以下に、本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
〔1.第1の情報処理の一例〕
まず、図1を用いて、実施形態にかかる情報処理のうち、第1の情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態にかかる第1の情報処理の一例を示す図である。実施形態にかかる第1の情報処理は、図1に示す情報処理装置100によって行われる。
図1の説明に先立って、図6を用いて、実施形態にかかる情報処理システムについて説明する。図6は、実施形態にかかる情報処理システム1の構成例を示す図である。実施形態にかかる情報処理システム1は、図6に示すように、撮像手段Kと、ドラレコ装置10と、情報処理装置100とを含む。撮像手段K、ドラレコ装置10、情報処理装置100は、ネットワークNを介して有線または無線により通信可能に接続される。なお、図6に示す情報処理システム1には、複数台の撮像手段Kや、複数台のドラレコ装置10や、複数台の情報処理装置100が含まれてよい。
ここで、本願で対象とする駐車場所について説明する。本願で対象とする駐車場所は、パーキングメーター用の駐車場所のように道路に設置される駐車場所(道路に付随する付随型駐車場所等とも言い換えることができる)である。
また、このような道路に設置される駐車場所は、図1の撮像データVG10に示されるように、通常、パーキングメーター毎に存在する駐車区画であって、車両1台を駐車するための駐車区画(駐車スペース)が一の方向(車道の方向)に連なった集合体として、各地の特定のエリアにおいて構成されている。このため、以下の実施形態において、例えば、道路に設置される駐車場所、もしくは、単に駐車場所と表記する場合、かかる駐車場所は、上記のような1つの集合体、および、1つの駐車区画の双方を示すものとする。また、説明するうえで、区別が必要な場合には、適宜、集合体、駐車区画との表現を用いることにする。
また、道路に設置される駐車場所は、上記にような集合体であるため、施設等に併設される一般的な駐車場(コインパーキングもこれに含まれる)と比較して、地理的な広がりがある。このことは、図1の撮像データVG10に示される駐車場所の様子からも明らかである。そして、このため、ある1つの集合体であっても、利用する駐車区画によっては目的地から非常に遠くなってしまうといった問題が発生する。
撮像手段Kは、任意の施設(例えば、電柱、信号、横断歩道、店舗、マンション等)に設置される各種カメラ(例えば、防犯カメラ)である。また、後述するドラレコ(ドライブレコーダー)装置10も撮像手段を備えているため、ドラレコ装置10も撮像手段Kの一種といえる。例えば、撮像手段Kを防犯カメラとするならば、撮像手段Kは、例えば、撮像範囲内に含まれる対象物(例えば、道路、車両、その他人物)を撮像し続ける。そして、撮像手段Kは、例えば、所定期間(例えば、1時間、1日、あるいは、1週間等)毎に、当該所定期間内での継続的な撮像で得られた撮像データを情報処理装置100に送信する。これにより、情報処理装置100は、撮像手段Kから撮像データを取得することができる。
ドラレコ装置10は、ドライブレコーダーに関する端末装置(情報処理装置)であって、車両(移動体の一例)のドライバー(ユーザ)によって利用される情報処理装置である。実施形態にかかるドラレコ装置10は、ドライブレコーダーが内蔵されたカーナビゲーションシステム(カーナビ)用の端末装置であるものとする。言い換えれば、ドラレコ装置10は、ドライブレコーダーとカーナビゲーションシステム用の端末装置とが一体型となった情報処理装置であるものとする。しかしながら、ドラレコ装置10は、ドライブレコーダーと、カーナビゲーションシステム用の端末装置とが別々になっており外部で接続されている状態であってもよいし、ドライブレコーダーだけを指し示してもよい。なお、以下では、本実施形態で提供されるカーナビゲーションサービスを「カーナビZ」とする。
また、ドラレコ装置10は、車外を撮像するカメラ(撮像手段Kの一例)と、カメラによる撮像によって得られた撮像データが表示される表示画面Dとを有する。また、この表示画面Dには、カーナビゲーションシステムによる道案内情報も表示される。また、この表示画面Dには、タッチパネルが採用されているものとする。また、ドラレコ装置10は、ドライバーの音声を集音するマイク(集音部)や、音声を出力するスピーカー(出力部)も有する。また、ドラレコ装置10は、車外ではなく車内の所定の対象(例えば、徂徠バーの顔)を撮像するためのインカメラも備えてよい。インカメラは、例えば、ドライバーの居眠り運転防止の一機能として利用される場合がある。
ここで、実施形態にかかる第1の情報処理が行われるにあたっての前提について説明する。例えば、目的地周辺にパーキングメーター用の駐車場所のように道路に設置される駐車場所があれば、ドライバーはこれを利用したいと考える。また、道路に設置される駐車場所は、取り合いが激しいことが多く、例えば、空車の駐車区画があったとしてもそこを一旦通過し、戻ってきたころには満車となっている、という状況も少なくない。このため、かかる駐車場所付近に到着する頃の駐車場所の満空状況を精度よくドライバーに通知することができれば便利である。
このようなことから、道路に設置される駐車場所付近に到着する頃の、かかる駐車場所の正確な満空状況を通知することができれば便利である。しかし、道路に設置される駐車場所は、一般的な駐車場とは利用状況が異なるうえ、道路に設置されるという構造上、満空状況の変動は外部の各種条件(例えば、曜日、時間帯、周辺環境の有無)の影響を受けやすいといえる。このようなことから、上記の従来技術で示されるような、一般的な駐車場を対象とする満空予測を適用することが困難であるし、仮に、適用したとしても精度よく満空状況を予測することができるとは限らない。
そこで、本実施形態では、道路に設置される駐車場所が、外部の各種条件(例えば、曜日、時間帯、周辺環境の有無)の影響を受けやすいことに着目し、これらの条件下での満空状況の統計を取得し、取得した統計に基づいて、到着予想時刻での満空状況を予測することに注目している。
以上のような前提を踏まえて、実施形態にかかる情報処理装置100は、実施形態にかかる情報処理を行う。具体的には、情報処理装置100は、道路に設置される駐車場所の満空状況を示す満空情報を駐車場所毎に蓄積し、蓄積した満空情報に基づいて、処理対象の移動体が駐車場所に到着する到着予想時刻での駐車場所の満空状況を予測する。以下では、車両を移動体の一例として説明する。例えば、情報処理装置100は、満空情報として、所定の撮像手段によって駐車場所が撮像されることにより得られた撮像データに基づき判定された満空状況を示す満空情報を蓄積する。
また、情報処理装置100は、蓄積された満空情報に基づき得られた駐車場所毎の統計情報であって、所定の条件下での満空状況の統計を示す統計情報に基づいて、到着予時刻での駐車場所の満空状況を予測する。例えば、情報処理装置100は、所定の条件として、曜日、時間帯、駐車場所周辺での天候、または、駐車場所周辺でのイベント(例えば、渋滞や工事)の有無の少なくともいずれか1つの条件下での満空状況を示す満空情報に基づき得られた統計情報に基づいて、到着予想時刻での駐車場所の満空状況を予測する。例えば、情報処理装置100は、統計情報として、満空状況と所定の条件との間での傾向に基づく関係性が駐車場所毎に学習された統計モデルに基づいて、到着予想時刻での駐車場所の満空状況を予測する。この一例として、情報処理装置100は、処理対象の車両が駐車場所に到着する到着予想時刻を示す情報が入力された場合に、到着予想時刻における駐車場所の満空状況を示す情報を出力するモデルに基づいて、到着予想時刻での駐車場所の満空状況を予測する。
以下では、図1を用いて、実施形態にかかる第1の情報処理の一例を手順を追って説明する。また、情報処理装置100が有する記憶部についても適宜説明する。また、実施形態にかかる情報処理装置100は、いずれの撮像手段で取得された撮像データも用いることができるが、本実施形態では、説明を簡単にするために、情報処理装置100は、撮像手段Kの一例である防犯カメラによる撮像によって得られた撮像データのみを第1の情報処理に用いるものとする。もちろん、情報処理装置100は、例えば、ドラレコ装置10による撮像によって得られた撮像データを用いることもできるし、これらの撮像データを併用することもできる。例えば、情報処理装置100は、様々な撮像手段によって得られた撮像データを用いることで、所定の条件下での満空状況を高精度に判定することができるようになる。
図1の例では、防犯カメラである撮像手段Kは、撮影範囲内の対象物を常時撮像している。例えば、撮像手段Kは、このような撮像によって撮像データVG10を得るものとする。撮像データVG10は、所定期間の間、撮像手段Kによって撮像され続けることによって得られた、その期間分の再生時間の動画データである。そして、撮像手段Kは、この撮像データVG10を情報処理装置100に送信する。これにより、情報処理装置100は、撮像手段Kから撮像データVG10を取得する(ステップS11)。
図1の例では、撮像データVG10には、道路L1の所定区間が写されている。そして、この所定区間には、パーキングメーター用の駐車場所PK1が設置されている。すなわち、この所定区間には、各パーキングメーターに対応する1つの駐車区画(1台の車両を駐車させるための駐車区画)の集合体である駐車場所PK1が写されている。
また、図1の例では、道路L1が伸びる方向に沿って地理的広がりを有する駐車場所PK1は、エリアAR11、エリアAR12、エリアAR13、といった3つのエリアに分割されている。以下では、このようなエリアを「駐車区画エリア」と表記する場合がある。そして、各駐車区画エリアには、6つの駐車区画が含まれる。なお、駐車場所PK1を含め、各駐車場所をどのようなエリアで分割するかは任意であってよいし、また、エリアの分割は手作業で行われてもよいし、情報処理装置100による画像解析によって動的に行われてもよい。
次に、情報処理装置100は、撮像データVG10に基づいて、駐車場所PKの満空状況を判定する満空判定を行う(ステップS12)。例えば、情報処理装置100は、撮像データVG10に対応する「曜日」および「時間帯」毎に、当該「曜日」および「時間帯」での、駐車区画エリア毎の満空状況を判定する満空判定を行う。例えば、情報処理装置100は、撮像データVG10から、「曜日」毎の各「時間帯」での撮像データを抽出し、抽出した撮像データを解析することにより、各駐車区画エリアでの満空状況を判定する。そして、情報処理装置100は、判定した満空状況に基づいて、その「時間帯」の間、駐車区画エリアは満車であったか、あるいは、空車であったかを最終決定する。
なお、情報処理装置100は、各車両のドラレコ装置10による撮像によって得られた撮像データに基づき、撮像が行われているリアルタイムにおいて、撮像データに写される駐車区画に対する満空判定を行うこともできる。そして、情報処理装置100は、このとに判定された満空状況も、例えば、以下に説明する統計モデルの生成に適用することができる。したがって、各車両のドラレコ装置10から取得した撮像データに基づき、撮像が行われているリアルタイムにおいて、この撮像データに写される駐車区画に対して、情報処理装置100が行う満空判定、および、かかる満空判定に関する一連の処理を第2の情報処理として、後に図7等を用いて説明する。
次に、情報処理装置100は、ステップS12での満空判定の判定結果(満空状況)に基づく満空情報を満空情報記憶部121に格納する(ステップS13)。例えば、情報処理装置100は、満空情報記憶部121に対して、「曜日」および「時間帯」毎に、当該「曜日」および「時間帯」での、駐車エリア毎の満空状況を示す満空情報を満空情報記憶部121に蓄積させる。
ステップS12およびS13の一例を示す。一つの例として、情報処理装置100が、「2019年2月10日(日)」の「0時台」を対象に、この期間、エリアAR11は満車であったか、あるいは、空車であったかを最終決定する例を示す。例えば、情報処理装置100は、撮像データVG10から、「2019年2月10日(日)」の「0時台」に対応する撮像データを抽出する。そして、情報処理装置100は、抽出した撮像データを解析することにより、エリアAR11に含まれる駐車区画毎に当該駐車区画の満空状況を判定し、判定した満空状況が占める時間が所定の時間条件を満たすか否かに基づいて、期間中エリアAR11は満車であったか、あるいは、空車であったかを決定する。
例えば、かかる所定の時間条件を「時間帯(1時間)のうち50分以上、駐車区画エリア内の8割以上の駐車区画が満車であること」とする。このような状態において、例えば、満空判定による判定結果が、「2019年2月10日(日)」の「0時台」の間、エリアAR11に含まれる6つの駐車区画のうち、4つの駐車区画が常に空車であったことを示していたとする。かかる場合、情報処理装置100は、「2019年2月10日(日)」の「0時台」では、エリアAR11は空車であったと決定する。そうすると、情報処理装置100は、満空情報記憶部121において、対応する入力欄に空車を示す「0」を入力する。かかる入力例については、後ほど図2でも示す。なお、上記のような時間条件は一例に過ぎず、任意の時間条件が設定されてよい。
また別の一つの例として、情報処理装置100が、「2019年2月10日(日)」の「23時台」を対象に、この期間、エリアAR11は満車であったか、あるいは、空車であったかを最終決定する例を示す。例えば、情報処理装置100は、撮像データVG10から、「2019年2月10日(日)」の「23時台」に対応する撮像データを抽出する。そして、情報処理装置100は、抽出した撮像データを解析することにより、エリアAR11に含まれる駐車区画毎に当該駐車区画での満空状況を判定し、判定した満空状況が占める時間条件に基づいて、この期間中エリアAR11は満車であったか、あるいは、空車であったかを決定する。
例えば、ここでの満空判定による判定結果は、「2019年2月10日(日)」の「23時台」のうち50分以上、エリアAR11内に含まれる6つの駐車区画の全てが満車であったことを示していたとする。かかる場合、情報処理装置100は、「2019年2月10日(日)」の「23時台」では、エリアAR11は満車であったと決定する。そうすると、情報処理装置100は、満空情報記憶部121において、対応する入力欄に満車を示す「1」を入力する。かかる入力例については、後ほど図2でも示す。
このように、情報処理装置100は、ステップS12では、「曜日」および「時間帯」毎に、当該「曜日」および「時間帯」での、駐車区画エリア毎の満空状況を判定するとともに、判定した満空状況が占める時間が所定の時間条件を満たすか否かに基づいて、駐車区画エリアは満車であったか、あるいは、空車であったかを決定する。また、このようにして決定された情報は、一種の満空状況を示す満空情報ともいえる。したがって、情報処理装置100は、この満空情報を満空情報記憶部121に蓄積させてゆく。
ここで、図2に実施形態にかかる満空情報記憶部121の一例を示す。図2の例では、満空情報記憶部121は、「道路ID」、「駐車場所ID」、「位置情報」、「エリアID」、「日時情報」といった項目を有する。また、「日時情報」には、「2019年2月10日(日)」といった「曜日」を示す情報や、「0時台」といった「時間帯」を示す情報が含まれる。
「道路ID」は、道路を識別する識別情報を示す。例えば、道路ID「L1」によって識別される道路は、道路L1であることを意味する。「駐車場所ID」は、対応する「道路ID」によって識別される道路に設置される駐車場所を識別する識別情報を示す。例えば、駐車場所ID「PK1」によって識別される駐車場所は、駐車場所PK1であることを意味する。「位置情報」は、対応する「駐車場所ID」によって識別される駐車場所の位置を示す位置情報である。一例としては、「位置情報」は、対応する「駐車場所ID」で識別される駐車場所が、道路のどの位置の区間に設置されているかを示す位置情報である。「エリアID」は、駐車区画エリアを識別する識別情報を示す。例えば、エリアID「AR11」によって識別される駐車区画エリアは、エリアAR11であることを意味する。
このような状態において、例えば、項目「2019年2月10日(日)」と、項目「0時台」と、項目「AR11」(エリアID)とによって対応付けられる入力欄には、ステップS12での満空判定の判定結果を示す満空情報が入力される。より具体的には、項目「2019年2月10日(日)」と、項目「0時台」と、項目「AR11」(エリアID)とによって対応付けられる入力欄には、満空判定による判定結果が所定の時間条件を満たすか否かに基づき決定された満空情報が入力される。ステップS12で示した上記例によると、情報処理装置100は、「2019年2月10日(日)」の「0時台」においてエリアAR11内の駐車区画毎に満空判定した判定結果と、所定の時間条件とを比較し、「2019年2月10日(日)」の「0時台」では、エリアAR11は空車であったと決定している。このため、項目「2019年2月10日(日)」と、項目「0時台」と、項目「AR11」(エリアID)とによって対応付けられる入力欄には、空車であることを示す「0」が入力されている。
また、ステップS12で示した上記例によると、情報処理装置100は、「2019年2月10日(日)」の「23時台」においてエリアAR11内の駐車区画毎に満空判定した判定結果と、所定の時間条件とを比較し、「2019年2月10日(日)」の「23時台」では、エリアAR11は満車であったと決定している。このため、項目「2019年2月10日(日)」と、項目「23時台」と、項目「AR11」(エリアID)とによって対応付けられる入力欄には、満車であることを示す「1」が入力されている。
情報処理装置100は、所定期間に渡る撮像データに基づき「曜日」および「時間帯」毎に、当該「曜日」および「時間帯」で満空判定を行うことで、当該「曜日」および「時間帯」での満空状況を決定する。このため、満空情報記憶部121には、「曜日」および「時間帯」毎の満空情報が蓄積されてゆく。
次に、情報処理装置100は、満空状況と、所定の条件(例えば、曜日、時間帯、天候、イベント等)との間での傾向分析(統計的傾向の分析)を行うことにより、傾向を学習されたモデルである統計モデルを生成する(ステップS14)。例えば、情報処理装置100は、各曜日の時間帯毎に、当該時間帯での天候「晴」(または、天候「雨」)条下での満空状況の傾向を分析し、分析した傾向を学習されたモデルを生成する(生成処理パターン1)。また、例えば、情報処理装置100は、各曜日の時間帯毎に、当該時間帯でイベント(例えば、工事や渋滞)が起きている条件下での満空状況の傾向を分析し、分析した傾向が学習されたモデルを生成する(生成処理パターン2)。
まず、生成処理パターン1の一例について、図2および図3を用いて説明する。図3は、実施形態にかかる統計情報記憶部122の一例を示す図である。例えば、満空情報記憶部121において、図2に示すように満空情報が蓄積されているとする。このような状態において、情報処理装置100は、例えば、天候情報と照らし合わせて、各曜日の「時間帯」から、天候「晴」(または天候「雨」)だった「時間帯」を特定し、特定した「時間帯」での満空情報を満空情報記憶部121から抽出する。なお、情報処理装置100は、外部の所定のサーバ装置から天候情報を取得することができる。以下では、天候「晴」を例に説明するが、天候「雨」でも同様の処理が行われる。また、処理対象となる天候は、「晴」や「雨」に限定されない。
図2(a)は、情報処理装置100が、満空情報記憶部121から天候「晴」だった「時間帯」での満空情報を抽出している一部の例を示す。図2(a)の例では、情報処理装置100は、天候「晴」だった「時間帯」として、「2019年2月10日(日)」の「2時台」~「22時台」を特定し、この各期間での満空情報を満空情報記憶部121から抽出している。また、図2(a)の例では、情報処理装置100は、天候「晴」だった「時間帯」として、「2019年2月11日(月)」の「0時台」、「1時台」および「2時台」を特定し、この各期間での満空情報を満空情報記憶部121から抽出している。また、図2(a)の例では、情報処理装置100は、天候「晴」だった「時間帯」として、「2019年2月17日(日)」の「23時台」および「0時台」を特定し、この各期間での満空情報を満空情報記憶部121から抽出している。
このように抽出すると、次に、情報処理装置100は、抽出した満空情報を用いて、各曜日の時間帯毎に、当該時間帯での天候「晴」(または、天候「雨」)条下での満空状況の傾向を分析し、分析した傾向を学習されたモデルを生成する。一例を示すと、情報処理装置100は、天候「晴」の条件下では、「日曜」の「8時台」においてエリアAR11内の駐車区画はどのような満空状況の傾向にあるかが学習されたモデルを生成する。また、他の一例を示すと、情報処理装置100は、天候「晴」の条件下では、「日曜」の「9時台」においてエリアAR11内の駐車区画はどのような満空状況の傾向にあるかが学習されたモデルを生成する。
言い換えると、情報処理装置100は、処理対象の車両が駐車場所PK1(または駐車場所PK1の周辺)に到着する到着予想時刻が入力された場合に、かかる到着予想時刻における駐車場所PKの満空状況を示す情報を出力するモデルを生成する。図1および図2の例では、情報処理装置100は、処理対象の車両が駐車場所PK1(または駐車場所PK1の周辺)に到着する到着予想時刻が入力された場合に、到着予想時刻に対応する時間帯での満空状況であって、駐車場所PK1に含まれる駐車区画エリア毎の満空状況を示す情報を出力するモデルを生成する。
情報処理装置100は、生成したモデルを統計情報記憶部122に格納する。生成処理パターン1では、情報処理装置100は、天候「晴」条件下での、各曜日の時間帯毎の満空状況であって、駐車区画エリア毎の満空状況の傾向を学習された統計モデルを生成している。このため、情報処理装置100は、天候「晴」条件下での各統計モデルを、例えば、統計情報記憶部122-1(a)に格納する。図3(a)に示す統計情報記憶部122-1(a)には、このときの様子が示されている。また、生成処理パターン1では、情報処理装置100は、天候「雨」条件下での、各曜日の時間帯毎の満空状況であって、駐車区画エリア毎の満空状況の傾向を学習された統計モデルを生成している。このため、情報処理装置100は、天候「雨」条件下での各統計モデルを、例えば、統計情報記憶部122-1(b)に格納する。図3に示す統計情報記憶部122-1(b)には、このときの様子が示されている。
図3の例では、統計情報記憶部122-1(a)は、「道路ID」、「駐車場所ID」、「エリアID」、天候「晴」といった項目を有する。また、天候「晴」には、「日」といった「曜日」を示す情報や、「0時台」といった「時間帯」を示す情報が含まれる。
統計情報記憶部122での「道路ID」、「駐車場所ID」、「エリアID」は、満空情報記憶部121のそれに対応するため説明を省略する。天候「晴」は、天候「晴」条件下で用いることのできるモデルであることを示している。
このような状態において、図3(a)の例では、例えば、天候「晴」項目と、項目「日」と、項目「0時台」と、項目「AR11」(エリアID)とによって対応付けられる入力欄には、統計モデルssM11-24aが入力される。かかる例は、情報処理装置100が、天候「晴」の条件下では、「日曜」の「0時台」においてエリアAR11内の駐車区画はどのような満空状況の傾向(例えば、少なくとも1つは空車の駐車区画がある傾向、あるいは、常に満車の傾向等)にあるかが学習されたモデルとして、統計モデルssM11-24aを生成し入力した例を示す。すなわち、かかる例は、処理対象の車両が駐車場所PK1(または駐車場所PK1の周辺)に到着する到着予想時刻での天候が「晴」と予想される場合であって、かかる到着予想時刻が「0時台」である場合に、この到着予想時刻を入力する対象のモデルとして、統計モデルssM11-24aが生成された例を示す。
また、図3の例では、統計情報記憶部122-1(b)は、「道路ID」、「駐車場所ID」、「エリアID」、天候「雨」といった項目を有する。また、天候「雨」には、「日」といった「曜日」を示す情報や、「0時台」といった「時間帯」を示す情報が含まれる。
このような状態において、図3(b)の例では、例えば、天候「雨」項目と、項目「日曜」と、項目「0時台」と、項目「AR11」(エリアID)とによって対応付けられる入力欄には、統計モデルrsM11-24aが入力される。かかる例は、情報処理装置100が、天候「雨」の条件下では、「日曜」の「0時台」においてエリアAR11内の駐車区画はどのような満空状況の傾向(例えば、少なくとも1つは空車の駐車区画がある傾向、あるいは、常に満車の傾向等)にあるかが学習されたモデルとして、統計モデルrsM11-24aを生成し入力した例を示す。すなわち、かかる例は、処理対象の車両が駐車場所PK1(または駐車場所PK1の周辺)に到着する到着予想時刻での天候が「雨」と予想される場合であって、かかる到着予想時刻が「0時台」である場合に、この到着予想時刻を入力する対象のモデルとして、統計モデルrsM11-24aが生成された例を示す。
次に、生成処理パターン2の一例について、図2および図4を用いて説明する。図4は、実施形態にかかる統計情報記憶部122の一例(2)を示す図である。例えば、満空情報記憶部121において、図2に示すように満空情報が蓄積されているとする。このような状態において、情報処理装置100は、例えば、イベント情報と照らし合わせて、各曜日の「時間帯」から、イベント「工事」(またはイベント「渋滞」)が発生していた「時間帯」を特定し、特定した「時間帯」での満空情報を満空情報記憶部121から抽出する。なお、情報処理装置100は、外部の所定のサーバ装置からイベント情報を取得することができる。以下では、イベント「工事」を例に説明するが、イベント「渋滞」でも同様の処理が行われる。また、処理対象となるイベントは、「工事」や「渋滞」に限定されない。
図2(b)は、情報処理装置100が、満空情報記憶部121からイベント「工事」だった「時間帯」での満空情報を抽出している一部の例を示す。図2(b)の例では、情報処理装置100は、イベント「工事」だった「時間帯」として、「2019年1月7日(日)」~「2019年1月17日(月)」までの「0時台」~「23時台」を特定し、この各期間での満空情報を満空情報記憶部121から抽出している。
このように抽出すると、次に、情報処理装置100は、抽出した満空情報を用いて、各曜日の時間帯毎に、当該時間帯でのイベント「工事」(または、イベント「渋滞」)条下での満空状況の傾向を分析し、分析した傾向を学習されたモデルを生成する。一例を示すと、情報処理装置100は、エリアAR11付近においてイベント「工事」発生していた条件下では、「日曜」の「8時台」においてエリアAR11内の駐車区画はどのような満空状況の傾向にあるかが学習されたモデルを生成する。また、他の一例を示すと、情報処理装置100は、エリアAR11付近においてイベント「工事」発生していた条件下では、「日曜」の「9時台」においてエリアAR11内の駐車区画はどのような満空状況の傾向にあるかが学習されたモデルを生成する。
なお、工事や渋滞等のイベントは、特定の時間帯しか起こらないことも多く、そうすると、情報処理装置100は、全ての時間帯においてモデルを生成することができない場合がある。また、そもそも周辺において工事や渋滞等のイベントが一切起きていない駐車場所も存在するため、このような場合も情報処理装置100は、モデルを生成することができない。したがって、このようにイベントに関する実績が非常に少ない、あるいは、全く実績がないという実績不足の時間帯については、情報処理装置100は、イベントの実績が十分な時間帯での満空情報に基づき、実績不足の時間帯での満空情報を予測し、予測した満空情報を用いてモデルを生成してよい。また、道路状況や周辺環境が類似している等により利用状況が比較的近しい道路でのイベント実績が揃っている場合には、情報処理装置100は、この実績が示す満空情報に基づき、実績不足の時間帯での満空情報を予測し、予測した満空情報を用いてモデルを生成してよい。
情報処理装置100は、生成したモデルを統計情報記憶部122に格納する。生成処理パターン2では、情報処理装置100は、イベント「工事」が発生していた条件下での、各曜日の時間帯毎の満空状況であって、駐車区画エリア毎の満空状況の傾向を学習された統計モデルを生成している。このため、情報処理装置100は、イベント「工事」が発生していた条件下での各統計モデルを、例えば、統計情報記憶部122-2(a)に格納する。図4(a)に示す統計情報記憶部122-2(a)には、このときの様子が示されている。また、生成処理パターン2では、情報処理装置100は、イベント「渋滞」が発生していた条件下での、各曜日の時間帯毎の満空状況であって、駐車区画エリア毎の満空状況の傾向を学習された統計モデルを生成している。このため、情報処理装置100は、イベント「渋滞」が発生していた条件下での各統計モデルを、例えば、統計情報記憶部122-2(b)に格納する。図4に示す統計情報記憶部122-2(b)には、このときの様子が示されている。
図4の例では、統計情報記憶部122-2(a)は、「道路ID」、「駐車場所ID」、「エリアID」、イベント「工事」といった項目を有する。また、イベント「工事」には、「日」といった「曜日」を示す情報や、「0時台」といった「時間帯」を示す情報が含まれる。
統計情報記憶部122での「道路ID」、「駐車場所ID」、「エリアID」は、満空情報記憶部121のそれに対応するため説明を省略する。イベント「工事」は、「工事」が発生している条件下で用いることのできるモデルであることを示している。
このような状態において、図4(a)の例では、例えば、イベント「工事」項目と、項目「日曜」と、項目「0時台」と、項目「AR11」(エリアID)とによって対応付けられる入力欄には、統計モデルcsM11-24aが入力される。かかる例は、情報処理装置100が、イベント「工事」が発生していた条件下では、「日曜」の「0時台」においてエリアAR11内の駐車区画はどのような満空状況の傾向(例えば、少なくとも1つは空車の駐車区画がある傾向、あるいは、常に満車の傾向等)にあるかが学習されたモデルとして、統計モデルcsM11-24aを生成し入力した例を示す。すなわち、かかる例は、処理対象の車両が駐車場所PK1(または駐車場所PK1の周辺)に到着する到着予想時刻において駐車場所PK1付近で「工事」が発生していると予想される場合であって、かかる到着予想時刻が「0時台」である場合に、この到着予想時刻を入力する対象のモデルとして、統計モデルcsM11-24aが生成された例を示す。
また、図4の例では、統計情報記憶部122-2(b)は、「道路ID」、「駐車場所ID」、「エリアID」、イベント「渋滞」といった項目を有する。また、イベント「渋滞」には、「日」といった「曜日」を示す情報や、「0時台」といった「時間帯」を示す情報が含まれる。
このような状態において、図4(b)の例では、例えば、イベント「渋滞」項目と、項目「日曜」と、項目「0時台」と、項目「AR11」(エリアID)とによって対応付けられる入力欄には、統計モデルtsM11-24aが入力される。かかる例は、情報処理装置100が、イベント「渋滞」が発生していた条件下では、「日曜」の「0時台」においてエリアAR11内の駐車区画はどのような満空状況の傾向(例えば、少なくとも1つは空車の駐車区画がある傾向、あるいは、常に満車の傾向等)にあるかが学習されたモデルとして、統計モデルtsM11-24aを生成し入力した例を示す。すなわち、かかる例は、処理対象の車両が駐車場所PK1(または駐車場所PK1の周辺)に到着する到着予想時刻において駐車場所PK1付近で「渋滞」が発生していると予想される場合であって、かかる到着予想時刻が「0時台」である場合に、この到着予想時刻を入力する対象のモデルとして、統計モデルtsM11-24aが生成された例を示す。
なお、図2~図4に示されるように、第1の情報処理では、情報処理装置100は、天候条件と、イベント条件とを分けてそれぞれに対応する統計モデルを生成している。しかしながら、情報処理装置100は、例えば、天候「晴」でかつイベント「工事」が発生していた場合にはどのような満空状況の傾向にあるかを、駐車区画エリア毎、および、時間帯毎に学習された統計モデルを生成してもよい。
図2~図4を用いて、図1のステップS14のモデル生成の一例について説明してきた。ここからは、図1の説明に戻る。次に、情報処理装置100は、カーナビZ上で目的地を設定した車両(すなわち処理対象の車両)が存在するか否かを判定する(ステップS15)例えば、情報処理装置100は、カーナビZを提供する外部のサーバ装置にアクセスすることで、カーナビZ上で目的地を設定した車両(すなわち処理対象の車両)が存在するか否かを判定する。情報処理装置100は、処理対象の車両が存在しない場合には(ステップS15;No)、処理対象の車両が現れるまで待機する。
一方、情報処理装置100は、処理対象の車両が存在する場合には(ステップS15;Yes)、その処理対象の車両が目的地に到着する到着予想時刻を取得する(ステップS16)。例えば、情報処理装置100は、カーナビZを提供する外部のサーバ装置にアクセスすることで、処理対象の車両が目的地に到着する到着予想時刻を取得してもよいし、目的地に基づいて自装置側で到着予想時刻を取得(算出)してもよい。図1の例では、情報処理装置100は、ステップS15において、処理対象の車両として、目的地Oを設定した車両C8の存在を確認し、また、ステップS16において、目的地Oへの到着予想時刻「2019年2月24日(日)の22時30分」を取得したとする。
また、図1では不図示であるが、情報処理装置100は、例えば、目的地O付近(例えば、目的地Oを中心とする半径所定距離以内のエリア)における駐車場所の有無も判定し、駐車場所が存在すると判定した場合には、この駐車場所への到着予想時刻も例えば「2019年2月24日(日)の22時30分」と定める。説明を簡単にするために、図1の例では、情報処理装置100は、目的地O付近には駐車場所PK1が存在することにより、車両C8が駐車場所PK1に到着する到着予想時刻として、「2019年2月24日(日)の22時30分」を定めたとする。
このような状態において、情報処理装置100は、車両C8が目的地O付近の駐車場所PK1に到着する到着予想時刻である「2019年2月24日(日)の22時30分」での、駐車場所PK1の満空状況を予測するうえで最適な統計モデルを統計情報記憶部122から抽出する(ステップS17)。例えば、情報処理装置100は、「日曜日の22時台」、「2019年2月24日(日)の22時台」での天候、「2019年2月24日(日)の22時台」での駐車場所PK1付近でのイベント(例えば、工事や渋滞)の有無に基づいて、駐車場所PK1の満空状況を予測するうえで最適な統計モデルを統計情報記憶部122から抽出する。例えば、情報処理装置100は、天候情報に基づき「2019年2月24日(日)の22時台」での天候「晴」を特定するとともに、イベント情報に基づき「2019年2月24日(日)の22時台」ではイベント無しを特定したとする。
このように特定した場合、情報処理装置100は、天候「晴」に対応する統計情報記憶部122-1(a)から、「日曜」、「22時台」、エリアID「AR11」に対応付けられる統計モデルssM11-22aを抽出する。また、情報処理装置100は、天候「晴」に対応する統計情報記憶部122-1(a)から、「日曜」、「22時台」、エリアID「AR12」に対応付けられる統計モデルssM12-22aを抽出する。また、情報処理装置100は、天候「晴」に対応する統計情報記憶部122-1(a)から、「日曜」、「22時台」、エリアID「AR13」に対応付けられる統計モデルssM13-22aを抽出する。
次に、情報処理装置100は、ステップS17で抽出した統計モデルに対して「到着予想時刻」を入力し、出力された満空情報に基づいて、「到着予想時刻」での満空状況を予測する(ステップS18)。上記例の場合、情報処理装置100は、統計モデルssM11-22aに対して、到着予想時刻「2019年2月24日(日)22時30分」を入力することにより、例えば、この到着予想時刻でのエリアAR11の満空情報を示すスコアを算出する。そして、情報処理装置100は、算出したスコアに基づいて、エリアAR11の満空状況を予測する。例えば、情報処理装置100は、満空情報としてスコア「1」が算出(出力)された場合には、到着予想時刻「2019年2月24日(日)22時30分」では、エリアAR11に含まれる駐車区画は満車である(可能性が高い)と予測する。一方、例えば、情報処理装置100は、満空情報としてスコア「0」が算出(出力)された場合には、到着予想時刻「2019年2月24日(日)22時30分」では、エリアAR11に含まれる駐車区画の中には空車のものがある(可能性が高い)と予測する。
同様にして、情報処理装置100は、統計モデルssM12-22aに対して、到着予想時刻「2019年2月24日(日)22時30分」を入力することにより、この到着予想時刻でのエリアAR12の満空情報を示すスコアを算出する。そして、情報処理装置100は、算出したスコアに基づいて、エリアAR12の満空状況を予測する。同じく、情報処理装置100は、統計モデルssM13-22aに対して、到着予想時刻「2019年2月24日(日)22時30分」を入力することにより、この到着予想時刻でのエリアAR13の満空情報を示すスコアを算出する。そして、情報処理装置100は、算出したスコアに基づいて、エリアAR13の満空状況を予測する。
図1の例では、情報処理装置100は、エリアAR11は「満車である可能性が高い」、エリアAR12は「満車である可能性が高い」、エリアAR13は「満車である可能性が低い」(エリアAR11は空車がある可能性が高い)、と予測したとする。
次に、情報処理装置100は、処理対象の車両である車両C8のドライバーに対して、ステップS18での予測結果を通知する(ステップS19)。例えば、情報処理装置100は、駐車区画エリア毎に、当該駐車区画エリアでの満空状況を示す情報を通知する。上記例の場合、情報処理装置100は、エリアAR11、エリアAR12、エリアAR13それぞれでの満空状況を示す情報を通知する。
例えば、情報処理装置100は、車両C8のドラレコ装置10-8に対して、エリアAR11は「満車である可能性が高い」、エリアAR12は「満車である可能性が高い」、エリアAR11は「満車である可能性が低い」、といったことをドライバーD8に通知するよう制御する。かかる制御に応じて、ドラレコ装置10-8は、エリアAR11は「満車である可能性が高い」、エリアAR12は「満車である可能性が高い」、エリアAR13は「満車である可能性が低い」ことを表示画面Dに表示させることによりドライバーD8に通知する。また、ドラレコ装置10-8は、表示画面Dへの表示とともに音声出力による通知も行うことができる。この点について、図5を用いて説明する。図5は、実施形態にかかる情報通知の一例を示す図である。
図5の例では、ドラレコ装置10-8は、カーナビZで提供される地図情報であって、目的地O周辺を示す地図情報を表示画面Dに表示させている。このような状態において、ドラレコ装置10は、地図情報に含まれる道路L1に対して、駐車場所PK1が存在する区間を例えば、点線で囲みその中にエリアAR11は「満車である可能性が高い」ことを示す情報JAR11と、エリアAR12は「満車である可能性が高い」ことを示す情報JAR12と、エリアAR13は「満車である可能性が高い」ことを示す情報JAR13とを表示させる。なお、このような表示態様は一例に過ぎず、ドラレコ装置10-8がどのような態様で満空情報を通知するかは限定されない。
また、ドラレコ装置10-8は、図5に示す表示態様を説明する音声も出力させることができる。例えば、ドラレコ装置10-8は、車両C8が道路L1に進入するよりも前のタイミング、あるいは、車両C8と駐車場所PK1との距離が所定距離以上離れているタイミングで音声出力させる。例えば、ドラレコ装置10-8は、「目的地O付近は満車である可能性が高いです。手前であれば満車である可能性が低いです」といった音声を出力させる。このような画面通知および音声通知により、ドライバーD8は、一般的な駐車場と比較して地理的広がりが大きい駐車場所において、どの辺りのエリアに空きがあるかを容易に把握することができるようになる。また、ドライバーD8は、このような通知が行われることで、目的地Oにより近いところにも空きがあるかもしれない思い、手前の空きを通過してしまったが、結局その先には空きがなかったという状況を回避することができる。
さて、これまで説明してきたように、実施形態にかかる情報処理装置100は、道路に設置される駐車場所の満空状況を示す満空情報を駐車場所毎に蓄積し、蓄積した満空情報の統計に基づいて、処理対象の車両が駐車場所に到着する到着予想時刻でのこの駐車場所の満空状況を予測する。そして、情報処理装置100は、予測した満空状況をドライバーに通知する。これにより、情報処理装置100は、道路に設置される駐車場所への到着予想時刻における、この駐車場所の満空状況を高精度に予測することができる。
なお、図1の例では、情報処理装置100が、統計情報として、満空状況と所定の条件(例えば、曜日、時間帯、天候、イベント有無)との間での傾向に基づく関係性が駐車場所毎に学習された統計モデルに基づいて、到着予想時刻での駐車場所の満空状況を予測する例を示した。しかし、情報処理装置100は、統計情報として、駐車場所における車両の入れ替わりの頻度の統計を示す統計情報をさらに用いて、到着予想時刻での満空状況を予測する。
例えば、防犯カメラのような撮像手段Kは、長期間一定の範囲を撮像し続けるため、情報処理装置100は、図1の例では、撮像データVG10を解析することにより、「曜日」および「時間帯」毎に、当該「曜日」および「時間帯」での駐車区画エリア毎の車両の入れ替わりの頻度の統計を示す統計情報を取得する。例えば、情報処理装置100は、各曜日の時間帯毎に、当該時間帯での入れ替わり頻度の傾向を駐車区画エリア毎に分析し、分析した傾向を学習されたモデルを生成する。一例としては、情報処理装置100は、到着予想時刻が入力された場合に、入力された到着予想時刻を含む時間帯での入れ替わりの頻度を示すスコアを出力する頻度統計モデルを生成する。
上記例では、情報処理装置100は、「月曜日の22時台」では、エリアAR11は「満車である可能性が高い」、エリアAR12は「満車である可能性が高い」、エリアAR13は「満車である可能性が低い」(エリアAR11は空車がある可能性が高い)、と予測している。また、さらに情報処理装置100は、頻度統計モデルを用いて、「月曜日の22時台」では、エリアAR11は「入れ替わり頻度が高い」、エリアAR12は「入れ替わり頻度が低い」、エリアAR13は「入れ替わり頻度が低い」、と予測したとする。
そうすると、情報処理装置100は、ドラレコ装置10-8に対して、「目的地O付近は現在満車である可能性が高いですが、少し待てば駐車可能になる可能性が高いです」といった通知を行わせることができる。また、情報処理装置100は、ドラレコ装置10-8に対して、「目的地Oにいちばん近いところ辺りは現在満車である可能性が高いですが、少し待てば駐車可能になる可能性が高いです。また、目的地Oから少し離れたところ辺りは現在空車である可能性が高いですがすぐに満車になる可能性があります」といったように、入れ替わりの頻度も絡めて。地理的広がりを有する駐車場所ならではの通知を行わせることができる。このように、情報処理装置100は、入れ替わり頻度の統計も組み合わせた予測を行うことで、よりユーザビリティの高い通知を行うことができる。
〔2.第2の情報処理の一例〕
さて、これまで図1~図4を用いて実施形態にかかる第1の情報処理について説明してきた。ここからは、実施形態にかかる第2の情報処理について説明する。上記の取通り、情報処理装置100は、各車両のドラレコ装置10による撮像によって得られた撮像データに基づき、撮像が行われているリアルタイムにおいて、撮像データに写される駐車区画に対する満空判定を行うこともできる。したがって、かかる満空判定に関する一連の処理を第2の情報処理として以下では説明を行う。
第2の情報処理の説明に先立って、第2の情報処理が行われるにあたっての他の前提についても説明する。例えば、地図上でパーキングメーター用の駐車場所の満空状況が案内されても、取り合いの激しいパーキングメーターも多く存在することから、到着したときには、全ての駐車区画が満車となっている、という状況が起こり得る。このため、例えば、パーキングメーター用の駐車場所付近を通りがかったときに、この駐車場所において、適宜、各駐車区画の満空状況が通知されれば、空車の駐車区画を通り過ぎてしまうことを防止することができる。例えば、一旦、空車の駐車区画を通り過ぎてしまうと、取り合いの激しい駐車場所では、次にこの駐車区画に戻ってきたときには、満車となっていることもあり得る。
このようなことから、道路に設置される駐車場所の満空状況であって、走行付近の駐車場所の満空状況を走行中のドライバーに対して的確に通知することが可能なカーナビやドライブレコーダーがあれば非常に便利であるし、運転の安全性も高まる。
以上のような前提を踏まえて、実施形態にかかる情報処理装置100は、実施形態にかかる第2の情報処理を行う。具体的には、情報処理装置100は、撮像データを取得する。例えば、情報処理装置100は、道路を走行する車両に搭載されたカメラによって撮像された撮像データを取得する。すなわち、情報処理装置100は、車両のドライブレコーダーによって撮像された撮像データを取得する。そして、情報処理装置100は、取得した撮像データに基づいて、撮像データに写される道路に設置される駐車場所の満空状況を判定する。そして、情報処理装置100は、判定結果をドライバー(ユーザ)に通知する。例えば、情報処理装置100は、カメラが搭載された車両が現在走行中の道路に設置される駐車場所であって、当該移動体の進行方向に存在する駐車場所の現在の満空状況を判定する。具体的には、情報処理装置100は、駐車場所として、1台の移動体を駐車させるための駐車区画毎に、当該駐車場所の満空状況を判定する。
また、情報処理装置100は、撮像データに基づいて、撮像データに写される所定の撮像物の撮像態様が所定の条件を満たしているか否かに応じて、駐車場所の満空状況を判定する。例えば、情報処理装置100は、所定の撮像物の撮像態様として、道路上に引かれたライン(例えば、駐車区画を示す白線)が移動体との位置関係に応じてどのように撮像されるかを示す撮像態様であって、ラインの撮像態様が所定の条件を満たしているか否かに応じて、駐車場所の満空状況を判定する。例えば、情報処理装置100は、撮像態様が示す形状であって、所定の撮像物の形状が所定の形状であるか否かに応じて、所定の駐車場所の満空状況を判定する。例えば、情報処理装置100は、所定の撮像物の撮像態様と、当該撮像態様が示すように撮像物が撮像された際の駐車場所の満空状況とが対応付けられた情報により学習されたモデルに基づいて、処理対象の駐車場所の満空状況を判定する。
以下では、図7を用いて、実施形態にかかる第2情報処理の一例を手順を追って説明する。図7は、実施形態にかかる第2の情報処理の一例を示す図である。実施形態にかかる第2の情報処理も図6に示す情報処理システム1に対応する。また、第2の情報処理で対象とする駐車場所は、基本的には、パーキングメーター用の駐車場所のような、道路に設置される駐車場所(駐車区画)であるが、一般的な駐車場やコインパーキング等にも適用されてよい。
ステップS23までの説明は、駐車場所の満空状況を判定する満空判定を行うための、前段階の処理であり、学習モデルを生成するための処理である。学習には、各車両がドライブレコーダーで撮影(録画)しながら、各地を走行することにより収集された撮像データサンプルの実績が用いられる。そして、実績としての撮像データサンプルに対して、正解データ(正解ラベル、教師データ)が指定されることにより、情報処理装置100は、例えば、道路に描かれたライン(白線)がどのように写されているときには、そのラインが駐車区画を示すラインであり、その駐車区画が空車であるのか満車であるのかを学習し、学習結果が反映されたモデルを生成する。
図7では、撮像データサンプルを得るための車両として、車両C1、車両C2、車両C3といった3台の車両が例示されているが、車両の台数に制限は無い。また、車両の車種等にも制限は無い。また、図7の例では、車両C1は、ドライバーD1によって道路L1を運転されており、ドラレコ装置10-1が搭載されている。また、図7の例では、車両C2は、ドライバーD2によって道路L2を運転されており、ドラレコ装置10-2が搭載されている。また、図7の例では、車両C3は、ドライバーD3によって道路L3を運転されており、ドラレコ装置10-3が搭載されている。ドラレコ装置10-1、10-2、10-3を特に区別する必要がない場合には、単にドラレコ装置10と表記する。
そして、車両C1、車両C2、車両C3の各ドラレコ装置10は、例えば、撮像中(録画中)となっている場合には、撮像によって得られた撮像データ(動画像データ)サンプルを随時、情報処理装置100に送信する。一方で、各ドラレコ装置10は、ある期間(例えば、1日、または、1週間)毎に、この期間中に得られた撮像データサンプルをまとめて情報処理装置100に送信してもよい。つまり、ドラレコ装置10が、どのようなタイミングで撮像データを送信するかは限定されない。
情報処理装置100は、各ドラレコ装置10から撮像データサンプルが送信されることにより、送信された撮像データサンプルを取得(受信)し、取得した撮像データサンプルを撮像データ記憶部123に格納する(ステップS21)。図7の例では、ドラレコ装置10-1は、撮像データサンプルとして、撮像データVG1を送信している。よって、情報処理装置100は、ドラレコ装置10-1から撮像データVG1を取得し、撮像データ記憶部123に格納する。なお、図7の例では、撮像データVG1は、ある一場面(一コマ)のみを示したデータとなっているが、撮像データVG1は、実際には、動画長さ30分(再生時間30分)といったように時間の概念を有する。また、図7の例では、ドラレコ装置10-2は、撮像データサンプルとして、撮像データVG2を送信している。よって、情報処理装置100は、ドラレコ装置10-2から撮像データVG2を取得し、撮像データ記憶部123に格納する。撮像データVG2も同様に時間の概念を有する。また、図7の例では、ドラレコ装置10-3は、撮像データサンプルとして、撮像データVG3を送信している。よって、情報処理装置100は、ドラレコ装置10-3から撮像データVG3を取得し、撮像データ記憶部123に格納する。撮像データVG3も同様に時間の概念を有する。撮像データ記憶部123の内部構成については後述する。
このような状態において、情報処理装置100は、正解ラベルを取得する(ステップS22)。情報処理装置100は、撮像データサンプルに対して、人手によってタグ付けされた部分を正解ラベルとして撮像データ記憶部123から取得する。このタグ付けの手法には、任意の手法が用いられる。例えば、作業員は、撮像データサンプルに駐車区画を示すラインが含まれる場合には、そのラインに色塗りし、色塗りした部分の意味をタグ付けする。例えば、作業員は、この部分が「どういうラインなのか」、「どういう色か」等の属性をタグ付けする。また、例えば、駐車区画に車両が駐車されている場合、ラインと、駐車されている車両との位置関係に応じて、ラインは様々な撮像態様を示す(ラインは様々な形状で写される)。したがって、作業員は、ラインが駐車されている車両の影響を受けて様々な撮像態様を示す各場合において、「ラインがこの形状のときは空車」、「ラインがこの形状のときは満車」等のタグ付けを行う。
このようなことから、作業員は、所定の撮像物の撮像態様として、道路上に引かれたラインが車両との位置関係に応じてどのように撮像されるかを示す撮像態様に応じて、各撮像態様での満空状況を示すタグ付けを行うことにより、タグ付けした部分を正解ラベルとして指定する。例えば、作業員は、撮像態様が示す形状であって、道路上に引かれたラインの形状が所定の形状であるか否かに応じて、各形状での満空状況を示すタグ付けを行うことにより、タグ付けした部分を正解ラベルとして指定する。この点について図7に示す各サンプルデータの例を用いて説明する。
撮像データVG1において、正解ラベルCL11は、「コの字形の白ラインは駐車区画であり、空車の場合にはコの字形に見える態様で撮像される」といった意味のタグ付けが行われることにより指定された正解データの一例である。また、正解ラベルCL12は、「横断歩道付近の直線白ラインは停止線であり(駐車区画ではない)、この直線白ライン付近は駐停車禁止エリアのため、満空判定の対象外」といった意味のタグ付けが行われることにより指定された正解データの一例である。また、正解ラベルCL13は、「信号機付近の直線白ラインは停止線であり、また、複数ラインは横断歩道であり、これらのライン付近は駐停車禁止エリアのため、満空判定の対象外」といった意味のタグ付けが行われることにより指定された正解データの一例である。
また、撮像データVG2において、正解ラベルCL21は、「コの字形の白ラインは駐車区画であり、空車の場合にはコの字形に見える態様で撮像される」といった意味のタグ付けが行われることにより指定された正解データの一例である。また、正解ラベルCL22は、「鍵形の白ラインは駐車区画の一部であり、満車の場合には駐車されている車両との位置関係に応じて鍵型に見える態様で撮像される」といった意味のタグ付けが行われることにより指定された正解データの一例である。
また、撮像データVG3において、正解ラベルCL31は、「タイヤ後ろにわずかに見える白い対象物は駐車区画を示す白ラインの一部であり、満車の場合には駐車されている車両との位置関係に応じてこのような態様で撮像される」といった意味のタグ付けが行われることにより指定された正解データの一例である。また、正解ラベルCL32は、「鍵形の白ラインは駐車区画の一部であり、満車の場合には駐車されている車両との位置関係に応じて鍵型に見える態様で撮像される」といった意味のタグ付けが行われることにより指定された正解データの一例である。
上記のような正解ラベルは、撮像データ記憶部123に格納される。また、上記例では、作業員が人手によってタグ付けにより正解ラベル指定を行う例を示したが、手作業のため多くの手間と時間を要する。したがって、この手作業は、自動化または効率化されてもよい。この一例として、情報処理装置100は、教師なし学習や半教師付き学習などを組み合わせたり、強化学習のように報酬と罰を決めることによって、後はアルゴリズムでシミュレートしながら学習し、モデルを生成してもよい。このようなことから、情報処理装置100は、必ずしも教師あり学習でモデルを生成する必要はない。以下では、教師あり学習として説明を進める。
さて、次に、情報処理装置100は、撮像物の撮像態様に応じた満空状況を学習することにより、撮像物の撮像態様に応じた満空状況を学習されたモデルを生成する(ステップS23)。具体的には、情報処理装置100は、所定の撮像物の撮像態様と、当該撮像態様が示すように撮像物が撮像された際の所定の駐車場所の満空状況とが対応付けられた情報により、撮像物の撮像態様に応じた満空状況を学習しモデルを生成する。例えば、情報処理装置100は、撮像物の撮像態様のうち、駐車場所の満空状況に応じた撮像態様を正解データとして学習されたモデルを生成する。
例えば、情報処理装置100は、ステップS22で説明したように、撮像物の撮像態様として、道路上に引かれたラインが車両との位置関係に応じてどのような形状で撮像されるかを示す撮像態様と、各撮像態様での満空状況との組合せを正解データとして用いることにより、ラインがどのようなパターンのときは空車であるのかや、ラインがどのようなパターンのときは空車であるのかを学習しモデルを生成する。
また、例えば、情報処理装置100は、ステップS22で説明したように、撮像物の撮像態様として、道路上に引かれたラインが車両との位置関係に応じてどのような形状で撮像されるかを示す撮像態様と、各撮像態様での満空状況との組合せを正解データとして用いることにより、ラインがどのようなパターンのときは空車であるのか、また、ラインがどのようなパターンのときは満車であるのかを学習しモデルを生成する。
また、例えば、情報処理装置100は、時間帯、天候、周辺の照度等がさらに要素として組み合わされた正解データを用いて、ラインがどのようなパターンや色のときは空車であるか、また、ラインがどのようなパターンや色のときは満車であるのかを学習しモデルを生成する。また、例えば、情報処理装置100は、車両の駐停車が禁止とされる禁止エリアに関する情報も学習することにより、そもそもどのような形状(パターン)のラインが駐車区画のラインであるのかも学習しモデルを生成する。
さらに、情報処理装置100は、上記のような学習により、満空判定の判定結果が通知される処理対象の車両からの撮像データが入力された場合に、この撮像データに写される対象物(例えば、道路上に引かれたライン)の形状(パターン)と、正解データとしての撮像態様が示すラインの形状(パターン)との一致度に基づくスコアであって、駐車場所の満空状況に関する確度を示すスコアを出力するモデルを生成する。生成されたモデルは、情報処理装置100内の所定の記憶部に格納される。なお、情報処理装置100は、道路がメッシュ状に仮想的に分割された各エリアのうち、どのエリアに駐車場所が存在するかを示す位置情報を記憶部内に有している場合がある。かかる場合、情報処理装置100は、駐車場所が存在するエリア毎に、そのエリアの撮像データサンプルに基づき学習されたモデルを生成してもよい。
また、モデルの学習手法については、任意の公知技術が適用可能である。例えば、モデルの生成は、機械学習に関する種々の従来技術を適宜用いて行われてもよい。例えば、モデルの生成は、SVM(Support Vector Machine)等の教師あり学習の機械学習に関する技術を用いて行われてもよい。また、例えば、モデルの生成は、教師なし学習の機械学習に関する技術を用いて行われてもよい。例えば、モデルの生成は、深層学習(ディープラーニング)の技術を用いて行われてもよい。例えば、モデルの生成は、RNN(Recurrent Neural Network)やCNN(Convolutional Neural Network)等の種々のディープラーニングの技術を適宜用いて行われてもよい。なお、上記モデルの生成に関する記載は例示であり、モデルの生成は、取得可能な情報等に応じて適宜選択された学習手法により行われてもよい。
次に、情報処理装置100は、処理対象の車両について、駐車場所の満空状況を判定する判定処理を行い、その判定結果を通知するタイミングであるか否かを判定する(ステップS24)。処理対象の車両は、ドラレコ装置10を有する車両であればどのような車両であってもよい。ここでは、処理対象の車両として、道路L5を走行中の車両C5(ドライバーD5が運転)を例に挙げる。例えば、情報処理装置100は、車両C5の運転態様が所定の条件を満たした場合(例えば、速度が所定速度より遅くなった場合)や、ドライバーD10の身体的挙動が所定の条件を満たした場合(例えば、首を振る等の左右を見渡す挙動が取られた場合)には、上記タイミングであると判定する。情報処理装置100は、かかるタイミングでないと判定した場合には(ステップS24;No)、条件が満たされるまで待機する。一方、情報処理装置100は、かかるタイミングであると判定した場合には(ステップS24;Yes)、ステップS25の処理を行う。
次に、情報処理装置100は、ステップS25で取得した対象撮像データに基づいて、例えば、道路L5に存在するパーキングメーター用の駐車場所の満空状況を判定する満空判定を実行する(ステップS26)。そして、情報処理装置100は、満空判定の判定結果を処理対象の車両C5のドライバーD5に通知する(ステップS27)。なお、例えば、ステップS26での満空判定で判定された満空状況に関する満空情報も、満空情報記憶部121に蓄積されることで、情報処理装置100は、ステップS14で統計モデルを生成することができる。
ここで、実施形態にかかる撮像データは、動画であるため、例えば、1秒間において数十枚もの画像データにおいて構成される。したがって、情報処理装置100が、リアルタイムに撮像データを遂次取得するというのは、車両の走行および走行中の時間経過に応じて変化する画像データを連続的に取得してゆくことを意味する。このため、例えば、車両C5のドラレコ装置10-5から遂次取得された対象撮像データとして、画像データGP5-1、画像データGP5-2、画像データGP5-3を例に挙げる。言い換えれば、ドラレコ装置10-5から遂次取得される動画としての対象撮像データは、画像データGP5-1、画像データGP5-2、画像データGP5-3によって構成されるものとする。
また、画像データGP5-1は、車両C5が道路L5を走行しているときの、ある所定の時刻t1において撮像されたデータであるものとする。また、画像データGP5-2は、車両C5が道路L5を走行しているときの、ある所定の時刻t2において撮像されたデータであるものとする。また、画像データGP5-3は、車両C5が道路L5を走行しているときの、ある所定の時刻t3において撮像されたデータであるものとする。
まず、画像データGP5-1の例について説明する。情報処理装置100は、画像データGP5-1を取得した時点で、画像データGP5-1をモデルに入力することにより、画像データGP5-1に写されている駐車区画が空車である確率(空車率)を算出する。情報処理装置100は、正解データに基づきどのような形状のラインが駐車区画のラインであるかや、このラインが駐車区画のラインである場合、近傍の車両との位置関係に応じてどのような態様で撮像されているときに空車あるいは満車であるかを学習している。したがって、情報処理装置100は、画像データGP5-1に一切ラインが映されてない場合には満空判定を行わない。一方、情報処理装置100は、画像データGP5-1に駐車区画のラインが映されている場合には、このラインに対応する駐車区画について、モデルを用いて空車である確率を算出する。空車である確率を算出するは、満車である確率(満車率)を算出するとも言い換えることができる。
例えば、情報処理装置100は、画像データGP5-1に写されている駐車区画について、所定値(例えば、90%)以上の確率を算出した場合にはその駐車場所は空車であると判定し、所定値(例えば、3%)以下の確率を算出した場合にはその駐車場所は満車であると判定する。この後、図8を用いて詳しく説明するが、画像データGP6-1に写されている駐車区画には、車両C100が駐車されているため満車である。したがって、かかる例では、情報処理装置100は、車両C100が駐車されている駐車区画について、空車率3%以下の確率を算出することになる。そうすると、情報処理装置100は、車両C100が駐車されているこの駐車区画は満車と判定する。
かかる場合、情報処理装置100は、ステップS27において、車両C100が駐車されている駐車区画は満車であることを示す情報を、ドラレコ装置10-5を介してドライバーD5に通知する。例えば、情報処理装置100は、ドラレコ装置10-5の表示画面Dに現在表示されている画像データGP5-1に対して、車両C100が駐車されている駐車区画は満車であることを示す満車情報を重ねて表示させる。このあと図8で説明するが、一例を示すと、情報処理装置100は、「満」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての満車情報IF100を、車両C100が駐車されている駐車区画を囲むようにして表示させる。
次に、画像データGP5-2の例について説明する。同様に、情報処理装置100は、画像データGP5-2を取得した時点で、画像データGP5-2をモデルに入力することにより、画像データGP5-2に写されている駐車区画が空車である確率(空車率)を算出する。例えば、情報処理装置100は、画像データGP5-2に駐車区画のラインが映されている場合には、このラインに対応する駐車区画について、モデルを用いて空車である確率を算出する。
例えば、情報処理装置100は、画像データGP5-2に写されている駐車区画について、所定値(例えば、90%)以上の確率を算出した場合にはその駐車場所は空車であると判定し、所定値(例えば、3%)以下の確率を算出した場合にはその駐車場所は満車であると判定する。次の図8の例では、画像データGP5-2に写されている手前の駐車区画には、車両C110が駐車されているため満車である。したがって、情報処理装置100は、車両C110が駐車されている駐車区画について、空車率3%以下の確率を算出することになる。そうすると、情報処理装置100は、車両C110が駐車されているこの駐車区画は満車と判定する。
また、図8の例によると、画像データGP5-2では、車両C110と車両C120との間には車両一台分の駐車区画が存在し、かかる駐車区画には車両が駐車されていない。したがって、情報処理装置100は、車両C110と車両C120との間に存在するこの駐車区画について、空車率90%以上の確率を算出することになる。そうすると、情報処理装置100は、車両C110と車両C120との間に存在するこの駐車区画は空車と判定する。
以上のような場合、情報処理装置100は、ステップS27において、車両C110が駐車されている駐車区画は満車であることを示す情報、および、車両C110と車両C120との間に存在する駐車区画は空車であることを示す情報をドラレコ装置10-5を介して、ドライバーD5に通知する。例えば、情報処理装置100は、ドラレコ装置10-5の表示画面Dに現在表示されている画像データGP5-2に対して、満車情報および空車情報を重ねて表示させる。このあと図8で説明するが、一例を示すと、情報処理装置100は、「満」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての満車情報IF110を、車両C110が駐車されている駐車区画を囲むようにして表示させる。また、情報処理装置100は、「空」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての空車情報IF115を、車両C110と車両C120との間に存在する駐車区画を囲むようにして表示させる。
次に、画像データGP5-3の例について説明する。同様に、情報処理装置100は、画像データGP5-3を取得した時点で、画像データGP5-3をモデルに入力することにより、画像データGP5-3に写されている駐車区画が空車である確率(空車率)を算出する。例えば、情報処理装置100は、画像データGP5-3に駐車区画のラインが映されている場合には、このラインに対応する駐車区画について、モデルを用いて空車である確率を算出する。
例えば、情報処理装置100は、画像データGP5-3に写されている駐車区画について、所定値(例えば、90%)以上の確率を算出した場合にはその駐車場所は空車であると判定し、所定値(例えば、3%)以下の確率を算出した場合にはその駐車場所は満車であると判定する。次の図8の例では、画像データGP5-3に写されている駐車区画には、車両C120が駐車されているため満車である。したがって、情報処理装置100は、車両C120が駐車されている駐車区画について、空車率3%以下の確率を算出することになる。そうすると、情報処理装置100は、車両C120が駐車されているこの駐車区画は満車と判定する。
かかる場合、情報処理装置100は、ステップS27において、車両C120が駐車されている駐車区画は満車であることを示す情報をドラレコ装置10-5を介して、ドライバーD5に通知する。例えば、情報処理装置100は、ドラレコ装置10-5の表示画面Dに現在表示されている画像データGP5-3に対して、満車情報を重ねて表示させる。このあと図5で説明するが、一例を示すと、情報処理装置100は、「満」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての満車情報IF120を、車両C120が駐車されている駐車区画を囲むようにして表示させる。
ここからは、図8を用いて、画像データGP5-1、画像データGP5-2、画像データGP5-3それぞれで説明した通知例についてあらためて説明する。図8は、満空判定での判定結果を通知する一例を示す図である。図8に示すように、処理対象の車両C5のドラレコ装置10-5は、ステップS27での判定結果の通知を受けて、満空状況を示す情報を表示画面Dに表示する。例えば、ドラレコ装置10-5は、時間経過に応じて逐次変化する撮像データに応じて、そのときの撮像データに対する判定結果を重ねて表示する(ステップS28)。
図8(a)に示す画像データGP5-1は、時間経過に応じて変化する動画データのうち、車両C5が道路L5を走行しているときの、ある所定の時刻t1において撮像されたデータである。例えば、ドラレコ装置10-5は、情報処理装置100からの通知(表示指示)を受けて、自装置の表示画面Dに現在時刻(時刻t1)に表示されている画像データGP5-1に対して、車両C100が駐車されている駐車区画は満車であることを示す満車情報を重ねて表示させる。図8(a)に示すように、ドラレコ装置10-5は、例えば、「満」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての満車情報IF100を、車両C100が駐車されている駐車区画を囲むようにして表示させる。例えば、ドラレコ装置10-6は、車両C5の走行によりこの駐車区画が撮像範囲から完全に外に出るまで、満車情報IF100を表示し続ける。
図8(b)に示す画像データGP5-2は、時間経過に応じて変化する動画データのうち、車両C5が道路L5を走行しているときの、ある所定の時刻t2において撮像されたデータである。例えば、ドラレコ装置10-5は、情報処理装置100からの通知(表示指示)を受けて、自装置の表示画面Dに現在時刻(時刻t2)に表示されている画像データGP5-2に対して、車両C110が駐車されている駐車区画は満車であることを示す情報、および、車両C110と車両C120との間に存在する駐車区画は空車であることを示す情報を重ねて表示させる。図8(b)に示すように、ドラレコ装置10-5は、例えば、「満」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての満車情報IF110を、車両C110が駐車されている駐車区画を囲むようにして表示させる。また、ドラレコ装置10-5は、「空」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての空車情報IF115を、車両C110と車両C120との間に存在する駐車区画を囲むようにして表示させる。例えば、ドラレコ装置10-5は、車両C5の走行によりこれらの駐車区画が撮像範囲から完全に外に出るまで、満車情報IF110および空車情報IF115を表示し続ける。
図8(c)に示す画像データGP5-3は、時間経過に応じて変化する動画データのうち、車両C5が道路L5を走行しているときの、ある所定の時刻t3において撮像されたデータである。例えば、ドラレコ装置10-5は、情報処理装置100からの通知(表示指示)を受けて、自装置の表示画面Dに現在時刻(時刻t3)に表示されている画像データGP5-3に対して、車両C120が駐車されている駐車区画は満車であることを示す満車情報を重ねて表示させる。図8(c)に示すように、ドラレコ装置10-5は、例えば、「満」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての満車情報IF120を、車両C120が駐車されている駐車区画を囲むようにして表示させる。例えば、ドラレコ装置10-6は、車両C5の走行によりこの駐車区画が撮像範囲から完全に外に出るまで、満車情報IF120を表示し続ける。
なお、情報処理装置100は、例えば、正解データと対象撮像データとのマッチング、あるいは、対象撮像データに対する動画解析により駐車区画のラインを検出できた時点で、検出した駐車区画について満空判定を開始することができる。これにより、情報処理装置100は、例えば、車両C5と駐車区画とが離れすぎておりドライバーD5が駐車区画の存在を視認不可能な位置を車両C5が走行している段階で、判定結果を通知することができる。また、情報処理装置100は、車両C110と車両C120との間に存在する駐車区画のように、他の車両に邪魔されて目視ではその存在を視認不可能な位置を車両C5が走行している段階で、判定結果を通知することができる。このように、情報処理装置100は、例えば、ドライバーが駐車区画の存在を完全に視認できるような位置まで近づかなくともかなり早い段階で判定結果を通知することができるため、駐車区画に駐車するか否かの判断を余裕をもって行わせることができる。
さて、図4および図5を用いて説明してきたように、実施形態にかかる情報処理装置100は、第2の情報処理として、空車場所の満空状況を判定する満空判定を行う。具体的には、情報処理装置100は、車両のドライブレコーダーによって撮像された撮像データを取得する。そして、情報処理装置100は、取得した撮像データに基づいて、撮像データに写される道路に設置される駐車場所の満空状況をリアルタイム判定する。そして、情報処理装置100は、判定結果をドライバー(ユーザ)にリアルタイム通知する。
これにより、実施形態にかかる情報処理装置100は、道路に設置される駐車場所の満空状況であって、走行付近の駐車場所の満空状況を走行中のドライバーに対して、リアルタイムかつ的確に通知することができる。
また、情報処理装置100は、車両の駐停車が禁止とされる禁止エリアに関する情報も学習しているため、例えば、信号前の停止線、横断歩道を駐車区画として認識し、満空判定してしまうといった状況を回避することができる。また、情報処理装置100は、特定の施設(例えば、店舗、消防署、警察所)前のエリアも駐停車禁止エリアとして学習することもできる。このため、情報処理装置100は、例えば、これらの施設前にライン等の特定の撮像物が存在するような場合、これを駐車区画として認識し、満空判定してしまうといった状況を回避することができる。
また、ドラレコ装置10のカメラは、例えば、暗闇や悪天候時等、視認によって得られる情報が不確かな環境下や、その他の希少環境下においても、その環境下におかれた対象物を高精度に認識することができる場合がある。このようなことからも、本実施形態では、撮像データを用いることに優位性を見出している。すなわち、情報処理装置100は、車両の周辺環境がどのような環境であってもそれに左右されずに、的確に精度よく満空状況を通知することができる。
また、先に、ドラレコ装置10が、実施形態にかかる情報処理を行う情報処理装置の一例として単独で動作してもよいことを示したが、かかる場合には、ドラレコ装置10は、例えば、自装置が設置される車両を処理対象の車両として、図7および図8で説明した各ステップでの処理を行う。また、ドラレコ装置10は、学習によるモデル生成は行わず、例えば、所定期間毎にそれまでに収集された撮像データサンプルを用いて更新されるモデルを外部装置(例えば、情報処理装置100)から取得してもよい。
また、情報処理装置100は、ドラレコ装置10とパーキングメータ間での近距通信による決済や、例えば、ドライバーがスマートフォン等の端末装置に表示されたバーコードをパーキングメーターにかざすことによるバーコード決済に関する決済処理を行う機能を有してもよい。また、ドラレコ装置10が単独で動作する場合には、例えば、ドラレコ装置10が、パーキングメーターとの近距通信で取得した決済情報を所定の決済サーバ等に送信することにより決済処理を行ってもよい。
また、上記例では、情報処理装置100が、撮像データに写される所定の撮像物として、ラインの撮像態様が所定の条件を満たしているか否かに応じて、駐車場所の満空状況を判定する例を示した。しかし、情報処理装置100は、撮像データに写される所定の撮像物のうち、駐車場所が存在することを示す所定の対象物に基づいて、駐車場所の満空状況を判定することもできる。例えば、情報処理装置100は、所定の対象物として、パーキングメーター、または、駐車場所に対応する(駐車場所を示す)標識に基づいて、駐車場所の満空状況を判定する。この場合、例えば、情報処理装置100、駐車区画が満車および空車それぞれの場合においてパーキングメーター、または、標識がどのような撮像態様で撮像されるかが正解データとしてさらに学習されたモデルに基づいて、処理対象の駐車場所の満空状況を判定する。
また、情報処理装置100は、判定結果が通知される処理対象の車両から取得した撮像データにパーキングメータ、または、標識が写されている場合に、処理対象の車両はパーキングメーター用の駐車場所が存在するエリアに進入したと判断し、このエリア内に存在する駐車場所の満空状況を判定することもできる。
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、図9を用いて、実施形態にかかる情報処理装置100について説明する。図9は、実施形態にかかる情報処理装置100の構成例を示す図である。図9に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。例えば、情報処理装置100は、図1~図8で説明した情報処理を行うサーバ装置である。一方で、実施形態にかかる情報処理を行うのは、端末装置としてのドラレコ装置10であってもよい。
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、満空情報記憶部121と、統計情報記憶部122と、撮像データ記憶部123と、駐車場所情報記憶部124と、モデル記憶部125とを有する。満空情報記憶部121、および、統計情報記憶部122については、図2~図4で説明済みであるため、以下説明は省略する。
(撮像データ記憶部123について)
撮像データ記憶部123は、撮像手段Kやドラレコ装置10のカメラ(撮像手段)による撮像で得られた撮像データに関する情報を記憶する。ここで、図10に実施形態にかかる撮像データ記憶部123の一例を示す。図10の例では、撮像データ記憶部123は、「ドライバーID」、「端末ID」、「日時」、「撮像データ」、「正解ラベル」といった項目を有する。
「ドライバーID」は、ドラレコ装置10が設置される車両のドライバーを識別する識別情報を示す。なお、ドライバーは、ドラレコ装置10の所有者であるため、「ユーザ」と言い換えることができる。「端末ID」は、ドラレコ装置10を識別する識別情報を示す。「日時」は、「撮像データ」が得られた日時を示す。図10の例では、日時に「DT1」といった概念的な記号を用いているが、実際には、例えば、年月日、日付、時刻情報が入力される。「撮像データ」は、ドラレコ装置10のカメラ(撮像部)による撮像で得られた撮像データを示す。「撮像データ」は、例えば、情報処理装置100の学習のために正解データ用のサンプルとして用いられることから、図7で示した撮像データサンプルに相当する。また、「撮像データ」は、動画であり、動画長「10分」といったように時間の概念を有する。「正解ラベル」は、対応する「撮像データ」に対するタグ付けによって指定された機械学習用の正解データ(教師データ)である。
すなわち、図10の例では、ドライバーID「D1」によって識別されるドライバー(ドライバーD1)のドラレコ装置であって、端末ID「10-1」によって識別されるドラレコ装置(ドラレコ装置10-1)が、日時「DT1」での撮像によって取得した撮像データ(撮像データサンプル)である「撮像データVG1」を情報処理装置100に送信することにより、情報処理装置100がこれを格納している例を示す。かかる例は、図7での説明に対応する。また、図10の例では、図7で説明したように、撮像データVG1に対して、正解ラベルCL11、正解ラベルCL12、正解ラベルCL13が指定されている例を示す。
なお、例えば、ドラレコ装置10-5が独立して実施形態にかかる第2の情報処理を実行する場合、ドラレコ装置10-5は、図10に示すような撮像データ記憶部123を有することができる。
(駐車場所情報記憶部124について)
駐車場所情報記憶部124は、道路に設置される駐車場所(例えば、パーキングメーター用の駐車場所)の位置(所在地)に関する情報を記憶する。ここで、図11に実施形態にかかる駐車場所情報記憶部124の一例を示す。図11の例では、駐車場所情報記憶部124は、「都道府県」、「市区町村」、「道路ID」、「エリア」、「位置情報」といった項目を有する。
「都道府県」、および、「市区町村」は、対応する「位置情報」が示す位置が含まれる都道府県および市区町村を示す。「道路ID」は、道路を識別する識別情報を示す。「エリア」は、「道路ID」が示す道路がメッシュ状に仮想的に分割された各エリアのうち、駐車場所が存在するエリアを識別する識別情報を示す。「位置情報」は、対応する「エリア」の位置を示す位置情報である。このようなことから、「位置情報」は、駐車場所の位置を示す位置情報とも言い換えることができる。図11の例では、「位置情報」に概念的な記号を用いているが、実際に例えば、住所あるいは経緯度等によって示される。
すなわち、図11の例では、東京都M区を通る道路であって、道路ID「RT11」によって識別される道路(道路RT11)が仮想的に分割された各エリアのうち、「PTm1」の位置にあるエリア「ARm1」、「PTm2」の位置にあるエリア「ARm2」、「PTm3」の位置にあるエリア「ARm3」に駐車場所が存在する例を示す。つまり、図6の例では、道路RT11上の位置である位置「PTm1」、位置「PTm2」、位置「PTm3」には、駐車場所が存在する例を示す。
(モデル記憶部125について)
モデル記憶部125は、情報処理装置100の第2の情報処理で生成されたモデルを記憶する記憶部である。モデル記憶部125は、例えば、各モデルを識別する「モデルID」と、当該モデルを示すモデル情報とを対応付けて記憶する。
(制御部130について)
図9に戻り、制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
図9に示すように、制御部130は、取得部131と、生成部132と、満空判定部133と、蓄積部134と、予測部135と、通知部136と、提供部137と、挙動判定部138と、開始制御部139とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図9に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図9に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
(取得部131について)
取得部131は、撮像データを取得する。例えば、取得部131は、道路を走行する移動体に搭載されたカメラ(ドラレコ装置10のカメラ)によって撮像された撮像データを取得する。例えば、ドラレコ装置10から撮像データが送信される場合、取得部131は、ドラレコ装置10から撮像データを取得(受信)する。また、取得部131は、取得した撮像データを撮像データ記憶部123に格納する。
なお、取得部131は、必ずしもドラレコ装置10のカメラによる撮像データだけを取得する必要はなく、例えば、各地の施設(例えば、信号機、電柱、マンション、店舗等)に備え付けられるカメラ(例えば、防犯カメラ)と通信可能なのであれば、このようなカメラよる撮像データも取得することができる。このようなことから、取得部131は、処理の一例として、例えば、図1で説明したステップS11、図7で説明したステップS21の処理を行う。
(生成部132について)
生成部132は、学習によりモデルを生成する。生成部132は、所定の撮像物の撮像態様と、当該撮像態様が示すようにこの撮像物が撮像された際の駐車場所の満空状況とが対応付けられた情報により学習されたモデルを生成する。例えば、生成部132は、撮像物の撮像態様のうち、駐車場所の満空状況に応じた撮像態様を正解データとして学習されたモデルを生成する。例えば、生成部132は、判定結果が通知される処理対象の移動体に搭載されたカメラによって撮像された撮像データが入力された場合に、撮像データに写される対象物である道路上に引かれたラインの形状と、正解データとしての撮像態様が示すラインの形状との一致度に基づくスコアであって、駐車場所の満空状況に関する確度を示すスコアを出力するモデルを生成する。
また、生成部132は、移動体の駐停車が禁止とされる禁止エリアに関する情報がさらに学習されたモデルを生成することもできる。例えば、生成部132は、移動体の駐停車が禁止とされる禁止エリアに関する情報を、満空判定を行わないための正解データとして学習することによりモデルを生成する。このようなことから、生成部132は、処理の一つとして、例えば、図7で説明したステップS22およびS23の処理を行う。
なお、生成部132は、図1のステップS14で説明したような統計モデルを生成する処理も行ってよい。例えば、生成部132は、満空状況と、所定の条件(例えば、曜日、時間帯、天候、イベント等)との間での傾向分析(統計的傾向の分析)を行うことにより、傾向を学習されたモデルである統計モデルを生成する。例えば、生成部132は、各曜日の時間帯毎に、当該時間帯での天候「晴」(または、天候「雨」)条下での満空状況の傾向を分析し、分析した傾向を学習された統計モデルを生成する。また、例えば、生成部132は、各曜日の時間帯毎に、当該時間帯でイベント(例えば、工事や渋滞)が起きている条件下での満空状況の傾向を分析し、分析した傾向が学習された統計モデルを生成する。
ちなみに、図7で説明したステップS22およびS23でのモデル生成と、図1のステップS14で説明した統計モデルの生成は、それぞれ異なる処理部によって行われてもよい。例えば、前者の処理は第2の生成部によって行われ、後者の処理は第1の生成部によって行われてもよい。
(満空判定部133について)
満空判定部133は、取得部131により取得された撮像データに基づいて、撮像データに写される道路に設置される駐車場所の満空状況を判定する。例えば、満空判定部133は、ドラレコ装置10を有する移動体が現在走行中の道路に設置される駐車場所であって、当該移動体の進行方向に存在する駐車場所の現在の満空状況を判定する。例えば、満空判定部133は、駐車場所として、1台の移動体を駐車させるための駐車区画毎に、当該駐車区画の満空状況を判定する。
また、満空判定部133は、撮像データに基づいて、撮像データに写される所定の撮像物の撮像態様が所定の条件を満たしているか否かに応じて、駐車場所の満空状況を判定する。例えば、満空判定部133は、所定の撮像物の撮像態様として、道路上に引かれたラインが移動体との位置関係に応じてどのように撮像されるかを示す撮像態様であって、ラインの撮像態様が所定の条件を満たしているか否かに応じて、駐車場所の満空状況を判定する。例えば、満空判定部133は、撮像態様が示す形状であって、所定の撮像物の形状が所定の形状であるか否かに応じて、駐車場所の満空状況を判定する。
一例として、満空判定部133は、所定の撮像物の撮像態様と、当該撮像態様が示すように撮像物が撮像された際の駐車場所の満空状況とが対応付けられた情報により学習されたモデルに基づいて、処理対象の駐車場所の満空状況を判定する。例えば、満空判定部133は、撮像物の撮像態様のうち、駐車場所の満空状況に応じた撮像態様を正解データとして学習されたモデルに基づいて、処理対象の駐車場所の満空状況を判定する。例えば、満空判定部133は、判定結果が通知される処理対象の移動体に搭載されたカメラによって撮像された撮像データが入力された場合に、撮像データに写される対象物である道路上に引かれたラインの形状と、正解データとしての撮像態様が示すラインの形状との一致度に基づくスコアであって、駐車場所の満空状況に関する確度を示すスコアを出力するモデルに基づいて、駐車場所の満空状況を判定する。また、満空判定部133は、移動体の駐停車が禁止とされる禁止エリアに関する情報が学習された前記モデルに基づいて、禁止エリアを除く領域における駐車場所の満空状況を判定する。このようなことから、満空判定部133は、処理の一例として、例えば、図7で説明したステップS26の処理を行う。
また、満空判定部133は、撮像データを解析することによる満空判定も行う。例えば、満空判定部133は、図1のステップS12で説明したように、撮像データに対応する「曜日」および「時間帯」毎に、当該「曜日」および「時間帯」での、駐車区画エリア毎の満空状況を判定する満空判定を行う。例えば、満空判定部133は、撮像データから、「曜日」毎の各「時間帯」での撮像データを抽出し、抽出した撮像データを解析することにより、各駐車区画エリアでの満空状況を判定する。そして、満空判定部133は、判定した満空状況に基づいて、その「時間帯」の間、駐車区画エリアは満車であったか、あるいは、空車であったかを最終決定する。
(蓄積部134について)
蓄積部134は、道路に設置される駐車場所の満空状況を示す満空情報を駐車場所毎に蓄積させる。例えば、蓄積部134は、満空情報として、所定の撮像手段によって駐車場所が撮像されることにより得られた撮像データに基づき判定された満空状況を示す満空情報を蓄積させる。例えば、蓄積部134は、満空判定部133による満空判定での判定結果(満空状況)を示す満空情報を蓄積させる。例えば、蓄積部134は、このような満空情報を満空情報記憶部121に格納することにより、満空情報記憶部121に対して満空情報を蓄積させる。このようなことから、満空判定部133は、処理の一つとして、例えば、図1で説明したステップS13の処理を行う。
(予測部135について)
予測部135は、蓄積部134により蓄積された満空情報に基づいて、処理対象の移動体が駐車場所に到着する到着予想時刻での駐車場所の満空状況を予測する。例えば、予測部135は、蓄積部134により蓄積された満空情報に基づき得られた駐車場所毎の統計情報であって、所定の条件下での満空状況の統計を示す統計情報に基づいて、到着予想時刻での駐車場所の満空状況を予測する。例えば、予測部135は、所定の条件として、曜日、時間帯、駐車場所周辺での天候、駐車場所周辺での渋滞の有無、または、駐車場所周辺でのイベントの有無の少なくともいずれか1つの条件下での満空状況を示す満空情報に基づき得られた統計情報に基づいて、到着予想時刻での駐車場所の満空状況を予測する。
さらに詳細には、予測部135は、1台の移動体を駐車させるための駐車区画であって、複数の駐車区画が一の方向に連なって構成される駐車場所において、駐車区画に基づく任意のエリア毎に、当該エリアでの満空状況を示す満空情報に基づき得られた駐車場所毎の統計情報であって、所定の条件下での満空状況の統計を示す統計情報に基づいて、到着予想時刻での満空状況を予測する。
例えば、予測部135は、統計情報として、満空状況と所定の条件との間での傾向に基づく関係性が駐車場所毎に学習された統計モデルに基づいて、到着予想時刻での駐車場所の満空状況を予測する。例えば、予測部135は、統計モデルとして、処理対象の移動体が駐車場所に到着する到着予想時刻を示す情報が入力された場合に、到着予想時刻における駐車場所の満空状況を示す情報を出力する統計モデルに基づいて、到着予想時刻での駐車場所の満空状況を予測する。
また、予測部135は、統計情報として、駐車場所における移動体の入れ替わりの頻度の統計を示す統計情報をさらに用いて、到着予想時刻での満空状況を予測する。また、予測部135は、処理対象の移動体のユーザによって指定された目的地を示す位置情報に基づいて、当該目的地から所定範囲内に存在する駐車場所に到着する到着予想時刻での駐車場所の満空状況を予測する。このようなことから、予測部135は、処理の一つとして、例えば、図1で説明したステップS15~S18の処理を行う。
(通知部136について)
通知部136は、満空判定部133による判定結果をドライバーに通知する。例えば、通知部136は、判定結果が通知される処理対象の移動体に搭載されたカメラによって撮像された撮像データであって、表示画面においてリアルタイムに表示される撮像データに写される駐車場所毎に、現在の満空状況を表示させる。例えば、通知部136は、図8で説明したように、「満」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての満車情報を、車両が駐車されている駐車区画を囲むようにして表示させる。また、例えば、通知部136は、図2で説明したように、「空」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての空車情報を、車両が駐車されていない駐車区画を囲むようにして表示させる。このようなことから、通知部136は、処理の一つとして、例えば、図7および図8で説明したステップS27の処理を行う。
また、通知部136は、予測部135により予測された予測結果に基づく情報をユーザに通知することもできる。つまり、通知部136は、図1および図5で説明したステップS19の処理も行うことができる。
具体的には、通知部136は、1台の移動体を駐車させるための駐車区画であって、複数の駐車区画が一の方向に連なって構成される駐車場所において、駐車区画に基づく任意のエリア毎に、当該エリアでの満空状況が予測された場合には、当該エリア毎の満空状況に基づく情報をユーザに通知する。また、通知部136は、ユーザ(ドライバー)の目的地から所定範囲内に存在する一の駐車場所に到着する到着予想時刻での当該駐車場所の満空状況として満車であることが予測された場合には、この目的地から所定範囲内に存在する駐車場所であって、一の駐車場所とは異なる他の駐車のうち、満空状況として空車であることが予測された駐車場所へと案内する案内情報をユーザに通知することもできる。
さて、ここからは、通知部136による他の通知について説明する。例えば、情報処理装置100は、情報通知される通知対象の移動体(判定結果が通知される処理対象の移動体)以外の他の移動体を基準とする満空情報であって、駐車場所の満空状況を示す満空情報(判定結果)を取得し、取得した満空情報を情報通知される通知対象の移動体に通知する。よりわかり易く説明する。図7および図8の例では、情報処理装置100が、処理対象の車両C5のドラレコ装置10から現在の撮像データを取得し、この撮像データについて満空判定し、表示画面の撮像データに重ねる形で判定結果(すなわち、満空情報)を通知する例を示した。しかしながら、このような一連の第2の情報処理は、当然ながら車両C5だけでなく、多くの各車両に対して行われる。例えば、車両C5から見て他の車両である車両C6についても同様の情報処理が行われる。したがって、ここで説明する通知は、車両C5から見て他の車両である車両C6からの撮像データに基づき、車両C6を基準として満空判定された際の判定結果を、車両C5のドラレコ装置10-5が有する表示画面に現在写される撮像データに対して反映させる、という通知手法である。
このような通知を行う前提について説明する。例えば、図8の例によると、情報処理装置100は、車両C5の走行車線側に存在する駐車区画を対象に満空判定している。しかし、車両C5の走行車線に対する反対車線側にも駐車区画があり、この駐車区画が撮像データに写されていれば、情報処理装置100は、当然、この駐車区画についても満空判定することができる。要は、情報処理装置100は、判定結果が通知される処理対象の車両の走行車線、反対車線に拘わらず撮像データに駐車区画が写されていればそれに対して満空判定を行うことができる。しかしながら、ドラレコ装置10は、基本的には走行車線側の情報を中心に撮像してしまう傾向にあるため、撮像データからは、反対車線側の情報(例えば、駐車区画が存在するか否か)を高精度に認識することができない場合がある。そうすると、車両C5の撮像データに基づき反対車線側の駐車区画について満空判定された判定結果より、反対車線を走行する車両C6の撮像データについて満空判定された判定結果の方が精度が高い場合がある。このため、車両C5のドライバーD5に対して、車両C6を基準とする判定結果も通知することができれば、より正確な満空状況をドライバーD5に通知することができるようになる。
以上の前提を踏まえて、車両C5および車両C6を例に用いると、情報処理装置100は、情報通知される通知対象の車両C5以外の他の移動体である車両C6であって、反対車線を走行する車両C6を基準とする満空情報であって、駐車区画の満空状況を示す満空情報を取得する。そして、情報処理装置100(通知部136)は、取得された満空情報を車両C5のドライバーD5に通知する。この点について、図12を用いて説明する。図12は、情報通知の他の一例を示す図である。
図12の例では、車両C6は、車両C5とは反対車線を車両C5に向かって走行してきている。このようなことから、車両C6は、この先、車両C5が通過し得る地点を既に走行してきているため、同時刻において、車両C5から見るよりもその地点の情報を正確に知ることができる。例えば、図12において丸印で囲まれる2つの駐車区画の満空状況がどうであるかは、時刻t4の時点では、車両C6の方が車両C5よりも早く知ることができる。言い換えれば、情報処理装置100は、時刻t4の時点では、車両C5の撮像データよりも車両C6の撮像データからの方が精度よく、上記2つの車区画の満空状況を判定することができる。
例えば、情報処理装置100は、通知対象の車両C5以外の他の車両のうち、例えば、車両C5が将来通過し得る地点を走行してきた車両を特定する、図12の例では、情報処理装置100は、このような車両として車両C6を特定したとする。なお、図12では不図示であるが、情報処理装置100は、かかる特定処理を行う処理部(例えば、特定部)をさらに有してよい。そしてこのように特定された時点である時刻t4では、例えば、車両C5および車両C6は、図12のような位置関係で走行している。
このような状態において、取得部131は、車両C5のドラレコ装置10-5から時刻t4時点での撮像データ(画像データGP5-4)を取得する(ステップS31)。また、取得部131は、ステップS31において、車両C6のドラレコ装置10-6からも時刻t4時点での撮像データ(画像データ)を取得する。次に、満空判定部133は、画像データGP5-4をモデルに適用することにより、画像データGP5-4について満空判定を行う(ステップS32)。満空判定の詳細については、図7で説明したとおりであるため省略する。また、満空判定部133は、ステップS32において、ドラレコ装置10-6からの画像データについても満空判定を行う。例えば、ドラレコ装置10-6からの画像データについての満空判定で得られた判定結果は、車両C6を基準とする判定結果である。
例えば、満空判定部133は、ドラレコ装置10-6からの画像データに基づいて、丸印で囲まれる2つの駐車区画のうち、車両C5から見て手前の駐車区画は車両C200が駐車されており満車で、後方の駐車区画は空車と判定したとする。このような判定結果は、車両C6を基準とする判定結果である。
また、かかる場合、通知部136は、車両C6を基準とする判定結果を、例えば、満空判定部133から取得する。そして、通知部136は、車両C6を基準とする判定結果と、車両C5側での判定結果とを合わせて通知する(ステップS33)。例えば、通知部136は、車両C6を基準とする判定結果として、車両C200が駐車されている手前の駐車区画は満車であることを示す情報と、その後方の駐車区画は空車であること示す情報とを、ドラレコ装置10-5を介して、ドライバーD5に通知する。例えば、通知部136は、ドラレコ装置10-5の表示画面に現在表示されている画像データGP5-4に対して、車両C200が駐車されている駐車区画は満車であることを示す満車情報を重ねて表示させる。一例を示すと、通知部136は、「満」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての満車情報IF200を、車両C200が駐車されている駐車区画を囲むようにして表示させる。
また、通知部136は、ドラレコ装置10-5の表示画面に現在表示されている画像データGP5-4に対して、後方の駐車区画は空車であることを示す空車情報を重ねて表示させる。一例を示すと、通知部136は、「空」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての空車情報IF210を、この駐車区画を囲むようにして表示させる。
図12(a)は、上述した状況が反映されている図である。図12(a)に示す画像データGP5-4は、時間経過に応じて変化する動画データのうち、車両C5が道路L5を走行しているときの時刻t4において撮像されたデータである。例えば、ドラレコ装置10-5は、通知部136からの通知(表示指示)を受けて、自装置の表示画面に現在時刻(時刻t4)に表示されている画像データGP5-4に対して、車両C200が駐車されている駐車区画は満車であることを示す満車情報を重ねて表示させる。図12(a)に示すように、ドラレコ装置10-5は、例えば、「満」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての満車情報IF200を、車両C200が駐車されている駐車区画を囲むようにして表示させる。例えば、ドラレコ装置10-5は、車両C5の走行によりこの駐車区画が撮像範囲から完全に外に出るまで、満車情報IF200を表示し続ける。
また、例えば、ドラレコ装置10-5は、通知部136からの通知(表示指示)を受けて、自装置の表示画面に現在時刻(時刻t4)に表示されている画像データGP5-4に対して、後方の駐車区画は空車であることを示す空車情報を重ねて表示させる。図12(a)に示すように、ドラレコ装置10-5は、例えば、「空」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての空車情報IF210を、後方の駐車区画を囲むようにして表示させる。例えば、ドラレコ装置10-5は、車両C5の走行によりこの駐車区画が撮像範囲から完全に外に出るまで、空車情報IF210を表示し続ける。
図12を用いて説明したように、情報処理装置100は、情報通知される通知対象の移動体(判定結果が通知される処理対象の移動体)以外の他の移動体を基準とする満空情報であって、駐車場所の満空状況を示す満空情報(判定結果)を取得し、取得した満空情報を情報通知される通知対象の移動体に通知する。これにより、情報処理装置100は、より正確な満空状況を通知することができる。
また、図12の例では、情報処理装置100が、通知対象の車両が将来通過し得る地点を走行してきた車両(通知対象の車両のために満空情報が利用される利用対象の車両)として、通知対象の車両以外の他の車両であって、対向車線を走行する車両を特定する例を示した。また、情報処理装置100が、通知対象の車両以外の他の車両を基準とする満空情報であって、駐車場所の満空状況を示す満空情報を通知対象の車両に通知する例を示した。ここで、情報処理装置100は、通知対象の車両が将来通過し得る地点を走行してきた車両として、対向車線を走行する車両を特定する以外に、例えば、所定のカーナビゲーションサービスに対する登録情報に基づいて、通知対象の車両が将来通過し得る道路や目的地を取得し、通知対象の車両が将来通過し得る道路や目的付近を現在走行中の車両を、満空情報が利用される利用対象の車両として特定してもよい。また、情報処理装置100は、このように特定した車両を基準とする満空情報であって、駐車場所の満空状況を示す満空情報を取得し、通知対象の車両に通知する。
(提供部137について)
提供部137は、空車のため車両を駐車可能となっている駐車場所の位置を指し示す情報をドライバーに提供する。かかる駐車場所をこれまで説明してきた駐車区画とすると、例えば、この駐車区画の前後に車両が駐車されている場合を想定すると、ドライバーはこの駐車区画を見落としてしまうかもしれない。したがって、提供部137は、この上記のような処理を行う。具体的には、提供部137は、撮像データに基づいて、撮像データに写される駐車場所であって、空車であるため車両を駐車可能となっている駐車場所の近傍に駐車されている駐車車両の位置を基準として、駐車場所の位置を指し示す情報をドライバーに提供する。また、提供部137は、撮像データに基づき駐車車両の特徴が認識された場合には、認識された特徴をさらに用いて、駐車場所の位置を指し示す情報をドライバーに提供する。この点について、図8(b)の例を用いて説明する。
図8(b)の例によると、車両C5が時刻t2において道路L5を走行している際には、前方に車両C110および車両S120が駐車されており、これら車両の間には、空車の駐車区画が存在する。ここでは、かかる駐車区画を駐車区画SP1とする。そうすると、ドライバーD5は、時刻t2の時点では、前後の車両C110および車両S120に邪魔されて駐車区画SP1の位置をはっきりと把握できない場合がある。このため、提供部137は、例えば、駐車区画SP1の前に駐車されている車両C120の位置を基準として、また、車両C120の特徴を用いて、駐車区画SP1の位置を指し示す情報をドライバーにD5に提供(通知)する。なお、かかる例では、説明を簡単にするために、車両C120のみを用いた提供例を示すが、車両C110および車両C120の双方、または、車両C110のみが用いられる情報提供であってもよい。
説明を戻すと、例えば、情報処理装置100の所定の処理部(例えば、認識部)が、画像データGP5-2に基づいて、駐車区画SP1の前には、車両C120が駐車されていることを認識するとともに、車両C120は白(色の特徴)のワンボックスカー(車種の特徴)であることを認識したとする。かかる場合、提供部137は、例えば、ドラレコ装置10-5に対して、「前方に見える白色のワンボックスカーの後ろが空いています」といった文字情報あるいは音声を出力させる。
なお、これは一例であり、提供部137は、例えば、駐車区画SP1の周辺環境の特徴として、特徴的な対象物(例えば、植木、信号、店舗等の各種施設)が認識された場合には、これらの特徴をさらに用いて駐車区画SP1の位置を指し示す情報を提供することができる。また、提供部137は、その時(例えば、時刻t2)の時間帯、または、天候に応じて、認識された特徴のうちドライバーD5の視認率がより高くなるような特徴を選択し、選択した特徴を用いて、駐車区画SP1の位置を指し示す情報を提供することもできる。
(挙動判定部138、開始制御部139について)
ここで、例えば、情報処理装置100による満空判定や満空判定での判定結果の通知が常時行われると、ドラレコ装置10の表示画面には、矩形の枠線としての満車情報や空車情報が高頻度で表示される場合がある。この場合、駐車区画に駐車予定の無いドライバーにとっては、かかる表示を煩わしく思うかもしれない。したがって、情報処理装置100は、移動体の運転に関する挙動が所定の条件を満たしたか否かを判定し、所定の条件を満たしたと判定された場合に、所定の駐車場所のうち、満空状況が空車である駐車場所の通知に関する処理を開始する。例えば、情報処理装置100は、ドライバーが駐車区画に駐車しようとしているか否かを判定し、ドライバーが空車の駐車区画を探しているような状況下でのみ、駐車区画の通知に関する処理(満空判定や満空判定での判定結果を通知する処理)を開始する。
具体的には、挙動判定部138は、車両の運転に関する挙動が所定の条件を満たしたか否かを判定する。そして、開始制御部139は、挙動判定部138により所定の条件を満たしたと判定された場合には、駐車区画の通知に関する処理(満空判定や満空判定での判定結果を通知する処理を開始させる。例えば、開始制御部139は、挙動判定部138により所定の条件を満たしたと判定された場合には、満空判定部133に対して満空判定を開始するよう指示する。
処理対象の車両C5を例に説明すると、例えば、挙動判定部138は、車両C5の運転に関する挙動として、車両C5の速度が、所定の速度より遅くなったか否かを判定し、開始制御部139は、挙動判定部138により、車両C5の速度が所定の速度より遅くなったと判定された場合には、満空判定部133に対して満空判定を開始させる。
また、挙動判定部138は、車両C5の運転に関する挙動として、ドライバーD5が車両C5を運転している際の運転態様が、所定の運転態様となったか否かを判定し、開始制御部139は、挙動判定部138により、運転態様が所定の運転態様(例えば、車両C5を道路脇に寄せる運転、あるいは、同一エリアを周回する運転)となったと判定された場合には、満空判定部133に対して満空判定を開始させる。
また、挙動判定部138は、車両C5の運転に関する挙動として、ドライバーD5が車両C5を運転している際の身体的挙動が、所定の挙動となったか否かを判定し、開始制御部139は、挙動判定部138により、ドライバーD5の身体的挙動が所定の挙動(例えば、顔を左右に動かして辺りを見渡す挙動、「どこか空いてないかな」といった発話)となったと判定された場合には、満空判定部133に対して満空判定を開始させる。
なお、例えば、図7のステップS24で示した判定処理が、挙動判定部138によって行われる判定処理に相当する。
〔4.処理手順(1)〕
次に、図13を用いて、実施形態にかかる情報処理のうち、第1の情報処理の手順について説明する。図13は、実施形態にかかる第1の情報処理の処理手順を示すフローチャートである。
まず、取得部131は、撮像手段K(例えば、防犯カメラやドラレコ装置10のカメラ等)による撮像によってられた撮像データを取得する(ステップS101)。
次に、満空判定部133は、取得部131により取得された撮像データに基づいて、かかる撮像データに写される駐車場所の満空状況を判定する満空判定を行う(ステップS102)。
次に、蓄積部134は、ステップS102での判定結果(満空状況)に基づく満空情報を満空情報記憶部121に蓄積する(ステップS103)。例えば、蓄積部134は、満空情報記憶部121に対して、「曜日」および「時間帯」毎に、当該「曜日」および「時間帯」での、駐車エリア毎の満空状況を示す満空情報を満空情報記憶部121に蓄積させる。
次に、生成部132は、満空状況と、所定の条件(例えば、曜日、時間帯、天候、イベント等)との間での傾向分析(統計的傾向の分析)を行うことにより、傾向を学習されたモデルである統計モデルを生成する(ステップS104)。例えば、生成部132は、各曜日の時間帯毎に、当該時間帯での天候「晴」(または、天候「雨」)条下での満空状況の傾向を分析し、分析した傾向を学習されたモデルを生成する。また、例えば、生成部132は、各曜日の時間帯毎に、当該時間帯でイベント(例えば、工事や渋滞)が起きている条件下での満空状況の傾向を分析し、分析した傾向が学習されたモデルを生成する。
次に、予測部135は、処理対象の車両が目的地に到着する到着予想時刻を取得する(ステップS105)。例えば、予測部135は、カーナビZを提供する外部のサーバ装置にアクセスすることで、処理対象の車両が目的地に到着する到着予想時刻を取得してもよいし、目的地に基づいて自装置側で到着予想時刻を取得(算出)してもよい。
また、予測部135は、処理対象の車両が目的地に到着する到着予想時刻において、この目的地の近傍に存在する駐車場所の満空状況を予測するうえで最適な統計モデルを統計情報記憶部122から抽出する(ステップS106)。そして、予測部135は、ステップS106で抽出した統計モデルに対して到着予想時刻を入力し、出力された満空情報に基づいて、この到着予想時刻での満空状況を予測する(ステップS107)。
次に、通知部136は、処理対象の車両のドライバーに対して、ステップS107での予測結果を通知する(ステップS108)。例えば、通知部136は、駐車区画エリア毎に、当該駐車区画エリアでの満空状況を示す情報を通知する。例えば、通知部136は、処理対象の車両のドラレコ装置10に対して、駐車区画エリアでの満空状況を示す情報を出力(例えば、画面表示または音声出力)させる。
〔5.処理手順(2)〕
次に、図14を用いて、実施形態にかかる情報処理のうち、第2の情報処理の手順について説明する。図14は、実施形態にかかる第2の情報処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図14の例では、情報処理装置100は、各地を走行する車両のドラレコ装置10から、学習のためのサンプルとなる撮像データ(撮像データサンプル)を収集し、収集した撮像データサンプルを用いてモデルを生成済みであるものとする。なお、情報処理装置100は、撮像データサンプルを随時取得(収集)している場合には、所定のタイミング毎に(例えば、1週間経過する毎に)、当該所定のタイミングまでに取得した撮像データサンプルを用いてこれまでに生成したモデルを更新することができる。
まず、挙動判定部138は、処理対象の車両について、駐車場所の満空状況を判定する判定処理を行い、その判定結果を通知するタイミングであるか否かを判定する(ステップS201)。例えば、挙動判定部138は、処理対象の車両の運転に関する挙動が所定の条件を満たしたか否かを判定する。挙動判定部138は、処理対象の車両の運転に関する挙動が所定の条件を満たしていないと判定した場合には(ステップS201;No)、処理を行うタイミングではないと判断し、所定の条件が満たされるまで待機する。一方、挙動判定部138は、処理対象の車両の運転に関する挙動が所定の条件を満たしたと判定した場合には(ステップS201;Yes)、処理を行うタイミングであると判断し、この判定結果を開始制御部139に出力する。また、開始制御部139は、挙動判定部138により所定の条件を満たしたと判定された場合には(ステップS201;Yes)、満空判定や満空判定での判定結果を処理対象の車両に通知する処理を開始させる制御を行う。
このような制御を受けて、取得部131は、処理対象の車両から撮像データ(対象撮像データ)を取得する(ステップS202)。例えば、取得部131は、処理対象の車両のドラレコ装置10から、撮像によって得られた対象撮像データを取得する。より具体的には、取得部131は、処理対象の車両が走行中においてリアルタイム撮像された対象撮像データを逐一取得する。
次に、満空判定部133は、ステップS202で取得された対象撮像データに基づいて、例えば、対象撮像データに写される駐車場所の満空状況を判定する満空判定を実行する(ステップS203)。例えば、満空判定部133は、駐車区画毎に、当該駐車区画の満空状況を判定する満空判定を実行する。例えば、満空判定部133は、対象撮像データをモデルに入力することにより出力された確度であって、対象撮像データに写される駐車区画が空車である確率、または、対象撮像データに写される駐車区画が満車である確率に基づいて、駐車区画の満空状況を判定する。
次に、通知部136は、満空判定の判定結果を処理対象の車両のドライバーに通知する(ステップS204)。例えば、通知部136は、処理対象の車両のドラレコ装置10を制御することにより、現在の撮像データに写される駐車区画毎に満車情報や空車情報を表示させる。
〔6.ハードウェア構成〕
また、上記実施形態にかかる情報処理装置100は、例えば図15に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図15は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
〔7.その他〕
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。