JP7152893B2 - 車両の制御装置及び車両の制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の制御装置及び車両の制御方法に関する。
特許文献1には、車両停止中にアイドリングストップを行う際に、より燃費を向上させるため、車両の停止直前にエンジン自動停止を行うコーストストップ制御が開示されている。
特許文献1では、コーストストップ制御の許可条件の一例として、以下のような条件が示されている。
a:アクセルペダルから足が離されている(アクセルオフ、アクセル開度APO=0)
b:ブレーキペダルが踏み込まれている(ブレーキオン、ブレーキ液圧が所定値以上)
c:車速が所定の低車速(例えば、15km/h以下)
特開2012-51468号公報
例えば、渋滞や駐車動作など停車や低車速での走行を繰り返す状況では、ドライバーが意図しない頻繁なコーストストップ制御が実行されることがある。このように頻繁にコーストストップ制御が実行されると、ドライバーに違和感を与えるおそれがある。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、頻繁にコーストストップ制御が実行されることを抑制することを目的とする。
本発明のある態様によれば、車両の制御装置は、車両の走行中に駆動源の自動停止を行う第1コーストストップ制御の次に車両の走行中に駆動源の自動停止を行う第2コーストストップ制御を実行可能な制御部を有し、制御部は、第1コーストストップ制御の実行後にインターバルを設け、インターバルの完了後に第1所定車速を超えるまで前記第2コーストストップ制御の実行の禁止し、インターバルの間にレンジ変更があった場合はインターバルを延長することを特徴とする。
この態様によれば、頻繁にコーストストップ制御が実行されることを抑制できる。
本発明の実施形態に係る車両の概略構成図である。 本発明の実施形態に係るコースストップ制御のフローチャートである。 本発明の実施形態に係るコースストップ制御のタイミングチャートの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るコースストップ制御のタイミングチャートの一例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、車両100の概略構成図である。車両100は、エンジン1と、自動変速機3と、オイルポンプ5と、駆動輪6と、制御装置としてのコントローラ10と、を備える。
エンジン1は、ガソリン、軽油等を燃料とする内燃機関であり、走行用駆動源として機能する。エンジン1は、コントローラ10からの指令に基づいて、回転速度、トルク等が制御される。
自動変速機3は、トルクコンバータ2と、締結要素31と、バリエータ30と、油圧コントロールバルブユニット40(以下では、単に「バルブユニット40」ともいう。)と、オイル(作動油)を貯留するオイルパン32と、を備える。
トルクコンバータ2は、エンジン1と駆動輪6の間の動力伝達経路上に設けられる。トルクコンバータ2は、流体を介して動力を伝達する。また、トルクコンバータ2は、ロックアップクラッチ2aを締結することで、エンジン1からの駆動力の動力伝達効率を高めることができる。
締結要素31は、トルクコンバータ2とバリエータ30の間の動力伝達経路上に配置される。締結要素31は、図示しない前進クラッチ及び後進ブレーキを備える。締結要素31は、コントローラ10からの指令に基づき、オイルポンプ5の吐出圧を元圧としてバルブユニット40によって調圧されたオイルによって制御される。締結要素31としては、例えば、ノーマルオープンの湿式多板クラッチが用いられる。
バリエータ30は、締結要素31と駆動輪6との間の動力伝達経路上に配置され、車速やアクセル開度等に応じて変速比を無段階に変更する。バリエータ30は、プライマリプーリ30aと、セカンダリプーリ30bと、両プーリ30a,30bに巻き掛けられたベルト30cと、を備える。プーリ圧によりプライマリプーリ30aの可動プーリとセカンダリプーリ30bの可動プーリとを軸方向に動かし、ベルト30cのプーリ接触半径を変化させることで、変速比を無段階に変更する。なお、プライマリプーリ30aに作用するプーリ圧及びセカンダリプーリ30bに作用するプーリ圧は、オイルポンプ5からの吐出圧を元圧としてバルブユニット40によって調圧される。
バリエータ30のセカンダリプーリ30bの出力軸には、図示しない終減速ギヤ機構を介してディファレンシャル12が接続される。ディファレンシャル12には、ドライブシャフト13を介して駆動輪6が接続される。
オイルポンプ5は、エンジン1の回転がベルトを介して伝達されることによって駆動される。オイルポンプ5は、例えばベーンポンプによって構成される。オイルポンプ5は、オイルパン32に貯留されるオイルを吸い上げ、バルブユニット40にオイルを供給する。バルブユニット40に供給されたオイルは、各プーリ30a,30bの駆動や、締結要素31の駆動、自動変速機3の各要素の潤滑などに用いられる。
コントローラ10は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ10は、複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。具体的には、コントローラ10は、自動変速機3を制御するATCU、シフトレンジを制御するSCU、エンジン1の制御を行うECU等によって構成することもできる。なお、本実施形態における制御部とは、コントローラ10の後述するコーストストップ制御を実行する機能を仮想的なユニットとしたものである。
コントローラ10には、エンジン1の回転速度を検出する第1回転速度センサ51、トルクコンバータ2の出力側であるタービンの回転速度(タービン回転速度Nt)を検出する第2回転速度センサ52、締結要素31の出力回転速度Nout(=プライマリプーリ30aの回転速度)を検出する第3回転速度センサ53、セカンダリプーリ30bの回転速度を検出する第4回転速度センサ54、車速Vを検出する車速センサ55、バリエータ30のセレクトレンジ(前進、後進、ニュートラル及びパーキングを切り替えるセレクトレバー又はセレクトスイッチの状態)を検出するインヒビタスイッチ56、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ57、ブレーキの踏力を検出する踏力センサ58等、からの信号が入力される。コントローラ10は、入力されるこれら信号に基づき、エンジン1及び自動変速機3の各種動作を制御する。
コントローラ10は、燃料消費量を抑制するために、以下に説明するコーストストップ制御を行う。
コーストストップ制御とは、車両100が低車速域(例えば、10~30km/h)で走行している間、エンジン1を自動的に停止(コーストストップ)させて燃料消費量を抑制する制御である。アクセルオフ時に実行される燃料カット制御とは、エンジン1への燃料供給が停止される点で共通するが、ロックアップクラッチ2aを解放してエンジン1と駆動輪6との間の動力伝達経路を絶ち、エンジン1の回転を完全に停止させる点において相違する。なお、アクセルオフ時に実行される燃料カット制御は、ロックアップクラッチ2aが解放されると解除され、エンジン1の自立状態を維持するために燃料噴射が再開される。
コーストストップ制御を実行するにあたっては、コントローラ10は、まず、以下に示すコーストストップ条件(a)~(d):
(a):アクセルペダルから足が離されている(アクセル開度APO=0)
(b):ブレーキペダルが踏み込まれている(ブレーキ踏力またはブレーキ圧が所定値以上)
(c):車速が第2所定車速Vp以下
(d):第1所定車速Ve以上を経験
を判断する。
(a)~(c)の条件は、運転者に停車意図があるかを判断するための条件であり、(d)の条件は、頻繁にコーストストップ制御が実行されることを抑制するための条件である。コントローラ10は、これらの条件(a)~(d)が全て成立した場合に、コントローラ10は、コーストストップ条件成立と判断する。
第1所定車速Veは、渋滞中(若しくは、駐車中)において徐行しているときにコーストストップ制御(エンジン停止)が実行されないようにするため、徐行速度(例えば、4km/h)よりも大きい速度で且つなるべく小さい速度に設定される。
第1所定車速Veを徐行速度との乖離が小さすぎる値に設定すると、渋滞中(若しくは、駐車中) にコーストストップ制御が実行される可能性が高まるので、ある程度徐行速度との乖離を大きく設定することが望ましい。よって、例えば、第1所定車速Veは、徐行速度より大きく、10~30km/hの範囲で適宜設定される。なお、第1所定車速Veの設定値が小さいほど、渋滞中(若しくは、駐車中)以外のときにコーストストップ制御の実行頻度を上げることができ燃費の向上に貢献することになるので好ましい。
第2所定車速Vpは、10~30km/hの間で任意の値にそれぞれ設定される。第1所定車速Ve及び第2所定車速Vpは、上記範囲内にあれば同じ値であっても異なる値であってもよい。
ところで、例えば、渋滞などでは、車両100が低車速で加速減速を繰り返しながら走行することがある。このとき、条件(a)~(c)だけであると、頻繁にコーストストップ制御が実行され、ドライバーに違和感を与えるおそれがある。そこで、上述のように、上記条件(d)(第1所定車速Ve以上を経験すること)を加えることによって、コーストストップ制御が頻繁に実行されることを抑制している。しかしながら、渋滞中であっても一時的に車速が第1所定車速Veを超えてしまうことが多々ある。このため、コーストストップ制御の成立条件に条件(d)を含めても、コーストストップ制御が頻繁に実行されることを充分には抑制できていなかった。
そこで、本実施形態では、コーストストップ制御が頻繁に実行されることをさらに抑制するために、コーストストップ制御の実行後にインターバル(所定の間隔)を設けている。以下に、本実施形態のコーストストップ制御について、図2、図3及び図4を参照しながら、具体的に説明する。
図2には、本実施形態のコーストストップ制御の流れを示すフローチャートである。本実施形態のコーストストップ制御は、コントローラ10にあらかじめ記憶されたプログラムを実行することにより行われる。
ステップS1では、前回のコースストップ制御後インターバルが完了したか否かを判定する。具体的には、コントローラ10は、前回のコースストップ制御の終了後、所定時間Tが経過したか否かを判定する。前回のコースストップ制御が終了してから所定時間Tが経過していればステップS2に進み、前回のコースストップ制御が終了してから所定時間Tが経過していなければ、ステップS5に進む。
ステップS2では、インターバル完了後、第1所定車速Veを経験したか否かを判定する。具体的には、コントローラ10は、前回のコースストップ制御が終了してから所定時間Tが経過した後、車速Vが第1所定車速Ve以上になった経験(履歴)があるか否かを判定する。インターバル完了後第1所定車速Veを経験していればステップS3に進み、インターバル完了後第1所定車速Veを経験していなければ、ENDに進む。なお、ステップS2の判定は、インターバル完了後における上記条件(d)の判定に相当する。以下では、「インターバル完了後第1所定車速Veを経験する」という条件を「条件(D)」という。
ステップS3では、他のコーストストップ条件が成立したか否かを判定する。具体的には、コントローラ10は、上述した条件(a)~(c)が全て成立したか否かを判定する。条件(a)~(c)が成立していれば、ステップS4に進む。これに対し、条件(a)~(c)が成立していなければ、ENDに進む。
ステップS4では、コーストストップ制御を実行する。なお、コーストストップ制御を実行する際に、後述するフラグFが1の場合は、フラグFを0にリセットする。
続いて、ステップS1において、前回のコースストップ制御が終了してから所定時間Tが経過していないと判定された場合、すなわち、ステップS5以下のフローについて説明する。
ステップS5では、レンジ変更があるか否かを判定する。具体的には、コントローラ10は、インヒビタスイッチ56からの検出信号に基づいて、セレクトレンジがDレンジ(前進レンジ)からRレンジ(後進レンジ)に切り替えられたか否かを判定する。セレクトレンジがDレンジからRレンジに切り替えられればステップS6に進み、セレクトレンジがDレンジからRレンジに切り替えられなければステップS1に戻る。
ステップS6では、フラグFが0であるか否かを判定する。フラグFが0であれば、ステップS7に進み、フラグFが0でなければ、ステップS1に戻る。
ステップS7では、インターバルを延長する。具体的には、コントローラ10は、ステップS1における判定時間(所定時間T)を所定時間T1だけ延長する。なお、所定時間T1は、所定時間T以下の任意の時間に設定される。
ステップS8では、フラグFを1にする。そして、ステップS1に戻る。
駐車動作時などでは、短時間に複数回のレンジ変更を行うことがある。ステップS6及びステップS8のステップがない場合には、インターバル中に複数回レンジ変更があると、その都度インターバルが延長されることになり、過度にコーストストップ制御の禁止時間が延長されてしまう。
そのため、本実施形態では、ステップS6及びステップS8のステップを設けることで、インターバル中に複数回レンジ変更があった場合に、過度にコーストストップ制御の禁止時間が延長されることを抑制する。
コントローラ10は、以上のフローを繰り返し実行する。本実施形態のコーストストップ制御では、コントローラ10は、コースストップ制御の実行後にインターバルを設け、インターバルが完了するまではコーストストップ制御の実行を禁止する。さらに、インターバル完了後も、第1所定車速Veを経験する(超える)までコーストストップ制御を禁止する。つまり、本実施形態のコーストストップ制御では、前回のコースストップ制御の実行後にインターバルを設け、インターバルの完了後に、第1所定車速Veを経験する(超える)まで、コントローラ10は、次回のコーストストップ制御の実行を禁止する。
なお、インターバルは、所定時間としたが、所定の走行距離であってもよい。また、所定時間と所定の走行距離の両方としてもよい。
次に、図3に示すタイミングチャートを参照しながら、本実施形態のコーストストップ制御について説明する。図3に示す例は、セレクトレンジがDレンジであって、レンジ変更が行われない場合を示している。
コースストップ制御が実行され車両100が停止した状態から、ブレーキペダルがOFFになる(踏み込みが解除される)と(時刻t1)、車両100は、クリープによって発進する。また、ブレーキペダルがOFFになることによって、コーストストップ条件が不成立となる。これにより、コーストストップ制御の許可フラグをOFFにする。さらに、コントローラ10は、タイマー(図示せず)を作動させてインターバルを開始するとともに禁止フラグをONにする。
そして、アクセルペダルが踏み込まれ(時刻t2)、車両100が加速するとやがて第1所定車速Veを超える(時刻t3)。その後、アクセルペダルが離され(時刻t4)、ブレーキペダルが踏み込まれて(時刻t5)、車速Vが第2所定車速Vpまで低下すると(時刻t6)、従来のコーストストップ条件(上記条件(a)~(d))が成立する。
しかしながら、時刻t6においては、インターバルが完了していない(所定時間Tが経過していない)ため、禁止フラグがONになっている。つまり、時刻t6においては、インターバルが完了していないため、コントローラ10は、コーストストップ制御の実行を禁止している。
そして、インターバルが開始されてから、具体的には、タイマーが作動してから所定時間Tが経過すると(時刻t7)、インターバルが完了する。これにより、コントローラ10は、コーストストップ制御の禁止フラグをOFFにする。
その後、時刻t8において、上記条件(a)~(c)が成立するが、インターバルの完了後に第1所定車速Veを超えていない(経験していない)、つまり、上記条件(D)が成立していないので、コントローラ10は、コーストストップ制御は実行しない。
その後、再び車速Vが上昇し、第1所定車速Veを超えると(時刻t9)、上記条件(D)が成立することになる。そして、時刻t10において、ブレーキペダルが踏み込まれ、車速Vが第2所定車速Vp以下になると、全てのコーストストップ条件、つまり、上記条件(a)~(c)、(D)の全てが成立し、コーストストップ制御の許可フラグがONになる。これにより、コントローラ10は、コーストストップ制御を実行する。
このように、本実施形態のコーストストップ制御では、コントローラ10は、コースストップ制御の実行後にインターバルを設け、インターバル中は、コーストストップ条件が成立してもコーストストップ制御を実行しない。さらに、インターバル完了後も、インターバル完了後に第1所定車速Veを経験する(超える)までコーストストップ制御を実行しない。つまり、コントローラ10は、前回のコースストップ制御の実行後にインターバルを設け、インターバルの完了後に、第1所定車速Veを経験する(超える)まで、次回のコーストストップ制御の実行を禁止する。
これにより、例えば、渋滞や駐車動作など停車や低車速での走行を繰り返す状況において、コーストストップ制御が頻繁に実行されることを抑制できる。
次に、インターバル中にレンジ変更があった場合について、図4に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。なお、以下では、図3に示すタイミングチャートと異なる点を中心に説明し、図3に示すタイミングチャートと同じの事象については、同一の符号を付して説明を省略する。
図4に示す例は、インターバルが完了する前(時刻t7より前)の時刻t11において、セレクトレンジがDレンジからRレンジに切り替えられた場合を示している。
時刻t11において、シフトレンジがDレンジからRレンジに変更されると、コントローラ10は、インターバルの時間を通常のインターバルの所定時間Tに加えて、所定時間T1延長する。この延長されたインターバルの間も、通常のインターバルと同様に、コントローラ10は、コーストストップ制御の実行を禁止する。
そして、時刻t7から所定時間T1経過すると(時刻t12)、インターバルが完了する。これにより、コントローラ10は、コーストストップ制御の禁止フラグをOFFにする。
その後、再び車速Vが上昇し、第1所定車速Veを超えると(時刻t13)、上記条件(D)を満たす。そして、時刻t14において、ブレーキペダルが踏み込まれ、車速Vが第2所定車速Vp以下になると、全てのコーストストップ条件、つまり、上記条件(a)~(c)、(D)の全てが成立し、コーストストップ制御の許可フラグがONになる。これにより、コントローラ10は、コーストストップ制御を実行する。
このように、本実施形態のコーストストップ制御では、レンジ変更を検知することにより駐車動作を検知する。駐車動作時は、頻繁なブレーキ動作が行われることが想定され、且つ、ドライバーによってはアクセルを踏みすぎてしまい第1所定車速Veを超える機会が頻繁になることが想定される。このため、インターバルを延長することで、このような状況下においても頻繁なコーストストップ制御の実行を抑制できる。
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
コントローラ10は、車両100の走行中に駆動源(エンジン1)の自動停止を行う第1コーストストップ制御(前回のコーストストップ制御)の次に車両100の走行中に駆動源(エンジン1)の自動停止を行う第2コーストストップ制御(次回のコーストストップ制御)を実行可能な制御部(コントローラ10)を有する。
制御部(コントローラ10)は、第1コーストストップ制御(前回のコーストストップ制御)の実行後にインターバルを設け、インターバルの完了後に第1所定車速Veを超えるまで第2コーストストップ制御(次回のコーストストップ制御)の実行を禁止する。
本実施形態では、コーストストップの許可条件として、第1所定車速Veとインターバルとを用いている。さらに、インターバル中に第1所定車速Veを超えたか否かに関わらず、インターバル完了後に第1所定車速Veを経験するまではコーストストップ制御の実行を禁止する。例えば、インターバル中に第1所定車速Veを超え、その後にインターバルが完了した場合、第1所定車速Veとインターバルとの双方の条件が揃うことになるが、この段階でコーストストップ制御の実行をしてしまうと、低車速の連続走行時のコーストストップの実行頻度が増える。このため、インターバル完了後に第1所定車速Veを超えたことを許可条件の一部としている。
このように、本実施形態では、コースストップ制御の実行後にインターバルを設け、インターバルの完了後に、第1所定車速Veを経験する(超える)まで、次回のコーストストップ制御の実行を禁止することで、例えば、渋滞や駐車動作など停車や低車速での走行を繰り返す状況において、コーストストップ制御が頻繁に実行されることを抑制する。これにより、ドライバーに違和感を与えることを抑制できる(請求項1、5に対応する効果)。
インターバルには、少なくとも第1コーストストップ制御(前回のコーストストップ制御)の実行後に所定時間Tが経過したことが含まれる。
インターバルを所定の走行距離のみとした場合、例えば、高速で渋滞中に、一時的に高速になった後すぐに先行車両との車間距離が詰まって減速すると、コーストストップ制御がすぐに実行されることになる。そこで、インターバルを所定時間Tのみ、若しくは、所定時間T及び所定の走行距離として設定することにより、このような状況においても、頻繁にコーストストップ制御が実行されることを抑制できる(請求項2に対応する効果)。
コントローラ10(制御部)は、車両100の停止中に駆動源(エンジン1)の自動停止を行うアイドリングストップ制御の禁止条件として、第1コーストストップ制御(前回のコーストストップ制御)の実行後のインターバルの完了を含めない。
コーストストップ後に走行を継続してインターバル中に停車するようなシーンも考えられる。コーストストップ制御の実行後のインターバル中に全てのエンジン自動停止制御を禁止すると、アイドリングストップまでもが禁止されることになる。そこで、コーストストップ制御を起点とするインターバルをアイドリングストップの禁止条件には含めないことで燃費向上に対する減殺を最小限に抑えることができる。即ち、例えば、インターバル中にブレーキを踏んで停車しようとする場合には、コーストストップこそ禁止されるものの、停車後のアイドリングストップは可能となり、燃費向上に寄与できるようになる(請求項3に対応する効果)。
コントローラ10(制御部)は、インターバルの間にレンジ変更があった場合はインターバルを延長する。
レンジ変更を検知することによりガレージセレクト、つまり、駐車動作を検知する。駐車動作時は、頻繁なブレーキ動作が行われることが想定され、且つ、ドライバーによってはアクセルを踏みすぎてしまい第1所定車速Veを超える機会が頻繁になる場合が想定される。このため、インターバルを延長して頻繁なコーストストップ制御の実行を抑制する(請求項4に対応する効果)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
上記実施形態では、自動変速機3として無段変速機を例に説明したが、有段変速機であってもよい。また、無段変速機は、副変速機付であってもよい。
また、上記実施形態では、ブレーキONの判定を踏力センサ58によって検出された踏力に基づいて行っていたが、これに限らず、ブレーキ圧を検出し、検出されたブレーキ圧に基づいてブレーキONの判定を行ってもよい。
上記実施形態では、シフトレンジがDレンジからRレンジに変更されると、インターバルの時間を通常のインターバルの所定時間Tに加えて、所定時間T1延長するようにしていたが、これに代えて、シフトレンジがDレンジからRレンジに変更された時点から、所定時間T1延長するようにしてもよい。
なお、本発明は駆動源停止からの再始動のラグが頻繁に発生することを防止することを目的としており、渋滞時の頻繁な変速によるショックを防止するために変速比を固定する技術(リアルタイムに生じるトルク変動を抑制する技術)とは、本質的に異なるものである。
1 エンジン(駆動源)
3 自動変速機
10 コントローラ(制御装置、制御部)
100 車両

Claims (4)

  1. 駆動源の自動停止を行う車両の制御装置であって、
    前記車両の走行中に前記駆動源の自動停止を行う第1コーストストップ制御の次に前記車両の走行中に前記駆動源の自動停止を行う第2コーストストップ制御を実行可能な制御部を有し、
    前記制御部は、前記第1コーストストップ制御の実行後にインターバルを設け、前記インターバルの完了後に第1所定車速を超えるまで前記第2コーストストップ制御の実行を禁止し、前記インターバルの間にレンジ変更があった場合は前記インターバルを延長することを特徴とする車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載された車両の制御装置において、
    前記インターバルには、少なくとも前記第1コーストストップ制御の実行後に所定時間が経過したことが含まれることを特徴とする車両の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載された車両の制御装置において、
    前記制御部は、前記車両の停止中に前記駆動源の自動停止を行うアイドリングストップ制御の禁止条件として、前記第1コーストストップ制御の実行後の前記インターバルの完了を含めないことを特徴とする車両の制御装置。
  4. 駆動源の自動停止を行う車両の制御方法であって、
    前記車両の走行中に前記駆動源の自動停止を行う第1コーストストップ制御の次に前記車両の走行中に前記駆動源の自動停止を行う第2コーストストップ制御を実行可能な制御部を有し、
    前記制御部は、前記第1コーストストップ制御の実行後にインターバルを設け、前記インターバルの完了後に第1所定車速を超えるまで前記第2コーストストップ制御の実行を禁止し、前記インターバルの間にレンジ変更があった場合は前記インターバルを延長することを特徴とする車両の制御方法。
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