JP7151402B2 - 自動車用のセンサシステム - Google Patents

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Description

本明細書が開示する技術は、自動車に搭載されるセンサシステムに関する。特に、センサ素子の温度を推定するセンサシステムに関する。
センサ素子は、温度の影響を受けることが多い。特許文献1に、センサ素子の温度の影響を低減する技術の一例が開示されている。特許文献1には、電流を計測するセンサユニットが開示されている。そのセンサユニットは、流れる電流に起因して導体の周囲に生じる磁束を計測するセンサ素子と、センサ素子が収容されるパッケージ内の温度を計測する温度センサと、計測された温度に基づいてセンサ素子の出力を補正する補正部を備えている。センサ素子はホール素子あるいは磁気抵抗効果素子(MR素子)であり、センサユニットは、センサ素子の計測値に基づいて導体を流れる電流を出力する。
特開2017-108611号公報
ハートウエアの制約、あるいは、コスト上の制約から、センサ素子の近傍に温度センサを設けることができない場合がある。そのような場合は、代替手段を使ってセンサ素子の温度を推定することが行われる。センサ素子が自動車に搭載される場合、センサ素子の温度は、車両のメインスイッチが前回にオンからオフに切り替えられたときからの経過時間に依存する。本明細書は、車両のメインスイッチがオンからオフに切り替えられてから再びオンに切り替えられたときのセンサ素子の温度を推定する技術を提供する。
本明細書が開示する自動車用のセンサシステムは、センサ素子、第1、第2記憶手段、タイマ、センサコントローラを備えている。第1記憶手段は、車両のメインスイッチがオンからオフに切り替えられたときのセンサ素子の推定温度である前回推定温度を記憶する。タイマは、メインスイッチがオンからオフに切り替えられてから再びオンに切り替えられるまでの経過時間を計測する。第2記憶手段は、様々な経過時間に対応したセンサ素子の温度減衰率を記憶している。センサコントローラは、メインスイッチが再びオンに切り替えられたとき、センサ素子の周囲温度と前回推定温度の差に経過時間に対応した温度減衰率を乗じた値を前回推定温度から減じた値をメインスイッチが再びオンに切り替えられたときのセンサ素子の初期推定温度とする。
上記のハードウエアとアルゴリズムにより、メインスイッチがオンされたときのセンサ素子の温度を的確に推定することができる。なお、第1記憶手段、第2記憶手段は、便宜上の分けているだけであり、同一の記憶手段が第1記憶手段と第2記憶手段を兼ねてもよい。
センサ素子の一例は、半導体モジュールのパワー端子に接続されているバスバに隣接配置されているホール素子である。ホール素子は、バスバを流れる電流に起因して生じる磁束を計測する。そのような場合、センサコントローラは、初期推定温度に、半導体モジュールを冷却する冷媒の温度と半導体モジュールを流れる電力に基づいて特定されるセンサ素子の温度上昇分を加算して推定温度を得る。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
実施例のセンサシステムを含む電気自動車の電力系のブロック図である。 電圧コンバータとインバータの回路図である。 電力変換器の底面図である。 電力変換器の正面図である。 端子台の内部構造を示した図である。 メインスイッチオフ後のホール素子の温度変化の一例を示すグラフである。 経過時間と温度減衰率の関係を示すマップの一例である。
図面を参照して実施例のセンサシステム10を説明する。センサシステム10は、電気自動車100に搭載されている。より詳しくは、センサシステム10は、直流電源の出力電力を走行用のモータの駆動電力に変換する電力変換器2に備えられている。センサシステム10は、電力変換器2を流れる電流を計測する電流センサである。図1に、センサシステム10を備えた電力変換器2を含む電気自動車100の電力系のブロック図を示す。電気自動車100は、車輪を駆動するための2個のモータ91a、91bを有している。
電気自動車100は、2個のモータ91a、91bのほか、直流電源13と、電力変換器2と、上位コントローラ26を備えている。直流電源13は、バッテリである。電力変換器2は、直流電源13の出力電力を、モータ91a、91bの駆動電力に変換する。モータ91a、91bは三相交流モータである。電力変換器2は、直流電源13の出力電圧を昇圧し、昇圧された電力を三相交流に変換する。センサシステム10は、電力変換器2が出力する三相交流電流を計測する。
電力変換器2は、電圧コンバータ11、インバータ12、冷却器20、モータコントローラ6、センサシステム10を備えている。電圧コンバータ11は、チョッパ型の双方向DC-DCコンバータであり、直流電源13の電圧を昇圧してインバータ12へ供給することができる。電圧コンバータ11は、モータ91a、91bが発電した回生電力を、(インバータ12で直流電力に変換した後に)、直流電源13の電圧まで降圧することもできる。
チョッパ型の電圧コンバータ11は、複数のスイッチング素子9a、9bのほか、リアクトルとコンデンサを備えている。電圧コンバータ11の回路構成は後に図2を参照して説明する。図1では、電圧コンバータ11がスイッチング素子9a、9bとホール素子5gを備えることを模式的に示してある。ホール素子5gは、センサコントローラ19、メモリ18とともにセンサシステム10を構成する。ホール素子5gがセンサ素子に相当する。センサシステム10は、リアクトル(後述)を流れる電流を計測する。また、先に述べたように、センサシステム10は、電力変換器2が出力する三相交流電流も計測する。
図中の矢印破線は信号の流れを示している。ホール素子5gの出力はモータコントローラ6の中のセンサコントローラ19に送られる。モータコントローラ6は、センサシステム10(電流センサ)の計測データに基づいてスイッチング素子9a、9bを制御する。スイッチング素子9a、9bは、モータコントローラ6からの指令により動作する。電圧コンバータ11の出力側には平滑コンデンサ16と電圧センサ8が備えられている。電圧センサ8は、電圧コンバータ11の出力電圧(インバータ12への入力電圧)を計測する。電圧センサ8の計測値は、モータコントローラ6に送られる。
インバータ12は、2セットのインバータ回路を含んでいる。それぞれのインバータ回路は、電圧コンバータ11によって昇圧された直流電力を、モータ91a、91bを駆動する交流電力に変換する。インバータ回路の構成は後に図2を参照して説明する。図1では、インバータ12がスイッチング素子9c、9dを備えることを模式的に示してある。インバータ12のスイッチング素子9c、9dも、モータコントローラ6からの指令により動作する。
インバータ12がモータ91a(91b)に供給する交流は、ホール素子5a-5c(5d-5f)とセンサコントローラ19によって計測される。ホール素子5a-5fの出力もモータコントローラ6のセンサコントローラ19へ送られる。ホール素子5a-5gとセンサコントローラ19と後述するメモリ18がセンサシステム10を構成する。なお、センサコントローラ19には、タイマ17が含まれる。タイマ17も、センサシステム10の構成要素である。センサシステム10については後に詳しく説明する。
モータコントローラ6は、上位コントローラ26から、モータ91a、91bの目標出力指令を受信する。モータコントローラ6は、受信した目標出力指令が実現されるように、各種センサの計測値に基づいて、電圧コンバータ11とインバータ12のスイッチング素子9a、9b、9c、9dをフィードバック制御する。上位コントローラ26は、アクセル開度、車速、直流電源13の残量などから、モータ91a、91bの目標出力を決定し、その指令(目標出力指令)をモータコントローラ6へ送信する。
上位コントローラ26には、車両のメインスイッチ27が接続されている。上位コントローラ26は、車両のメインスイッチ27がオフからオンに切り替えられると、様々なデバイスを初期化する。上位コントローラ26は、センサシステム10のセンサコントローラ19にも初期化指令を送る。センサシステム10の初期化については後述する。
電力変換器2は、冷却器20も備えている、冷却器20は、電圧コンバータ11のスイッチング素子9a、9bと、インバータ12のスイッチング素子9c、9d、電圧コンバータ11のリアクトル、その他のデバイスを冷却する。冷却器20は、冷媒が流れる循環路21と、ラジエータ23と、ポンプ22と、温度センサ24を備えている。循環路21は、電圧コンバータ11、インバータ12、ラジエータ23を通っている。後述するが、電圧コンバータ11のスイッチング素子9a、9bとインバータ12のスイッチング素子9c、9dは、ひとつのユニットにまとめられており、そのユニットに冷媒が送られる。ユニットには複数の冷却チューブ(後述)が含まれており、それら冷却チューブが循環路21の一部に相当する。ポンプ22が、ラジエータ23を通過した冷媒を上記した冷却チューブへ送り込む。温度センサ24は、冷却チューブへ送り込まれる前の冷媒の温度を計測する。冷媒は水あるいは不凍液である。ポンプ22は、モータコントローラ6によって制御される。モータコントローラ6は、ポンプ22を適切に制御し(即ち、冷媒の流量を制御し)、スイッチング素子9a、9b、9c、9dの過熱を防止する。電力変換器2は、外気温度を計測する温度センサ25も備えている。温度センサ25の計測データ(外気温度)もモータコントローラ6へ送られる。
図2に、電圧コンバータ11とインバータ12の回路図を示す。電圧コンバータ11は、2個のスイッチング素子9a、9bと、2個のダイオードと、リアクトル15と、フィルタコンデンサ14を備えている。2個のスイッチング素子9a、9bは、電圧コンバータ11の高電圧端正極11cと高電圧端負極11dの間に直列に接続されている。それぞれのスイッチング素子に対してダイオードが逆並列に接続されている。2個のスイッチング素子9a、9bの直列接続の中点と低電圧端正極11aの間にリアクトル15が接続されている。直列接続の中点とリアクトル15の間に、センサシステム10のホール素子5gが備えられている。ホール素子5gは、リアクトル15に流れる電流に起因して発生する磁束を計測する。ホール素子5gの出力はセンサコントローラ19に送られる(図1参照)。センサコントローラ19が、ホール素子5gの出力に基づいてリアクトル15を流れる電流を算出し、モータコントローラ6へ送る。すなわち、センサシステム10は、リアクトル15を流れる電流(電圧コンバータ11に流れる電流)を計測する。低電圧端正極11aと低電圧端負極11bの間にフィルタコンデンサ14が接続されている。低電圧端負極11bと高電圧端負極11dは直接に接続されている。2個のスイッチング素子9a、9bとダイオードを囲っている破線は、半導体モジュール3gを表している。半導体モジュール3gについては後述する。
先に述べたように、図2の電圧コンバータ11は双方向DC-DCコンバータである。図2の電圧コンバータ11は良く知られているので動作については説明を省略する。
インバータ12は、2セットのインバータ回路12a、12bを備えている。インバータ回路12aについて説明する。インバータ回路12aは、2個のスイッチング素子9c、9dの直列接続が3セット並列に接続された回路構造を有している。各スイッチング素子9c、9dにダイオードが逆並列に接続されている。破線3a-3cは、それぞれ半導体モジュールを表している。半導体モジュール3a-3cのそれぞれは、2個のスイッチング素子9c、9dの直列接続と、各スイッチング素子9c、9dに逆並列に接続されたダイオードを収容している。
3個の半導体モジュール3a-3c、すなわち、スイッチング素子9c、9dの直列接続の3セットは、正極線(正極バスバ35)と負極線(負極バスバ36)の間で並列に接続されている。3セットの直列接続のそれぞれの中点から交流が出力される。3セットの直列接続の出力、すなわち、インバータ回路12aの出力電流は、出力バスバ4a-4cとパワーケーブル(不図示)を介してモータ91aに送られる。バスバとは、大電流を伝送するのに好適な導体である。バスバは、例えば銅板で作られる。
インバータ回路12bは、インバータ回路12aと同じ構造を有している。図示は省略しているが、3個の半導体モジュール3d-3fのそれぞれに、2個のスイッチング素子9c、9dの直列接続が収容されている。それぞれのスイッチング素子9c、9dにはダイオードが逆並列に接続されている。3セットの直列接続のそれぞれの中点からモータ91bを駆動するための交流が出力される。3セットの直列接続のそれぞれの出力電流は、出力バスバ4d-4fと不図示のパワーケーブルを介してモータ91bへ送られる。
出力バスバ4aに隣接してホール素子5aが配置されている。同様に、出力バスバ4b(4c)に隣接するようにホール素子5b(5c)が配置されている。ホール素子5a(5b、5c)は、出力バスバ4a(4b、4c)を流れる電流に起因して生じる磁束を計測する。より具体的には、ホール素子5aは、通過した磁束に応じた電圧を出力する。ホール素子5aの出力(電圧)は、モータコントローラ6の中のセンサコントローラ19に送られる(図1参照)。センサコントローラ19が、ホール素子5a-5cのそれぞれの出力値に基づいて、出力バスバ4a-4cを流れる電流(すなわち三相交流)を算出する。同様に、出力バスバ4d-4fに隣接してホール素子5d-5fが配置されている。ホール素子5d-5fは、出力バスバ4d-4fを流れる電流に起因して生じる磁束に応じた電圧を出力する。ホール素子5d-5fの出力値に基づいて、センサコントローラ19が、出力バスバ4d-4fを流れる電流(三相交流)を算出する。すなわち、センサシステム10は、スイッチング素子9c、9dの出力電流を計測する。
スイッチング素子9a-9dは、電力変換用のトランジスタ(パワートランジスタ)である。スイッチング素子9a-9dは、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。
図2の3a-3gは、半導体モジュールを表している。以下では、半導体モジュール3a-3gのいずれかひとつを区別なく表すときには、半導体モジュール3と表記する。ひとつの半導体モジュール3には、2個のスイッチング素子9a、9b(あるいは9c、9d)と、それぞれのスイッチング素子に逆並列に接続されているダイオードが収容されている。半導体モジュール3の本体は樹脂パッケージであり、2個のスイッチング素子9a、9b(あるいは9c、9d)は、樹脂パッケージの内部で直列に接続されている。
次に、図3、図4を参照して電力変換器2のハードウエア構成を説明する。図3は、電力変換器2の底面図であり、図4は電力変換器2の正面図である。図3ではケース30の底を省略しており、図4では、ケース30の前板を省略している。図3、図4では、ケース30の一部を省略することで、ケース内部のデバイスレイアウトが見えるようにしてある。
スイッチング素子9a、9b(9c、9d)を収容した複数の半導体モジュール3a-3gは、複数の冷却チューブ28とともに、積層ユニット29を構成している。図3では、積層ユニット29の両端の冷却チューブに符号28を付し、残りの冷却チューブには符号を省略した。冷却チューブ28が、先に説明した冷却器20の循環路21に相当する。半導体モジュール3a-3gと冷却チューブ28は、1個ずつ交互に積層されており、半導体モジュール3a-3gのそれぞれの両側に冷却チューブ28が接している。冷却チューブ28の内部に冷媒が流れ、接している半導体モジュール3を冷却する。
それぞれの半導体モジュール3の本体から、正極端子301、負極端子302、出力端子303、および制御端子304が延びている。先に述べたように、半導体モジュール3の本体内部には、2個のスイッチング素子9a、9b(9c、9d)の直列接続が収容されている。正極端子301、負極端子302、出力端子303は、それぞれ、2個のスイッチング素子9a、9b(9c、9d)の直列接続の正極、負極、中点と接続されている。図3では、右端の半導体モジュール3gの端子にのみ、符号301、302、303を付してある。他の半導体モジュール3a-3fに対しては、端子を示す符号を省略した。
制御端子304は、半導体モジュール3の内部のスイッチング素子9a、9b(9c、9d)のゲートや、センスエミッタなどに接続されている。制御端子304の先端は、回路基板44に接続されている。回路基板44には、図1で示したモータコントローラ6が実装されている。モータコントローラ6は、制御端子304を介して半導体モジュール3の内部のスイッチング素子9a、9b(9c、9d)を制御する。
図中の+Y方向で、平滑コンデンサ16が積層ユニット29に隣接している。図中の+X方向でリアクトル15が積層ユニット29に隣接している。
半導体モジュール3a-3gの正極端子301は正極バスバ35で平滑コンデンサ16の一方の電極に接続されており、負極端子302は負極バスバ36で平滑コンデンサ16の他方の電極に接続されている。リアクトル15の一端15aが、中継バスバ37で半導体モジュール3gの出力端子303に接続されている。半導体モジュール3gの出力端子303は、電圧コンバータ11において2個のスイッチング素子9a、9bの直列接続の中点に相当する(図2参照)。
図中の座標系の-Y方向で端子台40が積層ユニット29に隣接している。半導体モジュール3a-3fの出力端子303のそれぞれには出力バスバ4a-4fのそれぞれが接続されている。端子台40の本体42は樹脂で作られている。本体42を、出力バスバ4a-4fが通過している。出力バスバ4a-4c(4d-4f)の先端は、端子台40の本体42の側面にて、パワー端子401a(401b)となっている。半導体モジュール3a-3cはインバータ回路12aを構成し、半導体モジュール3a-3cの出力端子303から三相交流が出力される。出力バスバ4a-4cの先端に相当するパワー端子401aが、不図示のパワーケーブルに接続される。そのパワーケーブルがモータ91aに接続される。半導体モジュール3d-3fはインバータ回路12bを構成し、半導体モジュール3d-3fの出力端子303から三相交流が出力される。出力バスバ4d-4fの先端に相当するパワー端子401bが、不図示の別のパワーケーブルに接続される。別のパワーケーブルがモータ91bに接続される。
端子台40の本体42の内部には、先に述べたホール素子5a-5gが埋設されている。図5に、端子台40の内部構造を示す。図5は、端子台40の本体42を仮想線で描き、本体42の内部の部品を実線で描いてある。
センサシステム10について説明する。先に述べたように、センサシステム10は、ホール素子5a-5gと、センサコントローラ19で構成される。
端子台40の本体を出力バスバ4a-4fと、中継バスバ37が通っている。図5に示すように、端子台40の本体42には、ホール素子5a―5gと、リングコア7a-7gが埋設されている。ホール素子5a-5fのそれぞれは、出力バスバ4a-4fのそれぞれに隣接するように配置されている。ホール素子5gは、中継バスバ37に隣接するように配置されている。リングコア7aは出力バスバ4aを囲んでいる。リングコア7aには切欠が設けられており、その切欠にホール素子5aが配置されている。リングコア7aは磁性体で作られている。リングコア7aは、出力バスバ4aを流れる電流が発生する磁束を集める。リングコア7aが集めた磁束がホール素子5aを貫く。ホール素子5aは、磁束の強さに応じた電圧を出力する。ホール素子5aはセンサ基板41に接続されている。センサ基板41には、ホール素子5aが出力する電圧を、出力バスバ4aを流れる電流の大きさに変換する回路(センサコントローラ19)が実装されている。センサ基板41は、メモリ18(図1参照)も実装されている。また、先に述べたように、センサコントローラ19にはタイマ17が内蔵されている。従ってタイマ17も、センサ基板41に実装されていることになる。センサ基板41とホール素子5a-5gが、センサシステム10を構成する。
ホール素子5b-5f、リングコア7b-7f、出力バスバ4b-4fについても同様である。要約すると、ホール素子5a-5fのそれぞれは、出力バスバ4a-4fのそれぞれに流れる電流に応じた電圧を出力する。同様に、ホール素子5gは、中継バスバ37を流れる電流に応じた電圧を出力する。センサコントローラ19が、ホール素子5a-5gの出力値に基づいて、出力バスバ4a-4f、中継バスバ37のそれぞれに流れる電流を算出し、モータコントローラ6へ出力する。
以下、説明の便宜上、出力バスバ4a-4fのいずれか1個を示すときには出力バスバ4と表記する。出力バスバ4に対応するホール素子をホール素子5と表記する。出力バスバ4が接続されている半導体モジュールを半導体モジュール3と表記し、半導体モジュール3に収容されているスイッチング素子をスイッチング素子9と表記する。中継バスバ37とホール素子5gについての説明は省略する。また、以下では、出力バスバ4に接続されているモータ(モータ91aまたはモータ91b)をモータ91と表記する。
ホール素子5の出力は温度に依存する。従って、ホール素子5の出力は、ホール素子5の温度で補正されることが望ましい。ホール素子5の温度は、ホール素子5に温度センサを設けて計測してもよい。しかし、実施例のセンサシステム10では、モータ91に流れる電流と、半導体モジュール3(スイッチング素子9)を冷却する冷却器20の冷媒の温度を計測する温度センサ24の計測値と、電力変換器2の内部の電圧を計測する電圧センサ8の計測値から、ホール素子5の温度を推定する。モータ91に流れる電流と電圧センサ8の計測値からスイッチング素子9に加わる電力が求まる。スイッチング素子9に加わる電力の一部は熱となり、スイッチング素子9の温度を上げる。一方、冷却器20の冷媒の温度は、スイッチング素子9の温度を下げる。スイッチング素子9の熱が出力バスバ4を伝わり、ホール素子5の温度を上げる。結局、冷却器20の冷媒の温度、モータ91に流れる電流、電圧センサ8の計測値から、ホール素子5に加えられる熱量が求まり、その熱量から、ホール素子5の温度上昇分が推定される。冷却器20の冷媒の温度、モータ91に流れる電流、電圧センサ8の計測値と、ホール素子5の温度上昇分は、実験やシミュレーションなどにより予め定められており、センサコントローラ19に接続されているメモリ18に格納されている。
上記したように、冷却器20の冷媒の温度、モータ91に流れる電流、電圧センサ8の計測値から、ホール素子5の温度上昇分が得られる。ホール素子5の温度を推定するには、ホール素子5の推定温度の初期値が必要となる。ホール素子5の温度が十分に冷えると、ホール素子5の温度は周囲の温度と同じになる。周囲の温度は電力変換器2が有する温度センサ25で計測できる。従って、ホール素子5の温度が周囲の温度に同化している場合は、温度センサ25で計測した温度をホール素子5の初期推定温度として利用することができる。以下では、説明の便宜上、ホール素子5の周囲の温度を素子周囲温度と称する。素子周囲温度は、温度センサ25で計測することができる。
一方、ホール素子5は端子台40の樹脂製の本体42に埋設されており、その熱容量の時定数は短くない。従って、車両の機能が停止した後(すなわち、メインスイッチ27がオンからオフに切り替わった後)、ホール素子5の温度はゆっくり下がる。車両のメインスイッチ27がオンからオフに切り替わった後、あまり時間が経過せずに再びメインスイッチ27がオンに切り替えられたとき、ホール素子5の温度は素子周囲温度よりも高い場合がある。そのような場合、温度センサ25が計測する素子周囲温度は、ホール素子5の初期推定温度としては正確ではない。
そこで、センサシステム10では、車両のメインスイッチ27がオンからオフに切り替わった後、再びオンに切り替えられたときのホール素子5の初期温度を推定するメカニズムを備えている。
図6に、メインスイッチ27がオンからオフに切り替えられた後のホール素子5の温度変化のグラフの一例を示す。横軸は時刻tを示しており、縦軸はホール素子5の温度(素子温度T)を示している。時刻t1までは車両が走行しており、電力変換器2の負荷に応じて素子温度Tも変化する。時刻t1にメインスイッチ27がオンからオフに切り替えられる。時刻t1の直前まで素子温度Tが上昇傾向であるので、時刻t1以後、少しの間は素子温度Tも上昇する。その後、素子温度Tは緩やかなカーブを描きつつ低下し、やがて素子周囲温度Taに収束していく。
素子周囲温度Taに収束する前、時刻t2に再びメインスイッチ27がオンに切り替えられたと仮定する。時刻t2における素子温度T2が、時刻t2以降のホール素子5の推定温度の初期値(初期推定温度T2)に対応する。
センサシステム10のメモリ18には、図7に示すマップが記憶されている。図7のマップは、メインスイッチ27がオンからオフに切り替えられてからの経過時間と、素子温度の減衰率の関係を表している。図7のマップには、様々な経過時間に対応する温度減衰率が記されている。例えば、経過時間が時間t21aの場合、素子温度Tは、オフに切り替えられたときの温度T1と素子周囲温度Taの差のα1(%)だけ下がることを意味する。経過時間と温度減衰率の関係は、実験やシミュレーションによって予め求められており、メモリ18に格納されている。
図7のマップを使った初期推定温度の特定方法について述べる。センサコントローラは、メインスイッチ27がオンからオフに切り替えられたとき(図6の時刻t1)のホール素子5の推定温度T1をメモリ18に記憶する。説明の便宜上、メインスイッチ27がオンからオフに切り替えられたときの推定温度T1を前回推定温度T1と称する。先に述べたように、センサコントローラ19にはタイマ17が内蔵されている。タイマ17は、メインスイッチ27がオンからオフに切り替えられてからの経過時間t21を計測する。
メインスイッチ27がオンからオフに切り替えられた後、再びオンに切り替えられたとき(図6の時刻t2)、センサコントローラ19は、それまでの経過時間t21に対応する温度減衰率αをメモリ18に記憶されているマップ(図7のマップ)から抽出する。センサコントローラ19は、温度センサ25(図1参照)から素子周囲温度Taを取得する。センサコントローラ19は、素子周囲温度Taと前回推定温度T1の差(|Ta-T1|)に、経過時間t21に対応した温度減衰率α(t21)を乗じる。センサコントローラ19は、温度減衰率α(t21)を乗じた値を前回推定温度T1から減じる。センサコントローラ19は、それらの演算の結果をホール素子5の初期推定温度T2とする。
上記のアルゴリズムを数式にすると以下の通りである。
T2=T1-|Ta-T1|×α(t21) ・・・(数式1)
時刻t2にメインスイッチ27がオンに切り替えられたときの初期推定温度T2が得られた後、センサコントローラ19は、前述したアルゴリズムによりホール素子5の推定温度を算出する。すなわち、センサコントローラ19は、周期的に、冷却器20の冷媒の温度、モータ91に流れる電流、電圧センサ8の計測値から、ホール素子5の温度上昇分を算出する。算出された温度上昇分を、前回の推定温度に加算し、ホール素子5の最新の推定温度とする。周期的に繰り返されるこの演算の最初の「前回の推定温度」が初期推定温度T2である。
以上説明したように、センサシステム10は、車両のメインスイッチ27がオンからオフに切り替えられた後に再びオンに切り替えられたときのホール素子5(センサ素子)の初期推定温度を的確に特定することができる。
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。実施例のセンサシステム10では、温度センサ25(図1参照)が計測する外気温度をホール素子5の周囲温度として利用した。ホール素子の近くに冷却器が配置されており、その冷却器の冷媒温度を計測する温度センサを備える場合、その温度センサによって計測される冷媒温度をホール素子5の周囲温度として利用してもよい。
メモリ18には、図7のようなマップに代えて、経過時間と温度減衰率の関係を規定した数式が記憶されていてもよい。また、初期推定温度を算出する演算時間を短縮するため、経過時間と温度減衰率の関係を規定した数式から予めマップが生成され、そのマップがメモリ18に記憶されていてもよい。なお、温度減衰率は、経過時間が増えるとともに単調増加する。経過時間が所定の閾値以上では、温度減衰率は100%である。すなわち、経過時間が所定の閾値以上の場合、初期推定温度T2は素子周囲温度Taに等しくなる。
メモリ18が第1記憶手段と第2記憶手段を兼ねている。第1記憶手段と第2記憶手段は別々に備えられていてもよい。ホール素子5がセンサ素子の一例である。本明細書が開示する技術は、ホール素子以外のセンサ素子を有するセンサシステムに適用することも好適である。また、本明細書が開示する技術は、電気自動車のほか、ハイブリッド車、燃料電池車に適用することもできる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:電力変換器
3、3a-3g:半導体モジュール
4、4a-4f:出力バスバ
5、5a-5g:ホール素子
6:モータコントローラ
7a-7g:リングコア
8:電圧センサ
9、9a-9d:スイッチング素子
10:センサシステム
11:電圧コンバータ
12:インバータ
13:直流電源
14:フィルタコンデンサ
15:リアクトル
16:平滑コンデンサ
17:タイマ
18:メモリ
19:センサコントローラ
20:冷却器
24、25:温度センサ
26:上位コントローラ
27:メインスイッチ
28:冷却チューブ
40:端子台
41:センサ基板
42:本体
100:電気自動車

Claims (2)

  1. 車両に搭載されたセンサ素子の推定温度を得るセンサシステムであって、
    前記車両のメインスイッチがオンからオフに切り替えられたときの前記センサ素子の推定温度である前回推定温度(T1)を記憶する第1記憶手段と、
    前記メインスイッチがオンからオフに切り替えられてから再びオンに切り替えられるまでの経過時間(t21)を計測するタイマと、
    前記経過時間(t21)に対応した前記センサ素子の温度減衰率(α(t21))を記憶している第2記憶手段と、
    前記メインスイッチが再びオンに切り替えられたとき前記センサ素子の初期推定温度(T2)に基づいて前記推定温度を得るセンサコントローラと、
    を備えており、
    前記センサコントローラは、
    T2=T1-|Ta-T1|×α(t21)
    (ただし、Taは前記メインスイッチが再びオンに切り替えられたときの前記センサ素子の周囲温度)
    の式によって前記初期推定温度(T2)を算出する、
    自動車用のセンサシステム。
  2. 前記センサ素子は、半導体モジュールのパワー端子に接続されているバスバに隣接配置されており、前記バスバを流れる電流に起因して生じる磁束を計測する素子であり、
    前記センサコントローラは、前記初期推定温度に、前記半導体モジュールを冷却する冷媒の温度と前記半導体モジュールに流れる電流と印加される電圧から算出される電力に基づいて特定される温度上昇分を加算して前記推定温度を算出する、請求項1に記載のセンサシステム。
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