JP7161749B2 - 非水系整髪剤組成物 - Google Patents
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Description
上記課題を解決するための本願第1発明は、下記(A)成分及び(B)成分を含有する非水系整髪剤組成物である。
(A)下記(a1)成分と(a2)成分からなる植物脂。
(a1)含有量が組成物の60質量%以上であるシア脂。
(a2)シア脂以外の、25℃で固形ないしペースト状である植物脂の1種以上。
(B)25℃で固形ないしペースト状であるロウ類の1種以上。
上記課題を解決するための本願第2発明においては、前記第1発明に係る非水系整髪剤組成物において、(B)成分の含有量に対する(A)成分の含有量の質量比(A)/(B)が5~50の範囲内である
上記課題を解決するための本願第3発明においては、前記第1発明又は第2発明に係る非水系整髪剤組成物において、(a2)成分の含有量に対する(a1)成分の含有量の質量比(a1)/(a2)が1~150の範囲内である。
第1発明の非水系整髪剤組成物では、整髪剤組成物中に50質量%を大きく超える高いレベルで(a1)シア脂を配合するという、従来には見られないような処方により、自然なまとまり感を非常に良好に実現することができる。
一方、シア脂高配合のもとでは、剤の安定性が損なわれ、セット保持性も不足した。しかし一定量の(B)ロウ類(特にミツロウ)を併用すると剤の安定性とセット保持性が十分に確保されることが分かった(後述の比較例3を参照)。
また、一定量のロウ類を併用することで剤の延びが悪くなるが、(a1)高配合のシア脂と共に、(a2)シア脂以外の25℃で固形ないしペースト状である植物脂を余り高配合にならないように併用すると、セット保持性を維持しつつ、剤の延びが顕著に改善されることが分かった(後述の比較例4を参照)。
上記「第1発明の効果」で述べた、(A)高配合のシア脂を含む植物脂と(B)ロウ類の併用による効果は、両者の含有量比(A)/(B)が5~50の範囲内である場合に、特に顕著に実現される。
上記「第1発明の効果」で述べた、(a1)高配合のシア脂と(a2)シア脂以外の一定の植物脂の併用による効果は、両者の含有量比(a1)/(a2)が1~150の範囲内である場合に、特に顕著に実現される。
本発明の非水系整髪剤組成物は少なくとも(A)成分及び(B)成分を含有する。(A)成分は特定の植物脂であり、具体的には、シア脂である(a1)成分と、シア脂以外の植物脂であって25℃で固形ないしペースト状の植物脂の1種以上である(a2)成分からなる。(B)成分は25℃で固形ないしペースト状のロウ類の1種以上である。これらの各成分について、詳しくは後述する。
(A)成分は(a1)成分と(a2)成分からなる植物脂であり、水素添加された植物脂を含む。非水系整髪剤組成物における(A)成分の含有量の下限値は60質量%程度でも良いが、この下限値を70質量%、より好ましくは75質量%とすることにより、自然なまとまり感の付与と剤の延びの良さを両立させることができる。非水系整髪剤組成物における(A)成分の含有量の上限値を99質量%、より好ましくは97質量%とすることにより、セット保持性や剤の安定性を向上させることができる。
(B)成分は、25℃で固形ないしペースト状であるロウ類の1種以上である。この定義に該当する限りにおいて(B)成分の種類は限定されないが、具体的には、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、モクロウ、イボタロウ、コメヌカロウ、モンタンロウ、セラック、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ラノリン、還元ラノリンなどが例示される。特にミツロウ、キャンデリラロウが、自然なまとまり感が得られるために、好ましい。非水系整髪剤組成物における(B)成分の含有量の下限値を1質量%、より好ましくは3質量%、特に好ましくは5質量%とすることにより、セット保持性や剤の安定性を向上させることができる。非水系整髪剤組成物における(B)成分の含有量の上限値を15質量%、より好ましくは12質量%、特に好ましくは10質量%とすることにより、剤の延びの良さが向上する。
「第1発明の効果」欄で前記したように、非水系整髪剤組成物における剤の安定性とセット力を一層向上する観点からは、(A)成分と(B)成分の含有量比率(A)/(B)が5~50の範囲内であることが好ましいが、6~30の範囲内であることがより好ましく、8~20の範囲内であることが特に好ましい。含有量比率(A)/(B)が上記の範囲内であれば、特に自然なまとまり感とセット保持性を、より向上させることができる。
「第1発明の効果」欄で前記したように、非水系整髪剤組成物におけるシア脂の高配合下における剤の延びを確保する観点からは、(a1)成分と(a2)成分の含有量比率(a1)/(a2)が1~150の範囲内であることが好ましいが、5~100の範囲内であることが特に好ましい。この含有量比率(a1)/(a2)が上記の範囲内であれば、自然なまとまり感、剤の延びの良さ、セット保持性及び剤の安定性を総合的に向上させることができる。
本発明の非水系整髪剤組成物には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、上記(A)、(B)成分の他に、一般的な非水系整髪剤組成物に配合されることがある各種の任意的配合成分を配合することができる。このような任意的配合成分として、上記(A)成分、(B)成分以外の油剤、精油、炭化水素、香料、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、殺菌剤等も配合することができる。
エステル類としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸-2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸2-エチルへキシル、乳酸ラウリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジエトキシエチル、ラノリン誘導体等が挙げられる。
メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジメチコノール、メチルフェニルシリコーン、アルコール変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーン類も例示される。
末尾の表1に示す実施例1~10及び比較例1~5に係るオイルバーム剤型の非水系整髪剤組成物を常法に従って調製した。
実施例1~10及び比較例1~5に係る非水系整髪剤組成物について、それぞれ以下の項目を評価した。
各実施例、比較例に係る非水系整髪剤組成物0.3gをそれぞれ指ですくい取り、手のひらで伸ばしてから各々ウィッグに均一に塗布し、塗布後のウィッグに自然なまとまり感(毛束が固まる感じがなく、セット剤の存在感がない状態でも毛髪のまとまり感があること)があるかを10名の専門パネラーが官能評価した。
「自然なまとまり感がある」と答えたパネラーが、10名中8名以上であった場合は極めて良好であると評価して「◎」とし、10名中6~7名であった場合は良好であると評価して「○」とし、10名中4~5名であった場合はやや悪いと評価して「△」とし、10名中3名以下であった場合は悪いと評価して「×」とした。これらの評価結果を表1に示す。
上記の「自然なまとまり感」の評価において、各実施例、比較例に係る非水系整髪剤組成物を手のひらで伸ばした際、「剤の延びが良い」と答えたパネラーが、10名中8名以上であった場合は極めて良好であると評価して「◎」とし、10名中6~7名であった場合は良好であると評価して「○」とし、10名中4~5名であった場合はやや悪いと評価して「△」とし、10名中3名以下であった場合は悪いと評価して「×」とした。これらの評価結果を表1に示す。
各実施例、比較例に係る非水系整髪剤組成物を塗布して上記の「自然なまとまり感」の評価に供したウィッグについて、塗布から6時間経過後もまとまり感が保持されているか(セット保持性)を10名の専門パネラーが官能評価した。「まとまり感を保持している」と答えたパネラーが、10名中8名以上であった場合はセット保持性が極めて良好であると評価して「◎」とし、10名中6~7名であった場合はセット保持性が良好であると評価して「○」とし、10名中4~5名であった場合はセット保持性がやや悪いと評価して「△」とし、10名中3名以下であった場合はセット保持性が悪いと評価して「×」とした。これらの評価結果を表1に示す。
各実施例、比較例に係る非水系整髪剤組成物を、それぞれ容量約37mlの透明な4号規格ビンに8分目まで充填して密栓した後、これらの4号規格ビンを40℃の恒温槽中に15分間静置し、充填した非水系整髪剤組成物の表面が液化しているか確認した。液化が見られなかった場合は「○」、液化が見られた場合は「×」と評価した。これらの評価結果を表1に示す。
Claims (3)
- 下記(A)成分及び(B)成分を含有する非水系整髪剤組成物。(但しシアバター70.00質量%、ワックス2.00質量%、水素化キャスター油1.5質量%及び水1質量%以下を含有する組成物を除く。)
(A)下記(a1)成分と(a2)成分からなる植物脂。
(a1)含有量が組成物の60質量%以上であるシア脂。
(a2)シア脂以外の、25℃で固形ないしペースト状である植物脂の1種以上。
(B)ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、モクロウ、イボタロウ、コメヌカロウ、モンタンロウ、セラック、マイクロクリスタリンワックス、ラノリン、還元ラノリンから選ばれるロウ類の1種以上。 - 前記(B)成分の含有量に対する(A)成分の含有量の質量比(A)/(B)が5~50の範囲内である請求項1に記載の非水系整髪剤組成物。
- 前記(a2)成分の含有量に対する(a1)成分の含有量の質量比(a1)/(a2)が1~150の範囲内である請求項1又は請求項2に記載の非水系整髪剤組成物。
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