以下、図面に基づき、本発明の実施の形態を詳述する。本明細書において、各図面の同一参照番号は、同一あるいは類似の構成又は処理を示し、後出の実施の形態の説明では前出の実施の形態との差分のみを説明し、後出の説明を省略する場合がある。また、各実施の形態は、本発明の技術思想の範囲内かつ整合する範囲内で一部又は全部を組合せることができる。
[実施の形態1]
(1)作業管理システムの構成
図1は、実施の形態1に係る作業管理システム1の構成例を示すブロック図である。図1に示したように、作業管理システム1は、スマートデバイス10とセンタ装置20とを備えて構成される。スマートデバイス10とセンタ装置20は、広域ネットワーク30を介して通信可能に接続される。
まず、スマートデバイス10の機能構成を説明する。スマートデバイス10は、エスカレーターの点検・整備作業(以下、単に作業とも称する)に従事する作業者が、作業中に携帯(携行)している情報端末であって、例えばスマートフォン、スマートウォッチ、又はウェアラブルデバイス等である。図1に示したように、スマートデバイス10は、送受信部11、気圧センサ12、気圧センサ値登録部13、表示部14a、入力部b、及び記憶部15を備えて構成される。
送受信部11は、通信インタフェースであり、広域ネットワーク30を介してセンタ装置20とデータの送受信を行う。また、気圧センサ12は、大気圧を検知するセンサである。
気圧センサ値登録部13は、気圧センサ12が測定した気圧センサ値を登録する。具体的には、気圧センサ値登録部13は、気圧センサ12が測定した気圧センサ値を連続的に記憶部15に記録する(気圧センサ値151)とともに、作業者の作業完了後に、記憶部15に記録された気圧センサ値151をセンタ装置20に送信して、センタ装置20の記憶部24に格納する(気圧センサ値243)。
本実施の形態では、逐一、気圧センサ値151をセンタ装置20に送信するものとする。この時、センタ装置20に送信される気圧センサ値151には、スマートデバイス10に搭載された時計(不図示)の時刻情報が付与されている。なお、時計の時刻は、例えば携帯電話会社の通信機器との通信によって定期的に補正されることが好ましく、このような補正が行われることによって、誤差範囲を所定量(例えば1秒未満)に抑制することができる。
表示部14aは、例えば液晶ディスプレイであり、表示機能を備えている。入力部14bは、スマートフォンのタッチパネルのように、表示部14a上から数字や文字情報を入力可能なキーボード機能(入力機能)を備えている。作業者は、入力部14bを操作することによって、センタ装置20の記憶部24に格納されている作業スケジュール241を表示部14aにて確認することができ、作業スケジュール241を確認することで作業先の情報や作業内容を認識することができる。表示部14aにおける表示機能及び入力部14bにおける入力機能は、所定アプリケーションの実行もしくはWebブラウザによるブラウジングにより提供される。
記憶部15は、データを記録するメモリである。具体的には例えば、気圧センサ値登録部13が登録する気圧センサ値151を格納する。
なお、図1に示したスマートデバイス10の各機能構成を実現するハードウェアについて補足すると、気圧センサ値登録部13は、例えばスマートデバイス10に搭載されているCPU(Central Processing Unit)がROM(Read Only Memory)に格納されている所定のプログラムをRAM(Random Access Memory)に読み出して実行することによって実現できる。また上記CPUは、表示部14aにおける表示機能や入力部14bにおける入力機能も制御するようにしてもよい。
次に、センタ装置20の機能構成を説明する。センタ装置20は、複数箇所のエスカレーターを統合的に管理する管理装置であって、例えばサーバやデータベース等によって実現される。センタ装置20は、概して作業者が点検・整備を実施する場所から遠隔の地点、例えば作業者の所属会社の建物等に設置される。図1に示したように、センタ装置20は、送受信部21、作業スケジュール計画部22、作業開始・終了時刻決定部23、記憶部24、及び出力部25を備えて構成される。
送受信部21は、通信インタフェースであり、広域ネットワーク30を介してスマートデバイス10とデータの送受信を行う。
作業スケジュール計画部22は、作業者が複数の作業先を巡回するなかで、どの作業先にいつ訪問するかといった作業スケジュールの計画を受け付け、登録する。具体的には例えば、作業者が作業依頼者(建物の所有者や管理者)と作業日時の調整を行い、センタ装置20の入力部(不図示)に対して所定の入力操作を行うことによって、作業スケジュール計画部22は、入力された作業先や作業日時で作業スケジュールを登録する。登録する作業スケジュールは記憶部24に格納され(作業スケジュール241)、スマートデバイス10からも参照可能となる。
作業開始・終了時刻決定部23は、スマートデバイス10から受信し記憶部24に格納された時系列の相対気圧値(気圧センサ値243)に基づいて、エスカレーターの点検・整備作業の作業開始時刻と作業終了時刻を決定する機能と、点検・整備作業が実施されたか否かを判定する機能を有する。詳細は図4を参照しながら後述するが、作業開始・終了時刻決定部23は、「作業開始・終了時刻決定処理」を実行することにより、記憶部24に格納された気圧センサ値243から作業者の行動推定を行い、作業開始時刻と作業終了時刻を決定することができる。また、作業開始時刻と作業終了時刻を決定できない場合は、点検・整備作業が実施されなかったものと判定することができる。
記憶部24は、データを記録するメモリである。具体的には図1に示したように、記憶部24には、作業スケジュール241、作業開始・終了時刻242、気圧センサ値243、及び作業実績244が格納される。
このうち、作業スケジュール241は、作業スケジュール計画部22によって登録されるデータである。作業開始・終了時刻242は、図4で後述する作業開始・終了時刻決定部23によって登録されるデータである。気圧センサ値243、及び作業実績244は、スマートデバイス10から登録・送信されるデータである。
出力部25は、情報をディスプレイ等の出力装置(図示せず)へ出力又は表示する。例えば、出力部25は、作業スケジュール241と、作業スケジュール241に対して入力された作業開始・終了時刻242、気圧センサ値、作業実績244等を表示する。
なお、図1に示したセンタ装置20の各機能構成を実現するハードウェアについて補足すると、作業スケジュール計画部22及び作業開始・終了時刻決定部23は、例えばセンタ装置20に搭載されているCPUがROMに格納されている所定のプログラムをRAMに読み出して実行することによって実現できる。
そして、広域ネットワーク30は、インターネットやLTE(Long Term Evolution、登録商標)、WAN(Wide Area Network)等に代表される広域通信回線網であり、スマートデバイス10とセンタ装置20との間で各種データをやり取りする通信手段である。以上が、本実施の形態に係る作業管理システム1の構成である。
(2)エスカレーターの点検・整備作業と相対気圧値の変化
本実施の形態に係る作業管理システム1では、作業者が携帯しているスマートデバイス10の電源が入っている間(スマートデバイス10で所定のアプリケーションが動作している間でもよい)、気圧センサ12が気圧を測定している。そして、作業者によってエスカレーターの点検・整備が実施される際は、作業者が対象の建物に入館してから点検・整備を実施して退館するまでの間、気圧センサ値登録部13は、気圧センサ12によって測定された気圧センサ値を連続的に捕捉し、基準点(例えば入館時の1階)における気圧センサ値を基準値「0」として、相対的な気圧値(以後、相対気圧値と称する)の変化を記憶部15に記録する。
図2は、点検・整備作業の作業手順の一例を示すフローチャートである。図2には、本実施の形態で対象とされるエスカレーターの点検・整備作業の手順が示されている。
エスカレーターの作業は一般的に2人で行うこととなっており、作業中に2人の作業位置が同じ場所にとどまり続けることはない。理由としては、利用者や作業者自身の安全のためである。また、エスカレーターには各種機器が設置されている上部及び下部の機械室があり、また中間部にも安全装置等の機器が設置されているが、これらの機器等に対する複数の点検項目(例えば外圧スイッチの確認やオーバーホール)を限られた作業時間内で効率的に消化するために、2人の作業者が各々、作業を分担して作業を行うためである。ここで、2人の作業者を説明の都合上、作業者A、作業者Bとする。
作業者Aはスマートデバイス10(スマートデバイスA)、作業者Bはスマートデバイス10(スマートデバイスB)を常に携行している。それらの用途として例えば、2人の作業者は、各々が携行するスマートデバイス10の入力部14bを操作することにより、センタ装置20の記憶部24に格納された作業スケジュール241を参照して、当日の作業スケジュールを確認し、作業内容や作業の開始/終了時刻、作業先の建物の住所等を把握することができる。
図2によれば、まず、2人の作業者は、ステップS1では、点検巡回拠点の事務所を出発し、エスカレーターが敷設された作業先の建物へ同伴して移動する。
次に、2人の作業者は、ステップS2では、エスカレーターが敷設された作業先の建物に入館する。2人の作業者は、各々が携行するスマートデバイス10の入力部14bを操作して、センタ装置20の記憶部24の作業スケジュール241に対する作業実績として「入館」を入力する。この入力は2人の作業者それぞれが行う。この入館登録の目的として、点検巡回拠点の事務所で待機する作業者の監督者が作業者の現在地を把握し、別の現場で故障が発生した際、その別の現場に近い作業者を急行させることができるようにするためである。
この入館登録が行われたとき、気圧センサ値登録部13は、気圧センサ12が測定した気圧センサ値を基準値「0」として設定する。スマートデバイスAとスマートデバイスBの相対気圧値がほぼ同じであるため、2人の作業者が同じ階にいることがわかる。
次に、2人の作業者は、ステップS3において、エスカレーターの点検・整備作業を行う前に、建物内の監視室を訪問し、作業依頼者(建物の所有者や管理者)への挨拶及び作業開始の連絡を実施する。
次に、2人の作業者は、ステップS4において、安全ミーティングを実施する。この作業は、事故防止のため、点検・整備作業の種類を問わず、作業開始前に作業者同士が同じ場所で必ず行う必要がある。その後、乗客がエスカレーターに乗り込まないように、安全柵の設置のため、例えば作業者Aは下部乗場、作業者Bは上部乗場へ移動する。通常、上り運転のエスカレーターの場合、2人の作業者は、下部乗場と上部乗場に分かれ、下部乗場に安全柵を設置し、乗客が全員エスカレーターから降りたことを確認した後、上部乗場にも完全柵を設置する。下り運転の場合は、2人の作業者は、その逆手順で安全柵の設置を行う。
次に、2人の作業者は、ステップS5において、点検・整備作業を実施する。本実施の形態における点検・整備作業は、上部及び下部の機械室それぞれでの機械室整備及び確認項目点検を含み、作業効率化のために作業者A及び作業者Bが各々、エスカレーターの上部及び下部の機械室へ分かれて作業を分担する。
次に、2人の作業者は、ステップS6において、エスカレーターの点検・整備作業の終了後に、点検・整備作業結果の報告書を作成する。この作業は、作業依頼者(建物の所有者や管理者)への作業完了の報告を書面等で行うため、作業終了後に必ず行う必要がある。
次に、2人の作業者は、ステップS7において、エスカレーターの点検・整備作業を終了するために、ステップS4で設置した上部乗場と下部乗場の安全柵を撤去する。作業者Aは下部乗場、作業者Bは上部乗場の安全柵を撤去する。通常、下部と上部に作業者が分かれて、上部乗場の安全柵を撤去した後、下部乗場の安全柵を撤去する、あるいは上部乗場及び下部乗場に設置した安全柵を同時に撤去する。
次に、2人の作業者は、ステップS8において、エスカレーターの点検・整備作業が終了して退館する前に、作業依頼者(建物の所有者や管理者)へ作業完了の連絡と報告書の提出を実施する。この作業は、顧客へ作業内容と結果の説明のため、退館する前に必ず行う必要がある。
その後、2人の作業者は、ステップS9において、建物を退館する。2人の作業者は、それぞれが携行するスマートデバイス10の入力部14bを操作して、センタ装置20の記憶部24の作業スケジュール241に対する作業実績として「退館」を入力する。この入力も2人の作業者それぞれが行う。
なお、作業者は、点検・整備作業の作業中や作業後にスマートデバイス10の入力部14bを操作して、センタ装置20の記憶部24の作業スケジュール241に対する作業実績を入力する。当該入力が行われると、センタ装置20の記憶部24に「仮完了」のステータスで作業実績244を格納する。作業実績244には、関連付け可能な複数のステータスが用意されており、本実施の形態では、例えば「未実施」、「入館」、「仮完了」、「退館」、及び「実施済」のステータスが用意されているものとする。以上が、本実施の形態におけるエスカレーターの点検・整備作業の一例である。
前述したように、本実施の形態に係る作業管理システム1では、上記の点検・整備の間、作業者が携帯しているスマートデバイス10においてセンサ気圧値が測定され、基準点(例えば入館時の1階)における気圧センサ値を基準値「0」とした相対気圧値の時系列変化が記憶部15に記録される。そして、記憶部15に記録された相対気圧値の時系列データはセンタ装置20に送信され、記憶部24において気圧センサ値243として格納される。
ここで、気圧値は垂直方向で変動する変動情報であることから、一連の点検・整備作業における相対気圧値の時系列変化は、点検・整備における作業者の垂直方向の移動と相関する。従って、センタ装置20において、作業開始・終了時刻決定部23は、2人の作業者の気圧センサ値の差が変化する時刻と記憶部24に格納されている作業スケジュール241を用いて、各階床の相対気圧値の基準値(相対気圧基準値)を算出することができる。そして、算出した相対気圧基準値と記憶部24に格納された時系列の相対気圧値(気圧センサ値243)とを比較することにより、点検・整備作業において2人の作業者それぞれが各時刻に何れの階に居たか、という作業者の行動を詳細に追跡・把握することができる。また、退館時刻から安全柵の撤去までの時間は、顧客との折衝や点検・整備作業以外の作業で費やした時間と見なせる。
図3Aは、点検・整備作業が実施されたときの相対気圧値の時系列変化(2人の作業者位置)の一例を示すグラフである。また図3Bは、図3Aに示す2つの相対気圧値の時系列変化における差分絶対値(相対気圧値差分)の時系列変化の一例を示すグラフである。
図3Aの左側には、作業者Aと作業者Bの位置に対応する気圧値(上部乗場と下部乗場の間)が表されている。上部乗場は、下部乗場よりも気圧センサ値が低い。本実施の形態では、顧客が在勤する管理人室は建物の2階、エスカレーターは建物の1階と2階の間に敷設されているものとする。
また、図3Aに示した相対気圧値の時系列変化のグラフは、縦軸に相対気圧値、横軸に時間経過が表されている。相対気圧値は、基準階(本実施の形態では1階)における大気圧を基準気圧値「0」とする。図3Aでは、図2で示したステップS1~S9の点検・整備作業の各工程を「(1)移動中」~「(9)退館」で示し、各工程に対応する相対気圧値の変化(気圧センサ12による測定値に基づく相対気圧値を時系列でプロットした線グラフ)に、波形AH1~AH8(作業者A)、波形BH1~BH8(作業者B)の符号を付している。
また、図3Bに示した気圧差絶対値の時系列変化のグラフは、縦軸に気圧値絶対値、横軸に時間経過が表されている。図3Bでは、図2で示したステップS1~S9の点検・整備作業の各工程を「(1)移動中」~「(9)退館」で示し、各工程に対応する気圧差絶対値の変化(図3Aに示す作業者A及び作業者Bに対応する気圧センサ12による測定値の差分の絶対値を時系列でプロットした線グラフ)に、波形CH1~CH8の符号を付している。
以下に、図3Aの破線で示す各波形AH1~AH8、BH1~BH8、及び図3Bの一点鎖線で示す各波形CH1~CH8について、図2に示した点検・整備作業の各工程の進行と対照しながら詳しく説明する。
まず、図3Aの「(1)移動中」の波形AH1及びBH1で示される各気圧センサ値151は、2人の作業者が事務所からエスカレーターが敷設された作業先の建物まで同行するので、ほぼ同じ数値である。波形AH1及びBH1で示される気圧変化の差分絶対値は、図3Bの波形CH1で示されるように「0」である。気圧センサ値登録部13は、作業実績244におけるステータス「入館」以前の気圧センサ値は、収集してもチェックせずともよい。
次に、2人の作業者は、それぞれが入館した時にスマートデバイス10の入力部14bを操作して、センタ装置20の記憶部24の作業スケジュール241に対する作業実績として「入館」を入力する(図2のステップS2、図3A及び図3Bの「(2)入館」)。「入館」が入力されると、気圧センサ値登録部13は、気圧センサ12が測定した気圧センサ値を基準値「0」として設定し、以後、気圧センサ12が測定した気圧センサ値を、基準値「0」に対する相対値(相対気圧値)へ変換して扱う。
一般に、気圧センサ12は測定誤差が少なからず発生する可能性があるが、気圧センサ値登録部13が「入館」登録時に基準値「0」を設定し、以後は相対期待値で気圧センサ値を扱うことにより、それまでに累積した測定誤差をリセットし、一連の点検・整備作業の実施中における測定誤差を低減することができる。
以下、監視室が2階にあることを例として説明する。図3Aの「(3)挨拶」の波形AH2及びBH2で示される各気圧センサ値151は、2人の作業者が挨拶及び作業開始の連絡を実施するために1階から2階へ移動するのに伴って、同様に下降する。続いて、波形AH2及びBH2で示される各気圧センサ値151は、2人の作業者が同伴して、監視室で顧客挨拶を行い、点検・整備作業前に上部乗場付近で安全ミーティングを実施等することから、それらの差が「0」に収束している。このことから、作業者A及び作業者Bが同一行動をとっていることが確認できる。よって、「(3)挨拶」の波形AH2及びBH2の差分絶対値は、図3Bの波形CH2で示されるように「0」である。
その後、点検・整備作業を開始するために、作業者A及び作業者Bが各々、エスカレーターの上部及び下部へ分散移動して安全柵の設置作業を行う(図2のステップS4、図3A及び図3Bの「(4)柵設置」)。このため、「(4)柵設置」の波形AH3で示されるように、2階に引き続き留まる作業者Aの相対気圧値は変化しない。一方、波形BH3で示されるように、2階から1階へ移動する作業者Bの相対気圧値は上昇する。よって、「(4)柵設置」における波形AH3及びBH3の差分絶対値は、図3Bの波形CH3のように、「(2)入館」後に、相対気圧値の差が初めて発生する。「(2)入館」後に、相対気圧値の差が初めて発生した時刻が、作業開始時刻として登録される。
次に、2人の作業者は、エスカレーターの点検・整備作業を行う(図2のステップS5、図3A及び図3Bの「(5)点検・整備」)。点検・整備作業は、上部及び下部の乗場にそれぞれに機械室整備及び確認項目点検があり、作業効率化のため作業者A及び作業者Bが各々、エスカレーターの上部及び下部の機械室へ分かれて作業を行う。このような上部乗場と下部乗場の往復の繰返しにより、図3Aの波形AH4及びBH4に示されるように、作業者A及び作業者Bの相対気圧値の変化は、上部階と下部階の間を移動する形状のグラフとなる。よって、「(5)点検・整備」における波形AH4及びBH4の差分絶対値は、図3Bの波形CH4のように、「0」と「最大値」の間を移動する形状のグラフとなる。
次に、2人の作業者は、顧客への説明のため、上部乗場付近で点検整備結果報告書を作成する(図2のステップS6、図3A及び図3Bの「(6)報告書」)。その時のスマートデバイス10(スマートデバイスA及びスマートデバイスB)の相対気圧値は、波形AH5及びBH5に示されるようになり、図3Bの波形CH5も「0」となる。スマートデバイス10から受信して記憶部24に格納される時系列の相対気圧値(気圧センサ値243)に基づいて、エスカレーターの点検・整備作業の終了時刻が仮決定される。
次に、報告書作成が完了すると、作業者A及び作業者Bが各々、エスカレーターの上部及び下部へ分散移動して安全柵の撤去作業を行う(図2のステップS7、図3A及び図3Bの「(7)柵撤去」)。このため、「(7)柵撤去」の波形AH6で示されるように、2階に引き続き留まる作業者Aの相対気圧値は変化しない。一方、波形BH6で示されるように、作業者Bの相対気圧値は、2階から1階へ移動するに伴い上昇し、1階から2階へ移動するに伴い下降する。よって、「(7)柵撤去」における波形AH6及びBH6の差分絶対値は、図3Bの波形CH6のように、相対気圧値の差が発生する。この相対気圧値の差が発生した時刻が、仮の作業終了時刻として登録される。
そして点検・整備作業の全工程が終了すると、図3Aの「(8)挨拶」の気圧変化波形AH7及びBH7で示される各気圧センサ値151は、2人の作業者が共に2階で挨拶及び作業終了の連絡を実施(図2のステップS8、図3A及び図3Bの「(8)挨拶」)後、共に1階へ降りるに伴って同様に上昇する。
次に、2人の作業者は、それぞれが退館した時にスマートデバイス10の入力部14bを操作して、センタ装置20の記憶部24の作業スケジュール241に対する作業実績として「退館」を入力する(図2のステップS9、図3A及び図3Bの「(9)退館」)。「退館」が入力されると、気圧センサ値登録部13は、気圧センサ12が測定した気圧センサ値が基準値「0」となっていることを確認する。気圧センサ12が測定した気圧センサ値が基準値「0」となっていれば、時系列の気圧センサ値は正常に収集されたとみなせる。作業者Aのスマートデバイス10(スマートデバイスA)と作業者Bのスマートデバイス10(スマートデバイスB)の気圧センサ値が基準値「0」からずれている場合は、気圧センサ値登録部13で補正調整を行うこともできる。
なお出力部25は、図3Aに示すような、点検・整備作業において2人の作業者それぞれが各時刻に何れの階に居たかの行動追跡情報を出力装置へ出力してもよい。
また点検・整備作業の作業者の数は2人に限られず、上述した図3A及び図3Bに示した気圧変化や気圧差絶対値変化の波形と同様の波形を適切に得ることができれば、3人以上であってもよい。
(3)作業開始・終了時刻決定処理
図2、図3A及び図3Bを参照しながら詳述したように、作業開始・終了時刻決定部23は、2人の作業者の気圧センサ値の差の変化値と点検・整備作業において測定された時系列の相対気圧値(気圧センサ値243)とを比較することにより、点検・整備作業において2人の作業者それぞれがどの時間帯にどの階に居たかという、作業者の垂直方向の移動履歴(行動履歴)を識別することができる。
さらに、作業開始・終了時刻決定部23は、以下の作業開始・終了時刻決定処理を実行することにより、作業者の作業開始・終了時刻を決定し、点検・整備作業が実施されたか否かを判定する。なお、安全柵の設置時刻(図3Bの波形CH3の始点)から入館時刻(「(2)入館」の時刻)を引いた結果の時間と、退館時刻(「(3)退館」の時刻)から安全柵の撤去時刻(図3Bの波形CH6の始点)を引いた結果の時間は、作業従事時間外の時刻と見なせる。
図4は、実施の形態1に係る作業開始・終了時刻の決定処理の処理手順例を示すフローチャートである。2人の作業者のスマートデバイス10(スマートデバイスA及びスマートデバイスB)からセンタ装置20へ、リアルタイムでデータが送信される。リアルタイム通信不可の環境では、スマートデバイス10の記憶部15に送信データを格納しておき、作業完了後で通信可能となったときにセンタ装置20へ送信データを一括送信後、作業開始・終了時刻決定処理が行われる。以下、図4に示す作業開始・終了時刻決定処理が、リアルタイム通信可能な環境でリアルタイム実行される場合を説明する。
なお図4に示す作業開始・終了時刻決定処理は、リアルタイム実行に限らず、当該点検・整備作業に関する気圧センサ値243及び作業実績244が記憶部24に揃った任意のタイミング、例えば、作業者が対象の点検・整備作業を終えて作業実績登録が完了した後に実行されてもよい。
まず、ステップS11では、作業開始・終了時刻決定部23は、エスカレーターが敷設された作業先の建物に入館した2人の作業者それぞれのスマートデバイス10から入力部14bに対して「入館」時の操作が入力された旨を受信し、センタ装置20の記憶部24の作業スケジュール241に対する作業実績244として「入館」を入力する。この時、作業開始・終了時刻決定部23は、入館時刻も記録する。なお入館及び入館時刻は、GPS等からの情報をもとに判定してもよい。
次にステップS12では、作業開始・終了時刻決定部23は、2人の作業者それぞれのスマートデバイス10において気圧センサ12が測定し気圧センサ値登録部13が記憶部15に登録した気圧センサ値151を、スマートデバイス10から取得開始する。作業開始・終了時刻決定部23は、スマートデバイス10から時系列で受信した気圧センサ値151を、記憶部24の気圧センサ値243に格納する。なお気圧センサ値登録部13は、入力部14bに対して「入館」時の操作がなされた以降に最初に気圧センサ12が測定した気圧センサ値を基準値「0」として設定し、以後気圧センサ12が測定した気圧センサ値を基準値「0」に対する相対値(相対気圧値)へ変換して気圧センサ値151として扱う。
次にステップS13では、作業開始・終了時刻決定部23は、2人の作業者それぞれのスマートデバイス10から受信した気圧センサ値243に最初に差分が発生した時刻の記録を行う。2人の作業者それぞれのスマートデバイス10から受信した、ほぼ同じ時刻(予め定められた時間差内の時刻)に測定された気圧センサ値243の差分が、予め定められた範囲を超えた場合に、差分が発生したとする。ステップS13では、作業開始・終了時刻決定部23は、気圧センサ値243において2人の作業者それぞれのスマートデバイス10の気圧センサ値の差分が発生した最も早い時刻を作業開始時刻と決定し、記憶部24の作業開始・終了時刻242に格納する。
次にステップS14では、作業開始・終了時刻決定部23は、2人の作業者それぞれのスマートデバイス10から受信した気圧センサ値243の差分が収束した最も遅い時刻の記録を行う。2人の作業者それぞれのスマートデバイス10から受信した、ほぼ同じ時刻(予め定められた時間差内の時刻)に測定された気圧センサ値243の差分が、予め定められた範囲内になった場合に、差分が収束したとする。ステップS14では、作業開始・終了時刻決定部23は、気圧センサ値243において2人の作業者それぞれのスマートデバイス10の気圧センサ値の差分が収束した最も遅い時刻を作業終了時刻と仮決定し、記憶部24の作業開始・終了時刻242に格納する。
次にステップS15では、作業開始・終了時刻決定部23は、エスカレーターが敷設された作業先の建物に入館した2人の作業者それぞれのスマートデバイス10から入力部14bに対して「退館」時の操作が入力された旨を受信したか否かを判定する。作業開始・終了時刻決定部23は、「退館」時の操作が入力された旨を受信した場合(ステップS15YES)、ステップS16へ処理を移し、「退館」時の操作が入力された旨を受信していない場合(ステップS15NO)、ステップS14へ処理を戻す。
ステップS16では、作業開始・終了時刻決定部23は、スマートデバイス10からの気圧センサ値151の取得を終了する。そして、作業開始・終了時刻決定部23は、「退館」時の操作が入力された旨を受信したことに応じて、センタ装置20の記憶部24の作業スケジュール241に対する作業実績244として「退館」を入力する。この時、作業開始・終了時刻決定部23は、退館時刻も記録する。
一方ステップS15NOから移行したステップS14では、作業開始・終了時刻決定部23は、気圧センサ値243を参照し、気圧センサ値243において2人の作業者それぞれのスマートデバイス10の気圧センサ値の差分が収束した最も遅い時刻を仮決定の作業終了時刻とし、記憶部24の作業開始・終了時刻242に上書き格納を繰り返す。
ステップS16に続きステップS17では、作業開始・終了時刻決定部23は、ステップS14で記憶部24の作業開始・終了時刻242に最後に上書き格納された仮決定の作業終了時刻を、本決定の作業終了時刻とする。ステップS17が終了すると、作業開始・終了時刻決定部23は、作業開始・終了時刻の決定処理を終了する。
作業開始・終了時刻の決定処理により、入館時刻、作業開始時刻、作業終了時刻、及び退館時刻が明らかになり、点検・整備作業の作業従事時間を特定ができ、作業者の労務状況を管理することができる。
以上、本実施の形態に係る作業管理システム1によれば、図2、図3A及び図3Bを参照しながら詳述したように、相対気圧値(気圧センサ値151、243)の時系列変化に基づいて、エスカレーターの点検・整備作業(より詳しくは、作業開始、作業終了時刻)における作業者の行動履歴を高精度に追跡・把握することができる。
さらに、図4に示した作業開始・終了時刻決定処理が実行されることにより、例えば当該点検・整備作業において作業者が作業開始と作業終了の際に必ず実施する安全柵の設置作業、安全柵の撤去作業について、相対気圧値の時系列変化に基づいて、正常に作業が実施されたか否かを高精度で判断することができる。かくして、本実施の形態に係る作業管理システム1によれば、点検・整備作業の実働時間を正確に把握することができる。また、管理者は、作業者の高精度な行動履歴から問題点や、作業の予定と実際の差を把握することができるため、作業実施のエビデンスや教育活動等に活用することができる。
[実施の形態2]
上述の実施の形態1では、顧客ごとの点検作業対象のエスカレーターの号機数は、1機であるとした。しかしこれに限らず、顧客ごとの点検作業対象のエスカレーターの号機数は、複数号機であってもよい。
本実施の形態では、図1に示すセンタ装置20の記憶部24の作業スケジュール241、作業開始・終了時刻242、気圧センサ値243、及び作業実績244には、顧客ごとの点検・整備作業対象のエスカレーターの号機情報が含まれている。
本実施の形態では、顧客の号機ごとの点検・整備作業の開始及び終了をセンタ装置20が認識できるようにするために、図5に示すように、「(4)柵設置」の前に「(4a)(顧客の号機ごとの)作業開始」を追加し、「(7)柵撤去」の後に「(7a)(顧客の号機ごとの)作業終了」を追加する。図5は、実施の形態2に係る相対気圧値の時系列変化における2つの相対気圧値の気圧差絶対値の時系列変化の一例を示すグラフである。図5は、実施の形態1の図3Bに対応する、実施の形態2における図である。
そして、本実施の形態における点検・整備作業の各工程の作業手順は、「(1)移動中」、「(2)入館」、「(3)挨拶」、「(4a)(顧客の号機ごとの)作業開始」、「(4)柵設置」、「(5)点検・整備」、「(6)報告書」、「(7)柵撤去」、「(7a)(顧客の号機ごとの)作業終了」、「(8)挨拶」、「(9)退館」、移動中の順序となる。このうち、顧客のエスカレーターの号機ごとに、「(4a)(顧客の号機ごとの)作業開始」、「(4)柵設置」、「(5)点検・整備」、「(6)報告書」、「(7)柵撤去」、「(7a)(顧客の号機ごとの)作業終了」の各工程が繰り返される。
「(4a)(顧客の号機ごとの)作業開始」では、「(4)柵設置」前に、作業対象のエスカレーターの点検・整備作業を開始した2人の作業者により、それぞれのスマートデバイス10から入力部14bに対して「(顧客の号機ごとの)作業開始」時の操作が入力される。
また「(7a)(顧客の号機ごとの)作業終了」では、「(7)柵撤去」後に、作業対象のエスカレーターの点検・整備作業を終了した2人の作業者により、それぞれのスマートデバイス10から入力部14bに対して「(顧客の号機ごとの)作業終了」時の操作が入力される。
さらに本実施の形態2における作業開始・終了時刻の決定処理は、図6に示すようになる。図6は、実施の形態2に係る作業開始・終了時刻の決定処理の処理手順例を示すフローチャートである。
図6に示す実施の形態2に係る作業開始・終了時刻の決定処理では、実施の形態1に係る作業開始・終了時刻の決定処理と比較して、ステップS12がステップS12aへ置き換えられる。またステップS11とステップS12aの間に、ステップS11aの「作業開始確認・時刻記録」が追加される。またステップS15がステップS15aの「(顧客の号機ごとの)作業終了したか?」へ置き換えられる。またステップS15aとステップS16の間に、ステップS16aの「作業終了確認・時刻記録」が追加される。
そしてステップS11aでは、作業開始・終了時刻決定部23は、エスカレーターが敷設された作業先の建物に入館後、作業対象のエスカレーターの点検・整備作業を開始した2人の作業者それぞれのスマートデバイス10から入力部14bに対して「(顧客の号機ごとの)作業開始」時の操作が入力された旨を受信する。そして、作業開始・終了時刻決定部23は、センタ装置20の記憶部24の作業スケジュール241に対する作業実績244として「(顧客の号機ごとの)作業開始」を入力し、(顧客の号機ごとの)作業開始時刻も記録する。
ステップS12aは、ステップS12と概ね同様であるが、次の点が異なる。気圧センサ値登録部13が、入力部14bに対して「(顧客の号機ごとの)作業開始」時の操作がなされた以降に最初に気圧センサ12が測定した気圧センサ値を基準値「0」として設定し、以後気圧センサ12が測定した気圧センサ値を基準値「0」に対する相対値(相対気圧値)へ変換して気圧センサ値151として扱う。すなわち、気圧センサ値を相対気圧値へ変換する基準値が、入力部14bに対して「(顧客の号機ごとの)作業開始」時の操作がなされるごと、つまり「顧客の号機ごと」に更新されることで、気圧センサ値の誤差を低減することができる。
またステップS15aでは、作業開始・終了時刻決定部23は、ある顧客の号機で作業開始した2人の作業者それぞれのスマートデバイス10から入力部14bに対して「(当該顧客の号機の)作業終了」時の操作が入力された旨を受信したか否かを判定する。
またステップS16aでは、作業開始・終了時刻決定部23は、センタ装置20の記憶部24の作業スケジュール241に対する作業実績244として「(顧客の号機ごとの)作業終了」を入力し、(顧客の号機ごとの)作業終了時刻も記録する。
このようにすることで、顧客ごとの点検作業対象のエスカレーターが複数号機であっても、顧客の号機ごとに点検・整備作業の開始時刻、終了時刻、実働時間、現在点検・整備作業中の号機が何れの号機であるか等の進捗状況を、リアルタイムで把握することができる。
(センタ装置の表示部に表示される情報)
図7Aは、実施の形態2に係るセンタ装置の表示部に表示される情報例を示す図である。図7Aでは、顧客ごとに複数号機の点検作業対象のエスカレーターが敷設されていることを前提とする。
図7Aは、ビル管理会社が管理する複数の顧客のビルごとのある日の作業予定、開始時刻、終了時刻、及び作業実績を出力部25により出力装置へ表示する表示画面25aを示す。表示画面25aは、列として顧客名251、号機252、予定作業日時253、開始時刻254、終了時刻255、及び作業実績256を含んでいる。なお表示画面25aは、列として、作業時間を含んでもよい。
顧客名251は、管理対象の顧客を示す。号機252は、同一の管理対象の顧客のビルの中で異なる号機を示す。予定作業日時253は、同一の管理対象の顧客のビルの号機ごとの作業予定日時を表す。顧客名251、号機252、及び予定作業日時253は、例えば作業スケジュール241に基づく情報である。
開始時刻254は、顧客ごとの点検作業対象のエスカレーターが複数号機である本実施の形態において、図6のステップS13で決定された顧客の号機ごとの作業開始時刻である。終了時刻255は、本実施の形態において、図6のステップS14で仮決定された、もしくはステップS17で本決定された顧客の号機ごとの作業終了時刻である。
作業実績256は、一例として、「未実施」、「入館」、「仮完了」、「退館」、及び「実施済」のステータスで表される作業実績244に基づく、作業の進捗を示す情報である。例えば「未実施」は、開始時刻254も終了時刻255も登録されておらず、作業者により「入館」の作業実績も登録されていない顧客の号機の作業スケジュールの進捗状況を示す。
また例えば「入館」は、開始時刻254も終了時刻255も登録されていないが、作業者により「入館」の作業実績が登録されている顧客の号機の作業スケジュールの進捗状況を示す。また例えば「仮完了」は、開始時刻254と、仮決定された終了時刻255とが登録されており、作業者により「仮完了」の作業実績が登録されている顧客の号機の作業スケジュールの進捗状況を示す。
また例えば「退館」は、開始時刻254と、仮決定された終了時刻255と登録されており、作業者により「退館」の作業実績が登録されている顧客の号機の作業スケジュールの進捗状況を示す。また例えば「実施済」は、開始時刻254と、本決定された終了時刻255と登録されており、作業者により「退館」の作業実績が登録されている顧客の号機の作業スケジュールの進捗状況を示す。
図7Aは、例えば顧客名251が「東京〇〇会社」である顧客の点検・整備作業対象となるエスカレーターは、1号機及び2号機の2機であることを示している。例えばビル管理会社の管理者は、表示画面25aを参照することで、当該日における点検・整備作業対象となるエスカレーターの号機ごとに、作業予定及び作業実績を一覧し、各作業の実施の有無を含む進捗状況等の確認をリアルタイムに行うことができる。
(ビルの管理担当者の端末に表示される情報)
図7Bは、図7Aに示した情報のうち、「東京〇〇会社」の顧客名251に該当する最新の作業予定及び作業実績を抽出して、ビルの管理担当者の端末に表示する表示画面25bを示す。図7Bは、実施の形態2に係るビルの管理担当者の端末に表示される情報例を示す図である。例えば「東京〇〇会社」のビル担当者は、Web経由で在勤場所の端末に一定間隔で表示更新される表示画面25bを参照することで、「東京〇〇会社」のビルに敷設された各号機のエスカレーターの作業の実施有無を含む進捗状況等の確認をリアルタイムに行うことができる。
なお号機252を省略し、顧客ごとに予定作業日時253、開始時刻254、終了時刻255、及び作業実績256を表示することで、図7A及び図7Bにそれぞれ示す表示画面25a及び25bは、実施の形態1にも適用可能である。
なお、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形態様が含まれる。前述した実施の形態は、本発明を分かりやすく説明するために説明したものであり、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではなく、適宜、その他の構成にも応用できる。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、図面において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実施には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。