次期運転者が乗員Bであることをメッセージで表示している。このように、報知制御部21は、4つの表示装置のうち一の表示装置(第2表示装置111B)が表示する態様と、他の表示装置(第1表示装置111A、第3表示装置111Cおよび第4表示装置111D)が表示する態様とが異なるように、表示制御を行う。
また、次期運転者のための第2表示装置111Bは、他の表示装置が表示する態様よりも、次期運転者に対し視覚容易性に優れる態様で、運転者交代計画を表示してもよい。また、同様に、次期運転者のための音声出力装置(図示せず)は、他の乗員のための音声出力装置(図示せず)が出力する音声の態様よりも、次期運転者に対し聴取容易性に優れた態様で音声を出力してもよい。
以上をまとめると、実施の形態5における運転者選定装置105の運転計画部20は、車両に搭載される複数の報知装置であって複数の乗員毎に設けられる複数の報知装置に対して、車両の現在位置と運転者交代計画とを報知させる制御を行う報知制御部21を含む。運転計画部20は、報知制御部21がその制御を行うことにより、運転者交代計画を少なくとも1人の乗員に提示する。報知制御部21は、複数の報知装置のうち一の報知装置が報知する態様と、他の報知装置が報知する態様とが異なるように、制御を行う。その一の報知装置は、運転者交代計画が策定された少なくとも1つの不完全自動運転区間のうち、車両が次に走行する次期不完全自動運転区間の運転者である次期運転者に、運転者交代計画を報知する。他の報知装置は、次期運転者を除く少なくとも1人の乗員に、運転者交代計画を報知する。
このような構成により、運転者選定装置105は、次期運転者である乗員に対して、正確に運転者交代計画を提示することができる。次期運転者である乗員は、自身が次期運転者であることを正確に認知することができる。
(実施の形態5の変形例1)
報知制御部21は、次期運転者が使用する表示装置に対してのみ、運転者交代計画を表示させる制御を行う。次期運転者が使用する表示装置は、その制御に従い、その乗員自身が次期運転者であることを表示する。このような構成により、運転者選定装置の報知動作が、他の乗員を煩わせることがない。
(実施の形態5の変形例2)
実施の形態5の変形例2において、各表示装置は音声出力装置(図示せず)を有する。報知制御部21は、次期運転者が使用する音声出力装置に対してのみ、運転者交代計画を音声にて報知させる制御を行う。次期運転者が使用する表示装置の音声出力装置は、その制御に従い、乗員自身が次期運転者であることを音声にて報知する。この場合、各表示装置は、同一の態様で運転者交代計画を表示してもよいし、次期運転者が使用する表示装置と他の表示装置とが、異なる態様で運転者交代計画を表示してもよい。
<実施の形態6>
実施の形態6における運転者選定装置および運転者選定方法を説明する。実施の形態6は実施の形態1の下位概念であり、実施の形態6における運転者選定装置は、実施の形態1における運転者選定装置の各構成を含む。なお、実施の形態1から5のいずれかと同様の構成および動作については説明を省略する。
実施の形態6における運転者選定装置は、次期運転者のバイタル状態(運転適性度)が、予め定められた基準値を満たさない場合に、次期運転者のバイタル状態を向上させるように動作する。図28は、実施の形態6における運転者選定装置106の構成を示すブロック図である。
運転適性度改善装置200は、運転者交代計画において運転者として選定された乗員の動的状態に基づく運転適性度を向上させる機能を有する。実施の形態6において、運転適性度改善装置200は、複数の乗員の各々が着座する車両のシートに設けられたシート振動装置を含む。
乗員状態検出装置180は、次期運転者の動的状態を検出する。乗員状態検出装置180は、例えば、次期運転者の動的状態を受動的に検知するパッシブドライバセンシング装置である。または、例えば、乗員状態検出装置180は、次期運転者の動的状態を能動的に検知するアクティブドライバセンシング装置である。アクティブドライバセンシング装置は、次期運転者にタスクを与えた後の次期運転者の反応を動的状態として検知する。
乗員情報取得部10は、実施の形態3と同様に、次期運転者の動的状態を、車両が次期不完全自動運転区間に到達する前の予め定められたタイミングで、乗員状態検出装置180から取得する。予め定められたタイミングとは、車両が次期不完全自動運転区間に到達する15分前である。
運転適性度制御部80は、次期運転者の動的状態に基づく運転適性度が、予め定められた基準を満たさない場合に、運転適性度改善装置200に対し、次期運転者の運転適性度を向上させる制御を行う。実施の形態6において、運転適性度制御部80は、次期運転者が着座するシートに設けられたシート振動装置に対し、シートを振動させる制御を行う。シート振動装置は、その制御に従い、次期運転者のシートを振動させる。それにより、次期運転者のバイタル状態が向上する。
運転適性度改善装置200は、複数の乗員の各々に仮想的な運転操作を体験させるアプリケーションを実行する疑似運転装置であってもよい。その場合、運転適性度制御部80は、次期運転者が使用する疑似運転装置に対し、そのアプリケーションを実行させる制御を行う。疑似運転装置は、その制御に従い、次期運転者にアプリケーションを提供する。それにより、次期運転者のバイタル状態が向上する。
または、運転適性度改善装置200は、複数の乗員の各々に対し音声で警報を出力する警報装置であってもよい。その場合、運転適性度制御部80は、警報装置に対し、警報を音声で出力させる制御を行う。警報装置が警報を出力することにより、次期運転者のバイタル状態が向上する。
<実施の形態7>
実施の形態7における運転者選定装置および運転者選定方法を説明する。実施の形態7における運転者選定装置は、複数の乗員の各々の動的状態と不完全自動運転区間の自動運転レベルとに基づいて運転者を選定し、運転者交代計画を策定する。実施の形態7は実施の形態1の下位概念であり、実施の形態7における運転者選定装置は、実施の形態1における運転者選定装置の各構成を含む。なお、実施の形態1から6のいずれかと同様の構成および動作については説明を省略する。
図29は、実施の形態7における運転者選定装置107の構成を示すブロック図である。また、図29は、運転者選定装置107に関連して動作する装置として、乗員状態検出装置180、地図記憶装置130、表示装置111、音声出力装置112、操作装置140、周辺情報検出装置150および運転制御装置160を示している。
運転者選定装置107は、乗員情報取得部10、測位部40、地図取得部50および運転計画部20を有する。運転計画部20は報知制御部21を有する。以下に示す乗員情報記憶部30、乗員情報取得部10、測位部40、地図取得部50、運転計画部20および報知制御部21の各機能は、図2または図3に示される処理回路により実現される。
乗員状態検出装置180は、複数の乗員の各々の状態であって、搭乗中に時間的に変化する状態である動的状態を検出する。動的状態は、バイタル状態を含む。動的状態は、バイタル状態を含む。バイタル状態とは、体重の移動頻度、瞬きの回数、まぶたの開口度、刺激に対する反応度、呼吸数、血圧値、心拍数、体温などである。乗員状態検出装置180は、例えば、着座センサ、車内カメラ、血圧計、体温計などである。
乗員情報取得部10は、複数の乗員の各々の動的状態を取得する。実施の形態7において、乗員情報取得部10は、乗員状態検出装置180から各乗員の動的状態を取得する。
運転計画部20は、車両の現在位置と地図とに基づき、車両の走行経路を求める。また、運転計画部20は、地図に含まれる自動運転レベルの情報に基づき、走行経路に含まれる不完全自動運転区間と完全自動運転区間とを求める。運転計画部20は、その走行経路を含む自動運転走行計画を策定する。
運転計画部20は、車両が不完全自動運転区間に到達する前の予め定められたタイミングで、その不完全自動運転区間ついて運転者交代計画を策定する。その際、運転計画部20は、複数の乗員の各々の動的状態と不完全自動運転区間の自動運転レベルとに基づき、複数の乗員のうち一の乗員を、その不完全自動運転区間における車両の運転者として選定する。より詳細には、運転計画部20は、動的状態に関する予め定められた運転者選定規則に従い、運転者を選定する。
予め定められた運転者選定規則は、複数の乗員の各々のバイタル状態に基づく運転適性度に関する閾値によって定められる。その閾値は、不完全自動運転区間の自動運転レベルに応じて設定される。また、その閾値は、自動運転レベルが高いほど、高い値に定められている。運転計画部20は、複数の乗員のうち、閾値よりも高い運転適性度を有する一の乗員を、運転者として選定する。このように、実施の形態7における運転計画部20は、自動運転レベルが高い不完全自動運転区間においては、運転適性判断ロジックを緩める。そして、運転計画部20は、運転適性度が低い乗員であっても運転者として選定し、運転を許可する。
報知制御部21、測位部40、地図記憶装置130、地図取得部50、操作装置140、表示装置111、音声出力装置112、周辺情報検出装置150および運転制御装置160の構成は実施の形態2と同様である。
図30は、実施の形態7における運転者選定装置107の全体動作および運転者選定方法を示すフローチャートである。
ステップS10にて、運転者選定装置107は、自動運転走行計画の策定を行う。図31は、実施の形態7における自動運転走行計画の策定動作を示すフローチャートであり、ステップS10の詳細を示す。
ステップS11にて、運転計画部20は、測位部40にて測定された車両の現在位置を取得する。運転計画部20の報知制御部21は、表示装置111に現在位置を示す地図を表示させる制御を行ってもよい。それにより、表示装置111に現在位置を示す地図が表示される。
ステップS12にて、運転計画部20は、操作装置140により入力された目的地を取得する。運転計画部20は、地図記憶装置130から地図取得部50を介して地図を取得する。
ステップS13にて、運転計画部20は、目的地および地図に基づき、予め定められた経路探索方法によって、目的地までの走行経路を計算する。運転計画部20は、地図に含まれる自動運転レベルの情報に基づき、走行経路における完全自動運転区間と不完全自動運転区間とを求める。以上により、自動運転走行計画が策定される。
ステップS14にて、報知制御部21は、自動運転走行計画を表示装置111に表示させる制御を行う。表示装置111は、その制御に従い、自動運転走行計画に基づく走行経路を表示する。この際、表示装置111は、地図上に表示される走行経路において、完全自動運転区間と不完全自動運転区間とが識別可能なように表示する。また、表示装置111は、各区間の自動運転レベルが識別可能なように表示してもよい。例えば、表示装置111は、図9に示される自動運転走行計画を表示する。
以上で、自動運転走行計画の策定動作は終了し、車両は自動運転走行計画に従い走行を開始する。その後に、図30に示されるステップS40が実行される。すなわち、実施の形態7における運転者選定装置107は、実施の形態2とは異なり、事前に運転者交代計画を策定しない。
ステップS40にて、運転計画部20は、動的状態に基づく運転者交代計画の策定及び運転者交代制御を行う。図32は、実施の形態7における動的状態に基づく運転者交代計画の策定および運転者交代制御動作を示すフローチャートであり、ステップS40の詳細を示す。
ステップS41にて、運転計画部20は、測位部40にて測定された車両の現在位置を再取得して更新する。
ステップS42にて、報知制御部21は、車両の現在位置を表示装置111に表示させる制御を行う。
ステップS43にて、運転計画部20は、車両が完全自動運転区間を走行しているか否かを判定する。車両が完全自動運転区間を走行している場合、ステップS44が実行される。車両が不完全自動運転区間を走行している場合、ステップS51が実行される。なお、運転制御装置160は、それぞれの運転モードに応じて車両の走行を制御する。
図33は、実施の形態7における自動運転走行計画、運転者交代計画および運転適性度の変化を示す図である。ここでは、車両が自動運転走行計画に従い第1地点W1から第2地点W2までの完全自動運転区間を走行中に、運転計画部20が、第2地点W2から第3地点W3までの不完全自動運転区間の運転者を選定する動作を説明する。
ステップS44にて、運転計画部20は、現時点が不完全自動運転区間に到達する前の予め定められたタイミングに該当するか否かを判定する。予め定められたタイミングとは、例えば、予め定められた期間経過後に、車両が不完全自動運転区間に到達するタイミングである。ここでは、運転計画部20は、車両の現在位置が不完全自動運転区間の始端である第2地点W2に到達する前の予め定められたタイミングt1に該当するか否かを判定する。なお、図33においてタイミングt0とは、第2地点W2に到達するタイミングである。現時点が予め定められたタイミングに該当する場合、ステップS45が実行される。現時点が予め定められたタイミングに該当しない場合、ステップS51が実行される。
ステップS45にて、乗員情報取得部10は、複数の乗員の各々の動的状態を、乗員状態検出装置180から取得する。ここでは、乗員情報取得部10は、車両に搭乗する乗員A、乗員B、乗員Cの3人の乗員の各動的状態を取得する。動的状態は、乗員のバイタル状態である。運転計画部20は、各乗員のバイタル状態に基づき、各乗員の運転適性度Pを求める。図33には、3人の乗員のそれぞれの運転適性度PA(t),PB(t),PC(t)の変化が示されている。
ステップS46にて、運転計画部20は、各乗員の動的状態と不完全自動運転区間の自動運転レベルとに基づき、複数の乗員から不完全自動運転区間の運転者を選定する。例えば、運転計画部20は、タイミングt1における運転適性度PA(t),PB(t),PC(t)と、第2地点W2から第3地点W3までの不完全自動運転区間の自動運転レベル「3」とに基づき、運転者を選定する。この際、運転計画部20は、動的状態に関する予め定められた運転者選定規則に従い、運転者を選定する。
動的状態に関する予め定められた運転者選定規則は、運転適性度に関する閾値によって定められる。運転適性度に関する閾値は、例えば、運転計画部20によって設定される。運転適性度に関する閾値は、不完全自動運転区間の自動運転レベルに応じて設定される。運転適性度に関する閾値は、自動運転レベルが高いほど、高い値に設定される。式(1)は、自動運転レベル「n」に応じた、運転適性度に関する閾値である手動運転適性閾値Pth(n)を示す。
Figure 0007162664000001
Pth0は、手動運転適性閾値の初期値である。P(Lev(n))は、自動運転レベル「n」に応じて定められる補正値である。実施の形態7において、P(Lev(n))は、式(2)の関係を満たす。
Figure 0007162664000002
図33において、第2地点W2から第3地点W3までの不完全自動運転区間の自動運転レベルは「3」である。運転計画部20は、自動運転レベル「3」に対応する手動運転適性閾値Pth(3)を求める。手動運転適性閾値Pth(3)は、初期値Pht0よりも低い。運転計画部20は、手動運転適性閾値Pth(3)よりも高い運転適性度を有する乗員Bを運転者に選定する。
ステップS47にて、運転計画部20は、運転適性度の閾値を満たす乗員が存在したか否かを判定する。運転適性度の閾値を満たす乗員が存在した場合、ステップS48が実行される。運転適性度の閾値を満たす乗員が存在しない場合、ステップS49が実行される。
ステップS48にて、報知制御部21は、運転者交代計画に含まれる次期運転者を表示装置111または音声出力装置112に報知させる制御を行う。
ステップS49にて、報知制御部21は、選定可能な乗員が存在しない旨を表示装置111または音声出力装置112に報知させる制御を行う。
ステップS50にて、運転制御装置160は、適切な駐車エリアまで車両を走行させる制御を行う。
ステップS51にて、運転計画部20は、車両が目的地に到達したか否かを判定する。車両が目的地に到達していない場合、ステップS41が再び実行される。車両が目的地に到達した場合、動的状態に基づく運転者交代計画の策定及び運転者交代制御の動作は終了する。図30に示される運転者選定装置107の全体動作および運転者選定方法が終了する。
以上をまとめると、実施の形態7における運転者選定装置107は、車両の運転に対し人間の関与が要求される、あるいは要求される可能性がある自動運転レベルが設定された、少なくとも1つの不完全自動運転区間を含む車両の走行経路について、少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々における車両の運転に関与する運転者を、車両に搭乗する複数の乗員から選定して提示する。運転者選定装置107は、乗員情報取得部10と運転計画部20とを含む。乗員情報取得部10は、複数の乗員の各々の状態であって搭乗中に時間的に変化する状態である動的状態を取得する。運転計画部20は、複数の乗員の各々の動的状態と少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々の自動運転レベルとに基づき、複数の乗員のうち一の乗員を、一の不完全自動運転区間における車両の運転者として選定して運転者交代計画を策定し、運転者交代計画を複数の乗員のうち少なくとも1人の乗員に提示する。運転計画部20は、車両が一の不完全自動運転区間に到達する前の予め定められたタイミングで一の不完全自動運転区間について運転者交代計画を策定する。
運転者選定装置107は、車両が自動運転走行計画に従って走行を開始した後に、その車両が次に走行する不完全自動運転区間の運転者を選定する。言い換えると、実施の形態7における運転者選定装置107は、実施の形態2とは異なり、車両が自動運転走行計画に従って走行を開始する前に、走行経路に含まれる不完全自動運転区間の運転者を予め選定することはない。また、運転者選定装置107は、複数の乗員の各々の動的状態と不完全自動運転区間の自動運転レベルとに基づいて運転者を選定する。運転者選定装置107は、自動運転レベルが高い不完全自動運転区間においては、運転適性判断ロジックを緩める。そして、運転者選定装置107は、運転適性度が低い乗員であっても運転者として選定し、運転を許可する。運転者選定装置107は、運転者を選定するにあたり、完全自動運転区間から不完全自動運転区間の移行する時点で、動的状態に基づく適当な運転適性度を有する運転者が車両に搭乗していない確率を低減することができる。運転者選定装置107は、手動運転の実施時にいずれかの乗員の運転適性度が向上するまで、適当な駐車エリアで待機しなければならない状況を減少させる。
また、実施の形態7における運転者選定装置107の運転計画部20は、複数の乗員の各々の動的状態に関する予め定められた運転者選定規則に従い、複数の乗員のうち一の乗員を、一の不完全自動運転区間における車両の運転者として選定する。
また、実施の形態7において、複数の乗員の各々の動的状態は、複数の乗員の各々のバイタル状態を含む。複数の乗員の各々の動的状態に関する予め定められた運転者選定規則は、複数の乗員の各々のバイタル状態に基づく運転適性度に関する閾値であって、少なくとも1つの不完全自動運転区間の各々の自動運転レベルに応じて設定される閾値によって定められる。運転計画部20は、複数の乗員のうち、閾値よりも高い運転適性度を有する一の乗員を、運転者として選定する。閾値は、自動運転レベルが高いほど、高い値に定められている。
このような構成により、運転者選定装置107は、自動運転レベルが高い不完全自動運転区間において、適当な運転適性度を有する運転者が車両に搭乗していない確率を低減する。
実施の形態7における運転者選定装置107は、矛盾のない範囲で、他の実施の形態に示された構成が組み合わされた構成を有してもよい。
例えば、運転者選定装置107は、実施の形態2の変形例6に示された構成および機能を有していてもよい。または、例えば、運転者選定装置107は、実施の形態5に示された構成および機能を有していてもよい。または、例えば、運転者選定装置107は、実施の形態6に示された構成および機能を有していてもよい。
<実施の形態8>
以上の各実施の形態に示された運転者選定装置は、ナビゲーション装置と、通信端末と、サーバと、これらにインストールされるアプリケーションの機能とを適宜に組み合わせて構築されるシステムにも適用することができる。ここで、ナビゲーション装置とは、例えば、PND(Portable Navigation Device)などを含む。通信端末とは、例えば、携帯電話、スマートフォンおよびタブレットなどの携帯端末を含む。
図34は、実施の形態8における運転者選定装置100およびそれに関連して動作する装置の構成を示すブロック図である。
運転者選定装置100および通信装置がサーバ300に設けられている。運転者選定装置100は、車両1に設けられた乗員情報入力装置120から、通信装置220および通信装置210を介して、複数の乗員の各々の静的状態を取得する。または、運転者選定装置100は、車両1に設けられた乗員状態検出装置180から、通信装置220および通信装置210を介して、複数の乗員の各々の動的状態を取得する。また、運転者選定装置100は、地図記憶装置130から地図を取得し、走行経路における不完全自動運転区間の情報を取得する。運転者選定装置100は、各乗員の静的状態に基づき、または動的状態と不完全自動運転区間の自動運転レベルとに基づき、運転者交代計画を策定する。運転者選定装置100は、車両1に設けられた報知装置110に、各通信装置を介して運転者交代計画を報知させる制御を行う。
このように、運転者選定装置100がサーバ300に配置されることにより、車載装置の構成を簡素化することができる。
また、運転者選定装置100の機能あるいは構成要素の一部がサーバ300に設けられ、他の一部が車両1に設けられるなど、分散して配置されてもよい。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において、例示であって、本発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
1 車両、10 乗員情報取得部、20 運転計画部、21 報知制御部、30 乗員情報記憶部、40 測位部、50 地図取得部、60 シート移動制御部、80 運転適性度制御部、100 運転者選定装置、110 報知装置、111 表示装置、112 音声出力装置、120 乗員情報入力装置、130 地図記憶装置、170 シート移動装置、180 乗員状態検出装置、200 運転適性度改善装置、t1 タイミング、t2 タイミング。

Claims (14)

  1. 車両の運転に関与する運転者を、前記車両に搭乗する複数の乗員から選定して提示する運転者選定装置であって、
    前記複数の乗員の各々の状態であって搭乗中に時間的に変化する動的状態以外の状態である静的状態を取得する乗員情報取得部と、
    地図情報として道路の区間ごとに予め設定されている自動運転レベルの情報と、前記車両が走行する予定の走行経路の情報と、に基づいて、前記車両の運転に対して人間の関与が要求されるあるいは要求される可能性がある前記自動運転レベルが設定された複数の不完全自動運転区間であって前記走行経路に含まれる前記複数の不完全自動運転区間を求め、前記複数の乗員の各々の前記静的状態に関する予め定められた運転者選定規則に従って、前記複数の乗員のうち一の乗員を、一の不完全自動運転区間を運転する予定の運転者として選定することにより、前記複数の不完全自動運転区間をそれぞれ運転する予定の複数の運転者の情報を含む運転者交代計画を策定し、前記運転者交代計画を前記複数の乗員のうち少なくとも1人の乗員に提示する運転計画部と、を備え、
    前記予め定められた運転者選定規則は、前記複数の乗員の各々の前記静的状態と前記複数の不完全自動運転区間の情報とに基づいて定められており、
    前記運転計画部は、前記走行経路の策定の後に、前記運転者交代計画を策定し、
    前記乗員情報取得部は、提示される前記運転者交代計画の策定後、かつ、前記車両が前記一の不完全自動運転区間に到達する前の予め定められたタイミングにおける前記複数の乗員の各々の前記動的状態をさらに取得し、
    前記運転計画部は、前記予め定められたタイミングにおける前記複数の乗員の各々の前記動的状態に基づいて、前記一の不完全自動運転区間についての前記運転者交代計画を再策定し、
    前記一の不完全自動運転区間は、前記運転者交代計画が策定された複数の不完全自動運転区間のうち、前記車両が次に走行する次期不完全自動運転区間に対応し、
    前記予め定められたタイミングは、前記車両が前記次期不完全自動運転区間に到達する前であり、
    前記運転計画部は、前記次期不完全自動運転区間の前記運転者である次期運転者の前記動的状態が、予め定められた基準を満たさない場合に、前記次期運転者を除く少なくとも1人の乗員から、前記次期不完全自動運転区間における前記車両の前記運転者を再選定する、運転者選定装置。
  2. 前記車両の現在位置を測定する測位部と、
    道路の区間ごとに設定された前記自動運転レベルの情報を含む前記地図情報を取得する地図取得部と、をさらに備え、
    前記運転計画部は、前記車両の前記現在位置と前記地図情報とに基づき、前記車両の前記走行経路を求め、前記地図情報に含まれる前記自動運転レベルの情報に基づき、前記走行経路に含まれる前記複数の不完全自動運転区間を求める、請求項1に記載の運転者選定装置。
  3. 前記予め定められた運転者選定規則における前記静的状態は、前記複数の乗員の各々が有する前記車両の運転能力を含む、請求項1に記載の運転者選定装置。
  4. 前記予め定められた運転者選定規則における前記複数の不完全自動運転区間の情報は、前記複数の不完全自動運転区間の各々の運転難易度を含む、請求項1に記載の運転者選定装置。
  5. 前記運転難易度は、前記複数の不完全自動運転区間の各々における前記自動運転レベルに基づいて決められる、請求項4に記載の運転者選定装置。
  6. 前記運転難易度は、前記複数の不完全自動運転区間の各々における道路形状または走行周辺環境に基づいて決められる、請求項4に記載の運転者選定装置。
  7. 前記予め定められた運転者選定規則における前記静的状態は、前記複数の乗員の各々が有する前記車両の運転能力を含み、
    前記予め定められた運転者選定規則における前記複数の不完全自動運転区間の情報は、前記複数の不完全自動運転区間における前記車両の走行順序を含み、
    前記運転計画部は、前記複数の乗員のうち、高い運転能力を有する乗員ほど、前記走行順序が後方の不完全自動運転区間の前記運転者として選定する、請求項1に記載の運転者選定装置。
  8. 前記予め定められた運転者選定規則における前記静的状態は、前記複数の乗員の各々が到達すべき目的地を含み、
    前記予め定められた運転者選定規則における前記複数の不完全自動運転区間の情報は、前記車両の現在位置から前記目的地までの到達順と、前記複数の不完全自動運転区間における前記車両の走行順序と、を含み、
    前記運転計画部は、前記複数の乗員のうち、前記到達順が早い乗員ほど、前記走行順序が前方の不完全自動運転区間の前記運転者として選定する、請求項1に記載の運転者選定装置。
  9. 前記運転計画部は、前記車両に搭載される報知装置に対して、前記車両の現在位置と前記運転者交代計画とを報知させる制御を行う報知制御部を含み、
    前記運転計画部は、前記報知制御部が前記制御を行うことにより、前記運転者交代計画を前記少なくとも1人の乗員に提示する、請求項1に記載の運転者選定装置。
  10. 前記運転計画部は、前記車両に搭載される複数の報知装置であって前記複数の乗員毎に設けられる前記複数の報知装置に対して、前記車両の現在位置と前記運転者交代計画とを報知させる制御を行う報知制御部を含み、
    前記運転計画部は、前記報知制御部が前記制御を行うことにより、前記運転者交代計画を前記少なくとも1人の乗員に提示し、
    前記報知制御部は、前記複数の報知装置のうち一の報知装置が報知する態様と、他の報知装置が報知する態様とが異なるように、前記制御を行い、
    前記一の報知装置は、前記次期運転者に、前記運転者交代計画を報知し、
    前記他の報知装置は、前記次期運転者を除く前記少なくとも1人の乗員に、前記運転者交代計画を報知する、請求項1に記載の運転者選定装置。
  11. 前記一の報知装置が報知する態様は、前記他の報知装置が報知する態様よりも、前記次期運転者に対し視覚容易性に優れる、または、聴取容易性に優れる、請求項10に記載の運転者選定装置。
  12. 前記複数の乗員の各々が着座する前記車両のシートを移動させることによって前記車両内の前記シートの配置を変更するシート移動装置に対し、前記シートを移動させる制御を行うシート移動制御部をさらに備え、
    前記シート移動制御部は、前記次期運転者が着座する前記シートを、前記次期運転者の運転に適した位置に移動させる制御を、前記シート移動装置に対して行う、請求項1に記載の運転者選定装置。
  13. 前記運転計画部は、前記走行経路の策定の後、かつ、前記車両が策定された前記走行経路の走行を開始する前に、前記静的状態に基づく前記運転者交代計画を策定する、請求項1に記載の運転者選定装置。
  14. 車両の運転に関与する運転者を、前記車両に搭乗する複数の乗員から選定して提示する運転者選定方法であって、
    乗員情報取得部が、前記複数の乗員の各々の状態であって搭乗中に時間的に変化する動的状態以外の状態である静的状態を取得し、
    運転計画部が、地図情報として道路の区間ごとに予め設定されている自動運転レベルの情報と、前記車両が走行する予定の走行経路の情報と、に基づいて、前記車両の運転に対して人間の関与が要求されるあるいは要求される可能性がある前記自動運転レベルが設定された複数の不完全自動運転区間であって前記走行経路に含まれる前記複数の不完全自動運転区間を求め、前記複数の乗員の各々の前記静的状態に関する予め定められた運転者選定規則に従って、前記複数の乗員のうち一の乗員を、一の不完全自動運転区間を運転する予定の運転者として選定することにより、前記複数の不完全自動運転区間をそれぞれ運転する予定の複数の運転者の情報を含む運転者交代計画を策定し、前記運転者交代計画を前記複数の乗員のうち少なくとも1人の乗員に提示し、
    前記予め定められた運転者選定規則は、前記複数の乗員の各々の前記静的状態と前記複数の不完全自動運転区間の情報とに基づいて定められており、
    前記運転計画部は、前記走行経路の策定の後に、前記運転者交代計画を策定し、
    前記乗員情報取得部は、提示される前記運転者交代計画の策定後、かつ、前記車両が前記一の不完全自動運転区間に到達する前の予め定められたタイミングにおける前記複数の乗員の各々の前記動的状態をさらに取得し、
    前記運転計画部は、前記予め定められたタイミングにおける前記複数の乗員の各々の前記動的状態に基づいて、前記一の不完全自動運転区間についての前記運転者交代計画を再策定し、
    前記一の不完全自動運転区間は、前記運転者交代計画が策定された複数の不完全自動運転区間のうち、前記車両が次に走行する次期不完全自動運転区間に対応し、
    前記予め定められたタイミングは、前記車両が前記次期不完全自動運転区間に到達する前であり、
    前記運転計画部は、前記次期不完全自動運転区間の前記運転者である次期運転者の前記動的状態が、予め定められた基準を満たさない場合に、前記次期運転者を除く少なくとも1人の乗員から、前記次期不完全自動運転区間における前記車両の前記運転者を再選定する、運転者選定方法。
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