JP7153809B1 - 光学装置 - Google Patents

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Abstract

光学装置100は、画像を形成する画像光50を出力する表示器110、画像を拡大する光学系300であり、表示器110の光軸L上でそれぞれアイポイント側及び表示器側に配列されるフィルタ320(反射型偏光板321)及びレンズ310(ハーフミラー面311)を有し、反射型偏光板321は、画像光の少なくとも一部を透過又は反射し、ハーフミラー面311は、中心からの距離に応じて曲面角度の変化量が連続的に増大又は減少する非球面状の曲面であり、画像光の少なくとも一部を透過又は反射する、光学系300、レンズ310(ハーフミラー面311)に対してフィルタ320(反射型偏光板321)を光軸Lに沿って移動する移動装置410を備える。それにより、光学系300が有するフィルタ320及びレンズ310の間で2回光路を折り返すとともに、レンズ310(ハーフミラー面311)により画像を拡大することで、ユーザの視度に応じて拡大虚像の位置を調節することが可能となる。

Description

本発明は、画像の拡大虚像を生成する光学装置に関する。
表示パネルが表示する画像を、2つの反射面により2回光路を折り返すことにより薄型化されたトリプルパス光学モジュールにより拡大し、その拡大虚像を映し出す没入型の仮想現実(VR)技術を採用した光学装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1 国際公開第2018/150773号
解決しようとする課題
しかしながら、ユーザの視度に応じて拡大虚像の位置を調節することができる光学装置は知られていない。
一般的開示
(項目1)
画像の拡大虚像を生成する光学装置であってよい。
光学装置は、画像を形成する画像光を出力する表示器を備えてよい。
光学装置は、画像を拡大する光学系であり、光学系の光軸上でそれぞれアイポイント側及び表示器側に配列される第1透過反射面及び第2透過反射面を有し、第1透過反射面及び第2透過反射面のそれぞれが、画像光の少なくとも一部を透過又は反射する、光学系を備えてよい。
光学装置は、第2透過反射面に対して、第1透過反射面を光軸に沿って移動する移動装置であり、表示器及び第2透過反射面を保持する第1ホルダと、第1ホルダに対して、第1透過反射面を保持して駆動可能に支持される第2ホルダと、第1透過反射面を第1ホルダとの間に収容するカバーと、を含む、移動装置を備えてよい。
第2ホルダは、カバーと第1透過反射面との間の空間と、第1透過反射面と第2透過反射面との間の空間と、を連通する穴部、溝部、及び/又はカバーとの間の間隙を有してよい。
(項目2)
カバーは、第1ホルダとの間に設けられるシール部材を有してよい。
(項目3)
第1透過反射面は、第2透過反射面を透過した画像光の少なくとも一部を反射するとともに、第2透過反射面で反射した画像光の少なくとも一部を透過してよい。
(項目4)
第1透過反射面は、互いに直交する直線偏光の一方を反射し、他方を透過する偏光素子であってよい。
(項目5)
第2透過反射面は、表示器から送られる画像光の少なくとも一部を透過するとともに、第1透過反射面で反射して戻る画像光の一部を反射してよい。
(項目6)
第2透過反射面は、ハーフミラー面であってよい。
(項目7)
光学系は、さらに、レンズ素子を有してよい。
第2透過反射面は、レンズ素子の表示器側の一面に設けられてよい。
(項目8)
第2透過反射面は、第2透過反射面は、中心からの距離に応じて曲面角度の変化量が連続的に増大又は減少する非球面状の曲面であってよい。
(項目9)
第2透過反射面の曲面角度の変化量は、中心から外縁にかけて1.1度から0.4度まで連続的に減少してよい。
(項目10)
第1ホルダは、表示器及び第2透過反射面の相対位置関係を維持してよい。
(項目11)
移動装置は、さらに、第2透過反射面に対して表示器を光軸に沿って移動してよい。
第1ホルダは、表示器及び第2透過反射面をそれぞれ保持して互いに接近及び離間する2つの副ホルダを有してよい。
(項目12)
画像の拡大虚像を生成する光学装置であってよい。
光学装置は、画像を形成する画像光を出力する表示器を備えてよい。
光学装置は、画像を拡大する光学系であり、光学系の光軸上でそれぞれアイポイント側及び表示器側に配列される第1透過反射面及び第2透過反射面を有し、第1透過反射面は、画像光の少なくとも一部を透過又は反射し、第2透過反射面は、中心からの距離に応じて曲面角度の変化量が連続的に増大又は減少する非球面状の曲面であり、画像光の少なくとも一部を透過又は反射する、光学系を備えてよい。
光学装置は、第2透過反射面に対して、第1透過反射面を光軸に沿って移動する移動装置を備えてよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本実施形態に係る光学装置の構成を概略的に示す。 レンズのハーフミラー面(HM)の面形状の一例を示す。 レンズのハーフミラー面(HM)の反射後の光束コーン角特性の一例を示す。 移動装置の全体構成を示す。 移動装置の分解構成を示す。 移動装置の組み立て状態を示す。 移動装置の内部構成を、第2ホルダに設けられた孔部を中心に示す。 移動装置によるフィルタ移動の原理(フィルタ繰り出し)を示す。 移動装置によるフィルタ移動の原理(フィルタ移動)を示す。 移動装置によるフィルタ移動の原理(フィルタ退避)を示す。 反射型偏光板及びハーフミラー面の間の距離(エアー距離)を変えた場合(エアー距離小)における像面湾曲の変化を示す。 反射型偏光板及びハーフミラー面の間の距離(エアー距離)を変えた場合(エアー距離中)における像面湾曲を示す。 反射型偏光板及びハーフミラー面の間の距離(エアー距離)を変えた場合(エアー距離大)における像面湾曲を示す。 光学装置における光線区間の定義を示す。 図7Aに示した各光線区間における光線のコーン角を示す。 各ジオプタにおけるエアー距離に対する像面湾曲の変化を示す。 各ジオプタについて、エアー距離に対する表示面位置と表示器発光面位置とのずれを示す。 変形例に係る移動装置の全体構成を示す。 変形例に係る移動装置の分解構成を示す。 変形例に係る移動装置の組み立て状態を示す。 変形例に係る移動装置の内部構成を、第3ホルダに設けられた孔部を中心に示す。 変形例に係る移動装置によるフィルタ移動の原理(フィルタ繰り出し)を示す。 変形例に係る移動装置によるフィルタ移動の原理(フィルタ移動)を示す。 変形例に係る移動装置によるフィルタ移動の原理(フィルタ退避)を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1に、本実施形態に係る光学装置100の構成を概略的に示す。光学装置100は、画像の拡大虚像を生成する装置であり、例えば没入型の仮想現実(VR)技術に使用される。光学装置100は、表示器110、回折光学素子200、光学系300、制御装置390、移動装置410、及び筐体400を備える。なお、表示器110から出射する画像光50は、回折光学素子200及び光学系300を介してアイポイント39上に位置するユーザの眼(片眼)30に導かれる。ここで、光学系300の光軸L上で表示器110の側(図面右側)を表示器側、アイポイント39の側(図面左側)をアイポイント側と呼ぶ。また、画像光50の偏光は、アイポイント側から表示器側を見た場合の電場の振動の軌跡より、水平方向の直線偏光、垂直方向の直線偏光、左回り(反時計回りとも呼ぶ)の円偏光、及び右回り(時計回りとも呼ぶ)の円偏光に区別される。
表示器110は、画像を表示する装置である。表示器110は、例えば、有機発光ダイオード(OLED)から構成される表示装置、光源及び液晶パネルから構成される液晶表示装置等を採用することができる。画像は、静止画又は動画等をなす1以上の画像であってよいし、赤色、緑色、及び青色の3色からなるカラーの画像であってもよい。表示器110は、画像を形成する画像光50を表示画面から出力する。カラー画像の場合、各色を時分割して出射してもよいし、互いに重畳又は画素単位で空間分割して同時に射出してもよい。
回折光学素子200は、画像光50を処理する複数の素子を含む。回折光学素子200は、表示器110に対してアイポイント側に配置され、表示器側からアイポイント側に対して順に重ねられた第1GPH素子、第1λ/4板、CSF素子、第2λ/4板、第2GPH素子、第3λ/4板、第1偏光板、及び第4λ/4板(いずれも不図示)を含む。
第1及び第2GPH(幾何学的位相ホログラム)素子は、重合性液晶を特定のパターンに配光させてなる素子であり、入射光の偏光方向を変えつつ回折現象によりレンズ作用(拡散又は集光作用)を及ぼして1次回折光を出力する。第1及び第2GPH素子は、無偏光の光が入射した場合、左回り円偏光の光束を拡散して出力するとともに右回り円偏光の光束を集光して出力し、右回り円偏光の光が入射した場合、偏光方向を左回り円偏光に反転しつつ光束を拡散して出力し、左回り円偏光の光が入射した場合、右回り円偏光に反転しつつ光束を集光して出力する。第1及び第2GPH素子を用いることで、画像光50に対する屈折角の波長分散及びこれに伴う色収差を補償することができる。
第1~第4λ/4板は、画像光50の2つの偏光成分に四分の1波長の位相差を与えて変調する素子である。λ/4板は、直線偏光を円偏光に、円偏光を直線偏光に変調する。
CSF(波長選択性偏光変換)素子は、偏光方向を特定波長域のみ90度回転する素子である。例えば、CSF素子は、垂直方向の直線偏光を水平方向の直線偏光に、水平方向の直線偏光を垂直方向の直線偏光に変調する。
第1偏光板は、互いに直交する直線偏光の一方を吸収して、他方を透過する素子(所謂、直線偏光板)である。一例として、第1偏光板は、垂直方向の直線偏光を透過し、水平方向の直線偏光を吸収する。
なお、上述の回折光学素子200の構成は一例であり、表示器側からアイポイント側に対して順に重ねられた偏光板及びλ/4板、或いは表示器側からアイポイント側に対して順に重ねられたGPH素子、λ/4板、偏光板、及びλ/4板を含んでもよい。
光学系300は、2つの反射面により2回光路を折り返すことにより薄型化されたトリプルパス型の光学系であり、光軸L上でそれぞれアイポイント側及び表示器側に配列されるフィルタ320及びレンズ310を有する。光学系300は、レンズ310により画像光50を拡散して画像を拡大する。
フィルタ320は、画像光50を処理する複数の素子を含む。フィルタ320は、レンズ310に対してアイポイント側に配置され、例えば表示器側からアイポイント側に順に重ねられた第5λ/4板(不図示)、反射型偏光板321、及び第2偏光板(不図示)を含む。
第5λ/4板は、レンズ310を介した画像光50を、その2つの偏光成分に四分の1波長の位相差を与えて変調する素子である。
反射型偏光板321は、画像光50の少なくとも一部を透過又は反射する第1透過反射面の一例であり、互いに直交する直線偏光のうちの一方の直線偏光を反射し、他方の直線偏光を透過する偏光素子である。一例として、反射型偏光板321は、垂直方向の直線偏光を透過し、水平方向の直線偏光を反射する。
第2偏光板は、互いに直交する直線偏光の一方を吸収して、他方を透過する素子である。一例として、第2偏光板は、垂直方向の直線偏光を透過し、水平方向の直線偏光を吸収する。
レンズ310は、画像光50を拡散して画像を拡大する素子である。レンズ310は、例えば、単一の両凸レンズであってよく、-5~+2の範囲内の任意の値のジオプタ(diopter、メートル単位の焦点距離の値の逆数)を有するよう設計されている。レンズ310は、その表示器側の一面に画像光50の少なくとも一部を透過又は反射する第2透過反射面の一例であるハーフミラー面311を有する。ハーフミラー面311は、中心からの距離に応じて曲面角度の変化量が連続的に増大又は減少する曲面、特に非球面である。
図2Aに、レンズ310のハーフミラー面(HM)311の面形状の一例を示す。ここで、実線は、ハーフミラー面(HM)311の非球面形状を面径に対する面位置Zにより示す。破線は、ハーフミラー面(HM)311の曲面角度の変化量Δθを面径に対して示す。ハーフミラー面311の面形状は、中心から外側に離れるほど面位置Zがずれるが、曲面角度の変化量Δθは中心から外側に離れるほど減少傾向を呈し、一例として中心から外縁にかけて1.1度から0.4度まで連続的に減少する。
図2Bに、レンズ310のハーフミラー面(HM)311での反射後の光束コーン角特性の一例を示す。ここで、実線は、ハーフミラー面(HM)311で反射した後の光束コーン角を反射位置に対して示す。ただし、反射前の光束の幅は5mm、コーン角度は無限遠条件(平行)と設定した。破線は、ハーフミラー面(HM)311で反射した後の光束コーン角の変化量の推移を反射位置に対して示す。光束コーン角は、ハーフミラー面311の中心から外側に離れるほど小さく、変化量は増加傾向になっている。
ハーフミラー面311の曲面角度の変化量Δθが中心から外側に離れるほど減少傾向になっていることで、ハーフミラー面311で反射した後の光束コーン角の変化量は中心から外側に離れるほど増加傾向になる。これにより、ハーフミラー面311を光軸方向に移動して画像光50のハーフミラー面311上での反射位置を面径方向に変えることで、像面湾曲を補正することが可能となる。
なお、レンズ310に代えて、複数のレンズ、例えば両凸レンズ及び凹メニスカスレンズを含む光学素子を組み合わせて画像光50にレンズ作用を及ぼすレンズ素子を採用してもよい。
制御装置390は、光学装置100の構成各部を制御する装置である。制御装置390は、例えば筐体400内に含まれる回転モータ、アクチュエータ等(不図示)により後述する移動装置410のカバーホルダ430を回転させてフィルタ320を光軸L方向に駆動してよい。
また、制御装置390は、光学系300の状態、例えば光学系300のジオプタに応じて画像の歪補正値を変更する。例えば、トリプルパス型の光学系300では、虚像が糸巻き歪曲する傾向にある。そこで、制御装置390は、表示器110に、光学系300による糸巻き歪曲が相殺される量の樽型に歪曲した画像を表示させることで歪曲を補正する。ここで、光学系300の歪曲を事前にカメラ等を用いて測定し、これを相殺する樽型歪曲した画像を生成するための歪曲量を歪補正値として制御装置390に記憶させる。光学系300による歪曲の程度がジオプタ毎に異なる場合、ジオプタ毎に歪曲を測定し、歪補正値を制御装置390に記憶させる。制御装置390は、光学系300のジオプタに応じた歪補正値を表示器110に入力して、その歪補正値に応じた樽型歪曲の画像を表示器110に表示させることで、ユーザにより選択されたジオプタの歪曲を補正する。
移動装置410は、レンズ310(特にハーフミラー面311)に対してフィルタ320(特に反射型偏光板321)を光軸Lに沿って移動する装置である。移動装置410により、レンズ310に対してフィルタ320を移動してそれらの間での画像光50の光路の折返し長さを変えることで、拡大虚像の位置を変えることができる。移動装置410の構成の詳細については後述する。
筐体400は、表示器110、回折光学素子200、光学系300、及び移動装置410を収容する。
光学装置100が表示器110の画像光50をユーザの眼30に導く原理について説明する。
表示器110は、無偏光の画像光50を生成し、出力する。画像光50を無偏光とすることで、色収差を補正するための第1GPHに画像光50を通す際に輝度むらを防止することができる。
表示器110から出力された画像光50は、回折光学素子200に入射する。回折光学素子200内で、画像光50は、まず第1GPH素子に入る。それにより、無偏光の画像光50の±1次回折光の一方が左回りの円偏光として拡散して出力されるとともに、他方が右回りの円偏光として集光して出力される。画像光50は、次に、第1λ/4板に入る。それにより、左回りの円偏光の画像光50は水平方向の直線偏光に変調され、右回りの円偏光の画像光50は垂直方向の直線偏光に変調される。画像光50は、次に、CSFに入る。それにより、特定波長域の水平方向の直線偏光の画像光50は垂直方向の直線偏光に変調され、特定波長域外の垂直方向の直線偏光の画像光50とともに出力される。特定波長域の垂直方向の直線偏光の画像光50は水平方向の直線偏光に変調され、後に第1偏光板により除去される。それにより、波長域に応じて、第1GPH素子から出力される拡散光及び集束光のいずれかが回折光学素子200から出力される、つまり波長域に応じて光路が変更されることで、色収差が補正される。以降、CSFから出力される垂直方向の直線偏光の画像光50についてのみ説明する。
画像光50は、次に、第2λ/4板に入る。それにより、垂直方向の直線偏光の画像光50は左回りの円偏光に変調される。画像光50は、次に、第2GPH素子に入る。それにより、左回り円偏光の画像光50は、集光作用を受けつつ右回りの円偏光に変調される。画像光50は、次に、第3λ/4板に入る。それにより、右回りの円偏光の画像光50は垂直方向の直線偏光に変調される。画像光50は、次に、第1偏光板に入る。垂直方向の直線偏光の画像光50は第1偏光板を透過し、水平方向の直線偏光の不要光は第1偏光板により吸収される。画像光50は、次に、第4λ/4板に入る。それにより、垂直方向の直線偏光の画像光50は左回りの円偏光に変調される。画像光50は、このように左回りの円偏光に変調され且つ色収差が補償されて回折光学素子200からアイポイント側に出力される。
なお、本実施形態に係る光学装置100では、回折光学素子200内の第1λ/4板及びCSF素子により垂直方向の直線偏光に変調された画像光50を利用し、水平方向の直線偏光に変調された画像光50を不要光として第1偏光板により除去することとしたが、これに代えて、回折光学素子200内の第1λ/4板及びCSF素子により水平方向の直線偏光に変調された画像光50を利用し、垂直方向の直線偏光に変調された画像光50を不要光として第1偏光板により除去することとしてもよい。
回折光学素子200から出力された画像光50は、光学系300に入る。光学系300内で、画像光50は、まずレンズ310に入射する。それにより、偏光状態によることなく、半分の強度の画像光50がハーフミラー面311を透過し、レンズ作用を受けて拡大してアイポイント側に出力されるとともに、残りの半分の強度の画像光50がハーフミラー面311で反射される。
画像光50は、次にフィルタ320に入射する。フィルタ320内で、画像光50は、まず第5λ/4板に入る。それにより、左回りの円偏光の画像光50は水平方向の直線偏光に変調される。画像光50は、次に反射型偏光板に入る。それにより、水平方向の直線偏光の画像光50は反射される。画像光50は、再度、第5λ/4板に入る。それにより、水平方向の直線偏光の画像光50は右回りの円偏光に変調される。画像光50は、このようにフィルタ320により反射されて表示器側に出力される。
画像光50は、レンズ310にアイポイント側から入射する。それにより、画像光50は、半分の強度の画像光50がレンズ作用を受けて拡大され且つハーフミラー面311で反射されてアイポイント側に出力されるとともに、残りの半分の強度の画像光50はハーフミラー面311を透過する。
画像光50は、再度フィルタ320に入射する。フィルタ320内で、画像光50は、まず第5λ/4板に入る。それにより、右回りの円偏光の画像光50は垂直方向の直線偏光に変調される。画像光50は、次に反射型偏光板に入る。垂直方向の直線偏光の画像光50は反射型偏光板を透過する。画像光50は、次に第2偏光板に入る。垂直方向の直線偏光の画像光50は第2偏光板を透過し、水平方向の直線偏光の不要光は第2偏光板により吸収される。拡散された画像光50は、フィルタ320からアイポイント側に出力される。
このように、画像光50は、光学系300内で一度レンズ310を通った後、フィルタ320により反射されてレンズ310を往復することで、レンズ310によるレンズ作用をさらに受けて拡大され、アイポイント側に出力され、そしてユーザの眼30に導かれる。
図3A、図3B、図3Cに、それぞれ、移動装置410の全体構成、分解構成、及び組み立て状態を示す。移動装置410は、第1ホルダ440、第2ホルダ420、カバーホルダ430、及びシールリング439を含む。なお、図面右側を表示器側、図面左側をアイポイント側とする。また、移動装置410の中心軸は、光学系300の光軸Lに重なっている。
第1ホルダ440は、表示器110、回折光学素子200、光学系300のレンズ310を保持する固定部材である。第1ホルダ440は、底面442を有する円筒状に成形され、内面のアイポイント側に段部441、外面の表示器側の端部に外向きに張り出すフランジ443、フランジ443の外面を周回する凸部446、底面442の中央に矩形状の開口444、外面上に光軸Lに平行に延びる2つのガイド445が形成されている。なお、ガイド445は、2つに限らず1つ又は3つ以上形成されてもよい。
表示器110は、第1ホルダ440の表示器側の端面上に、その表示画面を開口444内に位置するように固定される。回折光学素子200は、底面442上に支持されるように、第1ホルダ440内に固定される。レンズ310は、その縁部が段部441上に支持されるように、第1ホルダ440のアイポイント側の端部に固定される。このように、表示器110、回折光学素子200、レンズ310は、光軸L方向に関するそれらの相対位置関係を維持して第1ホルダ440に保持される。
第2ホルダ420は、光学系300のフィルタ320を保持して第1ホルダ440に対して駆動可能に支持される可動部材である。第2ホルダ420は、第1ホルダ440の外径より若干大きい内径を有する円筒状に成形され、内面のアイポイント側から内向きに張り出す支持面421が形成されている。フィルタ320は、支持面421により支持されて、その中央部を第2ホルダ420のアイポイント側の開口内に位置決めされる。さらに、第2ホルダ420には、3つのカムピン428が外面上に互いに周方向に離間して形成され、光軸Lに平行に延びるガイド溝425が内面上に形成され、第2ホルダ420の内外を連ねる孔部429が支持面421に形成されている。
カバーホルダ430は、カバー433を保持して第1ホルダ440に対して回動する可動部材である。カバーホルダ430は、第2ホルダ420の外径より若干大きい内径を有する円筒状に成形され、内面のアイポイント側に凸部が内向きに張り出して段部431が形成されている。アイポイント側の開口からカバーホルダ430内に透光性のカバー433が嵌入され、段部431上に支持される。さらに、カバーホルダ430には、表示器側の端部から光軸L方向に延び、向きを変えて螺旋状に延びる3つのカム溝432が、内面上に互いに周方向に離間して形成されている。また、カバーホルダ430には、内面の表示器側に周回する2つの溝436,437が形成されている。
シールリング439は、ゴム等の弾性部材からリング状に形成された部材である。シールリング439は、カバーホルダ430の溝436に嵌入され、移動装置410内部をシールする。
移動装置410は、次のように組み立てられる。まず、第1ホルダ440の外面上のガイド445を第2ホルダ420の内面上のガイド溝425に入れつつ、レンズ310を保持した第1ホルダ440のアイポイント側の端部を、第2ホルダ420の表示器側の開口からその内部に挿入する。次いで、シールリング439を、カバーホルダ430の溝436に嵌入する。そして、第2ホルダ420の外面上の3つのカムピン428をそれぞれカバーホルダ430の内面上の3つのカム溝432に挿入し、フィルタ320を保持した第2ホルダ420のアイポイント側の端部を、カバーホルダ430の表示器側の開口からその内部に挿入し、さらに第1ホルダ440の凸部446をカバーホルダの溝437に嵌入する。それにより、カバーホルダ430が第1ホルダ440に対して回動するよう支持されるとともに、カバー433を保持したカバーホルダ430とレンズ310等を保持した第1ホルダ440とにより画定される移動装置410の内部空間内に、フィルタ320を保持した第2ホルダ420が光軸L方向に駆動可能(図3Cの矢印参照)に収容される。
図4に、移動装置410の内部構成を、第2ホルダ420に設けられた孔部429を中心に示す。カバーホルダ430の内面と第1ホルダ440の外面との間にシールリング439が挟まれることで、移動装置410の内部空間がシールされる。第2ホルダ420に形成された孔部429により、カバー433とフィルタ320との間の空間とフィルタ320とレンズ310との間の空間とが連なり、フィルタ320の移動に伴い、一方の空間から他方の空間にエアーが移動する(矢印参照)。
図5A、図5B、及び図5Cに、移動装置410によるフィルタ移動の原理を示す。上述のように構成された移動装置410において、カバーホルダ430を第1ホルダ440に対して回動すると、カバーホルダ430の内面に設けられたカム溝432内を第2ホルダ420の外面に形成されたカムピン428がガイドされ且つ第2ホルダのガイド溝425内を第1ホルダ440のガイド445がガイドされ、それにより第2ホルダ420がカバーホルダ430及び第1ホルダ440の間で光軸L方向に駆動される。
図5Aに示すように、カバーホルダ430をアイポイント側から表示器側をみて時計周りに回動すると、カバーホルダ430の内面に設けられたカム溝432内を第2ホルダ420の外面に形成されたカムピン428がガイドされ且つ第2ホルダのガイド溝425内を第1ホルダ440のガイド445がガイドされて、フィルタ320を保持する第2ホルダ420がアイポイント側に繰り出される。これにより、フィルタ320は、レンズ310及び表示器110から離間する。このとき、第2ホルダ420の孔部429を介して、カバー433及びフィルタ320の間の空間からフィルタ320及びレンズ310の間の空間に内部のエアーが移動する(図4の右向き矢印参照)。
図5B及び図5Cに示すようにカバーホルダ430を反時計周りに回動すると、カバーホルダ430の内面に設けられたカム溝432内を第2ホルダ420の外面に形成されたカムピン428がガイドされ且つ第2ホルダのガイド溝425内を第1ホルダ440のガイド445がガイドされて、第2ホルダ420が表示器側に退避する。これにより、フィルタ320は、レンズ310及び表示器110に接近する。このとき、第2ホルダ420の孔部429を介して、フィルタ320及びレンズ310の間の空間からカバー433及びフィルタ320の間の空間に内部のエアーが移動する(図4の左向き矢印参照)。従って、移動装置410内のシールが維持され、外部から埃等の異物の侵入を防止することが可能となっている。
このように、移動装置410は、表示器110、回折光学素子200、及びレンズ310(ハーフミラー面311)の相対位置関係を維持し、これらに対してフィルタ320(反射型偏光板321)を相対的に移動させる。カバー433及びこれを保持するカバーホルダ430、表示器110、回折光学素子200、レンズ310、及びこれらを保持する第1ホルダ440、並びにカバーホルダ430と第1ホルダ440との間に設けられるシールリング439により移動装置410内部が気密に保たれ、第2ホルダ420の孔部429を介して、カバー433及びフィルタ320の間の空間とフィルタ320及びレンズ310の間の空間との間で内部のエアーが移動することで、フィルタ320を気密状の空間内で駆動することができる。
なお、カバー433及びフィルタ320の間の空間とフィルタ320及びレンズ310の間の空間との間で内部のエアーを移動することができれば、孔部429は、支持面421に限らず第2ホルダ420の側面に形成してもよい。このとき、孔部429から第2ホルダ420のアイポイント側の端部に延びる溝部を第2ホルダ420の外面上に形成してもよい。また、フィルタ320の縁部に孔部を形成してもよい。また、カバーホルダ430及び第2ホルダ420の間に、さらに第2ホルダ420及び第1ホルダ440の間に、エアーが移動できる程度の間隙を設けてもよい。
光学装置100において、虚像位置に表示される虚像の像面湾曲を光学系300の焦点深度内に収める必要がある。しかし、トリプルパス型の光学系300の場合、焦点深度が浅いため、光学系300のジオプタを変更するとこれに伴って像面湾曲が焦点深度内に収まらなくなるという問題がある。そこで、本実施形態に係る光学装置100では、移動装置410によりレンズ310(ハーフミラー面311)に対してフィルタ320(反射型偏光板321)を光軸Lに沿って移動させ、反射型偏光板321及びハーフミラー面311の間の距離を変えることで像面湾曲を調節し、ジオプタごとに焦点深度内に収まることを可能とする。
図6Aから図6Cに、光学系300のジオプタを一意に設定し、レンズ310(ハーフミラー面311)に対してフィルタ320(反射型偏光板321)を光軸Lに沿って移動させて反射型偏光板321及びハーフミラー面311の間の距離(空間距離又はエアー距離と呼ぶ)aを変えた場合における光線の軌跡及び像面湾曲の変化を示す。ただし、光線逆追跡シミュレーションにより、虚像位置からアイボックスに向けて光線を引き、これをアイボックスで再帰反射させて表示器110に向かう光線の軌跡を辿り、表示上に結像される像面の湾曲を解析した。なお、本例では、光学系300のジオプタを-3とした。各図には、アイボックスから表示器側に水平に反射して表示器110の表示画面の中心に到達する光線(中心光51と呼ぶ)及びアイボックスから表示器側に斜め上方に反射して表示器110の上端に達する光線(周辺光52と呼ぶ)を示す。
図6Aに、エアー距離a=1.65mmの場合における光線の軌跡及び表示器110の表示画面上での像面湾曲を示す。なお、像面湾曲は、光線が最も集束する光軸L方向の位置において示す。ここで、実線はタンジェンシャル面上の像面湾曲を示し、破線はサジタル面上の像面湾曲を示す。ハッチングした領域は光学系300の焦点視度の範囲を表し、この範囲内に像面湾曲が収まっている必要がある。アイボックスから表示器側に水平に反射した中心光51は、フィルタ320を透過し、レンズ310に入りハーフミラー面311の中央で反射し、集光されてアイポイント側に透過し、フィルタ320内の反射型偏光板321にて反射し、レンズ310を透過してさらに集光され、回折光学素子200を介して表示器110の中心に達する。アイボックスから表示器側に斜め上方に反射した周辺光52は、フィルタ320を透過し、レンズ310に入りハーフミラー面311の上側で反射し、集光されてアイポイント側に斜め下方に透過し、フィルタ320内の反射型偏光板321にて反射し、レンズ310を透過してさらに集光され、回折光学素子200を介して表示器110の上端に達する。像面は、表示器110の中心に対して周辺においてアイポイント側で結像する傾向があり、焦点深度の範囲をいくらか超えている。
図6Bに、エアー距離a=1.75mmの場合における光線の軌跡及び表示器110の表示画面上での像面湾曲を示す。アイボックスから表示器側に水平に反射した中心光51は、エアー距離a=1.65mmの場合と同様に集光して、同じ光路を辿って表示器110の中心に達する。アイボックスから表示器側に斜め上方に反射した周辺光52は、フィルタ320を透過し、レンズ310に入りハーフミラー面311のさらに上側で反射し、集光されてアイポイント側に斜め下方に透過し、フィルタ320内の反射型偏光板321にて反射し、レンズ310を透過してさらに集光され、回折光学素子200を介して表示器110の上側に達する。像面湾曲は小さく、焦点深度内に収まっている。
図6Cに、エアー距離a=1.95mmの場合における光線の軌跡及び表示器110の表示画面上での像面湾曲を示す。アイボックスから表示器側に水平に反射した中心光51は、エアー距離a=1.65mmの場合と同様に集光して、同じ光路を辿って表示器110の中心に達する。アイボックスから表示器側に斜め上方に反射した周辺光52は、フィルタ320を透過し、レンズ310に入りハーフミラー面311のさらに上側で反射し、集光されてアイポイント側に斜め下方に透過し、フィルタ320内の反射型偏光板321にて反射し、レンズ310を透過してさらに集光され、回折光学素子200を介して表示器110の上側に達する。像面は、表示器110の中心に対して周辺において表示器側で結像する傾向があり、焦点深度の範囲をいくらか超えている。
図7Aは、光学装置100における光線区間の定義を示す。ここで、光線区間の1は、アイボックスからフィルタ320の出射面までの区間、2は、フィルタ320の入射面からレンズ310の出射面までの区間、3は、レンズ310の出射面からレンズ310の入射面(ハーフミラー面311)までの区間、4は、レンズ310の入射面(ハーフミラー面311)からレンズ310の出射面までの区間、5は、レンズ310の出射面からフィルタ320の入射面までの区間、6は、フィルタ320の入射面からレンズ310の出射面までの区間、7は、レンズ310の出射面からレンズ310の入射面までの区間、8は、レンズ310の入射面から回折光学素子200の出射面までの区間、9は、回折光学素子200の入射面から表示器110の出射面までの区間を示す。なお、図7Aにおいて周辺光52に対して光線区間を定義したが、中心光51についても同様に定義される。
図7Bは、図7Aにおいて定義した光学装置100における光線区間1~9のそれぞれにおける中心光51及び周辺光52のコーン角を示す。中心光51のコーン角は、エアー距離a=1.65,1.75,1.95mmのそれぞれについて等しく、光線区間1及び2においてゼロ、区間3及び4において増大する、すなわちレンズ310内に入ることで広がり、区間5及び6で一定となり、区間7で減少し、区間8で再度増大して、区間9で最大角で表示器110に到達する。周辺光52のコーン角の振る舞いは、中心光51のコーン角と同じである。ただし、周辺光52のコーン角は、周辺光52がレンズ310に入る区間4以降、エアー距離に応じて差が生じる。すなわち、エアー距離が大きいほど、周辺光52がハーフミラー面311の上側に入ることで、コーン角が小さくなり、周辺光52は遠くに集光する。エアー距離が小さいほど、周辺光52がハーフミラー面311の下側に入ることで、コーン角は大きくなり、周辺光52は近くに集光する。
エアー距離を変えることで画面中心での光束集束位置に対して画面周辺の光束集束位置を前後に変えることができ、それにより像面湾曲を調整することができる。なお、図2Bに示すようにコーン角の変化量はハーフミラー面311の周辺ほど大きくなるから、エアー距離を変えることで像面湾曲を補正することができる。
図8に、ジオプタ-5,-3,-1,+2のそれぞれについて、エアー距離に対する像面湾曲の変化を示す。像面湾曲は、エアー距離が増大するにつれて減少し、あるエアー距離で最小を示し、エアー距離がさらに増大するにつれて増大する振る舞いを示す。各ジオプタについて、像面湾曲が最小となるエアー距離がある。従って、ユーザの視度に応じて大まかにジオプタを選択して光学系300を設計し、その光学系300をフィルタ320に対して移動させることでより精密に視度に合わせて像面湾曲を最小化することができることがわかる。
図9に、ジオプタ-5,-3のそれぞれについて、エアー距離に対する表示面位置と表示器発光面位置とのずれ(実線)を、上述の像面湾曲(波線)に重ねて示す。表示面位置(すなわち、表示中心部)は、光線逆追跡シミュレーションにより、虚像位置からアイボックスに向けて光線を引き、これをアイボックスで再帰反射させて表示器110に向かう光線の軌跡を辿ることで算出される。表示器発光面位置は、表示器110の表示画面(すなわち、発光面)の位置であり、本例では、ジオプタ-1に対して像面湾曲が最小になるエアー距離(本実施形態では1.9mm)において虚像位置から光線を逆行した場合の表示面位置を選択した。表示器110及びフィルタ320を固定し、それらに対してレンズ310を移動してエアー距離を変えることで、表示面位置をエアー距離に対して算出した。
ジオプタ-3に対して、像面湾曲が最小になるエアー距離(1.74mm)において表示面位置と表示器発光面位置のずれは0.20mmである。表示面位置が表示器発光面位置からずれることで、像ボケ(すなわち、解像度低下)が起こる。なお、ずれがゼロになる(つまり、表示中心部で像ボケが生じない)エアー距離(1.44mm)では像面湾曲が0.25mmになる。ジオプタ-5に対して、像面湾曲が最小になるエアー距離(1.57mm)において表示面位置と表示器発光面位置のずれは0.43mmである。表示面位置が表示器発光面位置からさらにずれることで、像ボケがさらに大きくなる。なお、ずれがゼロになる(つまり、像ボケが生じない)エアー距離(1mm以下)では像面湾曲が0.35mm以上になる。
このように、表示器110及びフィルタ320を固定し、それらに対してレンズ310を移動してエアー距離を変えると、レンズ310と表示器110との相対距離が変わることで像ボケが生じるため、像ボケを抑えつつ像面湾曲を最小にするのは困難である。従って、表示器110及びレンズ310の相対位置を維持し、それらに対してフィルタ320を移動してエアー距離を変えることで、像ボケを抑えつつ像面湾曲を最小にすることができることがわかる。
本実施形態に係る光学装置100は、画像を形成する画像光50を出力する表示器110、画像を拡大する光学系300であり、表示器110の光軸L上でそれぞれアイポイント側及び表示器側に配列されるフィルタ320(反射型偏光板321)及びレンズ310(ハーフミラー面311)を有し、反射型偏光板321は、画像光50の少なくとも一部を透過又は反射し、ハーフミラー面311は、中心からの距離に応じて曲面角度の変化量が連続的に増大又は減少する非球面状の曲面であり、画像光50の少なくとも一部を透過又は反射する、光学系300、レンズ310(ハーフミラー面311)に対してフィルタ320(反射型偏光板321)を光軸Lに沿って移動する移動装置410を備える。それにより、光学系300が有するフィルタ320及びレンズ310の間で2回光路を折り返すとともに、レンズ310(ハーフミラー面311)により画像を拡大することで、ユーザの視度に応じて拡大虚像の位置を調節することが可能となる。
また、本実施形態に係る光学装置100における光学系300及び移動装置410は、ユーザの視力に応じて拡大虚像の位置を調節する視度光学系及び視度調整機構の一例であり、光学装置100は、これらを備えることにより、小型軽薄で視度調整範囲において高い光学性能を有する。
なお、本実施形態に係る光学装置100は、表示器110、回折光学素子200、及びレンズ310(ハーフミラー面311)が相対位置関係を維持して固定され、移動装置410により、これらに対してフィルタ320(反射型偏光板321)を相対的に移動させる構成を採用したが、これに代えて、移動装置により、表示器110、回折光学素子200、及びレンズ310(ハーフミラー面311)の相対位置関係を維持しつつ、フィルタ320(反射型偏光板321)に対して相対的に移動させる構成を採用してもよい。斯かる場合、例えば、フィルタ320を筐体のアイポイント側の一面に固定し、内部の気密空間内に、表示器110、回折光学素子200、及びレンズ310(ハーフミラー面311)を保持するホルダを駆動可能に収容してよい。ここで、ホルダに孔部を設ける、或いは外面上に溝部を設けて、ホルダの移動に伴って気密空間内のエアーがホルダの一側から他側に移動するように構成してもよい。これにより、筐体内のシールが維持され、外部から埃等の異物の侵入を防止することが可能となる。
なお、図9にジオプタ-5,-3のそれぞれについて、エアー距離に対する像面湾曲(波線)及び表示面位置と表示器発光面位置とのずれ(実線)を示したように、ジオプタ-3に対して、像面湾曲が最小になる最適エアー距離は1.74mmであり、ジオプタ-1の最適エアー距離1.9mmから0.16mmだけレンズ310が動いたところになるのに対して、そのときの表示面位置と表示器発光面位置とのずれは0.20mmであるので、レンズ310及び表示器110が相対位置関係を維持して移動したうえでさらにそれらが0.04mm近づくことで最適状態となる。ジオプタ-5についても同様に、像面湾曲が最小になる最適エアー距離は1.57mmであり、ジオプタ-1の最適エアー距離1.9mmから0.33mmだけレンズ310が動いたところになるのに対して、そのときの表示面位置と表示器発光面位置とのずれは0.43mmであるので、レンズ310及び表示器110が相対位置関係を維持して移動したうえでさらにそれらが0.1mm近づくことで最適状態となる。そこで、本実施形態に係る光学装置100では、表示器110及びレンズ310を相対位置関係を維持し、それらに対してフィルタ320を駆動する構成を採用したが、表示器110及びレンズ310を相対位置関係を変えつつそれらに対してフィルタ320を駆動する構成を採用してもよい。
図10A、図10B、図10Cに、それぞれ、変形例に係る移動装置410dの全体構成、分解構成、及び組み立て状態を示す。移動装置410dは、第1ホルダ440、第2ホルダ420、カバーホルダ430、第3ホルダ460、カバーホルダ450、及びシールリング439,459を含む。なお、図面右側を表示器側、図面左側をアイポイント側とする。また、移動装置410dの中心軸は、光学系300の光軸Lに重なっている。
第1ホルダ440は、回折光学素子200、光学系300のレンズ310を保持する固定部材である。第1ホルダ440は、底面442を有する円筒状に成形され、内面のアイポイント側に段部441、外面の表示器側の端部に外向きに張り出し且つ表示器側に延びるフランジ443、フランジ443の外面を周回する凸部446,447、底面442の中央に矩形状の開口444、外面上に光軸Lに平行に延びる2つのガイド445、底面442の外縁から光軸Lに平行に延びる2つのガイド(不図示)が形成されている。なお、ガイド445は、2つに限らず1つ又は3つ以上形成されてもよい。
回折光学素子200は、底面442上に支持されるように、第1ホルダ440内に固定される。レンズ310は、その縁部が段部441上に支持されるように、第1ホルダ440のアイポイント側の端部に固定される。このように、回折光学素子200、レンズ310は、光軸L方向に関するそれらの相対位置関係を維持して第1ホルダ440に保持される。
第2ホルダ420は、光学系300のフィルタ320を保持して第1ホルダ440に対して駆動可能に支持される可動部材である。第2ホルダ420は、先述のそれと同様に構成される。
カバーホルダ430は、カバー433を保持して第1ホルダ440に対して回動する可動部材である。カバーホルダ430は、先述のそれと同様に構成される。
第3ホルダ460は、表示器110を保持する固定部材である。第3ホルダ460は、側面が傾斜する凹部を表示器側に含んで円盤状に成形され、凹部の底面中央に矩形状の開口464が形成されている。また、表示器110は、第3ホルダ460の凹部の底面上に、その表示画面を開口464内に位置するように固定される。さらに、第3ホルダ460には、3つのカムピン468が外面上に互いに周方向に離間して形成され、光軸Lに平行に延びるガイド溝465がアイポイント側に形成された円環状の凹部の内面上に形成され、第3ホルダ460のアイポイント側と表示器側とを連ねる孔部469が形成されている。
カバーホルダ450は、カバー453を保持して第1ホルダ440に対して回動する可動部材である。カバーホルダ430は、第3ホルダ460の外径より若干大きい内径を有する円筒状に成形され、表示器側の端部に段部451が形成されている。表示器側からカバーホルダ450内にカバー453が嵌入され、段部451上に支持される。さらに、カバーホルダ450には、表示器側の端部から光軸L方向に延び、向きを変えて螺旋状に延びる3つのカム溝452が、内面上に互いに周方向に離間して形成されている。また、カバーホルダ450には、内面の表示器側に周回する2つの溝456,457が形成されている。
シールリング439,459は、ゴム等の弾性部材からリング状に形成された部材である。シールリング439,459は、カバーホルダ430,450の溝436,456に嵌入され、移動装置410d内部をシールする。
移動装置410dは、次のように組み立てられる。まず、第1ホルダ440の外面上のガイド445を第2ホルダ420の内面上のガイド溝425に入れつつ、レンズ310を保持した第1ホルダ440のアイポイント側の端部を、第2ホルダ420の表示器側の開口からその内部に挿入する。次いで、シールリング439を、カバーホルダ430の溝436に嵌入する。次いで、第2ホルダ420の外面上の3つのカムピン428をそれぞれカバーホルダ430の内面上の3つのカム溝432に挿入し、フィルタ320を保持した第2ホルダ420のアイポイント側の端部を、カバーホルダ430の表示器側の開口からその内部に挿入し、さらに第1ホルダ440の凸部446をカバーホルダ430の溝437に嵌入する。次いで、第1ホルダ440の表示器側のガイド(不図示)を第3ホルダ460のガイド溝465に入れつつ、表示器110を保持した第3ホルダ440のアイポイント側の端部を、第1ホルダ440のフランジ443内に挿入する。そして、第3ホルダ460の外面上の3つのカムピン468をそれぞれカバーホルダ450の内面上の3つのカム溝452に挿入し、表示器110を保持した第3ホルダ460の表示器側の端部を、カバーホルダ450のアイポイント側の開口からその内部に挿入し、さらに第1ホルダ440の凸部447をカバーホルダ450の溝457に嵌入する。それにより、カバーホルダ430及びカバーホルダ450が第1ホルダ440に対して回動するよう支持されるとともに、カバー433を保持したカバーホルダ430とカバー453を保持したカバーホルダ450とレンズ310等を保持した第1ホルダ440とにより画定される移動装置410dの内部空間内に、フィルタ320を保持した第2ホルダ420及び表示器110を保持した第3ホルダ460が光軸L方向に駆動可能(図10Cの矢印参照)に収容される。
図11に、移動装置410dの内部構成を、第2ホルダ420に設けられた孔部429及び第3ホルダ460に設けられた孔部469を中心に示す。カバーホルダ430の内面と第1ホルダ440の外面との間にシールリング439が挟まれ、カバーホルダ450の内面と第1ホルダ440の外面との間にシールリング459が挟まれることで、移動装置410dの内部空間がシールされる。第2ホルダ420に形成された孔部429により、カバー433とフィルタ320との間の空間とフィルタ320とレンズ310との間の空間とが連なり、フィルタ320の移動に伴い、一方の空間から他方の空間にエアーが移動するとともに(矢印参照)、第3ホルダ460に形成された孔部469により、カバー453及び表示器110との間の空間と表示器110及び第1ホルダ440との間の空間とが連なり、表示器110の移動に伴い、一方の空間から他方の空間にエアーが移動する(矢印参照)。
図12A、図12B、及び図12Cに、移動装置410dによるフィルタ移動及び表示器移動の原理を示す。なお、フィルタ移動の原理は移動装置410における原理と同じであり、上述のように構成された移動装置410dにおいて、カバーホルダ430を第1ホルダ440に対して回動すると、カバーホルダ430の内面に設けられたカム溝432内を第2ホルダ420の外面に形成されたカムピン428がガイドされ且つ第2ホルダのガイド溝425内を第1ホルダ440のガイド445がガイドされ、それにより第2ホルダ420がカバーホルダ430及び第1ホルダ440の間で光軸L方向に駆動される。さらに、カバーホルダ450を第1ホルダ440に対して回動すると、カバーホルダ450の内面に設けられたカム溝452内を第3ホルダ460の外面に形成されたカムピン468がガイドされ且つ第3ホルダのガイド溝465内を第1ホルダ440のガイドがガイドされ、それにより第3ホルダ460がカバーホルダ450及び第1ホルダ440の間で光軸L方向に駆動される。
図12Aに示すように、カバーホルダ430をアイポイント側から表示器側をみて時計周りに回動すると、カバーホルダ430の内面に設けられたカム溝432内を第2ホルダ420の外面に形成されたカムピン428がガイドされ且つ第2ホルダのガイド溝425内を第1ホルダ440のガイド445がガイドされて、フィルタ320を保持する第2ホルダ420がアイポイント側に繰り出される。これにより、フィルタ320は、レンズ310から離間する。このとき、第2ホルダ420の孔部429を介して、カバー433及びフィルタ320の間の空間からフィルタ320及びレンズ310の間の空間に内部のエアーが移動する(図11の右向き矢印参照)。さらに、カバーホルダ450を時計周りに回動すると、カバーホルダ450の内面に設けられたカム溝452内を第3ホルダ460の外面に形成されたカムピン468がガイドされ且つ第3ホルダのガイド溝465内を第1ホルダ440のガイドがガイドされて、表示器110を保持する第3ホルダ460がアイポイント側に退避する。これにより、表示器110は、レンズ310に接近する。このとき、第3ホルダ460の孔部469を介して、表示器110及び第1ホルダ440の間の空間からカバー453及び表示器110の間の空間に内部のエアーが移動する(図11の右向き矢印参照)。
図12B及び図12Cに示すようにカバーホルダ430を反時計周りに回動すると、カバーホルダ430の内面に設けられたカム溝432内を第2ホルダ420の外面に形成されたカムピン428がガイドされ且つ第2ホルダのガイド溝425内を第1ホルダ440のガイド445がガイドされて、第2ホルダ420が表示器側に退避する。これにより、フィルタ320は、レンズ310に接近する。このとき、第2ホルダ420の孔部429を介して、フィルタ320及びレンズ310の間の空間からカバー433及びフィルタ320の間の空間に内部のエアーが移動する(図11の左向き矢印参照)。さらに、カバーホルダ450を反時計周りに回動すると、カバーホルダ450の内面に設けられたカム溝452内を第3ホルダ460の外面に形成されたカムピン468がガイドされ且つ第3ホルダのガイド溝465内を第1ホルダ440のガイド445がガイドされて、第3ホルダ460が表示器側に繰り出す。これにより、表示器110は、レンズ310から離間する。このとき、第3ホルダ460の孔部469を介して、カバー453及び表示器110の間の空間から表示器110及び第1ホルダ440の間の空間に内部のエアーが移動する(図11の左向き矢印参照)。従って、移動装置410d内のシールが維持され、外部から埃等の異物の侵入を防止することが可能となっている。
なお、カバーホルダ430及びカバーホルダ450をそれぞれ第1ホルダ440に対して独立に回動することで、フィルタ320及び表示器110をレンズ310に対してそれぞれ独立に移動させることができる。また、カバーホルダ430及びカバーホルダ450を第1ホルダ440に対して同期して回動することで、フィルタ320及び表示器110をそれらの相対位置を維持してレンズ310に対して移動させることもできる。さらに、カバーホルダ430及びカバーホルダ450を同期して回転することでフィルタ320とレンズ310との距離及びレンズ310と表示器110との距離の組合せが、ジオプタごとに常に自動的で最適になるよう、カバーホルダ430及びカバーホルダ450の回転に対するフィルタ320及び表示器110の移動量をフィルタ320側と表示器110側とでそれぞれ設定してもよい。
このように、移動装置410dは、レンズ310(ハーフミラー面311)に対してフィルタ320(反射型偏光板321)及び表示器110をそれぞれ相対的に移動させる。カバー433及びこれを保持するカバーホルダ430、レンズ310を保持する第1ホルダ440、カバーホルダ430と第1ホルダ440との間に設けられるシールリング439、カバー453及びこれを保持するカバーホルダ450、カバーホルダ450と第1ホルダ440との間に設けられるシールリング459により移動装置410d内部が気密に保たれ、第2ホルダ420の孔部429を介して、カバー433及びフィルタ320の間の空間とフィルタ320及びレンズ310の間の空間との間で内部のエアーが移動し、さらに、第3ホルダ460の孔部469を介して、カバー453及び表示器110の間の空間と表示器110及び第1ホルダ440の間の空間との間で内部のエアーが移動することで、フィルタ320を気密状の空間内で駆動することができる。
なお、本実施形態に係る光学装置100は、表示器110の画像光50を拡大してユーザの片眼30に導き、拡大虚像の位置を調整する。つまり、光学装置100は、回折光学素子200及び光学系300を左眼及び右眼の一方の眼30についてのみ備える。斯かる構成の光学装置100、すなわち回折光学素子200及び光学系300を、両眼30のそれぞれについて設けることで両眼用光学装置を構成してもよい。
なお、本実施形態に係る光学装置100は、没入型の仮想現実(VR)技術を採用して表示器110の画像光50を拡大してユーザの眼30に導くよう構成したが、拡張現実(AR)技術を採用して表示器110の画像光50と外光とを重畳してユーザの眼30に導くよう構成してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
30…眼(片眼、両眼)、39…アイポイント、50…画像光、51…光線(中心光)、52…光線(周辺光)、100…光学装置、110…表示器、200…回折光学素子、300…光学系、310…レンズ、311…ハーフミラー面、320…フィルタ、321…反射型偏光板、390…制御装置、400…筐体、410,410d…移動装置、421…支持面、425,465…ガイド溝、428,468…カムピン、429,469…孔部、430,450…カバーホルダ、431,441,451…段部、432,452…カム溝、433,453…カバー、436,437,456,457…溝、439,459…シールリング、442…底面、443…フランジ、444,464…開口、445…ガイド、446,447…凸部、L…光軸。

Claims (16)

  1. 画像の拡大虚像を生成する光学装置であって、
    画像を形成する画像光を出力する表示器と、
    前記画像を拡大する光学系であり、前記光学系の光軸上でそれぞれアイポイント側及び表示器側に配列される第1透過反射面及び第2透過反射面を有し、前記第1透過反射面及び前記第2透過反射面のそれぞれが、前記画像光の少なくとも一部を透過又は反射する、前記光学系と、
    前記第2透過反射面に対して、前記第1透過反射面を前記光軸に沿って移動する移動装置であり、前記表示器及び前記第2透過反射面を保持する第1ホルダと、該第1ホルダに対して、前記第1透過反射面を保持して駆動可能に支持される第2ホルダと、前記第1透過反射面を前記第1ホルダとの間に収容するカバーと、を含む、前記移動装置と、を備え、
    前記第2ホルダは、前記カバーと前記第1透過反射面との間の空間と、前記第1透過反射面と前記第2透過反射面との間の空間と、を連通する穴部、溝部、及び/又は前記カバーとの間の間隙を有する、光学装置。
  2. 前記カバーは、前記第1ホルダとの間に設けられるシール部材を有する、請求項1に記載の光学装置。
  3. 前記第1透過反射面は、前記第2透過反射面を透過した前記画像光の少なくとも一部を反射するとともに、前記第2透過反射面で反射した前記画像光の少なくとも一部を透過する、請求項1又は2に記載の光学装置。
  4. 前記第1透過反射面は、互いに直交する直線偏光の一方を反射し、他方を透過する偏光素子である、請求項3に記載の光学装置。
  5. 前記第2透過反射面は、前記表示器から送られる前記画像光の少なくとも一部を透過するとともに、前記第1透過反射面で反射して戻る前記画像光の一部を反射する、請求項1から4のいずれか一項に記載の光学装置。
  6. 前記第2透過反射面は、ハーフミラー面である、請求項5に記載の光学装置。
  7. 前記光学系は、さらに、レンズ素子を有し、
    前記第2透過反射面は、前記レンズ素子の前記表示器側の一面に設けられる、請求項1から6のいずれか一項に記載の光学装置。
  8. 前記第2透過反射面は、中心からの距離に応じて曲面角度の変化量が連続的に増大又は減少する非球面状の曲面である、請求項1から7のいずれか一項に記載の光学装置。
  9. 前記第2透過反射面の曲面角度の変化量は、前記中心から外縁にかけて1.1度から0.4度まで連続的に減少する、請求項8に記載の光学装置。
  10. 前記第1ホルダは、前記表示器及び前記第2透過反射面の相対位置関係を維持する、請求項1から9のいずれか一項に記載の光学装置。
  11. 前記移動装置は、さらに、前記第2透過反射面に対して前記表示器を前記光軸に沿って移動し、前記第1ホルダは、前記表示器及び前記第2透過反射面をそれぞれ保持して互いに接近及び離間する2つの副ホルダを有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の光学装置。
  12. 画像の拡大虚像を生成する光学装置であって、
    画像を形成する画像光を出力する表示器と、
    前記画像を拡大する光学系であり、前記光学系の光軸上でそれぞれアイポイント側及び表示器側に配列される第1透過反射面及び第2透過反射面を有し、前記第1透過反射面は、前記画像光の少なくとも一部を透過又は反射し、前記第2透過反射面は、中心からの距離に応じて曲面角度の変化量が連続的に増大又は減少する非球面状の曲面であり、前記画像光の少なくとも一部を透過又は反射する、光学系と、
    前記第2透過反射面に対して、前記第1透過反射面を前記光軸に沿って移動する移動装置と、
    を備える光学装置。
  13. 前記移動装置は、前記表示器及び前記第2透過反射面の相対位置関係を維持しつつ、前記第1透過反射面を移動する、請求項12に記載の光学装置。
  14. 前記第1透過反射面は、互いに直交する直線偏光の一方を反射し、他方を透過する偏光素子である、請求項12又は13に記載の光学装置。
  15. 前記第2透過反射面は、ハーフミラー面である、請求項12から14のいずれか一項に記載の光学装置。
  16. 前記光学系は、さらに、レンズ素子を有し、
    前記第2透過反射面は、前記レンズ素子の前記表示器側の一面に設けられる、請求項12から15のいずれか一項に記載の光学装置。
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