JP7160695B2 - 検出システム、検出方法、および情報処理装置 - Google Patents

検出システム、検出方法、および情報処理装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、検出装置、検出システム、検出方法、および情報処理装置に関する。
例えば橋梁のような構造物の溶接部には、構造物の長期共用に伴い、疲労亀裂が生じることが知られている。しかしながら、このような構造物の状態を検出する方法には種々の制約があり、構造物の状態を精度良く検出することが難しい場合があった。
特開2017-090311号公報
本発明が解決しようとする課題は、構造物の状態の検出精度の向上を図ることができる検出装置、検出システム、検出方法、および情報処理装置を提供することである。
実施形態の検出システムは、車両が走行する走行面を下方から支持する第1部材と、前記第1部材に対して前記走行面とは反対側に設けられた第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との境界に沿って設けられた溶接部とを含む構造物に存在する亀裂の位置を検出する検出システムである。前記検出システムは、複数のセンサと、標定部と、計数部と、判定部とを持つ。前記複数のセンサは、前記溶接部が延びた方向に互いに離間して配置され、それぞれ前記第1部材または前記第2部材に取り付けられて、弾性波を検出する。前記標定部は、前記複数のセンサの出力に基づき、前記弾性波の発生源位置を標定する。前記計数部は、前記標定部により標定された複数の弾性波の発生源位置の情報を所定時間に亘り蓄積することで、前記複数の弾性波の発生源位置の分布を算出する。前記判定部は、前記計数部により算出された前記分布に基づいて前記亀裂の位置を判定する。前記所定時間は、前記走行面を通過する車両の交通量に基づき決定される時間である。
第1の実施形態の橋梁構造物を示す断面図。 第1の実施形態の支持構造体および鋼床版を示す断面斜視図。 第1の実施形態の鋼床版を斜め下方から見た断面斜視図。 第1の実施形態の鋼床版の溶接部とその周囲を示す断面斜視図。 第1の実施形態の検出システムのシステム構成を示すブロック図。 第1の実施形態の第1および第2のAEセンサ群の配置例を示す図。 第1の実施形態の検出システムの検出結果の一例を示す図。 第1の実施形態の亀裂位置の標定方法を概念的に示す側面図。 第1の実施形態の信号処理部のシステム構成を示すブロック図。 第1の実施形態の弾性波の特性に関するパラメータを示す図。 第1の実施形態の劣化検出部のシステム構成を示すブロック図。 第1の実施形態の弾性波発生分布の一例を示す図。 第1の実施形態における72時間計測後の弾性波発生分布に対する弾性波発生分布の相関係数の変化を、累積の車両通過台数(全車種)に関して示す図。 第1の実施形態における72時間計測後の弾性波発生分布に対する弾性波発生分布の相関係数の変化を、累積の車両通過台数(大型車両のみ)に関して示す図。 第1の実施形態の検出システムの処理の流れを示すフローチャート。 第2の実施形態の劣化検出部のシステム構成を示すブロック図。 第2の実施形態の弾性波の累積エネルギー分布および弾性波発生分布の一例を示す図。 第3の実施形態の鋼床版の一例を示す断面斜視図。 第3の実施形態のAEセンサの配置位置を示す平面図。 第3の実施形態のAEセンサの配置位置を示す側面図。 第3の実施形態のAEセンサを固定するためのホルダを示す断面図。 第4の実施形態のAEセンサの配置位置を示す平面図。 第4の実施形態の変形例のAEセンサの配置位置を示す平面図。 第5の実施形態のAEセンサの配置位置を示す平面図。 第6の実施形態のAEセンサの配置位置を示す図。
以下、実施形態の検出装置、検出システム、検出方法、および情報処理装置を、図面を参照して説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。本願で言う「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば任意の情報)である。
本願で言う「構造物の状態」とは、劣化の状態や亀裂の状態などを含む広い意味で用いる。すなわち、本願で言う「構造物の状態を検出する」とは、劣化の有無、劣化の程度、亀裂の有無、亀裂の位置、亀裂の程度などの少なくともひとつを検出することを意味する。ここではまず、本実施形態の検出装置、検出システム、検出方法、および情報処理装置が適用される構造物の一例について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、橋梁構造物10の一例を示す断面図である。
橋梁構造物10は、本実施形態の検出装置、検出システム、検出方法、および情報処理装置が適用される「構造物」の一例である。なお本願で言う「橋梁」とは、河川や渓谷などの上に架設される構造物に限らず、地面よりも上方に設けられる種々の構造物(例えば高速道路の高架橋)などを広く含む。また、本実施形態の検出装置、検出システム、検出方法、および情報処理装置が適用可能な構造物は、橋梁に限定されるものではなく、亀裂の発生または進展に伴い弾性波が発生する構造物であればよい。すなわち、本実施形態の検出装置、検出システム、検出方法、および情報処理装置は、例えば道路とは関係のない構造物に適用されてもよい。
図1に示すように、橋梁構造物10は、橋脚11と、支持構造体12と、鋼床版13とを備えている。
橋脚11は、地面の上に設けられ、略鉛直方向に起立している。
支持構造体12は、橋脚11の上に設けられ、橋脚11と鋼床版13との間に配置されている。支持構造体12は、複数の主桁(縦桁)21と複数の横桁22とを含む。主桁21は、略鉛直方向に起立するとともに、橋軸方向BD(図2参照)に沿って設けられている。横桁22は、略鉛直方向に起立するとともに、橋軸方向BDとは交差する(例えば略直交する)方向に沿って設けられている。横桁22は、後述するデッキプレート31および縦リブ33と溶接され、縦リブ33よりも板厚が大きい。支持構造体12は、複数の主桁21と複数の横桁22とが互いに組み合わされることで形成されている。主桁21および横桁22は鋼床版13に溶接されている。例えば、主桁21や横桁22の板厚は、縦リブ33や横リブ34の板厚よりも厚い。なお「橋軸方向」とは、橋梁構造物10が延びた方向であり、例えば橋梁構造物10を走る車両Vの走行方向に沿う方向である。
鋼床版13は、支持構造体12の上に設置されて、車両Vが走行する走行面TSを形成している。鋼床版13は、支持構造体12によって下方から支持され、地面よりも高い位置に配置されている。
図2は、支持構造体12および鋼床版13を示す断面斜視図である。
図2に示すように、鋼床版13は、例えば、デッキプレート31、舗装部32、縦リブ(トラフリブ)33、および横リブ34を含む。
デッキプレート31は、車両Vが走行する走行面TSの下方に広がり、走行面TSを下方から支持する。デッキプレート31は、「第1部材」の一例である。例えば、デッキプレート31は、走行面TSと略平行に広がる金属製の板部材である。
舗装部(舗装部材)32は、デッキプレート31の上面に設けられている。舗装部32は、例えばアスファルトなどで形成されている。舗装部32の上面は、車両Vが走行する走行面TSを形成している。なお、本願で言う「(第1部材が)走行面を下方から支持する」とは、例えば、走行面TSを形成した部材(例えば舗装部32)を第1部材が下方から支持する意味を含む。
縦リブ33は、デッキプレート31の下面に取り付けられ、橋軸方向BDに沿って延びている。一方で、横リブ34は、橋軸方向BDとは交差する(例えば略直交する)方向に沿う金属製の板部材であり、デッキプレート31および複数の縦リブ33に結合されている。縦リブ33および横リブ34は、デッキプレート31を補剛する補剛部材である。
図3は、鋼床版13を斜め下方から見た断面斜視図である。
図3に示すように、縦リブ33は、デッキプレート31の下方に設けられている。すなわち、縦リブ33は、デッキプレート31に対して、走行面TSとは反対側に設けられている。縦リブ33は、「第2部材」の一例である。例えば、縦リブ33は、U字形の断面形状を有した金属製のリブ(Uリブ)である。
詳しく述べると、縦リブ33は、起立部36A,36Bと、水平部37とを含む。
一対の起立部36A,36Bは、それぞれ走行面TSとは交差する方向に沿う板部であり、走行面TSから離れる方向に延びている。例えば、一対の起立部36A,36Bは、走行面TSから離れるに従い、該起立部36A,36Bの間の間隔が徐々に狭くなるように互いに傾いている。例えば、起立部36A,36Bの各々の厚さ(板厚)は、デッキプレート31の厚さ(板厚)よりも薄い。このため、起立部36A,36Bは、デッキプレート31と比べて、弾性波が伝搬しやすい。また、起立部36A,36Bは、弾性波を吸収しやすい舗装部32によって覆われていない。この観点でも、起立部36A,36Bは、デッキプレート31と比べて、弾性波が伝搬しやすい。起立部36A,36Bの各々の厚さ(板厚)は、例えば橋軸方向BDに略一定である。
水平部37は、走行面TSと略平行な板部である。水平部37は、一対の起立部36A,36Bの下端部の間に設けられ、起立部36A,36Bの下端部同士を接続している。縦リブ33は、起立部36A,36Bと水平部37とが接続されることで、U字状に形成されている。
横リブ34は、縦リブ33が通される切欠き34aを有する。例えば、横リブ34は、デッキプレート31の下面および縦リブ33の起立部36A,36Bの側面に溶接により固定されている。
次に、鋼床版13に設けられる溶接部38について説明する。
図3に示すように、鋼床版13は、デッキプレート31と縦リブ33との間に溶接部38を有する。溶接部38は、デッキプレート31と縦リブ33との境界に沿って、橋軸方向BDに連続して設けられている。詳しく述べると、縦リブ33の起立部36A,36Bの各々は、デッキプレート31に面する端部(上端部)36eを有する。溶接部38は、縦リブ33の起立部36A,36Bの端部36eに沿って設けられている。溶接部38は、縦リブ33が延びた方向に沿って橋軸方向BDに延びている。溶接部38は、デッキプレート31の下面と縦リブ33の起立部36A,36Bの端部36eとを固定(接合)している。
図4は、鋼床版13の溶接部38とその周囲を示す。なお説明の便宜上、図4では断面部分に施すハッチングを省略している。
図4に示すように、縦リブ33の起立部36A,36Bの端部36eは、傾斜部(傾斜面、ルート面)36iを含む。傾斜部36iは、起立部36A,36Bの端部36eにおいて、一対の起立部36A,36Bの外側部分に設けられている。傾斜部36iは、一対の起立部36A,36Bの外側に進むに従いデッキプレート31の下面から離れる方向に傾いている。このため、デッキプレート31の下面と、起立部36A,36Bの傾斜部36iとの間には、溶接部38が入り込む隙間が形成される。溶接部38の少なくとも一部は、デッキプレート31の下面と、起立部36A,36Bの傾斜部36iとの間に設けられている。
ここで、溶接部38には、橋梁構造物10の長期共用に伴い、疲労亀裂C(以下、単に亀裂Cと言う)が生じる可能性がある。この亀裂Cには、大きく分けて2つのパターンがある。図4中の(a)に示すように、第1のパターンの亀裂Cは、溶接部38のルート(根元部分)38aから溶接ビードに向けて進展する亀裂(ビード貫通亀裂)である。この場合、進展した亀裂Cは、溶接部38そのものに存在する。一方で、図4中の(b)に示すように、第2のパターンの亀裂Cは、溶接部38のルート38aからデッキプレート31に進展する亀裂(デッキプレート貫通亀裂)である。この場合、進展した亀裂Cは、溶接部38に隣接して存在する(すなわち、溶接部38に隣接した部材であるデッキプレート31に存在する)。ここで、デッキプレート31の上面は、舗装部32によって覆われている。このため、デッキプレート31に進展する亀裂Cは、目視での確認が特に困難である。本実施形態の検出システム1は、例えば、これら亀裂Cの発生または進展によって橋梁構造物10に発生する弾性波を検出する。
次に、本実施形態の検出システム1について説明する。
図5は、本実施形態の検出システム1のシステム構成を示すブロック図である。
図5に示すように、検出システム1は、例えば、1つ以上(例えば複数)の検出装置100、情報集約装置200、交通量測定装置300、情報処理装置400、および端末装置500を含む。
まず、検出装置100について説明する。
検出装置100は、橋梁構造物10に設置され、橋梁構造物10に生じる弾性波を検出するアコースティック・エミッション(AE:Acoustic Emission)方式の検出装置である。なお、AEとは、材料の疲労亀裂の発生、または疲労亀裂の進展に伴い材料の内部に弾性波が発生する現象である。AE方式の検出装置は、例えば、構造物の疲労亀裂の発生、または疲労亀裂の進展に伴い発生する弾性波を高感度センサによって検出し、検出された弾性波に基づき構造物の状態を検出する。
詳しく述べると、本実施形態の検出装置100は、例えば、第1のAEセンサ群110、第2のAEセンサ群120、BPF(バンドパスフィルタ)130、ADC(アナログ-デジタル変換器)140、信号処理部150、および無線送信部160を有する。
図6は、第1および第2のAEセンサ群110,120の配置例を示す図である。なお、図6中の(a)は、鋼床版13の平面図を示す。図6中の(b)は、鋼床版13の側面図を示す。図6中の(c)は、鋼床版13の断面図を示す。
まず、第1のAEセンサ群110について説明する。
図6に示すように、第1のAEセンサ群110は、複数のAEセンサ111(例えば2つのAEセンサ111A,111B)を含む。なお、第1のAEセンサ群110は、例えば橋軸方向BDに所定の間隔で配置された3つ以上のAEセンサ111を含んでもよい。
ここで、本実施形態に係るAEセンサ111について説明する。
AEセンサ111は、圧電素子を有し、亀裂Cの発生部から伝わる弾性波(AE波)を検出し、電圧信号(AE信号)に変換して出力する。AE信号は、材料の破断が生じる前の兆候として検出される。このため、AE信号の発生頻度および信号強度は、材料の健全性を表す指標として有用である。例えば、AEセンサ111は、10kHz~1MHzの範囲に感度を有する圧電素子を有する。なお、AEセンサ111は、前記周波数範囲内に共振ピークを持つ共振型、および共振を抑えた広帯域型などのいずれでもよい。また、AEセンサ111は、プリアンプを内蔵したプリアンプ型でもよく、またはこれら以外のものでもよい。AEセンサ111の検出素子自体は、電圧出力型、抵抗変化型、および静電容量型のいずれでもよく、またはこれら以外のものでもよい。なお、AEセンサ111に代えて加速度センサが用いられてもよい。
図6に示すように、第1のAEセンサ群110に含まれる複数のAEセンサ111は、それぞれトラフリブ23に取り付けられる。詳しく述べると、各AEセンサ111は、縦リブ33の起立部36Aの側面に取り付けられ、起立部36Aに接する。これにより、各AEセンサ111は、亀裂Cから縦リブ33の起立部36Aに伝わる弾性波を検出する。
複数のAEセンサ111は、橋軸方向BDに互いに離間して配置される。すなわち、複数のAEセンサ111は、溶接部38の延びた方向に互いに離間して配置される。複数のAEセンサ111は、図6中の(b)に示すように、例えば同じ高さに配置される。なお、複数のAEセンサ111は、互いに異なる高さに配置されてもよい。また、AEセンサ111が取り付けられる場所は、縦リブ33の起立部36Aに限られない。例えば、AEセンサ111は、縦リブ33の水平部37に取り付けられてもよい。また、検出装置100は、縦リブ33の起立部36Aに取り付けられた1つ以上のAEセンサ111に加えて、縦リブ33の起立部36Bに取り付けられた1つ以上のAEセンサ111を有してもよい。
次に、第2のAEセンサ群120について説明する。
図6に示すように、第2のAEセンサ群120は、複数のAEセンサ121(例えば4つのAEセンサ121A,121B,121C,121D)を含む。なお、第2のAEセンサ群120は、3つ以下のAEセンサ121を含んでもよく、5つ以上のAEセンサ121を含んでもよい。
図6に示すように、第2のAEセンサ群120に含まれる複数のAEセンサ121は、それぞれデッキプレート31に取り付けられる。詳しく述べると、各AEセンサ121は、デッキプレート31の下面に取り付けられ、デッキプレート31に接する。これにより、各AEセンサ121は、亀裂Cからデッキプレート31に伝わる弾性波を検出する。
複数のAEセンサ121は、橋軸方向BD、および橋軸方向BDとは交差する(例えば略直交する)方向に互いに離間して配置される。すなわち、第2のAEセンサ群120に含まれるいくつかのAEセンサ121は、溶接部38の延びた方向に互いに離間して配置される。また、第2のAEセンサ群120に含まれるいくつかのAEセンサ121は、橋軸方向BDとは交差する(例えば略直交する)方向において、縦リブ33の両側に分かれて配置される。なお以下では、橋軸方向BDとは交差する(例えば略直交する)方向を、単に「幅方向」と称する。
ここで、説明の便宜上、図6中に示されたAEセンサ111,121において、第1のAEセンサ群110に含まれる2つのAEセンサ111を、第1AEセンサ111A、第2AEセンサ111Bと称する。橋軸方向BDにおいて第1AEセンサ111Aと第2AEセンサ111Bとの間には、1つの検査対象部位DPAが設定される。検査対象部位DPAは、デッキプレート31と縦リブ33との境界部(例えば溶接部38)に対して設定される。
また説明の便宜上、第2のAEセンサ群120に含まれる4つのAEセンサ121を、第3AEセンサ121A、第4AEセンサ121B、第5AEセンサ121C、第6AEセンサ121Dと称する。橋軸方向BDにおいて第3AEセンサ121Aと第4AEセンサ121Bとの間には、1つの検査対象部位DPBが設定される。橋軸方向BDにおいて第5AEセンサ121Cと第6AEセンサ121Dとの間には、1つの検査対象部位DPCが設定される。検査対象部位DPB,DPCは、それぞれデッキプレート31と縦リブ33との境界部(例えば溶接部38)に対して設定される。本実施形態では、検査対象部位DPAと検査対象部位DPBとは互いに重複するため、1つの検査対象部位DPとして扱われてもよい。なお以下では、検査対象部位DPA,DPB,DPCを互いに区別しない場合は、単に「検査対象部位DP」と称する。
図7は、検出システム1の実際の検出結果の一例を示す。すなわち、図7は、図6の配置例において第1および第2のAEセンサ群110,120に含まれるAEセンサ111,121によって検出された信号を解析し、各位置におけるAE発生頻度(弾性波発生分布)の検出結果を表示したものである。なお、図7中の(a)は、第2のAEセンサ群120(デッキプレート31に取り付けられたAEセンサ121)によるAE発生頻度の検出結果を示す。図7中の(a)では、図中の色が濃くなるほど、AE発生頻度が多いことを示す。一方で、図7中の(b)は、第1のAEセンサ群110(縦リブ33に取り付けられたAEセンサ111)によるAE発生頻度の検出結果を示す。図7中の(b)では、図中の棒グラフが高いほど、AE発生頻度が多いことを示す。
上述したように、溶接部38に亀裂Cが発生すると、弾性波が発生する。この弾性波は、亀裂Cからデッキプレート31および縦リブ33にそれぞれ伝播する。ここで、橋梁構造物10には、走行面TSを走行する車両Vからノイズが加わる場合がある。また、亀裂Cの進展方向や溶接の溶け込み状態の違いなどによって、弾性波がより強く伝播する方向が異なる場合がある。
ここで、本発明者らの研究によって、デッキプレート31に取り付けられたAEセンサ121では検出できない弾性波についても、縦リブ33にAEセンサ111を設置することで検出することができることが見出された。すなわち、図7に示すように、デッキプレート31に取り付けられたAEセンサ121では弾性波が検出されていない複数個所でも、縦リブ33に取り付けられたAEセンサ111によって、亀裂Cに伴う弾性波を検出することができることが分かった。すなわち、縦リブ33にAEセンサ111を設置すると、亀裂Cの検出精度を高めることができることが見出された。
次に、弾性波の発生源位置(亀裂Cの位置)を標定する方法について説明する。
本実施形態では、第1のAEセンサ群110に含まれる互いに隣り合う2つのAEセンサ111A,111Bの検出結果を用いて、弾性波の発生源位置が標定される。なお本願で言う「標定する」とは、例えばセンサの検出結果に基づいて、対象物の位置などを求める(算出する、特定する)ことを意味する。なお以下に説明する標定方法は、第2のAEセンサ群120に関しても同様である。
図8は、弾性波の発生源位置を標定する方法を概念的に示す側面図である。
図8に示すように、本実施形態では、弾性波の発生源位置は、2つのAEセンサ111A,111Bが弾性波を検出した時刻の時間差と、縦リブ33における弾性波の伝播速度と、溶接部38の位置とに基づき、標定される。なお図8では、2つのAEセンサ111A,111Bが異なる高さに配置された例を示す。
詳しく述べると、図8中に示す破線の曲線は、2つのAEセンサ111A,111Bを焦点とする双曲線51である。すなわち、双曲線51の線上に位置する各点では、双曲線51に対する2つのAEセンサ111A,111Bからの距離の差が一定である。言い換えると、縦リブ33における弾性波の伝播速度をvとし、第1AEセンサ111Aが弾性波を検出した時刻(t1)と第2AEセンサ111Bが弾性波を検出した時刻(t2)との間の時間差(t1-t2)をΔtとすると、双曲線51は、v×Δtが一定となる点を連ねた線である。なお本願で言う「センサが弾性波を検出した時刻」とは、「センサに弾性波が到達した時刻」と読み替えられてもよい。
ここで、亀裂Cは、溶接部38に生じるものと見做すことができる。また、溶接部38は、縦リブ33の端部36eに沿って、直線状に設けられている。このため、図8に示すように、双曲線51と溶接部38との交点(交差部)52は、1点のみが定まる。この双曲線51と溶接部38とが交わる交点52を、弾性波の発生源位置として標定することができる。これにより、溶接部38から離れた場所にAEセンサ111が設置されても、亀裂Cの位置を正確に標定することができる。
ここで、材料中を伝わる弾性波の伝播速度vは、その材料(材質)の体積弾性率をκ(Pa)、密度をρ0(kg/m3)とすると、
Figure 0007160695000001
と表すことができる。
また、3次元体の場合は、せん断弾性率をGとすると、
Figure 0007160695000002
と表すことができる。
これは、材料中を伝わる弾性波の伝播速度vは、その材料固有の物性値で決まることを意味する。このため、材料に対して弾性波の伝播速度vを予め計算しておき、ルックアップテーブルを用意しておくことができる。すなわち、亀裂Cの位置標定の計算において伝播速度vを選択する場合に、上記ルックアップテーブルを参照することで、材料に応じた伝播速度を適切に選択することができる。
次に、再び図5を参照し、検出装置100のBPF130、ADC140、信号処理部150、および無線送信部160について説明する。
BPF(バンドパスフィルタ)130は、第1および第2のAEセンサ群110,120と、ADC140との間に設けられる。第1および第2のAEセンサ群110,120のAEセンサ111,121から出力された電圧信号は、BPF130に入力され、信号帯域以外のノイズ成分が除去される。
ADC(アナログ-デジタル変換器)140は、BPF130と信号処理部150との間に設けられる。BPF130を通った信号は、ADC140に入力される。ADC140に入力された信号は、離散化された波形データとして信号処理部150に入力される。
信号処理部(信号処理回路)150は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)によって形成されている。例えば不揮発性のFPGAによって信号処理部150が形成されると、待機時の消費電力を抑えることができる。なお、信号処理部150は、専用のLSIによって形成されてもよい。
図9は、信号処理部150のシステム構成を示すブロック図である。
図9に示すように、信号処理部150は、例えば、時間情報生成部151、波形整形フィルタ152、ゲート生成回路153、特徴量抽出部154、到達時刻決定部155、送信データ生成部156、および内部メモリ157を備える。
時間情報生成部151は、水晶発振器などのクロック源からの信号に基づき、検出装置100の電源投入時からの累積の時刻情報を生成する。例えば、時間情報生成部151は、クロックのエッジをカウントするカウンタを含み、カウンタのレジスタの値を時刻情報とする。
詳しく述べると、カウンタのレジスタは、所定のビット長bを有する。所定のビット長bは、時刻分解能をdt、測定継続時間をyとすると、
Figure 0007160695000003
の関係を満たす整数である。
すなわち、ビット長bは、時刻分解能dtと、測定継続時間yとから決定される。
また、時刻分解能dtは、橋梁構造物10の材質(例えば縦リブ33の材質)に基づく弾性波の伝播速度をv、位置標定精度をdrとすると、
Figure 0007160695000004
の関係から求められる。
すなわち、時刻分解能dtは、弾性波の伝播速度vと、位置標定精度drとから決定される。言い換えると、位置標定精度drに基づいてビット長bを決定することで、位置標定精度drを任意の範囲で設定することができ、必要かつ十分な位置標定を実現することができる。
例えば、対象となる構造物が鉄製であるとすると、弾性波の伝播速度v=5950[m/s]となる。弾性波の発生源の位置標定精度を3mm、測定継続年数を100年とすると、dt=0.50[μsec]となる。
これにより、b≧53ビットとなる。
ここで、一般的な無線モジュールの送信パケットは、バイト(Byte)単位でデータ送信が行われる。このため、ビット長bは、上記式(4)を満たす8の倍数となる。すなわち、ビット長b≧56ビット=7バイトとすることで、汎用の無線モジュールを使用することが可能となる。
波形整形フィルタ152は、ADC140と、ゲート生成回路153との間に設けられる。ADC140から信号処理部150に入力された信号(波形データ)は、波形整形フィルタ152に通される。波形整形フィルタ152を通された信号は、ゲート生成回路153および特徴量抽出部154に入力される。
ゲート生成回路153は、一連の持続波形を抽出する。ゲート生成回路153は、例えばエンベロープ検出器とコンパレータとを含む。例えば、ゲート生成回路153は、検出されたエンベロープが所定の閾値以上の場合に、H(High)となるゲート信号を出力する。一方で、ゲート生成回路153は、検出されたエンベロープが前記閾値を下回る場合に、L(Low)となるゲート信号を出力する。
特徴量抽出部154は、ゲート生成回路153から出力されるゲート信号がHの場合に、波形データを処理し、弾性波の波形形状の特徴量(波形形状を特徴付けるパラメータ)を抽出する。波形形状の特徴量は、「弾性波の特性に関する情報」の一例である。特徴量抽出部154は、各弾性波において、例えば、信号の振幅、エネルギー、立ち上がり時間、持続時間、周波数、ゼロクロスカウント数などのうち少なくとも1つの値を、波形形状の特徴量として抽出する。なお本願で言う「ある内容(例えば弾性波の特性)に関する情報」とは、前記内容を直接に含む情報でもよく、または予め設定される演算処理または判定処理などが行われることで前記内容が抽出可能な情報でもよい。
図10は、弾性波の特性に関するパラメータの具体例を示す。
図10に示すように、「信号の振幅」は、例えば、弾性波のなかで最大振幅Aの値である。「エネルギー」は、例えば、各時点において振幅を二乗したものを時間積分した値である。なお、「エネルギー」の定義は、上記例に限定されず、例えば波形の包絡線を用いて近似されたものでもよい。「立ち上がり時間」は、例えば、弾性波がゼロ値から予め設定される所定値を超えて立ち上がるまでの時間T1である。「持続時間」は、例えば、弾性波の立ち上がり開始から振幅が予め設定される値よりも小さくなるまでの時間T2である。「周波数」は、弾性波の周波数である。「ゼロクロスカウント数」は、例えば、ゼロ値を通る基準線BLを弾性波が横切る回数である。
特徴量抽出部154は、各AEセンサ111,121の検出結果に基づき、各AEセンサ111,121における弾性波の波形形状の特徴量を抽出する。特徴量抽出部154は、抽出された各AEセンサ111,121における波形形状の特徴量に関する情報を、送信データ生成部156に送る。
一方で、図9に示すように、到達時刻決定部155は、上記時間情報生成部151から、時刻情報を受け取る。また、到達時刻決定部155は、ゲート生成回路153から、AE信号の有無を示すゲート信号を受け取る。そして、到達時刻決定部155は、時間情報生成部151から受け取る時刻情報と、ゲート生成回路153から受け取る上記ゲート信号とに基づき、弾性波の到達時刻情報を生成する。例えば、到達時刻決定部155は、ゲート信号の立ち上がりエッジが発生したときの時刻情報を弾性波の到達時刻とする。
到達時刻決定部155は、各AEセンサ111,121の検出結果に基づき、各AEセンサ111,121に対する弾性波の到達時刻を算出する。到達時刻決定部155は、算出された各AEセンサ111,121に対する弾性波の到達時刻に関する情報を、送信データ生成部156に送る。
送信データ生成部156は、特徴量抽出部154から受け取る各AEセンサ111,121における波形形状の特徴量に関する情報と、到達時刻決定部155から受け取る各AEセンサ111,121に対する弾性波の到達時刻に関する情報とを関連付けて(対応付けして)、送信するための一群のAEデータを生成する。生成されたAEデータは、内部メモリ157に保存される。内部メモリ157は、例えばデュアルポートRAMである。なお、生成されたAEデータは、内部メモリ157に保存されずに、直接に無線送信部160(図5参照)に送られてもよい。
次に、図5を参照し、無線送信部160について説明する。
無線送信部(無線送信回路)160は、例えば、アンテナと、高周波信号を生成する無線モジュールとを含む。無線送信部160は、予め設定された所定のタイミングで、AEデータを無線送信する。無線送信部160は、「出力部」の一例であり、AEセンサ111,121の出力から得られる情報を外部に出力する。なお、無線送信部160は、「送信部」と称されてもよい。また、「AEセンサの出力から得られる情報」とは、AEセンサから出力される電圧信号そのものでもよく、または前記電圧信号に対して予め設定されたノイズ処理、演算処理または判定処理などが施されたものでもよい。また、後述する劣化検出部410が情報処理装置400に代えて検出装置100内に設けられる場合、無線送信部160が出力する「AEセンサの出力から得られる情報」とは、橋梁構造物10の劣化の有無または劣化の程度に関する情報を含んでもよい。
本実施形態では、無線送信部160は、AEセンサ111,121の出力から得られる情報として、各AEセンサ111,121における弾性波の波形形状の特徴量に関する情報と、各AEセンサ111,121に対する弾性波の到達時刻に関する情報とを関連付けて送信する。
次に、情報集約装置200について説明する。
図5に示すように、情報集約装置200は、無線受信部(無線受信回路)210を有する。無線受信部210は、例えば、アンテナと、高周波信号を処理する無線モジュールとを含む。情報集約装置200は、1つの橋梁構造物10に例えば1つ設けられる。また、無線受信部210は、図示しないストレージDBを有する。無線受信部210は、橋梁構造物10に設置される1つ以上(例えば複数)の検出装置100から上記AEデータを受信し、受信したAEデータをストレージDBに保存する。ストレージDBに保存されたデータは、例えば所定の周期で情報処理装置400に送信される。
次に、交通量測定装置300について説明する。
交通量測定装置300は、例えば橋梁構造物10に設置され、橋梁構造物10を通過する車両Vの交通量(例えば、車両Vの台数)を測定する。交通量測定装置300は、例えば、走行面TSを走行する車両Vを撮影するカメラ310を有する。なお、交通量測定装置300は、カメラ310に代えて、走行面TSを走行する車両Vを検出する超音波センサなどを備えてもよい。例えば、交通量測定装置300は、走行する車両Vの種別(例えば、小型車、中型車、大型車)を区別して車両Vの交通量を測定する。また、交通量測定装置300は、走行面TSが複数の車線を有する場合、車線毎に車両Vの交通量を測定する。交通量測定装置300により測定された交通量を示すデータは、例えば所定の周期で情報処理装置400に送信される。
情報処理装置400は、例えば、橋梁構造物10を管理する団体の管理事務所に設置される、またはネットワーク上に設置される電子機器(例えばサーバ)である。情報処理装置400は、橋梁構造物10の状態の検出する劣化検出部410を有する。情報処理装置400は、「コンピュータ」の一例である。なお、情報処理装置400については詳しく後述する。
端末装置500は、例えば、橋梁構造物10を管理する団体の管理事務所に設置されるパーソナルコンピュータである。端末装置500は、表示装置510を有する。表示装置510は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイであり、情報処理装置400の劣化検出部410により検出されたデータを表示可能である。表示装置510は、「表示部」と称されてもよい。また、表示装置510は、端末装置500に代えて、情報処理装置400の一部として設けられてもよい。
次に、情報処理装置400の劣化検出部410について詳しく説明する。
図11は、劣化検出部410のシステム構成を示すブロック図である。劣化検出部410は、例えば、標定部411、閾値設定部412、発生回数計数部413、計数時間設定部414、判定部415、および出力部416を有する。これら機能部の全部または一部は、CPU(Central Processing Unit)またはGPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェアプロセッサが記憶部に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。ただし、これらの機能部のうち一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)、FPGAなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。これらは、後述する第2から第6の実施形態の劣化検出部410の各機能部についても同様である。
まず、標定部411および閾値設定部412について説明する。
標定部411は、第1のAEセンサ群110により検出された弾性波の発生源位置を標定するとともに、第2のAEセンサ群120により検出された弾性波の発生源位置を標定する。詳しく述べると、標定部411は、各AEセンサ111,121における弾性波の波形形状の特徴量に関する情報を比較することで、各AEセンサ111,121が検出した弾性波が互いに同一であるか否かを判定する。すなわち、標定部411は、各AEセンサ111,112(例えばAEセンサ111A,111B)で検出された弾性波の信号の振幅、エネルギー、立ち上がり時間、持続時間、周波数、ゼロクロスカウント数などのうち少なくとも1つ(例えば2つ以上)を比較することで、各AEセンサ111,112(例えばAEセンサ111A,111B)が検出した弾性波が同一であるか否かを判定する。
標定部411は、複数のAEセンサ111(または複数のAEセンサ121)における弾性波の波形形状の特徴量の類似度(波形形状の類似度)が予め設定された所定の範囲内である場合に、複数のAEセンサ111(または複数のAEセンサ121)が検出した弾性波が同一の弾性波であると判定し、その弾性波の発生源位置を標定する。なお、弾性波の類似度の判定は、縦リブ33に取り付けられたAEセンサ111と、デッキプレート31に取り付けられたAEセンサ121とでは別々に行われる。これは、例えば、縦リブ33の板厚とデッキプレート31の板厚とが異なるため、AEセンサ111に入力される弾性波の波形形状と、AEセンサ121に入力される波形形状とが異なるため、またデッキプレート31は舗装部32で覆われているためである。
具体的には、標定部411は、図8を参照して上述したように、例えば2つのAEセンサ111A,111Bが弾性波を検出した時刻の時間差と、縦リブ33における弾性波の伝播速度と、溶接部38の位置とに基づき、弾性波の発生源位置を標定する。すなわち、標定部411は、図8における双曲線51と溶接部38との交点52を、弾性波の発生源位置として標定する。
また、標定部411は、位置標定に伴うノイズ処理を行う。標定部411は、予め設定される所定のアルゴリズムに基づいてノイズを除去するノイズ除去部の一例である。例えば、標定部411は、ノイズ処理の判定基準となる閾値を、閾値設定部412から受け取る。閾値設定部412に格納される閾値は、ユーザーによって変更可能である。標定部411は、位置標定結果により、所定の閾値の範囲外から生じていると判定された弾性波をノイズと見做す。このようにノイズ除去においては、所定の閾値に基づき、ノイズであるか、意味のある信号であるかが判断される。このため、サーバ側でノイズ処理を行うことで、閾値条件を柔軟に変更することができる。すなわち、設置状況や測定対象物の条件、気候条件など、多くの条件を加味し、柔軟に閾値を設定することができる。これにより、ノイズをより効果的に除去することができる。
次に、発生回数計数部413および計数時間設定部414について説明する。
発生回数計数部413は、標定部411により標定された複数の弾性波の発生源位置の情報を所定の計数時間(計測時間)に亘り蓄積することで、複数の弾性波の発生源位置の分布(ヒット数分布)を算出する。なお、「弾性波の発生源位置の分布」とは、「弾性波の発生源位置の分布密度」と称されてもよい。発生回数計数部413は、「第1計数部」の一例である。所定の計数時間は、「所定時間」の一例である。以下では、説明の便宜上、「弾性波の発生源位置の分布」を「弾性波発生分布」と称する。
図12は、発生回数計数部413により算出される弾性波発生分布の一例を示す図である。図12に示すように、発生回数計数部413は、例えば、検査対象部位DPの橋軸方向BDの位置ごとに、その位置で発生した弾性波の発生回数(発生頻度)を上記所定の計数時間に亘り計数する。これにより、検査対象部位DPにおける弾性波発生分布が算出される。発生回数計数部413は、上記所定の計数時間が経過すると、算出した弾性波発生分布を示す情報を判定部415に出力する。
計数時間設定部414は、走行面TSを通過する車両Vの交通量に基づき、上記所定の計数時間を決定する。本実施形態では、計数時間設定部414は、交通量測定装置300により測定された走行面TSを通過する車両Vの交通量を示すデータに基づき、上記所定の計数時間を決定する。
計数時間設定部414は、例えば、走行面TSを通過する車両Vの台数が第1車両通過台数を超える第1時間を上記所定の計数時間として設定する。ここで、第1車両通過台数の対象となる車両Vは、大型車や小型車を含む全車種の車両である。第1車両通過台数は、例えば16,000台である。
なお、計数時間設定部414は、上記第1時間に代えて、走行面TSを通過する特定車種の車両Vの台数が第2車両通過台数を超える第2時間を上記所定の計数時間として設定してもよい。ここで、特定車種の車両Vとは、例えば大型車である。本願でいう「大型車」とは、例えば重量1.1トン以上の車種を指す。第2車両通過台数は、第1車両通過台数よりも少ない台数であり、例えば7,000台である。
また、計数時間設定部414は、上記第1時間または上記第2時間に代えて、走行面TSのなかで検査対象部位DPとなる溶接部38の直上に位置する車線を通過する車両Vの台数が第3車両通過台数を超える第3時間を上記所定の計数時間として設定してもよい。ここで、第3車両通過台数の対象となる車両Vは、大型車や小型車を含む全車種の車両である。第3車両通過台数は、第1車両通過台数よりも少ない台数であり、例えば5,300台である。
ここで、計数時間設定部414は、上記第1時間と上記第2時間とのうち短い方の時間を上記所定の計数時間として設定してもよい。また、計数時間設定部414は、上記第1時間と上記第3時間とのうち短い方の時間を上記所定の計数時間として設定してもよい。また、計数時間設定部414は、上記第1時間と上記第2時間と上記第3時間とのうち最も短い時間を上記所定の計数時間として設定してもよい。
以下、上述した第1から第3の車両通過台数の根拠について説明する。なお前提として、本発明者らは、亀裂Cの位置が予め確認されている鋼床版13に対して検出システム1を用いた予備実験を行い、検出装置100により72時間計測した場合、鋼床版13に存在する亀裂C(既知の亀裂C)を漏らさずに検出できることを確認している。言い換えると、72時間計測後の弾性波発生分布には、鋼床版13に存在する亀裂C(既知の亀裂C)が漏れなく表れている。このため、72時間計測後の弾性波発生分布は、弾性波発生分布の正解データとして用いることができる。
図13は、本実施形態に関連して本発明者らが行った実験の実験結果であり、72時間計測後の弾性波発生分布(正解データ)に対する、発生回数計数部413により算出された弾性波発生分布の相関係数の変化を、累積の車両通過台数(全車種)に対して表した図である。図13に示すように、相関係数がおよそ0.8に達すると、その時点での弾性波発生分布は、72時間計測後の弾性波発生分布の最終結果と非常に近くなることが確認された。このため、相関係数が0.8に達するのに必要な車両通過台数が、亀裂Cの検出に十分な車両通過台数(第1車両通過台数)と考えることができる。図13に示すように、第1車両通過台数は、約16,000台である。
図14は、図13と同様の分析を、車種を大型車に限定して実施したものである。図14に示すように、相関係数が0.8を越えた大型車の車両通過台数は、約7,000台である。大型車以外の車種の通過では、橋梁構造物10にかかる負荷が比較的小さいため、亀裂Cを要因とする弾性波があまり生じない可能性が考えられる。
また、亀裂Cから発生する弾性波を誘発するには、溶接部38の直上を通る車線を車両Vが通過することが最も負荷が大きいと考えられる。したがって、上記所定の計数時間を決定するための交通量は、車線別の車両通過台数を使用することが考えられる。ここで、図13の実験結果は、3車線道路の鋼床版13について計測した車両通過台数である。このため、弾性波発生分布を計測した溶接部38に最も近い車線を通過した車両通過台数は、全車両通過台数の3分の1だと考えられる。したがって、相関係数が0.8に達するのは、全車両通過台数である16,000台の3分の1である5,300台が溶接部38の直上の車線を通過した場合と考えられる。
以上のように、計数時間設定部414は、走行面TSを通過する車両Vの交通量に基づき、上記所定の計数時間を決定し、決定した所定の計数時間を発生回数計数部413に出力する。例えば、計数時間設定部414は、交通量測定装置300により測定された車両通過台数に基づき、走行面TSを通過した車両V(全車種)の台数が第1車両通過台数を超えたか否か、走行面TSを通過した特定車種の車両V(例えば大型車)の台数が第2車両台数を超えたか否か、および、走行面TSのなかで検査対象部位DPとなる溶接部38の直上に位置する車線を通過する車両Vの台数が第3車両通過台数を超えたか否かを監視する。そして、計数時間設定部414は、例えば、走行面TSを通過する車両V(全車種)が第1車両通過台数を超えた場合、走行面TSを通過する特定車種の車両V(例えば大型車)の第2車両通過台数を超えた場合、または、走行面TSのなかで検査対象部位DPとなる溶接部38の直上に位置する車線を通過する車両Vが第3車両通過台数を超えた場合、上記所定の計数時間が経過したことを示す信号を発生回数計数部413に出力する。発生回数計数部413は、上記信号を計数時間設定部414から受信した場合に、弾性波発生分布の算出を完了する。
次に、判定部415について説明する。
判定部415は、発生回数計数部413により算出された弾性波発生分布に基づいて亀裂Cの位置を判定する。例えば、判定部415は、各位置において弾性波の発生回数が予め設定された閾値以上となった位置に、その位置に亀裂Cが存在すると判定する。言い換えると、判定部415は、発生回数計数部413により算出された弾性波発生分布のなかで、弾性波の発生回数が局所的に大きくなっている位置に亀裂Cが存在すると判定する。また、判定部415は、弾性波発生分布における弾性波の発生回数に基づき、亀裂Cの大きさを判定してもよい。判定部415による判定結果は、出力部416に出力される。
次に、出力部416について説明する。
出力部416は、判定部415の判定結果を表示装置510に表示させるための情報を生成し、生成した情報を表示装置510に出力する。これにより、判定部415の判定結果が表示装置510に表示される。
次に、検出システム1の処理の流れについて説明する。
図15は、本実施形態の検出方法の流れを示すフローチャートである。
図15に示すように、まず、検出システム1は、橋梁構造物10に設けられたAEセンサ111,121を用いて、亀裂Cの発生または亀裂Cの進展に伴う弾性波を検出する(ステップS11)。
次に、検出システム1は、各AEセンサ111,121の検出結果に基づき、各AEセンサ111,121によって検出された弾性波の波形形状を特徴付ける特徴量(波形形状を特徴付けるパラメータ)を抽出する(ステップS12)。また、検出システム2は、各AEセンサ111,121の検出結果に基づき、各AEセンサ111,121に対する弾性波の到達時刻を算出する(ステップS13)。なお、上記ステップS12と上記ステップS13とは、行われる順序が逆でもよく、または同時に行われてもよい。
次に、検出システム1は、弾性波の発生源の位置標定が行われる(ステップS14)。具体的には、検出システム1は、弾性波の波形形状の特徴量に関する情報に基づき、例えばAEセンサ111A,111Bによって検出された弾性波の類似度を比較する。そして、AEセンサ111A,111Bによって検出された弾性波の類似度が所定の範囲内である場合に、それら弾性波が同一の弾性波であると判定され、弾性波の発生源の位置標定が行われる。例えば、弾性波の発生源の位置標定は、2つのAEセンサ111A,111Bが弾性波を検出した時刻の時間差と、縦リブ33における弾性波の伝播速度と、溶接部38の位置とに基づき行われる。
次に、検出システム1は、標定された弾性波の発生源位置を蓄積し、弾性波発生分布を算出する(ステップS15)。
また、検出システム1は、交通量測定装置300により測定された累積の車両通過台数に基づき、走行面TSを通過した累積の車両通過台数が上述した所定条件を満たすか否かを監視する(ステップS16)。累積の車両通過台数が所定条件を満たさない場合(ステップS16:NO)、ステップS11からステップS15の処理が繰り返される。
一方で、検出システム1は、累積の車両通過台数が所定条件を満たす場合(ステップS16:YES)、算出された弾性波発生分布に基づき、亀裂Cの位置などを判定する(S17)。そして、検出システム1は、判定された亀裂Cの位置などを示す情報を表示装置510に表示させる(ステップS18)。これにより、図15に示すフローの処理が終了する。
以上のような構成によれば、橋梁構造物10の状態の検出精度の向上を図ることができる。ここで、AEセンサ111,121が捉える弾性波には、亀裂Cから発生するもののほか、無関係のノイズも大量に含まれる。亀裂Cからの弾性波は、走行面TSを車両Vが通過する際に鋼床版13に負荷がかかることで、亀裂Cが進展したり既にある亀裂Cがこすれあうことによって発生する。そのため、車両Vが検査対象部位DP上を十分な台数通過しないと、ノイズを十分に上回る弾性波発生数が観測されず、亀裂Cの位置を正確に検出することが難しい場合がある。
そこで本実施形態では、正確な亀裂Cの検出に必要な計数時間を、走行面TSを十分な台数の車両Vが通過するのにかかる時間を当該地点の交通量に基づいて決定する。これにより、より正確な亀裂Cの位置の判定を行うことができる。
また、計数時間を決定するための交通量は、全ての車両Vの通過台数、大型車など特定の車種に限定した車両通過台数、特定の車線別の車両通過台数などが考えられるが、これらのうち最も短い時間を計測時間とすれば十分である。このため、これらのうち最も短い時間を計数時間とすることで、検査コストの低減を図ることができる。また、検査を実際に実施できる計数時間が十分でない場合にも、不足した計数時間で得られた亀裂位置検出結果の信頼度の評価に活用することも可能となる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、弾性波発生分布に加えて、弾性波のエネルギーを示す情報にも基づいて亀裂Cの位置が判定される点で、第1の実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
図16は、第2の実施形態の劣化検出部410のシステム構成を示すブロック図である。本実施形態の劣化検出部410は、第1の実施形態の構成に加えて、エネルギー算出部417と、エネルギー計数部418とをさらに有する。
エネルギー算出部417は、AEセンサ111,121の出力に基づき、弾性波のエネルギーの大きさを算出する。例えば、エネルギー算出部417は、弾性波の振幅(例えば図10中の振幅A)と持続時間(例えば図10中の持続時間T2)との少なくとも一方に基づいて弾性波のエネルギーの大きさを算出する。エネルギー算出部417により算出された弾性波のエネルギーの大きさは、エネルギー計数部418に出力される。
エネルギー計数部418は、エネルギー算出部417により算出された弾性波のエネルギーの情報と、標定部411により標定された弾性波の発生源位置の情報とを、例えば上記所定の計数時間にわたって蓄積することで、上記所定の計数時間内に発生した複数の弾性波の累積エネルギー分布を算出する。より具体的には、エネルギー計数部418は、弾性波が検出される度に、標定部411により標定された弾性波の発生源位置にその弾性波のエネルギーを積算することで、弾性波の発生源位置ごとの累積エネルギー分布を算出する。エネルギー計数部418は、「第2計数部」の一例である。
図17は、エネルギー計数部418により算出された弾性波の累積エネルギー分布(図17中の(a))と、発生回数計数部413により算出された弾性波発生分布(図17中の(b))との一例を示す図である。図17に示す例では、弾性波の累積エネルギー分布と弾性波発生分布とでそれぞれ異なる位置に分布の集中が確認され、どちらか片方の分布ではとらえられない亀裂Cが存在することが分かる。
本実施形態では、判定部415は、発生回数計数部413により算出された弾性波発生分布と、エネルギー計数部418により算出された累積エネルギー分布とに基づき、亀裂Cの位置を判定する。すなわち、判定部415は、弾性波発生分布において、弾性波の発生回数が予め設定された閾値以上となった位置に、亀裂Cが存在すると判定する。これに加えて、判定部415は、弾性波の累積エネルギー分布において、弾性波の累積エネルギーが予め設定された閾値以上となった位置に、亀裂Cが存在すると判定する。
このような構成によれば、橋梁構造物10の状態の検出精度のさらなる向上を図ることができる。すなわち、亀裂Cの性状によっては、非常にエネルギーの大きな弾性波がまれな頻度で発生するような亀裂Cも存在することが本発明者らの実験により確認された。このような亀裂Cは弾性波発生分布による判定だけでは検出されない場合がある。
しかしながら、本実施形態の判定部415は、発生回数計数部413により算出された弾性波発生分布に加え、弾性波の発生源位置ごとに弾性波のエネルギーを積算した累積エネルギー分布に基づく亀裂位置の判定を併用する。これにより、弾性波発生分布からでは捉えられない亀裂Cも捉えることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、縦リブ33に設けられる添接部60を跨がないように検査対象部位DPが設定される点で、第1の実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
図18は、第3の実施形態の鋼床版13の一例を示す断面斜視図である。図18に示すように、縦リブ33は、橋軸方向BDに分割して形成された複数の縦リブ部材33aと、複数の縦リブ部材33aを互いに結合する複数の添接板61とを有する。すなわち、縦リブ33は、鋼床版13の橋軸方向の全長にわたって配設されるが、十数m~数十mごとに分割されて形成されており、添接板61によって互いに結合されている。例えば、複数の添接板61は、複数の縦リブ部材33aの端部の内面と外面とにそれぞれあてがわれるとともに、ボルトのような締結部材62によって縦リブ部材33aに固定されている。これにより、複数の縦リブ部材33aの端部同士が添接板61により結合されている。
別の観点で見ると、縦リブ33は、それぞれ橋軸方向BDに延びた複数の延伸部分70と、複数の延伸部分70の間に設けられ、前記複数の延伸部分70を結合させる添接部60とを有する。添接部60は、縦リブ33の現場継手部であり、上述した添接板61を含む。以上の構成を言い換えると、縦リブ33は、1つ以上の添接部60により橋軸方向BDで複数の区間R(図19参照)に分割されている。すなわち、縦リブ33は、1つ以上の添接部60の各々を境界として複数の区間Rに分割されている。
例えば、添接部60の板厚は、延伸部分70の板厚に比べて厚い。例えば、添接部60の板厚は8mmであり、延伸部分70の板厚は6mmである。また、添接部60は、縦リブ33の内部に設けられたダイヤフラム63を含む。ダイヤフラム63は、縦リブ33の内部を密閉する部材である。添接部60の下部には、縦リブ33の内部に作業者が手を入れるためのハンドホール64が設けられている。
図19は、本実施形態のAEセンサ111の配置位置を示す平面図である。本実施形態では、検査対象部位DPは、縦リブ33に設けられた1つ以上の添接部60に含まれる各添接部60の橋軸方向BDの両側に分かれないように(添接部60を跨がないように)、区間Rごとに独立して設定される。すなわち、同じ検査対象部位DPを対象とする複数のAEセンサ111(例えば、第1および第2のAEセンサ111A,111Bのペア)は、橋軸方向BDで添接部60の両側に分かれないように1つの区間R内で縦リブ33に取り付けられ、その区間Rから生じる弾性波を検出する。
図20は、本実施形態のAEセンサ111の配置位置を示す側面図である。
AEセンサ111は、できる限り添接部60に近い位置に配置される。例えば、AEセンサ111は、このAEセンサ111に最も近い添接部60に対して、添接部60の特定部位からの距離が所定距離(例えば15cm)以内となるように配置される。「特定部位」の一例は、橋軸方向BDにおいて添接板61のなかでAEセンサ111に近い側の末端60a(第1特定部位)である。「特定部位」の別の例は、添接部60に設けられる複数のダイヤフラム63のなかで、AEセンサ111に最も近いダイヤフラム63(第2特定部位)でもよい。「特定部位」のさらに別の例は、縦リブ33の板厚が増加する領域のAEセンサ111に近い側の末端65(第3特定部位)でもよい。「特定部位」は、上述した第1特定部位、第2特定部位、および第3特定部位のなかで、橋軸方向BDで最も添接部60の外側にある位置でもよい。
ここで、AEセンサ111の固定構造について説明する。
図21は、AEセンサ111を縦リブ33に固定するためのホルダ170を示す断面図である。ホルダ170は、例えば、ホルダ本体171、複数のマグネット172、および複数のばね部材173を有する。
ホルダ本体171は、縦リブ33とは反対側からAEセンサ111に当接している。ホルダ本体171は、橋軸方向BDでAEセンサ111よりも大きな幅(長さ)L1を有する。例えば、ホルダ本体171は、橋軸方向BDでAEセンサ111に対して第1側に位置した第1部分171aと、第1側とは反対側に位置した第2部分171bとを含む。
複数のマグネット172は、第1マグネット172Aと、第2マグネット172Bとを含む。第1マグネット172Aは、ホルダ本体171の第1部分171aに対応して設けられている。第2マグネット172Bは、ホルダ本体171の第2部分171bに対応して設けられている。第1および第2のマグネット172A,172Bは、縦リブ33に対して磁力により吸着し、縦リブ33に着脱可能に固定される。
複数のばね部材173は、第1ばね部材173Aと、第2ばね部材173Bとを含む。第1ばね部材173Aは、ホルダ本体171の第1部分171aと第1マグネット172Aとにそれぞれ固定され、ホルダ本体171の第1部分171aを第1マグネット172Aに向けて付勢する。第2ばね部材173Bは、ホルダ本体171の第2部分171bと第2マグネット172Bとにそれぞれ固定され、ホルダ本体171の第2部分171bを第2マグネット172Bに向けて付勢する。
ここで、ホルダ170と添接部60の特定部位(すなわち、第1特定部位、第2特定部位、または第3特定部位)との間の橋軸方向BDの距離L2は、ホルダ170の橋軸方向BDの全長L1よりも短い。例えば、上述した第1特定部位、第2特定部位、および第3特定部位のなかで、橋軸方向BDで最も添接部60の外側にある特定部位とホルダ170との間の橋軸方向BDの距離は、ホルダ170の橋軸方向BDの全長L1よりも短い。
このような構成によれば、橋梁構造物10の状態の検出精度のさらなる向上を図ることができる。すなわち、弾性波は、添接部60のように途切れていなければ、縦リブ33内では橋軸方向BDに非常に遠くまで(例えば10m以上にわたって)減衰せずに伝搬する。このため、縦リブ33に取り付けるAEセンサ111の間隔は、約10mにすることができる。これは、少ないAEセンサ111の数でより広い範囲の溶接部の亀裂を検査する目的から好ましい。
ここで、これまでは、縦リブ33は、例えば添接部60でも添接板61を介して強固に結合されているので、弾性波があまり減衰せずに添接部60を越えて伝わると考えられていた。添接部60を通る伝搬が減衰してしまう場合でも、弾性波はデッキプレート31を通って添接部60を迂回して伝わるとも考えられていた。しかしながら、実際には縦リブ33の添接部60では弾性波の減衰が非常に大きく、弾性波はほぼ添接部60を越えて伝わらないことが、本発明者らの実験により初めて確認された。このような弾性波に関する新たな知見を有しない通常の当業者であれば、検査作業上の便利さから、検査区間は橋脚ごとで区切るものと思われる。
添接部60での減衰が大きい理由はいくつか挙げられる。(1)縦リブ33の橋軸方向BDの延長が添接部60で断絶しているため。(2)添接部60の板厚が増加する部分で弾性波が反射されるため。(3)添接板61が締結部材62により固定されている部分で、実効的な板厚が変化し、弾性波が反射されるため。(4)添接部60のダイヤフラム63によって橋軸方向BDに伝搬する弾性波が直交方向に拡散してしまうため。(5)縦リブ33の添接部60を迂回してデッキプレート31を伝搬する弾性波は、舗装部32のアスファルトに吸収されて減衰が大きく伝わりにくいため、などである。
2つのAEセンサ111の間に添接部60が存在すると、弾性波が片方のAEセンサに届かずに減衰してしまうため、弾性波の発生源位置を標定できない。そのため本実施形態では、検査対象部位DPは添接部60を跨がないような配置とする。
一方で、添接部60とAEセンサ111との距離が不必要に離れていると、添接部60周辺の亀裂Cを検出することが出来なくなる。本実施形態では、このような不感帯(亀裂Cが検出することができない領域)を減らすために、AEセンサ111を添接部60へなるべく近づける(例えば15cm以内)ようにしている。
本実施形態では、検出装置100は、添接部60により分断された複数の区間Rの各々に対して1つずつ設置される。このような構成によれば、最も少ないセンサ数で効率よく橋梁のような橋梁構造物10の全長にわたる検査を実施することができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、添接部60の近くにおいてデッキプレート31にAEセンサ121が取り付けられた点で、第3の実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第3の実施形態と同様である。
図22は、本実施形態のAEセンサ111,121の配置位置を示す平面図である。本実施形態では、第3の実施形態と同様に、縦リブ33に設けられた複数のAEセンサ111(例えば、第1および第2のAEセンサ111A,111Bのペア)により実現される第1検査対象部位DP1は、縦リブ33に設けられた1つ以上の添接部60に含まれる各添接部60の橋軸方向BDの両側に分かれないように(添接部60を跨がないように)、区間Rごとに独立して設定される。
一方で、デッキプレート31に設けられた複数のAEセンサ121(例えば、第3および第4のAEセンサ121A,121Bのペア)により実現される第2検査対象部位DP2は、添接部60の橋軸方向BDの両側に亘るように設定される。すなわち、第2検査対象部位DP2を対象とする複数のAEセンサ121(例えば、第3および第4のAEセンサ121A,121Bのペア)は、添接部60の橋軸方向BDの両側に分かれるようにデッキプレート31に取り付けられ、添接部60の近くから生じる弾性波を検出する。
ここで、デッキプレート31内では、弾性波が舗装部32のアスファルトに吸収されて減衰し遠くまで届かない場合がある。このため、デッキプレート31に取り付けられる複数のAEセンサ121の間の距離は近くする(例えば1m以下にする)必要がある。例えば、複数のAEセンサ121は、添接部60の上述した特定部位(第1から第3の特定部位のいずれか)からそれぞれ外側へ1m以内の位置に設置される。添接部60の特定部位の定義は、第3の実施形態における定義と同じである。
標定部411は、第1AEセンサ111Aおよび第2AEセンサ111Bの出力に基づき、第1検査対象部位DP1における弾性波の発生源位置を標定する。また、標定部411は、第3AEセンサ121Aおよび第4AEセンサ121Bの出力に基づき、第2検査対象部位DP2における弾性波の発生源位置を標定する。
このような構成によれば、添接部60に発生する亀裂Cや、添接部60近くに発生する亀裂Cを検出することができる。
(第4の実施形態の変形例)
次に、第4の実施形態の変形例について説明する。本変形例は、AEセンサ121の取り付け位置が第4の実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第4の実施形態と同様である。
図23は、本変形例のAEセンサ111,121の配置位置を示す平面図である。本変形例では、デッキプレート31に設けられた複数のAEセンサ121は、橋軸方向BDにおいて、縦リブ33に設けられたAEセンサ111よりも添接部60から離れた位置に配置される。これにより、縦リブ33に設けられたAEセンサ111(例えば、第1および第2のAEセンサ111A,111Bのペア)による第1検査対象部位DP1と、デッキプレート31に設けられたAEセンサ121(例えば、第3および第4のAEセンサ121A,121Bのペア)による第2検査対象部位DP2とが互いに一部重複する。
このような構成によれば、不感帯を無くすことができる。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態は、縦リブ33が横桁22によっても複数の区間Rに分割された点で、第3の実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第3の実施形態と同様である。
図24は、本実施形態のAEセンサ111の配置位置を示す平面図である。図24に示すように、縦リブ33は、1つ以上の添接部60と1つ以上の横桁22とにより橋軸方向BDで複数の区間Rに分割されている。
本実施形態では、検査対象部位DPは、横桁22の橋軸方向BDの両側に分かれないように(横桁22を跨がないように)、各区間R内に設定される。すなわち、同じ検査対象部位DPを対象とする複数のAEセンサ111(例えば、第1および第2のAEセンサ111A,111Bのペア)は、横桁22の橋軸方向BDの両側に分かれないように1つの区間R内で縦リブ33に取り付けられ、その区間Rから生じる弾性波を検出する。2つのAEセンサ111A,111Bは、それぞれできる限り横桁22に近い位置に配置される。例えば、AEセンサ111は、横桁22からの距離が所定距離(例えば15cm)以内となるように配置される。
このような構成によれば、橋梁構造物10の状態の検出精度のさらなる向上を図ることができる。すなわち、板厚が縦リブ33よりも大きく、縦リブ33と交差する方向に溶接された横桁22においても、橋軸方向BDに伝搬する弾性波が拡散し減衰が大きい。そのため本実施形態では、検査対象部位DPは、横桁22を跨がないように配置される。
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。第6の実施形態は、検査対象部位DPの端部から距離を空けてAEセンサ111が取り付けられた点、および複数の検査対象領域DP1,DP2が互いに一部重なるように設定されたで、第1の実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態と同様である。以下では、検査対象部位DPの端部から距離を空けて配置されるAEセンサの例として、縦リブ33に設けられたAEセンサ111が該当する場合について説明する。なお、検査対象部位DPの端部から距離を空けて配置されるAEセンサは、デッキプレート31に設けられるAEセンサ121でもよい。
図25は、本実施形態のAEセンサ111の配置位置を示す図である。本実施形態では、橋梁構造物10には、第1検査対象部位DP1および第2検査対象部位DP2が設定されている。
第1検査対象部位DP1には、複数のAEセンサ111(例えば、第1および第2のAEセンサ111A,111Bのペア)が対応して設けられている。すなわち、標定部411は、第1および第2のAEセンサ111A,111Bの出力に基づき、第1検査対象部位DP1における弾性波の発生源位置を標定する第1標定部411aを含む。本実施形態では、第1および第2のAEセンサ111A,111Bは、橋軸方向BDで第1検査対象部位DP1の両端からそれぞれ外側に所定距離以上離れた位置に配置され、縦リブ33に取り付けられている。「所定距離」は、例えば15cm以上である。
第2検査対象部位DP2には、複数のAEセンサ111(例えば、第3AEセンサ111Cおよび第4AEセンサ111D)が対応して設けられている。すなわち、標定部411は、第3AEセンサ111Cおよび第4AEセンサ111Dの出力に基づき、第2検査対象部位DP2における弾性波の発生源位置を標定する第2標定部411bを含む。第3AEセンサ111Cおよび第4AEセンサ111Dは、橋軸方向BDで第2検査対象部位DP2の両端からそれぞれ外側に所定距離以上離れた位置に配置され、縦リブ33に取り付けられている。「所定距離」は、例えば15cm以上である。
本実施形態では、第1検査対象部位DP1と第2検査対象部位DP2とは互いに一部が重複して設定されている。
このような構成によれば、橋梁構造物10の状態の検出精度のさらなる向上を図ることができる。ここで、図12を参照し、弾性波の発生源分布の計測結果の一例について説明する。図12における左右両端は、それぞれAEセンサ111AとAEセンサ111Bの位置である。このとき、図12中の例の左端のように、AEセンサ111の位置近傍に高密度の弾性波発生分布が算出されることがある。この理由は、2つのAEセンサ111の外側から発生した弾性波が2つのAEセンサ111で検出された場合、本来は発生源位置が標定できないにもかかわらず、2つのAEセンサ111への到達時間差が全て一定となり、弾性波の発生源位置がAEセンサ111の近傍に標定されてしまうためである。そのため、AEセンサ111の近傍に亀裂Cが存在しなくても、ノイズ弾性波によって弾性波発生分布がAEセンサ111の近傍に集中する傾向が生じる。弾性波発生分布が高密度の位置を亀裂Cの位置と判定する場合、AEセンサ111の近傍に誤って亀裂Cの位置を検出してしまう可能性がある。
そこで本実施形態では、第1および第2のAEセンサ111A,111Bは、橋軸方向BDで第1検査対象部位DP1の両端からそれぞれ外側に所定距離以上離れた位置に配置されている。本実施形態では、AEセンサ111A,111Bの近傍(例えば、15cm以内)の弾性波分布は算出しない。これにより、弾性波の発生源位置の誤検出を抑制し、橋梁構造物10の状態の検出精度のさらなる向上を図ることができる。
一方で、第1および第2のAEセンサ111A,111Bを、橋軸方向BDで第1検査対象部位DP1の両端からそれぞれ外側に所定距離以上離れた位置に配置すると、AEセンサ111A,111Bの間の区間の両端には亀裂Cの検出を行えない不感帯が生じてしまう。
そこで本実施形態では、2セットの検出装置100(第1および第2のAEセンサ111A,111Bのペアと、第3および第4のAEセンサ111C,111Dのペア)を設置し、互いのセンサペアを交互に配置することにより、互いの検査対象部位DP1,DP2の一部分が重複するようにする。これにより、2セットの検出装置100の不感帯を互いに補い合って検査不能領域が生じないようにすることができる。
以上、いくつかの実施形態について説明したが、実施形態は上記例に限定されない。例えば、上述した実施形態および変形例は、互いに組み合わされて実現可能である。また、検出装置、検出システム、検出方法、および情報処理装置は、亀裂の位置を検出することに限定されず、構造物の状態(例えば、劣化の有無、劣化の程度、亀裂の有無、亀裂の位置、亀裂の程度などの少なくともひとつ)を検出するものであればよい。
検出装置100は、第1のAEセンサ群110と第2のAEセンサ群120との両方を有する必要はなく、第1のAEセンサ群110と第2のAEセンサ群120とのうち一方のみを有してもよい。
1つの観点によれば、第3から第6の実施形態では、発生回数計数部413が弾性波発生分布を算出するために用いられる所定の計測時間は、走行面TSを走行する車両Vの台数に基づかず、別の基準に基づいて決定されてもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、検出システムは、車両が走行する走行面を下方から支持する第1部材と、前記第1部材に対して前記走行面とは反対側に設けられた第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との境界に沿って設けられ、前記第1部材と前記第2部材とを固定した溶接部とからなる構造物に存在する亀裂の位置を検出する検出システムである。前記検出システムは、複数のAEセンサと、標定部と、発生回数計数部と、判定部とを持つ。前記複数のAEセンサは、前記溶接部が延びた方向に互いに離間して配置され、それぞれ前記第1部材または前記第2部材に取り付けられて、弾性波を検出する。前記標定部は、前記複数のAEセンサの出力に基づき、弾性波の発生源位置を標定する。前記発生回数計数部は、前記標定部により標定された複数の弾性波の発生源位置の情報を所定時間に亘り蓄積することで、前記複数の弾性波の発生源位置の分布を算出する。前記判定部は、前記発生回数計数部により算出された前記分布に基づいて前記亀裂の位置を判定する。前記所定時間は、前記走行面を通過する車両の交通量に基づき決定される時間である。このような構成によれば、構造物の状態の検出精度の向上を図ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…検出装置、10…橋梁構造物(構造物)、13…鋼床版、21…主桁、22…横桁、31…デッキプレート、33…縦リブ(トラフリブ)、60…添接部、100…検出装置、111,121…AEセンサ、160…無線送信部(出力部)、300…交通量測定装置、400…情報処理装置、411…標定部、413…発生回数計数部(第1計数部)、415…判定部、417…エネルギー算出部、418…エネルギー計数部(第2計数部)。

Claims (14)

  1. 車両が走行する走行面を下方から支持する第1部材と、前記第1部材に対して前記走行面とは反対側に設けられた第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との境界に沿って設けられた溶接部とを含む構造物に存在する亀裂の位置を検出する検出システムであって、
    前記溶接部が延びた方向に互いに離間して配置され、それぞれ前記第1部材または前記第2部材に取り付けられて、弾性波を検出する複数のセンサと、
    前記複数のセンサの出力に基づき、前記弾性波の発生源位置を標定する標定部と、
    前記標定部により標定された複数の弾性波の発生源位置の情報を所定時間に亘り蓄積することで、前記複数の弾性波の発生源位置の分布を算出する第1計数部と、
    前記第1計数部により算出された前記分布に基づいて前記亀裂の位置を判定する判定部と、
    を備え、
    前記所定時間は、前記走行面を通過する車両の交通量に基づき決定される時間である、
    検出システム。
  2. 前記所定時間は、前記走行面を通過する車両の台数が第1車両通過台数を超える時間であり、前記第1車両通過台数は、基準分布に対する前記第1計数部により算出された前記複数の弾性波の発生源位置の分布の相関係数が0.8に達する台数であり、前記基準分布は、前記第1計数部が前記標定部により標定された複数の弾性波の発生源位置の情報を少なくとも72時間に亘り蓄積することで算出した前記複数の弾性波の発生源位置の分布である、
    請求項1に記載の検出システム。
  3. 前記所定時間は、前記走行面を通過する車両の台数が16,000台を超える時間である、
    請求項に記載の検出システム。
  4. 前記所定時間は、前記走行面を通過する大型車の台数が第2車両通過台数を超える時間であり、前記第2車両通過台数は、前記走行面を通過する大型車の台数であって、基準分布に対する前記第1計数部により算出された前記複数の弾性波の発生源位置の分布の相関係数が0.8に達する台数であり、前記基準分布は、前記第1計数部が前記標定部により標定された複数の弾性波の発生源位置の情報を少なくとも72時間に亘り蓄積することで算出した前記複数の弾性波の発生源位置の分布である、
    請求項1に記載の検出システム。
  5. 前記所定時間は、前記走行面を通過する大型車の台数が7,000台を超える時間である、
    請求項に記載の検出システム。
  6. 前記所定時間は、前記走行面を通過する全車種である車両の台数が第1車両通過台数を超える第1時間と、前記走行面を通過する大型車の台数が前記第1車両通過台数よりも少ない第2車両通過台数を超える第2時間とのうち短い方の時間であり、
    前記第1車両通過台数は、前記走行面を通過する全車種である車両の台数であって、基準分布に対する前記第1計数部により算出された前記複数の弾性波の発生源位置の分布の相関係数が0.8に達する台数であり、
    前記第2車両通過台数は、前記走行面を通過する大型車の台数であって、前記基準分布に対する前記第1計数部により算出された前記複数の弾性波の発生源位置の分布の相関係数が0.8に達する台数であり、
    前記基準分布は、前記第1計数部が前記標定部により標定された複数の弾性波の発生源位置の情報を少なくとも72時間に亘り蓄積することで算出した前記複数の弾性波の発生源位置の分布である、
    請求項1に記載の検出システム。
  7. 前記所定時間は、前記走行面を通過する全車種である車両の台数が16,000台を超える第1時間と、前記走行面を通過する大型車の台数が7,000台を超える第2時間とのうち短い方の時間である、
    請求項1に記載の検出システム。
  8. 前記所定時間は、前記走行面のなかで前記溶接部の直上に位置する車線を通過する車両の台数が第3車両通過台数を超える時間であり、前記第3車両通過台数は、前記溶接部の直上に位置する車線を通過する車両の台数であって、基準分布に対する前記第1計数部により算出された前記複数の弾性波の発生源位置の分布の相関係数が0.8に達する台数であり、前記基準分布は、前記第1計数部が前記標定部により標定された複数の弾性波の発生源位置の情報を少なくとも72時間に亘り蓄積することで算出した前記複数の弾性波の発生源位置の分布である、
    請求項1に記載の検出システム。
  9. 前記所定時間は、前記走行面のなかで前記溶接部の直上に位置する車線を通過する車両の台数が5,300台を超える時間である、
    請求項に記載の検出システム。
  10. 前記所定時間は、前記走行面を通過する全車種である車両の台数が第1車両通過台数を超える第1時間と、前記走行面を通過する大型車の台数が前記第1車両通過台数よりも少ない第2車両通過台数を超える第2時間と、前記走行面のなかで前記溶接部の直上に位置する車線を通過する車両の台数が前記第1車両通過台数よりも少ない第3車両通過台数を超える第3時間とのうち最も短い時間であり、
    前記第1車両通過台数は、前記走行面を通過する全車種である車両の台数であって、基準分布に対する前記第1計数部により算出された前記複数の弾性波の発生源位置の分布の相関係数が0.8に達する台数であり、
    前記第2車両通過台数は、前記走行面を通過する大型車の台数であって、前記基準分布に対する前記第1計数部により算出された前記複数の弾性波の発生源位置の分布の相関係数が0.8に達する台数であり、
    前記第3車両通過台数は、前記溶接部の直上に位置する車線を通過する車両の台数であって、前記基準分布に対する前記第1計数部により算出された前記複数の弾性波の発生源位置の分布の相関係数が0.8に達する台数であり
    前記基準分布は、前記第1計数部が前記標定部により標定された複数の弾性波の発生源位置の情報を少なくとも72時間に亘り蓄積することで算出した前記複数の弾性波の発生源位置の分布である、
    請求項1に記載の検出システム。
  11. 前記所定時間は、前記走行面を通過する全車種である車両の台数が16,000台を超える第1時間と、前記走行面を通過する大型車の台数が7,000台を超える第2時間と、前記走行面のなかで前記溶接部の直上に位置する車線を通過する車両の台数が5,300台を超える第3時間とのうち最も短い時間である、
    請求項1に記載の検出システム。
  12. 前記複数のセンサの出力に基づき、前記弾性波のエネルギーを算出するエネルギー算出部と、
    前記エネルギー算出部により算出された前記弾性波のエネルギーの情報と、前記標定部により標定された前記弾性波の発生源位置の情報とを蓄積することで、複数の弾性波の累積エネルギー分布を算出する第2計数部と、
    をさらに備え、
    前記判定部は、前記第1計数部により算出された前記分布と、前記第2計数部により算出された前記累積エネルギー分布とに基づいて前記亀裂の位置を判定する、
    請求項1から請求項11のうちいずれか1項に記載の検出システム。
  13. 車両が走行する走行面を下方から支持する第1部材と、前記第1部材に対して前記走行面とは反対側に設けられた第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との境界に沿って設けられた溶接部とを含む構造物に存在する亀裂の位置を検出する検出方法であって、
    前記溶接部が延びた方向に互いに離間して配置され、それぞれ前記第1部材または前記第2部材に取り付けられて弾性波を検出する複数のセンサの出力に基づき、前記弾性波の発生源位置を標定し、
    標定された複数の弾性波の発生源位置の情報を所定時間に亘り蓄積することで、前記複数の弾性波の発生源位置の分布を算出し、
    算出された前記分布に基づいて前記亀裂の位置を判定する、
    ことを含み、
    前記所定時間は、前記走行面を通過する車両の交通量に基づき決定される時間である、
    検出方法。
  14. 車両が走行する走行面を下方から支持する第1部材と、前記第1部材に対して前記走行面とは反対側に設けられた第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との境界に沿って設けられた溶接部とを含む構造物に存在する亀裂の位置を検出する情報処理装置であって、
    前記溶接部が延びた方向に互いに離間して配置され、それぞれ前記第1部材または前記第2部材に取り付けられて弾性波を検出する複数のセンサの出力に基づき、前記弾性波の発生源位置を標定する標定部と、
    前記標定部により標定された複数の弾性波の発生源位置の情報を所定時間に亘り蓄積することで、前記複数の弾性波の発生源位置の分布を算出する計数部と、
    前記計数部により算出された前記分布に基づいて前記亀裂の位置を判定する判定部と、
    を備え、
    前記所定時間は、前記走行面を通過する車両の交通量に基づき決定される時間である、
    情報処理装置。
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