JP7158280B2 - 半導体研磨用組成物 - Google Patents

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本発明は、研磨用組成物に関する。
CMPによる半導体基板の研磨は、3段階又は4段階の多段階の研磨を行うことで、高精度の平滑化・平坦化を実現している。最終段階で行われる仕上げ研磨工程に用いられる研磨用組成物は、研磨起因欠陥(PID)及びヘイズ(表面曇り)を少なくする性能が求められる。
半導体基板の仕上げ研磨工程で使用される研磨用組成物は、一般に、砥粒と、塩基性化合物、水溶性高分子が含まれる。砥粒は、研磨作用を担う。水溶性高分子は、半導体基板に吸着して、基板表面を濡らすことで、研磨中又は研磨後の半導体基板を、異物から保護する役割を担うことが多い。また、研磨用組成物は、上記の化合物に加え、PID数を低減する目的で種々の添加剤が含まれる。
例えば、国際公開第2017/069253号(下記特許文献1)には、砥粒と、1,2-ジオール構造単位を有するビニルアルコール系樹脂から選ばれた少なくとも1種類の水溶性高分子と、多価アルコールと、アルカリ化合物とを含む研磨用組成物が開示されている。
国際公開第2017/069253号
近年、半導体デバイスのデザインルールの微細化が進んでいることにともなって、半導体基板の表面のPIDやヘイズについても、より厳しい管理が求められている。一方で、半導体研磨用組成物の添加剤の役割は、十分に明らかになっていない。従来、半導体研磨用組成物に添加する添加剤の選定と、それによるPID及びヘイズの低減は、試行錯誤によるところが大きい。
本発明の目的は、研磨後の半導体のヘイズを悪化させずにPIDを低減することができる半導体研磨用組成物を提供することである。
本発明の一実施形態による半導体研磨用組成物は、シリカと、ヒドロキシエチルセルロースと、水と、塩基性化合物と、複数種類の多価アルコールとを含む。前記複数種類の多価アルコールは、下記式(1)で示される特性値Aが、1.37以上である多価アルコールと、前記特性値Aが、1.37未満である多価アルコールを含む。
特性値A=(1+cos(t2))/(1+cos(t1)) ・・・(1)
t1:多価アルコールの1質量%水溶液のベアシリコン基板に対する接触角
t2:多価アルコールの1質量%水溶液のシリコン酸化膜で被覆されたシリコン基板に対する接触角
本発明によれば、研磨後の半導体基板のヘイズを悪化させずにPIDを低減することができる。
図1は、接触角を説明するための図である。 図2は、研磨用組成物を用いた研磨時の様子を説明するための図である。 図3は、表1におけるPO誘導体(1)、EO誘導体(1)、PO誘導体(2)、EO誘導体(2)及び水の特性値Aを示す図である。
本発明者は、ヘイズを悪化させずにPIDを低減するために有効な添加剤の性質を明確にするため、種々の検討を行った。検討において、添加剤の持つ性質のうち、シリカ砥粒への吸着のしやすさ、及び、半導体基板への吸着のしやすさの両面に着目した。これら両面の性質を表す指標として、下記式(1)で示される特性値Aを導入した。
特性値A=(1+cos(t2))/(1+cos(t1)) ・・・(1)
上記式(1)において、t1は、多価アルコール1%水溶液のベアシリコン基板への接触角であり、t2は、シリコン酸化膜で被覆されたシリコン基板への接触角である。
特性値Aは、値が大きいと酸化シリコンへの親和性が高いことを示し、値が小さいとシリコンへの親和性が高いことを示す。砥粒としてのシリカ、塩基性化合物、及び水溶性高分子に加え、種々の特性値Aを持つ添加剤を添加した種々の研磨用組成物について、半導体基板の研磨の性能を調べた。
試行錯誤の結果、発明者は、水溶性高分子をヒドロキシエチルセルロース(HEC)とした上で、シリコンにより吸着しやすい多価アルコールと、酸化シリコンにより吸着しやすい多価アルコールの組み合わせを研磨組成物に添加することで、半導体研磨におけるヘイズを悪化させることなくPIDを低減できることを見出した。
本発明は、この知見に基づいて完成された。以下、本発明の一実施形態による半導体研磨用組成物を詳述する。
本発明の一実施形態による半導体研磨用組成物は、シリカと、ヒドロキシエチルセルロースと、水と、塩基性化合物と、複数種類の多価アルコールとを含む。前記複数種類の多価アルコールは、下記式(1)で示される特性値Aが、1.37以上である多価アルコールと、前記特性値Aが、1.37未満である多価アルコールを含む。
特性値A=(1+cos(t2))/(1+cos(t1)) ・・・(1)
t1:多価アルコールの1質量%水溶液のベアシリコン基板に対する接触角
t2:多価アルコールの1質量%水溶液のシリコン酸化膜で被覆されたシリコン基板に対する接触角
上記半導体研磨用組成物は、シリカ及び塩基性化合物に加えて、HECと、複数種類の特性値Aが1.37以上の多価アルコールと、特性値Aが1.37未満の多価アルコールを含む。すなわち、この半導体研磨用組成物は、溶媒である水分子と比べて酸化シリコンへの親和性が高い多価アルコール(特性値が1.37以上の多価アルコール)と、溶媒である水分子に比べてシリコンへの親和性が高い多価アルコールの両方が含まれることになる。これらの複数種類の多価アルコールとHECとの組み合わせにより、研磨対象の半導体基板表面のヘイズを悪化させずにPIDを低減できる半導体研磨用組成物が得られる。
このメカニズムは、次のように推測される。図1は、多価アルコールのベアシリコン基板及びシリコン酸化膜に対する接触角を説明するための図である。多価アルコールのベアシリコン基板への接触角t1が大きいすなわちベアシリコン基板への親和性は低いと、cos(t1)が小さくなる。逆に多価アルコールのベアシリコン基板への接触角t1が小さく親和性が高いと、cos(t1)は大きくなる。同様に、多価アルコールの酸化シリコン膜への接触角t2が大きいすなわち酸化シリコン膜への親和性は低いと、cos(t2)が小さくなる。逆に多価アルコールの酸化シリコン膜への接触角t2が小さく親和性が高いと、cos(t2)は大きくなる。そのため、特性値A=(1+cos(t2))/(1+cos(t1))の値が大きいと酸化シリコンへの親和性が高いことを示し、値が小さいとシリコンへの親和性が高いことを示す。
図2は、研磨用組成物を用いた半導体基板(シリコン基板)の研磨時の様子を説明するための図である。図2に示すように、溶媒の水の中で、特性Aが1.37以上の多価アルコールは、シリコン基板よりも砥粒であるシリカ(酸化シリコン)に吸着しやすい。特性Aが1.37未満の多価アルコールは、シリカよりもシリコン基板に吸着しやすい。ヒドロキシエチルセルロースは、シリカ及びシリコン基板の両方に吸着しやすい。これらのヒドロキシエチルセルロース及び2種類の多価アルコールのシリカ及びシリコン基板に対する吸着しやすさのバランスにより、シリカによるシリコン基板表面の研磨と、ヒドロキシエチルセルロースのシリコン基板表面の保護とが適切なバランスで機能すると考えられる。その結果、ヘイズを悪化させずにPIDを低減できるという効果が得られると考えられる。
シリカは、砥粒として研磨用組成物に配合される。シリカは、この分野で常用されるものを使用でき、例えば、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等を用いることができる。砥粒の粒径は、特に限定されないが、例えば二次平均粒子径で30~150nmのものを用いることができる。
シリカの含有量は、特に限定されないが、例えば、研磨用組成物全体の0.10~20質量%である。シリカの含有量は、研磨後のシリコンウェーハの研磨傷や異物残りを低減するという観点からは、できるだけ少なくする方が好ましい。一方、研磨用組成物がシリカを全く含まない場合には、シリコンウェーハ表面の酸化膜を除去することができなくなる。研磨用組成物は、研磨時に10~40倍に希釈されて使用される。本実施形態による研磨用組成物は、砥粒の濃度が100~5000ppm(質量ppm。以下同じ。)になるように希釈して用いることが好ましい。砥粒の濃度が高いほど、微小欠陥やヘイズが低減する傾向がある。希釈後の砥粒の濃度の下限は、好ましくは1000ppmであり、さらに好ましくは2000ppmである。希釈後の砥粒の濃度の上限は、好ましくは4000ppmであり、さらに好ましくは3000ppmである。
塩基性化合物は、ウェーハ表面と効率よく反応し、化学機械研磨(CMP)の研磨特性に貢献する。塩基性化合物は、例えば、アミン化合物、無機アルカリ化合物等である。
アミン化合物は、例えば、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム及びその水酸化物、複素環式アミン等である。具体的には、アンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-(β-アミノエチル)エタノールアミン、無水ピペラジン、ピペラジン六水和物、1-(2-アミノエチル)ピペラジン、N-メチルピペラジン、ピペラジン塩酸塩、炭酸グアニジン等が挙げられる。
無機アルカリ化合物は、例えば、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の塩、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属の塩等が挙げられる。無機アルカリ化合物は、具体的には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等である。
上述した塩基性化合物は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を混合して使用してもよい。上述した塩基性化合物の中でも、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の塩、アンモニア、水酸化アンモニウム、アミン、アンモニウム塩、及び第四級アンモニウム水酸化物類が特に好ましい。
塩基性化合物の含有量(二種以上含有する場合は、その総量)は、特に限定されないが、例えば砥粒との質量比で、砥粒:塩基性化合物=1:0.001~1:0.10である。本実施形態による研磨用組成物は、塩基性化合物の濃度が5~200ppmになるように希釈して用いることが好ましい
ヒドロキシエチルセルロースの分子量やその含有量は特に限定されないが、例えば分子量が50万以上150万以下であって、前記砥粒の質量%に対する前記ヒドロキシエチルセルロースの質量%の比が0.0075以上0.025以下であるものが挙げられる。ヒドロキシエチルセルロースの分子量とは、GFC(ゲルろ過クロマトグラフィー;Gel Filtration Chromatography)法を用いて測定される重量平均分子量である。
研磨用組成物は水を含む。水の含有量は特に限定されるものではなく、適宜配合されうる。なお、水は後述するように、研磨用組成物を使用時の所望の濃度よりも高濃度である高濃度液として調整しておき、使用時に希釈して用いる場合には、希釈時に希釈液として配合してもよい。
研磨用組成物は、複数種類の多価アルコールを含む。多価アルコールは、1分子中に2以上のヒドロキシ基を含むアルコールである。複数種類の多価アルコールは、上記式(1)で示される特性値Aが、1.37以上である多価アルコールと、前記特性値Aが、1.37未満である多価アルコールを含む。上記式(1)における多価アルコールの接触角t1及び接触角t2は、後述する実施例に示す測定方法で測定される値である。なお、研磨用組成物に含まれる多価アルコールの種類は、2種類に限られない。例えば、3種類以上の多価アルコールが研磨用組成物に含まれてもよい。
本実施形態の研磨用組成物では、複数種類の多価アルコールのそれぞれの種類の多価アルコールの配合量(質量%の含有量)は、一例として、ヒドロキシエチルセルロースの配合量(質量%の含有量)よりも少なく配合されている。また、複数種類の多価アルコールの配合量(質量%の含有量)も、一例として、ヒドロキシエチルセルロースの配合量(質量%の含有量)よりも少ない。なお、他の例として、複数種類の多価アルコールの配合量(質量%の含有量)は、ヒドロキシエチルセルロースの配合量(質量%の含有量)より多くてもよい。多価アルコールの含有量は、特に限定されないが、例えば、研磨用組成物全体の0.0100~0.1質量%としてもよい。
研磨用組成物に含まれる多価アルコールとしては、例えば、糖と糖以外の有機化合物とがグリコシド結合した配糖体(グリコシド)、多価アルコールにアルキレンオキシドが付加した多価アルコールアルキレンオキシド付加物、脂肪酸と多価アルコールがエステル結合した多価アルコール脂肪酸エステル、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。配糖体としては、例えば、下式(2)で示されるメチルグルコシドのアルキレンオキシド誘導体等が挙げられる。多価アルコールアルキレンオキシド付加物としては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレングリコール等のアルキレンオキシド付加物が挙げられる。多価アルコール脂肪酸エステルとしては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
Figure 0007158280000001
メチルグルコシドのアルキレンオキシド誘導体としては、例えば、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等が挙げられる。例えば、ポリオキシエチレンメチルグルコシドを、上記特性値Aが水の特性値Aすなわち1.37以上の多価アルコールとして研磨用組成物に含ませてもよい。また、ポリオキシプロピレンメチルグルコシドを、上記特性値Aが、1.37未満の多価アルコールとして、研磨用組成物に含ませてもよい。
また、研磨用組成物に含まれる多価アルコールとして、例えば、ポリグリセリン誘導体が挙げられる。ポリグリセリン誘導体は、グリセリンの平均重合度が3以上であるポリグリセリンに官能基を導入した化合物である。ポリグリセリン誘導体としては、ポリオキシアルキレンポリグリセリルエーテル等が挙げられる。ポリオキシアルキレンポリグリセリルエーテルとしては、ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテル等が挙げられる。例えば、ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルを、上記特性値Aが、1.37以上の多価アルコールとして研磨用組成物に含ませてもよい。また、ポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテルを、上記特性値Aが、1.37未満の多価アルコールとして、研磨用組成物に含ませてもよい。
本実施形態による研磨用組成物は、多価アルコールの濃度が、50~500質量ppmに、より好ましくは、100~400質量ppmになるように、希釈して用いることが好ましい。研磨用組成物に添加される多価アルコールの分子量やその含有量は特に限定されないが、例えば、分子量が300~1500、好ましくは、450~1000、より好ましくは、500~800の多価アルコールを2種類以上、研磨用組成物に含ませることができる。多価アルコールの分子量は、重量平均分子量である。
本実施形態による研磨用組成物は、pH調整剤をさらに含んでいてもよい。本実施形態による研磨用組成物のpHは、好ましくは8.0~12.0である。
本実施形態による研磨用組成物は、上記の他、研磨用組成物の分野で一般に知られた配合剤を任意に配合することができる。
本実施形態による研磨用組成物は、シリカ、塩基性化合物、ヒドロキシエチルセルロース、複数種類の多価アルコールその他の配合材料を適宜混合して水を加えることによって作製される。本実施形態による研磨用組成物は、あるいは、シリカ、塩基性化合物、ヒドロキシエチルセルロース、複数種類の多価アルコールその他の配合材料を、順次、水に混合することによって作製される。これらの成分を混合する手段としては、ホモジナイザー、超音波等、研磨用組成物の技術分野において常用される手段が用いられる。
以上で説明した研磨用組成物は、適当な濃度となるように水で希釈した後、半導体ウェーハの研磨に用いられる。
本実施形態による研磨用組成物は、シリコンウェーハの仕上げ研磨に特に好適に用いることができる。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されない。
[研磨例1]
表1に示す実施例1、2、及び比較例1~4の研磨用組成物を作製した。
Figure 0007158280000002
表1の含有量は、すべて希釈後の含有量である。砥粒は、平均二次粒子径が70nmのコロイダルシリカを使用した。「NHOH」はアンモニア水溶液を表す。
PO誘導体(1)は、ポリオキシプロピレンメチルグルコシドである。EO誘導体(1)は、ポリオキシエチレンメチルグルコシドである。
PO誘導体(2)は、ポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテル(平均分子量750)である。EO誘導体(2)は、ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテル(平均分子量750)である。
図3は、表1におけるPO誘導体(1)、EO誘導体(1)、PO誘導体(2)、EO誘導体(2)及び水の特性値Aを示す図である。図3の特性値Aは、上記式(1)を用いて計算した。上記式(1)における接触角t1、t2は、接触角測定装置(協和界面科学株式会社製Drop Master DM500)を用いて測定した。
接触角t1(図3ではθ2)は、1質量%の多価アルコール(PO誘導体(1)、EO誘導体(1)、PO誘導体(2)、EO誘導体(2))の水溶液をベアシリコン基板に付着させた状態をカメラで撮影し、基板と水溶液との接触角度をθ/2法を用いて算出した。ベアシリコン基板は、自然酸化膜付きシリコン基板を0.5%フッ酸水溶液に1分間浸漬して酸化膜を除去した直後のものを用いて、接触角を測定した。すなわち、自然酸化膜付きシリコン基板の酸化膜を除去した後、速やかにシリコン基板の表面に多価アルコール水溶液を付着させて、ベアシリコン基板に対する接触角を測定した。
接触角t2(図3ではθ1)は、1質量%の多価アルコール(PO誘導体(1)、EO誘導体(1)、PO誘導体(2)、EO誘導体(2))の水溶液を作製し、自然酸化膜付きシリコン基板の表面に付着させた状態をカメラで撮影し、基板と水溶液との接触角度をθ/2法を用いて算出した。
接触角の測定方法の詳細は、次の通りである。約10mlの多価アルコール水溶液を注射器に充填し、注射針から多価アルコール水溶液を出して基板に付着させ、液滴と針先が離れてから1秒後の状態をカメラで撮影した画像を用いて接触角度を計算した。
水溶性高分子の「HEC」は、ヒドロキシエチルセルロースである。変性PVAは、推定重合度:450、けん化度:99.0モル%以上の変性PVAを使用した。
これら実施例及び比較例の研磨用組成物を使用して、12インチのシリコンウェーハの研磨を行った。シリコンウェーハの導電型はP型で、抵抗率が0.1Ωcm以上100Ωcm未満のものを使用した。研磨面は<100>面とした。研磨装置は、片面研磨装置(定盤の直径φ31.5mm)を使用した。研磨パッドは、ナップパッドを使用した。研磨用組成物を、600mL/分の供給速度で供給した。定盤の回転速度は52rpm、キャリアの回転速度は50rpm、研磨荷重は16kPaとして、3分間の研磨を行った。なお、実施例及び比較例の研磨用組成物で研磨する前に、研磨スラリーNanopure(登録商標)NP7050S(ニッタハース株式会社製)を用いて3分間の予備研磨を実施した。
研磨後のシリコンウェーハの微少欠陥及びヘイズを測定した。微少欠陥は、ウェーハ表面検査装置MAGICS M5640(Lasertec社製)を用いて測定した。測定条件は、D37mVであった、ヘイズは、KLA-Tencor社のウェーハ検査装置 Surfscan SP2で測定した。
表1に示す結果では、PO誘導体(1)及びEO誘導体(1)の両方を含む実施例1は、PO誘導体(1)、EO誘導体(1)のいずれか一方のみを含む比較例1、2に比べて、欠陥数が低減している。実施例1のヘイズは、悪化していないと看做せる。EO誘導体(2)及びPO誘導体(2)の両方を含む実施例3は、EO誘導体(2)のみを含む比較例4に比べて欠陥数及びヘイズが低減している。実施例1及び2は、特性値Aが1.37(=水の特性値A)以上となる多価アルコールと、特性値Aが1.37未満となる多価アルコールの両方の組み合わせた場合に該当する。EO誘導体(2)とEO誘導体(1)を含む比較例3は、欠陥数及びヘイズが悪化している。この比較例3は、特性値Aが1.37(=水の特性値A)以上となる多価アルコールを2種類含む場合に該当する。これらの結果より、シリコン基板により吸着しやすい多価アルコールと、シリカ砥粒により吸着しやすい多価アルコールの両方を研磨用組成物に添加することで、ヘイズを悪化させずに、研磨起因欠陥(PID)を低減できることがわかった。
図3に示すように、PO誘導体(1)、PO誘導体(2)は、特性値Aの値が水以下であり、EO誘導体(1)、EO誘導体(2)の特性値Aは、水以上であることが分かる。これより、ベアシリコンの研磨環境中では、PO誘導体(1)、PO誘導体(2)は溶媒として多量に存在する水分子よりも優先してベアシリコンに吸着すると推測される。一方で、EO誘導体(1)、EO誘導体(2)は、水分子よりも優先して酸化シリコン(すなわち研磨環境中ではシリカ砥粒)へ優先して吸着すると推測される。特性値Aが水以上の多価アルコール及び特性値Aが水未満の多価アルコールの両者の存在により、ベアシリコンおよびシリカ砥粒の両方が多価アルコールによって吸着保護され、ウェーハへのダメージが低減されてPIDが減少することが推測できる。
比較例5の研磨用組成物は、実施例2の研磨用組成物のHECを変性PVAに置換したものである。比較例5では、ヘイズの悪化が見られる。このことから、特性値Aによって区別される複数種類の多価アルコールの組み合わせを添加剤として用いてPIDを低減する方法は、水溶性高分子としてヒドロキシエチセルロースを用いる場合において特に有効であることがわかった。また、ヒドロキシエチルセルロースと、特性値Aが1.37以上の多価アルコールと、特性値Aが1.37未満の多価アルコールの組み合わせにより、欠陥数及びヘイズが低減できることがわかった。
この理由は、定かではないが、次のように推測される。変性PVAは、ヒドロキシエチルセルロースに比べて、ベアシリンコンへの吸着力が弱い。特性値Aが水の値1.37未満である多価アルコール(ベアシリコンへの親和性が高い多価アルコール)を用いることにより、変性PVA自体のベアシリコンへの吸着までもが阻害されることで、水溶性高分子による保護が弱くなり、ヘイズは悪化したものと推測される。これに対して、ヒドロキシエチルセルロースは、特性値Aが1.37未満の多価アルコールとともに用いても、シリコン基板への吸着は阻害されず、多価アルコールの作用と相まって、ベイズの悪化を抑制しつつPIDを低減していると推測される。
以上、本発明の実施の形態を説明した。上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。

Claims (3)

  1. シリカと、
    ヒドロキシエチルセルロースと、
    水と、
    塩基性化合物と、
    複数種類の多価アルコールとを含み、
    前記複数種類の多価アルコールは、下記式(1)で示される特性値Aが、1.37以上である多価アルコールと、前記特性値Aが、1.37未満である多価アルコールを含む、半導体研磨用組成物。
    特性値A=(1+cos(t2))/(1+cos(t1)) ・・・(1)
    t1:多価アルコールの1質量%水溶液のベアシリコン基板に対する接触角
    t2:多価アルコールの1質量%水溶液のシリコン酸化膜で被覆されたシリコン基板に対する接触角
  2. 前記複数種類の多価アルコールのうち少なくとも1種は、メチルグルコシドのアルキレンオキシド誘導体である、請求項1に記載の半導体研磨用組成物。
  3. 前記複数種類の多価アルコールのうち少なくとも1種は、ポリオキシアルキレンポリグリセリルエーテルである、請求項1又は2に記載の半導体研磨用組成物。
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