JP7154526B2 - 血管拡張器具 - Google Patents

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Description

本発明は、血管拡張器具に関する。
従来、慢性透析患者への透析治療において、動脈血管に静脈血管を吻合してシャントを形成した後に、透析治療が行われることがある。動脈血管に静脈血管を吻合する場合に、血管拡張器具により自己の静脈血管を拡張した後に、動脈血管に静脈血管を吻合することが行われている。また、冠動脈疾患や閉塞性動脈疾患などの閉塞を伴う血管不全に対して、自己血管を用いて血管をパイパスする手術が行われることがある。この場合に、血管拡張器具により自己血管を拡張した後に、バイパスする血管に自己血管を吻合することが行われている。
ここで、血管を拡張するために使用される血管拡張器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の血管拡張器具は、血管内に挿入管(カニューレ)を挿入して、挿入管(カニューレ)を介して血管内に生理食塩水等の液体を加圧状態で注入することで、血管を内側から加圧して拡張させる。また、特許文献1には、血管拡張器具により拡張された血管を保持するクリップが記載されている。特許文献1に記載されるクリップは、血管を保持することで、挿入管(カニューレ)からの液体の漏れを抑制することができるとされる。
特開2016-64130号公報
特許文献1に記載の血管を保持するクリップは、血管の締め付け具合の調整ができないため、血管の太さなどによっては、血管拡張器具により拡張された血管を保持する際に、液体の液密性を担保できないことや、血管を損傷させるおそれがある。よって、血管拡張器具を用いる場合に、液体の液密性を担保できると共に、血管の損傷を抑制できることが求められている。また、血管拡張器具により拡張された血管をクリップで保持する場合に、クリップの重量により、操作性が妨げられる可能性がある。よって、血管を拡張した状態で、血管を保持する際の操作性を向上できることが求められている。
本発明は、血管を保持する際の操作性を向上でき、液体の液密性を担保できると共に血管の損傷を抑制できる血管拡張器具を提供することを目的とする。
本発明は、血管の内部に挿入される挿入先端部を有する挿入管と、前記挿入管の後端部から前記挿入管と同軸上に後方側に延びる延在部分と、を有する本体部と、前記挿入管の外側に配置されて筒状に形成され、前記挿入管の軸方向に移動することで、前記挿入先端部が挿入された血管を前記挿入管との間に挟み込んで押し付け可能な締付リングと、ネジ機構により前記延在部分の軸方向に移動可能に前記延在部分に取り付けられ、前記挿入先端部に血管を押し付ける押付位置と前記挿入先端部から退避する退避位置とに前記締付リングを前記延在部分の軸方向に進退させる進退部と、を備え、前記挿入先端部は、該挿入先端部の先端側において該挿入先端部の外面に形成され先端に向かうに従って径が小さくなるように傾斜する先端側テーパ外面と、該挿入先端部の基端側において該挿入先端部の外面に形成され基端に向かうに従って径が小さくなる傾斜角度で該挿入先端部の軸方向に対して傾斜する基端側テーパ外面と、を有し、前記締付リングは、該締付リングの内面に形成され前記挿入先端部の先端側に向かうに従って径が大きくなる傾斜角度で該締付リングの軸方向に対して傾斜するリング側テーパ内面を有し、前記進退部により前記締付リングが前記退避位置から前記押付位置に移動されることで、前記基端側テーパ外面と前記リング側テーパ内面との間に血管が面接触した状態で挟み込まれて押し付けられる血管拡張器具に関する。
また、前記リング側テーパ内面の傾斜角度は、前記基端側テーパ外面の傾斜角度以上の傾斜角度であることが好ましい。
また、前記基端側テーパ外面の傾斜角度及び前記リング側テーパ内面の傾斜角度は、略同じ傾斜角度であることが好ましい。
また、前記基端側テーパ外面の傾斜角度及び前記リング側テーパ内面の傾斜角度は、1~45°であることが好ましい。
また、前記挿入管と前記延在部分とは、別体で構成された状態から、前記挿入管の基端側が前記締付リングに挿通された状態で互いが接続されることで一体に構成されることが好ましい。
また、前記リング側テーパ内面の最小径は、前記基端側テーパ外面の最小径と略同一の径であることが好ましい。
また、前記締付リングは、該締付リングの内面に形成され軸方向に延びる延在内面を有し、前記延在内面は、前記リング側テーパ内面の基端から、前記リング側テーパ内面の最小径と略同一の径で軸方向の後方側に延びることが好ましい。
本発明によれば、血管を保持する際の操作性を向上でき、液体の液密性を担保できると共に血管の損傷を抑制できる血管拡張器具を提供することができる。
第1実施形態の血管拡張器具の全体の外観を示す斜視図である。 第1実施形態の血管拡張器具の分解斜視図である。 第1実施形態の血管拡張器具の全体構成の断面図である。 第1実施形態の血管拡張器具の先端側の部分断面図である。 第1実施形態の血管拡張器具の先端側の部分断面図であって、挿入先端部が挿入された血管を保持する状態を示す図である。 第2実施形態の血管拡張器具の分解斜視図である。 第2実施形態の血管拡張器具の分解斜視図である。 第2実施形態の血管拡張器具の全体構成の断面図である。 第2実施形態の血管拡張器具の先端側の部分断面図であって、挿入先端部を締付リングの押し付け傾斜筒状部の最も基端側に配置した場合を示す図である。 第2実施形態の血管拡張器具の組み立て方法を示す図である。 第1実施例における血管の固定部分の傾斜角度と圧縮率との関係を示す図である。 第2実施例における血管の固定部分の固定部面積と圧縮率との関係を示す図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の血管拡張器具1の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る血管拡張器具1は、例えば、慢性透析患者の治療を行う場合における動脈血管に静脈血管を吻合してシャントを形成する場合や、冠動脈疾患や閉塞性動脈疾患などの閉塞を伴う血管不全に対して自己血管を用いて血管をパイパスする手術を行う場合などにおいて、血管を拡張する際に用いられる。血管拡張器具1は、血管内に挿入される挿入管3を備え、血管に挿入管3が挿入された状態で血管を保持する。
図1~図3に示すように、血管拡張器具1は、器具本体部(本体部)2と、締付リング6と、進退ロック筒(進退部)7と、を備える。器具本体部2は、所定方向に延びる筒状に形成され、内部に液体が流通される。
器具本体部2は、図2に示すように、挿入管3と、中間延在部分4(延在部分)と、後部延在部分5と、を有する。挿入管3、中間延在部分4及び後部延在部分5は、器具本体部2の先端側から後端側に向けてこの順に配置される。なお、本実施形態においては、器具本体部2における挿入管3側を「先端側」といい、器具本体部2における後部延在部分5側を「後端側、後部側、後方側」という。
挿入管3は、先端側に形成され血管10(図4参照)の内部に挿入される挿入先端部31と、挿入先端部31の後端部から後部側に延びる送液管34と、を有する。
挿入先端部31は、図3に示すように、送液管34側の基端3aから先端3bに向かって延びて形成される。挿入先端部31は、先端側テーパ外面32と、基端側テーパ外面33と、を有する。
先端側テーパ外面32は、挿入先端部31の先端3b側において挿入先端部31の外面に形成され、図4に示すように、先端3bに向かうに従って径が小さくなるように傾斜する。本実施形態においては、先端側テーパ外面32は、挿入先端部31の軸方向に対して、傾斜角度αで傾斜する。例えば、本実施形態においては、先端側テーパ外面32の傾斜角度αは、血管10を傷つけずに血管10内に挿入しやすいことや、血管拡張器具1の長手方向の長さを短く形成するという観点などから設定され、例えば、傾斜角度αは、1°~20°が好ましく、5~10°がより好ましい。
基端側テーパ外面33は、挿入先端部31における先端側テーパ外面32よりも基端3a側において挿入先端部31の外面に形成され、図4に示すように、基端3aに向かうに従って径が小さくなるように傾斜する。基端側テーパ外面33は、挿入先端部31の軸方向に対して、傾斜角度β1で傾斜する。本実施形態においては、基端側テーパ外面33の傾斜角度β1は、後述するように、血管10を基端側テーパ外面33とリング側テーパ内面62とで挟み込んで面接触させるという観点や、血管拡張器具1の長手方向の長さを短く形成するという観点などから設定され、例えば、傾斜角度β1は、1~45°が好ましく、5~25°がより好ましく、7.5~15°が更に好ましい。
送液管34は、挿入先端部31の後端部(基端3a)から後方側に延びて形成される。送液管34は、挿入先端部31側に液体を送液する管状に形成される。送液管34は、締付リング6(後述)の内側に配置される。送液管34の軸方向の長さL1は、締付リング6の軸方向への移動範囲や血管拡張器具1の長手方向の長さを短く形成することなどを考慮して設定される。
より具体的には、図3に示すように、送液管34の軸方向の長さL1のうち、挿入管3の基端3aから締付リング6の先端部6aまでの長さL2は、血管10(図4参照)に挿入先端部31を挿入しやすいように、締付リング6(後述)が退避位置(後述)に位置する場合に、血管10と締付リング6(後述)との干渉を防止できる程度の隙間を有する長さが設定される。一方、射出成型で製造する場合には、送液管34の軸方向の長さL1は、短い方が容易に製造できるため、製造上の観点から、軸方向の長さL1(長さL2)を短く形成することが好ましい。
中間延在部分4は、図2に示すように、挿入管3の後端部(基端3a)から挿入管3と同軸上に後方側に延びる。中間延在部分4は、中間筒状部41と、中間筒状部41の外周面に形成されるスクリュー状の中間部突出ネジ42と、を有する。中間筒状部41は、挿入管3の径よりも大きな径で、筒状に形成される。中間延在部分4の外周面には、軸方向に移動可能に進退ロック筒7(後述)が取り付けられる。
中間部突出ネジ42は、中間筒状部41の外周面にスクリュー状に形成される。中間部突出ネジ42には、進退ロック筒7(後述)の内周面に形成されたスクリュー状の中間部溝ネジ72(後述)に螺合可能である。中間部突出ネジ42は、断面形状が略台形形状に形成され、中間部突出ネジ42に螺合する進退ロック筒7の中間部溝ネジ72は、断面形状が略台形形状に形成される。中間部突出ネジ42及び中間部溝ネジ72は、中間部ネジ機構80(ネジ機構)を構成する。本実施形態においては、中間部ネジ機構80(中間部突出ネジ42、中間部溝ネジ72)は、順ネジ機構(時計回りに回すことで締まるネジ機構)で構成される。
後部延在部分5は、中間延在部分4の後端部から中間延在部分4と同軸上に後方側に延びる。後部延在部分5は、後部筒状部51と、先端側に配置される一対のフランジ52と、後端側に配置されるスクリュー状の後部雄ネジ53と、を有する。
後部筒状部51は、中間筒状部41の径よりも大きな径で、筒状に形成される。一対のフランジ52は、後部筒状部51の先端において、周方向に180°離間して配置され、それぞれ、後部筒状部51の外周面から径方向に突出するように形成される。後部雄ネジ53は、後部筒状部51の後端において、後部筒状部51の外周面にスクリュー状に形成される。後部雄ネジ53は、シリンジ(図示せず)の接続用ネジに螺合することで、シリンジに接続される。後部雄ネジ53及びシリンジ(図示せず)の接続用ネジは、後部ネジ機構81を構成する。
後部ネジ機構81(後部雄ネジ53、シリンジの接続用ネジ(図示せず))は、逆ネジ機構(半時計回りに回すことで締まるネジ機構)で構成される。進退ロック筒7が中間部ネジ機構80(中間部突出ネジ42、中間部溝ネジ72)により順ネジ機構で器具本体部2の外面に取り付けられているため、後部ネジ機構81が逆ネジ機構で構成されることで、進退ロック筒7を回転させて移動させてもシリンジ(図示せず)が回転しないように構成される。これにより、器具本体部2の外面において進退ロック筒7を回転させて軸方向に移動させても、器具本体部2の後端部に接続されるシリンジ(図示せず)において、後部ネジ機構81(後部雄ネジ53、シリンジの接続用ネジ(図示せず))が緩むことを防止できる。
締付リング6は、筒状に形成され、挿入管3の外側に配置される。締付リング6は、挿入管3の軸方向に移動可能に構成される。締付リング6の後端部には、進退ロック筒7(後述)が接続される。締付リング6は、進退ロック筒7(後述)の軸方向の移動により、血管10を挿入先端部31に押し付ける押付位置(図5参照)と、挿入先端部31から退避する退避位置(図4参照)と、に移動可能である。締付リング6は、挿入管3の軸方向に移動することで、挿入先端部31が挿入された血管10を、挿入管3の挿入先端部31の基端側テーパ外面33との間に挟み込んで押し付け可能である。
締付リング6は、図4に示すように、押し付け傾斜筒状部61と、接続傾斜筒状部63と、を有する。押し付け傾斜筒状部61は、器具本体部2の先端側に向かうに従って径が大きくなるように傾斜する。押し付け傾斜筒状部61の内面には、リング側テーパ内面62が形成される。リング側テーパ内面62は、挿入先端部31の先端側に向かうに従って径が大きくなるように形成され、締付リング6の軸方向に対して、傾斜角度β2で傾斜する。リング側テーパ内面62は、挿入先端部31の基端側テーパ外面33に平行に形成される。本実施形態では、リング側テーパ内面62の傾斜角度β2は、基端側テーパ外面33との間に血管10を挟み込んで血管10に面接触させるために、挿入先端部31の基端側テーパ外面33の傾斜角度β1と同じ傾斜角度である(β1=β2)。
本実施形態においては、リング側テーパ内面62の傾斜角度β2は、基端側テーパ外面33の傾斜角度β1と同様に、血管10を基端側テーパ外面33とリング側テーパ内面62とで挟み込んで面接触させるという観点や、血管拡張器具1の長手方向の長さを短く形成するという観点などから設定され、例えば、傾斜角度β2は、1~45°が好ましく、5~25°がより好ましく、7.5~15°が更に好ましい。
ここで、挿入先端部31の基端側テーパ外面33の傾斜角度β1及び締付リング6のリング側テーパ内面62の傾斜角度β2について説明する。
基端側テーパ外面33の傾斜角度β1とリング側テーパ内面62の傾斜角度β2とは、血管10を挟み込んで血管10に面接触させるという観点から、前述したように、同じ傾斜角度で形成される。この場合、傾斜角度β1,β2が小さい程、血管10が挟み込まれる際の接触面積が大きくなり、軸方向の広い範囲において血管10を面同士で挟み込むことができる。そのため、傾斜角度β1,β2は小さいことが好ましい。
その一方で、傾斜角度β1,β2を小さくすると、挿入管3の挿入先端部31の基端側テーパ外面33が軸方向の長さが長くなり、挿入管3自体の長さが長くなり過ぎる。挿入管3の長さが長い場合には、例えば、射出成型で製造することが困難になったり、血管10へ装着したりする操作が困難になる。
これに対して、本実施形態においては、例えば、傾斜角度β1,β2を、好ましくは1~45°で形成し、より好ましくは5~25°で形成し、更に好ましくは7.5~15°で形成した。これにより、挿入管3の挿入先端部31の基端側テーパ外面33と締付リング6のリング側テーパ内面62とで、血管10を広い範囲において面同士で挟み込むことができるため、液体の液密性を担保できると共に血管10の損傷を抑制できる。更に、血管拡張器具1の長手方向の長さを短くすることができるため、射出成型で製造することが容易であり、挿入管3の挿入先端部31を血管10へ装着する操作も容易となる。
接続傾斜筒状部63は、押し付け傾斜筒状部61の後端部から後部側に延び、器具本体部2の後端側に向かうに従って径が大きくなる円錐筒状に形成される。接続傾斜筒状部63の後端側には、進退ロック筒7が接続される。
進退ロック筒7は、図1~図3に示すように、筒状に形成され、締付リング6の接続傾斜筒状部63の後端側に接続される。進退ロック筒7は、中間部ネジ機構80(中間部突出ネジ42、中間部溝ネジ72)により、中間延在部分4の軸方向に回転しながら移動可能に中間延在部分4の外周面に取り付けられる。
進退ロック筒7は、ロック筒状部71と、ロック筒状部71の内周面にスクリュー状に形成される中間部溝ネジ72と、を有する。ロック筒状部71は、中間延在部分4の中間筒状部41の外側に配置される。ロック筒状部71の外周面には、ロック筒状部71の軸方向に延びる複数の凸状部73が形成される。中間部溝ネジ72は、中間延在部分4の外周面に形成された中間部突出ネジ42に螺合される。中間部溝ネジ72及び中間部突出ネジ42は、前述の通り、中間部ネジ機構80を構成する。
進退ロック筒7は、軸方向に移動可能に構成されることで、締付リング6を挿入先端部31側に移動させて、血管10を挿入先端部31に押し付ける押付位置(図5参照)と、締付リング6を挿入先端部31から退避する退避位置(図4参照)とに、締付リング6を中間延在部分4の軸方向に進退させる。進退ロック筒7により締付リング6が退避位置から押付位置に移動されることで、基端側テーパ外面33とリング側テーパ内面62との間に血管10が面接触した状態で挟み込まれて押し付けられる。
中間部ネジ機構80において、中間部突出ネジ42及び中間部溝ネジ72は、断面形状が互いに略台形形状に形成され、互いに螺合して、緩みにくく構成される。また、中間部ネジ機構80(中間部突出ネジ42、中間部溝ネジ72)は、進退ロック筒7を血管側に移動させることで、血管10を押し付ける方向に移動されて、進退ロック筒7を血管側に押し付けた状態で、進退ロック筒7の軸方向への移動をロックできる。なお、中間部ネジ機構80(中間部突出ネジ42、中間部溝ネジ72)において、中間部突出ネジ42及び中間部溝ネジ72の断面形状は、略台形形状に限定されず、緩みにくい締結用のネジであればよく、例えば、略三角形状でもよい。
以上の血管拡張器具1においては、図4に示すように、血管10に挿入先端部31を挿入した状態で、使用者が進退ロック筒7を挿入先端部31に移動するように回転操作することで、進退ロック筒7に接続された締付リング6を、退避位置(図4参照)から押付位置(図5参照)に移動させる。そして、締付リング6を押付位置に移動させることで、図5に示すように、挿入先端部31が挿入された血管10を締付リング6により挿入先端部31に押し付けることができる。これにより、挿入先端部31の基端側テーパ外面33と締付リング6のリング側テーパ内面62との間には、血管10が面接触した状態で挟み込まれる。挿入管3の挿入先端部31の基端側テーパ外面33の傾斜角度β1と締付リング6のリング側テーパ内面62との傾斜角度β2とは、同じ傾斜角度で構成される。そのため、基端側テーパ外面33とリング側テーパ内面62との間に、血管10を面接触した状態で挟み込んで保持できるため、液体の液密性を担保できると共に血管10の損傷を抑制できる。
以上説明した第1実施形態の血管拡張器具1によれば、以下のような効果を奏する。
(1)血管拡張器具1は、血管10の内部に挿入される挿入先端部31を有する挿入管3と、挿入管3の後端部から後方側に延びる中間延在部分4と、を有する器具本体部2と、挿入先端部31が挿入された血管10を挿入管3との間に挟み込んで押し付け可能な筒状の締付リング6と、締付リング6を中間延在部分4の軸方向に進退させる進退ロック筒7と、を備え、挿入先端部31は、先端側テーパ外面32と、後方側に向かうに従って径が小さくなる傾斜角度β1で傾斜する基端側テーパ外面33と、を有し、締付リング6は、挿入先端部31の先端側に向かうに従って径が大きくなる傾斜角度β2で傾斜するリング側テーパ内面62を有し、進退ロック筒7により締付リング6が退避位置から押付位置に移動されることで、基端側テーパ外面33とリング側テーパ内面62との間に血管10が面接触した状態で挟み込まれて押し付けられる。
これにより、進退ロック筒7を軸方向に進退させるだけで、締付リング6で血管10を挿入先端部31の基端側テーパ外面33に容易に押し付けることができるため、血管10を容易に保持できる。よって、血管10を保持する際の操作性を向上できる。また、基端側テーパ外面33とリング側テーパ内面62との間に、血管10を面接触した状態で挟み込んで保持できるため、液体の液密性を担保できると共に血管10の損傷を抑制できる。
(2)基端側テーパ外面33の傾斜角度β1及びリング側テーパ内面62の傾斜角度β2は、1~45°である。これにより、挿入管3の挿入先端部31の基端側テーパ外面33と締付リング6のリング側テーパ内面62とで、血管10を広い範囲において面同士で挟み込むことができるため、液体の液密性を担保できると共に血管10の損傷を抑制できる。更に、血管拡張器具1の長手方向の長さを短くすることができるため、射出成型で製造することが容易であり、血管10へ装着する操作も容易となる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の血管拡張器具1Aは、第1実施形態では器具本体部2(本体部)が一体に構成されるのに対して、器具本体部2A(本体部)を構成する挿入管3Aと本体延在部40とが、製造時に別体で構成された状態から、組立時に接続することで一体に構成される点において、第1実施形態と主に異なる。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略する。例えば、後部延在部分5及び進退ロック筒7の構成は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
図6及び図7に示すように、第2実施形態の血管拡張器具1Aは、器具本体部2A(本体部)と、締付リング6Aと、進退ロック筒7(進退部)と、を備える。器具本体部2Aは、所定方向に延びる筒状に形成され、内部に液体が流通される。
器具本体部2Aは、図7に示すように、挿入管3Aと、本体延在部40と、を有する。挿入管3Aと本体延在部40とは、製造時に、別体で構成される。本体延在部40は、製造時に、中間延在部分4A(延在部分)と後部延在部分5とにより一体で構成される。挿入管3Aと本体延在部40とは、図7に示すように、製造時に別体で構成された状態から、図8に示すように、組立時において、挿入管3Aの基端側が締付リング6Aに挿通された状態で、互いが接続されることで一体に構成される。
より具体的は、挿入管3Aは、製造時において、中間延在部分4を含む本体延在部40と別体に構成される。挿入管3Aと本体延在部40とは、組立時に、挿入管3Aの基端側が締付リング6Aに挿通された状態で、挿入管3Aの送液管34の基端側の端部341が、本体延在部40の接続開口部43に接続されることで一体に構成される。挿入管3Aと本体延在部40とが一体に構成された器具本体部2Aは、図8に示すように、挿入管3A、中間延在部分4A及び後部延在部分5が、先端側から後端側に向けて、この順に配置される。
挿入管3Aは、先端側に形成され血管の内部に挿入される挿入先端部31Aと、挿入先端部31Aの後端部から後部側に延びる送液管34と、を有する。
挿入先端部31Aは、図8に示すように、基端3aから先端3bに向かって延びて形成される。挿入先端部31Aは、先端側テーパ外面32と、基端側テーパ外面33Aと、を有する。
本実施形態においては、挿入先端部31Aの先端は、図9に示すように、挿入先端部31Aを締付リング6Aの押し付け傾斜筒状部61Aの最も基端側に配置した場合に、締付リング6Aの先端から、締付リング6Aの外側に長さL3突出して形成される。挿入先端部31Aにおける締付リング6Aの先端から突出した部分の長さL3は、例えば、2mm以上であることが好ましい。
基端側テーパ外面33Aは、図8に示すように、挿入先端部31Aにおける先端側テーパ外面32よりも基端3a側において挿入先端部31Aの外面に形成され、基端3aに向かうに従って径が小さくなるように傾斜する。基端側テーパ外面33Aは、挿入先端部31Aの軸方向に対して、傾斜角度θ1で傾斜する。本実施形態においては、基端側テーパ外面33の傾斜角度θ1は、後述するように、血管を基端側テーパ外面33Aとリング側テーパ内面62Aとで挟み込んで面接触させて固定するという観点や、血管に与える損傷の大きさの観点などから設定され、例えば、傾斜角度θ1は、1~45°が好ましく、10~22.5°がより好ましい。なお、傾斜角度θ1について、10~22.5°がより好ましいことについては、後述する実施例1において説明する。
送液管34は、挿入先端部31Aの後端部(基端3a)から後方側に延びて形成される。送液管34は、挿入先端部31A側に液体を送液する管状に形成される。送液管34は、締付リング6A(後述)の内側に配置される。
以上の挿入管3Aにおいては、図9に示すように、挿入先端部31Aの先端が締付リング6Aの先端から長さL3突出して構成されることで、血管を挿入管3Aの基端側テーパ外面33Aと締付リング6Aのリング側テーパ内面62Aとで挟み込む場合に、血管を挿入先端部31Aに装着した後に、挿入先端部31Aにおける締付リング6Aの先端から突出した部分において、手やピンセットなどで血管を摘まんで押さえながら、締付リング6Aをスライドさせることができる。これにより、挿入先端部31Aから外れる側への血管の移動を抑制しながら、血管を基端側テーパ外面33Aとリング側テーパ内面62Aとで挟み込むことができる。よって、血管を基端側テーパ外面33Aとリング側テーパ内面62Aとで挟み込む際の操作性を向上できる。
中間延在部分4Aの先端には、接続開口部43が形成される。接続開口部43には、挿入管3Aの送液管34の基端側の端部341を接続可能である。接続開口部43は、中間延在部分4の先端において、送液管34の外径とほぼ同じ内径で、先端側に向けて開口する。
締付リング6Aは、筒状に形成され、挿入管3Aの外側に配置される。締付リング6Aは、挿入管3Aの軸方向に移動可能に構成される。締付リング6Aの後端部には、進退ロック筒7が接続される。締付リング6Aは、進退ロック筒7の軸方向の移動により、血管を挿入先端部31Aに押し付ける押付位置(図9参照)と、挿入先端部31Aから退避する退避位置(図8参照)と、に移動可能である。締付リング6Aは、挿入管3Aの軸方向に移動することで、挿入先端部31Aが挿入された血管を、挿入管3Aの挿入先端部31Aの基端側テーパ外面33Aとの間に挟み込んで押し付け可能である。
締付リング6Aは、図8に示すように、押し付け傾斜筒状部61Aと、接続傾斜筒状部63Aと、を有する。押し付け傾斜筒状部61Aは、器具本体部2Aの先端側に向かうに従って径が大きくなるように傾斜する。押し付け傾斜筒状部61Aの内面には、リング側テーパ内面62Aが形成される。リング側テーパ内面62Aは、挿入先端部31Aの先端側に向かうに従って径が大きくなるように形成され、締付リング6Aの軸方向に対して、傾斜角度θ2で傾斜する。リング側テーパ内面62Aは、挿入先端部31Aの基端側テーパ外面33Aに平行に形成される。
本実施形態では、リング側テーパ内面62Aの傾斜角度θ2は、基端側テーパ外面33Aとの間に血管を挟み込んで血管に面接触させるために、挿入先端部31Aの基端側テーパ外面33Aの傾斜角度θ1と同じ傾斜角度に形成される(θ1=θ2)。
リング側テーパ内面62Aの傾斜角度θ2は、基端側テーパ外面33Aの傾斜角度θ1と同様に、血管を基端側テーパ外面33Aとリング側テーパ内面62Aとで挟み込んで面接触させて固定するという観点や、血管に与える損傷の大きさの観点などから設定され、例えば、傾斜角度θ2は、傾斜角度θ1と同様に、1~45°が好ましく、10~22.5°がより好ましい。なお、傾斜角度θ2について、10~22.5°がより好ましいことについては、後述する実施例1において説明する。
本実施形態では、リング側テーパ内面62Aの基端側の最小径は、基端側テーパ外面33Aの最小径と略同一の径であり、かつ、基端側テーパ外面33Aの基端部に接続される送液管34と略同一の径である。リング側テーパ内面62Aの基端側の最小径を基端側テーパ外面33Aの最小径と略同一の径に構成ができるため、リング側テーパ内面62Aと基端側テーパ外面33Aとの最小径の基端側の部分から先端側に向けて、より広い面積の範囲で血管を挟み込むことができる。これにより、リング側テーパ内面62Aと基端側テーパ外面33Aとの間に挟み込まれる血管の固定面積を広く確保することができる。
挿入先端部31Aの基端側テーパ外面33A及び締付リング6Aのリング側テーパ内面62Aにおける血管を固定する固定部面積は、例えば、11mm~24mmであることが好ましい。なお、血管を固定する固定部面積について、11mm~24mmが好ましいことについては、後述する実施例2において説明する。
接続傾斜筒状部63Aは、押し付け傾斜筒状部61の後端部から後部側に延び、器具本体部2Aの後端側に向かうに従って径が大きくなる円錐筒状に形成される。接続傾斜筒状部63Aの後端側には、進退ロック筒7が接続される。
締付リング6Aの内面には、直線状内面64(延在内面)が形成される。直線状内面64は、リング側テーパ内面62Aの基端から、リング側テーパ内面62Aの最小径と略同一の径で軸方向に延びる。直線状内面64の軸方向の長さL4は、0.5mm~2mm程度が好ましく、本実施形態においては、例えば、1mm程度である。なお、直線状内面64の軸方向の長さは限定されない。接続傾斜筒状部63Aの直線状内面64は、送液管34の周面に沿って形成され、軸方向に直線状に延びるため、締付リング6Aの移動をガイドし、締付リング6Aのぐらつきを低減できる。
次に、第2実施形態の血管拡張器具1Aの組み立て方法について説明する。
第2実施形態においては、血管拡張器具1Aを組み立てる前において、血管拡張器具1Aは、図10の上段図に示すように、製造時において、別体の4部材(挿入管3A、締付リング6A、進退ロック筒7及び本体延在部40)から構成される。
まず、図10の上段図に示す状態から、図10の中段図に示すように、締付リング6Aの先端側から、挿入管3Aの送液管34の基端側を挿入する。また、進退ロック筒7の後端側から、本体延在部40の先端側を回転させながら挿入することで、進退ロック筒7の内部に本体延在部40を配置する。
次に、図10の中段図に示すように、送液管34を締付リング6Aに挿入した状態で、図10の下段図に示すように、送液管34の基端側の端部341を中間延在部分4Aの接続開口部43に接続する。送液管34の基端側の端部341と中間延在部分4Aの接続開口部43とは、例えば、溶剤を使用した接着剤を使用して接続される。
以上の第2実施形態の血管拡張器具1Aにおいては、挿入管3Aと本体延在部40とは、製造時に別体で構成された状態から、組立時に挿入管3Aの基端側が締付リング6Aに挿通された状態で、挿入管3Aの送液管34の基端側の端部341が本体延在部40の接続開口部43に接続される。これにより、挿入管3Aと本体延在部40は、組立後において、一体に構成される。
ここで、例えば、第1実施形態の血管拡張器具1においては、図2に示すように、製造時において、器具本体部2は、挿入管3、中間延在部分4及び後部延在部分5が一体で形成されることで構成されている。そして、器具本体部2を締付リング6に取り付ける組立時において、締付リング6に器具本体部2の挿入管3を挿入することで、器具本体部2を締付リング6に取り付けていた。この場合に、基端側テーパ外面33Aとリング側テーパ内面62Aとで血管を挟み込む面積を確保するため、挿入管3の挿入先端部31の最大外径は、締付リング6の最小内径よりも大きく形成されている。
そのため、組立時において、締付リング6の最小内径の部分に挿入管3の挿入先端部31を挿通させる場合には、挿入管3の挿入先端部31が締付リング6の最小内径の部分を乗り越えるように、締付リング6を挿入管3の挿入先端部31に挿入する必要があり、締付リング6の最小内径は、挿入先端部31を締付リング6の最小内径の部分に挿通できるように、ある程度大きい径に形成していた。しかし、締付リング6の最小内径を大きくすると、基端側テーパ外面33とリング側テーパ内面62とが対向する部分の面積が小さくなり、血管を固定する固定面積が小さくなってしまう。
これに対して、本発明の第2実施形態においては、挿入管3Aと、中間延在部分4を含んで構成される本体延在部40とは、製造時に別体で構成された状態から、組立時において、挿入管3Aの基端側を締付リング6Aに挿通した状態で、互いを接続することで一体に構成される。
そのため、第2実施形態においては、組立時に挿入先端部31Aを締付リング6Aの最小内径の部分に挿通させなくてよいため、締付リング6Aのリング側テーパ内面62Aの最小径を、基端側テーパ外面33Aの最小径と略同一の径に形成することができる。これにより、基端側テーパ外面33Aとリング側テーパ内面62Aとで血管を挟み込んだ際において、リング側テーパ内面62Aと基端側テーパ外面33Aとの最小径の基端側の部分から先端側に向けて、より広い面積の範囲で血管を挟み込むことができる。よって、リング側テーパ内面62Aと基端側テーパ外面33Aとの間に挟み込まれる血管の固定面積をより広く確保することができる。
また、第2実施形態においては、組立時において、挿入管3の挿入先端部31が締付リング6の最小内径の部分を乗り越えるように、締付リング6を挿入管3の挿入先端部31に挿入させなくてよいため、リング側テーパ内面62Aの基端から後方側に延びる直線状内面64を設けることができる。これにより、挿入管3の送液管34を締付リング6Aの直線状内面64に沿って移動させることができるため、締付リング6Aのぐらつきを低減できる。よって、血管を固定する際の操作性を向上できる。
以上説明した第2実施形態の血管拡張器具1Aによれば、第1実施形態の効果(1)及び(2)の他に、以下のような効果を奏する。
(3)挿入管3Aと、中間延在部分4を含んで構成される本体延在部40とは、製造時に別体で構成された状態から、組立時に挿入管3Aの基端側を締付リング6Aに挿通した状態で互いを接続することで一体に構成される。
これにより、組立時に挿入先端部31Aの最大外径の部分を締付リング6Aの最小内径の部分に挿通させなくてよいため、リング側テーパ内面62Aと基端側テーパ外面33Aとの間に挟み込まれる血管の固定面積を広く確保した状態で、血管を面接触させて固定できる。よって、血管を面接触した状態で挟み込んで保持できるため、液体の液密性を担保できると共に血管の損傷を抑制できる。
(4)リング側テーパ内面62Aの最小径は、基端側テーパ外面33Aの最小径と略同一の径である。これにより、リング側テーパ内面62Aと基端側テーパ外面33Aとの最小径の基端側の部分から先端側に向けて、より広い面積の範囲で血管を挟み込むことができる。よって、リング側テーパ内面62Aと基端側テーパ外面33Aとの間に挟み込まれる血管の固定面積をより広く確保することができる。
(5)締付リング6Aは、締付リング6Aの内面に形成される直線状内面64を有する。直線状内面64は、リング側テーパ内面62Aの基端から、リング側テーパ内面62Aの最小径と略同一の径で軸方向の後方側に延びる。これにより、挿入管3の送液管34を締付リング6Aの直線状内面64に沿って移動させることができるため、締付リング6Aのぐらつきを低減できる。よって、血管を固定する際の操作性を向上できる。
以上、本発明の血管拡張器具1、1Aの好ましい各実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では、締付リング6と進退ロック筒7とを別部材で構成したが、これに限られず、締付リング6と進退ロック筒7とを一体で構成してもよい。
また、第1実施形態では、基端側テーパ外面33の傾斜角度β1と、締付リング6のリング側テーパ内面62の傾斜角度β2と、を同じ角度(β1=β2)としたが、これに限らない。即ち、基端側テーパ外面33とリング側テーパ内面62との間に血管10を面接触した状態で挟み込める範囲で、基端側テーパ外面33の傾斜角度β1と、締付リング6のリング側テーパ内面62の傾斜角度β2とは、若干(例えば、1~5°)異なっていてもよい。例えば、リング側テーパ内面62の傾斜角度β2は、基端側テーパ外面33の傾斜角度β1よりも若干小さい角度であってもよく、また、リング側テーパ内面62の傾斜角度β2は、基端側テーパ外面33の傾斜角度β1よりも若干大きい角度であってもよい。このように、基端側テーパ外面33の傾斜角度β1と、締付リング6のリング側テーパ内面62の傾斜角度β2と、を略同じ角度(差異が1~5°)とした場合には、同じ角度である場合と同等の効果を奏することができ血管を好適に保持できる。
また、同様に、第2実施形態においても、基端側テーパ外面33Aの傾斜角度θ1と、締付リング6Aのリング側テーパ内面62Aの傾斜角度θ2と、を同じ角度(θ1=θ2)としたが、これに限らず、若干(例えば、1~5°)異なっていてもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の第1実施例及び第2実施例では、第2実施形態の血管拡張器具1Aを用いて、血管固定部の傾斜角度及び固定面積を評価する。なお、本評価試験においては、第2実施形態の血管拡張器具1Aにおいて、挿入先端部31Aの基端側テーパ外面33Aの傾斜角度θ1と、締付リング6Aのリング側テーパ内面62Aの傾斜角度θ2とを同じ傾斜角度とした。
(評価方法)
第1実施例では、挿入先端部31Aの基端側テーパ外面33A及び締付リング6Aのリング側テーパ内面62Aの傾斜角度を変化させた場合の各傾斜角度に対する血管圧縮率を算出し、血管固定部の傾斜角度の好ましい値として、血管へ損傷を与えにくい血管圧縮率となる値を求めた。
また、第2実施例では、挿入先端部31Aの基端側テーパ外面33Aと締付リング6Aのリング側テーパ内面62Aとにより血管を固定する固定部面積を変化させた場合の各固定部面積に対する血管圧縮率を算出し、血管固定部の固定部面積の好ましい値として、血管へ損傷を与えにくい血管圧縮率となる値を求めた。
具体的には、ウシ動脈(内径:φ2.8mm、外径:φ4.0mm、厚み:0.6mm)を用いて、挿入先端部31Aの基端側テーパ外面33Aと締付リング6Aのリング側テーパ内面62Aとの血管固定部の傾斜角度、又は、挿入先端部31Aの基端側テーパ外面33Aと締付リング6Aのリング側テーパ内面62Aとの血管固定部の固定部面積を変化させたものを形成し、ウシ動脈を挟み込んだ状態で、30kPaの環境下で5秒の液密試験を実施して、液漏れがない検体についてCT撮影を行った。CT撮影の画像について、血管固定部の6箇所において血管の厚みを測定(測定点1~6)し、6箇所の血管の厚みの平均値を求めた。
血管固定部の血管の6箇所の測定点1~6の血管の厚みの平均値から、血管圧縮率を算出し、第1実施例において、血管固定部の傾斜角度と血管圧縮率との関係により評価を行い、第2実施例において、血管固定部の固定部面積と血管圧縮率との関係により評価を行った。
血管圧縮率は、以下の計算式により求めた。
血管圧縮率(%)={(測定点1~6の平均値)/血管の厚み(0.6mm)}×100
(評価結果)
(1)第1実施例(血管固定部の傾斜角度と血管の圧縮率との関係)について、図11Aのグラフが得られた。図11Aのグラフを参照すると、血管固定部の傾斜角度が25°以上の場合には、血管圧縮率が75%程度を超えるため、血管へ損傷を与える可能性が高くなる。血管固定部の傾斜角度が10°~22.5°の場合には、血管圧縮率が30%~75%程度の範囲であり、血管の損傷防止と、液密状態の確保との両立が可能である。よって、第2実施形態の血管拡張器具1Aを用いた場合に、血管固定部の傾斜角度は、例えば、10°~22.5°であることが好ましい。
(2)第2実施例(血管固定部の固定部面積と血管圧縮率との関係)について、図11Bのグラフが得られた。図11Bのグラフを参照すると、血管固定部の固定部面積が10mm以下の場合には、血管圧縮率が75%程度を超えるため、血管へ損傷を与える可能性が高くなる。血管固定部の固定部面積が11mm~24mmの場合には、血管圧縮率が60%程度以上の範囲であり、血管の損傷防止と、液密状態の確保との両立が可能である。よって、第2実施形態の血管拡張器具1Aを用いた場合に、血管固定部の固定部面積は、例えば、11mm~24mmであることが好ましい。
1、1A 血管拡張器具
2、2A 器具本体部(本体部)
3、3A 挿入管
3a 基端
3b 先端
4、4A 中間延在部分(延在部分)
6、6A 締付リング
7 進退ロック筒(進退部)
10 血管
31、31A 挿入先端部
32 先端側テーパ外面
33、33A 基端側テーパ外面
40 本体延在部
62、62A リング側テーパ内面
64 直線状内面(延在内面)
80 中間部側ネジ機構(ネジ機構)

Claims (7)

  1. 血管の内部に挿入される挿入先端部を有する挿入管と、前記挿入管の後端部から前記挿入管と同軸上に後方側に延びる延在部分と、を有する本体部と、
    前記挿入管の外側に配置されて筒状に形成され、前記挿入管の軸方向に移動することで、前記挿入先端部が挿入された血管を前記挿入管との間に挟み込んで押し付け可能な締付リングと、
    ネジ機構により前記延在部分の軸方向に移動可能に前記延在部分に取り付けられ、前記挿入先端部に血管を押し付ける押付位置と前記挿入先端部から退避する退避位置とに前記締付リングを前記延在部分の軸方向に進退させる進退部と、を備え、
    前記挿入先端部は、該挿入先端部の先端側において該挿入先端部の外面に形成され先端に向かうに従って径が小さくなるように傾斜する先端側テーパ外面と、該挿入先端部の基端側において該挿入先端部の外面に形成され基端に向かうに従って径が小さくなる傾斜角度で該挿入先端部の軸方向に対して傾斜する基端側テーパ外面と、を有し、
    前記締付リングは、該締付リングの内面に形成され前記挿入先端部の先端側に向かうに従って径が大きくなる傾斜角度で該締付リングの軸方向に対して傾斜するリング側テーパ内面を有し、
    前記進退部により前記締付リングが前記退避位置から前記押付位置に移動されることで、前記基端側テーパ外面と前記リング側テーパ内面との間に血管が面接触した状態で挟み込まれて押し付けられる血管拡張器具。
  2. 前記リング側テーパ内面の傾斜角度は、前記基端側テーパ外面の傾斜角度以上の傾斜角度である請求項1に記載の血管拡張器具。
  3. 前記基端側テーパ外面の傾斜角度及び前記リング側テーパ内面の傾斜角度は、略同じ傾斜角度である請求項1又は2に記載の血管拡張器具。
  4. 前記基端側テーパ外面の傾斜角度及び前記リング側テーパ内面の傾斜角度は、1~45°である請求項1~3のいずれかに記載の血管拡張器具。
  5. 前記挿入管と前記延在部分とは、別体で構成された状態から、前記挿入管の基端側が前記締付リングに挿通された状態で互いが接続されることで一体に構成される請求項1~4のいずれかに記載の血管拡張器具。
  6. 前記リング側テーパ内面の最小径は、前記基端側テーパ外面の最小径と略同一の径である請求項5に記載の血管拡張器具。
  7. 前記締付リングは、該締付リングの内面に形成され軸方向に延びる延在内面を有し、
    前記延在内面は、前記リング側テーパ内面の基端から、前記リング側テーパ内面の最小径と略同一の径で軸方向の後方側に延びる請求項1~6のいずれかに記載の血管拡張器具。
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