以下、本開示に係る加湿装置の実施の形態及び変形例について図面を参照して説明する。本開示は、以下の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、本開示は、以下の実施の形態及び変形例に示す構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含むものである。また、図面に示す加湿装置は、構成の一例を示すものであり、図面に示された加湿装置によって本開示の構成が限定されるものではない。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「前」、「後」、「右」、「左」など)を適宜用いるが、これらは説明のためのものであって、本開示を限定するものではない。
また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。なお、各図面では、各構成部材の相対的な寸法関係又は形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、各図において、第2方向Xは、通風方向を示し、矢印により風上から風下方向を示すこととする。第1方向Yは、加湿体の板厚方向を示し、矢印により前から後ろ方向を示すこととする。第3方向Zは、加湿体の上下方向を示し、矢印により下から上方向を示すこととする。第2方向Xを通風方向、第1方向Yを加湿体の板厚方向、第3方向Zを上下方向とそれぞれ称する場合がある。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る加湿装置の構造を説明する模式図である。加湿装置100は、加湿体ユニット10と、加湿体ユニット10に空気を送る送風機12と、送風機12と加湿体ユニット10との間に配置される熱交換器13を備える。図1に示された、加湿体ユニット10、送風機12、及び熱交換器13の配置は、模式的に示されており、位置関係は限定されない。加湿体ユニット10、送風機12、及び熱交換器13は、加湿装置100の外郭を構成する筐体の内部に配置される。
加湿体ユニット10は、加湿体ユニット筐体30を備え、加湿体ユニット筐体30が複数の加湿体1を保持している。加湿体ユニット10は、加湿空間を加湿するための水を複数の加湿体1に供給するノズルを有する給水部4を上部に備える。以下、加湿空間を加湿するための水を加湿水と称する。加湿体ユニット10の下方には、ドレンパン7が配置される。ドレンパン7は、加湿体ユニット10からの余剰水を受け止めるように配置されている。ドレンパン7は、受け止めた余剰水を排出する排水部70を備える。図1に例示する排水部70は、図示しないチューブが接続される管である。なお、排水部70は、管につながるチューブ及びポンプを有する排水機構を備えていてもよい。ドレンパン7から排出された余剰水は、加湿に使用されるか、又は加湿装置100の外部に排出される。
送風機12は、加湿体ユニット10の外部から空気を取り込み、加湿体ユニット10に取り込んだ空気を送る。送風機12と加湿体ユニット10の間の風路には熱交換器13が配置される。図1に示された白抜き矢印は、空気の流れを示している。送風機12により生じた空気の流れは、熱交換器13を通り、加湿体ユニット10の複数の加湿体1の間を通過し、加湿装置100の外部へと吹き出される。加湿装置100は、外部から取り込んだ空気を複数の加湿体1の間に通すことで、空気と加湿体1に含まれた水とを接触させる。接触した空気と加湿体1に含まれた水とが熱交換することで、加湿体1から水分が蒸発し、空気が加湿される。
熱交換器13は、例えば直膨コイル、又はヒーターである。ただし、熱交換器13の形態は限定されるものではなく、通過する空気を加熱するものであれば、他の形態であってもよい。
加湿装置100は、熱交換器13及び送風機12の運転、並びに加湿体ユニット10への水の供給を制御する制御部60を備える。制御部60は、例えばマイクロコンピュータを用いて構成され、熱交換器13及び送風機12の運転、並びに加湿体ユニット10への水の供給等を制御するための制御プログラムを読み込んで実行することにより制御を行う。
図2は、実施の形態1に係る加湿装置の加湿体ユニットの斜視図である。図3は、実施の形態1に係る加湿装置の加湿体ユニットの断面構造の説明図である。図3は、加湿体ユニット10の内部に並設された複数の加湿体1の並列方向に垂直な、給水部4を含む断面を示している。また、図3に示された白抜きの矢印C及び白抜きの矢印Dは、空気の流れを示している。図2に示すように、加湿体ユニット10は、第1面30a、第2面30b、及び底面30cに開口を有する加湿体ユニット筐体30を備える。加湿体ユニット10の第1面30aに設けられた開口15及び第2面30bに設けられた開口16からは、並列した複数の加湿体1が露出している。また、加湿体ユニット10の底面30cの開口17から、複数の加湿体1が露出している。
図2に示すように、加湿体ユニット筐体30は、第1筐体31と第2筐体32とを組み合わせて構成される。空気の流れ方向すなわちX方向において、第1筐体31は、第2筐体32よりも風上側に設けられている。第1面30aの開口15は、第1筐体31に形成されている。第2面30bの開口16は、第2筐体32に形成されている。また、第1筐体31及び第2筐体32の底面30cにはそれぞれ切り欠き33が形成されており、第1筐体31と第2筐体32とを組み合わせることにより底面30cの開口17が形成される。並列した複数の加湿体1は、第1筐体31及び第2筐体32に保持される。第1筐体31及び第2筐体32の下部に設けられた切り欠き33は、ドレンパン7(図1参照)への余剰水の排水経路の一部を構成しており、切り欠き33を介してドレンパン7(図1参照)に余剰水が流れる。
図3に示すように、加湿体ユニット10は、加湿体ユニット筐体上部34に給水部4と、貯水部5とを備える。給水部4は、加湿体ユニット10の外部から加湿水が導入され、加湿体ユニット筐体上部34の内部に供給する。貯水部5は、加湿体ユニット筐体上部34の内部に形成されている給水部4から送られる加湿水を貯留する空間である。給水部4は、加湿体ユニット筐体30の第1面30aに設けられており、内部の貯水部5と連通している。
貯水部5の下方には、板状の拡散材6が配置されている。拡散材6は、板面が第3方向Z、すなわち加湿体1の上下方向に向くようにして配置されている。言い換えると、拡散材6は、板面がX-Y平面に沿い、板厚方向がZ方向に沿うようにして、配置されている。拡散材6は、複数の加湿体1の上端部1bに跨がるようにして上端部1bに接触している。拡散材6は、給水部4から給水され、貯水部5に貯留されていた水を板面で受ける。拡散材6は、貯水部5からの加湿水を吸収し、毛細管力により拡散材6の内部において板厚方向及び板面方向に加湿水を拡散させる。加湿水は、拡散材6内に拡散することにより、拡散材6の下方に位置し拡散材6の長手方向に並べられた複数の加湿体1のそれぞれに供給される。
拡散材6の下方には複数の加湿体1が配置されている。図2に示すように、複数の加湿体1のそれぞれは、薄い板状であり、第1方向Yに互いに間隔を空けて配置されている。また、複数の加湿体1のそれぞれは、第2方向X及び第1方向Yと交差する第3方向Zに上端部及び下端部が位置するように配置されている。図3に示すように、加湿体1には、上端部1bの中央部に凹部1aが設けられている。拡散材6は、凹部1aに嵌っている。加湿体1は、加湿体ユニット筐体30に保持されている。加湿体1の第3方向Zの寸法Lは、加湿体ユニット筐体30の開口15及び開口16の上下方向寸法hよりも大きい。つまり、加湿体1の上端部1bと下端部1cとは、第2方向Xに沿って、加湿体ユニット筐体30により挟まれている。したがって、加湿体1は、開口15及び開口16から脱落しないように加湿体ユニット筐体30に保持される。
次に、図1及び図3を参照しながら、実施の形態1に係る加湿装置100の動作について説明する。実施の形態1に係る加湿装置100は、加湿運転と乾燥運転を選択的に行うことができる。加湿運転において、給水部4から供給された図3に矢印Aで示す水は、貯水部5に貯留され、貯水部5から加湿水は拡散材6に滴下される。加湿水は、拡散材6が有する傾斜と毛細管力と加湿水の重力とを利用して拡散材6の内部で拡散材6の板厚方向と板厚方向に交差する拡散材6の板面方向とに拡散される。拡散された加湿水は、拡散材6の下面から重力の作用により、図3に矢印Bで示すように、拡散材6に固定されている複数の加湿体1との接触部分から加湿体1内部へと供給される。加湿体1に供給された加湿水は、毛細管力により加湿体1の板面に沿った方向に拡散する。この状態で図1に示す送風機12が動作すると、送風機12から送られる空気は、複数の加湿体1が並ぶ第1方向Yと交差する第2方向Xに流れる。送風機12から第2方向Xに流れる白抜きの矢印Cで示す空気は、複数の加湿体1の間を通過する。この通過時に空気と加湿水とが接触し、気液接触により加湿水が蒸散し、空気が加湿される。加湿された空気は、白抜きの矢印Dで示すように加湿体ユニット10の風下側へ流れる。なお、送風機12の位置は、図1に示されるように風上側に設置して空気を押し出す構造であっても、風下側に設置し空気を吸い込む構造であってもよい。
加湿装置100は、所定時間の加湿運転を行った後に、給水部4からの加湿水の供給が停止される。送風機12はそのまま一定時間の間、運転を継続させ、送風機12からの風を加湿体1に送風し、複数の加湿体1を乾燥させる乾燥運転を行う。この乾燥運転によって加湿体1が乾燥し、加湿体1における細菌及びカビ等の微生物の生長を抑制する。細菌やカビ等の微生物が生長すると加湿体1が不衛生となり、加湿運転を行ったときに、微生物及びカビの胞子等が加湿された空気中に混入される場合があり好ましくない。
加湿装置100は、乾燥運転においては、送風機12からの空気をそのまま加湿体ユニット10へ送ってもよいし、図1に示される直膨コイル等の熱交換器13により加熱して温かい空気を送ってもよい。なお、熱交換器13は、ヒーター等の加熱装置であってもよい。熱交換器13を用いることにより加湿体ユニット10に温かい空気を送ることができるため、加湿体ユニット10の乾燥時間を短縮することができる。ただし、空気の加熱にエネルギーが必要であるため、加湿装置100が目標とする仕様によって、熱交換器13の具体的態様及び熱交換器13の有無を適宜選択することができる。
直膨コイル等の熱交換器13は、乾燥運転のみならず、加湿運転時も使用することができる。熱交換器13により加熱した温かい空気を複数の加湿体1に送ることにより、加湿体1での加湿水の蒸散量を増加させ、単位時間当たりの加湿量を増加することができる。加湿運転も乾燥運転と同様に、空気の加熱にエネルギーが必要であるため、加湿装置100の目標とする仕様によって、熱交換器13の具体的態様及び熱交換器13の有無を適宜選択することができる。
図4及び図5を参照しながら、実施の形態1に係る加湿装置100が備える複数の加湿体1について説明する。図4は、実施の形態1に係る加湿体の正面図である。図4に示された白抜きの矢印C及び白抜きの矢印Dは、空気の流れを示している。図5は、図4に示すE部分の拡大図である。以下の説明において、複数の加湿体1を特に区別する必要がない場合には、単に「加湿体1」と適宜称する。また、「加湿体1」と称した場合には、単数又は複数の両方を含むものとする。
加湿体1は、薄い板状であり、一定の厚みを持つ平板状が好ましい。実用的には0.3~2[mm]程度の厚みが適当である。以下の説明において、図4に示す、第2方向X、第2方向Xの逆向き方向、第3方向Z、及び第3方向Zの逆向き方向に延びる加湿体1の面、すなわちX-Z平面を、加湿体1の板面と称する。加湿装置100の運転時に加湿体1の板面上を通過する空気が流れる方向は、図4では白抜きの矢印C及び白抜きの矢印Dで示される。なお、以下、板状の加湿体1について記載するが、加湿体1の形状は特に限定されるものではない。加湿装置100の大きさに合わせて、加湿体1の形状を適宜調整すればよい。例えば、平板形状、四角柱形状、又は円柱形状としてもよい。また、内部に空洞を有する円型筒状形状、四角型筒形状、又は三角型筒形状でもよい。
加湿体1は、織布、不織布、連続気孔を有する樹脂成形体が好ましい。ただし、加湿体1の材料には、空隙を備えた三次元網目構造を有するものであれば、織布、不織布、連続気孔を有する樹脂成形体、多孔質のセラミック体、及び多孔質の金属体等の材質を採用してもよい。加湿体1の材料に上記に挙げた何れの材質を用いる場合でも、加湿体1の表面に親水性の加工を施すことにより、加湿体1の全体に加湿水が広がり易くなる。加湿体1の親水化処理の方法の種類は限定されることはない。例えば、親水化樹脂でコーティングすることによる親水化処理、又はコロナ放電や大気圧プラズマによる親水化処理を加湿体1に実施してもよい。
図4に示すように、加湿体1は、上端部1bと下端部1cの間に、複数のスリット9が設けられる。各スリット9は、加湿体1の第1方向Yに貫通している。言い換えると、スリット9は、加湿体1の板厚方向に貫通した開口部である。複数のスリット9は、各加湿体1の第2方向X及び第3方向Zに並べて配置されている。以下の説明において、加湿体1の板面の第2方向Xをスリット9の列方向と称し、第3方向Zをスリット9の段方向と称することがある。なお、図4では、加湿体1の板面の全体にスリット9が設けられているが、後述するように、加湿体1の一部にのみスリット9を設けてもよい。なお、図4及び図5では、スリット9はドット柄で示されている。
複数のスリット9はそれぞれ、第1開口部9-1及び第2開口部9-2から形成される。以下の説明において、複数のスリット9を特に区別する必要がない場合には、単に「スリット9」と適宜称する。また、「スリット9」と称した場合には、単数又は複数の両方を含むものとする。また、複数の第1開口部9-1を特に区別する必要がない場合には、単に「第1開口部9-1」と適宜称する。また、「第1開口部9-1」と称した場合には、単数又は複数の両方を含むものとする。さらに、複数の第2開口部9-2を特に区別する必要がない場合には、単に「第2開口部9-2」と適宜称する。また、「第2開口部9-2」と称した場合には、単数又は複数の両方を含むものとする。
図5では、2列2段に設けられたスリット9が示されている。第3方向Zにおいて、スリット9の第1開口部9-1及び第2開口部9-2は、上下に並べて設けられる。第1開口部9-1は、第2開口部9-2の上方に位置し、第1開口部9-1と第2開口部9-2との間には間隔が空いている。スリット9の第1開口部9-1と第2開口部9-2とは、図5に示すように、スリット9が風上側に頂点を有する略V字形状を形成するように配置される。すなわち、第1開口部9-1は風下側に向かって上方に傾斜し、第2開口部9-2は風下側に向かって下方に傾斜する。第1開口部9-1と第2開口部9-2との間の距離は、風上側から風下側に向かって徐々に広くなる。
第1開口部9-1は、上方の第1上端面9-1aと、下方の第1下端面9-1bと、風上側の第1風上側端面9-1cと、風下側の第1風下側端面9-1dとから形成された、加湿体1を板厚方向に貫通する開口部である。第1上端面9-1a、第1下端面9-1b、第1風上側端面9-1c、及び第1風下側端面9-1dは、加湿体1の板厚方向に延びる面である。第1開口部9-1は、通風方向、言い換えると第2方向Xにおいて、最も風上側に位置する第1風上側端点9-1Aと、最も風下側に位置する第1風下側端点9-1Bとを有する。第3方向Zにおいて、第1風上側端点9-1Aは、第1風下側端点9-1Bよりも下方に位置する。図5に示すように、第1開口部9-1は、正面視すると、平行四辺形の形状を有する。この平行四辺形の形状において、第1風上側端点9-1Aは下底の頂点の1つに相当し、第1風下側端点9-1Bは上底の1つの頂点に相当する。第1風上側端点9-1Aと第1風下側端点9-1Bとを結ぶ仮想線は平行四辺形の対角線となる。なお、第1開口部9-1は、正面視したときの形状が平行四辺形に限定されるものではない。第1開口部9-1の形状は、加湿体1の製造方法に合わせて適宜調整すればよく、形状は限定されない。例えば、第1開口部9-1を正面視したときの形状を、通風方向に対して斜め上方向に伸びた長方形型、楕円型、又は菱形の形状としてもよい。
第2開口部9-2は、上方の第2上端面9-2aと、下方の第2下端面9-2bと、風上側の第2風上側端面9-2cと、風下側の第2風下側端面9-2dとから形成された、加湿体1を板厚方向に貫通する開口部である。第2上端面9-2a、第2下端面9-2b、第2風上側端面9-2c、及び第2風下側端面9-2dは、加湿体1の板厚方向に延びる面である。第2開口部9-2は、通風方向、言い換えると第2方向Xにおいて、最も風上側に位置する第2風上側端点9-2Aと、最も風下側に位置する第2風下側端点9-2Bとを有する。第3方向Zにおいて、第2風上側端点9-2Aは、第2風下側端点9-2Bよりも上方に位置する。図5に示すように、第2開口部9-2は、正面視すると、平行四辺形の形状を有する。この平行四辺形の形状において、第2風上側端点9-2Aは上底の頂点の1つに相当し、第2風下側端点9-2Bは下底の1つの頂点に相当する。第2風上側端点9-2Aと第2風下側端点9-2Bとを結ぶ仮想線は平行四辺形の対角線となる。なお、第2開口部9-2は、正面視したときの形状が平行四辺形に限定されるものではない。第2開口部9-2の形状は、加湿体1の製造方法に合わせて適宜調整すればよく、形状は限定されない。例えば、第2開口部9-2を正面視したときの形状を、通風方向に対して斜め下方向に伸びた長方形型、楕円型、又は菱形の形状としてもよい。
加湿体1の板面を通過する空気は、第1開口部9-1に到達した際、板厚方向に形成された第1風下側端面9-1dに当たることで第1開口部9-1の内部に侵入する。このため、板厚方向、つまり第1方向Y及び第1方向Yの逆向き方向に空気の流れが形成される。第1方向Yの空気の流れとは、図5の紙面手前側から紙面奥側に向かって、第1開口部9-1の内部に流入する空気の流れである。第1方向Yの逆向き方向の空気の流れとは、図5の紙面奥側から紙面手前側に向かって、第1開口部9-1の内部に流入する空気の流れである。第1開口部9-1の内部では、第1方向Yの空気の流れと第1方向Yの逆向き方向の空気の流れとが干渉することにより、旋回流が発生し、通風方向とは逆向きの空気の流れが発生する。また、第1開口部9-1の最も風上側に位置する第1風上側端点9-1Aから流入した空気は、第1下端面9-1bに沿って流れ、第1風下側端面9-1dに衝突する。第1風下側端面9-1dに衝突した空気は、第1風下側端面9-1dに沿って、板厚方向だけでなく第3方向Zに流れる。つまり、第1開口部9-1では、通風方向とは異なる方向に向かう空気の流れが形成される。したがって、第1開口部9-1では、通風方向以外に流れる空気の流れが形成されるため、空気の流れを乱流化できる。このため、加湿体1への熱伝達量が増加し、加湿体1からの水分の蒸発量が増加する。
加湿体1の板面を通過する空気は、第2開口部9-2に到達した際、板厚方向に形成された第2風下側端面9-2dに当たることで第2開口部9-2の内部に侵入する。このため、板厚方向、つまり第1方向Y及び第1方向Yの逆向き方向に空気の流れが形成される。第1方向Yの空気の流れとは、図5の紙面手前側から紙面奥側に向かって、第2開口部9-2の内部に流入する空気の流れである。第1方向Yの逆向き方向の空気の流れとは、図5の紙面奥側から紙面手前側に向かって、第2開口部9-2の内部に流入する空気の流れである。第2開口部9-2の内部では、第1方向Yの空気の流れと第1方向Yの逆向き方向の空気の流れとが干渉することにより、旋回流が発生し、通風方向とは逆向きの空気の流れが発生する。また、第2開口部9-2の最も風上側に位置する第2風上側端点9-2Aから流入した空気は、第2上端面9-2aに沿って流れ、第2風下側端面9-2dに衝突する。第2風下側端面9-2dに衝突した空気は、第2風下側端面9-2dに沿って、板厚方向だけでなく第3方向Zの逆向き方向に流れる。つまり、第2開口部9-2では、通風方向とは異なる方向に向かう空気の流れが形成される。したがって、第2開口部9-2では、通風方向以外に流れる空気の流れが形成されるため、空気の流れを乱流化できる。このため、加湿体1への熱伝達量が増加し、加湿体1からの水分の蒸発量が増加する。
上記のように、第1開口部9-1は第3方向Zに向かう空気の流れを形成し、第2開口部9-2は第3方向Zの逆向きに向かう空気の流れを形成する。乱流化した空気が加湿体1の上下方向にも流れるため、加湿体1を通過する空気の偏りを抑制できる。また、第1開口部9-1及び第2開口部9-2により、スリット9は、風上側に頂点を有する略V字形状に配置されている。このため、第1開口部9-1の第1風下側端面9-1d及び第2開口部9-2の第2風下側端面9-2dで挟まれた部分は、風上側から風下側に向かって広がる略三角形の形状を有する。言い換えると、スリット9の風下側には、略三角形の形状を有する部分が形成されている。この略三角形の形状を有する部分には、加湿体1を通過する空気が第1風下側端面9-1d及び第2風下側端面9-2dに衝突した際に与えられる空気からの熱エネルギーが集中する。よって、スリット9の風下側の略三角形の形状を有する部分での水分の蒸発現象を促進することができる。
スリット9は、図4および図5で示すように、第3方向Z及び第2方向Xにおいて、お互いに均等な距離で整列して加湿体1の板面に設けられることが望ましい。複数のスリット9が、規則的に設けられることで、風上側に設けられたスリット9により乱流化した空気が、風下側に設けられたスリット9を通過する空気の流れに影響を与える。このため、風下側のスリット9により更に空気を乱流化することができる。すなわち、風上側から風下側に向かうにしたがって、空気の乱流化による高い蒸発促進効果を得ることができる。
複数のスリット9の第3方向Zにおける互いの間の距離は、第1開口部9-1と第2開口部9-2との間の距離と同じにすることが望ましい。スリット9の間の距離を一定とすることで、風下側に設けられたスリット9が、風上側に設けられたスリット9により乱流化した空気の影響を受けやすくなる。よって、加湿体1の水分の蒸発促進効果が向上する。また、スリット9の第2方向Xのスリット幅をwとし、第2方向Xに隣り合う2つのスリット9の間の距離をWとした場合、w≦Wの関係が成立するように、スリット9を設けることが望ましい。第2方向Xにおいて、スリット9のスリット幅wとスリット9の間の距離Wとが、w≦Wの関係を満たすことで、加湿体1の加工時の材料強度を確保でき、また、加湿体1が水分を吸水する吸水量を確保できる。
なお、加湿体1において、スリット9は、少なくとも第2方向Xに2つ及び第3方向Zに2つ、すなわち計4つ設けられる。図5に示すように、第3方向Zにおける、第1開口部9-1の第1上端面9-1aと、第2開口部9-2の第2下端面9-2bとの間の寸法をスリット9の上下方向寸法shとすると、加湿体1の風上端部1d及び風下端部1eのそれぞれの寸法は、2つのスリット9の上下方向寸法である2shよりも大きい。また、第2方向Xにおける、第1開口部9-1の第1風上側端点9-1Aと、第1開口部9-1の第1風下側端点9-1Bとの間の寸法をスリット9の幅方向寸法swとすると、加湿体1の上端部1b及び下端部1cのそれぞれの寸法は、2つのスリット9の幅方向寸法である2swよりも大きい。また、加湿体1に設けられるスリット9が多くなるほど、高い蒸発促進効果を得ることができる。よって、スリット9の上下方向寸法sh及び幅方向寸法swをそれぞれ小さくすることで、加湿体1により多くのスリット9を設けることができ、より高い蒸発効果を得ることができる。
本実施の形態に係る加湿装置100は、第1方向Yに互いに間隔を空けて配置された複数の加湿体1と、複数の加湿体1に加湿水を供給する給水部4と、複数の加湿体1に空気を送る送風機12とを備える。送風機12は、第1方向Yと交差する第2方向Xに沿って空気を送るように配置され、複数の加湿体1のそれぞれは、第1方向Y及び第2方向Xと交差する第3方向Zに上端部1b及び下端部1cが位置するように配置され、複数の加湿体1のそれぞれは、第1方向Yに自身を貫通する複数のスリット9を有する。複数のスリット9のそれぞれは、第1開口部9-1及び第2開口部9-2から形成され、第1開口部9-1は、最も風上側に位置する第1風上側端点9-1Aと、最も風下側に位置する第1風下側端点9-1Bとを有し、第1風上側端点9-1Aは、第1風下側端点9-1Bよりも下方に位置し、第2開口部9-2は、最も風上側に位置する第2風上側端点9-2Aと、最も風下側に位置する第2風下側端点9-2Bとを有し、第2風上側端点9-2Aは、第2風下側端点9-2Bよりも上方に位置する。
本実施の形態に係る加湿装置100によれば、加湿体1に第1開口部9-1及び第2開口部9-2を備えたスリット9が設けられることで、加湿体1を通過する空気が、第1開口部9-1及び第2開口部9-2の周囲を流れるときに乱流化する。このように空気を乱流化させる第1開口部9-1及び第2開口部9-2からなるスリット9が、複数、加湿体1に分散して配置されているので、空気の乱流化が促進されて蒸発促進効果が得られる。このため、高い加湿効果を得ることができる。また、加湿体1の水分の蒸発が促進されることで、単位加湿体あたりの加湿量が向上する。したがって、本実施の形態に係る加湿装置100は、単位時間当たりの加湿量が増加する。単位時間当たりの加湿量が増加すれば、加湿装置100は、空気を加熱するために熱交換器13を作動させる頻度が減少し、空気の加熱に必要なエネルギー消費を低減することができる。その結果、加湿装置100の省エネルギー性が向上する。
また、加湿装置が、熱交換器により空気を加熱する場合、加湿体ユニットを通過後の加湿された空気の温度は、熱交換器を通過する前の空気も温度と比べて高い。すなわち、室内温度よりも高い加湿空気が室内に供給される。これに伴い、室内の温度が上昇する。この上昇した室内の温度を低減するために、空気調和装置の室内機の冷房運転を行う場合がある。しかし、本実施の形態に係る加湿装置100によれば、単位時間当たりの加湿量を増加することができるため、熱交換器13を用いて空気の加熱する頻度を低減することができる。したがって、室内に供給する加湿空気の温度を抑えることができる。これにより、室内の温度を上げることがないため、室内に設置されている空気調和装置の冷房負荷を低減できる。よって、空気調和装置の省エネルギー性の向上に寄与する。
また、本実施の形態によれば、第1開口部9-1及び第2開口部9-2を備えたスリット9により、加湿体1を通過する空気は、乱流化される。スリット9の形状が水分の蒸発を促進するので、空気を乱流化するためにスリット9の第1開口部9-1及び第2開口部9-2の開口面積大きくしなくてもよい。よって、スリット9を設けることで加湿体1の体積が減少し、加湿体1が保水できる水量が低下する、という問題を回避することができる。加湿体1が保水できる水量が低下すると、加湿装置全体での加湿性能の向上効果を得ることが困難になる。しかし、本実施の形態に係る加湿装置100では、加湿体1の保水量を大きく減少させることなく、空気の乱流化により水分の蒸発を促進できるため、加湿性能の向上効果を得ることができる。
本実施の形態に係る加湿装置100では、第1開口部9-1は、第2開口部9-2の上方に位置しており、第1開口部9-1と第2開口部9-2とは第3方向Zに間隔を空けて設けられている。当該構成により、加湿体1の強度が低減することを抑制しつつ、加湿体1に第1開口部9-1と第2開口部9-2から形成されるスリット9を設けることができる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る加湿装置100と、実施の形態1に係る加湿装置100との相違点は、加湿体1に設けられるスリット9の形状である。以下、本実施の形態におけるスリット9の形状について、実施の形態1との相違点を中心に説明する。スリット9の形状を除いて、本実施の形態の加湿装置100の構成は実施の形態1の構成と同様であるため、スリット9の形状以外の説明を省略する。また、実施の形態1と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
図6及び図7を参照しながら、本実施の形態におけるスリット9の形状について説明する。図6は、実施の形態2に係る加湿体の正面図である。図6に示された白抜きの矢印C及び白抜きの矢印Dは、空気の流れを示している。また、図6では、スリット9を黒塗りして示す。図7は、図6に示すF部分の拡大図である。図7では、スリット9をドット柄で示す。実施の形態1の図4と同様に、図6では、加湿体1の板面の全体にスリット9が設けられているが、後述するように、加湿体1の一部にのみスリット9を設けてもよい。
図6及び図7に示すように、第3方向Zにおいて、本実施の形態におけるスリット9の第1開口部9-1とスリット9の第2開口部9-2とはつながっている。スリット9は、第1開口部9-1の第1下端面9-1bと第2開口部9-2の第2上端面9-2aがつながった形状であるため、第1風上側端点9-1Aと第2風上側端点9-2Aとが重なった位置にある。なお、図7の一部のスリット9では、実施の形態2の理解を容易にするために、仮想の第1下端面9-1bと仮想の第2上端面9-2aの位置を破線で示している。実際には、図6に示すように、スリット9は、第1開口部9-1と第2開口部9-2の外形を有する1つの開口部である。
スリット9は、第1開口部9-1の第1下端面9-1bと第2開口部9-2の第2上端面9-2aとがつながっているため、第1風上側端点9-1Aと第2風上側端点9-2Aとが重なった位置を頂点とする、V字形状を有する。また、第1風下側端面9-1dと第2風下側端面9-2dとがつながっているため、第1風下側端面9-1d及び第2風下側端面9-2dで挟まれた部分は、風上側から風下側に向かって広がる三角形の形状を有する。言い換えると、スリット9の風下側には、三角形の形状を有する部分が形成されている。実施の形態1と同様に、この三角形の形状を有する部分には、加湿体1を通過する空気が第1風下側端面9-1d及び第2風下側端面9-2dに衝突した際に与えられる空気からの熱エネルギーが集中する。よって、スリット9の風下側の三角形の形状を有する部分での水分の蒸発現象を促進することができる。
本実施の形態に係る加湿装置100は、第1開口部9-1は、第2開口部9-2の上方に位置しており、スリット9の第1開口部9-1と第2開口部9-2とがつながっている。当該構成により、スリット9の内部に侵入する空気の量が増加する。このため、空気を乱流化させることによる蒸発促進効果が大きくなり、加湿装置100の加湿効果がより向上する。
また、本実施の形態に係る加湿装置100は、スリット9の第1開口部9-1の第1風上側端点9-1Aと第2開口部9-2の第2風上側端点9-2Aとは重なっている。このため、スリット9の風下側に三角形の形状を有する部分が形成され、スリット9の風下側での水分の蒸発が促進される。よって、加湿装置100の加湿効果がより向上する。
[実施の形態2の変形例1]
図8は、実施の形態2に係る加湿体のスリットの変形例1を示す正面図である。図8では、スリット9を黒塗りして示す。図9は、図8に示すG部分の拡大図である。図9では、スリット9をドット柄で示す。図8及び図9に示す変形例1においても、実施の形態2と同様に、スリット9の第1開口部9-1とスリット9の第2開口部9-2とがつながっている。しかし、変形例1では、第1開口部9-1と第2開口部9-2とは交差しており、第1開口部9-1の第1下端面9-1bと第2開口部9-2の第2上端面9-2aとはつながっていない。なお、図8では、加湿体1の板面の全体にスリット9が設けられているが、後述するように、加湿体1の一部にのみスリット9を設けてもよい。
変形例1に係る加湿装置100では、図8及び図9に示すように、スリット9は、第1開口部9-1の第1風上側端面9-1cと第2開口部9-2の第2風上側端面9-2c及び第2風下側端面9-2dとがつながった形状である。また、スリット9は、第1開口部9-1の第1風下側端面9-1dと第2開口部9-2の第2風上側端面9-2c及び第2風下側端面9-2dとがつながった形状である。第1開口部9-1の第1下端面9-1bは、第2開口部9-2の第2上端面9-2aよりも下方に位置する。図9の一部のスリット9では、本変形例の理解を容易にするために、第1風上側端面9-1cと、第1風下側端面9-1dと、第2風上側端面9-2c、と第2風下側端面9-2dとがそれぞれ重なっていると考えられる仮想の位置を破線で示している。実際には図8に示すように、スリット9は、第1開口部9-1と第2開口部9-2の外形を有する1つの開口部である。
スリット9は、第1開口部9-1と第2開口部9-2が重なる位置を交点とする、略X字形状を有する。より具体的には、スリット9の形状は、図8及び図9に示すように、風下側が長い略X字形状である。また、第1風下側端面9-1dと第2風下側端面9-2dとがつながっているため、第1風下側端面9-1d及び第2開口部9-2の第2風下側端面9-2dで挟まれた部分は、風上側から風下側に向かって広がる三角形の形状を有する。言い換えると、スリット9の風下側には、三角形の形状を有する部分が形成されている。実施の形態1及び実施の形態2と同様に、この三角形の形状を有する部分には、加湿体1を通過する空気が第1風下側端面9-1d及び第2風下側端面9-2dに衝突した際に与えられる空気からの熱エネルギーが集中する。よって、スリット9の風下側の三角形の形状を有する部分での水分の蒸発現象を促進することができる。変形例1において、他の構成及び動作については、実施の形態2と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
実施の形態2の変形例1におけるスリット9は、第1開口部9-1と第2開口部9-2とは交差し、第1開口部9-1の第1風上側端点9-1Aは、第2開口部9-2の第2風上側端点9-2Aよりも下方に位置する。当該構成によれば、空気がスリット9の内部に、第1開口部9-1と第2開口部9-2とが交差している部分からも流入する。よって、スリット9の内部に流入する空気の量が増加する。また、第2風上側端点9-2Aからスリット9の内部に流入した空気は、第2開口部9-2を形成する、第2上端面9-2aと、第2下端面9-2bと、第2風上側端面9-2cと、第2風下側端面9-2dとだけでなく、第1開口部9-1を形成する、第1上端面9-1aと、第1下端面9-1bと、第1風上側端面9-1cと、第1風下側端面9-1dとに沿って流れる。また、第1風上側端点9-1Aからスリット9の内部に流入した空気は、第1開口部9-1を形成する、第1上端面9-1aと、第1下端面9-1bと、第1風上側端面9-1cと、第1風下側端面9-1dとだけでなく、第2開口部9-2を形成する、第2上端面9-2aと、第2下端面9-2bと、第2風上側端面9-2cと、第2風下側端面9-2dとに沿って流れる。このため、スリット9により、より多くの空気が乱流化されることになり、蒸発促進効果がより大きくなる。このため、加湿装置100の加湿効果がより向上する。
[実施の形態2の変形例2]
図10は、実施の形態2に係る加湿体のスリットの変形例2を示す正面図である。図10では、スリット9を黒塗りして示す。図11は、図10に示すH部分の拡大図である。図11では、スリット9をドット柄で示す。図10及び図11に示す変形例2においても、実施の形態2と同様に、スリット9の第1開口部9-1とスリット9の第2開口部9-2とがつながっている。なお、図10では、加湿体1の板面の全体にスリット9が設けられているが、後述するように、加湿体1の一部にのみスリット9を設けてもよい。
変形例2に係る加湿装置100では、図10及び図11に示すように、第3方向Zに並ぶスリット9の間には間隔が空いていない。加湿体1の板面には、第3方向Zに第1スリット9Aと第2スリット9Bが設けられる。第1スリット9Aは、第2スリット9Bの上方に設けられる。第1スリット9Aの第2開口部9A-2の第2下端面9A-2bと第2スリット9Bの第1開口部9B-1の第1上端面9B-1aとがつながっている。そのため、第1スリット9Aの第2風下側端点9A-2Bと第2スリット9Bの第1風下側端点9B-1Bとは重なっている。なお、以下の説明において、第1スリット9Aと第2スリット9Bとを特に区別する必要がない場合には、単に「スリット9」と適宜称する。また、第1開口部9A-1と第1開口部9B-1とを特に区別する必要がない場合には、単に「第1開口部9-1」と適宜称する。さらに、第2開口部9A-2と第2開口部9B-2とを特に区別する必要がない場合には、単に「第2開口部9-2」と適宜称する。
スリット9は、第1スリット9Aと第2スリット9Bが第3方向Zに間隔を空けずに並べて設けられている。そのため、図14に示すように、第1スリット9Aと第2スリット9Bとで、風上側に2つの頂点を有する略M字形状を形成している。略M字形状の頂点の1つは、第1スリット9Aの第1風上側端点9A-1Aと第2風上側端点9A-2Aとが重なる部分である。略M字形状のもう1つの頂点は、第2スリット9Bの第1風上側端点9B-1Aと第2風上側端点9B-2Aとが重なる部分である。また、略M字形状の中央に位置する頂点は、第1スリット9Aの第2開口部9A-2の第2風下側端点9A-2Bと、第2スリット9Bの第1開口部9B-1の第1風下側端点9B-1Bが重なった部分である。第1スリット9Aと第2スリット9Bは、第3方向Zに連続して間隔を空けることなく設けられる。したがって、図10に示すように、スリット9は、略M字形状に第3方向Zに間隔を空けずに設けられている、と表現することができる。また、スリット9は横向きのV字形状に第3方向Zに間隔を空けずに設けられている、と表現することもできる。
なお、スリット9は、第1スリット9Aの第1開口部9A-1の第1下端面9-1bと第2開口部9A-2の第2上端面9-2aとがつながった形状であり、また、第1スリット9Aの第2開口部9A-2の第2下端面9-2bと第2スリット9Bの第1開口部9B-1の第1上端面9-1aとがつながった形状である。さらに、第2スリット9Bの第1開口部9B-1の第1下端面9-1bと第2開口部9B-2の第2上端面9-2aとがつながった形状である。言い換えると、複数のスリット9がつながり、列方向に1つの開口部を形成している。しかし、本変形例の理解を容易にするため、図11の一部のスリット9では、第1スリット9A及び第2スリット9Bの重なっていると仮定できる各部分を破線で示している。
変形例2において、他の構成及び動作については、実施の形態2と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。また、図10及び図11では、第1スリット9Aと第2スリット9Bはそれぞれ、実施の形態2で説明したスリット9の形状を有する。すなわち、スリット9は、第1開口部9-1の第1下端面9-1bと第2開口部9-2の第2上端面9-2aとがつながった形状を有している。しかし、変形例2における第1スリット9Aの形状及び第2スリット9Bの形状は、実施の形態2におけるスリット9の形状に限定されない。第1スリット9Aの形状及び第2スリット9Bの形状のそれぞれが、変形例1におけるスリット9と同じ形状であってもよい。
実施の形態2の変形例2における複数のスリット9は、第3方向Zに並ぶ第1スリット9A及び第2スリット9Bを有し、第1スリット9Aの第2開口部9A-2の第2風下側端点9A-2Bと、第2スリット9Bの第1開口部9B-1の第1風下側端点9B-1Bとは重なっている。当該構成によれば、空気がスリット9の内部に、第1スリット9Aと第2スリット9Bとがつながっている部分からも流入する。このため、スリット9の内部に流入する空気の量が増加する。また、スリット9が上下方向につながっているため、加湿体1のそれぞれの板面に、開口部が第3方向Zに屈曲しながら延びることになる。このため、スリット9の風上側からスリット9の内部に流入した空気が、風下側から流出しやすくなる。スリット9の風下側から流出する空気の量が増えることで、風上側からスリット9に空気が流入しやすくなり、スリット9の内部に流入する空気の量が増加する。すなわち、より多くの空気の乱流化ができるため、蒸発促進効果がより大きくなる。このため、加湿装置100の加湿効果がより向上する。
実施の形態3.
実施の形態3に係る加湿装置100と、実施の形態1及び実施の形態2に係る加湿装置100との相違点は、加湿体1に設けられるスリット9の形状である。以下、本実施の形態のスリット9の形状について、実施の形態1及び実施の形態2との相違点を中心に説明する。スリット9の形状を除いて、本実施の形態の加湿装置100の構成は実施の形態1及び実施の形態2の構成と同様であるため、スリット9の形状以外の説明を省略する。また、実施の形態1及び実施の形態2と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
図12~図14を参照しながら、本実施の形態におけるスリット9の形状について説明する。本実施の形態におけるスリット9は、第1風上側端面9-1c及び第2風上側端面9-2cの形状が、実施の形態1及び実施の形態2におけるスリット9の第1風上側端面9-1c及び第2風上側端面9-2cの形状と異なる。第1風上側端面9-1cは、第1開口部9-1を形成する4つの面のうち、最も風上側に位置する面である。また、第2風上側端面9-2cは、第2開口部9-2を形成する4つの面のうち、最も風上側に位置する面である。第1風上側端面9-1cは、第1風上側端点9-1Aから第1方向Y、すなわち板厚方向に延びる底辺を有する。また、第2風上側端面9-2cは、第2風上側端点9-2Aから第1方向Y、すなわち板厚方向に延びる上辺を有する。
図12は、実施の形態3に係る加湿体の正面図である。図12では、実施の形態1の図4と同様に、加湿体1の板面の全体にスリット9が設けられているが、後述するように、加湿体1の一部にのみスリット9を設けてもよい。図12に示された白抜きの矢印C及び白抜きの矢印Dは、空気の流れを示している。図13は、図12のI-I断面図である。I-I断面図では、スリット9の第1開口部9-1を水平方向に切断した断面を示している。図14は、図12のJ-J断面図である。J-J断面図では、スリット9の第2開口部9-2を水平方向に切断した断面を示している。図12~図14では、スリット9をドット柄で示す。また、以下説明のため、図12に示される加湿体1の板面を加湿体1の表面と称する。また、図12の加湿体1の表面の反対側にある、図示されていない加湿体1の板面を加湿体1の裏面と称する。また、図13及び図14には、加湿体1の表面と裏面の間に、仮想の第1中間面M1と第2中間面M2とを示している。第1中間面M1は、加湿体1の表面と加湿体1の板厚方向の中心面との間に設けられている仮想面である。第2中間面M2は、加湿体1の裏面と加湿体1の板厚方向の中心面との間に設けられている仮想面である。
図13に示すように、スリット9の第1開口部9-1の第1風上側端面9-1cの水平方向の断面は、2つの傾斜部、すなわち第1開口部第1風上傾斜部9-1c1と第1開口部第2風上傾斜部9-1c2とを有する。第1開口部第1風上傾斜部9-1c1は、加湿体1の表面から、板厚方向の中心面に向かって、風下側に傾斜しながら延びている。第1開口部第1風上傾斜部9-1c1は第1中間面M1まで延びている。また、第1開口部第2風上傾斜部9-1c2は、加湿体1の裏面から、板厚方向の中心面に向かって、風下側に傾斜しながら延びている。第1開口部第2風上傾斜部9-1c2は第2中間面M2まで延びている。このため、第1風上側端面9-1cの第1方向Y及び第2方向Xに沿った断面が、風下側に向かって凸形状を有する。
図14に示すように、スリット9の第2開口部9-2の第2風上側端面9-2cの水平方向の断面は、2つの傾斜部、すなわち第2開口部第1風上傾斜部9-2c1と第2開口部第2風上傾斜部9-2c2とを有する。第2開口部第1風上傾斜部9-2c1は、加湿体1の表面から、板厚方向の中心面に向かって、風下側に傾斜しながら延びている。第2開口部第1風上傾斜部9-2c1は第1中間面M1まで延びている。また、第2開口部第2風上傾斜部9-2c2は、加湿体1の裏面から、板厚方向の中心面に向かって、風下側に傾斜しながら延びている。第2開口部第2風上傾斜部9-2c2は第2中間面M2まで延びている。このため、第2風上側端面9-2cの第1方向Y及び第2方向Xに沿った断面が、風下側に向かって凸形状を有する。なお、以下の説明において、第1開口部第1風上傾斜部9-1c1、第1開口部第2風上傾斜部9-1c2、第2開口部第1風上傾斜部9-2c1、第2開口部第2風上傾斜部9-2c2を特に区別する必要がない場合には、単に「風上傾斜部」と適宜称する。また、「風上傾斜部」と称した場合には、単数又は複数の両方を含むものとする。
上記で説明したように、スリット9の第1開口部9-1の第1風上側端面9-1cは、第1開口部第1風上傾斜部9-1c1及び第1開口部第2風上傾斜部9-1c2を有しているため、加湿体1の板厚方向の中心面及び風下側に向かって略四角錐台の形状を有する。また、スリット9の第2開口部9-2の第2風上側端面9-2cは、第2開口部第1風上傾斜部9-2c1及び第2開口部第2風上傾斜部9-2c2を有しているため、加湿体1の板厚方向の中心面及び風下側に向かって略四角錐台の形状を有する。第1風上側端面9-1c及び第2風上側端面9-2cが、略四角錐台の形状を有することで、第1開口部9-1及び第2開口部9-2の内部に流入する空気の量が増加する。したがって、高い蒸発促進効果を得ることができる。
なお、図12~図14では、加湿体1の表面と裏面との間に2つの仮想面、すなわち第1中間面M1及び第2中間面M2を示した。そして、風上側傾斜部が第1中間面M1及び第2中間面M2まで延びる形状とした。しかし、加湿体1の板厚方向に対して表面と裏面との間に2つの仮想面を設ける必要はなく、仮想面が第1中間面M1だけであってもよい。仮想面が第1中間面M1だけである場合、各風上側傾斜部は第1中間面M1まで延びる形状となる。したがって、第1風上側端面9-1c及び第2風上側端面9-2cは、加湿体1の板厚方向の中心面及び風下側に向かって略三角錐の形状を有する。第1風上側端面9-1c及び第2風上側端面9-2cが、略三角錐の形状を有することで、第1開口部9-1及び第2開口部9-2の内部に流入する空気の量が増加する。したがって、高い蒸発促進効果を得ることができる。
本実施の形態に係る加湿装置100において、スリット9の第1開口部9-1は、風上側に、第1風上側端点9-1Aから第1方向Yに延びる底辺を有する、第1風上側端面9-1cを有し、第1風上側端面9-1cの第1方向Y及び第2方向Xに沿った断面が、風下側に向かって凸形状であり、第1風上側端面9-1cは、第1方向Yの中心面に向かって風下側に傾斜する4つの傾斜面を有する。また、スリット9の第2開口部9-2は、風上側に、第2風上側端点9-2Aから第1方向Yに延びる上辺を有する、第2風上側端面9-2cを有し、第2風上側端面9-2cの第1方向Y及び第2方向Xに沿った断面が、風下側に向かって凸形状であり、第2風上側端面9-2cは、第1方向Yの中心面に向かって風下側に傾斜する4つの傾斜面を有する。
本実施の形態の構成によれば、第1風上側端面9-1cの傾斜面を形成する第1開口部第1風上傾斜部9-1c1及び第1開口部第2風上傾斜部9-1c2は、第1開口部9-1の内部に空気を誘導するガイドの役割を果たす。また、第2風上側端面9-2cの傾斜面を形成する第2開口部第1風上傾斜部9-2c1及び第2開口部第2風上傾斜部9-2c2は、第2開口部9-2の内部に空気を誘導するガイドの役割を果たす。空気の流れが誘導されることにより、第1開口部9-1及び第2開口部9-2の内部に流入する空気の量が増加する。よって、乱流化する空気の量が増加し、蒸発促進効果が大きくなる。
実施の形態4.
実施の形態4に係る加湿装置100と、実施の形態1~実施の形態3に係る加湿装置100との相違点は、加湿体1に設けられるスリット9の配置である。以下、本実施の形態のスリット9の配置について、実施の形態1~実施の形態3との相違点を中心に説明する。スリット9の配置を除いて、本実施の形態の加湿装置100の構成は実施の形態1~実施の形態3の構成と同様であるため、スリット9の配置以外の説明を省略する。また、実施の形態1~実施の形態3と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
図15を参照しながら、本実施の形態におけるスリット9の配置について説明する。図15は、実施の形態4に係る加湿体の正面図である。図15に示された白抜きの矢印C及び白抜きの矢印Dは、空気の流れを示している。図15では、スリット9をドット柄で示す。実施の形態1~実施の形態3に係る加湿装置100では、スリット9が、加湿体1の板面の全体にスリット9が設けられている。本実施の形態では、スリット9は、加湿体1の一部にのみ設けられる。
図15に示すように、加湿体1を、加湿体1の風上端部1dと風下端部1eとの中間点MP1を基準として、風上側領域と風下側領域に2等分したと仮定した場合、風上側領域にスリット9は設けられていない。スリット9は風下側領域にのみ設けられる。このため、加湿体1の風下側領域にスリット9が多く配置されることになる。なお、加湿体1は、風下側領域にスリット9が多く配置される構成であればよい。よって、図示しないが、風上側領域に、風下側領域よりも少数のスリット9を設けてもよい。
開口部が設置されていない加湿体の板面での単位面積当たりの蒸発量は、通風方向に沿って小さくなる傾向がある。すなわち、加湿体1では、風下側領域における水分の蒸発量は、風上側領域における水分の蒸発量よりも少ない。本実施の形態に係る構成では、風下側領域に設置したスリット9により、本来は蒸発量の小さい風下側領域の蒸発促進効果を向上できる。また、風上側領域にスリット9が設けられていないので、加湿体1の風上側領域での水分の蒸発量と風下側領域での水分の蒸発量の偏りを抑制することができる。加湿体1からの水分の蒸発量分布を平均化することで、水分蒸発時に析出されて加湿体1に付着するスケールの量が平均化できる。このため、加湿体1の寿命を延長することができる。
[実施の形態4の変形例1]
図16は、実施の形態4に係る加湿体の変形例1を示す正面図である。図16では、スリット9をドット柄で示す。図16に示す変形例1においても、実施の形態4と同様に、スリット9は、加湿体1の一部にのみ設けられる。変形例1では、スリット9の数が、風下側に向かって徐々に増加するとともに、第3方向Zに沿って加湿体1の上方から下方に向かって徐々に増加する。別の言い方をすると、風下側に向かって列方向に設けられたスリット9の数が増加し、また下方に向かって段方向に設けられたスリット9の数が増加するように、スリット9が設けられる。すなわち、スリット9は、風下側及び下方に向かって設置密度が増加する。
実施の形態4の変形例1に係る加湿装置100では、複数のスリット9は、風上側から風下側に向かって設置密度が増加するように設けられている。当該構成では、風下側のスリット9の設置密度が高くなるため、本来は蒸発量の小さい風下側領域の蒸発促進効果を向上できる。また、スリット9の設置密度は風下側領域が高いが、風上側領域でもスリット9は設けられている。そのため、風上側領域でもスリット9により水分の蒸発を促進しつつ、加湿体1の風上側領域での水分の蒸発量と風下側で領域での水分の蒸発量の偏りを抑制することができる。加湿体1からの水分の蒸発量分布を平均化することで、水分蒸発時に析出されて加湿体1に付着するスケールの量が平均化できる。このため、加湿体1の寿命を延長することができる。
また、実施の形態4の変形例1に係る加湿装置100では、複数のスリット9は、複数の加湿体1のそれぞれの上端部1bから下端部1cに向かって設置密度が増加するように設けられている。加湿装置100では、加湿体1の上部に接続された拡散材6から加湿体1に加湿水が供給される。加湿体1に供給された加湿水は、蒸発することで消費される。加湿水は加湿体1の上方で消費されることで、下方に向かうにしたがって供給量が減少する。このため、開口部が設置されていない加湿体では、加湿体の板面での単位面積当たりの蒸発量は、加湿体の下方に向かうにしたがって小さくなる傾向がある。本変形例1では、スリット9は、蒸発量が少ない加湿体1の下方により多く設置される。加湿体1の上方ではスリット9の数が少ないため、蒸発量が少ない。また、加湿体1の上方で消費される加湿水が少なくなるため、加湿体1の下方に供給される加湿水の供給量が多くなる。加湿体1の下方では、加湿体1の上方よりもスリット9が多く設けられているため、加湿体1の下方での水分の蒸発を促進することができる。このため、開口部が設置されていない加湿体と比べて、加湿体1の上方での水分の蒸発量と下方での水分の蒸発量の偏りを抑制することができる。すなわち、加湿体1の第3方向Zにおいて、加湿体1からの蒸発量分布を平均化することで、水分蒸発時に析出されて加湿体1に付着するスケールの量を平均化できる。このため、加湿体1の寿命を延長することができる。
[実施の形態4の変形例2]
図17は、実施の形態4に係る加湿体の変形例2を示す正面図である。図17では、スリット9をドット柄で示す。図17に示す変形例2においても、実施の形態4及び変形例1と同様に、スリット9は、加湿体1の一部にのみ設けられる。変形例2では、スリット9の数が、風下側に向かって徐々に増加するとともに、第3方向Zに沿って加湿体1の上方から下方に向かって徐々に減少する。別の言い方をすると、風下側に向かって列方向に設けられたスリット9の数が増加し、また下方に向かって段方向に設けられたスリット9の数が減少するように、スリット9が設けられる。すなわち、スリット9は、風下側及び上方に向かって設置密度が増加する。
実施の形態4の変形例2に係る加湿装置100では、複数のスリット9は、複数の加湿体1のそれぞれの下端部1cから上端部1bに向かって設置密度が増加するように設けられている。加湿装置では、一定の供給水量を下回った場合、開口部が設置されていない加湿体の板面での供給水量に対する有効給水効率は、加湿体の下方に向かって大きくなる傾向がある。ここで、有効給水効率とは、加湿量を供給水量で除することで算出した値とする。加湿体の下方では、供給水量の減少に伴い加湿量が低下する。しかし、この加湿量の低下率は、供給水量の減少率に比べると小さい。このため、開口部が設置されていない加湿体の下方では、有効給水効率が大きくなるのである。本変形例では、加湿体1の上方にスリット9が多く設けられる。このため、開口部が設置されていない加湿体と比べて、加湿装置100が一定の供給水量を下回った場合に、有効給水効率が小さい加湿体1の上方での水分の蒸発を促進できる。また、有効給水効率が大きい加湿体1の下方では、スリット9が少ないため、水分の蒸発の程度が加湿体1の上方と比べて小さい。このため、本変形例では、加湿体1の下方での加湿量が減少し、有効給水効率が小さくなる。よって、本変形例に係る加湿体1は、開口部が設置されていない加湿体と比べると、加湿装置100が一定の供給水量を下回った場合に、加湿体1の上方での有効給水効率と下方での有効給水効率の偏りを抑制することができる。すなわち、加湿体1の第3方向Zにおいて、加湿体1の有効給水効率を平均化することで、加湿体1の乾燥により析出される微小なスケールの析出量を平均化できる。このため、加湿体1の寿命を延長することができる。
また、本変形例でも、実施の形態4の変形例1と同様に、複数のスリット9は、風上側から風下側に向かって設置密度が増加するように設けられている。そのため、実施の形態4の変形例1と同様に、風上側領域でもスリット9により水分の蒸発を促進しつつ、加湿体1の風上側領域での水分の蒸発量と風下側で領域での水分の蒸発量の偏りを抑制することができる。よって、加湿体1からの水分の蒸発量分布を平均化することで、水分蒸発時に析出されて加湿体1に付着するスケールの量が平均化でき、加湿体1の寿命を延長することができる。
以上、実施の形態1~実施の形態4並びに実施の形態2及び実施の形態4の変形例について説明したが、加湿装置100は、上述の実施の形態1~実施の形態4並びに実施の形態2及び実施の形態4の変形例の構成に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、加湿装置100は、複数の加湿体1の中の一部の加湿体1が、実施の形態1~実施の形態4並びに実施の形態2及び実施の形態4の変形例のいずれかの構成を有する加湿体であればよい。また、加湿装置100が、実施の形態1~実施の形態4及び並びに実施の形態2及び実施の形態4の変形例における加湿体1のいずれかを組み合わせた構成であってもよい。すなわち、加湿装置100は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含む。