以下に、本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
〔1.第1の情報処理の一例〕
まず、図1を用いて、実施形態にかかる情報処理のうち、第1の情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態にかかる第1の情報処理の一例を示す図である。実施形態にかかる第1の情報処理は、図1に示す情報処理装置100によって行われる。
図1の説明に先立って、図4を用いて、実施形態にかかる情報処理システムについて説明する。図4は、実施形態にかかる情報処理システム1の構成例を示す図である。実施形態にかかる情報処理システム1は、図4に示すように、ドラレコ装置10と、情報処理装置100とを含む。ドラレコ装置10、情報処理装置100は、ネットワークNを介して有線または無線により通信可能に接続される。なお、図4に示す情報処理システム1には、複数台のドラレコ装置10や、複数台の情報処理装置100が含まれてよい。
また、以下に説明する実施形態にかかる第1の情報処理は、ドラレコ装置10と、情報処理装置100とが協働することにより、情報処理装置100側で主に行われるものとして説明するが、実施形態にかかる第1の情報処理は、ドラレコ(ドライブレコーダー)装置10が独立して行ってもよい。例えば、後に図3を用いて説明するが、各車両のドラレコ装置10間で当該ドラレコ装置10のみで第1の情報処理が行われてもよい。この場合には、実施形態にかかる情報処理システム1には、情報処理装置100は必ずしも含まれなくてよい。また、ドラレコ装置10が独立して実施形態にかかる情報処理を行う場合、ドラレコ装置10が、実施形態にかかる第1の情報処理を行う情報処理装置の一例といえる。以下の例において、車両毎のドラレコ装置10を区別する必要がある場合には、「ドラレコ装置10-n」(nは任意の数値)といった表記を用いる。例えば、車両C5のドラレコ装置10を「ドラレコ装置10-5」と表記する場合がある。
ここで、本願で対象とする駐車場所について説明する。本願で対象とする駐車場所は、パーキングメーター用の駐車場所のように道路に設置される駐車場所(道路に付随する付随型駐車場所等とも言い換えることができる)や、コインパーキングや、店舗等の各種施設に併設される一般的な駐車場、その他駐停車禁止でないエリアである。なお、実施形態にかかる第1の情報処理では、駐車場所は、パーキングメーター用の駐車場所(道路に設置される駐車場所)であるものとして説明する。
また、通常、パーキングメーター用の駐車場所は、パーキングメーター毎に存在する駐車区画であって、車両1台を駐車するための駐車区画(駐車スペース)が一の方向(車道の方向)に連なった集合体として、各地の特定のエリアにおいて構成されている。このため、以下の実施形態において、例えば、道路に設置される駐車場所、もしくは、単に駐車場所と表記する場合、かかる駐車場所は、上記のような1つの集合体、および、1つの駐車区画の双方を示すものとする。また、説明するうえで、区別が必要な場合には、適宜、集合体、駐車区画との表現を用いることにする。
また、パーキングメーター用の駐車場所は、上記にような集合体であるため、施設等に併設される一般的な駐車場(コインパーキングもこれに含まれる)と比較して、地理的な広がりがある。このため、ある1つの集合体であっても、利用する駐車区画によっては目的地から非常に遠くなってしまうといった問題が発生する。
次に、ドラレコ装置10は、ドライブレコーダーに関する端末装置(情報処理装置)であって、車両(移動体の一例)のドライバー(ユーザ)によって利用される情報処理装置である。実施形態にかかるドラレコ装置10は、ドライブレコーダーが内蔵されたカーナビゲーションシステム(カーナビ)用の端末装置であるものとする。言い換えれば、ドラレコ装置10は、ドライブレコーダーとカーナビゲーションシステム用の端末装置とが一体型となった情報処理装置であるものとする。しかしながら、ドラレコ装置10は、ドライブレコーダーと、カーナビゲーションシステム用の端末装置とが別々になっており外部で接続されている状態であってもよいし、ドライブレコーダーだけを指し示してもよい。
また、ドラレコ装置10は、車外を撮像するカメラ(撮像部または撮像手段)と、カメラによる撮像によって得られた撮像データが表示される表示画面Dとを有する。また、この表示画面Dには、カーナビゲーションシステムによる道案内情報も表示される。また、この表示画面Dには、タッチパネルが採用されているものとする。また、ドラレコ装置10は、ドライバーの音声を集音するマイク(集音部)や、音声を出力するスピーカー(出力部)も有する。また、ドラレコ装置10は、車外ではなく車内の所定の対象(例えば、徂徠バーの顔)を撮像するためのインカメラも備えてよい。インカメラは、例えば、ドライバーの居眠り運転防止の一機能として利用される場合がある。
ここで、実施形態にかかる第1の情報処理が行われるにあたっての前提について説明する。例えば、カーナビ上で駐車場所の満空状況が案内されても、取り合いの激しい駐車場所や混雑し易い駐車場所も多く存在することから、現地に到着したときには、全ての駐車場所が満車となっている、という状況が起こり得る。このため、ドライバーに通知する満空情報であって、満空状況を示す満空情報をいかにフレッシュにするかということが求められる。こうした場合、例えば、満空情報が通知される通知対象の車両以外の他の車両のうち、通知対象の車両がこの先(例えば、数分後等)に通過する道路を走行中の車両に基づいて、この道路沿い等に存在する駐車場所の満空情報を取得し、通知対象の車両に通知することができればこの満空情報はかなり信頼性の高い最新の満空情報といえる。
以上のような前提を踏まえて、実施形態にかかる情報処理装置100は、実施形態にかかる第1の情報処理を行う。具体的には、情報処理装置100は、情報通知される通知対象の車両以外の他の車両を基準とする満空情報であって、所定の駐車場所の満空状況に関する満空情報を取得し、取得した満空情報を通知対象の移動体のドライバー(ユーザ)に通知する。第1の情報処理では、所定の駐車場所を道路に設置される駐車場所(例えば、パーキングメーター用の駐車場所)として説明するが、上記の通り、コインパーキング、その他駐車場、駐停車禁止でないエリア等いずれであってもよい。
例えば、情報処理装置100は、他の車両として、通知対象の車両が将来通過し得る道路を走行する車両を基準とする満空情報であって、当該他の車両の周辺(例えば、近傍、または、他の車両を中心とする所定範囲内のエリア)に存在する所定の駐車場所の満空状況に関する満空情報を取得する。この一例として、情報処理装置100は、例えば、経路案内を行うナビゲーションプログラムによって提供されるサービスに対する、通知対象の車両に関する登録情報と、他の車両の位置情報とに基づいて、他の車両のうち、通知対象の車両が将来通過し得る道路を走行する車両を特定する。そして、情報処理装置100は、特定した他の車両を基準とする満空情報であって、当該他の車両の周辺に存在する所定の駐車場所の満空状況に関する満空情報を取得する。
また、例えば、情報処理装置100は、他の車両のうち、通知対象の車両が走行する車線に対する対向車線を走行する車両を基準とする満空情報であって、当該車両の周辺に存在する所定の駐車場所の満空状況に関する満空情報を取得する。また、例えば、情報処理装置100は、他の車両のうち、通知対象の車両が走行する道路に対して交差する道路を走行する車両を基準とする満空情報であって、当該車両の周辺に存在する所定の駐車場所の満空状況に関する満空情報を取得する。
また、情報処理装置100は、第1の情報処理を行ううえでの前提として行っている処理がある。具体的には、情報処理装置100は、各車両を基準として(各車両のドライバー目線、すなわち各車両のドラレコ装置10での撮像データに基づいて)、駐車場所の満空状況を判定する満空判定を行っている。具体的には、情報処理装置100は、各車両のドラレコ装置10から送信された撮像データを基に、当該撮像データ送信元の車両に向けての満空判定を行い、判定結果を当該撮像データ送信元の車両に通知している。かかる処理は、第2の情報処理として、図5および図6を用いて説明する。このようなことを踏まえて、図1の例において情報処理装置100が行う第1の情報処理とは、通知対象の車両に対して、他の車両を基準に行われた上記満空判定での判定結果を示す満空情報をこの通知対象の車両に通知する、といったものである。また、このようなことから、他の車両は、「通知対象の車両」のために自車両の満空情報が利用される「利用対象の車両」といえる。
以下では、図1を用いて、実施形態にかかる第1の情報処理の一例を手順を追って説明する。また、情報処理装置100が有する記憶部についても適宜説明する。また、図1の例では、満空判定の詳細については触れず、そこから得られた判定結果(満空情報)を単に用いる点に絞って説明する。
図1の例では、車両C5と車両C6を説明に用いる。車両C5は、車両C6を基準とする満空情報が通知される通知対象の車両である。より具体的には、車両C5は、車両C6のドラレコ装置10の撮像によって得られた撮像データに基づき満空判定された判定結果を示す満空情報が通知される通知対象の車両である。さらに言うなら、車両C5は、車両C6から車両C6での満空情報の提供を受ける車両である。図1の例では、車両C5は、ドライバーD5によって道路L40を運転されており、ドラレコ装置10-5が搭載されている。
このような状態において、情報処理装置100は、通知対象の車両である車両C5に対する他の車両であって、車両C5のために満空情報が利用される利用対象の車両を特定(決定)する(ステップS11)。すなわち、情報処理装置100は、利用対象の車両であって、その車両のドラレコ装置10による撮像データに基づき満空判定された際の満空情報が提供(通知)されるような利用対象の車両を特定する。
なお、情報処理装置100は、必ずしも撮像データに基づき満空判定された際の満空情報を通知対象の車両に通知する必要はない。例えば、情報処理装置100は、利用対象の車両のドラレコ装置10による撮像データに写された「満」あるいは「空」の文字であって、コインパーキングでの満空状況を通知するサイネ-ジ等に表示された文字から単純に判断した満空情報を通知対象の車両に通知してもよい。例えば、利用対象の車両のドライバーは、自身が目視によって満空状況を判断した場合に(例えば、ドライバーは、コインパーキングでの満空状況を通知するサイネ-ジを見て「満車」あるいは「空車」を判断)、この満空状況を示す満空情報をドラレコ装置10を操作して情報処理装置100へと送信することができる。かかる場合、情報処理装置100は、利用対象の車両のドライバーの目視によって判断された満空状況を示す満空情報を通知対象の車両に通知する。
説明を戻す。情報処理装置100は、ステップS11において、例えば、他の車両として、車両C5が将来通過し得る道路を走行する車両を特定する。例えば、情報処理装置100は、経路案内を行うナビゲーションサービスに対する、車両C5に関する登録情報と、他の車両の位置情報とに基づいて、他の車両のうち、車両C5が将来通過し得る道路を走行する車両を特定する。
例えば、情報処理装置100は、経路案内を行うナビゲーションサービス(「サービスNA」とする)を提供する外部装置にアクセス可能であるため、車両C5のドライバーD5によってサービスNAに登録された登録情報を取得する。例えば、情報処理装置100は、目的地がどこに登録されているかを示す目的地情報と、この目的地までの候補経路のうちどの経路で経路案内するよう指定されたかを示す経路案内情報とを取得する。図1の例では、情報処理装置100は、目的地が目的地Oであることを示す目的地情報を取得したとする。情報処理装置100は、道路L40、道路L50、道路L60の順にこれらの道路を通り目的地Oへ向かうことを示す経路案内情報を取得したとする。
ここで、車両C5が目的地Oに到着する到着予想時刻の所定時間前の時刻(例えば、時刻t)になったとする。また、図1に示すマップM1のように、車両C5は、現在時刻t1において道路L40を走行しており、またこのときの車両C5の位置は位置P1であるとする。そうすると、情報処理装置100は、時刻t1において目的地Oの付近を走行する車両であって、車両C5が将来(時刻t1以降)通過する道路である道路L60を走行する車両を利用対象の車両として特定する。図1の例では、情報処理装置100は、時刻t1において位置PT2にあり道路L60を走行する車両C6を利用対象の車両として特定した例を示す。
なお、図1の例は、情報処理装置100が、車両C6のみを利用対象の車両として特定している例を示している。しかしながら、情報処理装置100は、車両C6の後続車がある場合には、この後続車が目的地Oの付近に到達する度にこの後続車も利用対象の車両として特定することができる。また、ステップS11で示した利用対象の車両を特定する手法は一例であり、情報処理装置100は、任意の手法を用いて車両C5が将来通過し得る道路を走行する車両を特定することができる。
図1の例では、車両C6は、ドライバーD6によって道路L60を運転されており、ドラレコ装置10-6が搭載されている。情報処理装置100は、ドラレコ装置10-6による撮像データに基づき行った満空判定での判定結果を示す満空情報を車両C5のドライバーD5に通知する。このため、車両C6は、自車両を基準とする、すなわちドラレコ装置10-6目線の満空情報を利用される「利用対象の車両」である。もちろん、情報処理装置100は、車両C5のドラレコ装置10-5による撮像データに基づき行った満空判定での判定結果を示す満空情報をそのままドライバーD5に通知することも行っている。
次に、情報処理装置100は、利用対象の車両である車両C6のドラレコ装置10-6によって撮像された撮像データに基づき満空判定した際の判定結果を示す満空情報(満空情報J1とする)を取得する(ステップS12)。例えば、かかる満空判定は後述する満空判定部136によって行われるが、満空情報取得部131は、満空判定部136から満空情報J1を取得する。また、満空情報J1が所定の記憶部に格納される場合には、満空情報取得部131は、この所定の記憶部から満空情報J1を取得する。
図1の例では、情報処理装置100は、撮像データに基づきパーキングメーターの駐車区画それぞれについて満空状況を判定する満空判定を行っているものとする。マップM1の例によると、時刻t1の時点では、車両C6の前方の位置PT21に存在するエリアAR12内には、4つの駐車区画が存在する。このため、例えば、ドラレコ装置10-6によって時刻t1に撮像された撮像データにはこの4つの駐車区画が写される。そうすると、情報処理装置100は、ドラレコ装置10-6から取得したこの撮像データに基づいて、かかる4つの駐車区画の満空状況を判定することになる。例えば、情報処理装置100は、マップM1のように、駐車区画SP11は「満車」、駐車区画SP12は「満車」、駐車区画SP21は「満車」、駐車区画SP22は「空車」と判定したとすると、かかる判定結果を示す満空情報J1を取得する。
次に、情報処理装置100は、車両C6を基準とする満空情報J1を車両C5のドライバーD5に通知する(ステップS13)。例えば、情報処理装置100は、ドラレコ装置10-5に対して、満空情報J1を表示画面Dに表示させる。通知の一例について図2を用いて説明する。図2は、満空情報の通知例の一例を示す図である。
図2の例では、ドラレコ装置10-5は、サービスNAにより提供される地図情報であって、マップM1に対応する地図情報を表示画面Dに表示させている。また、ドラレコ装置10-5は、サービスNAに対応するプログラムの制御に応じて、地図情報上で目的地Oまでの経路案内を表示させている。
このような状態において、ドラレコ装置10-5は、情報処理装置100からの通知制御を受けて、満空情報J1を表示画面Dに表示させる。例えば、ドラレコ装置10-5は、図2に示すように、地図情報上の位置であって、エリアAR12の位置である位置21に満空情報J1を表示させる。例えば、ドラレコ装置10-5は、文字「空車有」を丸で囲むような態様の満空情報J1を表示させる。なお、図2に示す満空情報J1の表示態様は一例に過ぎず、満空情報J1がどのような態様で表示(通知)されるかは限定されない。また、ドラレコ装置10-5は、満空情報J1を説明する音声をスピーカー(出力部)から出力させてもよい。
さて、このような通知が行われたところで、情報処理装置100は、引き続き処理を行う。例えば、情報処理装置100は、車両C6の後続車であるさらに別の利用対象の車両が存在するか否かを判定する(ステップS14)。車両C6の後続車は、いずれ位置PT2に来ることになるため、車両C6に続く利用対象の車両といえる。情報処理装置100は、車両C6の次に利用対象の車両となり得る後続車が存在しない場合には(ステップS14;No)、後続車が来るまで待機する。一方、情報処理装置100は、車両C6に続き目的地O付近において後続車が存在する場合には(ステップS14;Yes)、この後続車を車両C6の次の利用対象の車両と特定する。図1では付図示であるが、情報処理装置100は、後続車である車両C7をさらなる利用対象の車両として特定したものとする。
そうすると、情報処理装置100は、後続の利用対象の車両である車両C7のドラレコ装置10-7によって撮像された撮像データに基づき満空判定した際の判定結果を示す満空情報(満空情報J2とする)を取得する(ステップS15)。満空情報J2は、満空情報J1と同様に、エリアAR12内に存在する4つの駐車区画それぞれの満空状況が判定された判定結果を示すものである。ここで、例えば、情報処理装置100は、マップM1のように時刻t1の時点では「空車」と判定していた駐車区画SP22について「満車」と判定したとする。他の3つの駐車区画については同様に「満車」であるものとする。
次に、情報処理装置100は、満空情報J1と満空情報J2とを比較し、変化があるか否かを判定する(ステップS16)。例えば、情報処理装置100は、満空情報J1と満空情報J2とを比較し、これまで空車であった駐車区画が満車となっていれば変化ありと判定する。また、情報処理装置100は、満空情報J1と満空情報J2とを比較し、これまで満車であった駐車区画が空車となっていれば変化有と判定する。情報処理装置100は、満空情報J1と満空情報J2とを比較し、双方で満空状況に変化がないと判定した場合には(ステップS16;No)、ステップS14からの処理を繰り返す。
上記例によると、これまで空車であった駐車区画SP22が満車となっている。したがって、上記例の場合には、情報処理装置100は、これまで空車であった駐車区画SP22が満車となっていることにより変化ありと判定する。そして、情報処理装置100は、変化有と判定した場合には(ステップS16;Yes)、車両C7を基準とする満空情報J2を車両C5のドライバーD5に通知する(ステップS17)。例えば、情報処理装置100は、ドラレコ装置10-5に対して、満空情報J2を表示画面Dに表示させる。図2の例では、ドラレコ装置10-5は、情報処理装置100から満空情報J1を受けて、文字「空車有」を丸で囲むような態様の満空情報J1を表示画面Dに表示させている。しかし、ドラレコ装置10-5は、次に、情報処理装置100から満空情報J2を受けたことに応じて、例えば、文字「空車無」を丸で囲むような態様の満空情報J2を表示画面Dに切り替え表示させる。
これまで説明してきたように、実施形態にかかる情報処理装置100は、情報通知される通知対象の車両以外の他の車両を基準とする満空情報であって、所定の駐車場所の満空状況に関する満空情報を取得し、取得した満空情報を通知対象の移動体のドライバー(ユーザ)に通知する。例えば、通知対象の車両からでは現時点において正確に得ることのできない満空情報。例えば、通知対象の車両のドライバーは、この先通り道路での駐車場所の現在の正確な満空状況を得ることができない場合がある。しかし、図1で説明したように、現在その駐車場所付近に居る他の車両であれば、例えば、ドラレコ装置10を用いてその駐車場所の現在の正確な満空状況を得ることができる。実施形態にかかる情報処理装置100は、他の車両を基準として得られた満空情報を通知対象の車両のドライバーに通知することができるため、従来技術で通知される満空情報よりもより最新の満空情報を効果的に通知することができる。
また、情報処理装置100は、通知対象の車両1台について、1台しか利用対象の車両(他の車両)を特定するのではなく、利用対象の車両に続く後続車が存在する場合には、後続車が存在する度にその後続車をさらなる利用対象の車両として特定することで、通知対象の車両に通知する満空情報を次々に更新してゆく。これにより、情報処理装置100は、満空状況に変化が現れればその度に変化後の満空状況を通知することができるため、常に最新の満空状況を効果的に通知することができる。
図1の例では、情報処理装置100が、カーナビへの登録情報や利用対象の車両の位置情報を用いて、通知対象の車両が将来通過する道路として、例えば、目的地に対応する道路においてこの目的地周辺の車両を利用対象の車両として特定する例を示した。しかし、情報処理装置100(以下の特定部132)は、必ずしもカーナビへの登録情報を用いる必要はなく任意の手法で利用対象の車両を特定することができる。
例えば、情報処理装置100は、通知対象の車両以外の他の車両のうち、通知対象の車両が走行する車線に対する対向車線を走行する車両を特定してもよい。具体的には、情報処理装置100は、通知対象の車両以外の他の車両のうち、通知対象の車両が走行する車線に対する対向車線を走行する車両を利用対象の車両として特定してもよい。例えば、情報処理装置100は、通知対象の車両が走行する車線に対する対向車線を走行する他の車両のうち、通知対象の車両との距離が所定距離(例えば、通知対象の車両のドラレコ装置10と、他の車両のドラレコ装置10との間での近距離通信が可能な距離)以内となった車両を利用対象の車両として特定することができる。
また、例えば、情報処理装置100は、他の車両のうち、通知対象の車両が走行する道路に対して交差する道路(通知対象の車両が走行する道路を曲がった先の道路)を走行する車両を特定してもよい。例えば、情報処理装置100は、サービスNAの経路案内情報や、工事情報や、その他の各種情報を用いて、通知対象の車両がどの角を曲がるのかを事前に特定できたとする。かかる場合、情報処理装置100は、他の車両のうち、通知対象の車両が走行する道路を途中で曲がった先の道路を走行する車両のうち、通知対象の車両との距離が所定距離以内となった車両を利用対象の車両として特定することができる。
さて、これまでの例では、情報処理装置100が実施形態にかかる第1の情報処理を行う例を示した。具体的には、情報処理装置100が他の車両のドラレコ装置10から取得した情報を通知対象の車両のドラレコ装置10へ提供するといったように、情報処理装置100が通知対象の車両のドラレコ装置10と、他の車両のドラレコ装置10とを仲介するような形態の第1の情報処理を示した。これにより、情報処理装置100は、駐車場所における最新の満空情報を効果的に通知することができる。
また、情報処理装置100を介することなく、各車両のドラレコ装置10間で当該ドラレコ装置10のみで第1の情報処理が行われてもよい。例えば、通知対象の車両のドラレコ装置10は、他の車両のドラレコ装置10から直接満空情報を取得してもよい。この点について、図3を用いて説明する。図3は、第1の情報処理が行われる情報処理システム1の構成例を示す図である。
まず、図3(a)は、これまでの例に対応し、情報処理装置100が実施形態にかかる第1の情報処理を行うものである。すなわち、図3(a)の例によると、情報処理装置100は、他の車両の中から特定した利用対象の車両である車両C6のドラレコ装置10-6から送信された撮像データを取得する。そして、情報処理装置100は、ドラレコ装置10-6から取得した撮像データに基づき満空判定を行う。つまり、情報処理装置100は、ドラレコ装置10-6目線での満空判定を行う。そして、情報処理装置100は、この満空判定での判定結果を示す満空情報を取得する。そして、情報処理装置100は、取得した満空情報を通知対象の車両C5に通知する。このように、図3(a)の例では、情報処理装置100が実施形態にかかる情報処理装置の一例と定義付けることができる。
次に、図3(b)は、各車両のドラレコ装置10を実施形態にかかる情報処理装置の一例と定義付けて、各車両のドラレコ装置10間で当該ドラレコ装置10のみで第1の情報処理が行われる例を示す。このような場合、各車両のドラレコ装置10は、それぞれ自装置による撮像データを用いて満空判定を行っている。このような状態において、図3(b)の例では、まず、ドラレコ装置10-5は、車両C5以外の他の車両のうち、利用対象の車両を特定する。ドラレコ装置10-5は、車両C6を特定したとすると、例えば、車両5と車両6とが所定範囲内に接近し近距離通信可能となると、ドラレコ装置10-5は、ドラレコ装置10-6に対して、通知要求を送信する。
ドラレコ装置10-6は、自装置による撮像データに基づき満空判定を行っているため、通知要求を受信すると、この満空判定での判定結果を示す満空情報をドラレコ装置10-6に送信する。これにより、ドラレコ装置10-5は、ドラレコ装置10-6から満空情報を取得することになり、取得した満空情報を、例えば、図2の例のように表示画面Dに表示させる。
〔2.第2の情報処理の一例〕
さて、これまで図1~図4を用いて実施形態にかかる第1の情報処理について説明してきた。ここからは、実施形態にかかる第2の情報処理について説明する。説明に先立って、第2の情報処理が行われるにあたっての前提について説明する。例えば、地図上でパーキングメーター用の駐車場所の満空状況が案内されても、取り合いの激しいパーキングメーターも多く存在することから、到着したときには、全ての駐車区画が満車となっている、という状況が起こり得る。このため、例えば、パーキングメーター用の駐車場所付近を通りがかったときに、この駐車場所において、適宜、各駐車区画の満空状況が通知されれば、空車の駐車区画を通り過ぎてしまうことを防止することができる。例えば、一旦、空車の駐車区画を通り過ぎてしまうと、取り合いの激しい駐車場所では、次にこの駐車区画に戻ってきたときには、満車となっていることもあり得る。
このようなことから、道路に設置される駐車場所の満空状況であって、走行付近の駐車場所の満空状況を走行中のドライバーに対して的確に通知することが可能なカーナビやドライブレコーダーがあれば非常に便利であるし、運転の安全性も高まる。
以上のような前提を踏まえて、実施形態にかかる情報処理装置100は、実施形態にかかる第2の情報処理を行う。具体的には、情報処理装置100は、撮像データを取得する。例えば、情報処理装置100は、道路を走行する車両に搭載されたカメラによって撮像された撮像データを取得する。すなわち、情報処理装置100は、車両のドライブレコーダーによって撮像された撮像データを取得する。そして、情報処理装置100は、取得した撮像データに基づいて、撮像データに写される道路に設置される駐車場所の満空状況を判定する。そして、情報処理装置100は、判定結果をドライバー(ユーザ)に通知する。例えば、情報処理装置100は、カメラが搭載された車両が現在走行中の道路に設置される駐車場所であって、当該移動体の進行方向に存在する駐車場所の現在の満空状況を判定する。具体的には、情報処理装置100は、駐車場所として、1台の移動体を駐車させるための駐車区画毎に、当該駐車場所の満空状況を判定する。
また、情報処理装置100は、撮像データに基づいて、撮像データに写される所定の撮像物の撮像態様が所定の条件を満たしているか否かに応じて、駐車場所の満空状況を判定する。例えば、情報処理装置100は、所定の撮像物の撮像態様として、道路上に引かれたライン(例えば、駐車区画を示す白線)が移動体との位置関係に応じてどのように撮像されるかを示す撮像態様であって、ラインの撮像態様が所定の条件を満たしているか否かに応じて、駐車場所の満空状況を判定する。例えば、情報処理装置100は、撮像態様が示す形状であって、所定の撮像物の形状が所定の形状であるか否かに応じて、所定の駐車場所の満空状況を判定する。例えば、情報処理装置100は、所定の撮像物の撮像態様と、当該撮像態様が示すように撮像物が撮像された際の駐車場所の満空状況とが対応付けられた情報により学習されたモデルに基づいて、処理対象の駐車場所の満空状況を判定する。
以下では、図5を用いて、実施形態にかかる第2情報処理の一例を手順を追って説明する。図5は、実施形態にかかる第2の情報処理の一例を示す図である。実施形態にかかる第2の情報処理も図4に示す情報処理システム1に対応する。また、第2の情報処理で対象とする駐車場所は、基本的には、パーキングメーター用の駐車場所のような、道路に設置される駐車場所(駐車区画)であるが、一般的な駐車場やコインパーキング等にも適用されてよい。
ステップS23までの説明は、駐車場所の満空状況を判定する満空判定を行うための、前段階の処理であり、学習モデルを生成するための処理である。学習には、各車両がドライブレコーダーで撮影(録画)しながら、各地を走行することにより収集された撮像データサンプルの実績が用いられる。そして、実績としての撮像データサンプルに対して、正解データ(正解ラベル、教師データ)が指定されることにより、情報処理装置100は、例えば、道路に描かれたライン(白線)がどのように写されているときには、そのラインが駐車区画を示すラインであり、その駐車区画が空車であるのか満車であるのかを学習し、学習結果が反映されたモデルを生成する。
図5では、撮像データサンプルを得るための車両として、車両C1、車両C2、車両C3といった3台の車両が例示されているが、車両の台数に制限は無い。また、車両の車種等にも制限は無い。また、図5の例では、車両C1は、ドライバーD1によって道路L1を運転されており、ドラレコ装置10-1が搭載されている。また、図5の例では、車両C2は、ドライバーD2によって道路L2を運転されており、ドラレコ装置10-2が搭載されている。また、図5の例では、車両C3は、ドライバーD3によって道路L3を運転されており、ドラレコ装置10-3が搭載されている。ドラレコ装置10-1、10-2、10-3を特に区別する必要がない場合には、単にドラレコ装置10と表記する。
そして、車両C1、車両C2、車両C3の各ドラレコ装置10は、例えば、撮像中(録画中)となっている場合には、撮像によって得られた撮像データ(動画像データ)サンプルを随時、情報処理装置100に送信する。一方で、各ドラレコ装置10は、ある期間(例えば、1日、または、1週間)毎に、この期間中に得られた撮像データサンプルをまとめて情報処理装置100に送信してもよい。つまり、ドラレコ装置10が、どのようなタイミングで撮像データを送信するかは限定されない。
情報処理装置100は、各ドラレコ装置10から撮像データサンプルが送信されることにより、送信された撮像データサンプルを取得(受信)し、取得した撮像データサンプルを撮像データ記憶部121に格納する(ステップS21)。図5の例では、ドラレコ装置10-1は、撮像データサンプルとして、撮像データVG1を送信している。よって、情報処理装置100は、ドラレコ装置10-1から撮像データVG1を取得し、撮像データ記憶部121に格納する。なお、図5の例では、撮像データVG1は、ある一場面(一コマ)のみを示したデータとなっているが、撮像データVG1は、実際には、動画長さ30分(再生時間30分)といったように時間の概念を有する。また、図5の例では、ドラレコ装置10-2は、撮像データサンプルとして、撮像データVG2を送信している。よって、情報処理装置100は、ドラレコ装置10-2から撮像データVG2を取得し、撮像データ記憶部121に格納する。撮像データVG2も同様に時間の概念を有する。また、図5の例では、ドラレコ装置10-3は、撮像データサンプルとして、撮像データVG3を送信している。よって、情報処理装置100は、ドラレコ装置10-3から撮像データVG3を取得し、撮像データ記憶部121に格納する。撮像データVG3も同様に時間の概念を有する。撮像データ記憶部121の内部構成については後述する。
このような状態において、情報処理装置100は、正解ラベルを取得する(ステップS22)。情報処理装置100は、撮像データサンプルに対して、人手によってタグ付けされた部分を正解ラベルとして撮像データ記憶部121から取得する。このタグ付けの手法には、任意の手法が用いられる。例えば、作業員は、撮像データサンプルに駐車区画を示すラインが含まれる場合には、そのラインに色塗りし、色塗りした部分の意味をタグ付けする。例えば、作業員は、この部分が「どういうラインなのか」、「どういう色か」等の属性をタグ付けする。また、例えば、駐車区画に車両が駐車されている場合、ラインと、駐車されている車両との位置関係に応じて、ラインは様々な撮像態様を示す(ラインは様々な形状で写される)。したがって、作業員は、ラインが駐車されている車両の影響を受けて様々な撮像態様を示す各場合において、「ラインがこの形状のときは空車」、「ラインがこの形状のときは満車」等のタグ付けを行う。
このようなことから、作業員は、所定の撮像物の撮像態様として、道路上に引かれたラインが車両との位置関係に応じてどのように撮像されるかを示す撮像態様に応じて、各撮像態様での満空状況を示すタグ付けを行うことにより、タグ付けした部分を正解ラベルとして指定する。例えば、作業員は、撮像態様が示す形状であって、道路上に引かれたラインの形状が所定の形状であるか否かに応じて、各形状での満空状況を示すタグ付けを行うことにより、タグ付けした部分を正解ラベルとして指定する。この点について図5に示す各サンプルデータの例を用いて説明する。
撮像データVG1において、正解ラベルCL11は、「コの字形の白ラインは駐車区画であり、空車の場合にはコの字形に見える態様で撮像される」といった意味のタグ付けが行われることにより指定された正解データの一例である。また、正解ラベルCL12は、「横断歩道付近の直線白ラインは停止線であり(駐車区画ではない)、この直線白ライン付近は駐停車禁止エリアのため、満空判定の対象外」といった意味のタグ付けが行われることにより指定された正解データの一例である。また、正解ラベルCL13は、「信号機付近の直線白ラインは停止線であり、また、複数ラインは横断歩道であり、これらのライン付近は駐停車禁止エリアのため、満空判定の対象外」といった意味のタグ付けが行われることにより指定された正解データの一例である。
また、撮像データVG2において、正解ラベルCL21は、「コの字形の白ラインは駐車区画であり、空車の場合にはコの字形に見える態様で撮像される」といった意味のタグ付けが行われることにより指定された正解データの一例である。また、正解ラベルCL22は、「鍵形の白ラインは駐車区画の一部であり、満車の場合には駐車されている車両との位置関係に応じて鍵型に見える態様で撮像される」といった意味のタグ付けが行われることにより指定された正解データの一例である。
また、撮像データVG3において、正解ラベルCL31は、「タイヤ後ろにわずかに見える白い対象物は駐車区画を示す白ラインの一部であり、満車の場合には駐車されている車両との位置関係に応じてこのような態様で撮像される」といった意味のタグ付けが行われることにより指定された正解データの一例である。また、正解ラベルCL32は、「鍵形の白ラインは駐車区画の一部であり、満車の場合には駐車されている車両との位置関係に応じて鍵型に見える態様で撮像される」といった意味のタグ付けが行われることにより指定された正解データの一例である。
上記のような正解ラベルは、撮像データ記憶部121に格納される。また、上記例では、作業員が人手によってタグ付けにより正解ラベル指定を行う例を示したが、手作業のため多くの手間と時間を要する。したがって、この手作業は、自動化または効率化されてもよい。この一例として、情報処理装置100は、教師なし学習や半教師付き学習などを組み合わせたり、強化学習のように報酬と罰を決めることによって、後はアルゴリズムでシミュレートしながら学習し、モデルを生成してもよい。このようなことから、情報処理装置100は、必ずしも教師あり学習でモデルを生成する必要はない。以下では、教師あり学習として説明を進める。
さて、次に、情報処理装置100は、撮像物の撮像態様に応じた満空状況を学習することにより、撮像物の撮像態様に応じた満空状況を学習されたモデルを生成する(ステップS23)。具体的には、情報処理装置100は、所定の撮像物の撮像態様と、当該撮像態様が示すように撮像物が撮像された際の所定の駐車場所の満空状況とが対応付けられた情報により、撮像物の撮像態様に応じた満空状況を学習しモデルを生成する。例えば、情報処理装置100は、撮像物の撮像態様のうち、駐車場所の満空状況に応じた撮像態様を正解データとして学習されたモデルを生成する。
例えば、情報処理装置100は、ステップS22で説明したように、撮像物の撮像態様として、道路上に引かれたラインが車両との位置関係に応じてどのような形状で撮像されるかを示す撮像態様と、各撮像態様での満空状況との組合せを正解データとして用いることにより、ラインがどのようなパターンのときは空車であるのかや、ラインがどのようなパターンのときは空車であるのかを学習しモデルを生成する。
また、例えば、情報処理装置100は、ステップS22で説明したように、撮像物の撮像態様として、道路上に引かれたラインが車両との位置関係に応じてどのような形状で撮像されるかを示す撮像態様と、各撮像態様での満空状況との組合せを正解データとして用いることにより、ラインがどのようなパターンのときは空車であるのか、また、ラインがどのようなパターンのときは満車であるのかを学習しモデルを生成する。
また、例えば、情報処理装置100は、時間帯、天候、周辺の照度等がさらに要素として組み合わされた正解データを用いて、ラインがどのようなパターンや色のときは空車であるか、また、ラインがどのようなパターンや色のときは満車であるのかを学習しモデルを生成する。また、例えば、情報処理装置100は、車両の駐停車が禁止とされる禁止エリアに関する情報も学習することにより、そもそもどのような形状(パターン)のラインが駐車区画のラインであるのかも学習しモデルを生成する。
さらに、情報処理装置100は、上記のような学習により、満空判定の判定結果が通知される処理対象の車両からの撮像データが入力された場合に、この撮像データに写される対象物(例えば、道路上に引かれたライン)の形状(パターン)と、正解データとしての撮像態様が示すラインの形状(パターン)との一致度に基づくスコアであって、駐車場所の満空状況に関する確度を示すスコアを出力するモデルを生成する。生成されたモデルは、情報処理装置100内の所定の記憶部に格納される。なお、情報処理装置100は、道路がメッシュ状に仮想的に分割された各エリアのうち、どのエリアに駐車場所が存在するかを示す位置情報を記憶部内に有している場合がある。かかる場合、情報処理装置100は、駐車場所が存在するエリア毎に、そのエリアの撮像データサンプルに基づき学習されたモデルを生成してもよい。
また、モデルの学習手法については、任意の公知技術が適用可能である。例えば、モデルの生成は、機械学習に関する種々の従来技術を適宜用いて行われてもよい。例えば、モデルの生成は、SVM(Support Vector Machine)等の教師あり学習の機械学習に関する技術を用いて行われてもよい。また、例えば、モデルの生成は、教師なし学習の機械学習に関する技術を用いて行われてもよい。例えば、モデルの生成は、深層学習(ディープラーニング)の技術を用いて行われてもよい。例えば、モデルの生成は、RNN(Recurrent Neural Network)やCNN(Convolutional Neural Network)等の種々のディープラーニングの技術を適宜用いて行われてもよい。なお、上記モデルの生成に関する記載は例示であり、モデルの生成は、取得可能な情報等に応じて適宜選択された学習手法により行われてもよい。
次に、情報処理装置100は、処理対象の車両について、駐車場所の満空状況を判定する判定処理を行い、その判定結果を通知するタイミングであるか否かを判定する(ステップS24)。処理対象の車両は、ドラレコ装置10を有する車両であればどのような車両であってもよい。ここでは、処理対象の車両として、道路L60を走行中の車両C6(ドライバーD6が運転)を例に挙げる。例えば、情報処理装置100は、車両C6の運転態様が所定の条件を満たした場合(例えば、速度が所定速度より遅くなった場合)や、ドライバーD10の身体的挙動が所定の条件を満たした場合(例えば、首を振る等の左右を見渡す挙動が取られた場合)には、上記タイミングであると判定する。情報処理装置100は、かかるタイミングでないと判定した場合には(ステップS24;No)、条件が満たされるまで待機する。一方、情報処理装置100は、かかるタイミングであると判定した場合には(ステップS24;Yes)、ステップS25の処理を行う。
次に、情報処理装置100は、ステップS25で取得した対象撮像データに基づいて、例えば、道路L60に存在するパーキングメーター用の駐車場所の満空状況を判定する満空判定を実行する(ステップS26)。そして、情報処理装置100は、満空判定の判定結果を処理対象の車両C6のドライバーD6に通知する(ステップS27)。
例えば、情報処理装置100は、道路L60に存在するパーキングメーター用の駐車区画毎に、当該駐車区画の満空状況を判定する満空判定を実行する。例えば、情報処理装置100は、道路L60に存在するパーキングメーター用の駐車区画毎に、当該駐車区画の満空状況を判定する満空判定を実行する。例えば、情報処理装置100は、ステップS23で生成されたモデルを用いて、車両C6が走行中のリアルタイム状況下で、道路L60に存在するパーキングメーター用の駐車区画毎に、当該駐車区画の満空状況を判定する満空判定を実行する。
ここで、実施形態にかかる撮像データは、動画であるため、例えば、1秒間において数十枚もの画像データにおいて構成される。したがって、情報処理装置100が、リアルタイムに撮像データを遂次取得するというのは、車両の走行および走行中の時間経過に応じて変化する画像データを連続的に取得してゆくことを意味する。このため、例えば、車両C6のドラレコ装置10-6から遂次取得された対象撮像データとして、画像データGP6-1、画像データGP6-2、画像データGP6-3を例に挙げる。言い換えれば、ドラレコ装置10-6から遂次取得される動画としての対象撮像データは、画像データGP6-1、画像データGP6-2、画像データGP6-3によって構成されるものとする。
また、画像データGP6-1は、車両C6が道路L60を走行しているときの、ある所定の時刻t1において撮像されたデータであるものとする。また、画像データGP6-2は、車両C6が道路L60を走行しているときの、ある所定の時刻t2において撮像されたデータであるものとする。また、画像データGP6-3は、車両C6が道路L60を走行しているときの、ある所定の時刻t3において撮像されたデータであるものとする。
まず、画像データGP6-1の例について説明する。情報処理装置100は、画像データGP6-1を取得した時点で、画像データGP6-1をモデルに入力することにより、画像データGP6-1に写されている駐車区画が空車である確率(空車率)を算出する。情報処理装置100は、正解データに基づきどのような形状のラインが駐車区画のラインであるかや、このラインが駐車区画のラインである場合、近傍の車両との位置関係に応じてどのような態様で撮像されているときに空車あるいは満車であるかを学習している。したがって、情報処理装置100は、画像データGP6-1に一切ラインが映されてない場合には満空判定を行わない。一方、情報処理装置100は、画像データGP6-1に駐車区画のラインが映されている場合には、このラインに対応する駐車区画について、モデルを用いて空車である確率を算出する。空車である確率を算出するは、満車である確率(満車率)を算出するとも言い換えることができる。
例えば、情報処理装置100は、画像データGP6-1に写されている駐車区画について、所定値(例えば、90%)以上の確率を算出した場合にはその駐車場所は空車であると判定し、所定値(例えば、3%)以下の確率を算出した場合にはその駐車場所は満車であると判定する。この後、図6を用いて詳しく説明するが、画像データGP6-1に写されている駐車区画には、車両C100が駐車されているため満車である。したがって、かかる例では、情報処理装置100は、車両C100が駐車されている駐車区画について、空車率3%以下の確率を算出することになる。そうすると、情報処理装置100は、車両C100が駐車されているこの駐車区画は満車と判定する。
かかる場合、情報処理装置100は、ステップS27において、車両C100が駐車されている駐車区画は満車であることを示す情報を、ドラレコ装置10-6を介してドライバーD6に通知する。例えば、情報処理装置100は、ドラレコ装置10-6の表示画面Dに現在表示されている画像データGP6-1に対して、車両C100が駐車されている駐車区画は満車であることを示す満車情報を重ねて表示させる。このあと図6で説明するが、一例を示すと、情報処理装置100は、「満」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての満車情報IF100を、車両C100が駐車されている駐車区画を囲むようにして表示させる。
次に、画像データGP6-2の例について説明する。同様に、情報処理装置100は、画像データGP6-2を取得した時点で、画像データGP6-2をモデルに入力することにより、画像データGP6-2に写されている駐車区画が空車である確率(空車率)を算出する。例えば、情報処理装置100は、画像データGP6-2に駐車区画のラインが映されている場合には、このラインに対応する駐車区画について、モデルを用いて空車である確率を算出する。
例えば、情報処理装置100は、画像データGP6-2に写されている駐車区画について、所定値(例えば、90%)以上の確率を算出した場合にはその駐車場所は空車であると判定し、所定値(例えば、3%)以下の確率を算出した場合にはその駐車場所は満車であると判定する。次の図6の例では、画像データGP6-2に写されている手前の駐車区画には、車両C110が駐車されているため満車である。したがって、情報処理装置100は、車両C110が駐車されている駐車区画について、空車率3%以下の確率を算出することになる。そうすると、情報処理装置100は、車両C110が駐車されているこの駐車区画は満車と判定する。
また、図6の例によると、画像データGP6-2では、車両C110と車両C120との間には車両一台分の駐車区画が存在し、かかる駐車区画には車両が駐車されていない。したがって、情報処理装置100は、車両C110と車両C120との間に存在するこの駐車区画について、空車率90%以上の確率を算出することになる。そうすると、情報処理装置100は、車両C110と車両C120との間に存在するこの駐車区画は空車と判定する。
以上のような場合、情報処理装置100は、ステップS27において、車両C110が駐車されている駐車区画は満車であることを示す情報、および、車両C110と車両C120との間に存在する駐車区画は空車であることを示す情報をドラレコ装置10-6を介して、ドライバーD6に通知する。例えば、情報処理装置100は、ドラレコ装置10-6の表示画面Dに現在表示されている画像データGP6-2に対して、満車情報および空車情報を重ねて表示させる。このあと図6で説明するが、一例を示すと、情報処理装置100は、「満」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての満車情報IF110を、車両C110が駐車されている駐車区画を囲むようにして表示させる。また、情報処理装置100は、「空」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての空車情報IF115を、車両C110と車両C120との間に存在する駐車区画を囲むようにして表示させる。
次に、画像データGP6-3の例について説明する。同様に、情報処理装置100は、画像データGP6-3を取得した時点で、画像データGP6-3をモデルに入力することにより、画像データGP6-3に写されている駐車区画が空車である確率(空車率)を算出する。例えば、情報処理装置100は、画像データGP6-3に駐車区画のラインが映されている場合には、このラインに対応する駐車区画について、モデルを用いて空車である確率を算出する。
例えば、情報処理装置100は、画像データGP6-3に写されている駐車区画について、所定値(例えば、90%)以上の確率を算出した場合にはその駐車場所は空車であると判定し、所定値(例えば、3%)以下の確率を算出した場合にはその駐車場所は満車であると判定する。次の図6の例では、画像データGP6-3に写されている駐車区画には、車両C120が駐車されているため満車である。したがって、情報処理装置100は、車両C120が駐車されている駐車区画について、空車率3%以下の確率を算出することになる。そうすると、情報処理装置100は、車両C120が駐車されているこの駐車区画は満車と判定する。
かかる場合、情報処理装置100は、ステップS27において、車両C120が駐車されている駐車区画は満車であることを示す情報をドラレコ装置10-6を介して、ドライバーD6に通知する。例えば、情報処理装置100は、ドラレコ装置10-6の表示画面Dに現在表示されている画像データGP6-3に対して、満車情報を重ねて表示させる。このあと図6で説明するが、一例を示すと、情報処理装置100は、「満」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての満車情報IF120を、車両C120が駐車されている駐車区画を囲むようにして表示させる。
ここからは、図6を用いて、画像データGP6-1、画像データGP6-2、画像データGP6-3それぞれで説明した通知例についてあらためて説明する。図6は、満空判定での判定結果を通知する一例を示す図である。図6に示すように、処理対象の車両C6のドラレコ装置10-6は、ステップS27での判定結果の通知を受けて、満空状況を示す情報を表示画面Dに表示する。例えば、ドラレコ装置10-6は、時間経過に応じて逐次変化する撮像データに応じて、そのときの撮像データに対する判定結果を重ねて表示する(ステップS28)。
図6(a)に示す画像データGP6-1は、時間経過に応じて変化する動画データのうち、車両C6が道路L60を走行しているときの、ある所定の時刻t1において撮像されたデータである。例えば、ドラレコ装置10-6は、情報処理装置100からの通知(表示指示)を受けて、自装置の表示画面Dに現在時刻(時刻t1)に表示されている画像データGP6-1に対して、車両C100が駐車されている駐車区画は満車であることを示す満車情報を重ねて表示させる。図6(a)に示すように、ドラレコ装置10-6は、例えば、「満」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての満車情報IF100を、車両C100が駐車されている駐車区画を囲むようにして表示させる。例えば、ドラレコ装置10-6は、車両C6の走行によりこの駐車区画が撮像範囲から完全に外に出るまで、満車情報IF100を表示し続ける。
図6(b)に示す画像データGP6-2は、時間経過に応じて変化する動画データのうち、車両C6が道路L60を走行しているときの、ある所定の時刻t2において撮像されたデータである。例えば、ドラレコ装置10-6は、情報処理装置100からの通知(表示指示)を受けて、自装置の表示画面Dに現在時刻(時刻t2)に表示されている画像データGP6-2に対して、車両C110が駐車されている駐車区画は満車であることを示す情報、および、車両C110と車両C120との間に存在する駐車区画は空車であることを示す情報を重ねて表示させる。図6(b)に示すように、ドラレコ装置10-6は、例えば、「満」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての満車情報IF110を、車両C110が駐車されている駐車区画を囲むようにして表示させる。また、ドラレコ装置10-6は、「空」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての空車情報IF115を、車両C110と車両C120との間に存在する駐車区画を囲むようにして表示させる。例えば、ドラレコ装置10-6は、車両C6の走行によりこれらの駐車区画が撮像範囲から完全に外に出るまで、満車情報IF110および空車情報IF115を表示し続ける。
図6(c)に示す画像データGP6-3は、時間経過に応じて変化する動画データのうち、車両C6が道路L60を走行しているときの、ある所定の時刻t3において撮像されたデータである。例えば、ドラレコ装置10-6は、情報処理装置100からの通知(表示指示)を受けて、自装置の表示画面Dに現在時刻(時刻t3)に表示されている画像データGP6-3に対して、車両C120が駐車されている駐車区画は満車であることを示す満車情報を重ねて表示させる。図6(c)に示すように、ドラレコ装置10-6は、例えば、「満」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての満車情報IF120を、車両C120が駐車されている駐車区画を囲むようにして表示させる。例えば、ドラレコ装置10-6は、車両C6の走行によりこの駐車区画が撮像範囲から完全に外に出るまで、満車情報IF120を表示し続ける。
なお、情報処理装置100は、例えば、正解データと対象撮像データとのマッチング、あるいは、対象撮像データに対する動画解析により駐車区画のラインを検出できた時点で、検出した駐車区画について満空判定を開始することができる。これにより、情報処理装置100は、例えば、車両C6と駐車区画とが離れすぎておりドライバーD6が駐車区画の存在を視認不可能な位置を車両C6が走行している段階で、判定結果を通知することができる。また、情報処理装置100は、車両C110と車両C120との間に存在する駐車区画のように、他の車両に邪魔されて目視ではその存在を視認不可能な位置を車両C6が走行している段階で、判定結果を通知することができる。このように、情報処理装置100は、例えば、ドライバーが駐車区画の存在を完全に視認できるような位置まで近づかなくともかなり早い段階で判定結果を通知することができるため、駐車区画に駐車するか否かの判断を余裕をもって行わせることができる。
さて、図5および図6を用いて説明してきたように、実施形態にかかる情報処理装置100は、第2の情報処理として、空車場所の満空状況を判定する満空判定を行う。具体的には、情報処理装置100は、車両のドライブレコーダーによって撮像された撮像データを取得する。そして、情報処理装置100は、取得した撮像データに基づいて、撮像データに写される道路に設置される駐車場所の満空状況をリアルタイム判定する。そして、情報処理装置100は、判定結果をドライバー(ユーザ)にリアルタイム通知する。
これにより、実施形態にかかる情報処理装置100は、道路に設置される駐車場所の満空状況であって、走行付近の駐車場所の満空状況を走行中のドライバーに対して、リアルタイムかつ的確に通知することができる。
また、情報処理装置100は、車両の駐停車が禁止とされる禁止エリアに関する情報も学習しているため、例えば、信号前の停止線、横断歩道を駐車区画として認識し、満空判定してしまうといった状況を回避することができる。また、情報処理装置100は、特定の施設(例えば、店舗、消防署、警察所)前のエリアも駐停車禁止エリアとして学習することもできる。このため、情報処理装置100は、例えば、これらの施設前にライン等の特定の撮像物が存在するような場合、これを駐車区画として認識し、満空判定してしまうといった状況を回避することができる。
また、ドラレコ装置10のカメラは、例えば、暗闇や悪天候時等、視認によって得られる情報が不確かな環境下や、その他の希少環境下においても、その環境下におかれた対象物を高精度に認識することができる場合がある。このようなことからも、本実施形態では、撮像データを用いることに優位性を見出している。すなわち、情報処理装置100は、車両の周辺環境がどのような環境であってもそれに左右されずに、的確に精度よく満空状況を通知することができる。
また、先に、ドラレコ装置10が、実施形態にかかる情報処理を行う情報処理装置の一例として単独で動作してもよいことを示したが、かかる場合には、ドラレコ装置10は、例えば、自装置が設置される車両を処理対象の車両として、図5および図6で説明した各ステップでの処理を行う。また、ドラレコ装置10は、学習によるモデル生成は行わず、例えば、所定期間毎にそれまでに収集された撮像データサンプルを用いて更新されるモデルを外部装置(例えば、情報処理装置100)から取得してもよい。
また、情報処理装置100は、ドラレコ装置10とパーキングメータ間での近距通信による決済や、例えば、ドライバーがスマートフォン等の端末装置に表示されたバーコードをパーキングメーターにかざすことによるバーコード決済に関する決済処理を行う機能を有してもよい。また、ドラレコ装置10が単独で動作する場合には、例えば、ドラレコ装置10が、パーキングメーターとの近距通信で取得した決済情報を所定の決済サーバ等に送信することにより決済処理を行ってもよい。
また、上記例では、情報処理装置100が、撮像データに写される所定の撮像物として、ラインの撮像態様が所定の条件を満たしているか否かに応じて、駐車場所の満空状況を判定する例を示した。しかし、情報処理装置100は、撮像データに写される所定の撮像物のうち、駐車場所が存在することを示す所定の対象物に基づいて、駐車場所の満空状況を判定することもできる。例えば、情報処理装置100は、所定の対象物として、パーキングメーター、または、駐車場所に対応する(駐車場所を示す)標識に基づいて、駐車場所の満空状況を判定する。この場合、例えば、情報処理装置100、駐車区画が満車および空車それぞれの場合においてパーキングメーター、または、標識がどのような撮像態様で撮像されるかが正解データとしてさらに学習されたモデルに基づいて、処理対象の駐車場所の満空状況を判定する。
また、情報処理装置100は、判定結果が通知される処理対象の車両から取得した撮像データにパーキングメータ、または、標識が写されている場合に、処理対象の車両はパーキングメーター用の駐車場所が存在するエリアに進入したと判断し、このエリア内に存在する駐車場所の満空状況を判定することもできる。
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、図7を用いて、実施形態にかかる情報処理装置100について説明する。図7は、実施形態にかかる情報処理装置100の構成例を示す図である。図7に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。例えば、情報処理装置100は、図1~図6で説明した情報処理を行うサーバ装置である。一方で、実施形態にかかる情報処理を行うのは、端末装置としてのドラレコ装置10であってもよい。
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、撮像データ記憶部121と、駐車場所情報記憶部122と、モデル記憶部123とを有する。
(撮像データ記憶部121について)
撮像データ記憶部121は、ドラレコ装置10のカメラ(撮像手段)による撮像で得られた撮像データに関する情報を記憶する。ここで、図8に実施形態にかかる撮像データ記憶部121の一例を示す。図8の例では、撮像データ記憶部121は、「ドライバーID」、「端末ID」、「日時」、「撮像データ」、「正解ラベル」といった項目を有する。
「ドライバーID」は、ドラレコ装置10が設置される車両のドライバーを識別する識別情報を示す。なお、ドライバーは、ドラレコ装置10の所有者であるため、「ユーザ」と言い換えることができる。「端末ID」は、ドラレコ装置10を識別する識別情報を示す。「日時」は、「撮像データ」が得られた日時を示す。図8の例では、日時に「DT1」といった概念的な記号を用いているが、実際には、例えば、年月日、日付、時刻情報が入力される。「撮像データ」は、ドラレコ装置10のカメラ(撮像部)による撮像で得られた撮像データを示す。「撮像データ」は、例えば、情報処理装置100の学習のために正解データ用のサンプルとして用いられることから、図5で示した撮像データサンプルに相当する。また、「撮像データ」は、動画であり、動画長「10分」といったように時間の概念を有する。「正解ラベル」は、対応する「撮像データ」に対するタグ付けによって指定された機械学習用の正解データ(教師データ)である。
すなわち、図8の例では、ドライバーID「D1」によって識別されるドライバー(ドライバーD1)のドラレコ装置であって、端末ID「10-1」によって識別されるドラレコ装置(ドラレコ装置10-1)が、日時「DT1」での撮像によって取得した撮像データ(撮像データサンプル)である「撮像データVG1」を情報処理装置100に送信することにより、情報処理装置100がこれを格納している例を示す。かかる例は、図5での説明に対応する。また、図8の例では、図5で説明したように、撮像データVG1に対して、正解ラベルCL11、正解ラベルCL12、正解ラベルCL13が指定されている例を示す。
なお、例えば、ドラレコ装置10-6が独立して実施形態にかかる第2の情報処理を実行する場合、ドラレコ装置10-6は、図8に示すような撮像データ記憶部121を有することができる。
(駐車場所情報記憶部122について)
駐車場所情報記憶部122は、道路に設置される駐車場所(例えば、パーキングメーター用の駐車場所)の位置(所在地)に関する情報を記憶する。ここで、図9に実施形態にかかる駐車場所情報記憶部122の一例を示す。図9の例では、駐車場所情報記憶部122は、「都道府県」、「市区町村」、「道路ID」、「エリア」、「位置情報」といった項目を有する。
「都道府県」、および、「市区町村」は、対応する「位置情報」が示す位置が含まれる都道府県および市区町村を示す。「道路ID」は、道路を識別する識別情報を示す。「エリア」は、「道路ID」が示す道路がメッシュ状に仮想的に分割された各エリアのうち、駐車場所が存在するエリアを識別する識別情報を示す。「位置情報」は、対応する「エリア」の位置を示す位置情報である。このようなことから、「位置情報」は、駐車場所の位置を示す位置情報とも言い換えることができる。図9の例では、「位置情報」に概念的な記号を用いているが、実際に例えば、住所あるいは経緯度等によって示される。
すなわち、図9の例では、東京都M区を通る道路であって、道路ID「RT11」によって識別される道路(道路RT11)が仮想的に分割された各エリアのうち、「PTm1」の位置にあるエリア「ARm1」、「PTm2」の位置にあるエリア「ARm2」、「PTm3」の位置にあるエリア「ARm3」に駐車場所が存在する例を示す。つまり、図6の例では、道路RT11上の位置である位置「PTm1」、位置「PTm2」、位置「PTm3」には、駐車場所が存在する例を示す。
(モデル記憶部123について)
モデル記憶部123は、情報処理装置100により生成されたモデルを記憶する記憶部である。モデル記憶部123は、例えば、各モデルを識別する「モデルID」と、当該モデルを示すモデル情報とを対応付けて記憶する。
(制御部130について)
図7に戻り、制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
図7に示すように、制御部130は、満空情報取得部131と、特定部132と、通知部133と、取得部134と、生成部135と、満空判定部136と、提供部137と、挙動判定部138と、開始制御部139とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図7に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図7に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
(満空情報取得部131について)
満空情報取得部131は、情報通知される通知対象の移動体以外の他の移動体を基準とする満空情報であって、所定の駐車場所の満空状況に関する満空情報を取得する。例えば、満空情報取得部131は、他の移動体として、通知対象の移動体が将来通過し得る道路を走行する移動体を基準とする満空情報であって、当該他の移動体の周辺に存在する所定の駐車場所の満空状況に関する満空情報を取得する。例えば、満空情報取得部131は、後述する特定部132により特定された他の移動体を基準とする満空情報であって、当該他の移動体の周辺に存在する所定の駐車場所の満空状況に関する満空情報を取得する。
また、満空情報取得部131は、他の移動体のうち、通知対象の移動体が走行する車線に対する対向車線を走行する移動体を基準とする満空情報であって、当該移動体の周辺に存在する所定の駐車場所の満空状況に関する満空情報を取得する。また、満空情報取得部131は、他の移動体のうち、通知対象の移動体が走行する道路に対して交差する道路を走行する移動体を基準とする満空情報であって、当該移動体の周辺に存在する所定の駐車場所の満空状況に関する満空情報を取得する。
また、満空情報取得部131は、所定の駐車場所の満空状況に関する満空情報として、前記他の移動体から送信された満空情報を取得する。例えば、満空情報取得部131部は、満空情報として、他の移動体を操作するユーザの目視によって判断された満空状況に関する満空情報であって、このユーザによって送信された満空情報を取得する。また、満空情報取得部131は、後述する満空判定部136により判定された満空状況を示す満空情報を取得する。
また、満空情報取得部131は、所定の駐車場所として、パーキングメーター式の駐車場所、コインパーキング、または、駐停車禁止でないエリアのいずれか1つの満空状況に関する満空情報を取得する。
すなわち、満空情報取得部131は、上記処理の一例として、例えば、図1で説明したステップS12やS15の処理を行う。また、満空情報取得部131は、取得した満空情報を図示しない記憶部に格納することができる。また、満空情報取得部131は、満空情報が利用されるタイミングでかかる記憶部から対象の満空情報を取得し定説な処理部へ出力することができる。満空情報取得部131は、満空情報が通知される際には、通知対象の満空情報を記憶部から取得し、取得した満空情報を通知部133に通知する。
(特定部132について)
特定部132は、通知対象の移動体に対する他の車両であって、通知対象の車両のために満空情報が利用される対象の移動体を特定する。例えば、特定部132は、経路案内を行うナビゲーションサービスに対する、通知対象の移動体に関する登録情報と、他の移動体の位置情報とに基づいて、他の移動体のうち、通知対象の移動体が将来通過し得る道路を走行する移動体を特定する。
また、特定部132は、通知対象の移動体以外の他の移動体のうち、通知対象の移動体が走行する車線に対する対向車線を走行する移動体を特定してもよい。具体的には、特定部132は、通知対象の移動体以外の他の移動体のうち、通知対象の移動体が走行する車線に対する対向車線を走行する移動体を利用対象の移動体として特定してもよい。例えば、特定部132は、通知対象の移動体が走行する車線に対する対向車線を走行する他の移動体のうち、通知対象の移動体との距離が所定距離(例えば、通知対象の移動体のドラレコ装置10と、他の移動体のドラレコ装置10との間での近距離通信が可能な距離)以内となった移動体を利用対象の車両として特定することができる。
また、特定部132は、他の移動体のうち、通知対象の移動体が走行する道路に対して交差する道路(通知対象の移動体が走行する道路を曲がった先の道路)を走行する移動体を特定してもよい。例えば、情報処理装置100は、サービスNAの経路案内情報や、工事情報や、その他の各種情報を用いて、通知対象の移動体がどの角を曲がるのかを事前に特定できたとする。かかる場合、特定部132は、他の移動体のうち、通知対象の移動体が走行する道路を途中で曲がった先の道路を走行する移動体のうち、通知対象の移動体との距離が所定距離以内となった移動体を利用対象の移動体として特定することができる。
すなわち、特定部132は、上記処理の一つとして、例えば、図1で説明したステップS11の処理を行う。
また、特定部132は、特定した移動体に後続する移動体が存在するか否かを判定し、特定した移動体に後続する移動体が存在する場合には、かかる移動体を次の利用対象の車両として特定する処理も行うことができる。すなわち、特定部132は、図1で説明したステップS14の処理を行ってよい。
(通知部133について)
通知部133は、満空情報取得部131により取得された満空情報を通知対象の移動体のユーザに通知する。例えば、通知部133は、通知対象の移動体のドラレコ装置10に対して、満空情報取得部131により取得された満空情報を示す情報が所定の態様で画面表示、あるいは、音声出力されるよう制御する。すなわち通知部133は、図1で説明したステップS16やS17の処理を行ってよい。
(取得部134について)
取得部134は、撮像データを取得する。例えば、取得部134は、道路を走行する移動体に搭載されたカメラ(ドラレコ装置10のカメラ)によって撮像された撮像データを取得する。例えば、ドラレコ装置10から撮像データが送信される場合、取得部134は、ドラレコ装置10から撮像データを取得(受信)する。また、取得部134は、取得した撮像データを撮像データ記憶部121に格納する。
なお、取得部134は、必ずしもドラレコ装置10のカメラによる撮像データだけを取得する必要はなく、例えば、各地の施設(例えば、信号機、電柱、マンション、店舗等)に備え付けられるカメラ(例えば、防犯カメラ)と通信可能なのであれば、このようなカメラよる撮像データも取得することができる。
また、取得部134は、撮像データを利用して処理が行われる場合、撮像データ記憶部121から必要な撮像データを取得し、対応する処理部に出力するといった処理も行うことができる。例えば、後述する生成部135が学習を行う際には、取得部134は、撮像データ記憶部121から撮像データを取得し、生成部135に出力する。このようなことから、取得部134は、処理の一例として、例えば、図5で説明したステップS21やS25の処理を行う。
(生成部135について)
生成部135は、学習によりモデルを生成する。生成部135は、所定の撮像物の撮像態様と、当該撮像態様が示すようにこの撮像物が撮像された際の駐車場所の満空状況とが対応付けられた情報により学習されたモデルを生成する。例えば、生成部135は、撮像物の撮像態様のうち、駐車場所の満空状況に応じた撮像態様を正解データとして学習されたモデルを生成する。例えば、生成部135は、判定結果が通知される処理対象の移動体に搭載されたカメラによって撮像された撮像データが入力された場合に、撮像データに写される対象物である道路上に引かれたラインの形状と、正解データとしての撮像態様が示すラインの形状との一致度に基づくスコアであって、駐車場所の満空状況に関する確度を示すスコアを出力するモデルを生成する。
また、生成部135は、移動体の駐停車が禁止とされる禁止エリアに関する情報がさらに学習されたモデルを生成することもできる。例えば、生成部135は、移動体の駐停車が禁止とされる禁止エリアに関する情報を、満空判定を行わないための正解データとして学習することによりモデルを生成する。このようなことから、生成部135は、処理の一例として、例えば、図5で説明したステップS22およびS23の処理を行う。
(満空判定部136について)
満空判定部136は、取得部134により取得された撮像データに基づいて、撮像データに写される道路に設置される駐車場所の満空状況を判定する。例えば、満空判定部136は、ドラレコ装置10を有する移動体が現在走行中の道路に設置される駐車場所であって、当該移動体の進行方向に存在する駐車場所の現在の満空状況を判定する。例えば、満空判定部136は、駐車場所として、1台の移動体を駐車させるための駐車区画毎に、当該駐車区画の満空状況を判定する。
また、満空判定部136は、撮像データに基づいて、撮像データに写される所定の撮像物の撮像態様が所定の条件を満たしているか否かに応じて、駐車場所の満空状況を判定する。例えば、満空判定部136は、所定の撮像物の撮像態様として、道路上に引かれたラインが移動体との位置関係に応じてどのように撮像されるかを示す撮像態様であって、ラインの撮像態様が所定の条件を満たしているか否かに応じて、駐車場所の満空状況を判定する。例えば、満空判定部136は、撮像態様が示す形状であって、所定の撮像物の形状が所定の形状であるか否かに応じて、駐車場所の満空状況を判定する。
一例として、満空判定部136は、所定の撮像物の撮像態様と、当該撮像態様が示すように撮像物が撮像された際の駐車場所の満空状況とが対応付けられた情報により学習されたモデルに基づいて、処理対象の駐車場所の満空状況を判定する。例えば、満空判定部136は、撮像物の撮像態様のうち、駐車場所の満空状況に応じた撮像態様を正解データとして学習されたモデルに基づいて、処理対象の駐車場所の満空状況を判定する。例えば、満空判定部136は、判定結果が通知される処理対象の移動体に搭載されたカメラによって撮像された撮像データが入力された場合に、撮像データに写される対象物である道路上に引かれたラインの形状と、正解データとしての撮像態様が示すラインの形状との一致度に基づくスコアであって、駐車場所の満空状況に関する確度を示すスコアを出力するモデルに基づいて、駐車場所の満空状況を判定する。また、満空判定部136は、移動体の駐停車が禁止とされる禁止エリアに関する情報が学習された前記モデルに基づいて、禁止エリアを除く領域における駐車場所の満空状況を判定する。このようなことから、満空判定部136は、処理の一例として、例えば、図5で説明したステップS26の処理を行う。
また、満空判定部136による満空判定での判定結果が示す満空情報が、例えば、第1の実施形態で通知される満空情報の一つとなる。
また、図9で説明したように、情報処理装置100は、駐車場所情報記憶部122において、駐車場所が存在するエリアを示す位置情報を有している。したがって、満空判定部136は、例えば、処理対象の移動体が、駐車場所が存在するエリアに近付いた場合に、満空判定を行ってもよい。具体的には、満空判定部136は、駐車場所が存在するエリアを示す位置情報に基づいて、駐車場所の満空状況を判定する。例えば、満空判定部136は、判定結果が通知される処理対象の移動体がこのエリア内に進入した場合に、エリア内に存在する駐車場所の満空状況を判定する。
また、通知部133は、満空判定部136による判定結果をドライバーに通知する。例えば、通知部133は、判定結果が通知される処理対象の移動体に搭載されたカメラによって撮像された撮像データであって、表示画面においてリアルタイムに表示される撮像データに写される駐車場所毎に、現在の満空状況を表示させる。例えば、通知部133は、図6で説明したように、「満」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての満車情報を、車両が駐車されている駐車区画を囲むようにして表示させる。また、例えば、通知部133は、図6で説明したように、「空」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての空車情報を、車両が駐車されていない駐車区画を囲むようにして表示させる。
さて、ここからは、情報処理装置100による他の通知について説明する。かかる通知例は、第1の情報処理の変形例に対応するものである。図5および図6の例では、情報処理装置100が、処理対象の車両C6のドラレコ装置10から現在の撮像データを取得し、この撮像データについて満空判定し、表示画面Dの撮像データに重ねる形で判定結果(すなわち、満空情報)を通知する例を示した。したがって、ここで説明する通知は、車両C5から見て他の車両である車両C6(図1のステップS11で特定された利用対象の車両)からの撮像データに基づき、車両C6を基準として満空判定された際の判定結果を、車両C5のドラレコ装置10-5が有する表示画面に現在写される撮像データに対して反映させる、という通知手法である。
このような通知を行う前提について説明する。例えば、図6の例によると、情報処理装置100は、車両C5の走行車線側に存在する駐車区画を対象に満空判定している。しかし、車両C5の走行車線に対する反対車線側にも駐車区画があり、この駐車区画が撮像データに写されていれば、情報処理装置100は、当然、この駐車区画についても満空判定することができる。要は、情報処理装置100は、判定結果が通知される処理対象の車両の走行車線、反対車線に拘わらず撮像データに駐車区画が写されていればそれに対して満空判定を行うことができる。しかしながら、ドラレコ装置10は、基本的には走行車線側の情報を中心に撮像してしまう傾向にあるため、撮像データからは、反対車線側の情報(例えば、駐車区画が存在するか否か)を高精度に認識することができない場合がある。そうすると、車両C5の撮像データに基づき反対車線側の駐車区画について満空判定された判定結果より、反対車線を走行する車両C6の撮像データについて満空判定された判定結果の方が精度が高い場合がある。このため、車両C5のドライバーD5に対して、車両C6を基準とする判定結果も通知することができれば、より正確な満空状況をドライバーD5に通知することができるようになる。
以上の前提を踏まえて、車両C5および車両C6を例に用いると、情報処理装置100は、情報通知される通知対象の車両C5以外の他の移動体である車両C6であって、反対車線を走行する車両C6を基準とする満空情報であって、駐車区画の満空状況を示す満空情報を取得する。そして、情報処理装置100(通知部133)は、取得された満空情報を車両C5のドライバーD5に通知する。この点について、図10を用いて説明する。図10は、第1の情報通知の他の一例を示す図である。
図10の例では、車両C6は、車両C5とは反対車線を車両C5に向かって走行してきている。このようなことから、車両C6は、この先、車両C5が通過し得る地点を既に走行してきているため、同時刻において、車両C5から見るよりもその地点の情報を正確に知ることができる。例えば、図10において丸印で囲まれる2つの駐車区画の満空状況がどうであるかは、時刻t4の時点では、車両C6の方が車両C5よりも早く知ることができる。言い換えれば、情報処理装置100は、時刻t4の時点では、車両C5の撮像データよりも車両C6の撮像データからの方が精度よく、上記2つの車区画の満空状況を判定することができる。
例えば、情報処理装置100は、通知対象の車両C5以外の他の車両のうち、例えば、車両C5が将来通過し得る地点を走行してきた車両を特定する、図10の例では、情報処理装置100は、このような車両として車両C6を特定したとする。すなわち、車両C6は、図1での利用対象の車両に相当する。そしてこのように特定された時点である時刻t4では、例えば、車両C5および車両C6は、図10のような位置関係で互いに道路L50走行している。道路L50は、図1のマップM1に示される道路L50に対応する。
このような状態において、取得部134は、車両C5のドラレコ装置10-5から時刻t4時点での撮像データ(画像データGP5-4)を取得する(ステップS31)。また、取得部134は、ステップS31において、車両C6のドラレコ装置10-6からも時刻t4時点での撮像データ(画像データ)を取得する。次に、満空判定部136は、画像データGP5-4をモデルに適用することにより、画像データGP5-4について満空判定を行う(ステップS32)。満空判定の詳細については、図5で説明したとおりであるため省略する。また、満空判定部136は、ステップS32において、ドラレコ装置10-6からの画像データについても満空判定を行う。例えば、ドラレコ装置10-6からの画像データについての満空判定で得られた判定結果は、車両C6を基準とする判定結果である。
例えば、満空判定部136は、ドラレコ装置10-6からの画像データに基づいて、丸印で囲まれる2つの駐車区画のうち、車両C5から見て手前の駐車区画は車両C200が駐車されており満車で、後方の駐車区画は空車と判定したとする。このような判定結果は、車両C6を基準とする判定結果である。
また、かかる場合、満空情報取得部131は、車両C6を基準とする判定結果を示す満空情報を、例えば、満空判定部136から取得する。そして、満空情報取得部131は、取得した満空情報を通知部133に出力する。通知部133は、車両C6を基準とする判定結果と、車両C5側での判定結果とを合わせて通知する(ステップS33)。例えば、通知部133は、車両C6を基準とする判定結果として、車両C200が駐車されている手前の駐車区画は満車であることを示す情報と、その後方の駐車区画は空車であること示す情報とを、ドラレコ装置10-5を介して、ドライバーD5に通知する。例えば、通知部133は、ドラレコ装置10-5の表示画面に現在表示されている画像データGP5-4に対して、車両C200が駐車されている駐車区画は満車であることを示す満車情報を重ねて表示させる。一例を示すと、通知部133は、「満」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての満車情報IF200を、車両C200が駐車されている駐車区画を囲むようにして表示させる。
また、通知部133は、ドラレコ装置10-5の表示画面Dに現在表示されている画像データGP5-4に対して、後方の駐車区画は空車であることを示す空車情報を重ねて表示させる。一例を示すと、通知部133は、「空」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての空車情報IF210を、この駐車区画を囲むようにして表示させる。
図10(a)は、上述した状況が反映されている図である。図10(a)に示す画像データGP5-4は、時間経過に応じて変化する動画データのうち、車両C5が道路L50を走行しているときの時刻t4において撮像されたデータである。例えば、ドラレコ装置10-5は、通知部133からの通知(表示指示)を受けて、自装置の表示画面Dに現在時刻(時刻t4)に表示されている画像データGP5-4に対して、車両C200が駐車されている駐車区画は満車であることを示す満車情報を重ねて表示させる。図10(a)に示すように、ドラレコ装置10-5は、例えば、「満」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての満車情報IF200を、車両C200が駐車されている駐車区画を囲むようにして表示させる。例えば、ドラレコ装置10-5は、車両C5の走行によりこの駐車区画が撮像範囲から完全に外に出るまで、満車情報IF200を表示し続ける。
また、例えば、ドラレコ装置10-5は、通知部133からの通知(表示指示)を受けて、自装置の表示画面に現在時刻(時刻t4)に表示されている画像データGP5-4に対して、後方の駐車区画は空車であることを示す空車情報を重ねて表示させる。図10(a)に示すように、ドラレコ装置10-5は、例えば、「空」という文字が対応付けられた矩形の枠線としての空車情報IF210を、後方の駐車区画を囲むようにして表示させる。例えば、ドラレコ装置10-5は、車両C5の走行によりこの駐車区画が撮像範囲から完全に外に出るまで、空車情報IF210を表示し続ける。
図10を用いて説明したように、情報処理装置100は、情報通知される通知対象の移動体(判定結果が通知される処理対象の移動体)以外の他の移動体を基準とする満空情報であって、駐車場所の満空状況を示す満空情報(判定結果)を取得し、取得した満空情報を情報通知される通知対象の移動体に通知する。これにより、情報処理装置100は、より正確な満空状況を通知することができる。
(提供部137について)
提供部137は、空車のため車両を駐車可能となっている駐車場所の位置を指し示す情報をドライバーに提供する。かかる駐車場所をこれまで説明してきた駐車区画とすると、例えば、この駐車区画の前後に車両が駐車されている場合を想定すると、ドライバーはこの駐車区画を見落としてしまうかもしれない。したがって、提供部137は、この上記のような処理を行う。具体的には、提供部137は、撮像データに基づいて、撮像データに写される駐車場所であって、空車であるため車両を駐車可能となっている駐車場所の近傍に駐車されている駐車車両の位置を基準として、駐車場所の位置を指し示す情報をドライバーに提供する。また、提供部137は、撮像データに基づき駐車車両の特徴が認識された場合には、認識された特徴をさらに用いて、駐車場所の位置を指し示す情報をドライバーに提供する。この点について、図6(b)の例を用いて説明する。
図6(b)の例によると、車両C6が時刻t2において道路L60を走行している際には、前方に車両C110および車両S120が駐車されており、これら車両の間には、空車の駐車区画が存在する。ここでは、かかる駐車区画を駐車区画SP3とする。そうすると、ドライバーD6は、時刻t2の時点では、前後の車両C110および車両S120に邪魔されて駐車区画SP3の位置をはっきりと把握できない場合がある。このため、提供部137は、例えば、駐車区画SP3の近傍(例えば、駐車区画SP3の前方または後方)に駐車されている車両C120の位置を基準として、また、車両C120の特徴を用いて、駐車区画SP3の位置を指し示す情報をドライバーにD6に提供(通知)する。なお、かかる例では、説明を簡単にするために、車両C120のみを用いた提供例を示すが、車両C110および車両C120の双方、または、車両C110のみが用いられる情報提供であってもよい。
説明を戻すと、例えば、情報処理装置100の所定の処理部(例えば、認識部)が、画像データGP6-2に基づいて、駐車区画SP3の前には、車両C120が駐車されていることを認識するとともに、車両C120の特徴として、例えば、車両C120は白(色の特徴)のワンボックスカー(車種の特徴)であることを認識したとする。かかる場合、提供部137は、例えば、ドラレコ装置10-6に対して、「前方に見える白色のワンボックスカーの後ろが空いています」といった文字情報あるいは音声を出力させる。
なお、これは一例であり、提供部137は、例えば、駐車区画SP3に特徴的な対象物(例えば、植木、信号、店舗等の各種施設)が認識された場合には、これらの特徴をさらに用いて駐車区画SP3の位置を指し示す情報を提供することができる。また、提供部137は、その時(例えば、時刻t2)の時間帯、または、天候に応じて、認識された特徴のうちドライバーD6の視認率がより高くなるような特徴を選択し、選択した特徴を用いて、駐車区画SP3の位置を指し示す情報を提供することもできる。
(挙動判定部138、開始制御部139について)
ここで、例えば、情報処理装置100による満空判定や満空判定での判定結果の通知が常時行われると、ドラレコ装置10の表示画面には、矩形の枠線としての満車情報や空車情報が高頻度で表示される場合がある。この場合、駐車区画に駐車予定の無いドライバーにとっては、かかる表示を煩わしく思うかもしれない。したがって、情報処理装置100は、移動体の運転に関する挙動が所定の条件を満たしたか否かを判定し、所定の条件を満たしたと判定された場合に、所定の駐車場所のうち、満空状況が空車である駐車場所の通知に関する処理を開始する。例えば、情報処理装置100は、ドライバーが駐車区画に駐車しようとしているか否かを判定し、ドライバーが空車の駐車区画を探しているような状況下でのみ、駐車区画の通知に関する処理(満空判定や満空判定での判定結果を通知する処理)を開始する。
具体的には、挙動判定部138は、車両の運転に関する挙動が所定の条件を満たしたか否かを判定する。そして、開始制御部139は、挙動判定部138により所定の条件を満たしたと判定された場合には、駐車区画の通知に関する処理(満空判定や満空判定での判定結果を通知する処理を開始させる。例えば、開始制御部139は、挙動判定部138により所定の条件を満たしたと判定された場合には、満空判定部136に対して満空判定を開始するよう指示する。
処理対象の車両C5を例に説明すると、例えば、挙動判定部138は、車両C5の運転に関する挙動として、車両C5の速度が、所定の速度より遅くなったか否かを判定し、開始制御部139は、挙動判定部138により、車両C5の速度が所定の速度より遅くなったと判定された場合には、満空判定部136に対して満空判定を開始させる。
また、挙動判定部138は、車両C5の運転に関する挙動として、ドライバーD5が車両C5を運転している際の運転態様が、所定の運転態様となったか否かを判定し、開始制御部139は、挙動判定部138により、運転態様が所定の運転態様(例えば、車両C5を道路脇に寄せる運転、あるいは、同一エリアを周回する運転)となったと判定された場合には、満空判定部136に対して満空判定を開始させる。
また、挙動判定部138は、車両C5の運転に関する挙動として、ドライバーD5が車両C5を運転している際の身体的挙動が、所定の挙動となったか否かを判定し、開始制御部139は、挙動判定部138により、ドライバーD5の身体的挙動が所定の挙動(例えば、顔を左右に動かして辺りを見渡す挙動、「どこか空いてないかな」といった発話)となったと判定された場合には、満空判定部136に対して満空判定を開始させる。
なお、例えば、図5のステップS24で示した判定処理が、挙動判定部138によって行われる判定処理に相当する。
〔4.処理手順(1)〕
次に、図11を用いて、実施形態にかかる情報処理のうち、第1の情報処理の手順について説明する。図11は、実施形態にかかる第1の情報処理の処理手順を示すフローチャートである。
まず、特定部132は、通知対象の車両に対する他の車両であって、通知対象の車両のために満空情報が利用される利用対象の車両を特定する(ステップS101)。具体的には、特定部132は、利用対象の車両であって、その車両のドラレコ装置10による撮像データに基づき満空判定された際の満空情報が提供(通知)されるような利用対象の車両を特定する。
次に、満空情報取得部131は、利用対象の車両のドラレコ装置10によって撮像された撮像データに基づき満空判定された際の判定結果を示す満空情報を取得する(ステップS102)。かかる満空判定は満空判定部136によって行われる。したがって、満空情報取得部131は、満空判定部136から満空情報を取得する。また、満空判定部136が満空情報を例えば所定の記憶部に格納するのであれば、満空情報取得部131は、この記憶部から満空情報を取得する。
次に、通知部133は、利用対象の車両を基準とする満空情報を、通知対象の車両のドライバーに通知する(ステップS103)。例えば、通知部133は、通知対象の車両のドラレコ装置10に対して、満空情報を表示画面Dに表示させる。通知の一例については、図2を用いて説明した通りである。
〔5.処理手順(2)〕
次に、図12を用いて、実施形態にかかる情報処理のうち、第2の情報処理の手順について説明する。図12は、実施形態にかかる第2の情報処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図12の例では、情報処理装置100は、各地を走行する車両のドラレコ装置10から、学習のためのサンプルとなる撮像データ(撮像データサンプル)を収集し、収集した撮像データサンプルを用いてモデルを生成済みであるものとする。なお、情報処理装置100は、撮像データサンプルを随時取得(収集)している場合には、所定のタイミング毎に(例えば、1週間経過する毎に)、当該所定のタイミングまでに取得した撮像データサンプルを用いてこれまでに生成したモデルを更新することができる。
まず、挙動判定部138は、処理対象の車両について、駐車場所の満空状況を判定する判定処理を行い、その判定結果を通知するタイミングであるか否かを判定する(ステップS201)。例えば、挙動判定部138は、処理対象の車両の運転に関する挙動が所定の条件を満たしたか否かを判定する。挙動判定部138は、処理対象の車両の運転に関する挙動が所定の条件を満たしていないと判定した場合には(ステップS201;No)、処理を行うタイミングではないと判断し、所定の条件が満たされるまで待機する。一方、挙動判定部138は、処理対象の車両の運転に関する挙動が所定の条件を満たしたと判定した場合には(ステップS201;Yes)、処理を行うタイミングであると判断し、この判定結果を開始制御部139に出力する。また、開始制御部139は、挙動判定部138により所定の条件を満たしたと判定された場合には(ステップS201;Yes)、満空判定や満空判定での判定結果を処理対象の車両に通知する処理を開始させる制御を行う。
このような制御を受けて、取得部134は、処理対象の車両から撮像データ(対象撮像データ)を取得する(ステップS202)。例えば、取得部134は、処理対象の車両のドラレコ装置10から、撮像によって得られた対象撮像データを取得する。より具体的には、取得部134は、処理対象の車両が走行中においてリアルタイム撮像された対象撮像データを逐一取得する。
次に、満空判定部136は、ステップS202で取得された対象撮像データに基づいて、例えば、対象撮像データに写される駐車場所の満空状況を判定する満空判定を実行する(ステップS203)。例えば、満空判定部136は、駐車区画毎に、当該駐車区画の満空状況を判定する満空判定を実行する。例えば、満空判定部136は、対象撮像データをモデルに入力することにより出力された確度であって、対象撮像データに写される駐車区画が空車である確率、または、対象撮像データに写される駐車区画が満車である確率に基づいて、駐車区画の満空状況を判定する。
次に、通知部133は、満空判定の判定結果を処理対象の車両のドライバーに通知する(ステップS204)。例えば、通知部133は、処理対象の車両のドラレコ装置10を制御することにより、現在の撮像データに写される駐車区画毎に満車情報や空車情報を表示させる。
〔6.ハードウェア構成〕
また、上記実施形態にかかる情報処理装置100は、例えば図13に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図13は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
〔7.その他〕
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。