JP7161478B2 - リチウムイオン電池用水系電極スラリーの製造方法、リチウムイオン電池用電極の製造方法、リチウムイオン電池用増粘剤粉末、水系電極スラリー、リチウムイオン電池用電極およびリチウムイオン電池 - Google Patents
リチウムイオン電池用水系電極スラリーの製造方法、リチウムイオン電池用電極の製造方法、リチウムイオン電池用増粘剤粉末、水系電極スラリー、リチウムイオン電池用電極およびリチウムイオン電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7161478B2 JP7161478B2 JP2019539114A JP2019539114A JP7161478B2 JP 7161478 B2 JP7161478 B2 JP 7161478B2 JP 2019539114 A JP2019539114 A JP 2019539114A JP 2019539114 A JP2019539114 A JP 2019539114A JP 7161478 B2 JP7161478 B2 JP 7161478B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lithium ion
- aqueous
- ion battery
- water
- electrode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M4/00—Electrodes
- H01M4/02—Electrodes composed of, or comprising, active material
- H01M4/13—Electrodes for accumulators with non-aqueous electrolyte, e.g. for lithium-accumulators; Processes of manufacture thereof
- H01M4/139—Processes of manufacture
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M4/00—Electrodes
- H01M4/02—Electrodes composed of, or comprising, active material
- H01M4/62—Selection of inactive substances as ingredients for active masses, e.g. binders, fillers
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Electrochemistry (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
さらに、本発明者らの検討によれば、水系電極スラリーの調製の際に、増粘剤水溶液を分割して添加する方法により得られた水系電極スラリーもロットごとに粘度のバラつきがあったり、保存時に粘度が変化したりして、品質が安定しない場合があることが明らかになった。さらに、このような水系電極スラリーの製造方法は、増粘剤水溶液を別途調製し、スラリーに分割して添加するため製造工程が多く、かつ、製造時間が長いため生産性に劣っていた。
正極活物質および負極活物質から選択される電極活物質と、水系バインダーと、増粘剤と、水系媒体と、を含むリチウムイオン電池用水系電極スラリーの製造方法であって、
セルロース系水溶性高分子を含む増粘剤粉末を篩にかけることによって、上記増粘剤粉末の篩通過分(q)を得る工程と、
電極活物質、水系バインダー、上記篩通過分(q)および水系媒体を混合することにより水系電極スラリーを調製する工程と、
を含むリチウムイオン電池用水系電極スラリーの製造方法が提供される。
上記のリチウムイオン電池用水系電極スラリーの製造方法により水系電極スラリーを調製する工程と、
得られた上記水系電極スラリーを基材上に塗工して乾燥し、上記水系媒体を除去することにより上記基材上に電極活物質層を形成する工程と、
を含むリチウムイオン電池用電極の製造方法が提供される。
リチウムイオン電池用の水系電極スラリーの増粘に用いられる増粘剤粉末であって、
セルロース系水溶性高分子を含み、
レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積基準粒度分布における上記増粘剤粉末の最大粒子径をD100[μm]としたとき、
目開きがD100(μm)以上D100+5(μm)以下の範囲にある篩に上記増粘剤粉末をかけることによって、上記増粘剤粉末を篩上残分と篩通過分とに分けたとき、上記篩上残分の割合が、上記増粘剤粉末の全量を100質量%としたとき、0.05質量%以下であるリチウムイオン電池用増粘剤粉末が提供される。
正極活物質および負極活物質から選択される電極活物質と、
水系バインダーと、
上記のリチウムイオン電池用増粘剤粉末と、
水系媒体と、
を含み、
上記リチウムイオン電池用増粘剤粉末は上記水系媒体に溶解している水系電極スラリーが提供される。
正極活物質および負極活物質から選択される電極活物質と、
水系バインダーと、
上記のリチウムイオン電池用増粘剤粉末により構成された粘着剤と、
を含むリチウムイオン電池用電極が提供される。
正極と、電解質と、負極とを少なくとも備えたリチウムイオン電池であって、
上記正極および上記負極の少なくとも一方が上記のリチウムイオン電池用電極を含むリチウムイオン電池が提供される。
なお、本実施形態では数値範囲の「A~B」は特に断りがなければ、A以上B以下を表す。
はじめに、本実施形態に係るリチウムイオン電池用水系電極スラリーの製造方法について説明する。
本実施形態に係る水系電極スラリーの製造方法は、正極活物質および負極活物質から選択される電極活物質(a)と、水系バインダー(b)と、増粘剤と、水系媒体(c)と、を含むリチウムイオン電池用水系電極スラリーの製造方法であって、以下の工程(A)および工程(B)を少なくとも含む。
工程(A):セルロース系水溶性高分子を含む増粘剤粉末を篩にかけることによって、増粘剤粉末の篩通過分(q)を得る工程
工程(B):電極活物質(a)、水系バインダー(b)、篩通過分(q)および水系媒体(c)を混合することにより水系電極スラリーを調製する工程
さらに、本発明者らの検討によれば、水系電極スラリーの調製の際に、増粘剤水溶液を分割して添加する方法により得られた水系電極スラリーもロットごとに粘度のバラつきがあったり、保存時に粘度が変化したりして、品質が安定しない場合があることが明らかになった。さらに、このような水系電極スラリーの製造方法は、増粘剤水溶液を別途調製し、スラリーに分割して添加するため製造工程が多く、かつ、製造時間が長いため生産性に劣っていた。
すなわち、本発明者らの検討によれば、従来の水系電極スラリーは、外観に優れたリチウムイオン電池用電極を安定して生産性よく得るという観点において改善の余地があることが明らかになった。
また、増粘剤水溶液を分割して添加する方法では、固練り工程の後にも増粘剤水溶液を添加するため、水系電極スラリーの品質安定性が低下することが明らかになった。
そこで、本発明者は、さらに鋭意検討した。その結果、セルロース系水溶性高分子を含む増粘剤粉末を篩にかけることによって得られる篩通過分(q)を用いると、品質安定性に優れた水系電極スラリーを安定的に得ることができることを見出した。そして、このようにして得られた水系電極スラリーを用いると、凝集物の発生が抑制され、外観に優れたリチウムイオン電池用電極を安定的に得ることができることを見出した。
すなわち、セルロース系水溶性高分子を含む増粘剤粉末を篩にかけることによって得られる篩通過分(q)を用いることにより、品質安定性に優れた水系電極スラリーを安定的に得ることができる。そして、このような水系電極スラリーを用いることにより、外観に優れたリチウムイオン電池用電極を安定的に得ることができる。
篩通過分(q)の最大粒子径D100は、例えば、粒度分布測定装置(Malvern Instruments社製、型名:Mastersizer2000)を用いて測定することができる。上記最大粒子径D100とは、体積基準の粒子径分布において積算(累積)体積百分率が100%となる粒子径を意味する。
ここで、本実施形態において、上記篩上残分の割合は、篩通過分(q)に含まれるセルロース系水溶性高分子由来の繊維成分の量の指標を意味する。すなわち、上記篩上残分の割合が少ないほど、篩通過分(q)に含まれるセルロース系水溶性高分子由来の繊維成分の量が少ないことを意味している。
ここで、セルロース系水溶性高分子を含む増粘剤粉末は公知の方法で製造することもできるが、種々の市販品を用いることもできる。
上記篩としては特に限定されないが、例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積基準粒度分布における、篩にかける前の増粘剤粉末の最大粒子径をD100[μm]としたとき、目開きがD100(μm)以上D100+30(μm)以下の範囲にある篩を用いることが好ましく、目開きがD100(μm)以上D100+20(μm)以下の範囲にある篩を用いることがより好ましく、目開きがD100(μm)以上D100+10(μm)以下の範囲にある篩を用いることがさらに好ましく、目開きがD100(μm)以上D100+5(μm)以下の範囲にある篩を用いることが特に好ましい。これにより増粘剤粉末に含まれるセルロース系水溶性高分子由来の繊維成分を効果的に除去することができ、篩上残分の割合が上記上限値以下の増粘剤粉末の篩通過分(q)を効率的に得ることができる。
工程(B-1):電極活物質(a)および篩通過分(q)を紛体状態で乾式混合することにより、電極活物質(a)および篩通過分(q)を含む混合物を調製する工程
工程(B-2):上記混合物中に、水系媒体(c)および水系バインダー(b)を含むエマルジョン水溶液から選択される一種または二種以上の液体成分を添加して湿式混合することにより、スラリー前駆体を調製する工程
工程(B-3):上記スラリー前駆体中に、水系媒体(c)および水系バインダー(b)を含むエマルジョン水溶液から選択される一種または二種以上の液体成分をさらに添加して湿式混合することにより上記水系電極スラリーを調製する工程
本実施形態において、工程(B-1)をおこなうことにより、電極活物質(a)および増粘剤の分散性を高めることができ、その後の工程において、増粘剤由来のゲル成分の生成をより一層抑制できる。これにより、得られる水系電極スラリー中の増粘剤由来のゲル成分の発生を抑制することができる。
そこで、本発明者はさらに鋭意検討した。その結果、本実施形態に係る増粘剤粉末の篩通過分(q)を用いることにより、電極表面の凝集物の発生を抑制でき、外観に優れたリチウムイオン電池用電極を安定的に得られることを見出した。
また、固練り工程(B-2―2)は、なじませ工程(B-2―1)よりも湿式混合の速度を高く設定し、上記紛体混合物と上記液体成分とを混練し、スラリー前駆体を得る工程である。
なじませ工程(B-2―1)における上記湿式混合の自転速度が上記範囲内であると、紛体混合物が湿式混合時に混合機のふちにせり上がってくることや、紛体混合物の濡れが偏ってしまうこと、紛体混合物が混練時に飛び散ること等をより効果的に抑制しながら、紛体混合物に液体成分を十分になじませることができる。
なじませ工程(B-2―1)における上記湿式混合の公転速度が上記範囲内であると、紛体混合物が湿式混合時に混合機のふちにせり上がってくることや、紛体混合物の濡れが偏ってしまうこと、紛体混合物が混練時に飛び散ること等をより効果的に抑制しながら、紛体混合物に液体成分を十分になじませることができる。
固練り工程(B-2―2)における上記湿式混合の自転速度が上記範囲内であると、スラリー前駆体に加わるせん断力をより適度なものとすることができるため、増粘剤の分子鎖の切断を抑制しつつ、増粘剤由来のゲル成分をより容易に解砕することができ、得られる水系電極スラリー中の増粘剤由来のゲル成分の発生をより一層抑制することができる。
固練り工程(B-2―2)における上記湿式混合の公転速度が上記範囲内であると、スラリー前駆体に加わるせん断力をより適度なものとすることができるため、増粘剤の分子鎖の切断を抑制しつつ、増粘剤由来のゲル成分をより容易に解砕することができ、得られる水系電極スラリー中の増粘剤由来のゲル成分の発生をより一層抑制することができる。
スラリー前駆体の固形分濃度は、上記液体成分の濃度や添加量を調整することにより調整することができる。
また、得られる水系電極スラリーは分散性がより一層優れるため、このような水系電極スラリーを用いると、より一層均一な電極活物質層を得ることができる。その結果、より一層電池特性に優れたリチウムイオン電池を得ることができる。
真空脱泡は混合機の容器や軸部にシール処理を施して気泡を除去しても良いし、別の容器に移してから行ってもよい。
本実施形態に係るリチウムイオン電池用増粘剤粉末(p)はリチウムイオン電池用の水系電極スラリーの増粘に用いられる増粘剤粉末であって、セルロース系水溶性高分子を含み、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積基準粒度分布における増粘剤粉末(p)の最大粒子径をD100[μm]としたとき、目開きがD100(μm)以上D100+5(μm)以下の範囲にある篩に増粘剤粉末(p)をかけることによって、増粘剤粉末(p)を篩上残分と篩通過分とに分けたとき、上記篩上残分の割合が、増粘剤粉末(p)の全量を100質量%としたとき、0.05質量%以下、好ましくは0.03質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下である。上記篩上残分の割合の下限値は特に限定されないが、例えば、0.00質量%以上である。
増粘剤粉末(p)の最大粒子径D100は、例えば、粒度分布測定装置(Malvern Instruments社製、型名:Mastersizer2000)を用いて測定することができる。上記最大粒子径D100とは、体積基準の粒子径分布において積算(累積)体積百分率が100%となる粒子径を意味する。
ここで、本実施形態において、上記篩上残分の割合は、増粘剤粉末(p)に含まれるセルロース系水溶性高分子由来の繊維成分の量の指標を意味する。すなわち、上記篩上残分の割合が少ないほど、増粘剤粉末(p)に含まれるセルロース系水溶性高分子由来の繊維成分の割合が少ないことを意味している。
さらに、本発明者らの検討によれば、水系電極スラリーの調製の際に、増粘剤水溶液を分割して添加する方法により得られた水系電極スラリーもロットごとに粘度のバラつきがあったり、保存時に粘度が変化したりして、品質が安定しない場合があることが明らかになった。さらに、このような水系電極スラリーの製造方法は、増粘剤水溶液を別途調製し、スラリーに分割して添加するため製造工程が多く、かつ、製造時間が長いため生産性に劣っていた。
すなわち、本発明者らの検討によれば、従来の水系電極スラリーは、外観に優れたリチウムイオン電池用電極を安定して生産性よく得るという観点において改善の余地があることが明らかになった。
また、増粘剤水溶液を分割して添加する方法では、固練り工程の後にも増粘剤水溶液を添加するため、水系電極スラリーの品質安定性が低下することが明らかになった。
そこで、本発明者は、さらに鋭意検討した。その結果、上記篩上残分の割合が上限値以下である増粘剤粉末(p)を用いると、品質安定性に優れた水系電極スラリーを安定的に得ることができることを見出した。そして、このようにして得られた水系電極スラリーを用いると、凝集物やピンホールの発生が抑制され、外観に優れたリチウムイオン電池用電極を安定的に得ることができることを見出した。
すなわち、上記篩上残分の割合が上限値以下である増粘剤粉末(p)を用いることにより、品質安定性に優れた水系電極スラリーを安定的に得ることができる。そして、このような水系電極スラリーを用いることにより、外観に優れたリチウムイオン電池用電極を安定的に得ることができる。
セルロース系水溶性高分子としては水系電極スラリーの塗工性を向上させるものであれば特に限定されない。セルロース系水溶性高分子としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルエチルヒドロキシセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系ポリマー、およびこれらのセルロース系ポリマーのアンモニウム塩並びにアルカリ金属塩等のセルロース系ポリマー塩等から選択される一種または二種以上を用いることができる。
これらの中でもカルボキシメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース塩から選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩およびカルボキシメチルセルロースのカリウム塩から選択される一種または二種以上を含むことがより好ましい。
条件1:増粘剤粉末(p)を水に溶解させ、濃度1.3質量%の増粘剤水溶液を得る。次いで、B型粘度計を用いて、25℃、せん断速度3.4s-1の条件で増粘剤水溶液の粘度を測る。
これにより、得られる水系電極スラリーの塗工性をより一層向上させることができる。
次に、本実施形態に係るリチウムイオン電池用増粘剤粉末(p)の製造方法を説明する。
本実施形態に係る増粘剤粉末(p)は、例えば、セルロース系水溶性高分子を含む増粘剤粉末を篩にかけることによって得ることができる。ただし、本実施形態に係るリチウムイオン電池用増粘剤粉末(p)の製造方法は、篩をかける方法に限定されない。
ここで、セルロース系水溶性高分子を含む増粘剤粉末を篩にかける工程は、前述したリチウムイオン電池用水系電極スラリーの製造方法における工程(A)に準じておこなうことができるため、ここでは説明は省略する。
次に、本実施形態に係る水系電極スラリーについて説明する。
本実施形態に係る水系電極スラリーは、正極活物質および負極活物質から選択される電極活物質(a)と、水系バインダー(b)と、本実施形態に係るリチウムイオン電池用増粘剤粉末(p)と、水系媒体(c)と、を含み、リチウムイオン電池用増粘剤粉末(p)は水系媒体(c)に溶解している。また、本実施形態に係る水系電極スラリーは、得られる電極の電子伝導性を向上させる観点から、導電助剤(d)をさらに含むことが好ましい。
ここで、本実施形態に係る水系電極スラリーにおいて、リチウムイオン電池用増粘剤粉末(p)は水系電極スラリー中に溶解しており、粉末状態ではない。
本実施形態に係る電極活物質(a)は用途に応じて適宜選択される。正極を作製するときは正極活物質を使用し、負極を作製するときは負極活物質を使用する。
オリビン型リチウムリン酸化物は、例えば、Mn、Cr、Co、Cu、Ni、V、Mo、Ti、Zn、Al、Ga、Mg、B、Nb、およびFeよりなる群のうちの少なくとも1種の元素と、リチウムと、リンと、酸素とを含んでいる。これらの化合物はその特性を向上させるために一部の元素を部分的に他の元素に置換したものであってもよい。
正極活物質は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
負極活物質は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
水系バインダー(b)は、電極成形が可能であり、十分な電気化学的安定性を有していれば特に限定されないが、例えば、ポリアクリル酸、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンゴム、ポリイミド等が挙げられる。これらの水系バインダー(b)は一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、スチレンブタジエンゴムが好ましい。
なお、本実施形態において、水系バインダー(b)とは、水系媒体に分散し、エマルジョン水溶液を形成できるものをいう。
水系バインダー(b)を分散させる水系媒体については、水系バインダー(b)を分散できるものであれば特に限定されないが、蒸留水、イオン交換水、市水、工業用水等を使用できる。これらの中でも、蒸留水やイオン交換水が好ましい。また、水には、アルコール等の水と親水性の高い溶媒を混合させてもよい。
増粘剤粉末(p)は、本実施形態に係る増粘剤粉末(p)を用いることができる。
増粘剤粉末(p)は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。増粘剤粉末(p)の含有量は、水系電極スラリーの固形分の全量を100質量部としたとき、0.01質量部以上10.0質量部以下であることが好ましく、0.05質量部以上5.0質量部以下であることがより好ましい。増粘剤粉末(p)の含有量が上記範囲内であると、水系電極スラリーの塗工性、バインダーの結着性および電池特性のバランスがより一層優れる。
本実施形態に係る水系媒体(c)については特に限定されず、例えば、蒸留水、イオン交換水、市水、工業用水等を使用できる。これらの中でも、蒸留水やイオン交換水が好ましい。また、水には、アルコール等の水と親水性の高い溶媒を混合させてもよい。
本実施形態に係る水系電極スラリーは、得られる電極の電子伝導性を向上させる観点から、導電助剤(d)をさらに含むことが好ましい。
導電助剤(d)は、電子伝導性を有しており、電極の導電性を向上させるものであれば特に限定されない。本実施形態に係る導電助剤(d)として、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、カーボンナノファイバー、活物質として使用される黒鉛よりも粒子径の小さい黒鉛等の炭素材料が挙げられる。これらの導電助剤(d)は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
導電助剤(d)の含有量が上記範囲内であると、水系電極スラリーの塗工性およびバインダーの結着性のバランスがより一層優れる。
水系電極スラリーを構成する各成分の含有量が上記範囲内であると、水系電極スラリーの品質安定性と、得られるリチウムイオン電池の電池特性のバランスが特に優れる。
図1は、本発明に係る実施形態のリチウムイオン電池用電極100の構造の一例を示す断面図である。本実施形態に係るリチウムイオン電池用電極100は、正極活物質および負極活物質から選択される電極活物質(a)と、水系バインダー(b)と、リチウムイオン電池用増粘剤粉末(p)により構成された粘着剤と、を含む。
次に、本実施形態に係るリチウムイオン電池用電極100の製造方法について説明する。
本実施形態に係るリチウムイオン電池用電極100の製造方法は、以下の(1)および(2)の2つの工程を少なくとも含む。これにより外観に優れたリチウムイオン電池用電極を安定的に得ることができる。
(1)本実施形態に係るリチウムイオン電池用水系電極スラリーの製造方法により水系電極スラリーを調製する工程
(2)得られた水系電極スラリーを基材101上に塗工して乾燥し、水系媒体を除去することにより基材101上に電極活物質層103を形成する工程
工程(1)は、前述した本実施形態に係るリチウムイオン電池用水系電極スラリーの製造方法と同様のため、ここでは説明は省略する。以下、工程(2)について説明する。
負極集電体としては銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金を用いることができ、これらの中でも銅が特に好ましい。
正極集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金等を用いることができ、これらの中でもアルミニウムが特に好ましい。
集電体の形状については特に限定されないが、例えば、厚さが0.001~0.5mmの範囲で箔状のものを用いることができる。
つづいて、本実施形態に係るリチウムイオン電池150について説明する。図2は、本発明に係る実施形態のリチウムイオン電池150の構造の一例を示す断面図である。
本実施形態に係るリチウムイオン電池150は、正極120と、電解質110と、負極130とを少なくとも備え、正極120および負極130の少なくとも一方が本実施形態に係るリチウムイオン電池用電極100を含む。また、本実施形態に係るリチウムイオン電池150は、必要に応じてセパレーターを含んでもよい。
本実施形態に係るリチウムイオン電池150は公知の方法に準じて作製することができる。
電極は、例えば、積層体や捲回体を使用できる。外装体としては、金属外装体やアルミラミネート外装体を適宜使用できる。電池の形状は、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角型、扁平型等いずれの形状であってもよい。
多孔性セパレーターとしては、例えば、ポリプロピレン系、ポリエチレン系等のポリオレフィン系多孔性セパレーター;ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンフルオリドヘキサフルオロプロピレン共重合体等により形成された多孔性セパレーターが挙げられる。
また、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
<篩通過分(q)の作製>
はじめに、カルボキシメチルセルロース粉末(日本製紙社製サンローズ(登録商標)のMACシリーズ、最大粒子径D100:50μm)を目開きが53μmの篩(アズワン社製、材質:ステンレス、商品名:ステンレスふるい)にかけ、篩通過分(q1)を得た。
(1)工程(B-1)
遊星運動型プラネタリーミキサーに、負極活物質である黒鉛960gと、上記で得られたカルボキシメチルセルロース粉末の篩通過分(q1)10gと、導電助剤であるカーボンブラック10gと、を投入した。
次いで、20℃で60分間乾式混合をおこない、粉体混合物を得た。
次いで、上記工程(B-1)が終了した遊星運動型プラネタリーミキサーに水を添加した。その後、自転速度:0.15m/sec、公転速度:0.04m/sec、温度:20℃の条件下で2分間湿式混合をおこない、粉体混合物に水をなじませた。
(3)固練り工程(B-2―2)
次いで、自転速度:4.50m/sec、公転速度:1.50m/sec、温度:20℃の条件下で40分間湿式混合をおこない、スラリー前駆体を得た。
(4)工程(B-3)
次いで、スチレンブタジエンゴム(SBR)を水に分散した固形分濃度40質量%のSBR水溶液を調製した。得られたSBR水溶液50gを、固練り工程(B-2―2)が終了した遊星運動型プラネタリーミキサーに添加した。
その後、自転速度:0.25m/sec、公転速度:0.08m/sec、温度:20℃の条件下で10分間湿式混合をおこなった。
(5)工程(C)
次いで、真空脱泡を行い、水系電極スラリーを得た。
なお、水系電極スラリーの固形分濃度は、なじませ工程(B-2―1)で添加する水の量を調整することにより50質量%に調整した。
得られた水系電極スラリーを集電体である銅箔の片面にダイコータを用いて塗布し、乾燥した。次いで、得られた電極をプレスして、負極を得た。
(篩上残分の割合の測定)
上記で得られた篩通過分(q1)(最大粒子径D100:50μm)を目開きが53μmの篩(アズワン社製、材質:ステンレス、商品名:ステンレスふるい)にかけ、篩通過分(q1)を篩上残分と篩通過分とに再度分けた。次いで、篩を通過せずに篩上に残された篩上残分の質量x(g)を測定し、篩通過分(q1)中の篩上残分の割合を次式により算出した。
篩上残分の割合(質量%)=100×x/y
ここで、式中のyは、篩にかけたカルボキシメチルセルロース粉末の篩通過分(q1)の質量(g)である。
カルボキシメチルセルロース粉末の篩通過分(q1)を水に25℃、10分間、200rpmの条件で溶解させ、濃度1.3質量%の増粘剤水溶液を得た。この増粘剤水溶液の粘度を、B型粘度計を用いて、25℃、せん断速度3.4s-1の条件で測定したところ、粘度は3000mPa・sであった。
次いで、得られた増粘剤水溶液100gを蓋付きのプラスチック容器に入れ、蓋を閉めた状態で温度25℃の条件下で3日間保持した。
次いで、3日間保持後の増粘剤水溶液について、B型粘度計を用いて、25℃、せん断速度3.4s-1における粘度を測定した。その後、下記式により粘度変化率を算出し、下記基準により増粘剤水溶液の保存安定性の評価をおこなった。
粘度変化率[%]=100×(3日間保持後の粘度)/(3日間保持前の粘度)
◎ : 粘度変化率が80%以上120%未満
〇 : 粘度変化率が120%以上150%未満または50%以上80%未満
× : 粘度変化率が150%以上または10%以上50%未満
得られた水系電極スラリー100gを蓋付きのプラスチック容器に入れ、蓋を閉めた状態で温度25℃の条件下で3日間保持した。
次いで、保持前と保持後の水系電極スラリーについて、B型粘度計を用いて、25℃、せん断速度3.4s-1における粘度を測定した。その後、下記式により粘度変化率を算出し、下記基準により水系電極スラリーの保存安定性の評価をおこなった。
粘度変化率[%]=100×(3日間保持後の粘度)/(3日間保持前の粘度)
◎ : 粘度変化率が80%以上120%未満
〇 : 粘度変化率が120%以上150%未満または50%以上80%未満
△ : 粘度変化率が150%以上または10%以上50%未満
× : 上記保持試験により、水系電極スラリーが分離した(目視により判断)
得られた結果を表1に示す。
水系電極スラリーの粘度バラツキを次のように評価した。まず、同条件の水系電極スラリーをサンプルとして5個調製した。次いで、得られた水系電極スラリーについて、B型粘度計を用いて、25℃、せん断速度3.4s-1における粘度を測定し、下記式により最大バラツキ量を算出し、下記基準により水系電極スラリーのロットごとのバラツキを評価した。
最大バラツキ量(mPa・s)=(5個のサンプルの中での最大の粘度)-(5個のサンプルの中での最小の粘度)
◎ : 最大バラツキ量が500mPa・s未満
〇 : 最大バラツキ量が500mPa・s以上1000mPa・s未満
× : 最大バラツキ量が1000mPa・s以上
負極(1cm×1cm)を合計1500枚作製し、良品の割合(良品率)を算出した。
得られた負極表面について光学顕微鏡を用いて100倍の倍率で観察し、負極表面の凝集物やピンホールの有無を調べた。次いで、凝集物やピンホールが観察されなかったものを良品とし、少なくとも1か所において凝集物やピンホールが観察されたものを不良とした。次いで、良品の割合を良品率として算出し、以下の基準で評価した。
◎:良品率が98%以上
〇:良品率が95%以上98%未満
×:良品率が95%未満
以下の基準により負極の生産性を評価した。なお、各実施例および比較例において、水系電極スラリーを得た後の工程は同じため、水系電極スラリーを得るまでにかかった時間(以下、水系電極スラリーの製造時間と呼ぶ。)により負極の生産性を評価した。ここで、以下の評価基準では比較例2における水系電極スラリーの製造時間を100とした。
◎:水系電極スラリーの製造時間が70未満
〇:水系電極スラリーの製造時間が70以上100未満
×:水系電極スラリーの製造時間が100以上
篩通過分(q)の作製の際に目開きが53μmの篩(アズワン社製、材質:ステンレス、商品名:ステンレスふるい)の代わりに目開きが63μmの篩(アズワン社製、材質:ステンレス、商品名:ステンレスふるい)を用いた以外は実施例1と同様の条件で水系電極スラリーおよび負極を作製し、実施例1と同様に各評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
篩通過分(q)の作製の際に目開きが53μmの篩(アズワン社製、材質:ステンレス、商品名:ステンレスふるい)の代わりに目開きが73μmの篩(アズワン社製、材質:ステンレス、商品名:ステンレスふるい)を用いた以外は実施例1と同様の条件で水系電極スラリーおよび負極を作製し、実施例1と同様に各評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
カルボキシメチルセルロース粉末の篩通過分(q1)を用いる代わりに、カルボキシメチルセルロース粉末(日本製紙社製サンローズ(登録商標)のMACシリーズ)を篩にかけずにそのまま用いた以外は実施例1と同様の条件で水系電極スラリーおよび負極を作製し、実施例1と同様に各評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
ここで、表1における比較例1の篩上残分の割合は以下の方法により求めた。
まず、カルボキシメチルセルロース粉末(日本製紙社製サンローズ(登録商標)のMACシリーズ)を目開きが53μmの篩(アズワン社製、材質:ステンレス、商品名:ステンレスふるい)にかけた。次いで、篩を通過せずに篩上に残された篩上残分の質量x’(g)を測定し、カルボキシメチルセルロース粉末中の篩上残分の割合を次式により算出した。
篩上残分の割合(質量%)=100×x’/y’
ここで、式中のy’は、篩にかけたカルボキシメチルセルロース粉末の質量(g)である。
<増粘剤水溶液Bの調製>
はじめに、カルボキシメチルセルロース粉末(日本製紙社製サンローズ(登録商標)のMACシリーズ)を20℃のイオン交換水に溶解させることにより、濃度1.3質量%の増粘剤水溶液Aを得た。次いで、得られた増粘剤水溶液を平均孔径1μmのフィルターでろ過し、増粘剤水溶液Bを得た。
(1)工程1
遊星運動型プラネタリーミキサーに、負極活物質である黒鉛960gと、導電助剤であるカーボンブラック10gと、を投入した。
次いで、20℃で60分間乾式混合をおこない、粉体混合物を得た。
次いで、上記工程1が終了した遊星運動型プラネタリーミキサーに水および増粘剤水溶液Bを添加した。その後、自転速度:0.15m/sec、公転速度:0.04m/sec、温度:20℃の条件下で2分間湿式混合をおこない、粉体混合物に水をなじませた。
次いで、上記工程2が終了した遊星運動型プラネタリーミキサーに水および増粘剤水溶液Bを添加した。次いで、自転速度:4.50m/sec、公転速度:1.50m/sec、温度:20℃の条件下で40分間湿式混合をおこない、スラリー前駆体を得た。
次いで、スチレンブタジエンゴム(SBR)を水に分散した固形分濃度40質量%のSBR水溶液を調製した。得られたSBR水溶液50gおよび増粘剤水溶液Bを、工程3が終了した遊星運動型プラネタリーミキサーに添加した。工程2~4で用いる増粘剤水溶液Bに含まれた増粘剤粉末の合計は10gとなるようにした。
その後、自転速度:0.25m/sec、公転速度:0.08m/sec、温度:20℃の条件下で10分間湿式混合をおこなった。
(5)工程5
次いで、真空脱泡を行い、水系電極スラリーを得た。
なお、水系電極スラリーの固形分濃度は、各工程で添加する水の量を調整することにより50質量%に調整した。
得られた水系電極スラリーを集電体である銅箔の片面にダイコータを用いて塗布し、乾燥した。次いで、得られた負極をプレスして、負極を得た。
増粘剤水溶液Bの代わりに、上記増粘剤水溶液Aを用いた以外は比較例2と同様にして水系電極スラリーおよび負極を作製し、実施例1と同様に各評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
Claims (11)
- 正極活物質および負極活物質から選択される電極活物質と、水系バインダーと、増粘剤と、水系媒体と、を含むリチウムイオン電池用水系電極スラリーの製造方法であって、
セルロース系水溶性高分子を含む増粘剤粉末を篩にかけることによって、前記増粘剤粉末の篩通過分(q)を得る工程と、
電極活物質、水系バインダー、前記篩通過分(q)および水系媒体を混合することにより水系電極スラリーを調製する工程と、
を含み、
レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積基準粒度分布における前記篩通過分(q)の最大粒子径をD 100 [μm]としたとき、
目開きがD 100 (μm)以上D 100 +5(μm)以下の範囲にある篩に前記篩通過分(q)をかけることによって、前記篩通過分(q)を篩上残分と篩通過分とに再度分けたとき、前記篩上残分の割合が、前記篩通過分(q)の全量を100質量%としたとき、0.05質量%以下であるリチウムイオン電池用水系電極スラリーの製造方法。 - 請求項1に記載のリチウムイオン電池用水系電極スラリーの製造方法において、
前記水系電極スラリーを調製する工程は、
前記電極活物質および前記篩通過分(q)を紛体状態で乾式混合することにより、前記電極活物質および前記篩通過分(q)を含む混合物を調製する工程を含むリチウムイオン電池用水系電極スラリーの製造方法。 - 請求項2に記載のリチウムイオン電池用水系電極スラリーの製造方法において、
前記水系電極スラリーを調製する工程は、
前記電極活物質および前記篩通過分(q)を含む前記混合物中に、前記水系媒体および前記水系バインダーを含むエマルジョン水溶液から選択される一種または二種以上の液体成分を添加して湿式混合することにより、スラリー前駆体を調製する工程と、
前記スラリー前駆体中に、前記水系媒体および前記水系バインダーを含むエマルジョン水溶液から選択される一種または二種以上の液体成分をさらに添加して湿式混合することにより前記水系電極スラリーを調製する工程と、
をさらに含むリチウムイオン電池用水系電極スラリーの製造方法。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用水系電極スラリーの製造方法により水系電極スラリーを調製する工程と、
得られた前記水系電極スラリーを基材上に塗工して乾燥し、前記水系媒体を除去することにより前記基材上に電極活物質層を形成する工程と、
を含むリチウムイオン電池用電極の製造方法。 - リチウムイオン電池用の水系電極スラリーの増粘に用いられる増粘剤粉末であって、
セルロース系水溶性高分子を含み、
レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積基準粒度分布における前記増粘剤粉末の最大粒子径をD100[μm]としたとき、
目開きがD100(μm)以上D100+5(μm)以下の範囲にある篩に前記増粘剤粉末をかけることによって、前記増粘剤粉末を篩上残分と篩通過分とに分けたとき、前記篩上残分の割合が、前記増粘剤粉末の全量を100質量%としたとき、0.05質量%以下であるリチウムイオン電池用増粘剤粉末。 - 請求項5に記載のリチウムイオン電池用増粘剤粉末において、
前記セルロース系水溶性高分子がカルボキシメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース塩から選択される少なくとも一種を含むリチウムイオン電池用増粘剤粉末。 - 請求項5または6に記載のリチウムイオン電池用増粘剤粉末において、
下記条件1により算出される粘度が10mPa・s以上20000mPa・s以下であるリチウムイオン電池用増粘剤粉末。
(条件1:当該増粘剤粉末を水に溶解させ、濃度1.3質量%の増粘剤水溶液を得る。次いで、B型粘度計を用いて、25℃、せん断速度3.4s-1の条件で前記増粘剤水溶液の粘度を測る。) - 請求項5乃至7のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用増粘剤粉末において、
前記篩上残分は前記セルロース系水溶性高分子由来の繊維成分を含むリチウムイオン電池用増粘剤粉末。 - 正極活物質および負極活物質から選択される電極活物質と、
水系バインダーと、
請求項5乃至8のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用増粘剤粉末と、
水系媒体と、
を含み、
前記リチウムイオン電池用増粘剤粉末は前記水系媒体に溶解している水系電極スラリー。 - 正極活物質および負極活物質から選択される電極活物質と、
水系バインダーと、
請求項5乃至8のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用増粘剤粉末により構成された粘着剤と、
を含むリチウムイオン電池用電極。 - 正極と、電解質と、負極とを少なくとも備えたリチウムイオン電池であって、
前記正極および前記負極の少なくとも一方が請求項10に記載のリチウムイオン電池用電極を含むリチウムイオン電池。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017168273 | 2017-09-01 | ||
JP2017168273 | 2017-09-01 | ||
PCT/JP2018/029210 WO2019044382A1 (ja) | 2017-09-01 | 2018-08-03 | リチウムイオン電池用水系電極スラリーの製造方法、リチウムイオン電池用電極の製造方法、リチウムイオン電池用増粘剤粉末、水系電極スラリー、リチウムイオン電池用電極およびリチウムイオン電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2019044382A1 JPWO2019044382A1 (ja) | 2020-10-01 |
JP7161478B2 true JP7161478B2 (ja) | 2022-10-26 |
Family
ID=65525320
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019539114A Active JP7161478B2 (ja) | 2017-09-01 | 2018-08-03 | リチウムイオン電池用水系電極スラリーの製造方法、リチウムイオン電池用電極の製造方法、リチウムイオン電池用増粘剤粉末、水系電極スラリー、リチウムイオン電池用電極およびリチウムイオン電池 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7161478B2 (ja) |
CN (1) | CN111052459B (ja) |
WO (1) | WO2019044382A1 (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002047349A (ja) | 2000-08-01 | 2002-02-12 | Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd | 繊維状品が低減された粉末状カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびその製造方法 |
WO2010061871A1 (ja) | 2008-11-26 | 2010-06-03 | 日本製紙ケミカル株式会社 | 非水電解質二次電池の電極用カルボキシメチルセルロースまたはその塩、及びその水溶液 |
JP2011063673A (ja) | 2009-09-16 | 2011-03-31 | Daicel Chemical Industries Ltd | 水系ペースト及びその製造方法 |
WO2013076996A1 (ja) | 2011-11-25 | 2013-05-30 | パナソニック株式会社 | リチウムイオン二次電池用負極およびその製造方法、ならびにリチウムイオン二次電池 |
JP2015008070A (ja) | 2013-06-25 | 2015-01-15 | 株式会社豊田自動織機 | 電極用スラリーの製造方法及び電極用スラリーの製造装置 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011034962A (ja) * | 2009-07-07 | 2011-02-17 | Nippon Zeon Co Ltd | リチウムイオン二次電池電極の製造方法、及びリチウムイオン二次電池 |
CN103828104B (zh) * | 2011-09-20 | 2017-09-08 | 日产化学工业株式会社 | 含有纤维素纤维作为粘合剂的锂二次电池电极形成用浆料组合物和锂二次电池用电极 |
-
2018
- 2018-08-03 WO PCT/JP2018/029210 patent/WO2019044382A1/ja active Application Filing
- 2018-08-03 CN CN201880053550.6A patent/CN111052459B/zh active Active
- 2018-08-03 JP JP2019539114A patent/JP7161478B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002047349A (ja) | 2000-08-01 | 2002-02-12 | Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd | 繊維状品が低減された粉末状カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびその製造方法 |
WO2010061871A1 (ja) | 2008-11-26 | 2010-06-03 | 日本製紙ケミカル株式会社 | 非水電解質二次電池の電極用カルボキシメチルセルロースまたはその塩、及びその水溶液 |
JP2011063673A (ja) | 2009-09-16 | 2011-03-31 | Daicel Chemical Industries Ltd | 水系ペースト及びその製造方法 |
WO2013076996A1 (ja) | 2011-11-25 | 2013-05-30 | パナソニック株式会社 | リチウムイオン二次電池用負極およびその製造方法、ならびにリチウムイオン二次電池 |
JP2015008070A (ja) | 2013-06-25 | 2015-01-15 | 株式会社豊田自動織機 | 電極用スラリーの製造方法及び電極用スラリーの製造装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2019044382A1 (ja) | 2019-03-07 |
CN111052459B (zh) | 2023-06-06 |
CN111052459A (zh) | 2020-04-21 |
JPWO2019044382A1 (ja) | 2020-10-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6993960B2 (ja) | リチウムイオン電池用増粘剤粉末、水系電極スラリー、リチウムイオン電池用電極、リチウムイオン電池、リチウムイオン電池用水系電極スラリーの製造方法およびリチウムイオン電池用電極の製造方法 | |
JP6304774B2 (ja) | 負極製造用ペーストの製造方法、リチウムイオン二次電池用負極の製造方法、リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池 | |
JP5561567B2 (ja) | 電池の製造方法 | |
US10700356B2 (en) | Method for producing paste for production of negative electrodes, method for producing negative electrode for lithium ion secondary batteries, negative electrode for lithium secondary batteries, and lithium ion secondary battery | |
JP5614578B2 (ja) | 水性組成物の製造方法 | |
KR20150027026A (ko) | 리튬 이온 2차 전지의 전극 및 그 전극용 페이스트의 조제 방법 그리고 그 전극의 제작 방법 | |
JPWO2017217407A1 (ja) | リチウムイオン二次電池 | |
JP2018116819A (ja) | 電極用スラリー、電極及びその製造方法並びに二次電池 | |
JP2004134304A (ja) | 非水二次電池および正極塗料製造方法 | |
JP2019164887A (ja) | 負極製造用ペーストの製造方法、電池用負極電極、電池および電池用負極電極の製造方法 | |
JP7130037B2 (ja) | リチウムイオン電池用電極、リチウムイオン電池用電極スラリー、リチウムイオン電池用電極の製造方法およびリチウムイオン電池 | |
JP7235669B2 (ja) | 水系電極スラリー、リチウムイオン電池用電極、リチウムイオン電池およびリチウムイオン電池用電極の製造方法 | |
JP2016021391A (ja) | 電気化学素子用導電材分散液、電気化学素子正極用スラリー、電気化学素子用正極および電気化学素子 | |
JP7161478B2 (ja) | リチウムイオン電池用水系電極スラリーの製造方法、リチウムイオン電池用電極の製造方法、リチウムイオン電池用増粘剤粉末、水系電極スラリー、リチウムイオン電池用電極およびリチウムイオン電池 | |
JP7274265B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用電極製造用ペーストの製造方法、リチウムイオン二次電池用電極の製造方法およびリチウムイオン二次電池の製造方法 | |
JP2006092760A (ja) | 非水系二次電池の負極用電極板の製造方法 | |
WO2022181151A1 (ja) | リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池、CNT-Siペーストの製造方法、リチウムイオン二次電池用負極の製造方法、リチウムイオン二次電池の製造方法 | |
JP6166013B2 (ja) | 非水電解質二次電池の正極合剤層形成用材料および非水電解質二次電池の製造方法 | |
WO2024053488A1 (ja) | 電池電極用黒鉛分散体 | |
WO2023210466A1 (ja) | 導電材分散液、正極スラリー、非水電解質二次電池用正極の製造方法、非水電解質二次電池用正極、および非水電解質二次電池 | |
JP2013020751A (ja) | リチウムイオン二次電池電極用組成物、電極及び電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210730 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20210730 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220510 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220629 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221004 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221014 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7161478 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |