JP7158974B2 - 義歯洗浄剤 - Google Patents
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項1. 少なくとも1種のプロテアーゼを含む義歯洗浄剤であって、
義歯洗浄剤に含まれるプロテアーゼの下記分解活性Bの合計値(b)に対する、義歯洗浄剤に含まれるプロテアーゼの下記分解活性Aの合計値(a)の比率(a/b)が0.0170以下である、義歯洗浄剤。
<分解活性A>
25℃でN-スクシニル-Ala-Ala-Ala-p-ニトロアニリドから10分間に1μモルのp-ニトロアニリンを生成する酵素量を「1U」とする。
<分解活性B>
25℃でカゼインから1分間に1μg量のL-チロシンに相当する非たん白性のフェノール試薬呈色物質を生成する酵素量を「1U」とする。
項2. 義歯を浸漬させる義歯洗浄液において、前記分解活性Aが0.0150U/ml以上になるように設定されている、項1に記載の義歯洗浄剤。
項3. 前記義歯洗浄液において、前記分解活性Bが1.0U/ml以上になるように設定されている、項1又は2に記載の義歯洗浄剤。
項4. 項1~3のいずれかに記載の義歯洗浄剤を水に投入して調製された義歯洗浄水に、義歯を浸漬する、義歯の洗浄方法。
本発明の義歯洗浄剤は、少なくとも1種のプロテアーゼを含む義歯洗浄剤であって、義歯洗浄剤に含まれるプロテアーゼの合成基質N-スクシニル-Ala-Ala-Ala-p-ニトロアニリドに対する分解活性Aの合計値(a)と義歯洗浄剤に含まれるプロテアーゼのカゼインに対する分解活性Bの合計値(b)との比率(a/b)が0.0170以下であることを特徴とする。以下、本発明の義歯洗浄剤について詳述する。
本発明の義歯洗浄剤は、少なくとも1種のプロテアーゼを含む。本発明の義歯洗浄剤では、含有するプロテアーゼが後述する比率(a/b)が所定の範囲を満たすことにより、義歯に付着したバイオフィルムを効果的に除去することが可能になる。
・発泡剤
本発明の義歯洗浄剤には、発泡作用による物理的洗浄作用を備えさせて、バイオフィルムの除去効果を更に向上させるために、発泡剤が含まれていることが好ましい。発泡剤は、義歯洗浄液中で炭酸ガスを発生させるために、炭酸化合物と酸から構成される。
本発明の義歯洗浄剤には、界面活性化作用による化学的洗浄力を備えさせて、バイオフィルムの除去効果を更に向上させるために、界面活性剤を含むことが好ましい。
本発明の義歯洗浄剤は、漂白作用によって洗浄力を向上させて、バイオフィルムの除去効果を更に向上させるために、漂白剤を含んでいてもよい。通常、漂白剤は、プロテアーゼを失活させたり、活性を阻害したりする作用を示すが、本発明の義歯洗浄剤では、漂白剤を含んでいても、特定の分解活性を示すプロテアーゼを含むことにより、プロテアーゼを安定に維持することができる。
本発明の義歯洗浄剤は、更に、ポリアルキレングリコールを含んでいてもよい。ポリアルキレングリコールは、結合剤としての役割を果たし、錠剤状や顆粒状に成型する場合には、成型性を向上させることができる。
本発明の義歯洗浄剤は、更に、糖アルコールを含んでいてもよい。糖アルコールは、結合剤としての役割を果たし、錠剤状や顆粒状に成型する場合には、成型性を向上させることができる。
本発明の義歯洗浄剤を錠剤状にする場合には、滑沢剤が含まれていることが好ましい。
本発明の義歯洗浄剤には、前述する成分に加えて、洗浄力の増強、崩壊性の付与、成型性の付与等を目的として、必要に応じて、他の添加剤が含まれていてもよい。
本発明の発義歯洗浄剤の形態については、特に制限されないが、例えば、錠剤状、顆粒状、粉末状等の固形状が挙げられる。これらの中でも、取扱い容易性の観点から、好ましくは錠剤状が挙げられる。このような形態への調製は、公知の成型方法で行うことができる。例えば、配合成分を混合した原料混合物を、打錠や造粒等の成型工程に供することによって、錠剤状や顆粒状の義歯洗浄剤が得られる。
本発明の義歯洗浄剤を水に投入して義歯洗浄液を調製し、当該義歯洗浄液中に洗浄対象となる義歯を浸漬することによって、義歯を洗浄することができる。また、本発明の義歯洗浄剤に発泡剤及び界面活性剤が含まれている場合には、義歯洗浄液中で発泡剤による発泡が生じ、義歯に物理的な刺激と、界面活性剤による界面活性作用によって義歯を効果的に洗浄することができる。
本発明の義歯洗浄方法は、前記義歯洗浄剤を用いて義歯を洗浄する方法である。即ち、本発明の義歯洗浄方法は、前記義歯洗浄剤を用いて調製された義歯洗浄水に、義歯を浸漬して義歯を洗浄する方法である。本発明の義歯洗浄方法の具体的実施態様については、前記「1.義歯洗浄剤」の欄に記載の通りである。
・プロテアーゼ(1):分解活性Aが260U/g、且つ分解活性Bが20000U/gであるバチルス・ズブチリス由来のアルカリプロテアーゼ、商品名「Optimase PR 40X」(デュポン社製)
・プロテアーゼ(2):分解活性Aが140U/g、且つ分解活性Bが8100U/gであるバチルス・ズブチリス由来由来のアルカリプロテアーゼ、商品名「エバラーゼ8.0T」(ノボザイム社製)
・硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、及びモノ過硫酸水素カリウムの混合物:モノ過硫酸水素カリウムを約43重量%含有、商品名「OXONE」(ランクセス株式会社社製)
・αオレフィンスルホン酸ナトリウム:商品名「ASCO-90」(Aekyung Specialty Chemicals Co. Ltd.製)
・ポリエチレングリコール:商品名「PEG6000P」(第一工業株式会社製)
表1に示す組成の錠剤状の義歯洗浄剤を調製し、各義歯洗浄剤のバイオフィルムの除去効果を評価した。試験方法及び試験結果は以下に示すとおりである。
(1)バイオフィルムが付着したレジンチップの作成
15mL容のチューブにTSB(Tryptic Soy Broth)培地5mlを入れ、ストレプトコッカス・ミュータンス(NBRC13955)を播種して35℃で1~2日間培養した。次いで、得られた培養液をTSB培地に懸濁して、600nmの濁度(OD)が1.05~1.10に調整したS.mutans懸濁液を作製した。また、別途、PDA培地(ポテトデキストロース寒天培地)にカンジダ・アルビカンス(NBRC1595)を播種して35℃で1~2日間培養した。培養後のカンジダ・アルビカンスを回収し、TSB培地に懸濁して、600nmの濁度(OD)が1.45~1.50に調整したC.albicans懸濁液を作製した。得られたS.mutans懸濁液とC.albicans懸濁液を1:1の容量比で混合し、菌懸濁液を作製した。
300ml容のカップに蒸留水180mlを入れ、40℃に保持した恒温槽に浸した。次いで、レジンチップに付着したバイオフィルムをカップ内に浸漬させ、更に義歯洗浄剤2.65gを投入してカップ内で義歯洗浄液を調製して静置した。義歯洗浄剤の投入から1時間後に、レジンチップを取り出し、蒸留水15mlを入れた50ml容のチューブに移し、15分間超音波洗浄を行った後に、ボルテックスを30秒間行った。その後、レジンチップを取り出して蒸留水で軽く洗浄した後に、6ウェルプレートの各ウェルに入れた。更に各ウェルに蒸留水6mlを穏やかに注ぎ、レジンチップを浸漬した後に、蒸留水を取り除き、レジンチップに残留している薬剤を除去した。この操作を合計2回行い、義歯洗浄液処理後のレジンチップを得た。また、コントロールに、義歯洗浄剤を投入しなかったこと以外は、前記と同様の操作を行った。
洗浄後のレジンチップの表面を触り、ヌメリの程度について、「ヌメリを全く感じない」を「1」、「ヌメリを強く感じる」を「5」」とする0.5刻みの9段階評価によって評価した。
1Nの塩酸を含むイソプロパノール4mlに0.25重量%のドデシル硫酸ナトリウム水溶液450μlを添加し、バイオフィルム剥離用溶液を作製した。バイオフィルム剥離用溶液3mlに義歯洗浄液処理後のレジンチップを5分間浸漬した。次いで、レジンチップを取り出し、レジンチップからスクレイパーにてバイオフィルムを剥離させ、凍結乾燥を行った後に、その重量を測定した。
コントロールの場合のバイオフィルムの重量を100%として、義歯洗浄液処理後のバイオフィルムの重量の割合をバイオフィルム残存率(%)として算出し、以下の判定基準に従ってバイオフィルム除去効果を判定した。
<バイオフィルム除去効果の判定基準>
◎:バイオフィルム残存率が30%以下である。
○:バイオフィルム残存率が30%超50%以下である。
△:バイオフィルム残存率が50%超70%以下である。
×:バイオフィルム残存率が70%超である。
得られた結果を表1に示す。この結果、プロテアーゼを含み、且つ分解活性Bの値の合計値(b)に対する分解活性Aの値の合計値(a)の比率が0.0170以下(特に、0.042以下)である義歯洗浄液を使用した場合には、優れたバイオフィルムの除去効果が認められることが確認された。また、実施例6では、実施例2~3に比べて、配合しているプロテアーゼの総量が同量以下であるにも拘わらず、より高いバイオフィルムの除去効果が認められていることから、本発明によってもたらされる優れたバイオフィルムの除去効果は、使用するプロテアーゼの総量に一義的起因しているのではなく、比率(a/b)を適切な範囲にコントロールすることにより実現できていることが明らかである。即ち、これらの結果から、本発明によれば、使用するプロテアーゼの総量を減らしつつ、優れたバイオフィルムの除去効果を奏させ得ることが明らかとなった。
Claims (3)
- 少なくとも1種のプロテアーゼを含む義歯洗浄剤であって、
前記プロテアーゼは、アルカリプロテアーゼであり、
義歯洗浄剤に含まれる前記アルカリプロテアーゼの下記分解活性Bの合計値(b)に対する、義歯洗浄剤に含まれる前記アルカリプロテアーゼの下記分解活性Aの合計値(a)の比率(a/b)が0.0170以下であり、
義歯を浸漬させる義歯洗浄液において、下記分解活性Aが0.0150U/ml以上になるように設定されている、義歯洗浄剤。
<分解活性A>
25℃でN-スクシニル-Ala-Ala-Ala-p-ニトロアニリドから10分間に1μモルのp-ニトロアニリンを生成する酵素量を「1U」とする。
<分解活性B>
25℃でカゼインから1分間に1μg量のL-チロシンに相当する非たん白性のフェノール試薬呈色物質を生成する酵素量を「1U」とする。 - 義歯を浸漬させる義歯洗浄液において、前記分解活性Bが1.0U/ml以上になるように設定されている、請求項1に記載の義歯洗浄剤。
- 請求項1又は2に記載の義歯洗浄剤を水に投入して調製された義歯洗浄水に、義歯を浸漬する、義歯の洗浄方法。
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