JP7152002B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
また、近年のスロットマシンにおいては、所定条件の成立により、有利な遊技状態として、リプレイ役の当選率を高めたRT(リプレイタイム)、小役やリプレイ役等の入賞をアシストするAT(アシストタイム)、リプレイ役の当選率を高めた上で、小役やリプレイ役等の入賞をアシストするART(アシストリプレイタイム)、などと称される遊技状態を発生するものも知られている(特許文献1)。
スロットマシン1は、本発明に係る遊技機の一実施形態であり、通常のスロットマシンと同様、前面に開口部を有する筐体1bと、開口部を開閉可能に覆う前扉1aとを備えている。
また、表示窓6の下方には、前側に突出する段部が形成されており、この段部の上面には、メダルを投入するメダル投入口2と、遊技の開始に際して遊技者の押下操作によりベット数を設定するベットボタン2aと、ゲームの進行には影響を及ぼさないが、スロットマシン1の演出に関する操作を行うための操作手段である演出ボタン2cを備えている。
また、段部の下方には、遊技者が遊技を開始する際に操作するスタートレバー3と、遊技者がリール41を停止する際に押下操作する停止ボタン5を備えている。
この表示器8の左右には、音による演出や報知を行うスピーカ9や、光による演出を行うLEDなどの発光手段を備えるランプ11が内蔵されている。
また、前扉1aの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口7bを備えている。
また、筐体1bの中央部には、リール41を回転駆動させるドラムユニット4を備えている。ドラムユニット4は、リール41a、リール41b、リール41cが水平方向に並設されて構成されていて、これらリール41a~41cは、ステッピングモータ(図示省略)の駆動によりそれぞれ回転可能に構成されている。また、各リール41a~41cの外周面には、所定の配列に従って複数の図柄(識別情報)が表され、リール41の停止状態において、各リール41a~41cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が表示窓6を透して視認可能となっている。
また、筐体1bの下部には、メダルの払い出しを行うメダル払出装置7やメダルを貯留するホッパー7aを備えており、このメダル払出装置7から払い出されたメダルは、メダル払出口7bを介して遊技者に払い出される。
また、主制御部10には、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、スタートレバー3、停止ボタン5(停止ボタン5a~5c)が接続され、各機器に内蔵されたセンサからの信号を入力可能に構成されている。
また、主制御部10は、スタートレバー3からの信号に基づいて遊技の開始処理や、乱数発生器(図示省略)からの乱数をサンプリングする処理等を行う。そして、主制御部10は、サンプリングされた乱数に基づき内部抽選処理を行う。また、主制御部10は、ROMの制御プログラムに従って、後述するCZへの移行抽選処理やATへの移行抽選処理等を行う。
具体的には、主制御部10は、スタートレバー3や停止ボタン5からの信号に基づき、ドラムユニット4を駆動させてリール41a~41cを回転・停止させる処理、メダル払出装置7を駆動させてメダルを払い出す処理、遊技者にとって有利な遊技状態が発生した場合に有利区間ランプ13を点灯させる処理等を行う。
また、副制御部20には、演出ボタン2cが接続され、機器に内蔵されたセンサからの信号を入力可能に構成されているとともに、表示器8、スピーカ9、ランプ11、ナビランプ12が接続され、各機器に対して信号を出力可能に構成されている。
具体的には、副制御部20は、主制御部10からの一方向のみのコマンド(制御情報)に応じて、表示器8において所定の演出の画像処理や、各種演出や報知を行うためのスピーカ9において音声出力処置や、LED等で構成されたランプ11、ナビランプ12の点灯処理等を行う。
遊技の開始にあたり、メダル(クレジットメダルも含む)を用いてベット数の設定を行う。
ベット数の設定は、メダル投入口2から直接メダルを投入して設定する方法と、ベットボタン2aを押下操作して設定する方法とがある。
なお、ベット数の上限は、「1」、「2」、又は「4」以上でもよい。
なお、ベットボタンは、ベットボタン2aのみに限らず、設定されるベット数のそれぞれ異なるベットボタンを複数設けることもできる。また、クレジットメダルは、メダル投入口2からのメダル投入や入賞により加算され、例えば、メダル50枚までクレジット(記憶)することができる。
そして、ベット数が所定数(例えば、3枚)になったときに、1回の遊技を実行可能な権利を保有する遊技開始可能な状態となる。
内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回遊技の当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。
このような定常回転に達すると、各リール41a~41cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押下操作可能な状態となる。
なお、第3リールとは、3つのリール41a~41cの停止操作が各1回ずつ計3回された場合において、その最後である3操作目に停止操作をされたリールをいう。また、第3リール停止操作後とは、遊技者が第3リールを停止するために停止操作した停止ボタン5から指等を離した時点後のことをいう。
例えば、本実施形態では、上・中・下段のライン、右下がりのライン、右上がりのラインの計5ラインいずれかの入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて入賞の有無が判定される。なお、入賞を判定する入賞ラインの本数は、5ラインに限らず、図柄の配置構成、図柄の種類、当選役に対応する図柄の組合せなどの関係により、適宜変更することができる。
小役には、例えば、ベル役、スイカ役、チェリー役、チャンス目役がある。
なお、以下の説明において、スイカ役、チェリー役、チャンス目役を、纏めて「レア役」ともいう。
共通ベルは、停止ボタン5a~5cに対する操作順序(以下、押し順ともいう)に関係なく対応する図柄の組合せが停止し、押し順ベルは、特定の押し順に従うことにより対応する図柄の組合せが停止する。
押し順の報知例として、例えば、押し順ベル1~6のうち押し順ベル1に当選した場合(停止ボタン5が「5a→5b→5c」の順に操作がされると、押し順ベル1に対応する図柄の組合せが停止する場合)には、表示器8は、左から右に向けて「1」、「2」、「3」等を報知する表示を行い、ナビランプ12は、12a(左)、12b(中)、12c(右)の順で点灯し、スピーカ9は、「左」、「中」、「右」の順でそれぞれの音声を出力する。なお、本実施形態では、表示器8等に表示される操作表示を「押し順ナビ」ともいう。
このように、表示器8、ナビランプ12、スピーカ9等の報知手段は、停止ボタン5に対する操作をナビゲートする。
一方、押し順ベル1~6に当選した場合に、上記のようなナビゲートに従わずに、他の5通りの押し順によって停止ボタン5を操作したときには、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示されず、「ベル・ベル・リプレイ」などの所定の図柄の組合せ(以下、「ベルこぼし目」という)が停止表示され、規定枚数のメダルが払い出されないことになる。
スイカ役には、「スイカ・スイカ・スイカ」の図柄の組合せが、右下がりのライン、右上がりのラインのうちの何れかに停止表示する「弱スイカ」と、上段のライン、中段のライン、及び下段のラインのうちの何れかに停止表示する「強スイカ」とが設定されている。
チェリー役には、左リール41aに停止する「チェリー」の位置が異なる2つのチェリー役が設けられ、「チェリー」が左リール41aの「上段」又は「下段」に停止する「弱チェリー」と、「チェリー」が左リール41aの「中段」に停止する「強チェリー」とが設けられている。
チャンス目役は、対応する図柄の組合せを「ベル・スイカ・スイカ」とする小役である。
さらに、押し順リプレイは、3通りある押し順それぞれに対応する押し順リプレイ1~3が設けられている。そして、AT中に、各押し順リプレイに当選した場合には、それぞれに対応する押し順の報知を、前述した押し順ベルと同様な方法によって行うことができる。
RT2昇格リプレイは、3通りある押し順のうち、1通り(1/3)の押し順によってRT2昇格リプレイに対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・ベル」)が停止し、他の押し順(2/3)によって停止表示された場合には、通常リプレイの当選時に停止する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・リプレイ」)が停止表示される。
RT3昇格リプレイは、3通りある押し順のうち、1通り(1/3)の押し順によってRT3昇格リプレイに対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・スイカ」)が停止し、他の押し順(2/3)によって停止表示された場合には、通常リプレイの当選時に停止する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・リプレイ」)が停止表示される。
ボーナス役は、当選したゲーム及び当該ゲーム以降のゲームにおいても対応する図柄の組合せが停止しない限り、権利を持ち越すことが可能な当選役である。このため、対応する図柄の組合せが停止することで、ボーナス役が入賞するまでの期間は、ボーナス当選の成立状態が維持される(ボーナス内部当選状態)。
例えば、ボーナス役の当選確率を低い当選確率から高い当選確率までの6段階に区分けし、各段階を設定1~6(遊技設定値)にそれぞれ対応させることにより、ボーナス役の当選確率を、各設定1~6に応じた当選確率に変更できるようになっている。
この場合、設定1が設定されているよりも、設定6が設定されている方が、ボーナス役に当選する確率が高く設定されており、その結果、設定1が設定されているよりも、設定6が設定されている方が、スロットマシン遊技が有利に進行するように制御される。
なお、ボーナス役は、当選確率が遊技設定値に応じて異なる設定差有ボーナス役に限らず、遊技設定値には影響は受けずに、常に一律の当選確率でボーナス役に当選する設定差無ボーナス役としてもよい。
具体的には、ベル役(共通ベル、押し順ベル)において、対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、6枚のメダルが払い出される。
また、押し順ベル1~6の当選時に、特定の押し順以外の押し順(他の5通りの押し順)で停止ボタン5a~5cを操作したときには、対応する図柄の組合せが停止されず、ベルこぼし目(「ベル・ベル・リプレイ」)が停止し、規定枚数(6枚)のメダルは払い出されない。
また、リプレイ役に対応する図柄の組合せの停止表示により、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく、すなわち、メダルを費やすことなく遊技可能な状態となる。
なお、各当選役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合に払い出されるメダルの数は、上記の枚数以外でもよい。
図4は、後述するRT状態(RT0~RT4)及びボーナスにおける各役の当選確率を示しており、遊技設定値が設定1の場合を示している。
また、図4では、主制御部10による内部抽選処理において取得する乱数値の取得範囲(個数)を65536個とし、そのうちの当たり値(当選)の個数を各々示している。
具体的には、「押し順ベル1~6」は、当選確率が6687/65536、「弱チェリー」は、当選確率が819/65536、「弱スイカ」は、当選確率が574/65536、「チャンス目」は、当選確率が255/65536、「強チェリー」は、当選確率が199/65536、「強スイカ」は、当選確率が149/65536のように設定されている。
また、小役には、遊技設定値に応じて当選確率が変動する当選役と、遊技設定値に応じて当選確率が変動しない当選役が設けられている。
遊技設定値に応じて当選確率が変動する当選役として、例えば「弱チェリー」が設けられており、「弱チェリー」以外の当選役は遊技設定値に応じて当選確率が変動しない当選役として設けられている。
なお、遊技設定値に応じて当選確率が変動する当選役と、遊技設定値に応じて当選確率が変動しない当選役は、任意に設定することができる。
RT2昇格リプレイ1~3の当選確率は、RT1において1975/65536のように設定されている。
RT3昇格リプレイ1~3の当選確率は、RT2、3において4000/65536のように設定されている。
共通ベルの当選確率は、ボーナスにおいて、65536/65536のように設定されている。
また、上記の各役に当選した以外の乱数値が抽出された場合には、抽選結果がハズレとなり、RT0、1において13891/65536、RT2、3において327/65536、RT4において7034/65536の確率で設定されている。
以上のような当選確率で、各役の抽選が行われる。そのため、リプレイ役の当選確率は、RT0、1よりもRT2、3の場合の方が高く、さらに、ハズレの確率もRT0、1よりもRT2、3の方が低くなるので、RT2、3においては遊技者に有利にゲームが実行されることとなる。
なお、遊技設定値が設定1以外の各役の当選確率については省略するが、遊技設定値が高設定になるほど、ボーナスの当選確率が高くなるとともに、ハズレの確率も低くなるように設定されている。
各遊技状態は、主制御部10が遊技状態制御手段として動作することにより、それぞれの遊技状態に制御(以下、移行ともいう)される。
(RT)
本実施形態に係るスロットマシン1は、内部抽選処理における「リプレイ役」の当選確率として、低、中、高の3段階の設定があり、RT0~4を有している。
RT0への突入は、所定の初期化スイッチ等の操作を伴う電源投入又は遊技設定値の変更(同じ遊技設定値を設定し直した場合(遊技設定値の打ち直し)も含む)を契機とし、その後、RT0に移行する。
また、RT0への突入は、ボーナス終了を契機とし、その後、RT0に移行する。
RT0の終了は、RT0における押し順ベルの当選時において、「押し順ベル」の取りこぼしが発生し、「ベルこぼし目」が停止したことを契機として、その後、RT0からRT1に移行する。
また、RT0の終了は、RT0において行われる内部抽選処理におけるボーナス役の当選を契機とし、その後、RT0からRT4に移行する。
このように、RT0は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態ではなく、「ベルこぼし目」が停止しない限り、又は、ボーナスに当選しない限り、他の遊技状態に移行しない無限の遊技状態(無限RT)となっている。
RT1への突入は、RT0、2、3における押し順ベルの当選時において、「ベルこぼし目」が停止したことを契機とし、その後、RT0、2、3からRT1に移行する。
RT1の終了は、RT1においてRT2昇格リプレイに対応する図柄の組合せが停止したことを契機とし、その後、RT1からRT2に移行する。具体的には、3通りある押し順のうち、1通りの押し順によってRT2昇格リプレイに対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・ベル」)が停止し、他の2通りの押し順によってRT1の滞在を維持する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・リプレイ」)が停止する。
また、RT1の終了は、RT1において行われる内部抽選処理におけるボーナス役の当選を契機とし、その後、RT1からRT4に移行する。
このように、RT1は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態ではなく、RT2昇格リプレイに対応する図柄の組合せの停止、又は、ボーナスに当選しない限り、他の遊技状態に移行しない無限の遊技状態(無限RT)となっている。
RT2への突入は、RT1においてRT2昇格リプレイに対応する図柄の組合せが停止したことを契機とし、その後、RT1からRT2に移行する。
また、RT2の終了は、RT2において「RT3昇格リプレイ」に対応する図柄の組合せが停止したことを契機とし、その後、RT2からRT3に移行する。具体的には、3通りある押し順のうち、1通りの押し順によってRT3昇格リプレイに対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・スイカ」)が停止し、他の2通りの押し順によってRT2の滞在を維持する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・リプレイ」)が停止する。
また、RT2の終了は、RT2において「押し順ベル」の取りこぼしが発生し、「ベルこぼし目」が停止したことを契機として、その後、RT2からRT1に移行する。
また、RT2の終了は、RT2において行われる内部抽選処理におけるボーナス役の当選を契機とし、その後、RT2からRT4に移行する。
このように、RT2は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態ではなく、RT3昇格リプレイに対応する図柄の組合せの停止、「ベルこぼし目」が停止しない限り、又は、ボーナスに当選しない限り、他の遊技状態に移行しない無限の遊技状態(無限RT)となっている。
RT3への突入は、RT2において「RT3昇格リプレイ」に対応する図柄の組合せが停止したことを契機として、その後、RT2からRT3に移行する。
また、RT3の終了は、RT3において「押し順ベル」の取りこぼしが発生し、「ベルこぼし目」が停止したことを契機として、その後、RT3からRT1に移行する。
また、RT3の終了は、RT3において行われる内部抽選処理におけるボーナス役の当選を契機とし、その後、RT3からRT4に移行する。
このように、RT3は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態ではなく、「ベルこぼし目」が停止しない限り、又は、ボーナスに当選しない限り、他の遊技状態に移行しない無限の遊技状態(無限RT)となっている。
この場合、RT3では、RT2とは異なり、RT3昇格リプレイに対応する図柄の組合せが停止しても、RTの状態は移行しないようになっている。
すなわち、RT3では、RT3昇格リプレイに対応する図柄の組合せの停止の有無にかかわらず、RT3の滞在を維持するようになっている。
RT4への突入は、RT0~3中の内部抽選処理においてボーナス役に当選したことを契機とし、その後、RT0~3からRT4に移行する。
また、RT4の終了は、ボーナス図柄の組合せが停止したことを契機とし、その後、RT4からボーナスに移行する。
このように、RT4は、ボーナス内部当選状態であるとともに、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態ではなく、ボーナス図柄の組合せが停止しない限り他の遊技状態に移行しない無限の遊技状態(無限RT)となっている。
このようなゲーム性においては、RT2、3に移行(昇格)させることが遊技者にとって好ましく、RT2、3からRT1に移行(転落)せずに滞在し続けることが遊技者にとって最も好ましいことになる。
しかしながら、これらの昇格リプレイ(押し順リプレイ)や押し順ベルに当選したか否かは見かけ上、判別できないようになっており、これらの昇格リプレイ(押し順リプレイ)や押し順ベルに対応する図柄の組合せが停止するように停止ボタン5を操作することができないことになる。
また、RT2、3とATが組み合されることにより、リプレイ役の当選確率が高い状態であるとともに、リプレイ役や押し順ベル等の入賞をアシストする遊技状態(ART)となる。
図7に示すように、本実施形態のスロットマシン1の遊技は、通常状態(第1遊技状態)、チャンスゾーン(以下、CZという)、AT(第2遊技状態)、ボーナス等の複数の遊技状態を有している。主制御部10は、所定の移行条件が成立することに基づいて、一の遊技状態から他の遊技状態へと移行するように制御する。
基本的には、通常状態(低確率状態)と通常状態(低確率状態)から移行するボーナスは通常区間に区分され、通常状態(高確率状態)、CZ、AT及び通常状態(低確率状態)以外から移行するボーナスは有利区間に区分されている。
有利区間では、ATへの移行抽選処理が行われ、通常区間では、ATへの移行抽選処理が行われないものとする。
また、有利区間は通常区間から移行し、再度、通常区間に移行するまで継続して滞在可能な区間となっており、有利区間中は、有利区間中に連続して遊技が実行された遊技の回数がカウントされる。
この有利区間でのゲーム回数の上限は、1000ゲームや1500ゲーム等、任意の数であればどのような回数でもよく、有利区間中の獲得メダル数の上限は、1000枚や2400枚等、任意の数であればどのような枚数でもよい。なお、以降の説明では、有利区間でのゲーム回数の上限は、「1500ゲーム」が設定されているものとする。
なお、上記の有利区間の終了条件は、一例であり、例えば、「少なくとも1回の押し順ベルの報知がされたこと」、「ボーナス役に対応した図柄の組合せが停止表示されたこと」等を含めてもよい。
なお、遊技性の低下を防止するために、実際にメダルの増加が見込める状態(CZ、AT、ボーナス等)中のみ点灯させるようにしてもよい。
以下、特に説明がない場合には、各遊技状態から他の遊技状態への移行タイミングは、基本的に、移行条件が成立した遊技の第3リール停止操作後である。なお、これに限定されず、移行条件が成立後、次ゲームから移行してもよい。
通常状態は、所定の初期化スイッチ等の操作を伴う電源投入時に滞在するステージであって、スロットマシン1における遊技の大半を占める遊技状態である。
通常状態は、基本的に低RT状態(RT1)であり、遊技を続けるに従って、遊技者の手持ちのメダルが漸次減少し、遊技者にとっては、不利な遊技状態である。
各確率状態の移行は、例えば、低確率状態において、レア役に当選した場合、所定の確率(例えば、100%)で高確率状態に移行(昇格)する。また、高確率状態は、所定ゲーム数(例えば10ゲーム)の間、継続するようになっており、所定ゲーム数を消化した後、高確率状態から低確率状態へ移行(降格)する。
また、通常状態における確率状態を、表示器8の表示内容を変化させることで遊技者が予測できるようにしてもよい。例えば、表示器8に表示される背景画像において、低確率状態では「昼背景」とし、高確率状態では「夜背景」とすることができる。
例えば、低確率状態では、弱チェリー当選時の30/256の確率で当選し、強チェリー当選時の76/256の確率で当選し、弱スイカ当選時の20/256の確率で当選し、強スイカ当選時の40/256の確率で当選するように設定されている(図9参照)。
また、高確率状態では、弱チェリー当選時の50/256の確率で当選し、強チェリー当選時の156/256の確率で当選し、弱スイカ当選時の40/256の確率で当選し、強スイカ当選時の100/256の確率で当選するように設定されている(図10参照)。
このように、高確率状態は低確率状態よりも、CZに当選する確率が高く設定されている。
なお、CZへの移行抽選の当選確率は、各当選役の一部又は全部について上記以外としてもよい。
また、CZへの移行抽選の契機役はレア役以外でもよく、例えば、リプレイ役やベル役の当選を契機に所定の確率でCZへの移行抽選に当選するようにしてもよい。
また、CZへの移行抽選に当選した場合に、直ぐにCZへ移行せず、遊技者に対してCZへの移行に対する期待感を高めるための前兆演出を所定ゲーム数(例えば、25~30ゲーム)の間実行した後に、CZへ移行するようにしてもよい。
また、ボーナス役に当選した場合、遊技者に対してボーナス当選の期待感を高めるためのボーナス発生演出を所定ゲーム数(例えば、3~5ゲーム)の間、実行してもよい。
なお、本実施形態では、ボーナス役の当選は、ボーナス役に単独で当選(単独当選)する場合のみを想定しているが、これに限らず、レア役と同時に当選(重複当選)する場合も設けてもよく、又は、重複当選する場合のみとしてもよい。
さらに、スロットマシン1の仕様等に応じて、通常状態からATへの移行抽選処理を行うようにしてもよい。
CZは、通常状態よりもATへ移行しやすい遊技状態である。そのため、CZは、通常状態よりも遊技者にとって有利なチャンスゾーンとして位置付けられている。
また、CZは、ゲーム数により管理される有限の遊技期間であり、例えば、最大5ゲームの間、滞在可能である。
ATへの移行抽選の当選確率は、各ゲームの内部抽選処理において当選した当選役に応じて設定されおり、例えば、ボーナス役の当選時が100%、レア役の当選時が100%、レア役以外の当選時が10%のように当選確率が設定されている。なお、ATへの移行抽選の当選確率は、各当選役の一部又は全部について上記以外としてもよい。
そして、ATへの移行抽選の当選結果の報知は、CZの最終ゲーム(5ゲーム目)に行われ、当選が報知された場合には、主制御部10は、CZからATに移行するように制御する(図7の矢印e)。
一方、非当選が報知された場合には、主制御部10は、CZから通常状態へ移行するように制御する(図7の矢印b)。この場合、通常状態の確率状態は、低確率状態に制御される。
さらに、CZ中にボーナス役に当選した場合には、当該ボーナスの終了後、ATに移行するようになっている(図7の矢印i)。なお、これに限らず、CZ中にボーナス役に当選した場合に、CZを一旦中断し、当該ボーナスの終了後、中断したCZの状態から復帰するようにしてもよい。
ATは、押し順リプレイ(昇格リプレイ)や押し順ベルに対応する図柄の組合せを停止可能に報知(ナビゲート)する遊技状態である。そのため、この報知に従って停止ボタン5を操作することにより、メダルが払い出され、非AT中に比べて出玉スピードが速く、AT中は、遊技者にとって有利な状態である。
AT突入時は、基本的に低RT状態(RT1)であり、その後、AT中に、RT2昇格リプレイ又はRT3昇格リプレイに当選した場合、これに対応する押し順が報知されるため、高RT状態(RT2、3)に移行(昇格)する。
さらに、AT中の高RT状態(RT2、3)においては、押し順ベル1~6に当選した場合、押し順の報知に従った操作を遊技者が停止ボタン5に対して行うことで、「ベルこぼし目」が停止しないことから、RT1への移行(転落)が回避される。
ATは、主制御部10において、ゲーム数により管理されており、所定のゲーム数を1セットとするセットAT(特定遊技)ごとに、次のセットを継続するか否かを決定する「セット継続型」のATである。
セットATは、最大で10セット(最大継続セット数)まで継続可能である。
セットAT間は、所定ゲーム数(例えば、10ゲーム)の間、継続するインターバルATが実行される。
セットATが、最大継続セット数まで継続した場合には、10セット目終了後に、特典として、所定ゲーム数の間、滞在可能なエンディングAT(第3遊技状態)が付与される場合がある。
詳細は後述するが、エンディングATのゲーム数(以下、エンディングゲーム数という)は、1セット目~10セット目のセットATの実行ゲーム数の合計(以下、AT継続ゲーム数という)に基づいて決定される。
また、エンディングAT中は、エンディング演出が表示器8において実行される。
セットATでは、決定されたATゲーム数が、RT2又はRT3に移行してから減算が開始され、後述する例外(後述のAT2)を除いて、決定されたATゲーム数を消化するまで継続する。
そして、ATゲーム数を消化した際に、次セットのセットATに移行しない(継続しない)ことが確定している場合には、主制御部10は、ATを終了し通常状態に移行するように制御する(図7の矢印g)。
当該ボーナスの終了後、ATは中断した時点から再開する(図7の矢印i)。
なお、これに限らず、当該ボーナスの終了後、ボーナス当選時に実行していたATの最初から(1ゲーム目)から再開するようにしてもよく、又は、インターバルATから開始してもよい。
AT中にボーナス役に当選した場合の制御は、セットAT、インターバルAT、エンディングATの一部又は全部において、同様に制御される。
AT1とAT2は、CZにおいて、ATへの移行抽選に当選した際に、所定の確率で何れかに移行する。例えば、70%の確率でAT1が選択され、30%の確率でAT2が選択される。
なお、AT1とAT2の詳細は、後述する。
ボーナスは、連続して共通ベルに入賞することから、メダルの増加が見込める遊技者に有利な遊技状態である。
ボーナスは、ボーナス役に対応する図柄の組合せの停止により突入(入賞)し、所定の払出枚数を超えた時点で終了する。例えば、ボーナス中に、払い出されたメダル数が所定数(例えば、200枚)を超えた場合、主制御部10は、ボーナスを終了して、通常状態やATに移行するように制御する(図7の矢印d、i)。
また、ボーナス中は、主制御部10から副制御部20に対して、ボーナスに関するコマンドが送信され、副制御部20により、表示器8においてボーナスに関する各種演出が行われる。
なお、通常状態から移行したボーナスでは、ATへの移行抽選処理を行うようにしてもよい。
以上のようにスロットマシン1において遊技状態の移行が行われる。
以下、AT1とAT2の遊技性について、順に説明する。
AT1では、セットAT中に、次セットへ移行するか否か、つまり、セットATを継続(連チャン)するか否かを決定するための「セット継続抽選処理」が実行される。
セット継続抽選に当選した場合には、実行中のセットATのATゲーム数を消化した後に、インターバルATを消化すると、次セットのセットATが開始される。
このように、セットAT中に実行されるセット継続抽選に繰り返し当選することで、最大継続セット数(10セット)までセットATが継続可能になっている。
セット継続抽選の当選期待度は、実行中のセットATのATゲーム数と、内部抽選処理において当選した当選役に応じて設定されている。
具体的には、ATゲーム数が短いほど、当選期待度が高く設定されており、また、内部抽選処理において非レア役に当選するよりもレア役に当選した方が、当選期待度が高く設定されている(図12参照)。
また、「50ゲーム」が選択されている場合には、レア役の当選で1/2の確率で当選し、非レア役の当選で1/100の確率で当選するように設定されている。
また、「100ゲーム」が選択されている場合には、レア役の当選で1/10の確率で当選し、非レア役の当選で1/300の確率で当選するように設定されている。
セット継続抽選に当選した場合には、当選したゲームで当選した旨を報知してもよく、セットATの最終ゲームで報知するようにしてもよい。なお、セットATの最終ゲームで報知する場合には、最終ゲームに到達するまでの間、セット継続抽選に当選したか否かに応じて演出を行うことで、遊技者に対して期待感を高めるようにしてもよい。
具体的には、1セット目のセットATに係るATゲーム数は、AT突入時に抽選により決定され、2セット目以降のATゲーム数は、各セットAT終了後に移行するインターバルAT中に抽選により決定される。
例えば、25/256の確率で「30ゲーム」が当選し、103/256の確率で「50ゲーム」が当選し、128/256の確率で「100ゲーム」が当選するように設定されている(図11参照)。なお、選択されるATゲーム数は、これらに限らず、任意に設定することができる。
具体的には、最終セット(10セット目)を消化したときに、1セット目~10セット目までのセットATにおいて実行されたゲーム数の合計である「AT継続ゲーム数」に基づいて、エンディングATへの移行権利を付与するか否かを決定する。
図17(a)は、10セット全てのセットATにおいて、ATゲーム数として「100ゲーム」が選択された場合を示している。
したがって、最終セット(10セット目)を消化したときには、AT継続ゲーム数(継続期間)は「1000ゲーム」、短縮ゲーム数(非継続期間)は「0ゲーム」となる。
短縮ゲーム数(非継続期間)とは、セットATが継続して10セット実行された場合の、最大のゲーム数である最大継続ゲーム数(最大継続期間)から、AT継続ゲーム数(継続期間)を除いた(減算した)ゲーム数である。
すなわち、短縮ゲーム数は、最大継続ゲーム数(1000ゲーム=10セット×100ゲーム)に対して、実行した10セットのセットATにおいて、どの位のゲーム数が短縮されたかを示している。
したがって、最終セット(10セット目)を消化したときには、AT継続ゲーム数は「850ゲーム」、短縮ゲーム数は「150ゲーム」となる。
図17(c)は、10セットのうち1セットが「100ゲーム」が選択され、4セットが「50ゲーム」が選択され、5セットが「30ゲーム」が選択された場合を示している。
したがって、最終セット(10セット目)を消化したときには、AT継続ゲーム数は「450ゲーム」、短縮ゲーム数は「550ゲーム」となる。
図17(d)は、10セットのうち3セットが「50ゲーム」が選択され、7セットが「30ゲーム」が選択された場合を示している。
したがって、最終セット(10セット目)を消化したときには、AT継続ゲーム数は「360ゲーム」、短縮ゲーム数は「640ゲーム」となる。
具体的には、AT継続ゲーム数が、特定期間内である場合には、「0ゲーム」を含まない複数のゲーム数の中から、エンディングゲーム数を抽選により決定する。
一方、AT継続ゲーム数が、特定期間内ではない場合には、「0ゲーム」を含む複数のゲーム数の中から、エンディングゲーム数を抽選により決定する。
ここで、特定期間は、任意のゲーム数からなる遊技期間を設定することができるが、以降の説明では「900ゲーム以下」としてある。
例えば、51/256の確率で「0ゲーム」が当選し、200/256の確率で「50ゲーム」が当選し、5/256の確率で「100ゲーム」が当選するように設定されている(図13参照)。
例えば、128/256の確率で「50ゲーム」が当選し、112/256の確率で「100ゲーム」が当選し、10/256の確率で「300ゲーム」が当選し、6/256の確率で「有利区間終了まで」が当選するように設定されている(図13参照)。
例えば、84/256の確率で「100ゲーム」が当選し、128/256の確率で「300ゲーム」が当選し、44/256の確率で「有利区間終了まで」が当選するように設定されている(図13参照)。
例えば、128/256の確率で「300ゲーム」が当選し、128/256の確率で「有利区間終了まで」が当選するように設定されている(図13参照)。
図18は、主制御部10が行う「特典付与制御処理」を示すフローチャートである。
まず、主制御部10は、最大継続セット数(10セット)のセットATを消化したか否かの判定を行う(S1)。
最大継続セット数のセットATを消化していないと判定した場合には(S1:No)、処理を終了し、最大継続セット数のセットATを消化したと判定した場合には(S1:Yes)、最終セット(10セット目)のセットAT中に、セット継続抽選に当選したか否かの判定を行う(S2)。
セット継続抽選に当選していないと判定した場合には(S2:No)、処理を終了し、セット継続抽選に当選したと判定した場合には(S2:Yes)、主制御部10は、本発明に係る継続期間特定手段として動作することで、最終セット(10セット目)を消化したときのAT継続ゲーム数(継続期間)を特定する(S3)。
判定の結果、AT継続ゲーム数が、特定期間内であると判定した場合には(S4:Yes)、主制御部10は、遊技期間決定手段として動作することで、「0ゲーム」を除く複数のゲーム数の中から、エンディングゲーム数を抽選により決定する(S5)。
そして、主制御部10は、本発明に係る付与手段として動作することで、特典(エンディングATへの移行権利)を付与する(S8)。
次いで、決定したエンディングゲーム数が、「0ゲーム」であるか否かの判定を行う(S7)。
エンディングゲーム数が「0ゲーム」であると判定した場合には(S7:Yes)、処理を終了し、エンディングゲーム数が「0ゲーム」ではないと判定した場合には(S7:No)、特典(エンディングATへの移行権利)を付与する(S8)。
そして、主制御部10は、本発明に係る遊技状態制御手段として動作することで、特典(エンディングATへの移行権利)が付与されている場合には、エンディングATに移行するように制御する。
上記の説明では、最終セット(10セット目)を消化したときの「AT継続ゲーム数」に基づいて特典を付与する場合で説明したが、これに限らず、「AT継続ゲーム数」に代えて「短縮ゲーム数」に基づいて特典を付与することもできる。
すなわち、最終セット(10セット目)を消化したときの「短縮ゲーム数」が、特定期間内であるか否かを判定し、特定期間内である場合には、特典(エンディングATへの移行権利)を付与する。
この場合、特定期間は、「100ゲーム以上」と設定することができる。
例えば、図13に示すように、最終セット(10セット目)を消化したときの短縮ゲーム数が「0ゲーム~99ゲーム」の場合には、エンディングゲーム数として「0ゲーム」、「50ゲーム」、「100ゲーム」のうち何れかが選択される。
また、短縮ゲーム数が「100ゲーム~499ゲーム」の場合には、エンディングゲーム数として「50ゲーム」、「100ゲーム」、「300ゲーム」、「有利区間終了まで」のうち何れかが選択される。
また、短縮ゲーム数が「500ゲーム~599ゲーム」の場合には、エンディングゲーム数として「100ゲーム」、「300ゲーム」、「有利区間終了まで」のうち何れかが選択される。
また、短縮ゲーム数が「600ゲーム~700ゲーム」の場合には、エンディングゲーム数として「300ゲーム」又は「有利区間終了まで」の何れかが選択される。
また、短縮ゲーム数が短いほど、エンディングゲーム数は、少ないゲーム数が選択される確率が高くなり、短縮ゲーム数が長いほど、エンディングゲーム数は、長いゲーム数が選択される確率が高くなる。
このように、各セットATにおいて短縮されたATゲーム数が長いほど、大きい特典(長いエンディングゲーム数)が付与されるため、遊技者の喪失感を低減させることができる。
また、各セットATの1セットあたりのATゲーム数が少ない場合には、最終セット(10セット目)を消化したときの実行ゲーム数(AT継続ゲーム数)が、最大継続ゲーム数(1000ゲーム)よりも短縮され、かつ、有利区間のゲーム数の上限(1500ゲーム)までの遊技期間を残した状態でATが終了することになる。
そこで、最終セット(10セット目)を消化したときのAT継続ゲーム数又は短縮ゲーム数に基づいて、特典(エンディングATへの移行権利)を付与するため、遊技者に各セットATのATゲーム数の短縮により感じる喪失感を低減させることができる。
AT2は、AT1と同様に構成されており(図8参照)、AT2におけるセットATのATゲーム数は、AT1と同様のタイミングで抽選により決定されるものの、AT1とは決定されるゲーム数が異なる。
具体的には、「50ゲーム」、「80ゲーム」及び「100ゲーム」のうち何れかのゲーム数が選択され、25/256の確率で「50ゲーム」が当選し、25/256の確率で「80ゲーム」が当選し、206/256の確率で「100ゲーム」が当選するように設定されている(図14参照)。
すなわち、AT2では、AT1と比較して、長いATゲーム数が選択され易いように設定されている。なお、選択されるセットATのATゲーム数は、これらに限らず、任意に設定することができる。
ただし、AT2は、「セットAT中にセット継続抽選処理を行わない」点で、AT1とは異なっている。
そのため、AT2では、セットATの継続の成否は、次のような方法で行われる。
「所定の終了条件」とは、セットATの開始時に付与される「カウント値(HP:ヒットポイント)」が、「0」に達することを条件としている。
このカウント値(以下、HPという)は、セットATの開始時に、初期値として、例えば「5」が付与される。また、HPは、セットAT中に、後述するHPの減算条件が成立した場合に、減少するようになっている。
そのため、セットAT中に、ATゲーム数を消化する前に、HPが「0」に達する場合があり、その場合には、セットATのATゲーム数が残存しているにもかかわらず、AT2が終了する(通常状態へ移行する)ようになっている。
一方、セットAT中に、ATゲーム数を消化したときに、HPが「1」以上残存する場合には、次セットの継続が確定するようになっている。
このように、AT2では、セットATの継続の成否を、ATゲーム数とHPの残数に基づいて決定するようになっている。そのため、セットATのATゲーム数を消化する前に、AT2が終了する場合があるといった遊技性を有している。
なお、上記の「所定の終了条件」は、一例であり、他の条件を設けてもよい。
また、HPの加算条件は、前述したようにセットATが開始する場合を条件としており、セットATのATゲーム数を消化したときに、HPが「4」以下の場合には、HPが初期値の「5」に加算(回復)される。
また、セットATのATゲーム数を消化したときに、HPが「6」以上の場合には、次セットの継続が確定するとともに、その「6」以上のHPを、次セットに引き継ぐようになっている。
また、後述するアイテム(キノコ)の使用により、HPが1加算(回復)される。
このように、AT2では、セットAT中に増減するカウント値(HP)を有しており、HPが残存する間は、セットATに滞在し、セットATのATゲーム数を消化したときに、HPが残存している場合には、セットATが継続(連チャン)する。
(アイテム)
アイテムは、セットATが継続するように、セットAT中の遊技を有利に進行させることができるものであり、それぞれ独自の特徴を備える複数のアイテムが存在する。
アイテムは、例えば、インターバルATの最終ゲーム(10ゲーム目)において、主制御部10が行う「アイテム獲得抽選処理」で獲得することができる。すなわち、次セットのセットAT開始前に、当該セットATを有利に進行させるためのアイテムが付与される。
「メガネ」は、セットAT中に「RT3昇格リプレイ」に当選したときに、RT3昇格リプレイに対応する図柄の組合せが停止可能な正解の押し順を報知するアイテムである。
「ハネ」は、セットAT中のATゲーム数を短縮するアイテムであり、セットATにおいて1ゲーム遊技することで、ATゲーム数を3減少するアイテムである。
「スター」は、セットATの10ゲームの間、HPの減算が行われない状態に制御するアイテムである。
「キノコ」は、HPを1加算(回復)するアイテムである。
各アイテムの当選確率は、例えば、88/256の確率で「メガネ」が当選し、56/256の確率で「キノコ」が当選し、56/256の確率で「ハネ」が当選し、56/256の確率で「スター」が当選するように設定されている(図16参照)。
また、アイテムは、1回の当選につき、複数個付与される場合もある(例えば、「ハネ」×5個)。
例えば、「キノコ」は、インターバルATの最終ゲーム(アイテム獲得の直後)に使用され、それ以外のアイテムは、セットATの開始直後(1ゲーム目)に使用される。
例えば、1個の「キノコ」が使用されることにより、前回セットATのATゲーム数を消化したときに、HPが「4」以下の場合には、HPが初期値の「5」に加算(回復)された後に、さらにHPに1加算される。また、前回セットATのATゲーム数を消化したときに、HPが「6」以上の場合には、当該「6」以上のHPに、さらに1加算される。このように、HPが加算されるため、セットATが継続する期待度が高まる。
また、「スター」が使用されることにより、HPの減算が停止されるため、HPの減少が回避されて、セットATが継続する期待度が高まる。
また、「メガネ」が使用されることにより、セットAT中に「RT3昇格リプレイ」の正解の押し順が報知されるため、HPの減算条件が成立せず、HPの減少が回避されて、セットATが継続する期待度が高まる。
また、「ハネ」が使用されることにより、セットAT中のATゲーム数が短縮されるため、セットATが継続する期待度が高まる。
例えば、「キノコ」が使用される場合は、保有している個数分だけHPが一度に加算(回復)される。また、それ以外のアイテムの場合は、1個目が使用された後、アイテムの効力が無くなると、2個目が自動的に続けて使用され、保有している個数分繰り返し使用される。
なお、これに限らず、使用されるアイテムの個数に上限を設けてもよく、さらに、アイテムごとに上限を設定してもよい。
また、セットATのATゲーム数を消化した際に、アイテムが全て消化(使用)しきれずに残っている場合には、次セットにアイテムを持ち越すことができるようになっている。
なお、アイテムは、AT2が終了したときに、消滅するようになっている。
セットATの開始時に使用されるアイテム(「メガネ」、「ハネ」、「スター」)の優先順位は、例えば、「スター」>「メガネ」の関係性を有しており、「ハネ」は、「スター」又は「メガネ」と併用することができる。
この優先順位に従って、2つ以下の種類のアイテムが、使用可能になっている。
すなわち、「スター」と「ハネ」を使用する場合、「メガネ」と「ハネ」を使用する場合、「スター」のみを使用する場合、「メガネ」のみを使用する場合、「ハネ」のみを使用する場合、何も使用しない場合がある。
この場合、セットATの開始時から10ゲームの間は、「スター」の効力によりHPが減算されない状態に制御されるとともに、当該10ゲームの遊技において、「ハネ」の効力により当該セットATのATゲーム数が30ゲーム消化される(短縮される)ことになる。
チケットは、セットAT中に獲得可能であり、ベル役やレア役の当選を契機に抽選が行われ、当該抽選に当選した場合、1枚のチケット(アイテム獲得抽選権利)が付与される。
具体的には、押し順ベルの当選で10/256の確率で当選し、レア役の当選で128/256の確率で当選するように設定されている(図15参照)。
また、当選役に応じて獲得可能なチケットの枚数を異ならせてもよく、例えば、当選確率が低い強スイカの場合には、5枚獲得可能とし、ベル役の場合には1枚獲得可能としてもよい。
また、「アイテム獲得抽選処理」が実行される際に、チケットを保有していない場合には、1枚のチケットが付与されるようになっている。すなわち、必ず1つ以上のアイテムを獲得することができる。
例えば、金チケット、銀チケット、銅チケットを設け、金チケット>銀チケット>銅チケットの関係性に基づいて、「アイテム獲得抽選処理」において獲得可能なアイテムの数や、アイテムの種類を対応付けてもよい。
復帰抽選の当選確率は、内部抽選処理において当選した当選役に応じて異ならせてもよく、上述したチケットの種類(金チケット、銀チケット、銅チケット)に応じて異ならせてもよい。
復帰抽選に当選した場合には、例えば、HPに「3」が付与されて、終了前のセットATに復帰する。
本実施形態におけるスロットマシン1では、主制御部10及び副制御部20の制御により、表示器8において、以下のようなAT2に関する表示が行われる。
AT2中は、図19に示すように、HP表示領域81、獲得チケット表示領域82、獲得アイテム表示領域83、使用中アイテム表示領域84、マップ表示領域85等が、表示器8において表示される。
獲得チケット表示領域82には、現在保有するチケットの数が表示される。
獲得アイテム表示領域83には、現在保有するアイテムの種類と数が表示される。
使用中アイテム表示領域84には、現在使用中のアイテムが表示される。
マップ表示領域85には、マップが表示され、マップ上ではセットATの遊技の進行に対応した表示が行われる。
HP表示領域81に表示されるハート画像が残存している間に、移動体が「GOAL」マスに到達すること(セットATのATゲーム数を消化すること)ができれば、次セットへの継続が確定する。
また、マップは、各セットATの開始時に複数のマップの中から選択される。マップごとに、マスの数、マスの種類、「RT3昇格リプレイ」の正解の押し順の報知回数等が異なる。そのため、マップごとに、セットATの継続期待度が異なるようになっている。
空白のマスは、何らかの演出が起こる可能性があるマスである。
イベントマスは、マスの中のアイコンで示す演出(イベント)が行われるマスであり、例えば、5ゲームの間、イベント演出が実行される。
例えば、バトルマスは、敵キャラクタとのバトル演出が行われ、敵キャラクタを倒すとチケットやアイテムが獲得できる。
また、!マスは、チケット又はアイテムの獲得をかけた演出が行われるマスであり、内部抽選処理において当選した当選役に応じてチケット又はアイテムの獲得抽選が行われる。
このように、マップ上に配置されているマスが見えているので、遊技者は、あと何ゲームでイベントマス等にたどり着くかを把握することができる。
さらに、アイテムを使用した遊技により、セットAT中の遊技を有利に進行させることで、セットATの継続期待度を高めることができ、興趣を高めることができる。
また、AT2では、各セットATの1セットあたりのATゲーム数が少ない場合、セットAT中にアイテム(ハネ)を使用した場合、AT中にボーナスに当選した場合には、AT1と同様に、最終セット(10セット目)を消化したときのAT継続ゲーム数が、最大継続ゲーム数(最大継続期間)よりも短縮されるものの、AT継続ゲーム数又は短縮ゲーム数に応じて特典(エンディングATへの移行権利)を付与するため、遊技者に各セットATのATゲーム数の短縮により感じる喪失感を低減させることができる。
本実施形態のAT(AT1とAT2)は、次に示すような変形例とすることもできる。
上記の説明では、セットATの最終セット(10セット目)を消化したときのAT継続ゲーム数が、最大継続ゲーム数(最大継続期間)よりも短縮されることによる特典として、「エンディングATへの移行権利」を付与する場合で説明したが、これに限らず、例えば、ボーナス当選又は有利区間のリミッタ到達まで継続が確定するATや、他のAT(特化ゾーン)等の、メダルの増加が見込めて、有利区間が継続する遊技状態への移行権利を付与してもよい。
例えば、タッチパネルを備えた表示器8に対して遊技者が操作することにより、保有するアイテムの中から、使用するアイテムを選択可能にしてもよい。これにより、獲得したアイテムの使用順番や、使用数を遊技者の判断に委ねることができるので、遊技者の多様なニーズに応えることができる。
例えば、所定ゲーム(例えば、10ゲーム)の間、高確率でアイテムが獲得可能な特化ゾーンに移行する「アイテム獲得特化ゾーン」アイテムや、セットAT中にHPが「0」に達した場合に、HPに「5」を加算(回復)する「全回復」アイテム等を設けてもよい
なお、「アイテム獲得特化ゾーン」アイテムが使用された特化ゾーン中に、ボーナスに当選した場合には、ボーナス終了後に特化ゾーンに復帰はしないが、特別な特典を付与するようにしてもよい(例えば、セットATが2セット継続確定、有利区間終了までエンディングATが確定等)。
例えば、以下の場合にも、アイテムを獲得することができる。なお、以下の場合には、チケットを保有していない状態であっても、アイテムを獲得することができるものとする。
(1)セットAT中のレア役当選時
セットAT中のレア役の当選を契機に、例えば、1/100の確率でアイテムを獲得することができる。獲得したアイテムは、獲得直後に使用される。
(2)イベントマスに停止した場合
イベントマスに移動体が停止した場合、イベント演出において実行されるアイテムの獲得抽選に当選した場合には、アイテムを獲得することができる。獲得したアイテムは、イベント演出の終了後に使用される。
(3)AT2から移行したボーナス中
セットAT中又はインターバルAT中に、ボーナス役に当選した場合には、当該ボーナス中において実行されるアイテムの獲得抽選に当選した場合には、アイテムを獲得することができる。獲得したアイテムは、ボーナス終了後、ATに復帰したときに使用される。
例えば、チケットを10枚以上保有している場合には、特典として、特殊アイテム(「アイテム獲得特化ゾーン」アイテム)を付与してもよく、又は、特殊アイテムが必ず獲得可能なチケット(金チケット)を付与してもよい。
例えば、上記のように、エンディングゲーム数は、「50ゲーム」、「100ゲーム」、「300ゲーム」、「有利区間終了まで」が選択可能に設けられているが、各規定回数に到達するごとに、エンディング演出中にエンディングATが継続するか否かを示す煽り演出を実行してもよい。
また、エンディング演出に演出モード(例えば、演出モードA~C)を設け、滞在する演出モードに応じて、エンディングATの継続の期待度が異なる演出を行うようにしてもよい。
例えば、演出モードA>演出モードB>演出モードCの関係性に基づいて、演出モードが昇格するほど、エンディングATが継続することを示唆する演出を行ってもよい。
また、例えば、エンディングAT中にボーナスに当選した場合には、演出モードの昇格抽選を行ってもよい。
また、エンディング演出では、遊技設定値を示唆する演出又は遊技設定値を出力する演出を実行してもよい。
また、各セットATのATゲーム数として少ないゲーム数が決定された場合には、最大継続セット数(10セット)を消化したときのAT継続ゲーム数が、最大継続ゲーム数(最大継続期間)よりも短縮されるものの、AT継続ゲーム数又は短縮ゲーム数に基づいて、特典(エンディングATへの移行権利)を付与し、ATの遊技期間を延長することで、遊技者に各セットATのATゲーム数が短縮することにより感じる喪失感を低減させることができる。
一方、特許文献1には、1セット30ゲームのATを、6セットを上限に実行する遊技機が開示されている。
しかしながら、この遊技機では、セット数の上限(6セット)までATを実行した場合、実行ゲーム数が、必ず、180ゲーム(30ゲーム×6セット)になるため、最終セット(6セット目)を消化したときの実行ゲーム数に意外性がなく、遊技が単調となり、遊技の興趣の低下を招く虞があった。
このように、本実施形態のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべきこのような課題の全部又は一部などを解決することができる。
例えば、RT機に本発明を適用してもよい。すなわち、押し順ベルを非搭載としてもよい。
また、AT機に本発明を適用してもよい。すなわち、RTを非搭載とし、ATだけでもよい。
また、ボーナスとして、レギュラーボーナスやビッグボーナスを設けてもよい。また、これらのいずれか一つだけでもよく、又は、いずれも設けなくてもよい。ボーナスを設けない場合には、RTの種類をもう一つ設け、当該RTを擬似ボーナスとし、擬似ボーナスにボーナスの機能を設けてもよい。
また、RT0~RT4を、全て無限RTとしたが、一部又は全てを有限RTにしてもよい。
また、RTの種類に応じて、リプレイ役の当選確率が設定されているが、リプレイ役の当選確率はこの数値に限られるものではない。ただし、RT2、3については、他のRTよりもリプレイ役の当選確率が高いことが好ましい。
また、反対に、副制御部20が表示器8等において演出を実行する演出実行手段などの各種手段としての動作を行ったが、主制御部10がその一部又は全部を行い、主制御部10が各種手段として動作することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
8 表示器
10 主制御部(遊技状態制御手段、継続期間特定手段、判定手段、付与手段、遊技期間決定手段、遊技回数決定手段)
20 副制御部
Claims (5)
- 第1遊技状態と、当該第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態と、当該第1遊技状態よりも有利な第3遊技状態と、を含む複数の遊技状態のうち、何れかの遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段と、
前記第2遊技状態及び前記第3遊技状態において、有利区間に制御可能な区間制御手段と、
前記有利区間における継続期間を特定可能な有利区間継続期間特定手段と、
前記第2遊技状態に継続して制御されている継続期間を特定可能な継続期間特定手段と、
前記継続期間特定手段により特定された継続期間に関する判定を実行可能な判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、前記第3遊技状態の継続期間を決定可能な遊技期間決定手段と、
を備え、
前記区間制御手段は、
前記有利区間継続期間特定手段により、前記有利区間が所定期間継続したことを特定された場合、当該有利区間を終了させる制御を実行し、
前記遊技期間決定手段は、
予め定められた継続期間としての第1継続期間と、前記所定期間が経過するまでの継続期間としての第2継続期間と、を決定可能であり、
前記遊技状態制御手段は、
前記第2遊技状態の終了条件が成立した場合、前記遊技期間決定手段により決定された継続期間の間、前記第3遊技状態に制御することが可能であり、
前記第3遊技状態が前記遊技期間決定手段により決定された継続期間の間制御された場合、前記第1遊技状態に制御する
ことを特徴とする遊技機。 - 前記第3遊技状態において、遊技設定値に関する演出を実行可能な演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記第2遊技状態において、前記有利区間継続期間特定手段により、前記有利区間が前記所定期間継続したことを特定された場合、遊技設定値に関する演出を実行可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 前記遊技期間決定手段は、
前記継続期間特定手段により特定された継続期間が特別期間である場合、第3継続期間を決定することが可能であり、
前記継続期間特定手段により特定された継続期間が特別期間よりも短い特定期間である場合、前記第3継続期間を決定せず、
前記遊技状態制御手段は、
前記遊技期間決定手段により前記第3継続期間が決定された場合、前記第3遊技状態に制御しない
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。 - 前記遊技期間決定手段により決定された継続期間に基づいて、演出モードを決定可能な演出モード決定手段と、
前記第3遊技状態において、前記演出モード決定手段により決定された演出モードに制御可能な演出モード制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の遊技機。 - 前記第1遊技状態は、
特定役が当選した場合、停止操作に関する特定情報を報知不能な非AT状態であり、
前記第2遊技状態及び第3遊技状態は、
前記特定役が当選した場合、前記特定情報を報知可能なAT状態である
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の遊技機。
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