JP7152046B2 - 再生用仮ボルトの使用方法 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 商品カタログ「株式会社トーネジ Hug Bolt カタログ202002Z/1700ad」
特許法第30条第2項適用 https://www.toneji.co.jp/ https://www.toneji.co.jp/download https://www.toneji.co.jp/hugbolt
本発明は、鉄骨の建方工事において使用する再生用仮ボルトの連結方法に係り、特に、仮止め施工の作業効率を高める再生用仮ボルトの使用方法に関する。
鉄骨工事において、本締めボルト締結後に取り外され、本締めボルトと交換する仮ボルトは、本締めボルトに準じた強度が求められる。例えば、一度使用した本締めボルトは安全性の観点から再利用することは禁止されている。また、交換された仮ボルトは、通常、使用済みボルトとして廃棄されている。
ところが、JIS S6.10.4によると、「仮ボルトは建方作業における部材の組み立てに用いるもので、本締めまたは溶接までの間、予想される外力に対し架構の変形や倒壊を防ぐためのもの」であることから、強度的に問題がなければ仮ボルトを繰り返し使用することが可能になる。
そこで当発明者は、先に、鉄骨の建方工事に使う仮ボルトにおいて、繰り返し使用が可能になる再生用仮ボルトを考案している(特許文献1)。この仮ボルトは、ネジ山の角度を90゜とすると共に、山の頂きの丸みを半径1mm に形成したことにより、鉄骨の建方工事で生じる外力に対し、架構の変形や倒壊を防ぐことができ、しかも、繰り返し使用することができる強度を得ることができるようになった。
実用新案登録第3150380号公報
仮ボルトは本締めボルトと交換するものであるから、作業者は仮ボルトを外した後に本締めボルトを締結する作業を行う。この際、仮ボルトとして使用されている中ボルトは、本締めボルトとスパナ径が異なることから、仮ボルトを本締めボルトに交換する作業において、スパナ等の交換が必用になっていた。
また、仮ボルトを締結する際に、M20とM22の仮ボルトが最も多く使用されているサイズになっている。しかしながら、これらM20とM22とではスパナ径が異なっていることから、作業者はこれらを使い分ける際にスパナ等を交換する必要があった。
更に、鉄骨の建方工事では、高所での作業等が多いので、ねじ類の補給を少なくするため、数種類のボルトを同時に携帯していることが多い。そのため、数種類のボルトの中から、使用するボルトを選択する作業にも多くの手間をするものであった。
このように、従来の建方作業は、高所でのスパナの持ち換え作業やボルトの選別作業など、注意を要する多くの作業が必用になっており、建方工事の合理化を阻むものになっている。
そこでこの発明は、上述の課題に鑑み、鉄骨の建方工事に使用する再生可能な仮ボルトにおいて、建方工事を合理化し、安全で迅速な作業が可能になる再生用仮ボルトの使用方法の提供を目的とするものである。
上述の目的を達成すべく本発明は、本締めボルトの呼び径Wごとのタイプに分類され、本締めボルトの締め付け前に仮止めする、鉄骨の建方工事における再生用仮ボルト1の使用方法であって、各タイプの仮ボルト1は、呼び径Wのサイズを判別する複数種類のメッキ色が施された構成とし、呼び径Wのサイズが近い複数タイプの各仮ボルト1の頭部2の二面幅を、各仮ボルト1と同じ呼び径Wの本締めボルトの中で、最も大きい二面幅のサイズに予め統一しておき、二面幅が統一された複数タイプの仮ボルト1を一つの工具で連結することを特徴とする鉄骨の建方工事における再生用仮ボルトの使用方法である。
本発明の請求項1のごとく、各タイプの各仮ボルト1の頭部2の二面幅を、複数種類の本締めボルトの中の一種類の本締めボルトの二面幅と同じ幅に統一し、各仮ボルト1の頭部2に夫々ネジ部の呼び径と首下長さを表示する表示部2を設けたことにより、複数のタイプの仮ボルト1が一つの工具で共通使用できるので、仮止め施工の作業効率を高めることができる。
しかも、仮ボルト1を本締めボルトに差し換える際に、仮ボルト1と本締めボルトとの二面幅が同じ場合はスパナ等の工具交換が不要になるものである。
仮ボルト1は、前記本締めボルトの最も呼び径のサイズが大きい本締めボルトの二面幅と同じ幅に統一しているので複数種類の各仮ボルト1の緊締力を十分に担保することができる
しかも、前記仮ボルト1夫々に、呼び径のサイズを判別する複数種類の着色が施されたものであるから、鉄骨の建方工事において複数タイプの仮ボルト1の中から使用する仮ボルト1を直感的に選別することができる。
仮ボルト1は、メッキ色を変えてタイプ別に着色されているので、各タイプの着色は退色するおそれがなく、判別可能な状態を長期間維持できる。
仮ボルト1の軸径を本締めボルトの軸径と同じサイズに形成すると共に、ネジ山1Aの角度を90゜とし、頂部1Bと谷部1Cとの丸みを半径1mmに形成し、ピッチPを本締めボルトのピッチPの2倍に形成したことにより、鉄骨の建方工事で生じる外力に対し、架構の変形や倒壊を防ぐことができ、しかも、繰り返し使用可能な強度が得られる。
また、頂部1Bの丸みを半径1mm に形成したことで、仮ボルト1のネジ山1Aに打痕が付き難くなり、不良品の発生を抑える。
更に、ネジ山1Aの谷部1Cに丸みを形成しているので、不純物の底だまりを防止し、軸部断面積のアップにより強度も高くなっている。
そして、仮ボルト1のネジ山1Aのピッチを本締めボルトのピッチPの2倍に形成しているので、鉄骨Sの建方工事における仮締め作業及び取り外し作業を迅速にすることができる。
このように本発明によると、鉄骨の建方工事に使う仮ボルトにおいて、仮止め施工の作業効率を高めることができるといった目的を実現した。
本発明仮ボルトの二面幅と呼び径の関係を示す正面図である。 本発明仮ボルトの表示部を示す平面図である。 本発明仮ボルトのネジ山を示す一部拡大断面図である。 本発明仮ボルトのピッチを示す正面図である。 本締めボルトを装着した鉄骨部材を示す斜視図である。
以下、本発明の一実施例を説明する。本発明仮ボルト1は、鉄骨Sの建方工事で鉄骨部材の接合部分を仮止めするときに使用する。
本発明仮ボルト1は、呼び径ごとのタイプに分類されており、各タイプには、首下長さの異なった複数種類の仮ボルト1がある。そして、各仮ボルト1は、同じ呼び径を有する本締めボルトを緊締する前に仮止めし、最終的に本締めボルトと交換する。
本発明仮ボルト1は、呼び径Wのサイズが近い複数のタイプの仮ボルト1を選択し、これらの仮ボルト1の二面幅Tを、同じサイズに統一するものである(図1参照)。例えば、呼び径ごとのタイプとして、M16、M20、M22、W22、M24と称するタイプの仮ボルト1を準備する。これらのタイプは順に呼び径が大きくなるものである。
図示例では、呼び径のサイズが近いM20とM22の仮ボルト1を選択し、これらの二面幅Tを同じサイズに形成している(図1参照)。これらの仮ボルト1に共通する二面幅Tのサイズは次のように設定する。まず、各タイプの仮ボルト1の呼び径Wと同じサイズの二種類の本締めボルトを選択する(M20とM22の本締めボルト)。そして、二種類の本締めボルトの中のサイズの大きい方(M22)の二面幅のサイズに、各仮ボルト1(M20とM22)の二面幅Tを統一するものである。
したがって、M20の呼び径W’よりM22の呼び径Wが大きく、M20の軸径U’よりM22の軸径Uが大きい(図1参照)。また、M20の呼び径W’と軸径U’が等しく、M22の呼び径Wと軸径Uが等しい。
二種類のタイプの仮ボルト1の二面幅を統一すると、作業者は一つの工具で二種類の仮ボルト1を使い分けることが可能になる。また、二面幅を統一する複数タイプの仮ボルト1は、三種類のタイプの仮ボルト1を統一することも可能である。この場合、三種類の本締めボルトの中の最大のサイズの二面幅のサイズの他、中間のサイズの二面幅のサイズに統一することも可能である。この場合、作業者は一つの工具で三種類の仮ボルト1を使い分けることが可能になる。
更に、呼び径のサイズが近い二つのタイプの仮ボルト1夫々に、呼び径の大小のサイズを判別する着色を施している。図示例では、二種類のタイプの仮ボルト1夫々に、二種類の着色を施している。この着色により、複数のタイプの仮ボルト1の中から、大きい方のサイズか、小さい方のサイズかが一目で認識できるようになる。
このとき、仮ボルト1の着色はメッキによる着色が好ましい。例えば、一方のタイプの仮ボルト1にユニクロメッキを施し、他方のタイプの仮ボルト1に有色クロメートを施すなど、メッキ色を変えてタイプ別に着色する手段である。また、着色手段はこの他、色の異なったシールを頭部に張り付けるなど任意の着色手段から選択できるものである。
更に、複数のタイプの中から選択した仮ボルト1の首下長さを確認するために、仮ボルト1の頭部2に、ネジ部の呼び径と首下長さを表示する表示部2Aを設けている(図2参照)。この結果、頭部2のサイズが同じ仮ボルト1の中から目的の首下長さの仮ボルト1を確認して使用することができる。
仮ボルト1として最も多く使用されているのはM20、M22タイプの仮ボルト1である。作業者がこれらのM20とM22との二種類の仮ボルト1を携帯している場合、仮ボルト1の色によってM20かM22かを識別し、頭部2の表示部2Aで呼び径と共に首下長さを確認するものである。
本発明仮ボルト1は、仮ボルト1のネジ山1Aの角度を90゜に形成する(図3参照)。更に、ネジ山1Aの頂部1Bと谷部1Cとの丸みを半径1mm に形成する。そして、仮ボルト1のネジ山1Aのピッチを、本締めボルト10のピッチP’の2倍に形成する(図4参照)。
このようなネジ山1Aの形状は、仮ボルト1の耐力強度を強化するもので、ピッチPを本締めボルトの2倍にすることで数が少なくなったネジ山1Aの強度を保つように、ネジ山1Aの頂部1Bの角度と谷部1Cの角度が丸みを帯びるように形成している。特に、ネジ山1Aの谷部1Cに丸みを形成しているので、不純物の底だまりを防止し、軸部断面積のアップにより強度も高くなっている。
また、仮ボルト1は、鉄骨工事の高力ボルト接合に使用される本締めボルトと同じ呼び径に形成する。こうすることで、従来と同じ締付け工具で仮ボルト1を着脱することができる。更に、仮ボルト1の材質や長さは、本締めボルトと異なっても良い。
特に、仮ボルト1の材質として、表面に低カーボンのリム層を有する冷間圧造用鋼線(例えばCH10R等)にて形成すると、表面が硬化され何度も繰り返し使用することが可能になる。
鉄骨立て方時のボルト接合は、高力ボルト接合と称されている。この高力ボルト接合には、摩擦、引張り、指圧接合の3種類の方法があり、本発明仮ボルト1は、これら3種の接合方法のいずれにも仮ボルトとして使用することが可能である。
また、高力ボルトの種類は、トルシア形とJIS形に分けられるが、本発明仮ボルト1は、どちらの高力ボルトを使用する場合でも、仮ボルト1として用いることができる。
仮ボルト1の使用は、本接合に先立って締付けられるもので、鉄骨Sと接合部材Rとを密着する。仮ボルト1の締付けには、専用レンチやスパナ等の締付け工具にて、ナット3を締付ける。その後、本締めボルトを順次締め付けると共に、仮ボルト1を取り外した後にも本締めボルトを締付けて一次締めを行う。その後、最終的に本締めにより接合するものである(図5参照)。
尚、本発明は、図示例に限定されるものではなく、本発明の各構成は本発明の要旨を変更しない範囲において自由に変更できるものである。
P ピッチ
R 接合部材
S 鉄骨
T 二面幅
U 軸径
W 呼び径
1 仮ボルト
1A ネジ山
1B 頂部
1C 谷部
2 頭部
2A 表示部
3 ナット
10 本締めボルト

Claims (1)

  1. 本締めボルトの呼び径ごとのタイプに分類され、本締めボルトの締め付け前に仮止めする、鉄骨の建方工事における再生用仮ボルトの使用方法であって、各タイプの仮ボルトは、呼び径のサイズを判別する複数種類のメッキ色が施された構成とし、呼び径のサイズが近い複数タイプの各仮ボルトの頭部の二面幅を、各仮ボルトと同じ呼び径の本締めボルトの中で、最も大きい二面幅のサイズに予め統一しておき、二面幅が統一された複数タイプの仮ボルトを一つの工具で連結することを特徴とする鉄骨の建方工事における再生用仮ボルトの使用方法。
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