JP7154075B2 - 壁構造、窓枠用アタッチメント及び窓枠施工方法 - Google Patents
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Description
本発明に係る窓枠用アタッチメントによれば、壁構成部材の内部にアンカー部を埋設させることにより、簡易な構成で室内側への漏水を防ぐことができる。
本発明に係る窓枠施工方法によれば、壁構成部材の内部にアタッチメントのアンカー部及びアタッチメントの両端が埋設させるという簡易な施工により室内側への漏水を防ぐことができる。
図1に示すように、壁構造1は、開口部2が形成されたプレキャストコンクリートから構成される壁構成部材(壁部)3と、枠体(窓枠)10と、アタッチメント20とを備えている。
壁構成部材3とは、例えばビル等の建物の壁を構成するコンクリートを成型した部材であり、建物の壁を構成できる厚み、高さを有する。
壁構成部材3とは、単独又は複数組み合わされて建造物の外壁を構成する部材を意味する。本開示における一実施形態において、壁構成部材3は工場等で事前に成形されたコンクリート部材であり、建設現場において複数のコンクリート部材が組み合わされて、外壁を構成する。本開示における一実施形態において、壁構成部材3は、施工後、枠体10を施工するための開口部2を形成するように成形される。
壁構造1は、1つまたは複数の壁構成部材3から構成され、壁構成部材3に形成された開口部2にアタッチメント20を介して枠体10を取り付けた構造を意味する。
枠体10において、下枠14の長手方向の第一端面14aが、縦枠11の外側面11aの下部側に当接し、第一端面14aと反対側の第二端面14bが、縦枠12の外側面12aの下部側に当接している。また、上枠13の長手方向の第一端面13aが、縦枠11の外側面11aの上部側に当接し、第一端面13aと反対側の第二端面13bが、縦枠12の外側面12aの上部側に当接している。すなわち、枠体10は、縦勝ちタイプで配置されている。
また、本実施形態では、縦枠11は上下方向を長手方向としており、上下方向における縦枠11の下端面11bは、アタッチメント20の当接し、上下方向における縦枠12の下端面12bは、アタッチメント20に当接している。
図2に示すように、アタッチメント20は、断面筒状であり、上段板部21と、下段板部22と、室外側の外側板部23と、室内側の内側板部24とを有している。
アタッチメント20の内側には、上段板部21と、下段板部(辺)22と、外側板部23と、内側板部24とによって、左右方向に延在するホロー(内部空間)S1が形成されている。ホローS1は、アタッチメント20の延在方向(左右方向)の略全長にわたって形成されている。
上段板部21の室内側の上面には、上側に向かって突出した第一爪部(係合部)21eが形成され、第一突出部21bの室外側の端面に、上側に向かって突出した第二爪部(係合部)21fが形成されている。第一爪部21e及び第二爪部21fは、アタッチメント20の延在方向に沿って設けられている。
第一突出部21bには、下枠14に向かって突出し、下枠14を支持するL字状のリブ21gが形成されている。
上段板部21の上側には下枠14が配置されている。
本実施形態において、両端とは、両端面のみならず、各端面から或る長さを有する所定領域を示し、一例において、窓枠の下枠の長さよりも左右方向に貼りだしたアタッチメント部分を両端と称する。
縦枠11は、アタッチメント20の第二端面202から間隔をあけた位置に配置されている。縦枠12は、アタッチメント20の第一端面201から間隔をあけた位置に配置されている。下枠14の延在方向(左右方向)の寸法をL1とし、縦枠11,12の幅方向(左右方向)の寸法をL2とすると、アタッチメント20の延在方向(左右方向)の寸法L3は、下枠の寸法L1と、縦枠11の寸法L2と、縦枠12の寸法L2とを合わせた長さより長く形成されている。すなわち、アタッチメント20の第一端20aには、縦枠12及び下枠14が載置されていない領域があり、この領域が壁構成部材3の側壁3aに埋設されている。同様に、アタッチメント20の第二端20bには、縦枠11及び下枠14が載置されていない領域があり、この領域が壁構成部材3の側壁3aに埋没されている。
下段板部22の室外側の下面22cには、壁構成部材3に向かって開口するタッピングホール26が形成されている。
内側板部24の上部には、ホローS1内に開口するタッピングホール27が形成されている。
図1に示すように、アタッチメント20の第一端20aの第一端面201及び第二端20bの第二端面202には、閉塞板(封止部材)30が設けられている。閉塞板30は、第一端面201及び第二端面202を覆うとともにホローS1を封止する。
図2及び図3に示すように、閉塞板30には、ネジ穴(図示略)が形成されて、ネジ穴にネジ31を挿通し、ネジ31とタッピングホール26とを螺合させる。同様に、閉塞板30に形成されたネジ穴(図示略)にネジ32を挿通し、ネジ32とタッピングホール27とを螺合させる。同様に、アタッチメント20の第二端20bの端面には、閉塞板30が設けられている。閉塞板30により、ホローS1を塞いでいる。閉塞板30は、アタッチメント20をコンクリート(壁構成部材3)に埋設する前にアタッチメント20の両端面に取り付けられる。アタッチメント20に閉塞板30を取り付けた後に、アタッチメント20を壁構成部材3に埋設することにより、アタッチメント20の内部空間(中空部)にコンクリートが流れ込むのを防ぐことができる。
図4は、図を分かりやすくするために、アタッチメント20に縦枠12が配置された図を示す。
第一板部121は、室外側の上段板部21上に配置されるとともにアタッチメント20の延在方向に沿って設けられている。第二板部122は、室内側の上段板部21上に配置されるとともにアタッチメント20の延在方向に沿って設けられている。
第三板部123は、第一板部121と第二板部122とを連結している。第三板部123は、左右方向に直交する面123aを有し、対向する縦枠11側に位置している。本実施形態では、第三板部123が第一爪部21eの端面211及び第二爪部20fの端面212に当接するように、縦枠12が配置されている。第三板部123は、必ずしも第一爪部21eの端面211及び第二爪部20fの端面212に当接していなくてもよい。
なお、アタッチメント20の第一端20aについて説明したが、アタッチメント20の第二端20bも同様の構成を有している。
第一ホローS2は室外側に形成され、第二ホローS3は室内側に形成され、第一ホローS2と第二ホローS3とは隣接して形成されている。第一ホローS2及び第二ホローS3は、アタッチメント20の延在方向(左右方向)の略全長にわたって形成されている。
上段板部41には、上面41aに溜まった水を排水する複数の排水孔(枠体用排水孔)46が形成されている。排水孔46は、室外と連通し、下枠内レール41bと下枠外レール41cとの間に形成されている。
下段板部(枠体用排水経路)42は、室内側から室外側に向かって傾斜している。これにより、下段板部42は排水経路として機能する。
下枠14の下段板部42と、折り返し部48と、第一延在部45aと、第二延在部45bと、アタッチメントの上段板部21とによってホローS4が形成される。
図2に示すように、第二延在部45bとアタッチメント20の内側板部24とにより形成された段部と、壁構成部材3の開口部2の下辺2aとの間にはシール材63が配置されている。これにより、室内側において、アタッチメント20と下枠14との境界部分から水が浸入するのを防ぐことが可能となる。
本実施形態では、壁構成部材3がプレキャストコンクリート製のパネルである。
まず、壁構成部材3を成形する際に、アタッチメント20の両端面201,202を閉塞板30で塞ぎ、アタッチメント20の第一片22a及び第二片22bと両端20a,20bとを壁構成部材3内に埋設させる(アタッチメント埋設工程)。壁構成部材3にアタッチメント20を埋設させた後、アタッチメント20の上面に、枠体10を構成する下枠14を固定する(下枠固定工程)。下枠14は、アタッチメント20の第一爪部20e及び第二爪部20fに係合して固定される。
また、縦枠11、12を上下方向から見たとき、第三板部123がアタッチメント20の第一爪部20e及び第二爪部20fと窓枠用アタッチメント20の排水孔28aとの間に位置する。これにより、上枠13のシール材が劣化し、上枠13から水が浸入したとしても、水は、縦枠11,12を通って、アタッチメント20に設けられた排水孔28aから室外に効率よく排出される。
アタッチメント20を縦枠12の延在方向から見たとき、第一爪部21e及び第二爪部20fと排水孔28aとの間に、縦枠12の第三板部123が位置するように、縦枠12が配置されているとしたが、必ずしも第一爪部21e及び第二爪部20fと排水孔28aとの間になくてもよい。すなわち、排水孔28aを設けず、排水孔28bだけであってもよく、あるいは、少なくとも排水孔28aの一部が、縦枠12の第三板部123より壁構成部材3の縦辺側に配置されている、すなわち、排水孔28aを跨ぐように縦枠12の第三板部123が配置されていてもよい。
下段板部22は室内側から室外側に向かって傾斜した構成としたが、必ずしも傾斜していなくてもよい。
本実施形態では、アタッチメント20の端の上面に、縦枠11、12の下端面が当接する縦勝ちタイプの枠体について説明したが、アタッチメント20上には下枠のみが載置され、下枠の端部の上面に縦枠11,12の下端面が当接する横勝ちタイプの枠体であってもよい。
排水孔28は必ずしも設けられていなくてもよく、また下段板部42は、必ずしも傾斜していなくてもよい。
次に、本発明の変形例に係る壁構造について、図6及び図7を用いて説明する。
下記に示す変形例の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
アタッチメント(窓枠用アタッチメント)80のコーナー部分Cは、斜め45°に切断されている。切断されたアタッチメント80の端同士を突き合わせて90°のコーナー部分Cを形成する。
上段板部81には、ホローS1に向かって窪む凹部82が形成されている。凹部82には、ネジ穴(図示略)が形成されている。上段板部81の、凹部82が形成されている部分の裏面81a側に裏板83が設けてられている。コーナー部分Cにおいて、突き合せたアタッチメント80を跨ぐように裏板83が配置されている。裏板83は、ネジ84によりアタッチメント80同士を結合する。また、下段板部22の下面22cには、キャップ部材85が設けられている。キャップ部材85により、コーナー部Cにおけるアタッチメント80同士を連結する。これらにより、アタッチメント80間から水が浸入するのを防ぐことができる。
排水孔28a,28bは、凹部82に形成されている。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の請求の範囲によってのみ限定される。
本発明に係る窓枠用アタッチメントによれば、壁構成部材の内部にアンカー部を埋設させることにより、簡易な構成で室内側への漏水を防ぐことができる。
本発明に係る窓枠施工方法によれば、壁構成部材の内部にアンカー部及びアタッチメントの両端が埋設させるだけで室内側への漏水を防ぐことができる。
2…開口部
3…壁構成部材
10…枠体(窓枠)
11,12…一対の縦枠
13…上枠
14…下枠
20,80…アタッチメント(窓枠用アタッチメント)
20a…第一端
20b…第二端
22…下段板部(排水経路)
28a,28b…排水孔
123 第三板部(板部)
Claims (10)
- 開口部が形成された少なくとも一つの壁構成部材と、
前記開口部に沿って設けられるとともに、一対の縦枠と上枠及び下枠とを有する窓枠と、
前記開口部の内周面の下辺に取り付けられ、前記窓枠が連結される窓枠用アタッチメントと、を備え、
前記窓枠用アタッチメントには、室外と連通する排水経路が形成され、
前記窓枠用アタッチメントの下部と、前記窓枠用アタッチメントの長手方向の第一端及び第二端の両端が、前記壁構成部材に埋設されていることを特徴とする
壁構造。 - 前記窓枠用アタッチメントは内部空間を有する断面筒状であり、
前記窓枠用アタッチメントの前記第一端及び前記第二端それぞれに設けられた封止部材をさらに備え、
前記封止部材は、前記窓枠用アタッチメントの前記第一端及び前記第二端を覆うとともに前記内部空間を封止する請求項1に記載の壁構造。 - 前記窓枠用アタッチメントには、前記窓枠の左右方向に沿って設けられるとともに、前記下枠と係合される係合部が設けられ、
前記縦枠は、前記左右方向に直交する面を有するとともに、対向する縦枠側に位置する板部を有し、
前記縦枠を上下方向から見たとき、前記板部が前記係合部と前記窓枠用アタッチメントの排水孔との間に位置する
請求項1または請求項2に記載の壁構造。 - 前記排水経路は、前記窓枠用アタッチメントのうち内部空間を構成する辺の底面が室外側に向かって下方に傾斜して形成された流路である
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の壁構造。 - 前記一対の縦枠が前記壁構成部材の前記開口部に沿って設けられ、
前記一対の縦枠の下端面が前記窓枠用アタッチメントに当接している
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の壁構造。 - 前記下枠には、前記室外と連通する枠体用排水経路が形成されている
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の壁構造。 - 壁構成部材の開口部と窓枠との間に設置される窓枠用アタッチメントであって、
前記壁構成部材の内部に埋設されるアンカー部と、
前記窓枠と前記窓枠用アタッチメントとの間に入り込んだ水を室外へ排水する排水経路とを備え、
前記窓枠用アタッチメントの第一端及び第二端の両端が前記壁構成部材に埋設される窓枠用アタッチメント。 - 請求項7に記載の窓枠用アタッチメントを、前記壁構成部材に埋設するアタッチメント埋設工程と、
前記壁構成部材に埋設された前記窓枠用アタッチメントの上面に、前記窓枠を構成する下枠を固定する下枠固定工程と、
を含む窓枠施工方法。 - 前記壁構成部材がプレキャストコンクリート製のパネルであって、
前記アタッチメント埋設工程は、前記パネルを成形する際に、前記窓枠用アタッチメントの前記アンカー部と前記両端とを前記パネル内に埋設させることを含む
請求項8に記載の窓枠施工方法。 - 前記窓枠用アタッチメントが係合部を有し、
前記下枠固定工程は、前記係合部に前記下枠を係合させることを含む
請求項8または請求項9に記載の窓枠施工方法。
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