JP7153159B1 - ストリーム視聴解析システム、ストリーム視聴解析方法およびプログラム - Google Patents

Abstract

【課題】積極的に視聴チャンネルが固定されていない視聴者や時間帯を抽出することができ、適切な視聴実態を把握することができるストリーム視聴解析システム、ストリーム視聴解析方法およびプログラムを提供することを目的とする。【解決手段】浮動抽出部４３は、視聴履歴から、視聴ストリームが固定されていない視聴者である浮動視聴者と視聴時間帯である浮動時間帯とのいずれか一方または両方を抽出する。レコメンド部４４は、浮動抽出部４３により抽出された浮動視聴者と浮動時間帯とのいずれか一方または両方をストリーム配信対象として、種々のレコメンドを実行する。属性特定部４５では、浮動抽出部４３により浮動視聴者が抽出される場合において、浮動視聴者の属性を特定する。また、レコメンド部４４は、属性特定部４５により特定された浮動視聴者の属性の集合体を特定浮動視聴者として特定して、後述する各種レコメンドを行う。【選択図】図２

Description

本発明は、放送を介してストリームを送信する放送ストリーム送信における視聴を解析するストリーム視聴解析システムに関する。

従来、この種の視聴履歴分析システムとしては、下記特許文献１に示すように、
放送波により送信される複数の放送話で構成されるシリーズ番組を含む放送番組を受信する各視聴装置から、放送番組を視聴した履歴である視聴履歴と各視聴装置を個別に識別する各識別情報とを収集する収集部と、各視聴履歴と各識別情報とを解析対象とする解析部とを備え、視聴履歴から、各視聴装置に対してシリーズ番組の放送話が視聴された割合である視聴割合を算出し、視聴割合が一定条件を満たす視聴装置の割合である装置割合に従って、シリーズ番組のランクを決定し、シリーズ番組の少なくともランクおよび装置割合を示す可視化用のデータを出力するデータを得るシステムである。

特開２０２０－１９１５８７号公報

かかる従来の視聴履歴分析システムでは、視聴履歴を解析して求めたシリーズ番組ごとの、解析条件「全体（1回でも見た）」、「７割以上視聴」それぞれに対する装置割合である総合接触率が表示される。

ここで、「全体（1回でも見た）」と「７割以上視聴」の棒グラフの差は、シリーズ番組を視聴した割合（視聴割合）が７割未満である視聴装置の装置割合を意味し、この割合は、シリーズ番組をたまたま視聴しただけなどの浮動層の割合に相当すると考えることができる。「７割以上視聴」の装置割合を固定層の割合とすると、シリーズ番組に対する固定層と浮動層の関係がわかりやすい。

また、例えば、２つの棒グラフの差が大きいシリーズ番組は、“そのシリーズ番組がたまたま視聴されていた可能性が大きい”といったことや、“途中で視聴をやめた視聴者が多かった可能性が大きい”といったことがわかり、この情報を番組制作に利用することができる。

一方で、シリーズ番組については、特定の閾値（７回以上視聴）を設けることで固定層を分離して、残りを浮動層と位置付けることはできても、積極的に視聴チャンネルが固定されていない視聴者や時間帯を抽出することは困難であった。

以上の事情に鑑みて、本発明は、少なくとも放送ストリームが送信される場合にその視聴実態を適切に把握することができるストリーム視聴解析システム、ストリーム視聴解析方法およびプログラムを提供することを目的とする。

第１発明のストリーム視聴解析システムは、放送を介してストリームを送信する放送ストリーム送信における視聴を解析するストリーム視聴解析システムにおいて、
前記放送を介して前記ストリームを受信する放送ストリーム受信手段の視聴履歴から視聴ストリームが固定されていない視聴者である浮動視聴者と視聴ストリームが固定されていない視聴時間帯である浮動時間帯とのいずれか一方または両方を抽出する浮動抽出部と、
前記浮動抽出部により抽出された前記浮動視聴者と前記浮動時間帯とのいずれか一方または両方をストリーム配信対象として特定するレコメンド部と
を備えることを特徴とする。

第１発明のストリーム視聴解析システムによれば、放送ストリーム受信手段の視聴履歴からは、どのチャンネル、どの時間帯、どの番組（広告）を見ているかが把握されるため、かかる視聴履歴から視聴番組がある期間・曜日などで、視聴チャンネルが固定されていない視聴者を浮動視聴者として、また、視聴チャンネルが固定されていない時間帯を浮動時間帯として積極的に抽出することができる。

そして、抽出した浮動視聴者や浮動時間帯を各種ストリーム配信対象となるターゲットとして捉えることが可能となる。

例えば、浮動時間帯の場合は、全員に向けて放送や配信される中で、その時間帯を特定するものであり、全員をターゲットとするものである。また、浮動視聴者の場合は、例えば、視聴履歴（視聴ログ）のユーザＩＤで特定される特定視聴者を配信対象としてターゲットにするものである。さらに、両方（浮動時間帯の浮動視聴者）の場合は、特定視聴者に対して、上記時間帯を配信対象とするものである。

このように、第１発明のストリーム視聴解析システムによれば、積極的に視聴チャンネルが固定されていない視聴者や時間帯を抽出することができ、適切な視聴実態を把握することができる。

なお、視聴履歴は、放送ストリーム受信手段の視聴履歴に基づくものであれば、実データのほか、視聴履歴にデータ処理（例えば、個人分離処理など）を施したデータ（疑似サンプル）や疑似標本であってもよい。

第２発明のストリーム視聴解析システムは、第１発明において、
前記浮動抽出部は、特定時間帯について何らかのストリームの視聴はあるが、前記視聴ストリームの視聴の割合が低い視聴者である非視聴者を抽出すると共に、該視聴の割合が高い視聴者である固定層を抽出することにより、
浮動視聴者＝母集団－非視聴者（非視聴者の集合）－固定層（固定層の集合）
として、浮動視聴者（浮動視聴者の集合）を抽出することを特徴とする。

第２発明のストリーム視聴解析システムによれば、単に、特定の閾値（例えば、先行技術文献のように７回以上視聴）を設けて、固定層と浮動層を分離する場合と異なり、特定時間帯について何らかのストリームの視聴はあるが、視聴ストリームの視聴の割合が低い視聴者である非視聴者を抽出して、母集団から除外しておくことで、どちら付かずの非視聴者を母集団から除くことができる。

非視聴者が除かれた新たな母集団から、特定時間帯において視聴ストリームの割合が高い視聴者である固定層することで、真の浮動視聴者を抽出することができる。

なお、補足すると、固定層(その固定時間帯)は、視聴が固定化、習慣化しているので、同じ時間帯の他の番組や、新しい番組に興味が移りにくいという傾向がある。一方で、浮動層(その浮動時間帯)は、その時間帯に既存の番組を移動させたり、新しい番組を編成するときに興味を持ってもらえる可能性が考えられるため、番組編成の参考となる情報となるとの知見に基づいて、レコメンド部よる各種レコメンドの対象としている。

また、視聴の割合がそもそも少ない層である非視聴者を考慮しないと、非視聴者の影響が大きくなり（非視聴者に引っ張られることになり）、正確に上記効果を期待できるような時間帯を抽出するうえで分析に足りないという結果になり兼ねないところ、本発明ではかかる非視聴者を考慮することでその影響を低減してより実態に即した真の浮動視聴者を抽出することができる。

このように、第２発明の視聴ストリーム解析システムによれば、積極的に視聴チャンネルが固定されていない真の視聴者や時間帯を抽出することができ、適切な視聴実態を把握することができる。

第３発明のストリーム視聴解析システムは、第１または第２発明において、
前記浮動抽出部により浮動視聴者が抽出される場合において、前記浮動視聴者の属性を特定する属性特定部を備え、
前記レコメンド部は、前記属性特定部により特定された前記浮動視聴者の属性の集合体を特定浮動視聴者として特定することを特徴とする。

第３発明のストリーム視聴解析システムによれば、視聴履歴に対して、各種アンケート調査等により浮動視聴者に対して属性（例えば、ドラマ好きやスポーツ好き）を特定することができる。そして、特定した浮動視聴者の属性の集合体である特定浮動視聴者を特定することで、特定浮動視聴者にマッチしたレコメンド部による各種レコメンド（例えば、番組編成）が可能となる。

このように、第３発明のストリーム視聴解析システムによれば、積極的に視聴チャンネルが固定されていない視聴者や時間帯を、その視聴者の属性を考慮して抽出することができ、適切な視聴実態を把握することができる。

第４発明のストリーム視聴解析システムは、第３発明において、
前記レコメンド部は、前記特定浮動視聴者の浮動時間帯を特定浮動時間帯として特定することを特徴とする。

第４発明のストリーム視聴解析システムによれば、具体的に、属性が付与された特定浮動視聴者の視聴データを解析することで、特定浮動視聴者が浮動となる時間帯を特定浮動時間帯として特定することができる。

このように、第４発明のストリーム視聴解析システムによれば、積極的に視聴チャンネルが固定されていない視聴者や時間帯を、その視聴者の属性を考慮して抽出することができ、これを基により適切な視聴実態を把握することができる。

第５発明のストリーム視聴解析システムは、第４発明において、
前記レコメンド部は、前記特定浮動視聴者と前記特定浮動時間帯とのいずれか一方または両方に基づいて、前記放送ストリーム送信におけるストリーム編成を変更するレコメンドを行うことを特徴とする。

第５発明のストリーム視聴解析システムによれば、特定浮動視聴者の視聴データを解析することで、具体的に、レコメンド部は、特定浮動視聴者に合わせたストリーム編成や特定浮動視聴者がが浮動となる時間帯である特定浮動時間帯に合わせたストリーム編成のレコメンドが可能となる。

このように、第５発明のストリーム視聴解析システムによれば、属性が付与された特定浮動視聴者の視聴実態を把握することができる、これに合わせたストリーム編成が可能となる。

第６発明のストリーム視聴解析システムは、第１または第２発明において、
前記放送ストリーム送信に加えて、ネットワークを介してストリームを送信するＩＰストリーム送信とが実行されるストリーム送信において、
前記レコメンド部は、前記浮動抽出部により抽出された前記浮動視聴者と前記浮動時間帯とのいずれか一方または両方を前記ＩＰストリーム送信の配信対象として特定することを特徴とする。

第６発明のストリーム視聴解析システムによれば、特に、視聴データが少なく視聴実態の把握が困難なＩＰストリーム配信に対して、放送ストリームの視聴データにより構成した浮動視聴者や浮動時間帯からのレコメンドが可能となる。

このように、第６発明のストリーム視聴解析システムによれば、放送ストリームの視聴データから積極的に視聴チャンネルが固定されていない視聴者や時間帯を抽出することができ、放送ストリームの視聴データに基づく適切な視聴実態から、ＩＰストリーム配信への展開が可能となり、ＩＰストリーム配信のサービスを向上させることができる。

第７発明のストリーム視聴解析方法は、放送を介してストリームを送信する放送ストリーム送信における視聴を解析するストリーム視聴解析方法において、
前記放送を介して前記ストリームを受信する放送ストリーム受信手段の視聴履歴から視聴ストリームが固定されていない視聴者である浮動視聴者と視聴ストリームが固定されていない視聴時間帯である浮動時間帯とのいずれか一方または両方を抽出する浮動抽出工程と、
前記浮動抽出工程により抽出された前記浮動視聴者と前記浮動時間帯とのいずれか一方または両方をストリーム配信対象として特定するレコメンド工程と
を備えることを特徴とする。

第７発明のストリーム視聴解析方法によれば、放送ストリーム受信手段の視聴履歴からは、どのチャンネル、どの時間帯、どの番組（広告）を見ているかが把握されるため、かかる視聴履歴から視聴番組がある期間・曜日などで、視聴チャンネルが固定されていない視聴者を浮動視聴者として、また、視聴チャンネルが固定されていない時間帯を浮動時間帯として積極的に抽出することができる。

そして、抽出した浮動視聴者や浮動時間帯を各種ストリーム配信対象となるターゲットとして捉えることが可能となる。

このように、第７発明のストリーム視聴解析方法によれば、積極的に視聴チャンネルが固定されていない視聴者や時間帯を抽出することができ、適切な視聴実態を把握することができる。

第８発明のプログラムは、放送を介してストリームを送信する放送ストリーム送信における視聴を解析するプログラムであって、
コンピュータに、
前記放送を介して前記ストリームを受信する放送ストリーム受信手段の視聴履歴から視聴ストリームが固定されていない視聴者である浮動視聴者と視聴ストリームが固定されていない視聴時間帯である浮動時間帯とのいずれか一方または両方を抽出させ、
抽出された前記浮動視聴者と前記浮動時間帯とのいずれか一方または両方をストリーム配信対象として特定してレコメンドさせることを特徴とする。

第８発明のプログラムによれば、放送ストリーム受信手段の視聴履歴からは、どのチャンネル、どの時間帯、どの番組（広告）を見ているかが把握されるため、かかる視聴履歴から視聴番組がある期間・曜日などで、視聴チャンネルが固定されていない視聴者を浮動視聴者として、また、視聴チャンネルが固定されていない時間帯を浮動時間帯として積極的に抽出することができる。

そして、抽出した浮動視聴者や浮動時間帯を各種ストリーム配信対象となるターゲットとして捉えることが可能となる。

このように、第８発明のプログラムによれば、積極的に視聴チャンネルが固定されていない視聴者や時間帯を抽出することができ、適切な視聴実態を把握することができる。

本実施形態のストリーム視聴解析システムの概要を示すシステム構成図。 図１のストリーム視聴解析システムにおける各処理部の詳細を示すブロック図。

図１に示すように、本実施形態のストリーム視聴解析システムは、例えば、放送を介してストリームを送信する放送ストリーム送信と、ネットワーク（ユニキャストが望ましいが、ユニキャストのほかマルチキャストであってもよい）を介して該ストリームを送信するＩＰストリーム送信とが実行されるストリーム送信におけるストリームの視聴を解析するシステムであって、放送ストリームの送信を行うＴＶ放送局１０と、ＩＰストリームの送信を行うＩＰ放送局２０と、放送ストリームおよびＩＰストリームの受信を行う受信機３０（本発明の放送ストリーム受信手段に相当する）と、集計サーバ４０と、放送側の広告枠取引システム１００と、ＩＰ配信側の広告枠取引システム２００とを備える。

図２を参照して、以下、各処理部の詳細を説明する。

放送ストリームの送信を行うＴＶ放送局１０は、送出部１１と、符号部１３と、時計１６と、打刻部１７とを備える。

送出部１１は、いわゆる放送としての伝送を行う。なお、伝送路は、地上放送に限らず衛星放送やケーブルテレビのほか、ＴＶ放送局１０で管理されるものであればIＰ再送信やマルチキャストであってもよい。また、送出部１１は、伝送に際して多重化等の処理を行う。

符号部１３は、映像・音声・データなどの情報源の符号化を行う。なお、符号化に際しては暗号化を合わせて行い、後述する復号に必要な鍵情報も復号部で生成・管理される。この場合、鍵情報は、定期的に送出部１１から送信される。

時計１６は、いわゆる内部時計であり、この場合は、送信基準時刻（放送時刻）となる基準時計となる。

打刻部１７は、映像・音声・データなどの符号化された情報源を送信する際に時計１６の送信基準時刻（放送時刻）を付与する。

ＩＰストリームの送信を行うＩＰ放送局２０は、配信部２１と、符号部２３と、時計２６と、打刻部２７とを備える。

配信部２１は、いわゆるＩＰネットワーク配信のほかインターネット配信としての伝送を行う。

符号部２３は、映像・音声・データなどの情報源をＩＰネットワーク配信のために符号化する。なお、符号化に際しては暗号化を合わせて行い、後述する復号に必要な鍵情報も復号部で生成・管理される。この場合、鍵情報は、定期的に配信部２１から送信される。

時計２６は、いわゆる内部時計である。

打刻部２７は、映像・音声・データなどの情報源をＩＰネットワーク配信する際に、時計２６の時刻を該情報源に付与する。

受信機３０は、受信部３１と、バッファ部３２と、復号部３３と、再生部３４と、判定部３５と、時計３６と、記録部３７と、通信部３８とを備える。

受信部３１は、通信のインタフェースとして放送ストリームおよびＩＰストリームとして受信を行う。なお、受信部３１は、受信と併せて、伝送された放送ストリームデータおよびＩＰストリームデータが多重化されている場合には、多重分離など必要な処理を行う。これにより、チャンネル（例えば、１０１ｃｈなど）が取得される。

バッファ部は、受信部３１により受信された放送ストリームデータおよびＩＰストリームデータを一時的に蓄積する。これにより、一時的なデータの欠損があっても、後述する復号部３３による安定した復号が可能となる。

復号部３３は、ＴＶ放送局１０の符号部１３より符号化された映像・音声・データなどの情報源の符号を復号する処理を行うと共に、ＩＰ放送局２０の符号部２３より符号化された映像・音声・データなどの情報源の符号を復号する処理を行う。なお、復号部３３は、符号化に際しては暗号化が行われている場合には、復号に必要な鍵情報の抽出など必要な処理も併せて実行する。

再生部３４は、復号部３３より復号された映像・音声・データの再生処理を行う。

判定部３５は、いわゆる視聴率測定機としての機能を有する。すなわち、受信機３０の再生部３４により再生されたストリームを識別判定して、いわゆる視聴履歴（視聴ログ）を生成する。

なお、判定部３５は、受信機３０の外部に構成されてもよい。例えば、いわゆる視聴率測定機のように、受信機３０の再生部３４により再生されたストリームを識別判定する装置であってもよい。

また、判定部３５は、再生されたストリームの識別に加えて、視聴している個人を識別する機能を有してもよい。例えば、受信機３０の近傍にいるユーザを近距離通信（ユーザのスマートホンとのビーコンによる通信）により個人やユーザＩＤの特定を行うほか、リモコン入力の際にユーザを特定するボタン操作を伴うリモコン入力により個人やユーザＩＤの特定を行うように構成してもよい。

時計３６は、受信機３０の内部時計である。

記録部３７は、各種情報の記録を行う。例えば、受信部３１により取得されたチャンネル情報、再生部３４により再生された映像・音声・データに時計３６が計時する内部時計の時刻を付して記録するほか、復号部３３により復号して取得する送信基準時刻や、判定部３５による判定結果である視聴履歴を記憶する。

通信部３８は、ネットワークを介した外部サーバ等との接続のインタフェースであって、例えば、記録部３７に記録された情報の送信や外部サーバからのデータの取得等が可能となっている。

集計サーバ４０は、集計部４１と、蓄積部４２と、浮動抽出部４３と、レコメンド部４４と、属性特定部４５とを備える。

集計部４１および蓄積部４２は、受信機３０の判定部３５の判定結果である視聴履歴（受信機ＩＤ、ユーザＩＤ、世帯ＩＤおよび視聴時刻を含む）を集計し、蓄積部３０７にその集計した視聴履歴を蓄積する。

なお、ユーザＩＤは、ユーザによって受信機Ｘに入力され、また、世帯ＩＤは、集計サーバにおいて世帯単位に発番され、受信機Ｘに割り当てられる。

集計部４１は、視聴率を含む視聴実態の各種分析を行う。例えば、集計部４１は、視聴実態の分析として、番組の接触や広告の接触を、世帯ごと、ユーザごと、受信機ごとに集計する。

浮動抽出部４３は、視聴履歴から、視聴ストリームが固定されていない視聴者である浮動視聴者と視聴時間帯である浮動時間帯とのいずれか一方または両方を抽出する。

なお、浮動抽出部４３が用いる視聴履歴は、受信機３０の視聴履歴（視聴ログ）に基づくものであれば、実データのほか、視聴履歴にデータ処理（例えば、個人分処理など）を施したデータ（疑似サンプル）や疑似標本であってもよい。

レコメンド部４４は、浮動抽出部４３により抽出された浮動視聴者と浮動時間帯とのいずれか一方または両方をストリーム配信対象として、種々のレコメンドを実行する。

属性特定部４５は、集計部４１による各種分析結果などの対象視聴者に対して、その属性を特定して付与する。

特に、本実施形態の属性特定部４５では、浮動抽出部４３により浮動視聴者が抽出される場合において、浮動視聴者の属性を特定する。また、レコメンド部４４は、属性特定部４５により特定された浮動視聴者の属性の集合体を特定浮動視聴者として特定して、後述する各種レコメンドを行う。

放送側の広告枠取引システム１００と、ＩＰ配信側の広告枠取引システム２００とは、それぞれ放送ストリームおよびＩＰストリームにおけるＣＭなどの広告の取引を行うシステムである。本実施形態では、特に、放送側の広告枠取引システム１００およびＩＰ配信側の広告枠取引システム２００を介して、レコメンド部４４から広告購入者や広告購入希望者に対する各種レコメンドが実行される。

以上が本実施形態のストリーム視聴解析システムの構成である。なお、以上の構成において、ＴＶ放送局１０と、ＩＰ放送局２０と、受信機３０と、集計サーバ４０との各処理部は、それぞれ例えば、ＣＰＵ（Central Processing Unit）、ＲＯＭ（Read Only memory）、ＲＡＭ（Random Access Memory）等のハードウェアにより構成され、後述する各種処理を実行するプログラムをメモリ（不図示）に記憶保持し、そのプログラムを実行することにより、各種処理を実行するための演算装置（シーケンサ）として機能する。

また、ＴＶ放送局１０と、ＩＰ放送局２０と、受信機３０と、集計サーバ４０の一部または全部は、他のサーバ（外部サーバ）により構成し、分散処理によりストリーム視聴解析システムを実現してもよい。

次に、説明を後回しにした浮動抽出部４３と、レコメンド部４４と、属性特定部４５との処理内容を説明する。

浮動抽出部４３は、視聴履歴から、特定時間帯について何らかのストリームの視聴はあるが、視聴ストリームの視聴の割合が低い視聴者である非視聴者（非視聴者の集合・グループ）を抽出すると共に、該視聴の割合が高い視聴者である固定層（固定層の集合・グループ）として抽出する（本発明の浮動抽出工程に相当する）。

より具体的に、浮動抽出部４３は、ある期間において(例12週)、同曜日・同時間帯・同局をx％以上(例60％)、視聴ありがy回(例 6回)以上である視聴者を固定層として抽出する。

また、浮動抽出部４３は、同じ期間において、同曜日・同時間帯をx％以上視聴ありがz回(例2回)以下である視聴者を非視聴者として抽出する。

そして、浮動抽出部４３は、視聴履歴の母集団から、非視聴者および固定層を除くことで、浮動視聴者（浮動視聴者の集合・グループ）を抽出する。

すなわち、浮動抽出部４３は、
浮動視聴者＝母集団－非視聴者（非視聴者の集合・グループ）－固定層（固定層の集合・グループ）
として、浮動視聴者（浮動視聴者の集合・グループ）を抽出する。

ここで、母集団は、調査（分析）対象全体、すなわち調査（分析）対象者の全員であり、調査（分析）対象は、地域や期間や対象者（性別・年代をはじめとする各種属性別の対象者）を適宜限定してもよい。

そして、浮動抽出部４３は、抽出した浮動視聴者の割合が所定の閾値（例30％）以上、または固定層の割合より多い場合である時間帯を浮動時間帯として抽出する。

ここで、固定層が０、または０に近い場合は、(非視聴者を除くと)ほとんどが、浮動視聴者となり、この場合が、（浮動視聴者の抽出を不要としてダイレクトに）浮動時間帯として抽出する。

なお、補足すると、固定層(その固定時間帯)は、視聴が固定化、習慣化しているので、同じ時間帯の他の番組や、新しい番組に興味が移りにくいという傾向がある。一方で、浮動層(その浮動時間帯)は、その時間帯に既存の番組を移動させたり、新しい番組を編成するときに興味を持ってもらえる可能性が考えられるため、番組編成の参考となる情報となるとの知見に基づいて、レコメンド部４４よる以下の各種レコメンドを実行している。

また、視聴の割合がそもそも少ない層である非視聴者を考慮しないと、非視聴者の影響が大きくなり（非視聴者に引っ張られることになり）、正確に上記効果を期待できるような時間帯を抽出するうえで分析に足りないという結果になり兼ねないところ、本実施形態のストリーム視聴解析システムではかかる非視聴者を考慮することでその影響を低減してより実態に即した真の浮動視聴者を抽出している。

このようにして抽出された浮動視聴者は、潜在視聴者とみなすことができ、浮動時間帯は、潜在視聴時間帯、特に、ＩＰストリームを視聴する確率が高い時間帯とみなすことができる。そのため、レコメンド部４４が、各種レコメンドを行う（本発明のレコメンド工程に相当する）。

例えば、レコメンド部４４は、かかる浮動視聴者および浮動時間帯をＴＶ放送局１０およびＩＰ放送局２０にフィードバックする。これにより、ＴＶ放送局１０およびＩＰ放送局２０は、これらの情報に基づいて、番組編成や番組内容の検討を行うことが可能となる。

また、レコメンド部４４は、かかる浮動視聴者および浮動時間帯を放送側の広告枠取引システム１００およびＩＰ配信側の広告枠取引システム２００にフィードバックする。これにより、放送側の広告枠取引システム１００およびＩＰ配信側の広告枠取引システム２００は、放送ストリームおよびＩＰストリームにおけるＣＭなどの広告の出稿の検討のほか、ＣＭの差し替えなどを検討を行うことが可能となる。

次に、属性特定部４５は、浮動抽出部４３により抽出された浮動視聴者である浮動視聴者の属性を特定する。属性の特定は種々の方法が採用される。例えば、各種アンケート調査などにより得られる生活者データ（生活者属性情報）と、視聴履歴に付与されているユーザ情報とのデータフュージョン（データ連携）により、以下のような属性情報を得ることができる。

＜ペルソナ像描写目線＞
・日常生活意識の俯瞰
・趣味・レジャー活動
・自由時間の過ごし方
・よく見るテレビ番組や動画ジャンル

＜マーケティング活用目線＞
・商品関与
・各メディア（テレビ・デジタル・その他）利用実態
・情報・購買意識

＜コミュニケーション目線＞
・広告への反応や意識特性
・各メディアで期待できる態度変容の推計
・広告出稿による接触実態把握

属性特定部４５による、かかる属性情報から、浮動抽出部４３は、さらに、特定の属性（例えば、よく見るテレビ番組や動画ジャンルから、ドラマ好きやスポーツ好きなど）の集合体を特定浮動視聴者として抽出する。

また、浮動抽出部４３は、抽出した特定浮動視聴者（ドラマ好きやスポーツ好きなどの集合体）を母集団として、その浮動時間帯である特定浮動時間帯を抽出する。例えば、ドラマ好きやスポーツ好きは、何曜日、いつの時間帯は浮動時間帯であるといった抽出が可能となる。

レコメンド部４４は、かかる特定浮動視聴者および特定浮動時間帯をＴＶ放送局１０およびＩＰ放送局２０にフィードバックする。これにより、ＴＶ放送局１０およびＩＰ放送局２０は、これらの情報に基づいて、番組編成や番組内容の検討を行うことが可能となる。

例えば、ドラマや、スポーツの専門チャンネルがあるときに、その浮動時間帯により魅力的な番組を配置するようなことを検討するうえでの参考に資することができる。

また、レコメンド部４４は、かかる特定浮動視聴者および特定浮動時間帯を放送側の広告枠取引システム１００およびＩＰ配信側の広告枠取引システム２００にフィードバックする。これにより、放送側の広告枠取引システム１００およびＩＰ配信側の広告枠取引システム２００は、放送ストリームおよびＩＰストリームにおけるＣＭなどの広告の出稿の検討のほか、ＣＭの差し替えなどを検討を行うことが可能となる。

すなわち、放送側またはＩＰ配信側の広告枠取引システムで、特定浮動視聴者、および特定浮動時間帯（逆に、浮動時間帯でないところを示して対象としてもよい）を、広告買い付けの参考となる、特定浮動視聴者の視聴動向に関する情報の提供とすることができる。

以上詳しく説明したように本実施形態のストリーム視聴解析システムによれば、積極的に視聴チャンネルが固定されていない視聴者や時間帯を抽出することができ、適切な視聴実態を把握することができる。

なお、本実施形態において、受信機３０は、ＴＶ放送局１０からのストリーム受信とＩＰ放送局２０からのストリーム受信との両方が可能である受信機である場合について説明したが、必ずしも同一端末である必要はない。

すなわち、ＴＶ放送局１０からのストリーム受信のみが可能な受信機３０に基づく視聴履歴から、集計サーバ４０（浮動抽出部４３、レコメンド部４４、属性特定部４５）による処理を行ってもよく、ＩＰ放送局２０からのストリーム受信のみが可能な受信機３０に基づく視聴履歴から、集計サーバ４０（浮動抽出部４３、レコメンド部４４、属性特定部４５）による処理を行ってもよい。

１０…ＴＶ放送局、１１…ＴＶ放送局の送出部、１３…ＴＶ放送局の符号部、１６…ＴＶ放送局の時計、１７…ＴＶ放送局の打刻部、２０…ＩＰ放送局、２１…ＩＰ放送局の配信部、２３…ＩＰ放送局の符号部、２６…ＩＰ放送局の時計、２７…ＩＰ放送局の打刻部、３０…受信機、３１…受信部、３２…バッファ部、３３…復号部、３４…再生部、３５…判定部、３６…時計、３７…記録部、３８…通信部、４０…集計サーバ、４１…集計部、４２…蓄積部、４３…浮動抽出部、４４…レコメンド部、４５…属性特定部、１００…放送側の広告枠取引システム、２００…ＩＰ配信側の広告枠取引システム。

Claims (8)

1. 放送を介してストリームを送信する放送ストリーム送信における視聴を解析するストリーム視聴解析システムにおいて、
   前記放送を介して前記ストリームを受信する放送ストリーム受信手段の視聴履歴から視聴ストリームが固定されていない視聴者である浮動視聴者と視聴ストリームが固定されていない視聴時間帯である浮動時間帯とのいずれか一方または両方を抽出する浮動抽出部と、
   前記浮動抽出部により抽出された前記浮動視聴者と前記浮動時間帯とのいずれか一方または両方をストリーム配信対象として特定するレコメンド部と
   を備えることを特徴とするストリーム視聴解析システム。
2. 請求項１記載のストリーム視聴解析システムにおいて、
   前記浮動抽出部は、特定時間帯について何らかのストリームの視聴はあるが、前記視聴ストリームの視聴の割合が低い視聴者である非視聴者を抽出すると共に、該視聴の割合が高い視聴者である固定層を抽出することにより、
   浮動視聴者＝母集団－非視聴者－固定層
   として、浮動視聴者を抽出することを特徴とするストリーム視聴解析システム。
3. 請求項１または２記載のストリーム視聴解析システムにおいて、
   前記浮動抽出部により浮動視聴者が抽出される場合において、前記浮動視聴者の属性を特定する属性特定部を備え、
   前記レコメンド部は、前記属性特定部により特定された前記浮動視聴者の属性の集合体を特定浮動視聴者として特定することを特徴とするストリーム視聴解析システム。
4. 請求項３記載のストリーム視聴解析システムにおいて、
   前記レコメンド部は、前記特定浮動視聴者の浮動時間帯を特定浮動時間帯として特定することを特徴とするストリーム視聴解析システム。
5. 請求項４記載のストリーム視聴解析システムにおいて、
   前記レコメンド部は、前記特定浮動視聴者と前記特定浮動時間帯とのいずれか一方または両方に基づいて、前記放送ストリーム送信におけるストリーム編成を変更するレコメンドを行うことを特徴とするストリーム視聴解析システム。
6. 請求項１または２記載のストリーム視聴解析システムにおいて、
   前記放送ストリーム送信に加えて、ネットワークを介してストリームを送信するＩＰストリーム送信とが実行されるストリーム送信において、
   前記レコメンド部は、前記浮動抽出部により抽出された前記浮動視聴者と前記浮動時間帯とのいずれか一方または両方を前記ＩＰストリーム送信の配信対象として特定することを特徴とするストリーム視聴解析システム。
7. 放送を介してストリームを送信する放送ストリーム送信における視聴を解析するストリーム視聴解析方法において、
   前記放送を介して前記ストリームを受信する放送ストリーム受信手段の視聴履歴から視聴ストリームが固定されていない視聴者である浮動視聴者と視聴ストリームが固定されていない視聴時間帯である浮動時間帯とのいずれか一方または両方を抽出する浮動抽出工程と、
   前記浮動抽出工程により抽出された前記浮動視聴者と前記浮動時間帯とのいずれか一方または両方をストリーム配信対象として特定するレコメンド工程と
   を備えることを特徴とするストリーム視聴解析方法。
8. 放送を介してストリームを送信する放送ストリーム送信における視聴を解析するプログラムであって、
   コンピュータに、
   前記放送を介して前記ストリームを受信する放送ストリーム受信手段の視聴履歴から視聴ストリームが固定されていない視聴者である浮動視聴者と視聴ストリームが固定されていない視聴時間帯である浮動時間帯とのいずれか一方または両方を抽出させ、
   抽出された前記浮動視聴者と前記浮動時間帯とのいずれか一方または両方をストリーム配信対象として特定してレコメンドさせることを特徴とするプログラム。

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